説明

反射膜積層体

【課題】Ag膜を用いて構成される反射膜積層体であって、高い初期反射率を有するとともに、耐硫化性、及び耐熱性に優れ、かつピンホールの極力少ない保護膜を備え、その結果、Ag膜のAg原子の凝集による反射率の低下が起り難い反射膜積層体を提供すること。
【解決手段】本発明の反射膜積層体は、基体上に、第1層として、純Ag膜、またはAg基合金膜を有し、前記第1層上に、第2層として、Zr、Cr、Nb、Hf、Ta、V、Ni、Mo、W、Al、及びSiよりなる群から選択される1種以上の金属の酸化物膜を有し、前記第2層の厚さが0.1〜10nmであり、前記第2層を設けたことによる反射率の低下が30%以下であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射膜積層体、及びこの反射膜積層体を備えた車両用灯具、照明器具、光学ミラーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
純Ag膜やAg基合金膜(以後、Ag膜と称する場合がある)は、膜厚70nm以上で可視光の反射率が高くなることから、ハロゲンランプやHID、LEDなどの各種光源を用いた車両用灯具などの反射膜として汎用されている。しかしながら、Ag膜のAg原子は凝集し易い性質を有しているため、凝集によりAg膜の表面が粗くなって、反射率が低下する場合がある。
【0003】
かかるAg原子の凝集の原因として、大気中の硫黄分などがAg膜表面に吸着することや、各種光源から放出される熱により反射膜が80〜200℃程度の高温環境下に曝されることなどが挙げられる。
【0004】
これまで、上記問題を解決するために、Ag膜上に保護膜を形成してAg膜を外部環境から遮蔽する技術が開発されている。例えば特許文献1には、変性シリコン樹脂で構成された保護膜がAg膜上に形成された車両用灯具が開示されている。特許文献2には、ITOなどの金属酸化物で構成された保護膜をAg膜上に有する反射膜が開示されている。特許文献3には、チタン膜またはチタン合金膜の保護膜がAg膜上に形成された反射膜が開示されている。また、特許文献4や5には、Biなどを含むAg膜に、Si、Al、Tiの金属酸化物層が形成された反射膜が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1のように保護膜を変性シリコン樹脂で構成しても、硫黄分などが樹脂中を拡散、浸透したり、高温環境下で樹脂材料が劣化する場合があった。また、特許文献2や3のように保護膜をITOなどの金属酸化物やチタン膜やチタン合金膜で構成しても、そのピンホール部分から硫黄分などが侵入する場合があった。その結果、Ag原子が凝集してAg膜表面に多数の白点や変色が生じ、反射膜の反射率や意匠性、商品性などが低下する場合があった。
【0006】
また、Ag膜上に保護膜を形成することにより、Ag膜の高い反射率が低下する場合があった。
【0007】
したがって、Ag膜の反射率の低下を保護膜で防ごうとする場合、保護膜に求められる特性としては、保護膜がAg膜の高い反射率を低下させ難いこと、保護膜自体が優れた耐硫化性、耐熱性を有していること、保護膜中を硫黄分などが拡散、浸透しないこと、およびピンホールフリーであることが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−106017号公報
【特許文献2】特開2006−98856号公報
【特許文献3】特開2008−191528号公報
【特許文献4】特開2008−233894号公報
【特許文献5】特開2009−98650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の様な状況の下でなされたものであり、本発明の目的は、Ag膜を用いて構成される反射膜積層体であって、高い初期反射率を有するとともに、耐硫化性、及び耐熱性に優れ、かつピンホールの極力少ない保護膜を備え、その結果、Ag膜のAg原子の凝集による反射率の低下が起り難い反射膜積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決し得た本発明の反射膜積層体は、基体上に、第1層として、純Ag膜、またはAg基合金膜を有し、前記第1層上に、第2層として、Zr、Cr、Nb、Hf、Ta、V、Ni、Mo、W、Al、及びSiよりなる群から選択される1種以上の金属の酸化物膜を有し、前記第2層の厚さが0.1〜10nmであり、前記第2層を設けたことによる反射率の低下が30%以下に抑えられていることを特徴とする。
【0011】
なお、本明細書において前記「基体上」あるいは「層上」とは、第1層や第2層が直上に設けられる場合や、他の膜を介在して設けられる場合も含む。
【0012】
本発明の反射膜積層体は、前記第1層の平均結晶粒径が100nm以下であることが好ましい実施態様である。また、前記第1層が、Biを0.02原子%以上含むAg基合金膜であることや、さらにGeを0.02原子%以上含むAg基合金膜であること、さらにAu、Pt、Pd、及びRhよりなる群から選択される1種以上を0.1〜5原子%含むAg基合金膜であること、さらにCu、Sn、Al、Cr、V、Mo、Ru、Ir、及びSiよりなる群から選択される1種以上を0.1原子%以上含むAg基合金膜であること、特に、Cu、Sn、及びAlよりなる群から選択される1種以上を0.1原子%以上含むAg基合金膜であることが好ましい実施態様である。
【0013】
本発明の反射膜積層体は、前記第2層として、Zr、Cr、Nb、Ta、及びNiよりなる群から選択される1種以上の金属の酸化物膜を有することや、前記第2層上に、第3層としてプラズマ重合膜または樹脂膜を有することも好ましい実施態様である。
【0014】
本発明には、前記反射膜積層体の製造方法であって、基体上に、前記第1層を形成する工程と、前記金属からなるスパッタリングターゲットを用いて前記第1層上にスパッタリングしてスパッタ薄膜を形成し、次いで、酸素を含む雰囲気中にて前記スパッタ薄膜を酸化させて、前記第2層を形成する工程とを含むことを特徴とする反射膜積層体の製造方法も包含される。
【0015】
本明細書において、「酸化させる」とは、前記スパッタ薄膜を酸素を含む雰囲気中で意図的に酸化させる場合や、単に、第1層上にスパッタ薄膜が形成された積層体を酸素を含む雰囲気中に放置することにより、結果として前記スパッタ薄膜が酸化される場合も含む。
【0016】
本発明では、所定金属の酸化物膜からなる第2層を第1層上に形成する際に、上記金属のスパッタリングターゲット(金属酸化物のスパッタリングターゲットではない)を用いてスパッタリングして薄膜を形成し、次いでこの薄膜を酸化処理しているため、金属酸化時の体積膨張によるピンホール封孔効果を得ることができる。
【0017】
本発明には、さらに、前記反射膜積層体を備えた車両用灯具、照明器具、及び光学ミラーも包含される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の反射膜積層体は、高反射率を発揮するAg膜(第1層)を、硫黄分、熱に対する耐久性を発揮する所定金属の酸化物膜(第2層)で保護するため、耐硫化性、及び耐熱性に優れている。また、第2層を設けたことによる反射率の低下が30%以下に抑えられているため、初期反射率が高い。したがって高反射率が長期間維持されるものと期待される。また、高反射率を長期間維持できることから、本発明の反射膜積層体を車両用灯具、照明器具、光学ミラーとして利用することにより、これらの耐久性の向上が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、製造例37で得られた第1層のAFM(原子間力顕微鏡)画像である。
【図2】図2は、製造例3で得られた第1層のAFM(原子間力顕微鏡)画像である。
【図3】図3は、表面を除いて十分に酸化が進んでいない金属膜から構成される第2層が積層された反射膜積層体の一例を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の反射膜積層体は、基体上に、第1層として、純Ag膜、またはAg基合金膜を有し、前記第1層上に、第2層としてZr、Cr、Nb、Hf、Ta、V、Ni、Mo、W、Al、及びSiよりなる群から選択される1種以上の金属の酸化物膜を有し、前記第2層の厚さが0.1〜10nmであり、前記第2層を設けたことによる反射率の低下が30%以下であることを特徴とする。
【0021】
本発明者らは、Ag膜を用いた反射膜積層体であって、車両用灯具や照明器具や光学ミラーなどに要求される高い反射率を有し、しかもAg膜のAg原子の凝集も防止可能な反射膜積層体を提供するために、鋭意検討してきた。その結果、第2層としてZr等の所定金属の酸化物膜をAg膜の上に形成するのが有効であることを見出した。
【0022】
本発明の反射膜積層体が高い初期反射率のみならず、優れた耐硫化性、及び耐熱性を有するメカニズムの詳細については不明であるが、以下のように推察される。
【0023】
すなわち、第2層を形成するZr等の所定金属の酸化物膜は、硫黄分が拡散、浸透し難く、また、それ自体優れた耐硫化性、耐熱性を有している。さらに、後述するように、本発明では、第2層の形成にあたり予めZr等の所定金属の金属膜を形成した後、当該金属膜を酸化させて金属酸化物膜としており、Zr等の所定金属は酸化により体積膨張するために、金属酸化物膜(第2層)にピンホールが形成されるのを抑制する効果が期待できる。
【0024】
さらに、金属酸化物膜(第2層)の上記特性のために、第2層の厚さを0.1〜10nmと薄くできることから、第2層を設けてもAg膜の高い反射率が低下するのを防ぐことができる。具体的には、第2層を設けたことによる反射率の低下(第1層のみの反射率−第2層積層後の反射膜積層体の反射率)を30%以内に抑えることができる。
【0025】
以下、本発明の反射膜積層体について詳細に説明する。
【0026】
(第1層)
まず、本発明の反射膜積層体が備えるAg膜(第1層)について説明する。本発明が備える第1層は、高反射率を発揮させるための層であり、純Ag膜、またはAg基合金膜から構成される。
【0027】
純Ag膜は膜厚70nm以上で約96%と非常に高い反射率を示す。一方で、純Ag膜は高温に曝されると熱による凝集を起こす場合がある。そこで、本発明の反射膜積層体をおよそ100℃以上となる雰囲気で使用する場合には、Ag基合金膜を第1層として用いることが好ましく、例えば、前記特許文献2〜5に記載のAg基合金膜が挙げられ、特にBiを含むAg基合金膜が好ましく用いられる。
【0028】
Biには、熱に起因するAgの結晶粒成長や凝集を抑制する作用がある。このような作用を有効に発揮させて、Ag膜の耐熱性を向上させるためには、Ag基合金膜中のBi含有率の下限を0.02原子%(より好ましくは0.03原子%、さらに好ましくは0.05原子%、特に好ましくは0.08原子%)とすることが好ましい。ただし、Bi含有率が高くなると耐熱性の向上効果は飽和する一方、反射率の低下が起こるため、Bi含有率の上限は0.3原子%(より好ましくは0.25原子%、さらに好ましくは0.2原子%)とすることが好ましい。
【0029】
かかるAg基合金膜としては、上記量のBiを含み、残部がAg及び不可避不純物からなるものが挙げられる。
【0030】
本発明の第1層として用いられるBiを含むAg基合金膜は、例えば、特許文献4や5に記載のAg基合金膜のように、Bi以外の元素をさらに含んでもよい。具体的には、さらにGeを含むAg基合金膜を用いることができる。
【0031】
GeもBiと同様、熱に起因するAgの結晶粒成長や凝集を抑制する作用がある。また、Ag基合金膜の耐硫化性を高めて、空気中に含まれる硫化水素などの硫黄分とAg基合金膜が接触した場合のAg基合金膜の変色を抑制する作用がある。このような作用を有効に発揮させるためには、Ag基合金膜中のGe含有率の下限を0.02原子%(より好ましくは0.05原子%、さらに好ましくは0.08原子%)とすることが好ましい。なお、Ge含有率の上限については1原子%(より好ましくは0.5原子%)とすることが好ましい。1原子%を超えてGeを含有させても、上記向上効果は飽和する一方、反射率の低下が起こるからである。
【0032】
かかるAg基合金膜としては、上記量のBiとGeとを含み、残部がAg及び不可避不純物からなるものが挙げられる。
【0033】
本発明の第1層として用いられるBiを含むAg基合金膜は、Geに代えて、あるいはGeとともに、さらにAu、Pt、Pd、及びRh(以下、単に「M1元素」と称する場合がある。)よりなる群から選択される1種以上を含んでもよい。M1元素のうち、好ましいのはAu、Pt、Pdであり、より好ましくはAu、Ptである。
【0034】
M1元素には、水分やハロゲン(塩分など)によるAg原子の凝集を抑制する作用がある。このような作用を有効に発揮させるためには、M1元素の含有率合計量(単独の場合は単独量であり、2種以上を含む場合は合計量である。)の下限を0.1原子%(より好ましくは0.3原子%)とすることが好ましい。また、M1元素の含有率合計量(単独量または2種以上の合計量)の上限は5原子%(より好ましくは3原子%)とすることが好ましい。M1元素の含有率合計量が0.1原子%未満では、Ag原子の凝集抑制効果(耐湿性、耐ハロゲン性向上効果)が小さく、一方、5原子%を超えると、コストの上昇、初期反射率の低下、更には耐湿性や耐ハロゲン性の低下などを招く場合がある。
【0035】
かかるAg基合金膜としては、上記量のBi及びM1元素を含むか、上記量のBi、Ge、及びM1元素を含み、残部がAg及び不可避不純物からなるものが挙げられ、本発明では後者の態様がAg膜自体に優れた耐硫化性と耐熱性を付与できることから最も好ましい。
【0036】
本発明の第1層として用いられるBiを含むAg基合金膜は、GeやM1元素に代えて、あるいはGeやM1元素とともに、さらにCu、Sn、Al、Cr、V、Mo、Ru、Ir、及びSi(以下、単に「M2元素」と称する場合がある。)よりなる群から選択される1種以上を含んでもよい。M2元素のうち、好ましいのはCu、Sn、及びAlである。
【0037】
M2元素は、Ag基合金膜の表面に濃縮するという性質を持っており、本発明にかかる反射膜積層体においては、第1層中に含まれるM2元素は、熱を受けることで、Ag基合金膜表面から第2層中に拡散濃縮し、第2層に存在するピンホールを封止することにより、反射膜積層体の耐久性、特に耐熱性が飛躍的に向上する。
このような作用を有効に発揮させるためには、M2元素の含有率合計量(単独の場合は単独量であり、2種以上を含む場合は合計量である。)の下限を0.1原子%(より好ましくは0.3原子%)とすることが望ましい。また、M2元素の含有率合計量(単独量または2種以上の合計量)の上限は5原子%(より好ましくは3原子%)とすることが好ましい。M2元素の含有率合計量が0.1原子%未満では、第2層中に濃縮するM2元素の量が少なく、第2層のピンホールを封止する効果が小さい。一方で、5原子%を超えると、コストの上昇、初期反射率の低下などを招く場合がある。
【0038】
かかるAg基合金膜としては、上記量のBi及びM2元素を含むか、上記量のBi、Ge、及びM2元素を含むか、上記量のBi、M1元素、及びM2元素を含むか、上記量のBi、Ge、M1元素、及びM2元素を含み、残部がAg及び不可避不純物からなるものが挙げられ、本発明では、上記量のBi、Ge、M1元素、及びM2元素を含み、残部がAg及び不可避不純物からなるAg基合金膜が、Ag膜自体に優れた耐硫化性と耐熱性を付与できる上に、保護膜の保護性をより高めることができることから最も好ましい。
【0039】
(平均結晶粒径)
本発明が備える第1層は、平均結晶粒径が100nm以下に制御されていることが好ましい。
【0040】
本発明では、後述するように、Zr等の所定金属の酸化による体積膨張を利用して、金属酸化物膜(第2層)にピンホールが形成されるのを抑制しようとするものである。しかしながら、上記金属の酸化による体積膨張には限界があり、かかる酸化に先だって第1層上に形成される上記金属の膜の核生成密度が低い場合には、かかる体積膨張によってもピンホールの形成を十分に抑制できない場合がある。しかしながら、第1層の平均結晶粒径を100nm以下に制御して微細かつ緻密にすることにより、上記金属の膜の核生成密度を高くすることができると推察される。その結果、上記金属の体積膨張によるピンホール封孔効果を十分に期待できる。また、ピンホール封孔効果のために、第2層の膜厚を薄膜化(0.1〜10nm)しても、十分に耐硫化性、耐熱性が向上することから、第2層を厚くする必要が無く、初期反射率の低下を抑えることができる。
【0041】
第1層の平均結晶粒径は小さいほど好ましく、90nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましく、60nm以下がさらに好ましい。第1層の平均結晶粒径が100nmを超えると、得られる反射膜積層体の耐硫化性と耐熱性が十分に向上しない場合がある。これは、第1層の結晶平均粒径が100nmを超えると、かかる第1層上に形成される金属膜(酸化前)の核生成密度が低下してしまい、当該金属膜を酸化する際の体積膨張で十分なピンホール封孔効果が得られないためであると推察される。第1層の平均結晶粒径の下限は特に限定されないが、製造コストの観点から15nmであることが好ましい。
【0042】
なお、第1層の平均結晶粒径を上記範囲に制御する方法、及びその測定方法については後述する。
【0043】
(第2層)
本発明が備える第2層は、熱、および硫黄分に対する耐久性を発揮させるための層であり、Zr、Cr、Nb、Hf、Ta、V、Ni、Mo、W、Al、及びSiよりなる群から選択される1種以上の金属の酸化物膜から構成されている点に特徴がある。
【0044】
第2層を構成する上記金属は、PB比(Pilling−Bedworth ratio:単位モル当りの金属酸化物の体積÷単位モル当りの当該金属の体積)が1より大きく、酸化する際に体積膨張を起こす金属として選択されたものであり、酸化時にピンホール形成を抑制する効果が期待できる。また、これらの金属酸化物自身に優れた耐久性があるため、第2層が劣化したり、それによりAg膜(第1層)を劣化させたりすることが少ない。また、金属膜状態のままでは第1層のAg膜の特徴である高反射率を損なうが、酸化物にすることで透明化するため、Ag膜の反射率が低下するのを防ぐことができる。第2層を構成する金属は、上記のようにPB比が1以上であることで酸化時の体積膨張によりピンホールを封孔する効果があるが、PB比が1に近いものではピンホール封孔効果が小さいため、PB比が1.3以上のものが好ましい。一方で、PB比が極端に大きいものでは酸化時の体積膨張が大きく、保護膜に亀裂が生じ易く保護性能が低下する可能性があるため、PB比が4.0以下(より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下)のものが好ましい。かかる観点から、本発明では、上記金属のうちZr、Cr、Nb、Ta、及びNiよりなる群から選択される1種以上を用いることが好ましい。
【0045】
本発明では、第2層の膜厚を0.1nm以上(好ましくは0.15nm以上、より好ましくは0.2nm以上)、10nm以下(好ましくは7nm以下、より好ましくは5nm以下)とする。第2層の膜厚が上記範囲内であれば、膜厚方向全体に亘って酸化された金属酸化物膜(第2層)を得ることができるため、第2層を透明化でき、本発明の反射膜積層体の初期反射率が低下するのを防ぐことができる。具体的には、第2層を設けたことによる反射率の低下を30%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは0.5%以下)に抑えることができる。反射率の低下が30%を超える場合には、本発明の反射膜積層体の初期反射率が低くなって、高反射率が求められる用途に本発明の反射膜積層体を用いることができなくなる場合がある。
【0046】
なお、上記第2層は、第2層の膜厚方向全体に亘って酸化が十分に進んでいることが好ましいが、第2層を設けたことによる反射率の低下を30%以下に抑える作用が発揮される限り、これに限定されない。例えば、図3に示すように、酸化が十分に進んだ(最)表面と、酸化が十分に進んでいない金属膜(金属層)とから第2層が構成されてもよい。あるいは、第2層の(最)表面から膜厚方向に亘って、金属酸化物の濃度が順に低くなっていく態様であってもよい。
【0047】
また、第2層が平均結晶粒径100nm以下の第1層上に形成される場合には、酸化によるピンホール封孔効果が十分に得られるため、第2層の膜厚を上記範囲にしても、優れた耐硫化性と耐熱性とを発揮し易くなる。
【0048】
第2層の膜厚が0.1nm未満の場合には、第2層を設けたことによる上記向上効果を十分に発揮できない場合がある。一方、第2層の膜厚が厚くなるほど、ピンホールサイズが小さくなるため、酸化物膜のピンホール封孔も可能になると考えられるが、第2層の膜厚方向全体に亘って酸化させるのが困難となって、第2層が透明化せず、本発明の反射膜積層体の初期反射率が低下する場合がある。
【0049】
(第3層)
本発明の反射膜積層体は、第2層上に、さらにプラズマ重合膜または樹脂膜を有してもよい。
【0050】
例えば、有機シリコンを用いてプラズマ重合膜を形成すれば、本発明の反射膜積層体の耐久性をより向上させることができ、高反射率をより長期間維持することが可能となる。この有機シリコンとしては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、トリエトキシシラン等が挙げられる。
【0051】
プラズマ重合膜の好ましい膜厚は5〜500nmであり、より好ましい膜厚は10〜400nmである。膜厚が薄くなるとバリア性が低下し、一方、膜厚が厚くなると膜応力が大きくなり、積層成膜した後に耐熱性試験や耐湿性試験を行ったときに割れや剥がれが生じる恐れがある。
【0052】
また、樹脂膜を形成する樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂やシリコーン樹脂等が挙げられる。樹脂層の好ましい膜厚は0.1〜20μmである。膜厚が当該範囲を外れた場合には、上記と同様の問題が生じる場合がある。
【0053】
(基体)
本発明の反射膜積層体で用いる基体の材質は、特に限定されるものではなく、Ag膜を備えた照明器具や車両用灯具などの分野に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、樹脂やガラスなどが例示される。樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)などのポリエステル樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂、アセタール樹脂、脂環式炭化水素樹脂などが例示され、これら樹脂の混合物であってもよい。
【0054】
本発明では、光源の発する熱の温度に応じて基体の材質を定めることが好ましい。例えば、光源の温度が約180℃以上の場合はガラスの使用が好ましく、約120〜180℃の場合はPETやPBTなどのポリエステル樹脂の使用が好ましく、約120℃以下の場合はポリカーボネート樹脂の使用が好ましい。
【0055】
また、JIS K7209に規定のA法(23℃の純水に24時間浸漬後、吸水量を測定する方法)により測定したときの吸水率が0.1%未満の樹脂材料を用いてもよい。このように防湿性(防水性)に優れた基体(吸水率の小さい基体)を使用すれば、基体に含まれる水分や、Ag膜が形成されていない側の基体面(裏面)から侵入してきた水分に起因して、Ag膜が凝集することを抑えることができるため、耐湿性に優れた反射膜積層体
を得ることができる。
【0056】
上記要件を満足する樹脂としては、例えば、PET樹脂(吸水率0.05%)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂(吸水率0.03%)などが挙げられる。基体の好ましい吸水率は0.08%以下であり、より好ましくは0.06%以下である。
【0057】
(反射膜積層体の特性と用途)
本発明の反射膜積層体は、Ag膜からなる第1層上に、Zr等の所定金属の酸化物膜(第2層)を有するため、第2層の膜厚を小さくしても(0.1〜10nm)ピンホール封孔効果を得ることができ、優れた耐硫化性、耐熱性、高反射率を発揮することができる。
【0058】
車両用灯具、照明器具、光学ミラーの反射膜材料として一般的に使用されている材料はAlであり、その反射率はおよそ85%である。これに対し、本発明の反射膜積層体の反射率は非常に高く、JIS R 3106に基づき、D65光源での波長範囲380〜780nmの光によって測定された可視光反射率を、おおむね93%以上に高めることができる。したがって、本発明の反射膜積層体を車両用灯具、照明器具、または光学ミラー用いれば、光源(ランプ)の消費電力を従来よりも下げても従来と同程度の明るさを確保することができる。また、複数のランプを使用する場合には、ランプの個数を減少させることができるため、光源に費やすコストを削減できる。
【0059】
ここで、車両用灯具とは、自動車や自動二輪車のヘッドランプやリアランプなどを意味する。本発明の反射膜積層体は、これらランプの反射板やエクステンションに好適に用いられる。照明器具とは、ダウンライトや蛍光灯などを意味する。照明器具には、光源にLEDや有機ELを使用した照明器具も含まれる。光学ミラーとは、カメラのフラッシュや、光の反射を利用した分析装置内のミラーなどを意味する。
【0060】
(本発明の反射膜積層体の製造方法)
本発明が備える第2層(酸化物膜)が、膜厚0.1〜10nmで十分なピンホール封孔効果を発揮できるようにするために、本発明の反射膜積層体の製造は、上記の通り、第1層(Ag膜またはAg基合金膜)上に、予めZr等の所定金属の金属膜を形成し、次いでこの金属膜を酸化することによって酸化物膜として(第2層を形成して)行うことが好ましい。その際、第1層は、その平均結晶粒径を100nm以下に制御しておくことがより好ましい。
【0061】
Zr等の金属膜形成後に酸化を行って第2層の金属酸化物膜を形成することにより、酸化時の体積膨張によるピンホール封孔効果が有効に発揮される。これに対し、前記特許文献4や5のように金属酸化物からなるスパッタリングターゲットを用いて第2層を形成した場合には、所望のピンホール封孔効果が得られない。例えば特許文献4には、本発明と組成が重複する積層体が比較例として記載されている。詳細には、Biを1.0原子%、Geを1.0原子%含有するAg基合金膜(第1層)上に、厚さ20nmのZrO2(第
2層)が形成された積層体が記載されている。ところが、かかる積層体は耐硫化性や耐熱性に劣るとされている。これは、第2層をZrO2のスパッタリングターゲットを用いて形成したため、金属酸化時の体積膨張効果が有効に発揮されなかったためと推測される。
【0062】
本発明の反射膜積層体の製造方法としては、例えば、基体上に、前記第1層を形成する工程と、前記金属からなるスパッタリングターゲットを用いて前記第1層上にスパッタリングしてスパッタ薄膜を形成し、次いで、酸素を含む雰囲気中にて前記スパッタ薄膜を酸化して、前記第2層を形成する工程とを含む製造方法が挙げられる。以下、かかる反射膜積層体の製造方法について説明する。
【0063】
第1層を構成するAg膜の形成方法としては、純AgスパッタリングターゲットまたはAg基合金スパッタリングターゲットを用い、スパッタリング法で成膜する方法が挙げられる。特に、直流カソードを用いたDCスパッタリング法によって成膜することが好ましい。本発明では、平均結晶粒径を100nm以下にするために、基体温度(成膜温度)をスパッタリングターゲットの種類に応じて適宜調整することが好ましい。例えば、スパッタリングターゲットとして純Agを用いる場合には、基体温度(成膜温度)を150℃未満(より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは常温)とすることが好ましい。
【0064】
第2層の形成にあたり、スパッタ薄膜を形成する方法としては、特に限定されず、上記金属のスパッタリングターゲットを用い、スパッタリング法で成膜する方法が挙げられる。特に、直流カソードを用いたDCスパッタリング法によって成膜することが好ましい。
【0065】
第2層の形成で用いる金属は酸化し易い元素であるため、スパッタ薄膜の酸化は、大気中で長時間保持すること(すなわち、自然酸化)によって行うことができる。この際、スパッタ薄膜の酸化に長時間を要することとなるので、酸化を促進するために、高温(150℃未満)の熱処理を施しながら保持することが好ましい。あるいは、酸素濃度が大気中よりも高い雰囲気中で保持(さらに、高温で熱処理してもよい)する方法や、半導体製造で用いられるO2プラズマ処理などによって、スパッタ薄膜の酸化を行ってもよい。なお、生産コストの観点から、大気中で熱処理して酸化するのが最も好ましい。
【0066】
第2層の上に更にプラズマ重合膜を成膜するときは、例えばヘキサメチルジシロキサンを原料として、プラズマCVD法で成膜する方法が挙げられる。
【0067】
プラズマ重合膜に代えて樹脂膜を成膜するときは、ディップやスプレー塗装する方法が挙げられる。
【実施例】
【0068】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0069】
(製造例1〜41)
基体にはポリカーボネート(PC)用い、スパッタリングターゲットには直径101.6mm×厚さ5mmの純AgもしくはAg基合金のスパッタリングターゲットを用いた。先ず、スパッタリングチャンバー内の圧力が1.3×10-3Pa以下となるように真空に引いた。次いで、スパッタリングチャンバー内にArガスを導入し、スパッタリングチャンバー内の圧力を2.6×10-1Paとなるようにし、電極にDC(直流)電力200Wを印加してプラズマを発生させ、スパッタリングターゲットをスパッタリングすることにより、第1層を成膜形成した。スパッタリングターゲットとPC基体の間の距離は80mmとし、PC基体を公転させながら形成した。なお、製造例41の成膜温度を150℃とした以外は、常温で成膜した。
【0070】
このように形成したAg基合金膜中の各種添加元素の平均含有率の測定方法は後述する。
【0071】
第2層の形成は、第1層のAg膜を成膜した後、スパッタリングチャンバーを開放することなく、スパッタリングチャンバー内の圧力を2.6×10-1Paとなるようにし、DC電力200Wで金属スパッタリングターゲットをスパッタリングし、次いで酸化することにより行った。酸化方法は大気中、12時間以上常温保持(自然酸化)とした。第1層および第2層の膜厚はスパッタリング時間を制御することにより調整した。
【0072】
下記方法により、製造例1〜41における、第1層(Ag膜)中の各種添加元素の含有率、第1層(Ag膜)の平均結晶粒径、及び反射膜積層体の可視光反射率(初期反射率)と反射率低下量を測定した。また、下記条件で耐硫化性試験、耐熱性試験を行った。
【0073】
<各種添加元素の含有率>
Ag膜中の各種添加元素の含有率は、ICP(Inductively Coupled Plasma、誘導結合プラズマ)分析法により測定して求めた。すなわち、Agおよび各種添加元素をともに溶解できる酸を用いてAg合金膜を全量溶解し、得られた溶液中のAgと各種添加元素の量をICP発光分析法あるいはICP分析法により測定し、それを100%に規格化してAg基合金膜の組成(原子%)を算出した。
【0074】
<平均結晶粒径>
Ag膜の平均結晶粒径の評価にはAFM(原子間力顕微鏡)を用いた。PC基体上に成膜したAg膜の最表面の1μm×1μm視野を観察し、取得した画像写真を用いて切断法(JIS H0501)で求めた。
【0075】
<可視光反射率(初期反射率)>
JIS R 3106に示される方法で、D65光源での波長範囲380〜780nmの光によって、第2層積層後の反射膜積層体の可視光反射率(初期反射率)を測定した。
【0076】
<反射率低下量>
JIS R 3106に示される方法で、D65光源での波長範囲380〜780nmの光によって、製造例1〜41で用いた第1層の可視光反射率(初期反射率)を測定した。その後、下記式で反射率低下量を求めた。
反射率低下量=製造例1〜41の第1層のみの可視光反射率−製造例1〜41の第2層積層後の反射膜積層体の可視光反射率
【0077】
<耐硫化性試験>
10質量%硫化アンモニウム水溶液の液面から3cmの高さに、成膜面(第2層面)が液面に対向するように、反射膜積層体を設置し、常温(25℃)で20分間曝露した。
【0078】
耐硫化性試験後の反射膜積層体について、その表面(耐硫化性試験で暴露された側の面)を光学顕微鏡で200倍に拡大して、その面の写真を撮り、同倍率で撮影したマイクロメーターの写真の寸法で0.2mm×0.2mmの領域(即ち、実寸で表面上の0.2mm×0.2mmの領域)に発生した点状の変色箇所、すなわち、酸化物膜のピンホール箇所に発生したAg膜の硫化点を数え、この発生点数により耐硫化性(硫化され難さの程度)を評価した。この発生点数が0(ゼロ)を◎、1〜3個を良(○)、4〜6個を不良(△)、7個以上を劣(×)とした。
【0079】
<耐熱性試験>
反射膜積層体を、温度130℃の恒温試験装置内に入れて1000時間保持した。
【0080】
耐熱性試験後の反射膜積層体について、JIS R 3106に示される方法で、D65光源での波長範囲380〜780nmの光における可視光反射率を測定した。耐熱試験前に、同様の方法で測定した可視光反射率(初期反射率)との差〔即ち、試験前後の反射率の差=初期反射率(%)−耐熱試験後反射率(%)〕を求め、この反射率の差により耐熱性(すなわち、熱によるAg凝集の起こり難さの程度)を評価した。この反射率の差が0.5%以下を優良(◎)、0.5%超1%以下を良(○)、1%超3%以下を不良(△)、3%超を劣(×)とした。
【0081】
【表1】

【0082】
製造例1〜34から、本発明の反射膜積層体は、第2層を設けたことによる反射率の低下が30%以下であり(すなわち、初期反射率が高い)、また、優れた耐硫化性、および耐熱性を有することがわかる。
【0083】
これに対し、製造例35や36から、第2層をSn、Geから形成すると、耐熱性が不良となることがわかる。
【0084】
第2層の組成のみが異なる製造例5、及び9〜18から、第2層がZr、Cr、Nb、Ta、及びNiから構成される方が、第2層がHf、V、Mo、W、Al、Siから構成される場合に比べて、反射膜積層体の耐硫化性に優れることがわかる。
【0085】
製造例34と37との比較から、第1層が純Ag膜の場合であって、第2層の組成、及び膜厚が本発明の範囲内にあっても、第1層の平均結晶粒径が100nm以下に制御されなければ、耐硫化性および耐熱性に優れた反射膜積層体は得られない場合があることがわかる。
【0086】
製造例38〜41から、第2層の膜厚が10nmを超える場合には、第2層を設けたことによる反射率の低下を30%以下に抑えることができず、初期反射率の悪い反射膜積層体が得られることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、Ag膜のAg原子の凝集による反射率の低下が起こり難い反射膜積層体の提供に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に、
第1層として、純Ag膜、またはAg基合金膜を有し、
前記第1層上に、第2層として、Zr、Cr、Nb、Hf、Ta、V、Ni、Mo、W、Al、及びSiよりなる群から選択される1種以上の金属の酸化物膜を有し、
前記第2層の厚さが0.1〜10nmであり、前記第2層を設けたことによる反射率の低下が30%以下であることを特徴とする反射膜積層体。
【請求項2】
前記第1層の平均結晶粒径が100nm以下である請求項1に記載の反射膜積層体。
【請求項3】
前記第1層は、Biを0.02原子%以上含むAg基合金膜である請求項1または2に記載の反射膜積層体。
【請求項4】
前記第1層が、さらにGeを0.02原子%以上含むAg基合金膜である請求項3に記載の反射膜積層体。
【請求項5】
前記第1層が、さらにAu、Pt、Pd、及びRhよりなる群から選択される1種以上を0.1〜5原子%含むAg基合金膜である請求項3または4に記載の反射膜積層体。
【請求項6】
前記第1層が、さらにCu、Sn、Al、Cr、V、Mo、Ru、Ir、及びSiよりなる群から選択される1種以上を0.1原子%以上含むAg基合金膜である請求項3から5のいずれかに記載の反射膜積層体。
【請求項7】
前記第1層が、さらにCu、Sn、及びAlよりなる群から選択される1種以上を0.1原子%以上含むAg基合金膜である請求項3から5のいずれかに記載の反射膜積層体。
【請求項8】
前記第2層として、Zr、Cr、Nb、Ta、及びNiよりなる群から選択される1種以上の金属の酸化物膜を有する請求項1から7のいずれかに記載の反射膜積層体。
【請求項9】
前記第2層上に、第3層としてプラズマ重合膜または樹脂膜を有する請求項1から8のいずれかに記載の反射膜積層体。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の反射膜積層体の製造方法であって、
基体上に、前記第1層を形成する工程と、
前記金属からなるスパッタリングターゲットを用いて前記第1層上にスパッタリングしてスパッタ薄膜を形成し、次いで、酸素を含む雰囲気中にて前記スパッタ薄膜を酸化させて、前記第2層を形成する工程と
を含むことを特徴とする反射膜積層体の製造方法。
【請求項11】
請求項1から9のいずれかに記載の反射膜積層体を備えることを特徴とする車両用灯具。
【請求項12】
請求項1から9のいずれかに記載の反射膜積層体を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項13】
請求項1から9のいずれかに記載の反射膜積層体を備えることを特徴とする光学ミラー。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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