説明

反射防止コーティングを有する基板およびその製造方法

【課題】反射防止層の耐摩耗性を改良したコーティングされた基板とそのコーティング方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一面に、多層反射防止コーティング5を有し、その多層反射防止コーティング5は、より高い屈折率を有する層51,53とより低い屈折率を有する層52,54とが交互になっている、異なる屈折率を有する複数の層から形成されており、その際、より低い屈折率を有する層52,54は、アルミニウム分を有する酸化ケイ素から形成されており、ケイ素に対するアルミニウムの物質量の比は、0.05より大きく、好ましくは0.08より大きいが、ケイ素の物質量は、アルミニウムの物質量に比べて多く、その際、より高い屈折率を有する層51,53は、ケイ化物、酸化物または窒化物を含有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、反射防止コーティングまたは反射防止コーティングを備えた担体に関する。詳細には本発明は、引っかき傷または他の損耗に対する高い耐性を有する反射防止コーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
反射防止コーティングは今日、透明基板、例えば窓ガラスの透過率を改善するか、または他方では障害となる、基板での反射を減衰するために多方面で使用されている。しかしながら基板の使用目的に応じて、反射防止コーティングは、高い損耗負荷にさらされる可能性がある。例えば、車両用窓ガラスの外側コーティングには、走行中に砂および埃の粒子が高速で衝突し、時間が経過するにつれて、コーティングを摩滅し得る。ガラスワイパーが汚れたガラスの上を動く場合にも、そのようなガラスでは特に負荷が生じる。その場合、砂および埃の粒子がガラスの上で動かされるだけでなく、同時にガラスワイパーのゴムブレードによってガラスに押しつけられる。こうしてコーティングに、長い引っかき傷が生じ得る。
【0003】
引っかき傷および他の損傷は、曇りをもたらし、したがって、反射防止コーティングの目的をまさに妨げる。さらに、運転者の視界を損ねる。
【0004】
したがって、引っかき傷および摩耗に対して高い耐性を有する反射防止コーティングが必要とされている。
【0005】
米国特許出願公開第2005/0074591A1号から、耐摩耗性反射防止コーティングを有する透明基板が公知である。その反射防止コーティングは、交互に高い屈折率および低い屈折率を有する4つの層から構成される。低屈折性層は、酸化ケイ素(SiO)からなり、高屈折性層は、窒化ケイ素(Si)または酸化スズ(SnO)からなる。
【0006】
その際、積層体(Schichtstapel)の最上層は、低屈折性層から形成されている。この場合の欠点は、低屈折性酸化ケイ素層が、高屈折性材料と比較して、特にSiと比較して、非常に軟らかいことである。したがってよりによって最上層が、依然としてすぐに損耗してしまう。最上層が摩滅されると、高屈折性層が最上層になる。このことは、反射防止作用を逆転させる。その結果、層は、むしろ誘電体ミラーのように作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0074591A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって本発明の課題は、反射防止層の耐摩耗性をさらに改善することである。さらなる本発明の課題は、ガラス、詳細には窓ガラスの反射を、典型的には約4%から1%未満に低減すると同時に基板表面の機械的安定性を著しく高める層系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、独立請求項の対象によって解決される。本発明の有利な形態および変形形態は、各従属請求項に記載されている。
【0010】
それに応じて、本発明は、コーティングされた基板であって、この基板は、少なくとも片面に、多層反射防止コーティングを有しており、この多層反射防止コーティングは、より高い屈折率を有する層とより低い屈折率を有する層とが交互になっている、異なる屈折率を有する複数の層から形成されており、その際、該より低い屈折率を有する層は、アルミニウム分を有する酸化ケイ素から形成されており、ケイ素に対するアルミニウムの物質量の比は、0.05より大きく、好ましくは0.08より大きいが、ケイ素の物質量は、アルミニウムの物質量に比べて多く、その際、 該より高い屈折率を有する層は、ケイ化物、酸化物または窒化物を含有する。該高屈折性層に特に適しているのは、窒化ケイ素であるコーティングされた基板を提供する。
【0011】
言い換えると、本発明による低屈折性層は、次の式による、ケイ素とアルミニウムとの物質量の比を有する:
n(Al)/(n(Si)+n(Al))>0.05
[ただし、n(Al)はアルミニウムの物質量を示し、n(Si)は、ケイ素の物質量を表す]。
【0012】
意外にも、アルミニウムまたは酸化アルミニウムを、高屈折率窒化ケイ素層と比較して軟らかく低屈折率酸化ケイ素層に混合すると、明らかにより高い、引っかき傷および摩耗に対する安定性がもたらされることが分かった。
【0013】
そのようなコーティングされた基板の製造方法は対応して、
基板の少なくとも片面に、多層反射防止コーティングを施与することに基づくが、
その多層反射防止コーティングを、逐次堆積によって、より高い屈折率を有する層とより低い屈折率を有する層とが交互になっている、異なる屈折率を有する複数の層から形成し、その際、
より低い屈折率を有する前記層は、アルミニウム分を有する酸化ケイ素から形成され、
ケイ素に対するアルミニウムの物質量の比は、0.05より大きく、好ましくは0.08超より大きいが、ケイ素の物質量は、アルミニウムの物質量に比べて多く、その際、
酸化物、ケイ化物または窒化物含有、特に好ましくは窒化ケイ素含有層を、前記より高い屈折率を有する層として堆積させる。
【0014】
反射防止コーティング層に好ましい堆積方法として、スパッタリング、特にマグネトロンスパッタリングを使用する。この際さらに、反応性スパッタリングが特に有利であり、それというのも、この場合、低屈折率層の酸化ケイ素も、高屈折率層のために使用するのが好ましい窒化ケイ素も、同じターゲットを用いて製造することができるためである。異なる層材料への切換は、処理パラメーター、特に処理ガスの組成を変えることによって簡単に行うことができる。
【0015】
好ましい実施形態では、反射防止コーティングの表面を、アルミニウム分を有する酸化ケイ素からなる、より低い屈折率を有する層で形成する。このことは、コーティングと周囲との界面において可能な限り小さな屈折率遷移を、したがって特に良好な反射防止作用を達成するためには有利である。特にこの場合に、本発明の特別な利点が明らかになる。それというのも、低屈折率最上層の本発明による層組成によって、この層の急速な摩耗が回避されるためである。
【0016】
アルミニウムドーピングは好ましくは、ケイ素含有率の20モルパーセント以下であるべきである。言い換えると、ケイ素に対するアルミニウムの物質量の比は、最高で0.2であることが好ましい。対応して、ケイ素およびアルミニウムの物質量n(Si)およびn(Al)には下式が該当する:
n(Al)/(n(Si)+n(Al))=x
[ただし、xは0.05〜0.2の範囲内である]。
アルミニウム含有率が高すぎると、要するに、低屈折率層の屈折率が上昇していくことに基づき、反射防止作用の低下が生じる。
【0017】
本発明のさらなる特に好ましい一実施形態では、前記のより高い屈折率を有する層も、アルミニウム含有窒化ケイ素層として生じさせる。対応して、これらの層は、ケイ素に対するアルミニウムの物質量の比が0.05より大きく、好ましくは0.08より大きい、アルミニウム分を有する窒化ケイ素からなる。
【0018】
特に、前記高屈折率層および低屈折率層におけるケイ素含有率に対するアルミニウム含有率は、同じか、または実質的に同じであってよい。このような積層体を製造するためには、全ての層を反応性スパッタリングによって、アルミニウムドーピングされたケイ素ターゲットから蒸着させることができる。そのため、この方法はターゲットを交換しなくてよいので、特に簡単である。
【0019】
対応して、高屈折率窒化ケイ素層に関しては、対応するケイ素およびアルミニウムの物質量の比、上記の通り、この場合もn(Al)/(n(Si)+n(Al))>0.05、好ましくは0.05〜0.2の範囲内が該当する。
【0020】
意外にも、本発明による反射防止層は、比較的薄い層厚でも、永続的な耐引っかき性を提供することが分かった。例えば、好ましい実施形態の反射防止コーティングは、全体として200〜400ナノメーターの範囲の層厚を有する。特に好ましい層厚は、250〜300ナノメーターの範囲である。これに対して、典型的な耐引っかき性コーティングまたは硬質材料コーティングは一般に、1マイクロメーターより大きい厚さを有する。
【0021】
基板としては、好ましくは、無機材料、例えばガラスならびに透明および不透明ガラスセラミック、さらにサファイアガラス、合成石英ガラス(溶融シリカ)または例えば光学用途のクリスタル、例えばフッ化カルシウムが該当する。ディスク形状の基板が特に適している。例えば自動車用窓ガラスとして使用されている通り、特にガラスを含む複合材料も適している。その際、反射防止コーティングでコーティングした後でも、複合材料を製造することができる。そのような複合材料を製造するためには、例えば、2種のガラス板をPVBフィルムを用いて相互に結合させる。基板として好ましいガラスは、ホウケイ酸ガラス、例えばBorofloatガラス、アルミノケイ酸ガラス、リチウムアルミノケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスおよびガラスセラミックである。さらに、光学用ガラスおよびフィルターガラスも基板として使用することができる。
【0022】
さらに非常に有利なことには、特別なスパッタリング法によって、層の特性に有利な影響を及ぼすことができる。この方法を下記では、HiPIMS法(高電力パルスマグネトロンスパッタリング)か、またはHPPMS法(高電力パルスマグネトロンスパッタリング)とも称する。この蒸着法は、スパッタリングに、典型的な10W/cmをかなり超える高い出力密度をターゲット上にもたらす高エネルギーパルスを生じさせるパルススパッタリング法である。
【0023】
特に、本発明のこの変形形態では、多層反射防止コーティングの層のうちの少なくとも1層、好ましくは複数層、特に好ましくは全層を、マグネトロンスパッタリングによって堆積させることが企図されており、その際、プラズマを励起させるために、パルスがターゲット面積の平方センチメーター当たり少なくとも100ワットの出力密度を有するパルス場を使用する。出力密度は、平方センチメーター当たり1000ワットを超えてもよい。好ましい出力範囲は、100〜2000W/cmである。パルス場のために好ましくは、100Hz〜10,000Hzの範囲、特に好ましくは500Hz〜2kHzの範囲のパルス周波数を使用する。さらに、パルス期間と比較して長いパルス休止期を設けることが有利である。好ましくは、2つのパルスの間のパルス休止期は、パルス期間よりも少なくとも5倍長い。
【0024】
高い出力密度によって、ターゲットから放出される粒子は、従来のスパッタリングよりも高いエネルギーを有することとなる。このことによって、中性粒子だけでなく、さらに大量に荷電粒子(イオン)も生じ得る。その際、イオンの割合は、従来のスパッタリングの場合よりもかなり高い。
【0025】
粒子のエネルギーがより高いことによって、基板表面でのより高い移動性が生じ、このことによって、密度および低い多孔率に関して層の成長が優遇される。適切な処理パラメーター、特にパルスパラメーターによって、スパッタリングされた層の表面トポグラフィーを変更することができる。多様な表面構造および粗さに調節することができる。さらに、基板を加熱することによって、成長に影響を及ぼすことができる。
【0026】
この方法を用いて製造された層は、非常に緻密になるだけではなく、とりわけ極めて平滑な表面も有することが分かった。まさにこのことが、引っかき傷または摩耗に対する機械的安定性を特に高めているようである。それというのも、層表面は引っかかるポイントをほとんど提供しないか、またはコーティングの不規則性を起点として、損傷が広がり得ないためである。
【0027】
この方法を用いると、1平方マイクロメーターの面積に対して1.5ナノメーター未満、さらには1ナノメーター未満の二乗平均粗さの値(RMS値とも称される)を有する層、または層表面を製造することができる。同じ値は、算術平均粗さRaにも該当する。傾向として、算術平均粗さはしかも二乗平均粗さよりもさらにやや低い。
【0028】
本発明の一変形形態では、反射防止コーティングか、または反射防止コーティングの最上層の表面は、1平方マイクロメーターの面積に対してそれぞれ、1.5ナノメーター未満、好ましくは1ナノメーター未満である算術平均粗さおよび二乗平均粗さを有する。
【0029】
HiPIMS法は、慣用のマグネトロンスパッタリングに対して、蒸着速度が遅いという欠点をいまだ有する。この場合、HiPIMSスパッタリング法と慣用の中周波、DC−またはHFスパッタリング法との組合せが有利であることが判明した。このことによって、HiPIMSの際の低い速度を部分的に補償することができるが、高エネルギーHiPIMS粒子のプラスの側面が失われることはない。
【0030】
HiPIMSと従来のスパッタリング法とを重ねることによって、HiPIMSパルスのエネルギーをより良好にカップリングさせることができる。それというのもこの場合、プラズマは長いパルスオフ時間において、この重なりによって完全には消えないためである。本発明のこの変形形態では、パルス休止期において、さらなる材料をスパッタリングすることよりもむしろ、パルス間の休止期において、プラズマを維持することの方がよほど重要である。このプロセスは、パルス休止期においては、層形成を行わないか、少なくとも実質的には行わないように調節することが十分に可能である。
【0031】
パルス休止期におけるプラズマの維持は例えば、HiPIMSパルスシグナルとDC−電圧または中周波交流電圧とを重ねることによって行うことができる。MFスパッタリングの使用はさらに、反応(HiPIMS)スパッタリングプロセスでのアーク放電(電気的フラッシュオーバー)を低減する。このことによって、堆積される層の欠陥の数(ピンホール、局所溶融、滴)が減る。この態様は、本発明による反射防止コーティング、特に、好ましく使用される窒化ケイ素層の硬質材料層機械的安定性を改善する。
【0032】
一方では、良好な耐引っかき作用を、他方では良好な反射防止を得るために、反射防止コーティングが少なくとも2つの比較的高い屈折率を有する層および少なくとも2つの比較的低い屈折率を有する層を有することが有利である。基板材料が、高屈折性窒化ケイ素層よりもかなり軟らかい場合にはさらに、窒化ケイ素層から開始することが有利である。その場合は対応して、反射防止コーティングの最下層は、より高い屈折率を有する層によって形成される。硬い基板、例えば、サファイアガラスを使用する場合には反対に、最下層として、低屈折率のアルミニウムドーピングされた酸化ケイ素層を使用することが有利である。
【0033】
本発明による反射防止コーティングの層系は、反射防止層系が機械的負荷にさらされるあらゆる所で使用することができる。製造は、従来のスパッタリング技術によっても行うことができ、また機械的安定性をさらに改善するためには、HiPiMS技術でも行うことができる。可能な用途は、航空機を含む車両分野における窓ガラス、ガラスまたはガラスセラミック製の調理台表面(Kochflaechen)または同様の家庭電化製品での使用、家電領域、例えば、電子ディスプレイおよびタッチスクリーンのカバーでの使用、さらに、平坦であるか、または僅かにカーブしている表面を有し得る時計用ガラスのための使用でもある。カーブしている時計用ガラスとは、例えば7mmの直径および0.4mmの立ち上がり高さ(Pfeilhoehe)、即ち、曲面の縁の所で想定される平面から曲面の頂点までのレンズの高さを有する、例えば日付表示上で時計用ガラスの上に貼り付けられているか、または組み込まれているレンズと理解され得る。そのような僅かにカーブしている時計用ガラスの場合にも同様に、耐久性のある耐引っかき性を有する本発明による反射防止コーティングを施与することができる。
【0034】
一般に、本発明のこの変形形態では、カーブしている、特に、レンズ形状の基板表面が本発明によるコーティングで被覆されていてよい。
【0035】
本発明を下記では、例示的実施形態によって、かつ添付の図面に関連して詳細に詳述する。図面において、同じ参照符号は同じか対応する要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】反射防止コーティングを有する基板の例示的実施形態を示す図である。
【図2】コーティングされていないガラス基板およびコーティングされたガラス基板の反射率を、波長を関数として示すグラフである。
【図3】コーティングされていないガラス基板およびコーティングされたガラス基板の種々の摩耗負荷の後での曇り価の上昇パーセントの棒グラフである。
【図4A】本発明によって蒸着された層のAFM写真である。
【図4B】本発明によって蒸着された層のAFM写真である。
【図4C】本発明によって蒸着された層のAFM写真である。
【図4D】本発明によって蒸着された層のAFM写真である。
【図4E】本発明によって蒸着された層のAFM写真である。
【図4F】本発明によって蒸着された層のAFM写真である。
【図5A】反射防止コーティングを蒸着するための、スパッタリングターゲットでの原則的な電圧推移の例示的実施形態を示すグラフである。
【図5B】反射防止コーティングを蒸着するための、スパッタリングターゲットでの原則的な電圧推移の例示的実施形態を示すグラフである。
【図5C】反射防止コーティングを蒸着するための、スパッタリングターゲットでの原則的な電圧推移の例示的実施形態を示すグラフである。
【図6】表面に対して垂直方向での層成分の割合の推移を示すグラフである。
【図7】表面に対して垂直方向での層成分の割合の推移を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1に示されているコーティング基板3を備えた製品1の例は、合計4層を備えた反射防止コーティング5に基づく。典型的には、基板3は、ディスクまたはプレート形状であり、その場合、反射防止コーティング5が、基板3の面31に蒸着されている。
【0038】
反射防止コーティング5においては、より高い屈折率を有する層とより低い屈折率を有する層とが交互に積層されている。この場合、層52、54は、アルミニウム分を有する酸化ケイ素から構成されていて、ケイ素に対するアルミニウムの物質量の比は、0.05より大きく、好ましくは0.08より大きいが、ケイ素の物質量は、アルミニウムの物質量に比べて多いようになっている。好ましくはケイ素に対するアルミニウムの物質量の比は、約0.075〜0.125、より好ましくは約0.1である。これらの層52、54は、酸化ケイ素を主に含有するので、低屈折率層として作用する。
【0039】
これに対して、層51、53は、より高い屈折率を有する層であり、同様にアルミニウム分を有する窒化ケイ素からなる。好ましくは、アルミニウムとケイ素の物質量の比は全ての層において実質的に同じである。
【0040】
可能な限り高い機械的安定性を得るために、出発層として、機械的により安定な成分、したがって窒化ケイ素、またはアルミニウムドーピングされた窒化ケイ素を、薄層として使用する。それというのも、この層が、他の交互層系の成長を決定するからである。その後、薄いアルミニウムドーピングされたSiO層を、続いて、外部に対する耐性をもたらす厚いアルミニウムドーピングされたSiコーティングを続ける。次の、比較的薄いアルミニウムドーピングされたSiO層は、所望の反射防止が可能であると同時にこの層が場合によって除去されても、他の系が光学的に目立って見えることのないように堆積させる。
【0041】
4層を有するこの種の層構造は、非常に安定性があることが判明しており、ガラス基板、例えばホウケイ酸ガラスの反射率を可視スペクトル領域において1%未満まで低下させることができる。加えて、4層を有する層系は、依然として安価に製造することができる。
【0042】
例えば接着層として、低屈折性のアルミニウムドーピングされた酸化ケイ素層で開始されている4層をベースとする、異なる設計は、ホウケイ酸ガラス上でより低い安定性を示した。
【0043】
図1に示されている原則的な構造に従って、本発明の変形形態では、図1に示されている例の具体的な層厚に限定されることはないが、交互に続く4層からなる積層体を備えていて、その際、最下層は窒化ケイ素含有の高屈折率層であり、積層体のうちで最も上の高屈折率層を形成するさらなる窒化ケイ素含有の高屈折率層が、積層体のうちで最も厚い層厚を有し、積層体の最上層は、アルミニウム分を有する酸化ケイ素からなるより低い屈折率を有する層であり、積層体の層のうちで2番目に厚い層厚を有し、その際、第1層と、最上層と同様にアルミニウム分を有する酸化ケイ素からなるより低い屈折率を有する層である第2層とを合わせても、最上層の層厚よりも薄い層厚を有する。
【0044】
最下層と、その上に続く、最上層と同様にアルミニウム分を有する酸化ケイ素からなるより低い屈折率を有する層である層とは、好ましくは非常に薄く、特に、両方の層を合わせた層厚は、最上の4番目の層の層厚よりも薄い。
【0045】
図1に示されている具体的な例では、最下層の層厚は13ナノメーターであり、その上に続く層の層厚は34ナノメーターであり、積層体の上から2番目の層、したがって積層体のうちで最も上の高屈折性層を形成するさらなる窒化ケイ素含有の高屈折性層の層厚は、127ナノメーターであり、再上層の層厚は84ナノメーターである。最下層とその上に続く層とを合わせた層厚はしたがって上記の通り47ナノメーターで、最上層の層厚よりも薄い。
【0046】
示されている例に限定されることはないが、次の層厚範囲が好ましい:最下層では5〜40ナノメーター、その上に続く層では10〜40ナノメーター、その上に続く、積層体の上から2番目の層、したがって積層体のうちで最も上の高屈折性層を形成する層では100〜200ナノメーター、好ましくは120ナノメーターより大きく、そして最上層では60〜120ナノメーターである。
【0047】
例えば図1に示されている通り、前述した層設計は、ガラス基板およびガラスセラミック基板に特に良好に適している。これに対して、例えば時計用ガラスとして使用されるサファイアガラスの場合のように、基板が非常に硬い場合には、追加的な薄い層を使用すると、安定性および耐摩耗性について有利である。その場合、基板と接触させて薄い酸化ケイ素層で開始し、その上に、上述した通りの4層を有する積層体を堆積させる。
【0048】
したがって本発明による変形形態では、その上にアルミニウム含有酸化ケイ素層が、かつそのアルミニウム含有酸化ケイ素層の上に、上記の厚さ比の積層体が堆積されている基板、特には硬質材料基板、特に好ましくはサファイア基板が意図されている。アルミニウム含有酸化ケイ素層の上に蒸着される積層体はこの場合も、交互に続く4層を包括し、その際、最下層は窒化ケイ素含有の高屈折率層であり、積層体のうちで最も上の高屈折率層を形成するさらなる窒化ケイ素含有の高屈折率層が、積層体のうちで最も厚い層厚を有し、積層体の最上層は、アルミニウム分を有する酸化ケイ素からなるより低い屈折率を有する層を形成し、かつ積層体の層のうちで2番目に厚い層厚を有し、その際、第1層と、最上層と同様にアルミニウム分を有する酸化ケイ素からなるより低い屈折率を有する層である第2層とを合わせても、最上層の層厚よりも薄い層厚を有する。最下層の2層を合わせた層厚だけではなく、積層体の最下層の2層および基板と接触して堆積されているアルミニウム含有酸化ケイ素層を合わせた層厚も好ましくは最上層の層厚よりも薄い。
【0049】
図1に示されている設計をベースとする4層の反射防止コーティングから生じるスペクトル反射曲線が図2に示されている。曲線10は、コーティングされていないホウケイ酸ガラス基板のスペクトル反射率を表している。曲線11は、従来の3層反射防止層でコーティングされているそのようなガラス基板の反射率である。曲線12は、マグネトロンスパッタリングで、ホウケイ酸ガラス基板上に堆積された本発明による4層反射防止コーティングの反射率を示している。曲線13も、今度は高エネルギーパルスによって、またはHiPIMS法によって蒸着されているそのようなコーティングの反射率を示している。
【0050】
図2によって証明され通り、本発明による積層体を用いると、中性色印象(neutralem Farbeindruck)では3%を超える反射率の低減により反射防止を達成することができる。反射率は、可視スペクトル領域では広範囲にわたって1%未満である。
【0051】
本発明による反射防止コーティングの機械的安定性に対する効果を、Norm ANSI/SAE Z26.1−1996に記載されているテーバー試験によっても、さらに砂スプレー試験(Sandrieseltests)および摩耗試験(PEI試験、バイエル試験)でも検査した。これには、様々な種類の機械的負荷があり、テーバー試験は、表面上でのテーバー輪の軌跡しか描写しないという背景がある。砂スプレー試験を使用することによって、コーティングされたガラス、例えば車両のガラス上への砂粒子の作用を、そして摩耗試験によって、ガラスワイパー上での例えば砂粒子の摩耗負荷をシミュレーションする。異なる試験を実施して、試験を総合的に評価することによって、表面の耐久性に対する有意な証明を得た。
【0052】
原則的に非常に密な層および層系を可能にするスパッタリング技術を使用することによって、全体として250〜300nmの範囲の層厚を有する薄いAR層系によって表面の機械的安定性を改良することができる。このことは、通常、1μmよりもかなり厚いトライボロジー層とは異なり、比較した場合非常に薄い層厚でもすでに機能する。
【0053】
試験の結果は、図3に棒グラフとして示されている。図2に示されている測定でもベースとした同じ基板で、曇り価の上昇パーセントの測定を実施した。図3には、各試料ごとに棒は左から右へと、バイエル試験、砂スプレー試験、硬い輪を用いるテーバー試験、および軟らかい輪を用いるテーバー試験による曇り価の上昇を表している。ヘイズ測定は、標準ASTM D1003−95に従って行う。その場合、試料を透過する光において、散乱光の割合を透過光全体の強度と比較する。したがって、図3中の測定値は、各摩耗試験後の試料表面の引っかき傷および他の損傷に基づく散乱光割合の上昇パーセントを表している。
【0054】
テーバー試験では、金属輪をコーティング上の円形の小径に沿って転がす。この場合、追加的に、輪の進行方向は、小径の正接に対して傾斜しているので、転がすと、輪の接触面の摩擦が試験される表面上に生じる。砂スプレー試験では、砂を、示されている測定では2mである一定の高さから、試験される表面に落とす。バイエル試験による摩耗試験では、試験される基板をパンに入れ、砂で覆う。パンを振動で動かして、ASTM F735に従って1cmより高くパン中に積み上げられて存在する砂がその自重下で、試験される表面上を摩擦するようにする。
【0055】
図3から分かる通り、従来の反射防止コーティング(試料2)は耐摩耗性に関し、全ての試験において、コーティングされていないホウケイ酸ガラス(試料1)よりも劣悪ですらある。マグネトロンスパッタリングで本発明によってコーティングされた試料(試料3)は、摩耗試験において安定性の非常に明らかな改善を示す。他の試験では、少なくとも認め得る改善が示されている。軟らかい輪を用いるテーバー試験においてのみ、改善は明白には認められなかったが、すでに非常に低い水準である。
【0056】
試料3に対応するが、HiPIMSで蒸着された本発明による反射防止コーティングを有する試料4では、この場合の全ての試験において、耐摩耗性のさらに明らかな改善を確認することができる。
【0057】
特に、テーバー試験では、慣用のマグネトロンスパッタリングで蒸着された試料3の層について、改善を認めることができる。その際、試料は、しかも曇り価の測定可能な上昇をほとんど伴わずにテーバー試験に合格する。総じて試料4では、摩耗の痕跡をまったく認めることができないか、またはいずれにしろ肉眼ではほとんど認めることができないほど、全ての試験において曇り価の上昇は僅かである。
【0058】
ほかならぬテーバー試験に対する試料4の高い安定性はおそらく、反射防止コーティングの極めて平滑な表面に起因し得る。
【0059】
このことに関して、次の表1は、原子間力顕微鏡で測定された3種の異なる板ガラス試料での粗さ値を示しており(試料記号:01−A、02−Hおよび03−F)、ここで、試料上のコーティングはそれぞれ、HiPIMS法で、つまり、ターゲット面積の平方センチメーター当たり少なくとも100Wの出力密度のパルスを有するパルス場によってスパッタリングプラズマを励起させることで蒸着させた。表において、それぞれ2つの測定(測定1、測定2)の測定値を示している。
【0060】
【表1】

【0061】
測定の絶対誤差は、およそ±30%までと見積もることができる。
【0062】
図4Aから4Cは、該当するAFM写真を示している。この場合、図中の試料名および測定番号は、前出の表に対応して付されている。層表面の撮影部分はそれぞれ、1マイクロメーター×1マイクロメーターである。
【0063】
図4Cから4Fによると、原子間力顕微鏡を用いても、層の粗さをほとんど測定することができないことが分かる。そのため、図4Eおよび4Fでは、顕微鏡画像は、ほぼ均一な灰色の色調に見える。少なくとも両方の試料02−Hおよび03−Fは、HiPIMS法を用いると、1ナノメーターをかなり下回る、一般には0.75ナノメーターさえ下回る粗さ値RaおよびRMSを有する本発明によるアルミニウムドーピングされた酸化ケイ素層および窒化ケイ素層を容易に製造することができることを示している。
【0064】
以下、図5Aから5Cによって、HiPIMSスパッタリングの種々の例示的実施形態による電圧推移を、本発明による反射防止コーティングを堆積するためにどのように使用することができるかについて説明する。図においてはそれぞれ図式的に、陰極電圧、即ちスパッタリングターゲットに印加される電圧を時間の関数としてプロットする。
【0065】
図5Aは、周期的に期間tonにわたってスパッタリングターゲットに、パルス11を高いマイナス電圧で印加する、典型的な電圧推移を示している。これらのパルスの合間、つまりパルス休止期の間に、電圧を時間toffにわたって切る。場合によっては、図5Aにも示されている通り、パルス休止期の間、僅かにプラス電圧を印加することができる。衝撃係数、つまり期間ton/toffの比は好ましくは、1/5未満である。パルスの反復周波数は好ましくは、500Hz〜10kHzである。
【0066】
図5Bに示されている例では、パルス休止期の間、つまり、期間toffの間、プラズマを維持する。この場合、イオンが存在することに基づき、HiPIMSパルスをオンにすると瞬時にスパッタリングプロセスが起こるので、有利である。これは、蒸着速度に関して有利であることが判明した。
【0067】
プラズマを維持するために、DC電圧または、5Bに示されている通り交流電圧をターゲットに印加するが、この場合に加えられる出力は、パルスの出力よりも本質的に低い。好ましくは、パルス休止期の間の出力密度は、パルスと比較して少なくとも1/10、特に好ましくは少なくとも1/50である。
【0068】
図5Cは、さらなる一変法を示している。この場合、パルス11が、パルス休止期と比較して非常に短い時間間隔で複数の、かなり短いパルス110に分割されている。言い換えると、パルス11はこの場合、一連のパルスとして示されている。
【0069】
この変法は、パルスの急な立ち上がりエッジ(Einschaltflanken)を達成し、パルス期間での電流の低下を回避するために有利であることが判明した。そのようなことによって、あまり平滑でない層をもたらす低エネルギー粒子が生じることが確実になる。
【0070】
勿論、図5Bおよび5Cの変法を相互に組み合わせることもできる。
【0071】
図6および図7は、本発明による反射防止コーティングの層成分の量または濃度の推移を示している。この推移は、飛行時間二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)で得られた。横座標にプロットされている時間の値は、スパッタリングプロセスの期間を表している。対応して、測定は、時間t=0におき、反射防止コーティングの表面で開始する。
【0072】
いずれの測定でも、図1に示されている通りの層系を使用した。
【0073】
いずれの図でも、成分である酸化ケイ素、窒化ケイ素およびアルミニウムの濃度推移の測定が示されている。示されている推移では、アルミニウムイオンのシグナルが分析されているので、図は、そのアルミニウムがそれぞれの層中で酸化物として存在するのか、または窒化物として存在するのかは表していない。窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムに関する、対応する曲線は明快さのために省いたが、酸化ケイ素および窒化ケイ素の推移と同様に、これらは個々の層に対して対応する相関を示し、窒化ケイ素層中では、アルミニウムは主に窒化アルミニウムとして、酸化ケイ素層では主に酸化アルミニウムとして存在する。
【0074】
図6に示されている測定値では、慣用のマグネトロンスパッタリングで蒸着させた反射防止コーティングが、図7に示されている測定値では、HiPIMSで蒸着された反射防止コーティングが試料として使用されている。より手間をかけて製造される、HiPIMSで蒸着させた反射防止コーティングは、個々の層の間の界面でより鋭い遷移を示している。濃度におけるステップとして認められ得る界面は、図7に示されている例では、約220、520、620および660秒のスパッタリング期間のところで達成される。図6によるTOF−SIMS測定によるとやや鋭さの劣る境界をなす層界面は、層の多少の混合をもたらしている。言い換えると、窒化ケイ素層中には低い割合の酸化ケイ素が、かつ逆に、酸化ケイ素中には低い割合の窒化ケイ素が含有されている。HiPIMSで蒸着された層の高い圧縮によって、より高い摩耗性が生じる。しかしながら、これには、より高い製造経費が直面しており、それというのも、HiPIMS蒸着はエネルギー集約的であり、より低い蒸着速度を示すためである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングされた基板(3)であって、
少なくとも片面に、多層反射防止コーティング(5)を有し、
前記多層反射防止コーティングは、より高い屈折率を有する層とより低い屈折率を有する層とが交互になっている、異なる屈折率を有する複数の層から構成されており、その際、前記のより低い屈折率を有する層は、アルミニウム分を有する酸化ケイ素から形成されており、ケイ素に対するアルミニウムの物質量の比は、0.05より大きく、好ましくは0.08より大きいが、ケイ素の物質量は、アルミニウムの物質量に比べて多く、その際、前記のより高い屈折率を有する層は、ケイ化物、酸化物または窒化物を含有しているコーティングされた基板。
【請求項2】
前記のより高い屈折率を有する層が、アルミニウム分を有する窒化ケイ素を含有しており、ケイ素に対するアルミニウムの物質量の比は、0.05より大きく、好ましくは0.08より大きい請求項1に記載のコーティングされた基板。
【請求項3】
前記反射防止コーティングの表面が、アルミニウム分を有する酸化ケイ素からなるより低い屈折率を有する層によって形成されている請求項1または2に記載のコーティングされた基板。
【請求項4】
前記反射防止コーティングが、全体として200〜400ナノメーターの範囲の層厚を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーティングされた基板。
【請求項5】
前記反射防止コーティングの表面が、1平方マイクロメーターの面積に対してそれぞれ、1.5ナノメーター未満である算術平均粗さおよび二乗平均粗さを有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のコーティングされた基板。
【請求項6】
前記反射防止コーティングが、少なくとも2つのより高い屈折率を有する層および少なくとも2つのより低い屈折率を有する層を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のコーティングされた基板。
【請求項7】
交互に続く4層からなる積層体を備えた反射防止コーティングを有しており、最下層が窒化ケイ素含有高屈折率層であり、該積層体のうちの最も上の高屈折率層を構成する前記の他の窒化ケイ素含有高屈折性層が、該積層体のうちで最も大きい層厚を有しており、積層体の最上層が、アルミニウム分を有する酸化ケイ素からなるより低い屈折率を有する層であり、かつ該積層体の各層のうち2番目に大きい層厚を有しており、その際、第1層と、該最上層と同様にアルミニウム分を有する酸化ケイ素からなるより低い屈折率を有する層である第2層とは合わせても、該最上層の層厚よりも小さい層厚を有する請求項6に記載のコーティングされた基板。
【請求項8】
前記基板の上に、アルミニウム含有酸化ケイ素層が堆積されており、かつ該アルミニウム含有酸化ケイ素層の上に、前記の連続する4層を含む前記積層体が堆積されている請求項7に記載のコーティングされた基板。
【請求項9】
前記基板が、ガラス板もしくはガラスセラミック板もしくはサファイアガラス板、合成石英ガラス基板、特に光学用のクリスタル、光学ガラスまたはフィルターガラスである請求項1乃至8のいずれか一項に記載のコーティングされた基板。
【請求項10】
前記基板のカーブした形状、特にレンズ形状の表面が前記反射防止コーティングでコーティングされている請求項1〜9のいずれか一項に記載のコーティングされた基板。
【請求項11】
コーティングされた基板の製造方法であって、
基板の少なくとも一面に、多層反射防止コーティングを施与するが、
該コーティングを、逐次堆積によって、より高い屈折率を有する層とより低い屈折率を有する層とが交互になっている、異なる屈折率を有する複数の層から形成し、その際、
前記のより低い屈折率を有する層は、アルミニウム分を有する酸化ケイ素で形成し、
その際、ケイ素に対するアルミニウムの物質量の比は、0.05より大きく、好ましくは0.08より大きいが、ケイ素の物質量は、アルミニウムの物質量に比べて多く、その際、ケイ化物、酸化物または窒化物含有層を、より高い屈折率を有する層として堆積することを特徴とする方法。
【請求項12】
前記の反射防止コーティングの各層をスパッタリングによって堆積する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記反射防止コーティングを、マグネトロンスパッタリングによって堆積させ、その際、プラズマを励起させるために、パルスがターゲット面積の1平方センチメーター当たり少なくとも100ワットの出力密度を有するパルス場を使用する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
パルス間の休止期において、プラズマを維持する請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【公開番号】特開2012−171866(P2012−171866A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−36619(P2012−36619)
【出願日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】