説明

反復復号における位相依存データ検出のためのシステムおよび方法

【課題】データ処理のためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】データ処理回路は、第1のデータ検出回路であって、データセットに対して位相依存データ検出アルゴリズムを適用し、それにより第1のデータ検出回路の第1の出力は、第1のデータ検出回路に渡されたデータセットの位相に応じて変化する、第1のデータ検出回路を含む。データセットの第1の位相は、第1のデータ検出回路に渡される。復号出力を生じるように第1の出力に復号アルゴリズムを適用するデコーダ回路と、データセットの第2の位相が、位相シフトされた出力として供給される復号出力を位相シフトする位相シフト回路とを含む。第2の検出回路は、位相シフトされた出力に位相依存データ検出アルゴリズムを適用し、第2のデータ検出回路の第2の出力は少なくとも部分的に、第2のデータ検出回路に渡されたデータセットの異なる位相により第1の出力から変化するようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を転送するためのシステムおよび方法に関し、より詳細には受け取ったデータセットに対してデータ検出を行うためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なシステムが、送信機と受信機の間の情報の転送に依存する。たとえば無線伝送システムは、無線伝送媒体にわたって受信機に情報を送る伝送デバイスを含み、伝送デバイスは、初めに転送された情報を再現することを試みる。もう1つの例として、ハードディスク・ドライブは、記憶媒体にデータを送信し、すなわち書き込み、後に記憶媒体からのデータにアクセスする。両方の場合で、初めに伝送された情報を再現する試みにおいて、受け取ったデータを検出するために1つまたは複数のデータ検出器回路を利用することができる。場合によっては、受け取ったデータ内に訂正されないエラーが残り、初めに伝送された情報が失われることがあり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願第12/017,765号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって少なくとも上記の理由により、当技術分野では、受け取ったデータを処理するための先進のシステムおよび方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、情報を転送するためのシステムおよび方法に関し、より詳細には受け取ったデータセットに対してデータ検出を行うためのシステムおよび方法に関する。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態は、データ処理回路を提供する。このような回路は、第1のデータ検出回路であって、データセットに対して位相依存データ検出アルゴリズムを適用し、それにより第1のデータ検出回路の第1の出力は、第1のデータ検出回路に渡されたデータセットの位相に応じて変化するようになる、第1のデータ検出回路を含む。データセットの第1の位相は、第1のデータ検出回路に渡される。回路はさらに、データセットの第2の位相が位相シフトされた出力として供給されるように、第1の出力から派生する物を位相シフトする位相シフト回路と、第2のデータ検出回路であって、位相シフトされた出力に位相依存データ検出アルゴリズムを適用し、それにより第2のデータ検出回路の第2の出力は少なくとも部分的に、第2のデータ検出回路に渡されたデータセットの異なる位相により第1の出力から変化するようになる第2のデータ検出回路とを含む。
【0007】
本発明の様々な実施形態は、データ処理回路を提供する。このような回路は、第1のデータ検出回路であって、データセットに対して位相依存データ検出アルゴリズムを適用し、それにより第1のデータ検出回路の第1の出力は、第1のデータ検出回路に渡されたデータセットの位相に応じて変化するようになる、第1のデータ検出回路を含む。データセットの第1の位相は、第1のデータ検出回路に渡される。回路はさらに、復号出力を生じるように第1の出力に復号アルゴリズムを適用するデコーダ回路と、データセットの第2の位相が、位相シフトされた出力として供給されるように、復号出力を位相シフトする位相シフト回路とを含む。第2の検出回路は、位相シフトされた出力に位相依存データ検出アルゴリズムを適用し、それにより第2のデータ検出回路の第2の出力は少なくとも部分的に、第2のデータ検出回路に渡されたデータセットの異なる位相により第1の出力から変化するようになる。
【0008】
上記の実施形態のいくつかの場合は、第1のデータ検出回路は、第2のデータ検出回路とは異なる。上記の実施形態の他の場合は、第1のデータ検出回路と第2のデータ検出回路は、単一のデータ検出回路として実装される。上記の実施形態の特定の場合は、デコーダは低密度パリティチェック・デコーダであり、第1のデータ検出回路はSOVA検出器回路またはMAP検出器回路である。
【0009】
上記の実施形態のいくつかの場合は、第1のデータ検出回路と第2のデータ検出回路は、2つの位相依存検出処理を提供する。上記の実施形態の他の場合は、第1のデータ検出回路と第2のデータ検出回路は、4つの位相依存検出処理を提供する。上記の実施形態の様々な場合では、位相シフト回路は遅延回路である。遅延回路は、データ入力を可変量だけシフトさせるように動作可能な可変遅延回路でよい。特定の場合では、回路はさらに、第1の出力をデコーダ回路に渡す前に、第1の出力をデコーダ境界に整列させるように動作可能な位相合わせ回路を含む。1つの特定の場合では、デコーダ境界は4T境界である。場合によっては、位相合わせ回路は可変遅延回路である。
【0010】
本発明の他の実施形態は、データ処理の方法を提供する。方法は、データセットを受け取ることと、データセットに第1のデータ検出を行うこととを含む。第1のデータ検出は位相依存データ検出であり、その結果、第1のデータ検出が適用されるデータセットの位相に応じて変化する第1の出力を生じる。第1のデータ検出は、データセットの第1の位相に適用される。復号出力を生じるように第1の出力に対してデータ復号が行われ、データセットの第2の位相が、位相シフトされた出力として供給されるように、復号出力に位相シフトが適用される。位相シフトされた出力に、第2のデータ検出が行われる。第2のデータ検出は位相依存データ検出であり、その結果、渡された入力の位相に応じて変化する第2の出力を生じる。
【0011】
上記の実施形態のいくつかの場合は、方法はさらに、第1の出力をデコーダ回路に渡す前に、第1の出力がデコーダ境界に整列されるように、第1の出力を位相合わせすることを含む。場合によっては、第1の出力を位相合わせすることは、第1の出力に可変遅延を適用することを含む。上記の実施形態の特定の場合は、第1のデータ検出と第2のデータ検出は、同じデータ検出回路を用いて行われる。このような場合、方法はさらに、第1のデータ検出を行う前に、特定の位相に整列させるようにデータセットを位相シフトすることを含む。
【0012】
この概要は、本発明のいくつかの実施形態の全体的な概略を示すものにすぎない。本発明の多くの他の目的、特徴、利点、および他の実施形態は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面から、より十分に明らかとなるであろう。
【0013】
本発明の様々な実施形態のさらなる理解は、本明細書の残りの部分で説明される図を参照することによって得られる。図において、同様な構成要素を指すのに、複数の図面にわたって同じ参照番号が用いられる。いくつかの場合は、複数の同様な構成要素の1つを示すために、小文字からなるサブラベルが付随する。存在するサブラベルの指定なしに参照番号が参照されるときは、すべてのそのような複数の同様な構成要素を指すものとする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のいくつかの実施形態による多位相データ検出回路を含むデータ処理回路を示す図である。
【図2a】本発明のいくつかの実施形態による位相シフト型データ処理の図式表示である。
【図2b】本発明のいくつかの実施形態による位相シフト型データ処理の図式表示である。
【図2c】本発明のいくつかの実施形態による位相シフト型データ処理の図式表示である。
【図3】本発明の様々な実施形態による多位相データ検出回路を含むデータ処理回路に基づく待ち行列検出/復号を示す図である。
【図4】本発明の1つまたは複数の実施形態による多位相データ検出処理のための処理を示す流れ図である。
【図5】本発明の様々な実施形態による多位相データ検出回路を含む記憶システムを示す図である。
【図6】本発明の1つまたは複数の実施形態による多位相データ検出回路を含む通信システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、情報を転送するためのシステムおよび方法に関し、より詳細には受け取ったデータセットに対してデータ検出を行うためのシステムおよび方法に関する。
【0016】
本発明の様々な実施形態は、一連のデータ検出器回路を通じた、かつ/または同じデータ検出器回路を通る連続するパスを通じた処理を含むデータ処理を行う。データ検出器回路は、位相依存型であり、それにより同じ検出器回路によってサンプルセットの1つの位相は、サンプルセットの他の位相とは異なって処置される。一例として、高い基数のトレリスに適用されるフルレート・データ検出アルゴリズムを用いる検出器は、何らかの位相依存を示す。たとえば、1/2レートのデータ検出器は基数4のトレリスを用い、この場合、各状態を出るまたは入る4つの分岐があり、各分岐は2Tに対応し、ただしTはビット周期を表す。もう1つの例として、1/4レートのデータ検出器は基数16のトレリスを用い、この場合、各状態を出るまたは入る16個の分岐があり、各分岐は4Tに対応する。より高次の基数の検出器も可能であり、この場合、分岐当たりのビット数はNであり、基数は2である。基数2の検出器は、サンプルされたデータセットをN個の分岐位置に分解し、データセットに対して位置依存検出アルゴリズムを行う。連続する検出器反復に対して、データセットは、分岐位置のそれぞれに対して異なる処置を得るように、異なる位相にて導入される。本明細書では「位相」という用語は、データ検出器回路によって適用される異なるデータ検出アルゴリズムに対する、データセットのロケーションまたは位置を示すために用いられる。したがってたとえば、データセットが2つの位置に分解される場合(すなわち、ビット0はA位置にあり、ビット1はB位置にあり、ビット2はA位置にあり、ビット3はB位置にあるなど)、第1のデータ検出の反復時は、ビット0はデータ検出器回路の第1のアルゴリズムまたは分岐によって処置され、ビット1はデータ検出器回路の第2のアルゴリズムまたは分岐によって処置される。後続するデータ検出の反復では、ビット0はデータ検出器回路の第2のアルゴリズムまたは分岐によって処置され、ビット1はデータ検出器回路の第1のアルゴリズムまたは分岐によって処置される。
【0017】
一実施例として本発明のいくつかの実施形態では、一時に4つのサンプルに対して動作する検出器回路(すなわち4T検出器)が利用され、第1の検出処理またはアルゴリズムは第1および第3のサンプルに適用され、第2の検出処理またはアルゴリズムは第2および第4のサンプルに適用される。したがってこの場合、検出器回路の出力は、特定の入力が奇数位相または偶数位相にあるかどうかに応じて変化し、位相の変化は、検出器回路から異なる出力を生じる。上記の例は、一時に2つのサンプルに対して働く検出器(すなわち2T検出器)の場合も等しく良好に役立つことに留意されたい。本発明の他の実施形態では、一時に4つのサンプルに対して動作する検出器回路が利用され、第1の検出処理またはアルゴリズムは第1のサンプルに適用され、第2の検出処理またはアルゴリズムは第2のサンプルに適用され、第3の検出処理またはアルゴリズムは第3のサンプルに適用され、第4の検出処理は第4のサンプルに適用される。したがってこの場合、検出器回路の出力は、特定の入力が第1、第2、第3、または第4の位相にあるかどうかに応じて変化し、位相の変化は、検出器回路から異なる出力を生じる。本明細書に記載される説明の大部分は、2つまたは4つの位相依存経路を提供する4Tデータ検出器回路に焦点を合わせているが、非限定的に、いくつかの数のデータ依存経路を提供する2Tおよび8Tデータ検出器を含む他のデータ検出器を用いてもよいことに留意されたい。
【0018】
実施形態においては、(1つまたは複数の)検出器回路を通じた連続するパスのために、サンプルの位相がシフトされる。たとえば、2つの異なる位相処置を提供する同じ検出器回路の3つの段階が実装されたシステムでは、入力データの1つの位相を第1の検出器回路に印加することができ、入力データの別の位相を第2の検出器回路に印加することができ、入力データのさらに別の位相を第3の検出器回路に印加することができる。このようにして、異なる検出処理またはアルゴリズムが各連続するパスに適用され、対応する変化を検出器出力に生ずる。このようなシステム摂動は、データ入力が一定のタイプのエラーを示す場合にデータ収束の可能性を高める。
【0019】
図1を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による多位相データ検出回路を含むデータ処理回路100が示され、データ処理回路100は、アナログ入力102を受け取り、一連のデータ・サンプル106を供給するアナログ−デジタル変換器104を含む。アナログ入力102は、もとのデータ源(図示せず)から得られる情報に基づいてアナログ処理回路(図示せず)から受け取ることができる。一実施例として、もとのデータ源は記憶媒体とすることができ、その場合、データ処理回路100はハードディスク・ドライブの一部として実装される。もう1つの実施例として、もとのデータ源は伝送媒体とすることができ、その場合、データ処理回路100は伝送システムの一部として実装される。本明細書に記載された開示に基づいて、当業者なら本発明の種々の実施形態に対して用いることができる様々なもとのデータ源を思い付くであろう。
【0020】
デジタル・サンプル106は、グローバル反復回路110に供給される。これらのサンプルは直接、またはデジタル・フィルタ(図示せず)などの何らかの介在回路を通じて供給することができる。グローバル反復回路110は、検出器出力114を位相合わせ回路116に供給するデータ検出器回路112を含む。データ検出器回路112は、非限定的に、ソフト出力ビタビ・アルゴリズム検出器(SOVA:soft output Viterbi algorithm detector)または最大事後確率(MAP:maximum a posteriori)検出器を含む当技術分野で知られている任意のタイプのデータ検出器でよい。データ検出器回路112は、位相依存型であるデータ検出処理を適用する。たとえば本発明のいくつかの実施形態では、データ検出器回路112は一時に4つのサンプルに対して動作し、第1の検出処理またはアルゴリズムは第1および第3のサンプルに適用され、第2の検出処理またはアルゴリズムは第2および第4のサンプルに適用される。したがってこの場合、検出器出力114は、特定の入力が奇数位相または偶数位相にあるかどうかに応じて変化し、位相の変化は、データ検出器回路112から異なる出力を生じる。本発明の他の実施形態では、データ検出器回路112は一時に4つのサンプルに対して動作し、第1の検出処理またはアルゴリズムは第1のサンプルに適用され、第2の検出処理またはアルゴリズムは第2のサンプルに適用され、第3の検出処理またはアルゴリズムは第3のサンプルに適用され、第4の検出処理は第4のサンプルに適用される。したがってこの場合、検出器出力114は、特定の入力が第1、第2、第3、または第4の位相にあるかどうかに応じて変化し、位相の変化は、データ検出器回路112から異なる出力を生じる。本発明の種々の実施形態に対して用いることができるデータ検出器回路の一例は、Fitzpatrickらによる2008年1月22日出願の「Methods and Apparatus for MAP Detection with Reduced Complexity」という名称の米国特許出願第12/017,765号に開示されている。上記の特許出願は、本願の譲受人に譲渡され、上記の特許出願の全体はすべての目的において参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載された開示に基づいて、当業者なら本発明の種々の実施形態に対して用いることができる様々なデータ検出器回路を思い付くであろう。本明細書に記載された開示に基づいて、当業者なら本発明の種々の実施形態により用いることができる、入力セットの位相依存処置を提供する様々なデータ検出器を思い付くであろう。
【0021】
位相合わせ回路116は、検出器出力114を受け取り、同期マークまたは他のロケーション表示に対する特定の位相に整列されたデコーダ入力118を供給する。たとえば本発明のいくつかの実施形態では、デコーダ入力118は、4T境界上に整列される。本発明のいくつかの実施形態では、位相合わせ回路116は、デコーダ入力118が規定された境界に整列されるように、デコーダ入力118を遅延することが可能な遅延回路として実装される。したがってたとえば、デコーダ入力118が4T境界上に整列されるべきであり、位相合わせ回路116が3T位相の入力を受け取る場合は、位相合わせ回路116は入力を1Tだけ遅延する。他の例として、位相合わせ回路116が2T位相の入力を受け取る場合は、位相合わせ回路116は入力を2Tだけ遅延する。他の例として、位相合わせ回路116が1T位相の入力を受け取る場合は、位相合わせ回路116は入力を3Tだけ遅延する。他の例として、位相合わせ回路116が4T位相の入力を受け取る場合は、位相合わせ回路116は単に、入力をデコーダ入力118として通過させる。デコーダ入力118にて4T以外の位相合わせを供給し、それに対応して位相合わせ回路116によって提供される遅延を変更し得ることに留意されたい。
【0022】
データ・デコーダ回路120は、デコーダ入力118を受け取り、それに復号アルゴリズムを適用し、復号出力122を供給する。データ・デコーダ回路120は、非限定的に、低密度パリティチェック・デコーダ(LDPC:low density parity check decoder)を含む当技術分野で知られている任意のデコーダ回路でよい。本明細書に記載された開示に基づいて、当業者なら本発明の種々の実施形態に対して用いることができる様々なデコーダ回路を思い付くであろう。
【0023】
デジタル・サンプル106はまた遅延回路124に供給され、遅延回路124は、グローバル反復回路110にわたる待ち時間と一致するようにデジタル・サンプルを遅延し、それによりサンプルは復号出力122に整列されるようになる。これらのサンプルは直接、またはデジタル・フィルタ(図示せず)などの何らかの介在回路を通じて供給することができる。遅延回路124は、遅延出力125を供給する。位相シフト回路126は、遅延出力125と復号出力122の両方を受け取り、位相シフトされたデータ出力128をグローバル反復回路130に供給する。グローバル反復回路130は、検出器出力134を位相合わせ回路136に供給するデータ検出器回路132を含む。データ検出器回路132は、データ検出器回路112と同じでよい。位相シフト回路126は、前にデータ検出器回路112に渡されたのとは異なる位相がデータ検出器回路132に渡されることを確実にするのに十分なように、遅延出力125と復号出力122の両方に位相シフトを適用する。
【0024】
位相合わせ回路136は、データ検出器回路132から検出器出力134を受け取り、同期マークまたは他のロケーション表示に対して特定の位相に整列されたデコーダ入力138を供給する。この整列は、デコーダ入力118に関して上述したものと同様である。データ・デコーダ回路140は、デコーダ入力138を受け取り、それに復号アルゴリズムを適用し、復号出力142を供給する。データ・デコーダ回路140は、非限定的に、低密度パリティチェック・デコーダ(LDPC)を含む当技術分野で知られている任意のデコーダ回路でよい。本明細書に記載された開示に基づいて、当業者なら本発明の種々の実施形態に対して用いることができる様々なデコーダ回路を思い付くであろう。
【0025】
デジタル・サンプル106はまた遅延回路144に供給され、遅延回路144は、グローバル反復回路110、位相シフト回路126、およびグローバル反復回路130にわたる待ち時間と一致するようにデジタル・サンプルを遅延し、それによりサンプルは復号出力142に整列されるようになる。これらのサンプルは直接、またはデジタル・フィルタ(図示せず)などの何らかの介在回路を通じて供給することができる。遅延回路144は、遅延出力145を供給する。位相シフト回路146は、遅延出力145と復号出力142の両方を受け取り、位相シフトされたデータ出力148をデータ検出器回路150に供給する。データ検出器回路150は、データ検出器回路112および/またはデータ検出器回路132と同じでよい。位相シフト回路146は、前にデータ検出器回路132に渡されたのとは異なる、かつ可能な場合は前にデータ検出器回路112に渡された位相とは異なる位相がデータ検出器回路150に渡されることを確実にするのに十分なように、遅延出力145と復号出力142の両方に位相シフトを適用する。位相合わせ回路146は、データ検出器回路150から検出器出力152を受け取り、同期マークまたは他のロケーション表示に対して特定の位相に整列された復元出力160を供給する。この整列は、デコーダ入力118に関して上述したものと同様である。
【0026】
連続するデータ検出器回路にデータセットの異なる位相を渡すことにより、連続するデータ検出器回路を通じた連続するパスごとに異なる検出処理またはアルゴリズムが適用され、対応する変化がデータ検出器回路の出力に生じる。このようなシステム摂動は、データ入力が一定のタイプのエラーを示す場合にデータ収束の可能性を高める。
【0027】
図2aを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による連続するデータ検出器回路を通じた処理時のデータの位相シフトの図式表示200が示される。具体的には図式表示200は、それぞれが2つの位相依存検出処理またはアルゴリズムを提供する3つの連続するデータ検出器回路(または同じ検出器回路を通じた反復)が用いられる場合を示す。図示のように、一連のデータ・サンプル210は、同期マーク205に対するそれらの絶対位置を用いて番号付けされている。データ・サンプル210は、一連のサンプル220によって表されるデータ検出器回路に渡される。データ検出器回路は、AおよびBとしてラベルが付けられた2つの位相依存検出処理またはアルゴリズムを提供する。図示のように、データ・サンプル210からのデータ・サンプル0はA検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル1はB検出処理を用いて処理される。AおよびB処理は、図示のようにデータ・サンプル220の残りの部分を通して交互に用いられる。
【0028】
データ検出器回路による処理が完了した後に、データはデコーダ回路に導入される前に位相合わせされる。位相合わせは、サンプル225として示される。この場合、位相合わせは4T境界245に対して行われる。本発明の種々の実施形態によれば、他の位相合わせを用い得ることに留意されたい。データ検出処理の出力(サンプル220)はすでに4T境界に対して整列されているので、復号処理を行う前に所望の位相合わせを達成するために0Tの遅延が加えられる。示されている4T境界は、連続したまたは同時に起こる4T境界ではなく、データ検出器回路およびデータ・デコーダ回路を通じて処理するのに必要な時間に応じて、数百さらには数千サイクル離れている場合があることに留意されたい。したがって、たとえば4T境界245bは4T境界245aの4サイクル後であるが、4T境界245cは4T境界245bの数百または数千サイクル後となり得る。
【0029】
デコーダ回路による処理が完了した後に、データは、検出器回路(別の検出器回路、または同じ検出器回路を通じた別の反復)に導入される前に、位相シフトされる。位相シフトは、サンプル230として示される。位相シフトは、所与のサンプルに対して、前の検出処理(すなわちサンプル220に適用された検出処理)と比べて異なる位相依存検出処理が適用されることを確実にするように設計される。この場合、サンプルは1Tだけ遅延され、それによりデータ・サンプル210からのデータ・サンプル0はB検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル1はA検出処理を用いて処理されるようになる。これは、サンプル220に対して適用された検出処理の逆である。データ・サンプル210の他のサンプルに対して、AおよびB処理は同様に反転される。
【0030】
データ検出器回路による処理が完了した後に、データはデコーダ回路に導入される前に位相合わせされる。位相合わせは、サンプル225として示される。この場合、位相合わせは4T境界245に対して行われる。やはり、本発明の種々の実施形態によれば、他の位相合わせを用い得ることに留意されたい。データ検出処理の出力(サンプル230)は1T位相整列を示すので、復号処理を行う前に所望の位相合わせを達成するために3Tの遅延が加えられる。
【0031】
デコーダ回路による処理が完了した後に、データは、検出器回路(別の検出器回路、または同じ検出器回路を通じた別の反復)に導入される前に、位相シフトされる。位相シフトは、サンプル240として示される。位相シフトは、所与のサンプルに対して、前の検出処理(すなわちサンプル230に適用された検出処理)と比べて異なる位相依存検出処理が適用されることを確実にするように設計される。この場合、サンプルはすでに位相合わせされており、それにより異なる位相依存処理が適用されることになる。具体的には、データ・サンプル210からのデータ・サンプル0はA検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル1はB検出処理を用いて処理される。これは、サンプル230に対して適用された検出処理の逆である。データ・サンプル220の他のサンプルに対して、AおよびB処理は同様に反転される。したがって、0Tの位相シフトが適用される。
【0032】
図示のように、各連続するデータ検出ステップに対して、データの異なる位相がデータ検出器に渡される。連続するデータ検出ステップにデータセットの異なる位相を渡すことにより、連続するデータ検出器回路を通じた連続するパスごとに異なる検出処理またはアルゴリズムが適用され、対応する変化がデータ検出器回路の出力に生じる。このようなシステム摂動は、データ入力が一定のタイプのエラーを示す場合にデータ収束の可能性を高める。図2aの図式表示は例示のみであり、本明細書に記載された開示に基づいて当業者なら、本発明の種々の実施形態に対して行うことができる位相シフトおよび整列の複数の他の例を思い付くであろうことに留意されたい。
【0033】
4T境界に対して動作する4T検出器に関して図2aを説明したが、2T境界に対して動作する2T検出器にも当てはまることに留意されたい。このような場合、シフトは、図示のような4T境界245の代わりに2T境界に整列される。2T検出器の実施例は図2bに示され、これは本発明のいくつかの実施形態による連続するデータ検出器回路を通じた処理時のデータの位相シフトの図式表示201である。具体的には図式表示201は、それぞれが2つの位相依存検出処理またはアルゴリズムを提供する2つの連続するデータ検出器回路(または同じ検出器回路を通じた反復)が用いられる場合を示す。図示のように、一連のデータ・サンプル210は、同期マーク205に対するそれらの絶対位置を用いて番号付けされている。データ・サンプル210は、一連のサンプル221によって表されるデータ検出器回路に渡される。データ検出器回路は、AおよびBとしてラベルが付けられた2つの位相依存検出処理またはアルゴリズムを提供する。図示のように、データ・サンプル210からのデータ・サンプル0はA検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル1はB検出処理を用いて処理される。AおよびB処理は、図示のようにデータ・サンプル221の残りの部分を通して交互に用いられる。
【0034】
データ検出器回路による処理が完了した後に、データはデコーダ回路に導入される前に位相合わせされる。位相合わせは、サンプル226として示される。この場合、位相合わせは2T境界246に対して行われる。本発明の種々の実施形態によれば、他の位相合わせを用い得ることに留意されたい。データ検出処理の出力(サンプル221)はすでに2T境界に対して整列されているので、復号処理を行う前に所望の位相合わせを達成するために0Tの遅延が加えられる。示されている2T境界は、連続したまたは同時に起こる2T境界ではなく、データ検出器回路およびデータ・デコーダ回路を通じて処理するのに必要な時間に応じて、数百さらには数千サイクル離れている場合があることにも留意されたい。したがって、たとえば2T境界246bは2T境界246aの2サイクル後であるが、2T境界246cは2T境界246bの数百または数千サイクル後となり得る。
【0035】
デコーダ回路による処理が完了した後に、データは、検出器回路(別の検出器回路、または同じ検出器回路を通じた別の反復)に導入される前に、位相シフトされる。位相シフトは、サンプル231として示される。位相シフトは、所与のサンプルに対して、前の検出処理(すなわちサンプル221に適用された検出処理)と比べて異なる位相依存検出処理が適用されることを確実にするように設計される。この場合、サンプルは1Tだけ遅延され、それによりデータ・サンプル210からのデータ・サンプル0はB検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル1はA検出処理を用いて処理されるようになる。これは、サンプル221に対して適用された検出処理の逆である。データ・サンプル210の他のサンプルに対して、AおよびB処理は同様に反転される。
【0036】
図示のように、各連続するデータ検出ステップに対して、データの異なる位相がデータ検出器に渡される。連続するデータ検出ステップにデータセットの異なる位相を渡すことにより、連続するデータ検出器回路を通じた連続するパスごとに異なる検出処理またはアルゴリズムが適用され、対応する変化がデータ検出器回路の出力に生じる。このようなシステム摂動は、データ入力が一定のタイプのエラーを示す場合にデータ収束の可能性を高める。図2bの図式表示は例示のみであり、本明細書に記載された開示に基づいて当業者なら、本発明の種々の実施形態に対して行うことができる位相シフトおよび整列の複数の他の例を思い付くであろうことに留意されたい。
【0037】
図2cを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による連続するデータ検出器回路を通じた処理時のデータの位相シフトの図式表示250が示される。具体的には図式表示250は、それぞれが4つの位相依存検出処理またはアルゴリズムを提供する4つの連続するデータ検出器回路(または同じ検出器回路を通じた反復)が用いられる場合を示す。データは、図2aと同じ一連のデータ・サンプル210および同期マーク205に対して示される。データ・サンプル210は、一連のサンプル260によって表されるデータ検出器回路に渡される。データ検出器回路は、それぞれA、B、C、およびDとしてラベルが付けられた4つの位相依存検出処理またはアルゴリズムを提供する。図示のように、データ・サンプル210からのデータ・サンプル0はA検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル1はB検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル2はC検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル3はD検出処理を用いて処理される。A、B、C、およびD処理は、図示のようにデータ・サンプル260の残りの部分を通して繰り返し用いられる。
【0038】
データ検出器回路による処理が完了した後に、データはデコーダ回路に導入される前に位相合わせされる。位相合わせは、サンプル265として示される。この場合、位相合わせは4T境界295に対して行われる。本発明の種々の実施形態によれば、他の位相合わせを用い得ることに留意されたい。データ検出処理の出力(サンプル260)はすでに4T境界に対して整列されているので、復号処理を行う前に所望の位相合わせを達成するために0Tの遅延が加えられる。示されている4T境界は、連続したまたは同時に起こる4T境界ではなく、データ検出器回路およびデータ・デコーダ回路を通じて処理するのに必要な時間に応じて、数百さらには数千サイクル離れている場合があることにも留意されたい。したがって、たとえば4T境界295bは4T境界295aの4サイクル後であるが、4T境界295cは4T境界295bの数百または数千サイクル後となり得る。
【0039】
デコーダ回路による処理が完了した後に、データは、検出器回路(別の検出器回路、または同じ検出器回路を通じた別の反復)に導入される前に、位相シフトされる。位相シフトは、サンプル270として示される。位相シフトは、所与のサンプルに対して、前の検出処理(すなわちサンプル260に適用された検出処理)と比べて異なる位相依存検出処理が適用されることを確実にするように設計される。この場合、サンプルは1Tだけ遅延され、それによりデータ・サンプル210からのデータ・サンプル0はB検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル1はC検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル2はD検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル3はA検出処理を用いて処理されるようになる。これは、サンプル260に適用された検出処理から順方向にシフトされる。A、B、C、およびD処理は、図示のようにデータ・サンプル210の他のサンプルに対して同様にシフトされる。
【0040】
データ検出器回路による処理が完了した後に、データはデコーダ回路に導入される前に位相合わせされる。位相合わせは、サンプル275として示される。この場合、位相合わせは4T境界295に対して行われる。やはり、本発明の種々の実施形態によれば、他の位相合わせを用い得ることに留意されたい。データ検出処理の出力(サンプル270)は1T位相整列を示すので、復号処理を行う前に所望の位相合わせを達成するために3Tの遅延が加えられる。
【0041】
デコーダ回路による処理が完了した後に、データは、検出器回路(別の検出器回路、または同じ検出器回路を通じた別の反復)に導入される前に、位相シフトされる。位相シフトは、サンプル280として示される。位相シフトは、所与のサンプルに対して、前の検出処理(すなわちサンプル270に適用された検出処理)と比べて異なる位相依存検出処理が適用されることを確実にするように設計される。この場合、サンプルは2Tだけ遅延され、それによりデータ・サンプル210からのデータ・サンプル0はC検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル1はD検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル2はA検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル3はB検出処理を用いて処理されるようになる。これは、サンプル270に適用された検出処理から順方向にシフトされる。A、B、C、およびD処理は、図示のようにデータ・サンプル210の他のサンプルに対して同様にシフトされる。
【0042】
データ検出器回路による処理が完了した後に、データはデコーダ回路に導入される前に位相合わせされる。位相合わせは、サンプル285として示される。この場合、位相合わせは4T境界295に対して行われる。やはり、本発明の種々の実施形態によれば、他の位相合わせを用い得ることに留意されたい。データ検出処理の出力(サンプル280)は2T位相整列を示すので、復号処理を行う前に所望の位相合わせを達成するために2Tの遅延が加えられる。
【0043】
デコーダ回路による処理が完了した後に、データは、検出器回路(別の検出器回路、または同じ検出器回路を通じた別の反復)に導入される前に、位相シフトされる。位相シフトは、サンプル290として示される。位相シフトは、所与のサンプルに対して、前の検出処理(すなわちサンプル280に適用された検出処理)と比べて異なる位相依存検出処理が適用されることを確実にするように設計される。この場合、サンプルは3Tだけ遅延され、それによりデータ・サンプル210からのデータ・サンプル0はD検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル1はA検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル2はB検出処理を用いて処理され、データ・サンプル210からのデータ・サンプル3はC検出処理を用いて処理されるようになる。これは、サンプル280に適用された検出処理から順方向にシフトされる。A、B、C、およびD処理は、図示のようにデータ・サンプル210の他のサンプルに対して同様にシフトされる。
【0044】
図示のように、各連続するデータ検出ステップに対して、データの異なる位相がデータ検出器に渡される。連続するデータ検出ステップにデータセットの異なる位相を渡すことにより、連続するデータ検出器回路を通じた連続するパスごとに異なる検出処理またはアルゴリズムが適用され、対応する変化がデータ検出器回路の出力に生じる。このようなシステム摂動は、データ入力が一定のタイプのエラーを示す場合にデータ収束の可能性を高める。図2cの図式表示は例示のみであり、本明細書に記載された開示に基づいて当業者なら、本発明の種々の実施形態に対して行うことができる位相シフトおよび整列の複数の他の例を思い付くであろうことに留意されたい。
【0045】
図3を参照すると、本発明の様々な実施形態による多位相データ検出回路を含む待ち行列検出/復号回路300が示される。待ち行列検出/復号回路300は、データ検出器308に供給されるデータ入力304を含む。データ検出器308は、非限定的に、ソフト出力ビタビ・アルゴリズム検出器(SOVA)または最大事後確率(MAP)検出器を含む当技術分野で知られている任意のタイプのデータ検出器でよい。データ検出器308は、位相依存型であるデータ検出処理を適用する。たとえば、本発明のいくつかの実施形態では、データ検出器308は一時に4つのサンプルに対して動作し、第1の検出処理またはアルゴリズムは第1および第3のサンプルに適用され、第2の検出処理またはアルゴリズムは第2および第4のサンプルに適用される。したがってこの場合、データ検出器308の出力は、特定の入力が奇数位相または偶数位相にあるかどうかに応じて変化し、位相の変化は、データ検出器308から異なる出力を生じる。本発明の他の実施形態では、データ検出器308は一時に4つのサンプルに対して動作し、第1の検出処理またはアルゴリズムは第1のサンプルに適用され、第2の検出処理またはアルゴリズムは第2のサンプルに適用され、第3の検出処理またはアルゴリズムは第3のサンプルに適用され、第4の検出処理は第4のサンプルに適用される。したがってこの場合、データ検出器308の出力は、特定の入力が第1、第2、第3、または第4の位相にあるかどうかに応じて変化し、位相の変化は、データ検出器308から異なる出力を生じる。本発明の種々の実施形態に対して用いることができるデータ検出器回路の一例は、「Methods and Apparatus for MAP Detection with Reduced Complexity」という名称の米国特許出願第12/017,765号に開示されている。上記の特許出願は、先にすべての目的において参照により本明細書に組み込まれている。本明細書に記載された開示に基づいて、当業者なら本発明の種々の実施形態に対して用いることができる様々なデータ検出器回路を思い付くであろう。本明細書に記載された開示に基づいて、当業者なら本発明の種々の実施形態により用いることができる、入力セットの位相依存処置を提供する様々なデータ検出器を思い付くであろう。
【0046】
さらに、データ入力304は入力データ・バッファ312に供給され、このバッファは、データ入力304から受け取った複数のデータセットを保持するように設計される。入力データ・バッファ312の大きさは、以下でより十分に述べるように、少なくともデータ入力304を通じたデータセット入力の第1の反復処理が完了するまで、その同じデータセットが使用可能のままとなり、かつ処理されたデータがピンポン・バッファ348(すなわち、待ち行列バッファ)内で使用可能となるように、十分なバッファリングを用意するように選択することができる。入力データ・バッファ312は、データセットをデータ検出器316に供給する。データ検出器316は、データ検出器308と同じでよい。
【0047】
データ検出器308とデータ検出器316の両方の出力は、マルチプレクサ320を通じてインターリーバ回路328に供給される。このような出力は、たとえば対数尤度の比の値とすることができる。インターリーバ回路328は、2つのピンポン・バッファ324、332を用いて、データ検出器308の出力をインターリーブし、別にデータ検出器316の出力をインターリーブする。ピンポン・バッファ324内のバッファの一方は、データ検出器308からの出力の、前のインターリーブ処理の結果を保持し、これは位相合わせ回路390を通じてLDPCデコーダ336にアンロードされる。位相合わせ回路390は、デコーダ入力392を、同期マークに対する特定の位相に整列される。たとえば、本発明のいくつかの実施形態では、デコーダ入力392は4T境界に整列される。本発明のいくつかの実施形態では、位相合わせ回路390は、LDPCデコーダ336への入力が規定された境界に整列されるように、LDPCデコーダ336への入力を遅延することが可能な遅延回路として実装される。したがって、たとえば、デコーダ入力392が4T境界上に整列されるべきであり、位相合わせ回路390が3T位相の入力を受け取る場合は、位相合わせ回路390は入力を1Tだけ遅延する。他の例として、位相合わせ回路390が2T位相の入力を受け取る場合は、位相合わせ回路390は入力を2Tだけ遅延する。他の例として、位相合わせ回路390が1T位相の入力を受け取る場合は、位相合わせ回路390は入力を3Tだけ遅延する。他の例として、位相合わせ回路390が4T位相の入力を受け取る場合は、位相合わせ回路390は単に、入力をデコーダ入力392として通過させる。デコーダ入力392にて4T以外の位相合わせを供給し、それに対応して位相合わせ回路390によって提供される遅延を変更し得ることに留意されたい。
【0048】
データがピンポン・バッファ324からLDPCデコーダ336に供給されている間、他方のピンポン・バッファ324は、現在インターリーブされているデータ検出器308からのデータセットを保持する。同様に、ピンポン・バッファ332内のバッファの一方は、データ検出器316からの出力の、前のインターリーブ処理の結果を保持し、これはLDPCデコーダ336にアンロードされ、ピンポン・バッファ324の他方のバッファは、現在インターリーブされているデータ検出器316からのデータセットを保持する。
【0049】
LDPCデコーダ336は、1つまたは複数のデータセットを同時に復号することができる。一実施例としてLDPCデコーダ336は、ピンポン・バッファ324からのインターリーブされたデータセットを復号するように、またはピンポン・バッファ332からのインターリーブされたデータセットを復号するように、またはピンポン・バッファ324およびピンポン・バッファ332からのインターリーブされたデータセットを同時に復号するように設計することができる。復号データは、ハード決定出力340として供給されるか、かつ/またはデインターリーバ回路344に供給され、この回路は、ピンポン・バッファ348を用いて復号データをデインターリーブし、デインターリーブされたデータを位相シフト回路380を通じてデータ検出器316へ入力として供給する。ピンポン・バッファ348内のバッファの一方は、前のデインターリーブ処理の結果を保持し、これはデータ検出器316にアンロードされ、ピンポン・バッファ348の他方のバッファは、現在デインターリーブされている復号されたデータセットを保持する。ハード決定出力340は、デインターリーバ回路356に供給され、この回路は、ハード決定出力340をデインターリーブし、デインターリーブされた結果を出力データ・バッファ360に記憶する。最終的にデインターリーバ回路356は、出力データ・バッファ360に記憶された、デインターリーブされたデータを出力370として供給する。
【0050】
デインターリーバ回路344から受け取られたデータは、位相合わせ回路390によって行われた位相合わせと一致するように、位相合わせされる。位相シフト回路380は、処理の段階に応じて、データ検出器316に渡されるデータ位相が、データ検出器308またはデータ検出器316によって処理された、以前のデータ位相とは異なるように、デインターリーバ回路344から受け取ったデータが位相シフトされるようにする。場合によっては、位相シフト回路は遅延回路として実装される。一実施形態では、位相変化は、符号語待ち時間カウント値376によって制御される。符号語待ち時間カウント値は、所与のデータセットに適用されたグローバル反復の数を示す。これは、データ検出器308およびデータ検出器316を通じて、データセットが処理された回数に対応する。符号語待ち時間カウント376を法とするデータ検出器316によってサポートされる位相依存検出処理またはアルゴリズムの数は、位相シフト回路380によって適用される位相シフトの大きさを決定するのに用いることができる。たとえば、データ検出器316が2つの位相依存検出処理またはアルゴリズムをもたらし、データセットがLDPCデコーダ336を1回通過しただけである場合は、位相シフト回路380は信号内に1Tの遅延を与えることができる。もう1つの例として、データセットがLDPCデコーダ336を2回通過した場合は、位相シフト回路380は0Tを与えることができる。一方、データ検出器316は4つの位相依存検出処理またはアルゴリズムをもたらし、データセットがLDPCデコーダ336を1回通過しただけである場合は、位相シフト回路380は信号内に1Tの遅延を与えることができ、データセットがLDPCデコーダ336を2回通過した場合は、位相シフト回路380は2Tを与えることができ、データセットがLDPCデコーダ336を3回通過した場合は、位相シフト回路380は3Tを与えることができ、データセットがLDPCデコーダ336を4回通過した場合は、位相シフト回路380は0Tを与えることができる。本明細書に記載された開示に基づいて、当業者なら、データ検出器316によってサポートされる位相依存処理またはアルゴリズムの数に応じて位相シフト回路380によって実装することができる、様々な位相シフトを思い付くであろう。
【0051】
動作時は、データ入力304を通じて第1のデータセットがデータ検出器308に導入される。データ検出器308は、そのチャネル検出アルゴリズムを実行し、ハード出力とソフト出力の両方をマルチプレクサ320に供給する。ハードおよびソフト決定データは、ピンポン・バッファ324の一方のバッファに書き込まれる。検出器出力がバッファに書き込まれるのと同時に、インターリーバ328は、連続したデータを、インターリーバ・アルゴリズム/マッピングに基づいて連続しないメモリ/バッファ・アドレスに書き込むことにより、データセットをインターリーブする。インターリーバ328がインターリーブ処理を完了した後、インターリーブされたデータは位相合わせ回路390を通じてLDPCデコーダ336に通され、位相合わせ回路390はLDPCデコーダ336によって期待される位相境界に沿ってデータを整列させる。位相合わせされたデータは、LDPCデコーダ336によって復号される。データが収束する場合は、LDPCデコーダ336は、その出力をハード決定出力340として出力データ・バッファ360に書き込み、その特定のデータセットに対する処理は完了される。あるいは、データが収束しない場合は、LDPCデコーダ336は、その出力(ソフトおよびハードの両方)をピンポン・バッファ348に書き込む。
【0052】
ピンポン・バッファ348に書き込まれたデータは、位相シフト回路380を通じてデータ検出器316にフィードバックされる。位相シフト回路380は、可能ならデータの新しい位相がデータ検出器316に渡されるように、データに位相シフトを適用する。データ検出器316は、入力データ・バッファ312から、ピンポン・バッファ348内の出力に対応するデータセットを選択し、それを位相シフト回路380から供給されるものと位相合わせし、ピンポン・バッファ348からフィードバックされた、LDPCデコーダ336によって発生されたソフト出力データに補助されて、後続するデータ検出を実行する。入力データ・バッファ312内に維持されたデータのために、前に発生されたソフト・データを用いることにより、概してデータ検出器316は、後続するチャネル検出を高められた精度で実行する。この後続するチャネル検出の出力は、マルチプレクサ320を通じてインターリーバ328に通される。データは、ピンポン・バッファ332の一方のバッファに書き込まれ、インターリーバ328はデータをインターリーブする。次いで、インターリーブされたデータは、位相合わせ回路390を通じてLDPCデコーダ336に通され、そこで2回目の復号を受ける。第1の反復と同様に、データが収束したか、またはデータを取り扱うのにピンポン・バッファ348のスペースが不十分であるかどうかの判断がなされる。そうである場合は、LDPCデコーダ336はその出力をハード決定出力340として出力データ・バッファ360に書き込み、その特定のデータセットに対する処理は完了する。あるいは、データが収束せず、かつ追加のデータセットを受け取るためにピンポン・バッファ348内に十分なバッファ・スペースがある場合は、LDPCデコーダ336は、その出力(ソフトおよびハードの両方)をピンポン・バッファ348に書き込み、そこでそれは、可能な場合は前に渡されたのとは異なる、データ検出器316に渡されたデータの位相を用いた第3のパスのためにデータ検出器316に戻される。ピンポン・バッファ348内の十分なスペースとは、第2の検出器およびデコーダからのデータセットがピンポン・バッファに書き込まれた後に、少なくとも、第1の検出器およびデコーダからのデータセットのために予約されたスペースを有することで定義される。
【0053】
一例とし、第1のデータセットがデータ入力304に印加され、収束するのに複数回の反復を要し、一方、データ入力304に印加されたすべての後続するデータセットが第1のパスで(すなわち単一の反復で)収束する場合があり得ることに留意されたい。このような場合、第1のデータセットは、出力データ・バッファ360内で使用可能なメモリの大きさによって制限される、複数の回数(すなわち複数回の反復)だけ処理することができる。出力データ・バッファ360が満杯になった後、または出力の順序付けられたセットが使用可能になった後、第1のデータセットに対応する最新のハード決定出力がハード決定出力として供給され、デインターリーバ356は、出力を再順序付けし、第1の出力を第1の位相に置く。これがなされた状態で、出力データ・バッファ360は、出力370としてフラッシュアウトされる。本発明のいくつかの実施形態では、デインターリーバ356は再順序付けを行わず、出力データ・バッファ360は非常に限られたサイズを有する。このような場合、データセットは、出力370の受け取り側がデータをどれだけ長く待ち得るかだけによって制限される、非常に多くの回数(すなわち、多数の反復)、処理され得ることが考えられる。別の例として、データ入力304として印加されたすべてのデータが、その第1のパスで収束することがあり得る。このような場合、データ検出器316、LDPCデコーダ336、および/またはデインターリーバ344は、電力を節約するために節電モードに置いてもよい。さらに別の例として、データ入力304に印加されたすべてのデータセットが第1のパス(すなわち単一の反復)で収束しない場合があり得る。このような場合、すべてのデータセットは2回反復されることになる。また、ピンポン・バッファ324、332、248にスペースを追加すると共に、1つまたは複数の追加のデータ検出器を追加することができ、これはかなりの数の密接に位置するデータセットが収束しない場合に、より多くの反復を容易にし得ることにも留意されたい。このような場合、すべてのデータセットが検出器の数と同じ反復回数で復号されることを、保証することができる。
【0054】
本明細書に記載された開示に基づいて、データをデータ検出器316に導入する前に、データを位相シフトすることを含む、待ち行列検出/復号回路300は、データ検出器316を通じた連続するパスごとに異なる検出処理またはアルゴリズムが適用され、対応する変化がデータ検出器316の出力に生じることを可能にする。このようなシステム摂動は、データ入力が一定のタイプのエラーを示す場合にデータ収束の可能性を高める。
【0055】
図4を参照すると、流れ図400は、本発明の1つまたは複数の実施形態による多位相データ検出処理のための処理を示す。流れ図400に従ってアナログ入力が、受け取られる(ブロック402)。アナログ入力は、任意の数の異なるデータ源から受け取ることができる。たとえば、この方法がハードディスク・ドライブに実施される場合は、アナログ入力は記憶媒体から得ることができる。あるいは、この方法がデータ伝送システム内に実施される場合は、アナログ入力は受信機から得ることができる。本明細書に記載された開示に基づいて、当業者なら本発明の様々なアナログ入力の供給源を思い付くであろう。アナログ入力は、様々なアナログ処理を受けさせることができる(ブロック404)。このような処理は、非限定的に、当技術分野で知られているように増幅、等価、および/またはフィルタリングを含むことができる。本明細書に記載された開示に基づいて当業者なら、本発明の種々の実施形態により、アナログ信号に適用し得る様々なアナログ処理を思い付くであろう。
【0056】
処理されたアナログ入力は、アナログ−デジタル変換器を用いて一連のデジタル・サンプルに変換される(ブロック406)。この処理は、アナログ信号を一連の対応するデジタル・サンプルに変換するための、当技術分野で知られている任意の手法を用いて行うことができる。場合によっては、結果としてのデジタル・サンプルは、フィルタリングされる(ブロック408)。このようなフィルタリングは、たとえば当技術分野で知られているようなデジタル有限インパルス応答フィルタを用いて行うことができる。フィルタリングされたデータはデータ検出回路に渡され、そこではデータに対してデータ検出アルゴリズムが適用される(ブロック410)。データ検出回路は、2つ以上の位相依存検出処理またはアルゴリズムを提供する、当技術分野で知られている任意のデータ検出回路でよい。場合によってはデータ検出回路は、ソフト出力ビタビ・アルゴリズム検出器(SOVA)または最大事後確率(MAP)検出器とすることができる。たとえば本発明のいくつかの実施形態では、データ検出器回路は一時に4つのサンプルに対して動作し、第1の検出処理またはアルゴリズムは第1および第3のサンプルに適用され、第2の検出処理またはアルゴリズムは第2および第4のサンプルに適用される。したがってこの場合、データ検出器回路の出力は、特定の入力が奇数位相または偶数位相にあるかどうかに応じて変化し、位相の変化は、異なる出力を生じる。本発明の他の実施形態では、データ検出器回路は一時に4つのサンプルに対して動作し、第1の検出処理またはアルゴリズムは第1のサンプルに適用され、第2の検出処理またはアルゴリズムは第2のサンプルに適用され、第3の検出処理またはアルゴリズムは第3のサンプルに適用され、第4の検出処理は第4のサンプルに適用される。したがってこの場合、データ検出器回路の出力は、特定の入力が第1、第2、第3、または第4の位相にあるかどうかに応じて変化し、位相の変化は、異なる出力を生じる。
【0057】
次いでデータ検出処理からの出力は、次に最も近いデコーダ境界に位相合わせされる(ブロック412)。たとえば、デコーダ境界が4T境界であり、データ検出処理の出力の位相整列が4T境界上である場合は、データ検出処理の出力に0Tの遅延が適用される。データ検出処理の出力の位相整列が1T境界上である場合は、データ検出処理の出力に3Tの遅延が適用され、データ検出処理の出力の位相整列が2T境界上である場合は、データ検出処理の出力に2Tの遅延が適用され、データ検出処理の出力の位相整列が3T境界上である場合は、データ検出処理の出力に1Tの遅延が適用される。本発明の種々の実施形態に対して、他の境界を使用してもよいことに留意されたい。次いで、位相合わせされたデータ検出処理の出力はデコーダ回路に渡され、そこではデータに対して復号アルゴリズムが適用される(ブロック414)。当技術分野で知られている任意の復号処理を用いることができる。たとえば復号処理は、当技術分野で知られている低密度パリティチェック復号処理とすることができる。
【0058】
次いで、もう1つのグローバル反復が行われるべきかどうかが判定される(ブロック420)。固定回数のグローバル反復が行われる場合は、これはすべての所望のグローバル反復がすでに処理されたかどうかの判定を含む。あるいは、可変回数のグローバル反復が可能な場合は、これは以前の処理が収束したかどうか、または最大反復回数がすでに実行されたかどうかの判定を含む。さらなるグローバル反復が要求されない場合(ブロック420)は、処理の結果が報告され(ブロック422)、処理は新たに開始する(ブロック402)。
【0059】
あるいは、追加のグローバル反復が要求される場合(ブロック420)は、前の(1つまたは複数の)データ検出処理(ブロック410)で渡されたデータの位相が判定される(ブロック424)。たとえば、データ検出処理が2つの位相依存処理またはアルゴリズムAおよびBを提供する場合は、第1のサンプルがAまたはB処理を用いて処理されたかどうかが判定される。別の例として、データ検出処理が4つの位相依存処理またはアルゴリズムA、B、C、およびDを提供する場合は、第1のサンプルがA、B、C、またはD処理を用いて処理されたかどうかが判定される。前に適用された(1つまたは複数の)データ検出処理の判定に基づいて、次の位相が選択される(ブロック426)。上記の2つの位相の例を用いると、前の処理時に処理されたデータの第1のサンプルにAアルゴリズムが適用されていた場合は、後続する処理の第1のサンプルにはBアルゴリズムが適用されることになる。復号データは、データ検出器の選択された位相に整列するように位相シフトされる(ブロック426)。このシフトを行った後に、ブロック410〜420の処理が繰り返される。この処理は、追加のグローバル反復が必要なくなるまで継続する(ブロック420)。
【0060】
図5を参照すると、本発明の様々な実施形態による多位相データ検出回路を含む記憶システム500が示される。記憶システム500は、たとえばハードディスク・ドライブとすることができる。記憶システム500は、組込型多位相データ検出回路を有するリードチャネル510を含む。組込型多位相データ検出回路は、連続するデータ検出の反復に供給されるデータ位相をシフトすることが可能な、任意のサンプリング更新回路とすることができる。したがって、たとえば組込型多位相データ検出回路は、非限定的に、上記の図1または図3に関連して説明したもののいずれでもよい。さらに記憶システム500は、インターフェース・コントローラ520、プリアンプ570、ハードディスク・コントローラ566、モータ・コントローラ568、スピンドルモータ572、ディスク板578、およびリード/ライトヘッド組立体576を含む。インターフェース・コントローラ520は、ディスク板578への、またはディスク板578からのデータのアドレス指定およびタイミングを制御する。ディスク板578上のデータは、一群の磁気信号からなり、この信号は、リード/ライトヘッド組立体576がディスク板578の上に正しく位置決めされたときに組立体によって検出することができる。通常の読み出し動作ではリード/ライトヘッド組立体576は、モータ・コントローラ568によってディスク板578上の所望のデータ・トラックの上に正確に位置決めされる。モータ・コントローラ568は、ハードディスク・コントローラ566の指示の下に、リード/ライトヘッド組立体576をディスク板578上の正しいデータ・トラックへ移動することによってディスク板578に対してリード/ライトヘッド組立体を位置決めすること、およびスピンドルモータ572を駆動することの両方を行う。スピンドルモータ572は、所定の回転速度(RPM)でディスク板578を回転させる。
【0061】
リード/ライトヘッド組立体576が正しいデータ・トラックに近接して位置決めされた後、ディスク板578上のデータを表す磁気信号は、ディスク板578がスピンドルモータ572によって回転されるのに従って、リード/ライトヘッド組立体576によって検出される。検出された磁気信号は、ディスク板578上の磁気データを表す連続した微小なアナログ信号としてもたらされる。この微小なアナログ信号は、リード/ライトヘッド組立体576からプリアンプ570を通じてリードチャネル・モジュール510に転送される。プリアンプ570は、ディスク板578からアクセスされた微小なアナログ信号を増幅するように動作可能である。さらにプリアンプ570は、ディスク板578上に書き込まれる予定の、リードチャネル・モジュール510からデータを増幅するように動作可能である。リードチャネル・モジュール510は、初めにディスク板578に書き込まれた情報を再現するために、受け取ったアナログ信号を復号しデジタル化する。このデータは、読み出しデータ503として、それを受け取る回路に供給される。書き込み動作は、先の読み出し動作のほぼ反対であり、書き込みデータ501がリードチャネル・モジュール510に供給される。次いでこのデータは符号化され、ディスク板578上に書き込まれる。
【0062】
図6を参照すると、本発明の1つまたは複数の実施形態による多位相データ検出回路を有する受信機620を含む通信システム600が示される。通信システム600は、当技術分野で知られているように、転送媒体630を通じて符号化された情報を送信するように動作可能な送信機を含む。符号化されたデータは、受信機620によって転送媒体630から受信される。受信機620には、多位相データ検出回路が組み込まれる。組込型多位相データ検出回路は、連続するデータ検出の反復に供給されるデータ位相をシフトすることが可能な任意のサンプリング更新回路とすることができる。したがってたとえば、組込型多位相データ検出回路は、非限定的に、上記の図1または図3に関連して説明したもののいずれでもよい。
【0063】
最後に、本発明は、データ処理を行うための新規なシステム、デバイス、方法、および装置を提供する。本発明の1つまたは複数の実施形態について上記で述べてきたが、当業者には、本発明の趣旨から変わることなく、様々な代替形態、変更形態、および等価物が明らかであろう。したがって上記の説明は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデータ検出回路であって、データセットに位相依存データ検出アルゴリズムを適用し、それにより前記第1のデータ検出回路の第1の出力が、前記第1のデータ検出回路に渡された前記データセットの位相に応じて変化し、前記データセットの第1の位相が前記第1のデータ検出回路に渡される、第1のデータ検出回路と、
位相シフト回路であって、前記第1の出力から派生する物を位相シフトし、それにより前記データセットの第2の位相が、位相シフトされた出力として供給されるようになる、位相シフト回路と、
第2のデータ検出回路であって、前記位相シフトされた出力に位相依存データ検出アルゴリズムを適用し、それにより前記第2のデータ検出回路の第2の出力は、少なくとも部分的に、前記第2のデータ検出回路に渡された前記データセットの異なる位相により、前記第1の出力から変化する、第2のデータ検出回路と
を備える、データ処理回路。
【請求項2】
前記第1のデータ検出回路が、前記第2のデータ検出回路と異なる、請求項1に記載のデータ処理回路。
【請求項3】
前記第1のデータ検出回路と前記第2のデータ検出回路が、単一のデータ検出回路として実装される、請求項1に記載のデータ処理回路。
【請求項4】
前記データ処理回路が、
デコーダ回路であって、復号出力を生じるように前記第1の出力に復号アルゴリズムを適用し、前記第1の出力から派生する物が復号出力である、デコーダ回路
をさらに備える、請求項1に記載のデータ処理回路。
【請求項5】
前記第1のデータ検出回路と前記第2のデータ検出回路が、2つの位相依存検出処理を提供する、請求項1に記載のデータ処理回路。
【請求項6】
前記第1のデータ検出回路と前記第2のデータ検出回路が、4つの位相依存検出処理を提供する、請求項1に記載のデータ処理回路。
【請求項7】
前記データ処理回路が、ハードディスク・ドライブの一部として実装される、請求項1に記載のデータ処理回路。
【請求項8】
前記データ処理回路が、無線受信デバイスの一部として実装される、請求項1に記載のデータ処理回路。
【請求項9】
前記位相シフト回路が、遅延回路である、請求項1に記載のデータ処理回路。
【請求項10】
データ処理の方法であって、
データセットを受け取ることと、
前記データセットに第1のデータ検出を行うことであって、前記第1のデータ検出は、位相依存データ検出であり、その結果、前記第1のデータ検出が適用される前記データセットの位相に応じて変化する第1の出力を生じ、前記第1のデータ検出は、前記データセットの第1の位相に適用される、ことと、
復号出力を生じるように前記第1の出力に対してデータ復号を行うことと、
前記データセットの第2の位相が、位相シフトされた出力として供給されるように、前記復号出力を位相シフトすることと、
前記位相シフトされた出力に、第2のデータ検出を行うことであって、前記第2のデータ検出は位相依存データ検出であり、その結果、渡された入力の位相に応じて変化する第2の出力を生じる、ことと
を含む方法。
【請求項11】
前記第1の出力を前記デコーダ回路に渡す前に、前記第1の出力がデコーダ境界に整列されるように、前記第1の出力を位相合わせすること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の出力を位相合わせすることが、前記第1の出力に可変遅延を適用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のデータ検出と前記第2のデータ検出は、同じデータ検出回路を用いて行われ、
前記第1のデータ検出を行う前に、特定の位相に整列させるように前記データセットを位相シフトすること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記復号出力を位相シフトすることが、前記復号出力に可変遅延を適用することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
ハードディスク・ドライブ・システムであって、
記憶媒体と、
前記記憶媒体に対して配置されるリード/ライトヘッド組立体と、
アナログ−デジタル変換器であって、前記リード/ライトヘッド組立体を通じて前記記憶媒体から得られるアナログ入力を受け取り、前記アナログ入力に対応するデータセットを供給する、アナログ−デジタル変換器と、
第1のデータ検出回路であって、前記データセットに位相依存データ検出アルゴリズムを適用し、それにより前記第1のデータ検出回路の第1の出力が、前記第1のデータ検出回路に渡された前記データセットの位相に応じて変化し、前記データセットの第1の位相が第1のデータ検出回路に渡される、第1のデータ検出回路と、
復号出力を生じるように前記第1の出力に復号アルゴリズムを適用する、デコーダ回路と、
位相シフト回路であって、前記復号出力を位相シフトし、それにより前記データセットの第2の位相が、位相シフトされた出力として供給されるようになる、位相シフト回路と、
第2のデータ検出回路であって、前記位相シフトされた出力に位相依存データ検出アルゴリズムを適用し、それにより前記第2のデータ検出回路の第2の出力は、少なくとも部分的に、前記第2のデータ検出回路に渡された前記データセットの異なる位相により、前記第1の出力から変化する、第2のデータ検出回路と
を備えるシステム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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