説明

収容ケース付き刃物製品及び刃物収容ケース

【解決手段】収容ケース付き刃物製品1は、刃体3を取り付けた口金5から把持部6を経て尻金7にわたり延設された柄4を有する刃物2と、刃物2を収容して保持する収容ケース8とを備えている。収容ケース8は、スリット20を設けた底壁部12,15と、磁石22を埋設した周壁部13,16と、刃物2を収容する収容室17と、スリット25aを設けた押さえ25とを有している。刃物2の収容状態では、刃体3の刃縁3aがスリット20に挿入されるとともに、刃体3の背縁3bが押さえ25のスリット25aに挿入され、磁性体である尻金7が磁石22により周壁部16を介して引き付けられる。
【効果】収容ケース付き刃物製品1及び刃物収容ケース8で磁石22を利用した刃物2の保持構造において、刃物収容ケース8に対し磁石22を取り付ける構造を簡単にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刃物収容ケース、並びに、その収容ケースと刃物とをセットにした収容ケース付き刃物製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1や特許文献2など、一または二以上の刃物(包丁やナイフ等)の全体を収容することができる収容ケースは種々提案されている。しかし、その収容ケース内で刃物を保持する構造は一般的に複雑になっていた。
【0003】
そこで、収容ケースにおいて磁石を利用した刃物の保持構造を種々提案した。従来、この種の保持構造としては、下記特許文献3や特許文献4など種々提案されているが、いずれも、磁性体である刃体を磁石により吸着して保持するものであった。
【特許文献1】実開昭56−141131号公報
【特許文献2】実開昭62−139980号公報
【特許文献3】実公平4−40622号公報
【特許文献4】実開平5−26038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、刃体を磁石により吸着して保持する構造であると、刃体が位置する収容ケースの中央部寄りで壁部に磁石を配設しなければならず、収容ケースに対する磁石の取付構造が複雑になるおそれがあった。特に、収容ケースに二以上の刃物を互いに並べて収容する場合には、互いに隣接する刃体間に磁石を配設する必要があるため、収容ケースに対する磁石の取付構造がより一層複雑になるおそれがあった。
【0005】
この発明は、収容ケース付き刃物製品及び刃物収容ケースで磁石を利用した刃物の保持構造において、収容ケースに対し磁石またはその磁石に引き付けられる磁性体を取り付ける構造を簡単にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
後記実施形態の図面(図1〜3)の符号を援用して本発明を説明する。
* 収容ケース付き刃物製品にかかる請求項1〜6の発明
請求項1の発明にかかる収容ケース付き刃物製品は、下記のように構成されている。
【0007】
この収容ケース付き刃物製品(1)は、刃体(3)を取り付けた頭部(5)から把持部(6)を経て尻部(7)にわたり延設された柄(4)を有する刃物(2)と、その刃物(2)を収容して保持する収容ケース(8)とを備えている。磁石(22,24)とその磁石(22,24)に引き付けられる磁性体(7)とのうち一方のもの(22,24)を収容ケース(8)に設けるとともに他方のもの(7)を刃物(2)の柄(4)の尻部(7)に設けている。この磁石(22,24)以外に、刃物(2)を収容ケース(8)に収容した状態でその刃物(2)の刃体(3)を保持する止め手段(20,25)を収容ケース(8)に設けてもよい。
【0008】
請求項1の発明では、刃物(2)のうち刃体(3)ではなく柄(4)しかもその端にある尻部(7)を磁力により保持するようにしたので、収容ケース(8)に一つの刃物(2)を収容するか、または、二以上の刃物(2)を互いに並べて収容した状態で、収容ケース(8)の外周部寄りに位置する柄(4)の尻部(7)に合わせて、磁石(22,24)または磁性体(7)も収容ケース(8)の外周部寄りに配設すればよく、その磁石(22,24)または磁性体(7)を収容ケース(8)の外周部に取り付け易くなる。
【0009】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記磁石(22,24)は前記収容ケース(8)で収容室(17)を形成する壁部(16b,15)に一または二以上設けられ、前記磁性体(7)はこの収容室(17)に入れられた前記刃物(2)における柄(4)の尻部(7)に設けられている。例えば、収容ケース(8)の壁部(16b,15)で二以上の磁石(22,24)を並設した場合には、複数の刃物(2)を並べて配設し、それぞれの刃物(2)における柄(4)の尻部(7)を磁石(22,24)により保持する。ただし、二以上の磁石(22,24)を一体化した一つの磁石(図示せず)により刃物(2)における柄(4)の尻部(7)を保持してもよい。
【0010】
請求項2の発明では、磁石(22,24)を収容ケース(8)の外周部で壁部(16b,15)に取り付け易くなる。
請求項1の発明を前提とする請求項3の発明は、下記のように構成されている。
【0011】
前記収容ケース(8)は、前記刃物(2)が載置される底側の壁部(12,15)と、その底側の壁部(12,15)の外周を囲う周囲の壁部(13,16)と、この底側の壁部(12,15)と周囲の壁部(13,16)とで形成される収容室(17)とを有するケース本体(9)を備えている。前記磁石(22,24)はこのケース本体(9)で周囲の壁部(13,16)または底側の壁部(12,15)に一または二以上設けられている。前記磁性体(7)はこのケース本体(9)の収容室(17)に入れられた前記刃物(2)における柄(4)の尻部(7)に設けられている。例えば、ケース本体(9)における周囲の壁部(13,16)または底側の壁部(12,15)で二以上の磁石(22,24)を並設した場合には、複数の刃物(2)を並べて配設し、それぞれの刃物(2)における柄(4)の尻部(7)を磁石(22,24)により保持する。ただし、二以上の磁石(22,24)を一体化した一つの磁石(図示せず)により刃物(2)における柄(4)の尻部(7)を保持してもよい。前記止め手段としては、例えば、刃体(3)の刃縁(3a)側を挿入するスリット(20)をこのケース本体(9)における底側の壁部(12,15)に設けるとともに、刃体(3)の背縁(3b)側を挿入するスリット(25a)を有する押さえ(25)を設ける。例えば、前記収容ケース(8)においては、ケース本体(9)のほかに、底側の壁部(12,15)に対向する収容室(17)の出入部(17a)を開閉可能に覆う蓋側の壁部(10)を設ける。その蓋側の壁部(10)はケース本体(9)に対し着脱可能に支持したり一体的に取り付けて回動可能に支持したりする。
【0012】
請求項3の発明では、磁石(22,24)を収容ケース(8)の外周部で周囲の壁部(13,16)または底側の壁部(12,15)に取り付け易くなる。
請求項2または請求項3の発明を前提とする請求項4の発明において、前記磁石(22,24)は収容ケース(8)の壁部(13,16,12,15)内に埋設され、前記刃物(2)の柄(4)の尻部(7)にある磁性体(7)をこの壁部(13,16,12,15)を介して引き付ける。
【0013】
請求項4の発明では、磁石(22,24)を壁部(13,16,12,15)により覆い隠すので、収容ケース(8)の外観を損なうことなく高級感をかもし出すことができる。
【0014】
請求項3の発明を前提とする請求項5の発明は、下記のように構成されている。
前記ケース本体(9)は、底側の壁部(12)とその底側の壁部(12)の外周を囲う周囲の壁部(13)とを有する外箱(11)と、底側の壁部(15)とその底側の壁部(15)の外周を囲う周囲の壁部(16)とを有する中箱(14)とを備えている。この中箱(14)を外箱(11)上に嵌め込んだ状態で、このケース本体(9)における底側の壁部は、外箱(11)における底側の壁部(12)と中箱(14)における底側の壁部(15)とからなる。このケース本体(9)における周囲の壁部は、外箱(11)における周囲の壁部(13)と中箱(14)における周囲の壁部(16)とからなる。この中箱(14)と外箱(11)とは互いに着脱可能に取り付けたり着脱不能に取り付けたりする。前記磁石(22)はこの外箱(11)における周囲の壁部(13)と中箱(14)における周囲の壁部(16)との間に嵌め込まれている。例えば、この磁石(22)は、中箱(14)における周囲の壁部(16)に形成した凹部(21)に嵌め込まれ、外箱(11)における周囲の壁部(13)により隠されている。前記止め手段としては、例えば、刃体(3)の刃縁(3a)側を挿入するスリット(20)をこの中箱(14)の底側の壁部(15)に設けるとともに、刃体(3)の背縁(3b)側を挿入するスリット(25a)を有する押さえ(25)を設ける。なお、ケース本体(9)を外箱(11)と中箱(14)とに分けたので、中箱(14)を加工するだけで、上記凹部(21)やスリット(20)を容易に形成することができる。
【0015】
請求項5の発明では、磁石(22)を中箱(14)及び外箱(11)における周囲の壁部(16,13)により覆い隠すので、収容ケース(8)の外観を損なうことなく高級感をかもし出すことができるばかりではなく、外箱(11)における周囲の壁部(13)と中箱(14)における周囲の壁部(16)との間に磁石(22)を嵌め込むだけでケース本体(9)に対し容易に取り付けることができる。
【0016】
請求項2から請求項5のうちいずれかの請求項の発明を前提とする請求項6の発明において、前記刃物(2)における柄(4)の尻部(7)で磁性体(7)は環状の周面部(7a)の内側に端面部(7b)を有し、前記収容ケース(8)の壁部(16,13)で磁石(22)はこの磁性体(7)の端面部(7b)を引き付けるように磁性体(7)に対し柄(4)の延設方向に沿って並んでいる。
【0017】
請求項6の発明では、収容ケース(8)で刃物(2)と磁石(22)とをコンパクトに配置することができる。
* 刃物収容ケースにかかる請求項7の発明及び第8の発明
請求項7の発明にかかる刃物収容ケース(8)は、下記のように構成されている。
【0018】
この刃物収容ケース(8)は、刃体(3)を取り付けた頭部(5)から把持部(6)を経て尻部(7)にわたり延設された柄(4)を有する刃物(2)を収容して保持し、この刃物(2)が載置される底壁部(12,15)とその底壁部(12,15)の外周を囲う周壁部(13,16)とこの底壁部(12,15)と周壁部(13,16)とで形成される収容室(17)とを有するケース本体(9)を備えている。この刃物(2)をケース本体(9)に収容した状態で、その刃物(2)の刃体(3)を保持する止め手段(20,25)を設けている。このケース本体(9)の周壁部(13,16)内には前記刃物(2)の柄(4)の尻部(7)にある磁性体(7)をこの周壁部(13,16)を介して引き付ける一または二以上の磁石(22)を埋設している。例えば、ケース本体(9)の周壁部(13,16)で二以上の磁石(22)を並設した場合には、複数の刃物(2)を並べて配設し、それぞれの刃物(2)における柄(4)の尻部(7)を磁石(22)により保持する。ただし、二以上の磁石(22)を一体化した一つの磁石(図示せず)により刃物(2)における柄(4)の尻部(7)を保持してもよい。前記止め手段としては、例えば、刃体(3)の刃縁(3a)側を挿入するスリット(20)をこのケース本体(9)における底壁部(12,15)に設けるとともに、刃体(3)の背縁(3b)側を挿入するスリット(25a)を有する押さえ(25)を設ける。
【0019】
請求項7の発明では、刃物(2)のうち刃体(3)ではなく柄(4)しかもその端にある尻部(7)を磁石(22)により保持することができるので、収容ケース(8)に一つの刃物(2)を収容するか、または、二以上の刃物(2)を互いに並べて収容した状態で、収容ケース(8)の外周部寄りに位置する柄(4)の尻部(7)に合わせて、磁石(22)も収容ケース(8)の外周部寄りに配設すればよく、その磁石(22)を収容ケース(8)の外周部で周壁部(13,16)に取り付け易くなる。また、磁石(22)を周壁部(13,16)により覆い隠すので、収容ケース(8)の外観を損なうことなく高級感をかもし出すことができる。
【0020】
請求項7の発明を前提とする第8の発明は、下記のように構成されている。
前記ケース本体(9)は、底壁部(12)とその底壁部(12)の外周を囲う周壁部(13)とを有する外箱(11)と、底壁部(15)とその底壁部(15)の外周を囲う周壁部(16)とを有する中箱(14)とを備えている。この中箱(14)を外箱(11)上に嵌め込んだ状態で、このケース本体(9)の底壁部は、外箱(11)の底壁部(12)と中箱(14)の底壁部(15)とからなる。このケース本体(9)の周壁部は、外箱(11)の周壁部(13)と中箱(14)の周壁部(16)とからなる。前記磁石(22)はこの外箱(11)の周壁部(13)と中箱(14)の周壁部(16)との間に嵌め込まれている。例えば、この磁石(22)は、中箱(14)の周壁部(16)に形成した凹部(21)に嵌め込まれ、外箱(11)の周壁部(13)により隠されている。前記止め手段としては、例えば、刃体(3)の刃縁(3a)側を挿入するスリット(20)をこの中箱(14)の底壁部(15)に設けるとともに、刃体(3)の背縁(3b)側を挿入するスリット(25a)を有する押さえ(25)を設ける。例えば、この刃物収容ケース(8)においては、ケース本体(9)のほかに、底壁部(15)に対向する収容室(17)の出入部(17a)を開閉可能に覆う蓋箱(10)を設ける。その蓋箱(10)はケース本体(9)に対し着脱可能に支持したり一体的に取り付けて回動可能に支持したりする。
【0021】
第8の発明では、磁石(22)を中箱(14)及び外箱(11)における周壁部(16,13)により覆い隠すので、収容ケース(8)の外観を損なうことなく高級感をかもし出すことができるばかりではなく、外箱(11)の周壁部(13)と中箱(14)の周壁部(16)との間に磁石(22)を嵌め込むだけでケース本体(9)に対し容易に取り付けることができる。なお、ケース本体(9)を外箱(11)と中箱(14)とに分けたので、中箱(14)を加工するだけで、上記凹部(21)やスリット(20)を容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、収容ケース付き刃物製品(1)及び刃物収容ケース(8)で磁石(22,24)を利用した刃物(2)の保持構造において、刃物収容ケース(8)に対し磁石(22,24)またはその磁石(22,24)に引き付けられる磁性体(7)を取り付ける構造を簡単にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
まず、本発明の第一実施形態にかかる収容ケース付き刃物製品について図1、図2及び図3(a)を参照して説明する。
この収容ケース付き刃物製品1は、刃体3を取り付けた頭部側にある口金5から把持部6を経て尻部側にある尻金7にわたり延設された柄4を有する複数(3本)の刃物2と、その刃物2の全体を収容して保持する収容ケース8とを備えている。この収容ケース8はかえでの木などの木材やプラスチックなどからなるケース本体9と蓋箱10とからなる。このケース本体9は、底壁部12とその底壁部12の外周を囲う周壁部13とを有する外箱11と、底壁部15とその底壁部15の外周を囲う周壁部16とを有する中箱14と、互いに平行な複数(3本)のスリット25aを有する押さえ25(止め手段)とからなる。この外箱11の周壁部13は前壁部13aと後壁部13bと左壁部13cと右壁部13dとからなる。この中箱14の周壁部16は前壁部16aと後壁部16bと左壁部16cと右壁部16dとからなる。この中箱14はこの外箱11の内側に嵌め込まれ、外箱11の底壁部12上に中箱14の底壁部15が重合されるとともに、外箱11の周壁部13(前壁部13a、後壁部13b、左壁部13c、右壁部13d)に中箱14の周壁部16(前壁部16a、後壁部16b、左壁部16c、右壁部16d)が重合される。この中箱14において底壁部15上と周壁部16の内側との間には収容室17が設けられて底壁部15に対向する出入部17aで開放されている。前記蓋箱10は天壁部18とその天壁部18の外周を囲う周壁部19とを有している。前記ケース本体9においてこの蓋箱10の周壁部19を中箱14の周壁部16の外側で外箱11の周壁部13上に重合させると、中箱14の収容室17の出入部17aを蓋箱10の天壁部18により開閉可能に覆うことができる。ちなみに、この収容ケース付き刃物製品1においては、平面側から見た長手方向の全長が約230mmに設定されている。
【0024】
前記中箱14において底壁部15には周壁部16の前壁部16aと後壁部16bとの中間部付近からその前壁部16aにまで貫通して切り込まれた複数(3本)のスリット20(止め手段)が周壁部16の左右両壁部16c,16dと平行に形成されている。
【0025】
前記中箱14において周壁部16の後壁部16bの外側には複数(3個)の凹部21が周壁部16の左壁部16cと右壁部16dとの間で並ぶように形成され、その各凹部21に磁石22が埋設されて外側に露出している。この各磁石22は、中箱14を前記外箱11の内側に嵌め込んだ状態で、中箱14の周壁部16の後壁部16bとこの外箱11の周壁部13の後壁部13bとの間に挟まれてその後壁部13bにより覆い隠される。
【0026】
前記各刃物2において尻金7は、金属からなる磁性体であって、環状の周面部7aの内側に端面部7bを有している。ケース本体9から蓋箱10を開いて中箱14の収容室17に出入部17aからこの各刃物2を入れ、各スリット20に刃体3の刃縁3a側を挿入するとともに、柄4を底壁部15上に載せて尻金7の端面部7bを周壁部16の後壁部16bに当てがう。この状態で各磁石22は磁性体である尻金7に対し柄4の延設方向に沿って並ぶ。その際、尻金7の端面部7bは磁石22によりこの後壁部16bを介して引き付けられる。従って、各刃物2は、それらの刃体3が互いに隣接して並ぶとともにそれらの柄4が互いに隣接して並んだ状態で、収容室17に保持される。その後、押さえ25を中箱14の内側に嵌め込んで各スリット25aに刃体3の背縁3b側を挿入する。次に、ケース本体9に対し蓋箱10を閉じる。また、各刃物2を収容室17から出す際、ケース本体9に対し蓋箱10を開いて押さえ25を刃体3の背縁3b側から抜いた後、柄4の把持部6を上方へ持ち上げると、各スリット20から刃体3の刃縁3a側が抜かれるとともに、尻金7の端面部7bが磁石22の磁力から解除される。
【0027】
図3(b)に示す別例では、前記中箱14において底壁部15の外側には複数(3個)の凹部23が周壁部16の左壁部16cと右壁部16dとの間で並ぶように形成され、その各凹部23に磁石24が埋設されて外側に露出している。この各磁石24は、中箱14を前記外箱11の内側に嵌め込んだ状態で、中箱14の底壁部15とこの外箱11の底壁部12との間に挟まれてその底壁部12により覆い隠される。各刃物2を収容室17に入れた状態で、尻金7の周面部7aは磁石24によりこの底壁部15を介して引き付けられる。
【0028】
なお、図示しないが、前記刃物2において柄4の尻金7の端面部7bを磁石に変更するとともに、収容ケース8のケース本体9において外箱11の周壁部13と中箱14の周壁部16との間に磁性体を埋設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】(a)は本実施形態にかかる収容ケース付き刃物製品を示す組付斜視図であり、(b)はその収容ケースを示す分解斜視図である。
【図2】図1(b)のうちケース本体を示す組付平面図である。
【図3】(a)は図1(a)の断面図であり、(b)は別例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1…収容ケース付き刃物製品、2…刃物、3…刃体、3a…刃縁、4…柄、5…口金(頭部)、6…把持部、7…尻金(尻部、磁性体)、7a…周面部、7b…端面部、8…刃物収容ケース、9…ケース本体、11…外箱、12…底壁部、13…周壁部、14…中箱、15…底壁部、16…周壁部、17…収容室、20…スリット(止め手段)、22,24…磁石、25…押さえ(止め手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃体を取り付けた頭部から把持部を経て尻部にわたり延設された柄を有する刃物と、その刃物を収容して保持する収容ケースとを備えた収容ケース付き刃物製品において、磁石とその磁石に引き付けられる磁性体とのうち一方のものを収容ケースに設けるとともに他方のものを刃物の柄の尻部に設けたことを特徴とする収容ケース付き刃物製品。
【請求項2】
前記磁石は前記収容ケースで収容室を形成する壁部に設けられ、前記磁性体はこの収容室に入れられた前記刃物における柄の尻部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の収容ケース付き刃物製品。
【請求項3】
前記収容ケースは前記刃物が載置される底側の壁部とその底側の壁部の外周を囲う周囲の壁部とこの底側の壁部と周囲の壁部とで形成される収容室とを有するケース本体を備え、前記磁石はこのケース本体で周囲の壁部または底側の壁部に設けられ、前記磁性体はこのケース本体の収容室に入れられた前記刃物における柄の尻部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の収容ケース付き刃物製品。
【請求項4】
前記磁石は収容ケースの壁部内に埋設され、前記刃物の柄の尻部にある磁性体をこの壁部を介して引き付けることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の収容ケース付き刃物製品。
【請求項5】
前記ケース本体は、底側の壁部とその底側の壁部の外周を囲う周囲の壁部とを有する外箱と、底側の壁部とその底側の壁部の外周を囲う周囲の壁部とを有する中箱とを備え、この中箱を外箱上に嵌め込んだ状態で、このケース本体における底側の壁部は外箱における底側の壁部と中箱における底側の壁部とからなり、このケース本体における周囲の壁部は外箱における周囲の壁部と中箱における周囲の壁部とからなり、前記磁石はこの外箱における周囲の壁部と中箱における周囲の壁部との間に嵌め込まれていることを特徴とする請求項3に記載の収容ケース付き刃物製品。
【請求項6】
前記刃物における柄の尻部で磁性体は環状の周面部の内側に端面部を有し、前記収容ケースの壁部で磁石はこの磁性体の端面部を引き付けるように磁性体に対し柄の延設方向に沿って並んでいることを特徴とする請求項2から請求項5のうちいずれかの請求項に記載の収容ケース付き刃物製品。
【請求項7】
刃体を取り付けた頭部から把持部を経て尻部にわたり延設された柄を有する刃物を収容して保持する刃物収容ケースにおいて、この刃物が載置される底壁部とその底壁部の外周を囲う周壁部とこの底壁部と周壁部とで形成される収容室とを有するケース本体を備え、この刃物をケース本体に収容した状態で、その刃物の刃体を保持する止め手段を設けるとともに、このケース本体の周壁部内には前記刃物の柄の尻部にある磁性体をこの周壁部を介して引き付ける磁石を埋設したことを特徴とする刃物収容ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−232324(P2006−232324A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−49440(P2005−49440)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)
【Fターム(参考)】