説明

収納ラック

それぞれが互いに間隔を空けて、収納される物品(23)のプレート型キャリア(22)を収容する対向する側壁(11a,11b)に、ペア状に配置される複数の上下に配置された支持レッジ(24)を備える収容ラック(11,12)。収納ラック(11,12)におけるキャリア(22)の収納および取り出しが、移送装置(13)によって提供される。支持レッジ(24)が側壁(11a,11b)のシートメタルにおける蛇行状のプレスばめであり、側壁(11a,11b)が直立ラック支柱(16a,16b)に固定されている。支持レッジの正確な位置決めを確実に行う収納ラックを形成するために、ラック支柱(16a,16b)は、支持レッジ(24)におけるキャビティ(25)と係合する水平突出ペグ(28)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれが互いに間隔を空けて、収納される物品のプレート形状のキャリアを収容する対向する側壁に、ペア状に配置される複数の上下に配置された支持レッジを備える収容ラックであって、収納ラックの支持レッジにおけるキャリアの収納および取り出しが移送装置によって提供され、支持レッジが側壁のシートメタルにおける蛇行状のプレスばめであり、側壁が直立ラック支柱に固定されている収納ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
このような収納ラックは、収納ラックにおける高さが異なる物品の自動化されかつ空間最適化された収納および取り出しに用いられる。
2つの高いベイを備えるとともに、その間に移送装置が配置されている収納ラックが、EP0722894A1に説明されている。移送装置は、収納位置へのキャリアの収納あるいは取り出しのための載置台を備えている。載置台は、出し入れ開口部と収納位置との間で移動される。物品が収納されているキャリアは、載置台に取り出し開口にて載置される。
【0003】
キャリアがガイドされ支持される支持レッジは、側壁において一体化されている。シートメタル側壁は、蛇行して支持レッジを形成し、そして、直立支柱に溶接される。
このような収納ラックは、相当な高さである。それらは、溶接部によって収納ラックの支柱に固定された一体化支持レッジを有する複数の側壁部材を、通常、備える。溶接部の生成が、側壁部材を生じさせ、このため、支持レッジが最適には整列しないこともあり、その結果、キャリアの押し入れ、引き出しにおいて問題が生じる。
【0004】
しかしながら、支持レッジを正確に配置することは、自動化されたキャリア出し入れにはきわめて重要である。支持レッジの位置決めにおける精度の不足は、キャリアの傾きを生じさせ、ときには、重い積載量を運ぶとき、キャリア収納を困難にあるいは不可能にさえする。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0722894A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、支持レッジの正確な位置決めを確実に行う収納ラックを形成することが、本発明の目的である。
この目的を達成するために、汎用収納ラックにおいて、支持レッジにおけるキャビティと係合する水平突出ペグを備えるラック支柱を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ラック支柱に側壁を正確に固定するために、ラック支柱の側壁を位置決めする必要があるという要旨に基づく。本発明に関して、ラック支柱は、ラック支柱から突出して、これにより、支持レッジにおける蛇行状のキャビティと係合するペグ、を備える。ペグは、正確にラック支柱に配置することができ、これにより、側壁をラック支柱に連結するとき、支持レッジの正確な位置決めが可能となる。さらなる利点は、水平突出ペグにより、支持レッジによって支持される積載量が増加し、その結果、キャリアはより高い積載に対応して考案できるようになることを実現することにある。
【0007】
本発明の好都合な面は、従属請求項に記載されている。
本発明の一つの好都合な面において、ペグは、支持レッジの内側の間隔にほぼ対応する外径を有し、これにより、ラック支柱のペグに単に装着される一体化された支持レッジを有する側壁を、ラック支柱への溶接部によって連結することを可能にする。
【0008】
さらに好都合な面において、ペグは、対向するラック支柱から水平面内において互いに対向して整列される。こうして、支持レッジの互いに対する簡単な整列を実現することができる。対向する支持レッジのどのような水平のぐらつきも、キャリア上の物品が特定の場所から外れることが起こりうるキャリアの傾きを生じさせるであろう。そのようなキャリアの傾きは、ラック支柱のペグによって防止される。
【0009】
他の好都合な面において、ペグは、ラック支柱におけるプレスばめによって固定される。これにより、ペグをラック支柱に付けることを促進する。他の例として、ペグは、ラック支柱におけるタッピングにネジ締めされることもできる。
【0010】
ペグがラック支柱に撃ち込まれる場合も、詳細な好都合なものである。この場合は、ペグの外径より小さい寸法を有する孔を、ラック支柱の対応する位置に、あける必要がある。ペグは、あらかじめ作られあけられている孔に撃ち込まれ、こうして、ペグを有するラック支柱の簡単な製造が達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を、好ましい実施の形態を用い、以下の添付した概略的な図面参照しながら、説明する。
図1は、本発明にかかる収納ラックの斜視図であり、
図2は、図1において示した収納ラックを通る断面図であり、
図3は、他のペグの形状の平面図である。
【0012】
次に、図1を参照して、互いに間隔を空けた2つの対向する収納ラック11,12を備える、本発明にかかるラックシステムを例示する。収納ラック11,12の間に配置されているのは、移送装置13である。移送装置13は、駆動システムによって、収納ラックに配置可能な載置台14を備える。収納ラック11,12は、それぞれ、互いに対して平行に整列された側壁11a,11bを備える。側壁11a,11bは、スポット溶接部によって、互いに間隔を空けた直立ラック支柱16a,16bに固定された複数の部材からなる。
【0013】
収納ラック11の面17に配置されているのは、取り出し開口部18であって、互いに対して平行に整列し、キャリアを支持するよう前方へ突出した支持するアーム19a,19bを特徴として有する。収納物品23を有するキャリア22の収納および取り出しは、取り出し開口部18を介して可能である。
【0014】
キャリア22は、ハンドル27を備える。さらに、高さセンサ26が配置され、これにより、収納のため収納物品23の高さを決定し、こうして、配置が最適化された収納を可能にする。
【0015】
次に、図2を参照して、収納ラック11の面、およびそれに固定された側壁11a,11bに配置されたラック支柱16aを通る断面図を例示する。側壁11a,11bは、シートメタルで作られており、蛇行状にプレスばめされた支持レッジ24を備える。これらの支持レッジ24によってガイドされ支持されるのが、キャリア22である。蛇行状の支持レッジ24は、ラック支柱16a,16bに向かって外側に整列するキャビティ25を形成する。
【0016】
ラック支柱16a,16bに固定されるのは、位置決めに応じた所定の間隔の水平突出ペグ28である。この目的のため、プレスばめが、好ましくは、用いられる。この目的のため、それに応じてあらかじめ作られたペグ28が撃ち込まれるラック支柱16a,16bに、孔があけられる。ペグ28が、位置決めに応じてラック支柱16a,16bに取り付けらた後、側壁11a,11bには、一体化された支持レッジ24が、ラック支柱16a,16b上に装着される。この整列において、支持レッジ24のキャビティ25は、ペグ上に配置され、これにより、側壁11a,11bでのラック支柱16a,16bの正確な位置決めが実現する。側壁11a,11bがペグ28に正確に位置決めされた後、側壁が、スポット溶接部によって、ラック支柱16a,16bに固定される。
【0017】
支持レッジ24がどのように構成されるかに応じて、ペグ28は異なるペグ断面を有することもできる。次に、図3を参照して、異なるペグ断面を有する複数のラック支柱16aを例示する。
【0018】
図2に示すキャリア22は、2つの対向するラック支柱16a,16bの間で装着される。キャリア22は、中間部におけるガイド溝29を有しており、これにより、キャリア22は2つの上下に配置された支持レッジ24でガイドされる。1つの側当たり2つの支持レッジ24を用いることによって、キャリア22のより高い積載能力が達成される。さらに、キャリア22の積載能力は、ペグ28の使用によって増加する。こうして、支持レッジ24がより高い剪断ひずみ力に対応することができるからである。側壁11a,11bをより強固な寸法にすることによって積載能力を増大させることは可能であるが、しかしながら、より厚い側壁は、収納ラックの重量を増し、したがって、収納ラックの収容能力を低減することになろう。
【0019】
追加的なガイド溝29を用いることは、キャリア22を収納ラック11における中間位置で位置決めすることを可能にし、特に空間最適化された収納をもたらす。この特に効果的な収納は、その結果として、キャリア22がガイドされる支持レッジ24が特に正確に位置決めされることを必要とする。このことは、本発明にかかるペグ28を用いることにより確実に行われ、その結果、支持レッジ24の正確な配列をもたらす。
【0020】
したがって、本発明にかかるペグ28を用いることは、支持レッジ24が収納ラックに必要なように位置決めされ、同時に、増加した積載能力を得ることを確実にする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明にかかる収納ラックの斜視図である。
【図2】図2は、図1において示した収納ラックを通る断面図である。
【図3】図3は、他のペグの形状の平面図である。
【符号の説明】
【0022】
11 収納ラック
11a,b 側壁
12 収納ラック
13 移送装置
14 載置台
16a,b ラック支柱
17 面
18 取り出し開口
19a,b 支持アーム
22 キャリア
23 収納物品
24 支持レッジ
25 キャビティ
26 高さセンサ
27 ハンドル
28 ペグ
29 ガイド溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが互いに間隔を空けて、収納される物品(23)のプレート型キャリア(22)を収容する対向する側壁(11a,11b)に、ペア状に配置される複数の上下に配置された支持レッジ(24)を備える収納ラック(11,12)であって、
収納ラック(11,12)の支持レッジ(24)におけるキャリア(22)の収納および取り出しが移送装置(13)によって提供され、支持レッジ(24)が側壁(11a,11b)のシートメタルにおける蛇行状のプレスばめであり、側壁(11a,11b)が直立ラック支柱(16a,16b)に固定されており、
ラック支柱(16a,16b)が支持レッジ(24)におけるキャビティ(25)と係合する水平突出ペグ(28)を備える収納ラック。
【請求項2】
請求項1に記載の収納ラックであって、ペグ(28)は、支持レッジ(24)の内側の間隔にほぼ対応する外径を有する収納ラック。
【請求項3】
請求項1または2に記載の収納ラックであって、ペグ(28)は、対向するラック支柱(16a,16b)から水平面内において互いに対向して整列される収納ラック。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の収納ラックであって、ペグ(28)は、ラック支柱(16a,16b)におけるプレスばめによって固定される収納ラック。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載の収納ラックであって、ペグ(28)は、ラック支柱(16a,16b)におけるタッピングにネジ締めされることもできる収納ラック。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載の収納ラックであって、ペグ(28)は、ラック支柱(16a,16b)に撃ち込まれる収納ラック。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−510672(P2008−510672A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528855(P2007−528855)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054168
【国際公開番号】WO2006/021571
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(506207923)ヘーネル ゲーエムベーハー アンド ツェーオー. カーゲー (1)
【Fターム(参考)】