説明

収集装置で作動する構造化収集手続の実装、実行、データ収集、及びデータ分析のための管理方法及びシステム

【課題】携帯収集装置(24)で作動する構造化収集手続(70)の実装、実行、データ収集、及びデータ分析を管理するシステム(41)及び方法(200、300、388、400)に関連する実施形態が開示される。
【解決手段】構造化収集手続(70)を実行する収集装置(24)は、プロセッサ(102)により実行されると、プロセッサ(102)に、1つ以上の進入基準(226)が未知の時間に満たされたときに、構造化収集手続(70)の事象の工程(222)を自動的に開始させ、事象の工程(222)に従って収集された患者データ(256、170、145)をメモリ(110)に格納させ、1つ以上の退出基準(228)が未知の時間に満たされたときに、構造化収集手続(70)を自動的に終了させ、事象の工程(222)内の事象(237)の実行の間に例外が発生しなければ、完了したとして構造化収集手続(70)に印を付け/を示させるプログラム(34)命令を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に生理的情報を収集する装置に関し、特に携帯(portable, hand-held)収集装置で作動する構造化収集手続の実装、実行、データ収集、及びデータ分析を管理するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
長期に渡るまたは頻繁に再発する病気は、典型的に慢性病と定義される。公知の慢性病は、数ある中でも、うつ病、強迫神経症(compulsive obsession disorder)、アルコール依存症、喘息、自己免疫疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、エリテマトーデス)、骨粗しょう症、癌、及び糖尿病を含む。慢性病は、有効な長期的治療のために、慢性病治療管理を必要とする。初期診断の後の、慢性病治療管理の機能の1つは、慢性病患者の治療を最適化することである。
【0003】
糖尿病の例において、糖尿病は、不十分なインスリン分泌、インスリン作用、またはその両方に起因する高血糖により特徴付けられるが、糖尿病は、食事、体重、ストレス、病気、睡眠、運動、及び薬物摂取等の変動健康及び生活スタイル要因と相互に作用する各人固有の生理のために、各人で異なって現れることが知られている。生体指標は、生物学的過程、発病過程、薬理反応、事象、または状態(例えば、老化、病気のリスク、発現、または進行等)の、患者から生物学的に抽出される指標である。例えば、生体指標は、病気に関連する変数の客観的測定値であり、その病気の指標または予測因子としての機能を果たしてもよい。糖尿病の場合に、生体指標は、ブドウ糖、脂質、トリグリセリド等の測定値を含む。生体指標はまた、病気そのものの測定値よりはむしろ、病気の発現またはリスクを推測するためのパラメータの組であり得る。適切に収集及び評価されると、生体指標は、患者の医学的質問に関連する有益な情報を提供できると共に、医学的評価の一部として、医学的管理として、及び/または医学的最適化のために使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
糖尿病について、臨床医は、Joslin糖尿病センタ及びJoslin病院、2型糖尿病の薬理学的管理のための臨床指針(2007)、並びにJoslin糖尿病センタ及びJoslin病院、糖尿病成人のための臨床指針(2008)等の公開治療指針に従って糖尿病患者を一般的に治療する。指針は、100mg/dlより小さい空腹時血糖値等の、希望する生体指標値を指定してもよい。臨床医は、糖尿病患者の治療での臨床医の訓練及び経験に基づき、希望する生体指標値を指定できる。しかし、指針は、糖尿病患者の治療を最適化する際に使用される特定の治療に対応するためのパラメータ調整のための生体指標収集手続を指定しない。その後、糖尿病患者は、収集の構造を使用せず、生活スタイル要因を無視して、糖値を測定しなければならない。糖値の非構造化収集は、解釈文脈を欠くいくつかの生体指標測定値をもたらし、臨床医及び患者が病気を管理するのを支援する他のヘルスケア提供者への測定値の価値を低減し得る。
【0005】
慢性病患者は、慢性病を診断または治療を最適化するために、様々な時間に異なる臨床医により多数の収集を実行するように要求されるかもしれない。しかし、工程に従って収集を実行する要求は、重複し、繰り返しになり、相反し、及び/または患者が慢性病を診断または治療を最適化しようとするさらなる試みを敬遠するかもしれない負担を患者に与えるかもしれない。
【0006】
加えて、要求する臨床医が、要求される収集の工程が可能かどうか、及び/または収集のパラメータが患者に適する及び/または受け入れ可能かどうかを確認するために、患者を適切に評価しなければ、収集から有益な結果を得ることは、見込みがないかもしれない。さらに、要求される収集を完了するために収集され、医学的質問及び/または臨床医の関心に対処するのに役立つ、十分に適切なデータがなければ、要求は、臨床医及び患者の時間及び努力、並びに収集を実行するために使用される消耗品を浪費するかもしれない。再び、失敗は、患者がさらなる治療の助言を求める気を削ぐかもしれない。
【0007】
さらに、収集の工程を促進するのに使用される従来技術の収集装置は、あるとしても、限られた案内や、収集事象の簡単な合図しか提供しない。従来技術の装置は、典型的に、収集工程を管理する臨床医または患者のいずれかにより、手動でプログラムされる必要がある。従来技術の収集装置により提供される限られた案内及び機能はまた、患者が治療の将来の最適化を求める気をさらに削ぎ得る。なぜなら、この方法で別の収集手続を実行することは、患者により面倒だと見なされ、最適化を単なる推測に委ねるかもしれないからである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の背景に対して、本発明の実施形態は、携帯収集装置で作動する見込みのある構造化収集手続の実装、実行、データ収集、及びデータ分析を管理するシステム及び方法を提示する。本発明の実施形態は、様々な収集装置、例えば1つ以上の収集手続及び本発明に従う関連メータ実行可能スクリプトを受け入れて実行する機能を備える血糖測定装置(メータ)で実行され得る。この収集手続は、一実施形態では、コンピュータまたは収集手続を作成可能な任意の装置で作成され得る。
【0009】
携帯収集装置で作動する構造化収集手続の実装、実行、データ収集、及びデータ分析を管理するシステム及び方法に関連する実施形態が開示される。構造化収集手続を実行する収集装置は、プロセッサにより実行されると、プロセッサに、1つ以上の進入基準が未知の時間に満たされたときに、構造化収集手続の事象の工程を自動的に開始させ、事象の工程に従って収集された患者データをメモリに格納させ、1つ以上の退出基準が未知の時間に満たされたときに、構造化収集手続を自動的に終了させ、事象の工程内の事象の実行の間に例外が発生しなければ、完了したとして構造化収集手続に印を付けさせるプログラム命令を備える。
【0010】
一実施形態において、構造化収集手続を実行するための収集装置が開示される。装置は、メモリ、メモリに接続されたプロセッサ、及びプロセッサにより実行されると、プロセッサに、1つ以上の進入基準が未知の時間に満たされたときに、構造化収集手続の事象の工程を自動的に開始させるプログラム命令を備え得る。プログラム命令はまた、プロセッサに、事象の工程に従って収集された患者データをメモリに格納させ、1つ以上の退出基準が未知の時間に満たされたときに、構造化収集手続を自動的に終了させ、事象の工程内の事象の実行の間に例外が発生しなければ、完了したとして患者データ内の完了フラグに印を付けさせ得る。
【0011】
別の実施形態において、構造化収集手続の実装、実行、データ収集、及びデータ分析を管理するためのシステムが開示される。システムは、上記のような収集装置、及び収集装置に通信で連結されたコンピュータを備え得る。コンピュータは、収集装置で構造化収集手続の実行を管理するグラフィカルユーザインターフェースを提供する。
【0012】
さらに別の実施形態において、構造化収集手続を実行するための収集装置が開示される。装置は、収集された生体指標データ、日時印、完了フラグ、及び収集された生体指標データの各例と関連する他のデータを含み、他のデータは関連する収集された生体指標を特徴付ける文脈説明データを含む、患者データを格納するメモリと、メモリに接続されたプロセッサと、及びプロセッサにより実行されると、プロセッサに、構造化収集手続をメモリから自動的に検索させるプログラム命令とを備え得る。構造化収集手続は、生体指標データを得る前に満たされる必要がある条件を規定する進入基準と、事象の各々が実行時間、事象を実行するための案内、情報、患者行動、及び少なくとも1つの型の生体指標データの収集の1つ以上の要求の少なくとも1つ以上を含む、事象の工程と、構造化収集手続を終了する前に満たされる必要がある条件を規定する退出基準とを定義するパラメータを有する。プログラム命令はまた、プロセッサに、進入基準が未知の時間に満たされたときに、構造化収集手続の事象の工程を自動的に開始させ、事象の工程に従って収集された患者データをメモリに格納させ、退出基準が未知の時間に満たされたときに、構造化収集手続を自動的に終了させ、生体指標データを収集するための事象の工程内の重要な事象の実行の間に例外が発生しなければ、完了したとして構造化収集手続を示させ、さもなければ、プロセッサは、構造化収集手続の未了を示す。
【0013】
さらに別の実施形態において、構造化収集手続を管理する方法が開示される。方法は、収集装置に構造化収集手続及びプログラム命令を提供することと、収集装置のプロセッサに、1つ以上の進入基準が未知の時間に満たされたときに、構造化収集手続の事象の工程を自動的に開始させ、事象の工程に従って収集された患者データをメモリに格納させ、1つ以上の退出基準が未知の時間に満たされたときに、構造化収集手続を自動的に終了させ、事象の工程内の事象の実行の間に例外が発生しなければ、構造化収集手続の完了を示させるために、収集装置でプログラム命令を実行することとを有する。
【0014】
ここに開示される本発明の、これら及び他の利点及び特徴は、以下に続く説明、図面、及び特許請求の範囲からより明らかにされるだろう。
【0015】
本発明の実施形態の次の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示される、次の図面と併せて読まれると、最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に従う、糖尿病患者及び臨床医並びに患者の慢性病治療管理に関心のある他の人々のための慢性病治療管理システムを示す図である。
【図2】本発明の実施形態に従う、構造化検査方法を実行するのに適するシステムの実施形態を示す図である。
【図2A】本発明の実施形態に従う、構造化検査方法を実行するのに適するシステムの実施形態を示す図である。
【図3】本発明に従う、収集装置の実施形態のブロック図を示す。
【図4】本発明に従う、図3の収集装置で構造化検査方法を使用して収集されたデータ記録の実施形態の、表形式での表現を示す。
【図5A】本発明の実施形態に従う、医学的使用事例及び/または医学的質問のために構造化収集手続を作成する方法を示す。
【図5B】本発明の1つ以上の実施形態に従う、構造化収集手続を定義するパラメータ及び構造化収集手続を使用して患者の治療を最適化するために考慮され得る要因を示す。
【図5C】本発明の1つ以上の実施形態に従う、構造化収集手続を定義するパラメータ及び構造化収集手続を使用して患者の治療を最適化するために考慮され得る要因を示す。
【図6A】本発明に従って定義される、様々な構造化収集手続の実施形態を示す。
【図6B】本発明に従って定義される、様々な構造化収集手続の実施形態を示す。
【図6C】本発明に従って定義される、様々な構造化収集手続の実施形態を示す。
【図6D】本発明に従って定義される、様々な構造化収集手続の実施形態を示す。
【図6E】本発明に従って定義される、様々な構造化収集手続の実施形態を示す。
【図7A】本発明の実施形態に従う、慢性病患者の診断支援または治療支援のための構造化検査方法を示す。
【図7B】所定の構造化収集手続の一例、及び本発明の実施形態に従う、所定の構造化収集手続をカスタマイズするための方法を概念的に示す。
【図8A】本発明の実施形態に従う、構造化収集手続を実行するための方法を示す。
【図8B】本発明の実施形態に従う、収集装置で提供されるグラフィカルユーザインターフェースを介して構造化収集手続を実行する方法を示す。
【図8C】本発明の実施形態に従う、収集装置で提供されるグラフィカルユーザインターフェースを介して構造化収集手続を実行する方法を示す。
【図9】本発明の別の実施形態に従う、患者から文脈説明生体指標データを得るために構造化収集手続を実行するための方法を示す。
【図10A】非文脈説明データ及び文脈説明データを示す。
【図10B】本発明の実施形態に従う、典型的な収集手続を示す。
【図11】本発明の実施形態に従う、受け入れ不可能な文脈説明データと混ざり合う、受け入れ文脈説明データの図を示す。
【図12】本発明の実施形態に従う、ソフトウェアの要素を示す。
【図13】本発明の実施形態に従う、収集手続の実行方法を示す。
【図14】本発明の実施形態に従う、収集手続の実行方法を示す。
【図15】本発明の使用事例の実施形態に従う、糖尿病の診断支援及び治療支援を提供する方法を示す。
【図16】本発明の実施形態に従う、グラフィカルユーザインターフェースの異なるスクリーンショットを示す。
【図17】本発明の実施形態に従う、グラフィカルユーザインターフェースの異なるスクリーンショットを示す。
【図18】本発明の実施形態に従う、グラフィカルユーザインターフェースの異なるスクリーンショットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
本発明は、様々な実施形態に関連して、以下に説明されるだろう。当業者は、本発明が多数の異なる応用及び実施形態で実施されてもよく、その応用でここに示される特定の実施形態に特に限定されないことを理解するだろう。特に、本発明は、採血を介する糖尿病管理に関連して、後述されるだろう。しかし、当業者は、本発明がブドウ糖以外の、他の型の液体または検体と共に使用される、及び/または、糖尿病以外の、他の慢性病を管理することに役立つように修正され得ることを認識するだろう。
【0018】
以下に説明される様々な実施形態で使用されるように、次の用語は、これに限定されないが、次の意味を含む。
【0019】
用語「生体指標(biomarker)」は、例えば血糖値、間質糖値(interstitial glucose value)、HbA1c値、心拍数測定値、血圧測定値、脂質、トリグリセリド、コレステロール等の、患者に関するデータを提供するために測定される生理的変数を意味し得る。
【0020】
用語「文脈説明(contextualizing)」は、特定の生体指標測定値の収集に存在または発生する条件を文書化及び相互に関連付けることを意味し得る。好ましくは、特定の生体指標の収集に存在または発生する条件を文書化及び相互に関連付けることに関するデータは、収集された生体指標データと共に格納され、そのデータに結び付けられる。特に、収集された生体指標データのさらなる評価は、データそれ自体が評価されるだけでなく、データ間の結び付けにも文脈説明が行われるように、条件を文書化及び相互に関連付けることに関するデータを考慮する。条件を文書化及び相互に関連付けることに関するデータは、特定の生体指標測定値の収集及び/またはそれと同時に発生する、例えば時間、食物、及び/または運動に関する情報を含み得る。例えば、本発明の一実施形態に従う構造化収集手続の文脈は、基礎滴定最適化(Basal titration optimization)に的を絞った検査手続の間に、生体指標値を受け入れる前に、ユーザの空腹状態を検証するために進入基準(entry criterion)を使用することにより、文書化され得る。
【0021】
用語「文脈説明生体指標データ」は、特定の生体指標測定値がその特定の生体指標のために測定された値と共に収集された相互関連付け条件に関する情報を意味し得る。特に、生体指標データは、特定の生体指標測定値が収集され、それと結び付けられる相互関連付け条件に関する情報と共に格納される。
【0022】
用語「基準(criteria)」は、1つ以上の基準を意味し、1つ以上の手続上のステップ、行動、及び/または値を開始、受け入れ、及び/または終了するために、1つ以上の条件が満たされるまたは合うかどうかを判断するために使用される、指針、規則、特性、及び次元の少なくとも1つ以上であり得る。
【0023】
用語「順守(adherence)」は、構造化収集手続に従う人が、要求される手続上のステップを適切に実行することを意味し得る。例えば、生体指標データは、構造化収集手続の規定の条件で測定されるべきである。規定の条件が生体指標測定値のために与えられれば、順守は必要に応じて定義される。例えば、規定の条件は、時間に関連する条件であり、及び/または、例として、食事を摂取すること、空腹時標本(fasting sample)を取得すること、要求される時間帯に食事の一種を摂取すること、要求される時間に空腹時標本を取得すること、最低限の時間、睡眠を取ること等を含み得る。順守は、構造化収集手続、または、特に文脈説明生体指標データの単一のデータ点に適するまたは適さないように定義され得る。好ましくは、順守は、様々な規定の条件または選択的に決定される規定の条件により適するまたは適さないように定義され得る。さらに、順守は、構造化収集手続、または、特に文脈説明生体指標データの単一のデータ点に順守がどの程度与えられるかを示す、順守の程度として計算され得る。
【0024】
用語「順守事象(adherence event)」は、構造化収集手続を実行する人が、手続上のステップを実行しないときを意味し得る。例えば、人が、収集装置により要求されたときにデータを収集しなければ、順守は、適さないように決定され、順守事象をもたらす。別の例において、順守基準は、患者が6時間絶食する第1の基準と、要求される時間に空腹時bG値を収集する第2の基準とであり得る。この例において、患者が、要求される時間にbG採取を提供するが、提供する前に3時間しか絶食していなければ、第2の順守基準は満たされるが、第1の順守基準は満たされず、それゆえに第1の基準に対する順守事象が発生するだろう。
【0025】
用語「違反事象(violation event)」は、構造化収集(検査)手続(規約)を実行する人が、推奨される時間に治療薬を投与せず、推奨される量を投与せず、またはその両方である順守事象の一種である。
【0026】
用語「順守基準(adherence criterion)」は、順守を含み、測定値、測定値に関連する値、及び/または計算値の、規定の値またはその規定の範囲との比較(例えば、評価)のための基礎も意味し、その比較に基づいてデータは承認的及び肯定的に受け入れられる。順守基準は、一実施形態において、時間に関連する値及び/または順守を考慮できるが、他の実施形態におけるノイズ等も考慮できる。さらに、順守基準は、生体指標データが特定の生体指標の収集に存在または発生する条件を文書化及び相互に関連付けることに関する文脈説明データの比較に依存して受け入れられるように、文脈説明生体指標データに適用され得る。順守基準は、所与の情報またはその群に対する整合性検査(sanity check)に類似し得る。好ましくは、単一のデータ点/情報またはその群は、受け入れ基準を満たさなければ、拒絶される。特に、拒絶されたデータは、治療の推奨を提供するために使用されるさらなる計算に使用されない。主に、拒絶されたデータは、順守を評価するため及び/または少なくとも1つのさらなる行動を自動的に誘発するためだけに使用される。例えば、誘発される行動は、ユーザに、構造化収集手続または単一の要求される行動に従うように促し、それにより順守基準が満たされ得るようにする。
【0027】
用語「データ事象要求(data event request)」は、環境(circumstance)の特別な集合により定義される、例えば時間に関連するまたは関連しない事象により定義される、時空内の単一の点でのデータの収集のための問い合わせを意味し得る。
【0028】
用語「分散疾病状態評価(decentralized disease status assessment)」は、評価のために研究所に標本を送らずに値を提供するために、関心のある生体指標測定値を使用して行われる、病気の進行の過程または程度の決定を意味し得る。
【0029】
用語「医学的使用事例(use case)または医学的質問」は、医学的事実の存在に関する不確実性を、検証されていないが、正しければ、所定の事実または現象を説明する概念と共に提供する手続、状況、条件、及び/または質問の少なくとも1つ以上を意味し得る。医学的使用事例または医学的質問は、ユーザが異なる医学的使用事例または医学的質問から選択できるように、システム内に寄託及び格納され得る。代替方法として、医学的使用事例または医学的質問は、ユーザ自身により定義され得る。
【0030】
用語「集中的」、「構造化」、及び「一時的」は、用語「検査」と同じ意味でここに使用され、検査を行う所定の順序を意味し得る。
【0031】
用語「ソフトウェア」及び「プログラム」は、同じ意味でここに使用されてもよい。
【0032】
図1は、糖尿病患者12及び臨床医14並びに患者12の慢性病治療管理に関心のある他の人々16のための慢性病治療管理システム10を示す。血糖代謝異常(dysglycemia)を有する患者12は、メタボリック症候群、前糖尿病、1型糖尿病、2型糖尿病、及び妊娠性糖尿病を有する人を含んでもよい。患者の治療に関心のある他の人々16は、患者の治療への従順さに影響を与え得る、家族の一員、友人、支援団体、及び宗教組織を含んでもよい。患者12は、家庭用コンピュータ等の患者コンピュータ18へのアクセスを有してもよい。患者コンピュータ18は、インターネット、セルラーネットワーク等の公衆網50(有線または無線)に接続でき、携帯収集装置24等の外部携帯装置と通信するために、ドングル(dongle)、ドッキングステーション、または装置リーダ22に連結できる。装置リーダの例は、Roche Diagnosticsから利用可能なマニュアル「Accu−Chek(登録商標)Smart Pix装置リーダ ユーザーズマニュアル」(2008年)に示される。
【0033】
収集装置24は、構造化収集手続に従って生体指標値をデジタル的に決定及び格納するために獲得機構として機能し、構造化収集手続及び本発明の方法を実行するように機能し得る、基本的に任意の携帯電子装置であり得る。構造化収集手続の様々な実施形態に関する詳細は、後の節で与えられる。好ましい実施形態において、収集装置24は、自己監視血糖メータ26または連続糖モニタ28であり得る。血糖メータの例は、Accu−Chek(登録商標)Activeメータ、及びブックレット「Accu−Chek(登録商標)Aviva血糖メータ オーナーズブックレット」(2007年)に説明される、Accu−Chek(登録商標)Avivaメータである。その一部は、Roche Diagnostics Operations社に譲渡された、「メータ、及び液体の成分の濃度を決定するためにメータを使用する方法」という名称の、米国特許第6645368号明細書に開示される。連続糖モニタの例は、Roche Diagnostics Operations社に譲渡された、米国特許第7389133号明細書「検体の濃度の連続監視のための方法及び装置」(2008年6月17日)に示される。
【0034】
収集装置24に加えて、患者12は、自身の糖尿病を管理するために、収集装置24内での使用のために小びん32に入れて携行される試験紙30、患者コンピュータ18、収集装置24、携帯コンピュータ装置36、例えばラップトップコンピュータ、携帯情報端末、及び/または携帯電話で動作できるソフトウェア34、及び紙ツール38を含む、様々な製品を使用できる。ソフトウェア34は、あらかじめロードされるか、コンピュータ読み取り可能媒体40または公衆網50を介して提供され、必要に応じて、患者コンピュータ18、収集装置24、臨床医コンピュータ/オフィスワークステーション25、及び携帯コンピュータ装置36に、動作のためにロードされ得る。さらに他の実施形態において、ソフトウェア34は、動作のためにコンピュータ(例えば、コンピュータ18または25)に連結された、または公衆網50を通じて遠隔から、例えばサーバ52からアクセスされる装置リーダ22にも統合され得る。
【0035】
患者12は、所定の糖尿病治療のために、さらなる治療装置42及び他の装置44も使用できる。さらに、治療装置42は、移動輸液ポンプ(ambulatory infusion pump)46、インスリンペン48、及びランシング装置(lancing device)51等の装置を備え得る。移動輸液ポンプ46の例は、これに限定されないが、Disetronic Medical Systems社から利用可能なマニュアル「Accu−Chek(登録商標)Spiritインスリンポンプシステムポンプ ユーザガイド」(2007年)に説明される、Accu−Check(登録商標)Spiritポンプを含む。他の装置44は、血圧等の患者データを提供する医療装置、運動情報等の患者データを提供するフィットネス装置、及び介護者に通知を行う老人介護装置であり得る。他の装置44は、Continua(登録商標)Health Allianceにより策定された標準に従って、互いに通信を行うように構成され得る。
【0036】
糖尿病の臨床医14は、様々であり、例えば看護師、正看護師(nurse practitioner)、内科医、内分泌学者、及び他のヘルスケア提供者を含み得る。臨床医14は、典型的に、臨床医オフィスコンピュータ等の臨床医コンピュータ25へのアクセスを有する。臨床医コンピュータ25は、ソフトウェア34も提供され得る。Microsoft(登録商標)HealthVault(登録商標)及びGoogle(登録商標)Health等のヘルスケア記録システム27は、公衆網50または他のネットワーク手段(LAN、VAN、VPN等)を介して情報を交換するために、及び収集装置24からの収集データ等の情報を、コンピュータ18、25及び/またはサーバ52に/から提供され得る患者の電子医療記録、例えばEMR53(図2A)、に格納するために、コンピュータ18、25で患者12及び臨床医14により使用されてもよい。
【0037】
大抵の患者12及び臨床医14は、互いに及びコンピュータ/サーバ52を有する他の人々と公衆網50を介してやり取りできる。他の人々は、患者の雇用主54、患者のヘルスケア費用の一部または全部を支払う保険会社等の第3者支払人56、所定の糖尿病消耗品を販売する薬局58、病院60、支払人でもあり得る政府機関62、及び病気の発見、予防、診断、及び治療のためのヘルスケア製品及びサービスを提供する企業64を含み得る。患者12は、ヘルスケア記録システム27を介して、雇用主54、支払人56、薬局58、病院60、及び政府機関62等の他の人々に、自身の電子健康記録にアクセスする許可も与えられる。ヘルスケア記録システム27は、臨床医コンピュータ25及び/または1つ以上のサーバ52に存在できる。以下では、図2への参照がなされる。
【0038】
図2は、本発明の実施形態に従って構造化検査方法を実行するのに適するシステムの実施形態を示す。このシステムは、別の実施形態では、慢性疾患治療管理システム10の一部であり、従来の有線または無線通信手段を介してコンポーネントと通信できる。システム41は、サーバ52及び収集装置24と通信する臨床医コンピュータ25を備え得る。臨床医コンピュータ25及びサーバ52の間の通信は、公衆網50、プライベートネットワーク66、またはそれらの組み合わせへの通信回線を介して促進され得る。プライベートネットワーク66は、(ウェブ)サーバ、ルータ、モデム、ハブ等のネットワーク装置68を介して公衆網50に接続するローカルエリアネットワークまたは広域ネットワーク(有線または無線)であり得る。
【0039】
一実施形態において、サーバ52は、複数の構造化収集手続(または規約)70a、70b、70c、70dのためのセントラルレポジトリであり得る。例となる構造化収集手続の詳細は、後の節で与えられる。サーバ52及びネットワーク装置68は、構造化収集手続70a、70b、70c、70dの完了のためのデータ集約者(data aggregator)として機能し得る。従って、実施形態において、患者12の収集装置からの収集手続の完了後のデータは、患者データの検索に応じて要求されると、サーバ52及び/またはネットワーク装置68から臨床医コンピュータ25に提供され得る。
【0040】
一実施形態において、サーバ52での構造化収集手続70a、70b、70c、70dの1つ以上は、公衆網50を介して、例えば患者コンピュータ18、臨床医コンピュータ25、及び/または収集装置24に実装される安全なウェブインターフェース55(図2A、システムの別の実施形態を示す)を通じて提供され得る。別の実施形態において、臨床医コンピュータ25は、サーバ52及び収集装置24の間のインターフェース(有線または無線)としての機能を果たし得る。さらに別の実施形態において、構造化収集手続70a、70b、70c、70d及びソフトウェア34は、コンピュータ読み取り可能媒体40で提供され、患者コンピュータ18、臨床医コンピュータ25、及び/または収集装置24にロードされてもよい。さらに別の実施形態において、構造化収集手続70a、70b、70c、70dは、収集装置24のメモリにあらかじめロード(内蔵)されて提供されてもよい。さらに別の実施形態において、新たな/更新された/修正された構造化収集手続70a、70b、70c、70dは、公衆網50、プライベートネットワーク66、直接装置接続(有線または無線)74、またはそれらの組み合わせを介して、患者コンピュータ18、臨床医コンピュータ25、サーバ52、及び/または収集装置24の間で送信されてもよい。従って、一実施形態において、外部装置、例えばコンピュータ18及び25は、収集装置24及び他の遠隔パーソナルコンピュータ(PC)等のさらなる電子装置と、サーバとの間に、例えばインターネット等の公衆網50及び/またはプライベートネットワーク66等の他の通信ネットワーク(例えば、LAN、WAN、VPN等)を通じて、通信回線72、74を確立するために使用され得る。
【0041】
臨床医コンピュータ25は、従来のパーソナルコンピュータ/ワークステーションとして、例えばメモリ78及び/またはコンピュータ読み取り可能媒体40からの、ソフトウェア34等のプログラムを実行するプロセッサ76を備え得る。メモリ78は、システムメモリ(RAM、ROM、EEPROM等)、及びハードディスクドライブ及び/またはフラッシュメモリ(内部または外部)等のストレージメモリを備え得る。臨床医コンピュータ25は、ディスプレイ82をプロセッサ76と接続するためのディスプレイドライバ80、キーボード及びマウス(有線または無線)等のユーザインターフェース装置を接続するための入力/出力接続84、コンピュータ読み取り可能媒体40等の携帯用メモリ及びディスクのためのコンピュータ読み取り可能ドライブ88も備え得る。臨床医コンピュータ25は、公衆網50及び収集装置24等の他の装置(有線または無線)への接続のための通信インターフェース90、及び上記の電子コンポーネントをプロセッサ76に接続するためのバスインターフェース92も備え得る。以下では、図3への参照がなされる。
【0042】
図3は、図2に示される携帯収集装置24を概念的に示すブロック図である。示される実施形態において、収集装置24は、プロセッサ102等の1つ以上のマイクロプロセッサを備え得る。マイクロプロセッサは、少なくとももう1つのシングルコアまたはマルチコア及びキャッシュメモリを備える中央処理装置であってもよい。マイクロプロセッサは、バス104に接続され得る。マイクロプロセッサは、データ、メモリ、制御、及び/またはアドレスバスを備えてもよい。収集装置24は、ソフトウェア34を備え得る。ソフトウェア34は、装置のプロセッサ102に後の節で説明される本発明の方法を実行させる命令コードを提供する。収集装置24は、ディスプレイ108への表示のためにバス104から(または、不図示のフレームバッファから)グラフィックス、テキスト、及び他のデータを提供するディスプレイインターフェース106を備えてもよい。ディスプレイインターフェース106は、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の、収集装置24の主メモリ110の一部、及びプロセッサ102の処理を利用する統合グラフィックスソリューションのディスプレイドライバであってもよいし、専用の画像処理装置であってもよい。別の実施形態において、ディスプレイインターフェース106及びディスプレイ108はさらに、周知の方法で収集装置24にデータを提供するためのタッチスクリーンインターフェースを提供できる。
【0043】
主メモリ110は、一実施形態では、ランダムアクセスメモリ(RAM)であり、他の実施形態では、ROM、PROM、EPROM、またはEEPROM、及びそれらの組み合わせ等の他のメモリを備えてもよい。一実施形態において、収集装置24は、2次メモリ112を備え得る。2次メモリ112は、例えばハードディスクドライブ114、及び/または、例えばフロッピ(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリコネクタ(例えば、USBコネクタ、ファイヤーワイヤコネクタ、PCカードスロット)等の少なくとも1つを代表する、コンピュータ読み取り可能媒体40のためのコンピュータ読み取り可能媒体ドライブ116を備えてもよい。ドライブ116は、周知の方法でコンピュータ読み取り可能媒体40に対して読み取り及び/または書き込みを行う。コンピュータ読み取り可能媒体40は、フロッピ(登録商標)ディスク、磁気テープ、光ディスク(CDまたはDVD)、フラッシュドライブ、PCカード等を代表する。コンピュータ読み取り可能媒体40は、ドライブ116により読み取り及び書き込みが行われる。理解されるように、コンピュータ読み取り可能媒体40は、ソフトウェア34及び/または構造化収集手続70a、70b、70c、及び70dを格納できると共に、収集手続70a、70b、70c、及び70dの1つ以上に従って実行される収集の完了によるデータも格納できる。
【0044】
代替の実施形態において、2次メモリ112は、ソフトウェア34、収集手続70a、70b、70c、70d、他のコンピュータプログラム、または他の命令が収集装置24にロードされるのを可能にするための他の手段を備えてもよい。その手段は、例えば取り外し可能記憶装置120及びインターフェースコネクタ122を備えてもよい。取り外し可能記憶装置/インターフェースの例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース、取り外し可能メモリチップ(例えば、ROM、PROM、EPROM、EEPROM等)及び関連ソケット、並びにソフトウェア及びデータが取り外し可能記憶装置120から収集装置24に転送されるのを可能にする他の取り外し可能記憶装置120(例えば、ハードドライブ)及びインターフェースコネクタ122を含み得る。
【0045】
一実施形態における収集装置24は、通信モジュール124を備え得る。通信モジュール124は、ソフトウェア(例えば、ソフトウェア34、収集手続70a、70b、70c、及び70d)及びデータ(例えば、収集手続70a、70b、70c、及び70dの1つ以上に従って実行される収集の完了によるデータ)が収集装置24及び外部装置126の間で転送されるのを可能にする。通信モジュール124の例は、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネット(登録商標)カード等)、通信ポート(例えば、USB、ファイヤーワイヤ、シリアル、パラレル等)、PCまたはPCMCIAスロット及びカード、無線トランシーバ、及びそれらの組み合わせの1つ以上を含んでもよい。外部装置126は、患者コンピュータ18、臨床医コンピュータ25、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の携帯コンピュータ装置36、及び/またはドングル、ドッキングステーション、または装置リーダ22であり得る。実施形態において、外部装置126は、例えば臨床医コンピュータ25またはサーバ52との、公衆網50またはプライベートネットワーク66を介する通信を提供するために、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネット(登録商標)カード等)、通信ポート(USB、ファイヤーワイヤ、シリアル、パラレル等)、PCMCIAスロット及びカード、無線トランシーバ、及びそれらの組み合わせの1つ以上に提供され、及び/または、接続してもよい。通信モジュール124を介して転送されるソフトウェア及びデータは、有線信号または無線信号128の形式であり得る。信号128は、通信モジュール124により送受信され得る電子信号、電磁気信号、光信号、または他の信号であってもよい。例えば、公知のように、信号128は、ワイヤ、ケーブル、光ファイバ、電話線、携帯電話リンク、RFリンク、赤外線リンク、他の通信チャネル、及びそれらの組み合わせを使用して通信モジュール124及び外部装置126の間で送信されてもよい。有線接続及び/または無線接続(例えば、それぞれUSB及びブルートゥース)を通じて電子装置を接続するための特定の技術は、周知技術である。
【0046】
別の実施形態において、収集装置24は、例えば携帯コンピュータまたは携帯電話として提供され、行動を行うために、例えば患者に行動を起こし、データ事象を取得し、及び情報に関する計算を行うように促すために、外部装置132と共に使用され得る。外部装置126と併用され、携帯コンピュータとして提供される収集装置の例は、Roche Diagnostics Operations社に譲渡された、「糖尿病治療が決定されてもよい患者情報を収集するためのシステム及び方法」という名称の、2006年6月16日に出願された、米国特許出願第11/424757号明細書に開示される。携帯コンピュータの別の例は、Roche Diagnosticsから利用可能な、「Accu−Chek(登録商標)Pocket Compassソフトウェア ボーラス投与量(bolus)計算機付き ユーザガイド」(2007年)という名称のユーザガイドに示される。
【0047】
実例となる実施形態において、収集装置24は、バイオセンサ140を読み取るための測定エンジン138を提供する。バイオセンサ140は、一実施形態では使い捨て試験紙30(図1)であるが、例えば毛細管血の標本を受け取るために、収集装置24と共に使用される。バイオセンサ140は、酵素反応にさらされ、測定エンジン138により電気化学技術、光技術、またはその両方により測定され、生体指標値、例えば血糖値、を測定して提供する。使い捨て試験紙及び測定エンジンの例は、米国特許出願公開第2005/0016844号明細書「試験紙のための試薬縞(stripe)」(2005年1月27日)に開示され、Roche Diagnostics Operations社に譲渡された。他の実施形態において、測定エンジン138及びバイオセンサ140は、ブドウ糖、心拍数、血圧測定値、及びそれらの組み合わせ以外の、または、それらに加えて、他の型の採取液体または採取検体のための生体指標値を提供するために使用される型のものであり得る。代替の実施形態は、1つ以上の生体指標型の値が本発明に従う構造化収集手続により要求される実施形態で役立つ。さらに別の実施形態において、バイオセンサ140は、例えば収集装置24がポンプ46(図1)等の輸液装置と通信する連続糖モニタ(CGM)として実装されるとき、留置カテーテルを有するセンサまたは皮下組織液体採取装置であってもよい。さらに別の実施形態において、収集装置24は、ソフトウェア34を実行し、輸液装置(例えば、移動輸液ポンプ46及び電子インスリンペン48)及びバイオセンサ140の間で通信を行うコントローラであり得る。
【0048】
バイオセンサ140により収集される情報を少なくとも含むデータは、測定エンジン138によりプロセッサ102に提供される。プロセッサ102は、様々な計算を行うためにメモリ110に格納されるコンピュータプログラムを実行してもよく、データを使用して処理を行う。例えば、そのコンピュータプログラムは、Roche Diagnostics Operations社に譲渡された、「血糖の構造化点測定(spot measurement)から推定平均血糖値及び推定糖化ヘモグロビン(HbA1c)値を提供するための方法、システム、及びコンピュータプログラム製品」という名称の、2009年6月26日に出願された、米国特許出願第12/492667号明細書により説明される。測定エンジン138からのデータ、並びにそのデータを使用したプロセッサ102による計算及び処理の結果は、自己監視データとして参照される。自己監視データは、これに限定されないが、患者12の糖値、インスリン投与量値、インスリン型、プロセッサ102により将来の糖値、追加インスリン投与量、糖質追加量、並びにそのような値、投与量、及び量を計算するために使用されるパラメータ値を含む。そのデータは、測定された糖値及び投与されたインスリン量値のための日時印と共に、メモリ110及び/または112のデータファイル145に格納される。収集装置24の内部クロック144は、そのような使用のために、現在の日時をプロセッサ102に供給できる。
【0049】
収集装置24は、データ入力、選択及びデータのプログラム制御及び操作、情報の要求等のために、ボタン、キー、トラックボール、タッチパッド、タッチスクリーン等のユーザインターフェース146をさらに提供できる。一実施形態において、ユーザインターフェース146は、メモリ110及び/または112に提供されるデータの入力及び操作のために、1つ以上のボタン147、149を備え得る。一実施形態において、ユーザは、患者12の生活スタイルに関連するデータ等の文脈説明情報を入力(文書化)するために、及び、規定の作業が完了したことを通知するために、ボタン147、149の1つ以上を使用できる。生活スタイルデータは、食物摂取、投薬使用、エネルギー値、運動、睡眠、一般的健康状態、及び患者12の全体的健康生活感(例えば、嬉しい、悲しい、休まっている、ストレスがある、疲れている等)に関連してもよい。生活スタイルデータは、ボタン147、149を使用したディスプレイ108に表示される選択メニューを通じた操作を介して、及び/または、ディスプレイ108により提供されるタッチスクリーンユーザインターフェースを介して、自己監視データの一部として、収集装置24のメモリ110及び/または112に記録され得る。ユーザインターフェース146は、自己監視データまたはその一部をディスプレイ108に表示するためにも使用され、例えばプロセッサ102により測定された糖値及び入力されたデータを表示するためにも使用され得ることを理解すべきである。
【0050】
一実施形態において、収集装置24は、ボタン147、149のいずれか1つ、またはそれらの任意の組み合わせを押下することにより、スイッチを入れられ得る。別の実施形態において、バイオセンサ140は試験紙であるが、収集装置24は、測定エンジン138による試験紙上の血液の標本内の糖値の測定のために、試験紙が挿入されると、自動的にスイッチを入れられ得る。一実施形態において、収集装置24は、所定の期間、ボタン147、149の1つを押下し続けることにより、スイッチを切られ得る。別の実施形態において、収集装置24は、所定の期間のユーザインターフェース146の不使用の後、自動的に電源を切られ得る。
【0051】
インジケータ148は、プロセッサ102に接続され、プロセッサ102の制御下で動作し、bGの測定、及び食事の摂取等の将来の低血糖の可能性に関する事象のための時間に、患者に、聴覚、触覚(振動)、及び/または視覚で感知できる警報/合図を発する。適切な電源150は、装置を携帯可能にするために周知のように、収集装置24に電力を供給するためにも提供される。
【0052】
上記のように、収集装置24は、ソフトウェア34をあらかじめロードされてもよいし、コンピュータ読み取り可能媒体40を介して提供されても、外部装置132及び/またはネットワーク50を通じて直接的または間接的に信号128により通信モジュール124を介して受信されてもよい。後者の場合に、ソフトウェア34は、収集装置23のプロセッサ102により受信されると、主メモリ110(図示されるように)及び/または2次メモリ112に格納される。ソフトウェア34は、命令を含み、プロセッサ102により実行されると、プロセッサが、後の節で説明されるような本発明の特徴/機能を実現するのを可能にする。別の実施形態において、ソフトウェア34は、コンピュータ読み取り可能媒体40に格納され、プロセッサ102にここに説明されるような本発明の特徴/機能を実現させるために、プロセッサ102によりキャッシュメモリにロードされてもよい。別の実施形態において、ソフトウェア34は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)等のハードウェアコンポーネントを使用して、主としてハードウェア論理で実装される。ここに説明される特徴/機能を実現するためのハードウェア状態機械の実装は、関連技術の当業者には明らかだろう。さらに別の実施形態において、本発明は、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを使用して実施される。
【0053】
本発明のソフトウェアによる実施形態において、以下で説明される方法は、C++プログラミング言語で実装され得るが、他のプログラム、例えば、これに限定されないが、VisualBasic、C、C#、Java(登録商標)、または当業者に利用可能な他のプログラム、でも実装され得るだろう。さらに他の実施形態において、プログラム34は、スクリプト言語、またはインタープリタと共に使用される、他の独自の解釈可能な言語を使用して実装されてもよい。以下では、図4への参照がなされる。
【0054】
図4は、本発明の実施形態に従う構造化収集手続による自己監視データ154のデータ記録152を含むデータファイル145を表形式で示す。自己監視データ154(例えば、様々な列)を伴うデータ記録152(例えば、行)は、関連する文脈情報156(例えば、他の様々な列、並びに行及び列のヘッダ情報)も提供する。文脈情報156は、自動的に、例えば測定エンジン、バイオセンサ、及び/または他の装置のいずれか1つから自動的に受信される入力を介して、または構造化収集手続の間に収集要求(例えば、プロセッサ102によりディスプレイ108に表示される質問)に応じて患者により手動で入力されるユーザインターフェースから受信される入力を介して収集され得る。従って、文脈情報156は、好ましい実施形態では各データ記録152を提供され得るので、その情報は、医師に直ちに利用可能であり、構造化収集手続を完了した後に、手書きまたは口頭で患者により提供される情報のさらなる収集は、必ずしも必要とされない。別の実施形態において、本発明に従う構造化収集手続の完了後に文脈情報156及び/または追加の文脈情報が収集されれば、その情報は、しばらく経って例えばコンピュータ18、25の1つを介して関連データファイル145及び/またはデータ記録152に提供されてもよい。その情報は、データファイル145内の自己監視データと関連付けられ、口頭または手書きで再び提供される必要はないだろう。後者の実施形態における過程は、構造化収集手続またはその一部が、構造化収集手続を実装するソフトウェア34を実行できない収集装置と共に使用される紙ツール38として実装される状況で、必要とされるかもしれない。
【0055】
データファイル145(またはその一部、例えば自己監視データ154だけ)は、収集装置24から、通信モジュール124を介して外部装置132(PC、PDA、または携帯電話)等の別の電子装置に、またはネットワーク50を介して臨床医コンピュータ25に送信/ダウンロード(有線または無線)され得ることを理解すべきである。臨床医は、受信された自己監視データ154及び治療結果に対する患者12の文脈情報156を評価するために、臨床医コンピュータ25に提供される糖尿病ソフトウェアを使用できる。糖尿病ソフトウェアに組み込まれてもよい機能のいくつかの例であって、パーソナルコンピュータのための構成されるものは、Roche Diagnostics Operations社に譲渡された、「時間区画(time block)を設定するための方法及びシステム」という名称の、2007年12月7日に出願された、米国特許出願第11/999968号明細書に開示される、Roche Diagnosticsから利用可能な、Accu−Chek(登録商標)360糖尿病管理システムである。
【0056】
好ましい実施形態において、収集装置24は、携帯血糖メータとして提供され得る。収集装置24は、患者12によりインスリン投与量値及び点測定された糖値を含む自己監視データを記録するために使用される。上記のbGメータの例は、これに限定されないが、Roche Diagnostics社によるAccu−Chek(登録商標)Activeメータ及びAccu−Chek(登録商標)Avivaシステムを含む。これらは、検査結果をパーソナルコンピュータにダウンロードするために、Accu−Chek(登録商標)360°糖尿病管理ソフトウェアと互換性があるか、ダウンロード及びPDAとの通信のために、Accu−Chek(登録商標)Pocket Compassソフトウェアと互換性がある。従って、収集装置24は、(以下で詳細に説明されるような)所定のフロー列に従って自己監視データを処理、分析、及び解釈し、適切なデータ解釈出力を生成するのに必要なソフトウェア及びハードウェアを備え得ることを理解すべきである。一実施形態において、収集装置24により格納された患者データについて行われるデータの分析及び解釈の結果は、患者が自身の生理的状態を管理し、患者−医師の意思疎通を図るのを支援するために、レポート、傾向監視、及び図の形式で表示され得る。他の実施形態において、収集装置24からのbGデータは、外部装置132、患者コンピュータ18、及び/または臨床医コンピュータ25を介してレポート(ハードコピーまたは電子的)を生成するために、使用されてもよい。
【0057】
収集装置24は、ユーザ及び/またはその臨床医に、a)データ説明、例えば記録の名称及び説明を編集すること、b)指定された場所、特に上記の、ユーザが定義可能なディレクトリに記録を保存すること、c)表示のために記録を呼び出すこと、d)異なる基準(例えば、日付、時刻、名称、説明等)に従って記録を検索すること、e)異なる基準(例えば、bG値、日付、時刻、期間、名称、説明等の値)に従って記録を分類すること、f)記録を削除すること、g)記録をエクスポートすること、及び/またはh)周知の、データを比較、記録を修正、記録を除外することを含む可能性の少なくとも1つ以上をさらに提供できる。
【0058】
ここに説明されるように、生活スタイルは、食事、運動、及び仕事の予定等の個人の習慣におけるパターンとして、一般に説明され得る。個人はさらに、インスリン治療、または定期的に服用するように義務付けられる経口(oral)等の投薬治療を受けていてもよい。そのような行動の糖への影響は、本発明により暗黙的に考慮される。
【0059】
収集装置24のプロセッサ102は、メモリ110及び/または112に提供される1つ以上の構造化収集手続70を実行できることを理解すべきである。一実施形態における各構造化収集手続70は、スタンドアロンソフトウェアであり、プロセッサ102により実行されると、プロセッサに構造化収集手続70及び他の規定の機能を実現させるのに必要なプログラム命令を提供する。他の実施形態において、各構造化収集手続70は、ソフトウェア34の一部であり、一実施形態では、ユーザインターフェース146からディスプレイ108に提供されるメニューリストからの選択の受け付けを介して、また別の実施形態では、収集装置24に提供される構造化収集手続実効モードボタン(不図示)等の特定のユーザインターフェースの有効化を介して、プロセッサ102により選択的に実行され得る。ソフトウェア34は、同様に、プロセッサ102により実行されると、プロセッサに、構造化収集手続70及びここに説明されるソフトウェア34の他の規定の機能を実現させるのに必要なプログラム命令を提供することを理解すべきである。収集メータの選択可能モードとして提供される選択可能構造化収集手続を有する適切な一例は、Roche Diagnostics Operations社に譲渡された、「対話型グラフィカルユーザインターフェースを備える一時的血糖監視システム及びその方法」という名称の、2009年6月25日に出願された、米国特許出願第12/491523号明細書に開示される。
【0060】
さらに別の実施形態において、コマンド命令は、臨床医コンピュータ25から送信され、通信モジュール124を介してプロセッサ102により受信され得る。コマンド命令は、収集装置24を、構造化収集手続70を自動的に実行する収集モードにする。コマンド命令は、実行すべき1つ以上の構造化収集手続のどれかを指定してもよいし、実行すべき構造化収集手続を提供してもよい。さらに別の実施形態において、規定の医学的使用事例または医学的質問のリストが、プロセッサ102によりディスプレイ108に提示され、ユーザインターフェース146を介してプロセッサ102により受信される、規定の医学的使用事例または医学的質問の選択に依存して、特定の構造化収集手続70が複数の構造化収集手続(例えば、手続70a、70b、70c、及び70d)からプロセッサ102により自動的に選択され得る。
【0061】
さらに別の実施形態において、選択後に、構造化収集手続70は、コンピュータ読み取り可能媒体、例えば40を通じて提供されることも、コンピュータ18または25、他の装置132、またはサーバ52からダウンロードされ、収集装置24によりロードされることも可能である。サーバ52は、例えば、選択された規定の医学的使用事例または医学的質問に従ってダウンロードのための所定の構造化収集手続70を提供するヘルスケアの提供者または企業であってもよい。構造化収集手続70は、ヘルスケア企業(例えば、企業64)により開発され、ウェブページを通じて公衆網50を介して実行されてもよいし、例えば図2に示されるサーバ52でダウンロードに利用可能にされてもよいことを理解すべきである。さらに他の実施形態において、ユーザ(例えば、ヘルスケア提供者及び患者)が有するかもしれない特定の使用事例/医学的質問に対処するのに役立つように、新たな構造化収集手続70が収集装置24での使用に利用可能であるという通知は、郵便の手紙/カード、電子メール、テキストメッセージ、ツイート等の任意の標準的な方法で提供され得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、上記のように、紙ツール38は、糖尿病ソフトウェア34により提供される機能のいくつかを実現できる。糖尿病ソフトウェア34に組み込まれてもよい機能のいくつかの例であって、紙ツール38として構成されるものは、Roche Diagnosticsから利用可能であり、Roche Diagnostics Operations社に譲渡された、「血糖管理を評価するための装置及び方法」という名称の、2007年2月29日に出願された、米国特許出願第12/040458号明細書に開示される、Accu−Chek(登録商標)360 View血糖分析システム用紙である。
【0063】
さらに別の実施形態において、ソフトウェア34は、連続糖モニタ28(図1)に実装され得る。このように、連続糖モニタ28は、時間分解されたデータを得るために使用され得る。時間分解されたデータは、血糖値の点監視及び標準的なHbA1c検査では見過ごされる変動及び傾向を識別するために、役立ち得る。例えば、低夜間糖値(low overnight glucose level)、食事間の高血糖値、早朝の血糖値の急上昇、及び食事及び身体活動が治療の変更という効果と共に血糖に与える影響。
【0064】
収集装置24及びソフトウェア34に加えて、臨床医14は、患者12のために、移動インスリンポンプ46及び電子ベースインスリンペン48(図1)等の他の糖尿病治療装置を処方できる。インスリンポンプ46は、典型的に、例えばDisetronic Medical Systems社からも利用可能なマニュアル「Accu−Chek(登録商標)インスリンポンプ設定ソフトウェア」に開示される設定ソフトウェアを備える。インスリンポンプ46は、インスリン投与量及び他の情報を記録し、電子ベースインスリンペン40と共に、コンピュータに提供できる。インスリンポンプ46は、本発明に従う構造化収集手続70(図2)の要求を受けて生体指標データを提供するための別の手段として使用され得る。
【0065】
上記のように、後述される方法ステップの1つ以上は、紙ツール38(図1)として構成され得るが、好ましくは、すべての方法ステップが、システム41(図2)、または収集装置24等のプロセッサ及びメモリを備える任意の電子装置/コンピュータで、メモリ内のプログラムとして電子的に促進されることを理解すべきである。公知のように、コンピュータがプログラムを実行すると、プログラムの命令コードは、コンピュータのプロセッサに、関連する方法ステップを実行させる。さらに他の実施形態において、後述される方法ステップのいくつかまたはすべては、コンピュータにより実行されると、コンピュータのプロセッサに、関連する方法ステップを実行させるプログラムの命令コードを格納するコンピュータ読み取り可能媒体40に構成され得る。これらの方法ステップは、図5A及び5Bを参照して、以下により詳細に説明される。
【0066】
構造化収集手続を作成
図5Aは、医学的使用事例または医学的質問のために、図5Bにより示される構造化収集手続70を作成する方法200を示す。構造化収集手続70は、スタンドアロンソフトウェア、糖尿病ソフトウェア34の一部、または紙ツール38の一部として、上記の装置18、24、25、26、28、36、52のいずれか1つに実装されてもよい。ステップ202では、医学的使用事例または医学的質問(以下、一般に使用事例として参照される)が選択される及び/または定義され得る。使用事例は、例えば、次の医学的使用事例または医学的質問から選択されるものであってもよいことを理解すべきである。特定の食物を摂取する効果を知りたい、食前及び/または食後に薬を服用する最善の時間を知りたい、及び運動のbG値への効果を知りたい。他の使用事例は、診断結果を見付けること、患者への治療を初期化する最善の方法、患者の病気の進行の状態の決定を行うこと、患者の治療を最適化する最善の方法を見付けること等に関する質問であってもよい。さらに他の例は、空腹時血糖、食前糖値、食後糖値等に関する医学的質問に対処するのに役立つように使用され得る構造化収集手続70を提供することであり得る。他の医学的質問は、所定の文脈で生体指標を管理すること、所定の文脈で生体指標を最適化すること、治療開始、治療の型、経口単剤治療、経口組み合わせ治療、インスリン治療、生活スタイル治療、治療の順守、治療効果、インスリンの注射または吸入、インスリンの型、基礎及びボーラスでのインスリンの分割等に関連することであり得る。例えば、経口単剤治療及び経口組み合わせに関する医学的質問は、スルホニル尿素、ビグアニド、チアゾリジンジオン、α−グルコシダーゼ阻害剤、メグリチニド、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、GLP−1アナログ、タスポグルタイド、PPARデュアルα/γアゴニスト、アレグリタザルに関するものを含み得る。選択された使用事例は、図5Bに示される医学的使用事例パラメータ220に割り当てられ得る。
【0067】
ステップ204では、選択された使用事例を取り巻く状況または問題が定義され得る。このことは、使用事例の変更に影響を与えるかもしれないすべての要因を調べることにより達成され得る。例えば、患者の治療を最適化する最善の方法を知りたいという使用事例において、調べるべきいくつかの要因は、例えば図5Cに示される、ストレス、月経周期、暁前効果(pre-dawn effect)、背景インスリン(background insulin)、運動、食事に対するボーラス投与時期、基礎率(basal rate)、インスリン感受性、食後行動等を含んでもよい。
【0068】
ステップ206では、状況または問題に対処するまたは手掛かりを与えるためにどの種類の分析が使用され得るかに関して、決定がなされ得る。その分析は、例えば、次から選択されてもよい。収集手続70の間の空腹時血糖(FPG)値の変化を評価すること、収集手続70の間の1つ以上の特定値を監視すること、インスリン対糖質(I:C)比を決定すること、インスリン感受性を決定すること、薬を投与するための、食事等の別の変数に対する最善の時間を決定すること等。ステップ208では、生体指標及びそれが収集される文脈等のどの情報が収集される必要があり、その情報は分析を行うためにいつ収集される必要があるかに関して、採取グループの決定がなされ得る。例えば、採取グループは、一連のデータオブジェクトとして定義され得る。各データオブジェクトは、ターゲット型、例えばターゲット時間(例えば、変化する特徴のために使用される)、時間ウィンドウの下限、時間ウィンドウの上限等を使用できる時間ベース、データ型(単一、集合、または式)を定義するデータベース、データを受け入れるための条件(例えば、なし、値を下回る、値を上回る、式等)、収集の型(例えば、ユーザ入力、センサ、データ等)、並びに各収集のための任意のリマインダ画面テキスト(例えば、静的、及び/または書式設定及び値挿入で動的)からなる。この過程の結果は、収集事象の工程(schedule)222である(図5B)。次にステップ210では、選択された使用事例の状況または問題に対処するのに役立つように収集事象の工程222の各々または群が実行される方法が決定される。このことは、1つ以上の順守基準224をもたらす。収集を行う方法に加えて及び/または代えて、順守基準224は、所定の範囲に入るまたは所定の値に等しい1つ以上の生体指標値に基づいてもよい。他の実施形態において、順守基準は、結果の値が所定の範囲に入るまたは所定の値に等しいかどうかを決定するために生体指標データまたはその群を使用する式であり得る。
【0069】
例えば、順守基準224は、所定のウィンドウ内での検査、所与の時間の絶食、所与の時間の睡眠、運動、低ストレス、月経なし(not menstruating)等の、患者12が実行する必要がある事象237周りのパラメータを説明できる。順守基準224は、提供される情報の文脈を規定できる。順守基準224はまた、上記のように、別の文脈で、データが受け入れ可能かどうかの評価を提供するために使用され得る。順守基準224は、その文脈で使用されると、「受け入れ」基準として参照されてもよい。例えば、標本が採取される前に、順守基準224は、標本の採取までのステップが達成されるかどうかを規定できる。例えば、プロセッサ102は、要求240に応じて質問「この8時間、絶食していますか?」を表示する。ここで、ユーザインターフェース146を介してプロセッサにより受信される回答「イエス」は、このステップの順守基準224を満たす。別の例において、標本が採取された後に、プロセッサ102は、他の順守(受け入れ)基準を使用して、受信されたデータの妥当性を評価できる。例えば、先のデータに基づくと、空腹時bG標本は、120〜180mg/dlの間にあるべきだが、受信された値が、340mg/dlであったとすると、受け入れ可能値の所定の範囲外にあるので、順守(受け入れ)基準を満たさない。その例において、プロセッサ102が追加の標本を促せるという順守事象242が発生する。その場合において、再採取も失敗すれば(即ち、120〜180mg/dlの間にない)、プロセッサ102により提供される評価は、患者12は絶食していないということであり、プロセッサ102は、再採取の失敗時の順守基準により指示されるように、事象の工程222内の事象237を自動的に延長する。
【0070】
次にステップ212では、事象の工程222が開始または終了される条件及び文脈が決定され得る。このことは、同時に及び/または順々に実行してもよい一連の構造化収集手続、例えば手続70a、70b、70c、及び70dを提供する場合に、事象の工程222及び事象の工程222が属する事象の他の工程の群に提供される1つ以上の進入基準226及び退出基準(exit criterion)228をもたらす。
【0071】
例えば、1つ以上の進入基準226が、プロセッサ102が収集手続を使用するような条件を患者が満たすかどうかを決定するために使用され得る。進入基準226は、例えば、患者12が範囲内の現在の年齢、範囲内のHbA1cに基づく進入基準226を満たすこと、並びに患者が、特定の病気に罹っていること、最低限の期間、病気に罹っていること、範囲内の体格指数(BMI)を有すること、範囲内の空腹時血漿糖(FPG)を有すること、特定の薬の感受性を有したこと、特定の薬を服用していること、特定の投与量の薬を服用していること、別の構造化収集手続の1つ以上の前提条件を満たすこと、別の構造化収集手続の1つ以上を完了していること、1つ以上の特定の、妊娠している、空腹でない等の前提条件または体調が優れない、熱がある、吐き気がある等の禁忌を有しないこと、及びそれらの組み合わせを確認する。進入基準226は、日の時間、週の時間、食事、時間オフセットを伴う食事の摂取、運動、時間オフセットを伴う運動、治療薬の使用、時間オフセットを伴う治療薬の使用、生理的環境、生体指標範囲、及び先の生体指標値からのオフセットとして計算される所定の範囲内の生体指標等の開始事象により、事象の工程222も開始できる。生理的環境の例は、所定数の生理的事象、例えば高血糖、低血糖、日の所定の時間における所定の温度等が、所定の時間、例えば時、日、週等に発生すると構造化収集手続を開始するという進入基準が満たされることであり得る。従って、進入基準は、前提条件、使用法の指示、及び/または使用法の禁忌を満たす必要の使用を支援するために、使用され得る。例えば、進入基準226は、構造化収集手続70がインスリン感受性最適化を実行するために、基礎滴定のための構造化収集手続が完了し及び/または希望する結果を有すること、並びにインスリン対糖質比のための、別の構造化収集手続が完了し及び/または希望する結果を有することを、プロセッサ102が検証しなければならないという前提条件を定義できる。別の例において、進入基準226は、所定の構造化収集手続が1型、2型、及び具体的な薬の滴定に使用され得る構造化収集手続の型の糖尿病患者に分離使用を提供できるという、使用法の所定の指示を満たす必要と共に定義され得る。別の例において、進入基準226は、例えば患者12が妊娠中、病気等であれば、所定の構造化収集手続70は実行しないという、使用法の所定の禁忌を満たす必要と共に定義され得る。
【0072】
1つ以上の退出基準228の例は、プロセッサ102に基づき、特定の値に達していること、1次標本値の平均が範囲内にあること、特定の事象及び/または条件が発生したまたは発生していないこと、及びそれらの組み合わせを決定する。手続が終了してもよい他の条件は、低血糖事象、患者が病気である、患者が治療の変更を被る等の反対事象(adverse event)を含み得る。追加の詳細は、プロセッサ102によりディスプレイ108に、具体的な退出基準が満たされたことに基づき、患者12に提供されてもよい。例えば、一例において、患者12が、低血糖を示す糖値を測定すれば、手続を終了する際に、プロセッサ102は、患者12に糖質を摂取し、血糖が120mg/dLを超えるまで30分毎に血糖値を測定するように指示する別の代替手続を自動的に実行する。この代替手続について、患者12はまた、プロセッサ102により、低血糖をもたらす条件が記録されるのを保証するために、食事、活動、ストレス、及び他の関連する詳細を文書化するように要求され得る。患者12はまた、プロセッサ102により、この場合及び他の特別な場合に臨床医14に連絡するように指示されてもよい。退出基準はまた、例えば、成功した完了の後に終了、不確定の完了の後に終了等、所定のタイムアウトの満了(計画的な終了)、例えばn(=1〜365)日後も結果なし、解除によるもの、例えばフェイルセーフにより失敗した解除での終了等の、終了のための基準を含み得る。構造化収集手続70はまた、退出基準228を満たすことに基づくだけでなく、患者12が受け入れ可能レベルで要求を行わないとき、及び/または患者の生理的状態が患者が事象の工程222を遂行すべきでない方法で変化し、順守事象242が構造化収集手続を終了するという順守基準224を満たさないときに、自動的に終了するように定義され得ることを理解すべきである。
【0073】
ステップ214では、収集の間のユーザへの案内230及び収集をカスタマイズするための任意のオプション232が決定され得る。例えば、案内230について、臨床医14は、デフォルトのメッセージのリスト、または収集手続70の実行の間に患者12を案内するために調整されたメッセージを使用できる。一例として、メッセージは、データの取得が成功した(即ち、順守基準224を満たす)ときに提供され、「ありがとうございます。あなたの次の予定される測定は、午後12時半です。」と表示するだろう。例えばインジケータ148により提供されるアラームはまた、収集手続70と関連付けられ得る。アラームは、患者12に測定を行うことを思い出させ、患者12が測定を行うために追加の時間を必要とするときの、スヌーズ機能を備え得る。スヌーズ機能及び装置の他の特徴は、後の節でさらに説明される。
【0074】
ステップ208〜214の結果は、ステップ216で作成される構造化収集手続70である。構造化収集手続70は、使用事例パラメータ220、事象の工程222、順守基準224、進入基準226、退出基準228、案内230、及びオプション232を共に関連付ける。一実施形態において、収集手続70を生成する時点で、臨床医14はまた、患者に(最低限)次の側面を説明する印刷物を生成する。収集手続70の目的及び期待される理想的な結果、即ち収集手続70の目的を設定すること、収集手続70の設計及び必要とされる測定値の数、患者12が収集手続70を開始する前及び各測定値を取得する前に満たさなければならない進入基準226、及び患者12が収集手続70の継続を終了すべき退出基準228。収集手続70の実行の間に提供され得る印刷物及び案内230は、なぜデータ収集手続を遂行するのかを患者が十分に理解することを保証する。
【0075】
構造化収集手続70の例は、例えば、インスリン対糖質比を決定するため、食事開始に対するボーラス投与時期を決定するため、及び摂取された糖質に相当する運動を決定するための構造化収集手続であってもよい。ステップ218では、構造化収集手続70が、例えば図1〜3に関して上述の方法のいずれかで、システム41での実行及び使用に利用可能にされる。構造化収集手続70は、従って、臨床医14が規定の医学的使用事例または医学的問題に対処及び/または調査するのに役立つように、医学界またはヘルスケア企業64により、上記の過程を介して提供されてもよい。
【0076】
図5Bは、構造化収集手続の基礎となる医学的使用事例に対処するために、糖尿病患者から文脈説明生体指標データを得るための構造化収集手続70のパラメータ222、224、226、及び228の相互作用を示す。上記のように、使用事例パラメータ220は、パラメータ222、224、226、及び228が対処する医学的使用事例または医学的質問を識別するために提供されてもよい。例えば、臨床医コンピュータ25のプロセッサ76、収集装置24のプロセッサ102、及び/またはサーバ52は、例えばこれらの装置及び/またはシステム41で提供される複数の構造化収集手続70a、70b、70c、70d(図2)から医学的使用事例パラメータ220を読み取り、利用可能な構造化収集手続のリストを、例えば臨床医コンピュータ25のディスプレイ82または収集装置24のディスプレイ108に提供してもよい。さらに、臨床医コンピュータ25、患者コンピュータ18、及び/またはサーバ52は、医学的使用事例に従って構造化収集手続を配置/格納/選別するために、医学的使用事例パラメータ220を使用できる。
【0077】
上記のように、進入基準226は、特に所定の文脈で収集された生体指標データを含む患者データを得るために、構造化収集手続70を開始するための要件を規定できる。一実施形態において、収集装置24のプロセッサ102は、関連構造化収集手続70がいつ患者の生理的文脈に適するかを決定し、関連構造化収集手続に必要な入力のすべてが確立されたことを保証するために、進入基準226を使用できる。それゆえに、構造化収集手続の開始日時は、進入基準226の所定の条件を満たさなければ、収集装置24のプロセッサ102により自動的に、動的に変化してもよいことを理解すべきである。従って、進入基準226が満たされるまで、関連構造化収集手続70の開始日時は、将来の未知の時間であり得る。
【0078】
例えば、一実施形態において、構造化収集手続70は、プロセッサ102により、例えば収集装置24のメモリ110に、コンピュータ18、25のメモリに、及び/またはサーバ52から提供される複数の構造化収集手続70a、70b、70c、70dから、関連構造化収集手続のための規定の進入基準226の条件を満たすことに基づき、自動的に選択され得る。例えば、一実施形態において、第1の構造化収集手続、例えば手続70dは、血糖値の傾向(「bG値傾向(trending)」)を示すのに役立つ。それゆえに、第1の構造化収集手続70dのための進入基準226は、患者が規定の期間(例えば、現在から遡って数日、数週間、及び数ヶ月)、所定の比率を上回るbG値平均を有することである。第2の構造化収集手続、例えば手続70aについて、進入基準226は、規定の期間(例えば、現在から遡って数日、数週間、数ヶ月)、所定のbG値を下回る、朝食前の、特定数のbG測定値を必要としてもよい。その例において、プロセッサ102は、一実施形態では起動時に、別の実施形態では例えばユーザインターフェースを介して受信される入力による命令時に、別の実施形態ではソフトウェア34によりプログラムされる予定時間に、例えば収集装置24のメモリ110に提供される様々な構造化収集手続70a及び70dにより提供される様々な進入基準226を通じて実行し、特定の手続70の進入基準226の規定の条件が満たされるかどうかを決定できる。この例において、プロセッサ102は、メモリ110内の過去の測定値からの履歴データが、患者のbG値平均が上昇しており、第1の収集手続70dのための進入基準226は満たされているが、第2の収集手続70aのための進入基準は満たされていないことを示す、ということを決定する。この例において、プロセッサ102は、上記の分析に基づき、第1の構造化収集手続70dを自動的に選択して開始する。
【0079】
進入基準226の使用は、構造化収集手続70への使用の指示が収集事象の工程222を開始する前に満たされていることを保証することにより、治療費の割り当て誤り(misallocation)を低減するのに役立ち得ることを理解すべきである。進入基準226はまた、多数の構造化収集手続を実行する任意の要求が、両立しなければ重複せず、互いの不要な繰り返しでなく、または患者に重大な責任(burden)を課すことを保証するのに役立ち得る。このように、患者が慢性病を診断または治療を最適化しようとするさらなる試みを敬遠するかもしれない上記の問題の多くは、収集装置24のプロセッサ102により、進入基準226の使用を介して自動的に対処及び回避され得る。
【0080】
図5Bにより示されるように、進入基準226は、文脈固有進入基準234、手続固有進入基準236、及びそれらの組み合わせを含み得る。文脈固有進入基準234の例は、食事、低血糖事象、インスリンの型及び投与量、ストレス等を識別するために、1つ以上の変数を含み得る。別の例において、文脈固有進入基準234は、例えば具体的な質問の形式で定義され得る。プロセッサ102は、具体的な回答がユーザインターフェース146からの入力を介して患者から受信されることを要求する。例えば、進入基準226を実行するプロセッサ102は、ディスプレイ108に、患者が要求される期間に構造化収集手続70を実行する意思があり、それが可能かどうかの質問を表示してもよい。患者がユーザインターフェース146を介して肯定的に回答すれば、進入基準226は満たされて、プロセッサ102は、構造化収集手続70で定義される時期に従って収集事象237を自動的に実行し続ける。患者が表示された質問に否定的に回答すれば、プロセッサ102は、構造化収集手続70を続けず、例えばオプションパラメータにより指定されれば、質問の問い合わせの予定を将来に変更してもよい。
【0081】
手続固有進入基準236の例は、疾病状態(disease state、disease status)、選択された治療、パラメータ前提条件、インスリン感受性を検査する前のインスリン対糖質比、両立しない収集手続等を識別するために、1つ以上の変数を含み得る。手続固有進入基準236は、プロセッサ102が3つの開始者(initiator)−患者12、臨床医14、またはデータ、例えば進入基準226の条件が満たされれば−の1つと共に構造化収集手続70を自動的に続ける方法で定義され得る。例えば、手続固有進入基準236は、例えば一実施形態では、特定の構造化収集手続を解除して使用するために有効なパスワードをユーザインターフェース146を介して入力する認可されたユーザを介して、臨床医14が構造化収集手続70を指示すれば満たされ得る。別の実施形態において、臨床医14は、臨床医コンピュータ25及び/またはサーバ52から、収集装置24での患者12による使用のために収集手続70を指示(認可)する収集装置24に、パスワードまたは認可コードを送信できる。患者12により使用され得ず、臨床医14により認可されるまでディスプレイ108で、例えば選択リストで患者により閲覧されることから隠され得る1つ以上の構造化収集手続70が、収集装置24のメモリ110に提供され得ることを理解すべきである。
【0082】
手続固有進入基準236は、ユーザにより、例えばユーザがディスプレイ108に提供される構造化収集手続70a、70b、70c、70dのリストから特定の構造化収集手続を選択することにより満たされ得る。基準236のデータにより開始される手続の例は、プロセッサ102に提供される生体指標測定値が、特定の構造化収集手続のための進入基準226が満たされるために発生または存在しなければならない所定の状態を示すことだろう。その状態は、例えば、重度の低血糖事象等の単一の事象、または開始時刻から24時間、開始時刻から1週間、カレンダ日時等の所与の、所定の期間内の低血糖事象等の一連の事象の発生であり得る。
【0083】
従って、進入基準226は、構造化収集手続70により対処される医学的使用事例に関連する患者の生理の文脈及び/または状態を規定する単一の基準または多数の基準であり得る。別の実施形態において、進入基準226は、例えば履歴患者データについて、患者データが収集された後に対処され得る。
【0084】
事象の工程222は、1つ以上の事象237を指定する。各事象は、実行時間238、事象を実行するための案内230、患者からの情報への要求及び/または患者からの少なくとも1つの型の生体指標データの収集への要求を含んでもよい、患者の行動への要求240、及びそれらの組み合わせを定義する、少なくとも1つ以上の変数を含む。実行時間238について、事象の工程222は、3連続労働日の特定の時間での生体指標採取、または起床時の標本、30分後の標本、及び1時間後の標本等の、各事象237の時期を指定できる。
【0085】
各事象237及び任意の基準224、226、228のための案内230は、例えば特定の時間に開始、終了、及び/または起床する、特定の時間にbG収集を行う、特定の時間に特定の食事または食物を摂取する、特定の時間に所定の運動を行う、特定の時間に薬を服用する等のための電子合図(聴覚的、視覚的)を提供することを含んでもよい。案内230はまた、情報、質問、並びに特定の時間の生理、健康、健康生活感等に関する特定の情報、収集手続の順守を向上させる提案、奨励、及び肯定的/否定的な意見を記録する要求を含んでもよい。
【0086】
事象237は、再現可能な環境の組、即ち採取の前及び/または後の文脈が生体指標採取のための生体指標データで作成される方法で、要求240に従って生体指標採取の前及び後に実行される必要があるすべてのステップを定義することを理解すべきである。生体指標データの例は、糖尿病の文脈では、空腹時血糖値、食前糖値、食後糖値等を含む。環境の組の例は、食事、運動、治療的投与、睡眠、水分補給等に関する、患者データ内の収集された情報を識別する生体指標値と関連するデータを含み得る。
【0087】
事象の工程222内の事象237の各々は、時間ベース、事象ベース、またはその両方であり得る。事象237はまた、食事の開始、起床時間、運動の開始、治療的投与時間、先の糖値と共に使用される関連オフセット、または所定の生体指標値の閾値を上回るまたは下回る時間であり得る。事象237はまた、生体指標採取時に再現可能な環境が作成される方法で、生体指標採取の前及び間に行われる必要がある患者の任意の行動を含み得る。このことは、食事、運動、治療的投与、睡眠、水分補給等の1つ以上を含み得る。さらに、事象の工程222内の事象237は、患者12の仕事の予定、ストレス要因等を受け入れるために調整され得る(数、型、時期等)。
【0088】
上記のように、順守基準224は、事象の工程222に従って実行される事象237が、構造化収集手続70の基礎となる医学的使用事例に対処するために受け入れ可能なデータを提供したかどうかを定性的に評価するために使用される。特に、順守基準224は、実行された事象237からのデータを検証するために使用される変数及び/または値を提供できる。例えば、順守基準224は、収集装置24のプロセッサ102により行われる、事象237に応じて収集された時間、量、型等の値が希望する範囲内にある、または希望する値を上回る、下回る、または等しいという確認であり得る。同じまたは異なる順守基準224が、事象の工程222内の事象237の各々と関連付けられてもよく、一実施形態では進入基準226と、別の実施形態では、例えば図6Dに示されるように(即ち、順守及び退出基準を定義する「bGがターゲット範囲内に戻ると、運動を止める」)、退出基準228であるように関連付けられてもよい。一実施形態において、事象の工程222内の1つ以上の事象は、特定の事象がそのための順守基準224を満たさなければ、修正(例えば、追加、削除、延期等)されてもよい。一実施形態において、順守基準224の不履行は、順守事象242を誘発できる。一実施形態において、事象237に関連する順守基準224が満たされないことによる順守事象242の発生時に、プロセッサ102は、結果として1つ以上の追加の行動を要求されてもよい。例えば、プロセッサ102は、ディスプレイ108上で患者に追加の情報を促してもよいし、患者12が病気である、ストレスに苦しんでいる、または食事を摂取する、運動する等の要求を行えないかどうかを決定するために、質問を促してもよい。患者が、例えばユーザインターフェース146を介して「イエス」と回答すれば、順守事象242の一部として、プロセッサ102は、事象の工程に延期(即ち、一時停止)を提供できる。一実施形態において、延期は、患者がプロセッサ102により促される別の質問に応じて元気になったことを示すまで、例えば順守事象の一部として翌日または所定の時間の後まで継続できる。例えば、患者12は、プロセッサ102により薬を投与するように促されるが、患者は、例えばインスリンが置かれている自宅にいない。患者12は、ユーザインターフェース146を介して延期を選択できる。プロセッサ102は、所定の時間の後に患者に再び促す。この延期はまた、上限を有してもよい。事象の工程が所定の時間内に再開されなければ、その環境の構造化検査手続70は終了してもよい。別の実施形態において、別の形式の順守事象は違反事象である。違反事象は、構造化検査手続70を実行する人が要求に応じて推奨される変更を行わないときに生じる。例えば、要求は、患者が薬の投与量を10Uから12Uに調整することであってもよい。患者は、ディスプレイ108に表示された、患者が変更に応じるまたは応じたかどうかを問い合わせる質問に否定的に回答する。違反事象に応じて、プロセッサ102は、順守事象に関して上述されたように、メッセージを送信及び/または延期を提供してもよい。
【0089】
別の例及び一実施形態において、bG測定値は、構造化収集手続70が、例えば使用事例パラメータ220により識別される医学的使用事例または医学的質問に対処するのに役立つデータを提供するために、食事の前に収集されなければならない。この例において、患者が事象の工程222に従って収集の要求240に応じて昼食に対してbG測定値を採取せず、事象237の順守基準224が満たされなければ、関連順守基準242に応じるプロセッサ102は、収集手続70の命令に従って、その日の事象の工程222内の残りのすべての事象237を取り消し、データファイル(例えば、データファイル145(図4))に格納された監視bG測定値を無効として印を付し、事象の工程222の予定を翌日に変更するようにプログラムされ得る。プロセッサ102が順守事象242に応じて取ってもよいさらなる行動の他の例は、患者がより行い易いかもしれない、事象の2次工程に切り替え、欠損データを埋め合わせるために測定値の追加の事象を提供し、退出基準を1次から、修正された基準を提供する2次退出基準に変更し、順守事象を1次から2次順守基準に変更し、失敗事象の欠損データを履歴データ(からの推定値)で埋め、構造化収集手続70が成功し得るかどうかを確認するために特定の計算を行い、失敗事象の、臨床医等の特定の人にメッセージを送信し、欠損データ点を無視または推定するために関連データ記録152に所定の指示を提供する等により、構造化検査手続を動的に変更することであってもよい。さらに別の実施形態において、順守基準224は、例えば1つ以上の生体指標値及び/または1つ以上の質問に応じてユーザインターフェースから受信される入力に基づき、収集データが医学的使用事例または医学的事例に対処するのに役立つ値を提供するかどうかを決定するアルゴリズムを介して、動的に評価され得る。この例において、計算された順守値が役に立たない、例えば希望する範囲に入らないまたは所定の値を満たさなければ、結果として生じる順守事象により定義されるさらなる処理、例えば上述の過程のいずれか1つ以上が行われるだろう。
【0090】
上記の退出基準228は、構造化収集手続70がそれにより対処される医学的質問に回答するのに十分な文脈データを有するように、構造化収集手続70を終了または完了するための要件を規定する。退出基準228は、医学的使用事例に対処するために必要とされる標本の数を最小化することにより、構造化収集手続70の効率を向上させるのに役立ち得る。他の実施形態において、評価は、所与の信頼区間により示されてもよい。信頼区間は、パラメータに統計的に割り当てられる離散値または連続値の群である。信頼区間は、典型的に、時間の所定の部分でのパラメータの真値を示す。
【0091】
進入基準226と同様に、退出基準228は、文脈固有退出基準244、手続固有進入基準246、及びそれらの組み合わせを含み得る。文脈固有退出基準244の例は、気分、希望する血糖事象(即ち、血糖値)を識別し、ストレス、病気、禁忌、例えば高血糖、低血糖、嘔吐、熱等を示すために、1つ以上の変数を含み得る。続固有進入基準246の例は、順守基準を満たす事象、希望する所定の範囲内にある及び/または希望する所定の値である生体指標値、希望する疾病状態、所定の期間の後に生体指標に変化なし、または所定の期間に渡って希望する生体指標値に著しい進展なし等を識別するために、1つ以上の変数を含み得る。一実施形態において、退出基準228は、第2の構造化収集手続70の進入基準226のために満たされる必要がある条件を規定できることを理解すべきである。例えば、第1の収集手続、例えば構造化収集手続70b(図6B)で決定された適切なインスリン対糖質(I:C)を有するときに、ボーラス投与を行うための食事の開始に対する最善の時間を決定するために、構造化検査、例えば現在のI:C比を必要とする構造化検査手続70c(図6C)を実行することは、未知の時間に第1の構造化収集手続70bの退出基準を満たすときに、プロセッサ102が第2の構造化収集手続70cの事象の工程を自動的に実行できる方法で、調整され得る。他の実施形態において、例えば、プロセッサ102により事象の工程222に従って実行される第1の構造化収集手続70の退出基準228及び第2の構造化収集手続70の進入基準226は共に、同じ1つ以上の、上記の禁忌に基づき得る。実施形態において、例えばユーザインターフェース146及び/またはバイオセンサ140を介してプロセッサ102に提供及び/または検出され、この例では第1の構造化収集手続70の退出基準228を満たす、禁忌の発生時に、プロセッサ102は、第2の構造化収集手続70の進入基準226も満たされているので、第2の構造化収集手続70の事象の工程を自動的に開始するだろう。第1の構造化収集手続を終了することにより開始され得る第2の構造化収集手続70の例は、定期的な間隔、例えば30分毎、1時間毎、毎日の特定の時間等に、禁忌がなくなるまで(例えば、生体指標値が望ましい範囲または値に達する、患者12がユーザインターフェース146を介してプロセッサ102にもはや禁忌を有しないことを示す、所定の期間の満了等)、生体指標の採取を要求する事象の工程222を有するものであり得る。実施形態は、禁忌の発生後に事象の文脈及び値を記録することが望みであり、禁忌の発生時に第1の収集手続を終了すべきであれば、役に立つ。
【0092】
退出基準228は、構造化収集手続70を終了する条件を規定する単一の基準または多数の基準であり得る。条件は、好ましい実施形態では、収集方法により対処される医学的質問に回答するのに十分な文脈説明生体指標データが得られるのを保証するために提供される。例えば、所定数の有効な標本が得られる、または標本内の変動が所定の閾値を下回る方法で。それゆえに、収集手続70の終了日時は動的であり、退出基準228の所定の条件が満たされなければ、プロセッサ102により自動的に変更されてもよいことを理解すべきである。同様に、退出基準228の条件は動的であり、例えば特定の順守基準224が満たされるまたは満たされなければ、プロセッサ102により自動的に変更されてもよい。例えば、一実施形態において、特定の収集事象237のための順守基準224が満たされれば、プロセッサ102は、第1の退出基準を使用するように指示され、満たされなければ、プロセッサ102は、第1の退出基準と異なる第2の退出基準を使用するように指示される。従って、退出基準228が満たされるまで、構造化収集手続70の終了日時は、将来の未知の時間であり得る。別の実施形態において、退出基準228は、患者データが収集された後に、履歴患者データについて評価され得る。
【0093】
進入基準226及び退出基準228並びに順守基準224は、各収集事象237を有効活用する、及び/または医学的使用事例または医学的質問に対処するのに役立たない不要な収集での試験紙30の消費を低減するために、事象の工程222を実行するために必要とされる受け入れ可能な条件、値、構造、及び文脈の1つ以上を定義することにより、構造化収集手続70を実行する時間及び収集に関連する費用を低減するのに役立ち得ることを理解すべきである。以下では、図6A〜6Eへの参照がなされる。
【0094】
構造化収集手続例
図6A〜6Eは、構造化収集手続70a、70b、70c、及び70dの例を示し、関連技術の当業者により上記の装置18、24〜26、28、36、52のいずれか1つに実行されてもよい命令コードに容易に変換され得る機能を示す。それゆえに、簡潔のために、示される機能に関連する擬似コードまたは実コードに関して、説明は与えられない。
【0095】
図6Aは、糖尿病患者から文脈説明生体指標データを得るために使用される構造化収集手続70aの実施形態を図式的に示す。横軸は、様々な事象237の実行時間238を示し、縦軸は、順守基準224を値なしで示す。示される実施形態において、事象237は、食事248及び睡眠250に関する記録情報と、5つの生体指標採取254に文脈252を提供するために、事象の工程222の一部である事象237を含み得る。この例において、食事248のための順守基準224は、最小値より大きく、例えば糖質量の値であり得る。進入基準226は、例えば特定の値を上回る生体指標値を含み、例えば構造化収集手続70aを開始するために文脈付け要件を満たすように要求される。退出基準228も同様に、特定の値を下回る生体指標値を含み、構造化収集手続70aを終了するために文脈付け要件を満たすように要求される。構造化収集手続70は、多数の医学的使用事例に対処するのに役立つ。
【0096】
GLP1構造化検査手続
例えば、いくつかの疫学研究は、食後糖(PPG)値の上昇が、心血管死亡及び2型糖尿病(T2D)での死亡の有意な予測因子であることを確認した。このため、高食後bG値を示すT2Dに処方され得る、週1回長時間作用型グルカゴン様ペプチド−1(GLP1)薬群がある。これらのGLP1薬は、インスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制することにより、血糖調節に重要な役割を果たす天然ホルモンGLP−1と同様である。それゆえに、構造化収集手続70が、一実施形態で提供され得る。構造化収集手続70は、1回以上の食事の後でのbG値の集中的な測定により、測定食後bG値の低減を使用して治療効果が示されるのを可能にすることを提案する。その測定値に基づき、GLP1薬の推奨投与量及び/または特定のGLP1薬が患者に対して適切な薬かどうかが決定され得る。
【0097】
例えば、患者が特定の薬、例えばGLP1薬を投与するように処方されると、構造化収集手続70は、収集装置24に提供され得る。GLP1薬の場合に、薬効の決定が望ましいが、構造化収集手続のための進入基準226は、患者が期間に渡って(例えば、次の4〜24週間)構造化収集手続70を実行するためにディスプレイ108に表示される質問に応じてプロセッサ102に賛同しなければならないこと、及び/またはプロセッサ102が患者の、期間(例えば、週、月等)に渡る、先の食後bG値からの平均PPG値が高い(例えば、141mg/dlより大きい)と決定したことであり得る。さらに他の要因、例えば所定の値、例えば126mg/dlより大きい、または所定の値、例えば240mg/dlより小さい空腹時血糖は、進入基準226として使用され得る。
【0098】
進入基準226の条件が満たされ、プロセッサ102により確認された後に、事象の工程222は、プロセッサ102により自動的に実行される。事象の工程222は、希望する収集事象237を指定するだろう。プロセッサ102は、患者に朝食、昼食、及び夕食の後に食後bG値を入力する(即ち、測定エンジンにより読み取られ、データ記録への格納及び表示のためにプロセッサに提供される、試験紙に提供される標本でbG測定を行う)ように自動的に促すだろう。処方する医師によりカスタマイズされるように、事象の工程222はまた、患者が薬を投与しなければならない実行時間238を有すると共に、投与量の合図及び薬が投与されたときの患者からの確認の要求240を提供するための収集事象237を定義できる。例えば、事象の工程222の実行におけるプロセッサ102は、事象の工程222内の収集事象237により指定される時間に投与量、例えば週の所定の日にタスポグルタイドを10mg、一定期間後に第2の間隔、例えば4週間に従って第2の投与量、週の所定の日に20mgを投与するように、患者に自動的に促すだろう。収集事象237はまた、事象の工程222内で定義され得る。プロセッサ102は、ディスプレイ108に、患者は体調がよく、エネルギー値を提供し、摂取される食事の量の値を提供するかどうか等の情報の要求を行う。
【0099】
各入力された食後bG値の順守の条件は、順守基準224の使用を介して提供され得る。任意の食後bG値は、指示の前後の時間を入力(即ち、測定)する。例えば±30分の検査ウィンドウを入力するが、そのような測定値は、プロセッサ102による事象の工程222の有効な測定値として受け入れられないだろう。一実施形態において、プロセッサ102は、それにより自動的に行われる順守基準224評価に基づき、さらなる行動を自動的に取ることができる。例えば、bG測定が、事象の工程222内の収集事象により指示される測定の前、かつ規定の検査ウィンドウの外、例えば収集事象時間−30分に行われた場合に、その場合におけるプロセッサ102は、以前の測定は検査ウィンドウ外により受け入れられなかったので指示される時間に測定が依然必要とされることを、患者に自動的に通知する。同様に、検査ウィンドウの後、例えば収集事象時間+30分に行われた場合に、プロセッサ102は、以前の測定は検査ウィンドウ外により受け入れられなかったことを、患者に自動的に通知し、検査ウィンドウ内に測定を行うように努めるよう励ましの言葉を、ディスプレイ108に提供できる。
【0100】
GLP1構造化収集手続70の退出基準228は、平均bG値が、最低限の時間(例えば、日、週、月等)、受け入れ測定値の最低限の数、またはその両方を使用して、希望する値に達したという指示であり得る。同様に、退出基準228は、平均bG値が、最大限の時間(例えば、日、週、月等)、受け入れ測定値の最大限の数、またはその両方の後に、希望する値に達しなかったという指示であり得る。さらに、退出基準228は、薬または投与量が患者にまったく適切でない、例えばプロセッサ102によりディスプレイ108に促される情報の収集事象に応じて、最低限の日数の毎日、患者が吐き気及び/または嘔吐を催すことを示す、他の要因であり得る。さらに他の要因、例えば空腹時血糖が所定の値、例えば126mg/dlより小さい、または所定の値、例えば240mg/dlより大きいことは、退出基準228として使用され得る。薬ベースの構造化収集手続70から収集されるデータは、GLP1薬の推奨投与量を作成する、及び/または特定のGLP1薬が適切な薬であるか、患者に適さないかを決定するために、医師により使用され得る。
【0101】
別の例が、図6Bに図式的に示される。その例は、規定の医学的使用事例パラメータ220を有する構造化収集手続70bを示し、その手続がインスリン対糖質(I:C)比の適性を決定するのに役立ち得ることを示す。示されるように、進入基準226は、インスリン投与量は現在のI:C比で計算されることを注意するために、即効性の食事(fast-acting meal)を選択する案内230を患者に単に認識させると共に、検査期間に運動や追加の食物またはインスリンの摂取をしないように同意するように定義される。例えば、プロセッサ102は、ディスプレイ108に案内230を提示でき、ユーザは、一読した後に、希望する進入選択のためにユーザインターフェース146を使用して「イエス」または「ノー」を入力することを認識できる。ユーザが「イエス」を入力すれば、進入基準226は満たされ、プロセッサ102は、構造化収集手続70bに定義される事象の工程222を自動的に開始する。別の実施形態において、進入基準226は、即効性の食事を選択するための要求237を満たすことであってもよいし、満たすことを含んでもよい。例えば、選択のための要求237は、プロセッサ102がディスプレイ108に、ユーザインターフェース146を介する選択の入力が必要とされる、即効性の食事のリストを提供する選択メニューを表示することであり得る。例えば、即効性の食事の選択は、ボタン147、149の1つの押下を介して、またはディスプレイ108により提供されれば、タッチスクリーンインターフェースを介して行われてもよい。その選択は、収集装置24のメモリ110に、例えば構造化収集手続70bのためのデータファイル145(図4)の一部であってもよいセットアップデータ163(図4)に格納され得る。代替の実施形態において、特定の即効性の食事は、構造化収集手続70bにより推奨されてもよい。
【0102】
示されるように、事象の工程222は、示される複数の事象237a〜k等の、関連実行時間238a〜k及び行動240a〜kの要求を有する1つ以上の事象を含み得る。示されるように、行動240a〜c及び240f〜kの要求はユーザがbG値測定を行う要求であり、要求240dはインスリン投与を行うことであり、要求240eは即効性の食事を摂取することである。事象238f〜kは、順守事象224を有することも示される。順守基準224は、事象238f〜kのデータがデータファイル145に記録される場合に満たされなければならない。この例において、順守基準224は、対応する事象237f〜kに対して受信された値を記録するデータ記録152が収集手続70bを完了するのに考慮されるように、行動240f〜kが対応する実行時間238f〜kの20分以内に完了されることを要求する。一実施形態において、プロセッサ102は、要求が行われる時間に結果として生じるデータ値、例えばデータ値256a〜k(図4)を得るために、要求240a〜kの各々を関連実行時間238a〜kに行うだろう。
【0103】
例えば、プロセッサ102は、要求240aを有する患者12に、実行時間238aにbG値(生体指標)測定を行うように促すことができる。結果として生じる測定値は、プロセッサ102により、例えば希望する生体指標のために試験紙(バイオセンサ)140を読み取った後に、測定エンジン138から自動的に受信されると、プロセッサ102によりデータファイル145に、関連事象237aに対応するデータ値256aとして自動的に記録される。行動240d及び240eについて、要求される時間に、プロセッサ102は、患者12に、要求される時間に規定される行動を行うように自動的に促し、再び患者に、要求される行動が行われたこと、または規定される状態が有効にされたことを確認するように自動的に促すことができる。日時印169はまた、要求240a〜kの誘発時、要求240a〜kの確認時、事象237a〜kの完了時、事象237a〜kのデータ値256a〜kの受信時、及びそれらの組み合わせで、プロセッサ102により自動的にデータ記録152に提供され得る。さらに、別の実施形態において、患者12は、データをユーザインターフェース146を介して装置24に直接入力することにより、1つ以上の事象237a〜kのデータ値256a〜kを記録でき、また他の実施形態において、音声メッセージを後のデジタルデータへの転写のための情報と共に記録できる。プロセッサ102は、入力されたデータ値/情報を事象237a〜kに関連するデータ記録152に格納する。さらに他の実施形態において、患者12は、紙ツール38を使用して事象237a〜kのデータを記録するために、収集装置24により案内され得る。
【0104】
上記のように、各事象237は、生体指標値の記録、または生体指標値のための文脈を作成するために必要な、患者の行動の要求であり得る。示される実施形態において、事象237a〜cを完了するための文脈252は、食前の基準値(baseline)及び無傾向状態(no-trend condition)を規定し、事象237f〜kについては、食後の偏位(excursion)及び末尾(tail)を規定することである。これらの事象のための文脈252はまた、文脈情報156(図4)として、各事象に対応するデータ記録152と関連付けられてもよい。その情報は、後で、データを再構成するとき及び/またはデータ記録が作成された文脈を知りたいときに役立つ。
【0105】
患者の行動240a〜kの要求の他に行われる患者の任意の行動はまた、プロセッサ102により記録され得るが、プロセッサ102により収集手続70bの一部として認められないことを理解すべきである。予期される事象237a〜kのデータ256a〜kは、事象の型、事象の時間、事象の誘因、及びそれらの組み合わせに基づいて識別され得る。実行時間238a〜kの各々は、先のデータに基づき、固定または可変であり得る。他の実施形態における事象237a〜kのいくつかはまた、過去、現在、または将来の食事、運動等の事象、または低血糖事象、高血糖事象、または関心のある具体的な値のデータ等のデータ値であり得る。いくつかの実施形態において、事象237a〜kは、手続ベースの紙ツール38を介して識別され得る。
【0106】
示されるように、構造化収集手続70bは、退出基準228の条件が満たされれば終了するだろう。この例において、退出基準228は、行動240f〜kの少なくとも3つが順守基準224を満たせば満たされる。例えば、プロセッサ102は、実行されかつ要求されれば順守基準224が満たされる各事象237a〜kに、データファイル145で一意の識別子(例えば、徐々に増加する計数)167(図4)を提供してもよい。図4に示される実施形態において、事象237a〜c及び237e〜kは、一意の識別子を受信するが、事象237d、例えば<null>は、関連順守基準(不図示)を満たさないので受信しない。さらに、分析論理258及び結果として生じる推奨260はまた、構造化収集手続70bで提供され得る。プロセッサ102は、構造化収集手続70bを、一実施形態では退出基準228を満たすときに収集されたデータに自動的に適用してもよい。
【0107】
同様の特徴がまた、図6C及び6Dにより示される例に提供される。図6Cは、規定の医学的使用事例パラメータ220を有する構造化収集手続70cを示し、その手続が食事開始に対するボーラス投与の適性を決定するのに役立つことを示す。同様に、図6Dは、規定の医学的使用事例パラメータ220を有する構造化収集手続70dを示し、その手続が糖質摂取に相当する運動の適性を決定するのに役立つことを示す。上記の例に加えて、他の様々な医学的使用事例、例えば次の医学的使用事例に対処するために、他の構造化収集手続が設計されてもよい。患者の生体指標値での特定の食物を摂取する効果を決定する、食前及び/または食後に薬を服用する最善の時間を決定する、及び患者の生体指標値での特定の薬の影響を決定する。さらに他の構造化収集手続が提供され得る。その構造化収集手続は、患者への治療を初期化する最善の方法、患者の病気の進行の状態の決定を行うこと、患者の治療を最適化する最善の方法を見付けること等に関する質問に対処するのに役立つかもしれない。例えば、臨床医14は、所定の構造化収集手続70を定義及び/または使用できる。その構造化収集手続70は、患者の治療に効果があるかもしれない要因を調べる。その要因は、例えばストレス、月経周期、暁前効果、背景インスリン、運動、食事に対するボーラス投与時期、基礎率、インスリン感受性、食後行動等を含み得る。
【0108】
図6Eは、1つ以上の多数の採取分類262を含み、各採取分類が進入基準226及び退出基準228の間に提供される反復的な事象の工程222を含む、構造化収集手続70の図を示す。この例において、事象の工程222は、毎日の一貫した時間に発生する1つ以上の事象237を含む。糖尿病患者12から文脈説明生体指標データを得る過程の構造化収集手続70は、退出基準228が満たされる前に、多数の日、週、及び/または月に及び得るので、パラメータ調整等の1つ以上の確認264及び/または採取分類262を再実行するかどうかの評価はまた、一実施形態では進入基準226及び退出基準228の間に提供され得る。確認264の間の期間は、生理系平衡(physiological system equilibration)、治療効果の評価、または便宜のために使用され得る。例えば、各採取分類262の間または所定数の採取分類262の後に(図示)、収集手続70の任意のパラメータの調整が必要かどうかを決定するために、確認264の分析がプロセッサ102により行われ得る。
【0109】
例えば、その分析は、パラメータ最適化または効果評価のためであってもよい。パラメータ最適化について、プロセッサ102は、以前の事象の工程222または採取分類262で提供された標本で、先の最適化、臨床医による設定のパラメータ、及び収集戦略または治療戦略からの情報を使用して計算を実行でき、新たなパラメータ値を推奨する。効果評価について、プロセッサ102は、最適化分析により利用されないデータを評価できる。さらに、標本の群、即ち採取分類262が得られた後に、プロセッサ102はまた、採取分類262からのデータを、例えばそのデータが人の治療を変更/最適化するために必要とされる場合に評価できることを理解すべきである。順守基準は、この評価を行うために、採取分類262のデータに適用され得る。例えば、第1の順守基準224は、プロセッサ102により、最低限のデータが採取分類262により提供されるかどうかを評価するために使用され得る。提供されなければ、例えば患者の治療の変更/最適化は行われないだろう。別の順守基準224は、データの多様性(spread)、過度の変動性(variability)(ノイズ)やデータを使用する他のデータ属性があるかどうかを調べる等の確認264に求められる調整を可能にするために、データが受け入れ可能かどうかをプロセッサ102が評価するのを可能にし得る。この例において、順守基準を満たせば、プロセッサ102は、手続のパラメータを調整することが重大な事象、例えば高血糖事象または低血糖事象を容易にもたらし得る最小限の危険があると評価する。最後に、順守基準は、プロセッサにより、採取分類のデータに基づき、退出基準を評価するために使用され得る。例えば、採取分類262からのデータが、例えば上述の採取分類の順守基準を満たすときに、退出基準は満たされる。
【0110】
収集戦略または治療戦略は、目盛り(scale)ベース(変動または固定)評価または式ベース評価に分類され得ることを理解すべきである。収集戦略または治療戦略への入力として、プロセッサ102は、一実施形態では、所定数の先の採取分類262から収集されたデータを利用できる。このデータは、個々の点として(式ベースの収集戦略または治療戦略だけ)、または目盛りベース評価での使用のために選別と組み合わされて使用され得る。別の実施形態において、例えばプロセッサ102により行われる確認264の結果はまた、プロセッサ102により提供される状態または推奨をもたらし得る。その状態または推奨は、例えば現在のパラメータ値を持続する状態、特定のパラメータを変更する推奨、順守基準及び/または退出基準を変更する推奨、先の事象の工程または先の採取分類からのデータで行われた分析に基づいてプロセッサ102が第2の順守基準及び/または退出基準に切り替えた状態、または収集手続を終了させる推奨等であってもよい。本発明の実施形態に従って構造化収集手続を使用して構造化検査方法を実行する説明は、図7Aを参照して、以下に与えられる。
【0111】
構造化検査方法
図7Aは、慢性病患者の診断支援または治療支援のための構造化検査方法300を示す。方法300は、プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータで実行されるプログラムの命令コードとして、例えば好ましくは臨床医コンピュータ25(図2)のスタンドアロンソフトウェア、ソフトウェア34の一部、または公衆網50を介して安全なウェブ実装によりサーバ52によりサービスとして提供されるソフトウェアとして実装されてもよい。プロセッサ76が、臨床医コンピュータ25のメモリ78からプログラムを複数あるうちの一機能として実行するとき、プロセッサ76は、医学的使用事例及び/または医学的質問への問い合わせを受信した後、ステップ302で提出された問い合わせに一致する全構造化収集手続70a〜dを求めて、メモリ78、コンピュータ読み取り可能媒体40、及び/またはサーバ52を検索する。例えば、プロセッサ76は、各利用可能な構造化収集手続70a〜dの医学的使用事例パラメータ220を読み取り、従来の検索アルゴリズム(例えば、リスト、ツリー、ヒューリスティクス等)を使用して、一実施形態では、ステップ304で問い合わせに一致する構造化収集手続の選択肢をディスプレイ82に提供してもよい。
【0112】
一実施形態において、表示されるリストは、例えばサーバ52から使用に利用可能な構造化収集手続70a、70b、70c、及び70dを反映できる。さらに別の実施形態において、表示される選択肢のリストは、臨床医14が調査したい医学的使用事例の型に基づき、動的に作成され得る。例えば、ステップ302の前に、選択可能な医学的使用事例のリストが、プロセッサ76によりディスプレイ82に表示され得る。その実施形態において、臨床医14は、ユーザインターフェース装置86を使用して、表示される医学的使用事例から、例えば医学的使用事例「患者の治療への食事効果を決定する」を選択してもよい。臨床医が選択を行った後に、プロセッサ76は、その選択をユーザインターフェース装置86から入力として受信するが、プロセッサ76は、ソフトウェア34により提供される決定論理(例えば、もし・・・ならば・・・)を使用した後に、ステップ304で、例えば構造化収集手続70b(例えば、より正確なインスリン対糖質比を決定するための構造化収集手続)及び70c(例えば、食事開始に対するボーラス投与時期を決定するための構造化収集手続)を表示し、医学的使用事例に関係のない構造化収集手続である構造化収集手続70a及び70dは表示しないだろう。同様に、「全構造化収集手続を表示する」はまた、表示される医学的使用事例の選択肢であり得る。利用可能な構造化収集手続の完全なリストが、ステップ304で表示されるだろう。別の実施形態において、ステップ302は省略されてもよい。プロセッサ76は、ステップ304で臨床医コンピュータ25のメモリ78で利用可能な構造化収集手続70a〜dの表示を提供できる。
【0113】
ステップ306では、ユーザインターフェース装置86を使用する臨床医が、診断支援または治療支援のためにコンピュータ25で構造化収集手続70を選択できる。例えば、選択過程は、ステップ304で表示されるリストからの選択を含み得る。その選択は、1つ以上の構造化収集手続を提供する。臨床医がステップ306で選択を行った後に、プロセッサ76はその選択をユーザインターフェース装置62から入力として受信するが、コンピュータ25のプロセッサ76は、コンピュータメモリ78等の電子コンポーネント、サーバ52、またはコンピュータ読み取り可能媒体40から自動的に検索し、選択された構造化収集手続70をディスプレイ82に閲覧のために表示する。
【0114】
各構造化収集手続70a、70b、70c、及び70dは、医学的使用事例に基づき、進入基準226、事象の工程222、順守基準224、及び退出基準228を定義するパラメータを有することを理解すべきである。上記のように、進入基準226は、患者から生体指標データを得る前に満たされる必要がある条件を規定する。事象の工程222の各事象237は、実行時間、事象を実行するための患者の案内、患者の行動、患者からの情報の要求、患者からの少なくとも1つの型の生体指標データの収集の要求、及びそれらの組み合わせを含む。順守基準224は、事象の工程222に従って実行される事象237が、構造化収集手続70の基礎となる医学的使用事例に対処するために受け入れ可能なデータを提供したかどうかを定性的に評価するために使用される。さらに、上記のように、退出基準228は、構造化収集手続70を終了する前に満たされる必要がある条件を規定する。
【0115】
ステップ310では、プロセッサ76が選択される構造化収集手続70を表示した後に、臨床医14が、患者12の必要及び/または臨床医の関心を満たすために、ディスプレイ82に表示されるパラメータ222、224、226、及び228のいずれか1つを調整してもよい。臨床医14だけがパラメータを修正及び/またはソフトウェア34を実行できることを保証するために、例えばパスワード保護による安全装置が実装されてもよい。プロセッサ76は、ユーザインターフェース装置86を介して入力としてパラメータ222、224、226、及び228への任意の修正を受信し、修正された構造化収集手続70をメモリ78に保存する。次に、ステップ312では、選択された構造化収集手続70が臨床医14により患者12にコンピュータ25で指示される。コンピュータ25のプロセッサ76は、出力として選択された構造化収集手続70を、それを実行する患者12に提供する。例えば、ステップ314では、指示された構造化収集手続70が、収集装置24等のプロセッサベース装置または他の上記の装置18、28、及び36(図1)のいずれかに、ソフトウェア34の一部として、また他の実施形態では紙ツール38の一部として、電子的に実装される。
【0116】
一実施形態において、指示された構造化収集手続70は、臨床医コンピュータ25(図2)から収集装置24に通信回線72を介して、ウェブページを通じて公衆網50を介して実行されてもよいし、サーバ52でダウンロードに利用可能にされてもよい。さらに他の実施形態において、指示された構造化収集手続70は、コンピュータ読み取り可能媒体40を通じて提供され、装置18、24、28、及び36の1つによりロードされ、装置18、24、25、26、28、及び36の別の1つからダウンロードされ、またはサーバ52から携帯電話接続または電話接続を介してダウンロードされ得る。装置18、24、25、26、28、及び36で使用に利用可能な新たな/更新された/指示された構造化収集手続70は、郵便の手紙/カード、電子メール、テキストメッセージ、ツイート等の任意の標準的な方法で提供されてもよい。
【0117】
構造化収集手続をカスタマイズ
図7Bは、所定の構造化収集手続70の一例を概念的に示す。構造化収集手続70は、その手続が患者の血糖(bG)値の傾向及び/または血糖値と時刻、食事量、エネルギー値との間の関係を知る必要がある医学的使用事例または医学的質問に役立つことを示す規定の医学的使用事例パラメータ220を有する。上記のように、使用事例パラメータ220は、識別タグとして使用され得る。プロセッサ102は、例えば入力された使用事例または質問の検索問い合わせに応じて、関連構造化収集手続70を検索してもよい。例えば、検索問い合わせは、ユーザインターフェース146を介して収集装置24に入力及び/または臨床医コンピュータ25から受信され得る。検索問い合わせは、どの使用事例が収集装置24で現在利用可能な構造化収集手続70により対処され得るか知りたい、またはどの構造化収集手続70が特定の使用事例または質問に対処するのに役立つか知りたいという欲求から生じてもよい。それゆえに、使用事例パラメータ220は、一実施形態では、構造化収集手続70が、例えばメモリ110、メモリ78、コンピュータ読み取り可能媒体40、及び/またはサーバ52に提供される複数の構造化収集手続70a〜dから、例えばプロセッサ102により提供され、ディスプレイ108に表示されるリストから、または規定の医学的質問のユーザインターフェースからプロセッサ102により受信される入力からの選択に基づき、プロセッサ102により自動的に選択されるのを可能にする。他の実施形態において、使用事例パラメータ220はまた、構造化収集手続70がまたbG値と時刻、食事量、エネルギー値との間の関係を示すのに役立つことを示してもよい。
【0118】
一実施形態において、構造化収集手続70の所定のパラメータは、修正/カスタマイズのために、収集装置24のプロセッサ102によりディスプレイ108に、及び/または臨床医コンピュータ25のプロセッサ76によりディスプレイ82に認可されたユーザにより表示され得る。認可されたユーザは、例えば収集装置24及び/または臨床医コンピュータ25で、ユーザインターフェース146、86を介して入力されるパスワードにより識別されてもよい。実施形態において、構造化収集手続70の所定のパラメータは、ディスプレイ108、82に表示され得る。カスタマイズ可能なパラメータは、様々な選択肢を有するドロップダウンボックス、ラジオボタン、チェックボタン、具体的な型の情報(mm−dd−yyyy、数、文字等)を要求する書式付きフィールド、表示されるメッセージを入力するためのテキストボックス等を介して、編集可能または選択可能な変数を提供できる。構造化収集手続70は、編集のために、一実施形態では表形式で(図示)、また別の実施形態ではスクロール形式で一度に一パラメータを列挙する逐次的方法で表示され得る。さらに別の実施形態において、修正され得ない構造化収集手続が提供され得る。
【0119】
図7Bに示されるように、構造化収集手続70は、患者12により、構造化収集手続を開始するために満たされる必要がある条件、即ち進入基準226、構造化収集手続を終了するために満たされる必要がある条件、即ち退出基準228、及びそれらの組み合わせを設定する1つ以上の基準を定義するパラメータをさらに含んでもよい。一実施形態において、収集装置24のプロセッサ102は、構造化収集手続により定義される条件が満たされれば、構造化収集手続を自動的に開始、評価、及び終了するために、1つ以上の基準を使用する。さらに別の実施形態において、収集されたデータが受け入れられるために満たされる必要がある条件である順守基準224はまた、構造化収集手続70で提供され得る。
【0120】
図7Bに示されるように、構造化収集手続70は、事象の工程222を形成する1つ以上(集合)の事象237を定義するパラメータをさらに含む。事象237の各々は、1つ以上の要求240、例えばバイオセンサ140に提供される標本のための生体指標値の測定エンジン138からの測定値の要求、及び/または例えばプロセッサ102によりディスプレイ108に提示される質問に応じてユーザインターフェース146を介して患者により入力される情報の要求を含む。示される実施形態において、要求240は、bG測定値、食事量の値(S、M、またはL)、及び1が最低で5が最高であるエネルギー値(1、2、3、4、5)に対するものである。他の要求240は、患者が運動したかどうか、摂取された特定の食物、どの薬が投与されたか、投与された薬の量等を示すことを含み得る。他の要求240はまた、他の構造化収集手続70で提供されてもよい。示される実施形態において、収集事象は、プロセッサ102がどの要求240を行うべきかをイエス/ノー選択ボックスを介して選択することにより、カスタマイズされ得る。
【0121】
構造化収集手続70はまた、収集事象237の各々並びに進入基準226、退出基準228、及び順守基準224と関連する案内230及び時期または実行時間238を含んでもよい。案内230は、関連収集事象237または他のパラメータの発生時に、プロセッサ102によりディスプレイ108に提供される。例えば、朝食前のbG測定のための収集事象237はまた、患者のエネルギー値の要求240を有してもよい。それゆえに、この例において、「エネルギー値を示してください」という関連案内230は、ディスプレイ108にプロセッサ102により提供される。案内230は、構造化収集手続70の実行時に患者を支援するために、情報が患者に提供されるのを可能にするテキストボックス、フィールド、エリアであることを理解すべきである。この例において、1〜5からの数字の選択は、要求237のためのデータ入力として、ボタン147,149の1つの押下を介して、またはディスプレイ108により提供されれば、タッチスクリーンインターフェースを介して行われてもよい。その数字は、プロセッサ102により収集装置24のメモリ110に、構造化収集手続70のためのデータファイル145(図4)の一部として格納される。
【0122】
構造化収集手続70の時期パラメータ238は、関連収集事象237のいずれか1つについて、進入基準226、退出基準228、及び順守基準224、具体的な日付及び/または時刻(mm−dd−yyyy、hh:mm)、または先行する収集事象の後の、関連収集事象を実行するための期間を指定するために使用される。示される実施形態での収集事象237のための期間n1、n2、n3は時間を示すが、他の実施形態では、分または秒で示され得る。別の実施形態において、関連収集事象237並びに進入基準226、退出基準228、及び順守基準224のための、時期パラメータまたは実行時間パラメータ238は、別の収集事象及び/または基準により修正され得る。
【0123】
例えば、示される実施形態において、進入基準226は、質問「3連続日に渡って検査を行う意思はありますか?」の形式で提供される案内230が、例えば収集装置24で提供される選択肢「ノー」を介して、患者12により賛同されなければ、1日追加することにより、順守基準224により修正される。この示される例において、「案内に賛同する」は、関連収集事象237の順守基準224をカスタマイズするためにコンボボックスに提供されるドロップダウン選択肢であってもよい。その選択肢は、選択されると、プロセッサ102に、順守基準224の残りの論理(「賛同されなければ、時期に1日追加する」)を実行する前に、受け入れる/受け入れないかの入力(例えば、ボタン147、149を介して)を待機させる。さらにこの例において、プロセッサ102は、退出基準228に関連する順守基準224で提供される論理に従って、退出基準228の時期パラメータまたは実行時間パラメータ238を、進入基準226を完了してから3日後である日付(mm−dd−yyyy)に設定できる。構造化収集手続70により実行されてもよい論理命令文(logic statement)の様々な可能な組み合わせは、一実施形態では、カスタマイズされるために事前に定義され、ドロップダウンボックスにより選択され、及び/または論理命令文は、別の実施形態では、構築され得ることを理解すべきである。
【0124】
構造化収集手続70はまた、収集事象237の各々並びに進入基準226、退出基準228、及び順守基準224の各々と関連するオプションパラメータ232を含み得る。オプションパラメータ232は、関連収集事象237のデータ及び/または結果、または構造化収集手続70の他のパラメータのいずれか、例えば進入基準226、退出基準228、及び順守基準224が、条件が満たされればさらなる処理がプロセッサ102により実行されてもよい方法で、特定の条件を満たすかどうかを管理するために、カスタマイズ可能な値を有し得る。例えば、オプションは、プロセッサ102に、進入基準226を満たしたことにより患者が構造化収集手続70を開始したことを示すメッセージを医師に自動的に送信させること、順守基準を満たさないことにより患者が収集事象237を実行しなければ、メッセージを患者及び/または医師に提供すること、退出基準が満たされて患者が構造化収集手続70を完了すると、メッセージを医師に提供すること、またはそれらの組み合わせであり得る。例えば、オプションパラメータ232は、行動の全体リスト(global list)を有し得る。行動は、ディスプレイ108上で、例えば各オプションに関連する値域から選択された値により選択される。例えば、各パラメータのオプションは、オプション選択肢(例えば、1、2、3、4、5、…、A、B、C等)を有するドロップダウンボックスから選択することによりカスタマイズされ得る。例えば、患者が収集事象237を実行しなければ(例えば、順守基準を満たさないことにより)、プロセッサ102にメッセージを医師に提供させるオプション1が、朝食前収集事象237のために選択されて示される。糖尿病患者12の文脈における例は、本発明に従って収集装置24で提供されるさらなる特徴を示すために、以下に与えられる。
【0125】
2型糖尿病の典型的な患者は、1日に1回、朝の起床後に血糖を測定してもよい。定期的な通院で、患者のHbA1c結果が上昇していると分かる。医師は、その人が3日間の強力な糖監視を経ることを推奨し、この目的に役立つ構造化収集手続を選択する。構造化収集手続70は、患者がプロセッサ102により、朝食前、朝食の2時間後(例えば、n1=2)、昼食前、昼食の2時間後(例えば、n2=2)、夕食前、夕食の2時間後(例えば、n3=2)、及び就寝前に血糖を測定するように要求され得るように、この3日間に収集事象237が多数のbG測定要求240で定義される方法で、上述のようにカスタマイズされる。さらに、患者12は、適切な時間に摂取される食事の相対量の評価及びエネルギー値に関してどのように感じるかを提供するために、各収集事象237のための他の関連する要求240を介して要求され得る。図7Bに示される実施形態において、プロセッサ102は、各収集事象237でエネルギー値を、他の各収集事象237で(即ち、食後に)摂取される食事の相対量の評価を要求できる。さらに、医師は、情報が評価で役立つために、関連収集事象237の±30分以内に食事評価を行わなければならないという条件を、順守基準224を介して提供した。その情報は、収集されたデータの文脈説明及び収集されたデータで行われる分析に役立つ。
【0126】
さらに、医師は、患者が「朝食前」収集事象237を完了しなかったときに通知を受けたいだろう。それゆえに、通知オプションを促進するために、医師は、「朝食前」収集事象に関連するオプションパラメータ232を、ドロップダウンボックスを介して「順守基準が満たされなければ、医師にメッセージを送信する」に設定することにより、構造化収集手続70をカスタマイズする。他の全収集事象237は、プロセッサ102がオプションパラメータに関して追加の行動を取らないことを示すために、関連オプションパラメータ232を有する。図7Bの上記の特徴及び配置が示される実施形態は、例えば図7Aを参照して上述された方法300のステップ310で実行されるパラメータ調整のために、構造化収集手続をカスタマイズするための単純かつ便利なインターフェース及び方法を提供することを理解すべきである。
【0127】
構造化収集手続を実装及び実行
図8Aは、本発明の実施形態に従って患者12から文脈説明生体指標データを得るために、構造化収集手続70を実装及び実行するための方法のフローチャートを示す。ステップ312で指示され、ステップ314(図7A)で実装された多数の構造化収集手続70a〜d(図2)は、装置24のメモリ110(図3)に格納され、任意の希望する時間での実行のために選択されてもよいことを理解すべきである。例えば、ボタン147、149の所定の組み合わせを押下すると、患者は、希望する構造化収集手続70a〜c及び構造化検査手続を開始する日付、即ち設定モード機能を選択できる。例えば、選択される日付範囲は、検査を明日開始し、今日から90日後に終了するものであってもよい。日付範囲は、プロセッサ102がデータファイル145(図4)にセットアップデータ163の一部として記録できる。その実行において、プロセッサ102は、ソフトウェア34により指示されるように、選択された構造化収集手続70のためのセットアップデータ163を読み込み、ディスプレイ108に、装置24が、例えば選択されて注目されている検査の開始日の前日から構造化収集手続の終了まで構造化検査モードにあることを示す。
【0128】
多数の構造化収集手続70a〜dは、順々にまたは同時にいつでも実行され得ることを理解すべきである。しかし、一実施形態において、ソフトウェア34は、別の構造化収集手続70の開始日が現在実行されている構造化収集手続70の終了日より遅ければ、ユーザが別の構造化収集手続70の予定を入れることだけを可能にする。ソフトウェア34はまた、ユーザが構造化収集手続70の予定日を無効にするのを可能にする。構造化収集手続70が予定され、ユーザが設定モード機能を再び入力すれば、ソフトウェア34は、プロセッサ102に、予定日をディスプレイ108にデフォルト日として表示させる。ユーザが日付を修正せずに設定モードを終了すれば、以前の予定日は有効のままである。構造化収集手続70が開始すれば、ソフトウェア34は、ユーザが設定モードを入力するのを可能にし、プロセッサ102に現在の構造化収集手続70を中止させる。中止時に、一実施形態において、ソフトウェア34は、プロセッサ102に、中止された構造化収集手続70のために収集されたデータについて、データファイル145内のデータ記録152からタグを外させる(de-tag)(例えば、一意の識別子167を無効にする)。
【0129】
ステップ316(図8a)で手続開始に達すると、プロセッサ102は、所定の使用事例または質問(例えば、使用事例パラメータ220)に対処するべく生体指標データを得るために選択された構造化収集手続70を開始するために、ステップ318で進入基準226が満たされるかどうかを評価する。ステップ320では、プロセッサ102が、構造化収集手続70のための事象の工程222内の各事象237に関連する時期238に従って、要求240を指定する。事象の工程222は、プロセッサ102により所定の文脈で生体指標データを得るために行われる生体指標データ収集の採取計画を提供することを理解すべきである。ステップ320で事象の工程222を実行するときに、ソフトウェア34は、プロセッサ102に、構造化収集手続70での各事象237に対応するデータ記録152に一意の識別子(例えば、徐々に増加する計数)167を割り当てさせる。任意選択で、各基準226、228、224はまた、必要に応じて基準がいつ満たされたのかを示すために、日時印169を提供されてもよい。
【0130】
順守基準224は、要求240に応じて受信された入力(例えば、生態指標データまたは情報)に適用され、受信された入力が順守基準224を満たすかどうかを決定する。構造化収集手続70が開始すると、構造化収集手続70で要求240に従って収集され、ステップ322で要求されれば順守基準224を満たす全データは、ステップ324でプロセッサ102によりデータファイル145内で一意の識別子167を割り当てられる(タグを付けられる)。一意の識別子はまた、収集されたデータ、例えば事象237を伴うデータ値256と、要求240と、要求240に応じた収集がプロセッサ102によりいつ受信されたかを示す日時印169とを関連付けるのに役立つことを理解すべきである。構造化収集手続70が実行されている間に、一実施形態において、ソフトウェア34は、ユーザが、発作(episode)に妨げられることなくいつでも装置24で測定を行うのを可能にする。
【0131】
一実施形態において、ソフトウェア34は、生体指標測定の合図が上記のように一定期間、例えば15分間、重要でない測定については何度でも、「スヌーズ」されるのを可能にする。別の実施形態において、ステップ320で要求240にほぼ合わせて行われる生体指標測定またはデータ入力は、ソフトウェア34により要求240に対して有効な測定またはデータ入力として設計される。プロセッサ102は、事象237に関連するデータ記録152に、生体指標測定またはデータ入力について一意の識別子167でタグを付けるだろう。生体指標測定の場合に、測定値が要求240に対して有効として受け入れられれば、ソフトウェア34は、要求240から得られたデータに文脈252を提供するために構造化収集手続70により必要とされれば、ユーザに追加の情報を入力するように促すことを、プロセッサ102に行わせる。追加の情報は、例えば1が低く、5が高い、1〜5のエネルギー値の格付け、1が少なく、5が多い、1〜5の食事量、及び30分以上を意味するイエスまたは1、30分未満を意味するノーまたは2からの運動を含んでもよい。追加の情報または文脈情報156は、ユーザインターフェース146を介して入力されると、プロセッサ102によりデータファイル145に、ステップ324で追加の情報を要求するデータ事象要求240に対して一意の識別子167と関連付けられて格納される。
【0132】
一実施形態において、構造化収集手続70により定義されるデータ事象要求240にほぼ合っていない、プロセッサ102により決定される生体指標測定は、プロセッサ102によりデータファイル145内で一意の識別子167でタグを付けられないだろう。そのことは、一意の識別子167と関連付けられていない、例えば<null>である要求240d及びデータ値256dと共に、データファイル145に示される。「収集手続にほぼ合わせて」の定義の例は、構造化収集手続70及び/またはソフトウェア34によりプロセッサ102に決定を行わせるよう指示されるように、事前に予定された時間またはスヌーズされた時間に関連して定義されてもよい。例えば、食前測定については、15分まで受け入れ可能であり、食後測定については、10分まで受け入れ可能であり、就寝前測定については、15分まで受け入れ可能である。他の定義は、他の構造化収集手続70及び/またはソフトウェア34で与えられてもよい。
【0133】
ステップ326では、プロセッサ102が、選択された構造化収集手続70のための退出基準228が満たされるかどうかを評価する。満たされなければ、プロセッサ102は、退出基準228が満たされるまで事象の工程222を実行し続ける。退出基準228が満たされたとき、収集手続70はステップ328で終了する。一実施形態において、構造化収集手続70はまた、ステップ318で進入基準226も満たされなければ終了してもよい。
【0134】
いくつかの実施形態において、構造化収集手続70は、紙ツール38、血糖メータ26等の収集装置24に統合される糖尿病ソフトウェア34、携帯情報端末、携帯コンピュータ、または携帯電話等のコンピュータ装置36に統合される糖尿病ソフトウェア34、コンピュータに連結された装置リーダ22に統合される糖尿病ソフトウェア34、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ18、25で動作する糖尿病ソフトウェア34、インターネットを通じて遠隔から、例えばサーバ52からアクセスされる糖尿病ソフトウェア34として、実行のために構成され得る。糖尿病ソフトウェア34が収集装置24またはコンピュータ装置36に統合されると、糖尿病ソフトウェア34は、患者に食事特性、運動、及びエネルギー値等の日記情報を記録するように促すことができる。糖尿病ソフトウェア34はまた、患者に血糖値等の生体指標値を得るように促すこともできる。
【0135】
選択可能な構造化収集手続を提供するGUIインターフェース
図8Bは、収集装置24で提供されるグラフィカルユーザインターフェースを介して構造化収集手続を実行する方法を示す。グラフィカルユーザインターフェースは、収集装置で実行されると、プロセッサ102に次のステップを実行させる。ボタン147、149の所定の組み合わせを押下すると、患者12は、ステップ330でプロセッサ102により収集装置24のディスプレイ108に提供されるリスト329内の、選択のために利用可能な構造化収集手続70までスクロールできる。構造化収集手続を開始したければ、患者12は、例えばステップ332でOKボタン151を押下することを介して希望する構造化収集手続70を選択する。この例において、構造化収集手続70の進入基準226(図6)は、プロセッサ102がディスプレイ108上でユーザに表示する情報を、ステップ334で提供する。表示された情報を読み取った後に、ユーザは、ステップ336で任意のボタンを押下する。進入基準226での次の手続が、プロセッサ102により実行される。この示される例において、進入基準226の一部として、質問がステップ338でプロセッサ102により問い合わせられる。患者12が依然、構造化収集手続を開始したければ、患者12は、ステップ340でOKボタン151を選択する。さもなければ、ボタン147、149を介する他の押下は、プロセッサに、リスト329に戻って構造化収集手続70のためのセットアップ手続を終了させる。
【0136】
患者12がOKボタン151を押下した後に、プロセッサ102はステップ342で、選択された構造化収集手続70を開始する時間を設定するために、ディスプレイ108に目覚まし時計343を提供する。生体指標採取、患者情報等のために要求される全事象237は、構造化収集手続70のための事象の工程222に従って、プロセッサ102により自動的に予定を入れられることを理解すべきである。時期、値、質問等は、図7A及び7Bを参照して上述されたように、臨床医14により調整されていてもよい。それゆえに、進入基準226により許可されるように開始時間を入力すること以外に、構造化収集手続70での他のパラメータ調整は、患者12により要求されない(または、一実施形態では許可される)。
【0137】
示される実施形態において、患者はステップ344で、翌日、例えば1日目の構造化収集手続の開始時間をボタン147、149を介して調整できる。開始時間をステップ346でOKボタン151を押下することを介して確認すると、開始時間は、プロセッサ102により、構造化収集手続70のためのデータファイル145(図4)内のセットアップデータ163の一部としてメモリ110に記録される。プロセッサ102は、ステップ348でディスプレイ108に選択リスト329を表示し、進入基準226を満たすセットアップ手続を完了し、ディスプレイ108に収集装置24が構造化検査モード349にあることを示す。
【0138】
一実施形態において、多数の構造化収集手続は、順々にまたは同時にいつでも実行され、それゆえに、一実施形態において、ディスプレイ108に提供されるモード349は、どの構造化検査が実行されるかを示すことを理解すべきである。しかし、好ましい一実施形態において、ソフトウェア34は、別の構造化収集手続の開始日がユーザインターフェース146を介して現在実行されている構造化収集手続の終了日より遅くなければ、ユーザが別の構造化収集手続の予定を入れるのを可能にしない。退出基準228が満たされないことにより、現在の構造化手続が依然実行中であれば、プロセッサ102は、次の構造化収集手続の予定を自動的に変更してもよいことを理解すべきである。ソフトウェア34はまた、別の実施形態において、ユーザが構造化収集手続の予定日を無効にするのを可能にしてもよい。構造化収集手続が予定され、ユーザが設定モード機能を再び入力すれば、ソフトウェア34は、プロセッサ102に、予定日をディスプレイ108にデフォルト日として表示させる。ユーザが日付を修正せずに設定モードを終了すれば、以前の予定日は有効のままである。構造化収集手続が開始すれば、ソフトウェア34は、必要に応じて、ユーザが設定モードを入力し、プロセッサ102に現在の構造化収集手続を中止させるのを可能にする。
【0139】
ステップ350では、アラーム条件351が、プロセッサ102により提供され得る。上記の手続で設定されたように、翌日(1日目という記号により示される)、前日(開始という記号により示される)。ユーザがステップ352で任意のボタン147、149、151を選択すると、プロセッサ102は、事象の工程222により指示されるように、第1の予定事象237を提供する。第1の予定事象237は、ステップ354でディスプレイ108に表示される情報353である。患者12は、ステップ356で任意のボタン147、149、151を押下して、第1の予定事象237を確認する。次に、ステップ358では、プロセッサ102が、事象の工程222により第2の予定事象を実行するように指示される。第2の予定事象は、ディスプレイ108に患者への質問359を表示することである。患者12は、ステップ360で任意のボタン147、149、151を押下して、第2の予定事象を確認する。示される実施形態において、患者は、ステップ362で、ステップ352で以前確認された目覚ましアラーム351からの分単位での朝食の開始時間を指示する。食事開始時間をステップ364でプロセッサ102にOKボタン151を押下することを介して確認すると、食事開始時間は、メモリ110に記録される。例えば、食事開始時間は、プロセッサ102により、事象237のデータとしてデータファイル144内の関連するデータ記録152に記録される。従って、ステップ366では、プロセッサ102が、患者12に、次の予定事象の時期に関する情報を合図として表示する。ステップ368では、事象の工程222により指示される次の予定事象に達すると、プロセッサ102が、ディスプレイ108に、患者が測定、例えば血糖測定を行う要求240を提供する。さらに、ステップ370では、プロセッサ102がまた、文脈情報156を測定値に提供するために、事象の工程222により要求されるように摂取される食事の量に関する情報の要求240を行う。
【0140】
上記のように、各事象について、ソフトウェア34は、プロセッサ102に、事象237に関連するデータ記録152で順守基準224を満たす事象の工程222で提供される各要求240のデータに、一意の識別子(例えば、徐々に増加する計数)167(図4)を割り当てさせる。それゆえに、構造化収集手続が実行されている間に、ソフトウェア34は、ユーザが事象の工程222の外でいつでも収集装置24で測定を行うのを可能にする。その測定は、要求240に従って行われないので、順守基準224について評価されず、データファイル内で一意の識別子167を提供されないが、日時印及びその測定値だけが提供されるだろう。そのデータは、別の分析に役立つかもしれないので、データファイル145に記録される。
【0141】
別の実施形態において、ソフトウェア34はまた、例えばステップ238で提供される生体指標測定の合図を可能にする。例えば、一実施形態において、プロセッサ102は、測定値を提供するために、合図のためのアラーム及び/または警告メッセージを、それぞれインジケータ148を介して及び/またはディスプレイ108に提供する。例えば、生体指標測定(または読み取り)を行う特定の要求240の時間238に、プロセッサ102は、少なくともメッセージ「読み取りの時間です」をディスプレイに表示することにより、患者12を促す。別の実施形態において、聴覚的アラーム及び/または触覚的アラーム(振動)が、プロセッサ102によりインジケータ148として提供され得る。例えば、一実施形態において、収集装置24は、例えば患者12により別の理由で、例えば予定外事象を実行するためにすでに電源が入れられているときに、例えば要求される測定/読み取りを行う時間帯に、または電源が切られて例えば待機モードにあるときに、指示を介して合図を提供するために起動することにより、指示を提供するだろう。別の実施形態において、提供される合図または指示は、上記のように、要求される(重要な)測定/読み取りを行う時間帯に入る所定の期間、例えば15分間、または時間帯に入る他の適切な時間、「スヌーズ」され得る。構造化検査手続70に重要と認められる測定/読み取り、例えば医学的使用事例または医学的質問に対処するのに役立つために必要とされる、順守基準224を満たすために必要とされる、及び/またはその後の分析で何らかの決定のために必要とされる等の測定/読み取りのためのスヌーズ機能は、収集手続70により提供される時間帯を越えて、例えば要求240のための順守基準224を介して、要求240を延長しないことを理解すべきである。例えば、一実施形態において、事象の工程222内の1つ以上の事象237は、構造化収集手続70で提供されるオプションパラメータ232(図7B)の使用を介して、重要及び1次標本として事前に定義され得る。例えば、重要と指定される事象237は、逃され得ないものであるが、逃されれば、データファイル145内の別の標本で置換され得る。1次標本として指定される事象237は、逃され得ないものであり、データファイル145内で利用可能であっても、別の標本により置換され得ない。さらに別の実施形態において、スヌーズは、重要でない測定について何度でも可能である。例えば、構造化収集手続70の所定の事象237は、重要でない要求240を有すると指定され得る。その事象237は、例えばオプションパラメータ232(図7B)の1つとして提供されるオプションを選択することを介してスヌーズされ得る。この実施形態におけるオプションパラメータ232は、例えばスヌーズオプション、並びにユーザが要求240をスヌーズするために許可される選択可能な時間間隔(例えば、1〜60分等)及び選択可能な回数(例えば、1〜5等)を提供できる。さらに別の実施形態において、収集装置24は、アラームが切られるのを可能にする。即ち、インジケータ148は、合図(聴覚的、振動性)を提供する場合に、全時間帯に渡ってユーザインターフェース146を介して切られ得る。しかし、プロセッサ102は、時間帯に行われる限り、測定/読み取りを受け入れる。さらに別の実施形態において、収集装置24は、例えばディスプレイ108に提供されるスヌーズ、アラーム切断、読み取り省略等の選択可能なオプションのリストから、ユーザインターフェース146を使用して入力される選択を介してプロセッサ102により受信される読み取り省略オプションを提供する。患者12が特定の要求される測定/読み取りを行いたくないとプロセッサ102に示すと、合図/指示は提供されないだろう。読み取り省略の選択肢を選択することは、先の節で上述されたように、順守基準242が要求240を引き起こす事象237と関連付けられていれば、さらなる処理をもたらす順守基準242をもたらし得ることを理解すべきである。
【0142】
さらに別の実施形態において、順守基準224は、生体指標測定がデータ事象要求240にほぼあわせて行われることを要求できる。それゆえに、生体指標測定が順守基準224により指定される期間内に行われれば、プロセッサ102は、事象に対する測定またはデータ入力が受け入れ可能であると示すことができ、データファイル145内の生体指標測定またはデータ入力の値にタグを付ける(即ち、一意の識別子167を割り当てる)。生体指標測定の場合に、その測定値がデータ事象要求240に対して有効として受け入れられれば(即ち、順守基準224を満たせば)、事象の工程222は、構造化収集手続70により必要とされれば、例えばステップ370に関して上記したように、要求240に応じて受信された測定値に文脈情報156(即ち、文脈)を与えるために、追加の情報を入力するようにユーザに促すことを、プロセッサ102に行わせてもよい。
【0143】
文脈情報156は、ユーザインターフェース146を介して入力されると、プロセッサ102により、追加の情報を要求するデータ事象要求240に対して一意の識別子167と関連付けられて、データファイル145に格納され得る。順守基準224により定義されるようにはデータ事象要求240にほぼ合っていない、プロセッサ102により決定される生体指標測定は、プロセッサ102によりデータファイル145内でタグを付けられないだろう。そのことは、一意の識別子167と関連付けられていないデータ事象要求240d及びデータ値256dと共に、データファイル145(図4)に示される。「収集手続にほぼ合わせて」の定義の例は、順守基準224によりプロセッサ102に決定を行わせるよう指示されるように、事前に予定された時間またはスヌーズされた時間に関連して定義されてもよい。例えば、食前測定については、15分まで受け入れ可能であり、食後測定については、10分まで受け入れ可能であり、就寝前測定については、15分まで受け入れ可能である。他の定義は、事象の工程222及び他の構造化収集手続内の他の事象について、他の順守基準224で与えられてもよい。
【0144】
示される実施形態において、ユーザは、選択肢までスクロールするためにボタン147、149を使用する。選択肢は、ステップ372でOKボタン151を押下することを介して、プロセッサにより要求240に関連するデータ記録152に入力される。一実施形態において、食事量は、例えば1が少なく、5が多い、1〜5の数字範囲を介して示され得る。示される実施形態において、1が低く、5が高い、1〜5のエネルギー値の格付けに関する文脈情報156のための追加の入力は、ステップ374で要求される。追加の入力は、ステップ376でユーザインターフェース146を使用することにより要求240に対する入力を受信するプロセッサ102を介して、上記のようにデータファイル145に入力される。他の実施形態において、他の文脈情報156は、患者が運動したかどうか及び/またはどのくらい運動したかを示すものを含んでもよい。例えば、イエスまたは1が30分以上を意味し、ノーまたは2が30分未満を意味するユーザインターフェース146が使用されてもよい。示される実施形態において、退出基準がステップ368〜376を成功することにより満たされるので、構造化収集手続70は、ステップ378で終了する。プロセッサ102は、患者12が必要に応じて収集装置24で他の作業を行ってもよい方法で、リスト329を再び表示する。以下では、図9への参照がなされる。
【0145】
生体指標データを文脈説明する方法
図9は、本発明の実施形態に従って糖尿病の診断支援及び治療支援のために生体指標データを文脈説明する方法388を示す。図8A及び8Bを参照して上述された以前の実施形態において、文脈情報156は、構造化収集手続70の間に自動的にプロセッサにより要求され、関連生体指標値と共に記録されたことを理解すべきである。しかし、自動化が収集装置24で提供されない実施形態において、患者は、紙ツール38を使用し、収集データは、例えば構造化収集手続70が少なくともデータ事象値256を作成するためにステップ390で実行された後に、文脈情報156と関連付けられ得る。収集装置24によりまだ終了しなければ、例えば限られたメモリ及び処理能力を備える装置の場合に、または記録が紙ツール38で行われるときに、データは、ソフトウェア34を実行し、少なくともデータ事象値256(図4)をそれぞれのデータ事象要求240と関連付ける機能を有する装置18、25、36の別の1つに提供されてもよい。少なくともデータ事象値256のそれぞれのデータ事象要求240、日時印169、及び文脈情報156とのこの関連付けは、ステップ392で文脈説明(自己監視)データ170をもたらす。
【0146】
本発明に従う構造化検査で使用されるようなデータは、文脈説明データの見込みのある収集を処理することを理解すべきである。図10Aを検討するに、この例において、文脈のない左側の地下鉄の地図を有する有用性と、システムを容易に誘導し、ある場所から別の場所に移動するのを可能にする、文脈のある右側のそれを検討すると、文脈固有の利点が明確になる。同様に、文脈説明は、糖尿病では重要な役割を果たし得る。データと関連する文脈は、例えば、治療、事象(例えば、食事、運動、事象237、要求240等)、及びデータ収集の要求時間(例えば、時期238)に起因し得る。患者により収集された測定値を有するデータは、1つ以上の上記の要因、例えば以下でさらに説明される治療、事象、及び時間と関連付けられることにより、文脈説明され得る。
【0147】
治療は、例えば、患者の糖管理異常を軽減することを目的とする継続的な治療として定義され得る。この治療は、一般に、インスリン等の抗糖尿病薬、経口薬、並びに食事及び運動を含む。治療薬(または、治療薬の組み合わせ)は、異なる作用機構により、患者の血糖に固有の薬力学的効果を有する。治療薬の投与量または治療薬そのものの変更は、患者の糖管理の変更をもたらすだろう。結果として、収集されたbGデータは、根底にある治療及び投与量に強く関連付けられる。この情報は、データを文脈説明するために使用される。投与量または治療薬の変更は、異なる文脈をもたらすだろう。治療の文脈は、図5Aに関して上述のように、収集手続70の設計時に、臨床医14により患者と相談して設定され得ることを理解すべきである。
【0148】
一実施形態において、収集手続70の事象237は、患者の正常糖値を変更するのに影響を与えるbG測定点に関する固有条件を含み得る。上記のように、事象237は、食事ベースまたは運動ベースであり得る。事象237は、データの文脈説明に関連する。この文脈において、根底にある仮定は、患者が明確な工程の下で多かれ少なかれ動作することである。収集手続70の作成時に、患者12は、収集手続70が患者12の必要に従って調整され得るように、臨床医14と生活スタイル事象を議論できる。例として、図10Bを参照して、典型的な収集手続70を検討する。ここで、患者12は定期的に運動せず、事象の大部分が朝食、昼食、及び夕食からなる食事ベース事象である。患者12の生活スタイルは、収集手続70の事象の工程222に対して、bG測定の6つの候補点(食事の各々の前後)をもたらす。収集手続70の作成/カスタマイズ(図5A及び/または図7B)の過程で、臨床医14は、患者が収集手続70の事象の工程222によりこれらの点の1つ以上または全てを収集することを指定してもよい。これらの点に加えて収集された、即ち収集手続70の要件外のデータは、プロセッサ102により非収集手続測定値として分類され得る。同様に、定期的に運動する1型糖尿病患者に対して、臨床医14は、運動事象に関する追加の測定値を含めるように、収集手続70を調整/カスタマイズできる。事象情報は、この例では、事象237に依存する適切な方法でデータを文脈説明するために使用される。
【0149】
時間は、測定が行われる実際の時間を表し、絶対的であり、例えば日時印169(図4)である。さらに、時間はまた、偏差、即ち特定の事象からのオフセットで表され得る。例として、食後測定は、食後の特定の時間に行われる。この時間は、その日その日で異なってもよい。このシナリオは、患者が毎日同じ時間に事象ベース測定を行えないかもしれないときに発生する。結果として、その日その日で同じ測定が行われる時間の分布(distribution)がある。この分布の知識は、時期及び収集手続70のパラメータ時期238の分析に役立つようになり得る。
【0150】
さらに、文脈説明データ170で、測定時の患者12の生理的状態は説明され得る。患者の生理的状態は、生体指標値に影響を与え得る。患者の生理的状態の情報は、生体指標値の理解に役立つ。生体指標データは、前回の食事、食事型、食事配分(distribution)、運動情報、睡眠の質、睡眠時間、起床時間、病気等のストレス要因等の所定の事象の文脈で収集されるので、文脈説明され得る。時間分解されたデータは、生体指標データを、構造化収集手続70の順守及び患者の生活スタイル事象等の他の情報を有する文脈で解釈することを可能にする。
【0151】
図9を再び参照して、文脈説明データ170は、ステップ394で順守基準を満たす受け入れ文脈説明データ395を作成するために、順守基準224を使用して評価される。順守基準224は、データ事象値256の標準との比較の基礎を提供でき、データ事象値は、受け入れられて使用されるか、拒絶されて使用されないかのいずれかであり得るので、順守基準224は、一実施形態ではデータを選別するために使用され得る。別の実施形態において、ステップ394はステップ392に先行してもよい。
【0152】
図11は、例えば、受け入れ不可能な文脈説明データ397と混ざり合う、受け入れ文脈説明データ395の図を示す。図の縦軸は、生体指標設定値、生体指標上限値、及び生体指標下限値の形式での文脈250を含む生体指標値256を示す。図の横軸は、測定要求の実行時間238及び睡眠時間事象237を示す。点線により示されるように、実際の睡眠は、推奨される最低限の睡眠を上回っている。受け入れ文脈説明データ395は、順守基準224を満たすものである。受け入れ不可能な文脈説明生体指標データ397は、構造化収集手続70内にないか、順守基準224を満たさないかのいずれかである。受け入れ不可能な文脈説明生体指標データ397を除外することにより、受け入れ文脈説明生体指標データ395は、意思決定を向上させるのに役立ち得る。統計的手法は、追加の情報を臨床医14に伝達する形式で、受け入れ文脈説明生体指標データ395を表示するために使用され得る。統計的手法の例は、回帰法、分散分析等を含む。以下では、ソフトウェア34の好ましい実施形態に関するさらなる詳細が与えられる。
【0153】
ソフトウェア
先の節で言及されたように、ソフトウェア34は、患者コンピュータ18、収集装置24、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末、及び/または携帯電話等の携帯コンピュータ装置36、及び紙ツール38で動作できる。ソフトウェア34は、あらかじめロードされるか、コンピュータ読み取り可能媒体40または公衆網50を介して提供され、必要に応じて、患者コンピュータ18、収集装置24、臨床医コンピュータ/オフィスワークステーション25、及び携帯コンピュータ装置36に、動作のためにロードされ得る。さらに他の実施形態において、ソフトウェア34は、動作のためにコンピュータ(例えば、コンピュータ18または25)に連結された、または公衆網50を通じて遠隔から、例えばサーバ52からアクセスされる装置リーダ22にも統合され得る。さらに、1つ以上の収集手続70は、ソフトウェア34の一部、ソフトウェア34の更新、またはソフトウェア34により操作及び使用され得る個々のファイルとして提供され得る。
【0154】
以下で説明される実施形態において、ソフトウェア34は、収集装置24で動作し、3つの基本要素を提供する。1つ以上の構造化収集手続70、データファイル145、及び1つ以上のスクリプト。構造化収集手続70及びデータファイル145の特徴は、上述のものと同じなので、さらなる詳細は与えられない。1つ以上のスクリプトは、収集装置24に常駐し、各々が特定の組の作業を実行できる小さな独立のプログラムである。スクリプトは、図12に示されるように、規約スクリプト401、解析スクリプト403、及び分析スクリプト405を含み得る。その各々は、次の項で詳細に説明される。
【0155】
規約スクリプト
規約スクリプトは、収集装置45でプロセッサ102により収集手続70の実行を実際に可能にするスクリプトである。収集手続70の開始時に、規約スクリプトは、一実施形態では、プロセッサ102に、収集手続70により示されると期待されるデータの量を示すデータ構造を作成させる。別の実施形態において、データ構造は、収集手続70の間に追加のデータが収集されるのであれば、可変サイズ、またはデータ構造内にバッファ、例えば配列を有する固定サイズを有し得る。例えば、バッファは、収集手続70が、例えば収集機器24のメモリ110内のデータ構造に割り当て可能なメモリの最大サイズまで、希望に応じて拡張され得る、または希望する条件を満たさない、例えば患者の生体指標値が希望する値に達していないことにより拡張される必要がある状況を把握できる。このデータ構造、例えばデータファイル145は、少なくとも、収集手続70の開始時間、データ事象値256等の生体指標の実測値、日時印169等の測定時間、及び任意選択で、文脈情報156等の追加の文脈説明及び食事、運動等の要求240のために使用される他の情報の全てを格納する。代替の実施形態において、データ構造は、1日単位の詳細及び測定が行われる必要がある時間を含み得る、臨床医14により作成されるカレンダーと見なされ得る。このカレンダー機能はまた、患者が次の測定をいつ行う必要があるかを容易に確認するのを可能にする。規約スクリプトはまた、プロセッサ102に、収集手続70を実行するのに必要な機能の全てを実行させる。例えば収集手続70の成功により一旦適切なデータが収集されると、規約スクリプトは、プロセッサ102に、一実施形態では完了フラグ257でデータ構造に印を付けさせ、別の実施形態ではソフトウェア34の状態として提供させ、ソフトウェア34で提供されるようなプロセッサ102の制御を解析スクリプトに渡す。前者の実施形態において、完了フラグ257はまた、終了の理由に関する情報を提供するために、例えば完了の型(終了、計画的(タイムアウト)、順守終了等)を識別するために使用され得る。後者の実施形態について、上記のように、1つ以上の手続70が工場で収集機器24にロードされてもよいので、ソフトウェア34の各収集手続70の状態を提供することは、手続が臨床医14による認可の後にのみ利用可能であるという要件を保証するのに役立つ。一実施形態において、各収集手続70の状態は、ソフトウェア34により追跡され、「休止」状態、「認可」状態、「保留」状態、「活動」状態、及び「完了」状態の1つ以上を含み得る。休止状態は、収集装置24が1つ以上の内蔵収集手続70を備えているが、使用が認可されるまで、上記のように、収集装置24で患者12により使用(または確認)され得ないときに役立つ。この場合に、収集手続70は、休止状態にあると言われる。認可状態は、臨床医14が収集装置24で使用を認可した後に、収集手続70が利用可能になるときである。この状態の間に、収集手続70は、(例えば、臨床医により)構成され、例えば臨床医、患者、または開始日による選択を介して構成されたように開始のために起動され得る。保留状態は、開始日は設定されたが、実行の前である、例えば収集手続70が事象の工程222を実行する前に進入基準226が満たされるまで未知の時間を待っているときである。一旦収集手続70が、一実施形態では進入基準226を満たすことにより、開始日にまたはその後に実行を開始すると、収集手続は、活動状態にあると言われる。活動状態では、少なくとも事象の工程222は、プロセッサ102により実行されている。完了状態は、上記のように、収集手続70が終了したときに、完了フラグ257と同様に機能する。
【0156】
解析スクリプト
解析スクリプトは、一旦収集手続70のデータ収集が完了すると、プロセッサ102に、文脈説明データ、例えば文脈説明データ395(図11)を解析させるスクリプトである。解析スクリプトは、プロセッサ102に、例えば一実施形態では収集手続70の重要なデータ事象237(例えば、生体指標値の必須のデータ収集)に対してのみ、収集手続70の実行時に発生したかもしれない例外を(例えば、実時間で、即ち手続70が実行されているときに)解決しようと試みさせる。解析スクリプトの実行の終了時に、少なくとも収集手続70に要求される必須のデータに対して例外が残っていれば、解析スクリプトは、プロセッサ102に、適切なデータが収集されていないことを通知させるだろう。結果として、収集手続70は、プロセッサ102により、データファイル145内のプロセッサ102により提供されない完了フラグ257を介して、不完全として印を付けられる。解析スクリプトの終了時に、例えば一実施形態では少なくとも重要な事象に対して、及び/または別の実施形態では主要な標本として指定される事象に対して、及び/またはさらに別の実施形態では全事象に対して例外がなければ、収集手続70は、データファイル145内に完了フラグ257を提供するプロセッサ102を介して、完全であると印を付けられる。解析スクリプトの役割は、実行段階を示すさらに別の実施形態で、以下に説明されるだろう。
【0157】
分析スクリプト
分析スクリプトは、プロセッサ102に、関連データセット、例えばデータファイル145を有する完了した収集手続70を分析させる。分析スクリプトに従ってプロセッサ102により実行される分析は、単純(平均糖値、ブドウ糖変動等)またはより複雑であり得る(インスリン感受性、ノイズ評価等)。一実施形態において、収集装置24は、それ自身で実際の分析を実行できる。また、分析は、コンピュータ18、25等のコンピュータで実行され得る。一実施形態において、分析スクリプトの結果は、プロセッサ102により収集装置24のディスプレイ108または周辺装置のディスプレイに表示され得る。ソフトウェア34のスクリプト及びプログラム命令は、図13及び14並びに図2及び5Bを参照して、以下に説明される。
【0158】
収集手続の実行
図13及び14は、収集手続70の間に上記のスクリプトを使用してソフトウェア34のプログラム命令に従ってプロセッサにより実行される収集手続の実行方法400を示す。鎖線は、異なるスクリプトの異なる領域間の境界を示し、制御の切り替えが行われる境界である。本発明の以下に開示される実施形態は、1つ以上の構造化収集手続70及び上記の関連メータ実行可能スクリプトを受け入れ可能な血糖測定装置(メータ等)で実行され得ることを理解すべきである。
【0159】
図13を最初に参照して、一旦収集手続70が、例えば先の節で説明された方法で、ステップ402で規約スクリプト401を使用してプロセッサ102により収集装置24で開始されると、(収集手続70で提供されれば)進入基準226を満たした後に、データ事象の例、例えば事象237が、ステップ404で事象の工程222に従って発生する。事象237について、この例では、プロセッサ102は、患者12が収集手続70により要求される昼食事象に関する測定を行うように、要求240を介して指示する。例えば、要求240の指示は、プロセッサ102により提供され、突然鳴りだすインジケータ148によるアラームであってもよい。ここで、患者12はまた、プロセッサ102によりディスプレイ108で測定を行うように要求される。一実施形態において、スヌーズ機能及び測定省略機能は、ソフトウェア34により提供される。ここで、患者12は、延期を可能にするまたはデータ収集を省略するために、ユーザインターフェース146を使用できる。例えば、先の節で説明された延期機能を選択することは、プロセッサ102に、データ収集の延期を有効にしてから所定時間後に、患者12に事象237を再び指示させ得る。例えば、その機能は、一実施形態では患者12が指示時、例えば測定値を提供する時間帯の開始時に測定を行えない場合に使用され得る。同様に、省略機能は、患者が時間帯に測定を行えないと思えば、選択されるだろう。時間帯または事象に関する特定の時間帯の例は、図10B(「許容可能な時間帯」)により示される。
【0160】
規約スクリプト401に従うプロセッサ102は、一実施形態では、ステップ406で順守基準224を使用し、事象237のデータ収集が順守基準224の条件を満たすことにより成功したかどうかを決定する。例えば、データ収集は、患者12が特定の時間帯にデータを首尾よく収集すれば、成功するだろう。別の実施形態において、同じ処理が、1つ以上の採取グループに適用されてもよい。事象の工程222及び/または採取分類262内の事象に対して首尾よく収集されたデータは、例えば先の節で説明されたように、データファイル145内で、収集されたデータ、例えばデータ256と、現在時間、例えば日時印169(図4)、事象239、及び/または要求240、及び利用可能な文脈情報156、例えば患者の治療に関する、並びに必要に応じて一意の識別子167を関連付けることにより、ステップ410で規約スクリプト401に従ってプロセッサ102により文脈説明される。
【0161】
上記の例において、患者12が特定の時間帯にデータを収集しなければ、ステップ412で、規約スクリプト401に従うプロセッサ102は、収集装置24に常駐する文脈説明データを走査し、逃されたデータ点の要件を満たす同様のデータ点が利用可能かどうかを決定する。このデータ点は、収集される目的のデータ点の全要件を満たす場合に限り、ステップ414で規約スクリプト401に従ってプロセッサ102により選択されるだろう。
【0162】
例として、収集手続70が対の測定、即ち食前及び食後の測定を要求すれば、同じ事象に関して両方の測定が行われることが重要である。この場合に、過去の値からの任意の値の代用は許容されず、対象の事象に対して例外が印付けられる。このシナリオにおいて、データ構造内の関連要素は、プロセッサ102がステップ416で例外を宣言する位置で不完全であり、例えば例外をもたらした事象237の特定のデータ記録152内の一意の識別子167に<null>値を提供する。そのような制約がなければ、収集装置24に常駐するデータからのデータ点は、ステップ414でプロセッサ102により選択され、ステップ410で収集されたデータを文脈説明するために追加され得る。この代用データ点は、同じ文脈情報、事象文脈、及び要件であれば、元の収集期間の特定の時間帯に収集されたものを有するだろう。ステップ418では、規約スクリプト401に従って、プロセッサ102が、収集手続の事象の工程222内の事象237の全てについて、データ収集が完了したことを確認するだろう。プロセッサ102はまた、収集手続70により提供されれば、退出基準228が満たされるかどうかを確認する。満たされなければ、プロセッサ102は、ステップ404に戻ることにより事象の工程222内の次の事象に移る。ここで、データ収集は、収集手続70の残りについて、同様に開始する。収集手続70の案内230の一部としてのいくつものメッセージが、データ収集全体に渡って患者を案内するために、プロセッサ102によりディスプレイ108で患者12に表示され得ることを理解すべきである。規約スクリプトの一部として、指定された退出基準が満たされたときはいつでも、プロセッサ102は、一実施形態では収集手続70を終了でき、別の実施形態では患者が手続70の終了を選択することをディスプレイ108にオプションとして提示できることを理解すべきである。一旦収集手続がステップ418で完了すると、規約スクリプト401は、ステップ420で解析スクリプト403にプロセッサ102の制御を手渡す。
【0163】
解析スクリプト403により果たされる役割を強調する図14を参照して、収集手続70の完了時に制御が渡されると、解析スクリプト403は、不完全さについて、データファイル145内の文脈説明データ170を確認する。このことを実現するために、プロセッサ102は、ステップ422でメモリ110から文脈説明データ170を読み取り、解析スクリプト403に従ってステップ424で、例外確認としてデータファイル145内に提供された例外(例えば、一意の識別子167に対する<null>値)を探す。可能なときに、プロセッサ102は、ステップ426で、可能であれば収集装置24で利用可能なデータを使用し、これらの例外に対処しようと試みる。例として、アプリケーションデータは、非収集手続70の事象からまたは別の収集手続70の一部として収集されたデータから利用可能かもしれない。例外が既存のデータから対処され得なければ、ステップ428で、収集手続70は不完全であると印を付けられる。この時点で、収集手続70の完了フラグ257は、不完全として設定される(例えば、設定されない、<null>、所定値等)。例外がない及び/または全例外がステップ426で対処されたのであれば、プロセッサ102は、完了したとして完了フラグ257を設定し、ステップ430で収集手続70の結果を表示できる。解析スクリプト403に従うプロセッサ102は、収集手続70と関連するデータ(即ち、データファイル145)の全てを収集し、ステップ432で分析スクリプト405に制御を手渡す。
【0164】
ステップ434では、分析スクリプトが、プロセッサ102に、データファイル145内で完了フラグ257が完全であると印を付けられていれば、ステップ432で収集されたデータに対して、必要な分析、例えば収集手続70で詳述される分析258(図6B)の全てを実行させるだろう。一実施形態において、単純な分析手順計算は、収集装置24で実行され得るのに対して、より複雑な収集手続70では、分析は、コンピュータ、例えばコンピュータ18または25で実行され得る。
【0165】
1つ以上の収集手続70を含む収集装置24が、コンピュータ18または臨床医コンピュータ25に接続される装置リーダ22、例えばSmart−Pix装置に接続されると、ソフトウェア32は、副プロセッサに、完了した収集手続70及び関連データファイル145のリストを自動的に表示させる。
【0166】
一実施形態において、ソフトウェア34は、結果の可視化のための、例えばSmartPix装置として提供される装置リーダ22と、または収集手続70からのデータの分析の結果を表示できる、コンピュータ18、25等を含む他の装置とやり取りできる。この時点で、臨床医コンピュータ25であれば、臨床医14は、完了しかつ分析された収集手続70の結果を閲覧したり、完了した収集手続70の分析を実行したりすることを決定できる。臨床医14はまた、完了しなかった収集手続70を再検討し、収集手続70に存在する例外を評価しようと試みることができる。このやり取りは、患者に自身のデータに関するフィードバックを提供する及び/または既存の収集手続70を完了しなかった理由を評価する機会を、臨床医14に提供する。
【0167】
使用事例の例
図15を参照して、臨床医14及び患者12により実行される一連の行動を強調する使用事例の例が与えられる。この一連の行動は、医学的質問の作成から収集手続70の完了までの、臨床医14及び患者12の間のやり取りの概要を網羅する。鎖線は、臨床医14及び患者12の間の境界を示し、情報のやり取りが行われる境界である。完了した収集手続70に関する説明はまた、患者を励ますのに役立ち、臨床医14に患者の成果及び進捗に関するフィードバックを提供する機会を提供する。
【0168】
ステップ440では、患者が臨床医14を訪問し、ステップ442では、臨床医が問題を識別する。その問題は、ステップ444で医学的使用事例(医学的質問)の選択をもたらす。医学的質問を選択した後に、例えばコンピュータ25で、臨床医は、コンピュータを使用し、方法200及び/または300(図5A及び7A)を使用してステップ446で構造化収集手続70を選択及び定義/カスタマイズする。構造化収集手続70を指示した後に、コンピュータ25は、構造化収集手続70を収集装置24に提供する。構造化収集手続70は、ステップ448で受信される。患者12は、ステップ450で手続70で提供される進入基準を満たした後に、収集装置24を使用して構造化収集手続70に従ってデータ収集を開始する。ステップ452でのデータ収集の間に、事象237は、構造化収集手続70に含まれる事象の工程222に従って収集装置24により自動的に予定される。順守基準224は、少なくとも全ての生体指標測定値に適用される。生体指標測定値は、収集装置24により自動的に順守基準を満たすかどうかを評価及び記録される。ステップ454では、一旦退出基準228が満たされると、構造化収集手続70が完了する。次に、ステップ456では、任意の利用可能な収集装置ベースの分析258が、必要に応じて患者12により実行されてもよい。次に、ステップ458では、レポート、例えばステップ434で言及されたデータレポートが作成されてもよい。ステップ460では、収集装置24または患者コンピュータ18からのデータ(例えば、完全なデータファイル145)が、好ましくは臨床医コンピュータ25に送信される。収集されたデータは、ステップ460で受信され、ステップ462で分析される。次に、ステップ464では、レポートが作成され得る。レポートは、患者12へのステップ466での追加の結果の説明を容易にするのに使用されてもよい。次に、文書がステップ468で印刷される。文書は、ステップ470で患者12に与えられ得ると共に、ステップ472で患者12の電子医療記録に記録(格納)され得る。
【0169】
収集手続の作成、修正、及び転送
本発明の実施形態はまた、収集手続70の作成、修正、及び構造化検査対応装置、例えば収集装置24との相互転送を可能にする。収集手続70は、特定の医学的使用事例または医学的質問に対処することを原因及び目的とするので、一の装置から別の装置への、得られた情報、例えばデータファイル145の転送は、安全な方法で実行される。さらに、患者または患者グループのための収集手続に関連する情報(例えば、データファイル145)の全ては、安全かつ効率的な方法で管理され得る。
【0170】
以下に与えられる説明は、図15に関して上述のように、臨床医14及び患者12の間のやり取りに関連する態様を含むことを理解すべきである。特に、以下の開示は、収集手続70の作成、転送、及び分析を管理するのに必要とされる基盤に関する詳細を与える。以下では、装置18、25、及び52との、装置及び情報(データ、レポート等)の相互転送に関連する態様が与えられるので、図2のシステム41への参照もなされる。
【0171】
示される一実施形態において、システム41は、ウェブサーバであり、複数の収集手続70a、70b、70c、70dのレポジトリ及び臨床医コンピュータ25に常駐するソフトウェア34としての機能を果たすサーバ52と、例えば血糖メータとして提供される収集装置24とを備え得る。これ以降、これらのコンポーネントは、それぞれ「サーバ」、「ソフトウェア」、及び「メータ」と称される。さらに、ソフトウェア34が常駐するコンピュータ25は、「クライアント」と称される。
【0172】
一実施形態において、サーバ52は、特定の医学的質問に対処する多数の収集手続70a、70b、70c、及び70dのためのセントラルレポジトリとしての機能を果たし得る。従って、1つ以上の収集手続70は、サーバ52から臨床医コンピュータ25にダウンロードされ得る。実施形態において、サーバ52及びクライアントコンピュータ25の間の全通信は、安全かつウェブベースの形式で行われる。さらに、別の実施形態において、患者データはサーバ52に転送され得ないので、コンピュータ25及びサーバ52の間に全双方向(full two-way)のデータ転送はない。さらに、他の実施形態において、サーバ52の収集手続の要求は、有効な識別子でのみ行われ得る。実施形態は、認可されたクライアントのみが、要求される収集手続70をダウンロードするために、サーバ52にアクセスするのを許可されることを保証する。
【0173】
一実施形態において、サーバ52からダウンロードされた各収集手続70は、一度だけ使用され得る(例えば、完了フラグまたは完了状態が設定されれば、手続70は臨床医14により再認可されるまで再び実行され得ない)。収集手続70の各連続ダウンロードは、有効なID71(図2)を有する認可されたクライアントユーザからのアクセスを必要とする。サーバ52はまた、クライアントコンピュータ25に更新を提供し、それによりソフトウェアが最新版であることを保証する。クライアントコンピュータ25からサーバ52への通信に対する制約も存在する。サーバ52は、ソフトウェア34のインストールされている版に関連する情報にのみアクセスできる。サーバ52は、クライアントデータベース、例えばメモリ78に常駐するデータにアクセスできない。さらに、クライアントコンピュータ25のデータは、必要な許可なしに使用及びアクセスされ得ないように、アクセス制御される。
【0174】
クライアントコンピュータ25に常駐するソフトウェア34は、サーバ52及びメータ24の間のインターフェースとしての機能を果たす。フロントエンドのソフトウェア34は、臨床医14に診療全体に関連する即時情報を提供する使い易いインターフェースを備える。この情報は、全指定患者に関する詳細、臨床医14が所与の日に面会する予定である患者に関する詳細、及び特別な注意を必要とする患者に関する詳細を含んでもよい。ソフトウェア34はまた、例えばヘルスケア記録システム27により使用及び提供される個々の患者IDにより配列される関連患者データを含むデータベースと連動する。ソフトウェアインターフェースはまた、臨床医14が患者識別子を使用して患者12の詳細にアクセスするのを可能にする。このように、ソフトウェア34は、臨床医14に、患者12がすでに完了した収集手続70、関連結果、及び患者12が現在実行している収集手続70に関する情報を提供する。クライアントコンピュータ25に常駐するデータの全ては、安全でありかつアクセス制御される。サーバ52は、データにアクセスする手段を備えない。臨床医14は、診療に係る全患者からのデータにアクセスできる。さらに、個々の患者12は、安全なウェブベース形式で患者識別子を使用し、例えば臨床医のサーバから自身のデータにアクセスできる。このデータは、メータ24からコンピュータ25のデータベースにダウンロードされ、患者識別子を使用して患者12に関連付けられる。
【0175】
メータ24からのデータのダウンロード時に、ソフトウェア34はまた、データの完全性が維持され、転送時にデータの破損が発生しないことを保証するために、データに対して分析を実行する。クライアントコンピュータ25はまた、ソフトウェア34を使用し、個々の患者に電子メールを送信できる。この電子メールは、次回の予約、予約後に患者がしなければならないことに関する合図、及び完了した収集手続70の結果であるレポートに関する情報を含み得る。臨床医14が特定の患者のためにサーバ52から収集手続70をダウンロードすると、収集手続70は、患者識別子と関連付けられる。このように、患者についてどの収集手続70が現在実行中なのかを把握できる。
【0176】
ダウンロードされた収集手続70はまた、先の節(図7B)で説明されたように、収集手続70を個々の患者の必要に合わせて調整するために、ソフトウェア34を使用して臨床医14により修正され得る。収集手続70の修正時に、臨床医14はまた、修正された収集手続70で実行される分析を変更するオプションを有する。さらに、修正されていない標準的な収集手続70に対してさえ、臨床医14は、分析に追加のオプションを追加するオプションを有する。
【0177】
さらに、臨床医14は、手続70がいつ終了しなければならないかに関する指針を決定及び設定できる。例えば、臨床医14は、例えば収集手続70のオプションパラメータ232を使用することにより、順守違反はいくつ許されるか、即ち患者は測定値をいくつ逃し得るかを決定及び設定できる。
【0178】
一旦収集手続70が臨床医14によりメータ24に導入されると(詳細は次節で説明される)、収集手続70は、患者12により変更され得ない。さらに、収集手続70は、収集手続70及び関連データ(例えば、データファイル145)を確実に把握するために、臨床医14(処方者)及び患者識別子と関連付けられる。
【0179】
一旦完了した収集手続70が分析されると、ソフトウェア34はまた、臨床医14が作成されるレポートの型を選択するのを可能にする。このレポートは、表示される装置に合わせて調整される。レポートは、電話、パーム型機器、またはメータ等の携帯機器、またはコンピュータ、または印刷形式用である。ソフトウェア34はまた、患者データ、及び収集手続70からのデータに対して実行された分析の結果を医療記録に追加するために、電子医療記録システムと接続する機能を備える。
【0180】
メータ24は、見込みのある文脈説明データが収集手続70により推奨されるように患者12により収集される機構としての機能を果たす。メータ24は、患者により所有されるか、臨床医14により所有され、収集手続70と関連するデータ収集の間に患者12に貸与され得る。臨床医14は、多数の機構により収集手続70をメータ24に導入できる。例えば、収集手続70は、一実施形態では、サーバ52からダウンロードされ、クライアントコンピュータ25をメータ24に繋ぐ接続ケーブルを介してメータ24に追加され得る。収集手続70はまた、別の実施形態では、メータ24に挿入され得るチップ(例えば、コンピュータ読み取り可能媒体40)上で取得され得る。この収集手続70は、メータ24のファームウェアにロードされる。そのロードは、患者12により開始され得る。収集手続70はまた、さらに別の実施形態では、RFIDタグチップ(例えば、コンピュータ読み取り可能媒体)を使用して導入され得る。
【0181】
ダウンロードされた収集手続70に加えて、メータ24はまた、データ収集時に患者を案内する命令を患者12に表示する機能を備える。さらに、上述のように、収集手続70は、メータ24に患者識別子及び臨床医識別子を導入できる。同様に、メータ24から収集されたデータは、例えばデータファイル145内のセットアップデータ163(図4)の一部として、患者識別子及び臨床医識別子と関連付けられ得る。さらに、データファイル145内のセットアップデータ163は、メータ24に関する情報(即ち、測定ノイズ、較正データ)、試験紙ロット番号、及びデータ収集事象237に使用される試験紙に関する他の情報を含み得る。その情報は、データ分析時に役立つかもしれない。
【0182】
収集手続70の完了時に、メータ24は、ソフトウェア34に接続され得る。そのときに、データファイル145等のデータは、安全に転送され、実行中のソフトウェア34に従ってクライアントコンピュータ25のプロセッサ76により格納される。一旦収集手続からのデータに対して実行される分析が、クライアントコンピュータ25のソフトウェア34により完了すると、メータ25はまた、患者の参照のために分析の結果を格納する機能を備える。以下では、図16〜18への参照がなされる。
【0183】
ソフトウェアGUI
一実施形態において、コンピュータ、例えばコンピュータ25及び/またはサーバ52で提供されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI500)を介して使用可能なソフトウェア34のさらなる機能を強調する典型的なワークフローが提示される。この例において、臨床医14が特定の患者のケースファイルを開くという典型的なシナリオが検討される。図16に示されるように、臨床医14は、クライアントコンピュータ25で実行中のソフトウェア34のGUI500を使用し、表示される患者ファイル502に関する重要な詳細を容易に可視化できる。GUI500の上ペイン502で、臨床医14は、表示される患者ファイルを変更し、患者ファイルからの情報を含む電子メールを作成し、患者ファイルからの情報を含むファックスを作成し、患者ファイルを保存し、患者ファイル内のデータをブックマークし、既存のブックマークを選択し、患者ファイルからの情報/グラフを印刷する等の、様々な管理作業504を確認及び使用できる。
【0184】
GUI500の左ペイン506で、臨床医41は、追加のオプション508、例えばメータ24がコンピュータ25または18に(有線または無線で)接続されるときに、患者データ、例えばデータファイル145をダウンロードするオプションを有する。他のオプション508はまた、患者プロフィール、日誌、及び追加の記録、及び計算データに基づくグラフ等に関する詳細を表示することを含み得る。図16により示されるように、要約オプションが選択されると、その内容を主ペイン510に表示する。
【0185】
主ペイン510は、患者12の治療管理のワークフロー内の典型的なステップの全てを示す。これらのステップは、次を含み得る。疾病状態512、治療選択514、治療初期化516、治療最適化518、及び治療監視520。GUI500にアイコンとして提供される各ステップは、以下に説明される。
【0186】
疾病状態512は、例えば患者は1型または2型糖尿病であるという疾病状態の決定である。典型的に、疾病状態の決定は、患者12が臨床医14を最初に訪問するとき、または臨床医14が特定の患者が危険に曝されているかもしれないと疑うときに実行される。一旦疾病状態が決定されると、治療選択514が続く。臨床医14は、患者の疾病状態を考慮する適切な治療を選択する必要がある。治療選択514は、それぞれ図5A及び7Aにより示される方法200及び300の過程を含み得るので、さらなる説明は与えられない。治療初期化516は、患者12にどの治療を行うかにより初期詳細を設定することを含む治療初期化の過程である。このことは、治療の初期投与量、時間等に関する詳細を含んでもよい。治療初期化516に関するさらなる詳細は、図17を参照して以下に与えられる。治療最適化518は、副作用を引き起こさない患者への最善有効量の決定を含む。治療最適化のための方法の例は、Roche Diagnostics Operations社に譲渡され、2009年12月21日に出願された、米国特許出願第______号明細書「慢性病患者の診断支援または治療支援のための構造化検査方法及びその装置」により開示される(代理人整理番号ROP0044PA/37554.65)。最後に、治療監視520は、選択された治療が最適化された後で、治療の陳腐化を検出するために、患者12を定期的に監視することを含む。このように、GUI500は、臨床医14に、有益な情報の全てを使い易い形式で提供する。
【0187】
図17は、臨床医14が疾病状態512及び治療選択514を介してすでに疾病状態を決定及び治療を選択し、治療初期化516のステップにいるシナリオを表す。示されるように、ソフトウェア34は、GUI500ですでに完了したステップに陰影を付け、現在実行中のステップ、例えば治療初期化516のみが強調されるようにする。さらに、一実施形態において、ソフトウェア34は、臨床医14が現在のステップで必要とされる全行動を遂行しない限り(換言すれば、前のステップは全て遂行された)次のステップに進むのを許可しない。しかし、ソフトウェア34は、臨床医14に、戻って前のステップをGUI500でそのステップの特定のアイコンを選択することにより修正するオプションを提供する。
【0188】
この例において、患者12は糖尿病であり、現在、治療初期化516について、臨床医14は、1型糖尿病患者のために長時間作用型インスリン治療を初期化する必要がある。示されるように、臨床医14は、このステップについて、治療を初期化するために全ての利用可能な初期化オプション522をGUI500に提示される。例えば示されるように、臨床医14は、例えば長時間作用型基礎インスリンとして示される薬524の型を選択し、薬524と関連し、その各々が薬524の型と関連する(及び利用可能である)特定の薬(例えば、ランタス、レベミル)に関する治療質問に対処するのに利用可能な収集手続70と関連する手続選択アイコン526を選択できる。ソフトウェア34はまた、GUI500を通じて、臨床医14が必要とされれば追加の治療関連パラメータ528、例えばインスリン感受性、インスリン対糖質比等を引き受けるべきかどうかを決定するのを可能にする。さらに、治療初期化についてのさらなる詳細は、一般情報530のアイコンを選択することにより表示され得る。
【0189】
臨床医が手続選択アイコン526の1つを選択すると、ソフトウェア34は、例えば図18に示される、関連収集手続70で設定された条件のスナップショット532を提供する。スナップショット532で提供される典型的な初期条件は、投与の頻度(投与量の調整)、(デフォルト)初期投与量、ターゲット値、事象の工程(例えば、3日間、空腹時血糖を測定)、計算のための推奨(例えば、3日間の平均に基づいて薬の投与量を修正、効果を評価するために残りの日を測定)等を含み得る。選択された収集手続70に関するさらなる詳細、例えば関連医学文献が希望されれば、構造化検査方法の基礎を形成したかもしれない事例研究等が、さらなる詳細アイコン534を介して表示され得る。臨床医14はまた、受け入れアイコン536を介して提供された収集手続70を受け入れる選択肢、または修正規約538を介して収集手続70に対する修正を提案する選択肢を有する。修正規約538を選択することは、例えば図7Bにより示されるように、修正のために例えば手続70の全パラメータの画面表現をGUI500に開くことができるが、先の節で説明されたので、さらなる説明は与えられない。一旦修正が収集手続70に行われると、臨床医14は、変更を再検討して受け入れることができる。GUI500で受け入れアイコン536を選択することにより収集手続70を受け入れるときに、ソフトウェア34は、先の節で説明されたように、プロセッサ、例えばプロセッサ76に、完了した収集手続70をメータ24に送信させる。本発明の上記の実施形態の利点は、以下で言及される。
【0190】
本方法の実施形態は、これに限定されないが、次に言及される利点を提供する。所定の実施形態は、食事及び既存薬等の要因を考慮することにより、収集されたデータの文脈説明を可能にする。データ分析の全てが、見込みのあるデータに対して実行され得る。即ち、文脈説明データ収集は、対処される必要がある医学的質問に留意しつつ実行される。収集手続70は、各々が特定の医学的問題、例えば食後血糖の偏位の管理、空腹時血糖値の管理、患者のインスリン感受性の特徴付け、患者の治療反応の監視等に対処するために、bGデータを収集することに適合される。収集手続を使用することは、BG値を収集する作業を目的のはっきりしたものにする。なぜなら、患者は、検査を実行している理由を知っているからである。検査を行う理由の認識は、順守の向上をもたらすだろう。
【0191】
また、所定の実施形態は、収集手続70及びこの収集手続70の分析から得られた結果を受信及び送信するために安全なウェブベース通信を保証しながら、異なる患者12により異なる収集装置24で同時に作動する多数の収集手続70を管理するのに必要な基盤を提供する。例えば、所定の実施形態は、臨床医14が、疾病状態の決定から実施中の定期的な治療下での定期的な監視まで、患者の治療の段の全てに影響を与えるのをより容易にし、臨床医14が、安全かつウェブベースの形式で、患者グループのために収集手続70の実行の様々な段を管理するのを可能にし、臨床医14に、収集手続70を所定のリストから選択するオプション、または収集手続70を患者の必要に基づいて修正するオプションを提供することにより自由度を提供し、通信が完全にデータ中心であり、例えば目前の医学的質問により案内されるように、臨床医14及び患者12の間のやり取りをより効果的にすることにより、臨床医14を支援する。
【0192】
このように、上記の開示により、メータで同時に作動する収集手続の実行、データ収集、及びデータ分析を管理するシステム及び方法に関する実施形態が開示される。当業者は、開示された以外の実施形態で教示が実施され得ることを理解するだろう。開示された実施形態は、限定ではなく例示の目的のために提示され、発明は、以下に続く特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化収集手続(70)を実行するための収集装置(24)であって、
メモリ(110)と、
前記メモリ(110)に接続されたプロセッサ(102)と、及び
前記プロセッサ(102)により実行されると、前記プロセッサ(102)に、
1つ以上の進入基準(226)が未知の時間に満たされたときに、前記構造化収集手続(70)の事象の工程(222)を自動的に開始させ、
前記事象の工程(222)に従って収集された患者データ(256、170、145)を前記メモリ(110)に格納させ、
1つ以上の退出基準(228)が未知の時間に満たされたときに、前記構造化収集手続(70)を自動的に終了させ、及び
前記事象の工程(222)内の事象(237)の実行の間に例外が発生しなければ、完了したとして前記構造化収集手続(70)に印を付けさせるプログラム(34)命令と、を備える収集装置。
【請求項2】
前記プロセッサ(102)は、前記構造化収集手続(70)の完了を示すために状態を使用する、請求項1に記載の収集装置(24)。
【請求項3】
前記プロセッサ(102)は、前記構造化収集手続(70)の完了を示すために前記メモリ(110)内に完了フラグ(257)を提供する、請求項1に記載の収集装置(24)。
【請求項4】
前記構造化収集手続(70)の開始時に、前記プログラム(34)命令は、前記プロセッサ(102)に、前記患者データ(256、170、145)のために前記メモリ(110)内にデータ構造を作成させる、請求項1に記載の収集装置(24)。
【請求項5】
前記プログラム(34)命令はさらに、前記プロセッサ(102)に、例外を解決しようと試みさせ、前記例外が解決されれば、完了したとして前記完了フラグ(257)に印を付けさせる、請求項3に記載の収集装置(24)。
【請求項6】
前記プロセッサ(102)は、前記プロセッサ(102)にさらに、前記例外を解決するために、前記患者データ(256、170、145)を走査させ、前記例外をもたらした前記事象(237)の要件を満たす前記患者データ(256、170、145)内の同様のデータを使用させる前記プログラム(34)命令により、前記例外を解決しようと試みる、請求項5に記載の収集装置(24)。
【請求項7】
前記プログラム(34)命令はさらに、前記プロセッサ(102)に、前記患者データ(256、170、145)に対して分析を実行させる、請求項1に記載の収集装置(24)。
【請求項8】
前記プログラム(34)命令はさらに、前記プロセッサ(102)に、前記事象の工程(222)に従って生体指標データ(256)を収集するための指示及び案内(230)を提供させる、請求項1に記載の収集装置(24)。
【請求項9】
前記プログラム(34)命令はさらに、前記プロセッサ(102)に、指示されたときに、前記生体指標データ(256)の前記収集に延期を可能にするスヌーズ機能を提供させる、請求項8に記載の収集装置(24)。
【請求項10】
前記プログラム(34)命令はさらに、前記プロセッサ(102)に、前記患者データ(256、170、145)が前記事象の工程(222)で提供される事象(237)に関する特定の時間帯に収集されたかどうかを決定するために、順守基準(224)を適用させる、請求項1に記載の収集装置(24)。
【請求項11】
前記プログラム(34)命令はさらに、前記プロセッサ(102)に、前記事象の工程(222)で提供される前記事象(237)の各々について収集された前記データ(256、170、145)が良好なものかどうかを決定するために、順守基準(224)を適用させる、請求項1に記載の収集装置(24)。
【請求項12】
前記プログラム(34)命令はさらに、前記プロセッサ(102)に、前記患者データ(256、170、145)内で、首尾よく収集された前記データを日時印(169)、前記事象(237)、任意の利用可能な文脈情報(156)、及び一意の識別子(167)と関連付けさせる、請求項11に記載の収集装置(24)。
【請求項13】
前記プログラム(34)命令はさらに、前記プロセッサ(102)に、前記患者データ(256、170、145)内で、前記順守基準(224)を満たさない前記事象(237)に対する前記例外を示させる、請求項11に記載の収集装置(24)。
【請求項14】
前記プログラム(34)命令はさらに、前記プロセッサ(102)に、反対事象が発生したときに、前記構造化収集手続(70)を終了させる、請求項1に記載の収集装置(24)。
【請求項15】
前記収集装置(24)は、血糖メータ(26)である、請求項1に記載の収集装置(24)。
【請求項16】
構造化収集手続(70)の実装、実行、データ収集、及びデータ分析を管理するためのシステム(41)であって、
請求項1に記載の収集装置(24)と、及び
前記収集装置(24)で前記構造化収集手続(70)の前記実装を管理するグラフィカルユーザインターフェース(500)を提供する、前記収集装置(24)に通信で連結されたコンピュータ(18)と、を備えるシステム。
【請求項17】
1つ以上の構造化収集手続(70)のセントラルレポジトリとしての機能を果たす、前記コンピュータ(18)に接続されたサーバ(52)をさらに備える、請求項16に記載のシステム(41)。
【請求項18】
前記グラフィカルユーザインターフェース(500)は、患者(12)によりすでに完了した前記収集手続(70)及び関連結果、並びに前記患者(12)が前記収集装置(24)で現在実行している前記収集手続(70)に関する情報を提供する、請求項16に記載のシステム(41)。
【請求項19】
前記グラフィカルユーザインターフェース(500)は、患者(12)の治療管理のワークフロー(512、514、516、518、520)内のステップを提供する、請求項16に記載のシステム(41)。
【請求項20】
前記ステップは、疾病状態(512)、治療選択(514)、治療初期化(516)、治療最適化(518)、及び治療監視(520)を含む、請求項19に記載のシステム(41)。
【請求項21】
前記グラフィカルユーザインターフェース(500)は、すでに完了した前記ワークフロー(512、514、516、518、520)の前記ステップへのアイコンに陰影を付ける、請求項20に記載のシステム(41)。
【請求項22】
前記グラフィカルユーザインターフェース(500)は、治療に対処するのに利用可能な1つ以上の構造化収集手続(70)から選択することを含む、治療を初期化するための全ての利用可能な初期化オプション(522)を提供する、請求項16に記載のシステム(41)。
【請求項23】
前記グラフィカルユーザインターフェース(500)は、前記構造化収集手続(70)で設定された条件のスナップショット(532)を提供する、請求項16に記載のシステム(41)。
【請求項24】
前記グラフィカルユーザインターフェース(500)は、選択されたときに、前記構造化収集手続(70)のパラメータ(220、222、224、226、228、230、232、237、238、240)の修正を可能にする修正規約アイコン(538)を提供する、請求項16に記載のシステム(41)。
【請求項25】
前記グラフィカルユーザインターフェース(500)は、選択されたときに、前記コンピュータ(18)に、前記構造化収集手続(70)を前記収集装置(24)に送信させる受け入れアイコン(536)を提供する、請求項16に記載のシステム(41)。
【請求項26】
前記コンピュータ(18)及び前記サーバ(52)の間の通信は、患者データ(256、170、145)を保護するために、全双方向のデータ転送に対応しない、請求項17に記載のシステム(41)。
【請求項27】
前記収集装置(24)により収集されたデータ(256、170、145)の分析は、前記収集装置(24)、前記コンピュータ(18)、及び装置リーダ(22)の1つ以上で完了し得る、請求項16に記載のシステム(41)。
【請求項28】
構造化収集手続(70)を実行するための収集装置(24)であって、
収集された生体指標データ(256)、日時印(169)、完了フラグ(257)、及び前記収集された生体指標データ(256)の各例と関連する他のデータを含み、前記他のデータは、前記関連する収集された生体指標を特徴付ける文脈説明データ(170)を含む、患者データ(256、170、145)を格納するメモリ(110)と、
前記メモリ(110)に接続されたプロセッサ(102)と、及び
前記プロセッサ(102)により実行されると、前記プロセッサ(102)に、
生体指標データ(256)を得る前に満たされる必要がある条件を規定する進入基準(226)と、
事象(237)の各々が実行時間(238)、前記事象(237)を実行するための案内(230)、情報、患者行動、及び少なくとも1つの型の生体指標データ(256)の収集の1つ以上の要求(240)の少なくとも1つ以上を含む、事象の工程(222)と、及び
前記構造化収集手続(70)を終了する前に満たされる必要がある条件を規定する退出基準(226)と、を定義するパラメータ(220、222、224、226、228、230、232、237、238、240)を有する構造化収集手続(70)をメモリ(110)から自動的に検索させ、
前記進入基準(226)が未知の時間に満たされたときに、前記構造化収集手続(70)の前記事象の工程(222)を自動的に開始させ、
前記事象の工程(222)に従って収集された前記患者データ(256、170、145)を前記メモリ(110)に格納させ、
前記退出基準(228)が未知の時間に満たされたときに、前記構造化収集手続(70)を自動的に終了させ、及び
前記生体指標データ(256)を収集するための前記事象の工程(222)内の重要な事象(237)の実行の間に例外が発生しなければ、完了したとして前記構造化収集手続(70)を示させ、さもなければ、前記プロセッサ(102)は、前記構造化収集手続(70)の未了を示す、プログラム(34)命令と、を備える収集装置。
【請求項29】
前記構造化収集手続(70)が未了として示されれば、前記プログラム(34)命令はさらに、前記プロセッサ(102)に、前記例外をもたらした前記重要な事象(237)の欠損生体指標データ(256、170、145)を置換しようと試みさせることにより、前記例外を解決しようと試みさせる、請求項28に記載の収集装置(24)。
【請求項30】
構造化収集手続(70)を実行する方法(300)であって、
請求項1に記載の収集装置(24)を提供することと、及び
前記収集装置(24)で前記構造化収集手続(70)を認可することと、を有する方法。
【請求項31】
構造化収集手続(70)を実行する方法(300)であって、
請求項28に記載の収集装置(24)を提供することと、及び
前記収集装置(24)で前記構造化収集手続(70)を認可することと、を有する方法。
【請求項32】
構造化収集手続(70)を管理する方法(388)であって、
収集装置(24)に前記構造化収集手続(70)及びプログラム(34)命令を提供することと、及び
前記収集装置(24)のプロセッサ(102)に、
1つ以上の進入基準(226)が未知の時間に満たされたときに、前記構造化収集手続(70)の事象の工程(222)を自動的に開始させ、
前記事象の工程(222)に従って収集された患者データ(256、170、145)をメモリ(110)に格納させ、
1つ以上の退出基準(228)が未知の時間に満たされたときに、前記構造化収集手続(70)を自動的に終了させ、
前記事象の工程(222)内の事象(237)の実行の間に例外が発生しなければ、前記構造化収集手続(70)の完了を示させるために、前記収集装置(24)で前記プログラム(34)命令を実行することと、を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2012−513626(P2012−513626A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541230(P2011−541230)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009171
【国際公開番号】WO2010/072387
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】