説明

取り外し可能なハブを備えたバルーンカテーテル及び該バルーンカテーテルのための方法

バルーンカテーテル(400)は、遠位の留置バルーン(404)とカテーテル本体から取り外すことできる近位のハブ(410)とを備えている。カテーテル本体は、弁構造(420)を備え、該弁構造は、近位のハブを取り外す際及び取り外した後にバルーンを拡張された状態に維持するために設けられている。該弁は、ハブを取り外すことによって小さい外形の近位のカテーテル端部が提供されるように作られており、該小さい外形の近位のカテーテル端部は、例えば標準的な十二指腸内視鏡や極細内視鏡/胆管内視鏡の付属通路内を内視鏡外科器具を通過させて、例えば、胆道鏡検査処置中又は膵管鏡検査処置中に使用するための内視鏡の交換を容易にする。該内視鏡の交換や別の細長い外科用器具を導入するのに有用な方法は、遠位の留置バルーンとカテーテル本体から取り外すことができる近位のハブとを備えているバルーンカテーテルを使用することを含んでいる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、極細内視鏡の中を通過できるようにされている医療用バルーンカテーテルに関する。更に、特定すると、本発明の実施形態は、近位の作動可能なカテ−テル管腔シールと取り外し可能なハブとを備えているバルーンカテーテル及びその使用方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本願は、共に2009年10月30日に出願された米国仮特許出願第61/256,773号及び第61/256,755号並びに2010年4月29日に出願された米国仮特許出願第61/329,243号に基づく優先権を主張している。これらの米国仮特許出願の各々は、これに言及することによってその全体が本明細書に参考として組み入れられている。
【背景技術】
【0003】
導管内内視鏡は、胆嚢疾患及び膵臓疾患の診断及び非外科的治療において益々重要な役割を有している。胆管及び膵管を内視鏡によって検査するための初期の試みは、内視鏡が有している技術的制限によって妨げられて来た。比較的最近においては、光ファイバからなる微細内視鏡として知られている極細の可撓性内視鏡の開発によって、これらの問題の多くが回避され且つますます多くの適応症のための有益な新しい器具が提供されて来た。これらの小型の内視鏡は、内視鏡による逆行性胆道膵管造影法(ERCP、一般的には経口的に行われる)及び経皮経肝的胆道鏡下砕石法(PTC)の際に外科手術的に使用することができる。
【0004】
経口的胆道鏡検査法は、通常は“親子”内視鏡装置を使用する2人の経験のある内視鏡検査医によって行なわれ、該装置においては、細いファイバ内視鏡が大きな治療用内視鏡(例えば、十二指腸内視鏡)の作動通路内に挿入される。比較的小さく且つ耐久性のある微細内視鏡は、これら自体の付属通路を用意している。微細内視鏡のこの付属通路は、組織及び細胞の検査のためのサンプリング並びに染料用カテーテル又はレーザー若しくは砕石術のためのプローブの挿入を可能にしている。胆道鏡のような微細内視鏡はまた膵臓鏡用として使用することもできる。
【0005】
親子内視鏡技術は、2人の内視鏡専門医と補助員、2つの画像処理装置(各カメラに対して1つずつ)、標準的な操作中にたびたび損傷して画像の劣化を生じ得る子内視鏡内の高価な光ファイバ等、の人員及び設備に関して高価である。光ファイバ子内視鏡の標準の1.2mm作動通路は、診断オプション及び治療オプションを限られたものにする。従って、肝管及び膵管の中を誘導できる大きさとすることによって胆道鏡として機能する構造とされた内視鏡を提供することが望ましい。このような内視鏡は現在入手可能であるが、これらの内視鏡には、所望の処置コストで高品質画像(例えば、光ファイバによる画像より優れている)を提供することができる、処置中における患者の胆管への効率の良い導入が必要であるという問題がある。これらの問題は、親内視鏡(例えば、十二指腸内視鏡)内を通り、その側方を向いている遠位の付属通路の端部から出て、起子(エレベータ)によって操作され、患者の胆管内へ挿入される1.2mmよりも大きい作動通路を有している比較的大きな光ファイバからなる子内視鏡を誘導する困難さ(又は不可能であること)を含んでいる。主内視鏡(例えば、“親内視鏡”)が無い状態で、小さな内視鏡(“子内視鏡”と同じかそれ未満の大きさ)が胆管又はその他の患者の体内構造内に導入される場合には、何らかのタイプの“誘導軌道”が提供される必要がある。なぜならば、該子内視鏡は、食道、胃、及び十二指腸を介して、例えば総胆管内に個々に且つ直接導かれ/誘導されるのに十分な堅牢性/頑丈さを有していないからである。
【0006】
従って、直接的な経口的砕石法(POC)を行う方法が開発されつつある。直接的POCは、CMOS又はCCD(光ファイバではなく光ファイバより優れた画質を有する)カメラ装置を使用する単一の画像処理装置によって作業する一人の内視鏡検査医を必要とし、この装置は、(1.2mmではなく)2mmの付属通路を備えており且つ現存の内視鏡、画像処理装置、及びモニターと共に使用することができる。このような改良された技術の一つの例が、“Overtube-ballon-assisted direct peroral cholangioscopy by using an ultra-slim upper endoscope(極細上方内視鏡を使用することによるオーバーチューブバルーン支援型直接的経口的胆道鏡検査法)”(Choiらによる;Gastrointestinal Endoscopy(胃内視鏡検査法),69(4):935−40;2009年4月)に開示されている。この方法においては、双バルーン腸鏡検査用として使用されるタイプのバルーンを備えているオーバーチューブが、オーバーチュ―ブの管腔内に支持されている極細内視鏡によってファーテル膨大部に隣接している十二指腸内へ導かれ、その後に内視鏡が予め拡張された胆管内へ導かれる。
【0007】
標準サイズの内視鏡(例えば、十二指腸内視鏡)の使用と組み合わせて胆道鏡検査法及び膵臓鏡検査法に適する極細内視鏡を効率良く導入するための材料を提供することが有利である。前記の標準サイズの内視鏡は、処置の効率を著しく損失することはなく且つ設備及び/又は処置を親子内視鏡構造に限ることなく交換することができ、胆管又はその他の場所への比較的容易で且つ比較的効率の良い誘導をも提供することができる。
【発明の概要】
【0008】
ある種の実施形態においては、本発明の特徴としてバルーンカテーテルがあり、該バルーンカテーテルは、取り外し可能なハブを備えており且つ内視鏡又はその他の内視鏡外科手術器具のような内視鏡外科手術器具用留置ガイドとして機能するようにされている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】図1Aは、取り外し可能なハブを備えている留置バルーンを使用する内視鏡交換を含む胆道鏡検査法及び生検処置を示している図である。
【図1B】図1Bは、取り外し可能なハブを備えている留置バルーンを使用する内視鏡交換を含む胆道鏡検査法及び生検処置を示している図である。
【図1C】図1Cは、取り外し可能なハブを備えている留置バルーンを使用する内視鏡交換を含む胆道鏡検査法及び生検処置を示している図である。
【図1D】図1Dは、取り外し可能なハブを備えている留置バルーンを使用する内視鏡交換を含む胆道鏡検査法及び生検処置を示している図である。
【図1E】図1Eは、取り外し可能なハブを備えている留置バルーンを使用する内視鏡交換を含む胆道鏡検査法及び生検処置を示している図である。
【図1F】図1Fは、取り外し可能なハブを備えている留置バルーンを使用する内視鏡交換を含む胆道鏡検査法及び生検処置を示している図である。
【図1G】図1Gは、取り外し可能なハブを備えている留置バルーンを使用する内視鏡交換を含む胆道鏡検査法及び生検処置を示している図である。
【図1H】図1Hは、取り外し可能なハブを備えている留置バルーンを使用する内視鏡交換を含む胆道鏡検査法及び生検処置を示している図である。
【0010】
【図2】図2はカテーテルハブの一例を示している図である。
【0011】
【図3】図3は、マニホールドとして具現されているカテーテルハブの別の例を示している図である。
【0012】
【図4A】図4Aは、バルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【0013】
【図4B】図4Bは、図4Aのバルーンカテーテルの実施形態の部分詳細図である。
【図4C】図4Cは、図4Aのバルーンカテーテルの実施形態の部分詳細図である。
【図4D】図4Dは、図4Aのバルーンカテーテルの実施形態の部分詳細図である。
【0014】
【図4E】図4Eは、近位のカテーテルシール弁が作動された状態の図4Aのバルーンカテーテルを示している図である。
【図4F】図4Fは、一つの弁の実施形態の細部を示している図である。
【0015】
【図4G】図4Gは、図4Aのバルーンカテーテルの実施形態のカテーテル本体からマニホールドを取り外すステップを示している図である。
【0016】
【図5A】図5Aは、カテーテルシール弁と取り外し可能なハブとを備えている別のバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【図5B】図5Bは、カテーテルシール弁と取り外し可能なハブとを備えている別のバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【図5C】図5Cは、カテーテルシール弁と取り外し可能なハブとを備えている別のバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【0017】
【図6A】図6Aは、側方開口弁を備えている別のバルーンカテーテルの長手断面及び外観図である。
【図6B】図6Bは、側方開口弁を備えている別のバルーンカテーテルの長手断面及び外観図である。
【図6C】図6Cは、側方開口弁を備えている別のバルーンカテーテルの長手断面及び外観図である。
【0018】
【図6D】図6Dは、図6A〜6Cのバルーンカテーテルの代替的な実施形態を示している図である。
【0019】
【図7A】図7Aは、溝付きのピストン弁の実施形態を備えているバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【図7B】図7Bは、溝付きのピストン弁の実施形態を備えているバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【図7C】図7Cは、溝付きのピストン弁の実施形態を備えているバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【図7D】図7Dは、溝付きのピストン弁の実施形態を備えているバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【0020】
【図7E】図7Eは、ハウジングを図7A〜7Dに示されている実施形態のカテーテル本体に結合させるための実施形態を示している図である。
【図7F】図7Fは、ハウジングを図7A〜7Dに示されている実施形態のカテーテル本体に結合させるための実施形態を示している図である。
【0021】
【図8】図8は、細長いワイヤ弁を備えているもう一つの別のバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【0022】
【図9】図9は、遠位のフラップ型の弁を備えている別のバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位のハブと、
少なくとも1つの膨張用カテーテル管腔を備えている細長いカテーテル本体と、
該カテーテル本体の遠位端の近くに設けられており、前記膨張用カテーテル管腔と流体連通しているバルーン内腔を有し、身体管腔の壁と係合した形態に膨張して前記身体管腔に対する前記カテーテル本体の長手方向の動きを阻止するようにされている留置バルーンと、
前記膨張用カテーテル管腔の一部分をシールするようにされている作動可能な弁と、を備えており、
前記ハブが、前記膨張用カテーテル管腔と流体連通している経路を有し且つ前記カテーテルに取り外し可能な形態で取り付けられており、
前記カテーテルは、前記弁が作動して前記ハブが該カテーテルから取り外されたときに、前記バルーン内腔内の流体圧力を維持し且つ細長い外科手術用器具が該カテーテルの近位端を越えて通過するのを許容するようにされている、ことを特徴とする留置バルーンカテーテル。
【請求項2】
前記ハブが、解除可能な流体密圧縮シールによって前記カテーテルに直に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項3】
前記作動可能な弁が前記カテーテルの近位端近くに配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項4】
前記作動可能な弁が、前記膨張用カテーテル管腔の近位端内へと遠位方向に導かれて該近位端を塞いでシールするようにされたプラグを備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項5】
前記ハブが、前記膨張用カテーテル管腔に長手方向に沿って整合されているトーイボースト型のシールと、該トーイボースト型のシールに対してある角度で配置されている膨張用ハブとを備えており、前記トーイボースト型のシールは、前記プラグを遠位方向に進めるようにされたスタイレットが通過できるようにされている、ことを特徴とする請求項4に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項6】
前記カテーテルの近位部分が少なくとも1つの側方穴を備えており、該側方穴は、前記膨張用カテーテル管腔と前記ハブに設けられた前記膨張用カテーテル管腔に流体連通する経路との間の流体連通を可能にするようにされており、前記作動可能な弁が前記少なくとも1つの側方穴をシールするように動作するようにされている、ことを特徴とする請求項1に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項7】
前記作動可能な弁が、
前記カテーテル本体に取り付けられる外側ハウジングと、
前記外側ハウジング内に配置されており且つ前記作動可能な弁が作動すると前記カテーテル本体と前記外側ハウジングとの間に流体密シールを形成するようにされたピストンと、を備えており、
該作動可能な弁は、前記外側ハウジングを前記カテーテル本体に対して遠位方向に動かすことが該弁の作動に含まれるようにされている、ことを特徴とする請求項1に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項8】
前記外側ハウジング及び前記カテーテル本体上に互いに相補形のねじが切られた面を更に備えており、該ねじが切られた面は、前記外側ハウジングと前記カテーテル本体とのうちの一方が他方に対して回転されたときに前記外側ハウジングを前記カテーテル本体に対して遠位方向に動かす補助となるようにされている、ことを特徴とする請求項7に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項9】
前記ピストン、前記外側ハウジング、及び前記カテーテル本体のうちの少なくとも2つの間のシール性を高めるようにされたO−リングを更に備えている、ことを特徴とする請求項7に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項10】
前記ピストンが、該ピストンと前記外側ハウジングとの間での流体の流通を許容するようにされた溝付の面を備えている、ことを特徴とする請求項7に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項11】
前記外側ハウジングと前記カテーテル本体とのうちの一方に設けられている第一の戻り止めと、前記外側ハウジングと前記カテーテル本体とのうちの他方に設けられている相補形の第二の戻り止めとを更に備えており、前記第一及び第二の戻り止めは、前記弁が作動したシール状態にあるときに相互に係合するようにされている、ことを特徴とする請求項7に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項12】
前記カテーテル本体の遠位端に設けられたループ状の先端を更に備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項13】
前記作動可能な弁が、前記膨張用カテーテル管腔のほぼ全長を貫通して延びている細長い芯線を備えており、該芯線は、前記カテーテル本体の少なくとも1つの長手方向部分の前記膨張用カテーテル管腔の断面積全体をほぼ塞ぐ構造とされており、
前記膨張用カテーテル管腔と前記芯線とは、相補的に、前記膨張用カテーテル管腔のほぼ全体を占めている長手方向部分の内側面と前記芯線の外側面とに沿って概ね流体密な圧縮シールを提供する構造とされており、
前記概ね流体密な圧縮シールは、所定の圧力未満では損なわれず且つ該所定の圧力を超えると降伏して導入された流体がその中を流れるようにされている、ことを特徴とする請求項1に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項14】
前記作動可能な弁が、前記膨張用カテーテル管腔の近位端部分に配置されている柔軟な材料からなり、該柔軟な材料は、前記ハブに解除可能にシールされる構造とされており且つ前記ハブが取り外されたときに該材料同士が接触してシールを形成する構造とされており、前記シールは前記バルーンの膨張用管腔内に流体圧力を維持するのに十分である、ことを特徴とする請求項1に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項15】
前記バルーンが柔軟なバルーンである、ことを特徴とする請求項1に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項16】
前記弁が、前記ハブを前記カテーテル本体から取り外すことによって作動する、ことを特徴とする請求項1に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項17】
前記弁の外径が、前記カテーテル本体の外径より実質的に大きくない、ことを特徴とする請求項1に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項18】
前記弁が前記バルーン内に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項19】
膨張流体供給源に接続できるようにされている近位のハブと、
バルーン内腔を備えており且つ膨張したときに身体管腔内に留置されるようにされた遠位の留置バルーンと、
前記ハブと前記バルーンとの間に配置された細長いカテーテル本体であって、少なくとも一つのカテーテル管腔を備えており、該カテーテル管腔が該カテーテル管腔と前記バルーン内腔との間の穴を介して前記バルーン内腔と流体連通するようにされている、細長いカテーテル本体と、
前記穴を覆うように配置され、前記バルーンが膨張されたときに前記穴をシールするようにされているフラップであって、前記バルーン内腔内の膨張流体の圧力によって閉止位置に保持されるようになされたフラップと、を備えており、
該フラップは、該フラップと接触するように細長い器具を前記カテーテル管腔内に伸長させることと及び膨張流体を前記膨張用カテーテル管腔を介して遠位方向に流すことのうちの少なくとも一方によって開かれる構造とされており、
前記近位のハブが前記カテーテル本体から取り外し可能とされている、ことを特徴とする留置バルーンカテーテル。
【請求項20】
前記穴と前記フラップとに隣接して前記カテーテル管腔内に設けられており且つ器具を前記フラップと接する状態へ導くようにされている傾斜した面を更に備えている、ことを特徴とする請求項19に記載の留置バルーンカテーテル。
【請求項21】
膨張流体供給源に接続されるようにされている近位のハブと、
少なくとも1つの膨張用カテーテル管腔を備えている細長いカテーテル本体と、
該カテーテル本体の遠位端の近くに配置されている留置バルーンであって、前記膨張用カテーテル管腔と流体連通しているバルーン内腔を備え、身体管腔の壁と係合するように膨張して前記身体管腔に対する前記カテーテル本体の長手方向の動きを阻止するようにされている前記留置バルーンと、
前記膨張用カテーテル管腔内のある長さに亘って取り外し可能形態で配置されているワイヤであって、所定の長手方向圧力未満では前記膨張用カテーテル管腔の少なくとも一部分をシールし、該所定の長手方向圧力及びそれより高い圧力では流体が前記膨張用カテーテル管腔内を流れるのを許容するようにされている、ワイヤと、を備えており、
前記ハブは、前記膨張用カテーテル管腔との流体連通経路を備えており且つ前記カテーテルに取り外し可能形態で取り付けられており、
前記ハブがそこから取り外されたときに、内視鏡による外科手術器具のためのガイドとして機能して内視鏡外科手術器具が近位のカテーテル端部を越えて通過するのを許容するようにされている、ことを特徴とするバルーンカテーテル。
【請求項22】
膨張流体供給源に接続できるようにされている近位のハブと、
細長いカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の遠位端の近くに配置されている留置バルーンであって、膨張用カテーテル管腔と流体連通しているバルーン内腔を備え、身体管腔の壁と係合するように膨張して前記身体管腔に対する前記カテーテル本体の長手方向の動きを阻止するようにされている前記留置バルーンと、を備えており、
前記カテーテル本体が、
前記バルーン内腔と流体連通している前記カテーテル本体内を伸長している膨張用カテーテル管腔と、
前記ハブを前記カテーテル本体の近位端内に解除可能形態で保持するようにされている近位のシールであって、柔軟な材料によって作られていて、前記ハブが該シールから取り外されたときに、前記バルーン内腔内に加圧流体の実質的に流体密なシールを維持するための自己シール型の弁として形成されている近位のシールと、を備えており、
前記ハブが該カテーテルから取り外されたときに、内視鏡外科手術器具のためのガイドとして機能して、内視鏡外科手術器具が近位のカテーテル端部を越えて通過するのを可能にしている、ことを特徴とするバルーンカテーテル。
【請求項23】
第一の管腔であって、第二の管腔が交差部において該第一の管腔と流体連通する状態に配置され、前記第二の管腔を少なくとも部分的に横切っている第一の管腔と、
前記交差部の近位側に設けられている前記第一の管腔の第一の小さな内径の長さ部分と、前記交差部の遠位側に設けられている前記第一の管腔の第二の小さな内径の長さ部分と、
前記第一の管腔内に摺動可能に配置され、前記第二の小さな内径の長さ部分の内径に少なくとも等しい外径を有している遠位のシール部材を備えているシールロッドと、を備えていることを特徴とするバルーンカテーテル用のマニホールド。
【請求項24】
膨張可能なバルーンと、
長手方向のカテーテル管腔を備えている細長い管状のカテーテル本体であって、前記カテーテル管腔が前記バルーンから該カテーテル本体内を貫通して近位方向に延びており且つ前記バルーンと流体連通している、前記細長い管状のカテーテル本体と、
前記カテーテル管腔との間に流体連通通路を提供しているカテーテルの側方穴と、
該カテーテルの側方穴の近位側に設けられている前記カテーテル管腔の第一の小さな内径の長さ部分と、該カテーテルの側方穴の遠位側に設けられている前記カテーテル管腔の第二の小さな内径の長さ部分と、
第一のマニホールド管腔と該第一のマニホールド管腔に流体連通状態で交差している第二のマニホールド管腔とを備えているマニホールドと、を備えており、
前記管状のカテーテル本体のある長さが、前記カテーテルの側方穴が前記第二のマニホールド管腔と流体連通状態で配置されるように前記第一のマニホールド管腔内に配置されており、
前記カテーテル管腔内に摺動可能に設けられており、前記カテーテル管腔の前記第一の小さな内径の長さ部分と前記第二の小さな内径の長さ部分との間に配置されている遠位のシール部材を備えており且つ前記第二の小さな内径の長さ部分の内径に少なくとも等しい外形を有しているシールロッドを備えており、
該シールロッドの近位端が、前記マニホールドが前記管状のカテーテル本体から取り外し可能であるように前記第一のマニホールド管腔内を通過できる大きさとされている、
ことを特徴とするバルーンカテーテル装置。
【請求項25】
細長い外科手術用器具を患者の体内の導管内へ導く方法であって、
細長いカテーテルシャフトと、該シャフトの遠位端の近くに配置されている留置バルーンと、取り外し可能な近位のハブ構造と、ハブが取り外されたときに前記留置バルーンを膨張状態に維持するようにされたシール構造とを備えている留置バルーンカテーテルを準備するステップと、
前記留置バルーンを備えている遠位のカテーテル部分を患者の導管内へ誘導するステップと、
前記バルーンを膨張させて前記遠位のカテーテル部分を前記導管内に留置するステップと、
前記シール構造を作動させるステップと、
前記近位のハブ構造を前記カテーテルから取り外すステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
前記近位のカテーテル端部を細長い外科手術器具の管腔内へ導くステップと、
前記細長い外科手術器具を前記カテーテルに沿って前記導管内へ進入させるステップと、
を更に含んでいる、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記バルーンを膨張させるステップと、
前記カテーテルを前記細長い外科手術器具を通して取り外すステップと、を更に含んでいる、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記細長い外科手術用器具が作動通路を有している極細内視鏡を備えている、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
外科手術用器具を、極細内視鏡の作動通路を介して総胆管内に導入するステップを更に含んでいる、ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記誘導するステップが、十二指腸内視鏡を準備するステップと、該十二指腸内視鏡の遠位部分を患者のオッディ括約筋に隣接した位置に導くステップと、括約筋切開術によってオッディ括約筋にカニューレを挿入するステップと、バルーンカテーテルを前記カニューレが挿入された括約筋を介して導管内に導くステップと、を更に含んでいる、ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記シール構造が、近位のカテーテル端部、バルーン内、及び前記近位のカテーテル端部の近く、から選ばれた位置に配置される弁として形成されている、ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項32】
患者の胆管内に医療処置を施す方法であって、
付属通路を備えている内視鏡を準備するステップと、
該内視鏡を患者の体内へ進入させるステップと、
遠位の付属通路の穴を患者のオッディ括約筋に隣接させて位置決めするステップと、
細長いカテーテルシャフトと、該シャフトの遠位端の近くに配置される留置バルーンと、近位のカテーテル端部上に設けられている取り外し可能な近位のハブ構造と、ハブが取り外されたときに前記留置バルーンを膨張状態に維持するようにされているシール構造とを備えている留置バルーンカテーテルを準備するステップと、
前記留置バルーンを備えている遠位のカテーテル端部を、前記内視鏡の付属通路内を通して患者の胆管内へと誘導するステップと、
前記留置バルーンを膨張させて前記遠位のカテーテル端部を胆管内に留置するステップと、
前記近位のシール構造を作動させるステップと、
前記近位のハブ構造を前記カテーテルから取り外して該近位のカテーテル端部を自由にするステップと、
前記内視鏡を前記近位のカテーテル端部を越えて引き抜くステップと、を含む方法。
【請求項33】
前記内視鏡を引き抜くステップの後に、
前記近位のカテーテル端部を極細内視鏡の作動通路内に導くステップと、
前記極細内視鏡を前記カテーテルに沿って総胆管内に導くステップと、を更に含んでいる、ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記バルーンを膨張させるステップと、前記カテーテルを前記極細内視鏡の作動通路を通して取り外すステップとを更に含んでいる、ことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
外科手術器具を前記極細内視鏡の作動通路を介して患者の総胆管へ導入するステップを更に含んでいる、ことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
内視鏡を準備する前記のステップが十二指腸内視鏡を準備するステップからなり、前記誘導するステップが、括約筋切開術によって患者のオッディ括約筋にカニューレを挿入するステップと、該カニューレが挿入された括約筋を介して前記バルーンカテーテルを誘導するステップとを含んでいる、ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記シール構造が弁構造からなる、ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記弁構造が、前記ハブを前記カテーテルから取り外したときにそれ自体が密閉する、ことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記弁が、膨張用管腔の近位端内へと遠位方向に導かれる構造とされており且つ該膨張用管腔の近位端を密閉状態に塞ぐプラグを備えている、ことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記弁が前記カテーテルの近位端部に設けられている柔軟な材料を備えており、該柔軟な材料は、前記ハブを解除可能な形態でシールする構造とされており且つ前記ハブが取り外されたときに該材料自体がシールして密閉を形成し、該密閉は前記バルーン内に流体圧力を維持するのに十分である、ことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記弁が前記バルーン内に配置されている、ことを特徴とする請求項37に記載の方法。

【図9】図9は、遠位のフラップ型の弁を備えている別のバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【図9】図9は、遠位のフラップ型の弁を備えている別のバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【図9A】図9Aは、遠位のフラップ型の弁を備えている別のバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【図9B】図9Bは、遠位のフラップ型の弁を備えている別のバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【図9C】図9Cは、遠位のフラップ型の弁を備えている別のバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【図9D】図9Dは、遠位のフラップ型の弁を備えている別のバルーンカテーテルの実施形態を示している図である。
【0023】
【図10】図10は、取り外し可能なマニホールドを備えているカテーテル器具の別の実施形態を示している図である。
【0024】
【図10A】図10Aは、図10の器具1000の部分長手方向断面図である。
【図10B】図10Bは、図10の器具1000の部分長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
定義
【0026】
本明細書において使用されている極細内視鏡という用語は、外径が約6.0mm以下(5.0mm未満のものも含む)の内視鏡を指している。“ハブ”という用語は、膨張用流体の供給源とカテーテルの膨張用管腔とバルーン内腔との間の流体連通経路を提供するために効率の良く結合する構造とされた結合構造(例えば、ルアー型又はその他の流体用に開口している結合)を有しているバルーンカテーテルの近位端の構造を指しており、“ハブ”には更に複雑な又は補助的な構造を備えたマニホールド型のハブも含まれる。“遠位”及び“近位”という用語は、標準的な使用法において理解されるべきであり、各々、工具又は器具のハンドル/ユーザー用端部から遠ざかる方向及び近づく方向(すなわち、各々、患者から遠ざかる方向と近づく方向)を指している。
【0027】
近位の作動可能なシ−ル弁と取り外し可能なハブとを備えているバルーンカテーテルによって補助される内視鏡の交換を利用した胆道鏡検査処置を、図1A〜1Hを参考にして説明する。近位の作動可能なカテーテルシール弁と取り外し可能なハブとを備えている種々のカテーテルの実施形態を以下において説明する。
【0028】
図1Aは、十二指腸内視鏡152として実施されている内視鏡の側面図であり、十二指腸内視鏡152は、オッディ括約筋154の周りのファーテル膨大部に隣接している患者の十二指腸150内へ導かれている。オッディ括約筋154は、(例えば、括約筋切開術によって)カニューレが挿入されている状態で示されている。十二指腸内視鏡152の作動通路内を伸長している先端がループにされているカテーテル100が、カニューレが挿入されているオッディ括約筋154を介して総胆管156内へ導かれようとしている状態で示されている。
【0029】
図1Bには、ガイドワイヤ158を使用して、先端がループ状にされているカテーテル100をカニューレが挿入されているオッディ括約筋154を介して総胆管156内へ導入するための代替的な方法が示されている。この実施形態においては、ガイドワイヤ158が最初に総胆管156内へ誘導される。次いで、カテーテル100のループ102が、ガイドワイヤ158の周りでループにされ且つ該ガイドワイヤに沿ってモノレール式に総胆管156内へ導かれる。
【0030】
カテーテル100を総胆管156内へ導くためにどのような方法が使用されるかに関係なく、カテーテル100は、総胆管156の肝管側枝(又は膵管側枝)内へ更に導かれる。次いで、図1Cに示されているように柔軟なバルーンであるのが好ましいバルーン104が、例えば図示されているように肝管157内で膨張される。(しかしながら、当業者は、本発明の範囲内で膵胆管内視鏡検査を行うこともできることがわかるので、該バルーンは、総胆管156又は膵管内を含む異なる側枝内に留置されても良い)。バルーン104はカテーテル100を係留できるほど十分に膨張されるのが好ましいが、膨張されたバルーンの外側面が接触する脈管面を著しく拡張させないことが好ましい。柔軟なバルーンは、ラテックス又は所望の弾力性を有している他の生体適合性材料によって作ることができる。幾つかの実施形態においては、バルーンは、外科処置中の所望の操作に応じて非柔軟性であっても良い。
【0031】
図1Dは、マニホールド110として具体化されているハブが取り外されている状態のバルーンカテーテル100の近位端を示している。マニホールド110を取り外す前に、弁120は、バルーンカテーテル100の近位端をシールするように働いてバルーン104内で膨張流体の圧力を維持する(本願においては、“作動した弁”は閉止形態にあり、“非作動状態の弁”は開放形態にある)。該弁とマニホールドとは、下の図4A~8に関して説明される方法で具体化することができ、全ての等価物を含む特許請求の範囲を組み合わせた特徴又は特許請求の範囲に包含されている別の弁/シール構造を有している。図1Eを参照するとわかるように、近位のマニホールド110をこのように取り外すことによって、ユーザーは、十二指腸内視鏡152をカテーテル100の外周に沿って引き抜くことができ、一方、バルーンカテーテル100は、(図1Cに示されているように)バルーン104によって係留されて定位置に留置されたままとなる。
【0032】
次に、極細内視鏡160がカテーテル100に沿って遠位方向に導かれる。特に、近位のカテーテル端部は極細内視鏡160の付属/作動通路の遠位端内に挿入される。次いで、図1Fに示されているように、カテーテル100は、ガイドとして機能して極細内視鏡160の遠位端が総胆管156内へ導かれるようにする。その後に、図1Gに示されているように、バルーン104は(例えば、膨張流体を流れ出させるか又は注射器若しくは真空源を使用して負圧をかけて抜き取ることによって)収縮され、カテーテル100が引き抜かれ、極細内視鏡160の付属通路が空の状態にされる。次いで、ユーザーは、図1Hに示されているように、例えば、生検用鉗子162のような診断又は治療器具を極細内視鏡160の付属通路内に導入する。
【0033】
図2は、カテーテル200のための従来の基本的なカテーテルハブ210を示している。ハブ210は、ルアー型コネクタ212と操作を補助するようにされているウイング213とを備えている。図3は、マニホールド310として形成されている従来のカテーテルハブを示している。マニホールド310は、側方分岐部318に設けられているルアー型コネクタ312と、カテーテル300の長手軸線とほぼ同軸状である直線状の分岐部314に設けられているもう一つ別のコネクタ316とを備えている。マニホールド310は、側方分岐部318の管腔308と流体連通している主管腔306を備えている。マニホールドを含むこのような一般的なハブは、カテーテル本体に固定され且つ取り外し不可能な状態で取り付けられる。これらの及びその他の一般的なハブの外径及び/又は断面積は、例えば大径のカテーテルの管腔、高分子製の胆管用ステント、内視鏡若しくはその他の侵襲性が最少の画像取得機器の作動/付属通路等の細長い外科手術器具内に嵌らないようになされていることはわかる。
【0034】
本明細書に開示されている器具及び方法の実施形態は、カテーテル本体から取り外すことができるハブを備えており、該ハブは、バルーン及びカテーテルを患者の体内の導管内に留置された状態に維持するのに十分な膨張流体/圧力をバルーン内に維持する一方で細長い外科手術器具はカテーテルの近位端の外周を(ハブが取り外された状態で)通過されるようにされている弁のようなシール構造を備えている。代替的に又は付加的に、ハブが再度取り付けられてバルーンの膨張を補助する。本発明の弁の実施形態は、カテーテルの横断面積よりも小さいか又は少なくとも実質的に大きくない横断面積を提供しているのが好ましい。この構造においては、細長い外科手術用器具(例えば、十二指腸内視鏡、極細内視鏡、その他のカメラ若しくは像取得機器、高分子ステント、比較的大きな穴のカテーテル)は、バルーンが収縮されており、且つ/又はカテーテル器具の全長が、中心管腔、作動通路、又は細長い外科手術用器具の他の穴内を通されるときに、本発明のカテーテル器具(弁を含む)の全長を越えて通される。別の言い方をすると、弁の外径及び収縮されたときのバルーンの外径は、最も好ましくは細長いカテーテル本体の外径よりも実質的に大きくなくて、器具全体(ハブは取り外されている)が細長い外科手術器具の管腔内を通過できるようになされている。
【0035】
図4A〜4Dは、各々、マニホールド410(図4A)として具体化されている取り外し可能なハブを備えているバルーンカテーテル400、シール作動用スタイレット433の詳細、プラグ型の弁420、バルーン404及びループ状の先端402を備えている遠位のカテーテル端部の長手方向断面を示している。図4Aに示されているように、マニホールド410は膨張用注射器490を備えており、膨張用注射器490はコネクタ端部412においてマニホールドの側方分岐部418に取り付けられている。分岐部の管腔408は、注射器490からマニホールドの主管腔406までの流体連通経路を提供しており、主管腔406は、細長いカテーテル本体401の膨張用管腔424と流体連通し、それによってバルーンの膨張内腔426とも流体連通している。主管腔406の近位部分はトーイボースト(Tuohy−Borst)型シール427を備えており、このトーイボースト型シール427は、膨張用管腔424又は膨張用内腔426からの膨張流体の圧力の著しい損失がない状態で、シール作動用スタイレット433内を流れる通路を提供している。“トーイボースト型シール”という用語は、この名前によって当該技術において関連付けられている特別な構造並びに固体部材をシール内へ導入する際の流体開存性を維持するようにされている全ての等価な手軽なシールを包含することが意図されている用語である。
【0036】
マニホールド410は、摺動部材443を備えている液密圧縮シール441によってカテーテル400の細長い本体401に取り付けられており、摺動部材443は、図示されている遠位位置にあるときにはカテーテル本体を圧縮嵌合状態に付勢し、近位方向に後退させるとカテーテル本体を解放する。カテーテル本体へのマニホールドの流体密であるが取り外し可能な結合に適している他のコネクタ(例えば、ねじ込み、バヨネット型コネクタ、ガスケット/摩擦嵌合)が公知であり、又は本発明の範囲内で将来開発され且つ実施されるかも知れない。バルーン404は膨張した状態で示されている。
【0037】
シール作動用スタイレット433は図4Bの詳細説明図に示されている。スタイレット433は金属その他の概して堅牢な遠位本体434と、近位の構造体435とを備えており、近位の構造体435は、シール作動用スタイレット433をマニホールドの近位の主本体コネクタ416に係合/脱係合させる構造とされており且つマニホールドの主管腔406内でスタイレットの遠位本体434を長手方向に操作できるようにされている。
【0038】
カテーテル本体401の近位端(図4Aにおいては、マニホールド410によって概ね遮られている)が図4Cの詳細図に示されている。カテーテル400は、カテーテルの絶対的な近位端部から遠位側にある距離の所においてその壁内に埋め込まれている補強ワイヤ431を備えている。カニューレ432は、“ワイヤ付きのカテーテル部分”と“ワイヤ付きでないカテーテル部分”とを橋渡ししている。単純な弁420は、カテーテル400の近位端とプラグ440とを備えている。プラグ440は、カテーテルの絶対的な近位端部から若干近位側にあって、弁420が開放/非作動状態にあって膨張流体を膨張用のカテーテル管腔424内を自由に流れさせる状態で示されている。
【0039】
図4Dは図4Aのカテーテルアセンブリの遠位部分の部分的な長手断面図である。バルーン404は、カテーテル400の遠位の本体部分の周囲に示されている。概ね螺旋状の金属製のコイル445がこの遠位部分のカテーテル内に配置されていて、カテーテル400を誘導するための構造的強度を提供し且つカテーテルの管腔424からバルーン内腔内への流体の流通経路を提供するために1以上の穴(図示せず)が備えられている領域においてカテーテルを補強している。ループ状の先端402が補強ワイヤ431に取り付けられており、図示されている実施形態においては、概ね切頭円錐形の接着剤又はポリマー構造体によってカテーテル400に対してシールされている。該接着剤又はポリマー構造はまた膨張用のカテーテル管腔の遠位端をもシールしている。ループ状の先端402は、概ね非外傷性の遠位端であって、身体管腔内での誘導を補助し且つ図1Bに関して上記したようにガイドワイヤに沿ったモノレール式の誘導を可能にするのが好ましい。
【0040】
弁420の作動方法とカテーテル400からのマニホールド410の取り外し方法とを図4E〜4Gに関連して説明する。図4E及び4Gは、ユーザーがシール作動用スタイレット433をプラグ440に対して遠位方向に進入させている状態を示している。図4Fでは、この動作によってプラグ440が膨張用のカテーテル管腔424の近位端内に係合されて弁420が作動され、これによって膨張用のカテーテル管腔424が塞がれ且つ実質的にシールされて、バルーン404を図4Eに示されている膨張状態に維持するのに必要とされる圧力が維持されている。図4Gは、摺動部材443を近位方向に後退させることによって、圧縮シール441が係合を解除された状態のマニホールド410を示している。この係合解除によって、カテーテル本体401のシールされた近位端が解放され、細長い外科手術用器具(例えば、十二指腸内視鏡、極細内視鏡、高分子ステント、大径カテーテル)を図1A〜1Hに関して上記されている内視鏡交換又は同様の内視鏡の操作中又は操作後に端部を越えて移動させることができる。プラグ440が手動によって近位のカテーテルから取り外されて、バルーン404の膨張が可能になる。
【0041】
図5A〜5Cは、細長いカテーテル本体501及び取り外し可能なハブ510を備えているバルーンカテーテル500のもう一つ別の実施形態並びにその使用方法を示している部分的な長手断面図である。図5Aは、バルーン504が収縮状態にあるカテーテル500を示している。近位のハブ510は極めて基本的なハブとして示されているが、該ハブは、代替例として図2〜3に示されているもののようなハブ又は現在知られているか若しくは将来開発されるかも知れない(マニホールドを含む)他のハブとして具体化されても良い。作動可能な弁が柔軟なシール520として具体化されており、該柔軟なシール520は、該シール自体が接したとき/接した場所で膨張用のカテーテル管腔524に膨張流体を維持するのに十分なシールを実質的に形成するようにされている。シール520は、図5Aに示されているようにハブ510の遠位端の周りをシールするようにされている。図5Bは、膨張したバルーン504を示しており、ハブ510は依然としてシール520内の定位置にある。
【0042】
図5Cは、ハブ510の近位方向への後退及びシール520からの取り外しによってもたらされる作動状態にあるシール520を示している。ハブ510の取り外しによって、シール520の柔軟な面が圧潰され且つシール自体が密封形態で接し、バルーンの内腔及び膨張用のカテーテル管腔524内に十分な膨張流体の圧力が維持される。シール520は弾性材料によって作ることができ、例えば、ラテックス、シリコーン(ゲル充填及び/又は非損傷ゲルのシリコーン構造を含む)、軟質アクリルポリマー、又はここに記載した環境で適切な密封を形成する場合には構造及び/又は機能がこれらのいずれかと類似している何らかの材料によって作ることができる。別個の作動ステップを必要とするここに示された他の実施形態と対照的に、弁シール520は自己作動型である。すなわち、弁シ−ル520は、ハブ510の取り外し動作によって自動的に作動する。該弁のその他の実施形態は、同じ機能を得るように本発明の範囲内で改造することができる。この実施形態及びその他の実施形態は、弁シール520の再開放及びバルーン504の膨張を補助する方法でのハブ510の再度の取り付けを可能にする構造とされるのが好ましい。
【0043】
図6A〜6Dは、近位の作動可能な弁620及び遠位のバルーン604を備えているカテーテル600の他の実施形態の近位部分の図である。この弁620は、図4A、4E、4Gに示されているもののような取り外し可能なハブ又はマニホールド410と共に使用できる構造とされており且つここでは当業者が(例えば、ここに記載されているように、カテーテル600をマニホールド内に挿入することを想像することによって)容易に理解できる参照符号によって示されている。本実施形態においては、カテーテル600は、マニホールドがカテーテル本体601に取り付けられたときにマニホールド410の側枝管腔408と整合するようにされている側方穴603を備えている。このようにして、側枝管腔408はカテーテルの管腔624との流体連通経路を提供する。
【0044】
図6Aに示されている実施形態においては、弁620は概ね円筒形のハウジング670を備えており、該円筒形ハウジング670は、オーバーモールティング、摩擦嵌合、又は接着剤629によってカテーテルの管腔624の近位端内に保持されている。ハウジング670は少なくとも1つの側方穴672を備えており、該側方穴672は、カテーテルの側方穴603と少なくとも部分的に整合してカテーテルの管腔624との流体連通経路を提供している。ハウジング670の内径には、近位のストッパ676と遠位のストッパ677とが備えられている。弁620はまた概ね円柱状のプランジャ674を備えており、プランジャ674は近位のストッパ676と遠位のストッパ677との間に摺動可能形態で配置されている広がった遠位端675を備えている。広がった遠位端675は、プランジャ674と連続した構造であるか、又はプランジャ674の遠位端若しくは該遠位端の近くの溝若しくはその他の嵌め込み部内に設けられたO−リングとして形成されている。
【0045】
図6Aに示されているように、実線で描かれているプランジャ674は近位位置にあり、その広がった遠位端675が近位のストッパ676の近く又は該ストッパに当接して配置された状態である。この位置はハウジングの側方穴672又はカテーテルの側方穴603を大きくは塞いでおらず、マニホールドの側枝管腔408とカテーテルの管腔624との間の自由で開存した流体連通経路を提供している。図6Aにはまた、弁が動かされた状態の点線像も示されており、この弁の作動状態においては、広がった遠位端675は、遠位のストッパ677の近く又は該遠位のストッパに当接して配置されていて、好ましくは、流体をバルーン604とカテーテルの管腔624との中に保持するのに十分なシールを実質的に形成している。マニホールド410のようなハブの使用と組み合わせた弁620の作動は、図4Fのプラグ440の作動と同じ方法で、スタイレット(例えば、スタイレット423)を使用してプランジャ674を作動位置内へと遠位方向に押し込んでカテーテルの管腔624をシールしてハブ410の取り外しによる膨張流体又はバルーンの体積の著しい損失を伴うことのない状態で行なわれる。所望のときには、プランジャ674が再度後退されてバルーン604の膨張が可能にされる。
【0046】
図6B〜6Cはカテーテル600の代替的な実施形態を示しており、これらの実施形態は内側ハウジングを備えていない弁690を備えている。弁690は、少なくとも1つの側方穴603と、端部694を有しているプランジャ692とを備えており、端部694は、カテーテル管腔624の断面積を完全に塞ぐ大きさとされている。プランジャ692は、図6Bにおいては側方穴603の近位端の遠位側に配置された状態で示されており、膨張流体が側方穴603を介してカテーテル管腔624内へ及びカテーテル管腔624から自由に流れるようになされている。弁690は、プランジャの遠位方向への進入によって作動し/閉じられ、プランジャの端部694がカテーテル管腔624を完全に塞いで、ハブに取り付けられている遠位のバルーンを萎ませることなく該ハブの取り外しを可能にするシールを形成する。図6Dに示されている実施形態は、図6B〜6Cに示されているものとほぼ同様であり、相異点は、その側方穴が複数の側方穴603として具現されており、該複数の側方穴603がプランジャ692の端部694によって選択的に塞がれるか又は開放状態のままとされる点である。
【0047】
図7A〜7Fは、バルーンカテーテル700のもう一つ別の弁の実施形態720を示しており、このバルーンカテーテル700は、細長いカテーテル本体701と取り外し可能なハブ(図示せず)とを備えている。弁720は、内方を向いている面771を有している外側ハウジング770を備えており、該外側ハウジング770は、例えば、戻り止めコネクタ765(図7Eに関して以下に説明されている)、ねじ込みコネクタ775(図7Fに関して下で説明されている)、又はカテーテル本体701に対するハウジングの制御された長手方向の動きのために提供されているその他の結合機構によって、カテーテル本体701に長手方向に可動な形態で取り付けられている。カテーテル本体701とハウジング770とは、概ね長手方向断面図で示されている。溝付きのピストン792が、ハウジング770内に長手方向に摺動可能な形態で配置されており、該ピストンは、ハウジングの内径と接触するか又は極めて接触に近い状態となる大きさとされている。少なくともその遠位端においては、溝793の深さは、カテーテル本体701の壁の厚みに等しいか又はそれより浅い。O−リング794がハウジング内のピストン792の近位端に配置されている。
【0048】
図7Aは非作動/開放状態にある弁720の長手方向断面図であり、先端が矢印となっている線759は、ハウジング770の近位端を通り、溝793に沿ってカテーテル管腔724内へ流れる膨張流体の流体連通通路を示している。図7Bは、ハウジング770とカテーテル700の本体701との外観図である。図7Cは、作動し/閉止された位置にある弁720の長手方向断面図であり、ハウジング770はカテーテル700上を該カテーテル700に対して遠位方向に進められている。外側のハウジング770内で、カテーテル700は溝793の遠位端を概ねシールしており、O−リング794は実質的に溝793の近位端とハウジング770の近位の内側面との間にシールを形成している。図7Dは、図7Cに示されている弁位置の端部斜視図であり、カテーテル700、溝付きのピストン792、及びO−リング794が、ハウジング770が取り外された状態の閉止され/シールされた形状において現れたときのこれらの相対位置を示している。
【0049】
ハウジング770は、図7A及び7Cに示されているように、概ね滑らかな面の間で摩擦接触することによってカテーテル700に取り付けられている。しかしながら、更に、確実な係合を付与することが好ましいかも知れない。図7Eは、ハウジング770の内側面771とカテーテルの700の外側面との間の戻り止め結合部765を示している。弁が非作動状態(開放/自由流通形態)にあるときには、ハウジング770の内側面上の第一の周方向の戻り止め用のうね状突起766は、カテ−テルの外側面上の第一の周方向の溝767に実質的に密封係合している。図7Eに示されているように、弁720が作動すると(閉止形態)、ハウジング770の内側対向面771上の第一の周方向の戻り止め用うね状突起766は、カテーテルの外側面上に設けられている第二の周方向の溝768と実質的に密封係合する。図7Fに示されている実施形態においては、遠位のハウジング部分の内側面はねじが切られている面776を備えており、該ねじが切られている面776はカテーテル本体701の相補形状にねじが切られている外側面777とかみ合っている。ねじが切られている面776と777とを進入方向に係合させることによってピストン792及びハウジング771が引き付けられ且つカテーテル本体701にしっかりと当接されることによってなされるこの弁実施形態がシールされる方法は、容易に理解できるであろう。
【0050】
図8は、管状本体801に取り外し可能に結合されているハブ810を備えているバルーンカテーテル800のもう一つ別の実施形態を示している。この実施形態においては、取り外し可能な近位のハブ810が、摩擦嵌合部841によって管状の本体801に取り付けられている。管状の本体801は、その中を伸長している細長い管腔824を備えており、該細長い管腔824は、遠位のバルーン804との流体連通経路を提供している。管状の本体801は、遠位の金属製のコイル845を備えており、このコイル845は、管状の本体801の壁に埋め込まれている細長い補強ワイヤ831に結合されているループ状の先端802を備えている遠位端の構造的支持をもたらすようにされている。カニューレ832は、芯線840の端部とコイル845及び補強ワイヤ831のみによって支持されている管状本体801の部分との間に跨る構造的補強を提供するために備えられている。
【0051】
バルーン804の膨張圧力を失うことなく内視鏡の交換又はその他の作業のためにハブ810を取り外すことを可能にしている弁/シールが、管腔824の断面積を概ね(完全にではなく)塞ぐ細長い可撓性の中実の芯線840によって提供されている。好ましい実施形態においては、管状本体801の外径は、極細内視鏡の外周面に沿って容易に通過できるようにさせる大きさとされている。更に、該管状の本体は外側及び内側の潤滑面を備えているのが好ましく、該潤滑面は、そのバルーン804によって患者の体内構造内に係留される場合/係留されたときに管状本体801を損傷させるか又は著しく移動させることのない芯線840の動き及び被覆構造を可能にする。芯線の外径と内径との間の極めて近接した許容公差は、(例えば、図1A〜1Hに示されているように)処置中に器具800を係留するためにバルーン804が膨張されたときに、バルーン804からの膨張流体の損失を最少化させるか無くす効率の良いシールを形成しており、膨張は、該近接した許容公差の流動抵抗に打ち勝つようにされている高い圧力の流体導入源を使用することによってなされる。バルーン804の膨張を可能にするために芯線840を管腔824から取り外しても良い。
【0052】
一つの例示的な実施形態においては、管801は、シリコーンコーティングが設けられている外径が約0.035インチ(約0.89mm)で内径が約0.023インチ(約0.58mm)のPEEKによって作られ、芯線は、外径が約0.021〜約0.0215インチ(約0.53〜約0.55mm)のニチノ―ルによって作られ、金製のコイル状のリップチップ及び白金−金製のコイルばねと雌型のルアー型ハブとを備えている。
【0053】
取り外し可能なハブ(図示せず)を備えている別のバルーンカテーテル900の遠位部分が、図9A〜9Dにおいて部分長手断面で示されている。該バルーンカテーテルは、カテーテル管腔924とバルーン904とを備えている細長いカテーテル本体901を備えている。穴925が、バルーンの内腔905とカテーテル管腔924との間に流体連通経路を提供している。弁機構920は弁スリーブ995を備えており、弁スリーブ995はカテーテルの壁901の周りに配置されていて流体密シールを提供している。弁スリーブ995は弁フラップ996を備えており、弁フラップ996は図9Aにおいて流体密形態で穴925を覆っている状態で示されている。図9Aにおける流体密形態でのバルーンの内腔905内の膨張流体からの圧力は、バルーンが膨張されたときにフラップ996をカテーテルの壁901に押し付けてシール状態に保っているが、該弁フラップは、カテーテル管腔を介して導入されつつある膨張流体の遠位方向への圧力によって開いて膨張を許容することができる。フラップの面及び/又はカテーテルの壁の面は(例えば、粘着性の接着剤、ゲル材料、静電気、磁気材料によって)処理されていて、面同士の間に高いけれども破壊可能な流体密接触を有するようになされている。傾斜部997がカテーテル管腔924の遠位端を塞ぎ且つシールしている。弁920の構造を更に明確に示すために、図9Bは図9Aの線9B−9B沿った横断面を示しており、図9Cは図9Aの線9C−9Cに沿った横断面を示している(図示の簡素化のために、バルーン904は図9B〜9Cには示されていない)。
【0054】
他の実施形態に関して上記したように、このカテーテル900は、カメラ交換(例えば、“十二指腸潰瘍内視鏡”の取り外し交換及び“極細内視鏡”の取り付け交換)のための係留ガイド又は軌道として機能する。この場合、上記の弁920は、ユーザーが近位のハブ(例えば、通常は内視鏡又はその他の器具を近位のカテーテル端部を越えて進入させ/後退させることを不可能にする基本的なハブ、マニホールド、又は他の近位の構造体)をバルーンの内腔905からの大きな圧力損失を伴わない状態で取り外すことを可能にしてバルーン904をアンカーとして機能させている。
【0055】
図9Dに示されているように、バルーン904を膨張させることが望ましくなったときに、ユーザーは、(例えば、図1Gに示されている方法と似た方法で)、先端がループ状にされたワイヤ998又はその他の可撓性の細長い器具をカテーテル管腔924を介して導入し、該カテーテル管腔内を遠位方向へ導き且つ傾斜部997が該ワイヤ又はその他の器具をフラップ996内へ偏倚させてフラップ996を開かせ、バルーン904の膨張及びカテーテル900の取り外しを可能にする。
【0056】
図10,10A,10Bは、ハブ/マニホールド1010を備えている近位の作動可能な弁を備えているカテーテルの別の実施形態1000を示している。図10は、T字形状のマニホールド1010、カテーテル本体1001、シールロッド部材1033を含んでいる部分的に分解された図である。近位のカニューレ1032aと遠位のカニューレ1032bとが、カテーテル本体1001の外径の周りに、各カニューレ内で該カニューレの長さに亘ってカテーテル管腔1024の内径を小さくさせるように留められるか或いは取り付けられている(図10A〜10B参照)。シールロッド部材1033は遠位のシール用ボール1034を備えており、該シール用ボールの外面はカテーテル管腔1024の内径に摩擦密封接触するようにされている。該遠位のシール用ボールの外径は、カニューレ1032a,1032bの内径に少なくとも等しいか又はそれより大きくて、それらのカニューレ間にボール1034が配置されたときに、該ボールはそれらのカニューレを通り過ぎて近位方向又は遠位方向に動くことができないようになされているのが好ましい。シールロッド部材1033の近位部分は、ここではボールとして示されている把持部材1035を備えているのが好ましい。把持部材1035は、マニホールド1010を長手方向に強制的に動かさない状態でマニホールド1010を該把持部材の外周を越えて近位方向へ取り外すことができるような十分に小さな外形を有しているのが最も好ましい。
【0057】
シール用ボール1034はシールロッド部材1033の遠位端に設けられているものとして示されている。本発明の範囲内で実施可能な他の実施形態において、シールロッド部材1033は、カテーテル本体1001のための支持を提供することができるようにシール用ボール1034を越えて遠位方向に延びていても良いことはわかるはずである。シールロッド部材1033の本体部の外径は、ロッド本体が存在しているときに管腔内を通る流体の流れを許容するために、カテーテル管腔1024の内径よりも十分に小さいのが好ましい。
【0058】
図10A〜10Bに示されている方法で組み立てられたときに、マニホールド1010の圧縮シール部材1043は、カテーテル本体1001及び/又はカニューレ1032a,1032bに、解除可能な圧縮嵌合(例えば、ねじ結合)によって外周に沿って密封係合する。マニホールド1010には中心の側方分岐部1018が形成されており、該側方分岐部1018は流体供給源用コネクタ端部1012を備えており、該流体供給源用コネクタ端部には膨張流体供給源(例えば、注射器)を取り付けることができる。カテーテル本体1001の遠位端(図示せず)には、例えば図4に示されているような膨張バルーン及びその他の構造が形成されている。側方分岐部1018の側枝管腔1008は、カテーテルの側方穴1024aを介するカテーテル管腔1024への流体連通経路を提供している。
【0059】
図10A〜10Bは図10の器具1000の部分的な長手断面図である。図10Aは開口している未シール状態にある器具1000を示しており、この未シール状態においては、膨張流体は、側枝管腔1008、カテーテルの側方穴1024a内を通り且つカテーテル管腔1024内を遠位方向へ導かれる。図10Bは作動したシール状態にある器具1000を示している。図10Bにおいては、シールロッド部材1033は、シール用ボール1034がカテーテルの側方穴1024aを通り過ぎて遠位方向に移動してカテーテル管腔1024の近位端のシールを形成するように進められている。該カテーテル管腔1024の近位端のシールは、遠位の留置バルーン(図示せず:図4A及びそれに対応する明細書の部分を参照のこと)内の流体圧力を維持するのに十分な強度であるのが好ましい。遠位のカニューレ1032bは、ボール1034が遠位方向の遠すぎる位置まで移動するのを防止している。好ましい実施形態においては、ユーザーは、ボールの外径とカテーテル管腔1024の内径との堅密な公差により、ボール1034がカテーテルの側方穴1024aを通り過ぎて遠位方向に動いたときの触覚を感じる。
【0060】
マニホールド1010の圧縮部材1043は緩めることができ、マニホールド1010は、該マニホールドをカテーテル本体1001の近位端及びシールロッド部材1033の近位端を越えて近位方向に引くことによって取り外すことができる。カテーテル管腔1024の内径との間にシール用ボール1034によってなされているシールはこの取り外しによって破壊されず、カテーテル1001の小さい外形形状/外径が単に残され、遠位のカテーテル端部が他の実施形態に関して上記したようにバルーンによって係留されたままの状態で工具又は器具(例えば、十二指腸用内視鏡、極細の導管内内視鏡、外科手術用器具)を前記のカテーテル1001の小さい外形を越えて進入させ又は引き抜くことができる。
【0061】
一つの例示的な実施形態においては、カテーテル1001は、内径が約0.034インチ(0.864mm)で外径が約0.053インチ(1.346mm)の可撓性のカテーテルとして形成される。シール用のボール1034は、外径が約0.037インチ(0.940mm)であってカテーテルの壁と堅密に係合し且つ該カテーテルの壁を若干圧縮し且つ/又は変形させて、流体−開存状態の摩擦シール接触を提供している。カニューレ1032a,1032bは、堅牢(例えば、金属)であるのが好ましく且つ内径が約0.034インチ(0.864mm)である。この内径は、シール用ボール1034をその中を通過させない。把持部材1035の外径は約0,035インチ(0.889mm)である。
【0062】
当業者は,本明細書において積極的に示されていない実施形態を本発明の範囲内で実施することができること、例えば、ここに提供されている特許請求の範囲内に含まれる状態で、種々の実施形態についてここに記載されている特徴を相互に及び/又は現在知られているか若しくは更に開発される技術と組み合わせることができることがわかるであろう。(このような技術としては、例えば、ここに提供されている特許請求の範囲の範囲内に包含された状態で、内視鏡外科手術用の器具がそれを越えて通過するのを許容しつつカテーテル管腔をシールするのに有用な種々のタイプの弁、又は細長い外科用器具がそれを越えて通過するのを許容しつつカテーテル管腔をシールするようにされている取り外し可能な外形が小さいクランプがある)従って、上記の詳細な説明は限定を意図したものではなく単なる例示とみなされるものであることが意図されている。更に、全ての等価物を含む添付の特許請求の範囲が本発明の精神及び範囲を規定することを意図しているものであることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0063】
100 カテーテル、バルーンカテーテル、
102 ループ、 104 バルーン、
110 マニホールド、 120 弁、
150 十二指腸、 152 十二指腸内視鏡、
154 オッディ括約筋、 156 総胆管、
157 肝管、 158 ガイドワイヤ、
160 極細内視鏡、極細カテーテル、
162 生検用鉗子、 200 カテーテル、
210 カテーテルハブ、 212 ルアー型コネクタ、
213 ウイング、 300 カテーテル、
306 主管腔、 308 管腔、
310 マニホールド、 312 ルアー型コネクタ、
314 直線状の分岐部、 316 コネクタ、
318 側方分岐部、 400 カテーテル、
401 カテーテル本体、 402 ループ状の先端、
404 バルーン、 406 主管腔、
408 分岐部の管腔、 410 マニホールド、
412 コネクタ端部、 416 近位の主本体コネクタ、
418 側方分岐部、 420 弁、
424 膨張用管腔、 426 バルーン膨張用管腔、
427 トーイボースト型シール、 431 補強ワイヤ、
432 カニューレ、 433 シール作動用スタイレット、
434 遠位本体、 440 プラグ、
441 圧縮シール、 443 摺動部材、
445 コイル、 490 膨張用注射器、
500 バルーンカテーテル、 501 カテーテル本体、
504 バルーン、 510 ハブ、
520 弁シール、 524 カテーテルの管腔、
600 カテーテル、 601 カテーテル本体、
603 カテーテルの側方穴、 620 弁、
624 カテーテルの管腔、 629 接着剤、
670 ハウジング、 672 側方穴、
674 プランジャ、 675 プランジャの遠位端、
676 近位のストッパ、 677 遠位のストッパ、
690 弁、 692 プランジャ、
694 プランジャの端部、 700 バルーンカテーテル、
701 カテーテル本体、 720 弁、
724 カテーテル管腔、 759 流体連通通路、
765 戻り止めコネクタ、 766 うね状突起、
767 溝、 768 第二の溝、
770 ハウジング、 771 内側面、
775 ねじ込みコネクタ、 776 ねじが切られている面、
777 ねじが切られている面、 792 ピストン、
793 溝、 794 O−リング、
800 バルーンカテーテル、 801 管状本体、
802 ループ状の先端、 804 バルーン、
810 ハブ、 824 管腔、
831 補強ワイヤ、 832 カニューレ、
840 芯線、 841 摩擦嵌合部、
845 コイル、 900 バルーンカテーテル、
901 カテーテルの壁、 904 バルーン、
905 バルーンの内腔、 920 弁機構、
924 カテーテル管腔、 925 穴、
995 弁スリーブ、 996 弁フラップ、
997 傾斜部、 998 ワイヤ、
1000 カテーテル、 1001 カテーテル本体、
1008 側枝管腔、 1010 マニホールド、
1012 流体供給源用コネクタ端部、 1018 側方分岐部、
1024 カテーテル管腔、 1024a 側方穴、
1032a 近位のカニューレ、 1032b 遠位のカニューレ、
1033 シールロッド部材、 1034 遠位のシール用ボール、
1035 把持部材、 1043 圧縮部材
【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図10A】
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【図10B】
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【公表番号】特表2013−509244(P2013−509244A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536882(P2012−536882)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/053478
【国際公開番号】WO2011/053500
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】