説明

取付けシステム及び取付け方法

【課題】ウインドウワイパ駆動装置用の簡単に組立可能な取付けシステムを提供する。
【解決手段】第1の固定要素105及び第2の固定要素110を備え、第1の固定要素が、ウインドウワイパ駆動装置115の柱状の端部区分135を収容するための第1の孔155と、ウインドウワイパ駆動装置の駆動軸130を通し案内するための、第1の孔に対して同軸的に延び軸方向で隣接する第2の孔165と、第2の固定要素110に当接する、第1の孔の領域に設けられた第1の当接要素180と、ボデー要素122の透視パネル120を通る通し案内部150に当接する、第2の孔の領域に設けられた第2の当接要素185とを備え、第2の固定要素が、第1の固定要素のための、第1の固定要素の第1の当接要素に対応する収容部205と、ボデー要素への形状結合式の取付けのための第1及び第2の保持要素210とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透視パネルを備えるボデー要素にウインドウワイパ駆動装置を取り付けるための取付けシステムに関する。
【0002】
さらに本発明は、この取付けシステムを用いて透視パネルを備えるボデー要素にウインドウワイパ駆動装置を取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ウインドウワイパ駆動装置、例えば自動車のリヤウインドウ用のウインドウワイパ駆動装置は、一般に、減速伝動装置及び駆動軸を備える電動モータを有している。駆動軸は、所定の角度の分だけ前後に回転して、駆動軸に結合されたワイパアームがワイパブレードを弧状にリヤウインドウに沿って往復運動させ得るように制御されている。ウインドウワイパ駆動装置は、駆動軸がリヤウインドウの対応する孔あるいは切欠きを通るように取り付けられる。それゆえ、ウインドウワイパ駆動装置を自動車に取り付けるために、複数の構成要素が必要である。第1の構成要素は、リヤウインドウと駆動軸との間に塵埃及び水分に対するシールを形成する。別の構成要素は、ウインドウワイパ駆動装置を摩擦力結合式にリヤウインドウに結合するか、又はリヤウインドウに接続されているボデー部分、特に後部扉に結合する。さらに、ウインドウワイパ駆動装置由来の振動が、自動車の、振動がノイズの形で不快に感じられる可能性のある場所に伝わることがないように、ウインドウワイパ駆動装置の取付け部の振動減衰性のデカップリング(遮断)が必要である。
【0004】
種々異なる要素は、場合によっては、種々異なる自動車モデルにおいて種々異なって形成されていなければならない。その結果、ウインドウワイパ駆動装置を汎用に種々異なる自動車に使用することができるようにするためには、これらの要素の多数の種々異なる態様を準備することが必要となり得る。さらに、場合によっては、それぞれ互いに適合した要素を自動車の製造プロセス中に準備するため、かつ正確に互いに取り付けるためには、物流及び組立に関するかなりのコストあるいは手間を要する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ本発明の課題は、減じられた個数の要素で済む、ウインドウワイパ駆動装置のための簡単に組立可能な取付けシステムを提供することである。
【0006】
さらに本発明の課題は、取付けシステムのための組立方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る、透視パネルを備えるボデー要素にウインドウワイパ駆動装置を取り付けるための取付けシステムでは、第1の固定要素及び第2の固定要素を備え、前記第1の固定要素が、前記ウインドウワイパ駆動装置の柱状の端部区分を収容するための第1の孔と、前記ウインドウワイパ駆動装置の駆動軸を通し案内するための、前記第1の孔に対して同軸的に延び軸方向で隣接する第2の孔と、前記第2の固定要素に当接する、前記第1の孔の領域に設けられた第1の当接要素と、前記ボデー要素の前記透視パネルを通る通し案内部に当接する、前記第2の孔の領域に設けられた第2の当接要素とを備え、かつ前記第2の固定要素が、前記第1の固定要素のための、該第1の固定要素の前記第1の当接要素に対応する収容部と、前記ボデー要素への形状結合式の取付けのための第1及び第2の保持要素とを備えるようにした。
【0008】
好ましい態様は、従属請求項に係る発明である。
【0009】
好ましい態様において、前記第2の固定要素は、前記第1の固定要素を軸方向で前記透視パネルに押し付けるように設けられている。
【0010】
好ましい態様において、前記第1の固定要素は、軸方向で圧縮されたときに半径方向で膨張して、前記透視パネルを通る前記通し案内部及び前記ウインドウワイパ駆動装置の前記柱状の端部区分に圧着されるように設けられている。
【0011】
好ましい態様において、前記第1の当接要素は、軸方向で互いに隣接する3つの柱状の区分を有しており、中央の区分は、前記第2の固定要素の前記収容部の内径に対応する外径を有しており、外側の区分は、より大きな外径を有している。
【0012】
好ましい態様において、前記第2の当接要素は、軸方向で互いに隣接する3つの柱状の区分を有しており、中央の区分は、前記透視パネルの前記通し案内部の内径に対応する外径を有しており、外側の区分は、より大きな外径を有している。
【0013】
好ましい態様において、前記第1の当接要素と前記第2の当接要素とは、該当接要素のそれぞれの外側の区分の外径より小さな外径を有する柱状の区分により互いに分割されている。
【0014】
好ましい態様において、前記第1の固定要素は、軸方向で間隔を置き前記駆動軸に当接する2つのシールリップを備え、該シールリップ間に、グリースを収容するための室が形成されている。
【0015】
好ましい態様において、前記第1の固定要素は、前記第1の孔の領域に、前記ウインドウワイパ駆動装置の前記柱状の端部区分に設けられた環状の溝内において当接するシールリップを備える。
【0016】
好ましい態様において、前記第2の固定要素は、前記ウインドウワイパ駆動装置のトルク支持部材を収容するための切欠きを有している。
【0017】
さらに上記課題を解決するために、本発明に係る、前記取付けシステムを用いて透視パネルを備えるボデー要素にウインドウワイパ駆動装置を取り付ける方法では、以下の工程、すなわち、前記透視パネルの前記通し案内部に前記第1の固定要素を導入して、前記第2の当接要素が前記透視パネルの前記通し案内部に当接するようにする工程、前記第2の固定要素を前記第1の固定要素に、該第1の固定要素の前記第1の当接要素が前記第2の固定要素の前記収容部に当接するように取り付ける工程、前記ウインドウワイパ駆動装置の前記駆動軸及び前記柱状の端部区分を前記第1の固定要素の前記孔に導入する工程、前記第2の固定要素の前記保持要素を前記ボデー要素に取り付ける工程を有するようにした。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る、透視パネルを備えるボデー要素にウインドウワイパ駆動装置を取り付けるための取付けシステムは、第1の固定要素及び第2の固定要素を有している。第1の固定要素は、ウインドウワイパ駆動装置の柱状の端部区分を収容するための第1の孔と、ウインドウワイパ駆動装置の駆動軸を通し案内するための、第1の孔に対して同軸的に延び軸方向で隣接する第2の孔と、第2の固定要素に当接する、第1の孔の領域に設けられた第1の当接要素と、ボデー要素の透視パネルを通る通し案内部に当接する、第2の孔の領域に設けられた第2の当接要素とを有している。第2の固定要素は、第1の固定要素のための、第1の固定要素の第1の当接要素に対応する収容部と、ボデー要素への形状結合式の取付けのための第1及び第2の保持要素とを有している。
【0019】
本発明に係る取付けシステムにより、透視パネルに対するウインドウワイパ駆動装置のシールの役割及びウインドウワイパ駆動装置とボデー要素との振動のデカップリングの役割を、組み込まれた第1の固定要素により果たすことが可能である。ボデー要素へのウインドウワイパ駆動装置の摩擦力結合式の取付けは、第2の固定要素を用いて行われる。第2の固定要素は、「堅固に」ボデー要素に取付け可能である。すなわち、デカップリング要素はこの領域では不要である。例えばカバーキャップを用いた、ウインドウワイパ駆動装置の端部区分の軸方向のカバーは、省略可能である。
【0020】
両固定要素は、互いに調整されており、種々異なるボデー要素及び/又は種々異なるウインドウワイパ駆動装置においてユニット形式あるいはモジュール形式で使用するために、種々異なる変化態様で製造可能である。ウインドウワイパ駆動装置の種々異なる態様は、これにより削減可能である。
【0021】
第2の固定要素は、第1の固定要素を軸方向で透視パネルに押し付けるように調整されていてよい。これにより、第1の固定要素の振動減衰を改善することができ、かつ第1の固定要素と透視パネルとの間の保持力を増大させることができる。
【0022】
第1の固定要素は、軸方向で圧縮されたときに半径方向で膨張して、透視パネルを通る通し案内部及びウインドウワイパ駆動装置の柱状の端部区分に圧着されるように調整されていてよい。これにより、ウインドウワイパ駆動装置と第1の固定要素との間の摩擦力結合を改善することができる。結果的に得られた摩擦力結合は、極めて強く、ウインドウワイパ駆動装置は、第1の固定要素の膨張により十分強固に保持される。その結果、ウインドウワイパ駆動装置のその他の支持手段を不要とすることができる。
【0023】
別の態様では、第1の当接要素が、軸方向で互いに隣接する3つの柱状の区分を有しており、中央の区分は、第2の固定要素の収容部の内径に対応する外径を有しており、外側の区分は、より大きな外径を有している。
【0024】
これにより、第1の固定要素と第2の固定要素との間の係合は、外側の区分間で実施可能である。その結果、両固定要素は、軸方向でも半径方向でも互いに係合し、良好な固定を達成することができる。
【0025】
相応に、第2の当接要素は、軸方向で互いに隣接する3つの柱状の区分を有していてよく、中央の区分は、透視パネルの通し案内部の内径に対応する外径を有しており、外側の区分は、より大きな外径を有している。
【0026】
これにより、上述のように、透視パネルと第1の固定要素との間の軸方向及び半径方向の摩擦力結合を改善することができる。
【0027】
両当接要素は、上述のように形成されている場合、両当接要素のそれぞれの外側の区分の外径より小さな外径を有する柱状の区分により互いに分割されていてよい。
【0028】
これにより、当接要素間のデカップリングを実現することができる。当接要素間のデカップリングは、ウインドウワイパ駆動装置と透視パネルとの間の、制限された範囲での所定の柔軟性により可能となる。
【0029】
第1の固定要素は、軸方向で間隔を置き駆動軸に当接する2つのシールリップを備えていてよく、シールリップ間には、グリースを収容するための室が形成されている。グリースは、第1の固定要素とウインドウワイパ駆動装置の駆動軸との間の摩擦係数を低下させることに寄与し得るとともに、駆動軸に対する第1の固定要素のシール作用を助成することに寄与し得る。適当なグリースにより、シールリップは、長時間にわたっても柔軟に維持され得るので、より長い間良好なシール作用を発現することができる。
【0030】
さらに第1の固定要素は、第1の孔の領域に、ウインドウワイパ駆動装置の柱状の端部区分に設けられた環状の溝内において当接するシールリップを有していてよい。これにより、第1の固定要素へのウインドウワイパ駆動装置の係止が組立中に可能となる。これにより、ウインドウワイパ駆動装置が第1の固定要素に関して正確に嵌合したことを作業員は組立中に知ることができる。さらにシールリップは、第1の固定要素に関するウインドウワイパ駆動装置の固定を改善することに寄与し得る。
【0031】
第2の固定要素は、ウインドウワイパ駆動装置のトルク支持部材を収容するための切欠きを有していてよい。この場合、第1の固定要素は、ウインドウワイパ駆動装置と透視パネルあるいは第2の固定要素との間で軸方向力を伝えるだけでよく、相応に小さく寸法設定可能である。
【0032】
本発明に係る、上述の取付けシステムを用いて透視パネルを備えるボデー要素にウインドウワイパ駆動装置を取り付ける方法は、透視パネルの通し案内部に第1の固定要素を導入して、第2の当接要素が透視パネルの通し案内部に当接するようにする工程、第2の固定要素を第1の固定要素に、第1の固定要素の第1の当接要素が第2の固定要素の収容部に当接するように取り付ける工程、ウインドウワイパ駆動装置の駆動軸及び柱状の端部区分を第1の固定要素の孔に導入する工程、第2の固定要素の保持要素をボデー要素に取り付ける工程を有している。
【0033】
有利には、上述の取付けシステムは、ウインドウワイパ駆動装置をボデー要素に取り付けるために、順序の明確な簡単な作業工程で使用される。これにより、ウインドウワイパ駆動装置がボデー要素に不正確に取り付けられることに伴って生じるコストは、回避可能である。
【0034】
以下に、本発明について添付の図面を参照しながら詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】取付けシステムの縦断面図である。
【図2】図1に示した取付けシステムの一要素の縦断面図である。
【図3】図1に示した取付けシステムの別の要素の平面図である。
【図4】図1に示した取付けシステムを用いてウインドウワイパ駆動装置をボデー要素に取り付ける方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、取付けシステム100の縦断面図である。取付けシステム100は、第1の固定要素105及び第2の固定要素110を有している。さらに、ウインドウワイパ駆動装置115と、ボデー要素122の一部である透視パネルあるいはウインドウ(Sichtscheibe)120とが示されている。ウインドウワイパ駆動装置115は、駆動モータ125及び駆動軸130を有している。駆動モータ125は、有利には電気的な駆動モータであり、任意選択的に減速伝動装置を有している。駆動モータ125は、軸方向で柱状の区分あるいは円柱状の区分135で終端している。柱状の区分135は、環状の溝140を有している。駆動軸130は、柱状の区分135に対して同軸的に、長手方向軸線145に沿って延びている。
【0037】
ウインドウワイパ駆動装置115の駆動軸130は、透視パネル120に設けられた通し案内部150を通って延びている。
【0038】
第1の固定要素105は、永久弾性の材料、例えばプラスチック又はゴムからなり、長手方向軸線145に対して回転対称に成形されている。第1の固定要素105は、第1の孔155を有している。第1の孔155内には、柱状の区分135の一部が、形状結合(formschluessig:形状による束縛)式に収容されている。第1の固定要素105の、第1の孔155の領域に設けられた環状のシールリップ160は、形状結合式にウインドウワイパ駆動装置115の駆動モータ125の柱状の区分135の環状の溝140内に位置している。
【0039】
第1の固定要素105に設けられた第2の孔165は、軸方向で第1の孔155に隣接している。ウインドウワイパ駆動装置115の駆動軸130は、第2の孔165を通って延びている。第2の孔165の内面には、2つの環状のシールリップ170が、長手方向軸線145に沿って互いに間隔を置いて成形されている。シールリップ170と駆動軸130との間には、封止用あるいは潤滑用のグリースを収容するためのグリース溜めが形成されている。
【0040】
第1の固定要素105は、外面において、左から右に7つの軸方向の区分105.1〜105.7に区分されている。軸方向の区分105.1〜105.3は、第1の当接要素180を形成し、軸方向の区分105.5〜105.7は、第2の当接要素185を形成している。第1の当接要素180と第2の当接要素185との間には、第1の固定要素105の軸方向の区分105.4が位置している。
【0041】
第1の当接要素180の中央の区分である区分105.2は、第2の固定要素110の厚さに対応する軸方向の延在長さを有している。区分105.6の軸方向の延在長さは、透視パネル120の厚さに対応している。残りの区分105.1,105.3,105.4,105.5,105.7は、略同じ軸方向の延在長さを有している。第1の孔155と第2の孔165との間の移行は、区分105.4の領域においてなされる。
【0042】
第1の当接要素180の中央の区分105.2の両側にある区分105.1,105.3の外径は、中央の区分105.2より大きな外径を有している。右側に配置された区分105.3の外径は、左側に配置された区分105.1の外径より大きい。
【0043】
第2の当接要素185の中央の区分105.6の両側にある区分105.5,105.7は、相応に、中央の区分105.6より大きな外径を有している。左側に配置された区分105.5の外径は、右側に配置された区分105.7の外径より大きい。
【0044】
第1の当接要素180の中央の区分105.2の外径は、第2の当接要素185の中央の区分105.6の外径より大きいが、中央の区分105.2の領域における壁厚さは、中央の区分105.6の領域における壁厚さより小さい。
【0045】
図2は、図1に示した取付けシステム100の第1の固定要素105の縦断面図である。第2の固定要素110、ウインドウワイパ駆動装置115及び透視パネル120は、図示されていない。
【0046】
図3は、図1に示した取付けシステム100の第2の固定要素110の平面図である。第1の固定要素105、ウインドウワイパ駆動装置115及び透視パネル120は、図示されていない。第2の固定要素110は、有利には金属薄板からなり、平たんであるか、又は平たんな金属薄板から製造可能である。第2の固定要素110は、図1に示すように、区分105.1と区分105.3との間の領域において第1の固定要素105の第1の当接要素180に当接するための収容部205を有している。第2の固定要素110が第1の固定要素105に取り付けられているとき、長手方向軸線145は、収容部205の中央を通って延びている。長手方向軸線145に関してそれぞれ異なる半径方向で、2つの保持要素210が延びている。保持要素210は、保持要素210の端部に開口215を有している。開口215により、ねじ、リベット、ピンその他の取付け要素が、第2の固定要素110の保持要素210をボデー要素122に結合するために収容可能である。図1に示した透視パネル120は、その一部である。
【0047】
第2の固定要素110は、2つの曲げ線220に沿って90゜より小さな角度で折曲されている。別の実施の形態では、第2の固定要素110が、さらに外側で、保持部材210の領域において、曲げ線220に対して平行に延びる曲げ線に沿って逆向きに曲げられていてよい。その結果、保持要素210は、段違い平行に曲げられている。
【0048】
第2の固定要素110は、保持要素210によりボデー要素122に取り付けられたとき、軸方向の力を第1の固定要素105に及ぼすように曲げられている。第1の固定要素105は、相応に、第2の固定要素110と透視パネル120との間で軸方向で圧縮される。したがって、第1の固定要素105は、軸方向に膨張する。その結果、許容荷重の高い摩擦力結合(Kraftschluss:摩擦力による束縛)が、第1の固定要素105と透視パネル120との間、及び第1の固定要素105とウインドウワイパ駆動装置115の柱状の区分135との間に生じる。一実施の形態では、この摩擦力結合は、ウインドウワイパ駆動装置115を軸方向でも、長手方向軸線145周りの回転方向でも固定するに十分である。別の実施の形態では、ウインドウワイパ駆動装置115の駆動モータ125に、第2の固定要素110の収容部225に係合する突起が設けられている。図示の収容部225は、択一的には、第2の固定要素110を半径方向で第1の固定要素105に係合させるために使用されてもよい。収容部225が上述のようには設けられていない場合、第1の固定要素105への第2の固定要素110の取付けは、長手方向軸線145に関して軸方向で実施されてもよい。
【0049】
図4は、図1に示した取付けシステム100を用いて透視パネル120を備えるボデー要素122にウインドウワイパ駆動装置115を取り付ける方法400のフローチャートである。
【0050】
第1の工程405において、第1の固定要素105を透視パネル120の通し案内部150に導入する。この工程は、第1の固定要素105の柔軟性により助成される。
【0051】
第2の工程410において、第2の固定要素110を第1の固定要素105に取り付ける。図3との関連で上述したように、取付けは、収容部225を用いて半径方向で実施されてもよいし、第1の固定要素105の柔軟性を利用して軸方向で実施されてもよい。
【0052】
次の工程415において、ウインドウワイパ駆動装置115を第1の固定要素105に導入する。その結果、柱状の区分135は、第1の孔155内に位置するようになり、第1の固定要素105の環状のシールリップ160は、柱状の区分135の環状の溝140内に係止する。このとき、駆動軸130は、第2の孔165を通って延びており、シールリップ170の領域において第1の固定要素105に接触し、かつ透視パネル120の通し案内部150を通って延びている。
【0053】
最終的に、最後の工程420において、第2の固定要素110をボデー要素122に取り付ける。取付けは、有利には、セルフロック式のねじにより実施される。ねじは、保持要素210の開口215を通って延びている。
【符号の説明】
【0054】
100 取付けシステム、 105 第1の固定要素、 105.1〜105.7 軸方向の区分、 110 第2の固定要素、 115 ウインドウワイパ駆動装置、 120 透視パネル、 122 ボデー要素、 125 駆動モータ、 130 駆動軸、 135 柱状の区分、 140 溝、 145 長手方向軸線、 150 通し案内部、 155 第1の孔、 160 シールリップ、 165 第2の孔、 170 シールリップ、 180 第1の当接要素、 185 第2の当接要素、 205 収容部、 210 保持要素、 215 開口、 220 曲げ線、 225 収容部、 400 方法、 405 第1の工程、 410 第2の工程、 415 第3の工程、 420 第4の工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透視パネル(120)を備えるボデー要素(122)にウインドウワイパ駆動装置(115)を取り付けるための取付けシステム(100)において、第1の固定要素(105)及び第2の固定要素(110)を備え、
前記第1の固定要素(105)が、
‐前記ウインドウワイパ駆動装置(115)の柱状の端部区分(135)を収容するための第1の孔(155)と、
‐前記ウインドウワイパ駆動装置(115)の駆動軸(130)を通し案内するための、前記第1の孔(155)に対して同軸的に延び軸方向で隣接する第2の孔(165)と、
‐前記第2の固定要素(110)に当接する、前記第1の孔(155)の領域に設けられた第1の当接要素(180)と、
‐前記ボデー要素(122)の前記透視パネル(120)を通る通し案内部(150)に当接する、前記第2の孔(165)の領域に設けられた第2の当接要素(185)と、
を備え、かつ
前記第2の固定要素(110)が、
‐前記第1の固定要素(105)のための、該第1の固定要素(105)の前記第1の当接要素(180)に対応する収容部(205)と、
‐前記ボデー要素(122)への形状結合式の取付けのための第1及び第2の保持要素(210)と、
を備えることを特徴とする、取付けシステム。
【請求項2】
前記第2の固定要素(110)は、前記第1の固定要素(105)を軸方向で前記透視パネル(120)に押し付けるように設けられている、請求項1記載の取付けシステム。
【請求項3】
前記第1の固定要素(105)は、軸方向で圧縮されたときに半径方向で膨張して、前記透視パネル(120)を通る前記通し案内部(150)及び前記ウインドウワイパ駆動装置(115)の前記柱状の端部区分(135)に圧着されるように設けられている、請求項2記載の取付けシステム。
【請求項4】
前記第1の当接要素(180)は、軸方向で互いに隣接する3つの柱状の区分(105.1,105.2,105.3)を有しており、中央の区分(105.2)は、前記第2の固定要素(110)の前記収容部(205)の内径に対応する外径を有しており、外側の区分(105.1,105.3)は、より大きな外径を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の取付けシステム。
【請求項5】
前記第2の当接要素(185)は、軸方向で互いに隣接する3つの柱状の区分(105.5,105.6,105.7)を有しており、中央の区分(105.6)は、前記透視パネル(120)の前記通し案内部(150)の内径に対応する外径を有しており、外側の区分(105.5,105.7)は、より大きな外径を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の取付けシステム。
【請求項6】
前記第1の当接要素(180)と前記第2の当接要素(185)とは、該当接要素(180,185)のそれぞれの外側の区分(105.1,105.3,105.5,105.7)の外径より小さな外径を有する柱状の区分(105.4)により互いに分割されている、請求項4又は5記載の取付けシステム。
【請求項7】
前記第1の固定要素(105)は、軸方向で間隔を置き前記駆動軸(130)に当接する2つのシールリップ(170)を備え、該シールリップ(170)間に、グリースを収容するための室(175)が形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の取付けシステム。
【請求項8】
前記第1の固定要素(105)は、前記第1の孔(155)の領域に、前記ウインドウワイパ駆動装置(115)の前記柱状の端部区分(135)に設けられた環状の溝(140)内において当接するシールリップ(160)を備える、請求項1から7までのいずれか1項記載の取付けシステム。
【請求項9】
前記第2の固定要素(110)は、前記ウインドウワイパ駆動装置(115)のトルク支持部材を収容するための切欠き(225)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載の取付けシステム。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載の取付けシステム(100)を用いて透視パネル(120)を備えるボデー要素(122)にウインドウワイパ駆動装置(115)を取り付ける方法(400)において、以下の工程、すなわち、
‐前記透視パネル(120)の前記通し案内部(150)に前記第1の固定要素(105)を導入して、前記第2の当接要素(185)が前記透視パネル(120)の前記通し案内部(150)に当接するようにする工程(405)、
‐前記第2の固定要素(110)を前記第1の固定要素(105)に、該第1の固定要素(105)の前記第1の当接要素(180)が前記第2の固定要素(110)の前記収容部(205)に当接するように取り付ける工程(410)、
‐前記ウインドウワイパ駆動装置(115)の前記駆動軸(130)及び前記柱状の端部区分(135)を前記第1の固定要素(105)の前記孔(155,165)に導入する工程(415)、
‐前記第2の固定要素(110)の前記保持要素(210)を前記ボデー要素(122)に取り付ける工程(420)、
を有することを特徴とする、取付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−106730(P2012−106730A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250652(P2011−250652)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】