説明

取付具

【課題】電子機器を被取付部材に取り付けた状態で、電子機器の取付方向を容易に変更できる取付具を提供する。
【解決手段】自転車のハンドルバーにはマウントが取り付けられる。サイコン20の底面28に設けられた取付本体部30は4本の係止爪部35〜38を備える。係止爪部35〜38は十字方向に各々延出する。マウントの穴部には4つの被係止部が設けられている。被係止部は穴部を軸方向から見た場合に90°ずつずれた位置に設けられている。取付本体部30をマウントの穴部に挿入し、係止爪部35〜38を各被係止部に係止させる。サイコン20はマウントに取り付けられる。この状態から取付本体部30を90°回転させると、係止爪部35〜38は4つの被係止部の何れかに係止する。故にサイコン20をハンドルバーに取り付けた状態で、サイコン20の取付方向を容易に変更できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被取付部材に電子機器を取り付ける為の取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サイクルコンピュータのような表示部を有する電子機器を自転車のハンドルに取付けるための取付具が知られている。例えば、大きさや厚さ寸法の異なる電子機器を、同一のブラケット(本願の「マウント」に相当)を介して被取付部材に着脱自在に取付けることができる電子機器の取付構造が知られている(例えば特許文献1参照)この取付構造では、被取付部材に固定されたブラケットにフックを設けている。このフックに、電子機器の本体に取付けられた一方のバンドに穿設された穴部を掛止する。さらに他方のバンドに長穴部を穿設し、この長穴部の適宜位置にねじを挿通させて、該ねじをブラケットに形成されたねじ穴に螺合させて締め付ける。これにより上記電子機器をブラケットに着脱自在に取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−332344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電子機器の取付構造では、電子機器の表示部に表示される画像の表示方向が変更された場合、使用者は一旦、ブラケットを自転車から取り外し、画像の表示方向に合わせてブラケットを付け直す必要があり手間であった。
【0005】
本発明の目的は、電子機器を被取付部材に取り付けた状態で、電子機器の取付方向を容易に変更できる取付具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る取付具は、電子機器を被取付部材に取り付ける為の取付具であって、前記被取付部材に取り付けられるマウントと、前記マウントに着脱可能に取り付けられ、前記電子機器のケースに設けられる本体部とを備え、前記本体部は、前記マウント側に突出する柱状の突起部と、前記突起部を突出方向から見た場合に前記突起部の外周より十字方向に各々突出する4つの係止爪とを備え、前記マウントは、前記突起部が挿入される有底の穴部と、前記穴部の内周から径方向内側に突出し、かつ前記穴部を軸方向から見た場合に90°ずつずらした位置に各々設けられ、前記穴部に前記突出部が挿入された状態で前記係止爪に係止可能な4つの被係止部とを備える。
【0007】
第一態様によれば、本体部の突起部をマウントの穴部に挿入し、4つの係止爪を穴部に設けられた4つの被係止部に係止させることにより、本体部がマウントに取り付けられる。被係止部は90°ずつずらした位置に各々設けられているので、本体部を45°ずつ回転させて取り付けることができる。それ故、マウントを被取付部材から取り外すことなく、被取付部材に対して電子機器の取付方向を45°ずつ回転させることができる。
【0008】
第一態様において、前記係止爪の先端部には第1凹部が設けられ、前記穴部の内周面であって4つの前記被係止部に各々対応する位置には、前記第1凹部に嵌合可能な第1凸部が各々設けられていてもよい。被係止部に係止爪が各々係止した状態において、係止爪の先端部に設けられた第1凹部が、穴部の内周面に設けられた4つの第1凸部に各々嵌合するので、マウントに対して本体部が回転しないように位置決めできる。
【0009】
第一態様において、前記突起部における前記穴部の底部に対向する先端部であって4つの前記係止爪に各々対応する十字方向の位置には第2凹部が各々設けられ、前記穴部の底部であって4つの前記被係止部のうち少なくとも互いに対向する一対の前記被係止部に各々対応する位置には、前記穴部の深さ方向に撓み可能な一対の弾性部が設けられ、前記一対の弾性部には、前記第2凹部に嵌合可能な第2凸部が各々設けられていてもよい。被係止部に係止爪が各々係止した状態において、その被係止部に対応するマウントの穴部の底部に設けられた一対の第2凸部と、前記突起部の先端部に設けられた4つの第2凹部のうちの2つの第2凹部とが嵌合するので、被係止部対して係止部の位置が回転してずれるのを防止できる。
【0010】
第一態様において、前記弾性部は板バネであってもよい。弾性部は板バネであるので第2凸部を穴部の深さ方向に容易に撓ませることができる。そして板バネの弾性復帰力によって第2凸部は第2凹部に落着して強固に嵌合できる。それ故、被係止部対して係止部の位置が回転してずれるのを確実に防止できる。
【0011】
第一態様において、前記一対の弾性部に設けられた一対の前記板バネは、前記底部の中央部で互いに連結され、当該中央部を基点として前記中央部とは反対側の先端側が前記深さ方向にそれぞれ撓み可能であってもよい。一対の板バネは底部の中央部で互いに連結され、その中央部を基点として先端側が撓む。それ故、簡単な構成で、互いに対向する位置にある一対の第2凸部を、板バネの弾性復帰力を利用して、突起部の先端部にある一対の第2凹部に落着させて嵌合させることができる。
【0012】
第一態様において、前記第2凸部は、前記穴部の前記底部の中央部から前記径方向外側に向かって前記底部からの高さが徐々に高くなる形状を備え、前記第2凹部は、前記第2凸部の形状に対応する深さ形状を備えてもよい。第2凸部は中央部から径方向外側に向かって高さが徐々に高くなる形状であるので、第2凸部の径方向外側の部分において第2凹部に対してより確実に嵌合できる。板バネの先端側は第2凸部の底部からの高さが高くなるが、板バネの先端側は最も撓み可能である。それ故、使用者がマウントに対して本体部を回転させると、第2凸部は板バネを押し下げて第2凹部から抜け出すことができるので、マウントに対して本体部の回転位置を自由に変えることができる。
【0013】
第一態様において、前記マウントは上面、底面、及び側面を備えた台座状に形成され、前記穴部は前記上面に形成され、前記側面には前記被取付部材に前記マウントを取り付ける結束部材を通す為の通し孔が設けられていてもよい。側面に設けられた通し孔に結束部材を通し、被取付部材に結束することにより、マウントに対して本体部を取り付けることができる。それ故、電子機器のケースを被取付部材に取り付けることができる。
【0014】
第一態様において、前記側面は少なくとも互いに対向する位置関係にある一対の対向側面を備え、前記通し孔は前記一対の対向側面を各々貫通して設けられていてもよい。通し孔は一対の対向側面を各々貫通しているので、その通し孔に結束部材を通すことができるので、マウントをバランスよく被取付部材に取り付けることができる。
【0015】
第一態様において、前記通し孔は、前記一対の対向側面において前記穴部の前記底部よりも前記底面側に設けられていてもよい。通し孔は穴部の底部よりもマウントの底面側に設けられているので、穴部の内側に結束部材が位置しない。それ故、マウントに対して穴部をより大きくすることができる。穴部を大きくできるので、それに取り付ける本体部を大きくできるので、マウントに対して本体部を頑丈に取り付けることができる。
【0016】
第一態様において、前記一対の対向側面は、前記一対の板バネに各々対応する前記一対の被係止部が設けられた位置に各々対応し、前記通し孔は前記対向側面の幅方向両側に各々設けられていてもよい。通し孔は一対の板バネに対応する一対の対向側面の幅方向両側に設けられているので、通し孔に通される結束部材が一対の板バネ上に配置されない。それ故、マウント側の第2凸部が、突起部側の第2凹部に嵌合するのを邪魔しないようにできる。
【0017】
第一態様において、前記マウントの前記底面側には、前記被取付部材に接触する接触部材が設けられ、前記接触部材は弾性を有する材質で形成されていてもよい。被取付部材に接触する接触部材が弾性を有する材質であるので、被取付部材に対してマウントをガタなく密着させて取り付けることができる。また被取付部材が損傷するのを防止できる。被取付部材の振動がマウントに直接伝わるのを防止できる。
【0018】
第一態様において、前記接触部材はゴム状の材質で形成されていてもよい。接触部材は例えばゴムやエラストマーのようなゴム状の材質で形成されているので、被取付部材に対する滑り止め効果を得ることができる。
【0019】
第一態様において、前記マウントは前記底面側に開口部を有する筐体であって、前記接触部材の前記マウントの前記底面側に対向する上面には、前記開口部を介して、前記穴部の前記底部の前記中央部に当接する当接部が設けられていてもよい。接触部材の当接部が、マウントの穴部の底部の中央部に当接するので、その中央部において連結する一対の板バネを底面側から支持できる。
【0020】
第一態様において、前記接触部材の前記上面において、前記一対の対向側面の前記幅方向両側に対応する一対の部分には、前記通し孔に通される前記結束部材から離間する位置まで低く形成された段部が各々設けられている。通し孔に通された結束部材は、接触部材に干渉することなく段部上に配置されるので、マウント内部において結束部材を容易に通すことができる。
【0021】
第一態様において、前記被取付部材は円筒状又は円柱状であって、前記接触部材の前記被取付部材が接触する下面には、前記被取付部材の外周形状に対応する湾曲形状を備えた湾曲部が設けられていてもよい。円筒状又は円柱状の被取付部材の外周形状に合わせて、接触部材の湾曲部を接触させることができるので、マウントを接触部材を介してずれることなく取り付けることができる。
【0022】
第一態様において、前記湾曲部は、前記通し孔の前記延設方向に対して直交する方向に延設されている。湾曲部は通し孔の延設方向に対して直交する方向に延設されているので、被取付部材の長手方向に対して直交する方向に、被取付部材に対して結束部材を結束することができる。それ故、マウントを被取付部材に容易に取り付けることができる。
【0023】
第一態様において、前記被取付部材は二輪車のフレームであってもよい。二輪車のフレームに対して、電子機器の取り付け角度を容易に変更できる
【0024】
第一態様において、前記電子機器は、前記電子機器は、長方形状の表示部を備え、前記表示部に表示される画像の向きが変更可能であってもよい。例えば電子機器の表示部に表示される画像の表示向きを変えた場合でも、マウントを被取付部材から取り外すことなく、その表示向きに対して電子機器の取付角度を容易に替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】自転車100の側面図である。
【図2】サイコン20がマウント50を介してハンドルバー15に取り付けられた状態を示す図である。
【図3】サイコン20を下方から見た斜視図である。
【図4】サイコン20の正面図である。
【図5】サイコン20の底面図である。
【図6】マウント50の斜視図である。
【図7】マウント50の平面図である。
【図8】マウント50の底面図である。
【図9】台座シート90の上方から見た斜視図である。
【図10】台座シート90を下方から見た斜視図である。
【図11】マウント50に対して斜め方向に配置したサイコン20の図である。
【図12】マウント50に対して縦方向に取り付けたサイコン20の図である。
【図13】マウント50に対して横方向に取り付けたサイコン20の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0027】
先ず、電子機器が取り付けられる自転車100の構造について、図1,図2を参照して簡単に説明する。以下説明では、図2の右斜め上方、左斜め下方、右方、左方を、夫々、自転車100の前方、後方、右方、左方とする。自転車100は、例えばマウンテンバイクと呼ばれる不整地走行が可能なものである。自転車100は、フレーム1、駆動部5、前輪6、後輪7、前後のブレーキ装置9A,9B等を備える。フレーム1は、フレーム体2、フロントフォーク3、及びハンドル部4を有する。フレーム体2は、パイプを溶接して製作される。フレーム体2には、サドル13や駆動部5を含む各部が取り付けられている。フロントフォーク3は、フレーム体2の前部に斜めに傾いた軸回りに揺動自在に装着される。ハンドル部4は、ハンドルステム14とハンドルバー15を備える。ハンドルステム14は、フロントフォーク3の上部に固定される。ハンドルバー15は、ハンドルステム14に固定される。ハンドルバー15は左右方向にかつ水平に延設される。
【0028】
ハンドルバー15の略中央の上部には、マウント50が取り付けられている。マウント50には、サイクルコンピュータ(以下「サイコン」と呼ぶ。)20が着脱可能に取り付けられる。サイコン20は電子機器の一例である。サイコン20は、例えば、自転車100の走行速度や走行距離等の走行情報を表示可能である。具体的には、例えば、自転車100の走行に伴い、後輪7のスポークに取り付けた速度検出用マグネット(図示略)の回転を速度検出器(図示略)で検出し、該速度検出器から出力される回転速度に対応したパルス信号に基づき、自転車100の走行速度及び走行距離等の各種情報を算出して表示できる。
【0029】
ハンドルバー15の両端には、ブレーキレバー16とグリップ17が装着されている。ブレーキレバー16とグリップ17は、前後のブレーキ装置9A,9Bを操作する為のものである。駆動部5は、ギアクランク11とチェーン18を備える。ギアクランク11は、フレーム体2の下部に設けられている。チェーン18は、ギアクランク11に掛け渡されている。
【0030】
そして、本実施形態は、サイコン20をマウント50に対して45°の回転で取り付けることができる。さらに、サイコン20をハンドルバー15に取り付けたままの状態で、サイコン20の向きを90°ずつ変えることができる。例えば、サイコン20に表示される画像の縦又は横の表示方向に合わせてサイコン20の向きを変えることができる。
【0031】
以下、サイコン20をハンドルバー15に対して45°の回転で取り付け可能とする取付具の構成について説明する。図3の左斜め下方、右斜め上方、右斜め下方、左斜め上方を、夫々、サイコン20の前方、後方、左方、右方とする。図4の上方、下方、右方、左方、紙面手前方向、紙面奥行き方向を、サイコン20の上方、下方、右方、左方、前方、後方とする。図5の下方、上方、右方、左方を、夫々、サイコン20の前方、後方、左方、右方とする。
【0032】
先ず、サイコン20の筐体構造について説明する。図2に示すように、サイコン20は筐体21を備える。筐体21は樹脂製である。筐体21は例えば一方向に長手を有する略直方体状のケースである。筐体21は、前面23、背面24、右側面25、左側面26、上面27、及び底面28を備える。筐体21の各角部はテーパ状に形成されている。上面27には表示部29が設けられている。表示部29は平面視長方形状である。表示部29には、例えば、自転車100の走行速度や走行距離等の走行情報等が表示される。表示部29は例えば抵抗膜式のタッチパネルを搭載する。抵抗膜式のタッチパネルは、自転車100に乗るときに、例えば手袋をしていたり、汗をかいている場合でも、タッチパネルの反応性を維持できる点で特に有効である。使用者は、表示部29に表示された操作部(図示略)に指でタッチして入力操作を行うことができる。表示部29に表示される画像の表示方向は、例えば縦方向と横方向の何れかに変更可能である。縦方向とは例えば前記一方向に沿った長手方向である。横方向とは例えば前記一方向に直交する短手方向である。
【0033】
図2に示すように、右側面25の前側部分には、円形状の電源ボタン25Aが設けられている。電源ボタン25Aの押下によってサイコン20の電源のオンオフが切り替わる。図3に示すように、背面24には、例えばメモリカードを挿入可能なメモリ挿入部(図示略)と、USBを接続できるUSB接続部(図示略)とが各々設けられている。これらは不使用時にはカバー24Aで覆われている。
【0034】
次に、サイコン20の底面28に設けられる形状について、図3〜図5を参照して説明する。図3に示すように、底面28には隆起部28Aが設けられている。隆起部28Aは下方に平板状に隆起し、底面視略長方形状である。隆起部28Aの下面略中央には下方に突出する取付本体部30が設けられている。取付本体部30は、突起部31と十字部32を備える。突起部31は例えば略円柱状である。十字部32は、突起部31の下方に突出する先端面に設けられている。十字部32は底面視略十字形状である。十字部32は、4本の係止爪部35〜38を備える。係止爪部35〜38は、突起部31の先端面において十字方向に各々延出する。十字方向は例えば筐体21の前後左右の4方向である。係止爪部35は筐体21の前方に延出する。係止爪部36は筐体21の右方に延出する。係止爪部37は筐体21の後方に延出する。係止爪部38は筐体21の左方に延出する。
【0035】
さらに、突起部31の先端面において、係止爪部35と係止爪部36に挟まれる部分には湾曲凹部41が設けられている。係止爪部36と係止爪部37に挟まれる部分には湾曲凹部42が設けられている。係止爪部37と係止爪部38に挟まれる部分には湾曲凹部43が設けられている。係止爪部38と係止爪部35に挟まれる部分には湾曲凹部44が設けられている。湾曲凹部41〜44は、十字部32の先端面の中心32Aから径方向外側に向かって緩やかに湾曲している。それ故、十字部32は、突起部31の先端面において下方に突出する状態となる。
【0036】
次に、係止爪部35〜38の形状について具体的に説明する。図3〜図5に示すように、係止爪部35〜38は、十字部32の中心32A側においてやや先細り形状を有し、径方向外側に向かって緩やかな幅広に形成されている。係止爪部35〜38の各先端部は、突起部31の外周より径方向外側に突出している。係止爪部35〜38の各先端部は円弧状である。係止爪部35の先端部の幅方向中央には凹部35Aが設けられている。係止爪部36の先端部の幅方向中央には凹部36Aが設けられている。係止爪部37の先端部の幅方向中央には凹部37Aが設けられている。係止爪部38の先端部の幅方向中央には凹部38Aが設けられている。凹部35A〜38Aは中心32A側に例えば円弧状に窪んで形成されている。
【0037】
係止爪部35の先端部と中心32Aとの間には、凹部35Bが設けられている。凹部35Bは、係止爪部35の長手方向に沿って延設され、細長長方形状である。凹部35Bの深さは、中心32A側から先端側にかけて徐々に深くなっている。係止爪部36〜38にも、凹部35Bと同様の係合凹部36B,37B,38Bが各々設けられている。
【0038】
次に、マウント50の構造について説明する。図6〜図8に示すように、マウント50は、底面が開放する略直方体状の樹脂製ケースである。マウント50は、前壁51、背壁52、右側壁53、左側壁54、及び上壁55を備える。上壁55の上面略中央には穴部57が設けられている。穴部57は底部58を備え、平面視円形状である。穴部57の内周面の上部において、前壁51に対応する位置には、被係止部61が設けられている。背壁52に対応する位置には、被係止部62が設けられている。右側壁53に対応する位置には、被係止部63が設けられている。左側壁54に対応する位置には、被係止部64が設けられている。即ち、被係止部61〜64は、穴部57を軸方向から見た場合に90°ずつずらした位置に各々設けられている。
【0039】
被係止部61〜64は、穴部57の径方向内側に各々延出する。被係止部61〜64は、穴部57の内周面に沿って設けられ、それら径方向内側に向かう各先端部は、当該内周面の曲率と同様に円弧状に湾曲している。被係止部61〜64の互いに隣り合う端部同士の間には所定の隙間が設けられている。この隙間の幅は、少なくとも取付本体部30に設けられた上述の係止爪部35〜38の各先端部を挿入できる程度に調整される。
【0040】
穴部57の内周面において、被係止部61の長手方向中央部の下方には突起部81が設けられている。被係止部62の長手方向中央部の下方には、突起部82が設けられている。被係止部63の長手方向中央部の下方には、突起部83が設けられている。被係止部64の長手方向中央部の下方には、突起部84が設けられている。突起部81〜84は、穴部57の内周面から径方向内側に各々突出する。
【0041】
図7,図8に示すように、底部58において、被係止部63,64に相対する各部分には、孔部68,69が各々設けられている。孔部68,69は、平面視で見た場合に、被係止部63,64と少なくとも同程度の大きさを有する長方形状である。底部58において、被係止部61,62に相対する各部分には、孔部70,71が設けられている。孔部70,71は平面視矩形状である。孔部70と71の間には、中央部73が設けられている。中央部73は左右方向に延設する略長方形状である。孔部70内には板バネ74が設けられている。孔部71内には板バネ75が設けられている。板バネ74,75は中央部73で互いに連結されている。板バネ74,75は中央部73を基点として、中央部73とは反対側の先端側が穴部57の深さ方向にそれぞれ撓み可能である。
【0042】
図7に示すように、板バネ74の先端側の幅方向中央には、凸部74Aが設けられている。凸部74Aは、底部58の中央部59から径方向外側に向かって底部58からの高さが徐々に高くなる形状を備える。凸部74Aは側面視略三角形状である。板バネ75の先端側の幅方向中央には、凸部75Aが設けられている。凸部75Aは、底部58中央部59から径方向外側に向かって底部58からの高さが徐々に高くなる形状を備える。凸部75Aは側面視略三角形状である。凸部74A,75Aの形状は、係止爪部35〜38の凹部35B〜38Bの深さ形状に対応している。故に、凸部74A,75Aは、係止爪部35〜38の凹部35B〜38Bに対して、特に径方向外側において強固に嵌合できる。
【0043】
図6に示すように、前壁51の幅方向両側には一対の通し孔86,87が設けられている。通し孔86は前壁51の右側、通し孔87は前壁51の左側である。図7に示すように、背壁52の幅方向両側にも一対の通し孔88,89が設けられている。通し孔88は背壁52の右側、通し孔89は前壁51の左側である。通し孔86と通し孔88は互いに対向する位置関係にある。通し孔87と通し孔89は互いに対向する位置関係にある。
【0044】
図2に示すように、通し孔86,88(図7参照)には結束バンド101が通される。通し孔87,89(図7参照)には結束バンド102が通される。結束バンド101,102は、ハンドルバー15にマウント50を取り付ける為のバンドである。通し孔86,88に通された結束バンド101と、通し孔87,89に通された結束バンド102とは、マウント50内において、孔部70,71の左右両側に配置される。それ故、板バネ74,75が下方に撓んだ場合、板バネ74,75は結束バンド101,102に接触しない。従って、結束バンド101,102は、板バネ74,75の撓み機能を阻害しない。
【0045】
図6に示すように、右側壁53の底部の中央部には、湾曲部78が設けられている。図8に示すように、左側壁54の底部の中央部にも、湾曲部79(図8参照)が設けられている。湾曲部78,79は上方に円弧状に湾曲し、互いに対向する位置関係である。湾曲部78,79は、後述する台座シート90を介してハンドルバー15に接触する部分である。図6に示すように、上記構成を備えるマウント50の底部には、台座シート90が嵌め込まれる。
【0046】
次に、台座シート90の形状について、図9,図10を参照して説明する。台座シート90は弾性を有する樹脂部材である。例えばゴムや、エラストマー等が適用可能である。図9,図10に示すように、台座シート90は板状部91を備える。板状部91は平面視長方形の板状に形成されている。板状部91の上面の左右方向中央部には、中央支持部92が設けられている。中央支持部92は上方に突出する台形状である。中央支持部92の上面には、当接部93、及び一対の傾斜部94,95が各々設けられている。当接部93は、中央支持部92の上面の前後方向の中央部に設けられ、平面視長方形状である。当接部93は、マウント50の中央部73(図8参照)の下面に当接して支持する。傾斜部94は、当接部93の前端部から前方に向かって斜め下方に傾斜する。傾斜部95は、当接部93の後端部から後方に向かって斜め下方に傾斜する。傾斜部94,95は当接部93を中央に挟んでいる。傾斜部94は、マウント50の板バネ74に相対する位置にある。傾斜部95は、マウント50の板バネ75に相対する位置にある。それ故、板バネ74,75(図7,図8参照)が下方に撓んでも台座シート90の上面には接触しない。
【0047】
さらに、板状部91の上面において、中央支持部92の左右両側には段部96,97が設けられている。段部96は、マウント50の通し孔86,88に通される結束バンド101(図2参照)に対応する位置である。段部97は、マウント50の通し孔87,89に通される結束バンド102(図2参照)に対応する位置である。段部96,97の上面は、中央支持部92の上面よりも一段低くなっている。故に、段部96,97は、結束バンド101,102に接触しない。
【0048】
さらに、板状部91の底部の外周にはフランジ部98が設けられている。フランジ部98は外方に延出している。フランジ部98は、マウント50の開放する底面側の開口端に当接する。板状部91の底面には、湾曲部99が設けられている。湾曲部99は、板状部91の底面の前後方向の略中央部に位置する。湾曲部99は、通し孔86〜89の延設方向に対して直交する方向に延設されている。湾曲部99は略円弧状に湾曲する。湾曲部99はハンドルバー15に接触する部分である。上述のように、台座シート90の材質は例えばゴムや、エラストマー等の樹脂部材であるので、ハンドルバー15に対して滑り止めの効果を得ることができる。
【0049】
次に、マウント50のハンドルバー15への取り付け手順の一例について説明する。図2に示すように、先ず、マウント50の底面側に設けた台座シート90の湾曲部99を、ハンドルバー15上に沿わせて配置する。結束バンド101を、マウント50の通し孔86,88に通し、ハンドルバー15と結束する。結束バンド102を、マウント50の通し孔87,89に通し、ハンドルバー15と結束する。こうして、マウント50はハンドルバー15の上部に偏りなく取り付けられる。このとき、マウント50の前壁51、背壁52、右側壁53、左側壁54は、例えば、自転車100の後方、前方、右側方、左側方に向かって対向する位置関係となる。
【0050】
次に、サイコン20をマウント50に取り付ける手順の一例について、図11〜図13を参照して説明する。なお、図11〜図13は、ブラケット50及びサイコン20を上方から見た場合に、取付本体部30の各部の位置を上方から透視した位置関係で示している。最初に、サイコン20をマウント50に対して縦方向に取り付ける場合について説明する。先ず、マウント50の穴部57対して、サイコン20の底面28側にある取付本体部30を対向配置させる。そして、図11に示すように、十字部32の係止爪部35〜38をマウント50の前後左右に合わせた位置からサイコン20を反時計回りに回転してずらす。この状態で、十字部32の係止爪部35〜38の各先端部を、マウント50の被係止部61〜64同士の各隙間に通し、取付本体部30を穴部57に挿入する。
【0051】
次いで、図12に示すように、サイコン20を時計回りに45°回転させる。取付本体部30の回転に伴い、係止爪部35の面は、板バネ74の凸部74Aを押し下げ、係止爪部37の面は、板バネ75の凸部75Aを押し下げる。板バネ74,75は下方に撓むので、取付本体部30は穴部57の内側においてさらに回転可能となる。取付本体部30は時計回りに45°回転する。十字部32の係止爪部35〜38がマウント50の前後左右に一致する。すると、係止爪部35〜38は、穴部57の内側において、被係止部61〜64の下方にスライドする。そして、板バネ74の弾性復帰力により、係止爪部35の凹部35Bに対して、板バネ74の凸部74Aが落着して嵌り込む。他方、板バネ75の弾性復帰力により、係止爪部37の凹部37Bに対して、板バネ75の凸部75Aが落着して嵌り込む。これにより、被係止部61〜64に対して係止爪部35〜38の位置が回転してずれるのを防止できる。
【0052】
さらに、係止爪部35の凹部35Aにマウント50の突起部81が嵌合する。係止爪部36の凹部36Aにマウント50の突起部83が嵌合する。係止爪部37の凹部37Aにマウント50の突起部82が嵌合する。係止爪部38の凹部38Aにマウント50の突起部84が嵌合する。これによりマウント50に対して取付本体部30が回転するのを防止できる。このようにして、マウント50の穴部57に対して、サイコン20の取付本体部30の取り付けが完了する。サイコン20はマウント50に対して縦方向に取り付けられる。
【0053】
次に、サイコン20をマウント50に対して横方向に取り付ける場合について説明する。例えば、使用者は、サイコン20の表示部29に表示される画像の表示方向を縦方向から横方向に変更する場合がある。この場合、使用者はマウント50に対してサイコン20を横方向にする必要がある。そこで、使用者は、先ず、図12の状態からサイコン20を反時計回りに45°回転させる。すると、係止爪部35の凹部35Bから、板バネ74の凸部74Aが離脱し、係止爪部37の凹部37Bから、板バネ75の凸部75Aが離脱する。さらに、係止爪部35〜38の凹部35A〜38Aからマウント50の突起部81〜84が離脱する。そして、取付本体部30の回転に伴い、係止爪部35の面は、板バネ74の凸部74Aを押し下げ、係止爪部37の面は、板バネ75の凸部75Aを押し下げる。板バネ75,76は下方に撓むので、取付本体部30は穴部57の内側においてさらに回転可能となる。サイコン20は一旦、図11の状態となる。
【0054】
次いで、図11の状態からそのままサイコン20を反時計回りに45°回転させる。取付本体部30の回転に伴い、係止爪部38の面は、板バネ74の凸部74Aを押し下げ、係止爪部36の面は、板バネ75の凸部75Aを押し下げる。板バネ74,75は下方に撓むので、取付本体部30は穴部57の内側においてさらに回転可能となる。十字部32の係止爪部35〜38がマウント50の前後左右に一致する。すると、係止爪部35〜38は、穴部57の内側において、被係止部61〜64の下方にスライドする。そして、図13に示すように、板バネ74の弾性復帰力により、係止爪部38の凹部38Bに対して、板バネ74の凸部74Aが落着して嵌り込む。他方、板バネ75の弾性復帰力により、係止爪部36の凹部36Bに対して、板バネ75の凸部75Aが落着して嵌り込む。
【0055】
さらに、係止爪部35の凹部35Aにマウント50の突起部83が嵌合する。係止爪部36の凹部36Aにマウント50の突起部82が嵌合する。係止爪部37の凹部37Aにマウント50の突起部84が嵌合する。係止爪部38の凹部38Aにマウント50の突起部81が嵌合する。このようにして、マウント50の穴部57に対して、サイコン20の取付本体部30の取り付けが完了する。サイコン20はマウント50に対して横方向に取り付けられる。従って、使用者は、サイコン20をマウント50から取り外すことなく、サイコン20の向きを縦方向から横方向、又は横方向から縦方向に変えることができる。
【0056】
なお、以上説明において、サイコン20は本発明の「電子機器」の一例である。ハンドルバー15は本発明の「被取付部材」の一例である。サイコン20の取付本体部30は本発明の「本体部」の一例である。係止爪部35〜38は本発明の「係止爪」の一例である。凹部35A〜38Aは本発明の「第1凹部」の一例である。突起部81〜84は本発明の「第1凸部」の一例である。凹部35B〜38Bは本発明の「第2凹部」の一例である。板バネ70,71が本発明の「弾性部」の一例である。凸部74,75は本発明の「第2凸部」の一例である。中央部73は本発明の「中央部」の一例である。台座シート90が本発明の「接触部材」の一例である。結束バンド101,102が本発明の「結束部材」の一例である。
【0057】
以上説明したように、本実施形態は、サイコン20を自転車100のハンドルバー15に取り付けるものである。自転車100のハンドルバー15にはマウント50が取り付けられる。サイコン20の筐体21の底面28には、取付本体部30が設けられている。取付本体部30は、突起部31と十字部32を備える。突起部31は例えば略円柱状である。十字部32は、4本の係止爪部35〜38を備える。係止爪部35〜38は、突起部31の先端面において十字方向に各々延出する。マウント50は有底の穴部57を備える。穴部57には、4つの被係止部61〜64が設けられている。被係止部61〜64は、穴部57の内周から径方向内側に突出し、かつ穴部57を軸方向から見た場合に90°ずつずらした位置に各々設けられている。取付本体部30をマウント50の穴部57に挿入して回転させることによって、係止爪部35〜38が被係止部61〜64に各々係止する。それ故、サイコン20の筐体21はマウント50に取り付けられる。この状態から取付本体部30を90°回転させた場合、係止爪部35〜38は被係止部61〜64の何れかに係止する。従って、マウント50をハンドルバー15から取り外すことなく、ハンドルバー15に対してサイコン20の取付方向を90°ずつ回転させることができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施形態の取付具は、サイコン20を自転車100のハンドルバー15に取り付けるものであるが、自転車に限られず、バイク、自動車等の乗り物に取り付ける為の取付具としても適用可能である。自動車であれば、例えば車室内のインストルメントパネル等に取り付ける為の取付具として適用できる。
【0059】
また上記実施形態では、サイコン20を自転車100のハンドルバー15に取り付けているが、例えばハンドルステム14やフレーム体2への取り付けも可能である。
【0060】
また上記実施形態では、電子機器の一例としてサイコン20を説明したが、その他の電子機器にも適用可能であり、例えば音声通話可能な携帯コンピュータ等にも適用可能である。
【0061】
また上記実施形態では、サイコン20は、表示部29に表示される画像の表示向きを縦又は横に変更可能であるが、表示向きが所定のものであって変更できないものにも適用可能である。
【0062】
また上記実施形態において、サイコン20をブラケット50に取り付けた状態の向きは一例であって、サイコン20の前後方向を自転車100の前後方向に合わせてもよい。
【0063】
また上記実施形態において、サイコン20の筐体21は略直方体状であるが、形状についてもこれに限定されない。
【0064】
また上記実施形態の表示部29は、抵抗膜式のタッチパネルを搭載しているが、例えば静電式のタッチパネル等を搭載したものでもよい。
【0065】
また上記実施形態では、サイコン20の筐体21の底面28には隆起部28Aを設けているが、設けなくてもよい。隆起部28Aを設けることにより、例えば、隆起部28Aの内部に配置できる構成部品のスペースを稼ぐことができる。
【符号の説明】
【0066】
15 ハンドルバー
20 サイコン
21 筐体
29 表示部
30 取付本体部
31 突起部
35 係止爪部
35A 凹部
35B 凹部
36 係止爪部
36A 凹部
36B 凹部
37 係止爪部
37A 凹部
37B 凹部
38 係止爪部
38A 凹部
38B 凹部
50 マウント
57 穴部
58 底部
59 中央部
61〜64 被係止部
73 中央部
74 板バネ
74A 凸部
75 板バネ
75A 凸部
81〜84 突起部
86〜89 通し孔
90 台座シート
93 当接部
96,97 段部
99 湾曲部
100 自転車
101,102 結束バンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器を被取付部材に取り付ける為の取付具であって、
前記被取付部材に取り付けられるマウントと、
前記マウントに着脱可能に取り付けられ、前記電子機器のケースに設けられる本体部と
を備え、
前記本体部は、
前記マウント側に突出する柱状の突起部と、
前記突起部を突出方向から見た場合に前記突起部の外周より十字方向に各々突出する4つの係止爪と
を備え、
前記マウントは、
前記突起部が挿入される有底の穴部と、
前記穴部の内周から径方向内側に突出し、かつ前記穴部を軸方向から見た場合に90°ずつずらした位置に各々設けられ、前記穴部に前記突出部が挿入された状態で前記係止爪に係止可能な4つの被係止部と
を備えたことを特徴とする取付具。
【請求項2】
前記係止爪の先端部には第1凹部が設けられ、
前記穴部の内周面であって4つの前記被係止部に各々対応する位置には、前記第1凹部に嵌合可能な第1凸部が各々設けられていることを特徴とする請求項1に記載の取付具。
【請求項3】
前記突起部における前記穴部の底部に対向する先端部であって4つの前記係止爪に各々対応する十字方向の位置には第2凹部が各々設けられ、
前記穴部の底部であって4つの前記被係止部のうち少なくとも互いに対向する一対の前記被係止部に各々対応する位置には、前記穴部の深さ方向に撓み可能な一対の弾性部が設けられ、
前記一対の弾性部には、前記第2凹部に嵌合可能な第2凸部が各々設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の取付具。
【請求項4】
前記弾性部は板バネであることを特徴とする請求項3又は4に記載の取付具。
【請求項5】
前記一対の弾性部に設けられた一対の前記板バネは、前記底部の中央部で互いに連結され、当該中央部を基点として前記中央部とは反対側の先端側が前記深さ方向にそれぞれ撓み可能であることを特徴とする請求項4に記載の取付具。
【請求項6】
前記第2凸部は、前記穴部の前記底部の中央部から前記径方向外側に向かって前記底部からの高さが徐々に高くなる形状を備え、
前記第2凹部は、前記第2凸部の形状に対応する深さ形状を備えていることを特徴とする請求項5に記載の取付具。
【請求項7】
前記マウントは上面、底面、及び側面を備えた台座状に形成され、
前記穴部は前記上面に形成され、
前記側面には前記被取付部材に前記マウントを取り付ける結束部材を通す為の通し孔が設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の取付具。
【請求項8】
前記側面は少なくとも互いに対向する位置関係にある一対の対向側面を備え、
前記通し孔は前記一対の対向側面を各々貫通して設けられていることを特徴とする請求項7に記載の取付具。
【請求項9】
前記通し孔は、前記一対の対向側面において前記穴部の前記底部よりも前記底面側に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の取付具。
【請求項10】
前記一対の対向側面は、前記一対の板バネに各々対応する前記一対の被係止部が設けられた位置に各々対応し、
前記通し孔は前記対向側面の幅方向両側に各々設けられていることを特徴とする請求項8又は9に記載の取付具。
【請求項11】
前記マウントの前記底面側には、前記被取付部材に接触する接触部材が設けられ、
前記接触部材は弾性を有する材質で形成されていることを特徴とする請求項7から10の何れかに記載の取付具。
【請求項12】
前記接触部材はゴム状の材質で形成されていることを特徴とする請求項11に記載の取付具。
【請求項13】
前記マウントは前記底面側に開口部を有する筐体であって、
前記接触部材の前記マウントの前記底面側に対向する上面には、前記開口部を介して、前記穴部の前記底部の前記中央部に当接する当接部が設けられていることを特徴とする請求項11又は12に記載の取付具。
【請求項14】
前記接触部材の前記上面において、前記一対の対向側面の前記幅方向両側に対応する一対の部分には、前記通し孔に通される前記結束部材から離間する位置まで低く形成された段部が各々設けられていることを特徴とする請求項13に記載の取付具。
【請求項15】
前記被取付部材は円筒状又は円柱状であって、
前記接触部材の前記被取付部材が接触する下面には、前記被取付部材の外周形状に対応する湾曲形状を備えた湾曲部が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の取付具。
【請求項16】
前記湾曲部は、前記通し孔の前記延設方向に対して直交する方向に延設されていることを特徴とする請求項15に記載の取付具。
【請求項17】
前記被取付部材は二輪車のフレームであることを特徴とする請求項1から16の何れかに記載の取付具。
【請求項18】
前記電子機器は、
長方形状の表示部を備え、
前記表示部に表示される画像の向きが変更可能であることを特徴とする請求項1から17の何れかに記載の取付具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−87862(P2013−87862A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228782(P2011−228782)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)