説明

取手収納器

【課題】取手が連動的に収納される器体であって、開口状態では器体の内側へ食み出る紐が少なくなり、財布などの小物の収納場所も形成する。
【解決手段】 覆壁1の上部に開けた滑穴5へ通した紐6の延長域17を、押域3の裏側隙間に通して、屈壁8の側穴11へ通して固定し、屈壁8を平らにする事と連動して取手域16は収納され、押域3の合着部4によって紐6が器体の隅へ退けられ、合着部4によって袋具7を取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取手の収納できる紙袋形状の器体に関する物で、主にレジ袋として使用する事を目的とする。
【背景技術】
【0002】
従来の紙袋は、取手が収納できる構造ではなく、屈壁と連動して取手を収納できる紙袋形状の物は、発明の名称を取手収納袋とする物があった。
【特許文献1】特願2007−057968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
取手域の両端から伸びた紐の延長域は、屈壁に固定されて連動しているので、屈壁の伸直(真っ直ぐに伸びる事)によって取手域は収納されるが、取手域を引き出して屈壁を屈折させる時、押域の中央部が浮き上がる問題点があり、又、紐の延長域が固定されないので、屈壁の屈折状態を固定できず、紐の延長域は押域の端へ退けられていないので、器体の角領域から離れて、物を収納する時の邪魔になり、袋具を有していないので、財布や葉書などの小物類を入れておく場所が無かった。これら従来技術の問題解決を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
押域の少なくても中央部を合着部によって覆壁と合着し、合着部によって紐の延長域を端へ退け、合着部の合着を利用して、袋具を押域で挟み込んで固定する。
【発明の効果】
【0005】
押域の少なくても中央部を合着部によって合着した事で、紐の取手域を引き上げても押域の持ち上がりは抑制され、合着部によって紐の延長域が端へ退けられているので、屈壁が伸直状態であっても器体の角領域から紐はあまり離れていないので、器体へ物を収納する作業の妨げを軽減し、取手域を引き上げて屈壁を屈折させれば、紐の延長域は合着部に近づき、合着部の周囲は押域と覆壁との隙間が狭まっており、この隙間の狭まりに紐が挟まり込む事で摩擦が大きくなり、この摩擦の増加によって紐は固定されると同時に屈壁の屈折状態は固定され、合着部は袋具の固定にも併用でき、袋具を有した事で、財布などの小物類を収納できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
最良の形態を、図1から図4を参照しながら、以下の実施例で説明する。
【実施例1】
【0007】
図1は、開口状態要部透視斜視図であり、透視領域は破線で表示し、折線は一点鎖線で表示し、山折谷折で表示する折り曲げ方向は外側からを基準にし、対面して成る覆壁1、両側に対面して成る屈壁8、覆壁1と屈壁8との下辺に隣接する矩形の底壁9、前記五枚の壁で器体10を形成し、器体10の天縁を延長し、延長した領域を内側へ折り返す事で返し帯2を延設し、覆壁1の上部中央へ適宜に間を空けて二つの滑穴5を設け、滑穴5は返し帯2には設けず、屈壁8へ側穴11を設け、側穴11は一箇所であっても良いが、二箇所である事が望ましく、場合によっては二箇所以上の個数であっても良く、屈壁8中央の垂直方向に屈線12を設けて屈折機能を形成し、屈壁8が一枚板である場合の屈線12は折線であるが、屈壁8が二枚に分離した状態であるならば合着線でもあり、合着方法は接着や溶着であっても良いし、縫合であっても良く、屈壁8の面と平行に重ねて合着しても良いし、面と直角に折り出した縦合着片13を形成して合着する構造であっても良く、屈線12が合着構造であるならば、返し帯2の側端も巻き込んで共に合着する事が望ましく、屈壁8の底辺は折り曲げ線であっても良いが、屈線12が合着構造であるならば底辺も合着構造にする事が望ましく、合着方法は接着、溶着、縫合のどれであっても良く、縦合着片13と同様に折り出した底合着片14を形成して合着する構造であっても良く、縦合着片13と底合着片14とは逆さTの字形状で隣接する事が望ましく、屈壁8の屈折は屈線12だけで行っても良いが、底合着片14の両端から屈線12を頂点にする三角線15を入れて屈折させる事が望ましく、三角線15の頂部屈折角度は適宜であっても良いが、直角である方が効率的であり、三角線15を谷折して屈壁8を折り畳む構造は、一方の覆壁1に水平な谷折線を入れる従来の紙袋の折り畳み方式であっても良いが、屈線12の下端どうしを結ぶ谷折線を底壁9に入れ、三角線15の頂部を境に屈線12の上部は谷折にし、下部は山折にする事が望ましく、側穴11は、屈線12の線対称の位置関係で、返し帯2と隣接を含める近くの直下に設ける事が望ましく、紐6は断面が丸い丸紐であっても、断面が平たいテープ状の平紐であっても良く、紐6の器体10への通し方は、外から一方の側穴11へ通し、押域3と覆壁1との間を通って一方の滑穴5から外へ出て、他方の滑穴5から再び中へ入り、押域3と覆壁1との間を通って他方の側穴11から外へ出る構造であり、対面の領域に於いても同様な通し方をし、紐6は底壁9の外周よりも適宜に長い状態で用いる事を基本にするが、器体10に多くの物が入る場合は器体10の開口部が閉じないので紐6を長くする必要があり、紐6は同寸の二本に分離して、各々の端を側穴11箇所で結んでも良いし、紐6を一本にして、結び目を一箇所にして、他方の側穴11箇所では結び目の無い輪にしても良く、輪にした他方を丸結びする事で、紐6の長さ調整領域にしても良く、紐6の長さ調整は結んで行う他、バネの付いたコードストッパーを通しても良く、紐6を器体10へ通した状態での部分名称として、滑穴5間を取手域16とし、取手域16以外を延長域17とし、両者の領域間には区切りは無くて同一の紐線上であり、押域3の中央領域に合着部4を設け、合着部4の大きさや形状は限定ではないが、少なくても滑穴5の間には位置し、滑穴5と側穴11とを連絡する紐6の延長域17の内側にあって、合着部4の側端が紐6を押域3の端へ退ける働きを成し、よって、合着部4の形状は台形である事が効率的ではあるが、その効率性の差異は小さなものであり、図では台形の上辺を滑穴5の下に位置させているが、押域3の上端へ達していても良く、台形の他、矩形、一本線であっても良く、合着部4の形成方法は限定ではなく、接着、溶着、嵌め込み、縫合などの方法があり、袋具7の袋片18を押域3と覆壁1との間に挟み込み、合着部4の合着によって袋片18を固定して袋具7を取り付ける。
【実施例2】
【0008】
図2は、開口状態要部透視側面斜視図であり、レジ横へセットして、精算済みの商品を店員が直接収納する使用方法が望ましく、紐6は結合部19で結合されて輪の状態になる事が望ましく、前記の結合方法は縫合であっても良いが、結び構造である事が望ましく、結合部19は対面関係の二箇所であっても良いし、結合部19を一箇所にし、他方は充分に余裕を持たせた輪にして丸結びをし、その丸結びの位置によって紐6の長さを調節できる構造にしても良く、紐6の長さ調節構造は、市販品であるバネ付きのコードストッパーで行っても良く、紐6を底壁9の周囲とほぼ同寸にすれば、屈壁8の伸直状態(折れ曲がらずに真っ直ぐに伸びた状態)では、取手域16が最短状態で収納されており、取手域16の収納によって精算済み商品の収納作業の妨げにならず、合着部4が紐6の延長域17を押域3の端へ退けているので、延長域17は器体10の角へ退けられており、押域3の中央部が合着部4で合着されているので、取手域16を引き上げても押域3の中央部は連られて持ち上がらず、前記の合着部4の合着を利用して袋具7を取り付け、袋具7は一箇所であっても、対面の二箇所であっても良く、底壁9の中央へ、屈線12の下端どうしを繋ぐ谷折線で底折線20を入れ、底壁9の角から底折線20線上を頂点とする三角線15を底壁19へも入れても良く、前記の底折線20と底壁9に入れた三角線15とを谷折りする事で、器体10を平たく折り畳める構造にする。
【実施例3】
【0009】
図3は、閉じ状態要部透視斜視図であり、紐6の取手域16を引き上げれば、滑穴5から紐6の延長域17が引き出され、前記の引き出しによって、延長域17の先に連結している屈壁8が谷折され、屈壁8の谷折によって器体10の開口部が閉じ、合着部4は延長域17を隅へ退ける働きの他、器体10の閉じ状態に於いて、屈壁8の屈折によって延長域17は合着部4へ接近する事になり、合着部4の周囲は押域3と覆壁1との隙間が狭まっており、その隙間の狭まりによる挟み込み摩擦で延長域17はロックされ、前記のロック構造によって、器体10の閉じ状態がロックされる。
【実施例4】
【0010】
図4は、器体展開平面図であり、本発明物の展開図は、従来の紙袋展開形状など複数考えられるので限定ではないが、底壁の前後から折り起こして、屈壁の中央を合着する形状を例にして説明するならば、横長矩形の底壁9の長手辺である上下へ幅同寸の覆壁1を延設し、覆壁1の両側へ高さ同寸の屈壁8を半分幅で延設し、延設された覆壁1と屈壁8との天縁(線対称の他方は地縁)に返し帯2を延設し、展開された器体の両側へ折線を介して合着片を延設し、三角線15は、底壁9と屈壁8との両方、或いはどちらか一方へ設け、器体の素材は限定ではないが、従来の紙袋形状を基本にして、開口状態で自立できるだけの硬さを有して、素手で楽に折り曲げられる素材である事が望ましく、紙袋に使用されているクラフト紙、ポリやビニールなどの人工樹脂、織り布や不織布などが素材として望ましく、合着の方法は、縫合、接着、溶着、嵌合などのいずれであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】開口状態要部透視斜視図(実施例1)
【図2】開口状態要部透視側面斜視図(実施例2)
【図3】閉じ状態要部透視斜視図(実施例3)
【図4】器体展開平面図(実施例4)
【符号の説明】
【0012】
1 覆壁
2 返し帯
3 押域
4 合着部
5 滑穴
6 紐
7 袋具
8 屈壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
覆壁1の上部へ返し帯2の部分領域である押域3を設け、覆壁1と押域3とを合着部4で合着し、覆壁1に開けた滑穴5へ通された紐6が、合着部4によって押域3の端領域へ退けられ、押域3へ袋具7を固定する事を特徴とした取手収納器。
【請求項2】
押域3で挟み込まれた袋具7を、合着部4によって固定する事を特徴とした、請求項1記載の取手収納器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−45127(P2009−45127A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211701(P2007−211701)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【出願人】(000218281)
【Fターム(参考)】