説明

取扱情報特定装置

【課題】 テレビ放送を受信可能な通信装置が受信したテレビ放送番組を特定する取扱情報特定装置において、通信装置と常に通信可能に接続されていなくても、通信装置が受信したテレビ放送番組を特定することができるようにする。
【解決手段】 ホストサーバ10は、テレビ放送を受信し、受信したテレビ放送番組の放送日時および放送チャンネルの情報を表す受信情報を記憶し、外部から要求を受けると受信ログを送信する通信装置30a〜30cに対して通信可能に接続されている。そして、このホストサーバ10は、受信番組情報取得処理において、この通信装置30a〜30cから受信ログを取得し、受信ログおよびテレビ放送番組の情報を表す電子番組表を取得し、取得した受信ログおよび電子番組表を照合することにより、受信ログから通信装置30a〜30cが受信したテレビ放送番組を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置の取扱情報を特定する取扱情報特定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上記取扱情報特定装置として、通信装置(視聴者端末)と通信網を介して接続されたものが知られている。この取扱情報特定装置に接続された通信装置は、テレビ放送番組を受信可能であって、受信する放送チャンネルを切り替えたときに、切り替え先の放送チャンネルを表すチャンネル情報を取扱情報特定装置に送信する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、この取扱情報特定装置においては、明確に記載はされていないが、予め電子番組表を取得しておき、現在時刻および通信装置から受信したチャンネル情報と、電子番組表に記載の内容とに基づいて、通信装置が受信したテレビ放送番組を特定しているものと思われる。
【特許文献1】特許第3520267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記取扱情報特定装置においては、通信装置が受信放送チャンネルを切り替えるときに、取扱情報特定装置と通信装置とが常に通信可能に接続されていなければ、通信装置からのチャンネル情報を受信することができないため、通信網の状態によってはテレビ放送番組を特定できないという問題点があった。
【0005】
このような問題は、テレビ放送を受信する通信装置から情報を取得する装置に限らず、一般的な通信装置の操作状態を検出する装置においても同様に起こりうる問題である。
そこで、このような問題点を鑑み、通信装置との間で通信を行い、通信装置が取り扱った取扱情報を特定する取扱情報特定装置において、通信装置と常に通信可能に接続されていなくても、取扱情報を特定することができるようにすることを本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために成された請求項1に記載の取扱情報特定装置は、自己が取り扱った情報の少なくとも一部を取扱情報として記憶し外部から要求を受けると前記取扱情報を送信する通信装置、との間で通信を行う対通信装置通信手段と、前記対通信装置通信手段を介して、前記通信装置から取扱情報を取得する取扱情報取得手段と、前記取扱情報取得手段により取得された取扱情報に基づいて、前記通信装置が取り扱った情報を特定する取扱情報特定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
即ち、対通信装置通信手段が任意のタイミングで通信装置と通信を行うことにより、取扱情報取得手段は、通信装置に記憶された取扱情報を取得する。
従って、このような取扱情報特定装置によれば、通信装置と常に通信可能に接続されていなくても、取扱情報を取得し、特定することができる。
【0008】
ところで、請求項1に記載の取扱情報特定装置においては、請求項2に記載のように、通信装置の使用者の嗜好を調査するためのキーワードが予め記憶されたキーワード記憶手段と、取扱情報取得手段により取得された取扱情報に、キーワード記憶手段に記憶されたキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段と、キーワード判定手段によりキーワードが含まれていると判定した場合に、通信装置の使用者がキーワードを含む情報を取り扱ったことを判定結果記憶手段に記憶させる格納手段と、を備えていることが望ましい。
【0009】
このような取扱情報特定装置によれば、通信装置が受信した番組情報に特定のキーワードが含まれているか否かを判定することができるので、視聴者がキーワードにより識別される特定の種類のテレビ放送番組を受信したか否かを容易に判定することができる。つまり、視聴者が特定の事項に対して嗜好を有するか否かを調査することができる。
【0010】
或いは、請求項1に記載の取扱情報特定装置においては、請求項3に記載のように、テレビ放送番組毎に、放送日時、放送チャンネル、およびテレビ放送番組の内容を表す番組情報を取得する番組情報取得手段を備え、対通信装置通信手段は、テレビ放送を受信し、受信したテレビ放送番組の放送日時および放送チャンネルを表す受信情報を取扱情報として記憶し、外部から要求を受けると記憶した受信情報を送信する通信装置との間で通信を行い、取扱情報取得手段は、対通信装置通信手段を介して、通信装置から受信情報を取得し、取扱情報特定手段は、取扱情報取得手段が取得した受信情報、および番組取得手段が取得した番組情報を照合することにより、受信情報から通信装置が受信したテレビ放送番組を特定するようにしてもよい。
【0011】
このような取扱情報特定装置によれば、放送チャンネルの情報とともに、テレビ放送番組の放送日時の情報も受信するので、通信装置と常に通信可能に接続することなく、通信装置が受信したテレビ放送番組の放送日時および放送チャンネルの情報を表す受信情報を取得することができる。つまり、通信装置が受信したテレビ放送番組を容易に特定することができる。
【0012】
なお、取扱情報取得手段が受信情報を取得するタイミングは、番組放送中や番組放送後の任意のタイミングでよい。
また、本発明(請求項3)における通信装置としては、テレビ受像機、録画機、ケーブルTVのチューナ等が考えられる。
【0013】
そして、取扱情報取得手段は、インターネット網や電話回線網等のネットワークや、直接通信装置に対して接続された専用線を介して受信情報を取得すればよい。
さらに、番組情報取得手段は、テレビ放送電波や、ネットワークを介して接続されたサーバ等から最新の番組情報や過去の番組情報を取得すればよい。
【0014】
また、請求項3に記載の取扱情報特定装置において、番組情報取得手段により取得される番組情報がテキストデータからなる場合には、請求項4に記載のように、視聴者の嗜好を調査するためのキーワードが予め記憶されたキーワード記憶手段と、取扱情報特定手段により特定されたテレビ放送番組の番組情報に、キーワード記憶手段に記憶されたキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段と、キーワード判定手段によりキーワードが含まれていると判定した場合に、視聴者がキーワードを含むテレビ放送番組を視聴したことを判定結果記憶手段に記憶させる格納手段と、を備えていることが望ましい。
【0015】
このような取扱情報特定装置によれば、通信装置が受信した番組情報に特定のキーワードが含まれているか否かを判定することができるので、視聴者がキーワードにより識別される特定の種類のテレビ放送番組を受信したか否かを容易に判定することができる。つまり、視聴者が特定の事項に対して嗜好を有するか否かを調査することができる。
【0016】
さらに、請求項4に記載の取扱情報特定装置において、キーワード記憶手段が複数のキーワードを記憶している場合には、請求項5に記載のように、キーワード判定手段は、キーワード記憶手段に記憶されたキーワード毎に、取扱情報特定手段により特定されたテレビ放送番組の番組情報に、各キーワードが含まれているか否かを判定し、格納手段は、キーワード判定手段によりキーワードが含まれていると判定した場合に、キーワード毎に、視聴者がキーワードを含む番組を視聴したことを判定結果記憶手段に記憶させることが望ましい。
【0017】
このような取扱情報特定装置によれば、通信装置が受信した番組情報に、複数のキーワードの何れかが含まれている否かを判定することができるので、通信装置がどのような種類のテレビ放送番組を受信したのかを容易に判定することができる。この結果、視聴者の嗜好を調査することができる。
【0018】
加えて、請求項4または請求項5に記載の取扱情報特定装置においては、請求項6に記載のように、判定結果記憶手段は、キーワード毎に設定された複数の記憶領域を備え、この記憶領域のそれぞれに、キーワードを含むテレビ放送番組の視聴回数を記憶するよう設定されており、格納手段は、キーワード判定手段によりキーワードが含まれていると判定した場合に、通信装置とキーワードとに基づいて判定結果記憶手段の複数の記憶領域の中から対応する記憶領域を選択し、この記憶領域に記憶されている視聴回数をカウントアップして上書きすることが望ましい。
【0019】
このような取扱情報特定装置によれば、キーワードが含まれているテレビ放送番組の受信回数を容易に計数することができるので、視聴者が好むテレビ放送番組を容易に特定することができる。
【0020】
なお、本発明(請求項6)は、請求項2に係る発明の従属項にすることもできる。この場合には、「テレビ放送番組の視聴回数」との記載を「情報の取扱回数」との記載に改めるとともに、「視聴回数」との記載を「取扱回数」との記載に改めればよい。
【0021】
また、次に述べる請求項7についても同様に請求項2に係る発明の従属項にすることができる。
また、請求項6に記載の取扱情報特定装置においては、請求項7に記載のように、通信装置の所有者が所持する端末装置との間で通信を行うための対端末装置通信手段と、判定結果記憶手段の特定の記憶領域に記憶された視聴回数が、予め設定された設定値を超えた場合に、対端末装置通信手段を介して、この記憶領域に関連付けられたキーワードに対応する情報を端末装置に送信する情報送信手段と、を備えていることが望ましい。
【0022】
つまり、興味のない情報を無作為に送信しても、その情報が不要な者にとっては迷惑になるだけであるため、ある程度その情報に興味があると思われる者を厳選し、その者にのみ特定の情報を配信するようにしているのである。
【0023】
従って、このような取扱情報特定装置によれば、特定のキーワードが含まれたテレビ放送番組を所定の回数以上見た者(通信装置の所有者)にのみキーワードから得られる嗜好に対応する情報を送信することができるので、その情報の配信を効果的に行うことができる。
【0024】
さらに、請求項3〜請求項7の何れかに記載の取扱情報特定装置において、番組情報取得手段は、請求項8に記載のように、各テレビ放送番組の番組情報として、テレビ放送番組の放送日時および放送チャンネルにより特定される放送番組名と、このテレビ放送番組を説明する番組説明文とがそれぞれテキストデータで記述された電子番組表を取得することが望ましい。
【0025】
このような取扱情報特定装置によれば、放送番組名と、そのテレビ放送番組を説明する説明文とが記述された電子番組表を取得し、この電子番組表にキーワードが含まれているか否かを判断するので、視聴者の嗜好を容易に調査することができる。
【0026】
また、電子番組表は、既に配信されているものを使用することができるので、新たに番組表に相当するデータベースを構築する手間を省くことができる。
さらに、請求項1〜請求項8の何れかに記載の取扱情報特定装置において、取扱情報取得手段は、請求項9に記載のように、複数の通信装置に対して通信可能に接続されており、取扱情報取得手段は、これらの複数の通信装置のそれぞれから、対通信装置通信手段を介して受信情報を取得することが望ましい。
【0027】
このような取扱情報特定装置によれば、複数の通信装置がそれぞれ受信したテレビ放送番組を特定することができる。
また、請求項9記載の取扱情報特定装置においては、請求項10に記載のように、 通信装置を操作するための操作コマンドと、この操作コマンドの送信元を特定するための識別情報とを送信可能な操作装置との間で通信を行うための対操作装置通信手段と、操作装置から対操作装置通信手段を介して操作コマンドおよび識別情報を受信すると、受信した識別情報に基づいて、この操作装置に関連付けて記憶された通信装置を特定する機器特定手段と、機器特定手段により特定された通信装置に対して操作コマンドを送信するコマンド送信手段と、を備えていることが望ましい。
【0028】
このような取扱情報特定装置によれば、操作装置を用いて容易に通信装置を操作することができる。また、通信装置はこの取扱情報特定装置のみと通信可能にすればよいので、通信装置の通信機能を簡素化することができる。
【0029】
加えて、請求項10に記載の取扱情報特定装置においては、請求項11に記載のように、各通信装置が認識可能な操作コマンドのデータ形式を、通信装置毎に記憶する形式記憶手段と、機器特定手段により特定された通信装置に対応するデータ形式を形式記憶手段から読み出し、受信した操作コマンドを読み出したデータ形式の操作コマンドに書き換える書換手段と、を備え、コマンド送信手段は、書換手段により書き換えられた操作コマンドを送信することが望ましい。
【0030】
このような取扱情報特定装置によれば、操作装置側にて通信装置が受信可能なデータ形式の操作コマンドに変換することなく的確な操作コマンドを通信装置に送信することができる。
【0031】
次に、請求項12に係る取扱情報特定装置は、監視対象の通信装置との間で通信を行う対通信装置通信手段と、前記対通信装置通信手段を介して、前記通信装置が取り扱った情報を表す取扱情報を取得する取扱情報取得手段と、前記取扱情報取得手段により取得された取扱情報に基づいて、前記通信装置が取り扱った情報を特定する取扱情報特定手段と、通信装置の使用者の嗜好を調査するためのキーワードが予め記憶されたキーワード記憶手段と、前記取扱情報取得手段により取得された取扱情報に、前記キーワード記憶手段に記憶されたキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段と、前記キーワード判定手段により前記キーワードが含まれていると判定した場合に、前記通信装置の使用者が前記キーワードを含む情報を取り扱ったことを判定結果記憶手段に記憶させる格納手段と、を備えたことを特徴としている。
【0032】
即ち、本発明(請求項12)は、請求項1における大部分の記載と、請求項2の記載とを含んだものになっている。
従って、このような取扱情報特定装置によれば、通信装置が受信した番組情報に特定のキーワードが含まれているか否かを判定することができるので、通信装置の使用者がキーワードにより識別される特定の操作を行ったか否かを容易に判定することができる。つまり、携帯電話機の使用者が特定の事項に対して嗜好を有するか否かを調査することができる。
【0033】
なお、本発明(請求項12)には、請求項3〜請求項11の何れかに記載の内容(ただし、請求項1および請求項2に記載の内容を除く)を従属させてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。
【実施例1】
【0035】
図1は、本発明の取扱情報特定装置としてのホストサーバ10を備えたシステムの構成を示すブロック図である。
このシステムにおいては、図1に示すように、インターネット網7に、ホストサーバ10と、EPG(電子番組表)サーバ91と、メーカサーバ92と、携帯電話事業者の基地局93と、スポンササーバ94と、各通信装置30a〜30c(通信装置(A)30a、通信装置(B)30b、通信装置(C)30c…)とが接続されて構成されている。また、基地局93は、電話回線網9と通信可能に接続されているとともに、複数の携帯電話機20(本発明で言う端末装置および操作装置)と無線通信可能に構成されている。
【0036】
ホストサーバ10は、CPU、ROM、RAM等を具備した公知のマイクロコンピュータとして機能する制御部11と、制御部11による処理に必要なデータを格納する各データベース(D.B.)と、インターネット網7を介して外部と通信するための通信部15(本発明で言う対通信装置通信手段、対端末装置通信手段、および対操作装置通信手段)とが備えられている。
【0037】
データベースとしては、EPGデータベース12、スポンサデータベース13(本発明で言うキーワード記憶手段)、およびユーザデータベース14(本発明で言う判定結果記憶手段、および形式記憶手段)とを備えている。
【0038】
EPGデータベース12は、EPGサーバ91から配信されたEPGデータを蓄積するために用いられる。なお、ここでいうEPGデータとは、公知の電子番組表データを意味し、テレビ放送チャンネルとテレビ放送日時とを各軸に設定したマトリクス構造とされており、このテレビ放送チャンネルとテレビ放送日時とにより決定される各欄に、放送番組名とこの放送番組の説明を示す番組情報とが関連付けて設定されている。このEPGデータは、随時(例えば15分毎に)通信部15を介して取得され、例えば、10日分のデータが蓄積される(本発明で言う番組情報取得手段に相当)。
【0039】
スポンサデータベース13は、スポンササーバ94から送信された各種データ(具体的には、後述するキーワード抽出処理の際に使用されるキーワードのデータや、メール送信処理の際にメールを転送するか否かを決定するための設定値)を格納する。
【0040】
ユーザデータベース14は、予め設定されたユーザの情報を格納する。このユーザの情報は、必要に応じて更新可能に設定されており、例えば、通信装置毎に、ユーザ名、通信装置のメーカ名、通信装置の機種名、通信装置の製造番号、通信装置を操作するための操作コマンドのデータ形式、ユーザの携帯電話のメールアドレス等が関連付けて記憶されている。
【0041】
また、このユーザデータベース14には、ユーザが好んで試聴するテレビ放送番組の種類(ジャンル)を調査するために使用される累積表データ51(図4参照)も記憶される。
【0042】
次に、EPGサーバ91は、現在時刻に基づいて、常時EPGデータを更新し、ホストサーバ10を含む通信相手に最新のEPGデータを配信する。また、インターネット網7を介してEPGデータの要求を受けた場合にも、最新のEPGデータを配信する。
【0043】
メーカサーバ92は、ホストサーバ10からの通信装置を遠隔操作するための操作コマンドを送信するよう指令を受けると、特定の通信装置と通信を行い、この通信装置に対して操作コマンドを送信する。
【0044】
スポンササーバ94は、ホストサーバ10が使用する各種データの設定を行なうために使用される。
次に、基地局93と無線通信可能な携帯電話機20は、この携帯電話機20を統括制御する制御部21と、携帯電話機20のユーザが操作指令を入力するための操作部22と、制御部21にて生成された画像を表示させるディスプレイ23と、基地局93に対して無線通信を行う通信部24とを備えている。
【0045】
ここで、この携帯電話機20は、インターネット網7および基地局93を介して、EPGサーバ91からEPGデータを受信する機能を有し、このEPGデータに基づいて、携帯電話機20のユーザが所持する通信装置(本実施例では通信装置(A)30を所持しているものとして説明する。)を遠隔操作するためのアプリケーションがインストールされている、
このアプリケーションを起動させると、携帯電話機20の制御部21は、通信部24を用いてEPGサーバ91からEPGデータを取得し、EPGデータの中から通信装置(A)30により受信したいテレビ放送番組がユーザにより選択されると、このテレビ放送番組の識別符号(例えば、このテレビ放送番組の受信日時、および受信チャンネルの情報を暗号化したもの)を送信する。その後は、ホストサーバ10により録画予約処理(図6参照)のような処理が行われる。
【0046】
なお、携帯電話機20は、公知の通話機能、通信機能、および電子メール(以下、単にメールという。)送受信機能を具備するものであり、ホストサーバ10にテレビ放送番組の識別符号を送信する際には、このメール機能を用いて識別符号を送信する。
【0047】
つまり、携帯電話機20は、アプリケーションにて定められた形式のメール文章に、識別符号(本発明で言う識別情報)等の必要事項を付加して送信する。
次に、通信装置(A)30は、例えば、テレビ放送番組を録画可能な録画機であって、この通信装置(A)30の統括制御を行う処理部31と、インターネット網7を介して外部と通信を行うための通信部32と、テレビ放送波からテレビ放送番組を選択して受信する受信部35と、受信部35が受信したテレビ放送番組を録画する録画部33と、録画部33が録画した(受信部35が受信した)テレビ放送番組の放送日時とその放送チャンネルとを含む受信ログ(本発明で言う受信情報)等を記憶する記憶部34と、を備えている。
【0048】
この通信装置(A)30の処理部31は、ホストサーバ10またはメーカサーバ92から通信部32を介して録画予約指示を受けた場合には、記憶部34に記憶し、録画予約指示において指定された時刻になると、指定された放送チャンネルにて録画を開始する。
【0049】
また、処理部31は、通信部32を介してホストサーバ10から受信ログの要求を受けると、記憶部34に記憶された受信ログをホストサーバ10に対して送信する。
ここで、記憶部34には10日分の受信ログが記憶されており、ホストサーバ10に対して受信ログを送信すると、その受信ログに送信済フラグを立て、以降の通信の際には送信済フラグが立てられた通信ログを送信しないよう構成されている。
【0050】
通信装置(B)30bおよび通信装置(C)30cについては、通信装置(A)30aとその構成が同様であるため説明を省略する。
次に、ホストサーバ10が各通信装置30a〜30cより受信ログを取得する処理について図2を用いて説明する。図2はホストサーバ10の制御部11が行う受信番組情報取得処理を示すフローチャートである。
【0051】
なお、S140〜S160の処理は、本発明で言う取扱情報取得手段に相当し、S190の処理は、取扱情報特定手段に相当する。
この受信番組情報取得処理は、例えば、1日に3回、予め設定された時刻になると起動し、S110にて、ホストサーバ10の通信相手となる通信装置を選択する。
【0052】
そして、S120では、選択された通信装置に対して、通信を開始し、S130に移行する。
S130では、選択された通信装置と通信可能であるか否かを判定する。選択された通信装置と通信可能であれば、S140に移行し、通信不可能であれば、S170に移行する。
【0053】
S140では、通信中の通信装置に対して、受信ログを要求する。
そして、S150に移行し、要求した受信ログが受信できたか否かを判定する。受信ログを受信できていれば、S180に移行し、受信ログを受信できていなければ、S160に移行する。
【0054】
S160では、受信ログを受信するための通信時間が所定の時間を超えているか否か(即ち、タイムアウトになったか否か)を判定する。通信時間が所定の時間を超えていれば、S170に移行し、通信時間が所定の時間以内であれば、S150に戻る。
【0055】
S170では、この通信機器に対して通信できなかったものとして、この機器に対する通信不可フラグを立てて、ユーザデータベース14に記憶し、S210に移行する。
また、S150にて受信ログを受信できていた場合に移行するS180では、この通信機器に対する通信可フラグを立てて、ユーザデータベース14に記憶し、S190に移行する。
【0056】
そして、S190では、EPGデータベース12に格納されたEPGデータと受信ログとを照合し、この受信ログに対応する番組名を特定する。
次いで、S200に移行し、この特定された番組名をユーザデータベース14に通信装置と関連付けて記憶させ、S210に移行する。
【0057】
S210では、まだ未通信の他の通信装置があり、その通信装置と通信を行うか否かを判定する。他の通信装置と通信を行う場合には、受信番組情報取得処理を繰り返し、他の通信装置と通信を行わない場合には、受信番組情報取得処理を終了する。
【0058】
次に、ユーザデータベース14に記憶された番組名およびこの番組名に関連する番組情報にキーワードが含まれているか否かを判定する処理について、図3を用いて説明する。図3は、ホストサーバ10の制御部11が行うキーワード抽出処理を示すフローチャートである。なお、キーワード抽出処理は、本発明で言うキーワード判定手段、および格納手段に相当する。
【0059】
このキーワード抽出処理は、例えば、1日1回予め設定された時刻になると起動する処理であって、まず、S310にて特定の通信装置を選択する。なお、繰り返しキーワード抽出処理が実行されている場合には、未選択の通信装置を選択する。
【0060】
そして、S320に移行し、データ抽出済フラグが立てられていない番組名を1つ選択し、S330に移行する。
S330では、EPGデータベース12から選択した番組名に対する番組情報を取得し、S340に移行する。
【0061】
次いで、S340にて、スポンサデータベース13に記憶されたキーワードの1つを選択する。
そして、S350に移行し、このキーワードが番組名または番組情報に含まれているか否かを判定する。キーワードが番組名および番組情報に含まれている場合には、S360に移行し、キーワードが番組名および番組情報に含まれていない場合には、S370に移行する。
【0062】
S360では、累積表データ51の該当の欄の数値を1だけカウントアップし、上書き保存し、S370に移行する。
ここで、累積表データ51とは、図4に示すように、一方の軸(横軸)に「温泉」、「野球」、「アイドル」等のキーワードが配置され、他方の軸(縦軸)に通信装置を特定するための識別符号が配置されているものを示す。
【0063】
そして、この累積表データ51において、キーワードと識別符号とにより決定される各欄には、キーワードを含むテレビ放送番組(詳しくは、番組名および番組情報)の受信回数を示す数値が記載されている。
【0064】
なお、この累積表データ51は、ユーザデータベース14に格納されている。
次いで、図3のS370では、他のキーワードが番組名および番組情報に含まれているかについて調べるか否かを判定する。他のキーワードについて調べる場合には、S340に戻り、他のキーワードについて調べない場合には、S375に移行する。
【0065】
S375では、他の番組名についてもキーワードの抽出を行うか否かを判定する。他の番組名についてもキーワードの抽出を行う場合には、S320に戻り、他の番組名についてはキーワードの抽出を行わない場合には、S380に移行する。
【0066】
S380では、この通信装置についてデータ抽出済フラグを立てて、S390に移行する。
そして、S390では、他の通信装置についてもキーワードの抽出を行うか否かを判定する。他の通信装置についてもキーワードの抽出を行う場合には、キーワード抽出処理を繰り返し、他の通信装置についてはキーワードの抽出を行わない場合には、キーワード抽出処理を終了する。
【0067】
次に、累積表データ51の内容に基づいて、ホストサーバ10が携帯電話機20に対してメールを転送する処理について、図5を用いて説明する。図5は、ホストサーバ10の制御部11が実行するメール送信処理を示すフローチャートである。なお、このメール送信処理は、本発明で言う情報送信手段に相当する。
【0068】
この処理は、スポンササーバ94からメール転送コードが付加された情報メールが送信されてきたときに開始する。ここで、メール転送コードとは、例えば、メールの題名や、メール本文の文末等に付加された文字列を示し、ホストサーバ10の制御部11は、この文字列が予め記憶された文字列であるか否かに基づいて、スポンササーバ94からの情報メールであることを認識する。
【0069】
この処理は、図5に示すように、まず、S510にて、1つの通信装置を選択し、S520に移行する。
次に、S520に移行し、累積表データ51において、この通信装置の特定のキーワードの欄の数値が、予め設定された設定値以上であるか否かを判定する。
【0070】
例えば、メール転送コードにより、特定のキーワードは「温泉」であって、判定のための設定値が「3」である場合には、累積表データ51において、選択中の通信装置と「温泉」とにより特定される欄の数値が「3」以上であるか否かを判定する。
【0071】
そして、S520にて、この通信装置の特定のキーワードの欄の数値が設定値以上である場合には、S530に移行し、この通信装置の特定のキーワードの欄の数値が設定値未満である場合には、S540に移行する。
【0072】
S530では、この通信装置に対してメール送信を行う旨を示すメール送信フラグを立てる。
そして、S540に移行し、未選択の他の通信装置があるか否かを判定する。未選択の他の通信装置がある場合には、S510に戻り、未選択の他の通信装置がない場合には、S550に移行する。
【0073】
次いで、S550では、メール送信フラグが立てられた通信装置のユーザのメールアドレスをユーザデータベース14から読み出し、これらのメールアドレスに対して、スポンササーバ94から送信された情報メールを転送する。なお、このとき、メール転送コードは削除する。
【0074】
そして、S560にて、メール送信フラグを解除し、メール送信処理を終了する。
次に、ユーザが携帯電話機20を用いて録画の予約を行うときの処理について、図6を用いて説明する。図6はホストサーバ10が実行する録画予約処理を示すフローチャートである。なお、この録画予約処理において、S630〜S650の処理は、本発明で言う機器特定手段に相当し、S660の処理は、書換手段に相当し、S680〜S710の処理は、コマンド送信手段に相当する。
【0075】
この録画予約処理は、ホストサーバ10がユーザデータベース14に記憶されている携帯電話機20のメールアドレスからメールを受信したときに開始され、S610にて受信したメールの種類が録画予約メールであるか否かを判定する。メールの種類が録画予約メールである場合には、S620に移行し、メールの種類が録画予約メールではない場合には、この録画予約処理を終了し、そのメールの種類に応じた処理を行う。
【0076】
S620では、メールの書式が規定通りのものであるか否かを判定する。メールの書式が規定通りであれば、S630に移行し、メールの書式が規定通りではなければS720に移行する。
【0077】
そして、S630では、メールアドレスをユーザデータベース14と照合することにより、このユーザが所有する通信装置を製造したメーカを判定する。
さらに、S640にて、メールアドレスをユーザデータベース14と照合することにより、この通信装置の機種を判定する。
【0078】
そして、S650に移行し、メーカおよび機種の判定が正常に実行できたか否かを判定する。メーカおよび機種の判定が正常に実行できていれば、S660に移行し、メーカおよび機種の判定が正常に実行できていなければ、S720に移行する。
【0079】
次に、S660では、録画予約データをメーカおよび機種に対応した書式に書き換える。なお、この書式は、ユーザデータベース14に格納されたデータ形式の情報に基づいて書き換えられる。
【0080】
そして、S670にて、データ送信先を決定する。ここで、データの送信先は、メーカや機種により、通信装置である場合もあるし、メーカサーバ92である場合もある。データの送信先がメーカサーバ92である場合には、メーカサーバ92が通信装置に対して録画予約データを送信する。
【0081】
次いで、S680に移行し、データ送信先との通信を開始する。この通信は、メーカや機種により、直接通信装置と通信を行う場合もあるし、メールを送信することにより通信装置と通信を行う場合もある。
【0082】
次に、S690に移行し、録画予約データを送信する通信を終了したか否かを判定する。通信を終了していれば、S700に移行し、通信を終了していなければ、S710に移行する。
【0083】
そして、S700では、予約を受け付けた旨を示す予約受付済メールを携帯電話機20のメールアドレス宛に送信し、録画予約処理を終了する。
また、S710では、録画予約データを送信するための通信時間が所定の時間を超えているか否か(即ち、タイムアウトになったか否か)を判定する。通信時間が所定の時間を超えていれば、S720に移行し、通信時間が所定の時間以内であれば、S690に戻る。
【0084】
そして、S720では、通信できなかったものとして、通信エラーメールを携帯電話機20のアドレス宛に送信し、録画予約処理を終了する。
以上のように詳述したシステムにおいて、ホストサーバ10(取扱情報特定装置)は、テレビ放送を受信し、受信したテレビ放送番組の放送日時および放送チャンネルを表す受信ログ(受信情報)を記憶し、外部から要求を受けると受信ログを送信する通信装置30a〜30cとの間で通信を行う通信部15を備えている。そして、このホストサーバ10は、受信番組情報取得処理において、通信部15を介して通信装置30a〜30cから受信ログを取得し(取扱情報取得手段)、放送日時、放送チャンネル、およびテレビ放送番組の情報を表す電子番組表(番組情報)を取得し(番組情報取得手段)、取得した受信ログおよび電子番組表を照合することにより、受信ログから通信装置30a〜30cが受信したテレビ放送番組を特定する(取扱情報特定手段)。そして、電子番組表は、テレビ放送番組の放送日時および放送チャンネルにより特定される放送番組名と、このテレビ放送番組を説明する番組説明文とがそれぞれテキストデータで記述されている。
【0085】
従って、このようなホストサーバ10によれば、放送チャンネルの情報とともに、テレビ放送番組の放送日時の情報も受信するので、通信装置30a〜30cと常に通信可能に接続することなく、通信装置30a〜30cが受信したテレビ放送番組の放送日時および放送チャンネルの情報を表す受信ログを取得することができる。つまり、通信装置30a〜30cが受信したテレビ放送番組を容易に特定することができる。
【0086】
また、電子番組表は、既に配信されているものを使用することができるので、新たに番組表に相当するデータベースを構築する手間を省くことができる。
ここで、従来のシステム(例えば、特許文献1に記載のシステム)では、視聴者が視聴したテレビ放送番組を特定することができたとしても、このように特定した情報から視聴者の嗜好を調査することはできなかった。そこで、本実施例のシステムにおいては、以下のような構成にしている。
【0087】
即ち、ホストサーバ10においては、視聴者の嗜好を調査するための複数のキーワードが予め記憶されたスポンサデータベース13(キーワード記憶手段)を備えている。そして、キーワード抽出処理において、スポンサデータベース13に記憶されたキーワード毎に、受信番組情報取得処理により特定されたテレビ放送番組に、スポンサデータベース13に記憶されたキーワードが含まれているか否かを判定する処理(キーワード判定手段)と、キーワード判定手段によりキーワードが含まれていると判定した場合に、キーワード毎に、視聴者がキーワードを含むテレビ放送番組を視聴したことをユーザデータベース14(判定結果記憶手段)に記憶する処理(格納手段)と、を実行する。
【0088】
従って、このようなホストサーバ10によれば、通信装置30a〜30cが受信した電子番組表に、複数のキーワードの何れかが含まれている否かを判定することができるので、通信装置30a〜30cがどのような種類のテレビ放送番組を受信したのかを容易に判定することができる。つまり、視聴者の嗜好を調査することができる。
【0089】
加えて、ホストサーバ10において、ユーザデータベース14は、通信装置30a〜30cとキーワードとの組み合わせにより特定される複数の記憶領域のそれぞれに、キーワードを含むテレビ放送番組の視聴回数を記憶するよう設定されている。そして、ホストサーバ10は、キーワード抽出処理において、キーワードが含まれていると判定した場合に、通信装置30a〜30cとキーワードとに基づいて複数の記憶領域の中から対応する記憶領域を選択し、この記憶領域に記憶されている視聴回数をカウントアップして上書きする。
【0090】
従って、このようなホストサーバ10によれば、キーワードが含まれているテレビ放送番組の受信回数を容易に計数することができるので、視聴者が好むテレビ放送番組を容易に特定することができる。
【0091】
また、ホストサーバ10においては、通信装置30a〜30cの所有者が所持する携帯電話機20(端末装置)に対して通信を行う通信部15(対端末装置通信手段)を備えている。そして、ホストサーバ10は、メール送信処理にて、ユーザデータベース14の特定の記憶領域に記憶された視聴回数が、予め設定された設定値を超えた場合に、対端末装置通信手段を介して、この記憶領域に関連付けられたキーワードから得られる嗜好に対応する情報を携帯電話機20に送信する(情報送信手段)。
【0092】
つまり、興味のない情報を無作為に送信しても、その情報が不要な者にとっては迷惑になるだけであるため、ある程度その情報に興味があると思われる者を厳選し、その者にのみ特定の情報を配信するようにしているのである。
【0093】
従って、このようなホストサーバ10によれば、特定のキーワードが含まれたテレビ放送番組を所定の回数以上見た者(通信装置30a〜30cの所有者)にのみキーワードから得られる嗜好に対応する情報を送信することができるので、その情報の配信を効果的に行うことができる。
【0094】
さらに、ホストサーバ10においては、複数の通信装置30a〜30cに対して通信可能に接続されており、受信番組情報取得処理にて、これらの複数の通信装置30a〜30cのそれぞれから、受信ログを取得する。
【0095】
従って、このようなホストサーバ10によれば、複数の通信装置30a〜30cがそれぞれ受信したテレビ放送番組を特定することができる。
また、ホストサーバ10の通信部15は、録画予約処理において、通信装置30a〜30cの所有者が所持し、この通信装置30a〜30cを操作するための操作コマンドと、この操作コマンドの送信元を特定するための識別情報とを送信可能な携帯電話機20との間で通信可能に設定されており、ホストサーバ10は通信部15を介して操作コマンドおよび識別情報を受信すると、受信した識別情報に基づいて、この携帯電話機20に関連付けて記憶された通信装置30a〜30cを特定する(機器特定手段)。そして、特定された通信装置30a〜30cに対して操作コマンドを送信する(コマンド送信手段)。
【0096】
このようなホストサーバ10によれば、携帯電話機20を用いて通信装置30a〜30cを操作することができる。また、通信装置30a〜30cはこのホストサーバ10のみと通信可能にすればよいので、通信装置30a〜30cの通信機能を簡素化することができる。
【0097】
加えて、ホストサーバ10のユーザデータベース14は、各通信装置30a〜30cが認識可能な操作コマンドのデータ形式を、通信装置30a〜30c毎に記憶している(形式記憶手段)。そして、ホストサーバ10は、録画予約処理にて、特定された通信装置30a〜30cに対応するデータ形式をユーザデータベース14から読み出し、受信した操作コマンドを読み出したデータ形式の操作コマンドに書き換え(書換手段)、書き換えられた操作コマンドを送信する。
【0098】
従って、このようなホストサーバ10によれば、携帯電話機20側にて通信装置30a〜30cが受信可能なデータ形式の操作コマンドに変換することなく的確な操作コマンドを通信装置30a〜30cに送信することができる。
【0099】
なお、本発明の実施の形態は、上記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
例えば、本実施例において、受信番組情報取得処理にて受信ログを取得するタイミングは、1日3回指定時刻としたが、番組放送中や番組放送後の任意のタイミングでよい。また、通信装置30a〜30cの電源が入っているときにのみ通信を行うようにしてもよい。
【0100】
さらに、本実施例において通信装置30a〜30cは、録画機であるものとして説明したが、録画機に限らず、テレビ受像機、録画機、ケーブルTVのチューナ等のテレビ放送を受信可能な機器であればよい。
【0101】
また、ホストサーバ10は、インターネット網7を介して受信ログを取得するよう構成したが、電話回線網9等のその他のネットワークや、直接通信装置30a〜30cに対して接続された専用線を介して受信ログを取得するよう構成してもよい。
【0102】
さらに、受信番組情報取得処理においては、ネットワークを介して電子番組表を受信するよう構成したが、テレビ放送電波等から電子番組表を取得してもよい。
また、録画予約処理においては、メールを受信したときにこの処理を開始するよう構成したが、携帯電話機20がWebブラウザまたはアプリケーションを用いて直接ホストサーバ10に対してアクセス可能な場合には、Webブラウザまたはアプリケーションにて録画予約がなされたときにこの処理を開始するように構成してもよい。
【0103】
この場合には、図6に示すS610およびS620の処理を、図7に示すS810〜S830の処理に置換するとよい。
即ち、図7に示す変形例の録画予約処理は、携帯電話機20がWebブラウザまたはアプリケーションを用いて録画予約をしたときにこの処理を開始し、S810にて、携帯電話機20に通信装置30a〜30cのメーカおよび機種の情報を要求する。
【0104】
そして、S820に移行し、通信装置30a〜30cのメーカおよび機種の情報が受信されたか否かを判定する。通信装置30a〜30cのメーカおよび機種の情報が受信されていれば、図6のS630に移行し、以下、図6に示す処理を行う。また、通信装置30a〜30cのメーカおよび機種の情報が受信されていなければ、S830に移行する。
【0105】
S830では、通信装置30a〜30cのメーカおよび機種の情報を受信するための通信時間が所定の時間を超えているか否か(即ち、タイムアウトになったか否か)を判定する。通信時間が所定の時間を超えていれば、図6に示すS720に移行し、以下、図6に示す処理を行う。一方、通信時間が所定の時間以内であれば、S820に戻る。
【0106】
このようにしても実施例と同様の効果が得られる。
また、上記構成を用いて、以下のようなこともできる。
例えば、ホストサーバ10は、携帯電話機20がWebブラウザまたはアプリケーションを用いてホストサーバ10と通信を開始すると、特定の映像等のデータの購入を促す画像を携帯電話機20に送信する。そしてさらに、クレジットカード番号やパスワードを入力するなどの認証を求める画像を送信し、携帯電話機20から認証する旨の信号を受信すると、その信号を解析する。そして、その信号とユーザデータベース14に記憶された情報(クレジットカード番号やパスワードの情報)とが一致することを確認すると、特定の映像等のデータが購入されたものとみなし、以下、録画予約処理のS630移行の処理を行う。
【0107】
このとき、S680では、このデータをホストサーバ10等の指定の通信相手から取得するためのコマンドを通信装置に対して送信する。
そして、通信装置は通信部32を介して、このコマンドにより指定された通信相手と通信を行い、所定のデータを録画部33により記憶させる。
【0108】
このようにすれば、携帯電話機20にて認証済のデータを通信装置により容易に記録することができる。
また、本実施例では、キーワードを抽出する際にテキストデータを用いたが、特にテキストデータに限らず、例えば、キーワード毎にID(識別子)を割り当てておき、このIDが含まれているか否かに基づいてキーワードが含まれているか否かを判定するよう構成してもよい。
【実施例2】
【0109】
次に、別形態のシステムについて説明する。本実施例(実施例2)にて説明するシステムは、ホストサーバ10の通信相手となる装置が異なるのみであって、その他の構成は実施例1のシステムと同様の構成である。従って、本実施例(実施例2)では、実施例1のシステムと異なる箇所のみを詳述し、実施例1のシステムと同様の箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0110】
まず、本実施例(実施例2)のホストサーバ10は、携帯電話機20の動作状態(操作内容)を監視することにより、その操作内容を特定するとともに、操作内容に特定のキーワードが含まれているか否かを判定することにより、使用者の嗜好を調査可能に構成されている。つまり、実施例1では番組情報にキーワードが含まれているか否かを判定したが、本実施例(実施例2)では番組情報の換わりに携帯電話機20(通信装置)が取り扱った情報を表す取扱情報に特定のキーワードが含まれているか否かを判定する。
【0111】
具体的には、携帯電話機20は、ホストサーバ10を介して他の機器と通信を行うよう設定されているとともに、使用者により操作された操作内容を干すとサーバ10に送信するよう構成されており、ホストサーバ10では、以下のような処理が行われる。図8はホストサーバ10の制御部11が行う操作内容取得処理を示すフローチャートである。
【0112】
この操作内容取得処理は、ホストサーバ10が携帯電話機20からのアクセスを受けたときに開始される処理である。
即ち、この処理は、図8に示すように、S910にて携帯電話機20との接続が確立されたか否かを判定する。携帯電話機20との接続が確立されていればS920に移行し、携帯電話機20との接続が確立されていなければS910を繰り返す。
【0113】
次いで、S920では、携帯電話機20との接続が切断されたか否かを判定する。携帯電話機20との接続が維持されていればS930に移行し、携帯電話機20との接続が切断されていれば操作内容取得処理を終了する。
【0114】
次に、S930では、携帯電話機20と接続された状態で携帯電話機20が操作されたか否かを判定する。携帯電話機20が操作されていれば、この操作内容を取得してS940に移行し、携帯電話機20が操作されていなければS920に戻る。
【0115】
そして、S940では、S930にて取得した操作内容がホストサーバ10の監視対象となる特定操作であるか否かを判定する。
ここで、特定操作とは、例えば、予めホスト装置10の何れかのデータベースに記憶された、特定のリンク先への接続操作や、特定画像の閲覧、或いはアンケートに対して回答を行う等の操作が該当する。
【0116】
S940にて、取得した操作内容が特定操作であればS950に移行し、取得した操作内容が特定操作でなければS920に戻る。
そして、S950では、操作内容を操作ログとしてユーザデータベース14に記憶し、S920に戻る。
【0117】
このような処理により、ユーザデータベース14には、携帯電話機20の使用者による操作ログが記憶される。なお、この操作ログには、操作内容がテキストデータで記憶されている。
【0118】
次に、ユーザデータベース14に記憶された操作ログから使用者の嗜好を調査することもできる。
即ち、図3に示すキーワード抽出処理と同様の処理を行えばよい。ただし、本実施例の場合には、各操作ログにキーワードが含まれているか否かを判定する。このため、この処理においては、S310、S390の「通信装置」を「携帯電話機」に置換し、S320、S375の「番組名」を「操作ログ」に置換し、さらに、S330の処理を削除すればよい。
【0119】
以上のように説明したシステムにおいて、ホストサーバ10は、監視対象の携帯電話機20との間で通信を行い、携帯電話機20が取り扱った情報を表す取扱情報を取得する。そして、取得された取扱情報の内容に基づいて、携帯電話機20が取り扱った情報を特定する。また、携帯電話機20の使用者の嗜好を調査するためのキーワードを予め何れかのデータベースに記憶しておき、取得された取扱情報に、データベースに記憶されたキーワードが含まれているか否かを判定する。そして、キーワードが含まれていると判定した場合に、携帯電話機20の使用者がキーワードを含む情報を取り扱ったことをユーザデータベース14に記憶させる。
【0120】
従って、このようなシステムによれば、携帯電話機20が受信した番組情報に特定のキーワードが含まれているか否かを判定することができるので、視聴者がキーワードにより識別される特定の操作を行ったか否かを容易に判定することができる。つまり、携帯電話機20の使用者が特定の事項に対して嗜好を有するか否かを調査することができる。
【0121】
なお、携帯電話機20の制御部21に操作ログを記憶可能な記憶部が備えられている場合には、図8に示す操作内容取得処理を行う必要はなく、図2に示す受信番組情報取得処理を一部変更した操作内容取得処理を行えばよい。
【0122】
即ち、この場合の操作内容取得処理においては、S110、S130、S210の「通信装置」との記載を「携帯電話機」に改め、S140、S150、S220の「受信ログ」および「特定された番組名」との記載を「操作ログ」に改めるとともに、S190の処理を削除した処理を実行すればよい。
【0123】
つまり、このようなシステムにおいては、ホストサーバ10は任意のタイミングで携帯電話機20と通信を行うことにより、携帯電話機20に記憶された取扱情報を取得することができる。
【0124】
従って、このようなシステムによれば、ホストサーバ10が携帯電話機20と常に通信可能に接続されていなくても、取扱情報を取得し、特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】ホストサーバ10を備えたシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】受信番組情報取得処理を示すフローチャートである。
【図3】キーワード抽出処理を示すフローチャートである。
【図4】累積表データ51を示す説明図である。
【図5】メール送信処理を示すフローチャートである。
【図6】録画予約処理を示すフローチャートである。
【図7】変形例の録画予約処理を示すフローチャートである。
【図8】操作内容取得処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0126】
7…インターネット網、9…電話回線網、10…ホストサーバ、11…制御部、12…EPGデータベース、13…スポンサデータベース、14…ユーザデータベース、15…通信部、20…携帯電話機、21…制御部、22…操作部、23…ディスプレイ、24…通信部、30…通信装置、31…処理部、32…通信部、33…録画部、34…記憶部、35…受信部、51…累積表データ、91…EPGサーバ、92…メーカサーバ、93…基地局、94…スポンササーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己が取り扱った情報の少なくとも一部を取扱情報として記憶し外部から要求を受けると前記取扱情報を送信する通信装置、との間で通信を行う対通信装置通信手段と、
前記対通信装置通信手段を介して、前記通信装置から取扱情報を取得する取扱情報取得手段と、
前記取扱情報取得手段により取得された取扱情報に基づいて、前記通信装置が取り扱った情報を特定する取扱情報特定手段と、
を備えたことを特徴とする取扱情報特定装置。
【請求項2】
通信装置の使用者の嗜好を調査するためのキーワードが予め記憶されたキーワード記憶手段と、
前記取扱情報取得手段により取得された取扱情報に、前記キーワード記憶手段に記憶されたキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段と、
前記キーワード判定手段により前記キーワードが含まれていると判定した場合に、前記通信装置の使用者が前記キーワードを含む情報を取り扱ったことを判定結果記憶手段に記憶させる格納手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の取扱情報特定装置。
【請求項3】
テレビ放送番組毎に、放送日時、放送チャンネル、およびテレビ放送番組の内容を表す番組情報を取得する番組情報取得手段を備え、
前記対通信装置通信手段は、テレビ放送を受信し、受信したテレビ放送番組の放送日時および放送チャンネルを表す受信情報を前記取扱情報として記憶し、外部から要求を受けると該記憶した受信情報を送信する通信装置、との間で通信を行い、
前記取扱情報取得手段は、前記対通信装置通信手段を介して、前記通信装置から前記受信情報を取得し、
前記取扱情報特定手段は、前記取扱情報取得手段が取得した受信情報、および前記番組取得手段が取得した番組情報を照合することにより、前記受信情報から前記通信装置が受信したテレビ放送番組を特定すること
を特徴とする請求項1に記載の取扱情報特定装置。
【請求項4】
通信装置の使用者の嗜好を調査するためのキーワードが予め記憶されたキーワード記憶手段と、
前記取扱情報特定手段により特定されたテレビ放送番組の番組情報に、前記キーワード記憶手段に記憶されたキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段と、
前記キーワード判定手段により前記キーワードが含まれていると判定した場合に、通信装置の使用者が前記キーワードを含むテレビ放送番組を視聴したことを判定結果記憶手段に記憶させる格納手段と、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の取扱情報特定装置。
【請求項5】
前記キーワード記憶手段は複数のキーワードを記憶し、
前記キーワード判定手段は、前記キーワード記憶手段に記憶されたキーワード毎に、前記取扱情報特定手段により特定されたテレビ放送番組の番組情報に、各キーワードが含まれているか否かを判定し、
前記格納手段は、前記キーワード判定手段により前記キーワードが含まれていると判定した場合に、前記キーワード毎に、通信装置の使用者が前記キーワードを含む番組を視聴したことを判定結果記憶手段に記憶させること
を特徴とする請求項4に記載の取扱情報特定装置。
【請求項6】
前記判定結果記憶手段は、前記キーワード毎に設定された複数の記憶領域を備え、この記憶領域のそれぞれに、キーワードを含むテレビ放送番組の視聴回数を記憶するよう設定されており、
前記格納手段は、前記キーワード判定手段により前記キーワードが含まれていると判定した場合に、前記通信装置と前記キーワードとに基づいて前記判定結果記憶手段の複数の記憶領域の中から対応する記憶領域を選択し、この記憶領域に記憶されている視聴回数をカウントアップして上書きすること
を特徴とする請求項4または請求項5に記載の取扱情報特定装置。
【請求項7】
前記通信装置の所有者が所持する端末装置との間で通信を行うための対端末装置通信手段と、
前記判定結果記憶手段の特定の記憶領域に記憶された視聴回数が、予め設定された設定値を超えた場合に、前記対端末装置通信手段を介して、この記憶領域に関連付けられたキーワードに対応した情報を前記端末装置に送信する情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の取扱情報特定装置。
【請求項8】
前記番組情報取得手段は、前記各テレビ放送番組の番組情報として、テレビ放送番組の放送日時および放送チャンネルにより特定される放送番組名と、このテレビ放送番組を説明する番組説明文とがそれぞれテキストデータで記述された電子番組表を取得することを特徴とする請求項3〜請求項7の何れかに記載の取扱情報特定装置。
【請求項9】
前記対通信装置通信手段は、複数の通信装置に対して通信可能に接続されており、
前記取扱情報取得手段は、これらの複数の通信装置のそれぞれから、前記対通信装置通信手段を介して前記取扱情報を取得すること
を特徴とする請求項1〜請求項8の何れかに記載の取扱情報特定装置。
【請求項10】
前記通信装置を操作するための操作コマンドと、この操作コマンドの送信元を特定するための識別情報とを送信可能な操作装置との間で通信を行うための対操作装置通信手段と、
前記操作装置から前記対操作装置通信手段を介して前記操作コマンドおよび前記識別情報を受信すると、受信した識別情報に基づいて、この操作装置に関連付けて記憶された通信装置を特定する機器特定手段と、
前記機器特定手段により特定された通信装置に対して前記操作コマンドを送信するコマンド送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項9に記載の取扱情報特定装置。
【請求項11】
前記各通信装置が認識可能な操作コマンドのデータ形式を、前記通信装置毎に記憶する形式記憶手段と、
前記機器特定手段により特定された通信装置に対応するデータ形式を前記形式記憶手段から読み出し、前記受信した操作コマンドを読み出したデータ形式の操作コマンドに書き換える書換手段と、を備え、
前記コマンド送信手段は、前記書換手段により書き換えられた操作コマンドを送信すること
を特徴とする請求項10に記載の取扱情報特定装置。
【請求項12】
監視対象の通信装置との間で通信を行う対通信装置通信手段と、
前記対通信装置通信手段を介して、前記通信装置が取り扱った情報を表す取扱情報を取得する取扱情報取得手段と、
前記取扱情報取得手段により取得された取扱情報に基づいて、前記通信装置が取り扱った情報を特定する取扱情報特定手段と、
通信装置の使用者の嗜好を調査するためのキーワードが予め記憶されたキーワード記憶手段と、
前記取扱情報取得手段により取得された取扱情報に、前記キーワード記憶手段に記憶されたキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段と、
前記キーワード判定手段により前記キーワードが含まれていると判定した場合に、前記通信装置の使用者が前記キーワードを含む情報を取り扱ったことを判定結果記憶手段に記憶させる格納手段と、
を備えたことを特徴とする取扱情報特定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−104209(P2007−104209A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−290297(P2005−290297)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【出願人】(503296526)株式会社ナノ・メディア (4)
【Fターム(参考)】