説明

受信機、および文字データ処理装置

【課題】カナ文字を表示できない表示部を備えた受信機で、英数文字とカナ文字とが混在した文字メッセージを受信したときに、文字メッセージ全体を適切に認識可能な形態で表示すること。
【解決手段】本発明に係る受信機は、
受信したコード化された文字データが英数文字に対応した文字コードであるか、非英数文字に対応した文字コードであるかを識別し、英数文字に対応した文字コードである場合は前記英数文字に対応した文字コードを出力し、非英数文字に対応した文字コードである場合は前記非英数文字に対応した文字コードを所定の変換規則に基づいて英数文字に対応する文字コードもしくは文字コードの組み合わせに変換して出力する処理手段を備え、表示部には、前記処理手段から出力される文字コードに対応して、英数文字に対応する文字パターンが表示されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字データを表示する表示部を備える受信機、および文字データを処理して表示する文字データ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
文字データを表示する表示部を備える受信機は、送信機から送信された文字データで構成された文字メッセージを受信して表示部に表示させることができる。
【0003】
以下、送信機から文字メッセージを送信し、その文字メッセージを受信機の表示部に表示させるフローについて説明する。
【0004】
まず送信機側では、文字を入力して文字メッセージを構成する文字列を作成し、表示部に表示させる。
【0005】
次に文字メッセージの送信を実行すると、文字コード表に基づき、入力された文字列は文字毎に文字データにコード化され、変調されて送信される。
【0006】
送信された文字メッセージは受信機で受信されて復調され、コード化された文字データが取り出され、取り出された文字データは文字コード表に基づき、送信された文字列と同じ文字列からなる文字メッセージが表示部に表示される。
【0007】
この種の受信機において、表示部に表示できる文字の種類は、表示部の仕様に依存する。
【0008】
例えば、図4の(A)に例示したようなドッドマトリックス形式の表示部は、英数文字のみならず、カナ文字を表示させることが可能であるが、図4の(B)に例示したような14セグメント形式の表示部では、英数文字を表示させることはできるが、認識が容易な形態でカナ文字を表示させることはできない。
【0009】
この為、ドッドマトリックス形式の表示部を備えた送信機から送信された文字メッセージが、例えばカナ文字を含み、英数文字とカナ文字とが混在した「FROM イコマ 430」であった場合、この文字メッセージを14セグメント形式の表示部を備えた受信機で受信すると、カナ文字をその表示部に表示することができない。
【0010】
そこで、表示可能な英数文字はそのままで表示し、表示できないカナ文字は、一括して特定の文字、例えばアンダーバーに変換して、カナ文字の代わりにアンダーバー「_」を表示することが行われている。
【0011】
そのためには、受信して復調された文字コードが英数文字であるか、カナ文字であるかを判別する必要がある。
【0012】
図7に、文字コード表の一例を示した。この文字コード表は8ビットで構成された文字コード表の例であり、この例では、16進表示のコード番号”00h”〜””FFh”までの8ビットの一部に制御コードと英数文字とカナ文字(半角1バイト)が割り当てられている。この例では、”A1h”〜”DFh”にカナ文字が割り当てられている。
【0013】
したがって、”7Fh”以下は英文字であり、”A0h”以上はカナ文字であると識別することができる。
【0014】
以上のようにして、カナ文字であると識別された文字コードは、一括して特定の文字、例えばアンダーバー「_」などに置き換えて表示することが行われている。
【0015】
そのため、英数文字とカナ文字とが混在した「FROM イコマ 430」という文字メッセージは、前記受信機の表示部には、「FROM _ _ _ 430」と、カナ文字がアンダーバーに置き換えられて表示されるので、文字メッセージになんらかのカナ文字が混在していることは認識できるが、そのカナ文字の部分がなんというカナ文字であるのかを認識できないといった不具合があった。
【0016】
なお、特許文献1には、ファクシミリ装置において、カナ文字、かな文字、漢字で表示される宛先識別情報を、カナ文字、かな文字、漢字のままで表示するか、もしくは、全てローマ字表記に変換して英数文字で表示するかを選択可能な技術が開示されている。しかし、特許文献1に開示された技術は、本願発明のように、英数文字とカナ文字とが混在した文字メッセージに関して、そこに含まれるカナ文字をローマ字表記に変換して英文字で表示することを可能とする技術ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平11−146099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明において解決しようとする問題点は、従来の受信機では、英数文字とカナ文字とが混在した文字メッセージを受信したときに、カナ文字の部分を表示できないので、文字メッセージ全体を適切に認識できないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、
請求項1に係る受信機は、
英数文字に対応する文字パターンを表示し得る表示部を備え、所定の対応表に基づいてコード化された文字データを受信し、当該コード化された文字データに対応して、英文字に対応する文字パターンを前記表示部で表示するように構成された受信機であって、
受信した前記コード化された文字データが英数文字に対応した文字コードであるか、非英数文字に対応した文字コードであるかを識別し、英数文字に対応した文字コードである場合は前記英数文字に対応した文字コードを出力し、非英数文字に対応した文字コードである場合は前記非英数文字に対応した文字コードを所定の変換規則に基づいて英数文字に対応する文字コードもしくは文字コードの組み合わせに変換して出力する処理手段を備え、
前記表示部には、前記処理手段から出力される文字コードに対応して、英数文字に対応する文字パターンが表示されるように構成されていることを特徴としている。
【0020】
請求項2に係る受信機は、
前記非英数文字は、カナ文字であり、
前記所定の変換規則は、カナ文字に対応する文字コードと、当該カナ文字のローマ字表記に対応する英数文字の組み合わせに対応する文字コードとを関連づけたカナ文字ローマ字変換テーブルで構成され、
前記処理手段は、前記カナ文字ローマ字変換テーブルを参照して、カナ文字に対応する文字コードを、当該カナ文字のローマ字表記に対応する英数文字もしくは英数文字の組み合わせに対応する文字コードに変換して出力するように構成されていることを特徴としている。
【0021】
請求項3に係る文字データ処理装置は、
英数文字に対応する文字パターンを表示し得る表示部を備え、所定の対応表に基づいてコード化された文字データが入力されると、当該コード化された文字データに対応して、英文字に対応する文字パターンを前記表示部で表示するように構成された文字データ処理装置であって、
入力された前記コード化された文字データが英数文字に対応した文字コードであるか、非英数文字に対応した文字コードであるかを識別し、英数文字に対応した文字コードである場合は前記英数文字に対応した文字コードを出力し、非英数文字に対応した文字コードである場合は前記非英数文字に対応した文字コードを所定の変換規則に基づいて英数文字に対応する文字コードもしくは文字コードの組み合わせに変換して出力する処理手段を備え、
前記表示部には、前記処理手段から出力される文字コードに対応して、英数文字に対応する文字パターンが表示されるように構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る受信機によれば、
受信したコード化された文字データが非英数文字に対応した文字コードである場合は前記非英数文字に対応した文字コードを所定の変換規則に基づいて英数文字に対応する文字コードもしくは文字コードの組み合わせに変換して出力して、表示部で表示するので、英数文字と英数文字以外のカナ文字などが混在した文字メッセージを受信したときでも、英数文字外の部分を英数文字に変換して表示でき、文字メッセージ全体を適切に認識できる。
【0023】
本発明に係る文字データ処理装置によれば、
コード化された文字データが入力されたとき、その文字データが非英数文字に対応した文字コードである場合は前記非英数文字に対応した文字コードを所定の変換規則に基づいて英数文字に対応する文字コードもしくは文字コードの組み合わせに変換して出力して、表示部で表示するので、英数文字と英数文字以外のカナ文字などが混在した文字メッセージが入力されたときでも、英数文字外の部分を英数文字に変換して表示でき、文字メッセージ全体を適切に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明に係る受信機の実施形態のブロック図である。
【図2】図2は、前記受信機における文字列処理方法のフローチャートである。
【図3】図3は、前記受信機に用いるカナ文字ローマ字変換テーブルの構成図である。
【図4】図4は、前記受信機に用いる各種表示部の説明図である。
【図5】図5は、実施例2の受信機のブロック図である。
【図6】図6は、本発明に係る文字データ処理装置のブロック図である。
【図7】図7は、従来の文字コード表の一例を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を実施するための形態としての受信機1は、図1に示したように、アンテナ2、復調部3、表示部4、制御部5、記憶部6、スピーカー7を有するものである。
【0026】
この受信機1においては、変調された音声データ信号とコード化された文字データ信号とをアンテナ2で受信して復調部3で復調して音声データ信号とコード化された文字データ信号を得て、音声データ信号からは音声信号を取り出しスピーカー7に伝送して音声出力し、文字データ信号からは制御部5で文字メッセージを生成して表示部4に伝送して表示する。
【0027】
制御部5は、図2のフローチャートに示されたように、ステップS1では、変調部3で取り出された文字メッセージに含まれる文字データが、英数文字に対応した文字データであるか、非英数文字としてのカナ文字に対応した文字データであるかを識別し、英数文字に対応した文字データである場合は、その英数文字に対応した文字コードの文字パターンを表示部4に出力し、カナ文字に対応した文字データである場合は、ステップS2に進んで、記憶部6に記憶されたカナ文字ローマ字変換テーブル(後述)を参照して、そのカナ文字をローマ字表記に変換して、ローマ字表記を構成する英数文字(実際には英文字のみであって数字は含まない。)もしくは英数文字の組み合わせに変換して、それらの英数文字に対応した文字コードの文字パターンを表示部4に出力する。なお、カナ文字が「ア行」の場合は、複数の英文字の組み合わせではなく単一の英文字のみに変換されるが、以後、このような場合も「英数文字の組み合わせ」とする。
【0028】
ステップS3では、前記表示部4において、英数文字に対応した文字コードに対応した文字パターンを生成して表示する。
【0029】
記憶部6には、例えば、図3に示したように、カナ文字に対応する文字コードと、そのカナ文字のローマ字表記に対応する英文字の組み合わせに対応する文字コードの組み合わせとを関連づけたカナ文字ローマ字変換用テーブル61が記憶されている。
【0030】
なお、前記カナ文字ローマ字変換用テーブル61には、カナ文字の濁音、半濁音、拗音などのように、文字コードが2つ以上で構成されるカナ文字(「ガ」、「パ」、「キャ」など)については、それらのカナ文字のローマ字表記に対応する英文字の組み合わせ(「GA」、「PA」、「KYA」など)に対応する文字コードの組み合わせが記憶されている。そして、前記記憶部6は、前記カナ文字ローマ字変換用テーブル61を参照して、カナ文字の濁音、半濁音、拗音などのように、文字コードが2つ以上で構成されるカナ文字(「ガ」、「パ」、「キャ」など)については、それらのカナ文字のローマ字表記に対応する英文字の組み合わせ(「GA」、「PA」、「KYA」など)に対応する文字コードの組み合わせを、前記制御部5を介して前記表示部4に出力するように構成されている。
【0031】
このように、前記記憶部6と前記カナ文字ローマ字変換用テーブル61は、所定のローマ字表記の方式に基づいた文字コードを、前記制御部5を介して前記表示部4に出力するように構成されているのである。
【0032】
なお、前記制御部5と前記記憶部6とで、特許請求の範囲に記載された処理手段を構成している。
【0033】
表示部4は、例えば図4の(C)に示したような14セグメントのLCDディスプレイからなるものであり、英数文字に対応した文字パターンを表示させることができるが、カナ文字に対応した文字パターンは表示させることができない。
【0034】
そこで、ステップS3では、受信して取り出された文字メッセージのうち、英数文字の部分は、そのまま英数文字に対応した文字パターンを生成して、14セグメントのLCDディスプレイで表示し、カナ文字からなる部分は、そのカナ文字に対応するローマ字表記に対応した英数文字の組み合わせに変換して、変換した英数文字に対応した文字パターンを生成して、14セグメントのLCDディスプレイで表示するのである。
【0035】
このように、本来は14セグメントのLCDディスプレイでは表示できないカナ文字に対応する文字パターンを、前記カナ文字のローマ字表記に対応する英数文字に対応する文字パターンの組み合わせに置き替えて表示するので、表示部4が14セグメントのLCDディスプレイや14セグメントのLEDディスプレイ等であっても、本来は表示困難であるカナ文字が混在した文字メッセージを、英数文字のみからなる文字メッセージとして表示させて認識することが可能となるのである。
【0036】
なお、以上の形態においては、数字や英文字を英数文字とし、カナ文字を非英数文字として、14セグメントの表示部で表示する場合で説明したが、漢字や特殊絵文字やハングル文字などを、その読みに対応した英数文字やカナ文字の組み合わせに変換して、ドット数が多くはないドットマトリクス式の表示部で、多くのドット数を必要とする漢字や特殊絵文字やハングル文字などを表示することもできる。
【0037】
例えば「通信」という漢字に対応した文字データを、「ツウシン」というカナ文字に対応する文字データに変換して、「通信」という漢字に代えて「ツウシン」というカナ文字に対応する文字パターンを表示することによって、漢字を表示できない表示部であっても、認識可能となるのである。
【実施例1】
【0038】
実施例1の受信機は、英数文字とカナ文字とが混在した文字メッセージを受信して、カナ文字は英数文字に変換して表示するものであり、前記英数文字とカナ文字に対応する文字データは8ビット構成の文字コードで表わされているものとする。
【0039】
そして、16進表記で”20h”〜”7Fh”である文字コードは、英数文字データに対応する文字コードであり、16進表記で”A6h”〜”DFh”である文字コードは、カナ文字データに対応する文字コードに設定されている。
【0040】
カナ文字ローマ字変換テーブルとしては、カナ文字に対応する文字コードと、そのローマ字表記(カナ文字の音に対応する英文字の組み合わせで表記したもの。)を構成する英数文字の組み合わせに対応する文字コードとを関連づけて対応させた変換テーブルを設定した。
【0041】
例えば、カナ文字ローマ字変換用テーブルでは、例えば、図3に示したように、カナ文字の「ア」に対応する文字コード「B1h」と、英文字の「A」(ローマ文字表記の「ア」に相当)に対応する文字コード「41h」とを関連づけて対応させ、カナ文字の「タ」に対応する文字コード「C0h」と、英文字の「TA」(ローマ文字表記の「タ」に相当)に対応する文字コード「54h+41h」とを関連づけて対応させている。
【0042】
次に、受信データに含まれる文字メッセージが「FROM イコマ430」である場合を例にして、本発明にかかる受信機の動作について説明する。
【0043】
この場合、「FROM イコマ430」に該当する複数のコード化された文字データ「46h 52h 4Fh 4Dh 20h B2h BAh CFh 34h 33h 30h」が文字データ信号として、送信機から送信される。
【0044】
文字データ信号は、受信機1のアンテナ2で受信され、復調部3に伝送される。
次に文字データ信号は、復調部3で復調されて、複数のコード化された文字データ「46h 52h 4Fh 4Dh 20h B2h BAh CFh 34h 33h 30h」が取り出される。
【0045】
制御部5は、復調部3が取り出した複数のコード化された文字データのうち「46h、52h、4Fh、4Dh、20h 34h、33h、30h」は、それぞれ英数文字「F、R、O、M、スペース、4、3、0」に対応する文字コードであると識別して、文字コード「46h、52h、4Fh、4Dh、20h 34h、33h、30h」を表示部4に出力する。
【0046】
表示部4では、出力された文字コード「46h、52h、4Fh、4Dh、20h 34h、33h、30h」に対応する文字パターンを生成して「F、R、O、M、スペース、4、3、0」を表示する。
【0047】
また、復調部3が取り出した複数のコード化された文字データのうち「B2h BAh CFh」は、それぞれカナ文字「イ、コ、マ」に対応する文字コードであると識別して、記憶部6に記憶されているカナ文字ローマ字変換用テーブル61を参照して、文字コード「B2h BAh CFh」を、それぞれ「イ、コ、マ」のローマ字表記に相当する英文字である「I、KO、MA」に対応する文字コードの組み合わせ「49h、4Bh+4Fh、4Dh+41h」に変換して表示部4に出力する。
【0048】
表示部4では、文字コード「49h、4Bh+4Fh、4Dh+41h」に対応する文字パターンを生成して「I、KO、MA」を表示する。
【0049】
つまり、制御部5は、復調部3で復調された英数文字とカナ文字とが混在した複数のコード化された文字データ「46h 52h 4Fh 4Dh 20h B2h BAh CFh 34h 33h 30h」から、英数文字に対応する文字コードのみから構成される「46h、52h、4Fh、4Dh、20h 49h、4Bh、4Fh、4Dh、41h、34h、33h、30h」という複数の文字コードを生成して出力するので、表示部4では、「FROM イコマ430」に代えて「FROM IKOMA430」と表示する。
【0050】
本発明の受信機1によれば、受信した文字データ信号に非英数文字であるカナ文字が含まれている場合であっても、受信した文字データ信号中のカナ文字に対応した文字コードを、英数文字に対応した文字コードの組み合わせに変換して、英数文字で表示するものであるから、表示部4がカナ文字の表示に非対応のものである場合であっても、受信データに含まれる文字メッセージを、認識可能な状態で表示させることができる。
【実施例2】
【0051】
上記実施例1の受信機1の表示部4は、図4の(B)に示したように、非英数文字であるカナ文字の表示に非対応の14セグメントのLCDディスプレイであったが、図5に示した実施例2の受信機1Bのように、図4の(A)に示した、カナ文字の表示に対応しているドッドマトリックス式のディスプレイを用いて、カナ文字を英数文字に変換して表示するか否かを、使用者が選択可能にしてもよい。
【0052】
実施例2の受信機1Bは、図5に示したように、
5×7ドット構成のドットマトリックス式の表示部4Bと、カナ文字に対応した文字コードと、ローマ字表記に対応した英数文字に対応した文字コードの組み合わせとを関連づけて対応させたカナ文字ローマ字変換テーブル61Bを記憶させた記憶部6Bと、カナ文字を英文字の組み合わせに変換(ローマ字変換)して英数文字に対応した文字パターンを表示するか、もしくは、カナ文字のままでカナ文字に対応した文字パターンを表示するかの何れかの表示方式を指定する変換指定部8と、この変換指定部8で指定される表示方式に応じた文字コードを表示部4Bに出力する制御部5Bとを備えている。なお、アンテナ2、復調部3、スピーカ7は、図1の構成と同様であるので、同じ符号を付してその説明を省略した。
【0053】
実施例2の受信機1Bの場合は、
変換指定部8において、カナ文字をローマ字変換して表示する表示方式が選択されている場合のみ、制御部5Bが文字メッセージに含まれる文字コードを、文字毎に英数文字であるか、カナ文字であるかを識別し、英数文字である場合は英数文字に対応する文字パターンを表示し、文字コードがカナ文字に対応した文字コードである場合は、前記カナ文字ローマ字変換テーブル61Bを参照して、そのカナ文字のローマ字表記に対応した英数文字の組み合わせに変換して、対応する文字パターンを表示部4Bに表示させる。
【0054】
変換指定部8において、カナ文字をローマ字変換して表示する表示方式が選択されていない場合には、制御部5Bが文字メッセージに含まされる文字コードを、英数文字に対応する文字コードとカナ文字に対応する文字コードとが混在したままで対応する文字パターンを表示部4Bに表示させる。
【0055】
このような構成とすることで、例えばカナ文字を理解することができる日本人と、カナ文字を理解することができないがローマ字表記なら理解できる外国人とで受信機を共有する場合、日本人が使用する場合はローマ字変換を選択せずに、カナ文字が混在したままで文字メッセージを表示させ、外国人が使用する場合は、ローマ字変換を選択して、英数文字だけからなる文字メッセージを表示させることで、受信機を有効に活用することができる。
【実施例3】
【0056】
本発明の実施例3として、文字データ処理装置10を、図6を参照して説明する。
【0057】
この文字データ処理装置10は、英数文字と非英数文字とが混在した文字データを処理する処理部20と、英数文字に対応する文字パターンを表示し得る表示部30を備えている。
【0058】
前記処理部20では、
入力された前記コード化された文字データが英数文字に対応した文字コードであるか、非英数文字に対応した文字コードであるかを識別し、英数文字に対応した文字コードである場合は前記英数文字に対応した文字コードを出力し、非英数文字に対応した文字コードである場合は前記非英数文字に対応した文字コードを所定の変換規則に基づいて英数文字に対応する文字コードの組み合わせに変換して、前記表示部30へ出力する。
【0059】
前記表示部30では、前記処理部20から出力される文字コードに対応して、英数文字に対応する文字パターンが生成され、例えば14セグメントのLCDディスプレイで表示される。
【0060】
この実施例3の文字データ処理装置10によれば、英数文字と非英数文字とが混在した文字データが入力されたとき、非英数文字は英数文字の組み合わせに変換して、英数文字に対応する文字パターンで表示できるので、非英数文字を表示できない表示部30であっても、非英数文字が混在した文字メッセージを、認識可能な状態で表示させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、受信機に限らず、英数文字やカナ文字に対応する文字データが混在した文字列を処理する種々の文字データ処理装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 受信機
2 アンテナ
3 復調部
4 表示部
5 制御部
6 記憶部
61 カナ文字ローマ字変換テーブル
7 スピーカー
10 文字データ処理装置
20 処理部
30 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
英数文字に対応する文字パターンを表示し得る表示部を備え、所定の対応表に基づいてコード化された文字データを受信し、当該コード化された文字データに対応して、英文字に対応する文字パターンを前記表示部で表示するように構成された受信機であって、
受信した前記コード化された文字データが英数文字に対応した文字コードであるか、非英数文字に対応した文字コードであるかを識別し、英数文字に対応した文字コードである場合は前記英数文字に対応した文字コードを出力し、非英数文字に対応した文字コードである場合は前記非英数文字に対応した文字コードを所定の変換規則に基づいて英数文字に対応する文字コードもしくは文字コードの組み合わせに変換して出力する処理手段を備え、
前記表示部には、前記処理手段から出力される文字コードに対応して、英数文字に対応する文字パターンが表示されるように構成されていることを特徴とする受信機。
【請求項2】
前記非英数文字は、カナ文字であり、
前記所定の変換規則は、カナ文字に対応する文字コードと、当該カナ文字のローマ字表記に対応する英数文字の組み合わせに対応する文字コードとを関連づけたカナ文字ローマ字変換テーブルで構成され、
前記処理手段は、前記カナ文字ローマ字変換テーブルを参照して、カナ文字に対応する文字コードを、当該カナ文字のローマ字表記に対応する英数文字もしくは英数文字の組み合わせに対応する文字コードに変換して出力するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の受信機。
【請求項3】
英数文字に対応する文字パターンを表示し得る表示部を備え、所定の対応表に基づいてコード化された文字データが入力されると、当該コード化された文字データに対応して、英文字に対応する文字パターンを前記表示部で表示するように構成された文字データ処理装置であって、
入力された前記コード化された文字データが英数文字に対応した文字コードであるか、非英数文字に対応した文字コードであるかを識別し、英数文字に対応した文字コードである場合は前記英数文字に対応した文字コードを出力し、非英数文字に対応した文字コードである場合は前記非英数文字に対応した文字コードを所定の変換規則に基づいて英数文字に対応する文字コードもしくは文字コードの組み合わせに変換して出力する処理手段を備え、
前記表示部には、前記処理手段から出力される文字コードに対応して、英数文字に対応する文字パターンが表示されるように構成されていることを特徴とする文字データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−187082(P2010−187082A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28461(P2009−28461)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000100746)アイコム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】