説明

受信装置、受信方法、およびプログラム

【課題】所定情報を確実に取得できるようにする。
【解決手段】異なる周波数帯域に同一の制御情報が配置された広帯域の信号を受信し、処理する場合、その制御情報を安定的に受信する周波数を検出し、その検出された周波数で、再度制御情報が取得される。この周波数の検出は、取得された制御情報に基づき判断される広帯域の信号の信号配列などから、特に無信号の帯域を避けるように設定することができる周波数を検出することで行われる。本技術は、DVB-C2規格における信号を受信する受信装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、受信装置、受信方法、およびプログラムに関する。詳しくは、広帯域の信号に含まれる所定の情報を、確実に取得できる帯域を決定し、その帯域において情報を取得する受信装置、受信方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送システムのデジタル化技術の進展が目覚ましい。日本や欧州の地上波テレビジョン放送システムでは、変調方式として、マルチパス妨害の影響を受けにくいOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式(直交周波数分割多重方式)と呼ばれる変調方式が用いられている。
【0003】
欧州のケーブル放送の放送システムにおいてもOFDM方式が採用されている。第2世代欧州ケーブルデジタル放送規格であるDVB-C2では、他通信との干渉を防ぐために、ノッチ(Notch)と称される特定の周波数帯域ではデータを伝送せず、送信電力をゼロにして信号を伝送することが規格化されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Digital Video Broadcasting (DVB);Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital transmission system for cable systems (DVB-C2) ,DVB Document A138
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、DVB-C2では、他通信との干渉を防ぐために、ノッチを設けることで、各チャネルの間にガードバンドを設ける必要をなくし、ノッチに挟まれた比較的狭い帯域をもデータの伝送に使うことができるため、周波数帯域の有効利用が可能になっている。またDVB-C2では、データを復調するためのパラメータも、伝送されてくるため、そのパラメータを確実に受信し、処理する必要がある。
【0006】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、伝送されてくる所定のデータを確実に受信し、処理できることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の一側面の受信装置は、異なる周波数帯域に同一の制御情報が配置された広帯域の信号を受信する受信部と、前記制御情報を安定的に受信する周波数を検出する検出部とを備える。
【0008】
前記検出部は、前記制御情報を取得し、その取得された制御情報に基づき、前記周波数を検出するようにすることができる。
【0009】
前記広帯域の信号は、DVB-C2規格における信号であり、前記制御情報は、L1情報であるようにすることができる。
【0010】
前記広帯域の信号は、所望の信号を伝送しない周波数帯域である無信号の帯域を含む信号であり、前記検出部は、前記無信号の帯域から離れている周波数を検出するようにすることができる。
【0011】
前記検出部は、前記広帯域の信号の端から離れている周波数を検出するようにすることができる。
【0012】
前記検出部は、所定の周波数で設定される受信帯域内に存在する前記無信号の帯域の幅の合計が少ない周波数を検出するようにすることができる。
【0013】
前記検出部により検出された周波数で設定される受信帯域で受信したときの受信状態が悪いと判断される場合、他の周波数をさらに検出するようにすることができる。
【0014】
本技術の一側面の受信方法は、異なる周波数帯域に同一の制御情報が配置された広帯域の信号を受信し、前記制御情報を安定的に受信する周波数を検出するステップを含む。
【0015】
本技術の一側面のプログラムは、コンピュータに異なる周波数帯域に同一の制御情報が配置された広帯域の信号を受信する受信部と、前記制御情報を安定的に受信する周波数を検出する検出部として機能させるためのプログラムである。
【0016】
本技術の一側面においては、異なる周波数帯域に同一の制御情報が配置された広帯域の信号が受信され、その広帯域の信号から、制御情報を安定的に受信するために適した周波数が検出される。
【発明の効果】
【0017】
本技術の一側面によれば、伝送されてくる所定のデータを受信し、処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】受信装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】DVB-C2信号の例を示す図である。
【図3】C2 Frameの構成を示す図である。
【図4】狭帯域ノッチが存在する場合のC2 Frameの構成を示す図である。
【図5】広帯域ノッチが存在する場合のC2 Frameの構成を示す図である。
【図6】L1情報に含まれるパラメータを示す図である。
【図7】受信装置の動作につい手説明するためのフローチャートである。
【図8】受信帯域について説明するための図である。
【図9】ノッチの影響について説明するための図である。
【図10】最適中心周波数の検出について説明するための図である。
【図11】最適中心周波数の検出について説明するための図である。
【図12】チャネルスキャンについて説明するための図である。
【図13】記録媒体について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、DVB-C2という規格における放送方式を例に挙げて説明するが、他の放送方式や、データ伝送方式に対しても、以下に説明する技術を適用することはできる。
【0020】
[受信装置の構成例]
図1は、受信装置の一実施の形態の構成例を示している。図1の受信装置1は、図示せぬ放送局の送信装置から送信されてくるOFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)信号の放送波を受信するOFDM受信装置である。アンテナ11は、送信されてくるOFDM信号の放送波(RF信号)を受信し、その放送波をチューナ12に出力する。チューナ12は、演算部12aと局部発振器12bから構成される。
【0021】
演算部12aは、アンテナ11からのRF信号と、局部発振器12bからの信号を乗算することによってRF信号をIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、IF信号をAGC(Automatic Gain Control)部13に出力する。局部発振器12bは、所定の周波数の正弦波の信号を発振し、演算部12aに出力する。AGC部13は、供給されたIF信号に対して、信号レベルが一定になるようにゲイン制御を行う。AGC部13は、ゲイン制御後のIF信号をA/D変換部14に出力する。
【0022】
A/D変換部14は、AGC部13からのIF信号をA/D変換し、デジタルのIF信号を直交復調部15に出力する。直交復調部15は、所定の周波数のキャリアを用いて、A/D変換部14からのIF信号を直交復調し、ベースバンドのOFDM信号をOFDM復調部16に出力する。直交復調部15から出力されるベースバンドのOFDM信号を、以下では、OFDM時間領域信号という。OFDM時間領域信号は、直交復調された結果、実軸成分(I成分)と虚軸成分(Q成分)を含んだ複素信号となっている。
【0023】
OFDM復調部16は、同期部31、FFT(Fast Fourier Transform)演算部32、およびOFDM等化部33により構成される。同期部31は、OFDM方式による信号伝送の単位であるOFDMシンボルの同期をとる。即ち、同期部31は、FFT演算部32においてFFTを行う信号区間であるFFT区間の開始位置を決定する。同期部31は、FFT前のOFDM時間領域信号に基づいてFFT区間の開始位置を決定することができるが、OFDM等化部33において等化処理が行われた後は、伝送路の歪みを補正して得られた等化信号に基づいてFFT区間の開始位置を決定することができる。この場合、OFDM等化部33から、伝送路の歪みを補正して得られた等化信号に基づいて決定された同期制御信号が供給される。
【0024】
FFT演算部32は、直交復調部15からのOFDM時間領域信号に対し、同期部31で決定されたFFT区間の開始位置から、有効シンボル長の区間をFFT区間に設定する。そして、FFT演算部32は、OFDM時間領域信号からFFT区間の信号を抽出し、抽出した信号に対してFFT演算を行う。FFT演算部32によるFFT演算により、サブキャリアで送信されてきたデータ、すなわち、IQ平面上の伝送シンボルを表すOFDM信号が得られる。OFDM時間領域信号に対するFFT演算により得られるOFDM信号は周波数領域の信号であり、以下、FFT演算が行われた後のOFDM信号を、適宜、OFDM周波数領域信号という。
【0025】
OFDM等化部33は、FFT演算が行われた後のOFDM周波数領域信号に対し、受信信号の振幅および位相が送信されたものと等しくなるようにする等化処理を行い、その結果得られる等化信号を出力する。各サブキャリアに対する変調方式としてQAM系の変調方式を用いるOFDM方式においては、伝送時にマルチパス等の影響を受けることにより、キャリア毎に、振幅および位相が送信時のものと受信時のものとで異なるものになってしまう。例えば、山や建物による反射、SFN(Single Frequency Network)によってマルチパスの影響が生じる。
【0026】
OFDM方式では、送信信号に、所定の振幅および所定の位相を有する既知信号がパイロット信号として伝送シンボル内に離散的に挿入されている。受信側では、パイロット信号の振幅および位相に基づいて伝送路の周波数特性を求め、受信信号が等化される。
【0027】
誤り訂正部17は、OFDM等化部33から供給された等化信号に対してデインタリーブ処理を施し、さらに、デンパンクチャ、ビタビ復号、拡散信号除去、RS復号などの処理を施す。誤り訂正部17は、各種の処理を施すことによって得られた復号データ(トランスポートストリーム)を後段の外部出力部や出力バッファ等に出力する。また、誤り訂正部17は、デインタリーブ処理、誤り訂正処理等の処理後の復号データのうち、伝送制御情報としての各種の伝送パラメータを、制御部18の伝送パラメータ解釈部19に出力する。
【0028】
制御部18は、受信装置1内の各部を制御する。例えば、制御部18は、図示せぬ操作部で設定された受信チャネルに応じて、受信周波数を設定する。即ち、受信周波数に対応して所定の周波数が局部発振器12bから出力されるように、局部発振器12bの発振周波数が設定される。
【0029】
また、制御部18は、伝送パラメータ解釈部19を有し、伝送パラメータ解釈部19は、誤り訂正部17から供給される伝送パラメータを解釈し、受信装置1を構成する各部に、必要な情報を適宜供給する。例えば、伝送パラメータ解釈部19は、伝送パラメータの一つとして、受信装置1が受信可能な周波数帯域のなかで、無信号の帯域を示す帯域情報、所定のチャネルを読み出すときの周波数といった情報を取得する。これらの情報は、必要に応じ、記憶部20に供給され、記憶される。記憶部20に記憶された情報は、チューニングの際などに用いられる。
【0030】
以上のように構成される受信装置1が、第2世代欧州ケーブルデジタル放送規格であるDVB-C2を受信し、処理する場合を例に挙げ受信装置1の受信処理について説明する。
【0031】
[DVB-C2の信号]
初めに、DVB-C2の信号(以下、DVB-C2信号とも称する)について説明する。図2は、DVB-C2信号の例を示す図である。図2の横軸は周波数を表す。DVB-C2の1つの信号はC2 Systemと呼ばれ、Preamble SymbolとData Symbolから構成される。規格上、1つのC2 Systemは最大3.5GHz程度の帯域幅を有する信号となる。
【0032】
Preamble Symbolは、伝送制御情報であるL1情報(L1 signaling part 2 data)の伝送に用いられるシンボルである。信号を伝送しない周波数帯域についての情報は、このL1情報の一部として送信される。Preamble Symbolを用いて、3408キャリア周期(OFDMの3408のサブキャリア周期)で同じ情報が繰り返し送信される。3408キャリアは7.61MHzの周波数帯域に相当する。
【0033】
Data Symbolは番組データなどのTS(Transport Stream)の伝送に用いられるシンボルである。Data SymbolはData Sliceと呼ばれるブロックに分割される。例えばData Slice 1(DS1)とData Slice 2(DS2)とではそれぞれ異なる番組のデータが伝送される。Data Sliceの数などの、各Data Sliceに関するパラメータもL1情報に含まれる。
【0034】
図2において黒で塗りつぶして示される周波数帯域は、FM放送、警察用の無線通信、軍事用の無線通信などに用いられる周波数帯域であり、C2 Systemの送信には用いられない帯域である。即ち、黒で塗りつぶして示される周波数帯域は、C2 Systemでは、送信装置が出力する送信信号のうちの無信号の帯域であり、ノッチ帯域と呼ばれている。
【0035】
ノッチ帯域には、帯域幅が48サブキャリア未満の狭帯域ノッチ(Narrowband Notch)と、47サブキャリアより大きい(48サブキャリア以上の)広帯域ノッチ(Broadband Notch)とがある。ノッチ(Notch)の数や各ノッチ帯域の帯域幅などのノッチ帯域の情報が、伝送パラメータとして、伝送制御情報であるL1情報に含まれている。
【0036】
[C2 Frameの構成]
図3は、C2 Frameの構成を示す図である。C2 Frameは、少なくとも1つのPreamble Symbolと、複数のData Symbolとから構成される。図3の横軸は周波数を表し、縦軸は時間(シンボル)を表す。Preamble Symbolは、時間方向に見たときに1乃至8シンボルの間、3408サブキャリア周期で繰り返し送信される。
【0037】
図3において同じ数字を付して示すPreamble Symbolのブロックは同じL1情報の送信に用いられているPreamble Symbolを表す。また、Preamble Symbolに続けて、時間方向に見たときに448シンボルの間、Data Symbolが送信される。図3の例においては、Data Slice 0乃至3のデータがそれぞれ448のData Symbolを用いて送信されている。
【0038】
[狭帯域ノッチ(Narrowband Notch)]
図4は、狭帯域ノッチが存在する場合のC2 Frameの構成を示している。狭帯域ノッチの帯域幅は48サブキャリア未満であり、狭帯域ノッチは、3408サブキャリアに1つと規定されている。Data Symbolのノッチ帯域にはデータは含まれず、ノッチ帯域のPreamble SymbolのL1情報は、誤り訂正処理によって取得(復元)できる。
【0039】
[広帯域ノッチ(Broadband Notch)]
図5は、広帯域ノッチが存在する場合のC2 Frameの構成を示している。広帯域ノッチの帯域幅は47サブキャリアより大であり、広帯域ノッチは、2つのData Sliceの間に配置される。また、広帯域ノッチは、3408サブキャリア以上の間隔をあけて配置される。従って、ノッチ帯域には、Preamble SymbolのL1情報、および、Data Symbolのデータは含まれていない。
【0040】
このように、DVB-C2においては、各チャネルの間にガードバンドを設ける必要がなく、また、Notchに挟まれた比較的狭い帯域をもデータの伝送に使うことができるため、周波数帯域の有効利用が可能になっている。受信装置1は、最大で3409サブキャリア分の帯域幅の受信周波数帯を設定してその範囲内の信号を受信し、L1情報を復号した後、復号したL1情報に基づいて番組データを復号する。
【0041】
[L1情報について]
この復号されたL1情報について説明する。図6は、L1情報に含まれるパラメータを示す図である。主なパラメータについて説明する。3行目のSTART_FREQUENCYは、C2 Systemの開始位置となる周波数を表す。開始位置は0Hzを起点して絶対周波数により表される。4行目のC2_BANDWIDTHは、C2 Systemの帯域幅を表す。
【0042】
5行目のGUARD_INTERVALは、各シンボルに含まれるガードインターバルのサイズを表す。6行目のC2_FRAME_LENGTHは、C2 Frameに含まれるData Symbolの数を表す。図6の例の場合、C2_FRAME_LENGTHには448を表す値が設定される。
【0043】
8行目のNUM_DSLICEは、C2 Frameに含まれるData Sliceの数を表す。9行目のNUM_NOTCHは、C2 Frameに含まれるNotchの数を表す。10行目から45行目までの各パラメータがData Slice毎に記述される。
【0044】
11行目のDSLICE_IDは、C2 SystemにおけるData SliceのIDを表す。12行目のDSLICE_TUNE_POSは、START_FREQUENCYにより表される周波数を基準として、Data Sliceを受信するためのチューニングポイントとなる位置(中心周波数)を表す。15行目のDSLICE_TI_DEPTHは、時間インタリーブのDepthを表す。
【0045】
21行目のDSLICE_LEFT_NOTCHは、Data Sliceの左側にNotchがあるか否かを表す。22行目のDSLICE_NUM_PLPは、Data Sliceに含まれるPLPの数を表す。23行目から43行目までの各パラメータがPLP毎に記述される。
【0046】
46行目から50行目までの各パラメータがNotch毎に記述される。47行目のNOTCH_STARTは、START_FREQUENCYにより表される周波数を基準としてNotchの位置を表す。48行目のNOTCH_WIDTHは、Notchの帯域幅を表す。
【0047】
なお、DVB-C2の詳細については「Digital Video Broadcasting (DVB); Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital transmission system for cable systems (DVB-C2)」(DVB Document A138)に記載されている。
【0048】
[受信装置の動作について]
次に、図1に示した受信装置1の動作について説明する。受信装置1は、受信された放送波を処理し、ユーザが所望とする番組データを復調し、ユーザに提供する処理を行う。ステップS11において、制御部18は、図示せぬ操作部で設定された受信チャネルに応じて、受信周波数を設定するが、L1情報を取得し、そのL1情報に基づき設定する必要があるため、このステップS11において設定される受信周波数は、L1情報を取得する際に設定される周波数である。
【0049】
ステップS11における処理により、L1情報を取得するための中心周波数と受信帯域が設定される。このL1情報を取得するための中心周波数は、送信側で設定した周波数(C2_system_tuning_frequency)に設定されるが、後述するように、本実施の形態においては、L1情報を安定して正確に取得できる周波数が検出され、その周波数に設定される。
【0050】
ステップS12において、チューナ12は、アンテナ11で受信されたRF信号を、IF信号に周波数変換して出力する。チューナ12から出力されたIF信号は、AGC部13に供給される。
【0051】
ステップS13において、AGC部13は、供給されたIF信号に対してAGCを行う。即ち、AGC部13は、IF信号の信号レベルが一定になるようにゲイン制御して、制御後のIF信号をA/D変換部14に出力する。ステップS14において、A/D変換部14は、AGC部13からのIF信号をA/D変換し、デジタルのIF信号を直交復調部15に出力する。
【0052】
ステップS15において、直交復調部15は、所定の周波数のキャリアを用いて、A/D変換部14からのIF信号を直交復調し、OFDM時間領域信号をOFDM復調部16に出力する。ステップS16において、OFDM復調部16の同期部31は、OFDMシンボルの同期をとる。即ち、同期部31は、FFT演算部32においてFFT演算を行う信号区間であるFFT区間の開始位置を決定する。決定されたFFT区間の開始位置の情報は、後段のFFT演算部32に供給される。
【0053】
ステップS17において、FFT演算部32は、OFDM時間領域信号に対し、FFT演算を行う。より具体的には、FFT演算部32は、同期部31で決定されたFFT区間の開始位置に基づいてFFT区間を設定し、OFDM時間領域信号からFFT区間の信号を抽出する。そして、FFT演算部32は、抽出したOFDM時間領域信号に対してFFT演算を行う。ステップS18において、OFDM等化部33は、FFT演算が行われた後のOFDM周波数領域信号に対し、受信信号の振幅および位相が送信されたものと等しくなるようにする等化処理を行う。
【0054】
ステップS19において、誤り訂正部17は、OFDM等化部33から供給された等化信号に対してデインタリーブ処理を施し、さらに、デンパンクチャ、ビタビ復号、拡散信号除去、RS復号などの処理を施す。そして、誤り訂正部17は、各種の処理を施すことによって得られた復号データから、伝送制御情報であるL1情報を抽出し、制御部18の伝送パラメータ解釈部19に供給する。抽出されたL1情報は、伝送パラメータ解釈部19に供給され、解釈(解析)される。
【0055】
L1情報が解析されることで、データスライスの位置(中心周波数)や、ノッチの位置などが取得され、それらの情報に基づき、番組データの復調が行われる。すなわち、ステップS20において、ユーザにより指示されたチャネルに応じた受信周波数に、チューナ12の周波数が設定される。この設定は、取得されたL1情報に基づき、指示されたチャネルに対応するData Sliceの中心周波数が読み出され、その周波数に設定されることで行われる。
【0056】
ステップ21において、チューナ12は、アンテナ11で受信されたRF信号を、IF信号に周波数変換して出力する。ステップS22において、AGC部13は、IF信号に対してAGCを行う。ステップS23において、A/D変換部14は、AGC部13からのIF信号をA/D変換し、デジタルのIF信号を直交復調部15に出力する。ステップS24において、直交復調部15は、所定の周波数のキャリアを用いて、A/D変換部14からのIF信号を直交復調し、OFDM時間領域信号をOFDM復調部16に出力する。
【0057】
ステップS25において、OFDM復調部16の同期部31は、OFDMシンボルの同期をとる。ステップS26において、FFT演算部32は、FFT区間のOFDM時間領域信号に対してFFT演算を行う。ステップS26において、OFDM等化部33は、FFT演算が行われた後のOFDM周波数領域信号に対し、等化処理を行う。ステップS28において、誤り訂正部17は、OFDM等化部33から供給された等化信号に対してデインタリーブ処理を施し、さらに、デンパンクチャ、ビタビ復号、拡散信号除去、RS復号などの処理を施す。そして、誤り訂正部17は、各種の処理を施すことによって得られた、受信チャネルに対応する番組データとしてのトランスポートストリームを後段の外部出力部や出力バッファ等に出力して、処理を終了する。
【0058】
このように、L1情報が復号された後、復号されたL1情報に基づいて番組データが復号される。よって、L1情報を取得し、伝送パラメータなどを確実に取得する必要がある。そこで、以下のL1情報を取得する際の処理について説明を加える。なおここでは、DVB-C2を例に挙げて説明しているため、L1情報であるが、他の方式などによればその方式にあった情報が取得される処理が実行されることは言うまでもない。例えば、ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting- Terrestrial)に適用することも可能であり、ISDB-Tに適用した場合、情報としてTMCCが取得される。
【0059】
[L1情報を取得するときの周波数の設定について]
まず、L1情報をできるだけ確実に取得するために、ここでは、L1情報が取得されづらい状況について説明を加える。図8は、図2に示したDVB-C2のC2 Systemの一部を拡大したものである。図8において、受信帯域Bは、PLP2を含むData Slice上に設定されており、中心周波数を中心とする7.61MHzの帯域幅で設定されている。この受信帯域は、例えば、PLP4を含むData Sliceが選局先に設定されている場合には、そのData Sliceに移動される(図8中では、受信帯域Cと図示してある)。
【0060】
受信帯域Cに受信帯域が設定された場合、その受信帯域内に広帯域ノッチ(Broadband Notch)が含まれる。図5を参照して説明したように、広帯域ノッチは、2つのData Sliceの間に配置され、その帯域には、Preamble SymbolのL1情報、および、Data Symbolのデータは含まれていない。よって、このような広帯域ノッチが受信帯域に含まれるようなData Sliceを復調する場合、この受信帯域からはL1情報が取得できないため、まず、他のData Sliceに受信帯域を設定し、その受信帯域においてL1情報を取得し、その後、目的とするData Sliceの受信帯域に設定し、復調動作が行われる。
【0061】
例えば、受信帯域C内のData Sliceを復調する場合、例えば、受信帯域Aに受信帯域が設定され、その帯域内で受信される信号からL1情報が取得され、その後、取得されたL1情報に含まれるパラメータが用いられ、受信帯域Cに受信帯域が移され、所望とされるData Sliceが復調される。
【0062】
また、ノッチ帯域があるか否かに係わらず、電源がオンにされたときや、チャネルの切り換えが指示されたときなど、所望とされるData Slice以外のところから、L1情報が取得され、その後、所望とされるData Sliceに、再チューニングが行われる。図8において、C2_system_tuning_frequencyは、送信側がL1情報を取得するときに設定する周波数として指定している周波数である。このC2_system_tuning_frequencyに設定され、L1情報が受信され、解析された後、所望とされたチャネルを受信するための受信帯域に設定され、受信が開始される。
【0063】
このように、L1情報は、ノッチ、特に広帯域ノッチが存在する場合、L1情報は取得できないため、このような広帯域ノッチは避ける方が良い。また、C2_system_tuning_frequencyは、必ずしもL1情報を取得するのに適した周波数であるとは限らないため、さらに適した周波数で、L1情報が取得されるようにする。
【0064】
広帯域ノッチと同様に、狭帯域ノッチも避けた方が良い。狭帯域ノッチについては、図4を参照して説明したが、3408サブキャリアに1つと規定され、Data Symbolのノッチ帯域にはデータは含まれず、ノッチ帯域のPreamble SymbolのL1情報は、誤り訂正処理によって取得(復元)できるように構成されている。よって、狭帯域ノッチが、受信帯域内に存在していても、誤り訂正処理により復元し、取得することは可能であるが、チャネル状態によっては復元できない場合があるため、できれば、避ける方が良い。
【0065】
図9は、狭帯域ノッチが存在するDVB-C2信号の周波数スペクトラムの例を示している。図9に示したように、他の無線信号で使用されている帯域、即ち、他の無線信号のパワー(電力レベル)が大となっている帯域においては、DVB-C2信号のパワーが小さくなっている。DVB-C2信号ではない信号は、受信装置1にとってはすべて妨害信号となる。よって、このようなノッチを含むData Sliceの部分からL1情報を復号するよりも、ノッチを含まず、妨害信号の影響が少ないData Sliceの部分からL1情報を復号する方が良い。
【0066】
このようなことをから、L1情報を取得するには、ノッチがない部分が良いことが分かる。そこで、L1情報を取得する中心周波数としては、以下の条件1が導き出される。また、条件2、条件3も以下に説明するように、L1情報を取得する中心周波数として満たされることが好ましい。
条件1 ノッチからの距離が離れている。
条件2 C2_Systemの端からの距離が離れている。
条件3 受信帯域内のノッチの幅の合計が少ない。
【0067】
ここで距離とは、所定の周波数との差分であるとする。ノッチからの距離は、ノッチが存在する帯域の一端の周波数との差分とされる。C2_Systemの端からの距離は、C2_Systemが開始される周波数、または終了される周波数との差分とされる。
【0068】
図10を参照し、条件1乃至3についてさらに説明を加える。図10は、C2 Systemを示し、L1情報から読み取られる中心周波数(DSLICE_TUNE_POS)が5箇所あった場合を示している。なお、ここでは、中心周波数とDSLICE_TUNE_POSを同一の扱いをするが、DSLICE_TUNE_POSそのものが中心周波数を示すのではなく、DSLICE_TUNE_POSから計算されるのが中心周波数である。
【0069】
図10において、DS0を読み出すときの中心周波数は、中心周波数fであり、DS1またはDS2を読み出すときの中心周波数は、中心周波数fであり、DS3を読み出すときの中心周波数は、中心周波数fである。同様にDS4、DS5、DS6、またはDS7を読み出すときの中心周波数は、中心周波数fであり、DS8を読み出すときの中心周波数は、中心周波数fである。
【0070】
DS0、DS3には、それぞれ狭帯域ノッチ(Narrowband Notch)が含まれる。またDS3とDS4の間、DS7とS8の間には、それぞれ広帯域ノッチ(Broadband Notch)が含まれる。このような場合、まず、中心周波数fを中心とする受信帯域Eで、信号を受信し、処理した場合、広帯域ノッチが含まれるため、L1情報を取得することができない。よって、この受信帯域E(中心周波数f)は、L1情報を取得するときの受信帯域(中心周波数)としては、好ましくないと考えられる。
【0071】
また、中心周波数fを中心とする受信帯域Dで、信号を受信し、処理した場合、DS4の左側に存在する広帯域ノッチと、DS7の右側に存在する広帯域ノッチのそれぞれに存在する妨害波からの影響(干渉)を受けると想定される。よって、受信帯域Dで信号を受信し、L1情報を取得しようとした場合、ノッチの影響によりL1情報が正しく取得できない(安定して取得できない)可能性がある。
【0072】
また、送信側で所望の信号を伝送しない周波数帯域である無信号の帯域であるノッチを設定するということは、妨害波が存在する可能性が高く、そのような妨害波による影響により、L1情報が正しく取得できない可能性がある。このようなことから、条件1として、ノッチから距離が離れている中心周波数が、L1情報を取得するときの中心周波数として適していると導き出される。
【0073】
また、中心周波数fを中心とする受信帯域Aと中心周波数fを中心とする受信帯域Cは、その帯域中に、狭帯域ノッチを含む。このような受信帯域から取得されたL1情報は、欠落しているデータを、誤り訂正により復元することで取得される。よって、L1情報自体は取得できるが、誤り訂正を行うという点からL1情報を安定的に正しく取得するには、適している受信帯域(中心周波数)ではない。この場合も条件1として、ノッチから距離が離れている中心周波数が、L1情報を取得するときの中心周波数として適していると導き出される。
【0074】
また、中心周波数fを中心とする受信帯域Aは、C2_Systemの端であるため、その左端にはガードバンドが存在する。よって、妨害波がある可能性は低いが、隣接するチャネルが存在する可能性が高い。よって、その隣接するチャネルからの影響は、低いといっても存在する可能性があるため、できる限り避ける方が良いと考えられる。このことから、条件2として、C2_Systemの端から離れている中心周波数が、L1情報を取得するときの中心周波数として適していることと導き出される。
【0075】
条件1と条件2を満たすのは、図10のC2_Systemの場合、中心周波数fである。よって、図10に示したC2_Systemの場合、中心周波数fを中心とする受信帯域Bを設定したときに受信されるPreamble SymbolからL1情報を取得すると、安定して、正確なL1情報を取得できる可能性が高い。
【0076】
図示はしないが、仮に、中心周波数fを中心とする受信帯域Bのような条件1や条件2を満たす中心周波数がなく、ノッチを含む受信帯域しか設定できないような場合、ノッチの影響が少ない受信帯域を設定できる中心周波数が良い。このときのノッチの影響が少ない受信帯域は、受信帯域内にできるだけノッチが少ない帯域となる。ノッチが少ないとは、ノッチの幅の合計が小さいことを意味する。このことから、条件3として、受信帯域内のノッチの幅の合計が少ないことが、L1情報を取得するときの中心周波数として適していることが導き出される。
【0077】
このように、条件1乃至3を満たす中心周波数がL1情報を取得する際の中心周波数として適している。条件1乃至3を満たす中心周波数をどのように検出するかは、例えば、所定の関数を用いて検出することができる。
【0078】
条件1は、ノッチからの距離が離れているという条件なので、条件1を満たすか否かを判断するための関数f1(x)は、ノッチからの距離に比例した関数f1(x)として定義できる。条件2は、C2_Systemの端からの距離が離れている条件なので、条件2を満たすか否かを判断するための関数f2(x)は、C2_Systemの端からの距離に比例した関数f2(x)として定義できる。条件3は、受信帯域内のノッチの幅の合計が少ないという条件なので、条件3を満たすか否かを判断するための関数f3(x)は、受信帯域内のノッチの幅を加算する関数f3(x)として定義できる。
【0079】
この関数f1(x)、関数f2(x)、関数f3(x)を全て用いてL1情報を読み出すときに最適な中心周波数(以下、適宜、最適中心周波数と記述する)が検出されるようにしても良いし、1または2つの関数を用いて最適中心周波数が検出されるようにしても良い。また、複数の関数で最適中心周波数が検出されるようにした場合、各関数の値を加算、減算、乗算、または除算することにより得られる値を用いて最適中心周波数が検出されるようにしても良い。さらには、関数f1(x)、関数f2(x)、関数f3(x)を基本とした新たな関数により最適中心周波数が検出されるようにしても良い。
【0080】
また、関数f1(x)、関数f2(x)、関数f3(x)に優先度を付け、その優先度による重み付けがされるようにしても良い。また、関数f1(x)、関数f2(x)、関数f3(x)をそれぞれ用いる場合、例えば、関数f1(x)で値の大きかった周波数を候補とし、関数f2(x)が適用されるといったように、順次候補が絞り込まれることで最適中心周波数が検出されるようにしても良い。
【0081】
ここでは、関数f1(x)、関数f2(x)、関数f3(x)に比例した関数g(x)により最適中心周波数が検出されるとして説明を続ける。
関数g(x)=f(f1(x)、f2(x)、f3(x))
この関数g(x)のピークの位置を最適中心周波数とする。
【0082】
関数g(x)の値の一例をグラフとして図示したときの図を、図11に示す。図11は、図10に示したC2_Systemの一例に、そのようなC2_Systemのときに関数g(x)で算出される値をグラフにし、下側に示した図である。図11に示したグラフにおいて、ピークは、周波数f100のところである。この周波数f100が、最適中心周波数とされる。
【0083】
または、周波数f100に最も近い中心周波数が、最適中心周波数とされる。図11の場合、中心周波数fが最適中心周波数とされる。この場合、換言すれば、周波数f100に最も近く、DSLICE_TUNE_POSから計算される中心周波数が、最適中心周波数とされる。
【0084】
または、周波数f100に最も近いData Sliceの中心周波数が、最適中心周波数とされる。図11の場合、DS1の周波数帯域内の中心に位置する周波数、またはDS2の周波数帯域内の中心に位置する周波数のうちの、周波数f100に近い方の周波数が、最適中心周波数とされる。
【0085】
このようにして求められる最適中心周波数は、L1情報を取得するときに設定される周波数として、記憶部20(図1)に記憶され、L1情報を取得する必要があるとき、例えば、上記した受信装置1の動作においてステップS11(図7)が実行されるときに、記憶部20から読み出される。換言すれば、求められた最適中心周波数は、C2_system_tuning_frequencyとして用いられる。
【0086】
このように、DVB-C2においては、同一のL1情報が、異なる周波数帯域に配置され、繰り返し送信されてくるため、安定的にL1情報を取得できる周波数で取得する方が、安定的に取得できない可能性のある周波数で取得するよりも良いことは明らかである。よって、上記したように、異なる周波数帯域に、同一の制御情報が配置され、広帯域にわたって送信されてくるような信号の場合、最も安定的に制御信号を受信し、解析し、正確な情報が取得できる周波数(その周波数で設定される受信帯域)を検出し、その周波数で制御情報を取得し直すということは、広帯域の信号を受信して確実に処理するためには、重要なことである。
【0087】
ところで、このようなL1情報の取得に適した受信帯域が設定され、受信が行われるようにした場合であっても、通常、受信装置1を最初に通電したときや、設置している地域に変更があったときなどに、チャネルスキャンが行われ、そのあと、L1情報の取得に適した受信帯域が設定される。ここで、チャネルスキャンについて説明を加える。
【0088】
図12はチャネルスキャン時のL1情報の取得について説明するための図である。チャネルスキャンは、所定の周波数を原点とし、サーチ方向に周波数をずらしながらDVB-C2信号が調べられる。そして、周波数Fのところで、C2_System信号が見つかった場合、周波数Fを中心とする受信帯域で受信されるPreamble Symbolから、L1情報が取得される。ここで、L1情報が取得されることで、C2_System信号全体の情報を得ることができる。
【0089】
なお、国、地域、運用、法令などにより、チャネルスキャン時にL1情報を取得するための周波数が設定されている場合、その周波数に設定することで、取得されるようにすることも可能である。また、国、地域、運用、法令などにより、L1情報の一部が、既知の情報として提供されているような場合、その情報が用いられてもよい。
【0090】
取得されたL1情報から、ノッチの位置や幅、Data Sliceの位置などが取得できるため、上記したように、最適中心周波数を求めることができる。最適中心周波数以外の周波数でもL1情報は取得できるが、安定的にL1情報を取得できる最適中心周波数を求め、記憶部20に記憶し、これ以降、記憶された最適中心周波数を用いて、L1情報が取得される。
【0091】
このように、本技術によれば、安定的にL1情報を取得できる周波数を設定することが可能となる。
【0092】
上述した実施の形態においては、条件1乃至3に該当する中心周波数を検出するとしたが、それらの条件の他に、さらに以下の条件を追加することも可能である。受信装置1側で、符号誤り率(BER : Bit error rate)、変調誤差比(MER : Modulation Error Ratio)、CW(continuous wave)検出器等からチャネルの状態を予測し、その予測結果を用いて、中心周波数を検出する。例えば、符号誤り率が高い場合、そのチャネルの受信状態は悪いと判断できるため、そのようなチャネルから、L1情報を取得するのは好ましくないと考えられる。よって、仮に、条件1乃至3を満たすような中心周波数であっても、そのようなチャネルに存在する中心周波数であった場合、他の中心周波数を設定するように構成することも可能である。
【0093】
なお、上述した実施の形態においては、DVB-C2を例に挙げ、L1情報を例に挙げて説明したが、他の放送方式、伝送方式に対しても本技術を適用することは可能である。また、適用した方式により、取得される情報が異なるが、本技術を適用できることは言うまでもない。また本実施の形態においては、DVB-C2を例に挙げて説明をしたが、他の放送方式に対しても本技術を適用できる。例えば、ノッチに対応するような信号を伝送しない周波数帯域がある放送方式および通信方式などにも本技術は適用可能である。また、放送に限らず、通信等において、広帯域の信号から、所望な信号(データ)を抽出する際などにも、本技術を適用できる。
【0094】
なお、上述した実施の形態においては、受信装置1側が行うとして説明したが、上述した信号を送信する送信側で行われるようにしても良い。送信側は、例えば、図2に示したような信号を生成し、送信するが、この送信される信号(C2_System)のL1情報を生成するときに、送信される信号を、上記したように解析し、L1情報を安定的に取得できる中心周波数を検出し、その中心周波数の情報を、受信側に提供するようにしても良い。
【0095】
例えば、C2_system_tuning_frequencyとして、検出された中心周波数の情報を、受信側に提供することができる。そして、受信側では、送信側から提供された中心周波数の情報に基づいてL1情報を取得すれば、L1情報を安定的に正確に取得することができる。
【0096】
[記録媒体について]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0097】
図13は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続されている。バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、入力部206、出力部207、記憶部208、通信部209、およびドライブ210が接続されている。
【0098】
入力部206は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部207は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部208は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部209は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディア211を駆動する。
【0099】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU201が、例えば、記憶部208に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース205およびバス204を介して、RAM203にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0100】
コンピュータ(CPU201)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア211に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0101】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア211をドライブ210に装着することにより、入出力インタフェース205を介して、記憶部208にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部209で受信し、記憶部208にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM202や記憶部208に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0102】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0103】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0104】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0105】
本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0106】
(1)
異なる周波数帯域に同一の制御情報が配置された広帯域の信号を受信する受信部と、
前記制御情報を安定的に受信する周波数を検出する検出部と
を備える受信装置。
【0107】
(2)
前記検出部は、前記制御情報を取得し、その取得された制御情報に基づき、前記周波数を検出する
前記(1)に記載の受信装置。
【0108】
(3)
前記広帯域の信号は、DVB-C2規格における信号であり、
前記制御情報は、L1情報である
前記(1)または前記(2)に記載の受信装置。
【0109】
(4)
前記広帯域の信号は、所望の信号を伝送しない周波数帯域である無信号の帯域を含む信号であり、
前記検出部は、前記無信号の帯域から離れている周波数を検出する
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の受信装置。
【0110】
(5)
前記検出部は、前記広帯域の信号の端から離れている周波数を検出する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の受信装置。
【0111】
(6)
前記検出部は、所定の周波数で設定される受信帯域内に存在する前記無信号の帯域の幅の合計が少ない周波数を検出する
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の受信装置。
【0112】
(7)
前記検出部により検出された周波数で設定される受信帯域で受信したときの受信状態が悪いと判断される場合、他の周波数をさらに検出する
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の受信装置。
【0113】
(8)
異なる周波数帯域に同一の制御情報が配置された広帯域の信号を受信し、
前記制御情報を安定的に受信する周波数を検出する
ステップを含む受信方法。
【0114】
(9)
コンピュータに
異なる周波数帯域に同一の制御情報が配置された広帯域の信号を受信する受信部と、
前記制御情報を安定的に受信する周波数を検出する検出部
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0115】
1 受信装置, 11 アンテナ, 12 チューナ, 13 AGC部, 14 A/D変換部, 15 直交復調部, 16 OFDM復調部, 17 誤り訂正部, 18 制御部, 19 伝送パラメータ解釈部, 20 記憶部, 31 同期部, 32 FFT演算部, 33 OFDM等化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる周波数帯域に同一の制御情報が配置された広帯域の信号を受信する受信部と、
前記制御情報を安定的に受信する周波数を検出する検出部と
を備える受信装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記制御情報を取得し、その取得された制御情報に基づき、前記周波数を検出する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記広帯域の信号は、DVB-C2規格における信号であり、
前記制御情報は、L1情報である
請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前記広帯域の信号は、所望の信号を伝送しない周波数帯域である無信号の帯域を含む信号であり、
前記検出部は、前記無信号の帯域から離れている周波数を検出する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記広帯域の信号の端から離れている周波数を検出する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項6】
前記検出部は、所定の周波数で設定される受信帯域内に存在する前記無信号の帯域の幅の合計が少ない周波数を検出する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項7】
前記検出部により検出された周波数で設定される受信帯域で受信したときの受信状態が悪いと判断される場合、他の周波数をさらに検出する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項8】
異なる周波数帯域に同一の制御情報が配置された広帯域の信号を受信し、
前記制御情報を安定的に受信する周波数を検出する
ステップを含む受信方法。
【請求項9】
コンピュータに
異なる周波数帯域に同一の制御情報が配置された広帯域の信号を受信する受信部と、
前記制御情報を安定的に受信する周波数を検出する検出部
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−222547(P2012−222547A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85333(P2011−85333)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】