説明

受信装置、受信方法、プログラム、および受信システム

【課題】所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域がどこにあるのかを迅速に検出することができるようにする。
【解決手段】受信装置は、所定の周波数帯域のOFDM信号を受信する受信部と、前記所定の周波数帯域内の、既知信号の送信に用いられるキャリアを用いて送信された信号間の相関値を求める演算部と、同じ前記キャリアにおいて前記既知信号の送信が続けて行われる所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域を前記相関値に基づいて検出する検出部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、特に、所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域がどこにあるのかを迅速に検出することができるようにした受信装置、受信方法、プログラム、および受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州の第2世代のケーブルデジタル放送の規格としてDVB-C2(Digital Video Broadcasting for Cable 2)がある(非特許文献1)。
【0003】
図1は、C2 Systemの例を示す図である。図1の横軸は周波数を表す。DVB-C2の1つの信号はC2 Systemと呼ばれ、Preamble SymbolとData Symbolから構成される。規格上、1つのC2 Systemは最大3.5GHz程度の帯域幅を有する信号となる。
【0004】
Preamble Symbolは、伝送制御情報であるL1情報(L1 signalling part 2 data)の伝送に用いられるシンボルである。Preamble Symbolを用いて、3408キャリア周期(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)の3408のサブキャリア周期)で同じ情報が繰り返し送信される。
【0005】
Data Symbolは番組データなどのTS(Transport Stream)等の伝送に用いられるシンボルである。Data SymbolはData Sliceと呼ばれるブロックに分割される。例えばData Slice 1(DS1)とData Slice 2(DS2)とではそれぞれ異なる番組のデータが伝送される。Data Sliceの数などの、各Data Sliceに関するパラメータがL1情報に含まれる。
【0006】
図1において黒で塗りつぶして示すように、C2 SystemにはNotchを含めることが可能とされる。Notchは、FM放送、警察用の無線放送、軍事用の無線放送などに用いられる周波数帯域であり、C2 Systemの送信には用いられない。送信装置が出力する送信信号のうちのNotchの区間は無信号の区間になる。Notchには、帯域幅が47キャリア以下のNarrowband Notchと、47キャリアを超えるBroadband Notchとがある。Notchの数や帯域幅などの、各Notchに関するパラメータもL1情報に含まれる。
【0007】
このように、DVB-C2においては、各チャンネルの間にガードバンドを設ける必要がなく、また、Notchに挟まれた比較的狭い帯域をもデータの伝送に使うことができるため、周波数帯域の有効利用が可能になっている。また、放送信号に対する周波数帯域の割り当てを柔軟に行うことが可能になっている。
【0008】
ところで、柔軟な周波数帯域の割り当てが可能になっていることは、受信装置からすれば、チャンネルスキャン時に、DVB-C2のOFDM信号の送信に用いられている周波数帯域を検出しにくいことになる。
【0009】
すなわち、図2Aに示すように国や放送事業者によって周波数帯域が固定的に割り当てられている場合には、受信装置は、既知の周波数帯域の割り当てに従って各放送信号の有無を判定すれば、各放送信号の周波数帯域を検出することができる。
【0010】
しかし、DVB-C2の場合、図2Bに示すように所定の周波数帯域の信号を受信したときに、所望の信号であるDVB-C2のOFDM信号が受信信号帯域から外れることがある。DVB-C2のOFDM信号の受信は、図2Bに示すように、7.61MHzの帯域幅のTuning window内の信号を受信するようにして行われる。
【0011】
図3は、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域の検出方式について説明する図である。
【0012】
図3に示すように、DVB-C2のOFDM信号に直交復調などを施して得られた時間域の信号に対してFFT演算が行われ、FFT演算によって得られた周波数域の信号に基づいて振幅の絶対値(電力(図3のAbs(x)))が求められる。また、Averaging Filterを用いたフィルタ処理によって電力の平均値が求められ、電力の平均値が閾値cと比較される。例えば電力の平均値が閾値cより低い区間が、図4の左側に示すように、ある規格の信号の周波数帯域と他の規格の信号の周波数帯域の間に確保されたガードバンド(ギャップ)として検出される。
【0013】
受信装置は、図4の白抜き矢印の先に示すように、ガードバンドにTuning windowの端を合わせて信号を受信し、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域の検出を行う。この方式では、干渉を防ぐための無信号の緩衝区間であるガードバンドが各信号の間に設けられていることを前提として、各周波数帯域の電力を観測し、各信号の周波数帯域の両端を検出するようになされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】DVB-C2規格書 [Digital Video Broadcasting (DVB); Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital transmission system for cable systems (DVB-C2)] DVB Document A138
【非特許文献2】DVB-C2実装ガイドライン [Digital Video Broadcasting (DVB); Implementation Guidelines for a second generation digital cable transmission system (DVB-C2)]ETSI TS 102 991 v1.1.2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
図3を参照して説明した従来の方式によれば、信号の存在自体は検出できるものの、検出した信号がDVB-C2のOFDM信号であるのか、他の規格の信号であるのかの判別ができない。
【0016】
DVB-C2のOFDM信号であるのか、他の規格の信号であるのかを判別するためには、送信装置は、信号の存在の検出後、DVB-C2で規定される受信動作を実際に行う必要がある。送信装置は、受信動作を実際に行うことによってDVB-C2のOFDM信号を受信できた場合には、検出した信号がDVB-C2のOFDM信号であると判別し、受信できない場合には、検出した信号が他の規格の信号であると判別することになる。
【0017】
信号の存在を検出する毎にDVB-C2で規定される受信動作を実際に行うとした場合、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域を検出するのに時間がかかってしまう。
【0018】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、DVB-C2などの、所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域がどこにあるのかを迅速に検出することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本技術の一側面の受信装置は、所定の周波数帯域のOFDM信号を受信する受信部と、前記所定の周波数帯域内の、既知信号の送信に用いられるキャリアを用いて送信された信号間の相関値を求める演算部と、同じ前記キャリアにおいて前記既知信号の送信が続けて行われる所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域を前記相関値に基づいて検出する検出部とを備える。
【0020】
前記受信装置は、1つのICチップであってもよいし、ICチップを含む部品、ICチップを含む部品から構成される装置であってもよい。
【0021】
前記演算部には、前記キャリア毎に、同じ前記キャリアを用いて送信された信号間の前記相関値の累積値を求めさせ、前記検出部には、閾値以上の前記累積値が求められた前記キャリアを含む周波数帯域を、前記所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域として検出させることができる。
【0022】
前記演算部には、所定の時刻に送信された信号と一時刻前に送信された信号との前記相関値を、同じ前記キャリアを用いて送信された全ての信号間について求め、求めた前記相関値の前記累積値を求めさせることができる。
【0023】
前記検出部には、前記閾値以上の前記累積値が求められた前記キャリアのうち、周波数が最も低い前記キャリアの周波数を、前記所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域の開始周波数として検出させることができる。
【0024】
前記演算部には、前記所定の周波数帯域を複数の区間に分割させ、同じ前記キャリアを用いて送信された信号間の前記相関値を求め、同じ前記区間に含まれる前記キャリア毎の前記相関値の累積値を求めさせ、前記検出部には、閾値以上の前記累積値が求められた前記区間を含む周波数帯域を、前記所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域として検出させることができる。
【0025】
前記演算部には、所定の時刻に送信された信号と一時刻前に送信された信号との前記相関値を、同じ前記区間に含まれる全ての前記キャリア毎に求め、求めた前記相関値の前記累積値を求めさせることができる。
【0026】
前記OFDM信号は、DVB-C2のOFDM信号であり、前記既知信号は、Continual Pilotであるようにすることができる。
【0027】
本技術の一側面においては、所定の周波数帯域のOFDM信号が受信され、前記所定の周波数帯域内の、既知信号の送信に用いられるキャリアを用いて送信された信号間の相関値が求められる。また、同じ前記キャリアにおいて前記既知信号の送信が続けて行われる所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域が前記相関値に基づいて検出される。
【発明の効果】
【0028】
本技術によれば、所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域がどこにあるのかを迅速に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】C2 Systemの例を示す図である。
【図2】周波数帯域の割り当ての例を示す図である。
【図3】DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域の検出方式について説明する図である。
【図4】周波数帯域の例を示す図である。
【図5】周波数帯域の検出原理を示す図である。
【図6】本技術の一実施形態に係る受信装置の構成例を示す図である。
【図7】DVB-C2におけるシンボルの配置を示す図である。
【図8】キャリア毎のCP相関値の演算の例を示す図である。
【図9】DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域の検出の例を示す図である。
【図10】受信装置の処理について説明するフローチャートである。
【図11】DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域の検出の他の例を示す図である。
【図12】区間毎のCP相関値の演算の例を示す図である。
【図13】受信装置の他の処理について説明するフローチャートである。
【図14】受信システムの構成例を示すブロック図である。
【図15】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(CP相関値をキャリア毎に求める例)
2.第2の実施の形態(CP相関値を区間毎に求める例)
【0031】
<第1の実施の形態>
[検出原理]
図5は、本技術の一実施形態に係る受信装置における、DVB-C2のOFDM信号の送信に用いられている周波数帯域の検出原理を示す図である。図5の横軸は周波数を表す。
【0032】
図5に示すように、所定の周波数帯域にTuning windowを設定して信号を受信し、同じキャリアのContinual Pilot間の相関値であるCP相関値を、Continual Pilotの送信に用いられているキャリア毎に求めた場合、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域においては大きなCP相関値が求められる。一方、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域外においては小さなCP相関値が求められる。
【0033】
後述するように、DVB-C2のOFDM信号には、既知信号であるContinual Pilotが含まれる。Continual Pilotは所定のキャリアを用いて続けて送信される。Continual Pilotの送信に用いられるキャリアは、DVB-C2の絶対周波数から特定することが可能とされている。
【0034】
CP相関値をキャリア毎に求めるということは、Continual Pilotの送信に用いられているキャリアとして絶対周波数から特定されたキャリアで送信されているシンボルを抽出し、抽出したシンボル間の相関値を求めることを意味する。
【0035】
従って、CP相関値を求めるのに用いられるシンボルは、絶対周波数から特定されたキャリアがDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域のキャリアである場合にはContinual Pilotとなり、それ以外の周波数帯域のキャリアである場合にはContinual Pilot以外のシンボルとなる。なお、CP相関値は、例えば、同じキャリアを用いて送信されたシンボル間の位相差に基づいて求められる。
【0036】
ある周波数帯域において大きなCP相関値が求められたということは、その周波数帯域が、Continual Pilotの送信に用いられている周波数帯域、すなわちDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域であることを表す。
【0037】
図5に示すように、受信装置は、大きなCP相関値が求められた周波数帯域をDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域として検出し、それ以外の周波数帯域を、DVB-C2とは異なる他の規格の信号の周波数帯域として検出する。
【0038】
このように、受信装置は、Continual Pilotの配置を絶対周波数から特定できることを利用してCP相関値をキャリア毎に求め、大きなCP相関値が求められた周波数帯域には所望の信号であるDVB-C2のOFDM信号が存在すると検出することになる。
【0039】
以上のような周波数帯域の検出は例えばチャンネルスキャン時に行われる。受信装置は、所定の周波数帯域の信号の存在を検出した後にDVB-C2で規定される受信動作を実際に行う必要がなく、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域を容易に検出することができ、チャンネルスキャンを高速に行うことができる。
【0040】
以下、適宜、Continual Pilotの送信に用いられているキャリアとして絶対周波数から特定されるキャリアをCPキャリアという。CPキャリアで送信されるシンボルは、CPキャリアがDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域内のキャリアである場合にはContinual Pilotになり、それ以外の信号の周波数帯域内のキャリアである場合にはContinual Pilotとは異なるシンボルになる。
【0041】
[受信装置の構成例]
図6は、本技術の一実施形態に係る受信装置の構成例を示す図である。
【0042】
図6の受信装置1は、DVB-C2のOFDM信号の受信が可能な受信装置である。受信装置1は、RFチューナ11、復調部12、および検出部13から構成される。
【0043】
RFチューナ11は、周波数変換部21、および発振器22から構成される。復調部12は、直交復調部31、FFT演算部32、等化部33、CP抽出部34、およびCP相関値演算部35から構成される。ケーブル回線を介して受信装置1に入力されたRF信号は、RFチューナ11の周波数変換部21に入力される。
【0044】
RFチューナ11の周波数変換部21は、入力されたRF信号を受信し、発振器22から供給された信号に基づいてRF信号の周波数変換を行う。周波数変換部21は、周波数変換を行うことによって得られたIF信号を直交復調部31に出力する。
【0045】
発振器22は、検出部13による制御に従って所定の周波数の信号を生成し、周波数変換部21に出力する。発振器22により生成された信号に基づいて、所定の周波数帯域に設定されたTuning window内の信号が周波数変換部21により受信される。
【0046】
復調部12の直交復調部31は、周波数変換部21から供給されたIF信号に対して直交復調を施す。直交復調部31は、直交復調を施すことによって得られた時間域の信号をFFT演算部32に出力する。受信信号の周波数帯域にDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域が含まれる場合、C2 Systemを構成するPreamble Symbol、Data Symbolなどの各シンボルを表す時間域の信号がFFT演算部32に出力される。
【0047】
FFT演算部32は、直交復調部31から供給された時間域の信号に対してFFT演算を施し、周波数域の信号を出力する。FFT演算部32から出力された周波数域の信号は等化部33とCP抽出部34に供給される。
【0048】
等化部33は、FFT演算部32から供給された周波数域の信号からパイロットシンボルを抽出し、抽出したパイロットシンボルに基づいて伝送路特性を推定する。等化部33は、推定した伝送路特性に基づいて伝送路の歪みを除去することによって、FFT演算部32から供給された周波数域の信号の等化を行い、等化後の信号を出力する。等化部33から出力された等化後の信号は、復調部12の後段に設けられた誤り訂正部などに供給される。
【0049】
CP抽出部34は、FFT演算部32から供給された周波数域の信号から、CPキャリアを用いて送信されたシンボルを抽出する。CPキャリアの周波数は図示せぬコントローラなどにより特定される。
【0050】
図7は、DVB-C2におけるシンボルの配置を示す図である。図7の横方向はキャリア(周波数)を表し、縦方向は時間(シンボル)を表す。白抜きの丸印がPreamble SymbolまたはData Symbolを表し、柄を付して示す丸印がPilot信号を表す。黒丸がContinual Pilotを表す。
【0051】
Preamble Symbolには6キャリア周期でPreamble Pilotが挿入される。また、Data Symbolには、周期的にScattered Pilotが挿入され、定常的にContinual Pilotが挿入される。Data Symbolの両端にはEdge Pilotが挿入される。Continual Pilotは、Data Symbolの送信期間において、同じキャリアを用いて続けて送信されるパイロットシンボルである。CP抽出部34は、CPキャリアを用いて送信された各シンボルをCP相関値演算部35に出力する。
【0052】
CP相関値演算部35は、CP抽出部34により抽出されたシンボルに基づいてキャリア毎のCP相関値を求める。
【0053】
例えば、CP相関値演算部35は、各CPキャリアに注目し、所定の時刻のシンボルと、一時刻前のシンボルとの位相差を、同じCPキャリアを用いて送信された全てのシンボル間について求める。CP相関値演算部35は、各シンボル間の位相差の累積値を、注目しているCPキャリアのCP相関値として求める。
【0054】
CPキャリアが実際にContinual Pilotの送信に用いられているキャリアである場合、位相差を求める対象となるシンボルはContinual Pilotとなる。この場合、CP相関値の演算において、Continual Pilot間の位相差が求められる。
【0055】
一方、CPキャリアが実際にはContinual Pilotの送信に用いられていないキャリアである場合、位相差を求める対象となるシンボルはContinual Pilotではないシンボルとなる。この場合、CP相関値の演算において、Continual Pilotではないシンボル間の位相差が求められる。
【0056】
例えば、各シンボル間の位相差の累積値の計算は、各シンボル間の位相差をIQ平面の単位円上の座標ベクトルに変換し、単位円上の座標ベクトルの累積値の絶対値を計算するようにして行われる。各シンボル間の位相差をθとすると、所定のキャリアのCP相関値は下式(1)により表される。
CP相関値 = |Σe| ・・・ (1)
【0057】
図8は、キャリア毎のCP相関値の演算の例を示す図である。図8の横方向はキャリアを表し、縦方向は時間を表す。
【0058】
図8の例においては、CPキャリアであるキャリアc1とキャリアc2を用いてContinual Pilotの送信が行われている。絶対周波数からキャリアc1とキャリアc2が特定され、それぞれのキャリアを用いて送信されたContinual PilotがCP抽出部34により抽出される。
【0059】
CP相関値演算部35は、キャリアc1に注目し、枠#1で囲んで示すように、時刻tと時刻t-1のContinual Pilot間、時刻t-1と時刻t-2のContinual Pilot間、・・・の各時刻のContinual Pilot間の位相差を求め、求めた位相差の累積値をキャリアc1のCP相関値として求める。また、CP相関値演算部35は、キャリアc2に注目し、枠#2で囲んで示すように、時刻tと時刻t-1のContinual Pilot間、時刻t-1と時刻t-2のContinual Pilot間、・・・の各時刻のContinual Pilot間の位相差を求め、求めた位相差の累積値をキャリアc2のCP相関値として求める。
【0060】
CP相関値演算部35は、このようにして求めたCP相関値の情報を検出部13に出力する。
【0061】
検出部13は、CP相関値演算部35により求められたCP相関値に基づいて、CP相関値が閾値より大きい周波数帯域と小さい周波数帯域とを判別し、CP相関値が閾値より大きい周波数帯域をDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域として検出する。検出部13は、検出した周波数帯域の情報を内部のメモリなどに記憶する。
【0062】
また、検出部13は、DVB-C2のOFDM信号を受信する場合、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域として検出した帯域にTuning windowを設定し、Tuning window内の信号を受信するように発振器22の周波数を制御する。
【0063】
図9は、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域の検出の例を示す図である。図9の横軸は周波数を表す。
【0064】
図9の上段においては、周波数f31からf32の帯域がDVB-C2とは異なる他の規格の信号の周波数帯域とされ、周波数f33からf34の帯域がDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域とされている。例えば、周波数f33からf34の周波数帯域の帯域幅はTuning windowの帯域幅と同じ幅である。周波数f31とf32の間の周波数である周波数f41から、周波数f33とf34の間の周波数である周波数f42の周波数帯域の信号を受信するようにTuning windowが設定されている。
【0065】
また、絶対周波数に基づいて、CPキャリアとしてキャリアc10乃至c17が特定されている。キャリアc10乃至c12は、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域外のCPキャリアであり、キャリアc13乃至c17は、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域内のCPキャリアである。
【0066】
この場合、図9の上段に示すように、キャリアc10乃至c12においては閾値より小さいCP相関値が求められ、キャリアc13乃至c17においては閾値より大きいCP相関値が求められる。検出部13は、キャリアc13乃至c17を含む周波数帯域をDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域として検出する。
【0067】
検出部13は、DVB-C2のOFDM信号を受信する場合、図9の下段に示すように、閾値より大きいCP相関値が求められたCPキャリアのうち、周波数の最も低いCPキャリアであるキャリアc14の周波数を開始周波数とするようにTuning windowを設定し、発振器22を制御する。これにより、キャリア毎のCP相関値に基づいて検出した周波数帯域を用いて送信が行われているDVB-C2のOFDM信号を受信することが可能になる。
【0068】
閾値より大きいCP相関値が求められたCPキャリアのうち、周波数の最も高いCPキャリアであるキャリアc17の周波数を終端周波数とするようにTuning windowを設定するようにしてもよい。
【0069】
[受信装置の動作]
ここで、図10のフローチャートを参照して、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域を検出する受信装置1の処理について説明する。図10の処理は、例えばチャンネルスキャンが指示されたときに開始される。
【0070】
ステップS1において、RFチューナ11の周波数変換部21は、RF信号の周波数変換を行い、所定の周波数帯域の信号を受信する。
【0071】
ステップS2において、復調部12の直交復調部31は、周波数変換部21により受信された信号に対して直交復調を行い、各シンボルを表す時間域の信号を出力する。
【0072】
ステップS3において、FFT演算部32は、直交復調部31から供給された時間域の信号に対してFFT演算を施す。
【0073】
ステップS4において、等化部33は、FFT演算部32から供給された周波数域の信号の等化を行い、等化後の信号を出力する。
【0074】
ステップS5において、CP抽出部34は、周波数域の信号から、全てのCPキャリアにおいて送信されたシンボルを抽出する。
【0075】
ステップS6において、CP相関値演算部35は、CP抽出部34により抽出されたシンボルに基づいて、所定の時刻のシンボルと一時刻前のシンボルとの位相差を、同じCPキャリアを用いて送信された全てのシンボル間について求め、各シンボル間の位相差の累積値をキャリア毎のCP相関値として求める。
【0076】
ステップS7において、検出部13は、閾値より大きいCP相関値が求められたCPキャリアを含む周波数帯域をDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域として検出する。
【0077】
ステップS8において、検出部13は、検出したDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域の情報を内部のメモリなどに記憶する。
【0078】
DVB-C2のOFDM信号を受信する場合、ステップS9において、検出部13は、検出した帯域にTuning windowを設定し、Tuning window内の信号を受信するように発振器22の周波数を制御する。その後、検出部13は処理を終了させる。
【0079】
以上の処理により、各信号の周波数帯域の割り当てが予見できない場合でも、高い信頼性を確保しつつ、DVB-C2のOFDM信号の送信に用いられている周波数帯域を高速に検出することができる。
【0080】
<第2の実施の形態>
図11は、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域の検出の他の例を示す図である。この例においては、区間毎のCP相関値が求められ、区間毎のCP相関値に基づいて、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域が検出される。
【0081】
図11Aにおいては、周波数f51からf52の帯域がDVB-C2とは異なる他の規格の信号の周波数帯域とされ、周波数f53からf54の帯域がDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域とされている。
【0082】
また、絶対周波数に基づいて、キャリアc20乃至c27がCPキャリアとして特定されている。キャリアc20乃至c22は他の規格の信号の周波数帯域内のキャリアであり、キャリアc23乃至c27は、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域内のキャリアである。キャリアc20乃至c27を含む周波数帯域にTuning windowが設定されている。
【0083】
この場合、CP抽出部34は、キャリアc20乃至c27において送信されているシンボルを抽出する。
【0084】
CP相関値演算部35は、Tuning windowが設定されている周波数帯域を複数の区間に分割し、各区間に含まれるCPキャリアで送信されているシンボルに基づいて、各区間のCP相関値を求める。
【0085】
図11Aの例においては、区間A乃至Dの4つの区間に分割されている。区間Aにはキャリアc20とキャリアc21が含まれ、区間Bにはキャリアc22とキャリアc23が含まれる。区間Cにはキャリアc24とキャリアc25が含まれ、区間Dにはキャリアc26とキャリアc27が含まれる。
【0086】
CP相関値演算部35は、CP抽出部34により抽出された、キャリアc20とキャリアc21によって送信されるシンボルに基づいて区間AのCP相関値Aを求め、キャリアc22とキャリアc23によって送信されるシンボルに基づいて区間BのCP相関値Bを求める。また、CP相関値演算部35は、キャリアc24とキャリアc25によって送信されるシンボルに基づいて区間CのCP相関値Cを求め、キャリアc26とキャリアc27によって送信されるシンボルに基づいて区間DのCP相関値Dを求める。
【0087】
この場合、図11Bに示すように、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域に含まれるCPキャリアによって送信されたシンボルに基づいて求められた区間B,C,DのCP相関値は大きく、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域に含まれないCPキャリアによって送信されたシンボルに基づいて求められた区間AのCP相関値の値は小さくなる。区間毎のCP相関値の大きさは、区間内に含まれる、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域に含まれるCPキャリアの数に応じて変わることになる。
【0088】
図11Bの例においては、CP相関値CとCP相関値Dは、それぞれの区間にDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域に含まれるCPキャリアが2キャリアあることによって大きな値になっている。また、CP相関値Aは、区間AにDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域に含まれるCPキャリアがないことによって小さな値になっている。CP相関値Bは、区間BにDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域に含まれるCPキャリアが1キャリアあることによって、CP相関値C,Dより小さく、CP相関値Aより大きな値になっている。
【0089】
検出部13は、CP相関値演算部35により求められた区間毎のCP相関値に基づいて、例えば、区間B,C,Dを含む周波数帯域が、DVB-C2のOFDM信号の周波数帯域であると検出する。また、検出部13は、例えば、区間C,Dより小さいCP相関値が求められた区間B内の所定のキャリアからDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域が開始されることを検出する。
【0090】
周波数方向の精度は落ちるものの、区間毎のCP相関値をDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域の検出に用いることによって、上述したようにしてキャリア毎にCP相関値を求める場合に較べて演算量を抑え、チャンネルスキャンを高速に行うことができる。
【0091】
図12は、CP相関値演算部35による区間毎のCP相関値の演算の例を示す図である。図12の横方向はキャリアを表し、縦方向は時間を表す。
【0092】
図12の例においては、区間C内のCPキャリアであるキャリアc24とキャリアc25においてContinual Pilotの送信が行われている。絶対周波数からキャリアc24とキャリアc25が特定され、それぞれのキャリアを用いて送信されているContinual PilotがCP抽出部34により抽出される。
【0093】
CP相関値演算部35は、キャリアc24に注目し、枠#11で囲んで示すように、時刻tのContinual Pilotと、一時刻前の時刻t-1のContinual Pilotとの間の位相差を求める。また、CP相関値演算部35は、キャリアc25に注目し、枠#12で囲んで示すように、時刻tのContinual Pilotと、一時刻前の時刻t-1のContinual Pilotとの間の位相差を求める。
【0094】
CP相関値演算部35は、区間Cに含まれる全てのCPキャリアに注目して時刻tのContinual Pilotと、一時刻前の時刻t-1のContinual Pilotとの間の位相差を求めた場合、求めた位相差の累積値を区間CのCP相関値として求める。
【0095】
検出部13においては、このようにしてCP相関値演算部35により求められたCP相関値がDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域の検出に用いられる。図12の例においては、1つのCPキャリアから、時刻tのContinual Pilotと時刻t-1のContinual Pilotとの間の位相差の1つの位相差のみを求めるものとしたが、1つのCPキャリアから複数の位相差を求め、それらの累積値を区間毎のCP相関値として求めるようにしてもよい。
【0096】
ここで、図13のフローチャートを参照して、図11、図12を参照して説明したようにしてDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域を検出する受信装置1の処理について説明する。図13の処理は、例えばチャンネルスキャンが指示されたときに開始される。
【0097】
ステップS21において、RFチューナ11の周波数変換部21は、RF信号の周波数変換を行い、所定の周波数帯域の信号を受信する。
【0098】
ステップS22において、復調部12の直交復調部31は、周波数変換部21により受信された信号に対して直交復調を行い、各シンボルを表す時間域の信号を出力する。
【0099】
ステップS23において、FFT演算部32は、直交復調部31から供給された時間域の信号に対してFFT演算を施す。
【0100】
ステップS24において、等化部33は、FFT演算部32から供給された周波数域の信号の等化を行い、等化後の信号を出力する。
【0101】
ステップS25において、CP抽出部34は、周波数域の信号から、全てのCPキャリアにおいて送信されたシンボルを抽出する。
【0102】
ステップS26において、CP相関値演算部35は、Tuning windowが設定されている周波数帯域を複数の区間に分割する。
【0103】
ステップS27において、CP相関値演算部35は、CP抽出部34により抽出されたシンボルに基づいて、同じ区間に含まれる各CPキャリアを用いて送信された所定の時刻のContinual Pilotと一時刻前のContinual Pilotとの間の位相差の累積値を区間毎のCP相関値として求める。
【0104】
ステップS28において、検出部13は、閾値より大きいCP相関値が求められた区間を含む周波数帯域をDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域として検出する。
【0105】
ステップS29において、検出部13は、検出したDVB-C2のOFDM信号の周波数帯域の情報を内部のメモリなどに記憶する。
【0106】
DVB-C2のOFDM信号を受信する場合、ステップS30において、検出部13は、検出した周波数帯域にTuning windowを設定し、Tuning window内の信号を受信するように発振器22の周波数を制御する。その後、検出部13は処理を終了させる。
【0107】
以上の処理によっても、各信号の周波数帯域の割り当てが予見できない場合のチャンネルスキャンを高速に行うことができる。
【0108】
<変形例>
以上においては、Continual Pilotの位相差に基づいてキャリア毎または区間毎のCP相関値を求めるものとしたが、位相差を求めるのに用いられる信号はContinual Pilotに限られない。同じキャリアを用いて連続して送信される信号であれば位相差を求めるのに用いることができ、例えば図7を参照して説明したEdge Pilotを用いることも可能である。
【0109】
また、DVB-C2のOFDM信号の送信に用いられている周波数帯域を検出する場合について説明したが、上述した処理は、同じキャリアを用いて連続して既知信号の送信が行われる規格であれば、他の規格のOFDM信号の周波数帯域の検出にも適用可能である。
【0110】
[受信システムの構成例]
図14は、受信システムの構成例を示すブロック図である。
【0111】
図14の受信システム111は、チューナ121、復調部122、信号処理部123、および出力部124から構成される。
【0112】
チューナ121は、地上デジタル放送、衛星デジタル放送、CATV網、インターネットなどの伝送路を介して伝送されてきた信号を受信し、復調部122に出力する。上述したRFチューナ11がチューナ121に含まれる。
【0113】
復調部122は、チューナ121から供給された信号に対して、復調処理、誤り訂正処理を含む伝送路復号処理を施し、伝送路復号処理によって得られたデータを信号処理部123に出力する。上述した復調部12が復調部122に含まれる。
【0114】
信号処理部123は、伝送路復号処理によって得られたデータに対して、伸張処理、デスクランブル処理等の信号処理を適宜施し、送信対象のデータを取得する。上述したHeader処理部101、Header処理部102が信号処理部123に含まれる。
【0115】
信号処理部123による伸張処理は、画像や音声などの送信対象のデータに対して、MPEG等の所定の方式を用いて送信側において圧縮が施されている場合に行われる。また、デスクランブル処理は、送信対象のデータに対して送信側においてスクランブルが施されている場合に行われる。信号処理部123は、信号処理を適宜施すことによって得られた送信対象のデータを出力部124に出力する。
【0116】
出力部124は、信号処理部123から供給されたデータに基づいて画像を表示させる場合、信号処理部123から供給されたデータに対してD/A変換等の処理を施す。出力部124は、D/A変換等の処理を施すことによって得られた画像信号を受信システム111に設けられたディスプレイ、または受信システム111の外部のディスプレイに出力し、画像を表示させる。
【0117】
また、出力部124は、信号処理部123から供給されたデータを記録媒体に記録させる場合、信号処理部123から供給されたデータを受信システム111の内部の記録媒体、または外部の記録媒体に出力し、記録させる。記録媒体は、ハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスクなどより構成される。外部の記録媒体は、受信システム111の外付けの記録媒体だけでなく、ネットワークを介して接続される記録媒体であってもよい。
【0118】
以上のような構成を有する受信システム111は、IC(Integrated Circuit)チップ等のハードウェアにより構成されるようにしてもよいし、複数のICチップが配設されることによって構成されるボード等の部品や、その部品を含む独立した装置から構成されるようにしてもよい。
【0119】
チューナ121、復調部122、信号処理部123、および出力部124は、それぞれ、1つの独立したハードウェア、又はソフトウェアモジュールとして構成することが可能である。また、チューナ121、復調部122、信号処理部123、および出力部124のうちの2つ以上の組み合わせが1つの独立したハードウェア、又はソフトウェアモジュールとして構成されるようにしてもよい。例えば、チューナ121と復調部122が1つのハードウェア等により構成され、信号処理部123と出力部124が1つのハードウェア等により構成されるようにすることも可能である。
【0120】
受信システム111は、例えば、デジタル放送としてのテレビジョン放送を受信するTVや、ラジオ放送を受信するラジオ受信機、テレビジョン放送を録画するレコーダ機器等に適用することができる。
【0121】
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0122】
図15は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0123】
CPU(Central Processing Unit)151、ROM(Read Only Memory)152、RAM(Random Access Memory)153は、バス154により相互に接続されている。
【0124】
バス154には、さらに、入出力インタフェース155が接続されている。入出力インタフェース155には、キーボード、マウスなどよりなる入力部156、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部157が接続される。また、入出力インタフェース155には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部158、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部159、リムーバブルメディア161を駆動するドライブ160が接続される。
【0125】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU151が、例えば、記憶部158に記憶されているプログラムを入出力インタフェース155及びバス154を介してRAM153にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0126】
CPU151が実行するプログラムは、例えばリムーバブルメディア161に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供され、記憶部158にインストールされる。
【0127】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0128】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0129】
[構成の組み合わせ例]
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
【0130】
(1)
所定の周波数帯域のOFDM信号を受信する受信部と、
前記所定の周波数帯域内の、既知信号の送信に用いられるキャリアを用いて送信された信号間の相関値を求める演算部と、
同じ前記キャリアにおいて前記既知信号の送信が続けて行われる所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域を前記相関値に基づいて検出する検出部と
を備える受信装置。
【0131】
(2)
前記演算部は、前記キャリア毎に、同じ前記キャリアを用いて送信された信号間の前記相関値の累積値を求め、
前記検出部は、閾値以上の前記累積値が求められた前記キャリアを含む周波数帯域を、前記所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域として検出する
前記(1)に記載の受信装置。
【0132】
(3)
前記演算部は、所定の時刻に送信された信号と一時刻前に送信された信号との前記相関値を、同じ前記キャリアを用いて送信された全ての信号間について求め、求めた前記相関値の前記累積値を求める
前記(2)に記載の受信装置。
【0133】
(4)
前記検出部は、前記閾値以上の前記累積値が求められた前記キャリアのうち、周波数が最も低い前記キャリアの周波数を、前記所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域の開始周波数として検出する
前記(2)または(3)に記載の受信装置。
【0134】
(5)
前記演算部は、前記所定の周波数帯域を複数の区間に分割し、同じ前記キャリアを用いて送信された信号間の前記相関値を求め、同じ前記区間に含まれる前記キャリア毎の前記相関値の累積値を求め、
前記検出部は、閾値以上の前記累積値が求められた前記区間を含む周波数帯域を、前記所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域として検出する
前記(1)に記載の受信装置。
【0135】
(6)
前記演算部は、所定の時刻に送信された信号と一時刻前に送信された信号との前記相関値を、同じ前記区間に含まれる全ての前記キャリア毎に求め、求めた前記相関値の前記累積値を求める
前記(5)に記載の受信装置。
【0136】
(7)
前記OFDM信号は、DVB-C2のOFDM信号であり、
前記既知信号は、Continual Pilotである
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の受信装置。
【0137】
(8)
所定の周波数帯域のOFDM信号を受信し、
前記所定の周波数帯域内の、既知信号の送信に用いられるキャリアを用いて送信された信号間の相関値を求め、
同じ前記キャリアにおいて前記既知信号の送信が続けて行われる所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域を前記相関値に基づいて検出する
ステップを含む受信方法。
【0138】
(9)
所定の周波数帯域のOFDM信号を受信し、
前記所定の周波数帯域内の、既知信号の送信に用いられるキャリアを用いて送信された信号間の相関値を求め、
同じ前記キャリアにおいて前記既知信号の送信が続けて行われる所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域を前記相関値に基づいて検出する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【0139】
(10)
伝送路を介して送信されてきた所定の周波数帯域のOFDM信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記OFDM信号の復調処理を行う復調部と、
前記復調部により復調されたデータに信号処理を施し、送信対象のデータを取得する信号処理部と、
前記信号処理部により取得された前記送信対象のデータを出力する出力部と
を備え、
前記復調部は、
前記所定の周波数帯域内の、既知信号の送信に用いられるキャリアを用いて送信された信号間の相関値を求める演算部と、
同じ前記キャリアにおいて前記既知信号の送信が続けて行われる所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域を前記相関値に基づいて検出する検出部と
を備える
受信システム。
【符号の説明】
【0140】
1 受信装置, 11 RFチューナ, 12 復調部, 13 検出部, 21 周波数変換部, 22 発振器, 31 直交復調部, 32 FFT演算部, 33 等化部, 34 CP抽出部, 35 CP相関値演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数帯域のOFDM信号を受信する受信部と、
前記所定の周波数帯域内の、既知信号の送信に用いられるキャリアを用いて送信された信号間の相関値を求める演算部と、
同じ前記キャリアにおいて前記既知信号の送信が続けて行われる所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域を前記相関値に基づいて検出する検出部と
を備える受信装置。
【請求項2】
前記演算部は、前記キャリア毎に、同じ前記キャリアを用いて送信された信号間の前記相関値の累積値を求め、
前記検出部は、閾値以上の前記累積値が求められた前記キャリアを含む周波数帯域を、前記所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域として検出する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記演算部は、所定の時刻に送信された信号と一時刻前に送信された信号との前記相関値を、同じ前記キャリアを用いて送信された全ての信号間について求め、求めた前記相関値の前記累積値を求める
請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記閾値以上の前記累積値が求められた前記キャリアのうち、周波数が最も低い前記キャリアの周波数を、前記所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域の開始周波数として検出する
請求項2に記載の受信装置。
【請求項5】
前記演算部は、前記所定の周波数帯域を複数の区間に分割し、同じ前記キャリアを用いて送信された信号間の前記相関値を求め、同じ前記区間に含まれる前記キャリア毎の前記相関値の累積値を求め、
前記検出部は、閾値以上の前記累積値が求められた前記区間を含む周波数帯域を、前記所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域として検出する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項6】
前記演算部は、所定の時刻に送信された信号と一時刻前に送信された信号との前記相関値を、同じ前記区間に含まれる全ての前記キャリア毎に求め、求めた前記相関値の前記累積値を求める
請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
前記OFDM信号は、DVB-C2のOFDM信号であり、
前記既知信号は、Continual Pilotである
請求項1に記載の受信装置。
【請求項8】
所定の周波数帯域のOFDM信号を受信し、
前記所定の周波数帯域内の、既知信号の送信に用いられるキャリアを用いて送信された信号間の相関値を求め、
同じ前記キャリアにおいて前記既知信号の送信が続けて行われる所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域を前記相関値に基づいて検出する
ステップを含む受信方法。
【請求項9】
所定の周波数帯域のOFDM信号を受信し、
前記所定の周波数帯域内の、既知信号の送信に用いられるキャリアを用いて送信された信号間の相関値を求め、
同じ前記キャリアにおいて前記既知信号の送信が続けて行われる所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域を前記相関値に基づいて検出する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
伝送路を介して送信されてきた所定の周波数帯域のOFDM信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記OFDM信号の復調処理を行う復調部と、
前記復調部により復調されたデータに信号処理を施し、送信対象のデータを取得する信号処理部と、
前記信号処理部により取得された前記送信対象のデータを出力する出力部と
を備え、
前記復調部は、
前記所定の周波数帯域内の、既知信号の送信に用いられるキャリアを用いて送信された信号間の相関値を求める演算部と、
同じ前記キャリアにおいて前記既知信号の送信が続けて行われる所定の規格の信号の送信に用いられている周波数帯域を前記相関値に基づいて検出する検出部と
を備える
受信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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