説明

受動共振回路を用いた湿りセンサー

本発明の例示的態様は、患者の血液アクセス部位の近位への取り付けに適したセンサー、該センサーは、共鳴周波数を有する受動電気反応共鳴回路を含む;インタロゲーションユニット、受信器および決定ユニットを含む漏れ検出ベースユニット、該インタロゲーションユニットは、共鳴回路の共鳴周波数に相当する無線周波数(RF)波を伝達するように形成される、および該受信器は、共鳴回路の応答を測定するように形成される、を含む、液体漏れを検出するためのシステムおよび方法を提供する。決定ユニットは、測定された応答に基づいて液体の存在を決定するように形成される。液体が存在しない場合、該共鳴回路は、その共鳴周波数に相当するシグナルを発するが、液体が存在する場合、該共鳴回路の電気的特性は、共鳴回路がその共鳴数波数で共鳴しないように変化する。該共鳴回路は、導電性材料を用いて基板上に形成された誘導性素子および容量性素子を含み得る。従って、該システムは、迅速、安全かつ正確に、例えば血液透析中に生じ得る生命を脅かす可能性のある血液漏れを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2008年10月16日に出願された米国特許出願第12/288,165号の継続出願である。上記の出願の全教示は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
湿りの存在および/または液体漏れを検出するためのデバイスは、液体ラインを有する機械システムにおいて、または実験室における実験プロトコルもしくはデバイスにおいて、または血液処理を受けている人での使用においてなどの多数の適用を有する。特に、人からの血液の移動(removal)を必要とする手順、献血、血液解毒、血液濾過/ヘモフィルトレーションおよび血液透析などの手順中の血液漏れまたは他の液体ライン漏れによる湿りを検出することは重要である。
【0003】
血液透析において、例えば、血液は、患者から針を介して、老廃物毒素を濾過して血液から過剰の水を除去する血液透析機に血液を運ぶ血液液体ライン回路に移動される。血液は、通常、患者から血液液体ライン回路によって高速で移動させるため、針の外れまたは血液液体ラインの破損により、急速で潜在的に致死的な失血がもたらされ得る。この理由のため、一般的に数時間かかり、週に数回行なわなければならない血液透析は、典型的に、患者が管理され得る医療環境で行なわれる。患者は、針のずれが起こった場合、これが確認(identify)され得、決定的な失血が起こる前に矯正され得るように、血液漏れについて医療関係者によって常に可視的にモニターされなければならない。
【0004】
患者からの針のずれまたは液体ラインの破損/漏れによる血液漏れなどの液体漏れによる湿りを検出するための多くのデバイスが提案されている。しかしながら、これらのデバイスはいくつかの欠点を有する。例えば、多くの公知の湿り検出器は、センサーとのおよびセンサーからのデータ通信処理のための活性電子回路を含み、さらなる自己試験回路および/または湿り検出器が適性に作動することを確実にするのに必要なアルゴリズムを含み得る。その結果、検出器およびその関連回路に電源供給するために、局所電源、典型的に限定的ライフバッテリーが必要とされる。しかしながら、さらなる回路および関連電源は、コストと複雑性を増大させ、信頼性と安全性を低下させる。
【0005】
また、公知の湿り検出器は、アラームを起動するために過剰な量の液体を必要とするか、または湿りの発生と検出との間の遅れが長すぎる。血液透析の場合、これらの欠点は致命的であり得る。針のずれまたは液体ラインの漏れによる失血を最小限にするためには、迅速な検出および警報が必要である。さらに、多くの提案された、または公知のデバイスは、心地よくなくて扱いにくく、信頼性が低く、比較的高価である。
【発明の概要】
【0006】
概要
本発明は、液体漏れ、例えば血液による湿り(wetness)を迅速に、信頼性高く、安全に検出し、漏れ検出時に迅速に警報を発し得る液体漏れ検出器システムを提供する。液体漏れ検出システムは、多数の状況において使用され得、特に、体外血液処理を受けている患者の針の外れによる液体漏れおよび/または血液透析システムなどの体外血液処理システムの液体血液ラインの破損による液体漏れの検出に適用可能である。
【0007】
したがって、本発明の例示態様は、患者の血液アクセス部位付近への取り付けに適したセンサーを備え、該センサーが、共振周波数を有する受動電気反応性共振回路を含み、該受動電気反応性共振回路が液体の存在を感知するように構成されている、液体漏れ検出システムに関する。漏れ検出ベースユニットは、インテロゲーションユニット、受信器、および決定ユニットを含む。インテロゲーションユニットは、共振回路の共振周波数に対応する無線周波数(RF)波またはシグナルを伝達するように構成されており、受信器は、インテロゲーションユニットによって伝達されたRF波に対する共振回路の応答が測定されるように構成されている。決定ユニットは、測定された応答に基づいて液体の存在が決定されるように構成されている。
【0008】
一例の態様において、共振回路によって液体の非存在が感知された場合、共振回路の応答は、その共振周波数に対応する。逆に、共振回路によって液体の存在が感知された場合、共振回路の応答は、その共振周波数に対応しない(例えば、存在しない、または実質的に未満)。
【0009】
他の例示態様において、共振回路は、容量素子に電気的に接続された誘導素子を含み、共振周波数は誘導および容量値の関数である。基板の表面上に誘導素子および容量素子を形成するために、インク、金属、ポリマー、ケイ素または炭素などの導電性物質が使用され得る。誘導素子および容量素子は、基板上に配置される実質的に二重渦巻形状の回路を形成する外向き渦巻状導体に接続された内向き渦巻状導体を含み得る。基板は、例えば、手術用テープ、プラスチック、紙、ガラス、エポキシ樹脂などの非導電性物質を含み得る。代替的な例示態様は、多数の患者に結び付ける(associated with)多数のセンサーを含み得、ここで、各センサーは、異なる共振周波数で共振し、それにより、該システムによって、どの患者または患者に結び付けた構成要素(例えば、処理システム、血液ラインなど)に取り付けたどのセンサーであるかを特定されることが可能なように構成されている。
【0010】
さらに別の例示態様において、インテロゲーションユニットは、RF波を周期的、非周期的、ユーザーによる開始、または事象誘導ベースで伝達するように構成され得る。センサーは、患者の皮膚または血液アクセス部位周辺の吸収性物質などの、患者の血液アクセス部位付近に取り付けられ得る。
【0011】
液体漏れの存在の決定に応答して、決定ユニットは警報を発し、警報としては、可視アラーム(例えば、点滅光)、可聴アラーム(例えば、サイレン)、物理的警報(例えば、振動デバイス)、ディスプレイ上に表示される警告メッセージ、または同様のかかる警報が挙げられ得る。代替的な例示態様は、中央管理ユニット(CMU)と通信している多数のかかるシステムを含み得、ここで、CMUは、多数のシステムがモニタリングされ、液体の存在の決定に応答して警報を発し、検出された液体に、どのセンサー、患者またはシステム構成要素が対応しているかが特定されるように構成されている。
【0012】
また別の例示態様において、漏れ検出ベースユニットは体外血液処理システムと一体化されており、ここで、体外血液処理としては、血液酸素化、解毒、輸血または濾過が挙げられる。例えば、体外血液処理システムは血液透析システムであり得、この場合、液体漏れ検出システムは、血液透析システムに、液体の存在の決定に応答して1つ以上のポンプを停止するように、または1つ以上の血液ライン弁を閉じるように指令する。
【0013】
さらに別の例示態様において、本発明は、流体システムにおける漏出の検出方法に関する。該方法は、患者の血液アクセス部位付近に取り付けられる受動電気反応性共振回路を記録する工程を含み、該回路は、液体の存在を感知する共振周波数を有する。該方法は、さらに、漏れ検出ベースユニットから、共振回路の共振周波数に対応する無線周波数波を伝達する工程、および漏れ検出ベースユニットにおいて、共振回路によって生成された、伝達された無線周波数波に応答性の応答を測定する工程を含む。その場合、該方法は、測定された応答に基づいて液体の存在を決定する工程を含む。
【0014】
したがって、本発明の液体漏れ検出システムのある態様は、血液処理システムの血液ラインの破損あるいは針挿入部位からの針のずれおよび/または外れによる液体漏れを容易に、迅速に、かつ正確に検出する技術を提供する。公知の湿りセンサーとは異なり、本開示において開示した例示の湿りセンサーは、該センサーが、入力インテロゲーションパルスからの全作動出力を誘導するため、局所電源(例えば、電池)を必要としない。したがって、極めて安全であることに加え、例示の湿りセンサーは、センサーおよび電池の状態を調べるための精巧な診断の必要性が不要になる。
【0015】
また、液体の存在下で活性な公知のセンサーとは異なり、本明細書に記載の例示の湿りセンサーは液体の存在下で不活性である。これにより、センサーが作動中に故障した場合、故障(すなわち、応答がない)は、液体漏れとみなされ、漏れを示す対応する警報に基づいて迅速に特定されるため、さらなるフェイルセーフ措置が提供される。
【0016】
液体漏れ検出システムのある態様は、多数の湿りセンサーと通信し、多数のセンサーのいずれか1つにおいて血液漏れが検出された場合、アラームを発し得る。さらに、湿りセンサーは非常に廉価に製造され得、使い捨てセンサーの製造を効果的に可能にし、それにより、公知のセンサーと比べて材料および維持コストが低減される。したがって、該液体漏れ検出システムにより、処理システム、特に体外血液処理システムを、より安全で、より信頼性が高く、あまり費用のかからないものにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
前述のことは、添付の図面に示す本発明の例示態様の以下のより具体的な記載から明らかとなろう。図において、同様の参照文字は異なる図全体にわたって同じ部分を示す。図面は、必ずしも同じ縮尺ではなく、本発明の態様を示すことに重点が置かれている。
【0018】
【図1】図1は、本発明の例示態様による液体漏れ検出システムを示すブロック図である。
【図2】図2Aは、本発明の例示態様による共振回路を示す概略図である。 図2Bおよび2Cは、本発明の例示態様によるセンサーを示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の例示態様による多数のセンサーを用いた液体漏れ検出システムを示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の例示態様による血液透析システムと一体化された液体漏れ検出システムを示すブロック図である。
【図5】図5は、本発明の例示態様による多数の血液透析システムと一体化された多数のセンサーを用いた液体漏れ検出システムを示すブロック図である。
【図6】図6は、本発明の例示態様に従って行なわれる液体漏れを検出するための手順のフローチャートである。
【図7】図7は、代替的な本発明の例示態様に従って行なわれる液体漏れを検出するための手順のフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の例示態様による図6および7の手順を行なうことができるコンピューターシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細説明
以下に本発明の例示態様を説明する。本発明は、湿り、特に、流体システムにおいて液体漏出による湿りの存在を検出するためのシステムに関する。液体漏れ検出システムの態様は、湿りセンサー、ならびにインテロゲーションユニット、受信器、および決定ユニットを含む漏れ検出ベースユニットを含む。湿りセンサーは、共振周波数を有する受動電気反応性共振回路を含み、共振回路は、液体漏れの存在を感知するように構成されている。インテロゲーションユニットは、センサーの共振回路の共振周波数に対応する無線周波数(RF)波またはシグナルを伝達し得る。受信器は、インテロゲーションユニットによって伝達されたRF波に対する共振回路の応答が測定されるように構成される。決定ユニットにより、測定された応答に基づいて液体の存在が決定される。
【0020】
本明細書で使用されるように、用語「液体漏れ」は、一般的に、液体(例えば、血液、水、インスリン、抗生物質)が患者から移動される、または患者に戻されるおよび/または患者に注入される部位における、あるいはシステムの液体含有構成要素と他の構成要素との界面の部位における、システムの液体含有/運搬構成要素(例えば、液体ライン、貯蔵槽)からの任意の漏れ、湿りおよび/または湿気をいう。したがって、液体漏れは、例えば、針挿入部位漏れおよび/または液体ラインでの漏れであり得る。
【0021】
液体漏れを検出するため、システムの1つ以上の構成要素の任意の点に湿りセンサーが取り付けられ得る。例えば、湿りセンサーは、液体ライン侵入点/針挿入部位付近にあり得るか、またはシステムの液体ラインの液体ライン侵入点/針挿入部位を囲む材料に取り付けられ得る。液体ラインは、小型(例えば、マイクロサイズ)チューブであり得、この型のチューブは、一般的に、所望の液体を運ぶのに充分適したものにする性質(例えば、最小限の跡(drag)および/または液体吸着、非反応性、非腐食性、非分解性)を有するポリマー(例えば、プラスチック)で構成される。
【0022】
特定の態様において、システムは、湿りセンサーが、患者の針挿入部位付近、または例えば、液圧ホース、血液を運ぶためのラインもしくは、透析の場合は透析物を運ぶためのラインにおける漏れを検出するためのシステムの種々の液体ライン付近に配置され得る体外血液処理システムである。湿りセンサーは粘着テープなどの担体上に配置され得、この場合、該テープが所望の位置にしっかりと固定され得る。好ましくは、湿りセンサーは、実際には、液体循環速度、容量、圧力および磨耗の影響を受けやすいため弱い領域である液体ラインの接続界面(したがって、これらの接続領域は、漏れが生じやすく、その結果、多くの漏れが起こる場所である)に位置/配置される。
【0023】
したがって、図1に、湿りセンサー105、受信器120、インテロゲーションユニット115、および決定ユニット125を含む、流体システムにおける液体漏れを検出するためのシステム100を示す。センサー105は、シグナル135と特定の共振周波数で共振するように構成された受動共振回路110を含む。センサー105は、適切な励起シグナルに供された場合、共振回路がエネルギーを吸収および放射する(すなわち、共鳴状態になる)共鳴の原理に基づいて作動する。
【0024】
共振周波数は、共振回路の110の電気的特性の関数である。共振回路の110の電気的特性を変えると、センサーの105の共振周波数が変更される。共振回路110が液体に曝露された場合、共振回路の110の電気的特性は有意に変動する。その結果、共振回路110は、乾燥時は、その共振周波数で共振し、湿っている場合(あったとすれば)は、異なる周波数で共振する。その結果、センサー105を用いて液体漏れが検出され得る。
【0025】
インテロゲーションユニット115は、特定の共振周波数に対応するRFシグナル130を伝達するように構成されている。インテロゲーションユニット115には、適切な周波数および電力レベルでRFシグナルを伝達するのに適したアンテナ140が使用され得る。多数の異なるシグナルは、多数の異なる周波数値による掃引またはステッピングにより伝達され得る。伝達されたRFシグナル130が、センサー105の共振周波数に対応する場合、共振回路110は、共振周波数に対応するシグナル135を吸収および放射し返す。逆に、伝達されたRFシグナル130がセンサー105の共振周波数に対応しない場合は、センサー105は応答せず、休止状態のままである。
【0026】
したがって、センサー105が液体漏れの非存在下にある場合、センサー105の電気的特性は変わらず、共振回路110は、その共振周波数に対応するインテロゲーションシグナル130によって励起された場合、シグナル135を放射する。しかしながら、センサー105が液体漏れの存在下にある場合、液体によって、センサー105の共振回路110の電気的特性に、共振回路の110の共振周波数が実質的に異なるような変化が引き起こされる。この場合、センサーの予測共振周波数に対応するシグナル130によって励起された場合、センサー105は応答せず、それにより液体漏れが示される。
【0027】
伝達シグナル周波数および電力レベルなどのインテロゲーションユニット115の特性は、いくつかの設計目的、例えば、所望の作動距離、センサーサイズ、コスト、信頼性など、ならびに任意の規制要件(例えば、FCC)、環境要件(例えば、病院もしくは臨床状況に承認された周波数)および/または身体に関する基準要件(例えば、UL、CE)に基づいて測定され得る。
【0028】
受信器120は、インテロゲーションユニット115によって伝達されたRFシグナル130に対する共振回路の応答135が測定されるように構成されている。RFシグナル135の受信に適したアンテナ140は、精度および作動距離を改善するために受信器120と通信され得る。共振回路の応答135は、RFシグナル通信の分野で公知のいくつかの異なる技術を用いて測定され得る。
【0029】
例えば、受信器120は、共振回路の応答135の電力レベルを測定するためにセンサーの105の共振周波数に整調された周波数選択性電力検出器を含み得る。一例の態様において、電力測定は、伝達されたインテロゲーションシグナル130のエネルギーが共振回路110によって吸収された後に行なわれ得る。液体漏れの非存在下では、共振回路110は、インテロゲーションシグナル130から吸収されたエネルギーを放射する。得られた電力測定は、共振回路の放射応答135の電力レベルに相当する。しかしながら、液体漏れの存在下では、共振回路の共振周波数が変化し、共振回路110ではインテロゲーションシグナル130のエネルギーが吸収されない。その結果、共振回路110は、予測電力レベルに対応する電力レベルでシグナルを放射せず、それにより、非常に低い測定値(典型的にノイズ)をもたらす。したがって、比較的低い電力測定値は液体漏れを示す。
【0030】
代替的な態様において、電力測定は、インテロゲーションシグナル130のエネルギーが共振回路110によって吸収されている間に行なわれ得る。この場合、液体漏れの非存在下では、インテロゲーションパルス130のエネルギーは共振回路110で吸収され、受信器120で測定される電力レベルが低下する。しかしながら、液体漏れの存在下では、共振回路の110の共振周波数が変化し、センサー105でインテロゲーションシグナル130のエネルギーは吸収されない。この場合、受信器120で測定された電力レベルは、インテロゲーションユニット115によって伝達されるインテロゲーションシグナル130の電力レベルに等しい。したがって、比較的高い電力測定(すなわち、センサー105での吸収により低下しない測定電力レベル)は液体漏れを示す。
【0031】
測定された応答に関連する測定基準は、決定ユニット125に通信され、ここで、決定ユニット125 は、受信器120によって提供される測定基準に基づいて液体の存在が決定されるように構成され得る。測定は絶対または相対閾値と比較され得る。例えば、決定ユニット125では、測定された測定基準が、伝達されたインテロゲーションシグナル130に基づいて受信されると予測される測定基準値と比較され得、測定基準が特定の閾値より上または下である場合、125への測定によって液体漏れの非存在または存在が決定され得る。液体漏れが検出されたら、決定ユニット125は、漏れが検出されたことを示す可聴または可視警告などの通知をもたらす警報を発し得る。
【0032】
図2Aは、本発明の例示態様による受動共振回路205の概略図を示す。共振回路205は、並行な構成で接続された誘導子(L)210とコンデンサー(C)215を含み得、ここで、誘導子210の第1側は、コンデンサー215の第1側と電気的に連絡しており、誘導子210の第2側はコンデンサー215の第2側と電気的に連絡しており、RFインテロゲーションパルスのエネルギーを吸収し、回路の電気的特性に対応する共振周波数でエネルギーを放射し得る「整調槽」回路を形成している。アナログ回路設計の技術分野で知られているような、適切なインテロゲーションシグナルによって励起されると共振周波数応答を生成し得る代替的な並行/直列受動構成要素の構成が使用され得ることに注意されたい。誘導子210およびコンデンサー215の値は、回路が特定の共振周波数で共振するように構成されるように選択され得、ここで、共振周波数(fres)は、以下の式:


を用いて計算され得る。
【0033】
図2Bは、本発明の例示態様によるセンサー220のブロック図である。この態様では、共振回路は、二重渦巻LC構成を用いて形成されている。1対の導電体225は中心点に向かって内向きに渦を巻いており、最後に中心点で一緒に接続されている。並列または並行な導体はコンデンサーを形成しており、渦巻は誘導子を形成している。センサーは、任意に、センサー220上に形成される例えば導電性トレースであり得るアンテナ230を含む。アンテナにより、センサーが、より離れた距離のシグナルを受信および伝達することが可能になり得る。これにより、センサー220およびインテロゲーションユニットおよび受信器を互いに遠くに離して配置することが可能になることにより、さらなるシステム柔軟性が可能になる。アンテナ320は、センサーの外辺部に沿って延びるトレースとして示されているが、ジグザグパターンまたはアンテナ設計の技術分野に公知の他の構成
などの他の幾何構造も同様に使用され得る。
【0034】
図2Cは、渦巻誘導子240および別個のコンデンサー245を、代替的な本発明の例示態様による共振回路が作製されるように構成したセンサー235のブロック図である。誘導子240は、渦巻構成で単一の導電体を形成することにより作製される。誘導子240の第1側(例えば、渦巻の内側末端)はコンデンサー245の第1側に接続されており、誘導子240の第2側(例えば、渦巻の外側末端)はコンデンサー245の第2側に、電気コネクタ255を用いて接続されており、並行なL-C回路を形成している。誘導子240を形成する導体が絶縁されていない場合、コネクタ255での渦巻誘導子240のショートを防ぐために、コネクタ255内の誘導子240との間に絶縁層250が配置され得る。
【0035】
代替的に、コンデンサー245の第2側と誘導子240の第2側は、コンデンサー245と誘導子240をセンサー235の底面側に接続するバイアス(vias)(図示せず)に接続され得る。センサー235の底面側には、コンデンサー245および誘導子240と関連しているバイアスが、コネクタ255と同様のコネクタを用いて一緒に接続され得る。この場合、絶縁層250は必要ないかもしれない。また、センサー235は、同様にシグナル伝達範囲を広げ、センサーを、インテロゲーションユニットおよび/または受信器からさらに遠くに離して配置することを可能にする任意のアンテナ260も含み得る。この場合、図2Cに示すように、アンテナ260が誘導子240に接続されている場合、共振回路の有効インダクタンスは、アンテナ260に関連する任意のインダクタンスを含む。また、同様のアンテナ230構成が図2Bに示した共振回路でも使用され得る。
【0036】
図2B〜Cに示した受動湿りセンサーは、液体が導電性であり得、その結果、漏れがセンサーが曝露される液体の導電性を用いて検出され得るという原理に基づいて作動する。したがって、センサーは、導電性である任意の液体、すなわち、電流が流れることを可能にする正および負に帯電したイオンを含む任意の液体を検出するために使用され得る。作動時、センサーが導電性液体に曝露された場合、液体は、誘導子225、240またはコンデンサー245と接触しているときは短絡回路としての機能を果たす。この短絡回路は、インダクタンスおよび/またはキャパシタンス値を変化させることにより共振回路の電気的特性を変える。共振回路の共振周波数はインダクタンスとキャパシタンスの関数であるため、液体は共振回路の共振周波数を変化させる。
【0037】
誘導素子および容量素子は、例えば、基板の表面上に配置される導電性物質を用いて形成され得る。導電性物質としては、導電性のインク、金属、ポリマー、ケイ素、炭素などが挙げられ得る。基板としては、例えば、プラスチック、紙、接着テープなどの非導電性物質が挙げられ得る。例えば、誘導素子および容量素子は、接着テープの表面上に印刷される導電性インクを使用し、外向き渦巻状導体に接続された内向き渦巻状導体を作製して二重渦巻形状の共振回路を有効に作製することにより形成され得る。
【0038】
図2Bおよび2Cに示された共振回路は、共振回路を用いたセンサーの例示態様の図解であることに注意されたい。しかしながら、本発明は、これらの具体的な構成に限定されると解釈されるべきでなく、当業者に公知の他の受動共振回路構成が同様に使用され得る。さらに、本明細書に記載のセンサーは単一の共振回路を含むものとして示されているが、種々の態様は、同じまたは異なる共振周波数を有する多数の共振回路を含むセンサーを含み得る。例えば、センサーは、重複および信頼性のさらなる測定が提供されるように配置された2つ以上の共振回路を含み得る。
【0039】
図3は、多数のセンサー305a〜nを使用し、多数の位置で液体漏れを同時に検出する構成されたシステム300の代替的な例示態様を示す。システム300は、アンテナ345、インテロゲーションユニット315、決定ユニット325、および多数のセンサー305a〜nと通信している受信器320を含み得、各センサー305a〜nは受動共振回路310a〜nを含む。各センサー305a〜nは、互いに異なる共振周波数でシグナル340a〜nと共振し、それにより、各センサー305a〜nが個々に、その具体的な共振周波数応答 340a〜nに基づいて特定されることが可能になるように構成され得る。
【0040】
この態様では、インテロゲーションユニット315は、各センサー305a〜nの共振回路310a〜nに対応する多数の周波数335による掃引またはステッピングが行なわれ、特定のセンサー305a〜nが液体漏れの存在を感知しているか否か決定されるように構成され得る。したがって、単一の漏れ検出ベースユニット350は、多数のセンサー305a〜nを同時にモニタリングするために使用され得る。
【0041】
使用時、インテロゲーションユニット315は、第1センサー305の共振回路310aの共振周波数に対応するRFシグナル335を伝達し得る。液体漏れの非存在下では、共振回路310aは、その事前に構成された(pre-configured)共振周波数に対応するシグナル340aを放射することにより応答する。次いで、センサーの応答340aがアンテナ345によって漏れ検出ベースユニット350で受信される。受信器320は、受信シグナルを測定して処理し、測定された結果の代表的な測定基準(例えば、電力レベル)を決定ユニット325に通信する。決定ユニット325は、測定基準が、インテロゲーション対象の具体的な共振回路310aと関連している予測測定基準に対応するかどうかが決定されるように構成されている。
【0042】
しかしながら、第1の共振回路310aが液体と接触している場合、共振回路310aの電気的特性(すなわち、インダクタンスおよび/またはキャパシタンス)は、センサー305aが、予測共振周波数に対応するシグナルを放射しないように変化する。決定ユニット325は、受信シグナルの代表的な測定基準が共振回路310aと関連している予測測定基準(1つまたは複数)に適合しないことを決定し、それにより液体漏れの存在を示す。
【0043】
1)インテロゲーションユニット315がインテロゲーション下でセンサーの共振周波数に対応するシグナル335を伝達し、2)受信器320がそれぞれの共振回路310a〜nからの予測応答の受信を試み、3)決定ユニット325が、受信応答340a〜nが予測応答に対応するかどうかを決定するこの技術は、各センサー305a〜nで、実質的に連続様式で反復され得る。このようにして、各センサー305a〜nは、任意のセンサーの液体漏れが比較的迅速に検出され得るように連続的にインテロゲーションされ得る。
【0044】
図4は、血液透析システムなどの体外血液処理システム450とともに使用される、本発明の例示態様による液体漏れ検出システム400を示す。液体漏れ検出システム400は、漏れ検出ベースユニット445、および共振回路410を含むセンサー405を含む。漏れ検出ベースユニット445は、図示のように、体外血液処理システム450と一体化されていてもよく、代替的に、体外血液処理システム450と通信しているが離れているサブシステム、または漏れ検出ベースユニット455の構成要素の1つ以上が体外血液処理システム450と一体化されており、該構成要素の1つ以上が体外血液処理システム450の外部に存在するその組合せであってもよい。
【0045】
漏れ検出ベースユニット445は、インテロゲーションユニット415、決定ユニット425、およびアンテナ440と通信している受信器420を含み得る。典型的な体外血液処理システム450では、血液は患者から、患者の腕または同様の位置に挿入された第1の針を用いて移動される。血液は、第1の血液ライン455によって体外血液処理システム450に輸送され、そこで処理される。処理の例としては、酸素化、解毒、輸血、濾過、または同様のかかる処理が挙げられる。次いで、第2の針によって血液が患者の体内に戻される第2の血液ライン457を用いて処理血液を患者に輸送して戻す。患者が体外血液処理システム450を取り付けたままにする時間量を減らすため、血液は比較的高速で移動される。しかしながら、高速での血液移動のため、針または血液ライン455、457が外れると、命を脅かす状況が生じ得る。
【0046】
作動時、共振回路410を有するセンサー405は、例えば、まさに処理を受けようとしている患者の針挿入部位に配置され得る。インテロゲーションユニット415は、共振回路の410の共振周波数に対応するインテロゲーションシグナル430を伝達し得る。血液漏れの非存在下では、センサーの405の共振回路410は、その共振周波数に対応するシグナル435放射する。放射シグナル435は、アンテナ440により漏れ検出ベースユニット445によって検出され、受信器420に通信され得る。受信器420は受信シグナルを測定して処理し、特定の周波数のシグナルの電力レベルなどの適切な測定基準を決定する。測定基準は決定ユニット425に通信され、測定基準に基づいて、受信シグナルが予測どおり受信されたかどうかが決定される。受信シグナル435と関連している測定基準が予測測定基準に対応する場合、決定ユニット425は液体漏れが存在しないと決定する。
【0047】
受信器420が、適切な時間内にセンサーの405共振回路410に対応する予測測定基準に対応する応答を受信しない場合、決定ユニット425は、センサー405付近に血液漏れがあると決定し、漏れ検出ベースユニット445が警報シグナル460を発する。決定は、例えば、測定基準を所定のまたはプログラム可能な閾値と比較することによりなされ得る。警報シグナル460は、可聴または可視アラームおよび/または他のかかる表示(1つもしくは複数)を発生させるために使用され得る。代替的に、あるいはまた、警報シグナル460は、体外血液処理システム450に、血液を患者から移動および/または患者に戻すための液体ラインに沿って1つ以上の血液ポンプを停止させる、および/または1つ以上の弁を閉じさせるためにも使用され得る。
【0048】
図5は、多数の患者に付けられた多数のセンサー505a〜nを同時にモニタリングする構成された漏れ検出ベースユニット545を示す例示態様を示すブロック図である。臨床状況において、多数の患者は、同時に血液処理(例えば、血液透析)を受けていてもよい。この態様では、各センサー505a〜nは、具体的な患者および患者の対応する体外血液処理システム550a〜nに付けられる。ある患者で漏れが検出された場合、該患者の対応する体外血液処理システム550a〜nのポンプまたは弁の閉鎖などの保護作用(1つまたは複数)が、漏れが検出されていない他の患者を妨害することなく行なわれ得る。
【0049】
漏れ検出ベースユニット545は、受信器520、インテロゲーションユニット515、決定ユニット525、およびアンテナ540を含み得る。漏れ検出ベースユニット545は中央管理ユニット(CMU)555と通信され得る。CMU555は、液体漏れ検出ベースユニット545、多数の体外血液処理システム550a〜n、および入力/出力デバイス565、570と、有線または無線(またはその組合せ)結線575によって通信され得る。
【0050】
CMU 555は、漏れ検出ベースユニット545、体外血液処理システム550a〜n、センサー505a-nと複数の患者の間または中の作動性を協調させるために使用され得る。例えば、臨床職員は、有線または無線インプットデバイス565、570を介してセンサー-患者関連情報を入力し得る。また、中央管理ユニット505は、警報メッセージ560に基づいて、任意の適切な動作を開始させ得、また、システム状態情報を提供し得る。CMU 555は、部分的または完全に漏れ検出ベースユニット545および/または外部血液処理システム550a-n中に統合され得ることに注意されたい。
【0051】
複数のセンサー505a-nは、それぞれのセンサー505a-nの共振回路510a-nを種々の特有の周波数で共振させるように形成することにより、個々に確認可能になり得る。例えば、センサー505a-nは、センサー_1が周波数_1で共振するように、センサー_2が周波数_2で共振するように、センサー_3が周波数_3で共振するように形成され得る。それぞれのセンサー505a-nは、センサー自体の上、センサーを含有するパッケージ上に印刷されるかまたは同様の場所にある特定の共振周波数の情報表示を含み得る。
【0052】
患者が治療を開始する前、患者「登録」手順の間に、センサーと患者を結び付け得る。例えば、患者_1の登録の間、CMU 555および/または漏れ検出ベースユニット545は、オペレータに、患者_1の針挿入部位に特定のセンサー(例えばセンサー_1)を取り付けるように指示し得る。次いで、漏れ検出ユニット545は周波数_1と患者_1の針挿入部位を結び付ける。例えば、漏れ検出ベースユニット545が湿りを確実に検出するように、オペレータの指または湿った綿棒でセンサー505aをぬぐって、オペレータに血液漏れをシミュレーションさせることにより開始され得る漏れ検出セルフテストも、登録プロセスに含まれ得る。インテロゲーションユニット515によって信号を送られた場合に、センサーが適切なシグナル535aを適切に共振することを決定して、センサーが確実に漏れなし検出状態に戻るように、センサー505aを乾かして再度試験する。必要に応じてこの流れを繰り返し、さらなるセンサーと患者を結び付け得る。登録プロセスの完了後に、患者の治療を始め得る。
【0053】
次の患者、患者_2を同様に「登録」することにより、CMU 555および/または漏れ検出ベースユニット545は、オペレータに、特定の共振周波数(すなわち周波数_2)を有する、現在使用されていない特定のセンサー(例えばセンサー_2)を患者_2の針挿入部位につなぐように指示する。漏れ検出ベースユニット545は、周波数_2と患者_2の針挿入部位を結び付ける。前述の漏れシミュレーション試験を行って、センサー505bを同様にセルフテストし得る。同様に、患者_3を同じく「登録」した後、漏れ検出ベースユニット545は、患者_3の共振周波数(すなわち周波数_3)と患者_3の針挿入部位を結び付ける。関連情報は、例えば、漏れ検出ベースユニット545および/またはCMU 555によりアクセス可能なルックアップテーブルに保存され得る。ルックアップテーブルには、漏れ検出システムによる使用に利用可能な全てのセンサーのリスト、および患者、センサー、共振周波数、治療システム、位置等の現在使用中のセンサーに関連のある他の情報が含まれ得る。
【0054】
漏れ検出ベースユニット545とセンサー505a-nの間の通信は、図3および4と関連して前述のものと同様に作動し得る。従って、インテロゲーションユニット515は、周波数_1でインテロゲーションシグナルを伝達し、受信器520は、センサー_1から予想される応答を受信しようとする。決定ユニット525は、受信された応答535aが予想される応答に対応するかどうか決定する。漏れ検出ベースユニット545は、現在使用中の全ての登録されたセンサー505a-nに適切な全ての共振周波数を一掃して、伝達-受信-決定の流れを繰り返す。漏れが検出される場合、漏れ検出ベースユニット545は、予想どおりにおよび登録手順の際に修正された情報、漏れと関連のある位置、患者および治療システムに基づいて、どの特定の周波数が受信されなかったかを特定し得る。
【0055】
例えば、前述の例示的態様を考慮すると、予想どおり周波数_2は受信されず、漏れ検出ベースユニット545は患者_2の針挿入部位で漏れが検出されたことを決定し得る。特定の周波数はその患者および特定の患者の血液処理システムと結び付けられているので、どの患者で漏れが検出されたかについて医療関係者に警報を発することに加えて、患者に結び付けられた体外血処理システム550a-nで弁またはポンプを閉じるなどの安全手順が行われ得る。
【0056】
さらに、センサー505a-nは局部電源を必要としないので、公知のセンサーと同様に、電池の消耗を心配せずに継続的に信号が送られ得る。本発明の非電力センサーでは、電池を試験するための複雑なアルゴリズムおよび電池の消耗を回避するためにセンサーを低電力様式で配置するなどの関連のある操作のための必要性も省略される。
【0057】
代替的な例示的態様において、同じ共振周波数を有する複数のセンサーを、特定の患者に登録し得る。例えば、同じ共振周波数を有する同一のセンサー(例えばセンサー_5/周波数_5)を、患者_1の針挿入部位、体外血液処理システム550aおよび血液ラインに配置し得る。この場合、予想される応答は、現在使用中の同一のセンサーの数に対応する応答の合計を表す「混成」シグナルである。予想される「混成」シグナル応答は、予め決定され得るか、計算され得るか、または登録手順中に漏れ検出ベースユニット545により誘導され得る。センサーが漏れを検出する場合、受信された「混成シグナル」は異なり得(例えば、電力レベルが低下する)、1つ以上のセンサーが液体漏れを感知する時間を決定ユニット425が決定し得る(すなわちその共振周波数に相当するシグナルに共振しない)。従って、漏れを検出した特定のセンサーの位置が決定されなくても、センサーのいずれかは漏れを検出するはずであり、患者の位置および結び付けられた体外血液処理システム550a-nは、どのセンサーで漏れが検出されたかに関係なく、特定され得る。
【0058】
前述の例示的態様ではセンサーを患者に取り付けることが記載されるが、センサーは別の場所に取り付けてもよい。例えば、多数の異なるセンサーを、患者それぞれの針挿入部位、体外血液処理システム、血液ラインおよび任意の他の目的の位置に結び付け得る。患者の登録手順は、センサー_1/周波数_1を患者_1の針挿入部位に結び付ける、センサー_2/周波数_2を患者_1に接続された体外血液処理システム550aに結び付ける、センサー_3/周波数_3を患者_1から血液を抜くために使用される血液ライン(1つまたは複数)に結び付ける、およびセンサー_4/周波数_4を患者_1に血液を戻すために使用される血液ラインに結び付けるように実施され得る。代替的に、または付加的に、多数のセンサーを比較的近位(例えば針挿入部位)に配置して、前述のものと同様の特定の場所(1つまたは複数)に重複センサーを提供し得る。
【0059】
図6および7には、フロー図の形態で、本発明の例示的態様が示される。しかしながら、本発明の広い範囲から逸脱することなく、そこに種々の改変および変更がなされ得ることは明らかである。例えば、示されるフロー図のいくつかは、記載されるものとは異なる順序で実施されてもよい。フロー図に示されるすべてのブロックが実施される必要はなく、さらなるフローブロックが追加されてもよく、いくつかが他のフローブロックと置き換えられてもよいことが理解されよう。
【0060】
図6は、流体システムにおいて液体漏れを検出するための手順600を示すフロー図である。手順600は、ブロック605から開始して、液体漏れの存在を感知するための共振周波数を有する受動共振回路を登録するためのブロック610へと進む。手順600では、例えば特定のセンサーと特定の患者、血液処理システムまたはそれらと結び付けられた血液ラインを提供することおよび結び付けることによりセンサーを登録する。該登録手順は、図7を参照して、ブロック715〜730に関連してさらに詳細に後述される。
【0061】
引き続き図6を参照して、ブロック615で、手順600は、共振回路の共振周波数に対応するRFインテロゲーションパルスを伝達することにより、センサーに信号を送る。手順600は、伝達されたRFインテロゲーションパルスに対するセンサーの応答が測定されて、応答が予想通りに受信されるかどうかが決定されるブロック620に進行する。ブロック625で漏れが検出される場合、手順はブロック635に進み、アラーム、メッセージおよび/または動作などの警報を鳴らし、その後ブロック630に進む。ブロック625で液体漏れが検出されない場合、手順600はブロック630に進む。ブロック630で、手順600は、検出手順を続けるべきか決定し、そうであるなら手順600は、ブロック615に進み、別のRFインテロゲーションパルスを伝達する。そうでなければ、手順600は、ブロック640に進み終了する。
【0062】
図7は、本発明の代替的な例示態様に従った、多数の液体漏れを検出するために多数のセンサーを使用する手順700を示すフロー図である。かかる手順700は、例えば、多数の体外血液処理システムにつながれた多数の患者において、液体漏れを中心的にモニタリングするために血液透析クリニックで使用され得る。
【0063】
ブロック705で開始された後、手順700は、ブロック710で学習モードが起動するかどうかを決定する。新規の患者が治療プロセスを開始した場合、治療前に患者と1つ以上の特定の血液漏れセンサーを結び付けるために学習モードが使用され得る。学習モードが起動する場合、手順700は、透析技術者などのユーザーに現在使用されていない特定のセンサーを選択するよう促すブロック715に進む。該手順では、該システムでの使用に利用可能な全ての潜在的センサー型を保存するルックアップテーブル(すなわち共振周波数に関連のあるデータ)が維持される。一旦特定の型のセンサーが使用されると、かかる情報はルックアップテーブルに記録され得る。従って、該手順700は、それぞれのセンサーを独自に識別できるように、ユーザーに、現在使用されていないセンサーを選択するよう促す。
【0064】
あるいは、該手順では、ユーザーに、中央管理ユニット、透析ユニット、中心または遠隔インターフェース等を介して共振周波数情報を手動で入力するよう促すことがある。情報は、センサー自体、センサー含有パッケージ上または同様の場所に印刷され得る。同じ共振周波数を有するセンサーがすでに使用されている場合、中央管理ユニットにより、ユーザーは、異なる共振周波数を有するセンサーを選択するようになる。さらにあるいは、手順700では、センサーの共振周波数が決定されるまで、例えば低電力シグナル周波数範囲(sweep)を伝達することにより共振周波数が自動的に決定され得る。すでに使用されており、異なる患者と結び付けられている同じ共振周波数を有するセンサーが意図されずに認識されないように、低電力インテロゲーションパルスが使用され得る。いずれの場合も、一旦センサーの共振周波数が確認されると、インテロゲーションパルスがセンサーに伝達され得、センサーが適切に作動するセンサーの応答が測定され得る。
【0065】
ブロック720では、ユーザーは、センサーに湿気を適用して血液漏れを模倣するように指示され得る。例えば、ユーザーは、自身の指でまたは湿らせた綿棒でセンサーの共振回路の表面をぬぐうように指示され得る。湿気は、インテロゲーションパルスが伝達された場合に、センサーの応答がセンサーの予測される共振応答に相当しないように変化するように、共振回路の特性インピーダンスを変化させるのに充分であるべきである。センサーの湿気の検出を確認した後、手順700は、ブロック725に進み、その後センサーを乾燥させてインテロゲーションパルスが伝達され、その後のセンサーの応答を、予想される応答と比較して、センサーが適切に作動することを確認する。ブロック730では、登録された患者を、特定のセンサーと結び付ける。また、ユーザーに適切なシステム情報を入力させることで、センサーおよび/または患者は、特定の体外血液処理システムと結び付けられ得る。登録プロセスを完了すると、手順はブロック705に戻り、次のセンサーを使用して手順700が開始される(例えば、次の活動センサーはすでに使用中である)。
【0066】
ブロック710で学習モードが作動しない場合、手順700はブロック735に進み、特定のセンサーの共振周波数に対応するインテロゲーションパルスが伝達される。ブロック740で、手順700は、インテロゲーションパルスに対するセンサーの応答を測定する。ブロック745では、検出された応答はCMUに伝達され得る。ブロック750で血液漏れが検出される場合、手順700はブロック755に進む。ブロック755で、手順700は、警報もしくはアラームを発するか、および/または血液ポンプの停止および血液透析システムの動脈および静脈弁の閉鎖などの他の安全手順を開始する。ブロック750で血液漏れが検出されない場合、手順700はブロック760に進み、血液漏れの存在のモニタリングを続けるかどうか、そうでなければ手順700をブロック765で終了するかどうかが決定される。ブロック760でモニタリングが続けられる場合、手順700は、使用されているかまたは今後使用される次のセンサーについて該手順が繰り返されるブロック705へと進む。
【0067】
多数の患者をモニタリングする場合であっても、それぞれの患者に対する連続モニタリングの時間が比較的短くなるように、手順700は、比較的早く連続的にループし得る。結果的に、漏れが起こると、漏れは約数秒以下で検出され得る。しかしながら、新規のセンサーが患者に登録されるブロック715〜730に関連する流れは、完了までに数分または2、3分要することがあると注意されたい。登録プロセスの間に遅延が生じる可能性(例えば、オペレータが遅れるかまたは応答しない)のために、登録手順が遅れる間、手順は待機を続け、治療中の患者において漏れが起こる危険な状態が生じる。結果的に、登録プロセスを受けている患者に関して、手順700は、治療を受けている患者を高優先モードに置く。
【0068】
従って、並行プロセススキームは、登録プロセスと結び付けられたそれぞれのブロックの間にすでに使用中のセンサーが継続的にモニタリングされるように実行される。このスキームは、ブロック715〜730から延びる点線で表される。例えば、ブロック715は、ユーザーに特定のセンサー型を選択させるメッセージを表示して始まる。しかしながら、ユーザーが適切な情報を入力するまで手順を停止させておくよりも、すでに使用されているセンサーについて、手順は並行して、伝達-測定-通信-検出サイクル(すなわちブロック735〜750)を実行する。同じ多数のセンサーの並行モニタリングは、残る登録ブロック720〜730のいずれかの間に起こり得る。
【0069】
前述のブロックが単なる例示であることおよび本発明がブロックの数または前述のブロックの順序に限定されないことは、当業者には容易に理解されよう。
【0070】
図8は、本発明の例示的態様が実行され得るコンピューターシステム810を示す。コンピューターシステム810および結び付けられたインプット/アウトプットデバイス845、850、855を含む構成要素は、CMU中もしくはCMU外部で一体化され得るか、体外血液処理システム中もしくは体外血液処理システム外部で一体化され得るか、またはそれらの組合せであり得る。コンピューターシステム810と体外血液処理システムおよび/またはCMUの間の情報は、直接通信され得るか、または有線もしくは無線であり得るネットワーク通信リンクを介して連絡され得る。
【0071】
コンピューターシステム810は、情報通信のためのバス820または他の通信機構、および情報処理のためにバス820で連絡したプロセッサ815を含む。また、コンピューターシステム810は、情報およびプロセッサ815により実行される指示を保存するためにバス820につながれたランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスなどのメインメモリ825を含む。また、メインメモリ825は、ルックアップテーブル、患者データ、時間変数またはプロセッサ815により実行される指示の実行の際の他の中間情報を保存するために使用され得る。コンピューターシステム810はさらに、読み出し専用メモリ(ROM)830、またはバス820に連結された静的情報およびプロセッサ815の指示を保存するための他の静的保存デバイスを含み得る。磁気ディスクまたは光学ディスクなどの保存デバイス835は、情報および指示の保存のために提供され、バス820に連結される。
【0072】
コンピューターシステム810は、情報をユーザーに表示するために、バス820を介して液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ845に連絡され得る。ディスプレイ845は、ディスプレイ845のセクションに触ることで、バス820を介してユーザーがプロセッサ815に情報を伝達し得るタッチスクリーンインターフェースも提供し得る。情報およびコマンド選択をプロセッサ815に伝達するための英数字および他のキーを含むインプットデバイス850も、バス820に連絡され得る。別の種類のユーザーインプットデバイスは、指示情報およびコマンド選択をプロセッサ815に伝達するためならびにディスプレイ845上のカーソルの動きを制御するためのマウス、スタイラスまたはカーソル指示キーなどのカーソルコントロール855である。
【0073】
ある態様は、制御メッセージの伝達を介して液漏れ検出を局所または遠隔的に制御するためのコンピューターシステム810の使用に関する。一例示態様によると、インテロゲーションパルスの伝達、対応するセンサー共振周波数応答の受信および測定、ならびに警報の発信に関する制御メッセージは、メインメモリ825に含まれる1つ以上の指示の1つ以上の流れを実行するプロセッサ815に応答して、コンピューターシステム810により提供される。かかる指示は、保存デバイス835などの別のコンピューター読み取り可能媒体からメインメモリ825に読み込まれ得る。メインメモリ825に含まれる一連の指示の実行により、プロセッサ815は本明細書に記載される手順を実行する。マルチプロセス配列における1つ以上のプロセッサも使用されて、メインメモリ825に含まれる一連の指示が実行され得る。代替的な態様において、配線で接続された回路を、ソフトウェア指示の代わりにまたはソフトウェア指示と組み合わせて使用し得る。従って、ある態様は、ハードウェア回路およびソフトウェアの任意の特定の組合せに限定されない。
【0074】
さらに、血液透析または体外血処理システム制御パラメータ、ならびに共振周波数応答を伝達、受信および解析するための指示は、コンピューター読み取り可能媒体に存在し得る。本明細書で使用される場合、用語「コンピューター読み取り可能媒体」は、実行のためのプロセッサ815への指示の提供に関係する任意の媒体のことをいう。かかる媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝達媒体などの多くの形態を採り得る。例えば、不揮発性媒体としては、保存デバイス835などの光学または磁気ディスクが挙げられる。揮発性媒体としては、メインメモリ825などの動的メモリが挙げられる。伝達媒体としては、バス820を含む導線などの光ファイバー、銅線および同軸ケーブルが挙げられる。伝達媒体は、RF波および赤外線データ通信の際に発生するものなどの電磁気、聴覚または光波の形態も採り得る。
【0075】
コンピューター読み取り可能媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD-ROM、または任意の他の光学媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH、または任意の他の記憶チップもしくはカートリッジ、下記の搬送波、あるいはコンピューターで読み取れる任意の他の媒体が挙げられる。
【0076】
プロセッサ815の実行のための1つ以上の命令の1つ以上の流れの伝達には、種々の形態のコンピューター読み取り可能媒体が関わり得る。例えば、指示は、最初に遠隔コンピューターの磁気ディスクに伝達され得る。遠隔コンピューターは、液漏れ検出システムおよび/または血液透析もしくは体外血処理システムの操作に遠隔的に関与する指示を動的メモリにロードし、ルーター、スイッチ、ハブ、モデム等のネットワークデバイスを通して指示を送信し得る。コンピューターシステム810に限局したネットワークデバイスは、通信リンク上のデータを受信し、無線伝達器を使用してデータを無線シグナルに変換することができる。バス820につながれた無線受信器は、無線シグナルで運ばれたデータを受信し、該データをバス820に配置し得る。バス820は、プロセッサ815が指示を検索し実行するメインメモリ825へとデータを運ぶ。メインメモリ825により受信された指示は、任意に、プロセッサ815による実行の前または後のいずれかに保存デバイス835に保存され得る。
【0077】
コンピューターシステム810は、バス820につながれた通信インターフェース840も含む。通信インターフェース840は、ローカルネットワーク807と接続されているネットワークリンク845につながれた二方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース840は、任意のパケット切替えローカルエリアネットワーク(LAN)に接続するためのネットワークインターフェースカードであり得る。別の例として、通信インターフェース840は、対応する型の通信リンクまたは電話回線へのデータ通信接続を提供するための、光ファイバー回線カード、非対称型デジタル加入者回線(ADSL)カード、総合デジタル通信網(ISDN)カードまたはモデムであり得る。無線リンクも実行され得る。任意のかかる実行において、通信インターフェース840は、種々の情報を提示するデジタルデータストリームを有する電気的、電磁気または光学的シグナルを送信および受信する。
【0078】
ネットワークリンク845は、典型的に、1つ以上のネットワークを通じて他のデータデバイスにデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク845は、ローカルエリアネットワーク807を介してホストコンピューター865、CMU、または臨床オペレータにより操作されるデータ装置に、IPネットワーク805および/または他のユーザーネットワーク806(1つまたは複数)を通じてデータ通信サービスを提供する接続を提供し得る。LAN 807およびIPネットワーク805は両方、デジタルデータストリームを有する電気的、電磁気的または光学的シグナルを使用する。コンピューターシステム810へのまたはコンピューターシステム810からのデジタルデータを有する種々のネットワークを介したシグナルおよびネットワークリンク845上の通信インターフェース840を介したシグナルは、情報を伝達する搬送波の典型的な形態である。コンピューターシステム810は、ネットワーク(1つまたは複数)、ネットワークリンク845および通信インターフェース840を介して、制御メッセージを送信でき、プログラムコードを含むデータを受信できる。
【0079】
コンピューターシステム810は、血液透析または体外血液処理システムの一部として一体化され得るか、または別の独立ユニットであり得ることに注意されたい。また、コンピューターシステム810の構成要素は、同じアセンブリ中に配置されることを必要とせず、種々の構成要素は、限局的または遠隔的に種々のネットワークノードに接続され得る。
【0080】
本発明は、その例示的態様を参照して詳細に示され記載されているが、形態および詳細において、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更が本明細書中になされ得ることを当業者は理解しよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の血液アクセス部位の近位への取り付けに適したセンサー、該センサーは、共振周波数を有する受動電気反応共振回路を含み、該受動電気反応共振回路は、液体の存在を感知するように構成される;
インテロゲーションユニット、受信器および決定ユニットを含む漏れ検出ベースユニット、該インテロゲーションユニットは共振回路の共振周波数に相当する無線周波数波を伝達するように構成される;
該受信器は、インテロゲーションユニットにより伝達された無線周波数波に対する共振回路応答を測定するように構成される;および
該決定ユニットは、測定された応答に基づいて液体の存在を決定するように構成される
を含む流体システム中の液体漏れを検出するためのシステム。
【請求項2】
該共振回路応答は、共振回路が液体の非存在を感知した場合に、共振周波数に相当し、共振回路が液体の存在を感知した場合に、共振周波数よりも実質的に低いかまたは高い周波数に相当する、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
共振回路が、容量性素子に電気的に接続された誘導性素子を含み、共振周波数が、誘導値および容量値の関数である、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
誘導性素子および容量性素子が導電性材料を用いて形成される、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
導電性材料が、以下:インク、金属、ポリマー、ケイ素または炭素の少なくとも1つである、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
誘導性素子および容量性素子が基板の表面上に形成される、請求項4記載のシステム。
【請求項7】
誘導性素子および容量性素子が、外向きに渦巻の導体に接続された内向きに渦巻の導体を含み、基板上に配置された実質的に二重のらせん形を形成する、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
基板が非導電性材料を含む、請求項6記載のシステム。
【請求項9】
非導電性材料が、以下:手術用テープ、プラスチック、紙、ガラスまたはエポキシ樹脂の少なくとも1つである、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
異なる共振周波数で共振するように構成された少なくとも2つのセンサーをさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
それぞれのセンサーが、特定の患者と結び付けられる、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
インテロゲーションユニットが、周期ベースで無線周波数波を伝達するように構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項13】
センサーが、血液アクセス部位の周りの吸収材料に取り付けられる、請求項1記載のシステム。
【請求項14】
決定ユニットが、液体の存在の決定に応答して警報を鳴らす、請求項1記載のシステム。
【請求項15】
警報が、以下:警告メッセージの表示、可聴アラーム、可視アラームまたは物理的警報の少なくとも1つである、請求項14記載のシステム。
【請求項16】
少なくとも2つのかかるシステムが、中央管理ユニット(CMU)と連絡しており、該CMUが、少なくとも2つのシステムをモニタリングするように構成され、液体の存在の決定に応答して、対応するセンサーを特定するように警報を生じる、請求項1記載のシステム。
【請求項17】
漏れ検出ベースユニットが、体外血液処理システム操作ユニットと一体化され、体外血液処理が、以下:酸素添加、解毒、輸血またはろ過の少なくとも1つである、請求項1記載のシステム。
【請求項18】
体外血液処理システムが血液透析システムを含む、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
液体の存在の決定の際に、決定ユニットが、血液透析システムに、該血液透析システムの1つ以上のポンプを停止するかまたは該血液透析システムの1つ以上の血液ライン弁を閉じるように指示する、請求項18記載のシステム。
【請求項20】
患者の血液アクセス部位の近位に取り付けられ、液体の存在を感知する共振週波数を有する受動電気反応共振回路を登録する工程;
漏れ検出ベースユニットから、共振回路の共振周波数に相当する無線周波数波を伝達する工程;
漏れ検出ベースユニットにおいて、共振回路により生じ、伝達された無線周波数波に応答性の応答を測定する工程;および
測定された応答に基づいて液体の存在を決定する工程
を含む、流体システムにおける漏れの検出方法。
【請求項21】
共振回路応答は、共振回路が液体の非存在を感知した場合に、共振周波数に相当し、共振回路が液体の存在を感知した場合に、共振周波数よりも実質的に低いかまたは高い周波数に相当する、請求項20記載の方法。
【請求項22】
共振回路が、誘導性素子および容量性素子を含み、共振周波数が、誘導値および容量値の関数である、請求項20記載の方法。
【請求項23】
共振回路を登録する工程が、異なる周波数で共振する少なくとも2つの共振回路を登録する工程を含む、請求項20記載の方法。
【請求項24】
それぞれの共振回路を、特定の患者と結び付ける工程をさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
測定された応答を、中央管理ユニット(CMU)に連絡する工程をさらに含む、請求項24記載の方法であって、該CMUは、少なくとも2つの共振回路をモニタリングし、液体の存在の決定に応答して、液体が検出された対応する共振回路を特定する警報を発する、方法。
【請求項26】
無線周波数波を定期的に伝達する工程をさらに含む、請求項20記載の方法。
【請求項27】
共振回路を、血液アクセス部位の周りの吸収材料に取り付ける工程をさらに含む、請求項20記載の方法。
【請求項28】
液体の存在の決定に応答して警報を発する工程をさらに含む、請求項20記載の方法。
【請求項29】
警報を発する工程が、以下:警告メッセージの表示、可聴アラーム、可視アラームまたは物理的警報の少なくとも1つを含む1つ以上のアラームを生じる工程を含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
流体システムが、体外血液処理システムであり、体外血液処理が、以下:酸素添加、解毒、輸血またはろ過の少なくとも1つである、請求項20記載の方法。
【請求項31】
体外血液処理システムが、血液透析システムを含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
液体の存在の決定の際に、血液透析システムに、該血液透析システムの1つ以上のポンプを停止するかまたは該血液透析システムの1つ以上の血液ライン弁を閉じるように指示する、請求項31記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−505711(P2012−505711A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532160(P2011−532160)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/060196
【国際公開番号】WO2010/045119
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(507209609)フレゼニウス メディカル ケア ホールディングス インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】