口座管理装置、および取引処理システム
【課題】この発明の目的は、振込人である利用者の誤入力等により誤って処理された振込取引の取消にかかる被振込人の手間を低減し、利用者に対するサービスの向上を図った口座管理装置を提供する。
【解決手段】利用者は、ATM2で誤った振込取引にかかる取消要求が行える。この取消要求は、口座管理装置1に送信され、口座管理装置1が記憶する。口座管理装置1は、ATM2から取引の認証がきたときに、取消要求が行われている該当する振込取引の情報を認証結果とともにATM2に送信することで、その旨を利用者に通知する。また、ATM2は、このとき、所定の入力操作が行われると、今回通知された振込取引の取消を口座管理装置1に指示する。口座管理装置1は、この指示があると、該当する振込取引を取り消すために、振込人と、被振込人と、の情報を入れ替えた振込取引を処理する。
【解決手段】利用者は、ATM2で誤った振込取引にかかる取消要求が行える。この取消要求は、口座管理装置1に送信され、口座管理装置1が記憶する。口座管理装置1は、ATM2から取引の認証がきたときに、取消要求が行われている該当する振込取引の情報を認証結果とともにATM2に送信することで、その旨を利用者に通知する。また、ATM2は、このとき、所定の入力操作が行われると、今回通知された振込取引の取消を口座管理装置1に指示する。口座管理装置1は、この指示があると、該当する振込取引を取り消すために、振込人と、被振込人と、の情報を入れ替えた振込取引を処理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、郵便局や銀行等の金融機関に開設されている口座を管理する口座管理装置、およびこの口座管理装置を適用した取引処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、郵便局や銀行等の金融機関では、店舗に設置した現金自動預け払い機(以下、ATMと言う。)や、利用者が所有するパーソナルコンピュータ(以下、PCと言う。)等の取引端末で、開設されている口座に対する取引が行えるサービスを提供している。取引端末で行える取引には、利用者によって指定された金額(以下、振込金額と言う。)を指定された口座(以下、振込先口座と言う。)に振り込む振込取引がある。また、この振込取引には、振込金額を利用者の口座(以下、振込元口座と言う。)から引落し、振込先口座に振り込む口座間振込取引と、利用者が振込金額を現金で入金する現金振込取引と、がある。これら2つの振込取引では、利用者が、取引端末で、振込先口座や、振込金額等を含む振込取引情報を入力する。一般的な取引端末では、利用者による振込取引情報の入力が完了すると、今回入力された振込取引情報の内容を表示し、利用者による確認入力を受け付ける。取引端末は、利用者による確認入力があると、今回入力された振込取引情報をセンタに設置されている口座管理装置に送信する。この口座管理装置が、開設されている口座を管理する。口座管理装置は、取引端末から送信されてきた振込取引情報に基づいて振込取引を処理する。このように、振込取引を処理する前に、利用者に対して入力された振込取引情報を確認させることで、振込人である利用者の誤入力等による誤った振込取引の発生を抑えている。しかし、振込人の誤入力等による誤った振込取引が行われるのを完全に防止することはできない。
【0003】
また、振込人の誤入力等による誤った振込取引が行われるのを防止するために、口座管理装置が、取引端末から送信されてきた口座間振込取引情報を、振込先口座を開設した利用者(以下、被振込人と言う。)によって認証されるまで、当該振込取引を処理せずに保留することも提案されている(特許文献1参照)。この文献では、被振込人が拒否した振込取引については、処理せずに取り消すことが提案されている。
【特許文献1】2005−284869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、振込人は、誤った振込取引を行ったことに気づいても、その振込取引がすでに処理されていると、誤った振込取引自体を取り消すことができない。このため、振込人は、誤った振込取引の被振込人に連絡し、この誤った振込取引で振り込んだ振込金額を自分の口座に振り込んでもらう等、被振込人から振込金額を返金してもらうしかなかった。このため、振込人が、誤った振込取引を行った場合、この振込人だけでなく、被振込人にも多大な手間をかけさせてしまうという問題があった。
【0005】
また、特許文献1の構成では、被振込人が拒否することによって、振込取引が取り消されるのであるが、被振込人が誤った振込取引であることに気づかずに認証すると、その振込取引が処理されてしまう。したがって、この特許文献1の構成でも、振込人の誤入力等による誤った振込取引が処理された場合に、被振込人に多大な手間をかけさせてしまうという問題があった。
【0006】
この発明の目的は、振込人である利用者の誤入力等により誤って処理された振込取引の取消にかかる被振込人の手間を低減し、利用者に対するサービスの向上を図った口座管理装置、およびこの口座管理装置を適用した取引処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の口座管理装置は、上記課題を解決し、その目的を達成するために、以下のように構成している。
【0008】
振込取引処理手段が、振込金額、および振込先口座が指定された振込取引が要求されたときに、当該要求に基づいて振込取引を処理する。また、振込取引履歴記憶手段が、前記振込取引処理手段が処理した振込取引の履歴を記憶する。処理された振込取引にかかる業務管理等は、この振込取引履歴記憶手段に記憶されている履歴に基づいて行われる。
【0009】
また、取消要求受付手段が、前記振込取引履歴記憶手段が履歴として記憶している振込取引の取消要求を受け付ける。取消要求受付取引記憶手段が、前記取消要求受付手段が取消要求を受け付けた振込取引を記憶する。取消確認要求手段が、前記取消要求受付取引記憶手段が記憶している、取消要求を受け付けた振込取引の振込先口座に対する取引が要求された場合に、当該口座に対して取消が要求されている振込取引の内容を出力し、当該振込取引を取り消すかどうかの確認を要求する。そして、振込取引取消手段が、前記取消確認要求手段により取り消すことが確認された振込取引について、その振込先口座を振込元口座とし、返金先口座を振込先口座とした振込取引を処理する。
【0010】
このため、誤った振込取引を行ったことに気づいた振込人から、この誤った振込取引についての取消要求を取消要求受付手段で受け付けることができる。また、取消要求を受け付けた振込取引については、この振込取引の振込先口座に対する取引の要求があった場合、すなわち当該振込取引の被振込人からの取引の要求があった場合、取消確認要求手段が当該振込取引の取消についての確認を要求するので、被振込人に対して誤った振込取引が処理されていること、およびその振込取引の振込人から当該振込取引の取消が要求されていることを通知することができる。そして、被振込人に通知した振込取引(振込人が誤った振込取引)の取消が、当該被振込人によって確認されると、振込取引取消手段により、振込人が誤った振込取引の振込金額が被振込人の口座から、振込人の口座(返金先口座)に振り込まれる。
【0011】
したがって、被振込人は、自分の口座に対する取引時に、通知された、振込人による誤った振込取引についての取消要求に対して、取消を確認する操作を行うだけで、当該振込取引の取消が行える。このため、振込人による誤った振込取引の取消にかかる被振込人の手間を低減することができ、利用者に対するサービスの向上が図れる。
【0012】
また、前記取消要求受付手段が、取消要求を受け付ける振込取引が口座間での振込取引であれば、振込元口座を返金先口座にすればよい。これにより、誤った振込取引を行ったことに気づいた振込人が取消にかかる要求を行うときの手間も削減できるとともに、振込人以外の他人による不正な取消要求を受け付け、当該振込取引の振込金額が詐取されるのを防止でき、セキュリティも確保できる。
【0013】
なお、前記振込取引取消手段が行う振込取引にかかる手数料については、誤った振込取引を行った振込人に負担させればよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、振込人による誤った振込取引の取消にかかる被振込人の手間を低減することができ、利用者に対するサービスの向上が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、この取引処理システムの構成を示す図である。この取引処理システムは、口座管理装置1と、複数の現金自動預け払い機2(以下、ATM2と言う。)と、を備えている。口座管理装置1は、金融機関のセンタに設置されている。この口座管理装置1は、金融機関に開設されている口座を管理する装置である。ATM2は、金融機関の店舗に設置されている。口座管理装置1と、ATM2とは、公衆回線や専用回線を介してデータ通信可能に接続されている。利用者は、ATM2で入金取引、出金取引、残高照会取引、振替取引、振込取引等が行える。周知のように、利用者が、ATM2を操作して、実行する取引に必要な情報を入力する。ATM2は、入力された情報を口座管理装置1に送信し、その取引の可否についての認証を要求する。口座管理装置1は、ATM2から要求された取引の可否を認証し、認証結果をATM2に通知する。ATM2は、口座管理装置1から取引を許可する旨の認証結果を得ると、当該取引を処理する。反対に、口座管理装置1から取引を許可しない旨の認証結果を得ると、当該取引を中止する。また、口座管理装置1は、ATM2で処理された取引に基づいて口座を管理する。
【0017】
図2は、この口座管理装置の主要部の構成を示すブロック図である。口座管理装置1は、制御部11と、通信部12と、入出力インタフェース13(以下、入出力I/F13と言う。)と、口座管理データベース14(以下、口座管理DB14と言う。)と、振込取引履歴データベース(以下、振込取引履歴DB15と言う。)と、取消要求受付取引データベース(以下、取消要求受付取引DB16と言う。)と、取消済振込取引データベース17(以下、取消済振込取引DB17と言う。)と、を備えている。制御部11は、本体各部を制御し、開設されている口座を管理する。入出力I/F13には、オペレータが操作するオペレータ端末(不図示)等が接続される。入出力I/F13は、接続されているオペレータ端末等との入出力を制御する。口座管理DB14は、開設されている口座毎に、金融機関番号、支店番号、口座番号、口座名義(利用者の氏名)、暗証番号、口座残高等を対応づけた口座管理情報を記憶している(図3参照)。図3では、1つの口座について記憶している口座管理情報を示している。
【0018】
振込取引履歴DB15は、処理された振込取引の内容を示す振込取引情報を履歴として記憶する。この振込取引情報には、処理通番、振込人金融機関番号、振込人支店番号、振込人口座番号、振込人氏名、振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座番号、被振込人氏名、振込金額、振込日時、取消要求の有無、取消要求日時等が含まれている(図4参照)。図4(A)、(B)は、口座間振込取引にかかる振込取引情報を示しており、図4(C)は、現金振込取引にかかる振込取引情報を示している。処理通番は、口座管理装置1が振込取引の処理時にシリアルに採番する番号であり、振込取引を特定することができる。振込人金融機関番号、振込人支店番号、および振込人口座番号は、この振込取引における振込元金融機関番号、振込元支店番号、および振込元口座番号であり、振込人の口座にかかる情報である。振込人氏名は、振込元口座の名義人の名前であり、通常、この振込取引を行った利用者の氏名である。振込人金融機関番号、振込人支店番号、および振込人口座番号は、口座間振込取引である場合には、図4(A)、(B)に示すように登録されるが、現金振込取引である場合には、図4(C)に示すように登録されない。振込人氏名は、口座間振込取引であっても、現金振込取引であっても登録される。現金振込取引の場合、利用者が入力する。
【0019】
振込先金融機関番号、振込先支店番号、および振込先口座番号は、振込金額が振り込まれた口座、すなわち被振込人の口座、に関する情報である。被振込人氏名は、振込先口座の名義人の名前である。また、振込金額は、この振込取引で振込人から被振込人に振り込まれた金額であり、振込日時は、この振込取引が処理された日時である。さらに、取消要求の有無は、振込人により当該振込取引の取消が要求されたかどうかを示す情報(有、または無)であり、取消要求日時は、振込人により当該振込取引の取消が要求された日時を示す情報である。図4(A)、(C)は、振込人により当該振込取引の取消が要求されていない振込取引情報を示しており、図4(B)は、振込人により当該振込取引の取消が要求されている振込取引情報を示している。
【0020】
また、取消要求受付取引DB16は、振込人からの取消要求を受け付けた振込取引について、取消要求受付取引情報を記憶する。取消要求受付取引情報は、振込人により取消が要求された振込取引の処理通番、返金先金融機関番号、返金先支店番号、返金先口座番号、依頼人氏名、返金元金融機関番号、返金元支店番号、返金元口座番号、返金人氏名、振込金額、取消要求日時、取消要求の通知状態(未通知、または、通知済)、および通知日時等が含まれている(図5参照)。返金先金融機関番号、返金先支店番号、返金先口座番号、および依頼人氏名は、それぞれ、取消要求が行われた振込取引の振込人金融機関番号、振込人支店番号、振込人口座番号、および振込人氏名である。すなわち、取消要求が行われた振込取引の振込人にかかる情報である。また、返金元金融機関番号、返金元支店番号、返金元口座番号、および返金人氏名は、それぞれ、取消要求が行われた振込取引の振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座番号、および被振込人氏名である。すなわち、取消要求が行われた振込取引の被振込人にかかる情報である。
【0021】
なお、現金振込取引の振込取引情報には、上述したように、振込人にかかる金融機関番号、支店番号、および口座番号が含まれていないが、振込人の氏名が含まれているので、この振込人の氏名と、上述した口座管理DB14に記憶する口座管理情報と、を用いて、不適正な返金先金融機関番号、返金先支店番号、および返金先口座番号が登録されるのを防止している。この機能の詳細については、後述する。
【0022】
また、振込金額は、取消要求が行われた振込取引の振込金額である。取消要求受付日時は、取消の要求を受け付けた日時を示す情報である。取消要求の状態は、この振込取引について、振込人から取消が要求されていることを被振込人(図5に示す返金人)に通知したかどうかを示す情報である。また、取消要求通知日時は、振込人から取消が要求されていることを被振込人に通知した日時を示す情報である(図5(B)参照)。取消要求通知日時は、振込人から取消が要求されていることを被振込人に通知していないときは空である(図5(A)参照)。
【0023】
また、取消済振込取引DB17は、取消要求を受け付けた振込取引について、被振込人の確認を得て、別の振込取引を処理することで実質的に取り消した振込取引にかかる取消済振込取引情報を記憶する。この取消済振込取引情報には、取消要求があった振込取引の処理通番、返金先金融機関番号、返金先支店番号、返金先口座番号、返金受人氏名、返金元金融機関番号、返金元支店番号、返金元口座番号、返金人氏名、返金金額、返金日時等が含まれている(図6参照)。返金金額は、取消要求を受け付けた振込取引の振込金額から、この振込取引の処理にかかる手数料を減額した金額である。返金日時は、取消要求があった振込取引を実質的に取り消すために行った別の振込取引を処理した日時である。
【0024】
この取引処理システムは、取消が要求された振込取引の被振込人を振込人とした新たな振込取引を処理することで、取消が要求された振込取引を実質的に取り消す。取消が要求された振込取引を取り消す処理の詳細については、後述する。また、口座管理装置1は、上述したデータベース以外にも、口座を管理するのに必要な情報を記憶するデータベースを備えている。
【0025】
口座管理装置1は、入金取引、出金取引、残高照会取引、振替取引、振込取引等の従来行われていた取引処理に加えて、
(1)振込取引の取消要求を受け付ける機能、
(2)取消要求を受け付けた振込取引を、この振込取引の被振込人に通知する機能、
(3)取消要求を受け付けた振込取引を実質的に取り消すために、別の振込取引を処理する機能、
(4)取消要求を受け付けた振込取引を実質的に取り消すために、別の振込取引を処理したことを、この取消要求を行った依頼人に通知する機能、
(5)受け付けた取消要求の状態を、この取消要求を行った依頼人に通知する機能、等を有している。これらの機能の詳細については、後述する。
【0026】
図7は、ATMの主要部の構成を示す図である。ATM2は、制御部21と、通信部22と、表示部23と、操作部24と、カード処理部25と、通帳処理部26と、明細票発行部27と、紙幣処理部28と、硬貨処理部29とを備えている。制御部21は、本体各部の動作を制御する。通信部22は、公衆回線や専用回線等を介して、口座管理装置1との通信を制御する。表示部23は、液晶やCRT等の表示デバイスを有し、利用者に対して操作案内画面等を表示デバイスに表示する制御を行う。操作部24は、操作キーや、表示デバイスの画面上に配置したタッチパネル等の入力デバイスを有し、利用者による入力操作を受け付ける。カード処理部25は、利用者のキャッシュカードを受け付け、そのキャッシュカードに対して記録されているカード情報の読み取りや、カード情報の書き込みを行う。キャッシュカードは、例えば磁気カードやICカードである。キャッシュカードには、対応する口座についての、金融機関番号、支店番号、口座番号等がカード情報として記録されている。通帳処理部26は、利用者が所有する通帳を受け付け、当該通帳に対して取引内容を印字する。明細票発行部27は、利用者に対して取引内容を印字した明細票を発行する。紙幣処理部28は、入出金紙幣を処理する。紙幣処理部28は、入出金紙幣の真偽や金種を鑑別する紙幣鑑別部を有している。硬貨処理部29は、入出金硬貨を処理する。硬貨処理部29は、入出金硬貨の真偽や金種を鑑別する硬貨鑑別部を有している。
【0027】
以下、この取引処理システムにおける口座管理装置1、およびATM2の動作について説明する。この取引処理システムは、振込人である利用者の誤入力等による誤った振込取引が処理された場合であっても、被振込人にかかる手間を低減し、利用者に対するサービスの向上を図るものであり、そのために、上述した(1)〜(5)の機能を有している。
【0028】
なお、利用者は、ATM2で公知の入金取引、出金取引、残高照会取引、振替取引、振込取引等も行える。
【0029】
まず、振込取引について簡単に説明しておく。図8は、振込取引におけるATMの動作を示すフローチャートであり、図9は振込取引における口座管理装置の動作を示すフローチャートである。ATM2は、利用者が操作部24で振込取引を選択する入力操作を行うと、図8に示す処理を実行する。ATM2は、今回処理する振込取引が口座間振込取引であるか、現金振込取引であるかの選択入力を受け付ける(s1)。ATM2は、口座間振込取引が選択されると、カード処理部25でキャッシュカードを受け付けるとともに(s2)、操作部24において利用者による暗証番号の入力を受け付ける(s3)。また、ATM2は、操作部24において、振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座、被振込人氏名、振込金額等の入力を受け付ける(s4)。ATM2は、s2〜s4の処理で得た情報に基づいて、振込取引の認証要求を作成し(s5)、これを口座管理装置1に送信する(s6)。s5で作成される振込取引の認証要求には、振込人の暗証番号、振込元金融機関番号、振込元支店番号、振込元口座番号、振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座番号、被振込人氏名、振込金額等が含まれている。振込人の暗証番号は、s3で利用者が入力した暗証番号である。振込元金融機関番号、振込元支店番号、および振込元口座番号は、s2で受け付けたキャッシュカードに記録されているカード情報から得られた、当該キャッシュカードが対応する口座に関する情報である。被振込人氏名、振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座番号、および振込金額は、s4で利用者がATM2で入力した情報である。
【0030】
口座管理装置1は、いずれかのATM2から取引の認証要求があると、その認証要求によって認証が要求されている取引の種別を判断し、ここで判断した種別の取引について認証処理を行う。口座管理装置1は、ATM2から送信されてきた認証要求が、振込取引にかかる認証要求であると判断すると、図9に示す処理を実行する。口座管理装置1は、口座間振込取引にかかる認証要求であるか、現金振込取引の認証要求であるかを判定する(s31)。s31にかかる判定は、認証要求に振込元金融機関番号、振込元支店番号、および振込元口座番号が含まれているかどうかにより行える。後述するように、現金振込取引の認証要求には、振込元金融機関番号、振込元支店番号、および振込元口座番号が含まれていない。
【0031】
口座管理装置1は、s21で口座間振込取引であると判定すると、この認証要求に含まれている暗証番号が適正であるかどうかを判定する(s32)。口座管理装置1は、上述したように、各口座の暗証番号を口座管理DB14で管理している。口座管理装置1は、今回受信した認証要求の振込元口座について管理している暗証番号と、今回受信した認証要求に含まれている暗証番号と、が一致していれば、適正であると判定する。口座管理装置1は、s32で暗証番号が適正であると判定すると、今回の振込取引が可能であるかどうかを判定する(s33)。s33では、振込元口座の残高が振込金額以上であるかどうか等、実質的に今回の振込取引が処理できるかどうかを判定する。口座管理装置1は、s32で暗証番号が適正でないと判定した場合、またはs33で取引が不可であると判定した場合、認証結果として取引不可をATM2に通知する(s34)。s34では、取引を不可とした理由、暗証番号間違いや、残高不足等、もATM2に通知する。口座管理装置1は、s33で取引可と判定すると、認証結果として取引可をATM2に通知する(s35)。このとき、口座管理装置1は、今回の振込取引に対して処理通番を採番しており、この処理通番もATM2に通知する。また、口座管理装置1は、今回の振込取引にかかる振込取引情報を作成し、これを振込取引履歴DB15に記憶する(s36)。s36で作成される振込取引情報は、取消要求の有無が無であり、取消要求日時が空である。また、口座管理装置1は、s36で口座の管理に必要な情報の記録や更新、例えば口座残高の更新、にかかる処理も行う。
【0032】
ATM2は、口座管理装置1から通知された認証結果が取引不可であれば、表示部23においてその旨を表示するとともに(s7,s8)、s2で受け付けたキャッシュカードを放出し(s9)、本処理を終了する。一方、ATM2は、口座管理装置1から通知された認証結果が取引可であれば、振込取引が完了したことを表示部23に表示する(s7、s10)。また、ATM2は、s2で受け付けたキャッシュカードを放出するとともに(s11)、明細票発行部27で今回の振込取引の内容を印字した明細票を発行し(s12)、本処理を終了する。s12で発行される明細票には、今回の振込取引に対して採番された処理通番も印字される。
【0033】
なお、上述した口座間振込取引では、この振込取引にかかる手数料は、振込元口座から引き落とされる。すなわち、振込人が、振込取引にかかる手数料を負担する。
【0034】
次に、現金振込取引について説明する。ATM2は、操作部24において、振込人氏名、振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座、被振込人氏名、振込金額の入力を受け付ける(s13)。s13では、s4で入力される項目に加えて、振込人である利用者の氏名の入力も受け付ける。ATM2は、現金の入金を受け付ける(s14)。s14では、紙幣処理部28で利用者による紙幣の投入を受け付けるとともに、硬貨処理部29で利用者による硬貨の投入を受け付ける。紙幣処理部28は、投入された紙幣の真偽や金種の鑑別を行う。硬貨処理部29は、投入された硬貨の真偽や金種の鑑別を行う。ATM2は、真券であると鑑別された紙幣や硬貨を一時保留部に保留し、反対に真券であることが鑑別できなかった紙幣や硬貨を利用者に返却する。ATM2は、利用者により投入された現金の合計金額が、s13で入力された振込金額と、今回の振込取引にかかる手数料と、の合計金額に達していないときには、利用者に対して現金の追加投入を要求したり、その時点での投入金額を今回の振込取引の振込金額と手数料との合計金額に修正するかを利用者に確認する。ATM2は、利用者により投入された現金が、今回の振込取引の振込金額と、手数料と、の合計金額に達していると、今回の振込取引に対する認証要求を作成する(s15)。s15で作成される振込取引の認証要求には、振込人の氏名、被振込人氏名、振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座番号、振込金額等が含まれているが、振込人の暗証番号、振込元金融機関番号、振込元支店番号、および振込元口座番号については含まれていない。ATM2は、s15で作成した振込取引の認証要求を口座管理装置1に送信し(s16)、この認証要求に対する認証結果を待つ。
【0035】
口座管理装置1は、s31で現金振込取引の認証要求であると判定すると、上述したs33以降の処理を行う。
【0036】
なお、現金振込取引である場合に、s36で作成される振込取引情報は、振込元金融機関番号、振込元支店番号、および振込元口座番号が空である(図4(C)参照)。
【0037】
ATM2は、口座管理装置1から通知された認証結果が取引不可であれば、表示部23においてその旨を表示するとともに(s17,s18)、一時保留部に保留している紙幣や硬貨(今回利用者が投入した紙幣や硬貨)を放出し(s19)、本処理を終了する。一方、ATM2は、口座管理装置1から通知された認証結果が取引可であれば、振込取引が完了したことを表示部23に表示する(s17、s20)。また、ATM2は、明細票発行部27で今回の振込取引の内容を印字した明細票を発行し(s21)、本処理を終了する。また、ATM2は、一時保留部に保留している紙幣や硬貨を本体に設けられている金種別カートリッジに搬送し、収納する。s21で発行される明細票には、今回の振込取引に対して採番された処理通番が印字される。したがって、口座間振込、および現金振込を行った利用者は、s12、またはs21で発行される明細票により、その振込取引の処理通番を確認することができる。
【0038】
次に、誤った振込取引を行ったことに気づいた利用者から、その振込取引の取消にかかる要求を受け付ける取消要求受付処理について説明する。利用者は、誤った振込取引が口座間振込取引、現金振込取引のいずれであっても、取消の要求が行える。図10および図11は、ATMの取消要求受付処理を示すフローチャートである。ATM2は、利用者が操作部24で振込取引の取消要求を選択する入力操作を行うと、図10に示す処理を実行する。ATM2は、カード処理部25でキャッシュカードを受け付けるとともに(s41)、操作部24において暗証番号の入力を受け付ける(s42)。次に、取消を要求したい振込取引が、口座間振込取引であるか、現金振込取引であるかの選択を受け付ける(s43)。ATM2は、s43で口座間振込取引が選択されると、口座間振込取引の確認要求を口座管理装置1に送信する(s44)。s44で口座管理装置1に送信する確認要求には、s41で受け付けたキャッシュカードのカード情報、およびs42で利用者が入力した暗証番号が含まれている。また、ATM2は、s43で現金振込取引が選択されると、誤った振込取引の処理通番の入力を受け付け(s45)、現金振込取引の確認要求を口座管理装置1に送信する(s46)。s46で口座管理装置1に送信する確認要求には、s41で受け付けたキャッシュカードのカード情報、s42で利用者による入力を受け付けた暗証番号、s45で利用者による入力を受け付けた処理通番が含まれている。
【0039】
口座管理装置1は、ATM2から振込取引の確認要求があると、図12に示す確認通知処理を行う。まず、口座管理装置1は、ATM2から送信されてきた振込取引の確認要求に含まれている暗証番号が適正であるかどうかを判定する(s71)。s71にかかる判定は、上述したように口座管理DB14に記憶している口座管理情報に基づいて行われる。口座管理装置1は、s71で暗証番号が適正でないと判定すると、ATM2に対して確認不可を送信し(s72)、本処理を終了する。一方、口座管理装置1は、暗証番号が適正であると判定すると、口座間振込取引の確認要求であるか、現金振込取引の確認要求であるかを判定する(s73)。口座管理装置1は、口座間振込取引の確認要求であると判定すると、振込取引履歴DB15から、今回の確認要求に含まれているキャッシュカードのカード情報から得られる口座が振込元口座である振込取引を抽出する(s74)。口座管理装置1は、すでに取消要求を受け付けている振込取引については、s74で抽出しない。また、s74では、予め定めた期間、例えば最近1カ月や、最近2カ月、に行われた振込取引のみ抽出するように構成するのが好ましい。これにより、無駄な振込取引情報の抽出にともなう処理効率の低下が抑えられる。口座管理装置1は、s74で抽出した振込取引情報をATM2に通知する(s77)。口座管理装置1は、s74で抽出した振込取引情報がない場合には、s77で、その旨を ATM2に通知する。
【0040】
また、口座管理装置1は、s73で現金振込取引であると判定すると、今回の確認要求に含まれている処理通番に対応する振込取引情報を振込取引履歴DB15から読み出す(s75)。口座管理装置1は、今回の確認要求が振込人による適正な確認要求であるかどうかを判定する(s76)。s76では、今回の確認要求に含まれているキャッシュカードのカード情報から得られる口座の名義と、s75で抽出した振込取引情報の振込人の氏名と、が一致していれば、今回の確認要求が振込人による適正な確認要求であると判定し、不一致であれば、今回の確認要求が振込人による適正な確認要求でないと判定する。口座管理装置1は、s76で今回の確認要求が振込人による適正な確認要求でないと判定すると、s72でATM2に対して確認不可を送信する。反対に、s76で今回の確認要求が振込人による適正な確認要求であると判定すると、口座管理装置1は、s75で読み出した振込取引情報をATM2に通知する(s77)。
【0041】
ATM2は、s44で口座管理装置1に対して送信した口座間振込取引の確認要求に対する口座管理装置1からの通知が確認不可であれば、確認不可であることを示す画面を表示部23に表示するとともに(s47、s48)(図14参照)、s41で受け付けたキャッシュカードを放出し(s49)、本処理を終了する。図14では、暗証番号の入力間違いにより、口座間振込取引の確認が不可となった場合を示している。また、ATM2は、口座管理装置1からの通知が確認可であったが、該当する口座間振込取引情報が無い旨の通知を受信した場合には、該当する口座間振込取引が無いことを示す画面を表示部23に表示するとともに(s47、s50、s51)(図15参照)、s41で受け付けたキャッシュカードを放出し(s49)、本処理を終了する。
【0042】
さらに、ATM2は、口座管理装置1から口座間振込取引情報が通知されていれば、通知された口座間振込取引情報を表示部23に表示する(s47、s50、s52)(図16参照)。ATM2は、表示部23で表示しているいずれかの振込取引情報が利用者により選択されるか(s53)、または、終了が操作されるのを待つ(s61)。ATM2は、表示部23で表示しているいずれかの振込取引情報が利用者により選択されると、選択された振込取引についての振込取引取消要求確認画面を表示部23に表示する(s54)(図17参照)。ATM2は、ここで利用者により戻り、または確認が選択されるのを待つ(s55、s56)。ATM2は、戻りが選択されると、s52に戻って上記処理を繰り返す。また、ATM2は、確認が選択されると、表示部23に振込取引情報を表示している振込取引についての取消要求を口座管理装置1に送信する(s57)。この取消要求には、振込取引を識別する処理通番等が含まれている。
【0043】
口座管理装置1は、ATM2から送信されてきた振込取引の取消要求を受信すると、図13に示す取消要求受付処理を実行する。口座管理装置1は、ATM2から取消が要求された振込取引を処理通番により特定し、振込取引履歴DB15に記憶されている該当する振込取引の振込取引情報に対して、取消要求の有無を有に変更するとともに、取消要求日時を追加する(s81)。また、今回取消要求を受け付けた振込取引について、取消要求受付取引情報を作成し、これを取消要求受付取引DB16に記憶する(s82)。s82で作成された取消要求取引受付情報は、取消要求の状態が未通知であり、取消要求日時が空である。口座管理装置1は、振込取引の取消要求受付完了をATM2に通知し(s83)、本処理を終了する。
【0044】
ATM2は、口座管理装置1から取消要求受付完了の通知を受信すると(s58)、その旨を表示部23で表示する(s59)。これにより、振込取引の取消要求の受け付けが完了したことを利用者に通知する。ATM2は、取消要求受付完了を示す画面を表示部23で表示しているときに、操作部24において利用者による確認入力を受け付けると(s60)、s52に戻り、上述した処理を繰り返す。したがって、利用者は、複数の振込取引に対して、一度に取消要求を行うこともできる。また、ATM2は、上述したs53で振込取引情報が選択されることなく、利用者による終了入力を受け付けると(s61)、s41で受け付けたキャッシュカードを放出するとともに(s62)、今回口座管理装置1から通知された振込取引にかかる振込取引情報を印字した明細票を明細票発行部27で発行し(s63)、本処理を終了する。s63では、今回取消要求を受け付けた振込取引と、取消要求を受け付けていない振込取引と、を区別して印字するのが好ましい。
【0045】
このように、利用者は、ATM2で、簡単に、過去に行った口座間振込取引の履歴の確認が行えるとともに、誤った振込取引に対する取消要求が行える。
【0046】
また、ATM2は、s46で口座管理装置1に送信した現金振込取引の確認要求に対して、口座管理装置1から確認不可の通知を受信すると(s64)、上述したs48以降の処理を実行する。また、ATM2は、現金振込取引の確認要求が許可され、口座管理装置1から振込取引情報が通知されると、通知された振込取引情報を表示部23に表示する(s64、s65)。ATM2は、利用者による終了、または確認にかかる入力が行われるのを待つ(s66、s67)。ATM2は、利用者により終了にかかる入力が行われると、s62以降の処理を実行する。また、ATM2は、利用者により確認にかかる入力が行われると、この振込取引についての取消要求を口座管理装置1に送信する(s68)。ATM2がs68で口座管理装置1に送信する取消要求には、今回通知された振込取引の処理通番とともに、s41で受け付けたキャッシュカードに記録されているカード情報が含まれている。
【0047】
口座管理装置1は、ATM2がs68で送信した取消要求を受信すると、上述した図13に示す処理を実行する。また、このとき、口座管理装置1は、ATM2からの取消要求に含まれているカード情報を用いて、口座管理DB14を検索し、ここで得られた口座管理情報に基づいて、取消要求取引受付情報の返金先金融機関番号、返金先支店番号、返金先口座番号、および依頼人氏名を設定する。現金振込取引についても、上述した口座間振込取引と同様に、s82で作成された取消要求取引受付情報は、取消要求の状態が未通知であり、取消要求日時が空である。
【0048】
ATM2は、口座管理装置1から取消要求受付完了の通知を受信すると(s69)、その旨を表示部23で表示する(s70)。これにより、振込取引の取消要求の受け付けが完了したことを利用者に通知する。また、ATM2は、上述したs62、s63にかかる処理を行って、本処理を終了する。したがって、利用者は、ATM2で、簡単に、過去に行った現金振込取引に対する取消要求も行える。また、現金振込取引の処理通番は、この現金振込取引の処理時に発行された明細票に印字されているだけであるので、処理通番を知らない他人によって、不正な取消要求が行われるのを防止できる。また、現金振込取引の振込人氏名と、利用者が使用したキャッシュカードに対応する口座名義人と、が一致しないときには、現金振込取引の内容の出力や、その取消を受け付けない構成としているので、不正な取消要求が行われるのを一層確実に防止できる。
【0049】
次に、取消要求を受け付けている振込取引の被振込人に対して、振込人から取消要求がなされていることを通知する機能について説明する。この通知は、被振込人がATM2で入金取引、出金取引、残高照会取引、振替取引等を行うときに実行される。図18、および図19は、この通知処理にかかるATMの動作を示すフローチャートであり、図20はこの通知処理にかかる口座管理装置の動作を示すフローチャートである。ATM2は、キャッシュカードを受け付けるとともに(s91)、利用者が要求する種別の取引に必要な取引データ(例えば、入金金額や出金金額)を受け付ける(s92)。ATM2は、s91で受け付けたキャッシュカードのデータ、およびs92で入力された取引データを含む取引の認証要求を口座管理装置1に送信する(s93)。
【0050】
口座管理装置1は、ATM2から送信されてきた取引の認証要求に基づいて、この取引を許可するかどうかを判定する(s111)。また、取消要求受付取引DB16に記憶されている取消要求受付取引の中に、今回の取引口座と、返金元金融機関、返金元支店、および返金元口座番号が一致する取消要求受付取引があるかどうかを判定する(s112)。すなわち、当該利用者に対して、取消要求を受け付けている振込取引があるかどうかを判定する。口座管理装置1は、取消要求を受け付けている振込取引があれば、その取消要求受付取引にかかる取消要求受付取引情報を抽出する(s113)。また、口座管理装置1は、取消要求受付取引DB16に記憶されている、s113で抽出した取消要求受付取引情報に対して取消要求の状態を通知済に変更するとともに、取消要求通知日時を追加する(s114)。s114では、その時点の時刻を取消要求通知日時に設定する。そして、口座管理装置1は、s111での認証結果、およびs113で抽出した取消要求受付取引情報をATM2に返信し(s115)、本処理を終了する。
【0051】
なお、口座管理装置1は、s112で一致する取消要求受付取引がないと判定した場合、s111での認証結果のみATM2に返信する。
【0052】
ATM2は、口座管理装置1から取引の認証結果を受信すると(s94)、今回の取引が口座管理装置1において許可されたのか、許可されなかったのかを判定する(s95)。ATM2は、取引が許可されていれば、今回の取引を処理し(s96)、反対に取引が許可されていなければ、今回の取引を中止する(s97)。s96では、出金紙幣の放出等が必要に応じて行われる。
【0053】
また、ATM2は、今回の認証結果に取消要求を受け付けている振込取引の取消要求受付取引情報が含まれているかどうかを判定する(s98)。ATM2は、取消要求受付取引情報が含まれていると、その旨(振込取引の取消要求があること)を表示部23に表示する(s99)(図21参照)。図21では、利用者が残高照会を行ったときに、表示部23に表示される画面例を示している。ATM2は、利用者により確認、または終了が操作されるのを待つ(s100、s101)。ATM2は、利用者により確認が操作されると、今回の認証結果に含まれていた、取消要求受付取引情報の内容を表示部23に表示する(s102)(図22参照)。そして、ATM2は、利用者により承認、または保留が操作されるのを待つ(s103、s104)。ATM2は、利用者により承認が操作されると、取消要求を受け付けている振込取引について、この振込取引を取り消すために、利用者の口座を振込元とする振込取引を行うかどうかの最終確認画面を表示部23に表示する(s105)。ATM2は、ここで、利用者により確認、または取消が操作されるのを待つ(s106、s107)。ATM2は、s106で確認が操作されると、口座管理装置1に対して、取消要求を受け付けている振込取引の取消を指示する(s108)。この指示には、今回確認された、取消要求を受け付けている振込取引の取消要求受付取引情報が含まれている。ATM2は、s108で、口座管理装置1に対して、取消要求を受け付けている振込取引の取消を指示すると、s91で受け付けたキャッシュカードを放出し(s109)、本処理を終了する。
【0054】
また、ATM2は、s98で今回の認証結果に取消要求を受け付けている振込取引の取消要求受付取引情報が含まれていないと判定すると、s109にジャンプし、利用者にキャッシュカードを返却し、本処理を終了する。また、ATM2は、s101で終了が操作された場合、s104で保留が操作された場合、およびs107で取消が操作された場合も、s109にジャンプし、利用者にキャッシュカードを返却し、本処理を終了する。
【0055】
次に、ATM2がs108で出力した、取消要求を受け付けている振込取引の取消指示を受信した口座管理装置1の動作について説明する。図24は、口座管理装置における振込取引の取消処理を示すフローチャートである。口座管理装置1は、ATM2から取り消すことが指示された、取消要求を受け付けている振込取引にかかる取消要求受付取引情報を取消要求受付取引DB16から読み出し(s121)、取消用の振込取引情報を作成する(s122)。s122では、s121で読み出した取消要求受付取引情報の返金先金融機関番号、返金先支店番号、返金先口座番号、および依頼人氏名を、それぞれ被振込人金融機関番号、被振込人支店番号、被振込人口座番号、および被振込人氏名とし、また、返金元金融機関番号、返金元支店番号、返金元口座番号、および返金人氏名を、それぞれ振込人金融機関番号、振込人支店番号、振込人口座番号、および振込人氏名とした振込取引情報を作成する。また、振込金額は、取消要求受付取引情報の振込金額から、今回の振込取引にかかる手数料を減額した金額にする。口座管理装置1は、s122で作成した振込取引情報に基づいて振込取引を処理する(s123)。また、口座管理装置1は、s123で処理した振込取引にかかる、取消済要求受付取引情報を、取消済振込取引情報として取消済振込取引DB17に記憶するとともに、取消要求受付取引DB16から削除する(s124、s125)。
【0056】
このように、誤った振込取引を行った利用者は、ATM2で、上述した振込取引の取消要求にかかる操作を行うだけで、そのことを被振込人に伝え、返金を要求することができる。また、被振込人は、自分がATM2で取引したときに、自分に対して誤った振込取引が行われていることが通知され、その場で、内容を確認して、当該振込取引の取消にかかる指示が行える。したがって、誤った振込取引が行われた被振込人の手間が削減でき、利用者に対する利便性の向上が図れる。また、取消済振込取引DB17に記憶されている取消要求受付取引情報については、取消にかかる振込取引が行われた時点で削除されるので、取消済振込取引DB17の記憶容量も抑えられる。
【0057】
また、図20に示す口座管理装置1の通知処理を図25に示すように置き換えてもよい。具体的には、s114と、s115、との間に、今回の取引口座と、返金先金融機関、返金先支店、および返金先口座番号が一致する取消済振込取引情報が取消済振込取引DB17に記憶されているかどうかを判定し(s116)、一致する取消要求受付取引があれば、その取消済振込取引情報を抽出する(s117)。そして、口座管理装置1は、s111での認証結果、s113で抽出した取消要求受付取引情報、およびs117で抽出した取消済振込取引情報をATM2に返信し(s115)、さらに、s117で抽出した取消済振込取引情報を取消済振込取引DB17から削除する(s118)。
【0058】
このようにすれば、利用者は、誤った振込取引を行ったことに気づき、被振込人に対して上述した取消にかかる要求を行った振込取引が、被振込人によって確認されて、取り消されたかどうかについて、簡単に確認することができる。
【0059】
また、取消要求受付取引DB16に記憶されている取消要求受付取引情報についても、ATM2で、上述した振込取引情報DB15に記憶されている振込取引情報の確認と同様に、キャッシュカードを利用して、その取消要求を行った利用者が確認できるように構成してもよい。このようにすれば、誤った振込依頼を行ったことに気づき、被振込人に対して上述した取消にかかる要求を行った振込取引が、被振込人に通知されているかどうかを、利用者に認識させることができる。
【0060】
さらに、口座管理装置1において、取消要求受付取引DB16に記憶されている取消要求受付取引情報の中に、取消要求日時から一定期間(例えば、1カ月)経過しており、且つ被振込人に対する通知がなされていない取消要求受付取引情報を入出力I/F部13からオペレータ端末に出力するように構成してもよい。このようにすれば、誤った振込取引が行われた被振込人の口座が殆ど利用されていない場合であっても、オペレータに電話等で連絡させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】取引処理システムの構成を示す図である。
【図2】口座管理装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図3】口座管理情報を示す図である。
【図4】振込取引情報を示す図である。
【図5】取消要求受付取引情報を示す図である。
【図6】取消済振込取引情報を示す図である。
【図7】ATMの主要部の構成を示す図である。
【図8】振込取引におけるATMの動作を示すフローチャートである。
【図9】振込取引における口座管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】ATMの取消要求受付処理を示すフローチャートである。
【図11】ATMの取消要求受付処理を示すフローチャートである。
【図12】口座管理装置の確認通知処理を示すフローチャートである。
【図13】口座管理装置の取消要求受付処理を示すフローチャートである。
【図14】ATMの表示部における表示画面例を示す図である。
【図15】ATMの表示部における表示画面例を示す図である。
【図16】ATMの表示部における表示画面例を示す図である。
【図17】ATMの表示部における表示画面例を示す図である。
【図18】ATMの通知処理を示すフローチャートである。
【図19】ATMの通知処理を示すフローチャートである。
【図20】口座管理装置の通知処理を示すフローチャートである。
【図21】ATMの表示部における表示画面例を示す図である。
【図22】ATMの表示部における表示画面例を示す図である。
【図23】口座管理装置の取消処理を示すフローチャートである。
【図24】口座管理装置の別の通知処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1−口座管理装置
2−ATM
11−制御部
12−通信部
13−入出力インタフェース部(入出力I/F)
14−口座管理データベース(口座管理DB)
15−振込取引履歴データベース(振込取引履歴DB)
16−取消要求受付取引データベース(取消要求受付取引DB)
17−取消済振込取引データベース(取消済振込取引DB)
【技術分野】
【0001】
この発明は、郵便局や銀行等の金融機関に開設されている口座を管理する口座管理装置、およびこの口座管理装置を適用した取引処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、郵便局や銀行等の金融機関では、店舗に設置した現金自動預け払い機(以下、ATMと言う。)や、利用者が所有するパーソナルコンピュータ(以下、PCと言う。)等の取引端末で、開設されている口座に対する取引が行えるサービスを提供している。取引端末で行える取引には、利用者によって指定された金額(以下、振込金額と言う。)を指定された口座(以下、振込先口座と言う。)に振り込む振込取引がある。また、この振込取引には、振込金額を利用者の口座(以下、振込元口座と言う。)から引落し、振込先口座に振り込む口座間振込取引と、利用者が振込金額を現金で入金する現金振込取引と、がある。これら2つの振込取引では、利用者が、取引端末で、振込先口座や、振込金額等を含む振込取引情報を入力する。一般的な取引端末では、利用者による振込取引情報の入力が完了すると、今回入力された振込取引情報の内容を表示し、利用者による確認入力を受け付ける。取引端末は、利用者による確認入力があると、今回入力された振込取引情報をセンタに設置されている口座管理装置に送信する。この口座管理装置が、開設されている口座を管理する。口座管理装置は、取引端末から送信されてきた振込取引情報に基づいて振込取引を処理する。このように、振込取引を処理する前に、利用者に対して入力された振込取引情報を確認させることで、振込人である利用者の誤入力等による誤った振込取引の発生を抑えている。しかし、振込人の誤入力等による誤った振込取引が行われるのを完全に防止することはできない。
【0003】
また、振込人の誤入力等による誤った振込取引が行われるのを防止するために、口座管理装置が、取引端末から送信されてきた口座間振込取引情報を、振込先口座を開設した利用者(以下、被振込人と言う。)によって認証されるまで、当該振込取引を処理せずに保留することも提案されている(特許文献1参照)。この文献では、被振込人が拒否した振込取引については、処理せずに取り消すことが提案されている。
【特許文献1】2005−284869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、振込人は、誤った振込取引を行ったことに気づいても、その振込取引がすでに処理されていると、誤った振込取引自体を取り消すことができない。このため、振込人は、誤った振込取引の被振込人に連絡し、この誤った振込取引で振り込んだ振込金額を自分の口座に振り込んでもらう等、被振込人から振込金額を返金してもらうしかなかった。このため、振込人が、誤った振込取引を行った場合、この振込人だけでなく、被振込人にも多大な手間をかけさせてしまうという問題があった。
【0005】
また、特許文献1の構成では、被振込人が拒否することによって、振込取引が取り消されるのであるが、被振込人が誤った振込取引であることに気づかずに認証すると、その振込取引が処理されてしまう。したがって、この特許文献1の構成でも、振込人の誤入力等による誤った振込取引が処理された場合に、被振込人に多大な手間をかけさせてしまうという問題があった。
【0006】
この発明の目的は、振込人である利用者の誤入力等により誤って処理された振込取引の取消にかかる被振込人の手間を低減し、利用者に対するサービスの向上を図った口座管理装置、およびこの口座管理装置を適用した取引処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の口座管理装置は、上記課題を解決し、その目的を達成するために、以下のように構成している。
【0008】
振込取引処理手段が、振込金額、および振込先口座が指定された振込取引が要求されたときに、当該要求に基づいて振込取引を処理する。また、振込取引履歴記憶手段が、前記振込取引処理手段が処理した振込取引の履歴を記憶する。処理された振込取引にかかる業務管理等は、この振込取引履歴記憶手段に記憶されている履歴に基づいて行われる。
【0009】
また、取消要求受付手段が、前記振込取引履歴記憶手段が履歴として記憶している振込取引の取消要求を受け付ける。取消要求受付取引記憶手段が、前記取消要求受付手段が取消要求を受け付けた振込取引を記憶する。取消確認要求手段が、前記取消要求受付取引記憶手段が記憶している、取消要求を受け付けた振込取引の振込先口座に対する取引が要求された場合に、当該口座に対して取消が要求されている振込取引の内容を出力し、当該振込取引を取り消すかどうかの確認を要求する。そして、振込取引取消手段が、前記取消確認要求手段により取り消すことが確認された振込取引について、その振込先口座を振込元口座とし、返金先口座を振込先口座とした振込取引を処理する。
【0010】
このため、誤った振込取引を行ったことに気づいた振込人から、この誤った振込取引についての取消要求を取消要求受付手段で受け付けることができる。また、取消要求を受け付けた振込取引については、この振込取引の振込先口座に対する取引の要求があった場合、すなわち当該振込取引の被振込人からの取引の要求があった場合、取消確認要求手段が当該振込取引の取消についての確認を要求するので、被振込人に対して誤った振込取引が処理されていること、およびその振込取引の振込人から当該振込取引の取消が要求されていることを通知することができる。そして、被振込人に通知した振込取引(振込人が誤った振込取引)の取消が、当該被振込人によって確認されると、振込取引取消手段により、振込人が誤った振込取引の振込金額が被振込人の口座から、振込人の口座(返金先口座)に振り込まれる。
【0011】
したがって、被振込人は、自分の口座に対する取引時に、通知された、振込人による誤った振込取引についての取消要求に対して、取消を確認する操作を行うだけで、当該振込取引の取消が行える。このため、振込人による誤った振込取引の取消にかかる被振込人の手間を低減することができ、利用者に対するサービスの向上が図れる。
【0012】
また、前記取消要求受付手段が、取消要求を受け付ける振込取引が口座間での振込取引であれば、振込元口座を返金先口座にすればよい。これにより、誤った振込取引を行ったことに気づいた振込人が取消にかかる要求を行うときの手間も削減できるとともに、振込人以外の他人による不正な取消要求を受け付け、当該振込取引の振込金額が詐取されるのを防止でき、セキュリティも確保できる。
【0013】
なお、前記振込取引取消手段が行う振込取引にかかる手数料については、誤った振込取引を行った振込人に負担させればよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、振込人による誤った振込取引の取消にかかる被振込人の手間を低減することができ、利用者に対するサービスの向上が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、この取引処理システムの構成を示す図である。この取引処理システムは、口座管理装置1と、複数の現金自動預け払い機2(以下、ATM2と言う。)と、を備えている。口座管理装置1は、金融機関のセンタに設置されている。この口座管理装置1は、金融機関に開設されている口座を管理する装置である。ATM2は、金融機関の店舗に設置されている。口座管理装置1と、ATM2とは、公衆回線や専用回線を介してデータ通信可能に接続されている。利用者は、ATM2で入金取引、出金取引、残高照会取引、振替取引、振込取引等が行える。周知のように、利用者が、ATM2を操作して、実行する取引に必要な情報を入力する。ATM2は、入力された情報を口座管理装置1に送信し、その取引の可否についての認証を要求する。口座管理装置1は、ATM2から要求された取引の可否を認証し、認証結果をATM2に通知する。ATM2は、口座管理装置1から取引を許可する旨の認証結果を得ると、当該取引を処理する。反対に、口座管理装置1から取引を許可しない旨の認証結果を得ると、当該取引を中止する。また、口座管理装置1は、ATM2で処理された取引に基づいて口座を管理する。
【0017】
図2は、この口座管理装置の主要部の構成を示すブロック図である。口座管理装置1は、制御部11と、通信部12と、入出力インタフェース13(以下、入出力I/F13と言う。)と、口座管理データベース14(以下、口座管理DB14と言う。)と、振込取引履歴データベース(以下、振込取引履歴DB15と言う。)と、取消要求受付取引データベース(以下、取消要求受付取引DB16と言う。)と、取消済振込取引データベース17(以下、取消済振込取引DB17と言う。)と、を備えている。制御部11は、本体各部を制御し、開設されている口座を管理する。入出力I/F13には、オペレータが操作するオペレータ端末(不図示)等が接続される。入出力I/F13は、接続されているオペレータ端末等との入出力を制御する。口座管理DB14は、開設されている口座毎に、金融機関番号、支店番号、口座番号、口座名義(利用者の氏名)、暗証番号、口座残高等を対応づけた口座管理情報を記憶している(図3参照)。図3では、1つの口座について記憶している口座管理情報を示している。
【0018】
振込取引履歴DB15は、処理された振込取引の内容を示す振込取引情報を履歴として記憶する。この振込取引情報には、処理通番、振込人金融機関番号、振込人支店番号、振込人口座番号、振込人氏名、振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座番号、被振込人氏名、振込金額、振込日時、取消要求の有無、取消要求日時等が含まれている(図4参照)。図4(A)、(B)は、口座間振込取引にかかる振込取引情報を示しており、図4(C)は、現金振込取引にかかる振込取引情報を示している。処理通番は、口座管理装置1が振込取引の処理時にシリアルに採番する番号であり、振込取引を特定することができる。振込人金融機関番号、振込人支店番号、および振込人口座番号は、この振込取引における振込元金融機関番号、振込元支店番号、および振込元口座番号であり、振込人の口座にかかる情報である。振込人氏名は、振込元口座の名義人の名前であり、通常、この振込取引を行った利用者の氏名である。振込人金融機関番号、振込人支店番号、および振込人口座番号は、口座間振込取引である場合には、図4(A)、(B)に示すように登録されるが、現金振込取引である場合には、図4(C)に示すように登録されない。振込人氏名は、口座間振込取引であっても、現金振込取引であっても登録される。現金振込取引の場合、利用者が入力する。
【0019】
振込先金融機関番号、振込先支店番号、および振込先口座番号は、振込金額が振り込まれた口座、すなわち被振込人の口座、に関する情報である。被振込人氏名は、振込先口座の名義人の名前である。また、振込金額は、この振込取引で振込人から被振込人に振り込まれた金額であり、振込日時は、この振込取引が処理された日時である。さらに、取消要求の有無は、振込人により当該振込取引の取消が要求されたかどうかを示す情報(有、または無)であり、取消要求日時は、振込人により当該振込取引の取消が要求された日時を示す情報である。図4(A)、(C)は、振込人により当該振込取引の取消が要求されていない振込取引情報を示しており、図4(B)は、振込人により当該振込取引の取消が要求されている振込取引情報を示している。
【0020】
また、取消要求受付取引DB16は、振込人からの取消要求を受け付けた振込取引について、取消要求受付取引情報を記憶する。取消要求受付取引情報は、振込人により取消が要求された振込取引の処理通番、返金先金融機関番号、返金先支店番号、返金先口座番号、依頼人氏名、返金元金融機関番号、返金元支店番号、返金元口座番号、返金人氏名、振込金額、取消要求日時、取消要求の通知状態(未通知、または、通知済)、および通知日時等が含まれている(図5参照)。返金先金融機関番号、返金先支店番号、返金先口座番号、および依頼人氏名は、それぞれ、取消要求が行われた振込取引の振込人金融機関番号、振込人支店番号、振込人口座番号、および振込人氏名である。すなわち、取消要求が行われた振込取引の振込人にかかる情報である。また、返金元金融機関番号、返金元支店番号、返金元口座番号、および返金人氏名は、それぞれ、取消要求が行われた振込取引の振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座番号、および被振込人氏名である。すなわち、取消要求が行われた振込取引の被振込人にかかる情報である。
【0021】
なお、現金振込取引の振込取引情報には、上述したように、振込人にかかる金融機関番号、支店番号、および口座番号が含まれていないが、振込人の氏名が含まれているので、この振込人の氏名と、上述した口座管理DB14に記憶する口座管理情報と、を用いて、不適正な返金先金融機関番号、返金先支店番号、および返金先口座番号が登録されるのを防止している。この機能の詳細については、後述する。
【0022】
また、振込金額は、取消要求が行われた振込取引の振込金額である。取消要求受付日時は、取消の要求を受け付けた日時を示す情報である。取消要求の状態は、この振込取引について、振込人から取消が要求されていることを被振込人(図5に示す返金人)に通知したかどうかを示す情報である。また、取消要求通知日時は、振込人から取消が要求されていることを被振込人に通知した日時を示す情報である(図5(B)参照)。取消要求通知日時は、振込人から取消が要求されていることを被振込人に通知していないときは空である(図5(A)参照)。
【0023】
また、取消済振込取引DB17は、取消要求を受け付けた振込取引について、被振込人の確認を得て、別の振込取引を処理することで実質的に取り消した振込取引にかかる取消済振込取引情報を記憶する。この取消済振込取引情報には、取消要求があった振込取引の処理通番、返金先金融機関番号、返金先支店番号、返金先口座番号、返金受人氏名、返金元金融機関番号、返金元支店番号、返金元口座番号、返金人氏名、返金金額、返金日時等が含まれている(図6参照)。返金金額は、取消要求を受け付けた振込取引の振込金額から、この振込取引の処理にかかる手数料を減額した金額である。返金日時は、取消要求があった振込取引を実質的に取り消すために行った別の振込取引を処理した日時である。
【0024】
この取引処理システムは、取消が要求された振込取引の被振込人を振込人とした新たな振込取引を処理することで、取消が要求された振込取引を実質的に取り消す。取消が要求された振込取引を取り消す処理の詳細については、後述する。また、口座管理装置1は、上述したデータベース以外にも、口座を管理するのに必要な情報を記憶するデータベースを備えている。
【0025】
口座管理装置1は、入金取引、出金取引、残高照会取引、振替取引、振込取引等の従来行われていた取引処理に加えて、
(1)振込取引の取消要求を受け付ける機能、
(2)取消要求を受け付けた振込取引を、この振込取引の被振込人に通知する機能、
(3)取消要求を受け付けた振込取引を実質的に取り消すために、別の振込取引を処理する機能、
(4)取消要求を受け付けた振込取引を実質的に取り消すために、別の振込取引を処理したことを、この取消要求を行った依頼人に通知する機能、
(5)受け付けた取消要求の状態を、この取消要求を行った依頼人に通知する機能、等を有している。これらの機能の詳細については、後述する。
【0026】
図7は、ATMの主要部の構成を示す図である。ATM2は、制御部21と、通信部22と、表示部23と、操作部24と、カード処理部25と、通帳処理部26と、明細票発行部27と、紙幣処理部28と、硬貨処理部29とを備えている。制御部21は、本体各部の動作を制御する。通信部22は、公衆回線や専用回線等を介して、口座管理装置1との通信を制御する。表示部23は、液晶やCRT等の表示デバイスを有し、利用者に対して操作案内画面等を表示デバイスに表示する制御を行う。操作部24は、操作キーや、表示デバイスの画面上に配置したタッチパネル等の入力デバイスを有し、利用者による入力操作を受け付ける。カード処理部25は、利用者のキャッシュカードを受け付け、そのキャッシュカードに対して記録されているカード情報の読み取りや、カード情報の書き込みを行う。キャッシュカードは、例えば磁気カードやICカードである。キャッシュカードには、対応する口座についての、金融機関番号、支店番号、口座番号等がカード情報として記録されている。通帳処理部26は、利用者が所有する通帳を受け付け、当該通帳に対して取引内容を印字する。明細票発行部27は、利用者に対して取引内容を印字した明細票を発行する。紙幣処理部28は、入出金紙幣を処理する。紙幣処理部28は、入出金紙幣の真偽や金種を鑑別する紙幣鑑別部を有している。硬貨処理部29は、入出金硬貨を処理する。硬貨処理部29は、入出金硬貨の真偽や金種を鑑別する硬貨鑑別部を有している。
【0027】
以下、この取引処理システムにおける口座管理装置1、およびATM2の動作について説明する。この取引処理システムは、振込人である利用者の誤入力等による誤った振込取引が処理された場合であっても、被振込人にかかる手間を低減し、利用者に対するサービスの向上を図るものであり、そのために、上述した(1)〜(5)の機能を有している。
【0028】
なお、利用者は、ATM2で公知の入金取引、出金取引、残高照会取引、振替取引、振込取引等も行える。
【0029】
まず、振込取引について簡単に説明しておく。図8は、振込取引におけるATMの動作を示すフローチャートであり、図9は振込取引における口座管理装置の動作を示すフローチャートである。ATM2は、利用者が操作部24で振込取引を選択する入力操作を行うと、図8に示す処理を実行する。ATM2は、今回処理する振込取引が口座間振込取引であるか、現金振込取引であるかの選択入力を受け付ける(s1)。ATM2は、口座間振込取引が選択されると、カード処理部25でキャッシュカードを受け付けるとともに(s2)、操作部24において利用者による暗証番号の入力を受け付ける(s3)。また、ATM2は、操作部24において、振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座、被振込人氏名、振込金額等の入力を受け付ける(s4)。ATM2は、s2〜s4の処理で得た情報に基づいて、振込取引の認証要求を作成し(s5)、これを口座管理装置1に送信する(s6)。s5で作成される振込取引の認証要求には、振込人の暗証番号、振込元金融機関番号、振込元支店番号、振込元口座番号、振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座番号、被振込人氏名、振込金額等が含まれている。振込人の暗証番号は、s3で利用者が入力した暗証番号である。振込元金融機関番号、振込元支店番号、および振込元口座番号は、s2で受け付けたキャッシュカードに記録されているカード情報から得られた、当該キャッシュカードが対応する口座に関する情報である。被振込人氏名、振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座番号、および振込金額は、s4で利用者がATM2で入力した情報である。
【0030】
口座管理装置1は、いずれかのATM2から取引の認証要求があると、その認証要求によって認証が要求されている取引の種別を判断し、ここで判断した種別の取引について認証処理を行う。口座管理装置1は、ATM2から送信されてきた認証要求が、振込取引にかかる認証要求であると判断すると、図9に示す処理を実行する。口座管理装置1は、口座間振込取引にかかる認証要求であるか、現金振込取引の認証要求であるかを判定する(s31)。s31にかかる判定は、認証要求に振込元金融機関番号、振込元支店番号、および振込元口座番号が含まれているかどうかにより行える。後述するように、現金振込取引の認証要求には、振込元金融機関番号、振込元支店番号、および振込元口座番号が含まれていない。
【0031】
口座管理装置1は、s21で口座間振込取引であると判定すると、この認証要求に含まれている暗証番号が適正であるかどうかを判定する(s32)。口座管理装置1は、上述したように、各口座の暗証番号を口座管理DB14で管理している。口座管理装置1は、今回受信した認証要求の振込元口座について管理している暗証番号と、今回受信した認証要求に含まれている暗証番号と、が一致していれば、適正であると判定する。口座管理装置1は、s32で暗証番号が適正であると判定すると、今回の振込取引が可能であるかどうかを判定する(s33)。s33では、振込元口座の残高が振込金額以上であるかどうか等、実質的に今回の振込取引が処理できるかどうかを判定する。口座管理装置1は、s32で暗証番号が適正でないと判定した場合、またはs33で取引が不可であると判定した場合、認証結果として取引不可をATM2に通知する(s34)。s34では、取引を不可とした理由、暗証番号間違いや、残高不足等、もATM2に通知する。口座管理装置1は、s33で取引可と判定すると、認証結果として取引可をATM2に通知する(s35)。このとき、口座管理装置1は、今回の振込取引に対して処理通番を採番しており、この処理通番もATM2に通知する。また、口座管理装置1は、今回の振込取引にかかる振込取引情報を作成し、これを振込取引履歴DB15に記憶する(s36)。s36で作成される振込取引情報は、取消要求の有無が無であり、取消要求日時が空である。また、口座管理装置1は、s36で口座の管理に必要な情報の記録や更新、例えば口座残高の更新、にかかる処理も行う。
【0032】
ATM2は、口座管理装置1から通知された認証結果が取引不可であれば、表示部23においてその旨を表示するとともに(s7,s8)、s2で受け付けたキャッシュカードを放出し(s9)、本処理を終了する。一方、ATM2は、口座管理装置1から通知された認証結果が取引可であれば、振込取引が完了したことを表示部23に表示する(s7、s10)。また、ATM2は、s2で受け付けたキャッシュカードを放出するとともに(s11)、明細票発行部27で今回の振込取引の内容を印字した明細票を発行し(s12)、本処理を終了する。s12で発行される明細票には、今回の振込取引に対して採番された処理通番も印字される。
【0033】
なお、上述した口座間振込取引では、この振込取引にかかる手数料は、振込元口座から引き落とされる。すなわち、振込人が、振込取引にかかる手数料を負担する。
【0034】
次に、現金振込取引について説明する。ATM2は、操作部24において、振込人氏名、振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座、被振込人氏名、振込金額の入力を受け付ける(s13)。s13では、s4で入力される項目に加えて、振込人である利用者の氏名の入力も受け付ける。ATM2は、現金の入金を受け付ける(s14)。s14では、紙幣処理部28で利用者による紙幣の投入を受け付けるとともに、硬貨処理部29で利用者による硬貨の投入を受け付ける。紙幣処理部28は、投入された紙幣の真偽や金種の鑑別を行う。硬貨処理部29は、投入された硬貨の真偽や金種の鑑別を行う。ATM2は、真券であると鑑別された紙幣や硬貨を一時保留部に保留し、反対に真券であることが鑑別できなかった紙幣や硬貨を利用者に返却する。ATM2は、利用者により投入された現金の合計金額が、s13で入力された振込金額と、今回の振込取引にかかる手数料と、の合計金額に達していないときには、利用者に対して現金の追加投入を要求したり、その時点での投入金額を今回の振込取引の振込金額と手数料との合計金額に修正するかを利用者に確認する。ATM2は、利用者により投入された現金が、今回の振込取引の振込金額と、手数料と、の合計金額に達していると、今回の振込取引に対する認証要求を作成する(s15)。s15で作成される振込取引の認証要求には、振込人の氏名、被振込人氏名、振込先金融機関番号、振込先支店番号、振込先口座番号、振込金額等が含まれているが、振込人の暗証番号、振込元金融機関番号、振込元支店番号、および振込元口座番号については含まれていない。ATM2は、s15で作成した振込取引の認証要求を口座管理装置1に送信し(s16)、この認証要求に対する認証結果を待つ。
【0035】
口座管理装置1は、s31で現金振込取引の認証要求であると判定すると、上述したs33以降の処理を行う。
【0036】
なお、現金振込取引である場合に、s36で作成される振込取引情報は、振込元金融機関番号、振込元支店番号、および振込元口座番号が空である(図4(C)参照)。
【0037】
ATM2は、口座管理装置1から通知された認証結果が取引不可であれば、表示部23においてその旨を表示するとともに(s17,s18)、一時保留部に保留している紙幣や硬貨(今回利用者が投入した紙幣や硬貨)を放出し(s19)、本処理を終了する。一方、ATM2は、口座管理装置1から通知された認証結果が取引可であれば、振込取引が完了したことを表示部23に表示する(s17、s20)。また、ATM2は、明細票発行部27で今回の振込取引の内容を印字した明細票を発行し(s21)、本処理を終了する。また、ATM2は、一時保留部に保留している紙幣や硬貨を本体に設けられている金種別カートリッジに搬送し、収納する。s21で発行される明細票には、今回の振込取引に対して採番された処理通番が印字される。したがって、口座間振込、および現金振込を行った利用者は、s12、またはs21で発行される明細票により、その振込取引の処理通番を確認することができる。
【0038】
次に、誤った振込取引を行ったことに気づいた利用者から、その振込取引の取消にかかる要求を受け付ける取消要求受付処理について説明する。利用者は、誤った振込取引が口座間振込取引、現金振込取引のいずれであっても、取消の要求が行える。図10および図11は、ATMの取消要求受付処理を示すフローチャートである。ATM2は、利用者が操作部24で振込取引の取消要求を選択する入力操作を行うと、図10に示す処理を実行する。ATM2は、カード処理部25でキャッシュカードを受け付けるとともに(s41)、操作部24において暗証番号の入力を受け付ける(s42)。次に、取消を要求したい振込取引が、口座間振込取引であるか、現金振込取引であるかの選択を受け付ける(s43)。ATM2は、s43で口座間振込取引が選択されると、口座間振込取引の確認要求を口座管理装置1に送信する(s44)。s44で口座管理装置1に送信する確認要求には、s41で受け付けたキャッシュカードのカード情報、およびs42で利用者が入力した暗証番号が含まれている。また、ATM2は、s43で現金振込取引が選択されると、誤った振込取引の処理通番の入力を受け付け(s45)、現金振込取引の確認要求を口座管理装置1に送信する(s46)。s46で口座管理装置1に送信する確認要求には、s41で受け付けたキャッシュカードのカード情報、s42で利用者による入力を受け付けた暗証番号、s45で利用者による入力を受け付けた処理通番が含まれている。
【0039】
口座管理装置1は、ATM2から振込取引の確認要求があると、図12に示す確認通知処理を行う。まず、口座管理装置1は、ATM2から送信されてきた振込取引の確認要求に含まれている暗証番号が適正であるかどうかを判定する(s71)。s71にかかる判定は、上述したように口座管理DB14に記憶している口座管理情報に基づいて行われる。口座管理装置1は、s71で暗証番号が適正でないと判定すると、ATM2に対して確認不可を送信し(s72)、本処理を終了する。一方、口座管理装置1は、暗証番号が適正であると判定すると、口座間振込取引の確認要求であるか、現金振込取引の確認要求であるかを判定する(s73)。口座管理装置1は、口座間振込取引の確認要求であると判定すると、振込取引履歴DB15から、今回の確認要求に含まれているキャッシュカードのカード情報から得られる口座が振込元口座である振込取引を抽出する(s74)。口座管理装置1は、すでに取消要求を受け付けている振込取引については、s74で抽出しない。また、s74では、予め定めた期間、例えば最近1カ月や、最近2カ月、に行われた振込取引のみ抽出するように構成するのが好ましい。これにより、無駄な振込取引情報の抽出にともなう処理効率の低下が抑えられる。口座管理装置1は、s74で抽出した振込取引情報をATM2に通知する(s77)。口座管理装置1は、s74で抽出した振込取引情報がない場合には、s77で、その旨を ATM2に通知する。
【0040】
また、口座管理装置1は、s73で現金振込取引であると判定すると、今回の確認要求に含まれている処理通番に対応する振込取引情報を振込取引履歴DB15から読み出す(s75)。口座管理装置1は、今回の確認要求が振込人による適正な確認要求であるかどうかを判定する(s76)。s76では、今回の確認要求に含まれているキャッシュカードのカード情報から得られる口座の名義と、s75で抽出した振込取引情報の振込人の氏名と、が一致していれば、今回の確認要求が振込人による適正な確認要求であると判定し、不一致であれば、今回の確認要求が振込人による適正な確認要求でないと判定する。口座管理装置1は、s76で今回の確認要求が振込人による適正な確認要求でないと判定すると、s72でATM2に対して確認不可を送信する。反対に、s76で今回の確認要求が振込人による適正な確認要求であると判定すると、口座管理装置1は、s75で読み出した振込取引情報をATM2に通知する(s77)。
【0041】
ATM2は、s44で口座管理装置1に対して送信した口座間振込取引の確認要求に対する口座管理装置1からの通知が確認不可であれば、確認不可であることを示す画面を表示部23に表示するとともに(s47、s48)(図14参照)、s41で受け付けたキャッシュカードを放出し(s49)、本処理を終了する。図14では、暗証番号の入力間違いにより、口座間振込取引の確認が不可となった場合を示している。また、ATM2は、口座管理装置1からの通知が確認可であったが、該当する口座間振込取引情報が無い旨の通知を受信した場合には、該当する口座間振込取引が無いことを示す画面を表示部23に表示するとともに(s47、s50、s51)(図15参照)、s41で受け付けたキャッシュカードを放出し(s49)、本処理を終了する。
【0042】
さらに、ATM2は、口座管理装置1から口座間振込取引情報が通知されていれば、通知された口座間振込取引情報を表示部23に表示する(s47、s50、s52)(図16参照)。ATM2は、表示部23で表示しているいずれかの振込取引情報が利用者により選択されるか(s53)、または、終了が操作されるのを待つ(s61)。ATM2は、表示部23で表示しているいずれかの振込取引情報が利用者により選択されると、選択された振込取引についての振込取引取消要求確認画面を表示部23に表示する(s54)(図17参照)。ATM2は、ここで利用者により戻り、または確認が選択されるのを待つ(s55、s56)。ATM2は、戻りが選択されると、s52に戻って上記処理を繰り返す。また、ATM2は、確認が選択されると、表示部23に振込取引情報を表示している振込取引についての取消要求を口座管理装置1に送信する(s57)。この取消要求には、振込取引を識別する処理通番等が含まれている。
【0043】
口座管理装置1は、ATM2から送信されてきた振込取引の取消要求を受信すると、図13に示す取消要求受付処理を実行する。口座管理装置1は、ATM2から取消が要求された振込取引を処理通番により特定し、振込取引履歴DB15に記憶されている該当する振込取引の振込取引情報に対して、取消要求の有無を有に変更するとともに、取消要求日時を追加する(s81)。また、今回取消要求を受け付けた振込取引について、取消要求受付取引情報を作成し、これを取消要求受付取引DB16に記憶する(s82)。s82で作成された取消要求取引受付情報は、取消要求の状態が未通知であり、取消要求日時が空である。口座管理装置1は、振込取引の取消要求受付完了をATM2に通知し(s83)、本処理を終了する。
【0044】
ATM2は、口座管理装置1から取消要求受付完了の通知を受信すると(s58)、その旨を表示部23で表示する(s59)。これにより、振込取引の取消要求の受け付けが完了したことを利用者に通知する。ATM2は、取消要求受付完了を示す画面を表示部23で表示しているときに、操作部24において利用者による確認入力を受け付けると(s60)、s52に戻り、上述した処理を繰り返す。したがって、利用者は、複数の振込取引に対して、一度に取消要求を行うこともできる。また、ATM2は、上述したs53で振込取引情報が選択されることなく、利用者による終了入力を受け付けると(s61)、s41で受け付けたキャッシュカードを放出するとともに(s62)、今回口座管理装置1から通知された振込取引にかかる振込取引情報を印字した明細票を明細票発行部27で発行し(s63)、本処理を終了する。s63では、今回取消要求を受け付けた振込取引と、取消要求を受け付けていない振込取引と、を区別して印字するのが好ましい。
【0045】
このように、利用者は、ATM2で、簡単に、過去に行った口座間振込取引の履歴の確認が行えるとともに、誤った振込取引に対する取消要求が行える。
【0046】
また、ATM2は、s46で口座管理装置1に送信した現金振込取引の確認要求に対して、口座管理装置1から確認不可の通知を受信すると(s64)、上述したs48以降の処理を実行する。また、ATM2は、現金振込取引の確認要求が許可され、口座管理装置1から振込取引情報が通知されると、通知された振込取引情報を表示部23に表示する(s64、s65)。ATM2は、利用者による終了、または確認にかかる入力が行われるのを待つ(s66、s67)。ATM2は、利用者により終了にかかる入力が行われると、s62以降の処理を実行する。また、ATM2は、利用者により確認にかかる入力が行われると、この振込取引についての取消要求を口座管理装置1に送信する(s68)。ATM2がs68で口座管理装置1に送信する取消要求には、今回通知された振込取引の処理通番とともに、s41で受け付けたキャッシュカードに記録されているカード情報が含まれている。
【0047】
口座管理装置1は、ATM2がs68で送信した取消要求を受信すると、上述した図13に示す処理を実行する。また、このとき、口座管理装置1は、ATM2からの取消要求に含まれているカード情報を用いて、口座管理DB14を検索し、ここで得られた口座管理情報に基づいて、取消要求取引受付情報の返金先金融機関番号、返金先支店番号、返金先口座番号、および依頼人氏名を設定する。現金振込取引についても、上述した口座間振込取引と同様に、s82で作成された取消要求取引受付情報は、取消要求の状態が未通知であり、取消要求日時が空である。
【0048】
ATM2は、口座管理装置1から取消要求受付完了の通知を受信すると(s69)、その旨を表示部23で表示する(s70)。これにより、振込取引の取消要求の受け付けが完了したことを利用者に通知する。また、ATM2は、上述したs62、s63にかかる処理を行って、本処理を終了する。したがって、利用者は、ATM2で、簡単に、過去に行った現金振込取引に対する取消要求も行える。また、現金振込取引の処理通番は、この現金振込取引の処理時に発行された明細票に印字されているだけであるので、処理通番を知らない他人によって、不正な取消要求が行われるのを防止できる。また、現金振込取引の振込人氏名と、利用者が使用したキャッシュカードに対応する口座名義人と、が一致しないときには、現金振込取引の内容の出力や、その取消を受け付けない構成としているので、不正な取消要求が行われるのを一層確実に防止できる。
【0049】
次に、取消要求を受け付けている振込取引の被振込人に対して、振込人から取消要求がなされていることを通知する機能について説明する。この通知は、被振込人がATM2で入金取引、出金取引、残高照会取引、振替取引等を行うときに実行される。図18、および図19は、この通知処理にかかるATMの動作を示すフローチャートであり、図20はこの通知処理にかかる口座管理装置の動作を示すフローチャートである。ATM2は、キャッシュカードを受け付けるとともに(s91)、利用者が要求する種別の取引に必要な取引データ(例えば、入金金額や出金金額)を受け付ける(s92)。ATM2は、s91で受け付けたキャッシュカードのデータ、およびs92で入力された取引データを含む取引の認証要求を口座管理装置1に送信する(s93)。
【0050】
口座管理装置1は、ATM2から送信されてきた取引の認証要求に基づいて、この取引を許可するかどうかを判定する(s111)。また、取消要求受付取引DB16に記憶されている取消要求受付取引の中に、今回の取引口座と、返金元金融機関、返金元支店、および返金元口座番号が一致する取消要求受付取引があるかどうかを判定する(s112)。すなわち、当該利用者に対して、取消要求を受け付けている振込取引があるかどうかを判定する。口座管理装置1は、取消要求を受け付けている振込取引があれば、その取消要求受付取引にかかる取消要求受付取引情報を抽出する(s113)。また、口座管理装置1は、取消要求受付取引DB16に記憶されている、s113で抽出した取消要求受付取引情報に対して取消要求の状態を通知済に変更するとともに、取消要求通知日時を追加する(s114)。s114では、その時点の時刻を取消要求通知日時に設定する。そして、口座管理装置1は、s111での認証結果、およびs113で抽出した取消要求受付取引情報をATM2に返信し(s115)、本処理を終了する。
【0051】
なお、口座管理装置1は、s112で一致する取消要求受付取引がないと判定した場合、s111での認証結果のみATM2に返信する。
【0052】
ATM2は、口座管理装置1から取引の認証結果を受信すると(s94)、今回の取引が口座管理装置1において許可されたのか、許可されなかったのかを判定する(s95)。ATM2は、取引が許可されていれば、今回の取引を処理し(s96)、反対に取引が許可されていなければ、今回の取引を中止する(s97)。s96では、出金紙幣の放出等が必要に応じて行われる。
【0053】
また、ATM2は、今回の認証結果に取消要求を受け付けている振込取引の取消要求受付取引情報が含まれているかどうかを判定する(s98)。ATM2は、取消要求受付取引情報が含まれていると、その旨(振込取引の取消要求があること)を表示部23に表示する(s99)(図21参照)。図21では、利用者が残高照会を行ったときに、表示部23に表示される画面例を示している。ATM2は、利用者により確認、または終了が操作されるのを待つ(s100、s101)。ATM2は、利用者により確認が操作されると、今回の認証結果に含まれていた、取消要求受付取引情報の内容を表示部23に表示する(s102)(図22参照)。そして、ATM2は、利用者により承認、または保留が操作されるのを待つ(s103、s104)。ATM2は、利用者により承認が操作されると、取消要求を受け付けている振込取引について、この振込取引を取り消すために、利用者の口座を振込元とする振込取引を行うかどうかの最終確認画面を表示部23に表示する(s105)。ATM2は、ここで、利用者により確認、または取消が操作されるのを待つ(s106、s107)。ATM2は、s106で確認が操作されると、口座管理装置1に対して、取消要求を受け付けている振込取引の取消を指示する(s108)。この指示には、今回確認された、取消要求を受け付けている振込取引の取消要求受付取引情報が含まれている。ATM2は、s108で、口座管理装置1に対して、取消要求を受け付けている振込取引の取消を指示すると、s91で受け付けたキャッシュカードを放出し(s109)、本処理を終了する。
【0054】
また、ATM2は、s98で今回の認証結果に取消要求を受け付けている振込取引の取消要求受付取引情報が含まれていないと判定すると、s109にジャンプし、利用者にキャッシュカードを返却し、本処理を終了する。また、ATM2は、s101で終了が操作された場合、s104で保留が操作された場合、およびs107で取消が操作された場合も、s109にジャンプし、利用者にキャッシュカードを返却し、本処理を終了する。
【0055】
次に、ATM2がs108で出力した、取消要求を受け付けている振込取引の取消指示を受信した口座管理装置1の動作について説明する。図24は、口座管理装置における振込取引の取消処理を示すフローチャートである。口座管理装置1は、ATM2から取り消すことが指示された、取消要求を受け付けている振込取引にかかる取消要求受付取引情報を取消要求受付取引DB16から読み出し(s121)、取消用の振込取引情報を作成する(s122)。s122では、s121で読み出した取消要求受付取引情報の返金先金融機関番号、返金先支店番号、返金先口座番号、および依頼人氏名を、それぞれ被振込人金融機関番号、被振込人支店番号、被振込人口座番号、および被振込人氏名とし、また、返金元金融機関番号、返金元支店番号、返金元口座番号、および返金人氏名を、それぞれ振込人金融機関番号、振込人支店番号、振込人口座番号、および振込人氏名とした振込取引情報を作成する。また、振込金額は、取消要求受付取引情報の振込金額から、今回の振込取引にかかる手数料を減額した金額にする。口座管理装置1は、s122で作成した振込取引情報に基づいて振込取引を処理する(s123)。また、口座管理装置1は、s123で処理した振込取引にかかる、取消済要求受付取引情報を、取消済振込取引情報として取消済振込取引DB17に記憶するとともに、取消要求受付取引DB16から削除する(s124、s125)。
【0056】
このように、誤った振込取引を行った利用者は、ATM2で、上述した振込取引の取消要求にかかる操作を行うだけで、そのことを被振込人に伝え、返金を要求することができる。また、被振込人は、自分がATM2で取引したときに、自分に対して誤った振込取引が行われていることが通知され、その場で、内容を確認して、当該振込取引の取消にかかる指示が行える。したがって、誤った振込取引が行われた被振込人の手間が削減でき、利用者に対する利便性の向上が図れる。また、取消済振込取引DB17に記憶されている取消要求受付取引情報については、取消にかかる振込取引が行われた時点で削除されるので、取消済振込取引DB17の記憶容量も抑えられる。
【0057】
また、図20に示す口座管理装置1の通知処理を図25に示すように置き換えてもよい。具体的には、s114と、s115、との間に、今回の取引口座と、返金先金融機関、返金先支店、および返金先口座番号が一致する取消済振込取引情報が取消済振込取引DB17に記憶されているかどうかを判定し(s116)、一致する取消要求受付取引があれば、その取消済振込取引情報を抽出する(s117)。そして、口座管理装置1は、s111での認証結果、s113で抽出した取消要求受付取引情報、およびs117で抽出した取消済振込取引情報をATM2に返信し(s115)、さらに、s117で抽出した取消済振込取引情報を取消済振込取引DB17から削除する(s118)。
【0058】
このようにすれば、利用者は、誤った振込取引を行ったことに気づき、被振込人に対して上述した取消にかかる要求を行った振込取引が、被振込人によって確認されて、取り消されたかどうかについて、簡単に確認することができる。
【0059】
また、取消要求受付取引DB16に記憶されている取消要求受付取引情報についても、ATM2で、上述した振込取引情報DB15に記憶されている振込取引情報の確認と同様に、キャッシュカードを利用して、その取消要求を行った利用者が確認できるように構成してもよい。このようにすれば、誤った振込依頼を行ったことに気づき、被振込人に対して上述した取消にかかる要求を行った振込取引が、被振込人に通知されているかどうかを、利用者に認識させることができる。
【0060】
さらに、口座管理装置1において、取消要求受付取引DB16に記憶されている取消要求受付取引情報の中に、取消要求日時から一定期間(例えば、1カ月)経過しており、且つ被振込人に対する通知がなされていない取消要求受付取引情報を入出力I/F部13からオペレータ端末に出力するように構成してもよい。このようにすれば、誤った振込取引が行われた被振込人の口座が殆ど利用されていない場合であっても、オペレータに電話等で連絡させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】取引処理システムの構成を示す図である。
【図2】口座管理装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図3】口座管理情報を示す図である。
【図4】振込取引情報を示す図である。
【図5】取消要求受付取引情報を示す図である。
【図6】取消済振込取引情報を示す図である。
【図7】ATMの主要部の構成を示す図である。
【図8】振込取引におけるATMの動作を示すフローチャートである。
【図9】振込取引における口座管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】ATMの取消要求受付処理を示すフローチャートである。
【図11】ATMの取消要求受付処理を示すフローチャートである。
【図12】口座管理装置の確認通知処理を示すフローチャートである。
【図13】口座管理装置の取消要求受付処理を示すフローチャートである。
【図14】ATMの表示部における表示画面例を示す図である。
【図15】ATMの表示部における表示画面例を示す図である。
【図16】ATMの表示部における表示画面例を示す図である。
【図17】ATMの表示部における表示画面例を示す図である。
【図18】ATMの通知処理を示すフローチャートである。
【図19】ATMの通知処理を示すフローチャートである。
【図20】口座管理装置の通知処理を示すフローチャートである。
【図21】ATMの表示部における表示画面例を示す図である。
【図22】ATMの表示部における表示画面例を示す図である。
【図23】口座管理装置の取消処理を示すフローチャートである。
【図24】口座管理装置の別の通知処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1−口座管理装置
2−ATM
11−制御部
12−通信部
13−入出力インタフェース部(入出力I/F)
14−口座管理データベース(口座管理DB)
15−振込取引履歴データベース(振込取引履歴DB)
16−取消要求受付取引データベース(取消要求受付取引DB)
17−取消済振込取引データベース(取消済振込取引DB)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融機関に開設されている口座を管理する口座管理装置において、
振込金額、および振込先口座が指定された振込取引が要求されたときに、当該要求に基づいて振込取引を処理する振込取引処理手段と、
前記振込取引処理手段が処理した振込取引の履歴を記憶する振込取引履歴記憶手段と、
前記振込取引履歴記憶手段が履歴として記憶している振込取引の取消要求を受け付ける取消要求受付手段と、
前記取消要求受付手段が取消要求を受け付けた振込取引を記憶する取消要求受付取引記憶手段と、
前記取消要求受付取引記憶手段が記憶している、取消要求を受け付けた振込取引の振込先口座に対する取引が要求された場合に、当該口座に対して取消が要求されている振込取引の内容を出力し、当該振込取引を取り消すかどうかの確認を要求する取消確認要求手段と、
前記取消確認要求手段により取り消すことが確認された振込取引について、その振込先口座を振込元口座とした振込取引を処理する振込取引取消手段と、を備えた口座管理装置。
【請求項2】
前記振込取引取消手段は、口座間振込取引であれば、前記取消確認要求手段により取り消すことが確認された振込取引における振込元口座を、振込先口座とした振込取引を処理する手段である、請求項1に記載の口座管理装置。
【請求項3】
前記振込取引取消手段が処理した振込取引にかかる、取消要求を受け付けた振込取引を前記取消要求取引記憶手段から削除する取消済振込取引削除手段と、を備えた請求項1または2に記載の口座管理装置。
【請求項4】
前記振込取引取消手段が処理した振込取引を記憶する取消済振込取引記憶手段と、
前記取消済振込取引記憶手段が記憶している、振込取引の振込先口座に対する取引が要求された場合に、当該口座に対する振込取引の内容を通知する出力を行う振込取引取消通知手段と、
前記振込取引取消通知手段が通知した振込取引を取消済振込取引記憶手段から削除する取消通知済振込取引削除手段と、を備えた請求項3に記載の口座管理装置。
【請求項5】
金融機関に開設されている口座を管理する口座管理装置、およびこの口座管理装置に対してデータ通信可能に接続された取引端末と、を有する取引処理システムにおいて、
前記口座管理装置は、
データ通信可能に接続されている任意の取引端末から、振込金額、および振込先口座が指定された振込取引が要求されたときに、当該要求に基づいて振込取引を処理する振込取引処理手段と、
前記振込取引処理手段が処理した振込取引の履歴を記憶する振込取引履歴記憶手段と、
データ通信可能に接続されている任意の取引端末から、前記振込取引履歴記憶手段が履歴として記憶している振込取引の取消要求を受け付ける取消要求受付手段と、
前記取消要求受付手段が取消要求を受け付けた振込取引を記憶する取消要求受付取引記憶手段と、
データ通信可能に接続されている任意の取引端末から、前記取消要求受付取引記憶手段が記憶している、取消要求を受け付けた振込取引の振込先口座に対する取引が要求された場合に、当該口座に対して取消が要求されている振込取引の内容を出力し、当該振込取引を取り消すかどうかの確認を要求する取消確認要求手段と、
前記取消確認要求手段により取り消すことが確認された振込取引について、その振込先口座を振込元口座とした振込取引を処理する振込取引取消手段と、を備えている、
取引処理システム。
【請求項1】
金融機関に開設されている口座を管理する口座管理装置において、
振込金額、および振込先口座が指定された振込取引が要求されたときに、当該要求に基づいて振込取引を処理する振込取引処理手段と、
前記振込取引処理手段が処理した振込取引の履歴を記憶する振込取引履歴記憶手段と、
前記振込取引履歴記憶手段が履歴として記憶している振込取引の取消要求を受け付ける取消要求受付手段と、
前記取消要求受付手段が取消要求を受け付けた振込取引を記憶する取消要求受付取引記憶手段と、
前記取消要求受付取引記憶手段が記憶している、取消要求を受け付けた振込取引の振込先口座に対する取引が要求された場合に、当該口座に対して取消が要求されている振込取引の内容を出力し、当該振込取引を取り消すかどうかの確認を要求する取消確認要求手段と、
前記取消確認要求手段により取り消すことが確認された振込取引について、その振込先口座を振込元口座とした振込取引を処理する振込取引取消手段と、を備えた口座管理装置。
【請求項2】
前記振込取引取消手段は、口座間振込取引であれば、前記取消確認要求手段により取り消すことが確認された振込取引における振込元口座を、振込先口座とした振込取引を処理する手段である、請求項1に記載の口座管理装置。
【請求項3】
前記振込取引取消手段が処理した振込取引にかかる、取消要求を受け付けた振込取引を前記取消要求取引記憶手段から削除する取消済振込取引削除手段と、を備えた請求項1または2に記載の口座管理装置。
【請求項4】
前記振込取引取消手段が処理した振込取引を記憶する取消済振込取引記憶手段と、
前記取消済振込取引記憶手段が記憶している、振込取引の振込先口座に対する取引が要求された場合に、当該口座に対する振込取引の内容を通知する出力を行う振込取引取消通知手段と、
前記振込取引取消通知手段が通知した振込取引を取消済振込取引記憶手段から削除する取消通知済振込取引削除手段と、を備えた請求項3に記載の口座管理装置。
【請求項5】
金融機関に開設されている口座を管理する口座管理装置、およびこの口座管理装置に対してデータ通信可能に接続された取引端末と、を有する取引処理システムにおいて、
前記口座管理装置は、
データ通信可能に接続されている任意の取引端末から、振込金額、および振込先口座が指定された振込取引が要求されたときに、当該要求に基づいて振込取引を処理する振込取引処理手段と、
前記振込取引処理手段が処理した振込取引の履歴を記憶する振込取引履歴記憶手段と、
データ通信可能に接続されている任意の取引端末から、前記振込取引履歴記憶手段が履歴として記憶している振込取引の取消要求を受け付ける取消要求受付手段と、
前記取消要求受付手段が取消要求を受け付けた振込取引を記憶する取消要求受付取引記憶手段と、
データ通信可能に接続されている任意の取引端末から、前記取消要求受付取引記憶手段が記憶している、取消要求を受け付けた振込取引の振込先口座に対する取引が要求された場合に、当該口座に対して取消が要求されている振込取引の内容を出力し、当該振込取引を取り消すかどうかの確認を要求する取消確認要求手段と、
前記取消確認要求手段により取り消すことが確認された振込取引について、その振込先口座を振込元口座とした振込取引を処理する振込取引取消手段と、を備えている、
取引処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2008−269371(P2008−269371A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−112502(P2007−112502)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
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