口腔ケア製品並びにそれを使用及び作製する方法
口腔ケア器具は、口腔への挿入のために寸法決めされたベース部と、該ベース部から延在する複数個の可撓性エラストマー要素と、を含むことができ、複数個の可撓性エラストマー要素のそれぞれは、縁部を備え、該縁部のうちの少なくとも1つは、微小縁部を備え、複数個の可撓性エラストマー要素は、約5mm未満の要素密度を備える。口腔ケア器具の別の実施形態は、口腔への挿入のために寸法決めされたベース部と、該ベース部から延在する複数個の可撓性エラストマー要素と、を含むことができ、複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つは、第1の区分縁部及び第1の横断面積を有する第1の区分と、複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つの可撓性エラストマー要素の長手方向軸に沿って、第1の区分に隣接して配置される第2の区分と、を備え、第2の区分は、第2の区分縁部と、第1の横断面積とは異なる第2の横断面積と、を有する。口腔ケア器具の更に別の実施形態は、口腔への挿入のために寸法決めされたベース部であって、ベース壁と、口腔内で歯群を受容するためのチャネルを形成する、ベース壁に連結された2つの対向する側壁と、を有する、ベース部と、ベース部及び2つの対向する側壁からチャネルの中に延在する複数個の可撓性エラストマー要素と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性要素、具体的には、可撓性エラストマー要素を有する口腔ケアの洗浄器具、デバイス、及びシステム、並びにそれらを使用及び作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの技術革新が口腔ヘルスケアの分野にもたらされてきたが、歯の洗浄、歯のホワイトニング、並びに歯垢除去等の口腔及び歯の健康及び外観を改善することができる口腔ケア製品及び方法の継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に示されるいくつかの実施形態は、ベース及び複数個の可撓性エラストマー要素を備える口腔ケアシステム及び/又は口腔ケア器具、並びにそれらを使用及び作製する方法を対象とする。
【0004】
一実施形態は、口腔への挿入のために寸法決めされたベース部と、ベース部から延在する複数個の可撓性エラストマー要素を少なくとも部分的に含む口腔ケア器具を備えてもよく、複数個の可撓性エラストマー要素のそれぞれは、縁部を備え、縁部のうちの少なくとも1つは、微小縁部を備え、複数個の可撓性エラストマー要素は、約5mm未満の要素密度を備える。
【0005】
別の実施形態は、口腔への挿入のために寸法決めされたベース部と、ベース部から延在する複数個の可撓性エラストマー要素を少なくとも部分的に含む口腔ケア器具を備えてもよく、複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つは、第1の区分縁部及び第1の横断面積を有する第1の区分を備え、第2の区分は、複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つの可撓性エラストマー要素の長手方向軸に沿って、第1の区分に隣接して配置される。第2の区分は、第2の区分縁部と、第1の横断面積とは異なる第2の横断面積と、を含む。
【0006】
更に別の実施形態は、少なくとも部分的に、口腔への挿入のために寸法決めされたベース部であって、ベース壁と、口腔内で歯群を受容するためのチャネルを形成する、ベース壁に連結された2つの対向する側壁と、を有する、ベース部と、ベース部及び2つの対向する側壁からチャネルの中に延在する複数個の可撓性エラストマー要素と、を含む口腔ケア器具を備えてもよい。複数個の可撓性エラストマー要素のそれぞれは、縁部及び長手方向軸を備え、複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つは、第1の横断面積を有する第1の区分と、少なくとも1つの可撓性エラストマー要素の長手方向軸に沿って、第1の区分に隣接して配置される、第2の横断面積を有する第2の区分と、を備え、第2の横断面積は、第1の横断面積とは異なる。
【0007】
更に更なる別の実施形態は、可撓性エラストマー要素の微小縁部を形成する方法を含んでもよい。方法は、第1の金型板及び第1の金型板に隣接して位置付けられる第2の金型板により金型空洞を形成する工程と、第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、金型空洞の金型角部を形成する工程と、エラストマーを金型空洞の中に注入する工程と、交わり部により形成される金型角部に沿って微小縁部を形成するように、金型空洞内に含有される気体が、第1の金型板と第2の金型板との間の交わり部を通って気体放出することを可能にする工程と、を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明確に請求する請求項をもって結論とするが、本発明は、添付図面と併せてなされる次の説明からよりよく理解されるであろうと考える。
【図1A】口腔ケア器具の斜視図。
【図1B】図1Aの可撓性エラストマー要素の上平面図の詳細。
【図2A】可撓性エラストマー要素の別の実施形態の上平面図。
【図2B】可撓性エラストマー要素の別の実施形態の上平面図。
【図2C】可撓性エラストマー要素の別の実施形態の上平面図。
【図2D】可撓性エラストマー要素の別の実施形態の上平面図。
【図2E】可撓性エラストマー要素の別の実施形態の上平面図。
【図3】口腔ケア器具の別の実施形態の部分的斜視図。
【図4】図3の口腔ケア器具の可撓性エラストマー要素の斜視図。
【図5】図4の可撓性エラストマー要素の側面図。
【図6】図4の可撓性エラストマー要素の上平面図。
【図7】図5の可撓性エラストマー要素の上平面図の詳細。
【図8】図6の可撓性エラストマー要素の詳細。
【図9】可撓性エラストマー要素の別の実施形態の斜視図。
【図10】図9の可撓性エラストマー要素の側面図。
【図11】図9の可撓性エラストマー要素の上平面図。
【図12】金型機と組み合わせた金型システムの実施形態の分解組立斜視図。
【図13】図12の金型システムから製造された可撓性エラストマー要素の別の実施形態の斜視図。
【図14】図12の金型システムの部分的断面図。
【図15A】金型システムの別の実施形態の分解組立斜視図。
【図15B】図15Aの金型システムの部分的斜視図。
【図16】図15Aの金型システムから製造された可撓性エラストマー要素の別の実施形態の斜視図。
【図17】金型システムの別の実施形態の斜視図。
【図18】図17の金型システムから製造された可撓性エラストマー要素の別の実施形態の斜視図。
【図19A】図17の金型システムの詳細。
【図19B】図17の金型システムの詳細。
【図20】金型システムの別の実施形態の部分的斜視図。
【図21】図20の金型システムの空洞金型板の実施形態の部分的断面。
【図22】口腔ケアシステムの実施形態の略図。
【図23】口腔ケア器具の別の実施形態の略図。
【図24A】複数個の可撓性エラストマー要素の別の実施形態の上面斜視図の略図。
【図24B】歯間部内の任意の歯群の表面との係合の前に、口腔の歯間部の中に移動する、図24Aの複数個の可撓性エラストマー要素の等角図の略図。
【図24C】歯間部の中に移動し、係合する、図24Aの複数個の可撓性エラストマー要素の等角図の略図。
【図24D】複数個の可撓性エラストマー要素の初期の捻れ、屈曲、及び/又は変形を示す、図24Cの複数個の可撓性エラストマー要素の上面斜視図の略図。
【図24E】歯間部の中に更に移動し、係合する、図24Dの複数個の可撓性エラストマー要素の等角図の略図。
【図24F】複数個の可撓性エラストマー要素の捻れ、屈曲、及び/又は変形、並びに歯間部との係合による接触応力を示す、図24Eの複数個の可撓性エラストマー要素の上面斜視図の略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で使用するとき、「縁部」は、2つの表面が交差する線、又は表面が終了する境界である。
【0010】
「挙げられる」及びその変形は、一覧で「挙げられた」項目の詳細説明が、他の項目を除外しないという意味で、非限定的である。
【0011】
本明細書で使用するとき、「微小」縁部は、0.0254mm未満、具体的には、約0.02mm以下、より具体的には、約0.015mm以下、より具体的には、約0.01mm以下、より具体的には、約0.008mm以下、より具体的には、約0.0075mm以下、より具体的には、約0.007mm以下、より具体的には、約0.0065mm以下、より具体的には、約0.006mm以下、より具体的には、約0.0055mm以下、より具体的には、約0.005mm以下、より具体的には、約0.0045mm以下、より具体的には、約0.004mm以下、より具体的には、約0.0035mm以下、より具体的には、約0.003mm以下、より具体的には、約0.0025mm以下、より具体的には、約0.002mm以下、より具体的には、約0.0015mm以下、より具体的には、約0.001mm以下、及び/又は約0.0254mm〜約0.001mm、約0.02mm〜約0.001mm、具体的には、約0.015mm〜約0.0015mm、具体的には、約0.01mm〜約0.002mm、より具体的には、約0.009mm〜約0.0025mm、より具体的には、約0.0085mm〜約0.0025mm、及び/又はより具体的には、約0.008mm〜約0.0025mmの先端半径(r)を有するように製造される、本明細書で定義される縁部である。微小縁部の一例は、気体放出縁部を含む。本明細書で使用するとき、「気体放出される」縁部は、プラスチック射出成型等の成型プロセスで使用される金型空洞からの気体放出により、2つの空洞金型板の間(2つの空洞金型板の間の係合点)に形成される、本明細書で定義される縁部である。金型板は、要素(例えば、要素10)を形成する金型空洞の少なくとも一部を形成するために使用される。成型プロセスの間、金型空洞中の気体は、2つの金型板が相互に係合する部分(すなわち、2つの金型板の交わり部)に位置する間隙を通って、その間に気体放出し、したがって、材料(例えば、プラスチック)を、2つの金型板の交わり部により形成される金型空洞の角部の中に深く押し、及び/又は引く。プラスチックが気体放出プロセスにより金型空洞の角部を貫通するときに、それは、可撓性要素(例えば、要素10)に沿って、微小縁部(例えば、微小縁部18)を形成する。
【0012】
「口腔ケア組成物」又は「口腔用組成物」は、通常の使用過程において、口腔の活性を目的として、選択された歯の表面及び/又は口腔組織と接触させるために、口腔内に保持することができる製品を意味する。歯垢除去のための歯の洗浄に加え、口腔ケア組成物は、歯石の形成及び虫歯、歯周炎、歯肉炎などの疾患の予防、並びに口腔内の悪臭若しくは口臭及び染みの除去や予防を行うために用いられる場合がある。いくつかの口腔ケア製品の形態例は、練り歯磨き、歯磨剤、歯磨ゲル、歯肉縁下部用ゲル、フォーム、口内洗浄剤、義歯製品、口内スプレー、薬用キャンディー、咀しゃく錠又はチューインガム、及び任意の口腔硬組織又は口腔軟組織を含む口腔面への直接適用又は貼付用のストリップやフィルムである。
【0013】
本明細書で使用するとき、「口腔」は、人間の口及び/又は他の動物の口を含むが、それらに限定されない、本明細書で定義される口腔組織を含む空洞を意味する。
【0014】
本明細書で使用するとき、「口腔組織」は、歯群及び歯肉組織等の口腔内に配置される任意の硬組織又は軟組織を意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「口腔状態」及び「状態」という用語は、口腔内の歯垢、歯石、堆積物、う歯、バイオフィルム、軟組織異常、軟組織障害等に関して用いられる。
【0016】
「口腔で許容可能な添加剤」は、口腔ケア組成物への安全で有効な添加剤として、現在既知の又は以下で既知となる任意の添加剤を意味する。例として、フッ化物イオン源、抗結石又は抗歯石剤、減感剤、過酸化物源などの歯白色化剤、シリカなどの研磨剤、薬草剤、キレート化剤、緩衝剤、抗染み剤、アルカリ金属重炭酸塩類、増粘物質、保湿剤、水、界面活性剤、二酸化チタン、着香料系、甘味剤、キシリトール、着色剤、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない、口腔ケア組成物中の従来の添加剤が含まれる。
【0017】
本明細書で使用するとき、「歯垢(plaque)」及び「歯垢(dental plaque)」という用語は、歯群の上、歯肉組織、口腔硬組織、及び/又は口腔軟組織上に蓄積するバイオフィルムに関して用いられる。
【0018】
「歯垢細菌」は、歯垢の形成の原因となる細菌を意味する。
【0019】
「歯群」は、1本以上の天然歯群及び1本以上の人工歯群、又は1つ以上の歯科補綴物を指す。
【0020】
図1〜24を参照すると、可撓性要素(例えば、可撓性要素10、50、150、155等)、そのような要素を含む口腔ケア器具(例えば、器具1、20、2000等)のいくつかの実施形態、並びにそれらを作製及び使用する方法が示される。理論に制限されるものではないが、全てではないある特定の要素及び/又は口腔ケア器具特性の操作は、洗浄回数の減少、接触応力の増加、接触の形跡の増加、並びに歯垢除去を含むが、それらに限定されない口腔ケア洗浄の改善の利益を提供することが見出された。以下の可撓性要素の特性:寸法、断面形状、長さ、材料特性(例えば、硬度(ジュロ硬度)、表面摩擦等)、口腔ケア組織(例えば、歯群、歯肉等)からの距離、駆動運動(すなわち、口腔ケア組織の洗浄のために可撓性要素上で開始される運動)、並びに/又は縁部先端半径、数、位置、配向、及び硬度/剛性を含むが、それらに限定されない縁部特性のうちの1つ以上を、例えば、歯間部(すなわち、歯群の間)内の洗浄等の口腔ケア組織の驚くほどに改善された洗浄を提供するように操作するか、あるいは最大化させてもよい。加えて、そのような可撓性要素を含む口腔ケア器具に沿った可撓性要素の密度を、上で説明される可撓性要素特性のうちの1つ以上と併用されるときに、口腔ケア組織の改善又は最適化された洗浄を提供するように最大化させてもよいことが見出された。
【0021】
一例として、上で説明される要素及び/又は口腔ケア器具特性のうちの1つ以上を操作する工程は、接触の形跡(すなわち、洗浄運動中に、可撓性要素の縁部(洗浄縁部)が歯と接触する歯の表面に沿った経路)に衝突することが見出された。したがって、理論に制限されるものではないが、特性の正しい組み合わせで、口腔ケア要素の可撓性要素のうちの1つ以上の接触の形跡は、具体的には、歯間部内で、制御、改善、及び/又は増加される場合もあり、したがって例えば、改善された歯間洗浄等のそのような口腔ケア要素及び/又は器具の洗浄能力を改善することが見出された。
【0022】
この場合もやはり、理論に制限されるものではないが、口腔ケア器具の可撓性要素のうちの1つ以上の接触応力(すなわち、可撓性要素の縁部と口腔ケア組織との間の接触面積で割った、縁部が口腔ケア組織と接触する部分において口腔ケア組織(歯又は歯肉)の表面に対して垂直である可撓性要素の印加された抵抗力の構成要素)を、要素の縁部先端半径、長さ、隣接した要素(要素密度)を有する空隙部、硬度(ジュロ硬度)、並びに/又は表面摩擦を操作することにより、制御し、改善し、及び/若しくは増加させてもよいことが見出された。改善された洗浄縁部/要素の構成は、特定の洗浄運動において、大きな接触の形跡(歯の表面積)上に高い接触応力を生み出すことができることが見出された。
【0023】
本明細書に示され、説明されるいくつかの実施形態は、そのような改善された口腔洗浄の利益を提供する可撓性要素及び/又は口腔ケア洗浄器具の例である。
【0024】
図1aを参照すると、ベース20及びベース20から延在する複数個の要素10をある程度備える、口腔ケア器具1の実施形態が示される。それぞれの要素10は、遠位端12、遠位端12の反対側の近位端14、長手方向軸A〜A’、及び長手方向軸A〜A’に対して垂直に配置される横方向表面16を備えてもよい。図1Aに示される要素10とは異なる横断面形状を有する要素において、縁部18は、横方向縁部であるというよりはむしろ、長手方向縁部、すなわち、長手方向軸A〜A’に沿って実質的に配置されることが理解される。示される実施形態において、ベース20及び複数個の要素10は、1つの統合ユニットとして製造される。ベース20及び複数個の要素10は、例えば、接着剤、節止め、音波溶接等の連結の従来の技術及び方法を用いてともに連結される2つの別々の構成要素であってもよいことが理解される。
【0025】
口腔ケア器具1は、それぞれの隣接した要素10の間に空隙部を備える、複数個の要素10の器具密度を備えてもよい。したがって、要素密度は、1つの要素10の中心点と隣接した要素10の中心点との間の距離(d)を測定することにより測定されてもよい。ベース20及び複数個の要素10は、要素10が互いから均等に離間されるように製造されてもよい。別の実施形態において、ベース20及び複数個の要素10は、個別の要素がベース20に沿って互いから不均等に分離されるように製造されてもよい。そのような実施形態において、要素密度は、それぞれの要素10の間の測定された距離の平均である。一実施形態において、ベース20は、約0.05mm〜約5.0mm、より具体的には、約0.1mm〜約3.0mm、又はより具体的には、約0.1〜約2mmの要素密度を有する。ベース20は、円形を有するとして図1Aに示されるが、ベース20は、多角形、楕円形、U字形、チャネルを形成するU字形、並びに口腔の中に挿入し、複数個の剛毛がその中で口腔組織に係合することを可能にするよう作動する他の構成を含むが、それらに限定されない、他の構成、寸法、及び形状を備えてもよいことが理解される。
【0026】
図1Aは、近位端14から遠位端12まで一定のままである横断面積を有するそれぞれの要素10を示す。別の実施形態において、それぞれの要素10は、近位端14から遠位端12の長手方向軸A〜A’に向かって内側に先細になってもよい。したがって、近位端14における長手方向軸A〜A’に対して垂直の要素10の断面積(「横断面積」)は、遠位端12における横断面積より大きい。あるいは、それぞれの要素10は、近位端14から遠位端12の長手方向軸A〜A’から離れて外側に先細になってもよい。したがって、近位端14における要素10の横断面積は、遠位端12における横断面積よりも小さい。更に別の実施形態において、口腔ケア器具1は、一定の横断面、内側に先細になった横断面、外側に先細になった横断面、又はこれらの任意の組み合わせを有する複数個の要素を備えてもよい。
【0027】
図1Aに示されるように、複数個の要素10は、円形の横断面を有する。したがって、図1Aに示される要素10は、長手方向軸A〜A’に対して垂直である1つ縁部18(「横方向縁部」)のみを備える。縁部18は、横方向表面16及び側面15の交わり部に配置される。図1Bは、先端半径(r)を有する縁部18を示す。一実施形態において、複数個の要素10のうちの1つ以上は、縁部18が微小縁部であるように、以下の本明細書で説明されるプラスチック射出法及び金型システムを用いて製造されてもよく、微小縁部は、上の本明細書で定義される先端半径(r)を有する。本明細書に示され、説明される方法及び金型システムが発見されるまで、エラストマー材料等のプラスチックを、本明細書で定義される微小縁部を製造するのに十分な金型空洞角部の中に射出成形するのは不可能であった。
【0028】
別の実施形態において、縁部18は、任意の従来の値を有する先端半径(r)を備えてもよい。更に別の実施形態において、縁部18は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2009/0007357号に示され、説明される先端半径を備えてもよい。
【0029】
他の実施形態において、要素10は、図1Aに示されるような円形、図2Aに示されるような卵形、楕円形、多角形(図示されず)、四面形(図示されず)、図2Bの正方形、矩形(図2B)、図2Cに示されるような星形、図2Dに示されるような十字形、図2Eに示されるような三角形、正弦波形(図示されず)、他の従来の形状構成、及び/又はこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない様々な形状、寸法、及び構成を有する横断面を備えてもよい。加えて、要素10は、例えば、図1Aに示されるような単一の連続横断面積を有してもよい。あるいは、要素は、1つ以上のセグメントを含んでもよく、それぞれのセグメントは、例えば、図3及び図9に示されるような異なる横断面積及び/又は形状を有してもよい。要素の横断面の形状は、所望の縁部及び/又は平面の数に基づいて決定されてもよい。
【0030】
図2B、図2C、図2D、及び図2Eに示されるように、要素10は、長手方向軸A〜A’(「長手方向軸」)に沿って実質的に配置される、1つ以上の横方向縁部18及び1つ以上の縁部19を備えてもよい。図2B、図2C、図2D、及び図2Eに示される代替実施形態において、要素10は、横方向縁部18、長手方向縁部19、又はその2つの組み合わせのうちの1つ以上が微小縁部を備え得るように製造されてもよく、微小縁部は、本明細書の上に定義される先端半径(r)を有する。あるいは、図2B、図2C、図2D、及び図2Eに示される実施形態において、要素10は、横方向縁部18、長手方向縁部19、又はその2つの組み合わせのうちの1つ以上が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2009/0007357号に示され、説明される従来の縁部先端半径を備え得るように製造されてもよい。同様に、図2B、図2C、図2D、及び図2Eに示される実施形態において、要素10は、横方向縁部18、長手方向縁部19、又はその2つの組み合わせのうちの1つ以上が、微小縁部と従来の縁部の両方のいくつかの組み合わせを含み得るように製造されてもよい。
【0031】
図3〜8を参照すると、口腔ケア器具40の別の実施形態が示される。口腔ケア器具40は、ベース100及びベース100から延在する複数個の要素50を備える要素50は、ベース100に連結される近位端54及び近位端と反対側の遠位端52を備える。示されるように、要素50は、4つのセグメント、すなわち、遠位端52での第1のセグメント60、遠位端52と反対側の第1のセグメント60の末端部に配置される第2のセグメント70、第1のセグメントと反対側の第2のセグメント70の末端部に配置される第3のセグメント80、及び第2のセグメントと反対側の第3のセグメント80の末端部に配置される第4のセグメント90を備えてもよい。要素50は、1つ、2つ、3つ、又は任意の他の数を含むが、それらに限定されない任意の数のセグメントを備えてもよいことが理解される。セグメントは、例えば、プラスチック射出成型プロセスを用いて一体的に形成される等のように、相互に不可欠であるように製造されてもよい。別の実施形態において、それぞれのセグメントは、後に溶接、接着剤、スナップ嵌合連結等を含むが、これらに限定されない従来の連結技術又はデバイスを用いて隣接したセグメントに取り付けられる別々の構成要素として製造されてもよい。
【0032】
示される実施形態において、ベース100及び複数個の要素50は、口腔ケア器具40を少なくとも部分的に形成するように1つの統合ユニットとして製造される。ベース100及び複数個の要素50は、例えば、接着剤、節止め、音波溶接等の連結の従来の技術及び方法を用いてともに連結される2つの別々の構成要素であってもよいことが理解される。
【0033】
特に図4、図5、及び図6を参照すると、この実施形態における要素50は、三角形の横断面を備える。したがって、第1のセグメント60は、横方向表面61、3つの長手方向表面63、横方向縁部66、第1の長手方向縁部68a、第2の長手方向縁部68b、及び第3の長手方向縁部68cを備える。更に、第2のセグメント70は、横方向表面71、3つの長手方向表面73、横方向縁部76、第1の長手方向縁部78a、第2の長手方向縁部78b、及び第3の長手方向縁部78cを備える。同様に、第3のセグメント80は、横方向表面81、3つの長手方向表面83、横方向縁部86、第1の長手方向縁部88a、第2の長手方向縁部88b、及び第3の長手方向縁部88cを備える。同様に、第4のセグメント90は、横方向表面91、3つの長手方向表面93、横方向縁部96、第1の長手方向縁部98a、第2の長手方向縁部98b、及び第3の長手方向縁部98cを備える。
【0034】
図7は、先端半径(r)を有する横方向縁部66を示す。横方向縁部76、86、及び96は、図7に示され、測定される先端半径も備えてもよい。一実施形態において、要素50は、本明細書の上に定義される微小縁部を備える、1つ以上の横方向縁部66、76、86、及び/又は96を含んでもよい。別の実施形態において、要素50は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2009/0007357号に示され、説明される従来の縁部先端半径を備え得る、1つ以上の横方向縁部66、76、86、及び/又は96を含んでもよい。口腔ケア器具40は、要素50のいずれも微小の横方向縁部を備えないか、あるいは全ての要素50が少なくとも1つの微小の横方向縁部を有するように製造されてもよいことが理解される。
【0035】
図8は、先端半径(r)を有する長手方向縁部88cを示す。長手方向縁部68a、68b、68c、78a、78b、78c、88a、88b、98a、98b、及び98cは、図8に示され、測定される先端半径(r)を備えてもよい。一実施形態において、要素50は、本明細書で定義される微小縁部を備える、1つ以上の長手方向縁部68a、68b、68c、78a、78b、78c、88a、88b、88c、98a、98b、及び/又は98cを備えてもよい。別の実施形態において、要素50は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2009/0007357号に示され、説明される従来の縁部先端半径を備える1つ以上の長手方向縁部68a、68b、68c、78a、78b、78c、88a、88b、88c、98a、98b、及び/又は98cを備えてもよい。口腔ケア器具40は、要素50のいずれも微小の長手方向縁部を備えないか、あるいは全ての要素50が少なくとも1つの微小の長手方向縁部を有するように製造されてもよいことが理解される。
【0036】
再び図5を参照すると、要素50は、長さ(L)を含む。長さ(L)は、約0.05mm〜約10mm、具体的には、約0.1mm〜約8mm、より具体的には、約1.0mm〜約7mm、又はより具体的には、約2.0mm〜約6mmを含んでもよい。一実施形態において、要素50の長さ(L)は、約4mmを含んでもよい。第1、第2、第3、及び第4のセグメント60、70、80、及び90のそれぞれは、所望されるような任意の長さを含んでもよい。加えて、第1のセグメント60は、約0.06〜約1.0mmの第1のセグメント幅(W1)、約0.07mm〜約2.0mmのセグメント幅(W2)、約0.09mm〜約3.0mmの第3のセグメント幅(W3)、及び0.1mm〜約4.0mmの第4の幅(W4)を有してもよい。
【0037】
長手方向表面63、73、83、及び93のうちの1つ以上は、想像上の垂直平面(例えば、図5に示される垂直平面M)に対して角度αで配向されてもよい。角度αは、約30度未満、具体的には、約20度未満、より具体的には、約15度未満、より具体的には、約10度未満、更により具体的には、約5度未満、及び/又は約0度〜約90度、約15度〜約75度、具体的には、約30度〜約60度、より具体的には、約0度〜約45度、更により具体的には、約0度〜約30度、更により具体的には、約0度〜約15度、更に一層より具体的には、約0度〜約10度、若しくは更に一層より具体的には、約1.5度であってもよい。
【0038】
口腔ケア器具40は、それぞれの隣接した要素50の間に空隙部を備える、複数個の要素50の要素密度を含んでもよい。したがって、要素密度は、1つの要素50の中心点と隣接した要素50の中心点との間の距離(d)を測定することにより測定されてもよい。ベース100及び複数個の要素50は、要素50が互いから均等に離間するように製造されてもよい。別の実施形態において、ベース100及び複数個の要素50は、個別の要素がベース100に沿って互いから不均等に分離するように製造されてもよい。そのような実施形態において、要素密度は、それぞれの要素50の間の測定された距離の平均である。一実施形態において、ベース100は、0.09mm〜約0.4mm、より具体的には、約0.1mm〜約3.0mm、又はより具体的には、約0.2mm〜約2mmの要素密度を有する。
【0039】
図9〜11を参照すると、口腔ケア器具(図示されないが、本明細書に示され、説明される口腔ケア器具、例えば、口腔ケア器具1、40と同一であるか、あるいは類似し得る)用の要素の別の実施形態は、150として示される。要素150は、近位端154及び近位端154と反対側の遠位端152であってもよい。本明細書に示され、説明される他の実施形態において、要素150は、ベース(図示されず)から延在してもよく、近位端154は、ベースと一体になるか、あるいはベースに連結される。他の実施形態においても同様に、複数個の要素150は、口腔ケア器具をある程度形成するように、ベースから延在してもよい。
【0040】
示されるように、要素150は、3つのセグメント、すなわち、遠位端152での第1のセグメント160、遠位端152と反対側の第1のセグメント160の末端部に配置される第2のセグメント170、第1のセグメント160と反対側の第2のセグメント170の末端部に配置される第3のセグメント180を備えてもよい。他の実施形態を参照して上で説明されるように、要素150は、任意の数のセグメントを備えてもよく、それぞれ、任意の数の形状、寸法、及び構成を有する。ベースとの要素の連結と同様に、セグメント(例えば、第1、第2、及び第3のセグメント160、170、及び180)は、セグメントが、例えば、プラスチック射出成型プロセスを用いて一体的に形成される等のように、相互に不可欠であるように製造されてもよい。別の実施形態において、それぞれのセグメントは、後に溶接、接着剤、節止め、スナップ嵌合連結等を含むが、これらに限定されない従来の連結技術又は方法を用いて隣接したセグメントに取り付けられる場合もある別々の構成要素として製造されてもよい。
【0041】
第1のセグメント160は、図9及び図11に示されるような星形の横断面を備えてもよい。第1のセグメント160は、横方向表面166、10個の長手方向表面163、(第1のセグメントの長手方向軸A〜A’周囲を反時計方向に旋回する)10個の横方向縁部166a〜j、及び(第1のセグメントの長手方向軸A〜A’周囲を反時計方向に旋回する)10個の長手方向縁部168a〜jを備える。第2のセグメント170は、正方形の横断面を備えてもよい。第2のセグメント170は、横方向表面171、4つの長手方向表面173、(第2のセグメントの長手方向軸A〜A’周囲を反時計方向に旋回する)4つの横方向縁部176a〜d、及び4つの長手方向縁部178a〜dを備える。第3のセグメント180は、十字形の横断面を備えてもよい。第3のセグメント180は、横方向表面181、12個の長手方向表面183、(第3のセグメントの長手方向軸A〜A’周囲を反時計方向に旋回する)12個の横方向縁部186a〜l、及び8つの長手方向縁部188a〜hを備える。器具150の横方向縁部166a〜j、176a〜d、及び186a〜l、並びに長手方向縁部168a〜e、178a〜d、及び188a〜hは、例えば、図7及び図8に示され、測定される先端半径等の先端半径(r)を備えてもよい。
【0042】
図9〜11に示される実施形態において、第1のセグメント160、第2のセグメント170、及び第3のセグメント180は、それぞれ、他のセグメントの横断面積とは異なる横断面積を有する。具体的には、第1のセグメントの横断面積は、第2及び第3のセグメントの横断面積よりも小さく、第2のセグメントの横断面積は、第3のセグメントの横断面積よりも小さく、要素150に層状構成を与える。第1、第2、及び/又は第3のセグメントの長手方向縁部は、長手方向軸に対して任意の角度(例えば、図5に示されるような角度α)で配向されてもよいことも理解される。角度αは、約30度未満、具体的には、約20度未満、より具体的には、約15度未満、より具体的には、約10度未満、更により具体的には、約5度未満、及び/又は約0度〜約90度、約15度〜約75度、具体的には、約30度〜約60度、より具体的には、約0度〜約45度、更により具体的には、約0度〜約30度、更により具体的には、約0度〜約15度、更に一層より具体的には、約0度〜約10度、又は更に一層より具体的には、約0度であってもよい。
【0043】
図10を参照すると、要素150は、長さ(L)を含む。長さ(L)は、約0.5mm〜約10mm、具体的には、約1.0mm〜約8mm、より具体的には、約2.0mm〜約7mm、又はより具体的には、約3.0mm〜約6mmを含んでもよい。一実施形態において、要素150の長さ(L)は、約4mmを含んでもよい。第1、第2、及び第3のセグメント160、170、及び180のそれぞれは、所望されるような任意の長さを含んでもよい。加えて、第1のセグメント60は、約0.06mm〜約1.0mmの第1のセグメント幅(W1)、約0.07mm〜約2.0mmのセグメント幅(W2)、及び約0.09mm〜約3.0mmの第3のセグメント幅(W3)を有してもよい。本明細書で使用される幅は、横断面に沿って最長寸法を含んでもよい。長さと同様に、要素150のセグメントは、所望されるような任意の幅を備えてもよい。
【0044】
口腔ケア器具は、それぞれの隣接した要素150の間に空隙部を備える、複数個の要素150の器具密度を含んでもよい。したがって、要素密度は、1つの要素150の中心点から隣接した要素150の中心点の間の距離を測定することにより測定されてもよい。ベース及び複数個の要素150は、要素150が互いから均等に離間されるように製造されてもよい。別の実施形態において、ベース及び複数個の要素150は、個別の要素がベースに沿って互いから不均等に分離されるように製造されてもよい。そのような実施形態において、要素密度は、それぞれの要素150の間の測定された距離の平均である。一実施形態において、ベースは、0.09mm〜約0.4mm、より具体的には、約0.1mm〜約3.0mm、又はより具体的には、約0.2mm〜約2mmの要素密度を有する。
【0045】
一実施形態において、要素150の横方向縁部(例えば、横方向縁部166a〜j、176a〜d、及び186a〜l)のうちの1つ以上は、微小縁部を備えてもよい。別の実施形態において、要素150の長手方向縁部168a〜e、178a〜d、及び188a〜hのうちの1つ以上は、微小縁部を備えてもよい。更に別の実施形態において、要素150は、横方向縁部166a〜j、176a〜d、及び186a〜l、並びに長手方向縁部168a〜e、178a〜d、及び188a〜hを備えてもよく、旋回した縁部のうちの少なくとも1つ及び長手方向縁部のうちの少なくとも1つは、微小縁部、縁部、又はこれらの組み合わせである。
【0046】
口腔ケア器具(例えば、図1の口腔ケア器具1)は、例えば、要素150等の複数個の要素、若しくは例えば、要素50等の要素の組み合わせ、又は他の従来の若しくは未開発の要素を備えてもよい。本明細書に示され、説明される要素(例えば、10、50、150、2050)及びベース(例えば、20、100、2100)のいくつかの例は、様々な材料、具体的には、例えば、口腔ケア剛毛、可撓性要素等に使用される材料等の口腔ケア適用に用いられる材料から製造されてもよい。一実施形態において、要素(例えば、10、50、150、2050)は、減少した磨耗での洗浄強化のために、適合した材料から製造される。ベース(例えば、20、100、2100)は、所望の特性に応じて、要素として同一の材料又は異なる材料から製造されてもよい。同様に、要素及び/若しくはベースの製造に使用される材料は、単一の基材材料、複合材料、複数の薄層からなる構造、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0047】
本明細書に示され、説明される実施形態のうちの1つ以上において、要素(例えば、10、50、150、2050)及び/又はベース(例えば、20、100、2100)に使用される材料は、熱可塑性エラストマー、ゴム、可撓性複合物、並びにこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない可撓性(若しくは適合した)材料を備えてもよい。ある実施形態において、複数個の要素(例えば、10、50、150、2050)及び/又はベース(例えば、20、100、2100)のうちの1つ以上は、熱可塑性若しくは架橋材料(熱硬化性材料)から形成されてもよい。
【0048】
好適なエラストマー材料の例として、1つ以上のスチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン、シリコーン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルポリエステル、又はこれら及び他のエラストマーの混合物が挙げられる。本明細書に記載のいずれのエラストマー材料も、1つ以上の充填剤を含むことができる。例えば、充填剤は、油、例えば、鉱油、研磨剤、粘着付与剤、可塑剤、又はこれら及び更に他の物質の混合物であってもよく、あるいはそれらを含んでもよい。例として、複数個の要素(例えば、10、50、150、2050)及び/又はベース(例えば、20、100、2100)のうちの1つ以上に使用されてもよい材料は、約8ショアA〜約75ショアD、更なる例として、約35ショアA〜約55ショアDのショア硬度を有する可撓性材料を備えてもよい。
【0049】
理論に制限されるものではないが、材料硬度は、洗浄要素が移動する程度(例えば、捻れ、屈曲、及び/又は他の変形)、及び口腔ケア器具に提供される駆動運動によるこの運動の有意性の程度を操作するために、洗浄要素の所望の剛性/可撓性と高度に相関すると考えられ、特定するために使用されてもよい。エラストマー材料は、要素(例えば、要素10、50、150、2050)が、捻れ、屈曲し、並びにさもなければ変形することを可能にし、要素の洗浄縁部(例えば、横方向及び長手方向縁部)に、歯間部を含む歯群の表面の様々な位置での歯垢及びくずへのアクセスを提供する。(例えば、図24A〜Fを参照されたい)。本明細書で説明されるように、要素に使用される材料は、1つ以上の要素が歯群に接触することができるように、捻れ、屈曲し、及び変形するのに十分可撓性であってもよい。しかしながら、ある特定の実施形態において、要素が可撓性すぎる場合、それは、仮にそうであったとしても、歯垢及びくずを口腔表面から効果的に除去する剛性、具体的には、その縁部を欠く。したがって、いくつかの実施形態では、材料の硬度は同様に、要素の洗浄縁部(例えば、横方向及び/若しくは長手方向縁部)が歯の表面への歯垢又はくずの接着を克服することができる程度に、要素の剛性/可撓性が十分及び/若しくは適切であるように構成されてもよい。したがって、本明細書に示され、説明される実施形態のいくつかは、2つの競合する因子の間のそのような平衡を提供する。
【0050】
一実施形態において、材料は、Dow Chemical Company(4520 Ashman Street,Midland,Michigan 48642)から市販されているペレセン2363を含むが、これに限定されない熱可塑性エラストマーを備えてもよい。別の実施形態において、要素及び/又はベースに使用される適合した及び/又は可撓性の材料は、以下の材料特性を有してもよい:約55ショアA〜約55ショアDの硬度(ジュロ硬度)、要素縁部が歯垢の表面上を摺動するというよりはむしろ、歯垢と歯の表面との間の接着境界を係合するのに十分であり得る湿潤な口腔環境において摩擦を引き起こすための約0.05を超える、具体的には、約0.1を超える、より具体的には、約0.5以上の湿潤摩擦、約500Nm−1×104を超える、より具体的には、約600Nm−1×104を超える、更により具体的には、約700Nm−1×104を超える、更により具体的には、約727Nm−1×104の表面圧力(接触角度)、及び約0.05g/cm3〜約3.0g/cm3、約0.5g/cm3〜約2.0g/cm3、より具体的には、0.9g/cm3〜約1.2g/cm3の密度。本明細書に示され、説明される洗浄器具及びその複数個の要素の実施形態のうちの1つ以上は、取り除かれた歯垢及びくずを、唾液、水、及び/又は歯磨剤/歯垢/くず懸濁液若しくはスラリーでの表面の濡れ及び/又は毛管現象の助けの下、洗浄部位から移送することができるように構成される。
【0051】
一実施形態において、要素(例えば、要素10、50、150、2050等)及びベース(例えば、ベース100、200等)は、水圧スクリューインジェクタ、加熱バレル、単一の空洞、水冷金型、当業者に既知の55トンの従来のプレス機とともに、1つの不可欠な部分として射出成形される。部分は、単一のショットサイクルで成形される。しかしながら、本プロセスは、より大きい圧力及び複数の空洞を伴って、1サイクル当たり2つ以上の部分を成形するよう適合されてもよい。
【0052】
複数個の要素(例えば、要素10、50、150)及びベース(例えば、ベース20、100)は、プラスチック射出成型、溶液流延法、微小射出成型、又はプラスチック押出プロセスが付与するようにはポリマー鎖の整列を付与せず、したがって押出エラストマー要素に見出される任意の他の従来の若しくは未開発の方法を含むが、これらに限定されない成型プロセス、具体的には、プラスチック成型プロセスを用いて製造されてもよい。射出成形された要素は、指向性が低く、様々な洗浄運動においてより大きな変形を可能にし、したがって洗浄要素により大きな自由度を提供し、歯間部を含む歯群の表面に沿った洗浄要素の縁部の歯垢へのより大きなアクセスを提供する。上で説明されるように、複数個の要素及びベースは、2つの別々の成型プロセスを用いて2つの別々の構成要素で製造されてもよく、あるいはそれらは、単一の不可欠なユニットを形成するために、1つの成型プロセスを用いて製造されてもよい。別の実施形態において、複数個の要素(例えば、10、50、150、2050)及び/又はベース(例えば、20、100、2100)は、押出材料、具体的には、押出ナイロンを備えなくてもよいが、そのような要素及び/又はベースを形成するために、プラスチック射出成形されたエラストマー材料からなるか、あるいはそれのみを備える。ナイロン及び押出プロセスは、材料(例えば、ナイロン)が本明細書で定義される微小縁部を形成するのに十分深く金型空洞の角部の中に流動することを可能にする。
【0053】
図12〜14を参照すると、プラスチック射出成型システム220の実施形態は、図解目的のみであり、制限なく、1つ以上の要素50及び/又はベース(例えば、ベース100)を成形するためのプラスチック射出成型機200と併せて示される。プラスチック射出成型システム220は、1つ以上の空洞金型板を備えてもよい。一実施形態において、プラスチック射出成型システム220は、第1の空洞金型板230、第2の空洞金型板240、第3の空洞金型板250、及び第4の空洞金型板260を備える。第1、第2、第3、及び第4の空洞金型板230、240、250、及び260それぞれは、それぞれ、複数個の要素50の対応の第1、第2、第3、及び第4のセグメント60、70、80、及び90を形成するためにその中に配置される、それぞれ、複数個の金型空洞232、242、252、及び262を備える。言い換えると、4つの空洞金型板(例えば、230、240、250、260)がともに組み立てられるときに、それらの対応の金型空洞(例えば、232、242、252、262)は、対応の金型空洞(例えば、それぞれ、金型空洞232、242、252、262)に対応するセグメント(例えば、セグメント60、70、80、90)を有する複数個の要素50を成形するために金型空洞を形成する。
【0054】
示されるように、要素50のセグメントのそれぞれの所望の横断面形状が三角形であるため、対応の金型空洞は、それぞれ、三角形である。複数個の金型空洞232、242、252、及び162は、対応のセグメント(例えば、セグメント60、70、80、90)をそれらの所望の寸法に形成するのに必要な内部容積を備える。金型システム220、すなわち、組み立てられた4つの空洞金型板230、240、250、及び260は、従来のプラスチック射出成型機200の中に位置付けられ、それに連結されるよう構成される。本実施形態において、プラスチック射出成型機200は、市販の従来のプラスチック射出成型機の任意の型を備えてもよい。プラスチック射出成型機200は、空洞側の金型板202及び芯側の金型板203を備えてもよい。芯側の金型板203は、外芯モジュール204及び内芯モジュール206を備えてもよい。
【0055】
図12に示されるように、第1の空洞金型板230は、それぞれ、第1及び第2の板表面231及び233を有する。同様に、第2の空洞金型板240は、それぞれ、第1及び第2の板表面241及び243を有し、第3の空洞金型板250は、それぞれ、第1及び第2の板表面251及び253を有する。第4の空洞金型板は、第1の板表面263を含んでもよい。図12及び図14に示されるように、空洞金型板が横方向に隣接した構成でともに組み立てられるとき、隣接した横方向の金型空洞板のそれぞれの対は、横方向交わり部を形成する。例えば、第1の金型空洞板230の第1の板表面231が、第2の金型空洞板240の第2の板表面243に対して隣接するとき、図14に示されるように、第2の横方向交わり部245が形成される。同様に、図14は、第3の横方向交わり部255が、第2の金型空洞板240の第1の板表面241と、第3の金型空洞板250の第2の板表面253との隣接部で形成され、第4の横方向交わり部265は、第3の金型空洞板250の第1の板表面251と、第4の金型空洞板260の第2の板表面263との隣接部で形成されることを示す。更に、第1の横方向交わり部235は、第2の板表面233と空洞側の金型板202の表面との間に、又は隣接部で形成されてもよい(図14)。
【0056】
理論に制限されるものではないが、プラスチック射出成型プロセス中に、プラスチックが複数個の金型空洞(例えば、複数個の組み立てられた金型空洞232、242、252、及び262)に注入されるときに、金型空洞内に含有される気体は、金型空洞板230、240、250、及び260の間の間隙を通って、すなわち、金型空洞板の間の横方向交わり部235、245、255、及び265で、金型空洞から退出及び/又は気体放出することを強いられるか、あるいは退出及び/又は気体放出させられると考えられる。図14に示される対応の横方向交わり部での金型空洞板230、240、250、及び260の間の間隙は、明確さのために強調されており、縮尺することも限定することも意図されていない。
【0057】
図14に示され、上で説明されるように、気体は、横方向交わり部235、245、255、及び265で退出及び/又は気体放出する場合もある。この場合もやはり、理論に制限されるものではないが、気体が、金型空洞板の間のこれらの横方向交わり部で、及びこれらの横方向交わり部に沿って、金型空洞から退出及び/又は気体放出するときに、気体は、これらの横方向交わり部235、245、255、及び265により形成される金型空洞の対応の角部の中にプラスチックを深く押す、及び/又は引くことが考えられる。その際、プラスチック射出成型プロセスは、2つの金型板の間の任意の交わり部で、及び任意の交わり部に沿って、微小縁部を形成することができる。図13及び図14に示されるように、金型システム220は、対応の横方向交わり部235、245、255、及び265で、微小縁部として横方向縁部66、76、86、及び96を形成する。本明細書で示され、定義されるそのような微小縁部を、従来の剛毛及び可撓性要素、具体的には、口腔ケアデバイスで使用される剛毛及び可撓性要素を形成するために使用される既知のプラスチック押出プロセスを用いて形成することはできない。
【0058】
更に、上で説明されるように、米国特許公開第2009/0007357号で示され、説明されるものを含むが、それらに限定されない従来のプラスチック射出成型プロセス及び金型口腔は、本明細書で示され、定義される微小縁部を形成及び/又は製造することはできない。米国特許公開第2009/0007357号が、可撓性要素上に鋭い縁部を形成するようなそのプラスチック射出成型プロセス及び金型口腔を説明するが、金型システムが、米国特許公開第2009/0007357号に示され、説明される鋭い縁部の先端半径よりも一桁小さい先端半径を含む、本明細書に示され、説明される微小縁部を製造することが意外にも見出された。
【0059】
長手方向縁部68a〜c、78a〜c、88a〜c、及び/若しくは98a〜cに沿って微小縁部を形成するために、空洞金型板230、240、250、260のうちの1つ以上は、複数個の長手方向空洞金型板に分割されてもよく、それぞれは、実施形態を参照して示され、下で説明される、金型空洞の列又は個別の金型空洞を形成してもよい。図15及び図16を参照すると、プラスチック射出成型システム220の別の実施形態が示される。プラスチック射出成型システム220は、第1の空洞金型板230、第2の空洞金型板240、第3の空洞金型板250、及び第4の空洞金型板260を備える。本実施形態において、第1の空洞金型板230は、複数個の長手方向空洞金型板230a〜230tを備えてもよく、それぞれの長手方向空洞金型板230a〜tは、例えば、第1の長手方向空洞金型板230aの第1の長手方向板表面231a及び第2の長手方向板表面233a、並びに第2の長手方向空洞金型板230bの第1の長手方向板表面231b及び第2の長手方向板表面233b等の2つの長手方向板表面を備える。第2の長手方向板表面233aが、図15Aに示されるように、第1の長手方向板表面231bに隣接するときに、この交わり部は、長手方向交わり部236を形成する。(図15Bも参照されたい)。それぞれの連続した長手方向金型板は、第1の長手方向空洞金型板230aに関して示され、説明される、それらの対応の長手方向交わり部236を形成する類似の第1及び第2の長手方向板表面を有する。加えて、それぞれの長手方向空洞金型板230a〜tは、複数個の要素50の第1のセグメント60を成形するために、金型空洞の列を形成する。
【0060】
第4の空洞金型板260は、複数個の長手方向空洞金型板260a〜tも備え、それぞれの長手方向空洞金型板260a〜tは、例えば、第1の長手方向空洞金型板260aの第1の長手方向板表面261a及び第2の長手方向板表面(263a)、並びに第2の長手方向板表面260bの第1の長手方向板表面261b及び第2の長手方向板表面(263b)等の2つの長手方向板表面を備える。図15A及び図15Bに示されるように、第2の長手方向板表面263aが第1の長手方向板表面261bに隣接するときに、この交わり部は、長手方向交わり部266を形成する。それぞれの連続した長手方向金型板は、第1の長手方向空洞金型板260aに関して示され、説明される、それらの対応の長手方向交わり部266を形成する類似の第1及び第2の長手方向板表面を有する。同様に、第1及び第2の長手方向末端部は、それぞれ、図15Aに示されるように、長手方向空洞金型板260a及び260tで対応の長手方向交わり部266を形成する板267a及び267bを成形する。加えて、それぞれの長手方向空洞金型板260a〜tは、複数個の要素50の第4のセグメント90を成形するために金型空洞262の列を形成する。本実施形態において、第2及び第3の空洞金型板240及び250は、それぞれ、第2及び第3のセグメント70及び80を成形するために、それぞれ、その中に複数個の金型空洞242及び252を備える、それぞれ単一の金型板である。
【0061】
第1の長手方向空洞金型板230a〜t、第2の空洞金型板240、第3の空洞金型板、及び第4の長手方向空洞金型板260a〜tは、ともに組み立てられ、従来のプラスチック射出成型機(例えば、図12に示されるプラスチック射出成型機200)内に位置付けられてもよい。ともに組み立てられるとき、第1の長手方向空洞金型板230a〜t、第2の空洞金型板240、第3の空洞金型板、及び第4の長手方向空洞金型板260a〜tは、対応の横方向交わり部を形成する。例えば、アセンブリとしての第1の長手方向空洞金型板230a〜tは、空洞側の金型板202と板230a〜t自身との間に第1の横方向交わり部235を形成する。第2の空洞金型板240と第1の長手方向空洞金型板230a〜tとの隣接部で、第2の横方向交わり部245が形成される。第2の空洞金型板240及び第3の空洞金型板250の隣接部は、第3の横方向交わり部255を形成する。同様に、第4の空洞金型板260a〜tと第3の空洞金型板250との隣接部は、第4の横方向交わり部265を形成する。空洞金型板230a〜t、240、250、及び260が、金型システム220を形成するためにともに組み立てられると、金型システム220は、(例えば、図12に示される成型機200に類似するか、あるいは同一の)従来のプラスチック射出成型機内に配置されるか、それに連結されてもよい。図示されないが、成型機は、第1の表面を有する空洞側の金型板(例えば、図12の空洞側の金型板202)を備える。
【0062】
理論に制限されるものではないが、プラスチックが、複数個の金型空洞(例えば、複数個の組み立てられた金型空洞232、242、252、及び262)に注入されるときに、金型空洞内に含有される気体は、金型板の間の(すなわち、それらの板の間の間隙を通る)任意の交わり部、例えば、長手方向交わり部236及び266並びに/又は横方向交わり部235、245、255、及び265等で、又はそれらに沿って、空洞金型板230a〜t、240、250、及び/又は260a〜tの間の金型空洞から退出及び/又は気体放出することを強いられるか、あるいは退出及び/又は気体放出させられると考えられる。この場合もやはり、理論に制限されるものではないが、気体が、横方向及び/又は長手方向交わり部で、及びその交わり部に沿って金型空洞から退出及び/又は気体放出するときに、気体は、金型空洞(例えば、図15Bに示される金型空洞角部262a及び262c)の角部の中にプラスチックを深く押し、及び/又は引く。その際、プラスチック射出成型プロセスは、任意の2つの金型板の間及び/又は任意の金型板と空洞側の金型板202との間の、横方向と長手方向の両方の任意の交わり部で、及びその交わり部に沿って、微小縁部を形成することができる。
【0063】
引き続き図15及び図16を参照すると、金型システム220は、対応の横方向交わり部235、245、255、265を用いて、微小縁部として、複数個の要素50の横方向縁部66、76、86、及び96を形成する加えて、金型システム220は、対応の長手方向空洞金型板230a〜tと260a〜tとの間の対応の長手方向交わり部236及び266を用いて、微小縁部として、複数個の要素50の長手方向縁部68b、68c、98a、及び98cを形成する。本実施形態において、微小縁部(例えば、横方向及び/又は長手方向微小縁部)を、従来の剛毛及び可撓性要素、具体的には、口腔ケアデバイスに使用される剛毛及び可撓性要素を形成するために使用されるプラスチック押出プロセスを用いて形成することはできない。
【0064】
上で説明されるように、本金型システム220は、従来のプラスチック射出成型機に挿入され、連結されてもよい。本金型システム220で構成されるように、追加の長手方向縁部が所望される場合、第2と第3の空洞金型板240及び250の両方は、それぞれ、第1及び第4の空洞金型板230a〜t及び260a〜tで見出され、示される長手方向空洞金型板に分割されてもよいことが理解される。
【0065】
図17〜19を参照すると、複数個の要素155を形成するためのプラスチック射出成型システム520の別の実施形態が示される。図18は、複数個の要素が備え得る要素155の1つを示す。プラスチック射出成型システム520は、複数個の金型空洞542a〜t、552a〜t、562a〜t、572a〜t、582a〜t、592a〜t、602a〜t、612a〜t、622a〜t、632a〜t、642a〜t、652a〜t、662a〜t、672a〜t、682a〜t、692a〜t、702a〜t、712a〜t、722a〜t、及び732a〜tを用いて要素155の第1のセグメント60を形成する第1の空洞金型板アセンブリ530、並びに複数個の金型空洞(図示されず)を用いて要素155の第2のセグメント70を形成する第2の空洞金型板(図示されず)を備える。簡潔さ並びに明確さのために、図17、図19A、及び図19Bは、金型システム520の第1の空洞金型板アセンブリ530のみを示す。加えて、図17、図19A、及び図19Bは、そのような空洞側の金型板202との第1の空洞金型板アセンブリ530の係合及び連結を示すために、従来のプラスチック射出成型機(例えば、図12に示される機械200)の空洞側の金型板202を示す。
【0066】
上の本明細書で説明される実施形態に示され、説明されるように、第1の空洞金型板アセンブリ530及び空洞側の金型板202は、図19Bに示されるように、第1の横方向交わり部535を形成してもよい。更に、理論に制限されるものではないが、第1の横方向交わり部535は、本実施形態に関して本明細書に示され、上述される横方向交わり部535として、複数個の金型空洞から退出及び/又は気体放出する気体により、図18に示される要素155の横方向縁部66に沿って微小縁部を形成してもよい。同様に、理論に制限されるものではないが、第2の横方向交わり部(図示されず)は、本実施形態に関して本明細書に示され、上述される横方向交わり部として、複数個の金型空洞から退出及び/又は気体放出する気体により、図18に示される要素155の横方向縁部76に沿って微小縁部形成するために、第1の空洞金型板アセンブリ530と第2の空洞金型板(図示されず)との間に形成されてもよい。第2の横方向交わり部は、第1及び第2のセグメント60及び70によって、両方のセグメントを形成する不可欠な金型空洞を有する単一及び/又は不可欠な金型板から除去されてもよいことが理解されるべきである。したがって、気体は、横方向縁部76を形成する金型空洞内の位置で退出及び/又は気体放出することができない。
【0067】
図17、図19A、及び図19Bに示されるように、第1の空洞金型板アセンブリ530は、複数個の個別の空洞金型板(例えば、空洞金型板540a〜t、550a〜t、560a〜t、570a〜t、580a〜t、590a〜t、600a〜t、610a〜t、620a〜t、630a〜t、640a〜t、650a〜t、660a〜t、670a〜t、680a〜t、690a〜t、700a〜t、710a〜t、720a〜t、及び730a〜t)、複数個の板セパレータ547a〜t、及び複数個の末端部板740a〜tを備えてもよい。空洞金型板及び板セパレータは、複数個の金型空洞を形成する。例えば、空洞金型板730a〜tを通って、空洞金型板540a〜t及び板セパレータ547aは、複数個の金型空洞542a〜tを形成し、空洞金型板550a〜t及び板セパレータ547bは、複数個の金型空洞552a〜tを形成し、空洞金型板560a〜t及び板セパレータ547cは、複数個の金型空洞562a〜tを形成する等があり、空洞金型板730a〜t及び板セパレータ547tは、複数個の金型空洞732a〜tを形成する。
【0068】
組み立てられるときに、空洞金型板(例えば、空洞金型板540a〜t、550a〜t、560a〜t、570a〜t、580a〜t、590a〜t、600a〜t、610a〜t、620a〜t、630a〜t、640a〜t、650a〜t、660a〜t、670a〜t、680a〜t、690a〜t、700a〜t、710a〜t、720a〜t、及び730a〜t)及び板セパレータ547a〜tは、空洞金型板と板セパレータとの間の複数個の第1及び第2の長手方向交わり部を形成する。例として、図19Bに示されるように、第1の長手方向交わり部737aは、空洞金型板730aと板セパレータ547tとの間に形成され、第2の長手方向交わり部736aは、空洞金型板730bと板セパレータ547tとの間に形成されてもよい。理論に制限されるものではないが、これらの2つの長手方向交わり部は、それぞれ、プラスチック射出成型プロセス中に、対応の交わり部を通って退出及び/又は気体放出する気体により、金型空洞732aの長手方向縁部68b及び68cに沿って微小縁部を形成してもよい。別の例として、図17、図19A、及び図19Bに示されるように、第1の長手方向交わり部737eは、空洞金型板730eと板セパレータ547tとの間に形成されてもよく、第2の長手方向交わり部736eは、空洞金型板730fと板セパレータ547tとの間に形成されてもよい。この場合もやはり、理論に制限されるものではないが、これらの2つの長手方向交わり部は、それぞれ、プラスチック射出成型プロセス中に、対応の交わり部を通って退出及び/又は気体放出する気体により、金型空洞732eの長手方向縁部68b及び68cに沿って微小縁部を形成してもよい。
【0069】
複数個の第3の長手方向交わり部は、隣接した空洞金型板540a〜t、550a〜t、560a〜t、570a〜t、580a〜t、590a〜t、600a〜t、610a〜t、620a〜t、630a〜t、640a〜t、650a〜t、660a〜t、670a〜t、680a〜t、690a〜t、700a〜t、710a〜t、720a〜t、及び730a〜tの間(すなわち、隣接部)に形成されてもよい。例として、第3の長手方向交わり部735aは、隣接した空洞金型板730aと730bとの間に形成されてもよい。この場合もやはり、理論に制限されるものではないが、この第3の長手方向交わり部735aは、プラスチック射出成型プロセス中に、この交わり部を通って退出及び/又は気体放出する気体により、金型空洞732aの長手方向縁部68aに沿って微小縁部を形成してもよい。別の例として、別の第3の長手方向交わり部は、隣接した空洞金型板730eと730fとの間に形成されてもよい。更に、理論に制限されるものではないが、この第3の長手方向交わり部735eは、プラスチック射出成型プロセス中に、この交わり部を通って退出及び/又は気体放出する気体により、金型空洞732eの長手方向縁部68aに沿って微小縁部を形成してもよい。
【0070】
この構成で、複数個の金型空洞542a〜t、552a〜t、562a〜t、572a〜t、582a〜t、592a〜t、602a〜t、612a〜t、622a〜t、632a〜t、642a〜t、652a〜t、662a〜t、672a〜t、682a〜t、692a〜t、702a〜t、712a〜t、722a〜t、及び732a〜tのそれぞれは、本明細書に示され、説明される微小縁部を備える3つの長手方向縁部68a、68b、及び68cの形成を可能にする、3つの長手方向交わり部(例えば、735e、736e、及び737e)を有する要素155のセグメントを形成してもよい。長手方向交わり部は、図17及び図19に示されるように、空洞金型板540a〜t、550a〜t、560a〜t、570a〜t、580a〜t、590a〜t、600a〜t、610a〜t、620a〜t、630a〜t、640a〜t、650a〜t、660a〜t、670a〜t、680a〜t、690a〜t、700a〜t、710a〜t、720a〜t、及び730a〜tと板セパレータ547a〜tとのそれぞれ及び全ての隣接部で、それぞれ及び全ての隣接した空洞金型板の間に形成されてもよいことが理解される。
【0071】
図17〜19に示される実施形態において、気体が、空洞金型板の間のこれらの横方向及び長手方向交わり部で、並びにこれらの横方向及び長手方向交わり部に沿って金型空洞から退出/気体放出するときに、気体は、角部の中にプラスチックを深く押し、及び/又は引く。その際、本金型システムの成型プロセスは、2つの空洞金型板及び/若しくはアセンブリの間、空洞金型板/アセンブリと板セパレータとの間、隣接した金型板の間、空洞金型板/アセンブリと成型機表面(例えば、空洞側の金型板202)との間、並びに/又はそれらの任意の組み合わせの間の横方向と長手方向の両方の任意の交わり部で、及び任意の交わり部に沿って微小縁部を形成することができる。
【0072】
セグメント60と70の両方の上に追加の長手方向縁部が所望されるとき、第2の空洞金型板730は、含まれる第1の空洞金型板として個別の空洞金型板に分割されてもよく、したがって、微小縁部として、横方向縁部66及び76、並びに長手方向縁部68a、68b、68c、78a、78b、及び78cを形成することが理解される。本金型システムは、空洞金型板層の数を加算又は減算することにより、要素50に対して任意の数のセグメントを成形するよう構成されてもよく、すなわち、4つのセグメントが所望される場合、金型システム520は、4つの空洞金型板を含むことも理解される。それぞれの空洞金型板層は、個別の空洞金型板、板セパレータ、及びここで示され、上述される他の構成要素、並びに他の関連した修正箇所を備えてもよいことも理解される。加えて、上に示され、説明される実施形態において、三角形の横断面が示されたが、要素のそれぞれのセグメントに対して異なる横断面形状を含む任意の横断面形状が使用されてもよい。
【0073】
図20及び図21を参照すると、プラスチック金型システム1020並びにそのようなプラスチック金型システム1020を用いて成形されてもよい要素1050の別の実施形態が示される。金型システム1020のいくつかの実施形態は、本明細書で示され、上述され、当業者に既知の従来のプラスチック射出成型機(例えば、図12に示される成型機200)とともに使用されてもよい。一実施形態において、金型システム1020は、例えば、図12〜14に示される金型システムの第1、第2、第3、及び第4の空洞金型板230、240、250、及び260等の、空洞金型板を長手方向軸B〜B’に対して垂直な配向で相互の上に位置付けさせるというよりはむしろ、長手方向軸B〜B’に沿った配向で並んで配置される複数個の空洞金型板(例えば、空洞金型板1080、1090、1100、1110、1120等)を備えてもよい。図20及び図21に示される構成において、金型システム1020は、空洞金型板(例えば、空洞金型板1080、1090、1100、1110、1120等)のそれぞれの間に長手方向交わり部(例えば、長手方向交わり部1081、1091、1101、1111等)を形成するであろう。図20に示されるように、金型板1080、1090、1100、1110、1120等は、複数個の金型空洞1082を用いて複数個の要素1050を成形するよう作動する。
【0074】
図20に示されるように、要素1050は、それぞれ、長手方向縁部1068a、1068b、及び1068cを備える。特に図21を参照すると、長手方向縁部1068aは、金型空洞1082の内側角部1083aにより形成される。したがって、理論に制限されるものではないが、長手方向縁部1068aは、この角部が金型板の間に交わり部を備えないため、金型空洞1082内の気体がこの内側角部1083aを通って退出及び/又は気体放出しない場合もあるという理由から、本明細書で定義される微小縁部でなくてもよい。長手方向縁部1068aは、非気体放出の縁部を備えてもよい。「非気体放出の」縁部は、プラスチック射出成型等の成型プロセスで使用される単一の空洞金型板、すなわち、単一の金型板の中の内側角部の中に形成される可撓性要素の縁部であり、したがって2つの金型板の交わり部に沿って形成されない縁部である。言い換えると、非気体放出の縁部は、2つの金型板の交わり部の間で、及び交わり部を通って気体放出することなく形成される縁部である。対照的に、長手方向縁部1068b及び1068cは、2つの空洞金型板(例えば、空洞金型板1080及び隣接した空洞金型板(図示されず))の間の長手方向交わり部により形成される金型空洞角部1083b及び1083cにより形成される。したがって、長手方向縁部1068b及び1068cは、ここで定義される微小縁部として形成されてもよい。
【0075】
一実施形態において、ペレセン2363樹脂から製造される複数個の洗浄要素及びベースユニットの成型サイクルは、華氏約380度〜華氏約410度のバレル温度、華氏約60度〜華氏約140度の金型温度、及び約1600バール〜約1800バールの射出圧力を備える。
【0076】
図22を参照すると、口腔ケアシステム2000の実施形態が示され、複数個の要素2050が、口腔(例えば、人間の口)内に配置される歯群2020及び/又は歯肉2010に係合するように、ベース2100、ベース2100から延在する複数個の可撓性エラストマー要素2050、並びに複数個の可撓性エラストマー要素2050及び/又はベース2100を駆動し、移動させ、及び/又は押すよう作動する駆動システムを有する口腔ケア器具2001を備えてもよい。一実施形態において、複数個の要素2050、ベース2100、及び駆動システムの少なくとも一部は、口腔に挿入し、口腔の隣接した歯群2020及び歯肉2010に位置付けられるよう構成される。口腔ケアシステム2000は、ハウジング2120を更に備えてもよい。ベース2100及び複数個の要素2050は、本明細書に示され、上述される実施形態のうちのいずれかを備えてもよい。
【0077】
図22に示されるように、駆動システムは、複数個の要素2050と反対側のベース2100の側面に位置付けられる袋2110を備えてもよい。袋2110は、流体を受容するためにリザーバ2112を備えてもよく、袋がリザーバ2112を充填するか、あるいは空にする流体に応じて拡張及び収縮するように可撓性であってもよい。袋が製造されてもよい可撓性材料の例は、天然ゴム及びブチル、ニトリル、スチレン−ブタジエン等の他のイオウ加硫性ゴム、シリコーン、エチレンプロピレン、及びエピクロロヒドリン等の飽和ゴム、並びにポリウレタン、ポリオレフィン、及びスチレンブロックコポリマー等の熱可塑性エラストマーを含んでもよいが、これらに限定されない。駆動システムはまた、流体源(図示されず)から流体を供給するためのポンプ2130、ポンプ2130を袋2110に連結させる導管2114、及び/又はポンプを駆動するためのモータ2140を備えてもよい。ポンプ2130、導管2114、及びモータ2140は、任意の従来の若しくは未開発のポンプ、導管、及び/又はモータ、具体的には、口腔ケアシステムに使用されるようなデバイスを備えてもよい。導管2114は、当業者に既知の剛性若しくは半剛性のパイプ又は可撓性ホースを備えてもよい。
【0078】
口腔ケアシステム2000は、水、空気、気体、これらの任意の組み合わせ、及び袋を駆動するよう作動する他の流体を含むが、それらに限定されない様々な既知又は未開発の流体を、流体源から袋2110にポンプ注入してもよい。供給源は、リザーバ、大気、圧縮気体タンク、又は任意の他の従来の流体供給であってもよい。モータ2140は、電気的(直流電力若しくは交流電力の両方)、磁気、燃料式、手動式、電気化学的、又はこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない従来の若しくは未開発のモータであってもよい。
【0079】
口腔ケアシステム2000は、ベース2100に連結されるか、あるいはそれに不可欠であるハウジング2120を備えてもよい。本実施形態において、袋2110は、ベース2100及びハウジング2120により少なくとも部分的に包囲される。ハウジング2120は、袋2110が流体で充填するリザーバ2112により拡張するときに、袋が矢印(A)で示される方向に拡張せざるを得ないような頑丈な構造を提供するために、半剛性若しくは剛性材料から製造されてもよい。ハウジング2120を製造するために使用される材料の例は、プラスチック、金属、複合物、及びこれらの組み合わせを含んでもよいが、それらに限定されない。ハウジングに使用されてもよいプラスチックの例は、ポリアセテートポリオレフィン、ポリアミド、及びポリ塩化ビニルを含んでもよいが、これらに限定されない。袋2110が方向(A)に拡張するときに、要素2050を歯群2020及び歯肉2010に係合させる(「衝突」)。駆動システムは、同様に、矢印(B)で示されるように、ベース2100及び/又は要素2050を歯群2020及び歯肉2010から離れて移動させるために逆転してもよい。したがって、ポンプ2130は、袋2110のリザーバ2112から流体を引き出してもよく、袋2110を収縮させ、したがって要素2050を歯群2020及び歯肉2010から離れて移動させる(「離昇」)。袋2110は、約0kPa〜約60kPa、具体的には、約10kPa〜約40kPa、又はより具体的には、約20kPaの圧力を備えてもよい。同様に、要素が歯群2020及び歯肉2010に印加する圧力は、約0kPa〜約60kPa、具体的には、約10kPa〜約40kPa、又はより具体的には、約20kPaを備えてもよい。
【0080】
駆動システムは、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサ等のコントローラに連結されてもよい。このコントローラは、モータ及び/又はポンプを制御するよう作動してもよく、したがって袋2110の中へ、及び袋2110から流体をポンプで送り出してもよく、矢印(A及びB)で示されるように、歯群に対する、及び歯群から離れての複数個の要素2050の往復行動を引き起こす。袋2110、したがって要素2050の往復運動(例えば、離昇と衝突の間)の頻度は、約1Hz〜約100Hz、より具体的には、約50Hz〜約90Hz、より具体的には、約65Hz〜約75Hz、又はより具体的には、約70Hzであってもよい。一実施形態において、複数個の要素2050は、歯群2020及び歯肉2010から約0mm〜約10mm、具体的には、約0mm〜約8mm、具体的には、約3mm〜約7mm、具体的には、約4mm〜約6mm、又はより具体的には、約0mm〜約5mmの距離を離れて移動してもよい(「離昇」)。同様に、器具2050は、歯群2020及び歯肉2010から約0mm〜約10mm、具体的には、約0mm〜約8mm、具体的には、約3mm〜約7mm、具体的には、約4mm〜約6mm、又はより具体的には、約0mm〜約5mmの距離で(「離昇」)歯群2020及び歯肉2010の方向に戻って駆動されてもよい(「衝突」)。
【0081】
別の実施形態において、駆動機構は、特に要素2050を異なる方向に駆動することが所望される場合に、袋2110のうちの2つ以上を備えてもよい。更に別の実施形態において、駆動機構は、矢印(C)で示されるように、複数個の要素2050を歯群2020及び歯肉2010に沿って、すなわち、形態及び(D)の中に、及びそこから出て、すなわち、矢印(C)に対して横方向に移動させてもよい。口腔ケアシステム2000及び1つ以上の駆動システムは、矢印(C)及び/若しくは(D)に沿った方向のうちの1つ以上に、約0mm〜約10mm、具体的には、約0mm〜約6mm、又は具体的には、約0mm〜約4mmの距離で要素2050を移動若しくは振動させてもよい。流体ポンプ及び袋の代わりに、駆動機構は、超音波駆動器、振動駆動器、発振駆動器、電動モータ、圧電作動装置、電歪作動装置、電磁作動装置、磁歪作動装置、音歪作動装置、光歪作動装置、及び化学歪作動装置を含むが、これらに限定されない様々な他の従来並びに未開発の駆動及び/又は作動システムを備えてもよい。
【0082】
別の実施形態において、図23に示される口腔ケア器具3001は、ハウジング3120に連結される第1の可撓性ベース3100aを有するハウジング3120、第1のベースから延在する第1の複数個の要素3050a、ハウジング3120に連結される第2の可撓性ベース3100b、第2のベースから延在する第2の複数個の要素3050b、及びその中にリザーバ3112を有する袋3110を備えてもよい。口腔ケア器具3001は、第1の複数個の要素3050a及び/又は第1のベース3100aが、上顎に沿って配置される歯群3020a及び/又は歯肉3010aの全て若しくは一部の部分を実質的に一致させ、及び/又は包囲するように、並びに第2の複数個の要素3050b及び/又は第2のベース3100bが、同時に、下顎に沿って配置される歯群3020b及び/又は歯肉3010bの全て若しくは一部の部分を実質的に一致させ、及び/又は包囲するように、口腔内に挿入され、実質的にU字形になるよう構成される。そのような構成において、口腔ケア器具3001は、上顎及び下顎の歯群3020a〜b並びに/若しくは歯肉3010a〜b、又はこれらの任意の組み合わせを同時に連続して洗浄するよう作動する。口腔ケア器具3001は、本明細書に示され、説明される口腔ケアシステム(例えば、口腔ケアシステム2000)のいくつかの実施形態を含むが、これらに限定されない任意の様々な口腔ケアシステムと併用されてもよいことが理解される。
【0083】
口腔ケアシステム(例えば、口腔ケアシステム2000)の実施形態のうちの1つ以上は、約15秒/歯の表面以下、より具体的には、約10秒/歯の表面以下、更により具体的には、約5秒/歯の表面以下の時間で、口腔組織(すなわち、歯群及び歯肉)を洗浄してもよい。
【0084】
理論に縛られるものではないが、本明細書に示され、説明される口腔ケアシステム(例えば、口腔ケアシステム2000)及び/又は口腔ケア器具(例えば、器具1、40、2001)の実施形態のうちの1つ以上は、従来の口腔ケア洗浄器具及びデバイスと比較して、歯間(間質)洗浄、すなわち、歯群及び隣接した歯群の間に配置される歯肉の洗浄を改善することが考えられる。歯群は、概して、互いから約1mm〜約1.5mm離れて位置付けられる。本明細書に示され、説明される実施形態のうちの1つ以上において、ベース(例えば、ベース20、100等)は、約6〜7個の要素が、隣接した歯群の間の間隙(例えば、歯群の間の約1mm〜1.5mmの空隙部)内に嵌合するように、離間した複数個の要素(例えば、先端密度)を備え、したがって、改善された歯間洗浄を提供する。
【0085】
例として、図24A〜Fは、上で説明される要素寸法(例えば、幅、長さ)及び口腔ケア器具の要素密度により改善された歯間洗浄を提供する可撓性洗浄要素を有するような口腔ケア器具を示す。図24A〜Fは、それぞれ、可撓性要素3050が、2つの歯群3081及び3082の間の歯間部3080の中に移動し、及び/又は押されるときの、三角形の横断面を有する可撓性要素3050の配列の順次構造を示す。複数個の可撓性要素の遠位端3052から近位端3054に向かった眺めの透視図が図24A及び図24Dに示され、複数個の可撓性要素3050が歯間部3080の中に移動し、歯間部3080内の歯群の表面に最初に係合する前及び係合するときの、歯間部3080に対する可撓性エラストマー要素3050の配向並びに位置の例を示すために、等角図が図24B及び図24Cに示される。
【0086】
上で説明されるように、理論に制限されるものではないが、口腔ケア器具の要素密度に加えて、可撓性要素の断面寸法及び形状、長さ、並びに/又は材料特性(例えば、材料の硬度、材料の湿り度等)、並びに/又は複数個の要素を駆動するために使用される運動の種類を、縁部、具体的には、微小縁部の係合、及び歯群の表面、具体的には、歯間部内の表面との接触応力を改善及び/又は最大化するために、可撓性要素の捻れ、屈曲、及び/若しくは他の変形運動を改善するよう利用及び最大化することができることが考えられる。図24E〜Fは、例として、可撓性要素及び口腔ケア器具特性のそのような組み合わせが、どのように歯群上の可撓性要素の縁部及び/又は表面の接触応力及び接触係合に影響を与えることができるかを示す。示されるように、そのような特性を調整及び制御する工程は、可撓性要素のうちの1つ以上が、歯間部3080内の歯群の表面に完全に係合するときに、可撓性要素の捻れ、屈曲、及び/又は変形の仕方にも影響を与える。
【0087】
図24Fは、歯群を視界から取り除いて、図24Eに示される遠位端3052から近位端3054に向かう眺めの説明図を提供する。図24Fに示されるように、複数個の可撓性要素3050のうちの1つ以上は、2つ以上の横方向縁部及び/又は1つ以上の長手方向縁部を歯間部3080の歯群の表面に係合させるように、捻れ、屈曲し、及び/又は変形する。1つ以上の横方向縁部3056及び/又は1つ以上の長手方向縁部3058は、本明細書に示され、定義される微小縁部を備えてもよいことが理解される。図24Eは、有限要素解析に基づいて、明暗法を用いて、可撓性要素のどの部分が歯間部内の歯群の表面に接触するかも示す。より濃い陰影部は、歯に対する要素の移動により、要素と歯群の表面との間の最高レベルの接触応力(図の説明においてCPRESS)を示す。示されるように、本例における構成は、それらの縁部に沿って増加した接触応力で歯群の表面に接触する複数の縁部(接触の形跡)を提供し、したがって、改善された歯間洗浄を提供する。
【0088】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0089】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性要素、具体的には、可撓性エラストマー要素を有する口腔ケアの洗浄器具、デバイス、及びシステム、並びにそれらを使用及び作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの技術革新が口腔ヘルスケアの分野にもたらされてきたが、歯の洗浄、歯のホワイトニング、並びに歯垢除去等の口腔及び歯の健康及び外観を改善することができる口腔ケア製品及び方法の継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に示されるいくつかの実施形態は、ベース及び複数個の可撓性エラストマー要素を備える口腔ケアシステム及び/又は口腔ケア器具、並びにそれらを使用及び作製する方法を対象とする。
【0004】
一実施形態は、口腔への挿入のために寸法決めされたベース部と、ベース部から延在する複数個の可撓性エラストマー要素を少なくとも部分的に含む口腔ケア器具を備えてもよく、複数個の可撓性エラストマー要素のそれぞれは、縁部を備え、縁部のうちの少なくとも1つは、微小縁部を備え、複数個の可撓性エラストマー要素は、約5mm未満の要素密度を備える。
【0005】
別の実施形態は、口腔への挿入のために寸法決めされたベース部と、ベース部から延在する複数個の可撓性エラストマー要素を少なくとも部分的に含む口腔ケア器具を備えてもよく、複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つは、第1の区分縁部及び第1の横断面積を有する第1の区分を備え、第2の区分は、複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つの可撓性エラストマー要素の長手方向軸に沿って、第1の区分に隣接して配置される。第2の区分は、第2の区分縁部と、第1の横断面積とは異なる第2の横断面積と、を含む。
【0006】
更に別の実施形態は、少なくとも部分的に、口腔への挿入のために寸法決めされたベース部であって、ベース壁と、口腔内で歯群を受容するためのチャネルを形成する、ベース壁に連結された2つの対向する側壁と、を有する、ベース部と、ベース部及び2つの対向する側壁からチャネルの中に延在する複数個の可撓性エラストマー要素と、を含む口腔ケア器具を備えてもよい。複数個の可撓性エラストマー要素のそれぞれは、縁部及び長手方向軸を備え、複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つは、第1の横断面積を有する第1の区分と、少なくとも1つの可撓性エラストマー要素の長手方向軸に沿って、第1の区分に隣接して配置される、第2の横断面積を有する第2の区分と、を備え、第2の横断面積は、第1の横断面積とは異なる。
【0007】
更に更なる別の実施形態は、可撓性エラストマー要素の微小縁部を形成する方法を含んでもよい。方法は、第1の金型板及び第1の金型板に隣接して位置付けられる第2の金型板により金型空洞を形成する工程と、第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、金型空洞の金型角部を形成する工程と、エラストマーを金型空洞の中に注入する工程と、交わり部により形成される金型角部に沿って微小縁部を形成するように、金型空洞内に含有される気体が、第1の金型板と第2の金型板との間の交わり部を通って気体放出することを可能にする工程と、を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明確に請求する請求項をもって結論とするが、本発明は、添付図面と併せてなされる次の説明からよりよく理解されるであろうと考える。
【図1A】口腔ケア器具の斜視図。
【図1B】図1Aの可撓性エラストマー要素の上平面図の詳細。
【図2A】可撓性エラストマー要素の別の実施形態の上平面図。
【図2B】可撓性エラストマー要素の別の実施形態の上平面図。
【図2C】可撓性エラストマー要素の別の実施形態の上平面図。
【図2D】可撓性エラストマー要素の別の実施形態の上平面図。
【図2E】可撓性エラストマー要素の別の実施形態の上平面図。
【図3】口腔ケア器具の別の実施形態の部分的斜視図。
【図4】図3の口腔ケア器具の可撓性エラストマー要素の斜視図。
【図5】図4の可撓性エラストマー要素の側面図。
【図6】図4の可撓性エラストマー要素の上平面図。
【図7】図5の可撓性エラストマー要素の上平面図の詳細。
【図8】図6の可撓性エラストマー要素の詳細。
【図9】可撓性エラストマー要素の別の実施形態の斜視図。
【図10】図9の可撓性エラストマー要素の側面図。
【図11】図9の可撓性エラストマー要素の上平面図。
【図12】金型機と組み合わせた金型システムの実施形態の分解組立斜視図。
【図13】図12の金型システムから製造された可撓性エラストマー要素の別の実施形態の斜視図。
【図14】図12の金型システムの部分的断面図。
【図15A】金型システムの別の実施形態の分解組立斜視図。
【図15B】図15Aの金型システムの部分的斜視図。
【図16】図15Aの金型システムから製造された可撓性エラストマー要素の別の実施形態の斜視図。
【図17】金型システムの別の実施形態の斜視図。
【図18】図17の金型システムから製造された可撓性エラストマー要素の別の実施形態の斜視図。
【図19A】図17の金型システムの詳細。
【図19B】図17の金型システムの詳細。
【図20】金型システムの別の実施形態の部分的斜視図。
【図21】図20の金型システムの空洞金型板の実施形態の部分的断面。
【図22】口腔ケアシステムの実施形態の略図。
【図23】口腔ケア器具の別の実施形態の略図。
【図24A】複数個の可撓性エラストマー要素の別の実施形態の上面斜視図の略図。
【図24B】歯間部内の任意の歯群の表面との係合の前に、口腔の歯間部の中に移動する、図24Aの複数個の可撓性エラストマー要素の等角図の略図。
【図24C】歯間部の中に移動し、係合する、図24Aの複数個の可撓性エラストマー要素の等角図の略図。
【図24D】複数個の可撓性エラストマー要素の初期の捻れ、屈曲、及び/又は変形を示す、図24Cの複数個の可撓性エラストマー要素の上面斜視図の略図。
【図24E】歯間部の中に更に移動し、係合する、図24Dの複数個の可撓性エラストマー要素の等角図の略図。
【図24F】複数個の可撓性エラストマー要素の捻れ、屈曲、及び/又は変形、並びに歯間部との係合による接触応力を示す、図24Eの複数個の可撓性エラストマー要素の上面斜視図の略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で使用するとき、「縁部」は、2つの表面が交差する線、又は表面が終了する境界である。
【0010】
「挙げられる」及びその変形は、一覧で「挙げられた」項目の詳細説明が、他の項目を除外しないという意味で、非限定的である。
【0011】
本明細書で使用するとき、「微小」縁部は、0.0254mm未満、具体的には、約0.02mm以下、より具体的には、約0.015mm以下、より具体的には、約0.01mm以下、より具体的には、約0.008mm以下、より具体的には、約0.0075mm以下、より具体的には、約0.007mm以下、より具体的には、約0.0065mm以下、より具体的には、約0.006mm以下、より具体的には、約0.0055mm以下、より具体的には、約0.005mm以下、より具体的には、約0.0045mm以下、より具体的には、約0.004mm以下、より具体的には、約0.0035mm以下、より具体的には、約0.003mm以下、より具体的には、約0.0025mm以下、より具体的には、約0.002mm以下、より具体的には、約0.0015mm以下、より具体的には、約0.001mm以下、及び/又は約0.0254mm〜約0.001mm、約0.02mm〜約0.001mm、具体的には、約0.015mm〜約0.0015mm、具体的には、約0.01mm〜約0.002mm、より具体的には、約0.009mm〜約0.0025mm、より具体的には、約0.0085mm〜約0.0025mm、及び/又はより具体的には、約0.008mm〜約0.0025mmの先端半径(r)を有するように製造される、本明細書で定義される縁部である。微小縁部の一例は、気体放出縁部を含む。本明細書で使用するとき、「気体放出される」縁部は、プラスチック射出成型等の成型プロセスで使用される金型空洞からの気体放出により、2つの空洞金型板の間(2つの空洞金型板の間の係合点)に形成される、本明細書で定義される縁部である。金型板は、要素(例えば、要素10)を形成する金型空洞の少なくとも一部を形成するために使用される。成型プロセスの間、金型空洞中の気体は、2つの金型板が相互に係合する部分(すなわち、2つの金型板の交わり部)に位置する間隙を通って、その間に気体放出し、したがって、材料(例えば、プラスチック)を、2つの金型板の交わり部により形成される金型空洞の角部の中に深く押し、及び/又は引く。プラスチックが気体放出プロセスにより金型空洞の角部を貫通するときに、それは、可撓性要素(例えば、要素10)に沿って、微小縁部(例えば、微小縁部18)を形成する。
【0012】
「口腔ケア組成物」又は「口腔用組成物」は、通常の使用過程において、口腔の活性を目的として、選択された歯の表面及び/又は口腔組織と接触させるために、口腔内に保持することができる製品を意味する。歯垢除去のための歯の洗浄に加え、口腔ケア組成物は、歯石の形成及び虫歯、歯周炎、歯肉炎などの疾患の予防、並びに口腔内の悪臭若しくは口臭及び染みの除去や予防を行うために用いられる場合がある。いくつかの口腔ケア製品の形態例は、練り歯磨き、歯磨剤、歯磨ゲル、歯肉縁下部用ゲル、フォーム、口内洗浄剤、義歯製品、口内スプレー、薬用キャンディー、咀しゃく錠又はチューインガム、及び任意の口腔硬組織又は口腔軟組織を含む口腔面への直接適用又は貼付用のストリップやフィルムである。
【0013】
本明細書で使用するとき、「口腔」は、人間の口及び/又は他の動物の口を含むが、それらに限定されない、本明細書で定義される口腔組織を含む空洞を意味する。
【0014】
本明細書で使用するとき、「口腔組織」は、歯群及び歯肉組織等の口腔内に配置される任意の硬組織又は軟組織を意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「口腔状態」及び「状態」という用語は、口腔内の歯垢、歯石、堆積物、う歯、バイオフィルム、軟組織異常、軟組織障害等に関して用いられる。
【0016】
「口腔で許容可能な添加剤」は、口腔ケア組成物への安全で有効な添加剤として、現在既知の又は以下で既知となる任意の添加剤を意味する。例として、フッ化物イオン源、抗結石又は抗歯石剤、減感剤、過酸化物源などの歯白色化剤、シリカなどの研磨剤、薬草剤、キレート化剤、緩衝剤、抗染み剤、アルカリ金属重炭酸塩類、増粘物質、保湿剤、水、界面活性剤、二酸化チタン、着香料系、甘味剤、キシリトール、着色剤、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない、口腔ケア組成物中の従来の添加剤が含まれる。
【0017】
本明細書で使用するとき、「歯垢(plaque)」及び「歯垢(dental plaque)」という用語は、歯群の上、歯肉組織、口腔硬組織、及び/又は口腔軟組織上に蓄積するバイオフィルムに関して用いられる。
【0018】
「歯垢細菌」は、歯垢の形成の原因となる細菌を意味する。
【0019】
「歯群」は、1本以上の天然歯群及び1本以上の人工歯群、又は1つ以上の歯科補綴物を指す。
【0020】
図1〜24を参照すると、可撓性要素(例えば、可撓性要素10、50、150、155等)、そのような要素を含む口腔ケア器具(例えば、器具1、20、2000等)のいくつかの実施形態、並びにそれらを作製及び使用する方法が示される。理論に制限されるものではないが、全てではないある特定の要素及び/又は口腔ケア器具特性の操作は、洗浄回数の減少、接触応力の増加、接触の形跡の増加、並びに歯垢除去を含むが、それらに限定されない口腔ケア洗浄の改善の利益を提供することが見出された。以下の可撓性要素の特性:寸法、断面形状、長さ、材料特性(例えば、硬度(ジュロ硬度)、表面摩擦等)、口腔ケア組織(例えば、歯群、歯肉等)からの距離、駆動運動(すなわち、口腔ケア組織の洗浄のために可撓性要素上で開始される運動)、並びに/又は縁部先端半径、数、位置、配向、及び硬度/剛性を含むが、それらに限定されない縁部特性のうちの1つ以上を、例えば、歯間部(すなわち、歯群の間)内の洗浄等の口腔ケア組織の驚くほどに改善された洗浄を提供するように操作するか、あるいは最大化させてもよい。加えて、そのような可撓性要素を含む口腔ケア器具に沿った可撓性要素の密度を、上で説明される可撓性要素特性のうちの1つ以上と併用されるときに、口腔ケア組織の改善又は最適化された洗浄を提供するように最大化させてもよいことが見出された。
【0021】
一例として、上で説明される要素及び/又は口腔ケア器具特性のうちの1つ以上を操作する工程は、接触の形跡(すなわち、洗浄運動中に、可撓性要素の縁部(洗浄縁部)が歯と接触する歯の表面に沿った経路)に衝突することが見出された。したがって、理論に制限されるものではないが、特性の正しい組み合わせで、口腔ケア要素の可撓性要素のうちの1つ以上の接触の形跡は、具体的には、歯間部内で、制御、改善、及び/又は増加される場合もあり、したがって例えば、改善された歯間洗浄等のそのような口腔ケア要素及び/又は器具の洗浄能力を改善することが見出された。
【0022】
この場合もやはり、理論に制限されるものではないが、口腔ケア器具の可撓性要素のうちの1つ以上の接触応力(すなわち、可撓性要素の縁部と口腔ケア組織との間の接触面積で割った、縁部が口腔ケア組織と接触する部分において口腔ケア組織(歯又は歯肉)の表面に対して垂直である可撓性要素の印加された抵抗力の構成要素)を、要素の縁部先端半径、長さ、隣接した要素(要素密度)を有する空隙部、硬度(ジュロ硬度)、並びに/又は表面摩擦を操作することにより、制御し、改善し、及び/若しくは増加させてもよいことが見出された。改善された洗浄縁部/要素の構成は、特定の洗浄運動において、大きな接触の形跡(歯の表面積)上に高い接触応力を生み出すことができることが見出された。
【0023】
本明細書に示され、説明されるいくつかの実施形態は、そのような改善された口腔洗浄の利益を提供する可撓性要素及び/又は口腔ケア洗浄器具の例である。
【0024】
図1aを参照すると、ベース20及びベース20から延在する複数個の要素10をある程度備える、口腔ケア器具1の実施形態が示される。それぞれの要素10は、遠位端12、遠位端12の反対側の近位端14、長手方向軸A〜A’、及び長手方向軸A〜A’に対して垂直に配置される横方向表面16を備えてもよい。図1Aに示される要素10とは異なる横断面形状を有する要素において、縁部18は、横方向縁部であるというよりはむしろ、長手方向縁部、すなわち、長手方向軸A〜A’に沿って実質的に配置されることが理解される。示される実施形態において、ベース20及び複数個の要素10は、1つの統合ユニットとして製造される。ベース20及び複数個の要素10は、例えば、接着剤、節止め、音波溶接等の連結の従来の技術及び方法を用いてともに連結される2つの別々の構成要素であってもよいことが理解される。
【0025】
口腔ケア器具1は、それぞれの隣接した要素10の間に空隙部を備える、複数個の要素10の器具密度を備えてもよい。したがって、要素密度は、1つの要素10の中心点と隣接した要素10の中心点との間の距離(d)を測定することにより測定されてもよい。ベース20及び複数個の要素10は、要素10が互いから均等に離間されるように製造されてもよい。別の実施形態において、ベース20及び複数個の要素10は、個別の要素がベース20に沿って互いから不均等に分離されるように製造されてもよい。そのような実施形態において、要素密度は、それぞれの要素10の間の測定された距離の平均である。一実施形態において、ベース20は、約0.05mm〜約5.0mm、より具体的には、約0.1mm〜約3.0mm、又はより具体的には、約0.1〜約2mmの要素密度を有する。ベース20は、円形を有するとして図1Aに示されるが、ベース20は、多角形、楕円形、U字形、チャネルを形成するU字形、並びに口腔の中に挿入し、複数個の剛毛がその中で口腔組織に係合することを可能にするよう作動する他の構成を含むが、それらに限定されない、他の構成、寸法、及び形状を備えてもよいことが理解される。
【0026】
図1Aは、近位端14から遠位端12まで一定のままである横断面積を有するそれぞれの要素10を示す。別の実施形態において、それぞれの要素10は、近位端14から遠位端12の長手方向軸A〜A’に向かって内側に先細になってもよい。したがって、近位端14における長手方向軸A〜A’に対して垂直の要素10の断面積(「横断面積」)は、遠位端12における横断面積より大きい。あるいは、それぞれの要素10は、近位端14から遠位端12の長手方向軸A〜A’から離れて外側に先細になってもよい。したがって、近位端14における要素10の横断面積は、遠位端12における横断面積よりも小さい。更に別の実施形態において、口腔ケア器具1は、一定の横断面、内側に先細になった横断面、外側に先細になった横断面、又はこれらの任意の組み合わせを有する複数個の要素を備えてもよい。
【0027】
図1Aに示されるように、複数個の要素10は、円形の横断面を有する。したがって、図1Aに示される要素10は、長手方向軸A〜A’に対して垂直である1つ縁部18(「横方向縁部」)のみを備える。縁部18は、横方向表面16及び側面15の交わり部に配置される。図1Bは、先端半径(r)を有する縁部18を示す。一実施形態において、複数個の要素10のうちの1つ以上は、縁部18が微小縁部であるように、以下の本明細書で説明されるプラスチック射出法及び金型システムを用いて製造されてもよく、微小縁部は、上の本明細書で定義される先端半径(r)を有する。本明細書に示され、説明される方法及び金型システムが発見されるまで、エラストマー材料等のプラスチックを、本明細書で定義される微小縁部を製造するのに十分な金型空洞角部の中に射出成形するのは不可能であった。
【0028】
別の実施形態において、縁部18は、任意の従来の値を有する先端半径(r)を備えてもよい。更に別の実施形態において、縁部18は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2009/0007357号に示され、説明される先端半径を備えてもよい。
【0029】
他の実施形態において、要素10は、図1Aに示されるような円形、図2Aに示されるような卵形、楕円形、多角形(図示されず)、四面形(図示されず)、図2Bの正方形、矩形(図2B)、図2Cに示されるような星形、図2Dに示されるような十字形、図2Eに示されるような三角形、正弦波形(図示されず)、他の従来の形状構成、及び/又はこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない様々な形状、寸法、及び構成を有する横断面を備えてもよい。加えて、要素10は、例えば、図1Aに示されるような単一の連続横断面積を有してもよい。あるいは、要素は、1つ以上のセグメントを含んでもよく、それぞれのセグメントは、例えば、図3及び図9に示されるような異なる横断面積及び/又は形状を有してもよい。要素の横断面の形状は、所望の縁部及び/又は平面の数に基づいて決定されてもよい。
【0030】
図2B、図2C、図2D、及び図2Eに示されるように、要素10は、長手方向軸A〜A’(「長手方向軸」)に沿って実質的に配置される、1つ以上の横方向縁部18及び1つ以上の縁部19を備えてもよい。図2B、図2C、図2D、及び図2Eに示される代替実施形態において、要素10は、横方向縁部18、長手方向縁部19、又はその2つの組み合わせのうちの1つ以上が微小縁部を備え得るように製造されてもよく、微小縁部は、本明細書の上に定義される先端半径(r)を有する。あるいは、図2B、図2C、図2D、及び図2Eに示される実施形態において、要素10は、横方向縁部18、長手方向縁部19、又はその2つの組み合わせのうちの1つ以上が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2009/0007357号に示され、説明される従来の縁部先端半径を備え得るように製造されてもよい。同様に、図2B、図2C、図2D、及び図2Eに示される実施形態において、要素10は、横方向縁部18、長手方向縁部19、又はその2つの組み合わせのうちの1つ以上が、微小縁部と従来の縁部の両方のいくつかの組み合わせを含み得るように製造されてもよい。
【0031】
図3〜8を参照すると、口腔ケア器具40の別の実施形態が示される。口腔ケア器具40は、ベース100及びベース100から延在する複数個の要素50を備える要素50は、ベース100に連結される近位端54及び近位端と反対側の遠位端52を備える。示されるように、要素50は、4つのセグメント、すなわち、遠位端52での第1のセグメント60、遠位端52と反対側の第1のセグメント60の末端部に配置される第2のセグメント70、第1のセグメントと反対側の第2のセグメント70の末端部に配置される第3のセグメント80、及び第2のセグメントと反対側の第3のセグメント80の末端部に配置される第4のセグメント90を備えてもよい。要素50は、1つ、2つ、3つ、又は任意の他の数を含むが、それらに限定されない任意の数のセグメントを備えてもよいことが理解される。セグメントは、例えば、プラスチック射出成型プロセスを用いて一体的に形成される等のように、相互に不可欠であるように製造されてもよい。別の実施形態において、それぞれのセグメントは、後に溶接、接着剤、スナップ嵌合連結等を含むが、これらに限定されない従来の連結技術又はデバイスを用いて隣接したセグメントに取り付けられる別々の構成要素として製造されてもよい。
【0032】
示される実施形態において、ベース100及び複数個の要素50は、口腔ケア器具40を少なくとも部分的に形成するように1つの統合ユニットとして製造される。ベース100及び複数個の要素50は、例えば、接着剤、節止め、音波溶接等の連結の従来の技術及び方法を用いてともに連結される2つの別々の構成要素であってもよいことが理解される。
【0033】
特に図4、図5、及び図6を参照すると、この実施形態における要素50は、三角形の横断面を備える。したがって、第1のセグメント60は、横方向表面61、3つの長手方向表面63、横方向縁部66、第1の長手方向縁部68a、第2の長手方向縁部68b、及び第3の長手方向縁部68cを備える。更に、第2のセグメント70は、横方向表面71、3つの長手方向表面73、横方向縁部76、第1の長手方向縁部78a、第2の長手方向縁部78b、及び第3の長手方向縁部78cを備える。同様に、第3のセグメント80は、横方向表面81、3つの長手方向表面83、横方向縁部86、第1の長手方向縁部88a、第2の長手方向縁部88b、及び第3の長手方向縁部88cを備える。同様に、第4のセグメント90は、横方向表面91、3つの長手方向表面93、横方向縁部96、第1の長手方向縁部98a、第2の長手方向縁部98b、及び第3の長手方向縁部98cを備える。
【0034】
図7は、先端半径(r)を有する横方向縁部66を示す。横方向縁部76、86、及び96は、図7に示され、測定される先端半径も備えてもよい。一実施形態において、要素50は、本明細書の上に定義される微小縁部を備える、1つ以上の横方向縁部66、76、86、及び/又は96を含んでもよい。別の実施形態において、要素50は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2009/0007357号に示され、説明される従来の縁部先端半径を備え得る、1つ以上の横方向縁部66、76、86、及び/又は96を含んでもよい。口腔ケア器具40は、要素50のいずれも微小の横方向縁部を備えないか、あるいは全ての要素50が少なくとも1つの微小の横方向縁部を有するように製造されてもよいことが理解される。
【0035】
図8は、先端半径(r)を有する長手方向縁部88cを示す。長手方向縁部68a、68b、68c、78a、78b、78c、88a、88b、98a、98b、及び98cは、図8に示され、測定される先端半径(r)を備えてもよい。一実施形態において、要素50は、本明細書で定義される微小縁部を備える、1つ以上の長手方向縁部68a、68b、68c、78a、78b、78c、88a、88b、88c、98a、98b、及び/又は98cを備えてもよい。別の実施形態において、要素50は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2009/0007357号に示され、説明される従来の縁部先端半径を備える1つ以上の長手方向縁部68a、68b、68c、78a、78b、78c、88a、88b、88c、98a、98b、及び/又は98cを備えてもよい。口腔ケア器具40は、要素50のいずれも微小の長手方向縁部を備えないか、あるいは全ての要素50が少なくとも1つの微小の長手方向縁部を有するように製造されてもよいことが理解される。
【0036】
再び図5を参照すると、要素50は、長さ(L)を含む。長さ(L)は、約0.05mm〜約10mm、具体的には、約0.1mm〜約8mm、より具体的には、約1.0mm〜約7mm、又はより具体的には、約2.0mm〜約6mmを含んでもよい。一実施形態において、要素50の長さ(L)は、約4mmを含んでもよい。第1、第2、第3、及び第4のセグメント60、70、80、及び90のそれぞれは、所望されるような任意の長さを含んでもよい。加えて、第1のセグメント60は、約0.06〜約1.0mmの第1のセグメント幅(W1)、約0.07mm〜約2.0mmのセグメント幅(W2)、約0.09mm〜約3.0mmの第3のセグメント幅(W3)、及び0.1mm〜約4.0mmの第4の幅(W4)を有してもよい。
【0037】
長手方向表面63、73、83、及び93のうちの1つ以上は、想像上の垂直平面(例えば、図5に示される垂直平面M)に対して角度αで配向されてもよい。角度αは、約30度未満、具体的には、約20度未満、より具体的には、約15度未満、より具体的には、約10度未満、更により具体的には、約5度未満、及び/又は約0度〜約90度、約15度〜約75度、具体的には、約30度〜約60度、より具体的には、約0度〜約45度、更により具体的には、約0度〜約30度、更により具体的には、約0度〜約15度、更に一層より具体的には、約0度〜約10度、若しくは更に一層より具体的には、約1.5度であってもよい。
【0038】
口腔ケア器具40は、それぞれの隣接した要素50の間に空隙部を備える、複数個の要素50の要素密度を含んでもよい。したがって、要素密度は、1つの要素50の中心点と隣接した要素50の中心点との間の距離(d)を測定することにより測定されてもよい。ベース100及び複数個の要素50は、要素50が互いから均等に離間するように製造されてもよい。別の実施形態において、ベース100及び複数個の要素50は、個別の要素がベース100に沿って互いから不均等に分離するように製造されてもよい。そのような実施形態において、要素密度は、それぞれの要素50の間の測定された距離の平均である。一実施形態において、ベース100は、0.09mm〜約0.4mm、より具体的には、約0.1mm〜約3.0mm、又はより具体的には、約0.2mm〜約2mmの要素密度を有する。
【0039】
図9〜11を参照すると、口腔ケア器具(図示されないが、本明細書に示され、説明される口腔ケア器具、例えば、口腔ケア器具1、40と同一であるか、あるいは類似し得る)用の要素の別の実施形態は、150として示される。要素150は、近位端154及び近位端154と反対側の遠位端152であってもよい。本明細書に示され、説明される他の実施形態において、要素150は、ベース(図示されず)から延在してもよく、近位端154は、ベースと一体になるか、あるいはベースに連結される。他の実施形態においても同様に、複数個の要素150は、口腔ケア器具をある程度形成するように、ベースから延在してもよい。
【0040】
示されるように、要素150は、3つのセグメント、すなわち、遠位端152での第1のセグメント160、遠位端152と反対側の第1のセグメント160の末端部に配置される第2のセグメント170、第1のセグメント160と反対側の第2のセグメント170の末端部に配置される第3のセグメント180を備えてもよい。他の実施形態を参照して上で説明されるように、要素150は、任意の数のセグメントを備えてもよく、それぞれ、任意の数の形状、寸法、及び構成を有する。ベースとの要素の連結と同様に、セグメント(例えば、第1、第2、及び第3のセグメント160、170、及び180)は、セグメントが、例えば、プラスチック射出成型プロセスを用いて一体的に形成される等のように、相互に不可欠であるように製造されてもよい。別の実施形態において、それぞれのセグメントは、後に溶接、接着剤、節止め、スナップ嵌合連結等を含むが、これらに限定されない従来の連結技術又は方法を用いて隣接したセグメントに取り付けられる場合もある別々の構成要素として製造されてもよい。
【0041】
第1のセグメント160は、図9及び図11に示されるような星形の横断面を備えてもよい。第1のセグメント160は、横方向表面166、10個の長手方向表面163、(第1のセグメントの長手方向軸A〜A’周囲を反時計方向に旋回する)10個の横方向縁部166a〜j、及び(第1のセグメントの長手方向軸A〜A’周囲を反時計方向に旋回する)10個の長手方向縁部168a〜jを備える。第2のセグメント170は、正方形の横断面を備えてもよい。第2のセグメント170は、横方向表面171、4つの長手方向表面173、(第2のセグメントの長手方向軸A〜A’周囲を反時計方向に旋回する)4つの横方向縁部176a〜d、及び4つの長手方向縁部178a〜dを備える。第3のセグメント180は、十字形の横断面を備えてもよい。第3のセグメント180は、横方向表面181、12個の長手方向表面183、(第3のセグメントの長手方向軸A〜A’周囲を反時計方向に旋回する)12個の横方向縁部186a〜l、及び8つの長手方向縁部188a〜hを備える。器具150の横方向縁部166a〜j、176a〜d、及び186a〜l、並びに長手方向縁部168a〜e、178a〜d、及び188a〜hは、例えば、図7及び図8に示され、測定される先端半径等の先端半径(r)を備えてもよい。
【0042】
図9〜11に示される実施形態において、第1のセグメント160、第2のセグメント170、及び第3のセグメント180は、それぞれ、他のセグメントの横断面積とは異なる横断面積を有する。具体的には、第1のセグメントの横断面積は、第2及び第3のセグメントの横断面積よりも小さく、第2のセグメントの横断面積は、第3のセグメントの横断面積よりも小さく、要素150に層状構成を与える。第1、第2、及び/又は第3のセグメントの長手方向縁部は、長手方向軸に対して任意の角度(例えば、図5に示されるような角度α)で配向されてもよいことも理解される。角度αは、約30度未満、具体的には、約20度未満、より具体的には、約15度未満、より具体的には、約10度未満、更により具体的には、約5度未満、及び/又は約0度〜約90度、約15度〜約75度、具体的には、約30度〜約60度、より具体的には、約0度〜約45度、更により具体的には、約0度〜約30度、更により具体的には、約0度〜約15度、更に一層より具体的には、約0度〜約10度、又は更に一層より具体的には、約0度であってもよい。
【0043】
図10を参照すると、要素150は、長さ(L)を含む。長さ(L)は、約0.5mm〜約10mm、具体的には、約1.0mm〜約8mm、より具体的には、約2.0mm〜約7mm、又はより具体的には、約3.0mm〜約6mmを含んでもよい。一実施形態において、要素150の長さ(L)は、約4mmを含んでもよい。第1、第2、及び第3のセグメント160、170、及び180のそれぞれは、所望されるような任意の長さを含んでもよい。加えて、第1のセグメント60は、約0.06mm〜約1.0mmの第1のセグメント幅(W1)、約0.07mm〜約2.0mmのセグメント幅(W2)、及び約0.09mm〜約3.0mmの第3のセグメント幅(W3)を有してもよい。本明細書で使用される幅は、横断面に沿って最長寸法を含んでもよい。長さと同様に、要素150のセグメントは、所望されるような任意の幅を備えてもよい。
【0044】
口腔ケア器具は、それぞれの隣接した要素150の間に空隙部を備える、複数個の要素150の器具密度を含んでもよい。したがって、要素密度は、1つの要素150の中心点から隣接した要素150の中心点の間の距離を測定することにより測定されてもよい。ベース及び複数個の要素150は、要素150が互いから均等に離間されるように製造されてもよい。別の実施形態において、ベース及び複数個の要素150は、個別の要素がベースに沿って互いから不均等に分離されるように製造されてもよい。そのような実施形態において、要素密度は、それぞれの要素150の間の測定された距離の平均である。一実施形態において、ベースは、0.09mm〜約0.4mm、より具体的には、約0.1mm〜約3.0mm、又はより具体的には、約0.2mm〜約2mmの要素密度を有する。
【0045】
一実施形態において、要素150の横方向縁部(例えば、横方向縁部166a〜j、176a〜d、及び186a〜l)のうちの1つ以上は、微小縁部を備えてもよい。別の実施形態において、要素150の長手方向縁部168a〜e、178a〜d、及び188a〜hのうちの1つ以上は、微小縁部を備えてもよい。更に別の実施形態において、要素150は、横方向縁部166a〜j、176a〜d、及び186a〜l、並びに長手方向縁部168a〜e、178a〜d、及び188a〜hを備えてもよく、旋回した縁部のうちの少なくとも1つ及び長手方向縁部のうちの少なくとも1つは、微小縁部、縁部、又はこれらの組み合わせである。
【0046】
口腔ケア器具(例えば、図1の口腔ケア器具1)は、例えば、要素150等の複数個の要素、若しくは例えば、要素50等の要素の組み合わせ、又は他の従来の若しくは未開発の要素を備えてもよい。本明細書に示され、説明される要素(例えば、10、50、150、2050)及びベース(例えば、20、100、2100)のいくつかの例は、様々な材料、具体的には、例えば、口腔ケア剛毛、可撓性要素等に使用される材料等の口腔ケア適用に用いられる材料から製造されてもよい。一実施形態において、要素(例えば、10、50、150、2050)は、減少した磨耗での洗浄強化のために、適合した材料から製造される。ベース(例えば、20、100、2100)は、所望の特性に応じて、要素として同一の材料又は異なる材料から製造されてもよい。同様に、要素及び/若しくはベースの製造に使用される材料は、単一の基材材料、複合材料、複数の薄層からなる構造、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0047】
本明細書に示され、説明される実施形態のうちの1つ以上において、要素(例えば、10、50、150、2050)及び/又はベース(例えば、20、100、2100)に使用される材料は、熱可塑性エラストマー、ゴム、可撓性複合物、並びにこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない可撓性(若しくは適合した)材料を備えてもよい。ある実施形態において、複数個の要素(例えば、10、50、150、2050)及び/又はベース(例えば、20、100、2100)のうちの1つ以上は、熱可塑性若しくは架橋材料(熱硬化性材料)から形成されてもよい。
【0048】
好適なエラストマー材料の例として、1つ以上のスチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン、シリコーン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルポリエステル、又はこれら及び他のエラストマーの混合物が挙げられる。本明細書に記載のいずれのエラストマー材料も、1つ以上の充填剤を含むことができる。例えば、充填剤は、油、例えば、鉱油、研磨剤、粘着付与剤、可塑剤、又はこれら及び更に他の物質の混合物であってもよく、あるいはそれらを含んでもよい。例として、複数個の要素(例えば、10、50、150、2050)及び/又はベース(例えば、20、100、2100)のうちの1つ以上に使用されてもよい材料は、約8ショアA〜約75ショアD、更なる例として、約35ショアA〜約55ショアDのショア硬度を有する可撓性材料を備えてもよい。
【0049】
理論に制限されるものではないが、材料硬度は、洗浄要素が移動する程度(例えば、捻れ、屈曲、及び/又は他の変形)、及び口腔ケア器具に提供される駆動運動によるこの運動の有意性の程度を操作するために、洗浄要素の所望の剛性/可撓性と高度に相関すると考えられ、特定するために使用されてもよい。エラストマー材料は、要素(例えば、要素10、50、150、2050)が、捻れ、屈曲し、並びにさもなければ変形することを可能にし、要素の洗浄縁部(例えば、横方向及び長手方向縁部)に、歯間部を含む歯群の表面の様々な位置での歯垢及びくずへのアクセスを提供する。(例えば、図24A〜Fを参照されたい)。本明細書で説明されるように、要素に使用される材料は、1つ以上の要素が歯群に接触することができるように、捻れ、屈曲し、及び変形するのに十分可撓性であってもよい。しかしながら、ある特定の実施形態において、要素が可撓性すぎる場合、それは、仮にそうであったとしても、歯垢及びくずを口腔表面から効果的に除去する剛性、具体的には、その縁部を欠く。したがって、いくつかの実施形態では、材料の硬度は同様に、要素の洗浄縁部(例えば、横方向及び/若しくは長手方向縁部)が歯の表面への歯垢又はくずの接着を克服することができる程度に、要素の剛性/可撓性が十分及び/若しくは適切であるように構成されてもよい。したがって、本明細書に示され、説明される実施形態のいくつかは、2つの競合する因子の間のそのような平衡を提供する。
【0050】
一実施形態において、材料は、Dow Chemical Company(4520 Ashman Street,Midland,Michigan 48642)から市販されているペレセン2363を含むが、これに限定されない熱可塑性エラストマーを備えてもよい。別の実施形態において、要素及び/又はベースに使用される適合した及び/又は可撓性の材料は、以下の材料特性を有してもよい:約55ショアA〜約55ショアDの硬度(ジュロ硬度)、要素縁部が歯垢の表面上を摺動するというよりはむしろ、歯垢と歯の表面との間の接着境界を係合するのに十分であり得る湿潤な口腔環境において摩擦を引き起こすための約0.05を超える、具体的には、約0.1を超える、より具体的には、約0.5以上の湿潤摩擦、約500Nm−1×104を超える、より具体的には、約600Nm−1×104を超える、更により具体的には、約700Nm−1×104を超える、更により具体的には、約727Nm−1×104の表面圧力(接触角度)、及び約0.05g/cm3〜約3.0g/cm3、約0.5g/cm3〜約2.0g/cm3、より具体的には、0.9g/cm3〜約1.2g/cm3の密度。本明細書に示され、説明される洗浄器具及びその複数個の要素の実施形態のうちの1つ以上は、取り除かれた歯垢及びくずを、唾液、水、及び/又は歯磨剤/歯垢/くず懸濁液若しくはスラリーでの表面の濡れ及び/又は毛管現象の助けの下、洗浄部位から移送することができるように構成される。
【0051】
一実施形態において、要素(例えば、要素10、50、150、2050等)及びベース(例えば、ベース100、200等)は、水圧スクリューインジェクタ、加熱バレル、単一の空洞、水冷金型、当業者に既知の55トンの従来のプレス機とともに、1つの不可欠な部分として射出成形される。部分は、単一のショットサイクルで成形される。しかしながら、本プロセスは、より大きい圧力及び複数の空洞を伴って、1サイクル当たり2つ以上の部分を成形するよう適合されてもよい。
【0052】
複数個の要素(例えば、要素10、50、150)及びベース(例えば、ベース20、100)は、プラスチック射出成型、溶液流延法、微小射出成型、又はプラスチック押出プロセスが付与するようにはポリマー鎖の整列を付与せず、したがって押出エラストマー要素に見出される任意の他の従来の若しくは未開発の方法を含むが、これらに限定されない成型プロセス、具体的には、プラスチック成型プロセスを用いて製造されてもよい。射出成形された要素は、指向性が低く、様々な洗浄運動においてより大きな変形を可能にし、したがって洗浄要素により大きな自由度を提供し、歯間部を含む歯群の表面に沿った洗浄要素の縁部の歯垢へのより大きなアクセスを提供する。上で説明されるように、複数個の要素及びベースは、2つの別々の成型プロセスを用いて2つの別々の構成要素で製造されてもよく、あるいはそれらは、単一の不可欠なユニットを形成するために、1つの成型プロセスを用いて製造されてもよい。別の実施形態において、複数個の要素(例えば、10、50、150、2050)及び/又はベース(例えば、20、100、2100)は、押出材料、具体的には、押出ナイロンを備えなくてもよいが、そのような要素及び/又はベースを形成するために、プラスチック射出成形されたエラストマー材料からなるか、あるいはそれのみを備える。ナイロン及び押出プロセスは、材料(例えば、ナイロン)が本明細書で定義される微小縁部を形成するのに十分深く金型空洞の角部の中に流動することを可能にする。
【0053】
図12〜14を参照すると、プラスチック射出成型システム220の実施形態は、図解目的のみであり、制限なく、1つ以上の要素50及び/又はベース(例えば、ベース100)を成形するためのプラスチック射出成型機200と併せて示される。プラスチック射出成型システム220は、1つ以上の空洞金型板を備えてもよい。一実施形態において、プラスチック射出成型システム220は、第1の空洞金型板230、第2の空洞金型板240、第3の空洞金型板250、及び第4の空洞金型板260を備える。第1、第2、第3、及び第4の空洞金型板230、240、250、及び260それぞれは、それぞれ、複数個の要素50の対応の第1、第2、第3、及び第4のセグメント60、70、80、及び90を形成するためにその中に配置される、それぞれ、複数個の金型空洞232、242、252、及び262を備える。言い換えると、4つの空洞金型板(例えば、230、240、250、260)がともに組み立てられるときに、それらの対応の金型空洞(例えば、232、242、252、262)は、対応の金型空洞(例えば、それぞれ、金型空洞232、242、252、262)に対応するセグメント(例えば、セグメント60、70、80、90)を有する複数個の要素50を成形するために金型空洞を形成する。
【0054】
示されるように、要素50のセグメントのそれぞれの所望の横断面形状が三角形であるため、対応の金型空洞は、それぞれ、三角形である。複数個の金型空洞232、242、252、及び162は、対応のセグメント(例えば、セグメント60、70、80、90)をそれらの所望の寸法に形成するのに必要な内部容積を備える。金型システム220、すなわち、組み立てられた4つの空洞金型板230、240、250、及び260は、従来のプラスチック射出成型機200の中に位置付けられ、それに連結されるよう構成される。本実施形態において、プラスチック射出成型機200は、市販の従来のプラスチック射出成型機の任意の型を備えてもよい。プラスチック射出成型機200は、空洞側の金型板202及び芯側の金型板203を備えてもよい。芯側の金型板203は、外芯モジュール204及び内芯モジュール206を備えてもよい。
【0055】
図12に示されるように、第1の空洞金型板230は、それぞれ、第1及び第2の板表面231及び233を有する。同様に、第2の空洞金型板240は、それぞれ、第1及び第2の板表面241及び243を有し、第3の空洞金型板250は、それぞれ、第1及び第2の板表面251及び253を有する。第4の空洞金型板は、第1の板表面263を含んでもよい。図12及び図14に示されるように、空洞金型板が横方向に隣接した構成でともに組み立てられるとき、隣接した横方向の金型空洞板のそれぞれの対は、横方向交わり部を形成する。例えば、第1の金型空洞板230の第1の板表面231が、第2の金型空洞板240の第2の板表面243に対して隣接するとき、図14に示されるように、第2の横方向交わり部245が形成される。同様に、図14は、第3の横方向交わり部255が、第2の金型空洞板240の第1の板表面241と、第3の金型空洞板250の第2の板表面253との隣接部で形成され、第4の横方向交わり部265は、第3の金型空洞板250の第1の板表面251と、第4の金型空洞板260の第2の板表面263との隣接部で形成されることを示す。更に、第1の横方向交わり部235は、第2の板表面233と空洞側の金型板202の表面との間に、又は隣接部で形成されてもよい(図14)。
【0056】
理論に制限されるものではないが、プラスチック射出成型プロセス中に、プラスチックが複数個の金型空洞(例えば、複数個の組み立てられた金型空洞232、242、252、及び262)に注入されるときに、金型空洞内に含有される気体は、金型空洞板230、240、250、及び260の間の間隙を通って、すなわち、金型空洞板の間の横方向交わり部235、245、255、及び265で、金型空洞から退出及び/又は気体放出することを強いられるか、あるいは退出及び/又は気体放出させられると考えられる。図14に示される対応の横方向交わり部での金型空洞板230、240、250、及び260の間の間隙は、明確さのために強調されており、縮尺することも限定することも意図されていない。
【0057】
図14に示され、上で説明されるように、気体は、横方向交わり部235、245、255、及び265で退出及び/又は気体放出する場合もある。この場合もやはり、理論に制限されるものではないが、気体が、金型空洞板の間のこれらの横方向交わり部で、及びこれらの横方向交わり部に沿って、金型空洞から退出及び/又は気体放出するときに、気体は、これらの横方向交わり部235、245、255、及び265により形成される金型空洞の対応の角部の中にプラスチックを深く押す、及び/又は引くことが考えられる。その際、プラスチック射出成型プロセスは、2つの金型板の間の任意の交わり部で、及び任意の交わり部に沿って、微小縁部を形成することができる。図13及び図14に示されるように、金型システム220は、対応の横方向交わり部235、245、255、及び265で、微小縁部として横方向縁部66、76、86、及び96を形成する。本明細書で示され、定義されるそのような微小縁部を、従来の剛毛及び可撓性要素、具体的には、口腔ケアデバイスで使用される剛毛及び可撓性要素を形成するために使用される既知のプラスチック押出プロセスを用いて形成することはできない。
【0058】
更に、上で説明されるように、米国特許公開第2009/0007357号で示され、説明されるものを含むが、それらに限定されない従来のプラスチック射出成型プロセス及び金型口腔は、本明細書で示され、定義される微小縁部を形成及び/又は製造することはできない。米国特許公開第2009/0007357号が、可撓性要素上に鋭い縁部を形成するようなそのプラスチック射出成型プロセス及び金型口腔を説明するが、金型システムが、米国特許公開第2009/0007357号に示され、説明される鋭い縁部の先端半径よりも一桁小さい先端半径を含む、本明細書に示され、説明される微小縁部を製造することが意外にも見出された。
【0059】
長手方向縁部68a〜c、78a〜c、88a〜c、及び/若しくは98a〜cに沿って微小縁部を形成するために、空洞金型板230、240、250、260のうちの1つ以上は、複数個の長手方向空洞金型板に分割されてもよく、それぞれは、実施形態を参照して示され、下で説明される、金型空洞の列又は個別の金型空洞を形成してもよい。図15及び図16を参照すると、プラスチック射出成型システム220の別の実施形態が示される。プラスチック射出成型システム220は、第1の空洞金型板230、第2の空洞金型板240、第3の空洞金型板250、及び第4の空洞金型板260を備える。本実施形態において、第1の空洞金型板230は、複数個の長手方向空洞金型板230a〜230tを備えてもよく、それぞれの長手方向空洞金型板230a〜tは、例えば、第1の長手方向空洞金型板230aの第1の長手方向板表面231a及び第2の長手方向板表面233a、並びに第2の長手方向空洞金型板230bの第1の長手方向板表面231b及び第2の長手方向板表面233b等の2つの長手方向板表面を備える。第2の長手方向板表面233aが、図15Aに示されるように、第1の長手方向板表面231bに隣接するときに、この交わり部は、長手方向交わり部236を形成する。(図15Bも参照されたい)。それぞれの連続した長手方向金型板は、第1の長手方向空洞金型板230aに関して示され、説明される、それらの対応の長手方向交わり部236を形成する類似の第1及び第2の長手方向板表面を有する。加えて、それぞれの長手方向空洞金型板230a〜tは、複数個の要素50の第1のセグメント60を成形するために、金型空洞の列を形成する。
【0060】
第4の空洞金型板260は、複数個の長手方向空洞金型板260a〜tも備え、それぞれの長手方向空洞金型板260a〜tは、例えば、第1の長手方向空洞金型板260aの第1の長手方向板表面261a及び第2の長手方向板表面(263a)、並びに第2の長手方向板表面260bの第1の長手方向板表面261b及び第2の長手方向板表面(263b)等の2つの長手方向板表面を備える。図15A及び図15Bに示されるように、第2の長手方向板表面263aが第1の長手方向板表面261bに隣接するときに、この交わり部は、長手方向交わり部266を形成する。それぞれの連続した長手方向金型板は、第1の長手方向空洞金型板260aに関して示され、説明される、それらの対応の長手方向交わり部266を形成する類似の第1及び第2の長手方向板表面を有する。同様に、第1及び第2の長手方向末端部は、それぞれ、図15Aに示されるように、長手方向空洞金型板260a及び260tで対応の長手方向交わり部266を形成する板267a及び267bを成形する。加えて、それぞれの長手方向空洞金型板260a〜tは、複数個の要素50の第4のセグメント90を成形するために金型空洞262の列を形成する。本実施形態において、第2及び第3の空洞金型板240及び250は、それぞれ、第2及び第3のセグメント70及び80を成形するために、それぞれ、その中に複数個の金型空洞242及び252を備える、それぞれ単一の金型板である。
【0061】
第1の長手方向空洞金型板230a〜t、第2の空洞金型板240、第3の空洞金型板、及び第4の長手方向空洞金型板260a〜tは、ともに組み立てられ、従来のプラスチック射出成型機(例えば、図12に示されるプラスチック射出成型機200)内に位置付けられてもよい。ともに組み立てられるとき、第1の長手方向空洞金型板230a〜t、第2の空洞金型板240、第3の空洞金型板、及び第4の長手方向空洞金型板260a〜tは、対応の横方向交わり部を形成する。例えば、アセンブリとしての第1の長手方向空洞金型板230a〜tは、空洞側の金型板202と板230a〜t自身との間に第1の横方向交わり部235を形成する。第2の空洞金型板240と第1の長手方向空洞金型板230a〜tとの隣接部で、第2の横方向交わり部245が形成される。第2の空洞金型板240及び第3の空洞金型板250の隣接部は、第3の横方向交わり部255を形成する。同様に、第4の空洞金型板260a〜tと第3の空洞金型板250との隣接部は、第4の横方向交わり部265を形成する。空洞金型板230a〜t、240、250、及び260が、金型システム220を形成するためにともに組み立てられると、金型システム220は、(例えば、図12に示される成型機200に類似するか、あるいは同一の)従来のプラスチック射出成型機内に配置されるか、それに連結されてもよい。図示されないが、成型機は、第1の表面を有する空洞側の金型板(例えば、図12の空洞側の金型板202)を備える。
【0062】
理論に制限されるものではないが、プラスチックが、複数個の金型空洞(例えば、複数個の組み立てられた金型空洞232、242、252、及び262)に注入されるときに、金型空洞内に含有される気体は、金型板の間の(すなわち、それらの板の間の間隙を通る)任意の交わり部、例えば、長手方向交わり部236及び266並びに/又は横方向交わり部235、245、255、及び265等で、又はそれらに沿って、空洞金型板230a〜t、240、250、及び/又は260a〜tの間の金型空洞から退出及び/又は気体放出することを強いられるか、あるいは退出及び/又は気体放出させられると考えられる。この場合もやはり、理論に制限されるものではないが、気体が、横方向及び/又は長手方向交わり部で、及びその交わり部に沿って金型空洞から退出及び/又は気体放出するときに、気体は、金型空洞(例えば、図15Bに示される金型空洞角部262a及び262c)の角部の中にプラスチックを深く押し、及び/又は引く。その際、プラスチック射出成型プロセスは、任意の2つの金型板の間及び/又は任意の金型板と空洞側の金型板202との間の、横方向と長手方向の両方の任意の交わり部で、及びその交わり部に沿って、微小縁部を形成することができる。
【0063】
引き続き図15及び図16を参照すると、金型システム220は、対応の横方向交わり部235、245、255、265を用いて、微小縁部として、複数個の要素50の横方向縁部66、76、86、及び96を形成する加えて、金型システム220は、対応の長手方向空洞金型板230a〜tと260a〜tとの間の対応の長手方向交わり部236及び266を用いて、微小縁部として、複数個の要素50の長手方向縁部68b、68c、98a、及び98cを形成する。本実施形態において、微小縁部(例えば、横方向及び/又は長手方向微小縁部)を、従来の剛毛及び可撓性要素、具体的には、口腔ケアデバイスに使用される剛毛及び可撓性要素を形成するために使用されるプラスチック押出プロセスを用いて形成することはできない。
【0064】
上で説明されるように、本金型システム220は、従来のプラスチック射出成型機に挿入され、連結されてもよい。本金型システム220で構成されるように、追加の長手方向縁部が所望される場合、第2と第3の空洞金型板240及び250の両方は、それぞれ、第1及び第4の空洞金型板230a〜t及び260a〜tで見出され、示される長手方向空洞金型板に分割されてもよいことが理解される。
【0065】
図17〜19を参照すると、複数個の要素155を形成するためのプラスチック射出成型システム520の別の実施形態が示される。図18は、複数個の要素が備え得る要素155の1つを示す。プラスチック射出成型システム520は、複数個の金型空洞542a〜t、552a〜t、562a〜t、572a〜t、582a〜t、592a〜t、602a〜t、612a〜t、622a〜t、632a〜t、642a〜t、652a〜t、662a〜t、672a〜t、682a〜t、692a〜t、702a〜t、712a〜t、722a〜t、及び732a〜tを用いて要素155の第1のセグメント60を形成する第1の空洞金型板アセンブリ530、並びに複数個の金型空洞(図示されず)を用いて要素155の第2のセグメント70を形成する第2の空洞金型板(図示されず)を備える。簡潔さ並びに明確さのために、図17、図19A、及び図19Bは、金型システム520の第1の空洞金型板アセンブリ530のみを示す。加えて、図17、図19A、及び図19Bは、そのような空洞側の金型板202との第1の空洞金型板アセンブリ530の係合及び連結を示すために、従来のプラスチック射出成型機(例えば、図12に示される機械200)の空洞側の金型板202を示す。
【0066】
上の本明細書で説明される実施形態に示され、説明されるように、第1の空洞金型板アセンブリ530及び空洞側の金型板202は、図19Bに示されるように、第1の横方向交わり部535を形成してもよい。更に、理論に制限されるものではないが、第1の横方向交わり部535は、本実施形態に関して本明細書に示され、上述される横方向交わり部535として、複数個の金型空洞から退出及び/又は気体放出する気体により、図18に示される要素155の横方向縁部66に沿って微小縁部を形成してもよい。同様に、理論に制限されるものではないが、第2の横方向交わり部(図示されず)は、本実施形態に関して本明細書に示され、上述される横方向交わり部として、複数個の金型空洞から退出及び/又は気体放出する気体により、図18に示される要素155の横方向縁部76に沿って微小縁部形成するために、第1の空洞金型板アセンブリ530と第2の空洞金型板(図示されず)との間に形成されてもよい。第2の横方向交わり部は、第1及び第2のセグメント60及び70によって、両方のセグメントを形成する不可欠な金型空洞を有する単一及び/又は不可欠な金型板から除去されてもよいことが理解されるべきである。したがって、気体は、横方向縁部76を形成する金型空洞内の位置で退出及び/又は気体放出することができない。
【0067】
図17、図19A、及び図19Bに示されるように、第1の空洞金型板アセンブリ530は、複数個の個別の空洞金型板(例えば、空洞金型板540a〜t、550a〜t、560a〜t、570a〜t、580a〜t、590a〜t、600a〜t、610a〜t、620a〜t、630a〜t、640a〜t、650a〜t、660a〜t、670a〜t、680a〜t、690a〜t、700a〜t、710a〜t、720a〜t、及び730a〜t)、複数個の板セパレータ547a〜t、及び複数個の末端部板740a〜tを備えてもよい。空洞金型板及び板セパレータは、複数個の金型空洞を形成する。例えば、空洞金型板730a〜tを通って、空洞金型板540a〜t及び板セパレータ547aは、複数個の金型空洞542a〜tを形成し、空洞金型板550a〜t及び板セパレータ547bは、複数個の金型空洞552a〜tを形成し、空洞金型板560a〜t及び板セパレータ547cは、複数個の金型空洞562a〜tを形成する等があり、空洞金型板730a〜t及び板セパレータ547tは、複数個の金型空洞732a〜tを形成する。
【0068】
組み立てられるときに、空洞金型板(例えば、空洞金型板540a〜t、550a〜t、560a〜t、570a〜t、580a〜t、590a〜t、600a〜t、610a〜t、620a〜t、630a〜t、640a〜t、650a〜t、660a〜t、670a〜t、680a〜t、690a〜t、700a〜t、710a〜t、720a〜t、及び730a〜t)及び板セパレータ547a〜tは、空洞金型板と板セパレータとの間の複数個の第1及び第2の長手方向交わり部を形成する。例として、図19Bに示されるように、第1の長手方向交わり部737aは、空洞金型板730aと板セパレータ547tとの間に形成され、第2の長手方向交わり部736aは、空洞金型板730bと板セパレータ547tとの間に形成されてもよい。理論に制限されるものではないが、これらの2つの長手方向交わり部は、それぞれ、プラスチック射出成型プロセス中に、対応の交わり部を通って退出及び/又は気体放出する気体により、金型空洞732aの長手方向縁部68b及び68cに沿って微小縁部を形成してもよい。別の例として、図17、図19A、及び図19Bに示されるように、第1の長手方向交わり部737eは、空洞金型板730eと板セパレータ547tとの間に形成されてもよく、第2の長手方向交わり部736eは、空洞金型板730fと板セパレータ547tとの間に形成されてもよい。この場合もやはり、理論に制限されるものではないが、これらの2つの長手方向交わり部は、それぞれ、プラスチック射出成型プロセス中に、対応の交わり部を通って退出及び/又は気体放出する気体により、金型空洞732eの長手方向縁部68b及び68cに沿って微小縁部を形成してもよい。
【0069】
複数個の第3の長手方向交わり部は、隣接した空洞金型板540a〜t、550a〜t、560a〜t、570a〜t、580a〜t、590a〜t、600a〜t、610a〜t、620a〜t、630a〜t、640a〜t、650a〜t、660a〜t、670a〜t、680a〜t、690a〜t、700a〜t、710a〜t、720a〜t、及び730a〜tの間(すなわち、隣接部)に形成されてもよい。例として、第3の長手方向交わり部735aは、隣接した空洞金型板730aと730bとの間に形成されてもよい。この場合もやはり、理論に制限されるものではないが、この第3の長手方向交わり部735aは、プラスチック射出成型プロセス中に、この交わり部を通って退出及び/又は気体放出する気体により、金型空洞732aの長手方向縁部68aに沿って微小縁部を形成してもよい。別の例として、別の第3の長手方向交わり部は、隣接した空洞金型板730eと730fとの間に形成されてもよい。更に、理論に制限されるものではないが、この第3の長手方向交わり部735eは、プラスチック射出成型プロセス中に、この交わり部を通って退出及び/又は気体放出する気体により、金型空洞732eの長手方向縁部68aに沿って微小縁部を形成してもよい。
【0070】
この構成で、複数個の金型空洞542a〜t、552a〜t、562a〜t、572a〜t、582a〜t、592a〜t、602a〜t、612a〜t、622a〜t、632a〜t、642a〜t、652a〜t、662a〜t、672a〜t、682a〜t、692a〜t、702a〜t、712a〜t、722a〜t、及び732a〜tのそれぞれは、本明細書に示され、説明される微小縁部を備える3つの長手方向縁部68a、68b、及び68cの形成を可能にする、3つの長手方向交わり部(例えば、735e、736e、及び737e)を有する要素155のセグメントを形成してもよい。長手方向交わり部は、図17及び図19に示されるように、空洞金型板540a〜t、550a〜t、560a〜t、570a〜t、580a〜t、590a〜t、600a〜t、610a〜t、620a〜t、630a〜t、640a〜t、650a〜t、660a〜t、670a〜t、680a〜t、690a〜t、700a〜t、710a〜t、720a〜t、及び730a〜tと板セパレータ547a〜tとのそれぞれ及び全ての隣接部で、それぞれ及び全ての隣接した空洞金型板の間に形成されてもよいことが理解される。
【0071】
図17〜19に示される実施形態において、気体が、空洞金型板の間のこれらの横方向及び長手方向交わり部で、並びにこれらの横方向及び長手方向交わり部に沿って金型空洞から退出/気体放出するときに、気体は、角部の中にプラスチックを深く押し、及び/又は引く。その際、本金型システムの成型プロセスは、2つの空洞金型板及び/若しくはアセンブリの間、空洞金型板/アセンブリと板セパレータとの間、隣接した金型板の間、空洞金型板/アセンブリと成型機表面(例えば、空洞側の金型板202)との間、並びに/又はそれらの任意の組み合わせの間の横方向と長手方向の両方の任意の交わり部で、及び任意の交わり部に沿って微小縁部を形成することができる。
【0072】
セグメント60と70の両方の上に追加の長手方向縁部が所望されるとき、第2の空洞金型板730は、含まれる第1の空洞金型板として個別の空洞金型板に分割されてもよく、したがって、微小縁部として、横方向縁部66及び76、並びに長手方向縁部68a、68b、68c、78a、78b、及び78cを形成することが理解される。本金型システムは、空洞金型板層の数を加算又は減算することにより、要素50に対して任意の数のセグメントを成形するよう構成されてもよく、すなわち、4つのセグメントが所望される場合、金型システム520は、4つの空洞金型板を含むことも理解される。それぞれの空洞金型板層は、個別の空洞金型板、板セパレータ、及びここで示され、上述される他の構成要素、並びに他の関連した修正箇所を備えてもよいことも理解される。加えて、上に示され、説明される実施形態において、三角形の横断面が示されたが、要素のそれぞれのセグメントに対して異なる横断面形状を含む任意の横断面形状が使用されてもよい。
【0073】
図20及び図21を参照すると、プラスチック金型システム1020並びにそのようなプラスチック金型システム1020を用いて成形されてもよい要素1050の別の実施形態が示される。金型システム1020のいくつかの実施形態は、本明細書で示され、上述され、当業者に既知の従来のプラスチック射出成型機(例えば、図12に示される成型機200)とともに使用されてもよい。一実施形態において、金型システム1020は、例えば、図12〜14に示される金型システムの第1、第2、第3、及び第4の空洞金型板230、240、250、及び260等の、空洞金型板を長手方向軸B〜B’に対して垂直な配向で相互の上に位置付けさせるというよりはむしろ、長手方向軸B〜B’に沿った配向で並んで配置される複数個の空洞金型板(例えば、空洞金型板1080、1090、1100、1110、1120等)を備えてもよい。図20及び図21に示される構成において、金型システム1020は、空洞金型板(例えば、空洞金型板1080、1090、1100、1110、1120等)のそれぞれの間に長手方向交わり部(例えば、長手方向交わり部1081、1091、1101、1111等)を形成するであろう。図20に示されるように、金型板1080、1090、1100、1110、1120等は、複数個の金型空洞1082を用いて複数個の要素1050を成形するよう作動する。
【0074】
図20に示されるように、要素1050は、それぞれ、長手方向縁部1068a、1068b、及び1068cを備える。特に図21を参照すると、長手方向縁部1068aは、金型空洞1082の内側角部1083aにより形成される。したがって、理論に制限されるものではないが、長手方向縁部1068aは、この角部が金型板の間に交わり部を備えないため、金型空洞1082内の気体がこの内側角部1083aを通って退出及び/又は気体放出しない場合もあるという理由から、本明細書で定義される微小縁部でなくてもよい。長手方向縁部1068aは、非気体放出の縁部を備えてもよい。「非気体放出の」縁部は、プラスチック射出成型等の成型プロセスで使用される単一の空洞金型板、すなわち、単一の金型板の中の内側角部の中に形成される可撓性要素の縁部であり、したがって2つの金型板の交わり部に沿って形成されない縁部である。言い換えると、非気体放出の縁部は、2つの金型板の交わり部の間で、及び交わり部を通って気体放出することなく形成される縁部である。対照的に、長手方向縁部1068b及び1068cは、2つの空洞金型板(例えば、空洞金型板1080及び隣接した空洞金型板(図示されず))の間の長手方向交わり部により形成される金型空洞角部1083b及び1083cにより形成される。したがって、長手方向縁部1068b及び1068cは、ここで定義される微小縁部として形成されてもよい。
【0075】
一実施形態において、ペレセン2363樹脂から製造される複数個の洗浄要素及びベースユニットの成型サイクルは、華氏約380度〜華氏約410度のバレル温度、華氏約60度〜華氏約140度の金型温度、及び約1600バール〜約1800バールの射出圧力を備える。
【0076】
図22を参照すると、口腔ケアシステム2000の実施形態が示され、複数個の要素2050が、口腔(例えば、人間の口)内に配置される歯群2020及び/又は歯肉2010に係合するように、ベース2100、ベース2100から延在する複数個の可撓性エラストマー要素2050、並びに複数個の可撓性エラストマー要素2050及び/又はベース2100を駆動し、移動させ、及び/又は押すよう作動する駆動システムを有する口腔ケア器具2001を備えてもよい。一実施形態において、複数個の要素2050、ベース2100、及び駆動システムの少なくとも一部は、口腔に挿入し、口腔の隣接した歯群2020及び歯肉2010に位置付けられるよう構成される。口腔ケアシステム2000は、ハウジング2120を更に備えてもよい。ベース2100及び複数個の要素2050は、本明細書に示され、上述される実施形態のうちのいずれかを備えてもよい。
【0077】
図22に示されるように、駆動システムは、複数個の要素2050と反対側のベース2100の側面に位置付けられる袋2110を備えてもよい。袋2110は、流体を受容するためにリザーバ2112を備えてもよく、袋がリザーバ2112を充填するか、あるいは空にする流体に応じて拡張及び収縮するように可撓性であってもよい。袋が製造されてもよい可撓性材料の例は、天然ゴム及びブチル、ニトリル、スチレン−ブタジエン等の他のイオウ加硫性ゴム、シリコーン、エチレンプロピレン、及びエピクロロヒドリン等の飽和ゴム、並びにポリウレタン、ポリオレフィン、及びスチレンブロックコポリマー等の熱可塑性エラストマーを含んでもよいが、これらに限定されない。駆動システムはまた、流体源(図示されず)から流体を供給するためのポンプ2130、ポンプ2130を袋2110に連結させる導管2114、及び/又はポンプを駆動するためのモータ2140を備えてもよい。ポンプ2130、導管2114、及びモータ2140は、任意の従来の若しくは未開発のポンプ、導管、及び/又はモータ、具体的には、口腔ケアシステムに使用されるようなデバイスを備えてもよい。導管2114は、当業者に既知の剛性若しくは半剛性のパイプ又は可撓性ホースを備えてもよい。
【0078】
口腔ケアシステム2000は、水、空気、気体、これらの任意の組み合わせ、及び袋を駆動するよう作動する他の流体を含むが、それらに限定されない様々な既知又は未開発の流体を、流体源から袋2110にポンプ注入してもよい。供給源は、リザーバ、大気、圧縮気体タンク、又は任意の他の従来の流体供給であってもよい。モータ2140は、電気的(直流電力若しくは交流電力の両方)、磁気、燃料式、手動式、電気化学的、又はこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない従来の若しくは未開発のモータであってもよい。
【0079】
口腔ケアシステム2000は、ベース2100に連結されるか、あるいはそれに不可欠であるハウジング2120を備えてもよい。本実施形態において、袋2110は、ベース2100及びハウジング2120により少なくとも部分的に包囲される。ハウジング2120は、袋2110が流体で充填するリザーバ2112により拡張するときに、袋が矢印(A)で示される方向に拡張せざるを得ないような頑丈な構造を提供するために、半剛性若しくは剛性材料から製造されてもよい。ハウジング2120を製造するために使用される材料の例は、プラスチック、金属、複合物、及びこれらの組み合わせを含んでもよいが、それらに限定されない。ハウジングに使用されてもよいプラスチックの例は、ポリアセテートポリオレフィン、ポリアミド、及びポリ塩化ビニルを含んでもよいが、これらに限定されない。袋2110が方向(A)に拡張するときに、要素2050を歯群2020及び歯肉2010に係合させる(「衝突」)。駆動システムは、同様に、矢印(B)で示されるように、ベース2100及び/又は要素2050を歯群2020及び歯肉2010から離れて移動させるために逆転してもよい。したがって、ポンプ2130は、袋2110のリザーバ2112から流体を引き出してもよく、袋2110を収縮させ、したがって要素2050を歯群2020及び歯肉2010から離れて移動させる(「離昇」)。袋2110は、約0kPa〜約60kPa、具体的には、約10kPa〜約40kPa、又はより具体的には、約20kPaの圧力を備えてもよい。同様に、要素が歯群2020及び歯肉2010に印加する圧力は、約0kPa〜約60kPa、具体的には、約10kPa〜約40kPa、又はより具体的には、約20kPaを備えてもよい。
【0080】
駆動システムは、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサ等のコントローラに連結されてもよい。このコントローラは、モータ及び/又はポンプを制御するよう作動してもよく、したがって袋2110の中へ、及び袋2110から流体をポンプで送り出してもよく、矢印(A及びB)で示されるように、歯群に対する、及び歯群から離れての複数個の要素2050の往復行動を引き起こす。袋2110、したがって要素2050の往復運動(例えば、離昇と衝突の間)の頻度は、約1Hz〜約100Hz、より具体的には、約50Hz〜約90Hz、より具体的には、約65Hz〜約75Hz、又はより具体的には、約70Hzであってもよい。一実施形態において、複数個の要素2050は、歯群2020及び歯肉2010から約0mm〜約10mm、具体的には、約0mm〜約8mm、具体的には、約3mm〜約7mm、具体的には、約4mm〜約6mm、又はより具体的には、約0mm〜約5mmの距離を離れて移動してもよい(「離昇」)。同様に、器具2050は、歯群2020及び歯肉2010から約0mm〜約10mm、具体的には、約0mm〜約8mm、具体的には、約3mm〜約7mm、具体的には、約4mm〜約6mm、又はより具体的には、約0mm〜約5mmの距離で(「離昇」)歯群2020及び歯肉2010の方向に戻って駆動されてもよい(「衝突」)。
【0081】
別の実施形態において、駆動機構は、特に要素2050を異なる方向に駆動することが所望される場合に、袋2110のうちの2つ以上を備えてもよい。更に別の実施形態において、駆動機構は、矢印(C)で示されるように、複数個の要素2050を歯群2020及び歯肉2010に沿って、すなわち、形態及び(D)の中に、及びそこから出て、すなわち、矢印(C)に対して横方向に移動させてもよい。口腔ケアシステム2000及び1つ以上の駆動システムは、矢印(C)及び/若しくは(D)に沿った方向のうちの1つ以上に、約0mm〜約10mm、具体的には、約0mm〜約6mm、又は具体的には、約0mm〜約4mmの距離で要素2050を移動若しくは振動させてもよい。流体ポンプ及び袋の代わりに、駆動機構は、超音波駆動器、振動駆動器、発振駆動器、電動モータ、圧電作動装置、電歪作動装置、電磁作動装置、磁歪作動装置、音歪作動装置、光歪作動装置、及び化学歪作動装置を含むが、これらに限定されない様々な他の従来並びに未開発の駆動及び/又は作動システムを備えてもよい。
【0082】
別の実施形態において、図23に示される口腔ケア器具3001は、ハウジング3120に連結される第1の可撓性ベース3100aを有するハウジング3120、第1のベースから延在する第1の複数個の要素3050a、ハウジング3120に連結される第2の可撓性ベース3100b、第2のベースから延在する第2の複数個の要素3050b、及びその中にリザーバ3112を有する袋3110を備えてもよい。口腔ケア器具3001は、第1の複数個の要素3050a及び/又は第1のベース3100aが、上顎に沿って配置される歯群3020a及び/又は歯肉3010aの全て若しくは一部の部分を実質的に一致させ、及び/又は包囲するように、並びに第2の複数個の要素3050b及び/又は第2のベース3100bが、同時に、下顎に沿って配置される歯群3020b及び/又は歯肉3010bの全て若しくは一部の部分を実質的に一致させ、及び/又は包囲するように、口腔内に挿入され、実質的にU字形になるよう構成される。そのような構成において、口腔ケア器具3001は、上顎及び下顎の歯群3020a〜b並びに/若しくは歯肉3010a〜b、又はこれらの任意の組み合わせを同時に連続して洗浄するよう作動する。口腔ケア器具3001は、本明細書に示され、説明される口腔ケアシステム(例えば、口腔ケアシステム2000)のいくつかの実施形態を含むが、これらに限定されない任意の様々な口腔ケアシステムと併用されてもよいことが理解される。
【0083】
口腔ケアシステム(例えば、口腔ケアシステム2000)の実施形態のうちの1つ以上は、約15秒/歯の表面以下、より具体的には、約10秒/歯の表面以下、更により具体的には、約5秒/歯の表面以下の時間で、口腔組織(すなわち、歯群及び歯肉)を洗浄してもよい。
【0084】
理論に縛られるものではないが、本明細書に示され、説明される口腔ケアシステム(例えば、口腔ケアシステム2000)及び/又は口腔ケア器具(例えば、器具1、40、2001)の実施形態のうちの1つ以上は、従来の口腔ケア洗浄器具及びデバイスと比較して、歯間(間質)洗浄、すなわち、歯群及び隣接した歯群の間に配置される歯肉の洗浄を改善することが考えられる。歯群は、概して、互いから約1mm〜約1.5mm離れて位置付けられる。本明細書に示され、説明される実施形態のうちの1つ以上において、ベース(例えば、ベース20、100等)は、約6〜7個の要素が、隣接した歯群の間の間隙(例えば、歯群の間の約1mm〜1.5mmの空隙部)内に嵌合するように、離間した複数個の要素(例えば、先端密度)を備え、したがって、改善された歯間洗浄を提供する。
【0085】
例として、図24A〜Fは、上で説明される要素寸法(例えば、幅、長さ)及び口腔ケア器具の要素密度により改善された歯間洗浄を提供する可撓性洗浄要素を有するような口腔ケア器具を示す。図24A〜Fは、それぞれ、可撓性要素3050が、2つの歯群3081及び3082の間の歯間部3080の中に移動し、及び/又は押されるときの、三角形の横断面を有する可撓性要素3050の配列の順次構造を示す。複数個の可撓性要素の遠位端3052から近位端3054に向かった眺めの透視図が図24A及び図24Dに示され、複数個の可撓性要素3050が歯間部3080の中に移動し、歯間部3080内の歯群の表面に最初に係合する前及び係合するときの、歯間部3080に対する可撓性エラストマー要素3050の配向並びに位置の例を示すために、等角図が図24B及び図24Cに示される。
【0086】
上で説明されるように、理論に制限されるものではないが、口腔ケア器具の要素密度に加えて、可撓性要素の断面寸法及び形状、長さ、並びに/又は材料特性(例えば、材料の硬度、材料の湿り度等)、並びに/又は複数個の要素を駆動するために使用される運動の種類を、縁部、具体的には、微小縁部の係合、及び歯群の表面、具体的には、歯間部内の表面との接触応力を改善及び/又は最大化するために、可撓性要素の捻れ、屈曲、及び/若しくは他の変形運動を改善するよう利用及び最大化することができることが考えられる。図24E〜Fは、例として、可撓性要素及び口腔ケア器具特性のそのような組み合わせが、どのように歯群上の可撓性要素の縁部及び/又は表面の接触応力及び接触係合に影響を与えることができるかを示す。示されるように、そのような特性を調整及び制御する工程は、可撓性要素のうちの1つ以上が、歯間部3080内の歯群の表面に完全に係合するときに、可撓性要素の捻れ、屈曲、及び/又は変形の仕方にも影響を与える。
【0087】
図24Fは、歯群を視界から取り除いて、図24Eに示される遠位端3052から近位端3054に向かう眺めの説明図を提供する。図24Fに示されるように、複数個の可撓性要素3050のうちの1つ以上は、2つ以上の横方向縁部及び/又は1つ以上の長手方向縁部を歯間部3080の歯群の表面に係合させるように、捻れ、屈曲し、及び/又は変形する。1つ以上の横方向縁部3056及び/又は1つ以上の長手方向縁部3058は、本明細書に示され、定義される微小縁部を備えてもよいことが理解される。図24Eは、有限要素解析に基づいて、明暗法を用いて、可撓性要素のどの部分が歯間部内の歯群の表面に接触するかも示す。より濃い陰影部は、歯に対する要素の移動により、要素と歯群の表面との間の最高レベルの接触応力(図の説明においてCPRESS)を示す。示されるように、本例における構成は、それらの縁部に沿って増加した接触応力で歯群の表面に接触する複数の縁部(接触の形跡)を提供し、したがって、改善された歯間洗浄を提供する。
【0088】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0089】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔への挿入のために寸法決めされたベース部と、
前記ベース部から延在する複数個の可撓性エラストマー要素であって、
前記複数個の可撓性エラストマー要素のそれぞれが、縁部を備え、
前記縁部のうちの少なくとも1つが、微小縁部を備え、
前記複数個の可撓性エラストマー要素が、約5mm未満の要素密度を備える、エラストマー要素と、を備える、口腔ケア器具。
【請求項2】
前記要素密度が、約0.1mm〜約3.0mmである、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項3】
前記要素密度が、約0.1〜約2.0mmである、請求項2に記載の口腔ケア器具。
【請求項4】
前記微小縁部が、0.02mm未満である先端半径(R)を備える、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項5】
前記微小縁部が、約0.015mm以下である先端半径(R)を備える、請求項4に記載の口腔ケア器具。
【請求項6】
前記微小縁部が、約0.015mm〜約0.0015mmである先端半径(R)を備える、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項7】
前記縁部のうちの少なくとも1つが、気体放出縁部を備える、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項8】
前記複数個の可撓性エラストマー要素が、押出エラストマー要素ではない、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項9】
前記複数個の可撓性エラストマー要素が、約8ショアA〜約75ショアDのショア硬度を有する材料を備える、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項10】
前記複数個の可撓性エラストマー要素が、約35ショアA〜約55ショアDのショア硬度を有する材料を備える、請求項9に記載の口腔ケア器具。
【請求項11】
前記材料が、約0.05を超える湿潤摩擦を更に備える、請求項10に記載の口腔ケア器具。
【請求項12】
前記複数個の可撓性エラストマー要素が、約0.05mm〜約10mmの長さを有する、請求項11に記載の口腔ケア器具。
【請求項13】
前記長さが、約2.0mm〜約6mmを含む、請求項12に記載の口腔ケア器具。
【請求項14】
前記材料が、
約55ショアA〜約55ショアDの硬度と、
約0.1を超える湿潤摩擦と、
約500Nm−1×104を超える表面張力と、
約0.05g/cm3〜約3.0g/cm3の材料密度と、を更に備える、請求項11に記載の口腔ケア器具。
【請求項15】
前記表面張力が、約600Nm−1×104を超え、前記材料密度が、約0.5g/cm3〜約2.0g/cm3である、請求項14に記載の口腔ケアシステム。
【請求項16】
口腔への挿入のために寸法決めされたベース部と、
前記ベース部から延在する複数個の可撓性エラストマー要素と、を備え、
前記複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つが、
第1の区分縁部及び第1の横断面積を有する第1の区分と、
前記複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つの可撓性エラストマー要素の長手方向軸に沿って、前記第1の区分に隣接して配置される第2の区分であって、前記第2の区分が、第2の区分縁部と、前記第1の横断面積とは異なる第2の横断面積と、を有する、第2の区分と、を備える、口腔ケア器具。
【請求項17】
前記第2の横断面積が、前記第1の横断面積未満である、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項18】
前記第1の横断面積が、第1の形状を有し、
前記第2の横断面積が、第2の形状を有し、
前記第1の形状が、前記第2の形状とは異なる、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項19】
前記複数個の可撓性エラストマー要素のうちの前記少なくとも1つの可撓性エラストマー要素が、前記長手方向軸に沿って、前記第2の区分に隣接して配置される第3の横断面積を有する第3の区分を更に備え、前記第3の横断面積が、前記第1及び第2の横断面積とは異なる、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項20】
前記第3の横断面積が、前記第1及び第2の横断面積未満である、請求項19に記載の口腔ケア器具。
【請求項21】
前記複数個の可撓性エラストマー要素のうちの前記少なくとも1つが、前記複数個の可撓性エラストマー要素のうちの前記少なくとも1つの可撓性エラストマー要素の前記長手方向軸に沿って、前記第3の区分に隣接して配置される第4の横断面積を有する第4の区分を更に備え、前記第4の横断面積が、前記第1、第2、及び第3の横断面積とは異なる、請求項19に記載の口腔ケア器具。
【請求項22】
前記第3の横断面積が、前記第1及び第2の横断面積未満であり、前記第4の横断面積が、前記第1、第2、及び第3の横断面積未満である、請求項21に記載の口腔ケア器具。
【請求項23】
前記第1及び第2の区分縁部が、0.0254mm未満である先端半径(R)を備える、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項24】
前記第1及び第2の区分縁部が、約0.015mm以下である先端半径(R)を備える、請求項23に記載の口腔ケア器具。
【請求項25】
前記第1及び第2の区分縁部が、約0.015mm〜約0.0015mmである先端半径(R)を備える、請求項24に記載の口腔ケア器具。
【請求項26】
前記複数個の可撓性要素が、前記ベース部が約0.1〜約3.0mmの要素密度を備えるように、前記ベース部の上に配置される、請求項14に記載の口腔ケア器具。
【請求項27】
前記第1及び第2の区分縁部が、気体放出縁部を備える、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項28】
前記第1及び第2の区分縁部が、横方向縁部である、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項29】
前記第2の区分が、長手方向縁部を更に備える、請求項28に記載の口腔ケア器具。
【請求項30】
前記第1及び第2の区分縁部が、長手方向縁部である、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項31】
前記ベース部が、人間の口への挿入時に、前記複数個の可撓性エラストマー要素が前記口内の歯群の表面に隣接するように、実質的にU字形である、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項32】
前記ベースに連結され、前記複数個の可撓性エラストマー要素を駆動して、口腔内の前記歯群及び/又は歯肉と係合させるための駆動機構を更に備える、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項33】
前記駆動機構が、袋、超音波駆動器、振動駆動器、発振駆動器、電動モータ、圧電作動装置、電歪作動装置、電磁作動装置、磁歪作動装置、音歪作動装置、光歪作動装置、及び化学歪作動装置からなる群から選択される、請求項32に記載の口腔ケア器具。
【請求項34】
前記駆動機構が、前記複数個の可撓性エラストマー要素と反対側の、前記ベース部の側面に結合される袋を備える、請求項32に記載の口腔ケア器具。
【請求項35】
流体を前記袋に供給するために、前記袋の内部チャンバと流体連通している流体源を更に備える、請求項34に記載の口腔ケア器具。
【請求項36】
前記流体源が、流体を前記袋に送り出し、前記流体を前記袋から排出するためのポンプ及び真空を備える、請求項35に記載の口腔ケア器具。
【請求項37】
口腔への挿入のために寸法決めされたベース部であって、ベース壁と、口腔内で歯群を受容するためのチャネルを形成する、前記ベース壁に連結された2つの対向する側壁と、を有する、ベース部と、
前記ベース部及び2つの対向する側壁から前記チャネルの中に延在する複数個の可撓性エラストマー要素と、を備え、
前記複数個の可撓性エラストマー要素のそれぞれが、縁部及び長手方向軸を備え、
前記複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つが、第1の横断面積を有する第1の区分と、前記少なくとも1つの可撓性エラストマー要素の前記長手方向軸に沿って、前記第1の区分に隣接して配置される、第2の横断面積を有する第2の区分と、を備え、
前記第2の横断面積が、前記第1の横断面積とは異なる、口腔ケア器具。
【請求項38】
可撓性エラストマー要素の微小縁部を形成する方法であって、
第1の金型板及び前記第1の金型板に隣接して位置付けられる第2の金型板により金型空洞を形成することと、
前記第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の金型角部を形成することと、
エラストマーを前記金型空洞の中に注入することと、
前記交わり部により形成される前記金型角部に沿って微小縁部を形成するように、前記金型空洞内に含有される気体が、前記第1の金型板と第2の金型板との間の前記交わり部を通って気体放出することを可能にすることと、を含む、方法。
【請求項39】
前記第1の金型板に隣接して位置付けられる第1の金型板及び第2の金型板により金型空洞を形成する前記工程が、第1の金型空洞及び第2の金型空洞を形成することを含み、前記第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の金型角部を形成する前記工程が、前記第1の金型板及び第2の金型板の前記交わり部を用いて、前記第1の金型空洞の第1の金型角部及び前記第2の金型角部の第2の金型角部を形成することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
第1の金型板及び前記第1の金型板に隣接して位置付けられる第2の金型板により金型空洞を形成する前記工程が、第1の金型板及び前記第1の金型板に隣接する第2の金型板により複数個の金型空洞を形成することを含み、前記第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の金型角部を形成する前記工程が、前記第1の金型板及び第2の金型板の前記交わり部を用いて、前記複数個の金型空洞のそれぞれに対して金型角部を形成することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の金型角部を形成する前記工程が、前記第1の金型板及び前記第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の第1の角部及び第2の角部を形成することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
第1の金型板及び前記第1の金型板に隣接して位置付けられる第2の金型板により金型空洞を形成する前記工程が、第1の金型板及び前記第1の金型板に隣接した複数個の金型板により複数個の金型空洞を形成し、前記第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の金型角部を形成する前記工程が、前記第1の金型板及び前記複数個の金型板の複数個の交わり部を用いて、前記複数個の金型空洞の複数個の金型角部を形成することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の金型角部を形成する前記工程が、前記複数個の金型板の間の複数個の交わり部又は前記複数個の金型板と複数個の金型セパレータとの間の複数個の交わり部を用いて、前記複数個の金型空洞の複数個の金型角部を形成することを更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第2の金型板に隣接して位置付けられる第3の金型板により前記金型空洞を形成することと、
前記第2の金型板及び第3の金型板の第2の交わり部を用いて、前記金型空洞の第2の金型角部を形成することと、
前記第2の交わり部により形成される前記第2の金型角部に沿って第2の微小縁部を形成するために、前記金型空洞内に含有される気体が、前記第2の金型板と第3の金型板との間の前記第2の交わり部を通って気体放出することを可能にすることと、を更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
前記第3の金型板に隣接して位置付けられる第4の金型板により前記金型空洞を形成することと、
前記第3の金型板及び第4の金型板の第3の交わり部を用いて、前記金型空洞の第3の金型角部を形成することと、
前記第3の交わり部により形成される前記第3の金型角部に沿って第3の微小縁部を形成するために、前記金型空洞内に含有される気体が、前記第3の金型板と第4の金型板との間の前記第3の交わり部を通って気体放出することを可能にすることと、を更に含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の金型板が、相互に隣接して組み立てられる第1の複数個の長手方向空洞金型板を備え、前記第1の複数個の長手方向空洞金型板は、前記第1の複数個の長手方向空洞金型板の隣接した長手方向空洞金型板の間の交わり部を用いて、複数個の長手方向金型角部を形成するためのものである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第4の金型板が、相互に隣接した第2の複数個の長手方向空洞金型板を備え、前記第2の複数個の長手方向空洞金型板は、前記第2の複数個の長手方向空洞金型板の隣接した長手方向空洞金型板の間の交わり部を用いて、複数個の長手方向金型角部を形成するためのものである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記交わり部が、前記第1の金型板と第2の金型板との間に形成される横方向交わり部である、請求項38に記載の方法。
【請求項49】
前記交わり部が、第1の金型板と第2の金型板との間に形成される長手方向交わり部である、請求項38に記載の方法。
【請求項1】
口腔への挿入のために寸法決めされたベース部と、
前記ベース部から延在する複数個の可撓性エラストマー要素であって、
前記複数個の可撓性エラストマー要素のそれぞれが、縁部を備え、
前記縁部のうちの少なくとも1つが、微小縁部を備え、
前記複数個の可撓性エラストマー要素が、約5mm未満の要素密度を備える、エラストマー要素と、を備える、口腔ケア器具。
【請求項2】
前記要素密度が、約0.1mm〜約3.0mmである、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項3】
前記要素密度が、約0.1〜約2.0mmである、請求項2に記載の口腔ケア器具。
【請求項4】
前記微小縁部が、0.02mm未満である先端半径(R)を備える、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項5】
前記微小縁部が、約0.015mm以下である先端半径(R)を備える、請求項4に記載の口腔ケア器具。
【請求項6】
前記微小縁部が、約0.015mm〜約0.0015mmである先端半径(R)を備える、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項7】
前記縁部のうちの少なくとも1つが、気体放出縁部を備える、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項8】
前記複数個の可撓性エラストマー要素が、押出エラストマー要素ではない、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項9】
前記複数個の可撓性エラストマー要素が、約8ショアA〜約75ショアDのショア硬度を有する材料を備える、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項10】
前記複数個の可撓性エラストマー要素が、約35ショアA〜約55ショアDのショア硬度を有する材料を備える、請求項9に記載の口腔ケア器具。
【請求項11】
前記材料が、約0.05を超える湿潤摩擦を更に備える、請求項10に記載の口腔ケア器具。
【請求項12】
前記複数個の可撓性エラストマー要素が、約0.05mm〜約10mmの長さを有する、請求項11に記載の口腔ケア器具。
【請求項13】
前記長さが、約2.0mm〜約6mmを含む、請求項12に記載の口腔ケア器具。
【請求項14】
前記材料が、
約55ショアA〜約55ショアDの硬度と、
約0.1を超える湿潤摩擦と、
約500Nm−1×104を超える表面張力と、
約0.05g/cm3〜約3.0g/cm3の材料密度と、を更に備える、請求項11に記載の口腔ケア器具。
【請求項15】
前記表面張力が、約600Nm−1×104を超え、前記材料密度が、約0.5g/cm3〜約2.0g/cm3である、請求項14に記載の口腔ケアシステム。
【請求項16】
口腔への挿入のために寸法決めされたベース部と、
前記ベース部から延在する複数個の可撓性エラストマー要素と、を備え、
前記複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つが、
第1の区分縁部及び第1の横断面積を有する第1の区分と、
前記複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つの可撓性エラストマー要素の長手方向軸に沿って、前記第1の区分に隣接して配置される第2の区分であって、前記第2の区分が、第2の区分縁部と、前記第1の横断面積とは異なる第2の横断面積と、を有する、第2の区分と、を備える、口腔ケア器具。
【請求項17】
前記第2の横断面積が、前記第1の横断面積未満である、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項18】
前記第1の横断面積が、第1の形状を有し、
前記第2の横断面積が、第2の形状を有し、
前記第1の形状が、前記第2の形状とは異なる、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項19】
前記複数個の可撓性エラストマー要素のうちの前記少なくとも1つの可撓性エラストマー要素が、前記長手方向軸に沿って、前記第2の区分に隣接して配置される第3の横断面積を有する第3の区分を更に備え、前記第3の横断面積が、前記第1及び第2の横断面積とは異なる、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項20】
前記第3の横断面積が、前記第1及び第2の横断面積未満である、請求項19に記載の口腔ケア器具。
【請求項21】
前記複数個の可撓性エラストマー要素のうちの前記少なくとも1つが、前記複数個の可撓性エラストマー要素のうちの前記少なくとも1つの可撓性エラストマー要素の前記長手方向軸に沿って、前記第3の区分に隣接して配置される第4の横断面積を有する第4の区分を更に備え、前記第4の横断面積が、前記第1、第2、及び第3の横断面積とは異なる、請求項19に記載の口腔ケア器具。
【請求項22】
前記第3の横断面積が、前記第1及び第2の横断面積未満であり、前記第4の横断面積が、前記第1、第2、及び第3の横断面積未満である、請求項21に記載の口腔ケア器具。
【請求項23】
前記第1及び第2の区分縁部が、0.0254mm未満である先端半径(R)を備える、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項24】
前記第1及び第2の区分縁部が、約0.015mm以下である先端半径(R)を備える、請求項23に記載の口腔ケア器具。
【請求項25】
前記第1及び第2の区分縁部が、約0.015mm〜約0.0015mmである先端半径(R)を備える、請求項24に記載の口腔ケア器具。
【請求項26】
前記複数個の可撓性要素が、前記ベース部が約0.1〜約3.0mmの要素密度を備えるように、前記ベース部の上に配置される、請求項14に記載の口腔ケア器具。
【請求項27】
前記第1及び第2の区分縁部が、気体放出縁部を備える、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項28】
前記第1及び第2の区分縁部が、横方向縁部である、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項29】
前記第2の区分が、長手方向縁部を更に備える、請求項28に記載の口腔ケア器具。
【請求項30】
前記第1及び第2の区分縁部が、長手方向縁部である、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項31】
前記ベース部が、人間の口への挿入時に、前記複数個の可撓性エラストマー要素が前記口内の歯群の表面に隣接するように、実質的にU字形である、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項32】
前記ベースに連結され、前記複数個の可撓性エラストマー要素を駆動して、口腔内の前記歯群及び/又は歯肉と係合させるための駆動機構を更に備える、請求項16に記載の口腔ケア器具。
【請求項33】
前記駆動機構が、袋、超音波駆動器、振動駆動器、発振駆動器、電動モータ、圧電作動装置、電歪作動装置、電磁作動装置、磁歪作動装置、音歪作動装置、光歪作動装置、及び化学歪作動装置からなる群から選択される、請求項32に記載の口腔ケア器具。
【請求項34】
前記駆動機構が、前記複数個の可撓性エラストマー要素と反対側の、前記ベース部の側面に結合される袋を備える、請求項32に記載の口腔ケア器具。
【請求項35】
流体を前記袋に供給するために、前記袋の内部チャンバと流体連通している流体源を更に備える、請求項34に記載の口腔ケア器具。
【請求項36】
前記流体源が、流体を前記袋に送り出し、前記流体を前記袋から排出するためのポンプ及び真空を備える、請求項35に記載の口腔ケア器具。
【請求項37】
口腔への挿入のために寸法決めされたベース部であって、ベース壁と、口腔内で歯群を受容するためのチャネルを形成する、前記ベース壁に連結された2つの対向する側壁と、を有する、ベース部と、
前記ベース部及び2つの対向する側壁から前記チャネルの中に延在する複数個の可撓性エラストマー要素と、を備え、
前記複数個の可撓性エラストマー要素のそれぞれが、縁部及び長手方向軸を備え、
前記複数個の可撓性エラストマー要素のうちの少なくとも1つが、第1の横断面積を有する第1の区分と、前記少なくとも1つの可撓性エラストマー要素の前記長手方向軸に沿って、前記第1の区分に隣接して配置される、第2の横断面積を有する第2の区分と、を備え、
前記第2の横断面積が、前記第1の横断面積とは異なる、口腔ケア器具。
【請求項38】
可撓性エラストマー要素の微小縁部を形成する方法であって、
第1の金型板及び前記第1の金型板に隣接して位置付けられる第2の金型板により金型空洞を形成することと、
前記第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の金型角部を形成することと、
エラストマーを前記金型空洞の中に注入することと、
前記交わり部により形成される前記金型角部に沿って微小縁部を形成するように、前記金型空洞内に含有される気体が、前記第1の金型板と第2の金型板との間の前記交わり部を通って気体放出することを可能にすることと、を含む、方法。
【請求項39】
前記第1の金型板に隣接して位置付けられる第1の金型板及び第2の金型板により金型空洞を形成する前記工程が、第1の金型空洞及び第2の金型空洞を形成することを含み、前記第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の金型角部を形成する前記工程が、前記第1の金型板及び第2の金型板の前記交わり部を用いて、前記第1の金型空洞の第1の金型角部及び前記第2の金型角部の第2の金型角部を形成することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
第1の金型板及び前記第1の金型板に隣接して位置付けられる第2の金型板により金型空洞を形成する前記工程が、第1の金型板及び前記第1の金型板に隣接する第2の金型板により複数個の金型空洞を形成することを含み、前記第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の金型角部を形成する前記工程が、前記第1の金型板及び第2の金型板の前記交わり部を用いて、前記複数個の金型空洞のそれぞれに対して金型角部を形成することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の金型角部を形成する前記工程が、前記第1の金型板及び前記第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の第1の角部及び第2の角部を形成することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
第1の金型板及び前記第1の金型板に隣接して位置付けられる第2の金型板により金型空洞を形成する前記工程が、第1の金型板及び前記第1の金型板に隣接した複数個の金型板により複数個の金型空洞を形成し、前記第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の金型角部を形成する前記工程が、前記第1の金型板及び前記複数個の金型板の複数個の交わり部を用いて、前記複数個の金型空洞の複数個の金型角部を形成することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の金型板及び第2の金型板の交わり部を用いて、前記金型空洞の金型角部を形成する前記工程が、前記複数個の金型板の間の複数個の交わり部又は前記複数個の金型板と複数個の金型セパレータとの間の複数個の交わり部を用いて、前記複数個の金型空洞の複数個の金型角部を形成することを更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第2の金型板に隣接して位置付けられる第3の金型板により前記金型空洞を形成することと、
前記第2の金型板及び第3の金型板の第2の交わり部を用いて、前記金型空洞の第2の金型角部を形成することと、
前記第2の交わり部により形成される前記第2の金型角部に沿って第2の微小縁部を形成するために、前記金型空洞内に含有される気体が、前記第2の金型板と第3の金型板との間の前記第2の交わり部を通って気体放出することを可能にすることと、を更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
前記第3の金型板に隣接して位置付けられる第4の金型板により前記金型空洞を形成することと、
前記第3の金型板及び第4の金型板の第3の交わり部を用いて、前記金型空洞の第3の金型角部を形成することと、
前記第3の交わり部により形成される前記第3の金型角部に沿って第3の微小縁部を形成するために、前記金型空洞内に含有される気体が、前記第3の金型板と第4の金型板との間の前記第3の交わり部を通って気体放出することを可能にすることと、を更に含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の金型板が、相互に隣接して組み立てられる第1の複数個の長手方向空洞金型板を備え、前記第1の複数個の長手方向空洞金型板は、前記第1の複数個の長手方向空洞金型板の隣接した長手方向空洞金型板の間の交わり部を用いて、複数個の長手方向金型角部を形成するためのものである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第4の金型板が、相互に隣接した第2の複数個の長手方向空洞金型板を備え、前記第2の複数個の長手方向空洞金型板は、前記第2の複数個の長手方向空洞金型板の隣接した長手方向空洞金型板の間の交わり部を用いて、複数個の長手方向金型角部を形成するためのものである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記交わり部が、前記第1の金型板と第2の金型板との間に形成される横方向交わり部である、請求項38に記載の方法。
【請求項49】
前記交わり部が、第1の金型板と第2の金型板との間に形成される長手方向交わり部である、請求項38に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図24C】
【図24D】
【図24E】
【図24F】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図24C】
【図24D】
【図24E】
【図24F】
【公表番号】特表2013−504393(P2013−504393A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529007(P2012−529007)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/048911
【国際公開番号】WO2011/034905
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/048911
【国際公開番号】WO2011/034905
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】
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