口腔ケア製品
ストリップ及び1以上の口腔ケア組成物を含む口腔ケア製品。口腔ケア組成物は口腔ケア活性物質を含み、及び歯に適用されるとき、口腔ケア製品は1以上の口腔ケアの利益を送達する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔ケア活性物質を口腔の表面に送達するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯の白化製品は当該技術分野において既知であるが、これらの製品は、より白い歯の美容上の利益を求める人々により、伝統的に使用されている。しかしながら、より白い歯及び/又はより清潔な歯、より健康な歯肉、及び口臭の減少を包含する口腔の更なる利益を所望する消費者の異なる集団が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、歯の白化に加えて口腔ケアの利益を送達できる口腔ケア製品を提供することへの要望が存在する。更に、これらの口腔ケアの利益を、毎日の口腔ケアのレジメンの一部として送達することへの要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
基材と口腔ケア活性物質とを含む口腔ケア組成物を含む製品を、複数個の歯及び隣接した軟組織に、1回の適用当たり少なくとも約5分間、毎日少なくとも1回適用することを含む、1以上の口腔ケアの利益を口腔の表面に送達するための方法であって、その製品が歯及び隣接した軟組織に約6ヶ月を超える期間毎日適用され、かつ新鮮な製品が使用ごとに適用される、方法。
【0005】
基材と1以上の口腔ケア組成物とを含む製品を、複数個の歯及び隣接した軟組織に適用することを包含する、口腔の硬い表面上の歯石を減らす方法であって、口腔ケア組成物の少なくとも1つが抗歯石活性物質を含み、1回適用当たり少なくとも約5分間、1日に少なくとも1回適用され、ここで製品が歯及び隣接した軟組織に約1ヶ月を超える期間毎日適用され、かつ新鮮な製品が使用ごとに適用される、方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本明細書で使用するとき、略称「cm」は、センチメートルを意味する。本明細書で使用するとき、略称「mm」は、ミリメートルを意味する。本明細書で使用するとき、略称「mg」は、ミリグラムを意味する。本明細書で使用するとき、略称「g」は、グラムを意味する。
【0007】
本明細書で使用するとき、口腔ケア組成物という用語は、装着者に求められた口腔の利益をそれが適用される口腔表面を害することなく使用時に送達する濃度で、1以上の活性物質(類)を含有するいずれの物質も意味する。口腔ケア組成物は、1以上の口腔ケア活性物質により、1以上の口腔状態に対処することができる。これらの口腔ケア活性物質が対処する口腔状態の例には、歯の外観及び構造の変化、白化、染みの漂白、染みの除去、歯垢除去、歯石除去、虫歯の予防及び治療、炎症を起こした及び/又は出血する歯肉、粘膜の創傷、病変、潰瘍、アフター性潰瘍、ヘルペス及び歯の膿瘍、口臭、歯の侵食、歯肉炎、及び/又は歯周病が挙げられるが、これらに限定されない。口腔状態については、PCT国際公開特許WO02/02096A2(P&G、2002年1月10日公開)に更に記載されている。
【0008】
本明細書で使用するとき、「口腔ケア活性物質」又は「活性物質」という語句は、口腔で使用するのに安全であり、口腔の総体的な健康に変化をもたらし、具体的には口腔ケア物質が接触する口腔表面の状態に変化をもたらすいずれかの物質を指すことを目的とし、歯の白化、抗歯石、虫歯予防、及び/若しくは抗菌活性物質、又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0009】
本明細書で使用するとき、「安全且つ有効な量」とは、健全な医学的/歯科的判断の範囲内で、治療すべき状態を著しく改善するために十分に高い濃度であるが、(妥当な利益/リスク比率において)重篤な副作用を避けるために十分に低い量を意味する。活性物質の安全且つ有効な量は、治療される特定の症状、治療患者の年齢及び体調、重症度、治療期間、併用療法の性質、採用される供給源の具体的形態、並びに活性物質がそれから適用される特定のビヒクルによって変わり得る。
【0010】
下文で使用されるすべての百分率及び比率は、特に指示がない限り、全口腔ケア組成物の重量を基準とする。
【0011】
本明細書で言及されるすべての測定は、特に明記されない限り25℃で行なわれる。
【0012】
本明細書で言及される成分のすべての百分率、比率及び濃度は、特に指示がない限り、成分の実際の量に基づき、市販製品として成分と組み合わされている場合がある溶媒、充填剤、又はその他の物質を含まない。
【0013】
ここで図面、具体的には図1及び2を参照すると、一般に10と表示され、口腔ケア組成物を複数個の歯に送達するための製品を表す、本発明の第1の実施形態が示されている。この口腔ケア組成物は、1以上の口腔の利益を提供する単一組成物とすることができる。材料のストリップ12は、口腔ケア組成物14によりコーティングすることができる。この口腔ケア組成物は活性物質を含む。1つの実施形態では、口腔ケア活性物質は過酸化物であり、かつ提供される口腔の利益(類)には歯の白化及び抗歯石が挙げられる。口腔ケア製品10は、材料のストリップ12のような基材を含んでもよく、これは初めは実質的に平坦であってもよく、及び丸みのある角部を有してもよい。材料のストリップ12は、初めは実質的に平坦であってもよいが、材料のストリップは他の形態で提供されてもよいことが企図される。材料のストリップ12は、例えば米国特許第6,884,426号に記載されたような形状及びサイズを有することができる。
【0014】
20として示された(図3〜5)別の実施形態では、製品は、1以上の口腔ケア活性物質を含む複数の口腔ケア組成物、又は複数の口腔ケア活性物質を含む1つの口腔ケア組成物により複数の口腔ケアの利益を提供し、それらの内の1つは歯の白化である。この実施形態では、製品は、歯の白化活性物質を有する口腔ケア組成物を複数個の歯に提供し、及び抗歯石、虫歯予防、抗菌などが挙げられるがこれらに限定されない、白化以外の口腔ケアの利益を提供する口腔ケア活性物質を有する口腔ケア組成物を提供するが、これは複数個の歯に隣接した軟組織に提供される。口腔ケア製品20は、材料のストリップ22のような基材を含んでもよく、これは初めは実質的に平坦であってもよく、好ましくは丸みのある角を有してもよい。材料のストリップ22は、初めは実質的に平坦であってもよいが、材料のストリップが他の形態で提供されてもよいことが企図される。
【0015】
本明細書に記載された本発明のすべての実施形態において、材料のストリップは、米国特許出願公開第2005/0089821号、第2004/0241616号、及び第2005/0089819号に記載され、並びに図5に実施例として示されたように、弓形の形状又はトラフ23を有するトレイの形状で提供されることができる。材料のストリップ22はまた、例えば米国特許第6,884,426号に記載されたように、他の形状及びサイズを有することができる。材料のストリップ22は、米国特許第6,136,297号に記載され、及び図4に例示されたように、浅いくぼみ又はへこみを含むことができる。あるいは、製品が基材を含まない形態で、例えば米国特許第6,419,906号に記載されたように、歯の白化組成物のような口腔ケア組成物を単に含む形態で提供され得ることが企図される。
【0016】
図1及び2に示されたような一実施形態では、口腔ケア組成物14は、材料のストリップ12の上に適用又はコーティングされる。口腔ケア組成物14は、材料のストリップ12の少なくとも一部分に沿って配置されたストライプの形態で提供される。一実施形態では、口腔ケア組成物は、材料のストリップの長手方向の長さに沿って実質的に延びる。口腔ケア組成物は、それが複数個の歯の顔側表面だけに適用されるような形状及びサイズで提供されてもよい。あるいは、口腔ケア組成物は、それが使用中に複数個の歯の顔側及び舌側表面の両方、並びに/又は軟組織に接触するような形状及びサイズで提供されてもよい。例えば、口腔ケア組成物は、複数個の歯の顔側表面を被覆するように、歯の切縁上を包むように、及び複数個の歯の舌側表面を被覆するように成形されるストリップをコーティングする。別の実施形態では、その内の1つが歯の白化の利益を提供する2つの口腔ケア組成物が、ストライプとして、材料のストリップ22の上に配置される(図3〜5に示されたように)。口腔ケア組成物(類)の内の1つ25は、口腔ケア組成物が、使用中に複数個の歯に隣接した軟組織の少なくとも幾つかに接触するように、材料のストリップ22の周辺縁部の1つ又は両方の近くに、隣接して、又は沿って適用されてもよい。口腔ケア組成物はまた、使用中に複数個の歯の硬組織に接触しても、又は接触しなくてもよい。この同じ実施形態では、歯の白化の利益を提供する口腔ケア組成物は、複数個の歯の硬組織に接触する。
【0017】
一実施形態では、口腔ケア組成物は、複数個の歯の顔側表面に隣接した軟組織の少なくとも幾つかに接触することを目的とする単一のストライプとして提供されてもよい。別の実施形態では、口腔ケア組成物は2以上のストライプとして提供され、その際少なくとも1つのストライプは、複数個の歯の顔側表面に隣接した軟組織の少なくとも幾つかに接触することを目的とし、及び少なくとも1つのストライプは、複数個の歯の舌側表面に接触することを目的とする。口腔ケア組成物は、約1mm〜約5mmの幅28を有する形態で提供されてもよい。口腔ケア組成物の2以上のストライプが提供される場合、相異なるストライプは相異なる口腔ケア活性物質を組み込んでもよいことが企図される。例えば、1つのストライプは第1口腔ケア活性物質を含有してもよく、一方で第2のストライプは、第1口腔ケア活性物質とは相異なる第2口腔ケア活性物質を含有してもよい。複数の口腔ケア組成物が連続ストライプとして、図3〜5に示されるが、それらは不連続のストライプ、複数個のストライプ、又は他の規則的な若しくは不規則な形状、例えばドットとして提供され得ることが企図される。あるいは、図7に例示されたように、1つの口腔ケア組成物が材料のストリップの大部分をコーティングしてもよいし、第2の口腔ケア組成物が第1の口腔ケア組成物の上に位置してもよい。幾つかの実施形態では、図3、4、5、6及び7で示すように、複数の口腔ケア組成物は相異なる。本明細書で使用するとき、相異なるとは、均質の混合物とは対照的に、組成物間にほぼ画定された境界線又は境界面を有する組成物を指すことを目的とする。境界線又は境界面における幾らかの混合が予期され、及び相異なる組成物の概念内であると考えられる。本明細書で使用するとき、相異なるとは、活性物質について言及するとき、処方又は組成が同一でない活性物質を指すことを目的とする。
【0018】
更に、口腔ケア組成物が、材料のストリップの周辺縁部の近くに設置されたとして記載されてきたが、それは材料のストリップの中又は上の他の場所に位置できることもまた企図される。例えば、口腔ケア組成物は、材料のストリップを形成するポリマー材料と混合された口腔ケア活性物質を含むことができる。1以上の口腔ケア組成物(類)が材料のストリップ22に、製造業者により予め適用されてもよく、次いで輸送のためポーチ又は他の好適な容器の中に包装されてもよい。
【0019】
一実施形態では、その内の各々が1以上の口腔ケア活性物質を含む、2つの口腔ケア組成物がストリップに適用される。この実施形態では、口腔ケア組成物の内の1つは、歯の白化活性物質を含み、及び2つの口腔ケア組成物は相異なる。図8に示されたように、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物24と第2の口腔ケア組成物25との間にバリヤー組成物27を提供することは望ましい場合がある。バリヤー組成物は、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物24と第2の口腔ケア組成物25とを、製造、貯蔵、及び/又は使用中に分離しておくために使用されてもよい。バリヤー組成物もまた、他の形態も企図されるが、ストライプの形態で提供されることができる。バリヤー組成物は本明細書に記載されたゲル化剤又は接着剤から形成されることができる。1つの実施形態では、バリヤー組成物はいずれの口腔ケア活性物質も含有しない。
【0020】
図9及び10を参照すると、製品20が、複数個の隣接した歯32の顔側及び舌側表面、並びに複数個の歯の顔側及び舌側表面に隣接した軟組織30の幾つかに適用されたとして図解されている。軟組織は、歯に隣接した又は歯の間のいずれかの軟組織を指してもよく、歯乳頭、歯肉縁、歯肉溝、歯間歯肉、粘膜−歯肉接合部及びパレットまでの並びにこれを包含する舌側及び頬側表面上の歯肉構造が挙げられるがこれらに限定されない。製品20は、顔側及び舌側表面の両方、並びにそれらに隣接した幾つかの軟組織に適用されたとして示されているが、製品20は、示されたものより少ない表面への適用のための大きさにされてもよいことが企図される。例えば、製品20は、顔側表面及びそれに隣接した軟組織のみへの適用のためのサイズにされてもよく、又は別の実施形態では、顔側表面及びそれに隣接した軟組織、並びに舌側表面の一部分であるが舌側表面に隣接した軟組織ではない部分への適用のためのサイズにされてもよい。
【0021】
材料のストリップ22は、厚さ、並びにそれを歯32の輪郭面及び軟組織に一致できるようにする曲げ剛性を有してもよい。材料のストリップはまた、複数の歯の間の隙間空間に容易に一致してもよい。一実施形態では、材料のストリップは、永続的な変形なしに歯の表面及び隙間空間に一致することができる。材料のストリップは、歯の隙間空間に一致するために十分な可撓性を有してもよいが、材料のストリップは他の度合いの可撓性も有し得ることが企図される。例えば、一実施形態では、材料のストリップは、歯の間の隙間空間に一致するために十分な可撓性を持たず、歯の顔側及び舌側表面のおおよその輪郭に一致するために十分な可撓性を有するだけでもよいし、又は材料のストリップは、歯の表面の輪郭に一致したときに永続的に変形してもよい(例えば、ワックス型材料として提供された場合)。材料のストリップ12は、前述の厚さ及び曲げ剛性を有し得ることもまた企図される。
【0022】
図11を参照すると、任意の剥離ライナー37が製品20と共に提供され得る。剥離ライナー37は、口腔ケア組成物24及び/又は口腔ケア組成物25に隣接して配置される。任意の剥離ライナー37は、製品20の歯及び軟組織への適用の前に除去される。製品10が同様な任意選択の剥離ライナーを有し得ることもまた企図される。更に(図12〜13に示されたように)、一実施形態では、上歯群用に成形された1つの製品40及び下歯群用に成形された1つの製品42の2つの製品が互いに隣接して剥離ライナー37の上に設置されることができる。別の実施形態では、2つの製品が、上歯群用に成形された製品40と下歯群用に成形された製品42との間に空間44を有して、剥離ライナー37の上に設置されることができる。
【0023】
上記の実施形態は、歯の白化組成物及び口腔ケア組成物を、混合されていない相異なる組成物として図解するが、図14は、歯の白化組成物及び口腔ケア組成物が依然としてまだ相異なるが混合されている実施形態の斜視図を図解する。図14に見られるように、歯の白化組成物24は、複数個のドットとして提供される口腔ケア組成物25と混合される複数個のドットとして提供される。ドットは、規則的な繰り返しパターンとして、不規則なパターンとして、又はこれらの組み合わせとして提供されてもよい。ドットは、ドットを材料のストリップ上に印刷する印刷プロセスを使用して、材料のストリップに適用されてもよい。ドットが示されているが、多種多様の他の形状(規則的及び不規則の両方)並びに大きさが提供されてもよいことが企図される。本発明と共に使用するのに好適な場合がある幾つかのプロセスは、溶液印刷(solution printing)、スクリーン印刷、グラビア印刷、ステンシル印刷、インクジェット印刷であり、その例は、米国特許出願公開第2005/0128260号;米国特許第6,874,862号;及び第5,636,566号に記載されている。口腔ケア組成物は、乾燥してドット又は他の構造を形成する溶液又は半粘稠溶液として印刷され得る。
【0024】
材料のストリップ
本明細書で記載されたように、材料のストリップは口腔ケア組成物のための保護バリヤーとしての役割を果す。それは、例えば装着者の唇、舌、並びに唾液による口腔ケア組成物の実質的な浸出及び/又は浸食を防ぐことができる。これにより、口腔ケア活性物質は、それらの口腔表面上で、数分間から数時間までの長期間にわたって作用することができる。
【0025】
材料のストリップは、1以上のポリマー、ワックス、フォーム、天然及び合成織布材料、不織布材料、ホイル、紙、ゴム及びこれらの組み合わせが挙げられるいずれかの材料を含んでもよい。材料のストリップは、ポリマーフィルムとして提供されることができる。材料のストリップは、材料の単一層であっても、又は1を超える層を含む積層体であってもよい。例えば、材料のストリップは、2以上のポリマーフィルムの積層体を含んでもよいし、又はワックス及び不織布材料、例えば米国特許出願公開第2004/0005277号に記載されたようなポリマーのスクリム若しくはメッシュを含んでもよい。材料のストリップは、実質的に水不透過性であってもよい。材料のストリップの製造に使用するのに好適な幾つかのポリマーには、ポリエチレン、エチルビニルアセテート、ポリエステル、エチルビニルアルコール、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ポリエステルの例には、マイラー(Mylar)(登録商標)、及びテフロン(Teflon)(登録商標)のようなフルオロプラスチックが挙げられ、両方共デュポン(Dupont)により製造されている。材料のストリップは、約1mm未満、又は約0.05mm未満、又は約0.001〜約0.03mmの厚さを有してもよい。
【0026】
材料のストリップは、複数個の歯の顔側及び/若しくは舌側表面、並びに/又は複数個の歯の顔側及び/若しくは舌側表面に隣接した軟組織の幾つかを被覆するようないずれかの形状及びサイズを有してもよい。一実施形態では、材料のストリップの長さは、約2cm〜約12cm、及び好ましくは、約4cm〜約9cmである。材料のストリップの幅はまた、被覆されるべき口腔表面積にもまた依存する。一実施例では、材料のストリップの幅は、約0.5cm〜約4cm、及び好ましくは、約1cm〜約2cmである。図8に見られるように、材料のストリップは複数個の歯の切縁の周囲に折り畳まれてもよいし、又はそうでなければ周囲に配置されてもよい。製品10の全体の厚さは、使用前及び/又は使用中に約2mm未満、又は約1mm未満、又は約0.5mm未満であってもよい。
【0027】
材料のストリップの曲げ剛性は、水平梁の末端部に取り付けられたひずみゲージを使用することにより測定されてもよい。梁の反対側の末端が、試料のストリップを向こう側に押し付けて、ストリップの一部を試料が置かれている水平台の垂直な溝の中に押し入れる。ひずみゲージにワイヤー接続されたマイクロアンメータは、曲げたわみ力のg数で較正される。試料の剛性はマイクロアンメータから直接読み取られ、試料ストリップの幅1cm当りのg数として表される。幾つかの実施形態では、材料のストリップは、ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia)のトウィング−アルバート・インスツルメント社(Thwing-Albert Instrument Co.)から入手可能である、ハンドル・オー・メーター(Handle-O-Meter)、モデル#211−300上で試験方法ASTMD2923−95により測定されるとき、約5g/cm未満の曲げ剛性を有してもよい。他の実施形態では、材料のストリップは、約3g/cm未満、又は約2g/cm未満、又は約0.1g/cm〜約1g/cmの曲げ剛性を有する。
【0028】
低い曲げ剛性は、材料のストリップを、口腔表面へのその適用の直前のその形状に戻す残留力が材料のストリップ内にほとんどないため、材料のストリップを、装着者の口の口腔表面の輪郭に一致できるようにすることができる。材料のストリップの可撓性は、それが長期間にわたって刺激なしに軟組織に接触できるようにし、及び材料のストリップは、歯及び/又は軟組織の表面にそれを一致させるために著しい圧力を必要としない。
【0029】
材料のストリップは、材料のストリップに適用される、コーティングされる、又は混合される1以上の口腔ケア組成物、バリヤー組成物、又はいずれかの他の組成物若しくは活性物質/剤により提供される接着性の付着により、口腔表面上の所定位置に保持される。あるいは、材料のストリップは、歯の顔側及び/又は舌側表面の周りに材料のストリップを変形することによる機械的圧力により所定位置に保持され得る。例えば、材料のストリップが歯への適用中に永続的な変形を受ける場合には、材料のストリップは、歯の周りへの材料のストリップの圧力又は適合により所定位置に保持されてもよい。幾つかの実施形態では、材料のストリップは、使用中に溶解又は浸食されてもよい。使用中に溶解又は浸食され得る材料のストリップの例は、米国特許第6,649,147号;及び米国特許出願公開第2003/0228264号;及び第2004/0062724号に記載される。材料のストリップは、約1時間未満、約30分未満、約15分未満、又は5分未満の間に溶解又は浸食されてもよい。材料のストリップの溶解又は侵食後、口腔ケア組成物は、顔側及び/若しくは舌側の歯の表面並びに/又は軟組織表面上に、これらの表面上で作用し続けられるように後に残されてもよい。
【0030】
複数の口腔ケア組成物を有する幾つかの実施形態では、口腔ケア組成物が、異なる速度でその後溶解又は侵食することは、望ましい場合がある。例えば、材料のストリップの溶解後(又は材料のストリップの除去後)、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物は迅速に溶解する場合があるが、抗菌活性物質を含む口腔ケア組成物は、口腔ケア活性物質が軟組織上で作用し続けられるように、又は活性物質を口腔により長い期間にわたって送達できるように、よりゆっくりと溶解する。ストリップの除去、溶解、又は侵食時に迅速に溶解し得る口腔ケア組成物の例は、米国特許第6,669,930号及び第5,098,303号に開示されている。口腔ケア組成物が口腔組織上に2日まで残留することが望ましい場合がある。別の実施形態では、口腔ケア組成物が口腔組織上に約30分、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、若しくは20時間を超える、及び又は24、20、18、16、14、12、10、8、6、若しくは4時間未満の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間残留することが望ましい場合がある。口腔組織に長時間接着することができる口腔ケア組成物の例は、米国特許出願公開第2005/0100515号及び米国特許第6,649,147号に開示されている。
【0031】
材料のストリップが溶解せず又は侵食されない場合、材料のストリップ及び1以上の口腔ケア組成物は、除去時に口腔ケア組成物(類)のかすがほとんど又は全く後に残されないように、歯表面及び軟組織からきれいに除去されてもよい。あるいは、材料のストリップの除去は、歯の白化口腔ケア組成物のような1つの口腔ケア組成物をきれいに除去し、及び第2の口腔ケア組成物中の口腔ケア活性物質が組織上で長期間にわたって作用し続けることができるように、第2の口腔ケア組成物を口腔組織上に残してもよい。後者の場合、第1の口腔ケア組成物が材料のストリップに接着し及びそれと共に除去される一方で、第2の口腔ケア組成物は後に残るように、第2の口腔ケア組成物は、第1の口腔ケア組成物が材料のストリップに対して有するより少ない接着親和力を、材料のストリップに対して有してもよい。材料のストリップは、歯からの材料のストリップの除去時に、材料のストリップと第2の口腔ケア組成物との間の剥離を促進する又は達成するように、第2の口腔ケア組成物に接触する材料のストリップの部分上に、そこに適用される剥離コーティング(例えば、テフロン(Teflon)、シリコーン、フルオロポリマーなど)を有してもよい。
【0032】
材料のストリップを歯の表面及び軟組織から除去するために必要な剥離力は、1.5cmのストリップ幅について約1g〜約50g(およそ17g/cm)であってもよく、それが必要とされるすべてである。別の実施形態では、剥離力は約10g〜約40g、又は約20g〜約30gであってもよい。
【0033】
図11を参照すると、材料のストリップ12はまた穿孔されていてもよい。例えば口腔ケア活性物質が口腔の中に、より容易に溶解する又はそうでなければ拡散することが望ましい場合は、穿孔は口腔ケア組成物15に隣接して又はその下に提供されることができる。穿孔は、規則的な又は不規則なパターンで提供されることができる。
【0034】
口腔ケア組成物
安全且つ有効な量の口腔ケア活性物質を含む本発明の口腔ケア組成物は、口腔の上記の状態を治療又は予防するために、幾つかの方法によって、口腔の粘膜組織、口腔の歯肉組織、歯の表面、及び/又はこれらのいずれかの組み合わせに局所的に適用されてもよい。材料のストリップ又は口腔表面に適用された口腔ケア物質の量は、材料片の大きさ及び収容能力、活性物質の濃度、及び求められる所望の利益に依存する。一般に、約1g未満の口腔物質が使用される。1つの実施形態では、約0.05g〜約0.5gの口腔ケア物質が使用される。別の実施形態では、約0.1〜約0.4gの口腔ケア物質が使用される。口腔ケア組成物は、1以上の利益を軟組織に、場合によっては歯の硬組織に送達する口腔ケア活性物質を含有することができる。口腔ケア活性物質は、口腔に使用するのに安全であると一般に認められ、口腔の総体的な健康に変化をもたらす、及び具体的には口腔ケア活性物質が接触する口腔表面の状態に変化をもたらすいずれかの物質であることができる。本発明の口腔ケア組成物中の口腔ケア活性物質の濃度は、一実施形態では約0.01%〜約40%である。別の実施形態では、口腔ケア組成物中の口腔ケア活性物質の濃度は、約0.1%〜約20%である。別の(antoerh)実施形態では、口腔ケア組成物中の口腔ケア活性物質の濃度は、約0.5%〜約10%であり、及び更に別の実施形態では、口腔ケア組成物中の口腔ケア活性物質の濃度は、約1%〜約7%であり、及び更に別の実施形態では、口腔ケア組成物中の口腔ケア活性物質の濃度は、約0.5%〜約5%である。利益には、歯の白化及び/又は漂白、抗菌又は殺菌、抗歯石、虫歯予防、抗過敏症、悪臭予防などを挙げることができる。口腔ケア組成物は、1つ又は複数の口腔ケア活性物質を含むことができる。本発明の一実施形態では、口腔ケア組成物は、複数の口腔ケアの利益を送達する1つの口腔ケア活性物質を含む。本発明の別の実施形態では、口腔ケア組成物は複数の口腔ケア活性物質を含み、その各々が相異なる口腔ケアの利益を送達する。別の実施形態では、口腔ケア組成物は、約0.5%〜約5%の白化以外の口腔ケア活性物質を含み、及び約1%〜約30%の白化用口腔ケア活性物質を含む。別の実施形態では、口腔ケア組成物は、約0.5%〜約3%の白化以外の口腔ケア活性物質を含み、及び約1%〜約10%の白化用口腔ケア活性物質を含む。一実施形態では、口腔ケア組成物は、全口腔ケア組成物の約1重量%〜約3重量%のピロリン酸塩、及び全口腔ケア組成物の約1重量%〜約10重量%の過酸化物を含む。
【0035】
単一の口腔ケア製品は複数の口腔ケア組成物を含むことができ、その各々が1以上の口腔ケア活性物質を含むこともまた企図される。口腔ケア組成物に使用するのに好適な幾つかの口腔ケア活性物質については、より十分に以下で論じられる。
【0036】
口腔ケア組成物は、1以上のゲル化剤を含有することができ、それはまた口腔ケア組成物を複数個の歯に接着するための接着剤として作用してもよい。ゲル化剤の濃度は、口腔ケア組成物の約2、4、6、8、10、15、20、30、40、50、60重量%を超えても、又は約80、70、60、50、40、30、若しくは20重量%未満であってもよい。
【0037】
本発明に有用な好適なゲル化剤、接着剤、及び/又は口腔ケア組成物は、米国特許第6,649,147号;第6,780,401号;米国特許第2004/0102554号;第2005/0089819号;第2003/0152528号;米国特許第6,419,906号;及び米国特許第2005/0100515号に記載されている。ゲル化剤又は接着剤の幾つかは、シリコーン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリアルキルビニルエーテル−マレイン酸コポリマー(PVM/MAコポリマー)例えばガントレッツ(Gantrez)AN119、AN139、及びS−97、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポロキサマー(Poloxamer)407(プルロニック(Pluronic))、ポリビニルピロリドン−ビニルアセテートコポリマー(PVP/VAコポリマー)、例えばルビスコール(Luviskol)VA、及びプラスドン(Plasdone)S PVP/VA、ポリビニルピロリドン(PVP、例えばK−15〜K−120)、ポリクオタニウム(Polyquaterium)−11(ガフクァット(Gafquat)755N)、ポリクオタニウム(Polyquaterium)−39(メルクァット・プラス(Merquat plus)3330)、カルボマー(carbomer)又はカルボキシポリメチレン(カーボポール(Carbopol))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン及びアルギン酸塩、例えばアルギン酸ナトリウム、天然ガム、例えばカラヤガム、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、トラガカントガム、及びこれらの混合物を含有してもよい。
【0038】
保湿剤又は可塑剤が口腔ケア組成物に含有されてもよく、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、及び他の食用多価アルコールが挙げられる。保湿剤は、口腔ケア組成物の約10重量%〜約95重量%、又は約50重量%〜約80重量%で存在してもよい。口腔ケア組成物はまた、着香剤、甘味剤、不透明化剤、及び着色剤を含有することができる。
【0039】
水が口腔ケア組成物の中に含有されてもよい。水の濃度は、口腔ケア組成物の約0、2、5、10、15、20、25、30、35、40、若しくは45重量%を超えても、及び/又は約80、70、60、50、若しくは40重量%未満であっても、及びこれらのいずれかの組み合わせであってもよい。
【0040】
1.歯の白化活性物質(Tooth Whitening Actives)
一般に、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物の約1g未満が材料のストリップに適用される。1つの実施形態では、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物の約0.05g〜約0.5g、又は約0.1g〜約0.4gが使用される。歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物の量は材料の1平方センチメートルにつき、約0.2g/cm2未満、好ましくは約0.005〜約0.1g/cm2、及びより好ましくは約0.01g/cm2〜約0.04g/cm2であってもよい。
【0041】
歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物は、多様な形態、例えば固体、半固体、又は粘稠な液体、ペースト、ゲル、若しくは溶液を含有する液体で提供されることができる。好ましくは、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物は、ゲルの形態である。歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物は、低剪断速度(1 1/秒未満)において、約0.2Pa.s(200cps)〜約5,000Pa.s(5,000,000cps)の粘度を有してもよい。1つの実施形態では、粘度は、約100Pa.s(100,000cps)〜約1,500Pa.s(1,500,000cps)であってもよく、及び別の実施形態では、約400Pa.s(400,000cps)〜約1,000Pa.s(1,000,000cps)であってもよい。
【0042】
ポリマーのメッシュ又はスクリムが、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物の中に組み込まれてもよい。
【0043】
口腔ケア組成物に使用するために好適な場合がある歯の白化又は漂白活性物質には、過酸化物、亜塩素酸金属塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な過酸化物化合物には、過酸化水素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な亜塩素酸金属塩には、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸カリウムが挙げられる。追加的白化活性物質は、次亜塩素酸塩及び二酸化塩素であってもよい。口腔ケア組成物は、歯の白化活性物質を、口腔ケア組成物の約2、4、6、8、10、15、20重量%を超えて、及び/又は約40、25、20、18、16、14、12、若しくは10重量%未満で含有してもよい。
【0044】
本発明の実施形態のいずれか1つ及び/又は組み合わせが、口腔ケアのレジメンの一部として毎日使用され得ることが企図される。本発明のこれらの口腔ケア組成物を毎日の口腔ケアのレジメンの一部として使用することにより、ユーザーは、白い、歯石のない歯が挙げられるがこれらに限定されない多様な所望の口腔ケアの利益を実現及び維持することができる。しかしながら、口腔ケア組成物が過酸化物を含有し、及び口腔が過酸化物物質を含む組成物に毎日曝される場合、口腔の表面にとって高度に耐えられる及び歯の過敏症の発症を最小にする口腔ケア組成物を使用することが望ましい。口腔の軟組織にとって耐えられる及び歯の過敏症の発症を最小にする口腔ケア組成物の例には、全歯の白化組成物の約7.5重量%未満の過酸化物の過酸化物濃度及び約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有するものが挙げられる。1つの実施形態では、歯の白化組成物は、歯の白化組成物の約0.01重量%を超える及び約7.5重量%未満の過酸化物の過酸化物濃度、並びに約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有する。別の実施形態では、歯の白化組成物は、歯の白化組成物の約6.5重量%を超える及び約7.5重量%未満の過酸化物の過酸化物濃度、並びに約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有する。別の実施形態では、歯の白化組成物は、歯の白化組成物の約6.0重量%を超える及び約6.5重量%未満の過酸化物の過酸化物濃度、並びに約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有し、並びに更に別の実施形態では、歯の白化組成物は、歯の白化組成物の約6.0重量%未満の過酸化物の過酸化物濃度、及び約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有する。
【0045】
過酸化物密度は、過酸化物活性物質の量(mg)又は過酸化物投与量と、歯の表面及び口腔の隣接した軟組織に適用される薄層の表面積(cm2)との比である。過酸化物密度及びその計算は、米国特許第6,949,240号に論じられている。多くの場合、薄層の表面積は、材料のストリップの全体が口腔に適用される場合、及び材料のストリップの全体に歯の白化組成物の薄層がコーティングされる場合は、材料のストリップの表面により概算されることができる。例えば、材料のストリップが長方形であり、長さ6.5cm及び幅1.54cmを有し、歯の白化組成物の薄層が材料のストリップの全面にわたってコーティングされている場合、その総表面積は10cm2である。歯の白化組成物が6.5%の過酸化水素を含有し、材料のストリップが0.2gの歯の白化組成物を含有する場合は、過酸化水素の投与量は13mgである。相当する過酸化物密度は1.3mg/cm2である。
【0046】
2.抗歯石活性物質(Anti-tartar Actives)
デンタルケア製品への使用が既知の抗歯石活性物質は、リン酸塩を含有する。リン酸塩には、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩、ポリホスホン酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。ピロリン酸塩は、デンタルケア製品への使用が中でも一番良く知られている。ピロリン酸塩から得られるピロリン酸塩イオンが歯に送達される。本発明の組成物に有用なピロリン酸塩には、ピロリン酸ジアルカリ金属塩、ピロリン酸テトラアルカリ金属塩、及びこれらの混合物が挙げられる。無水和並びに水和の形態の、二水素ピロリン酸二ナトリウム(Na2H2P2O7)、ピロリン酸四ナトリウム(Na4P2O7)、及びピロリン酸四カリウム(K4P2O7)が好ましい種である。上記のピロリン酸塩のいずれが使用されてもよいが、ピロリン酸四ナトリウムが好ましい。一実施形態では、口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の約0.5重量%〜約5重量%のピロリン酸塩を含む。別の実施形態では、口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の約0.5重量%〜約3重量%のピロリン酸塩を含む。
【0047】
ピロリン酸塩は、カーク及びオスマー(Kirk & Othmer)の工業化学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)、第3版、17巻、ワイリー−インターサイエンス・パブリッシャーズ(Wiley-Interscience Publishers)(1982年)に、より詳細に記載されており、カーク及びオスマー(Kirk & Othmer)に組み込まれているすべての参考文献を包含してその全体が本明細書に参考として組み込まれる。追加的抗結石活性物質には、米国特許第4,590,066号(パーラン&サッカブ(Parran & Sakkab)、1986年5月20日発行)に開示されているピロリン酸塩又はポリリン酸塩;ポリアクリレート及び他のポリカルボキシレート、例えば米国特許第3,429,963号(シェッドロブスキー(Shedlovsky)、1969年2月25日発行)、及び米国特許第4,304,766号(チャン(Chang)、1981年12月8日発行);及び米国特許第4,661,341号(ベネディクト及びサンバーグ(Benedict & Sunberg)、1987年4月28日発行)に開示されているもの;ポリエポキシスクシナート、例えば米国特許第4,846,650号(ベネディクト、ブッシュ及びサンバーグ(Benedict, Bush & Sunberg)、1989年7月11日発行)に開示されているもの;英国特許第490,384号(1937年2月15日付け)に開示されているようなエチレンジアミン四酢酸;米国特許第3,678,154号(ウィダー及びブライナー(Widder & Briner)、1972年7月18日発行)に開示されているようなニトリロ三酢酸及び関連する化合物;米国特許第3,737,533号(フランシス(Francis)、1973年6月5日発行)、米国特許第3,988,443号(プロガー、シュミット−ダンカー及びグロックスフーバー(Ploger, Schmidt-Dunker & Gloxhuber)、1976年10月26日発行)、及び米国特許第4,877,603号(デーゲンハルト及びコジコウスキー(Degenhardt & Kozikowski)、1989年10月31日発行)に開示されているようなポリリン酸塩が挙げられ、これらの特許のすべてが本明細書に参考として組み込まれる。抗結石リン酸塩には、ピロリン酸カリウム及びピロリン酸ナトリウム;トリポリリン酸ナトリウム;ジリン酸塩、例えばエタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジリン酸塩、1−アザシクロヘプタン−1,1−ジリン酸塩、及び直鎖アルキルジホスホン酸塩;直鎖カルボン酸;及びクエン酸亜鉛ナトリウム(sodium zinc citrate)が挙げられる。
【0048】
ピロリン酸塩の代わりに又はピロリン酸塩と組み合わせて使用されてもよい活性物質には、合成アニオン性ポリマーのような既知の物質が挙げられ、それにはポリアクリレート、及び無水マレイン酸若しくはマレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマー(例えば、ガントレッツ(Gantrez))、例えば米国特許第4,627,977号(ガファー(Gaffar)ら)に記載されたようなもの(その開示は本明細書にその全体が参考として組み込まれる);並びに、例えばポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ポリリン酸塩(例えば、トリポリリン酸塩;ヘキサメタリン酸塩)、ジホスホン酸塩(例えば、EHDP;AHP)、ポリペプチド(例えば、ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0049】
他の抗歯石活性物質にはヘキサメタリン酸ナトリウムが挙げられる。
【0050】
3.虫歯予防活性物質
フッ化物イオン供給源は、口腔ケア組成物において虫歯予防活性物質として使用されることが周知である。フッ化物イオンは、この目的のために多数の口腔ケア組成物、特に練り歯磨きの中に含有される。こうした練り歯磨きを開示する特許には、米国特許第3,538,230号(パーダー(Pader)ら、1970年11月3日);米国特許第3,689,637号(パーダー(Pader)、1972年9月5日);米国特許第3,711,604号(コロドニー(Colodney)ら、1973年1月16日);米国特許第3,911,104号(ハリソン(Harrison)、1975年10月7日);米国特許第3,935,306号(ロバーツ(Roberts)ら、1976年1月27日);及び米国特許第4,040,858号(ワソン(Wason)、1977年8月9日)が挙げられる。
【0051】
フッ化物イオンのエナメル質への適用は、歯をう蝕に対して保護する役割を果す。多種多様なフッ化物イオン生成物質が、本発明の組成物の可溶性フッ化物供給源として採用されることができる。好適なフッ化物イオン生成物質の例は、米国特許第3,535,421号(ブライナー(Briner)ら、1970年10月20日発行)及び米国特許第3,678,154号(ウィダー(Widder)ら、1972年7月18日発行)に見出され、両特許とも本明細書に参考として組み込まれる。本明細書に用いるのに好ましいフッ化物イオン供給源には、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸塩、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、及びフッ化アンモニウムが挙げられる。フッ化ナトリウムが特に好ましい。好ましくは、本発明の組成物は、口の中で使用される材料のストリップと共に使用されるとき、歯の表面と接触する水溶液中、約50ppm〜10,000ppm、より好ましくは約100〜3000ppmのフッ化物イオンを提供する。
【0052】
他の虫歯予防活性物質にはキシリトールが挙げられる。
【0053】
4.抗菌活性物質
抗菌活性物質もまた口腔ケア組成物の中に存在することができる。こうした活性物質には、トリクロサンと一般に呼ばれる、及びメルク・インデックス(Merck Index)第11版(1989年)、1529ページ(エントリー番号9573)、米国特許第3,506,720号、及び欧州特許出願0,251,591(ビーチャム・グループ社(Beecham Group, PLC)、1988年1月7日公開)に記載された5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノール;米国特許第4,994,262号(1991年2月19日)に開示されているものが挙げられるがこれらに限定されないフタル酸及びその塩、すべてサンパスクマール(Sampathkumar)への米国特許第4,990,329号(1991年2月5日)、第5,110,583号(1992年5月5日)、及び第4,716,035号(1987年12月29日)に開示されているような置換モノペルタル酸(monoperthalic acid)及びその塩及びエステル;好ましくはモノペルオキシフタル酸マグネシウム、クロルヘキシジン(メルク・インデックス(Merck Index)、番号2090)、アレキシジン(メルク・インデックス(Merck Index)、番号222);ヘキセチジン(メルク・インデックス(Merck Index)、番号4624);サンギナリン(メルク・インデックス(Merck Index)、番号8320);塩化ベンザルコニウム(メルク・インデックス(Merck Index)、番号1066);サリチルアニリド(メルク・インデックス(Merck Index)、番号8299);臭化ドミフェン(メルク・インデックス(Merck Index)、番号3411);塩化セチルピリジニウム(CPC)(メルク・インデックス(Merck Index)、番号2024);テトラデシルピリジニウムクロライド(TPC);N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロライド(TDEPC);オクテニジン;デルモピノール、オクタピノール、及び他のピペリジノ誘導体;ナイシン製剤;亜鉛/スズイオン活性物質;抗生物質、例えばオーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、及びメトロニダゾール;並びに上記の類縁体及び塩;チモール、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキチオール、ユーカリプトール、カテコール(特に,4−アリルカテコール)を包含する精油、金属又は金属イオン(例えば、銀、銅、亜鉛など)及びこれらの混合物;サリチル酸メチル;亜塩素酸塩及び亜塩素酸塩の金属塩、並びに上記のすべての混合物を挙げてもよいが、これらに限定されない。
【0054】
5.抗炎症及び抗過敏症活性物質
抗炎症活性物質もまた口腔ケア組成物の中に存在することができる。こうした活性物質には、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、アスピリン、ケトプロフェン、ピロキシカム、及びメクロフェナム酸のような非ステロイド性抗炎症活性物質又はNSAIDを挙げてもよいが、これらに限定されない。ケトロラクのようなNSAIDの使用は、本明細書に参考として組み込まれる米国特許第5,626,838号(1997年5月6日発行)において請求されている。その中に開示されているのは、口腔又は中咽頭にNSAIDの有効量を局所投与することにより、原発又は再発の口腔又は中咽頭の扁平上皮細胞癌を予防及び、又は治療する方法である。
【0055】
抗過敏症活性物質には、硝酸カリウム、丁子油(オイゲノール(Eugenol))及び他の草木又は着香活性物質/剤を挙げることができる。
【0056】
6.栄養素
栄養素は、口腔の状態を改善する場合があり、及び口腔ケア組成物に含有されることができる。栄養素には、ミネラル、ビタミン、経口栄養補給剤、経腸栄養補給剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
本発明の組成物と共に含有されることができるミネラルには、カルシウム、リン、フッ化物、亜鉛、マンガン、カリウム及びこれらの混合物が挙げられる。これらのミネラルは、本明細書に参考として組み込まれる、薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)(ルーズリーフ式薬物情報サービス(loose leaf drug information service))、ウォルターズ・クルアー社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St.Louis)、(版権)、1997年、10〜17ページに開示されている。
【0058】
ビタミンは、ミネラルと共に含有されることもできるし、又は別個に使用されることもできる。ビタミンには、ビタミンC及びD、チアミン、リボフラビン、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、葉酸、ニコチンアミド、ピリドキシン、シアノコバラミン、パラ−アミノ安息香酸、ビオフラボノイド、及びこれらの混合物が挙げられる。こうしたビタミンは、本明細書に参考として組み込まれる、薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)(ルーズリーフ式薬物情報サービス(loose leaf drug information service))、ウォルターズ・クルアー社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St.Louis)、(版権)、1997年、3〜10ページに開示されている。
【0059】
経口栄養補給剤には、本明細書に参考として組み込まれる、薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)(ルーズリーフ式薬物情報サービス(loose leaf drug information service))、ウォルターズ・クルアー社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St.Louis)、(版権)、1997年、54〜54eページに開示されているような、アミノ酸、脂肪親和物質、魚油、及びこれらの混合物が挙げられる。アミノ酸には、L−トリプトファン、L−リシン、メチオニン、スレオニン、レボカルニチン又はL−カルニチン及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。脂肪親和物質には、コリン、イノシトール、ベタイン、リノール酸、リノレン酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。魚油は、大量のオメガ−3(N−3)多不飽和脂肪酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸を含有する。
【0060】
経腸栄養補給剤には、本明細書に参考として組み込まれる、薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)(ルーズリーフ式薬物情報サービス(loose leaf drug information service))、ウォルターズ・クルアー社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St.Louis)、(版権)1997年、55〜57ページに開示されているような、タンパク質製品、グルコースポリマー、トウモロコシ油、ベニバナ油、中鎖トリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
7.酵素
幾つかの適合性のある酵素を個々に又は組み合わせて口腔ケア組成物に含有することができる。酵素は生体系の化学反応の生物学的触媒である。酵素は基質と結合し、その上で酵素−基質中間複合体を形成するように作用する。この複合体は次に、反応生成物とその特異的酵素機能を維持した遊離酵素に変換される。
【0062】
酵素は、口腔の洗浄のために使用されるとき、幾つかの利益を提供する。プロテアーゼは、唾液タンパク質を破断するが、この唾液タンパク質とは歯の表面上に吸収されて薄膜(結果として得られる歯垢の第一層)を形成するものである。リパーゼと共にプロテアーゼは、細菌細胞壁及び膜の構造成分を形成するタンパク質及び脂質を溶解することにより細菌を破壊する。デキストラナーゼは、細菌性接着のためのマトリックスを形成する細菌により生成される有機骨格構造を分解する。プロテアーゼ及びアミラーゼは、歯垢形成を与えるばかりでなく、またカルシウムと結合する炭水化物−タンパク質複合体を解体することによって結石の発達を防止し、鉱化を防ぐ。
【0063】
本発明に有用な酵素には、いずれかの市販のプロテアーゼ、グルカノヒドロラーゼ、エンドグリコシダーゼ、アミラーゼ、ムタナーゼ(mutanases)、リパーゼ及びムシナーゼ又はそれらの適合性のある混合物が挙げられる。好ましいのはプロテアーゼ、デキストラナーゼ、エンドグリコシダーゼ、及びムタナーゼ(mutanases)であり、最も好ましいのはパパイン、エンドグリコシダーゼ、又はデキストラナーゼとムタナーゼの混合物である。本発明に使用するために好適な追加的酵素は、米国特許第5,000,939号(ドリング(Dring)ら、1991年3月19日);米国特許第4,992,420号(ネゼール(Neeser)、1991年2月12日);米国特許第4,355,022号(ラブッセイ(Rabussay)、1982年10月19日);米国特許第4,154,815号(パーダー(Pader)、1979年5月15日);米国特許第4,058,595号(コロドニー(Colodney)、1977年11月15日);米国特許第3,991,177号(ヴィルダ(Virda)ら、1976年11月9日)、及び米国特許第3,696,191号(ウィークス(Weeks)、1972年10月3日)に開示され、すべてが本明細書に参考として組み込まれる。
【0064】
8.口及び喉用製品
本発明と共に使用できる他の物質には、一般に既知の口及び喉用製品が挙げられる。こうした製品は、本明細書に参考として組み込まれる、薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)(ルーズリーフ式薬物情報サービス(loose leaf drug information service))、ウォルターズ・クルアー社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St.Louis)、(版権)、1997年、520b〜527ページに開示されている。これらの製品には、抗カビ、抗生物質、及び鎮痛活性物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
9.酸化防止剤
酸化防止剤は、一般に、本発明のもののような組成物に有用であると認められている。酸化防止剤は、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker, Inc.)によるカデナス(Cadenas)及びパッカー(Packer)の酸化防止剤便覧(The Handbook of Antioxidants)、(版権)1996年のような文書中に開示されている。本発明の口腔ケア組成物又は物質に包含されてもよい酸化防止剤には、ビタミンE、アスコルビン酸、尿酸、カロチノイド、ビタミンA、フラボノイド及びポリフェノール、薬草系酸化防止剤、メラトニン、アミノインドール、リポ酸及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
10.H−2アンタゴニスト
ヒスタミン−2(H−2又はH2)レセプターアンタゴニスト化合物(H−2アンタゴニスト)は、本発明の口腔ケア組成物に使用してもよい。本明細書で使用するとき、選択的H−2アンタゴニストは、H−2レセプターを遮断するが、ヒスタミン−1(H−1又はH2)レセプターを遮断する際には有意の活性を持たない化合物である。選択的H−2アンタゴニストは、消化管や気管のような様々の臓器の平滑筋の収縮を刺激するが、この効果は、典型的な抗ヒスタミン剤であるメピラミンの低濃度で抑制することができる。これらメピラミン感受性のヒスタミン応答に関与する薬理学的レセプターは、H−1レセプターとして定義されてきた(アッシュ,A.S.F.&H.O.シルド(Ash, A.S.F. & H.O. Schild)、英国薬理学化学療法誌(Brit. J. Pharmacol Chemother.)、27巻(1966年)、427ページ、本明細書に参考として組み込まれる)。ヒスタミンはまた胃による酸の分泌を刺激し(レーブ,E.R&O.チッカーリング(Loew, E.R. & O. Chickering)、実験生物学及び医学協会会報(Proc. Soc. Exp. Biol. Med.)、48巻(1941年)、65ページ、本明細書に参考として組み込まれる)、心拍を増やし(トレンデレンブルク,U.(Trendelenburg, U.)、薬理学誌(J. Pharmacol.)、130巻(1960年)、450ページ、本明細書に参考として組み込まれる)、及びラットの子宮収縮を抑制する(デュース,P.B.&J.D.P.グラハム(Dews, P.B. & J.D.P. Graham)、英国薬理学化学療法誌(Brit. J. Pharmacol Chemother.)、1巻(1946年)、278ページ、本明細書に参考として組み込まれる)が;これらの作用はメピラミン及び関連する薬物により拮抗され得ない。口腔ケア組成物又は物質に有用なH−2アンタゴニストは、メピラミン非感受性の非H−1(H−2)ヒスタミン応答に関与するレセプターを遮断し、及びメピラミン感受性のヒスタミン応答に関与するレセプターを遮断しないものである。
【0067】
選択的H−2アンタゴニストは、H−2アンタゴニストの機能についての古典的な前臨床スクリーニング試験におけるそれらの性能を通してH−2アンタゴニストであることが見出される化合物である。選択的H−2アンタゴニストは、H−2レセプターの機能に特に依存するスクリーニングモデルでは、ヒスタミン媒介効果の競合的又は非競合的阻害物質として機能するが、H−1レセプターの機能に依存するスクリーニングモデルでは、著しいヒスタミンアンタゴニスト活性を欠くことが明示され得る化合物として識別される。具体的には、これには、本明細書に参考として組み込まれる、ブラック,J.W.(Black, J.W.)、W.A.M.ダンカン(W.A.M. Duncan)、C.J.デューラント(C.J. Durant)、C.R.ガネリン(C.R. Ganellin)及びE.M.パーソンズ(E.M. Parsons)の「ヒスタミンH@レセプターの定義及び拮抗作用(Definition and Antagonism of Histamine H@-Receptors)」、ネーチャー(Nature)、236巻(1972年4月21日)、385〜390ページ(ブラック(Black))に記載されたように、モルモットの自発鼓動する右心房生体外試験及びラットの胃酸分泌生体内試験による試験を通じてブラック(Black)により記載されたように評価された場合、H−2アンタゴニストとして分類されるが、モルモットの回腸収縮生体外試験又はラットの胃筋収縮生体内試験のいずれかについてブラック(Black)により記載されたように評価された場合、H−2アンタゴニスト活性に比べて、有意のH−1アンタゴニスト活性を欠くことが示された化合物が挙げられる。好ましくは、選択的H−2アンタゴニストは、上記のH−1試験において妥当な投与濃度において、有意のH−1活性を全く示さない。典型的な妥当な投与濃度は、ヒスタミンの90%の抑制、好ましくはヒスタミンの99%の抑制が上記H−2試験において実現される最低投与濃度である。
【0068】
選択的H−2アンタゴニストには、上記の基準を満たす化合物が挙げられ、それらは米国特許第5,294,433号及び第5,364,616号(シンガー(Singer)ら、それぞれ1994年3月15日及び1994年11月15日に発行及びプロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)に譲渡;両方共本明細書に参考として組み込まれる)に開示されており、その際選択的H−2アンタゴニストは、シメチジン、エチンチジン、ラニチジン、ICIA−5165、チオチジン、ORF−17578、ルピチジン(lupitidine)、ドネチジン(donetidine)、ファモチジン、ロキサチジン、ピファチジン(pifatidine)、ラミチジン(lamtidine)、BL−6548、BMY−25271、ザルチジン(zaltidine)、ニザチジン、ミフェンチジン、BMY−52368、SKF−94482、BL−6341A、ICI−162846、ラミキソチジン(ramixotidine)、Wy−45727、SR−58042、BMY−25405、ロキシチジン(loxtidine)、DA−4634、ビスフェンチジン(bisfentidine)、スフォチジン(sufotidine)、エブロチジン(ebrotidine)、HE−30−256、D−16637、FRG−8813、FRG−8701、イムプロミジン、L−643728、及びHB−408.4からなる群から選択される。特に好ましいのは、シメチジン(SKF−92334)、N−シアノ−N’−メチル−N’’−(2−(((5−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオ)エチル)グアニジンである:
【化1】
シメチジンはまた、メルク・インデックス(Merck Index)、11版(1989年)、354ページ(エントリー番号2279)、及び医師用卓上参考書(Physicians’ Desk Reference)、46版(1992年)、2228ページに開示されている。関連する好ましいH−2アンタゴニストには、ブリマミド及びメチアミドが挙げられる。
【0069】
口腔ケア組成物(及びバリヤー組成物)はまた、歯の白化口腔ケア組成物について開示されたものと同じ又は同様であってもよいゲル化剤及び他の成分を含有することができる。一実施形態では、歯の白化口腔ケア組成物及び口腔ケア組成物は、異なる接着特性を歯の白化口腔ケア組成物及び口腔ケア組成物に付与するために、異なるゲル化剤若しくは接着剤、又はこれらの組み合わせを含む。口腔ケア活性物質が、歯の白化口腔ケア組成物から離れて配置される口腔ケア組成物の一部を形成するとして記載されてきたが、口腔ケア活性物質が歯の白化組成物と組み合わされ得ること及び/又は歯の白化組成物が歯の白化若しくは漂白に加えて口腔の利益を送達できることが企図される。例えば、口腔ケア活性物質は、歯の白化組成物のメッシュ又はスクリムの一部を形成する材料と混合されることもできるし、又は口腔ケア活性物質は、材料のストリップと混ぜ合わされることもできる。
【0070】
上記の口腔ケア組成物は、以上に列挙された成分から形成されてもよいが、口腔ケア組成物の製造中に起こる場合がある変化又は反応のために、口腔ケア組成物が製造後に、これらの正確な成分を含有していても又は含有していなくてもよいことは、よく理解される。
【0071】
使用方法
安全且つ有効な量の本発明の組成物が、上記の状態を治療又は予防するために、幾つかの方法によって、口腔の粘膜組織、口腔の歯肉組織、及び/又は歯の表面に局所的に適用されてもよい。
【0072】
製品10及び/又は20は、歯及び/又は軟組織に、約1分〜約8時間の間適用されることができる。幾つかの実施形態では、製品が、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、90、120、150、180、210、240、270、300、330、360、390、420、450、480分を超える、及び/又は480、450、420、390、360、330、300、270、240、210、180、150、120、90、60、50、40、30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、若しくは2分未満の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間適用されるレジメンに従うことは望ましい場合があり、その際口腔ケア活性物質は、口腔ケア組成物の約1重量%〜約50重量%の濃度を有する。こうしたレジメンは、約1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、2年、5年、8年、10年を超える、及び/又は約15年、10年、8年、5年、2年、18ヶ月、12ヶ月、6ヶ月、4ヶ月、2ヶ月、1ヶ月未満の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間に1日1回有利に使用されることができる。別の実施形態では、こうしたレジメンは、約1ヶ月を超える及び約5年未満の間、1日1回有利に使用されることができる。上歯群及び下歯群の両方についての製品10及び/又は20の1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又は12ヶ月の補給品を含有するキットが提供され得る。製品10及び/又は20は、例えばポーチの中に包装されることができ、次には複数の包装された製品10及び/又は20が、貯蔵容器又は外側のパッケージ若しくは箱の中に提供されることができ、例えばUSPN D496,495に例示されている。1以上の口腔ケア組成物を含む2つの材料のストリップであって、1つは上歯群用であり及び1つは下歯群用である材料のストリップが、ポーチのような単一パッケージ内に含有されることができる。こうしたレジメンはまた、朝又は晩のいずれかのシャワー中に使用するために採用されることができ、その際製品はシャワー又は入浴中に装着される。
【0073】
別の実施形態では、製品は、約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、若しくは35分を超える、及び/又は約60、55、50、45、若しくは40分未満の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間適用されてもよく、その際幾つかの実施形態では、口腔ケア活性物質の濃度は、口腔ケア組成物の5重量%を超え、及び/又は口腔ケア活性物質は、口腔ケア組成物の約10重量%未満である。製品10及び/又は20は、ポーチ又は他の容器の中に包装されることができる。十分な数の包装製品がキットとして提供され得る。キットは、包装製品を使用するためのレジメンを記載する使用説明書を含有してもよい。キット中の包装製品の数は広く異なることができるが、レジメンに依存して約6〜約200であってもよい。1つの実施形態では、キットは、約10、20、30、40を超える、及び約200、100、50、45、40未満の包装製品、及び/又はこれらのいずれかの組み合わせを含み、包装製品の各々は、口腔ケア組成物を含む2つの材料のストリップを含み、1つは上歯群に適合するような大きさにされており、及び1つは下歯群に適合するような大きさにされている。こうしたレジメンは、約1ヶ月、1ヶ月半、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、2年、5年、8年、10年を超える、及び/又は約15年、10年、8年、5年、2年、18ヶ月、12ヶ月、6ヶ月、4ヶ月、2ヶ月、1ヶ月半の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間に1日1回有利に使用されることができる。典型的には、製品10及び/又は20は、上及び下顎の両方のために、キット内に提供される。製品の歯への各適用は、キットからの新しい又は新鮮な製品を活用してもよい。
【0074】
本発明の更に別の実施形態では、キットは複数の製品10及び/又は20を含有し、その際各々は口腔ケア活性物質の異なる濃度を有する。各キット内の活性物質の濃度は、口腔ケア組成物の約1重量%〜約25重量%の範囲であってもよい。キット内の包装製品間の濃度の違いは、口腔ケア組成物の約1、2、3、4、5、6、10、15、20重量%を超えても、及び又は約20、15、10、9、8、7、6、5、若しくは4重量%未満であっても、及びこれらのいずれかの組み合わせであってもよい。例えば、キットは次の内の1以上を含有してもよい:口腔ケア組成物の約4重量%の過酸化水素の濃度を有する第1製品、口腔ケア組成物の約8重量%の過酸化水素の濃度を有する第2製品10及び/又は20、口腔ケア組成物の約12重量%の過酸化水素の濃度を有する第3製品、並びに口腔ケア組成物の約16重量%の過酸化水素の濃度を有する第4製品。製品は、口腔ケア活性物質の濃度を増加するために使用される。例えば、ユーザーは、第1、第2、第3及び第4製品の順番で使用する。この方法は、過酸化水素のような口腔ケア活性物質のより高い濃度を含有する製品の適用に付随した歯の過敏症を減らすことができる。キット内に第1、第2、第3及び第4製品を含有するパッケージは、それらの好ましい使用順を示すように、原文により又は図によりコード化されることができる(例えば、色によるコード化、数字によるラベル化)。
【0075】
歯の白化活性物質及び口腔ケア活性物質の組み合わせを有する製品を、約1日を超えて及び/又は約5年未満続く場合がある単一キットに付随したレジメンについて、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、若しくは8回、及び/又は約20、18、16、14、12、若しくは10回未満適用することは望ましい場合があり、その際新しい製品が、歯に1日につき約1、2、3、4、及び/又は5回並びにこれらのいずれかの組み合わせにおいて適用されてもよい。
【0076】
口腔ケア活性物質を含む口腔ケア製品を適用することはまた望ましい場合があり、その際活性物質は過酸化物組成物である。過酸化物を含むこれらの製品は、口腔の歯及び/又は軟組織に適用されることができる。これらの製品は、口腔の所望の表面に、1日につき約1、2、3回、及び又は約3、2回未満適用されることができる。1つの実施形態では、製品は、複数の歯の舌側及び顔側表面に適用される。別の実施形態では、製品は歯肉領域のみに適用され、更に別の実施形態では、製品は歯及び歯肉領域に適用される。この製品は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10分を超える、及び約10、9、8、7、6、5、4、3、2分未満の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間、口腔表面に適用されることができる。このようなレジメンは、約1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、2年、5年、8年、10年を超える、及び/又は約15年、10年、8年、5年、2年、18ヶ月、12ヶ月、6ヶ月、4ヶ月、2ヶ月、1ヶ月未満の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間に1日少なくとも1回有利であることができる。キットは、上歯群及び下歯群の両方についての製品10及び/又は20の1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又は12ヶ月の補給品を含むことができる。1つの実施形態では、キットは約10、20、30、40、50、60、70、80、90、120を超えるストリップ、及び/又は約730、365、200、185、150、120、90、80、70、60、50、40、30、20未満のストリップ、及びこれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0077】
「発明を実施するための最良の形態」の中のすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが;いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。 本明細書に記載されたいずれの方法及び/又は製品のいずれの特徴、態様、又は詳細も、本明細書に記載された1以上の他の方法又は製品のいずれの他の特徴、態様、又は詳細とも、全体的又は部分的のいずれかにおいて組み合わせられることに留意することが重要である。本発明の特定の実施形態を説明し記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うことが意図される。
【0078】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明確に請求する請求項で結論とするが、本発明は、添付図面と共に読まれる好ましい実施形態の次の説明によってより良く理解されると考えられ、図面中において、同じ参照番号は同一要素を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の口腔ケア製品の実施形態の斜視図。
【図2】図1の口腔ケア製品の、その線2−2に沿って取られた断面図。
【図3】本発明の口腔ケア製品の別の実施形態の斜視図。
【図4】図3の口腔ケア製品の、その線3−3に沿って取られた断面図。
【図5】本発明の口腔ケア製品の実施形態の斜視図。
【図6】図3の口腔ケア製品の代替的実施形態の断面図であり、その際複数のへこみ又はくぼみが図解されている。
【図7】図3の口腔ケア製品の別の代替的実施形態の断面図であり、その際口腔ケア組成物は、歯の白化組成物の上に配置されている。
【図8】図3の口腔ケア製品の更に別の実施形態の断面図であり、その際バリヤー組成物は、歯の白化組成物と口腔ケア組成物との間に示されている。
【図9】複数の歯の顔側面及び舌側面に適用された図3の製品を図解する歯列弓の断面図。
【図10】複数の歯の顔側及び舌側表面に隣接した幾つかの軟組織に適用された図3の口腔ケア製品を図解する、図9の歯列弓の、その線8−8に沿って取られた断面図。
【図11】任意の剥離ライナーを図解する、図3の製品の別の実施形態の斜視図。
【図12】任意の剥離ライナーを図解する、図3の製品の別の実施形態の斜視図。
【図13】任意の剥離ライナーを図解する、図3の製品の別の実施形態の斜視図。
【図14】本発明の別の口腔ケア製品の斜視図であり、その際歯の白化組成物及び口腔ケア組成物を混合する様々なパターンが示されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔ケア活性物質を口腔の表面に送達するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯の白化製品は当該技術分野において既知であるが、これらの製品は、より白い歯の美容上の利益を求める人々により、伝統的に使用されている。しかしながら、より白い歯及び/又はより清潔な歯、より健康な歯肉、及び口臭の減少を包含する口腔の更なる利益を所望する消費者の異なる集団が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、歯の白化に加えて口腔ケアの利益を送達できる口腔ケア製品を提供することへの要望が存在する。更に、これらの口腔ケアの利益を、毎日の口腔ケアのレジメンの一部として送達することへの要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
基材と口腔ケア活性物質とを含む口腔ケア組成物を含む製品を、複数個の歯及び隣接した軟組織に、1回の適用当たり少なくとも約5分間、毎日少なくとも1回適用することを含む、1以上の口腔ケアの利益を口腔の表面に送達するための方法であって、その製品が歯及び隣接した軟組織に約6ヶ月を超える期間毎日適用され、かつ新鮮な製品が使用ごとに適用される、方法。
【0005】
基材と1以上の口腔ケア組成物とを含む製品を、複数個の歯及び隣接した軟組織に適用することを包含する、口腔の硬い表面上の歯石を減らす方法であって、口腔ケア組成物の少なくとも1つが抗歯石活性物質を含み、1回適用当たり少なくとも約5分間、1日に少なくとも1回適用され、ここで製品が歯及び隣接した軟組織に約1ヶ月を超える期間毎日適用され、かつ新鮮な製品が使用ごとに適用される、方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本明細書で使用するとき、略称「cm」は、センチメートルを意味する。本明細書で使用するとき、略称「mm」は、ミリメートルを意味する。本明細書で使用するとき、略称「mg」は、ミリグラムを意味する。本明細書で使用するとき、略称「g」は、グラムを意味する。
【0007】
本明細書で使用するとき、口腔ケア組成物という用語は、装着者に求められた口腔の利益をそれが適用される口腔表面を害することなく使用時に送達する濃度で、1以上の活性物質(類)を含有するいずれの物質も意味する。口腔ケア組成物は、1以上の口腔ケア活性物質により、1以上の口腔状態に対処することができる。これらの口腔ケア活性物質が対処する口腔状態の例には、歯の外観及び構造の変化、白化、染みの漂白、染みの除去、歯垢除去、歯石除去、虫歯の予防及び治療、炎症を起こした及び/又は出血する歯肉、粘膜の創傷、病変、潰瘍、アフター性潰瘍、ヘルペス及び歯の膿瘍、口臭、歯の侵食、歯肉炎、及び/又は歯周病が挙げられるが、これらに限定されない。口腔状態については、PCT国際公開特許WO02/02096A2(P&G、2002年1月10日公開)に更に記載されている。
【0008】
本明細書で使用するとき、「口腔ケア活性物質」又は「活性物質」という語句は、口腔で使用するのに安全であり、口腔の総体的な健康に変化をもたらし、具体的には口腔ケア物質が接触する口腔表面の状態に変化をもたらすいずれかの物質を指すことを目的とし、歯の白化、抗歯石、虫歯予防、及び/若しくは抗菌活性物質、又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0009】
本明細書で使用するとき、「安全且つ有効な量」とは、健全な医学的/歯科的判断の範囲内で、治療すべき状態を著しく改善するために十分に高い濃度であるが、(妥当な利益/リスク比率において)重篤な副作用を避けるために十分に低い量を意味する。活性物質の安全且つ有効な量は、治療される特定の症状、治療患者の年齢及び体調、重症度、治療期間、併用療法の性質、採用される供給源の具体的形態、並びに活性物質がそれから適用される特定のビヒクルによって変わり得る。
【0010】
下文で使用されるすべての百分率及び比率は、特に指示がない限り、全口腔ケア組成物の重量を基準とする。
【0011】
本明細書で言及されるすべての測定は、特に明記されない限り25℃で行なわれる。
【0012】
本明細書で言及される成分のすべての百分率、比率及び濃度は、特に指示がない限り、成分の実際の量に基づき、市販製品として成分と組み合わされている場合がある溶媒、充填剤、又はその他の物質を含まない。
【0013】
ここで図面、具体的には図1及び2を参照すると、一般に10と表示され、口腔ケア組成物を複数個の歯に送達するための製品を表す、本発明の第1の実施形態が示されている。この口腔ケア組成物は、1以上の口腔の利益を提供する単一組成物とすることができる。材料のストリップ12は、口腔ケア組成物14によりコーティングすることができる。この口腔ケア組成物は活性物質を含む。1つの実施形態では、口腔ケア活性物質は過酸化物であり、かつ提供される口腔の利益(類)には歯の白化及び抗歯石が挙げられる。口腔ケア製品10は、材料のストリップ12のような基材を含んでもよく、これは初めは実質的に平坦であってもよく、及び丸みのある角部を有してもよい。材料のストリップ12は、初めは実質的に平坦であってもよいが、材料のストリップは他の形態で提供されてもよいことが企図される。材料のストリップ12は、例えば米国特許第6,884,426号に記載されたような形状及びサイズを有することができる。
【0014】
20として示された(図3〜5)別の実施形態では、製品は、1以上の口腔ケア活性物質を含む複数の口腔ケア組成物、又は複数の口腔ケア活性物質を含む1つの口腔ケア組成物により複数の口腔ケアの利益を提供し、それらの内の1つは歯の白化である。この実施形態では、製品は、歯の白化活性物質を有する口腔ケア組成物を複数個の歯に提供し、及び抗歯石、虫歯予防、抗菌などが挙げられるがこれらに限定されない、白化以外の口腔ケアの利益を提供する口腔ケア活性物質を有する口腔ケア組成物を提供するが、これは複数個の歯に隣接した軟組織に提供される。口腔ケア製品20は、材料のストリップ22のような基材を含んでもよく、これは初めは実質的に平坦であってもよく、好ましくは丸みのある角を有してもよい。材料のストリップ22は、初めは実質的に平坦であってもよいが、材料のストリップが他の形態で提供されてもよいことが企図される。
【0015】
本明細書に記載された本発明のすべての実施形態において、材料のストリップは、米国特許出願公開第2005/0089821号、第2004/0241616号、及び第2005/0089819号に記載され、並びに図5に実施例として示されたように、弓形の形状又はトラフ23を有するトレイの形状で提供されることができる。材料のストリップ22はまた、例えば米国特許第6,884,426号に記載されたように、他の形状及びサイズを有することができる。材料のストリップ22は、米国特許第6,136,297号に記載され、及び図4に例示されたように、浅いくぼみ又はへこみを含むことができる。あるいは、製品が基材を含まない形態で、例えば米国特許第6,419,906号に記載されたように、歯の白化組成物のような口腔ケア組成物を単に含む形態で提供され得ることが企図される。
【0016】
図1及び2に示されたような一実施形態では、口腔ケア組成物14は、材料のストリップ12の上に適用又はコーティングされる。口腔ケア組成物14は、材料のストリップ12の少なくとも一部分に沿って配置されたストライプの形態で提供される。一実施形態では、口腔ケア組成物は、材料のストリップの長手方向の長さに沿って実質的に延びる。口腔ケア組成物は、それが複数個の歯の顔側表面だけに適用されるような形状及びサイズで提供されてもよい。あるいは、口腔ケア組成物は、それが使用中に複数個の歯の顔側及び舌側表面の両方、並びに/又は軟組織に接触するような形状及びサイズで提供されてもよい。例えば、口腔ケア組成物は、複数個の歯の顔側表面を被覆するように、歯の切縁上を包むように、及び複数個の歯の舌側表面を被覆するように成形されるストリップをコーティングする。別の実施形態では、その内の1つが歯の白化の利益を提供する2つの口腔ケア組成物が、ストライプとして、材料のストリップ22の上に配置される(図3〜5に示されたように)。口腔ケア組成物(類)の内の1つ25は、口腔ケア組成物が、使用中に複数個の歯に隣接した軟組織の少なくとも幾つかに接触するように、材料のストリップ22の周辺縁部の1つ又は両方の近くに、隣接して、又は沿って適用されてもよい。口腔ケア組成物はまた、使用中に複数個の歯の硬組織に接触しても、又は接触しなくてもよい。この同じ実施形態では、歯の白化の利益を提供する口腔ケア組成物は、複数個の歯の硬組織に接触する。
【0017】
一実施形態では、口腔ケア組成物は、複数個の歯の顔側表面に隣接した軟組織の少なくとも幾つかに接触することを目的とする単一のストライプとして提供されてもよい。別の実施形態では、口腔ケア組成物は2以上のストライプとして提供され、その際少なくとも1つのストライプは、複数個の歯の顔側表面に隣接した軟組織の少なくとも幾つかに接触することを目的とし、及び少なくとも1つのストライプは、複数個の歯の舌側表面に接触することを目的とする。口腔ケア組成物は、約1mm〜約5mmの幅28を有する形態で提供されてもよい。口腔ケア組成物の2以上のストライプが提供される場合、相異なるストライプは相異なる口腔ケア活性物質を組み込んでもよいことが企図される。例えば、1つのストライプは第1口腔ケア活性物質を含有してもよく、一方で第2のストライプは、第1口腔ケア活性物質とは相異なる第2口腔ケア活性物質を含有してもよい。複数の口腔ケア組成物が連続ストライプとして、図3〜5に示されるが、それらは不連続のストライプ、複数個のストライプ、又は他の規則的な若しくは不規則な形状、例えばドットとして提供され得ることが企図される。あるいは、図7に例示されたように、1つの口腔ケア組成物が材料のストリップの大部分をコーティングしてもよいし、第2の口腔ケア組成物が第1の口腔ケア組成物の上に位置してもよい。幾つかの実施形態では、図3、4、5、6及び7で示すように、複数の口腔ケア組成物は相異なる。本明細書で使用するとき、相異なるとは、均質の混合物とは対照的に、組成物間にほぼ画定された境界線又は境界面を有する組成物を指すことを目的とする。境界線又は境界面における幾らかの混合が予期され、及び相異なる組成物の概念内であると考えられる。本明細書で使用するとき、相異なるとは、活性物質について言及するとき、処方又は組成が同一でない活性物質を指すことを目的とする。
【0018】
更に、口腔ケア組成物が、材料のストリップの周辺縁部の近くに設置されたとして記載されてきたが、それは材料のストリップの中又は上の他の場所に位置できることもまた企図される。例えば、口腔ケア組成物は、材料のストリップを形成するポリマー材料と混合された口腔ケア活性物質を含むことができる。1以上の口腔ケア組成物(類)が材料のストリップ22に、製造業者により予め適用されてもよく、次いで輸送のためポーチ又は他の好適な容器の中に包装されてもよい。
【0019】
一実施形態では、その内の各々が1以上の口腔ケア活性物質を含む、2つの口腔ケア組成物がストリップに適用される。この実施形態では、口腔ケア組成物の内の1つは、歯の白化活性物質を含み、及び2つの口腔ケア組成物は相異なる。図8に示されたように、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物24と第2の口腔ケア組成物25との間にバリヤー組成物27を提供することは望ましい場合がある。バリヤー組成物は、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物24と第2の口腔ケア組成物25とを、製造、貯蔵、及び/又は使用中に分離しておくために使用されてもよい。バリヤー組成物もまた、他の形態も企図されるが、ストライプの形態で提供されることができる。バリヤー組成物は本明細書に記載されたゲル化剤又は接着剤から形成されることができる。1つの実施形態では、バリヤー組成物はいずれの口腔ケア活性物質も含有しない。
【0020】
図9及び10を参照すると、製品20が、複数個の隣接した歯32の顔側及び舌側表面、並びに複数個の歯の顔側及び舌側表面に隣接した軟組織30の幾つかに適用されたとして図解されている。軟組織は、歯に隣接した又は歯の間のいずれかの軟組織を指してもよく、歯乳頭、歯肉縁、歯肉溝、歯間歯肉、粘膜−歯肉接合部及びパレットまでの並びにこれを包含する舌側及び頬側表面上の歯肉構造が挙げられるがこれらに限定されない。製品20は、顔側及び舌側表面の両方、並びにそれらに隣接した幾つかの軟組織に適用されたとして示されているが、製品20は、示されたものより少ない表面への適用のための大きさにされてもよいことが企図される。例えば、製品20は、顔側表面及びそれに隣接した軟組織のみへの適用のためのサイズにされてもよく、又は別の実施形態では、顔側表面及びそれに隣接した軟組織、並びに舌側表面の一部分であるが舌側表面に隣接した軟組織ではない部分への適用のためのサイズにされてもよい。
【0021】
材料のストリップ22は、厚さ、並びにそれを歯32の輪郭面及び軟組織に一致できるようにする曲げ剛性を有してもよい。材料のストリップはまた、複数の歯の間の隙間空間に容易に一致してもよい。一実施形態では、材料のストリップは、永続的な変形なしに歯の表面及び隙間空間に一致することができる。材料のストリップは、歯の隙間空間に一致するために十分な可撓性を有してもよいが、材料のストリップは他の度合いの可撓性も有し得ることが企図される。例えば、一実施形態では、材料のストリップは、歯の間の隙間空間に一致するために十分な可撓性を持たず、歯の顔側及び舌側表面のおおよその輪郭に一致するために十分な可撓性を有するだけでもよいし、又は材料のストリップは、歯の表面の輪郭に一致したときに永続的に変形してもよい(例えば、ワックス型材料として提供された場合)。材料のストリップ12は、前述の厚さ及び曲げ剛性を有し得ることもまた企図される。
【0022】
図11を参照すると、任意の剥離ライナー37が製品20と共に提供され得る。剥離ライナー37は、口腔ケア組成物24及び/又は口腔ケア組成物25に隣接して配置される。任意の剥離ライナー37は、製品20の歯及び軟組織への適用の前に除去される。製品10が同様な任意選択の剥離ライナーを有し得ることもまた企図される。更に(図12〜13に示されたように)、一実施形態では、上歯群用に成形された1つの製品40及び下歯群用に成形された1つの製品42の2つの製品が互いに隣接して剥離ライナー37の上に設置されることができる。別の実施形態では、2つの製品が、上歯群用に成形された製品40と下歯群用に成形された製品42との間に空間44を有して、剥離ライナー37の上に設置されることができる。
【0023】
上記の実施形態は、歯の白化組成物及び口腔ケア組成物を、混合されていない相異なる組成物として図解するが、図14は、歯の白化組成物及び口腔ケア組成物が依然としてまだ相異なるが混合されている実施形態の斜視図を図解する。図14に見られるように、歯の白化組成物24は、複数個のドットとして提供される口腔ケア組成物25と混合される複数個のドットとして提供される。ドットは、規則的な繰り返しパターンとして、不規則なパターンとして、又はこれらの組み合わせとして提供されてもよい。ドットは、ドットを材料のストリップ上に印刷する印刷プロセスを使用して、材料のストリップに適用されてもよい。ドットが示されているが、多種多様の他の形状(規則的及び不規則の両方)並びに大きさが提供されてもよいことが企図される。本発明と共に使用するのに好適な場合がある幾つかのプロセスは、溶液印刷(solution printing)、スクリーン印刷、グラビア印刷、ステンシル印刷、インクジェット印刷であり、その例は、米国特許出願公開第2005/0128260号;米国特許第6,874,862号;及び第5,636,566号に記載されている。口腔ケア組成物は、乾燥してドット又は他の構造を形成する溶液又は半粘稠溶液として印刷され得る。
【0024】
材料のストリップ
本明細書で記載されたように、材料のストリップは口腔ケア組成物のための保護バリヤーとしての役割を果す。それは、例えば装着者の唇、舌、並びに唾液による口腔ケア組成物の実質的な浸出及び/又は浸食を防ぐことができる。これにより、口腔ケア活性物質は、それらの口腔表面上で、数分間から数時間までの長期間にわたって作用することができる。
【0025】
材料のストリップは、1以上のポリマー、ワックス、フォーム、天然及び合成織布材料、不織布材料、ホイル、紙、ゴム及びこれらの組み合わせが挙げられるいずれかの材料を含んでもよい。材料のストリップは、ポリマーフィルムとして提供されることができる。材料のストリップは、材料の単一層であっても、又は1を超える層を含む積層体であってもよい。例えば、材料のストリップは、2以上のポリマーフィルムの積層体を含んでもよいし、又はワックス及び不織布材料、例えば米国特許出願公開第2004/0005277号に記載されたようなポリマーのスクリム若しくはメッシュを含んでもよい。材料のストリップは、実質的に水不透過性であってもよい。材料のストリップの製造に使用するのに好適な幾つかのポリマーには、ポリエチレン、エチルビニルアセテート、ポリエステル、エチルビニルアルコール、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ポリエステルの例には、マイラー(Mylar)(登録商標)、及びテフロン(Teflon)(登録商標)のようなフルオロプラスチックが挙げられ、両方共デュポン(Dupont)により製造されている。材料のストリップは、約1mm未満、又は約0.05mm未満、又は約0.001〜約0.03mmの厚さを有してもよい。
【0026】
材料のストリップは、複数個の歯の顔側及び/若しくは舌側表面、並びに/又は複数個の歯の顔側及び/若しくは舌側表面に隣接した軟組織の幾つかを被覆するようないずれかの形状及びサイズを有してもよい。一実施形態では、材料のストリップの長さは、約2cm〜約12cm、及び好ましくは、約4cm〜約9cmである。材料のストリップの幅はまた、被覆されるべき口腔表面積にもまた依存する。一実施例では、材料のストリップの幅は、約0.5cm〜約4cm、及び好ましくは、約1cm〜約2cmである。図8に見られるように、材料のストリップは複数個の歯の切縁の周囲に折り畳まれてもよいし、又はそうでなければ周囲に配置されてもよい。製品10の全体の厚さは、使用前及び/又は使用中に約2mm未満、又は約1mm未満、又は約0.5mm未満であってもよい。
【0027】
材料のストリップの曲げ剛性は、水平梁の末端部に取り付けられたひずみゲージを使用することにより測定されてもよい。梁の反対側の末端が、試料のストリップを向こう側に押し付けて、ストリップの一部を試料が置かれている水平台の垂直な溝の中に押し入れる。ひずみゲージにワイヤー接続されたマイクロアンメータは、曲げたわみ力のg数で較正される。試料の剛性はマイクロアンメータから直接読み取られ、試料ストリップの幅1cm当りのg数として表される。幾つかの実施形態では、材料のストリップは、ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia)のトウィング−アルバート・インスツルメント社(Thwing-Albert Instrument Co.)から入手可能である、ハンドル・オー・メーター(Handle-O-Meter)、モデル#211−300上で試験方法ASTMD2923−95により測定されるとき、約5g/cm未満の曲げ剛性を有してもよい。他の実施形態では、材料のストリップは、約3g/cm未満、又は約2g/cm未満、又は約0.1g/cm〜約1g/cmの曲げ剛性を有する。
【0028】
低い曲げ剛性は、材料のストリップを、口腔表面へのその適用の直前のその形状に戻す残留力が材料のストリップ内にほとんどないため、材料のストリップを、装着者の口の口腔表面の輪郭に一致できるようにすることができる。材料のストリップの可撓性は、それが長期間にわたって刺激なしに軟組織に接触できるようにし、及び材料のストリップは、歯及び/又は軟組織の表面にそれを一致させるために著しい圧力を必要としない。
【0029】
材料のストリップは、材料のストリップに適用される、コーティングされる、又は混合される1以上の口腔ケア組成物、バリヤー組成物、又はいずれかの他の組成物若しくは活性物質/剤により提供される接着性の付着により、口腔表面上の所定位置に保持される。あるいは、材料のストリップは、歯の顔側及び/又は舌側表面の周りに材料のストリップを変形することによる機械的圧力により所定位置に保持され得る。例えば、材料のストリップが歯への適用中に永続的な変形を受ける場合には、材料のストリップは、歯の周りへの材料のストリップの圧力又は適合により所定位置に保持されてもよい。幾つかの実施形態では、材料のストリップは、使用中に溶解又は浸食されてもよい。使用中に溶解又は浸食され得る材料のストリップの例は、米国特許第6,649,147号;及び米国特許出願公開第2003/0228264号;及び第2004/0062724号に記載される。材料のストリップは、約1時間未満、約30分未満、約15分未満、又は5分未満の間に溶解又は浸食されてもよい。材料のストリップの溶解又は侵食後、口腔ケア組成物は、顔側及び/若しくは舌側の歯の表面並びに/又は軟組織表面上に、これらの表面上で作用し続けられるように後に残されてもよい。
【0030】
複数の口腔ケア組成物を有する幾つかの実施形態では、口腔ケア組成物が、異なる速度でその後溶解又は侵食することは、望ましい場合がある。例えば、材料のストリップの溶解後(又は材料のストリップの除去後)、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物は迅速に溶解する場合があるが、抗菌活性物質を含む口腔ケア組成物は、口腔ケア活性物質が軟組織上で作用し続けられるように、又は活性物質を口腔により長い期間にわたって送達できるように、よりゆっくりと溶解する。ストリップの除去、溶解、又は侵食時に迅速に溶解し得る口腔ケア組成物の例は、米国特許第6,669,930号及び第5,098,303号に開示されている。口腔ケア組成物が口腔組織上に2日まで残留することが望ましい場合がある。別の実施形態では、口腔ケア組成物が口腔組織上に約30分、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、若しくは20時間を超える、及び又は24、20、18、16、14、12、10、8、6、若しくは4時間未満の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間残留することが望ましい場合がある。口腔組織に長時間接着することができる口腔ケア組成物の例は、米国特許出願公開第2005/0100515号及び米国特許第6,649,147号に開示されている。
【0031】
材料のストリップが溶解せず又は侵食されない場合、材料のストリップ及び1以上の口腔ケア組成物は、除去時に口腔ケア組成物(類)のかすがほとんど又は全く後に残されないように、歯表面及び軟組織からきれいに除去されてもよい。あるいは、材料のストリップの除去は、歯の白化口腔ケア組成物のような1つの口腔ケア組成物をきれいに除去し、及び第2の口腔ケア組成物中の口腔ケア活性物質が組織上で長期間にわたって作用し続けることができるように、第2の口腔ケア組成物を口腔組織上に残してもよい。後者の場合、第1の口腔ケア組成物が材料のストリップに接着し及びそれと共に除去される一方で、第2の口腔ケア組成物は後に残るように、第2の口腔ケア組成物は、第1の口腔ケア組成物が材料のストリップに対して有するより少ない接着親和力を、材料のストリップに対して有してもよい。材料のストリップは、歯からの材料のストリップの除去時に、材料のストリップと第2の口腔ケア組成物との間の剥離を促進する又は達成するように、第2の口腔ケア組成物に接触する材料のストリップの部分上に、そこに適用される剥離コーティング(例えば、テフロン(Teflon)、シリコーン、フルオロポリマーなど)を有してもよい。
【0032】
材料のストリップを歯の表面及び軟組織から除去するために必要な剥離力は、1.5cmのストリップ幅について約1g〜約50g(およそ17g/cm)であってもよく、それが必要とされるすべてである。別の実施形態では、剥離力は約10g〜約40g、又は約20g〜約30gであってもよい。
【0033】
図11を参照すると、材料のストリップ12はまた穿孔されていてもよい。例えば口腔ケア活性物質が口腔の中に、より容易に溶解する又はそうでなければ拡散することが望ましい場合は、穿孔は口腔ケア組成物15に隣接して又はその下に提供されることができる。穿孔は、規則的な又は不規則なパターンで提供されることができる。
【0034】
口腔ケア組成物
安全且つ有効な量の口腔ケア活性物質を含む本発明の口腔ケア組成物は、口腔の上記の状態を治療又は予防するために、幾つかの方法によって、口腔の粘膜組織、口腔の歯肉組織、歯の表面、及び/又はこれらのいずれかの組み合わせに局所的に適用されてもよい。材料のストリップ又は口腔表面に適用された口腔ケア物質の量は、材料片の大きさ及び収容能力、活性物質の濃度、及び求められる所望の利益に依存する。一般に、約1g未満の口腔物質が使用される。1つの実施形態では、約0.05g〜約0.5gの口腔ケア物質が使用される。別の実施形態では、約0.1〜約0.4gの口腔ケア物質が使用される。口腔ケア組成物は、1以上の利益を軟組織に、場合によっては歯の硬組織に送達する口腔ケア活性物質を含有することができる。口腔ケア活性物質は、口腔に使用するのに安全であると一般に認められ、口腔の総体的な健康に変化をもたらす、及び具体的には口腔ケア活性物質が接触する口腔表面の状態に変化をもたらすいずれかの物質であることができる。本発明の口腔ケア組成物中の口腔ケア活性物質の濃度は、一実施形態では約0.01%〜約40%である。別の実施形態では、口腔ケア組成物中の口腔ケア活性物質の濃度は、約0.1%〜約20%である。別の(antoerh)実施形態では、口腔ケア組成物中の口腔ケア活性物質の濃度は、約0.5%〜約10%であり、及び更に別の実施形態では、口腔ケア組成物中の口腔ケア活性物質の濃度は、約1%〜約7%であり、及び更に別の実施形態では、口腔ケア組成物中の口腔ケア活性物質の濃度は、約0.5%〜約5%である。利益には、歯の白化及び/又は漂白、抗菌又は殺菌、抗歯石、虫歯予防、抗過敏症、悪臭予防などを挙げることができる。口腔ケア組成物は、1つ又は複数の口腔ケア活性物質を含むことができる。本発明の一実施形態では、口腔ケア組成物は、複数の口腔ケアの利益を送達する1つの口腔ケア活性物質を含む。本発明の別の実施形態では、口腔ケア組成物は複数の口腔ケア活性物質を含み、その各々が相異なる口腔ケアの利益を送達する。別の実施形態では、口腔ケア組成物は、約0.5%〜約5%の白化以外の口腔ケア活性物質を含み、及び約1%〜約30%の白化用口腔ケア活性物質を含む。別の実施形態では、口腔ケア組成物は、約0.5%〜約3%の白化以外の口腔ケア活性物質を含み、及び約1%〜約10%の白化用口腔ケア活性物質を含む。一実施形態では、口腔ケア組成物は、全口腔ケア組成物の約1重量%〜約3重量%のピロリン酸塩、及び全口腔ケア組成物の約1重量%〜約10重量%の過酸化物を含む。
【0035】
単一の口腔ケア製品は複数の口腔ケア組成物を含むことができ、その各々が1以上の口腔ケア活性物質を含むこともまた企図される。口腔ケア組成物に使用するのに好適な幾つかの口腔ケア活性物質については、より十分に以下で論じられる。
【0036】
口腔ケア組成物は、1以上のゲル化剤を含有することができ、それはまた口腔ケア組成物を複数個の歯に接着するための接着剤として作用してもよい。ゲル化剤の濃度は、口腔ケア組成物の約2、4、6、8、10、15、20、30、40、50、60重量%を超えても、又は約80、70、60、50、40、30、若しくは20重量%未満であってもよい。
【0037】
本発明に有用な好適なゲル化剤、接着剤、及び/又は口腔ケア組成物は、米国特許第6,649,147号;第6,780,401号;米国特許第2004/0102554号;第2005/0089819号;第2003/0152528号;米国特許第6,419,906号;及び米国特許第2005/0100515号に記載されている。ゲル化剤又は接着剤の幾つかは、シリコーン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリアルキルビニルエーテル−マレイン酸コポリマー(PVM/MAコポリマー)例えばガントレッツ(Gantrez)AN119、AN139、及びS−97、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポロキサマー(Poloxamer)407(プルロニック(Pluronic))、ポリビニルピロリドン−ビニルアセテートコポリマー(PVP/VAコポリマー)、例えばルビスコール(Luviskol)VA、及びプラスドン(Plasdone)S PVP/VA、ポリビニルピロリドン(PVP、例えばK−15〜K−120)、ポリクオタニウム(Polyquaterium)−11(ガフクァット(Gafquat)755N)、ポリクオタニウム(Polyquaterium)−39(メルクァット・プラス(Merquat plus)3330)、カルボマー(carbomer)又はカルボキシポリメチレン(カーボポール(Carbopol))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン及びアルギン酸塩、例えばアルギン酸ナトリウム、天然ガム、例えばカラヤガム、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、トラガカントガム、及びこれらの混合物を含有してもよい。
【0038】
保湿剤又は可塑剤が口腔ケア組成物に含有されてもよく、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、及び他の食用多価アルコールが挙げられる。保湿剤は、口腔ケア組成物の約10重量%〜約95重量%、又は約50重量%〜約80重量%で存在してもよい。口腔ケア組成物はまた、着香剤、甘味剤、不透明化剤、及び着色剤を含有することができる。
【0039】
水が口腔ケア組成物の中に含有されてもよい。水の濃度は、口腔ケア組成物の約0、2、5、10、15、20、25、30、35、40、若しくは45重量%を超えても、及び/又は約80、70、60、50、若しくは40重量%未満であっても、及びこれらのいずれかの組み合わせであってもよい。
【0040】
1.歯の白化活性物質(Tooth Whitening Actives)
一般に、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物の約1g未満が材料のストリップに適用される。1つの実施形態では、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物の約0.05g〜約0.5g、又は約0.1g〜約0.4gが使用される。歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物の量は材料の1平方センチメートルにつき、約0.2g/cm2未満、好ましくは約0.005〜約0.1g/cm2、及びより好ましくは約0.01g/cm2〜約0.04g/cm2であってもよい。
【0041】
歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物は、多様な形態、例えば固体、半固体、又は粘稠な液体、ペースト、ゲル、若しくは溶液を含有する液体で提供されることができる。好ましくは、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物は、ゲルの形態である。歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物は、低剪断速度(1 1/秒未満)において、約0.2Pa.s(200cps)〜約5,000Pa.s(5,000,000cps)の粘度を有してもよい。1つの実施形態では、粘度は、約100Pa.s(100,000cps)〜約1,500Pa.s(1,500,000cps)であってもよく、及び別の実施形態では、約400Pa.s(400,000cps)〜約1,000Pa.s(1,000,000cps)であってもよい。
【0042】
ポリマーのメッシュ又はスクリムが、歯の白化活性物質を含む口腔ケア組成物の中に組み込まれてもよい。
【0043】
口腔ケア組成物に使用するために好適な場合がある歯の白化又は漂白活性物質には、過酸化物、亜塩素酸金属塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な過酸化物化合物には、過酸化水素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な亜塩素酸金属塩には、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸カリウムが挙げられる。追加的白化活性物質は、次亜塩素酸塩及び二酸化塩素であってもよい。口腔ケア組成物は、歯の白化活性物質を、口腔ケア組成物の約2、4、6、8、10、15、20重量%を超えて、及び/又は約40、25、20、18、16、14、12、若しくは10重量%未満で含有してもよい。
【0044】
本発明の実施形態のいずれか1つ及び/又は組み合わせが、口腔ケアのレジメンの一部として毎日使用され得ることが企図される。本発明のこれらの口腔ケア組成物を毎日の口腔ケアのレジメンの一部として使用することにより、ユーザーは、白い、歯石のない歯が挙げられるがこれらに限定されない多様な所望の口腔ケアの利益を実現及び維持することができる。しかしながら、口腔ケア組成物が過酸化物を含有し、及び口腔が過酸化物物質を含む組成物に毎日曝される場合、口腔の表面にとって高度に耐えられる及び歯の過敏症の発症を最小にする口腔ケア組成物を使用することが望ましい。口腔の軟組織にとって耐えられる及び歯の過敏症の発症を最小にする口腔ケア組成物の例には、全歯の白化組成物の約7.5重量%未満の過酸化物の過酸化物濃度及び約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有するものが挙げられる。1つの実施形態では、歯の白化組成物は、歯の白化組成物の約0.01重量%を超える及び約7.5重量%未満の過酸化物の過酸化物濃度、並びに約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有する。別の実施形態では、歯の白化組成物は、歯の白化組成物の約6.5重量%を超える及び約7.5重量%未満の過酸化物の過酸化物濃度、並びに約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有する。別の実施形態では、歯の白化組成物は、歯の白化組成物の約6.0重量%を超える及び約6.5重量%未満の過酸化物の過酸化物濃度、並びに約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有し、並びに更に別の実施形態では、歯の白化組成物は、歯の白化組成物の約6.0重量%未満の過酸化物の過酸化物濃度、及び約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有する。
【0045】
過酸化物密度は、過酸化物活性物質の量(mg)又は過酸化物投与量と、歯の表面及び口腔の隣接した軟組織に適用される薄層の表面積(cm2)との比である。過酸化物密度及びその計算は、米国特許第6,949,240号に論じられている。多くの場合、薄層の表面積は、材料のストリップの全体が口腔に適用される場合、及び材料のストリップの全体に歯の白化組成物の薄層がコーティングされる場合は、材料のストリップの表面により概算されることができる。例えば、材料のストリップが長方形であり、長さ6.5cm及び幅1.54cmを有し、歯の白化組成物の薄層が材料のストリップの全面にわたってコーティングされている場合、その総表面積は10cm2である。歯の白化組成物が6.5%の過酸化水素を含有し、材料のストリップが0.2gの歯の白化組成物を含有する場合は、過酸化水素の投与量は13mgである。相当する過酸化物密度は1.3mg/cm2である。
【0046】
2.抗歯石活性物質(Anti-tartar Actives)
デンタルケア製品への使用が既知の抗歯石活性物質は、リン酸塩を含有する。リン酸塩には、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩、ポリホスホン酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。ピロリン酸塩は、デンタルケア製品への使用が中でも一番良く知られている。ピロリン酸塩から得られるピロリン酸塩イオンが歯に送達される。本発明の組成物に有用なピロリン酸塩には、ピロリン酸ジアルカリ金属塩、ピロリン酸テトラアルカリ金属塩、及びこれらの混合物が挙げられる。無水和並びに水和の形態の、二水素ピロリン酸二ナトリウム(Na2H2P2O7)、ピロリン酸四ナトリウム(Na4P2O7)、及びピロリン酸四カリウム(K4P2O7)が好ましい種である。上記のピロリン酸塩のいずれが使用されてもよいが、ピロリン酸四ナトリウムが好ましい。一実施形態では、口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の約0.5重量%〜約5重量%のピロリン酸塩を含む。別の実施形態では、口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の約0.5重量%〜約3重量%のピロリン酸塩を含む。
【0047】
ピロリン酸塩は、カーク及びオスマー(Kirk & Othmer)の工業化学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)、第3版、17巻、ワイリー−インターサイエンス・パブリッシャーズ(Wiley-Interscience Publishers)(1982年)に、より詳細に記載されており、カーク及びオスマー(Kirk & Othmer)に組み込まれているすべての参考文献を包含してその全体が本明細書に参考として組み込まれる。追加的抗結石活性物質には、米国特許第4,590,066号(パーラン&サッカブ(Parran & Sakkab)、1986年5月20日発行)に開示されているピロリン酸塩又はポリリン酸塩;ポリアクリレート及び他のポリカルボキシレート、例えば米国特許第3,429,963号(シェッドロブスキー(Shedlovsky)、1969年2月25日発行)、及び米国特許第4,304,766号(チャン(Chang)、1981年12月8日発行);及び米国特許第4,661,341号(ベネディクト及びサンバーグ(Benedict & Sunberg)、1987年4月28日発行)に開示されているもの;ポリエポキシスクシナート、例えば米国特許第4,846,650号(ベネディクト、ブッシュ及びサンバーグ(Benedict, Bush & Sunberg)、1989年7月11日発行)に開示されているもの;英国特許第490,384号(1937年2月15日付け)に開示されているようなエチレンジアミン四酢酸;米国特許第3,678,154号(ウィダー及びブライナー(Widder & Briner)、1972年7月18日発行)に開示されているようなニトリロ三酢酸及び関連する化合物;米国特許第3,737,533号(フランシス(Francis)、1973年6月5日発行)、米国特許第3,988,443号(プロガー、シュミット−ダンカー及びグロックスフーバー(Ploger, Schmidt-Dunker & Gloxhuber)、1976年10月26日発行)、及び米国特許第4,877,603号(デーゲンハルト及びコジコウスキー(Degenhardt & Kozikowski)、1989年10月31日発行)に開示されているようなポリリン酸塩が挙げられ、これらの特許のすべてが本明細書に参考として組み込まれる。抗結石リン酸塩には、ピロリン酸カリウム及びピロリン酸ナトリウム;トリポリリン酸ナトリウム;ジリン酸塩、例えばエタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジリン酸塩、1−アザシクロヘプタン−1,1−ジリン酸塩、及び直鎖アルキルジホスホン酸塩;直鎖カルボン酸;及びクエン酸亜鉛ナトリウム(sodium zinc citrate)が挙げられる。
【0048】
ピロリン酸塩の代わりに又はピロリン酸塩と組み合わせて使用されてもよい活性物質には、合成アニオン性ポリマーのような既知の物質が挙げられ、それにはポリアクリレート、及び無水マレイン酸若しくはマレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマー(例えば、ガントレッツ(Gantrez))、例えば米国特許第4,627,977号(ガファー(Gaffar)ら)に記載されたようなもの(その開示は本明細書にその全体が参考として組み込まれる);並びに、例えばポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ポリリン酸塩(例えば、トリポリリン酸塩;ヘキサメタリン酸塩)、ジホスホン酸塩(例えば、EHDP;AHP)、ポリペプチド(例えば、ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0049】
他の抗歯石活性物質にはヘキサメタリン酸ナトリウムが挙げられる。
【0050】
3.虫歯予防活性物質
フッ化物イオン供給源は、口腔ケア組成物において虫歯予防活性物質として使用されることが周知である。フッ化物イオンは、この目的のために多数の口腔ケア組成物、特に練り歯磨きの中に含有される。こうした練り歯磨きを開示する特許には、米国特許第3,538,230号(パーダー(Pader)ら、1970年11月3日);米国特許第3,689,637号(パーダー(Pader)、1972年9月5日);米国特許第3,711,604号(コロドニー(Colodney)ら、1973年1月16日);米国特許第3,911,104号(ハリソン(Harrison)、1975年10月7日);米国特許第3,935,306号(ロバーツ(Roberts)ら、1976年1月27日);及び米国特許第4,040,858号(ワソン(Wason)、1977年8月9日)が挙げられる。
【0051】
フッ化物イオンのエナメル質への適用は、歯をう蝕に対して保護する役割を果す。多種多様なフッ化物イオン生成物質が、本発明の組成物の可溶性フッ化物供給源として採用されることができる。好適なフッ化物イオン生成物質の例は、米国特許第3,535,421号(ブライナー(Briner)ら、1970年10月20日発行)及び米国特許第3,678,154号(ウィダー(Widder)ら、1972年7月18日発行)に見出され、両特許とも本明細書に参考として組み込まれる。本明細書に用いるのに好ましいフッ化物イオン供給源には、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸塩、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、及びフッ化アンモニウムが挙げられる。フッ化ナトリウムが特に好ましい。好ましくは、本発明の組成物は、口の中で使用される材料のストリップと共に使用されるとき、歯の表面と接触する水溶液中、約50ppm〜10,000ppm、より好ましくは約100〜3000ppmのフッ化物イオンを提供する。
【0052】
他の虫歯予防活性物質にはキシリトールが挙げられる。
【0053】
4.抗菌活性物質
抗菌活性物質もまた口腔ケア組成物の中に存在することができる。こうした活性物質には、トリクロサンと一般に呼ばれる、及びメルク・インデックス(Merck Index)第11版(1989年)、1529ページ(エントリー番号9573)、米国特許第3,506,720号、及び欧州特許出願0,251,591(ビーチャム・グループ社(Beecham Group, PLC)、1988年1月7日公開)に記載された5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノール;米国特許第4,994,262号(1991年2月19日)に開示されているものが挙げられるがこれらに限定されないフタル酸及びその塩、すべてサンパスクマール(Sampathkumar)への米国特許第4,990,329号(1991年2月5日)、第5,110,583号(1992年5月5日)、及び第4,716,035号(1987年12月29日)に開示されているような置換モノペルタル酸(monoperthalic acid)及びその塩及びエステル;好ましくはモノペルオキシフタル酸マグネシウム、クロルヘキシジン(メルク・インデックス(Merck Index)、番号2090)、アレキシジン(メルク・インデックス(Merck Index)、番号222);ヘキセチジン(メルク・インデックス(Merck Index)、番号4624);サンギナリン(メルク・インデックス(Merck Index)、番号8320);塩化ベンザルコニウム(メルク・インデックス(Merck Index)、番号1066);サリチルアニリド(メルク・インデックス(Merck Index)、番号8299);臭化ドミフェン(メルク・インデックス(Merck Index)、番号3411);塩化セチルピリジニウム(CPC)(メルク・インデックス(Merck Index)、番号2024);テトラデシルピリジニウムクロライド(TPC);N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロライド(TDEPC);オクテニジン;デルモピノール、オクタピノール、及び他のピペリジノ誘導体;ナイシン製剤;亜鉛/スズイオン活性物質;抗生物質、例えばオーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、及びメトロニダゾール;並びに上記の類縁体及び塩;チモール、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキチオール、ユーカリプトール、カテコール(特に,4−アリルカテコール)を包含する精油、金属又は金属イオン(例えば、銀、銅、亜鉛など)及びこれらの混合物;サリチル酸メチル;亜塩素酸塩及び亜塩素酸塩の金属塩、並びに上記のすべての混合物を挙げてもよいが、これらに限定されない。
【0054】
5.抗炎症及び抗過敏症活性物質
抗炎症活性物質もまた口腔ケア組成物の中に存在することができる。こうした活性物質には、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、アスピリン、ケトプロフェン、ピロキシカム、及びメクロフェナム酸のような非ステロイド性抗炎症活性物質又はNSAIDを挙げてもよいが、これらに限定されない。ケトロラクのようなNSAIDの使用は、本明細書に参考として組み込まれる米国特許第5,626,838号(1997年5月6日発行)において請求されている。その中に開示されているのは、口腔又は中咽頭にNSAIDの有効量を局所投与することにより、原発又は再発の口腔又は中咽頭の扁平上皮細胞癌を予防及び、又は治療する方法である。
【0055】
抗過敏症活性物質には、硝酸カリウム、丁子油(オイゲノール(Eugenol))及び他の草木又は着香活性物質/剤を挙げることができる。
【0056】
6.栄養素
栄養素は、口腔の状態を改善する場合があり、及び口腔ケア組成物に含有されることができる。栄養素には、ミネラル、ビタミン、経口栄養補給剤、経腸栄養補給剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
本発明の組成物と共に含有されることができるミネラルには、カルシウム、リン、フッ化物、亜鉛、マンガン、カリウム及びこれらの混合物が挙げられる。これらのミネラルは、本明細書に参考として組み込まれる、薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)(ルーズリーフ式薬物情報サービス(loose leaf drug information service))、ウォルターズ・クルアー社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St.Louis)、(版権)、1997年、10〜17ページに開示されている。
【0058】
ビタミンは、ミネラルと共に含有されることもできるし、又は別個に使用されることもできる。ビタミンには、ビタミンC及びD、チアミン、リボフラビン、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、葉酸、ニコチンアミド、ピリドキシン、シアノコバラミン、パラ−アミノ安息香酸、ビオフラボノイド、及びこれらの混合物が挙げられる。こうしたビタミンは、本明細書に参考として組み込まれる、薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)(ルーズリーフ式薬物情報サービス(loose leaf drug information service))、ウォルターズ・クルアー社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St.Louis)、(版権)、1997年、3〜10ページに開示されている。
【0059】
経口栄養補給剤には、本明細書に参考として組み込まれる、薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)(ルーズリーフ式薬物情報サービス(loose leaf drug information service))、ウォルターズ・クルアー社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St.Louis)、(版権)、1997年、54〜54eページに開示されているような、アミノ酸、脂肪親和物質、魚油、及びこれらの混合物が挙げられる。アミノ酸には、L−トリプトファン、L−リシン、メチオニン、スレオニン、レボカルニチン又はL−カルニチン及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。脂肪親和物質には、コリン、イノシトール、ベタイン、リノール酸、リノレン酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。魚油は、大量のオメガ−3(N−3)多不飽和脂肪酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸を含有する。
【0060】
経腸栄養補給剤には、本明細書に参考として組み込まれる、薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)(ルーズリーフ式薬物情報サービス(loose leaf drug information service))、ウォルターズ・クルアー社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St.Louis)、(版権)1997年、55〜57ページに開示されているような、タンパク質製品、グルコースポリマー、トウモロコシ油、ベニバナ油、中鎖トリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
7.酵素
幾つかの適合性のある酵素を個々に又は組み合わせて口腔ケア組成物に含有することができる。酵素は生体系の化学反応の生物学的触媒である。酵素は基質と結合し、その上で酵素−基質中間複合体を形成するように作用する。この複合体は次に、反応生成物とその特異的酵素機能を維持した遊離酵素に変換される。
【0062】
酵素は、口腔の洗浄のために使用されるとき、幾つかの利益を提供する。プロテアーゼは、唾液タンパク質を破断するが、この唾液タンパク質とは歯の表面上に吸収されて薄膜(結果として得られる歯垢の第一層)を形成するものである。リパーゼと共にプロテアーゼは、細菌細胞壁及び膜の構造成分を形成するタンパク質及び脂質を溶解することにより細菌を破壊する。デキストラナーゼは、細菌性接着のためのマトリックスを形成する細菌により生成される有機骨格構造を分解する。プロテアーゼ及びアミラーゼは、歯垢形成を与えるばかりでなく、またカルシウムと結合する炭水化物−タンパク質複合体を解体することによって結石の発達を防止し、鉱化を防ぐ。
【0063】
本発明に有用な酵素には、いずれかの市販のプロテアーゼ、グルカノヒドロラーゼ、エンドグリコシダーゼ、アミラーゼ、ムタナーゼ(mutanases)、リパーゼ及びムシナーゼ又はそれらの適合性のある混合物が挙げられる。好ましいのはプロテアーゼ、デキストラナーゼ、エンドグリコシダーゼ、及びムタナーゼ(mutanases)であり、最も好ましいのはパパイン、エンドグリコシダーゼ、又はデキストラナーゼとムタナーゼの混合物である。本発明に使用するために好適な追加的酵素は、米国特許第5,000,939号(ドリング(Dring)ら、1991年3月19日);米国特許第4,992,420号(ネゼール(Neeser)、1991年2月12日);米国特許第4,355,022号(ラブッセイ(Rabussay)、1982年10月19日);米国特許第4,154,815号(パーダー(Pader)、1979年5月15日);米国特許第4,058,595号(コロドニー(Colodney)、1977年11月15日);米国特許第3,991,177号(ヴィルダ(Virda)ら、1976年11月9日)、及び米国特許第3,696,191号(ウィークス(Weeks)、1972年10月3日)に開示され、すべてが本明細書に参考として組み込まれる。
【0064】
8.口及び喉用製品
本発明と共に使用できる他の物質には、一般に既知の口及び喉用製品が挙げられる。こうした製品は、本明細書に参考として組み込まれる、薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)(ルーズリーフ式薬物情報サービス(loose leaf drug information service))、ウォルターズ・クルアー社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St.Louis)、(版権)、1997年、520b〜527ページに開示されている。これらの製品には、抗カビ、抗生物質、及び鎮痛活性物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
9.酸化防止剤
酸化防止剤は、一般に、本発明のもののような組成物に有用であると認められている。酸化防止剤は、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker, Inc.)によるカデナス(Cadenas)及びパッカー(Packer)の酸化防止剤便覧(The Handbook of Antioxidants)、(版権)1996年のような文書中に開示されている。本発明の口腔ケア組成物又は物質に包含されてもよい酸化防止剤には、ビタミンE、アスコルビン酸、尿酸、カロチノイド、ビタミンA、フラボノイド及びポリフェノール、薬草系酸化防止剤、メラトニン、アミノインドール、リポ酸及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
10.H−2アンタゴニスト
ヒスタミン−2(H−2又はH2)レセプターアンタゴニスト化合物(H−2アンタゴニスト)は、本発明の口腔ケア組成物に使用してもよい。本明細書で使用するとき、選択的H−2アンタゴニストは、H−2レセプターを遮断するが、ヒスタミン−1(H−1又はH2)レセプターを遮断する際には有意の活性を持たない化合物である。選択的H−2アンタゴニストは、消化管や気管のような様々の臓器の平滑筋の収縮を刺激するが、この効果は、典型的な抗ヒスタミン剤であるメピラミンの低濃度で抑制することができる。これらメピラミン感受性のヒスタミン応答に関与する薬理学的レセプターは、H−1レセプターとして定義されてきた(アッシュ,A.S.F.&H.O.シルド(Ash, A.S.F. & H.O. Schild)、英国薬理学化学療法誌(Brit. J. Pharmacol Chemother.)、27巻(1966年)、427ページ、本明細書に参考として組み込まれる)。ヒスタミンはまた胃による酸の分泌を刺激し(レーブ,E.R&O.チッカーリング(Loew, E.R. & O. Chickering)、実験生物学及び医学協会会報(Proc. Soc. Exp. Biol. Med.)、48巻(1941年)、65ページ、本明細書に参考として組み込まれる)、心拍を増やし(トレンデレンブルク,U.(Trendelenburg, U.)、薬理学誌(J. Pharmacol.)、130巻(1960年)、450ページ、本明細書に参考として組み込まれる)、及びラットの子宮収縮を抑制する(デュース,P.B.&J.D.P.グラハム(Dews, P.B. & J.D.P. Graham)、英国薬理学化学療法誌(Brit. J. Pharmacol Chemother.)、1巻(1946年)、278ページ、本明細書に参考として組み込まれる)が;これらの作用はメピラミン及び関連する薬物により拮抗され得ない。口腔ケア組成物又は物質に有用なH−2アンタゴニストは、メピラミン非感受性の非H−1(H−2)ヒスタミン応答に関与するレセプターを遮断し、及びメピラミン感受性のヒスタミン応答に関与するレセプターを遮断しないものである。
【0067】
選択的H−2アンタゴニストは、H−2アンタゴニストの機能についての古典的な前臨床スクリーニング試験におけるそれらの性能を通してH−2アンタゴニストであることが見出される化合物である。選択的H−2アンタゴニストは、H−2レセプターの機能に特に依存するスクリーニングモデルでは、ヒスタミン媒介効果の競合的又は非競合的阻害物質として機能するが、H−1レセプターの機能に依存するスクリーニングモデルでは、著しいヒスタミンアンタゴニスト活性を欠くことが明示され得る化合物として識別される。具体的には、これには、本明細書に参考として組み込まれる、ブラック,J.W.(Black, J.W.)、W.A.M.ダンカン(W.A.M. Duncan)、C.J.デューラント(C.J. Durant)、C.R.ガネリン(C.R. Ganellin)及びE.M.パーソンズ(E.M. Parsons)の「ヒスタミンH@レセプターの定義及び拮抗作用(Definition and Antagonism of Histamine H@-Receptors)」、ネーチャー(Nature)、236巻(1972年4月21日)、385〜390ページ(ブラック(Black))に記載されたように、モルモットの自発鼓動する右心房生体外試験及びラットの胃酸分泌生体内試験による試験を通じてブラック(Black)により記載されたように評価された場合、H−2アンタゴニストとして分類されるが、モルモットの回腸収縮生体外試験又はラットの胃筋収縮生体内試験のいずれかについてブラック(Black)により記載されたように評価された場合、H−2アンタゴニスト活性に比べて、有意のH−1アンタゴニスト活性を欠くことが示された化合物が挙げられる。好ましくは、選択的H−2アンタゴニストは、上記のH−1試験において妥当な投与濃度において、有意のH−1活性を全く示さない。典型的な妥当な投与濃度は、ヒスタミンの90%の抑制、好ましくはヒスタミンの99%の抑制が上記H−2試験において実現される最低投与濃度である。
【0068】
選択的H−2アンタゴニストには、上記の基準を満たす化合物が挙げられ、それらは米国特許第5,294,433号及び第5,364,616号(シンガー(Singer)ら、それぞれ1994年3月15日及び1994年11月15日に発行及びプロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)に譲渡;両方共本明細書に参考として組み込まれる)に開示されており、その際選択的H−2アンタゴニストは、シメチジン、エチンチジン、ラニチジン、ICIA−5165、チオチジン、ORF−17578、ルピチジン(lupitidine)、ドネチジン(donetidine)、ファモチジン、ロキサチジン、ピファチジン(pifatidine)、ラミチジン(lamtidine)、BL−6548、BMY−25271、ザルチジン(zaltidine)、ニザチジン、ミフェンチジン、BMY−52368、SKF−94482、BL−6341A、ICI−162846、ラミキソチジン(ramixotidine)、Wy−45727、SR−58042、BMY−25405、ロキシチジン(loxtidine)、DA−4634、ビスフェンチジン(bisfentidine)、スフォチジン(sufotidine)、エブロチジン(ebrotidine)、HE−30−256、D−16637、FRG−8813、FRG−8701、イムプロミジン、L−643728、及びHB−408.4からなる群から選択される。特に好ましいのは、シメチジン(SKF−92334)、N−シアノ−N’−メチル−N’’−(2−(((5−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオ)エチル)グアニジンである:
【化1】
シメチジンはまた、メルク・インデックス(Merck Index)、11版(1989年)、354ページ(エントリー番号2279)、及び医師用卓上参考書(Physicians’ Desk Reference)、46版(1992年)、2228ページに開示されている。関連する好ましいH−2アンタゴニストには、ブリマミド及びメチアミドが挙げられる。
【0069】
口腔ケア組成物(及びバリヤー組成物)はまた、歯の白化口腔ケア組成物について開示されたものと同じ又は同様であってもよいゲル化剤及び他の成分を含有することができる。一実施形態では、歯の白化口腔ケア組成物及び口腔ケア組成物は、異なる接着特性を歯の白化口腔ケア組成物及び口腔ケア組成物に付与するために、異なるゲル化剤若しくは接着剤、又はこれらの組み合わせを含む。口腔ケア活性物質が、歯の白化口腔ケア組成物から離れて配置される口腔ケア組成物の一部を形成するとして記載されてきたが、口腔ケア活性物質が歯の白化組成物と組み合わされ得ること及び/又は歯の白化組成物が歯の白化若しくは漂白に加えて口腔の利益を送達できることが企図される。例えば、口腔ケア活性物質は、歯の白化組成物のメッシュ又はスクリムの一部を形成する材料と混合されることもできるし、又は口腔ケア活性物質は、材料のストリップと混ぜ合わされることもできる。
【0070】
上記の口腔ケア組成物は、以上に列挙された成分から形成されてもよいが、口腔ケア組成物の製造中に起こる場合がある変化又は反応のために、口腔ケア組成物が製造後に、これらの正確な成分を含有していても又は含有していなくてもよいことは、よく理解される。
【0071】
使用方法
安全且つ有効な量の本発明の組成物が、上記の状態を治療又は予防するために、幾つかの方法によって、口腔の粘膜組織、口腔の歯肉組織、及び/又は歯の表面に局所的に適用されてもよい。
【0072】
製品10及び/又は20は、歯及び/又は軟組織に、約1分〜約8時間の間適用されることができる。幾つかの実施形態では、製品が、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、90、120、150、180、210、240、270、300、330、360、390、420、450、480分を超える、及び/又は480、450、420、390、360、330、300、270、240、210、180、150、120、90、60、50、40、30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、若しくは2分未満の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間適用されるレジメンに従うことは望ましい場合があり、その際口腔ケア活性物質は、口腔ケア組成物の約1重量%〜約50重量%の濃度を有する。こうしたレジメンは、約1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、2年、5年、8年、10年を超える、及び/又は約15年、10年、8年、5年、2年、18ヶ月、12ヶ月、6ヶ月、4ヶ月、2ヶ月、1ヶ月未満の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間に1日1回有利に使用されることができる。別の実施形態では、こうしたレジメンは、約1ヶ月を超える及び約5年未満の間、1日1回有利に使用されることができる。上歯群及び下歯群の両方についての製品10及び/又は20の1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又は12ヶ月の補給品を含有するキットが提供され得る。製品10及び/又は20は、例えばポーチの中に包装されることができ、次には複数の包装された製品10及び/又は20が、貯蔵容器又は外側のパッケージ若しくは箱の中に提供されることができ、例えばUSPN D496,495に例示されている。1以上の口腔ケア組成物を含む2つの材料のストリップであって、1つは上歯群用であり及び1つは下歯群用である材料のストリップが、ポーチのような単一パッケージ内に含有されることができる。こうしたレジメンはまた、朝又は晩のいずれかのシャワー中に使用するために採用されることができ、その際製品はシャワー又は入浴中に装着される。
【0073】
別の実施形態では、製品は、約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、若しくは35分を超える、及び/又は約60、55、50、45、若しくは40分未満の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間適用されてもよく、その際幾つかの実施形態では、口腔ケア活性物質の濃度は、口腔ケア組成物の5重量%を超え、及び/又は口腔ケア活性物質は、口腔ケア組成物の約10重量%未満である。製品10及び/又は20は、ポーチ又は他の容器の中に包装されることができる。十分な数の包装製品がキットとして提供され得る。キットは、包装製品を使用するためのレジメンを記載する使用説明書を含有してもよい。キット中の包装製品の数は広く異なることができるが、レジメンに依存して約6〜約200であってもよい。1つの実施形態では、キットは、約10、20、30、40を超える、及び約200、100、50、45、40未満の包装製品、及び/又はこれらのいずれかの組み合わせを含み、包装製品の各々は、口腔ケア組成物を含む2つの材料のストリップを含み、1つは上歯群に適合するような大きさにされており、及び1つは下歯群に適合するような大きさにされている。こうしたレジメンは、約1ヶ月、1ヶ月半、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、2年、5年、8年、10年を超える、及び/又は約15年、10年、8年、5年、2年、18ヶ月、12ヶ月、6ヶ月、4ヶ月、2ヶ月、1ヶ月半の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間に1日1回有利に使用されることができる。典型的には、製品10及び/又は20は、上及び下顎の両方のために、キット内に提供される。製品の歯への各適用は、キットからの新しい又は新鮮な製品を活用してもよい。
【0074】
本発明の更に別の実施形態では、キットは複数の製品10及び/又は20を含有し、その際各々は口腔ケア活性物質の異なる濃度を有する。各キット内の活性物質の濃度は、口腔ケア組成物の約1重量%〜約25重量%の範囲であってもよい。キット内の包装製品間の濃度の違いは、口腔ケア組成物の約1、2、3、4、5、6、10、15、20重量%を超えても、及び又は約20、15、10、9、8、7、6、5、若しくは4重量%未満であっても、及びこれらのいずれかの組み合わせであってもよい。例えば、キットは次の内の1以上を含有してもよい:口腔ケア組成物の約4重量%の過酸化水素の濃度を有する第1製品、口腔ケア組成物の約8重量%の過酸化水素の濃度を有する第2製品10及び/又は20、口腔ケア組成物の約12重量%の過酸化水素の濃度を有する第3製品、並びに口腔ケア組成物の約16重量%の過酸化水素の濃度を有する第4製品。製品は、口腔ケア活性物質の濃度を増加するために使用される。例えば、ユーザーは、第1、第2、第3及び第4製品の順番で使用する。この方法は、過酸化水素のような口腔ケア活性物質のより高い濃度を含有する製品の適用に付随した歯の過敏症を減らすことができる。キット内に第1、第2、第3及び第4製品を含有するパッケージは、それらの好ましい使用順を示すように、原文により又は図によりコード化されることができる(例えば、色によるコード化、数字によるラベル化)。
【0075】
歯の白化活性物質及び口腔ケア活性物質の組み合わせを有する製品を、約1日を超えて及び/又は約5年未満続く場合がある単一キットに付随したレジメンについて、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、若しくは8回、及び/又は約20、18、16、14、12、若しくは10回未満適用することは望ましい場合があり、その際新しい製品が、歯に1日につき約1、2、3、4、及び/又は5回並びにこれらのいずれかの組み合わせにおいて適用されてもよい。
【0076】
口腔ケア活性物質を含む口腔ケア製品を適用することはまた望ましい場合があり、その際活性物質は過酸化物組成物である。過酸化物を含むこれらの製品は、口腔の歯及び/又は軟組織に適用されることができる。これらの製品は、口腔の所望の表面に、1日につき約1、2、3回、及び又は約3、2回未満適用されることができる。1つの実施形態では、製品は、複数の歯の舌側及び顔側表面に適用される。別の実施形態では、製品は歯肉領域のみに適用され、更に別の実施形態では、製品は歯及び歯肉領域に適用される。この製品は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10分を超える、及び約10、9、8、7、6、5、4、3、2分未満の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間、口腔表面に適用されることができる。このようなレジメンは、約1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、2年、5年、8年、10年を超える、及び/又は約15年、10年、8年、5年、2年、18ヶ月、12ヶ月、6ヶ月、4ヶ月、2ヶ月、1ヶ月未満の間、及びこれらのいずれかの組み合わせの間に1日少なくとも1回有利であることができる。キットは、上歯群及び下歯群の両方についての製品10及び/又は20の1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又は12ヶ月の補給品を含むことができる。1つの実施形態では、キットは約10、20、30、40、50、60、70、80、90、120を超えるストリップ、及び/又は約730、365、200、185、150、120、90、80、70、60、50、40、30、20未満のストリップ、及びこれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0077】
「発明を実施するための最良の形態」の中のすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが;いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。 本明細書に記載されたいずれの方法及び/又は製品のいずれの特徴、態様、又は詳細も、本明細書に記載された1以上の他の方法又は製品のいずれの他の特徴、態様、又は詳細とも、全体的又は部分的のいずれかにおいて組み合わせられることに留意することが重要である。本発明の特定の実施形態を説明し記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うことが意図される。
【0078】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明確に請求する請求項で結論とするが、本発明は、添付図面と共に読まれる好ましい実施形態の次の説明によってより良く理解されると考えられ、図面中において、同じ参照番号は同一要素を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の口腔ケア製品の実施形態の斜視図。
【図2】図1の口腔ケア製品の、その線2−2に沿って取られた断面図。
【図3】本発明の口腔ケア製品の別の実施形態の斜視図。
【図4】図3の口腔ケア製品の、その線3−3に沿って取られた断面図。
【図5】本発明の口腔ケア製品の実施形態の斜視図。
【図6】図3の口腔ケア製品の代替的実施形態の断面図であり、その際複数のへこみ又はくぼみが図解されている。
【図7】図3の口腔ケア製品の別の代替的実施形態の断面図であり、その際口腔ケア組成物は、歯の白化組成物の上に配置されている。
【図8】図3の口腔ケア製品の更に別の実施形態の断面図であり、その際バリヤー組成物は、歯の白化組成物と口腔ケア組成物との間に示されている。
【図9】複数の歯の顔側面及び舌側面に適用された図3の製品を図解する歯列弓の断面図。
【図10】複数の歯の顔側及び舌側表面に隣接した幾つかの軟組織に適用された図3の口腔ケア製品を図解する、図9の歯列弓の、その線8−8に沿って取られた断面図。
【図11】任意の剥離ライナーを図解する、図3の製品の別の実施形態の斜視図。
【図12】任意の剥離ライナーを図解する、図3の製品の別の実施形態の斜視図。
【図13】任意の剥離ライナーを図解する、図3の製品の別の実施形態の斜視図。
【図14】本発明の別の口腔ケア製品の斜視図であり、その際歯の白化組成物及び口腔ケア組成物を混合する様々なパターンが示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と口腔ケア活性物質を含む口腔ケア組成物とを含む製品を、複数個の歯及び隣接した軟組織に適用することを包含する、1以上の口腔ケアの利益を口腔の表面に送達する方法であって、前記製品が、前記複数個の歯及び隣接した軟組織に、1回の適用当たり少なくとも約5分間、毎日少なくとも1回適用されることを特徴とし、ここで前記製品が前記歯及び隣接した軟組織に約6ヶ月を超える期間毎日適用され、かつ、新鮮な製品が使用ごとに適用される、方法。
【請求項2】
前記口腔ケア活性物質が、歯の白化活性物質であり、好ましくは、前記歯の白化活性物質が、過酸化物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記口腔ケア組成物が、全組成物の7.5重量%未満の過酸化物を含み、好ましくは、前記口腔ケア組成物が、全組成物の約6.5重量%を超える過酸化物であって、全組成物の7.5重量%未満の過酸化物を含み、かつ約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記口腔ケア組成物が、全組成物の約6重量%を超える過酸化物であって、全組成物の約6.5重量%未満の過酸化物を含み、かつ約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
基材と1以上の口腔ケア組成物とを含む製品を、歯及び隣接した軟組織に適用することを包含する、口腔の硬い表面上の歯石を減らす方法であって、前記口腔ケア組成物の少なくとも1つが抗歯石活性物質を含み、前記製品が、前記歯及び隣接した軟組織に、1回適用当たり少なくとも約5分間、1日に少なくとも1回適用されることを特徴とし、ここで、前記製品が前記歯及び隣接した軟組織に約3ヶ月を超える期間毎日適用され、かつ、新鮮な製品が使用ごとに適用される、方法。
【請求項6】
前記製品が、前記歯及び隣接した軟組織に約6ヶ月を超える期間毎日適用される、請求項6に記載の方法。
【請求項7】
前記口腔ケア組成物の少なくとも1つが、歯の白化活性物質を含み、好ましくは、前記歯の白化活性物質が、過酸化物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記口腔ケア組成物の少なくとも1つが、前記歯の白化活性物質及び前記抗歯石活性物質の両方を含み、ここで前記口腔ケア組成物が、全組成物の1重量%〜30重量%の前記歯の白化活性物質及び全組成物の0.5重量%〜3重量%の前記抗歯石活性物質を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記歯の白化活性物質が、過酸化物であり、前記抗歯石活性物質が、リン酸塩であり、好ましくは、前記リン酸塩が、ピロリン酸塩である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記製品が2つの口腔ケア組成物を含み、ここで、前記口腔ケア組成物の1つが前記歯の白化活性物質を含み、前記口腔ケア組成物の1つが前記抗歯石活性物質を含み、前記口腔ケア組成物がバリヤー組成物により分離される、請求項7に記載の方法。
【請求項1】
基材と口腔ケア活性物質を含む口腔ケア組成物とを含む製品を、複数個の歯及び隣接した軟組織に適用することを包含する、1以上の口腔ケアの利益を口腔の表面に送達する方法であって、前記製品が、前記複数個の歯及び隣接した軟組織に、1回の適用当たり少なくとも約5分間、毎日少なくとも1回適用されることを特徴とし、ここで前記製品が前記歯及び隣接した軟組織に約6ヶ月を超える期間毎日適用され、かつ、新鮮な製品が使用ごとに適用される、方法。
【請求項2】
前記口腔ケア活性物質が、歯の白化活性物質であり、好ましくは、前記歯の白化活性物質が、過酸化物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記口腔ケア組成物が、全組成物の7.5重量%未満の過酸化物を含み、好ましくは、前記口腔ケア組成物が、全組成物の約6.5重量%を超える過酸化物であって、全組成物の7.5重量%未満の過酸化物を含み、かつ約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記口腔ケア組成物が、全組成物の約6重量%を超える過酸化物であって、全組成物の約6.5重量%未満の過酸化物を含み、かつ約1.3mg/cm2未満の過酸化物密度を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
基材と1以上の口腔ケア組成物とを含む製品を、歯及び隣接した軟組織に適用することを包含する、口腔の硬い表面上の歯石を減らす方法であって、前記口腔ケア組成物の少なくとも1つが抗歯石活性物質を含み、前記製品が、前記歯及び隣接した軟組織に、1回適用当たり少なくとも約5分間、1日に少なくとも1回適用されることを特徴とし、ここで、前記製品が前記歯及び隣接した軟組織に約3ヶ月を超える期間毎日適用され、かつ、新鮮な製品が使用ごとに適用される、方法。
【請求項6】
前記製品が、前記歯及び隣接した軟組織に約6ヶ月を超える期間毎日適用される、請求項6に記載の方法。
【請求項7】
前記口腔ケア組成物の少なくとも1つが、歯の白化活性物質を含み、好ましくは、前記歯の白化活性物質が、過酸化物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記口腔ケア組成物の少なくとも1つが、前記歯の白化活性物質及び前記抗歯石活性物質の両方を含み、ここで前記口腔ケア組成物が、全組成物の1重量%〜30重量%の前記歯の白化活性物質及び全組成物の0.5重量%〜3重量%の前記抗歯石活性物質を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記歯の白化活性物質が、過酸化物であり、前記抗歯石活性物質が、リン酸塩であり、好ましくは、前記リン酸塩が、ピロリン酸塩である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記製品が2つの口腔ケア組成物を含み、ここで、前記口腔ケア組成物の1つが前記歯の白化活性物質を含み、前記口腔ケア組成物の1つが前記抗歯石活性物質を含み、前記口腔ケア組成物がバリヤー組成物により分離される、請求項7に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−502774(P2009−502774A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522163(P2008−522163)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052517
【国際公開番号】WO2007/010505
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052517
【国際公開番号】WO2007/010505
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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