説明

口腔内定着型固形製剤

【課題】 口蓋の粘膜に対する良好な付着性を損なわずに、保形性が改善され、しかも異物感を呈さない固形製剤を提供する。
【解決手段】 その中央縦断面形状が凸型状に形成された粘膜当接面を具備し、かつ粘着剤を含む固形製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内、特に口蓋の粘膜上に安定して定着する固形製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、口腔内粘膜に付着(接着)させて薬剤等の有効成分を口腔粘膜および唾液へ投与する口腔粘膜用製剤が提案され、また実際に流通している。 通常の経口投与型の製剤とは異なり、これら口腔粘膜用製剤によれば、粘膜吸収を介した有効成分の全身作用のみならず、口中溶解型製剤あるいは徐放性製剤の剤型とすることで、薬剤の副作用の発現を抑えつつ有効成分を徐々に消化器系に送達したり、あるいは咽喉部などの局部に有効成分を長時間作用せしめるように意図されている。 また、口腔粘膜に対して付着性を示さない製剤、例えば、トローチ剤やドロップ剤などでは、それらが口内に止まっている間は円滑な会話の障害になる上に、使用者がそれらを噛みくだきや嚥下によって即座に消化してしまうと十分な薬効の取得に至らないなどの不都合が認められていた。 この点、口腔粘膜用製剤は、粘膜に付着せしめる形式のものであるため、トローチ剤やドロップ剤などの製剤で認められた前述の不都合も回避できる利点がある。
【0003】
ところで、このような口腔粘膜用製剤の剤型として、これまでに、軟膏剤、フィルム剤、錠剤などの形態について検討がなされている。 この内、軟膏剤タイプの口腔粘膜用製剤は、一般的に耐水性に乏しく、また舌との接触によってその形状が崩壊して(保形性が損なわれて)、口内で容易に分散してしまう問題点が指摘されている。 次に、フィルムタイプの口腔粘膜用製剤は、薄層で、しかも保形性に優れているために、口内に導入した際の異物感も少ないなどの利点は認められるものの、フィルム厚の薄さが故に薬物含有量も制限を受けることになり、結果として、微量で高い薬効を示す薬物についての利用に止まっているのが現状である。 軟膏剤タイプやフィルムタイプの口腔粘膜用製剤に対して、錠剤タイプの口腔粘膜用製剤は、一般的に保形性が良く、また、十分量の有効成分を含有せしめることが可能であるため、口腔粘膜用製剤の剤型としては理想的であると言える。
【0004】
このような錠剤タイプの口腔粘膜用製剤として、これまでに、その一表面に直線状および/または曲線状の凹部を形成した生体付着性錠剤(特許文献1参照)や、可食性の粘稠剤を加え、かつ少なくとも一面の中央に凹嵌部を有する板状体に賦型されたキャンデーまたはタブレット(特許文献2参照)などが提案されている。
【0005】
しかしながら、これら先行技術に記載の錠剤をはじめとする固形製剤は、概して、フィルムタイプの固形製剤よりも厚みがあり、また硬度も高いため、口内に導入した際に生ずる異物感は免れ得ず、これにより、使用感の低下を招くなど、その使用感についての課題は未だ解決されずにいる。 この異物感の解消を目的として、これまでに、錠剤の減厚を図ることで粘膜面との距離を減少させる手法が提案されてはいるが、この錠剤の減厚によって、錠剤の割れやすさ(崩壊性)を増長するという新たな問題点が生じるなど、その根本的解決には至っていない。
【特許文献1】特開平11−152221号公報
【特許文献2】特開昭64−86835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、口腔内粘膜に対する良好な付着性を維持しつつ、上掲した従来技術で認められた口腔粘膜用製剤が呈する異物感や崩壊性を招かない固形製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の要旨とするところは、その中央縦断面形状が凸型状に形成された粘膜当接面を具備し、かつ粘着剤を含む固形製剤にある。
【0008】
本願発明者が鋭意研究を行った結果、口腔内、特に口蓋の粘膜上に安定的に固形製剤を付着するに際して、口内で溶出した粘着剤成分と、口蓋の湾曲構造(曲面)に沿うようにして固形製剤を密着させた際に生じる(吸盤の役割を果たす)密閉空間内の陰圧が、付着作用に相乗的に寄与することが明らかになったのである。 また、本願発明者は、固形製剤の中央縦断面形を凸型状に形成することが、固形製剤の形態を維持する上で効果的であることも突き止めたのである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、口腔内粘膜に対する良好な付着性を損なわずに、保形性が改善され、しかも異物感を呈さない固形製剤が実現されるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の固形製剤の構成を、以下に、詳細に説明する。
【0011】
まず、本明細書で使用する「中央縦断面形状」の語は、平坦面に置かれた固形製剤の中央部に位置する固形製剤の頂点(最厚部分)から、当該平坦面に対して垂直方向(固形製剤の厚み方向)に、固形製剤を切断して現れる断面形状を指す。 一方で、本明細書で使用する「中央横断面形状」の語は、平坦面に置かれた固形製剤の中央部に位置する固形製剤の頂点の半分の高さに位置する中間点を通るように、当該平坦面に対して平行面方向に、固形製剤を切断して現れる断面形状を指す。
【0012】
また、本明細書で使用する「短径」の語は、固形製剤の中央縦断面形状または中央横断面形状を規定する一対の平面軸の内の短い方の一方の径を指し、また、「長径」の語は、短径よりも長い他方の径を指す。
【0013】
そして、粘着剤をはじめとする本発明の固形製剤の構成成分の量を表現する単位ついては、特に断りのない限り、本明細書では、重量%で表示する。
【0014】
本発明によれば、その中央縦断面形状が凸型状に形成された粘膜当接面を具備し、かつ粘着剤を含む固形製剤が提供される。 本発明の固形製剤に含まれる粘着剤とは、口腔内の粘膜と接触した時に付着性を発現する水溶性高分子物質であり、多糖類、セルロース系高分子物質、合成高分子物質、天然系高分子物質、アミノ酸系高分子物質、ゴム系系高分子物質などを由来とし、口腔用製品で一般的に用いられている水溶性高分子物質が利用できる。 例えば、プルラン、プルラン誘導体およびデンプンなどの多糖類;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩類(カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびカルボキシメチルセルロースカリウムなど)、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩(ポリアクリル酸ナトリウムおよびアクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体など)、メタアクリル酸類の共重合体(メタアクリル酸とアクリル酸 n-ブチルの重合体、メタアクリル酸とメタアクリル酸メチルの重合体およびメタアクリル酸とアクリル酸エチルの重合体など)などのセルロース系高分子物質;カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどの合成高分子物質;レクチン、アルギン酸、アルギン酸塩(アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸マグネシウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸トリイソプロパノールアミン、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ブチルアミンおよびアルギン酸ジアミルアミンなど)、コンドロイチン硫酸ナトリウム、寒天、キトサン、カラギーナンなどの天然系高分子物質;コラーゲンおよびゼラチンなどのアミノ酸系高分子物質;および、アラビアガム、カラヤガム、トラガカントガム、キサンタンガム、ローカストビンガム、グアガム、タマリンドガムおよびジェランガムなどのゴム系高分子物質などが、本発明の固形製剤に含まれる粘着剤として好適に利用することができる。 これら粘着剤の配合量は、粘着剤の種類や固形製剤の使用目的などに応じて変化するが、通常は、固形製剤全量に対する、約5.0〜約80重量%、好ましくは、約5.0〜約70重量%、また最も好ましくは、約5.0〜約60重量%の範囲で調製される。 これはすなわち、約5.0重量%に満たないと口蓋表面に固形製剤を安定的に固定することが難しくなり、また、約60重量%、ひいては約80重量%の量をも超えてしまうと、粘着剤以外の成分の配合が難しくなると共に、服用時に不快な粘着感が発現することによる。
【0015】
次に、本発明の固形製剤に配合可能な薬理効果を奏する有効成分とは、錠剤への取り込みが技術的に可能な成分であればいずれの成分でも利用可能であり、例えば、生薬、鎮咳去痰剤、口臭除去剤、殺菌消毒剤、抗生物質、口内炎用剤、局所麻酔剤、歯周疾患用剤、う蝕予防剤、抗リウマチ剤、知覚過敏用剤、神経興奮薬、鎮痛剤、抗パーキンソン剤、β-アドレナリン受容体遮断剤、ホルモン剤、避妊薬、心血管作動薬、睡眠薬、抗糖尿病薬、免疫療法剤、抗凝固剤降圧剤、抗不整脈剤、抗喘息剤鎮静薬、解熱薬、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、酵素類、ビタミン類、胃腸薬、整腸生菌類、下剤、肩こり筋肉痛関節痛用剤などが利用できる。 これら有効成分の配合量は、適用症例や症状の重篤度に応じて多様に変化するが、通常は、固形製剤全量に対する、約0.001〜約80重量%の範囲で調製される。
【0016】
生薬としては、カンゾウ、キョウニン、チクセツニンジン、アセンヤク、バクチノキ、ゲンジン、コボウシ、セネガ、チンピ、ゴミシャゼンソウ、バイモ、ブクリョウ、キキョウ、マオウ、ハンゲ、シャゼンソウ、トコン、ニンジン、オウヒ、ケイヒ、コショウ、シュクシャ、チョウジ、トウガラシ、ニクズク、ローズ、リュウノウ、ジリュウ、ユーカリ、ウイキョウ、ゲンノショウコ、アカメガシワ、ケツメイシなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0017】
鎮咳去痰剤としては、リン酸ジヒドロコデイン、リン酸ヒドロコデインセキサノール、リン酸コデイン、デキストロメトルファンフェノールフタリン、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸チペピジン、ヒベンズ酸チペピジン、ノスカピン、塩酸ノスカピン、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、フェノールフタリン酸デキストロメトルファン、塩酸アンブロキノール、グリセリンモノグアヤコールエーテルなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0018】
口臭除去剤としては、メントール、ユーカリ、ケイ皮アルデヒド、バニリン、レモングラス、クロロフィリン類、ポリフェノール類、フラボノイド類、カンフル、ハッカ油、ウイキョウ、茶成分などが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0019】
殺菌消毒剤としては、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化デカリニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、ヨウ素、ポビドンヨード、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、チモール、ヨウ化カリウム、フェノール、ヒノキチオールなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0020】
抗生物質としては、塩酸ミノサイクリン、セファレキシン、塩酸テトラサイクリン、フラジオマイシンなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0021】
口内炎用剤としては、シコン、トリアムシノロンアセトニドなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは双方を併用することもできる。
【0022】
局所麻酔剤としては、塩酸ジブカイン、リドカイン、ベンゾカイン、プロカイン、テトラカインなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0023】
歯周疾患用剤としては、セファレキシン、塩酸テトラサイクリン、塩酸ミノサイクリン、フラジオマイシンなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0024】
う蝕予防剤としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウムなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0025】
知覚過敏用剤としては、硝酸カリウム、乳酸アンモニウム、塩化ストロンチウムなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0026】
鎮痛剤としては、インドメタシン、イブプロフェン、アセトアミノフェン、サリチル酸、アスピリン、ジクロフェナクナトリウム、ケトプロフェン、フルフェナム酸、フェンブフェン、ピロキシカム、フルルビプロフェン、アスピリンアルミニウム、エテンザミド、イソプロピルアンチピリン、サザピリン、サリチルアミドなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0027】
神経興奮薬としては、メチルエフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸トリメトキノール、ジプロフィリン、アミノフィリン、テオフィリン、カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン、無水カフェインなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0028】
抗喘息薬としては、クロモグリク酸ナトリウムが本発明において利用可能である。
【0029】
鎮静薬としては、塩酸ジフェンヒドラミン、ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素、カノコソウ、チョウトウコウ、カンゾウ、サンソウニンなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0030】
抗炎症剤としては、塩化リゾチーム、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、カンゾウ、インドメタシン、アラントイン、アズレン、ヒドロコルチゾン、プロドニゾロン、フルオロシノロンアセトニド、メチルプレドニゾロン、酢酸ヒドロコルチゾン、トラネキサム酸などが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0031】
抗ヒスタミン剤としては、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸カルビノキサミン、フマル酸クレマスチン、塩酸メタクリジン、ジメンヒドリナート、塩酸プロメタジン、テオクル酸プロメタジンなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0032】
酵素類としては、塩化リゾチーム、デキストラナーゼ、アミラーゼなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0033】
ビタミン類としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、それにこれらの誘導体などが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0034】
胃腸薬としては、ロートエキス、シメチジン、ファモチジン、塩酸ラニチジン、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ノイシリン、合成ヒドロタルサイト、ボレイ、ケイ酸アルミニウム、ケイヒ、オウバク、ショウキョウ、センブリ、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィリンカリウム、アルジオキサ、メチルメチオニンスルホニウムクロリド、スクラルファート、塩酸セトラキサート、テプレノン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸塩などが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0035】
整腸生菌類としては、ビフィズス菌、アシドフィルス菌、フェカリス菌、ラクトバチルス菌、サーモフィルス菌、乳酸菌(有胞子性乳酸菌(ラクボン)など)、酪酸菌などが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0036】
下剤としては、センノシド、センナ、ビサコジル、ピコスルファートナトリウム、フェノバリン、フェノールフタレイン、ダイオウ、アロエ、マルツエキス、ひまし油、重質酸化マグネシウム、プランタゴ・オバタ、ジオクチルソジウムスルホサクシネートなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0037】
肩こり筋肉痛関節痛用剤としては、メトカルバモール、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは双方を併用することもできる。
【0038】
そして、本発明の固形製剤による効果を阻害するものでない限りは、口腔用組成物に一般的に用いられているその他の成分、例えば、清涼剤、結合剤、甘味料、着香料、崩壊剤、滑沢剤、着色料、徐放調整剤、界面活性剤、溶解剤、湿潤剤などを任意に加えることもできる。
【0039】
清涼剤としては、l−メントール、dl−メントール、ハッカ油、カンフル、ハッカ水、ボルネオール、ペパーミント精油、スペアミント精油などが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。 これら清涼剤の配合量は、有効成分の効果を阻害せず、かつ清涼感を確実に付与する範囲で調整されるが、通常は、固形製剤全量に対する、約10重量%以下の範囲で調製される。
【0040】
結合剤としては、糖類(ブドウ糖など)、糖アルコール類(ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトールなど)、ポリビニルピロリドン、デンプン類、マクロゴール、デキストリン、トラガント、ゼラチン、ポリビニルアルコール、セラック、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロースなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。 これら結合剤の配合量は、有効成分の効果を阻害せず、かつ固形製剤の保形性を確実に維持する範囲で調整されるが、通常は、固形製剤全量に対する、約90重量%以下の範囲で調製される。
【0041】
甘味料としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、アスパルテーム、キシリトール、水飴、蜂蜜、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、糖類(乳糖、白糖、果糖、ブドウ糖など)などが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。 これら甘味料の配合量は、有効成分の効果を阻害せず、かつ固形製剤の保形性を確実に維持する範囲で調整されるが、通常は、固形製剤全量に対する、約90重量%以下の範囲で調製される。
【0042】
着香料としては、天然香料(スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウインターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリナガム油、パインニードル油など)、合成香料(カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒドなど)、前掲の天然香料および/または合成香料から任意に選択した香料を混合して得た調合香料などが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。 これら着香料の配合量は、有効成分の効果を阻害せず、かつ固形製剤の保形性を確実に維持する範囲で調整されるが、通常は、固形製剤全量に対する、約5.0重量%以下の範囲で調製される。
【0043】
崩壊剤としては、デンプン類、メチルセルロース、結晶セルロース、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウムなど)、アルギン酸、アルギン酸塩、炭酸塩、有機酸、ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドンなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。 これら崩壊剤の配合量は、有効成分の効果を阻害せず、かつ固形製剤の保形性を確実に維持する範囲で調整されるが、通常は、固形製剤全量に対する、約80重量%以下の範囲で調製される。
【0044】
滑沢剤としては、滑石、金属石鹸、脂肪酸(ステアリン酸など)、ステアリン酸塩(ステアリン酸マグネシウムなど)、タルク、蔗糖脂肪酸エステル、含水ニ酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、マクロゴールなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。 これらの内でも、本発明の固形製剤の錠剤化にあたっては、滑石、金属石鹸、脂肪酸(ステアリン酸など)、ステアリン酸塩(ステアリン酸マグネシウムなど)などが好適に利用できる。 これら滑沢剤の配合量は、有効成分の効果を阻害せず、かつ固形製剤の保形性を確実に維持する範囲で調整されるが、通常は、固形製剤全量に対する、約0.01〜約10重量%の範囲で調製される。
【0045】
着色料としては、青色1号、黄色4号、二酸化チタン、銅クロロフィリンナトリウムなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。 これら着色料の配合量は、有効成分の効果を阻害せず、かつ固形製剤の保形性を確実に維持する範囲で調整されるが、通常は、固形製剤全量に対する、約1.0重量%以下の範囲で調製される。
【0046】
防腐剤としては、安息香酸類、サリチル酸類、ソルビン酸類、パラベン類、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、フェノールなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0047】
徐放調整剤としては、ポリ酢酸ビニル、エチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは双方を併用することもできる。
【0048】
界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル流酸ナトリウム、ラウロマクロゴールなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。 これら着色料の配合量は、有効成分の効果を阻害せず、かつ固形製剤の保形性を確実に維持する範囲で調整されるが、通常は、固形製剤全量に対する、約5.0重量%以下の範囲で調製される。
【0049】
溶解剤としては、グリセリン、濃グリセリン、プロピレングリコール、エタノール、流動パラフィン、精製水、マクロゴール、ポリソルベートなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0050】
湿潤剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール液、水、エタノール、希エタノールなどが本発明において利用可能であるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
【0051】
次に、本発明の固形製剤の製造手順について説明する。
【0052】
本発明の固形製剤は、定法の打錠製剤法によって製造することができる。 すなわち、固形製剤の原料の微細粉末化および粉体混合の工程を経て得た粉体原料の一定量を、パンチ、ダイスまたはプレスを用いて所望の形状に直接加圧成形して打錠を行うのである。 なお、微細粉末化した原料に香料などの液体成分を加えて得た造粒物を、粉体原料として、またはその一部として使用することができる。 あるいは、微細粉末化した原料に液体成分を加えずに造粒して得た造粒物を、粉体原料として、またはその一部として使用することもできる。
【0053】
これら製造手順を経ることで、口腔内粘膜に対する良好な付着性を損なわずに、保形性が改善され、しかも異物感を呈さない固形製剤が提供される。
【0054】
本願発明者は、口腔内に定着せしめるタイプの固形製剤での割れやすさ(崩壊性)を緩和するために鋭意研究を行った結果、固形製剤の粘膜当接面の中央縦断面形状を凸型状に形成することに行き着いたのである。 固形製剤の割れ現象は、口蓋表面(曲面)と固形製剤との間に生じる間隙に起因するものであることが明らかになっている。 つまり、口蓋表面と固形製剤との隙間が大きくなると、口蓋表面と固形製剤との接触面積が減少、すなわち、固形製剤の支持面積の狭小化をもたらすがために、固形製剤が撓みやすくなり、結果として、舌との接触時に固形製剤が破壊されやすくなるのである。 また、口腔内に定着せしめるタイプの固形製剤は、口内で一旦割れてしまうと、口腔内粘膜に対する付着性が著しく低下することも知られている。
【0055】
これら問題点を解消すべく、本願発明者は、固形製剤に粘着剤を配合し、なおかつその粘膜当接面の中央縦断面形状を凸型状に形成して、口蓋表面と固形製剤との接触面積の増大を図り、なおかつ固形製剤を割れにくいものとしたのである。 この構成により、固形製剤の口腔内粘膜に対する付着性を維持しつつ、その保形性を改善し、さらには、従来の固形製剤で認められていた異物感までもが解消されるのである。 ところで、前述した粘膜当接面の中央縦断面形状としては、本発明の効果を引き出す上で、半楕円形状または半紡錘形状が好ましい。 一方で、粘膜当接面の中央横断面形状としては、同様の理由で、円形状、楕円形状または小判形状が好ましい。 そして、本発明の固形製剤は、これら断面形状を包含した立体形状、好ましくは、半楕円球形、楕円球形または円盤形の形状に加工される。
【0056】
中央縦断面形状を形成する半楕円形状または半紡錘形状としては、約0.1〜約3.0mm、好ましくは、約0.5〜約2.5mmの短径と、約3.0〜約20mm、好ましくは、約5.0〜約16.0mmの長径とを兼ね備えたものが好ましい。 これはすなわち、固形製剤の中央縦断面形状での長径が大きすぎると口蓋表面と固形製剤との隙間が過大になって固形製剤の割れを招きやすくなり、また、小さくなりすぎると固形製剤の付着力が低下しやすくなることによる。
【0057】
同様の理由で、中央横断面形状を形成する楕円形状または小判形状としては、約2.0〜約20mm、好ましくは、約3.0〜約16mmの短径と約3.0〜約20mm、好ましくは、約5.0〜約16.0mmの長径とを兼ね備えたものが好ましい。 また、中央横断面形状を形成する円形状としては、約3.0〜約20mm、好ましくは、約5.0〜約16.0mmの直径を具備したものが好ましい。
【0058】
さらに、中央縦断面形状での短径/長径の比率としては、約0.001〜約0.20、好ましくは、約0.01〜約0.15の比率に調整する。 これはすなわち、中央縦断面形状での短径/長径の比率が小さくなりすぎると、固形製剤の形状が限りなく薄くかつ平坦な平板状になってしまい、固形製剤が容易に割れてしまうことによる。 逆に、この比率が大きくなりすぎてしまうと、固形製剤の粘膜当接面の中央縦断面形状が尖ってしまい、これにより、口蓋表面と固形製剤との接触面積が減少して、固形製剤の口蓋表面への付着力低下を招くことによる。
【0059】
なお、その中央縦断面形状が凸型状に形成され、かつ粘膜当接面とは別方向を指向する対合粘膜当接面を、粘膜当接面の裏面側に、さらに設けることも可能である。
【0060】
あるいは、粘膜当接面の裏面側に、その中央縦断面形状が凹型に形成され、かつ当該粘膜当接面を支持する粘膜非当接面をさらに設けることも可能である。 この構成により、例えば、この粘膜非当接面に有効成分を重点的に配合することで、舌との接触によって、咽喉や胃腸への有効成分の供給が助長される。 固形製剤を口内に置いた際に呈する異物感を最小ならしめる観点から、粘膜非当接面の厚み(周縁部高さ)は、大きくとも約5.0mm以下、好ましくは、約3.0mm以下、さらに好ましくは、約0.4mm〜約5.0mmに調整する。
【0061】
また、円形状、楕円形状および小判形状のいずれかの端面形状を具備し、かつ粘膜当接面を支持する柱状の支持層を、当該粘膜当接面の裏面側に、さらに設けることも可能である。 この構成により、例えば、この支持層に有効成分を重点的に配合することで、咽喉や胃腸への有効成分の効率的な供給を図ることが可能となる。 固形製剤を口内に置いた際に呈する異物感を最小ならしめる観点から、支持層の層厚(高さ)は、大きくとも約5.0mm以下、好ましくは、約3.0mm以下、さらに好ましくは、約0.4mm〜約5.0mmに調整する。
【0062】
さらに、前出の支持層の一方の端面、すなわち、粘膜当接面が設けられていない支持層の自由端面に、その中央縦断面形状が凸型状に形成された粘膜当接面をさらに設けることも可能である。
【0063】
また、固形製剤の付着力を損なわずに、その保形性を改善し、かつ異物感を解消するとの本発明の効果を引き出す上で、本発明の固形製剤の少なくとも粘膜当接面は、連続的に滑らかな凸曲面に形成することが望ましく、特に、尖端部分が形成されないように注意を払うことが肝要である。
【0064】
さらに、本発明の固形製剤の剤型としては、粘膜当接面を実現できる剤型であればよく、例えば、丸剤、シート剤、パッチ剤、錠剤(二層錠、多層錠、糖衣錠、コーティング錠など)などのいずれでも利用可能であるが、量産性などを考慮すれば、錠剤形態が好ましい。 錠剤としては、口内で完全に溶解する錠剤の他に、水不溶性の要素、例えば、水不溶性のフィルム層を具備した不完全溶解性の錠剤も利用可能である。 不完全溶解性の錠剤の場合、粘着剤は、粘膜当接面に配置・配合される。 また、多層錠とする場合には、層ごとの溶解速度に差異を設けることも可能である。 錠剤の重量としては、固形製剤の崩壊を招かず、なおかつ異物感の発現を抑える観点から、約0.1〜約1.0g/錠剤の範囲で調整することが望ましい。 また、錠剤の溶解速度としては、口内用徐放性製剤とする場合には、概ね約3〜約180分、好ましくは、約5分〜約60分、さらに好ましくは約10分〜約40分で完全溶解するように調製する。 これはすなわち、溶解速度が速すぎて作用時間が短すぎると、有効成分の十分な経粘膜吸収や、有効成分の咽喉への適度の作用が期待できなくなることによる。 また、逆に、溶解速度が遅くて作用時間が長くなりすぎると、有効成分の濃度、とりわけ、唾液中や血液中に取り込まれる有効成分の濃度が希薄になりすぎて、十分な薬理効果が望めなくなることによる。
【0065】
以下に、本発明をその実施例に沿って説明するが、この実施例の開示に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきでないことは勿論である。
【実施例】
【0066】
下記表1および表2に記載の処方の混合粉体を用い、所定の形状に加圧成形して、実施例1〜7および比較例1〜7の固形製剤(錠剤)を製造した。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

なお、比較例4〜6は、特許文献2の実施例3に記載の方法に準じて製造した錠剤である。 また、比較例7は、特許文献1の明細書段落番号0062に記載の方法に準じて製造した錠剤である。
【0069】
そして、得られた各固形製剤に関して、以下の検定方法に従って、割れやすさ、付着力および異物感の各項目について評価を行った。
【0070】
固形製剤の割れやすさについては、パネラー6名が、各固形製剤の1錠を口蓋表面に貼付した際に発生した固形製剤の割れの発生率を調べた。 すなわち、固形製剤の割れの発生率が、0%〜10%の固形製剤については◎印、11%〜30%の固形製剤については○印、31%〜60%の固形製剤については△印、そして、61%〜100%の固形製剤については×印を付けて等級付けを行った。
【0071】
固形製剤の付着力については、パネラー6名が、各固形製剤の1錠を口蓋表面に貼付して、貼付直後に口内粘膜に付着し、その後も剥離しなかった(4点)、貼付から60秒以内に口内粘膜に付着し、その後も剥離しなかった(3点)、貼付から60秒以内には付着したが、その後に剥離した(2点)、および貼付から60秒経過してもなお付着するに至らなかった(1点)との採点基準に従って評価を行った。 そして、その平均値が、1点以上〜2点未満の固形製剤については×印、2点以上〜3点未満の固形製剤については△印、そして、3点以上〜4点以下の固形製剤については◎印を付けて等級付けを行った。
【0072】
固形製剤の異物感については、パネラー6名が、各固形製剤の1錠を口蓋表面に貼付した際に、異物感は認められない(4点)、異物感はあまり認められない(3点)、異物感がやや認められる(2点)、および異物感が明確に認められる(1点)との採点基準に従って評価を行った。 そして、その平均値が、1点以上〜2点未満の固形製剤については×印、2点以上〜3点未満の固形製剤については△印、そして、3点以上〜4点以下の固形製剤については◎印を付けて等級付けを行った。
【0073】
その評価結果を、以下の表3にまとめた。
【0074】
【表3】

表3に記載の結果から明らかなように、比較例1〜7の固形製剤はいずれも、割れやすさ、付着力および異物感のすべての検定項目を満足しておらず、また、実際のところ、その使用感も満足のゆくものでもなかった。 これに対して、実施例1〜7に記載の固形製剤は、口腔内粘膜に対する良好な付着性を損なわずに、保形性が改善され、しかも異物感を呈さないことが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の固形製剤は、口蓋の粘膜上に安定的に定着して、薬剤などの有効成分を、全身および/または疾患部位に持続的に供給するための手段として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中央縦断面形状が凸型状に形成された粘膜当接面を具備し、かつ粘着剤を含む、ことを特徴とする固形製剤。
【請求項2】
円形状、楕円形状および小判形状のいずれかの中央横断面形状を具備する請求項1に記載の固形製剤。
【請求項3】
その中央縦断面形状が凸型状に形成され、かつ前記粘膜当接面とは別方向を指向する対合粘膜当接面を、当該粘膜当接面の裏面側に、さらに含む請求項1または2に記載の固形製剤。
【請求項4】
前記粘膜当接面を支持し、かつその中央縦断面形状が凹型に形成された粘膜非当接面を、当該粘膜当接面の裏面側に、さらに具備する請求項1または2に記載の固形製剤。
【請求項5】
円形状、楕円形状および小判形状のいずれかの端面形状を具備し、かつ前記粘膜当接面を支持する柱状の支持層を、当該粘膜当接面の裏面側に、さらに含む請求項1または2に記載の固形製剤。
【請求項6】
その中央縦断面形状が凸型状に形成された粘膜当接面を、前記支持層の自由端面側に、さらに含む請求項5に記載の固形製剤。
【請求項7】
前記中央縦断面形状が、0.1mm〜3.0mmの短径と3.0mm〜20mmの長径とを具備する半楕円形状または半紡錘形状である請求項1乃至6のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項8】
前記短径と前記長径との比率、すなわち、短径/長径の比率が、0.001〜0.20である請求項7に記載の固形製剤。
【請求項9】
前記支持層の厚みが、0.4mm〜5.0mmである請求項5乃至8のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項10】
錠剤の形態である請求項1乃至9のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項11】
前記粘着剤が、口蓋粘膜に対して付着性を発現する水溶性高分子物質である請求項1乃至10のいずれかに記載の固形製剤。

【公開番号】特開2006−96728(P2006−96728A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−287872(P2004−287872)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】