説明

古紙処理装置の給紙装置

【課題】給紙装置が給紙操作を行なっていない時には常に給紙装置へ古紙を補給することが可能な古紙処理装置の給紙装置を提供する。
【解決手段】古紙を離解させるパルパー装置110と、パルパー装置110へ供給する古紙の細断紙片を貯留する紙材貯留装置120と、紙材貯留装置120へ細断紙片を供給するシュレッダー装置130と、シュレッダー装置130へ枚葉の古紙を供給する給紙装置140と、各装置を制御する制御装置6を備える古紙処理装置において、給紙装置140は、古紙を積層載置する載置台410と、載置台410を古紙の積載操作が可能となる下限側の待機位置と古紙の給紙操作が可能となる上限側の給紙位置とにわたって昇降させる載置台駆動部440と、給紙位置にある載置台の古紙を一枚ずつ分離供給する分離供給部420を有し、制御装置6は、給紙時以外は載置台を待機位置に待機させる待機制御機能部617を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、古紙を離解させた再生パルプから紙を製造する小型の古紙処理装置に関し、古紙を追い積みすることができる給紙装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な製紙方法は、パルプ工程、抄紙工程、仕上工程からなり、古紙を原料として使用する場合には古紙パルプ工程が加わる。
パルプ工程では木材チップからパルプを生成し、古紙パルプ工程では、原料である古紙をパルパーで離解させて古紙パルプを得る。抄紙工程では、抄紙機のワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、カレンダーパート、コーターパートを経て製品の紙とする。仕上工程ではコーターパートで塗工した紙面のミクロの凹凸を平滑化し、製品寸法にカットし、あるいはロールに巻き取る。
【0003】
古紙から再生紙を製紙する場合にあって、パルパーには古紙を枚葉の状態で、もしくはシュレッダー紙片等の紙片状態で供給しており、パルパーは一度の離解操作において定量の古紙をバッチ処理し、かつ抄紙工程において古紙パルプが不足することがないようにタイミングを計って離解操作を繰り返している。
【0004】
特許文献1には、細断処理機構付ホッパー装置が記載されている。これは、古紙を離解して再生パルプ懸濁液とするパルパーと、再生パルプ懸濁液から再生紙を抄造する抄紙機とを含む文書細断屑用古紙再生装置において用いられるものであり、細断未処理文書を投入するための第一投入口と、投入された細断未処理文書を細断して文書細断屑とするための文書細断処理機構と、文書細断屑を排出させるための排出口とを備えるものである。
【0005】
特許文献2には、紙送り装置が記載されている。これは、少なくとも大きさの同じ紙を重ねて貯留する紙貯留部と、紙貯留部に紙が貯留されているか否かを検出する検出部と、紙貯留部に貯留された紙に当接する紙送りをモータで回転させて紙を送る紙送り機構と、紙貯留部に貯留された紙を紙送りローラに付勢させる付勢部から構成されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−133559号公報
【特許文献2】特開平9−272638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、古紙から再生紙を製紙する場合にあって、パルパーに古紙を供給する給紙装置は、載置した古紙束から古紙を1枚ずつ送り出すものである。
このため、給紙装置からパルパーへ供給する古紙が供給目標の定量に達する前に給紙装置において古紙が無くなると、給紙操作を一旦停止して給紙装置に古紙を補給する必要がある。この事態が発生するとパルパーで行なう離解操作のタイミングがずれることがあり、抄紙工程において古紙パルプが不足して古紙処理装置での連続処理が阻害される。
【0008】
本発明は上記した課題を解決するものであり、給紙装置が給紙操作を行なっていない時には常に給紙装置へ古紙を補給することが可能な古紙処理装置の給紙装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の古紙処理装置の給紙装置は、古紙を離解させるパルパー装置と、パルパー装置へ供給する古紙の細断紙片を貯留する紙材貯留装置と、紙材貯留装置へ細断紙片を供給するシュレッダー装置と、シュレッダー装置へ枚葉の古紙を供給する給紙装置と、各装置を制御する制御装置を備える古紙処理装置において、給紙装置は、古紙を積層載置する載置台と、載置台を古紙の積載操作が可能となる下限側の待機位置と古紙の給紙操作が可能となる上限側の給紙位置とにわたって昇降させる載置台駆動部と、給紙位置にある載置台の古紙を一枚ずつ分離供給する分離供給部を有し、制御装置は、給紙時以外は載置台を待機位置に待機させる待機制御機能部を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の古紙処理装置の給紙装置において、紙材貯留装置は、貯留した細断紙片の紙量を検出する紙量検出部を有し、制御装置は、紙量検出部で検出する紙材貯留装置の紙量が下限設定量以下となったときに、警報を発令し、かつ載置台駆動部を制御して載置台を給紙位置に上昇させるとともに、分離供給部を制御してシュレッダー装置へ古紙を供給する給紙制御機能部を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の古紙処理装置の給紙装置において、制御装置は、給紙制御機能部の作動中に載置台の下降を指示するための優先操作スイッチと、優先操作スイッチの入力を受けて載置台駆動部を制御し、給紙位置にある載置台を待機位置に下降させる待機優先制御機能部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の古紙処理装置の給紙装置において、制御装置は、待機優先制御機能部の作動中に紙量検出部で検出する紙材貯留装置の紙量が再び下限設定量以下となったときに、警報を発令し、かつ載置台駆動部を制御して載置台を給紙位置に上昇させる給紙優先制御機能部を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の古紙処理装置の給紙装置において、給紙制御機能部および給紙優先制御機能部は、警報発令後の設定時間経過後に載置台を給紙位置に上昇させることを特徴とする。
本発明の古紙処理装置の給紙装置において、紙材貯留装置における紙量の下限設定量は、パルパー装置における回分処理操作の単位量に見合う紙量であることを特徴とする。
【0014】
本発明の古紙処理装置の給紙装置は、古紙を離解させるパルパー装置と、パルパー装置で調製した再生パルプを貯留する貯留タンクと、パルパー装置へ枚葉の古紙を供給する給紙装置と、各装置を制御する制御装置を備える古紙処理装置において、給紙装置は、古紙を積層載置する載置台と、載置台を古紙の積載操作が可能となる下限側の待機位置と古紙の給紙操作が可能となる上限側の給紙位置とにわたって昇降させる載置台駆動部と、給紙位置にある載置台の古紙を一枚ずつ分離供給する分離供給部を有し、制御装置は、給紙時以外は載置台を待機位置に待機させる待機制御機能部を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の古紙処理装置の給紙装置において、給紙装置は、パルパー装置へ供給する古紙の紙量を計測する供給紙量計測部を有し、制御装置は、パルパー装置から貯留タンクへ再生パルプを移送した後に、警報を発令し、かつ載置台駆動部を制御して載置台を給紙位置に上昇させるとともに、分離供給部を制御してパルパー装置へ古紙を供給する給紙制御機能部を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の古紙処理装置の給紙装置において、給紙制御機能部は、警報発令後の設定時間経過後に載置台を給紙位置に上昇させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によれば、給紙装置が給紙操作を行なっていない時には常に給紙装置へ古紙を補給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態における給紙装置を示す断面図
【図2】同実施の形態における給紙装置の要部を示す要部拡大図
【図3】同実施の形態における古紙処理装置を示す模式図
【図4】同実施の形態における制御装置を示すブロック図
【図5】本発明の他の実施の形態における古紙処理装置を示す模式図
【図6】同実施の形態における給紙装置を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図4に示すように、本発明に係る古紙処理装置は、再生パルプ部1、脱墨パルプ部2、抄紙部3、仕上げ部4、排水処理部5を一体的に備え、古紙から再生紙を調製(再生)するものであり、再生パルプ部1、脱墨パルプ部2、抄紙部3、仕上げ部4、排水処理部5の運転を制御する制御装置6を有している。
【0020】
脱墨パルプ部2は、インク、トナー等の異物を繊維から分離するものであり、界面活性剤が存在する下で、インク、トナー等の異物の粒子を含む再生パルプ含有液を攪拌しつつ、再生パルプ含有液中に細かい気泡を吹き込み、疎水性の異物の粒子を界面活性剤の気泡表面に付着させて浮上分離させて脱墨する。
【0021】
抄紙部3は、脱墨パルプを抄紙して再生紙を調製(再生)するものであり、ヘッドボックスからメッシュベルトに脱墨パルプを含む脱墨パルプ含有液を均一に噴出させ、水切りして繊維の層を形成する。
【0022】
仕上げ部4は抄いた紙を複数のプレスローラの間に通し、紙の平坦度を上げ、所定のシートサイズにカットする。
排水処理部5は、脱墨廃液を処理するものであり、フィルターに通して繊維、インク、トナーを除去し、薬剤の添加により中性化して公共下水等へ排水可能な水質にまで処理する。
【0023】
図1から図4に示すように、再生パルプ部1は、古紙を離解させるパルパー装置110と、パルパー装置110へ供給する古紙の細断紙片を貯留する紙材貯留装置120と、紙材貯留装置120へ細断紙片を供給するシュレッダー装置130と、シュレッダー装置130へ枚葉の古紙を供給する給紙装置140を備えている。
【0024】
パルパー装置110は上水、白水等の溶媒中において再生原料の古紙の紙材を繊維、つまり再生パルプにまで離解させるものであり、紙材を投入する槽体111と、槽体111の内部で旋回する攪拌翼(図示省略)および攪拌翼を回転駆動するモータ等の駆動手段(図示省略)を有している。槽体111には再生パルプ含有液を次工程へ移送する移送系112が連通している。
【0025】
パルパー装置110では、再生原料の紙量に応じた量の溶媒、ここでは水を槽体111に投入するとともに、攪拌翼(図示省略)を回転駆動して古紙の繊維を離解させて再生パルプを調製(再生)し、再生パルプを含む再生パルプ含有液を移送系112を通して次工程の脱墨パルプ部2へ送る。
【0026】
紙材貯留装置120はパルパー装置110へ供給する紙材7として古紙の細断紙片を貯留するものであり、パルパー装置110に投入する紙材7の投入量を計量する計量部11と、紙材を計量部11へ供給する給紙部12とを備えている。
【0027】
給紙部12は、紙材貯留部16と、紙材貯留部16に貯留されている紙材を計量部11へ移送する第1ダクト17と、紙材7を紙材貯留部16から第1ダクト17へ送り出す送り出し装置18と、送り出し装置18によって紙材貯留部16から第1ダクト17へ送り出される紙材7を分散させる分散用サイクロン19と、第1ダクト17内の紙材7を計量部11へ排出する排出用サイクロン20と、紙材貯留部16から第1ダクト17へ投入された紙材7を排出用サイクロン20へ流すための気流21を発生させる送風機22と、分散用サイクロン19と送風機22との間に接続された第2ダクト23と、排出用サイクロン20と送風機22との間に接続された第3ダクト24とを有している。
【0028】
紙材貯留部16は、シュレッダー装置130で細断された紙材7を貯留する貯留容器29と、貯留容器29内に貯留されている紙材7を攪拌する攪拌装置30と、貯留した細断紙片の紙量を検出する紙量検出部31を有している。
【0029】
紙量検出部31は上限設定量を検出する上部センサ311および下限設定量を検出する下部センサ312を有し、上部センサ311および下部センサ312は光電スイッチ等からなり、貯留容器29の内側面に相対向して設けている。貯留容器29における紙量の下限設定量は、パルパー装置110における回分処理操作の単位量に見合う紙量であり、上限設定量は貯留容器29から紙材7が溢れ出さない紙量である。
【0030】
シュレッダー装置130は、古紙を細断するカット部301と、カット部301を駆動する駆動部302を備えている。
給紙装置140は、枚葉の古紙を積層載置する載置台410と、載置台410から古紙を一枚ずつ分離する分離供給部420と、古紙を給紙搬送方向に沿ってシュレッダー装置130へ搬送する搬送装置430と、載置台410を古紙の積載操作が可能となる下限側の待機位置と古紙の給紙操作が可能となる上限側の給紙位置とにわたって昇降させる載置台駆動部440と、載置台410に積層載置した枚葉の古紙の積層量を検出する積載量検出部450を備えており、積載量検出部450は載置台410の移動経路に沿って適切な間隔で配列した複数の光学系のセンサ451からなる。積載量検出部450は、載置台410の昇降量をポテンショメータで検出して古紙の積層量を推計する構成や、補充量と消費量との差量をデータとして記憶する構成とすることも可能である。
【0031】
分離供給部420は、載置台410の奥端上方に配置した駆動シャフト421に装着した給紙ローラ422を有し、給紙ローラ422に対向して紙サバキ装置423を設けている。
【0032】
搬送装置430は、上下一対の搬送ローラ431と、シュレッダー装置130へ供給する古紙の紙量を計測する供給紙量計測部432を有しており、供給紙量計測部432は光学式センサもしくは超音波式センサを用いる。給紙量は給紙ローラ422によって古紙を送り出した給紙回数をカウントすることで計測することも可能である。
【0033】
制御装置6は、CPU61、警報部62、表示部63、優先操作スイッチ64を有し、CPU61に設定する機能回路として、以下の機能部を有している。つまり、再生パルプ部1の運転を制御する再生パルプ部制御機能部611と、脱墨パルプ部2の運転を制御する脱墨パルプ部制御機能部612と、抄紙部3の運転を制御する抄紙部制御機能部613と、仕上げ部4の運転を制御する仕上げ部制御機能部614と、排水処理部5の運転を制御する排水処理部制御機能部615と、稼動開始から稼動停止までの運転プロセスを逐次実行する自動運転制御機能部616を備え、再生パルプ部制御機能部611はサブ機能部として給紙時以外は載置台410を待機位置に待機させる待機制御機能部617と、紙量検出部31で検出する紙材貯留装置120の紙量が下限設定量以下となったときに、警報部62に警報を発令し、かつ載置台駆動部440を制御して載置台を給紙位置に上昇させるとともに、分離供給部420を制御してシュレッダー装置130へ古紙を供給する給紙制御機能部618と、給紙制御機能部618の作動中に載置台410の下降を指示する優先操作スイッチ64の入力を受けて載置台駆動部440を制御し、給紙位置にある載置台410を待機位置に下降させる待機優先制御機能部619と、待機優先制御機能部619の作動中に紙量検出部31で検出する紙材貯留装置120の紙量が再び下限設定量以下となったときに、警報部62に警報を発令し、かつ載置台駆動部440を制御して載置台410を給紙位置に上昇させる給紙優先制御機能部620を有している。給紙制御機能部618および給紙優先制御機能部620は、警報発令後の設定時間経過後に載置台410を給紙位置に上昇させる。
【0034】
上記した構成における作用を説明する。制御装置6は再生パルプ部制御機能部611、脱墨パルプ部制御機能部612、抄紙部制御機能部613、仕上げ部制御機能部614、排水処理部制御機能部615により、それぞれ再生パルプ部1、脱墨パルプ部2、抄紙部3、仕上げ部4、排水処理部5を制御して古紙から再生紙を調製する。
【0035】
再生パルプ部1では、紙材貯留装置120の貯留容器29に貯留した紙材7の細断紙片を給紙部12により計量部11に送り、パルパー装置110における回分処理操作の単位量に見合う紙量をパルパー装置110へ供給する。パルパー装置110で回分処理操作が終わると、再生パルプは移送系112を通して脱墨パルプ部2へ送る。この動作を繰り返すことで古紙処理装置が連続運転される。
【0036】
この間、制御装置6の待機制御機能部617は給紙時以外において給紙装置140の載置台410を古紙の積載操作が可能となる下限側の待機位置に待機させる。このため、古紙処理装置を連続して運転しつつ、操作者は給紙装置が給紙操作を行なっていない時に常に給紙装置14へ古紙を追い積みして補給することが可能となる。
【0037】
貯留容器29に貯留した紙材7が減少し、紙量が下限設定量以下となったことを紙量検出部31の下部センサ312が検出すると、制御装置6の給紙制御機能部618は、警報部62に警報を発令してユーザーに警告し、警報発令後の設定時間経過後に載置台駆動部440を制御して載置台410を給紙位置に上昇させるとともに、分離供給部420を制御してシュレッダー装置130へ枚葉の古紙を供給する。
【0038】
分離供給部420では、駆動シャフト421に装着した給紙ローラ422が古紙を送り出し、紙サバキ装置423が古紙の多重送りを防止し、供給紙量計測部432がシュレッダー装置130へ供給する古紙の紙量を計測する。
【0039】
給紙操作の途中において積載量検出部450のセンサ451が載置台410の古紙の紙切れを検出した場合には、制御装置6の給紙制御機能部618が、警報部62に警報を発令してユーザーに警告し、警報発令後の設定時間経過後に載置台駆動部440を制御して載置台410を待機位置に下降させ、ユーザーに古紙の補給を促す。
【0040】
また、制御装置6の給紙制御機能部618は、給紙時に載置台410を給紙位置に上昇させる際に、積載量検出部450のセンサ451によって載置台410の現在積載量を検出し、給紙操作に必要とする古紙の要補充量に対して載置台410の積載量が不足している場合には、警報部62に警報を発令してユーザーに警告し、警報発令後の設定時間経過後に載置台駆動部440を制御して載置台410を待機位置に下降させ、ユーザーに古紙の補給を促す。
【0041】
本実施の形態では、積載量検出部450のセンサ451が古紙の紙切れを検出することにより載置台410を待機位置に下降させてユーザーに古紙の補給を促したが、給紙動作が終了した後においても、紙量検出部31が紙量の不足を検出する場合に、載置台410の古紙が無くなったと判断し、載置台410を待機位置に下降させてユーザーに古紙の補給を促すように、制御装置6の給紙制御機能部618を設定することも可能である。
【0042】
古紙の補給が完了し、積載量検出部450のセンサ451が載置台410の古紙の紙切れの解消を検出すると、制御装置6の給紙制御機能部618が、警報部62に警報を発令してユーザーに警告し、警報発令後の設定時間経過後に載置台駆動部440を制御して載置台410を給紙位置に上昇させて給紙を再開する。
【0043】
また、ユーザーが給紙制御機能部618の作動中に載置台410の下降を指示するための優先操作スイッチ64を押下すると、制御装置6の待機優先制御機能部619は、優先操作スイッチ64の入力を受けて載置台駆動部440を制御し、給紙位置にある載置台410を待機位置に下降させる。待機優先制御機能部619による載置台410の降下点は、ユーザーの設定事項として待機位置までの途中の任意の位置に設定することもできる。また、待機優先制御機能部619による載置台410の降下動作は、優先操作スイッチ64を押し続ける間は載置台410が下降し続け、優先操作スイッチ64の操作を止めた時点で載置台410が停止するように設定することも可能である。
【0044】
古紙の補給が完了した後に、ユーザーが優先操作スイッチ64を再び押下すると、制御装置6の待機優先制御機能部619は、優先操作スイッチ64の入力を受けて載置台駆動部440を制御し、待機位置にある載置台410を給紙位置に上昇させる。
【0045】
このため、ユーザーは給紙中であっても優先的に給紙装置14へ古紙を追い積みすることができる。紙材貯留装置120からパルパー装置110へ紙材7を供給する給紙速度に比べて、給紙装置140からシュレッダー装置130を介して紙材貯留装置120へ紙材7を供給する補給速度は速いので、パルパー装置110へ紙材7を供給する給紙操作が阻害されることはない。
【0046】
しかしながら、待機優先制御機能部619の作動中に紙量検出部31で検出する紙材貯留装置120の紙量が再び下限設定量以下となったときには、制御装置6の給紙優先制御機能部620が警報部62へ警報を発令し、警報発令後の設定時間経過後に載置台駆動部440を制御して載置台410を給紙位置に上昇させ、給紙操作を再開する。
【0047】
図5から図6に本発明の他の実施の形態を示す。先の実施の形態と同様の作用を行なう構成要素には同符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態では、パルパー装置110で調製した再生パルプを貯留する貯留タンク8を設けており、パルパー装置110の移送系112がポンプ113を介して貯留タンク8に接続している。また、給紙装置140からパルパー装置110へ枚葉の古紙を直接供給する。
【0048】
制御装置6の給紙制御機能部618は、ポンプ113の駆動によりパルパー装置110から移送系112を通して貯留タンク8へ再生パルプを移送した後に、警報部62に警報を発令してユーザーに警告し、警報発令後の設定時間経過後に載置台駆動部440を制御して載置台410を給紙位置に上昇させて給紙を再開する。他の作用効果は先の実施の形態と同様である。
【符号の説明】
【0049】
1 再生パルプ部
2 脱墨パルプ部
3 抄紙部
4 仕上げ部
5 排水処理部
6 制御装置
7 紙材
8 貯留タンク
11 計量部
12 給紙部
16 紙材貯留部
17 第1ダクト
18 送り出し装置
19 分散用サイクロン
20 排出用サイクロン
21 気流
22 送風機
23 第2ダクト
24 第3ダクト
29 貯留容器
30 攪拌装置
31 紙量検出部
61 CPU
62 警報部
63 表示部
64 優先操作スイッチ
110 パルパー装置
111 槽体
112 移送系
113 ポンプ
120 紙材貯留装置
130 シュレッダー装置
140 給紙装置
301 カット部
302 駆動部
311 上部センサ
312 下部センサ
410 載置台
420 分離供給部
421 駆動シャフト
422 給紙ローラ
423 紙サバキ装置
430 搬送装置
431 搬送ローラ
432 供給紙量計測部
440 載置台駆動部
450 積載量検出部
451 センサ
611 再生パルプ部制御機能部
612 脱墨パルプ部制御機能部
613 抄紙部制御機能部
614 仕上げ部制御機能部
615 排水処理部制御機能部
616 自動運転制御機能部
617 待機制御機能部
618 給紙制御機能部
619 待機優先制御機能部
620 給紙優先制御機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
古紙を離解させるパルパー装置と、パルパー装置へ供給する古紙の細断紙片を貯留する紙材貯留装置と、紙材貯留装置へ細断紙片を供給するシュレッダー装置と、シュレッダー装置へ枚葉の古紙を供給する給紙装置と、各装置を制御する制御装置を備える古紙処理装置において、
給紙装置は、古紙を積層載置する載置台と、載置台を古紙の積載操作が可能となる下限側の待機位置と古紙の給紙操作が可能となる上限側の給紙位置とにわたって昇降させる載置台駆動部と、給紙位置にある載置台の古紙を一枚ずつ分離供給する分離供給部を有し、制御装置は、給紙時以外は載置台を待機位置に待機させる待機制御機能部を有することを特徴とする古紙処理装置の給紙装置。
【請求項2】
紙材貯留装置は、貯留した細断紙片の紙量を検出する紙量検出部を有し、制御装置は、紙量検出部で検出する紙材貯留装置の紙量が下限設定量以下となったときに、警報を発令し、かつ載置台駆動部を制御して載置台を給紙位置に上昇させるとともに、分離供給部を制御してシュレッダー装置へ古紙を供給する給紙制御機能部を有することを特徴とする請求項1に記載の古紙処理装置の給紙装置。
【請求項3】
制御装置は、給紙制御機能部の作動中に載置台の下降を指示するための優先操作スイッチと、優先操作スイッチの入力を受けて載置台駆動部を制御し、給紙位置にある載置台を待機位置に下降させる待機優先制御機能部を有することを特徴とする請求項2に記載の古紙処理装置の給紙装置。
【請求項4】
制御装置は、待機優先制御機能部の作動中に紙量検出部で検出する紙材貯留装置の紙量が再び下限設定量以下となったときに、警報を発令し、かつ載置台駆動部を制御して載置台を給紙位置に上昇させる給紙優先制御機能部を有することを特徴とする請求項2に記載の古紙処理装置の給紙装置。
【請求項5】
給紙制御機能部および給紙優先制御機能部は、警報発令後の設定時間経過後に載置台を給紙位置に上昇させることを特徴とする請求項2または4に記載の古紙処理装置の給紙装置。
【請求項6】
紙材貯留装置における紙量の下限設定量は、パルパー装置における回分処理操作の単位量に見合う紙量であることを特徴とする請求項2または4に記載の古紙処理装置の給紙装置。
【請求項7】
古紙を離解させるパルパー装置と、パルパー装置で調製した再生パルプを貯留する貯留タンクと、パルパー装置へ枚葉の古紙を供給する給紙装置と、各装置を制御する制御装置を備える古紙処理装置において、
給紙装置は、古紙を積層載置する載置台と、載置台を古紙の積載操作が可能となる下限側の待機位置と古紙の給紙操作が可能となる上限側の給紙位置とにわたって昇降させる載置台駆動部と、給紙位置にある載置台の古紙を一枚ずつ分離供給する分離供給部を有し、制御装置は、給紙時以外は載置台を待機位置に待機させる待機制御機能部を有することを特徴とする古紙処理装置の給紙装置。
【請求項8】
給紙装置は、パルパー装置へ供給する古紙の紙量を計測する供給紙量計測部を有し、制御装置は、パルパー装置から貯留タンクへ再生パルプを移送した後に、警報を発令し、かつ載置台駆動部を制御して載置台を給紙位置に上昇させるとともに、分離供給部を制御してパルパー装置へ古紙を供給する給紙制御機能部を有することを特徴とする請求項7に記載の古紙処理装置の給紙装置。
【請求項9】
給紙制御機能部は、警報発令後の設定時間経過後に載置台を給紙位置に上昇させることを特徴とする請求項8に記載の古紙処理装置の給紙装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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