説明

可動クロマトグラフィーカラムセパレータ

本発明は、クロマトグラフィーカラムを上クロマトグラフィーカラムチャンバと下クロマトグラフィーカラムチャンバとに分け、クロマトグラフィーカラム内で可変の位置を有し、クロマトグラフィー材料によって埋められるクロマトグラフィーカラムセパレータに関する。セパレータは、下クロマトグラフィーカラムチャンバ中のクロマトグラフィーカラム材料を交換することなく、上クロマトグラフィーカラムチャンバ中のクロマトグラフィー材料の交換を可能にし、また、異なるクロマトグラフィー官能基を有する二つの異なるクロマトグラフィー材料を一つのクロマトグラフィーカラム中に組み合わせることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロマトグラフィーの分野、より詳細には、クロマトグラフィーカラムを用いるクロマトグラフィー法によるポリペプチド精製の分野におけるものである。本明細書には、クロマトグラフィーカラムを上クロマトグラフィーカラムチャンバと下クロマトグラフィーカラムチャンバとに分割することができ、クロマトグラフィーカラム内で可変の位置を有する、すなわち、周囲のクロマトグラフィー材料の圧力依存性圧縮とともにスライドすることができるクロマトグラフィーカラムセパレータが記載される。
【背景技術】
【0002】
ポリペプチドは、今日の医学ポートフォリオにおいて重要な役割を演じている。人への適用の場合、各医薬物質は個別の基準を満たさなければならない。人への生物医薬剤の安全性を保証するためには、特に、重大な害を及ぼすであろう核酸、ウイルス及び宿主細胞タンパク質を除去しなければならない。規制規格を満たすためには、一つ以上の精製ステップが製造プロセスに続かなければならない。適切な精製プロセスを決定する際には、とりわけ純度、スループット及び収率が重要な役割を演じる。
【0003】
一般的なクロマトグラフィー法にはクロマトグラフィーカラムが用いられ、そのようなクロマトグラフィーカラムは本質的に、上下のフィッティングを備えたカラムハウジングを含み、このハウジングが逆に、カラム頂部の入口、カラム底部の出口、上クロマトグラフィーカラムフリット、下クロマトグラフィーカラムフリット、上ディストリブータプレート及びクロマトグラフィー材料を含む。
【0004】
一般的なクロマトグラフィー法及びそれらの使用は当業者には公知である。たとえば、Chromatography, 5th edition, Part A: Fundamentals and Techniques, Heftmann, E. (eds), Elsevier Science Publishing Company, New York, (1992)、Advanced Chromatographic and Electromigration Methods in Biosciences, Deyl, Z. (ed.), Elsevier Science BV, Amsterdam, The Netherlands, (1998)、Chromatography Today, Poole, CF. , and Poole, S. K., Elsevier Science Publishing Company, New York, (1991)、Scopes, Protein Purification: Principles and Practice (1982)、Sambrook, J., et al. (eds), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989又はCurrent Protocols in Molecular Biology, Ausubel, F. M., et al. (eds), John Wiley & Sons, Inc., New Yorkを参照すること。
【0005】
たとえば細胞培養法によって産生された免疫グロブリンの精製の場合、一般に、様々なクロマトグラフィーステップが組み合わせて用いられる。通常、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーののち、一つ又は二つのさらなる分離ステップが続く。最終的な精製ステップは、凝集した免疫グロブリン、残留HCP(宿主細胞タンパク質)、DNA(宿主細胞核酸)、ウイルス又は内毒素のような微量不純物及び汚染物を除去するためのいわゆる「磨きステップ」である。この磨きステップには、通常、アニオン交換材料がフロースルーモードで使用される。
【0006】
WO2006/048514には、相補的な形状の開口した上下の端部を含み、クロマトグラフィー混合物が中に配置される容器及びその容器の下端部に固定された膜フィルタが記載されている。US6,458,273には、第一の内径及び第一の長さの充填チャンバを備えた充填カラムと、それと流体連通した、充填カラムの内径よりも小さい直径及び充填カラムの長さよりも大きい長さの分離チャンバを有する分離カラムとを含む高スループット液クロマトグラフィーカラムアセンブリが記載されている。
【0007】
US4,719,011には、長さ及び/又は内径に関してモジュール式に変更することができ、モジュラーシステム中の他のコンポーネント、たとえばカラム区分、異なる内径のカラム区分どうしを接合するためのアダプタ及び円錐アダプタならびに流体を導入又は排出するためのエンドプレートユニットを含むことができる高圧液クロマトグラフィーカラムが記載されている。EP1916522には、移動相中に溶解した試料流体の様々な化合物を分離するために移動相と相互作用するように適合された複数の粒子を有する固定相、固定相を少なくとも部分的に収容するためのハウジング及び固定相の区分を分けるための、ハウジングと強制結合されたセパレータを含むカラム装置が記載されている。
【0008】
WO00/010675には、複数の多孔性部材によって分けられ、画定された複数の媒体床を含むセグメント化クロマトグラフィーカラムが記載されている。US3,398,512には、クロマトグラフィー装置が記載されている。US3,453,811には、仕切り要素を中に有するクロマトグラフィーカラムが記載されている。EP−A1892526には、カラム及び同カラムを使用するカートリッジカラムが記載されている。US3,657,864には、揮発性混合物を分別するための分離システムが記載されている。
【発明の概要】
【0009】
本明細書に記載されるセパレータは、下クロマトグラフィーカラムチャンバ中のクロマトグラフィーカラム材料を交換する必要なく上クロマトグラフィーカラムチャンバ中のクロマトグラフィー材料の交換を可能にし、また、たとえば、異なるクロマトグラフィー官能基を有する二つの異なるクロマトグラフィー材料を一つのクロマトグラフィーカラム中で組み合わせることができ、このセパレータの存在において、より均質に充填されたクロマトグラフィーカラムを提供することができる。さらには、本明細書に記載されるセパレータは、カラムによって加えられる背圧を減らす。すなわち、カラム内部の圧力を減らす。カラム充填物に加えられる各セパレータにおいて圧力降下が誘発される。
【0010】
本明細書には、一つの局面として、液クロマトグラフィーカラムにおいて使用するための円形のガイドリングであって、二つの軸対称な断面区域(5及び6)を含む垂直断面を有し、軸対称な断面区域のそれぞれが、
a)ガイドリングの外側から内側に先細りする先細り構造、及び
b)フリットを取り付けるための、ガイドリングの内側に向けられた開口を有する切り欠き(8)
を有することを特徴とするガイドリングが記載される。
【0011】
一つの実施態様において、切り欠きは長方形の切り欠きである。さらなる実施態様において、断面区域のそれぞれは三角形形状を有し、その最長の辺(7)が切り欠き(8)の直径の少なくとも1.5倍の長さを有する。さらなる実施態様において、リングは、ゴム、プラスチック、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン又はポリプロピレンでできている。
【0012】
また、本明細書に記載される局面は、フリットを円筒形の液クロマトグラフィーカラムの中に取り付けるための、本明細書に記載されるガイドリングの使用である。
【0013】
また、局面は、本明細書に記載されるガイドリング及びガイドリング中に取り付けられたフリットを含むクロマトグラフィーカラムセパレータである。
【0014】
一つの実施態様において、フリットは、
a)一つのフリット、又は
b)上フリット及び下フリットの二つのフリット
である。
【0015】
もう一つの実施態様において、a)フリットは1μm〜20μmの孔径を有する、又はb)フリットそれぞれが、互いに独立して、1μm〜20μmの孔径を有し、上フリットの孔径が下フリットの孔径よりも小さい。もう一つの実施態様において、フリットは、金属、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、焼結材料又はそれらの組み合わせでできている。さらなる実施態様において、セパレータは、すべてセパレータの片側に取り付けられた間隔ホルダを含む。
【0016】
一つの実施態様において、クロマトグラフィーカラムセパレータは、
a)クロマトグラフィーカラムを上クロマトグラフィーカラムチャンバと下クロマトグラフィーカラムチャンバとに分け、
b)クロマトグラフィーカラムの内壁に沿ってスライドすることによってクロマトグラフィーカラム内で可変の位置を有する
ということを特徴とする。
【0017】
一つの実施態様において、クロマトグラフィーカラムセパレータは一つのフリット含み、もう一つの実施態様において、セパレータは上フリット及び下フリットを含む。さらなる実施態様において、クロマトグラフィーカラムセパレータ又は前記上フリットもしくは前記下フリットは1μm〜20μmの孔径を有し、上フリットの孔径が下フリットの孔径よりも小さい。もう一つの実施態様において、フリットは、金属、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、焼結材料又はそれらの組み合わせでできている。一つの実施態様において、クロマトグラフィーカラムセパレータは、片側に取り付けられた三つ以上の間隔ホルダを有する。特定の実施態様において、間隔ホルダは、クロマトグラフィーカラムセパレータの、大きい方の孔径を有する側に取り付けられる。
【0018】
本明細書に記載されるもう一つの局面は、クロマトグラフィーカラムをチャンバに分割するための、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータの使用である。本明細書に記載されるさらなる局面は、クロマトグラフィーカラムを上クロマトグラフィーカラムチャンバと下クロマトグラフィーカラムチャンバとに分けるための、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータの使用である。さらに別の局面は、クロマトグラフィーカラム中のクロマトグラフィー材料を二つの別々の部分に分けるための、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータの使用である。また、本明細書に記載される局面は、一つのクロマトグラフィーカラム中の二つの異なるクロマトグラフィー材料を分けるための、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータの使用である。
【0019】
本明細書に記載されるさらなる局面は、クロマトグラフィー材料を含むクロマトグラフィーカラムを二つの別々のチャンバに分けるための、クロマトグラフィーカラム中のクロマトグラフィー材料内に埋められている本発明のクロマトグラフィーカラムセパレータの使用、クロマトグラフィー材料を含むクロマトグラフィーカラムを二つの別々のチャンバに分けるための、一つのクロマトグラフィーカラム中の二つの異なるクロマトグラフィー材料を分ける、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータの使用である。
【0020】
本明細書に記載されるなおさらなる局面は、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータを少なくとも一つ、すなわち一つ以上含むクロマトグラフィーカラムである。一つの実施態様において、クロマトグラフィーカラムは一つ又は二つのクロマトグラフィーカラムセパレータを含む。この局面のさらなる実施態様において、いずれかのクロマトグラフィーカラムセパレータが第一のクロマトグラフィー材料及び第二のクロマトグラフィー材料と接触し、第一及び第二のクロマトグラフィー材料は、
a)同じクロマトグラフィー官能基を有する、同じ又は異なる粒径のクロマトグラフィー材料、又は
b)異なるクロマトグラフィー官能基を有するクロマトグラフィー材料
である。
【0021】
本明細書に記載されるもう一つの局面は、ポリペプチドの精製のための、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータを少なくとも一つ含むクロマトグラフィーカラムの使用である。
【0022】
また、本明細書に記載される局面は、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータの上面の形状とは逆である形状を底に有し、ガイドリングの外径よりも小さい直径を有するクロマトグラフィーカラムセパレータ適用装置である。
【0023】
発明の詳細な説明
本明細書には、液クロマトグラフィーカラムにおいて使用するための円形のガイドリングであって、ガイドリングが二つの軸対称な断面区域を含む垂直断面を有し、軸対称な断面区域のそれぞれが、
a)ガイドリングの外側から内側に先細りする先細り構造、及び
b)フリットを取り付けるための、ガイドリングの内側に向けられた開口を有する切り欠き
を有することを特徴とするガイドリングが記載される。
【0024】
クロマトグラフィーカラム中のクロマトグラフィー材料を二つの別々の部分に分けるためのクロマトグラフィーカラムセパレータであって、
a)セパレータが、クロマトグラフィーカラムを上クロマトグラフィーカラムチャンバと下クロマトグラフィーカラムチャンバとに分け、
b)セパレータが、クロマトグラフィーカラム内で可変の位置を有し、
c)セパレータが、クロマトグラフィー材料中に埋められている
クロマトグラフィーカラムセパレータが記載される。
【0025】
カラムクロマトグラフィーにおいては、少なくとも一つ以上の対象ポリペプチド、すなわち一つ以上の精製されるポリペプチドが、クロマトグラフィー分離法により、クロマトグラフィー材料との相互作用を介して他のポリペプチド及び非対象物質から分離される。
【0026】
「ポリペプチド」とは、天然に産生されたものであるか、合成によって産生されたものであるかにかかわらず、ペプチド結合によってつながれたアミノ酸残基からなるポリマーをいう。約20未満のアミノ酸残基のポリペプチドを「ペプチド」と呼ぶことができる。一つ以上のアミノ酸鎖又は100以上のアミノ酸残基の一つのアミノ酸鎖を含むポリペプチドを「タンパク質」と呼ぶことができる。さらに、ポリペプチドは、炭水化物基のような非アミノ酸成分を含むこともできる。炭水化物基及び他の非アミノ酸成分は、ポリペプチドが産生される細胞によって加えられることができ、細胞のタイプによって異なる。ポリペプチドはそのアミノ酸主鎖構造において定義され、炭水化物基のような置換基は一般に指定されないが、それにもかかわらず、存在することはできる。一つの実施態様において、ポリペプチドは免疫グロブリンもしくは免疫グロブリンフラグメント又は免疫グロブリンもしくは免疫グロブリンフラグメントを含む融合タンパク質である。
【0027】
「免疫グロブリン」とは、一般には二つの軽鎖ポリペプチド(軽鎖、LC)及び二つの重鎖ポリペプチド(重鎖、HC)を含むポリペプチドをいう。重鎖及び軽鎖それぞれは、抗原と相互作用する特異的結合領域(CDR、相補性決定領域)を含む可変領域(一般には、鎖のアミノ末端部分)を含む。重鎖及び軽鎖それぞれはまた、免疫系の様々な細胞、食細胞及び古典的補体系の第一成分(C1q)を含む宿主組織又は因子への免疫グロブリンの結合を媒介する定常領域(一般には、鎖のカルボキシル末端部分)を含む。一般に、軽鎖は軽鎖可変ドメイン及び軽鎖定常ドメインを含み、重鎖は重鎖可変ドメイン、ヒンジ領域及び重鎖定常ドメイン、すなわち、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン及び場合によってはCH4ドメインを含む。免疫グロブリンは、たとえばフラグメントFv、Fab及びF(ab)2ならびに単鎖を含む多様な形態で存在することができる(たとえば、Huston, J. S., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85 (1988) 5879-5883、Bird, R.E., et al., Science 242 (1988) 423-426、一般に、Hood, L.E., et al., Immunology, Benjamin N.Y., 2nd edition (1984)及びHunkapiller, T., and Hood, L., Nature 323 (1986) 15-16)。重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に依存して、免疫グロブリンは、異なるクラス、すなわちIgA、IgD、IgE、IgG及びIgMに割り振られる。これらのクラスのいくつかはさらにサブクラス(イソタイプ)に、たとえばIgGはIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4に、IgAはIgA1及びIgA2に分割される。免疫グロブリンが属する免疫グロブリンクラスにしたがって、免疫グロブリンの重鎖定常領域は、それぞれa(IgA)、d(IgD)、e(IgE)、g(IgG)及びm(IgM)と呼ばれる。加えて、二つのタイプの免疫グロブリン軽鎖、すなわちλタイプ軽鎖及びκタイプ軽鎖が考えられる。
【0028】
本出願明細書内で使用される「クロマトグラフィー材料」とは、一つには、さらなる修飾なしで対象ポリペプチドのクロマトグラフィー精製に使用することができる固体材料、たとえばヒドロキシアパタイト、及びたとえば共有結合によってクロマトグラフィー官能基の導入/結合によって修飾されたバルクコア材料を含む材料、たとえばSP-Sepharose(登録商標)をいう。バルクコア材料は、クロマトグラフィー分離、すなわち、分離されるポリペプチドと、クロマトグラフィー材料のクロマトグラフィー官能基との間の相互作用には関与しないものと理解される。単に、精製されるポリペプチドを含有する溶液がクロマトグラフィー官能基にアクセスすることができることを保証する、クロマトグラフィー官能基が取り付けられる三次元フレームワークを提供するだけである。一つの実施態様において、バルクコア材料は固相である。したがって、もう一つの実施態様において、「クロマトグラフィー材料」は、クロマトグラフィー官能基が取り付けられる固相である。もう一つの実施態様において、「クロマトグラフィー官能基」は、電離性疎水基又は疎水基又は特定のタイプのポリペプチドだけに結合するように異なるクロマトグラフィー官能基が組み合わされた複合基又は共有結合した正もしくは負荷電基である。
【0029】
一般に、精製されるポリペプチドは、水性緩衝溶液としてクロマトグラフィー材料に適用される。
【0030】
本出願明細書内で使用される「適用する」及びその語法的等価形は、精製される対象ポリペプチドを含有する溶液をクロマトグラフィー材料と接触させる、ポリペプチドのクロマトグラフィー精製の部分ステップをいう。これは、精製されるポリペプチドを含有する溶液が、クロマトグラフィー材料を含有するクロマトグラフィーカラムに対し、そのカラムの上入口から加えられることをいう。精製される対象ポリペプチドを含有する溶液は、クロマトグラフィー材料の中を通過して、それにより、クロマトグラフィー材料と溶液中の物質との間の相互作用を可能にする。たとえばpH、伝導率、塩濃度、温度及び/又は流量のような条件に依存して、溶液に含まれる物質はクロマトグラフィー材料と特異的に相互作用し、それにより、クロマトグラフィー材料との相互作用に依存して、クロマトグラフィーカラムを通過する動きが生じる。対象ポリペプチドは、精製ステップ後に得られた溶液から、すなわち溶出液から、対象物質を実質的に均質な形態で得るための当業者には周知の方法、たとえば沈殿、塩析、限外ろ過、膜分離、凍結乾燥、アフィニティークロマトグラフィー又は溶媒量減少によって回収することができる。
【0031】
本出願明細書内で使用される「緩衝(された)」とは、酸性又は塩基性物質の添加又は放出によるpHの変化が緩衝物質によって均されている溶液をいう。そのような効果を生じさせる任意の緩衝物質を使用することができる。
【0032】
一つの実施態様においては、薬学的に許容可能な緩衝物質、たとえばリン酸もしくはその塩、酢酸もしくはその塩、クエン酸もしくはその塩、モルホリンもしくはその塩、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸もしくはその塩、ヒスチジンもしくはその塩、グリシンもしくはその塩又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)もしくはその塩が使用される。一つの実施態様において、緩衝物質は、リン酸もしくはその塩、又は酢酸もしくはその塩、又はクエン酸もしくはその塩、又はヒスチジンもしくはその塩である。場合によっては、緩衝溶液は、さらなる塩、たとえば塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウムを含むことができる。
【0033】
液カラムクロマトグラフィー精製法において、クロマトグラフィー材料は、カラムハウジング内に配置され、「固定相」と呼ばれる。固定相が、それに適用された溶液中の物質/ポリペプチドと相互作用することを可能にするために、固定相は、「移動相」によって包囲され/「移動相」の中に埋められている。「移動相」とは、固定相が用いられるクロマトグラフィー精製法において使用される液体、たとえば緩衝水溶液、水と有機溶媒との混合物又は有機溶媒をいう。
【0034】
微生物タンパク質を用いるアフィニティークロマトグラフィー(たとえばプロテインA又はプロテインGアフィニティークロマトグラフィー)、イオン交換クロマトグラフィー法(たとえばカチオン交換(カルボキシメチル樹脂)、アニオン交換(アミノエチル樹脂)及び混合モード交換)、チオフィリック吸着(たとえばβ−メルカプトエタノール及び他のSHリガンドを用いる)、疎水性相互作用又は芳香族吸着クロマトグラフィー(たとえばフェニルセファロース、アザアレノフィリック樹脂又はm−アミノフェニルボロン酸を用いる)、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー(たとえばNi(II)及びCu(II)アフィニティー材料を用いる)、サイズ排除クロマトグラフィー及び電気泳動法(たとえばゲル電気泳動、毛管電気泳動)など、様々なクロマトグラフィー法が十分に確立され、ポリペプチド回収及び精製のために幅広く使用されている(たとえば、Vijayalakshmi, M. A., Appl. Biochem. Biotech. 75 (1998) 93-102を参照)。
【0035】
「疎水性電荷誘導クロマトグラフィー」、略して「HCIC」とは、「疎水性電荷誘導クロマトグラフィー材料」を用いるクロマトグラフィー法をいう。「疎水性電荷誘導クロマトグラフィー材料」とは、あるpH範囲においては、精製される物質/ポリペプチドへの疎水性結合を形成することができ、他のpH範囲においては、正又は負いずれかに荷電されるクロマトグラフィー官能基を含むクロマトグラフィー材料である。すなわち、HCICは、電離性疎水基をクロマトグラフィー官能基として使用する。一般に、ポリペプチドは、中性pH条件下、疎水性電荷誘導材料に結合し、その後、pH値の変化による電荷反発の発生によって回収される。例示的な「疎水性電荷誘導クロマトグラフィー材料」はBioSepra MEP又はHEA Hypercel(Pall Corp., USA)である。
【0036】
「疎水性相互作用クロマトグラフィー」、略して「HIC」とは、「疎水性相互作用クロマトグラフィー材料」が用いられるクロマトグラフィー法をいう。「疎水性相互作用クロマトグラフィー材料」とは、クロマトグラフィー官能基としてブチル基、オクチル基又はフェニル基などの疎水基が結合しているクロマトグラフィー材料である。適用されたポリペプチドは、疎水性相互作用クロマトグラフィー材料の疎水基と相互作用することができる表面露出アミノ酸側鎖の疎水性に依存して分離される。ポリペプチドとクロマトグラフィー材料との間の相互作用は、温度、溶媒及び溶媒のイオン強度によって影響を受けることができる。たとえば、温度上昇は、アミノ酸側鎖の動きが増大し、より低い温度でポリペプチド内に埋められた疎水性アミノ酸側鎖がアクセス可能になるため、ポリペプチドと疎水性相互作用クロマトグラフィー材料との間の相互作用を支援する。疎水性相互作用はまた、コスモトロピック塩によって促進され、カオトロピック塩によって低減される。「疎水性相互作用クロマトグラフィー材料」は、たとえば、バルク材料へのグリシジルエーテル結合を介して得られるフェニルセファロース(Phenylsepharose)CL-4B、6 FF、HP、フェニルスペロース(Phenylsperose)、オクチルセファロース(Octyl-Sepharose)CL-4B、4 FF及びブチルセファロース(ButylSepharose)4 FFである(すべてAmersham Pharmacia Biotech Europe GmbH, Germanyから市販)。
【0037】
本出願明細書内で使用される「アフィニティークロマトグラフィー」とは、「アフィニティークロマトグラフィー材料」を用いるクロマトグラフィー法をいう。アフィニティークロマトグラフィーにおいて、ポリペプチドは、クロマトグラフィー材料のクロマトグラフィー官能基への静電相互作用、疎水性結合及び/又は水素結合の形成に依存して、生物学的活性又は化学構造に基づいて分離される。特異的に結合したポリペプチドをアフィニティークロマトグラフィー材料から回収するためには、競合リガンドを加える、又は緩衝液のpH値、極性もしくはイオン強度のようなクロマトグラフィー条件を変更する。「アフィニティークロマトグラフィー材料」とは、特定のタイプのポリペプチドだけに結合するために様々な単独のクロマトグラフィー官能基が組み合わされた複合クロマトグラフィー官能基を含むクロマトグラフィー材料である。このクロマトグラフィー材料は、そのクロマトグラフィー官能基の特異性に依存して特定のタイプのポリペプチドに特異的に結合する。例示的な「アフィニティークロマトグラフィー材料」は、「金属キレート化クロマトグラフィー材料」、たとえば、ヘキサヒスチジンタグを含有する融合ポリペプチド又は多数の表面露出ヒスチジン、システイン及び/又はトリプトファン残基を有するポリペプチドの結合のためのNi(II)−NTAもしくはCu(II)−NTA含有材料又は「抗体結合クロマトグラフィー材料」、たとえばプロテインA又は「酵素結合クロマトグラフィー材料」、たとえば、酵素基質類似物、酵素補因子もしくは酵素インヒビタをクロマトグラフィー官能基として含むクロマトグラフィー材料、又は「レクチン結合クロマトグラフィー材料」、たとえば多糖類、細胞表面受容体、糖タンパク質もしくは無傷の細胞をクロマトグラフィー官能基として含むクロマトグラフィー材料である。
【0038】
本出願明細書内で使用される「金属キレート化クロマトグラフィー」とは、「金属キレート化クロマトグラフィー材料」を用いるクロマトグラフィー法をいう。金属キレート化クロマトグラフィーは、クロマトグラフィー官能基としてバルクコア材料に結合した金属イオン、たとえばCu(II)、Ni(II)又はZn(II)と、特にイミダゾール含有側鎖及びチオール基含有側鎖を有するポリペプチドの表面露出アミノ酸側鎖の電子供与基との間のキレートの形成に基づく。キレートは、これらの側鎖が少なくとも部分的にプロトン化されないpH値で形成される。結合したポリペプチドは、pH値の変化、すなわちプロトン化により、クロマトグラフィー材料から回収される。例示的な「金属キレート化クロマトグラフィー材料」は、HiTrap Chelating HP(Amersham Pharmacia Biotec Europe GmbH, Germany)又はFractogel EMD(EMD Chemicals Inc, USA)である。
【0039】
本出願明細書内で使用される「イオン交換クロマトグラフィー」とは、「イオン交換クロマトグラフィー材料」を用いるクロマトグラフィー法をいう。「イオン交換クロマトグラフィー材料」は、「カチオン交換クロマトグラフィー」においてカチオンが交換されるのか、「アニオン交換クロマトグラフィー」においてアニオンが交換されるのかに依存して、「カチオン交換クロマトグラフィー材料」又は「アニオン交換クロマトグラフィー材料」を含む。本出願明細書内で使用される「イオン交換クロマトグラフィー材料」とは、共有結合した荷電基をクロマトグラフィー官能基として担持する不動高分子量固相をいう。全体の電荷中和のために、共有結合していない対イオンが、共有結合した荷電基と会合している。「イオン交換クロマトグラフィー材料」は、共有結合していない対イオンを、周囲の溶液の同種荷電イオンとで交換する能力を有する。その交換可能な対イオンの電荷に依存して、「イオン交換クロマトグラフィー材料」は、「カチオン交換クロマトグラフィー材料」又は「アニオン交換クロマトグラフィー材料」と呼ばれる。さらに、荷電基の性質に依存して、「イオン交換クロマトグラフィー材料」は、たとえば、スルホン酸基(S)又はカルボキシメチル基(CM)を有するカチオン交換クロマトグラフィー材料とも呼ばれる。荷電基の化学的性質に依存して、「イオン交換クロマトグラフィー材料」はさらに、共有結合した荷電置換基の強さに依存して、強又は弱イオン交換クロマトグラフィー材料に分類することができる。たとえば、強カチオン交換クロマトグラフィー材料は、クロマトグラフィー官能基としてスルホン酸基を有し、弱カチオン交換クロマトグラフィー材料は、クロマトグラフィー官能基としてカルボン酸基を有する。「カチオン交換クロマトグラフィー材料」は、たとえば、数多くの会社から様々な名称、たとえばBio-Rex、Macro-Prep CM(Biorad Laboratories, Hercules, CA, USAから市販)、弱カチオン交換剤WCX 2(Ciphergen, Fremont, CA, USAから市販)、Dowex(登録商標)MAC-3(Dow chemical company―liquid separations, Midland, MI, USAから市販)、Mustang C(Pall Corporation, East Hills, NY, USAから市販)、Cellulose CM-23、CM-32、CM-52、hyper-D及びpartisphere(Whatman plc, Brentford, UKから市販)、Amberlite(登録商標)IRC 76、IRC 747、IRC 748、GT 73(Tosoh Bioscience GmbH, Stuttgart, Germanyから市販)、CM 1500、CM 3000(BioChrom Labs, Terre Haute, IN, USAから市販)及びCM-Sepharose(商標)Fast Flow(GE Healthcare―Amersham Biosciences Europe GmbH, Freiburg, Germanyから市販)の下で市販されている。
【0040】
本出願明細書内で使用される「ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー」とは、特定の形態のリン酸カルシウムをクロマトグラフィー材料として用いるクロマトグラフィー法をいう。例示的なヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー材料は、Bio-Gel HT、Bio-Gel HTP、Macro-Prep Ceramic(Biorad Laboratoriesから市販)、Hydroxyapatite Type I, Type II、HA Ultrogel(Sigma Aldrich Chemical Corp., USA)、Hydroxyapatite Fast Flow及びHigh Resolution(Calbiochem)又はTSKゲルHA-1000(Tosoh Haas Corp., USA)である。
【0041】
本発明において使用される「結合・溶出モード」及びその語法的等価形は、精製されるポリペプチドを含有する溶液がクロマトグラフィー材料に適用され、それにより、精製される物質/ポリペプチドがクロマトグラフィー材料に結合する、クロマトグラフィー法の動作モードをいう。その結果、精製される物質/ポリペプチドはクロマトグラフィー材料上に保持され、対象外の物質/ポリペプチドはフロースルーで除去される。その後、精製される物質/ポリペプチドは、第二ステップにおいてクロマトグラフィー材料から溶出され、それにより、溶出液とともに固定相から回収される。これは、必ずしも対象外の物質/ポリペプチドの100%が除去されることを意味するわけではなく、対象外の物質/ポリペプチドの本質的に100%が除去される、すなわち、一つの実施態様においては、対象外の物質/ポリペプチドの少なくとも50%が除去され、もう一つの実施態様においては、対象外の物質/ポリペプチドの少なくとも75%が除去され、さらなる実施態様においては、対象外の物質/ポリペプチドの少なくとも90%が除去され、一つの実施態様においては、対象外の物質/ポリペプチドの95%超が除去される。
【0042】
本発明において使用される「フロースルーモード」及びその語法的等価形は、精製される物質/ポリペプチドを含有する溶液がクロマトグラフィー材料に適用され、それにより、精製される物質/ポリペプチドがクロマトグラフィー材料に結合しない、クロマトグラフィー法の動作モードをいう。その結果、精製される物質/ポリペプチドはフロースルーにおいて得られる。同じく溶液中に存在した対象外の物質/ポリペプチドは、クロマトグラフィー材料に結合し、溶液から除去される。これは、必ずしも対象外の物質/ポリペプチドの100%が除去されることを意味するわけではなく、対象外の物質/ポリペプチドの本質的に100%が除去される、すなわち、一つの実施態様においては、対象外の物質/ポリペプチドの少なくとも50%が溶液から除去され、もう一つの実施態様においては、対象外の物質/ポリペプチドの少なくとも75%が溶液から除去され、さらなる実施態様においては、対象外の物質/ポリペプチドの少なくとも90%が溶液から除去され、一つの実施態様においては、対象外の物質/ポリペプチドの95%超が溶液から除去される。
【0043】
本出願明細書内で互換可能に使用される「連続溶出」及び「連続溶出法」とは、たとえば、溶出、すなわちクロマトグラフィー材料からの結合した物質/ポリペプチドの溶解を生じさせる物質の濃度を連続的に上昇又は低下させる、すなわち、それぞれが、一つの実施態様においては、溶出を生じさせる物質の濃度の2%を超えない、もう一つの実施態様においては1%の一連の小さなステップごとに濃度を変化させるクロマトグラフィー法をいう。この「連続溶出」においては、一つ以上の条件、たとえばpH、イオン強度、塩濃度及び/又はクロマトグラフィー法の流量を線形、又は指数関数的、又は漸近的に変化させることができる。一つの実施態様において、変化は線形である。
【0044】
本出願明細書内で互換可能に使用される「ステップ溶出」及び「ステップ溶出法」とは、たとえば、溶出、すなわちクロマトグラフィー材料からの結合した物質/ポリペプチドの溶解を生じさせる物質の濃度を一気に、すなわち、一つの実施態様においては一つの値/レベルから次の値/レベルまで直接上昇又は低下させるクロマトグラフィー法をいう。この「ステップ溶出」においては、一つ以上の条件、たとえばpH、イオン強度、塩濃度及び/又はクロマトグラフィー法の流量をすべて第一の値、たとえば出発値から第二の値、たとえば最終値まで一気に変化させる。ステップにおける変化は、一つの実施態様においては、溶出を生じさせる物質の濃度の5%よりも大きく、もう一つの実施態様においては、溶出を生じさせる物質の濃度の10%よりも大きい。「ステップ溶出」とは、条件を、線形の変化とは対照的に、追加的に、すなわち段階的に変化させることをいう。「ステップ溶出法」においては、各増加ののち、新たな画分を捕集する。各増加ののち、条件は、溶出法における次のステップまで維持される。
【0045】
本明細書に記載される一つの局面は、クロマトグラフィーカラムにおいて使用するためのクロマトグラフィーカラムセパレータである。一つのセパレータの存在が、クロマトグラフィーカラムを上クロマトグラフィーカラムチャンバと下クロマトグラフィーカラムチャンバとに分割し、セパレータは、ガイドリングによって提供される、クロマトグラフィーカラム内で可変の位置を有し、すなわち、セパレータは、クロマトグラフィー材料の圧力依存性圧縮及び膨張に依存してカラム内で垂直方向にスライドすることができ、セパレータは、クロマトグラフィー材料中に埋められる。
【0046】
粗ポリペプチドのカラムクロマトグラフィー分離又は精製においては、通常、クロマトグラフィー材料及び移動相を含むクロマトグラフィーカラムが用いられる。移動相は、圧力を加えられることにより、クロマトグラフィーカラム及び、それとともに、クロマトグラフィー材料に押し通される。圧力は、移動相によって媒介されて、クロマトグラフィー材料にも加えられ、それにより、クロマトグラフィーカラムの入口からクロマトグラフィーカラム出口までの圧力降下が確立される。クロマトグラフィーカラムの出口で、圧力は外部大気圧まで低下する。したがって、クロマトグラフィーカラム中のクロマトグラフィー材料の上寄り部分に最高の圧力が加わる。
【0047】
クロマトグラフィーカラムを通過する一定の流量は設定されるが、一定の圧力は設定されないため、加わる圧力は通常、一つには、クロマトグラフィー材料の粒径及び移動相の粘度に依存する。一般に、圧力は、クロマトグラフィー材料粒径の減少とともに増大する。クロマトグラフィー材料を通過する一定の流量においては、たとえばクロマトグラフィー材料の再生又は清浄中の移動相の粘度の変化が、クロマトグラフィー材料に加わる圧力の変化を生じさせる。クロマトグラフィー材料は一般に、圧力不感性材料ではなく、すなわち、圧縮させることができ、圧縮後には膨張する。したがって、加えられる圧力の増大とともに、クロマトグラフィ材料は圧縮され、カラム内のクロマトグラフィー材料の高さ、すなわち床高さが減る。同様に、加えられる圧力の低下とともに、クロマトグラフィー材料は再び膨張し、カラム内のクロマトグラフィー材料の高さは、最大で、加圧前の高さまで増大する。クロマトグラフィー材料のこの圧縮及び膨張は、クロマトグラフィー材料全体の巨視的プロセスであると同時に、クロマトグラフィー材料の個々の粒子の微視的プロセスである。そのような圧縮膨張サイクルの数の増加とともに、クロマトグラフィー材料の粒子はより小さな粒子に分解する。クロマトグラフィー材料の粒子の粒径の減少とともに、クロマトグラフィー材料充填物はよりコンパクトになり、それとともに、カラム、すなわちクロマトグラフィー材料を通過する一定の液相流量を維持するために必要な圧力が増大する。これが他方で、再びクロマトグラフィー材料粒子のさらなる分解を生じさせて再び圧力の増大を生じさせる、等である。
【0048】
クロマトグラフィーカラム分離は一般に、最大圧力まで作動させることができる。この圧力上限に到達すると、クロマトグラフィーカラム充填物全体を交換しなければならない。
【0049】
本明細書に記載される、ガイドリング及びその中に取り付けられたフリットからなるクロマトグラフィーカラムセパレータは、クロマトグラフィー分離プロセスに干渉せず、たとえば最大作動圧力に到達したとき、クロマトグラフィーカラム充填物全体を交換することなく、クロマトグラフィー材料の一部分だけを交換することを可能にするということがわかった。すなわち、本発明のクロマトグラフィーカラムセパレータは、下クロマトグラフィーカラムチャンバ中のクロマトグラフィー材料に干渉することなく、上クロマトグラフィーカラムチャンバ中のクロマトグラフィー材料を交換することを可能にする。したがって、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータを含むクロマトグラフィーカラムに含まれたクロマトグラフィー材料全体の限られた部分を、たとえばその部分が崩壊もしくは破損した、又は充填物品質が低下したのちに、クロマトグラフィー材料の他の部分を同じく除去することなく、除去することが可能である。セパレータが、一方では、クロマトグラフィーカラム中のクロマトグラフィー材料全体を別々の部分に分割し、他方では、上クロマトグラフィーカラムチャンバ中のクロマトグラフィー材料が除去されるとき下クロマトグラフィーカラムチャンバに充填されたクロマトグラフィー材料が動揺されることを防ぐため、クロマトグラフィー材料のこの部分的除去が可能である。したがって、分離効率にマイナスの影響を及ぼすことなく、クロマトグラフィー材料の、少なくとも、最大圧力に暴露されない、ひいてはかき乱されない部分をさらに使用することができる。しかし、クロマトグラフィー材料の部分を保持することにより、資材費用削減を達成することができる。
【0050】
本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータは、不活性材料でできたフリットを中に取り付けることができるガイドリングを含む。「不活性材料」とは、クロマトグラフィー分離プロセスに干渉しない材料である。すなわち、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータ一つ以上を含むクロマトグラフィーカラムを用いて得られるクロマトグラムは、クロマトグラフィーカラムセパレータを含まないクロマトグラフィーカラムを用いて、他の点では同一の条件で得られるクロマトグラムと同一である。そのような不活性材料は、たとえば、金属、特にステンレス鋼、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、焼結材料又はそれらの組み合わせ、特にポリテトラフルオロエチレンでコートされたステンレス鋼である。
【0051】
本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータは、一つの実施態様において一つのフリットを含むこともできるし、もう一つの実施態様において上フリットと下フリットとの組み合わせを含むこともできる。セパレータが一つのフリットを含むならば、そのフリットは、クロマトグラフィー材料の粒子の粒径よりも小さい孔径を有する。一つの実施態様において、孔径は、フリットの孔が分解したクロマトグラフィー材料粒子によって塞がれることを防ぐため、クロマトグラフィー材料の粒子の平均直径の10%以下である。セパレータが二つのフリットを含むならば、両フリットは、同じ孔径を有することもできるし、異なる孔径を有することもできる。クロマトグラフィー材料がより小さな粒子に分解するとき、一つの実施態様において、上フリットは、下フリットよりも小さい孔径を有し、一つの実施態様において、上フリットは、クロマトグラフィー材料の粒子の平均直径の10%以下の孔径を有する。一つの実施態様において、クロマトグラフィーカラムセパレータの上フリット及び/又は下フリットは金属メッシュである。さらなる実施態様において、上フリットは、下フリットの孔径よりも小さい孔径を有する。一つの実施態様において、クロマトグラフィーカラムセパレータ又はクロマトグラフィーカラムセパレータの下フリットは、1μm〜20μm又は1μm〜10μm又は1μm〜5μmの孔径を有する。もう一つの実施態様において、クロマトグラフィーカラムセパレータの上フリットは、クロマトグラフィーカラムセパレータの下フリットの孔径の5%以下である孔径を有するか、クロマトグラフィーカラムセパレータの下フリットの孔径の10%である孔径を有するか、クロマトグラフィーカラムセパレータの下フリットの孔径の20%以下である孔径を有する。さらなる実施態様において、クロマトグラフィーカラムセパレータの下フリットは20μm又は10μm又は5μmの孔径を有し、上フリットは5μm又は1μmの孔径を有する。
【0052】
したがって、本発明のクロマトグラフィーカラムセパレータの使用は、下クロマトグラフィーカラムチャンバ中のクロマトグラフィー材料のより長期の使用を可能にし、それと同時に、クロマトグラフィー法の費用削減を可能にする。
【0053】
上クロマトグラフィーカラムチャンバは、一つの実施態様において、下クロマトグラフィーカラムチャンバの容積の5%〜15%の容積を有し、もう一つの実施態様において、下クロマトグラフィーカラムチャンバの容積の10%の容積を有する。上クロマトグラフィーカラムチャンバは、もう一つの実施態様において、下クロマトグラフィーカラムチャンバの容積の20%〜30%の容積を有し、一つの実施態様において、下クロマトグラフィーカラムチャンバの容積の25%の容積を有する。なおさらなる実施態様において、上クロマトグラフィーカラムチャンバは下クロマトグラフィーカラムチャンバと同じ容積を有する。
【0054】
本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータは、クロマトグラフィーカラムの入口及び出口に存在するセパレータ又はフリットを無駄にしないということが指摘されなければならない。それは、さらには、クロマトグラフィー材料内に配置される追加的なセパレータである。移動相の流動方向に対して垂直なカラムクロマトグラフィーカラムの断面は円形であるため、フリット及び同様にセパレータもまた、円形の外形を有する。セパレータは、クロマトグラフィーカラム充填物の全長に比較して小さい高さを有する。セパレータは、一つの実施態様において0.1cm〜10cmの高さを有し、もう一つの実施態様において0.25cm〜5cmの高さを有し、さらなる実施態様において0.5cm〜2cmの高さを有する。セパレータの高さとは、上クロマトグラフィーカラムチャンバに向けられたフリットの面と、下クロマトグラフィーカラムチャンバに向けられたフリットの面との間の間隔である。セパレータが上フリット及び下フリットを含むならば、二つの個々のフリットを合わせた高さはセパレータの高さ未満であることができる。この実施態様においては、セパレータ内にさらなる空間が存在し、その空間を利用して、たとえば、セパレータを通過する移動相のたとえばUV吸収又は圧力又は伝導率を記録するためのセンサをフリット中に配置する、又は移動相を取り出すためのさらなる弁を提供する、又はクロマトグラフィーカラム充填物内の位置に移動相を加えることができる。セパレータが上フリット及び下フリットを含むならば、一つの実施態様において、両フリットは同じ高さを有する。もう一つの実施態様において、上フリット及び下フリットは異なる高さを有する。
【0055】
一つの実施態様において、クロマトグラフィーカラムセパレータは、それが導入されるクロマトグラフィーカラムの内径よりも小さい直径を有する。
【0056】
図1には、例示的なクロマトグラフィーカラムセパレータが示されている。図1a)には、フリット(1)及びフィッティング(2)を含む、一つのフリットを有するセパレータが示されている。図1b)には、上フリット(3)及び下フリット(4)ならびにフィッティング(2)を有するセパレータが示されている。図1c)には、二つの軸対称な断面区域(5及び6)を含む、セパレータのガイドリングの垂直断面図が示され、軸対称な断面区域のそれぞれが、a)ガイドリングの外側から内側に先細りする先細り構造、及びb)フリットを取り付けるための、ガイドリングの内側に向けられた開口を有する切り欠き(8)を有している。
【0057】
本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータは、フリットに加えて、セパレータがクロマトグラフィーカラム内に配置されたとき、フリットの外縁とクロマトグラフィーカラム壁との間の間隔を封止するためのフィッティング又はガイドリング(両語は互換可能に使用することができる)を含む。フィッティング又はガイドリングは、一つの実施態様において、ゴム、プラスチック、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの可撓性材料でできている。フィッティング又はガイドリングは、一つのクロマトグラフィーカラムの内径又は同じ呼び径の異なるクロマトグラフィーカラムの間の内径の小さな差を均して、液相又はクロマトグラフィー材料がセパレータを通り抜けてフリットの外に出ることを防ぐために、可撓性でなければならない。本明細書に記載されるセパレータは、移動相だけが通り抜けることができ、クロマトグラフィー材料は通り抜けることができないということが指摘されなければならない。すなわち、フリットは、クロマトグラフィー材料の粒径よりも小さい孔径を有する。
【0058】
フィッティング又はガイドリングは円形を有し、その断面は、フリットを捕らえるための長方形の切り欠きを有する限り、任意の形状を有することができる。たとえば、一つの実施態様において、フィッティングの断面は三角形の形状を有し、その三角形の、最大の内角を有する角にフリットを捕らえるための長方形の切り欠きを有する。さらなる実施態様において、フィッティング又はガイドリングは、断面を有する、又は三角形もしくは、もう一つの実施態様においては、直角三角形の断面区域を提供し、フリットは、その三角形の、90°の内角を有する角に取り付けられる。もう一つの実施態様において、ガイドリングの断面区域は台形を有し、フリットを捕らえるための長方形の切り欠きが平行な二辺の短いほうの辺にある。フィッティングは、一つの実施態様において長方形を有し、もう一つの実施態様において、90°、90°、80°及び100°の内角を有する矩形を有する。一つの実施態様において、80°及び100°の内角は矩形の上辺又は下辺にある。一つの実施態様において、ガイドリングの最長の辺は、セパレータの外縁であり、セパレータがクロマトグラフィーカラム内に配置されたときクロマトグラフィーカラム壁と接触する。もう一つの実施態様において、最長の辺は垂直の向きを有する。さらに別の実施態様において、フィッティング又はガイドリングの断面区域は、内角90°の長方形を有し、フリットを捕らえるための長方形の切り欠きが、短いほうの二辺の一方又は、正方形の場合には、四辺の一つにある。切り欠きを有する辺は、セパレータ及び同様にクロマトグラフィーカラムの中心を向くフィッティングの辺であり、換言するならば、切り欠きは、移動相の流動方向に対して平行であり、フリットの外径よりも小さい直径を有する、フィッティング又はガイドリングの辺にある。ガイドリングは、液相及びクロマトグラフィー材料粒子がフリットのそばでセパレータを通り抜けることを防ぐ他に、外部圧力が加わったときのクロマトグラフィー材料の圧縮及び膨張時のクロマトグラフィーカラム中のセパレータ全体の傾き及びそれに伴う失速を防ぐ機能を有する。本明細書に記載されるセパレータは、クロマトグラフィーカラム中に充填されたクロマトグラフィー材料の中に配置される。セパレータは、クロマトグラフィーカラムの内壁に沿ってスライドすることができるため、カラム内で自由に動かし、正確に配置することができる。これは、クロマトグラフィーカラムの充填時及びセパレータをクロマトグラフィーカラムから取り出す場合に有用である。したがって、セパレータの下方に空洞が形成し、それがクロマトグラフィー分離プロセスにマイナスに影響することを防ぐために、本明細書に記載されるセパレータは、クロマトグラフィーカラムの内壁に沿うセパレータのスライドならびにセパレータが埋められているクロマトグラフィー材料の圧縮及び膨張を許すような方法で構成されている。一つの実施態様において、ガイドリングの垂直断面区域は、ガイドリングが先細り構造を有する三角形又は台形を有し、先細りは、ガイドリングの外側から内側である。すなわち、ガイドリングは、その外縁がその内縁又は切り欠きよりも高い。一つの実施態様において、ガイドリングの外縁は、切り欠きの高さの少なくとも1.5倍である高さを有する。もう一つの実施態様において、ガイドリングの外縁は、切り欠きの高さの少なくとも1.5倍又は2倍又は3倍又は3倍超である高さを有する。
【0059】
セパレータが上フリット及び下フリットを含むならば、一つの実施態様において、フィッティング又はガイドリングは一つのフィッティング又はリングであり、もう一つの実施態様において、フィッティング又はガイドリングは、上フィッティング又はリング及び下フィッティング又はリングでできている。後者の場合、二つのフィッティング又はリングは、一つの実施態様において、上フィッティング又はリングの下側及び下フィッティング又はリングの上側を含む接触区域を有し、それにより、接触面は平坦であり、すなわち、切り欠き又は溝を有さず、上フリットの下側及び下フリットの上側と整列する。すなわち、上フィッティングの下側及び上フリットの下側が、オフセットなしの一つの面を形成し、同様に、下フィッティング又はリングの上側及び下フリットの上側が、オフセットなしの一つの面を形成し、両方の面が平行になる。
【0060】
一般に、フィッティングもしくはガイドリング又は上フィッティング及び下フィッティングの最小内径はフリットの外径よりも小さい。すなわち、フィッティング又はガイドリングは、フリットの外周上をクロマトグラフィーカラムの中心に向かって延びる。
【0061】
一つの実施態様において、フィッティング又はガイドリングは、その上面に、クロマトグラフィーカラムセパレータ適用装置とで使用するためのねじ山をそれぞれが有する三つ以上の穴を含む。さらなる実施態様において、下フィッティング又はガイドリングは、その上面に、ねじ山を有しない三つ以上の穴を含む。一つの実施態様において、フィッティングは、ねじ山を有する、又は有しない三つないし六つの穴を含む。
【0062】
図2には、様々なフィッティング又はガイドリングの断面区域が示されている。図2a)には、三角形のフィッティングの断面区域が示され、図2b)には、台形のフィッティングの断面区域が示され、図2c)には、長方形のフィッティングの断面区域が示されている。図2の断面区域から、フィッティング又はガイドリングがフリットの外周上に十分に延びていることが見てとれる。
【0063】
図3には、ねじ山を有する三つの穴を含むガイドリングを有するセパレータの斜視図が示されている。
【0064】
クロマトグラフィーカラムセパレータは、様々な方法でクロマトグラフィーカラムに挿入することができる。本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータを、クロマトグラフィー材料の第一の部分を含むクロマトグラフィーカラムに挿入する一つの方法は、クロマトグラフィーカラムセパレータを、クロマトグラフィーカラム内の液又はクロマトグラフィー材料又はクロマトグラフィー材料スラリーの表面上に配置し、前記クロマトグラフィーカラムの頂部に圧力を加え、それとともに、クロマトグラフィーカラムセパレータを、クロマトグラフィーカラム内の移動相の流動方向に、クロマトグラフィーカラム内の所定の位置に来るまで移動させることを含む。
【0065】
異なる方法又は代替方法においては、クロマトグラフィーカラムセパレータ適用装置が使用される。この装置は、中央のベル状のボディ、装置の頂部に取り付けられた、装置を上下に動かすための手段、セパレータ及びボディに接続/固定された、クロマトグラフィーカラムセパレータへの少なくとも三つのコネクタならびにクロマトグラフィーカラム中に配置されたとき装置よりも下の区域と装置よりも上の区域との間の圧力調節のための、ボディ中の少なくとも一つの穴を含む。一つの実施態様において、コネクタは、コネクタをクロマトグラフィーカラムセパレータのフィッティングに固定するためのねじ山を下端に有する棒材である。セパレータを所定の位置に配置したのち、装置のボディをカラムから取り出し、コネクタをセパレータのフィッティングから外し、さらにカラムから取り出す。同様に、一つのフリットを含むセパレータのカラムからの取り出しは、ステップの順序を逆にすることによって実施される。
【0066】
セパレータが上フリット及び下フリットを含むならば、上フリットは、前述したステップの順序を逆にすることによって取り出される。下フリットを取り出す場合には、下ガイドリングの上面にある穴に引っかかるグラバを使用する。
【0067】
図4には、三つのコネクタを介してクロマトグラフィーカラムセパレータ適用装置に取り付けられた、ねじ山を有する三つの穴を含むガイドリングを有するクロマトグラフィーカラムセパレータが示されている。
【0068】
本明細書に記載される、埋められたクロマトグラフィーカラムセパレータを有するクロマトグラフィー材料によるクロマトグラフィーカラムの充填は二つの充填段階に分割される。充填は、一般的な手順にしたがって、クロマトグラフィー材料の第一の部分をカラムに充填することから始まる。その後、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータをクロマトグラフィー材料の第一の部分の上に配置する。最後に、一般的な手順にしたがって、クロマトグラフィー材料の第二の部分をセパレータの上でカラムに充填する。この充填法は下から上への充填である。対照的に、本発明のセパレータを含まないカラムは上から充填されるため、とりわけ、より高い充填圧を要する。したがって、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータは、一つのセパレータが使用される場合には二つの逐次的ステップで、二つ以上のセパレータが使用される場合には三つ以上の逐次的ステップでクロマトグラフィーカラムを充填するための手段を提供する。本明細書に記載されるセパレータを用いると、カラムは、上チャンバ及び下チャンバ(一つのセパレータの場合)又は下チャンバ、中間チャンバ及び上チャンバ(二つのセパレータの場合)に分割され、それぞれが、クロマトグラフィー材料床高さが減少したクロマトグラフィーカラムに等しい。クロマトグラフィーカラムをより小さなチャンバに分割することにより、(一つのチャンバ中のクロマトグラフィー材料の)体積対(チャンバの)表面比が変化し、すなわち低下し、クロマトグラフィー材料充填物の安定性が増す。
【0069】
図5には、一つ(図5a)、二つ(図5b)及び三つ(図5c)のクロマトグラフィーカラムセパレータを含むクロマトグラフィーカラムが示されている。
【0070】
クロマトグラフィー材料を交換しなければならない時点は、クロマトグラフィー材料、精製されるポリペプチド及びクロマトグラフィー条件の組み合わせごとに個別に決定されなければならない。これは、たとえば、準拠すべき規格又は収率に依存することができる。ひとたびクロマトグラフィー材料を交換しなければならないと判断されたならば、クロマトグラフィーカラムの下チャンバ中のクロマトグラフィー材料の部分の充填物をかく乱又は損傷することなく、上チャンバ中のクロマトグラフィー材料の部分を取り出すことができる。クロマトグラフィーカラムの使用中のクロマトグラフィー材料の分解が、縮小した直径(サイズ)のクロマトグラフィー材料粒子を生じさせる。これらの粒子が小さくなればなるほど、セパレータのフリットの孔のより多くが塞がれる。したがって、ひとたび上チャンバ中のクロマトグラフィー材料の部分を取り出したならば、新たなクロマトグラフィー材料をクロマトグラフィーカラムの上チャンバに充填する前に、セパレータをカラムから取り出し、フリットを清浄し、セパレータを再びカラムに導入することが推奨される。上フリット及び下フリットを含むセパレータが使用されるならば、上フリットだけを取り出せばよく、下フリットは所定位置に残すことができる。この実施態様において、下チャンバ中のクロマトグラフィー材料の充填物は、それほどは又は全くかく乱されない。
【0071】
本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータは、クロマトグラフィーカラムを二つ、三つ又はより多くの個々の独立したチャンバに分割するために、任意のクロマトグラフィーカラムにおいて使用することができる。
【0072】
本発明が達成されたとき、クロマトグラフィーカラムセパレータの性質を評価するのに十分な量のポリペプチドエリスロポイエチンが本発明者らの実験室で利用可能であった。これは、本発明の範囲の限定であることを意図したものではなく、本発明を説明するための例として提示されるだけである。
【0073】
図6には、Vydac C4クロマトグラフィー材料を用いたエリスロポイエチンのクロマトグラフィーのUV吸収溶出図が示され、クロマトグラムa)は、クロマトグラフィーカラムセパレータを含まないクロマトグラフィーカラムを用いて得られたものであり、クロマトグラムb)は、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータ一つを含むクロマトグラフィーカラムを用いて得られたものである。クロマトグラムは同一であり、それにより、クロマトグラフィー挙動に対するセパレータの影響を示していないことが見てとれる。したがって、本発明のセパレータを用いると、クロマトグラフィー分離プロセスに干渉することなく、クロマトグラフィーカラム中のクロマトグラフィー材料を二つ以上の別個の部分又はチャンバに分割することが可能である。
【0074】
図7には、マルチユースクロマトグラフィーカラムの連続再生サイクルにおける、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータを含むクロマトグラフィーカラムの背圧の上昇が示されている。再生ステップは、このステップにおいてクロマトグラフィーサイクル中の最高背圧が発生するため、これを例示するのにもっとも適している。図7から見てとれるように、連続再生ステップにおいて、おそらくはクロマトグラフィー材料の崩壊の増加により、背圧は連続的に上昇する。サイクル58ののち、クロマトグラフィーカラムの上チャンバ中の使用され、分解したクロマトグラフィー材料が、新鮮な、すなわち新たなクロマトグラフィー材料とで交換される。クロマトグラフィー材料の上部分だけの交換で、その後の再生ステップにおける背圧の劇的な低下が達成されている。したがって、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータは、第一に、クロマトグラフィー分離に影響せず、第二に、クロマトグラフィーカラム充填物の簡単で効率的で費用効果的な更新を提供する。このカラム中のクロマトグラフィー材料を再び交換し、それとともに、下チャンバ中のクロマトグラフィー材料を、交換することなく、98の連続分離サイクルにわたって作動させたことが指摘されなければならない。本明細書に記載されるセパレータの使用なしでは、カラム材料は、平均15サイクルののち交換しなければならない。
【0075】
図8には、Vydac C4クロマトグラフィーカラムのプレート数の測定が示されている。クロマトグラムa)において、プレート数の測定に使用されたトレーサ物質のピークは二つのピークに分割されている。これは、クロマトグラフィーカラム充填物がクロマトグラフィー材料中の欠陥、たとえば破断を有し、それが、観察されるピークの二分化を生じさせる代替の流路を開通させていることを示す。クロマトグラムb)には、クロマトグラフィーカラムの上チャンバ中のクロマトグラフィー材料の部分の交換後のプレート数の測定が示されている。もはやピークの二分化は見られない。
【0076】
さらには、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータにより、第一のクロマトグラフィー材料を下チャンバに充填し、第二の異なるクロマトグラフィー材料をクロマトグラフィーカラムの上チャンバに充填することが可能である。二つの異なるクロマトグラフィー材料を用いると、ハイブリッドクロマトグラフィーカラムが得られる。
【0077】
図9及び10には、IL13レセプタα抗体のクロマトグラフィーの様々なUV吸収溶出図が示されている。一般に、抗体は、カチオン交換クロマトグラフィーとアニオン交換クロマトグラフィーとの組み合わせによって精製することができ、これらのイオン交換クロマトグラフィーは任意の順序を有することができる。図9には、第一のカラムにおける第一のSP-Sepharoseカチオン交換クロマトグラフィー(図9a)及び第二のカラムにおける第二のQ-Sepharoseアニオン交換クロマトグラフィー(図9b)のUV吸収溶出図が示されている。この2ステップ手法において、抗体を含有する溶出液は、第二のクロマトグラフィーカラムへの適用の前に処理されたものである。図10には、本明細書に記載されるハイブリッドクロマトグラフィーによる抗体の精製の分析SEC溶出図が示されている。図10a)は、図9b)の生成物ピークの分析の図を示す。図10b)は、ハイブリッドクロマトグラフィーカラムの上チャンバ中のSP-Sepharose及びハイブリッドクロマトグラフィーカラムの下チャンバ中のQ-Sepharoseによるハイブリッドクロマトグラフィーの生成物ピークの図である。図10c)は、ハイブリッドクロマトグラフィーカラムの上チャンバ中のQ-Sepharose及びハイブリッドクロマトグラフィーカラムの下チャンバ中のSP-Sepharoseによるハイブリッドクロマトグラフィーの生成物ピークの図を提供する。図10に提示するクロマトグラムから見てとれるように、ハイブリッドクロマトグラフィーの結果は別々のクロマトグラフィーステップと本質的には同一であり、クロマトグラフィーステップの異なる順序のせいで保持時間がわずかに異なるだけである。
【0078】
本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータは、
―上下のクロマトグラフィーカラムチャンバ中で異なるタイプの同じクロマトグラフィー材料を使用するための手段を提供し、たとえば、上クロマトグラフィーカラムチャンバ中には、より高い機械的安定性を有するクロマトグラフィー材料を使用することができ、下クロマトグラフィーカラムチャンバ中には、より低い機械的安定性を有するクロマトグラフィー材料を使用することができ、
―下クロマトグラフィーカラムチャンバ中のクロマトグラフィー材料を交換することなく、上クロマトグラフィーカラムチャンバ中の使用された、破損した、又は崩壊したクロマトグラフィー材料を交換するための手段を提供し、
―各クロマトグラフィーカラムチャンバ中で異なるクロマトグラフィー官能基を有する異なるクロマトグラフィー材料を使用して、二つの異なるクロマトグラフィー法の組み合わせを可能にするための手段を提供する。
【0079】
本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータを使用することにより、セパレータが、下クロマトグラフィーカラムチャンバ中のクロマトグラフィー材料に向けられる圧力を減らすため、たとえば、感圧性クロマトグラフィー材料を下クロマトグラフィーカラムチャンバ中に使用することができる。すなわち、本明細書に記載されるセパレータを使用することにより、クロマトグラフィー材料内の圧力低下を実現することができる。したがって、本明細書に記載されるセパレータを含むクロマトグラフィーカラムは、同じ床高さを有するが、本明細書に記載されるセパレータを有しないクロマトグラフィーカラムに比較して、低下した背圧を有する(背圧は、移動相をクロマトグラフィー材料に押し通すために必要な圧力である)。すなわち、合計圧力及び圧力変化及び圧力増大が減少する。上述したように、圧力低下及び圧力変化の減少は、クロマトグラフィーカラム内のクロマトグラフィー材料の交換を要しないクロマトグラフィーサイクル数の増加を提供することができる。一つの実施態様において、間隔ホルダを有するクロマトグラフィーカラムセパレータを含むクロマトグラフィーカラムの下クロマトグラフィーカラムチャンバ中のクロマトグラフィー材料は、DEAE-Sepharose又はHA-Ultrogelから選択される。
【0080】
さらには、本明細書に記載されるセパレータを使用することにより、増大した移動相流量でクロマトグラフィーカラムを作動させることができる。これは、所定の流量を達成するためにカラムに加えなければならない所要圧力の低下による(図11を参照)。
【0081】
一つの実施態様において、クロマトグラフィーカラムセパレータは、クロマトグラフィーカラムの下端に向けられた間隔ホルダを含む。もう一つの実施態様において、クロマトグラフィーカラムセパレータは三つないし六つの間隔ホルダを含む。
【0082】
真の範囲が特許請求の範囲に述べられる本発明の理解を支援するために以下の実施例及び図面が提供される。本発明の真意を逸脱することなく、記載される手法に変更を加えることができることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の例示的クロマトグラフィーカラムセパレータ。a)フリット(1)及びフィッティング(2)を含む単一フリットのセパレータ;b)上フリット(1)及び下フリット(3)ならびに上フィッティング(2)及び下フィッティング(4)を有するセパレータ;c)i)ガイドリングの外側から内側に先細りする先細り構造、及びi)フリットを取り付けるための、ガイドリングの内側に向けられた開口を有する切り欠き(8)をそれぞれが有する二つの軸対称断面区域(5及び6)を含むセパレータのガイドリングの垂直断面。
【図2】様々なフィッティングの断面区域。a)三角形のフィッティングの断面、b)台形のフィッティングの断面区域、c)長方形のフィッティングの断面区域、d)上フィッティング及び下フィッティングの断面区域。
【図3】ねじ山を有する三つの穴を含むフィッティングの斜視図が示されている。
【図4】三つのコネクタを介してクロマトグラフィーカラムセパレータ適用装置に取り付けられた、ねじ山を有する三つの穴を含むフィッティングを有するクロマトグラフィーカラムセパレータの断面。
【図5】一つ(a)、二つ(b)及び三つ(c)のクロマトグラフィーカラムセパレータを含むクロマトグラフィーカラム。
【図6】Vydac C4クロマトグラフィー材料を用いるエリスロポイエチンのクロマトグラフィーのUV吸収溶出図であって、クロマトグラムa)は、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータを含まないクロマトグラフィーカラムを用いて得られたものであり、クロマトグラムb)は、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータ一つを含むクロマトグラフィーカラムを用いて得られたものである。
【図7】マルチユースクロマトグラフィーカラムの連続再生サイクルにおける本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラムセパレータを含むクロマトグラフィーカラムの背圧の増大。
【図8】Vydac C4クロマトグラフィーカラムのプレート数の測定。
【図9】IL13レセプタα抗体のクロマトグラムのUV吸収Q-Sepharose溶出図。a)SP-Sepharoseカチオン交換クロマトグラフィー;b)Q-Sepharoseアニオン交換クロマトグラフィー。
【図10】分析SEC溶出図。a)図9の生成物ピークの分析図;b)ハイブリッドクロマトグラフィーカラムの上チャンバ中のSP-Sepharose及びハイブリッドクロマトグラフィーカラムの下チャンバ中のQ-Sepharoseを用いるハイブリッドクロマトグラフィーの生成物ピークの図;c)ハイブリッドクロマトグラフィーカラムの上チャンバ中のQ-Sepharose及びハイブリッドクロマトグラフィーカラムの下チャンバ中のSP-Sepharoseを用いるハイブリッドクロマトグラフィーの生成物ピークの図。
【図11】アニオン交換クロマトグラフィー材料(DEAE-Sepharose)の場合のカラム(背)圧対設定移動相流量を示す図。ダイアモンド型のマーク:本明細書に記載されるセパレータを有しないクロマトグラフィーカラム、三角形のマーク:本明細書に記載されるセパレータを有するクロマトグラフィーカラム。本明細書に記載されるセパレータを用いると、より高い床高さの場合に背圧の減少を達成することができることが見てとれる。
【実施例1】
【0084】
エリスロポイエチンの発酵及び精製
欧州特許第1064951B1号に記載されているようにして、エリスロポイエチンの発酵及び精製を実施した。本明細書に提示されるデータは、EP1064951の実施例1d)に記載されているように、逆相HPLCにおいてVydac C4クロマトグラフィー材料に対して得られたものである。
【0085】
RP−HPLC材料Vydac C4(Vydac)は、C4アルキル鎖を表面に担持するシリカゲル粒子からなるものである。タンパク質系不純物からのエリスロポイエチンの分離は、疎水性相互作用の強さの差に基づく。希釈トリフルオロ酢酸中、アセトニトリル勾配を用いて溶出を実施した。ステンレス鋼カラム(Vydac C4シリカゲル2.8〜3.2リットルを充填)を使用して調製用のHplcを実施した。トリフルオロ酢酸を加えることによってヒドロキシアパタイトUltrogel溶出液を酸性化し、Vydac C4カラムに充填した。洗浄及び溶出には、希釈トリフルオロ酢酸中のアセトニトリル勾配を使用した。画分を捕集し、ただちにリン酸緩衝液で中和した。
【実施例2】
【0086】
抗(IL−13Rα1)抗体の産生
WO2006/072564に記載されているデータ及び方法、特に実施例10〜12にしたがって、抗IL13レセプタα抗体を産生した。
【0087】
逐次的クロマトグラフィー
イオン交換クロマトグラフィーの場合、抗IL13Rα抗体を含むプロテインA溶出液をpH6.5に調節し、10mMリン酸カリウム緩衝液で平衡化しておいたSP-Sepharoseカチオン交換クロマトグラフィーカラムに適用した。10mMリン酸カリウム緩衝液を用いる洗浄ステップののち、抗体を50mMリン酸カリウム緩衝液pH6.5で溶出させた。SP-Sepharose溶出液のpH値をpH7.1に調節し、35mMリン酸カリウム緩衝液で平衡化しておいたQ-Sepharoseアニオン交換クロマトグラフィーカラムに適用した。精製された抗体をアニオン交換クロマトグラフィーカラムのフロースルーから得た。
【0088】
ハイブリッドクロマトグラフィー
本発明のクロマトグラフィーカラムセパレータを含むクロマトグラフィーカラムを用いるハイブリッドイオン交換クロマトグラフィーの場合、抗IL13Rα抗体を含むプロテインA溶出液をpH7.1に調節し、10mMリン酸カリウム緩衝液で平衡化しておいたハイブリッドクロマトグラフィーカラムに適用した。10mMリン酸カリウム緩衝液を用いる洗浄ステップののち、抗体を20mMリン酸カリウム緩衝液pH7.1で溶出させた。
【図1a)】

【図1b)】

【図1c)】

【図2a)】

【図2b)】

【図2c)】

【図2d)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液クロマトグラフィーカラムにおいて使用するための円形のガイドリングであって、ガイドリングが二つの軸対称な断面区域を含む垂直断面を有し、前記軸対称な断面区域のそれぞれが、
a)前記ガイドリングの外側から内側に先細りする先細り構造、及び
b)フリットを取り付けるための、前記ガイドリングの内側に向けられた開口を有する切り欠き
を有することを特徴とするガイドリング。
【請求項2】
前記切り欠きが長方形の切り欠きである、請求項1記載のリング。
【請求項3】
前記断面区域のそれぞれが三角形形状を有し、その最長の辺が前記切り欠きの直径の少なくとも1.5倍の長さを有する、請求項1又は2記載のリング。
【請求項4】
前記リングが、ゴム、プラスチック、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン又はポリプロピレンでできている、請求項1〜3のいずれか1項記載のリング。
【請求項5】
フリットを円筒形の液クロマトグラフィーカラムの中に取り付けるための、請求項1〜4のいずれか1項記載のガイドリングの使用。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項記載のガイドリング及び前記ガイドリング中に取り付けられたフリットを含むクロマトグラフィーカラムセパレータ。
【請求項7】
前記フリットが、
a)一つのフリット、又は
b)上フリット及び下フリットの二つのフリット
である、請求項6記載のセパレータ。
【請求項8】
a)前記フリットが1μm〜20μmの孔径を有する、又は
b)前記フリットそれぞれが、互いに独立して、1μm〜20μmの孔径を有し、前記上フリットの孔径が前記下フリットの孔径よりも小さい、請求項6又は7記載のセパレータ。
【請求項9】
前記フリットが、金属、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、焼結材料又はそれらの組み合わせでできている、請求項6〜8のいずれか1項記載のセパレータ。
【請求項10】
前記セパレータが、すべて前記セパレータの片側に取り付けられた間隔ホルダを含む、請求項6〜9のいずれか1項記載のセパレータ。
【請求項11】
クロマトグラフィーカラムをチャンバに分割するための、請求項6〜10のいずれか1項記載のクロマトグラフィーカラムセパレータの使用。
【請求項12】
クロマトグラフィーカラムを上クロマトグラフィーカラムチャンバと下クロマトグラフィーカラムチャンバとに分けるための、請求項6〜10のいずれか1項記載のクロマトグラフィーカラムセパレータの使用。
【請求項13】
クロマトグラフィーカラム中のクロマトグラフィー材料を二つの別々の部分に分けるための、請求項6〜10のいずれか1項記載のクロマトグラフィーカラムセパレータの使用。
【請求項14】
一つのクロマトグラフィーカラム中で二つの異なるクロマトグラフィー材料を分けるための、請求項6〜10のいずれか1項記載のクロマトグラフィーカラムセパレータの使用。
【請求項15】
請求項6〜10のいずれか1項記載のクロマトグラフィーカラムセパレータ一つ以上を含むクロマトグラフィーカラム。
【請求項16】
前記クロマトグラフィーカラムが一つ又は二つのクロマトグラフィーカラムセパレータを含む、請求項15記載のカラム。
【請求項17】
いずれかのクロマトグラフィーカラムセパレータが、第一のクロマトグラフィー材料及び第二のクロマトグラフィー材料と接触し、前記第一及び第二のクロマトグラフィー材料が、
a)同じクロマトグラフィー官能基を有する、同じ又は異なる粒径のクロマトグラフィー材料、又は
b)異なるクロマトグラフィー官能基を有するクロマトグラフィー材料
である、請求項15又は16記載のカラム。
【請求項18】
ポリペプチドの精製のための、請求項15〜17のいずれか1項記載のクロマトグラフィーカラムの使用。
【請求項19】
請求項6〜10のいずれか1項記載のクロマトグラフィーカラムセパレータの形状とは逆である形状を底に有し、前記ガイドリングの外径よりも小さい直径を有することを特徴とするクロマトグラフィーカラム充填装置。
【請求項20】
a)請求項6〜10のいずれか1項記載のクロマトグラフィーカラムセパレータ、
b)フィッティング、
c)クロマトグラフィーカラムセパレータ適用装置
を含むパーツのキット。

【図3】
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【図4】
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【図5a)】
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【図5b)】
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【図5c)】
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【図6a)】
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【図6b)】
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【図7】
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【図8a)】
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【図8b)】
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【図9a)】
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【図9b)】
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【図10a)】
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【図10b)】
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【図10c)】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−500483(P2013−500483A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522024(P2012−522024)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004621
【国際公開番号】WO2011/012296
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT