説明

可動梯子

【課題】立抗等、洞道入口の上方に梯子を収納するスペースが無くても、作業者の通行や作業の邪魔になることがなく洞道内に容易に設置できるとともに、洞道内において高所作業のメンテナンスを必要としない可動梯子を実現すること。
【解決手段】一対の支持柱112、114の間に複数の踏み桟116が設けられた梯子本体110における支持柱112の下端部112aに、洞道10の床面10aに配置されて梯子本体110の延在方向と平行な軸を中心に、支持柱112を回動自在に支持する回動部120が設けられている。この支持柱112は、ヒンジ部130を介して、洞道10の壁面に前記軸と同一軸で回動自在に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洞道内への昇降に用いられる可動梯子に関する。
【背景技術】
【0002】
洞道は、長いトンネル構造となっている地下空間であり、ケーブル等の地中配線用として用いられている。地上から洞道までは立抗や階層構造によってつながれており、洞道内への出入りは、立抗から洞道内への出入口の開口部或いは上層の作業領域から下層の洞道内への出入口の開口部に設けられた昇降用の梯子を介して行われている。
【0003】
一般的に洞道内の両側にはケーブルやトラフが配設されているため、梯子は、作業者の通路及び作業空間となるケーブルやトラフの間の中央空間に設置される。しかしながら、洞道内においてケーブルやトラフの間の中央部に形成される中央空間は非常に狭く、この中央空間に梯子を配置すると、中央空間を梯子の幅で塞いでしまい、昇降用の梯子自体が作業者の通行や作業の邪魔になっていた。
【0004】
これに対して、近年では、不要時には、洞道内の梯子を上方の縦坑或いは上層の作業領域に収納する梯子が知られている。
【0005】
例えば、特許文献1の梯子は、洞道入口上方の立抗部に縦に設けられる固定部梯子と、この固定部梯子に重合自在かつ固定部梯子の下方に突出自在に支持された可動部梯子とから成る。この梯子は、昇降時では、可動部梯子を固定梯子の上部に設けたバランサーの繰出しロープによって、つり下げた状態で洞道内に下ろして設置する。一方、不要時では、梯子が通行の妨げとならないよう可動部梯子を引上げ、固定部梯子内に収納することによって洞道内で作業者の邪魔にならないようにしている。
【0006】
また、特許文献2の梯子では、洞道上部のマンホール内に配置された固定梯子の下端に略水平に回転支持軸を配し、この回転支持軸に可動梯子の上端部を同伴回動可能に連結している。この梯子では、回転支持軸の近傍に上下方向に操作するウォーム軸を配して、回転支持軸に固設したウォームギアと噛合せており、ウォーム軸を回転させることで可動梯子を上下動させている。操作は、ウォーム軸の上端に上部ハンドルを連結、あるいは下端に下部ハンドルを連結し、ハンドルでウォーム軸を回転させることによって、洞道の上方及び下方どちらからでも梯子を可動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平7−41000号公報
【特許文献2】実開平5−47300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1の梯子では、立抗等、洞道入口の上方に梯子を収納するスペースを確保する必要があるため、このような空間を確保できない箇所には設置できないという問題がある。
【0009】
これに対し、特許文献2の可動梯子は、特許文献1と異なり、洞道内の天井部に沿って梯子を収納できるため、立抗等、洞道入口の上層などといった、洞道上に梯子を収納する空間を確保する必要はない。
【0010】
しかしながら、特許文献2の梯子の構成では、鋼材等からなる可動梯子の重い荷重による回転トルクが作用しても、ウォームにその荷重を支えることができるように、回転比の小さいウォームとウォームギアとによるウォーム機構を利用する必要がある。このため、ハンドルの回動操作によってウォーム軸を回転させる際に労力がかかるという問題がある。さらに、ハンドル操作によってウォーム軸を回動させることによって、重い梯子自体を当該梯子の一端部を中心に回動させて上下動させるため、この上下動の速度を上げると非常に危険であるとともに、惰性によって天井部や床面に激しく接触する虞がある。このため、梯子の上下移動はゆっくり徐々に行なう必要があり、労力とともに作業時間もかかるものとなっている。
【0011】
また、ハンドルとウォームの係合部が天井部側にあるため、ハンドルを係合部に連結しそこねると周囲の作業者や配線等に危害を加える虞がある。さらにウォーム機構部をメンテナンスする場合は高所作業となってしまう。
【0012】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、立抗等、洞道入口の上方に梯子を収納するスペースが無くても、作業者の通行や作業の邪魔になることがなく洞道内に容易に設置できるとともに、洞道内において高所作業のメンテナンスを必要としない可動梯子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の可動梯子の一つの態様は、洞道内への昇降に用いられる可動梯子であって、一対の支柱の間に複数の踏み桟が設けられた梯子本体と、前記一対の支柱のうち一方の支柱の下端部に接続され、且つ、前記洞道の床面に配置されて前記梯子本体の延在方向と平行な軸を中心に前記一方の支柱を回動自在に支持する回動部と、前記一方の支柱を前記洞道の壁面に前記軸と同一軸で回動自在に固定するヒンジ部とを有する構成を採る。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、立抗等、洞道入口の上方に梯子を収納するスペースが無くても、作業者の通行や作業の邪魔になることがなく洞道内に容易に設置できるとともに、洞道内において高所作業のメンテナンスを必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1に係る可動梯子を洞道内に設置した状態を示す図
【図2】本発明の実施の形態1に係る可動梯子を設置した洞道の拡大正面図
【図3】図2においてフック部と回動部との位置関係の説明に供する図
【図4】本発明の実施の形態1に係る可動梯子を可動した状態を示す洞道の拡大正面図
【図5】同可動梯子の回動部を示す図
【図6】洞道内において同可動梯子の収納位置に位置する状態を示す図
【図7】本発明の実施の形態2に係る可動梯子を設置した洞道の拡大正面図
【図8】図7においてフック部とヒンジ部との位置関係の説明に供する図
【図9】本発明の実施の形態2に係る可動梯子を可動した状態を示す洞道の拡大正面図
【図10】本発明の実施の形態3に係る可動梯子を設置した洞道の拡大正面図
【図11】図10においてフック部と回動部との位置関係の説明に供する図
【図12】本発明の実施の形態3に係る可動梯子を可動した状態を示す洞道の拡大正面図
【図13】本発明の実施の形態3に係る可動梯子の操作棒の上部分の拡大図
【図14】本発明の実施の形態4に係る可動梯子を設置した洞道の拡大正面図
【図15】本発明の実施の形態4に係る可動梯子におけるフック部とヒンジ部の位置関係を示す上面図
【図16】本発明の実施の形態4に係る可動梯子の支持鋼管を示す図
【図17】本発明の実施の形態4に係る可動梯子の支持鋼管におけるストッパの動作を示す模式図
【図18】本発明の実施の形態5に係る可動梯子を洞道内に設置した状態を示す図
【図19】本発明の実施の形態5に係る可動梯子の拡大正面図
【図20】本発明の実施の形態5に係る可動梯子を開口部側から見た図
【図21】本発明の実施の形態5に係る可動梯子を可動した状態を示す洞道の拡大正面図
【図22】図19における可動梯子の可動棒体の拡大図
【図23】図22に示す可動棒体を上方に移動させた状態を示す図
【図24】図22に示す可動棒体の側面図
【図25】図23に示す可動棒体の側面図
【図26】洞道内で昇降位置にある可動梯子において可動棒体を上方に移動させた状態を示す正面図
【図27】洞道内において同可動梯子の収納位置に位置する状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、各実施の形態における可動梯子は、洞道の上部から洞道内に配置されて、洞道内への昇降に用いられる。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る可動梯子を洞道内に設置した状態を示す図であり、可動梯子を昇降可能位置に位置した際の正面図である。
【0018】
図1に示すように、地中に換気孔11が形成され、この換気孔11の下方には、換気孔11の床面に形成された開口部12を介して、換気孔11と連通する洞道10が設けられている。洞道内部には、その両側に沿って、トラフ13、ケーブル配線14等が配設されており、中央空間16が狭い作業空間となっている。この中央空間16に、可動梯子100が、換気孔11から開口部12を介して配置されている。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態1に係る可動梯子100を設置した洞道の拡大正面図であり、図3は、図2においてフック部と回動部との位置関係の説明に供する図であり、可動梯子を上方から見た図である。また、図4は、本発明の実施の形態1に係る可動梯子100を可動した状態を示す洞道の拡大正面図である。
【0020】
可動梯子100は、梯子本体110と、回動部120と、ヒンジ部と130と、フック部(係止部)140、142と、操作棒150とを有する。
【0021】
梯子本体110は、一対の支持柱112,114の間に複数の踏み桟116が架設されてなり、一対の支持柱112、114のうち、一方の支持柱112の下端部に、回動部120が接続されている。
【0022】
回動部120は、洞道10の床面10aに設置され、梯子本体110の延在方向と平行な軸を中心に、支持柱112を回動自在、つまり、梯子本体110を回動自在に支持している。
【0023】
図5は、回動部120を示す図であり、図5Aは回動部の正面図、図5Bは上面図である。回動部120は、ここでは、回動部120として軸吊り金物(ピポットヒンジ)を適用している。
【0024】
回動部120は、洞道10の床面に固定される回動台122と、回動台122の上面に垂直軸124により軸支され、水平方向に回動する取り付けプレート126とを有する。
【0025】
回動台122は、ここでは立方体状に形成され、図2に示すように、洞道10の床面10aに相当する床板10bにボルト10cを介して固定されている。なお、床板10bを設けず、床面10aに直接固定してもよい。
【0026】
取り付けプレート126は、この回動台122の上面から突出する垂直軸124を基端として水平方向に延出するように配設された長尺材であり、垂直軸124を中心に回動する。
【0027】
この取り付けプレート126の板部126aは、支持柱112の下端部112aに、梯子本体110の踏み桟116と平行に、且つ、最下段の踏み桟116aの下側に位置するように接続されている。詳細には、支持柱112は、下端部112aに、踏み桟116aと平行な取り付けプレート126の板部126aに固定され、支持柱112との間に介設されたリブ118により補強された固着板117を有し、この固着板117に、板部126aがボルトなどの止着部材を介して固定されている。なお、この回動部120には、作業者による梯子の昇降時の梯子位置と、作業者による洞道の通行時における収納時の梯子位置との双方での回動部120自体の可動、つまり、取り付けプレート126の回動を係止するようストッパ機構を設けてよい。
【0028】
この回動部120の回転中心軸(垂直軸124)と同一線上に回動軸132が位置するように、支持柱112には、ヒンジ部130が取り付けられている。
【0029】
ヒンジ部130は、支持柱112の側面と洞道10の壁面との間に取り付けられている。ここでは、ヒンジ部130は、洞道10の天井部に形成された開口部12の内周面に固定される固定片131と、固定片131に回動軸132を介して軸支され、且つ、可動梯子100の支持柱112の側面に固定された可動片133とを有している。これにより、梯子本体110は、同一軸線上に配置されるヒンジ部130の回動軸132と、回動部120の垂直軸124とを中心に回動自在となっている。
【0030】
梯子本体110における他方の支持柱114の下端には、床部分(詳細には床面10a上の床板10b)に当接して、床部分上を転動する転動部材であるキャスタ160が固定されている。キャスタ160は、支持柱114を、梯子本体110の支持柱112が回動する際に追従して移動させる。
【0031】
梯子本体110において、支持柱114側には、予め洞道10内の壁に設置したフック受け部(係止受け部)170、180の筒状部170a、180aにそれぞれ係合して、梯子本体110を固定するフック部(係止部)140、142が設けられている。
【0032】
これらフック部140、142は、可動梯子100の他方の支持柱114側に配置された操作棒150に、下方に吊り下げるようにL字状に形成されている。
【0033】
フック部140は、開口部12の内周面と略同じ高さで配置され、フック部142は、換気孔11内から、開口部12内に突出するように配置されている。フック部140、142は、開口部12や洞道10内に取付けたフック受け部170、180と係合できる位置に合わせて配置させる。
【0034】
フック部140、142は、洞道10の天井部に形成された開口部12に設置されたフック受け部170、180(詳細には、フック受け部170,180の筒状部170a、180a)に嵌まり、梯子が可動しないようにする。
【0035】
フック受け部170、180は、作業者が梯子を昇降する時の梯子の位置(「昇降位置」とも称することもある)、作業者が洞道を通行するため収納する時の梯子の位置(「収納位置」とも称することもある)に応じてそれぞれ洞道10の開口部12に設けられている。ここでは、フック受け部170は、梯子本体110が昇降位置に位置する場合に、フック部140と係合する位置に設けられ、フック受け部180は、梯子本体110が収納時の梯子位置に位置する場合に、フック部142が係合する位置に設けられている。
【0036】
これらフック受け部170、180に係合するフック部140、142は、支持柱114側に配置され、且つ、上下方向に移動する操作棒150の操作によって、フック受け部170、180に係合したり、外れたりする。
【0037】
操作棒150は、支持柱114に長手方向に離間して設けられた筒状の支持鋼管192、194内に上下動自在に挿通されている。操作棒150は、円、角形等のどのような断面形状を有する部材を用いて形成されても良く、ここでは、断面円形の丸棒の鋼材を用いて形成されている。
【0038】
図4に示すように、支持鋼管194には、軸方向に沿って長穴194aが形成され、この長穴194a内には支持鋼管194を挿通する操作棒150の外周から突出するストッパ棒状部194bが配置されている。このストッパ棒状部194bは、長穴194a内に位置する操作棒150の外周に螺合するボルトであり、これにより、支持鋼管194を挿通する操作棒150の上下方向への移動を規制している。
【0039】
この支持鋼管194では、長穴194aが形成され、操作棒150から長穴194aを貫通して外方に立設したストッパ棒状部(ここでは、ボルト)194bを設けている。これにより、操作棒150を回動自在な丸棒で形成しても、操作棒150自体の回動を規制し、且つ、その上下移動距離を規制することができる。したがって、図2及び図4に示すような異なる2つのフック部140、142をそれぞれフック受け部170、180に係合させる可動梯子100の構造では有用である。さらに、特に洞道内の操作棒150の近傍に障害があり、移動制約がある場合は障害物に接触しないよう係止させることができる。この構成は他の実施の形態に係る可動梯子の支持鋼管に適用した場合、同様の作用効果を奏する。なお、操作棒150の近傍に障害物がなく、回動自在でも良い場合は、洞道床面への落下防止を目的として、操作棒150に配設された支持鋼管194を、L字状フックであるフック部140の根元より下側近傍位置に配設し、上部操作ハンドル152或いは下部操作ハンドル154の操作を誤って手を離しても、フック部140が支持鋼管194の上端に当接し、この位置で止まるストッパとすることもできる。
【0040】
図1及び図2に示すように、これら支持鋼管192、194を介することによって、操作棒150は、支持柱114に沿って、且つ、支持柱114から離間して配置されている。
【0041】
操作棒150は、ここでは、支持柱114と略平行に配置され、支持柱114に対して、支持柱114の下端部側から上端部よりも高く延在するように配置されている。
【0042】
この操作棒150の上下端には、上部操作ハンドル152、下部操作ハンドル154が設けられ、これら上部操作ハンドル152及び下部操作ハンドル154の間に、フック部140、142が設けられている。
【0043】
このように操作棒150の上下端部に、それぞれ設けられた上部操作ハンドル152、下部操作ハンドル154によって、操作棒150自体は、洞道10入口(天井部)側、床面10a側どちら側からでも操作される。下部操作ハンドル154はここでは、操作棒150から直交して延出された棒状をなしている。
【0044】
このように可動梯子100は、上部操作ハンドル152或いは下部操作ハンドル154を介して操作棒150を操作することによって、梯子本体110を回動部120及びヒンジ部130を介して回動し、図3の破線及び図4に示すような収納状態に移動できる。
【0045】
すなわち、可動梯子100が図1及び図2に示す状態である場合、作業者は洞道10の入口(可動梯子上側)あるいは洞道10内(梯子下側)から操作棒150に取付けた上部操作ハンドル152或いは下部操作ハンドル154を上方に動かす。これにより、操作棒150自体が上方に移動して、L字状フック部140がフック受け部170の筒状部170a(図4参照)から外れて、梯子本体110が回動可能な状態となる。
【0046】
そして、梯子本体110では他方の支持柱114の下端にはキャスタ160が設けられているため、手操作で梯子本体110を回動させて(図3の移動軌跡線Mで示す)、容易に梯子を移動させることができる。
【0047】
図6は、洞道内において可動梯子100の収納位置に位置する状態を示す図であり、図6Aは、本発明の実施の形態1に係る可動梯子100の収納状態を示す洞道の正面図である。図6Bは、可動梯子100を上方から見た図である。
【0048】
図6に示すように、可動梯子100は、梯子本体110を狭隘の洞道10内において移動させて所定の位置、つまり収納位置(洞道通行時位置)まで移動した後、上部操作ハンドル152或いは下部操作ハンドル154を操作して操作棒150を上方に上げる。これにより、フック部142をフック受け部180に嵌めこみ、梯子本体110を収納位置で固定する。
【0049】
可動梯子100によれば、洞道10の床面10aに配置した回動部120は、支持柱112近傍に上下軸(垂直軸124)を支点として有し、回動部120の取り付けプレート126は踏み桟116と平行にかつ踏み桟116の下側に位置している。このため、回動部120自体が洞道10内の通行や作業の邪魔になることがない。
【0050】
さらに、回動部120を洞道10の床面10aに配置したことで、回動部120に対して高所作業のメンテナンスを行う必要がなく、メンテナンス作業が容易になり、また作業時、メンテナンス時の部品落下等の危険もなく安全に行うことができる。
【0051】
さらに、梯子本体110の回動に際し、例えば、鋼材により可動梯子100を製作した場合、可動梯子100の全荷重は、回動部120を介した支持柱112とともに、キャスタ160を介した支持柱114で受けることとなる。これにより、梯子の全荷重が支持柱112の下端の回動部120に作用することはなく、回動部120への負荷を低減できる。すなわち、鋼材等からなる可動梯子100の荷重の一部を他方の支持柱114の下端から洞道10の床面10aに逃がすことで回動部120への負荷を低減できる。
【0052】
さらに、フック部140を介して梯子本体110を確実に洞道10内に固定できるため、作業者は固定梯子のように安定した状態の可動梯子100により昇降を行うことができる。
【0053】
さらに、梯子本体110の回動半径が、特許文献2に開示された収納式梯子と比較して、梯子全長から踏み桟(梯子幅)に縮小することができ、可動における安全性が向上する。
【0054】
また、洞道10内において、作業者が洞道を通行するために可動梯子100を収納位置に位置させた際に、操作棒150及び下部操作ハンドル154は、支持柱114において、踏み桟116と反対方向の側面部の位置に配置できる。このため、通行や作業の邪魔にならず、操作棒150及び下部操作ハンドル154を取り外す必要がない。
【0055】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る可動梯子を設置した洞道の拡大正面図である。また、図8は、フック部とヒンジ部との位置関係の説明に供する図であり、図7に示す可動梯子を上方から見た図である。また、図9は、本発明の実施の形態2に係る可動梯子を可動した状態を示す洞道の拡大正面図である。
【0056】
図7〜図9に示す実施の形態2に係る可動梯子200は、実施の形態1の可動梯子100と同様に、地中に設けられた洞道10、特に狭隘な洞道10内への昇降に用いられる。
【0057】
可動梯子200は、フック部240が設けられる操作棒250の構成のみ異なり、その他の構成は可動梯子100と略同様である。よって、可動梯子100の構成と同様の構成要素については同符号同名称を付して説明は省略する。
【0058】
すなわち、可動梯子200は、梯子本体110と、支持柱112側に設けられる回動部120及びヒンジ部230と、支持柱114側に配置され、フック部240を備える操作棒250とを有する。可動梯子200は、回動部120の垂直軸124及びヒンジ部230の軸を中心に梯子本体110が回動可能に形成されている。
【0059】
ここでヒンジ部230は、図8に示す開口部12の内壁面から張り出すように固定されたアーム部231と、アーム部231の先端に設けられた回動軸232を中心に回動自在に形成されヒンジ片部233とを有する。
【0060】
ヒンジ部230の回動軸232は、支持柱112の下端に接続された回動部120の上下軸(垂直軸124)と同一軸線上に位置する軸であり、梯子本体110は、回動軸232及び垂直軸124を中心に回動自在となっている。
【0061】
この可動梯子200におけるフック部240は、棒状部材により形成されている。フック部240は、操作棒250に操作棒250の外周面から互いに離間する方向で且つ水平方向に突出する水平片241と、水平片241の両端から下方に折曲された垂下片242,244とを備えた下方に突出する逆U字状をなしている。
【0062】
これらフック部240では、垂下片242は、図7及び図8に示すように、昇降位置に位置する梯子本体110において予め洞道10内の壁に設置したフック受け部270の筒状部270aに係合して、梯子本体110を固定する。また、垂下片244は、図8及び図9に示すように、収納位置に位置する梯子本体110において予め洞道10内の壁に設置したフック受け部180の筒状部180aに係合して、梯子本体110を固定する。
【0063】
また、これらフック部240における垂下片242,244のフック受け部270、180の筒状部270a、180aとの係脱は、可動梯子100の構成と同様に、上部操作ハンドル152、下部操作ハンドル254を介した操作棒250の上下動によって行われる。
【0064】
この可動梯子200のフック部240における垂下片242,244は、係脱するフック受け部270、180の取り付け位置に応じて操作棒250に設けられている。なお、フック受け部270は、実施の形態1のフック受け部170と同様の機能を有し、昇降位置にある梯子本体110のフック部240(詳細には垂下片242)と係合して梯子本体110を固定するものである。
【0065】
なお、本実施の形態では、開口部12の内壁面に取り付けられるフック受け部270、180の取り付け位置が同じ高さレベルにあるため、これに応じた位置に垂下片242,244が操作棒250に形成されている。
【0066】
本実施の形態の可動梯子200も可動梯子100と同様の作用効果を奏する。
【0067】
つまり、図7に示す状態の可動梯子200において、上部操作ハンドル152或いは下部操作ハンドル254を介して操作棒250を操作することによって、梯子本体110を回動部120及びヒンジ部230を介して回動させることができる。これにより可動梯子200は、図8の破線及び図9に示すような収納状態に移動できる。
【0068】
すなわち、可動梯子200が図7に示す状態である場合、作業者は洞道10の入口(可動梯子上側)あるいは洞道10内(梯子下側)から操作棒250に取付けた上部操作ハンドル152或いは下部操作ハンドル254を上方に動かす。これにより、操作棒250自体が上方に移動して、フック部240の垂下片242がフック受け部270の筒状部から外れて、梯子本体110が回動可能な状態となる。梯子本体110における他方の支持柱114の下端にはキャスタ160が設けられているため、手操作で梯子本体110を回動させて(図8の移動軌跡線Mで示す)、容易に梯子を移動させることができる。
【0069】
そして、図9に示す収納位置、つまり洞道通行時位置に可動梯子200を位置させて、上部操作ハンドル152或いは下部操作ハンドル254を操作して操作棒250を上方に上げて、フック部240(垂下片244)をフック受け部180に嵌めこむ。これにより、梯子本体110は洞道通行時位置で固定される。このように可動梯子200によれば、可動梯子100と同様な作用効果を奏する。特に、狭隘洞道10内の狭い中央空間16内において、一方の支持柱112側において垂直軸124、回動軸232を通る上下軸を支点とする回動部120を介して、梯子本体110を回動して洞道内の通行や作業に邪魔にならない位置に移動できる。
【0070】
よって、可動梯子200は、洞道10の開口部12の上方、ここでは換気孔11内に梯子を収納するスペースが無くても、作業者の通行や作業の邪魔になることがなく洞道10内に容易に設置できるとともに、洞道10内において高所作業のメンテナンスを必要としない。
【0071】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3に係る可動梯子を設置した洞道の拡大正面図である。また、図11は、フック部と回動部との位置関係の説明に供する図であり、図10に示す可動梯子を上方から見た図である。また、図12は、本発明の実施の形態3に係る可動梯子を可動した状態を示す洞道の拡大正面図である。
【0072】
図10〜図12に示す実施の形態3に係る可動梯子300は、実施の形態1の可動梯子100と同様に、地中に設けられた洞道10、特に狭隘な洞道10内への昇降に用いられる。
【0073】
可動梯子300は、フック部340が設けられる操作棒350の構成のみ異なり、その他の構成は可動梯子100と略同様である。よって、可動梯子100の構成と同様の構成要素については同符号同名称を付して説明は省略する。
【0074】
すなわち、可動梯子300は、梯子本体110と、支持柱112側に設けられる回動部120及びヒンジ部130と、支持柱114側に設けられ、フック部340を備える操作棒350とを有する。可動梯子300では、回動部120の垂直軸124及びヒンジ部130の軸を中心に梯子本体110が回動可能に形成されている。
【0075】
ここで、操作棒350は、断面円形状に形成された棒状体により構成されており、支持柱114に長手方向に離間して設けられた筒状の支持鋼管192、196内に回動自在で且つ上下動自在に挿通されている。
【0076】
操作棒350は、開口部12の高さ位置より上方に位置し、上端に上部操作ハンドル352を有する上棒部350aと、上棒部350aの下端に軸部356を介して回動自在に軸支され、且つ、下部操作ハンドル354を備える下棒部350bとを有する。
【0077】
図13は、操作棒350の上部分の拡大図である。図13に示すように、操作棒350では、上棒部350aは、下棒部350bに対して回動自在であり、可動梯子300を移動させない状態では、上棒部350aを折り畳むことができ、換気孔11内での作業の邪魔になることがない。
【0078】
例えば、洞道10の入口である開口部12に扉が設けられ、洞道10内に可動梯子300を収納する必要がある場合、軸部356を開口部12の内壁面内又は洞道10内の位置に設けることにより、上部操作ハンドル352を洞道10内側に折り曲げて洞道10内に可動梯子300を収納できる。また、操作棒350において、下部操作ハンドル354も下棒部350bの本体部分に対して軸を用いて折り曲げ可能に設けても良い。これにより、洞道10内の中央空間16において作業の邪魔になることを防止できる。
【0079】
図10に示すように操作棒350の下棒部350bには、支持鋼管192、196のうち上側に位置する支持鋼管196より上方に、水平方向に突出する水平片341の先端から下方に垂下片342が垂下してなるL字状のフック部340が設けられている。
【0080】
フック部340の水平片341は、上側の支持鋼管196より上方に位置している。このため操作棒350が下方に移動する際に、水平片341は上側の支持鋼管196の上端に係止される。これにより、操作棒350は、下方への移動が規制された状態となる。特に狭隘洞道内において操作棒350の下端の近傍に障害がある場合、この障害物に当たらないよう、支持柱114に対する上側支持鋼管196の取り付け位置を決めることができる。これにより、操作棒350が必要以上に下降しないように移動制約を設けて障害物に接触させないようにできる。また、操作棒350自体が下方に移動することによって、支持柱114に取り付けられた支持鋼管196からの抜けを防止できる。
【0081】
本実施の形態の可動梯子300では、操作棒350自体を丸棒で構成し、操作棒350が支持柱114に対して回動自在であって、この操作棒350に一つのフック部340が形成されている。これにより、フック部340の垂下片342は、操作棒350自体の回動に追従して、操作棒350を中心に回動する。
【0082】
このように図11に示すように、昇降位置と収納位置、つまり洞道通行時位置とのそれぞれに梯子本体110が位置する状態において、フック部340は、操作棒350を回動して、それぞれのフック受け部170,180に適宜係合することができる。これにより、梯子本体110を昇降位置と洞道通行時位置とのそれぞれの位置で固定することができる。
【0083】
図11では、フック受け部170に係合したフック部340を、操作棒350を上に移動させて、両者の係合状態を解除して、梯子本体110を移動軌跡線Mに沿って移動する。そして、梯子本体110を洞道通行時位置に位置させて、操作棒350をN方向に回動させることによって、フック部340の垂下片342を移動して、フック受け部180に挿入させる。
【0084】
このように本実施の形態では、実施の形態1と同様の効果、例えば、洞道10の開口部12の上方、ここでは換気孔11内に梯子を収納するスペースが無くても、作業者の通行や作業の邪魔になることがなく洞道10内に容易に設置できるとともに、洞道10内において高所作業のメンテナンスを必要としない。
【0085】
加えて、本実施の形態によれば、操作棒350を折り畳めることができるとともに、一つのフック部340によって、梯子本体110を昇降位置と洞道通行時位置のそれぞれの位置で固定状態にすることができる。
【0086】
(実施の形態4)
図14は、本発明の実施の形態4に係る可動梯子を設置した洞道の拡大正面図であり、図15は、本発明の実施の形態4に係る可動梯子におけるフック部とヒンジ部との位置関係を示す上面図である。
【0087】
図14及び図15に示す可動梯子400は、上記各実施の形態の可動梯子100、200,300と同様に、地中に設けられた洞道10、特に狭隘な洞道10内への昇降に用いられる。
【0088】
この可動梯子400は、フック部440が設けられる操作棒450の構成のみ異なり、その他の構成は可動梯子100と略同様である。よって、可動梯子100の構成と同様の構成要素については同符号同名称を付して説明は省略する。
【0089】
すなわち、可動梯子400は、他実施の形態の可動梯子100、200、300と同様に、一対の支持柱112、114の間に複数の踏み桟116が設けられた梯子本体110と、回動部120と、ヒンジ部130とを有する。回動部120は、一対の支持柱112の下端部112aに接続され、且つ、洞道10の床面10aに配置されて梯子本体110の延在方向と平行な軸(垂直軸124)を中心に支持柱112を回動自在に支持する。また、ヒンジ部130は、支持柱112を洞道10の壁面に垂直軸124と同一軸で回動自在に固定する。
【0090】
可動梯子400は、図14〜図15に示すように、回動部120の垂直軸124及びヒンジ部130の軸を中心に梯子本体110が回動可能に形成され、昇降位置(図14参照)から収納位置(洞道通行時位置:図15の波線で示す部分参照)に移動自在となっている。
【0091】
この可動梯子400では、操作棒450は、丸棒など断面円形状に形成された棒状体により構成され、梯子本体110の支持柱114に長手方向に離間して設けられた筒状の支持鋼管198、192,198内に回動自在で且つ上下動自在に挿通されている。
【0092】
操作棒450は、支持柱114の側方に、支持柱114から離間して平行に配置され、梯子本体110の上端、つまり、支持柱114の上端よりも低く配置されている。操作棒450の下端部450aは、最も下方に位置する状態では、洞道10の床面10aに形成された凹部19内に浮いた状態で挿入されている。
【0093】
すなわち、操作棒450は、支持鋼管198の逆L字状の長穴197(図16参照)にガイドされるストッパノブ199を介して、上下方向の移動が規制されている。このように操作棒450の下端部450aが凹部19から浮かせているため、コンクリート製の凹部19の底に操作棒450が落下することを防止する。
【0094】
図16は、本発明の実施の形態4に係る可動梯子の支持鋼管198を示す図である。
【0095】
図16に示すように支持鋼管198は、外周に逆L字状の長穴197を有し、この長穴197には、支持鋼管198を挿通する操作棒450の外面から突出するストッパノブ199が移動自在に配置されている。このストッパノブ199が長穴197に係合することによって、梯子本体110に対する操作棒450の上下動は規制される。
【0096】
図17は、本発明の実施の形態4に係る可動梯子の支持鋼管におけるストッパの動作を示す模式図である。
【0097】
図17Aに示すように、長穴197の最下端にストッパノブ199が位置する状態では、操作棒450(図14参照)は、その下端部450aを、洞道10の床面10aに形成された凹部19内に浮いた状態で支持される(図14で示す状態)。
【0098】
図17Bに示すようにストッパノブ199を上方に移動させる、つまり、操作棒450を上方に移動させると、操作棒450の下端部450aは凹部19から外れるとともに、フック部440がフック受け部170(詳細には、筒状部170a)から抜ける。
【0099】
図17Bに示す状態から図17Cに示すように操作棒450を回してストッパノブ199を長穴197において最下端より高い位置にある端部に移動させることによって、操作棒450(図14参照)は、その下端部450aを洞道10の床面10aから離間させた状態で保持される。これにより、梯子本体110を好適に移動する。なお、フック部440をフック受け部170に係合させたり、操作棒450の下端部450aを凹部19に係合させたりする場合は、ストッパノブ199を図17Cの状態から図17Bの状態、図17Aの状態に変移させる。
【0100】
また、操作棒450には、下端側に、下部操作ハンドル454が取り付けられ、上端部には、フック部440と、フック部440と一体的に形成された上部ノブ446が設けられている。フック部440は、可動梯子100のフック部140と略同様に形成され、予め洞道10の壁面に設けられたフック受け部170の筒状部に挿入して係合し、梯子本体110を昇降位置で固定する。
【0101】
詳細には、フック部440は、操作棒450において、支持鋼管のうち最上部に位置する支持鋼管198より上方の部位から水平方向に突出する水平片441と、水平片441の先端から下方に垂下する垂下片442とからL字状に形成されている。
【0102】
フック部440は、操作棒450の回動に伴い、操作棒450を中心に回動する。
【0103】
上部ノブ446は、操作棒450において、水平片441とは逆方向に突出して設けられている。なお、上部ノブ446は、ストッパノブ199(図16及び図17参照)によって、操作棒450が下方に移動した際に、上側の支持鋼管198の上端との間で、作業者の手が入るスペースが空く位置で止まるように規制される。
【0104】
本実施の形態における支持鋼管198、198は、支持柱114の上下端部近傍に、それぞれ設けられている。よって、長穴197内におけるストッパノブ199の軌道の安定化を図ることができる。
【0105】
このように可動梯子400は、昇降位置において、フック部440を、洞道10の壁面(ここでは開口部12の壁面)に予め固定したフック受け部170に係合する。加えて可動梯子400は、図14に示すように、昇降位置において操作棒450の下端部450aを、床面10aに形成された、凹部19内に挿入させるため、可動梯子400を昇降する際に、可動梯子400の上下端で係止されるため、より安定した固定状態を維持できる。
【0106】
また、可動梯子400は、図15の破線で示す収納位置(洞道通行時位置)にある場合、可動梯子400への昇降を想定しないので、フック部440を使用せずに、操作棒450(図14参照)の下端部450aを、床面10aの所定位置に形成された凹部に内嵌させることによって、梯子本体110を固定状態にするのみでよい。このとき下端部450aは、凹部内に、凹部の底面から浮いた状態で配置される。
【0107】
このように可動梯子400は、昇降位置(図14参照)或いは収納位置(洞道通行時位置)において、操作棒450の下端部450aを床面10aの凹部に内嵌させることによって梯子本体110を固定状態にする。よって、可動梯子400は、可動梯子100、200、300と異なり、収納位置(洞道通行時位置)において、洞道の壁面に、フック部と係合するフック受け部を使用することなく、梯子本体110を固定状態にできる。なお、可動梯子400は、可動梯子100と同様の作用効果を得ることができる。例えば、洞道10の開口部12の上方、ここでは換気孔11内に梯子を収納するスペースが無くても、作業者の通行や作業の邪魔になることがなく洞道10内に容易に設置できるとともに、洞道10内において高所作業のメンテナンスを必要としない。
【0108】
(実施の形態5)
図18は、本発明の実施の形態5に係る可動梯子を洞道内に設置した状態を示す図であり、可動梯子を昇降可能位置に位置した際の正面図である。なお、実施の形態5に係る可動梯子500は、図1に示す実施の形態1に対応する可動梯子100と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0109】
図18に示す可動梯子500は、実施の形態1の可動梯子100と同様に、地中に設けられた洞道10、特に狭隘な洞道10内への昇降に用いられる可動梯子である。図18に示すように洞道10は地中に形成された換気孔11の下方に設けられている。洞道10は、換気孔11の床面に形成された開口部12を介して、換気孔11と連通している。この洞道10内部では、その両側面に沿ってトラフ13、ケーブル配線14等が配設されているため、中央空間16が狭い作業空間となり、狭隘な洞道10となっている。この中央空間16に、可動梯子500が、換気孔11から開口部12を介して配置されている。
【0110】
図19は本発明の実施の形態5に係る可動梯子500の拡大正面図である。
【0111】
可動梯子500は、梯子本体510と、梯子本体の510の支持柱512側に設けられる回動部120と、支持柱512側に設けられるヒンジ部530と、梯子本体510の支持柱514側に配置されるとともにフック部(係止部)540を備える操作棒550とを有する。
【0112】
梯子本体510は、実施の形態1の梯子本体110と長さのみ異なり、一対の支持柱512、514の間に複数の踏み桟116が架設されてなる。この梯子本体510の上端部は、一対の支持柱512、514の上端部512a,514aであり、これら上端部512a,514aが、換気孔11の床面11aよりも低い位置に配置されている。一対の支持柱512、514のうち、一方の支持柱512の下端部に、回動部(軸吊り金物:ピポットヒンジ)120が接続されている。
【0113】
回動部120は、実施の形態1の回動部120と同様に、洞道10の床面10aに設置され、梯子本体510の延在方向と平行で、且つ、支持柱512に沿って延在する軸を中心に、支持柱512を回動自在に支持している。具体的には、可動梯子500では、回動部120の垂直軸124及びヒンジ部530の軸を中心に梯子本体510が回動可能に形成されている。
【0114】
図20は、可動梯子500を上方の開口部側から見た図である。図19及び図20に示すように、ヒンジ部530は、支持柱512の側面と洞道10の壁面との間に取り付けられている。ここでは、ヒンジ部530は、洞道10の天井部に形成された開口部12の内周面に固定される固定片531と、固定片531に回動軸532を介して軸支され、且つ、可動梯子500の支持柱512の側面に固定された可動片533とを有している。ここでは、可動片533は、支持柱512の上端部512aの側面に固定されている。
【0115】
ヒンジ部530の回動軸532は、支持柱512の下端に接続された回動部120の垂直軸124と同一軸線上に位置する軸である。これにより、梯子本体510は、回動軸532及び垂直軸124を中心に回動自在となっている。図21は、洞道10内で可動梯子500を可動した状態を示す図であり、洞道内において同可動梯子の収納位置に位置する状態を示す。
【0116】
図18、図19及び図21に示すように、梯子本体510における他方の支持柱514の下端にはキャスタ160が固定されている。このキャスタ160は、各実施の形態における梯子本体110の支持柱112に固定されるものと同様に、床部分(詳細には床面10a上の床板10b)に当接して、床部分上を転動する転動部材である。キャスタ160は、支持柱514を、梯子本体510の支持柱512の回動に伴って追従して移動させる。なお、梯子本体510は、図19の状態から図21の状態に移動する。
【0117】
図19、図21に示すように他方の支持柱514の側面には、支持柱514の長手方向に離間して、支持鋼管192、194が固定されている。支持鋼管192,194には、他方の支持柱514に沿って上下方向に延在する操作棒550の操作棒本体555がそれぞれ挿通されている。この操作棒本体555は、支持柱514の延在方向、つまり、上下方向に沿って、移動自在に設けられている。
【0118】
支持鋼管192,194は同一軸心で、その軸方向を、支持柱514の延在方向、つまり、梯子本体510の上下方向と平行にして、支持柱514の側面に固定されている。
【0119】
支持鋼管194には、中心軸方向に沿って長穴194aが形成され、この長穴194a内には、支持鋼管194を挿通する操作棒本体555の外周から突出するストッパ棒状部194bが配置されている。
【0120】
このストッパ棒状部194bは、長穴194a内に位置する操作棒550における操作棒本体555の外周に螺合するボルトであり、これにより、支持鋼管194を挿通する操作棒本体555の上下方向への移動範囲を規制している。また、操作棒本体555を回動自在な丸棒で形成しても、操作棒本体555自体の回動を規制し、且つ、その上下移動距離を規制できる。
【0121】
操作棒550は、操作棒本体555と、操作棒本体555の上端で固定されている棒体鋼管557と、棒体鋼管557を介して操作棒本体555の延在方向に沿って上下方向に移動自在な可動棒体558とで構成する。
【0122】
なお、操作棒本体555及び可動棒体558は、円、角形等のどのような断面形状を有する部材を用いて形成されても良く、ここでは、操作棒本体555及び可動棒体558とも断面円形の丸棒の鋼材を用いて形成されている。
【0123】
操作棒本体555を最も低い位置に移動させたとき、つまり、ストッパ棒状部194bが支持鋼管194に形成された長穴194aの最下端に位置した状態において、操作棒本体555の上端部は、洞道10の天井側に位置する換気孔11の床面11aよりも下方に位置している。
【0124】
ここでは、操作棒本体555の上端部は、ストッパ棒状部194bが長穴194aの最下端に位置した状態において、梯子本体510の上端部、つまり、支持柱514の上端部514aと同じ高さ位置となっている。
【0125】
また、操作棒本体555の下端は、洞道10の中央空間16内に配置され、操作棒本体555と直交して配置された下部操作ハンドル554が設けられている。この下部操作ハンドル554は、洞道10の中央空間16内の作業者により操作可能であり、中央空間16内で、可動梯子500を可動できる。
【0126】
この操作棒本体555には、操作棒本体555の軸と平行に、延在方向に沿って棒体鋼管557が固定されている。
【0127】
棒体鋼管557は、操作棒本体555において、挿通する支持鋼管194より上方に配置される。ここでは、棒体鋼管557は、操作棒本体555の上端部に固定されている。
【0128】
この棒体鋼管557には、可動棒体558が軸方向、つまり、上下方向に移動自在に挿通されている。図22〜図25を用いて操作棒550の可動棒体558について説明する。図22は、図19における可動梯子の可動棒体558の拡大図であり、図23は、図22に示す可動棒体を上方に移動させた状態を示す図である。また、図24は、図22に示す可動棒体558の側面図であり、図25は、図23に示す可動棒体の側面図である。図26は、洞道内で昇降位置にある可動梯子500において可動棒体558を上方に移動させた状態を示す正面図である。なお、この図26は、図18において可動棒体を上方に移動させた可動梯子を示す正面図である。また、図27は、洞道内において同可動梯子の収納位置に位置する状態を示す図である。
【0129】
可動棒体558は、図23及び図25に示すように上方向に移動させた際に、可動棒体558の上端部559が支持柱514の上端部よりも上方に突出して、換気孔11内に位置する(図26参照)。
【0130】
この可動棒体558の上端には、可動棒体558から直交して延出された上部操作ハンドル552が設けられている。この上部操作ハンドル552を介して換気孔11内で作業者が可動梯子500の移動を行うことができる。
【0131】
また、図22〜図25に示すように可動棒体558の下端部、つまり、棒体鋼管557から下方に導出される部位には、可動棒体558の外周から突出する係止突起558aが設けられている。
【0132】
この係止突起558aは、可動棒体558が上方に移動した際に、棒体鋼管557の下端部に形成された切り欠き部557aに係合する(図23、図25参照)。これにより、係止突起558aが切り欠き部557aと係合した際には、可動棒体558の上下移動に追従して操作棒本体555も上下に移動する。また、可動棒体558は棒体鋼管557に対して中心軸回りの回転が規制される。これにより、可動棒体558を上方に移動させて係止突起558aと切り欠き部557aとを係合させた状態では、操作棒本体555は、棒体鋼管557を介して可動棒体558の上下及び左右(回動)の移動に追従することとなる。そして、可動棒体558の上部操作ハンドル552を操作することによって、梯子本体510を操作棒本体555、回動部120及びヒンジ部530を介して回動させることができる。また、梯子本体510の他方の支持柱514の下端にはキャスタ160が設けられているため、手操作で可動梯子500を移動させることができる。
【0133】
また、係止突起558aと切り欠き部557aが係合された状態で可動棒体558を下方向に移動させると、操作棒本体555も追従して下方に移動する。そして、操作棒本体555の外周から突出するストッパ棒状部194bが長穴194aの最下端に到達したとき、操作棒本体555は係止され、可動棒体558のみが下方に移動する。そして、図22及び図24に示すように、上部操作ハンドル552が棒体鋼管557の上端部に当接して掛止される。この状態が可動棒体558を収納した状態となり、可動棒体558の上端部が支持柱514の上端部514aと同じ高さに位置する。なお、上部操作ハンドル552は、ここでは可動棒体558とでL字状を形成しているが、これに限らず、可動棒体558が下方に移動した際に、棒体鋼管557に掛止される形状であれば、どのように形成されてもよい。例えば、上部操作ハンドル552は、下部操作ハンドル554のように可動棒体558とでT字状を形成してもよい。
【0134】
このように操作棒本体555の外周から突出するストッパ棒状部194bが支持鋼管194に形成された長穴194aの最下端に位置した状態であり、且つ、可動棒体558の上部操作ハンドル552が棒体鋼管557の上端部に当接した収納状態の場合、操作棒本体555及び可動棒体558の上端部は、支持柱514の上端部514aと同じ高さに位置する。つまり、操作棒本体555及び可動棒体558の上端部は、洞道10の天井側に位置する換気孔11の床面11aよりも下方に位置している。従い、開口部12に図示しないグレーチング(grating)蓋が取り付けられた洞道10の入口でも設置が可能となる。
【0135】
また、操作棒本体555の上端部には、図20及び図22〜図25に示すようにフック部540が設けられている。フック部540は、図20に示すように予め洞道10内の壁に設置したフック受け部(係止受け部)570、180の筒状部570a、180aにそれぞれ係合して、梯子本体510を固定する。
【0136】
フック部540は、棒状部材によって、実施の形態2のフック部240と同様に構成されている。すなわち、フック部540は、両端部が下方に突出する逆U字状をなしている。フック部540は、図21及び図25に示すように操作棒550における操作棒本体555の上端部の外周面から互いに離間する方向で且つ水平方向に突出する水平片541と、水平片541の両端から下方に折曲された垂下片542,544とを備える。
【0137】
垂下片542は、昇降位置に位置する梯子本体510(図19参照)において、図20及び図26に示すように予め洞道10内の壁に設置したフック受け部570の筒状部570aに係合して、梯子本体510を固定する。一方、垂下片544は、可動梯子100のフック部142と同様の機能を有する。すなわち、垂下片544は、図20、図21及び図27に示すように、収納位置に位置する梯子本体510において予め洞道10内の壁に設置したフック受け部180の筒状部180aに係合して、梯子本体510を固定する。
【0138】
これら垂下片542,544は、係脱するフック受け部570,180の取り付け位置に応じて操作棒550(詳細には、操作棒本体555)に設けられている。なお、フック受け部570は、実施の形態1のフック受け部170と同様の機能を有し、昇降位置にある梯子本体510のフック部540(詳細には垂下片542)と係合して梯子本体510を固定するものである。また、フック受け部180は、実施の形態1と同様、収納位置にある梯子本体510のフック部540(詳細には垂下片544)と係合して梯子本体510を固定するものである。フック受け部570,180は、ここでは、可動梯子500の回動軸心、つまりヒンジ部530の回動軸532の回動軸心を中心に90°を形成する位置に配設されている。また、フック受け部180は、開口部112の内壁面に固定されたL型鋼からなる固定部180bに、筒状部180aとしての鋼管が接合されることで形成されている。
【0139】
なお、本実施の形態では、開口部12の内壁面に取り付けられるフック受け部570、180における筒状部570a、180aの取り付け位置が同じ高さレベルにあるため、これらの筒状部570a、180aの位置に応じて、垂下片542,544が操作棒550に形成されている。
【0140】
これら垂下片542,544と、フック受け部570,180の筒状部570a,180aとの係脱は、可動梯子100の構成と同様に、上部操作ハンドル552、下部操作ハンドル554を介した操作棒550の上下動によって行われる。
【0141】
すなわち、作業者が洞道10の入口(可動梯子上側)から上部操作ハンドル552を上方に動かした場合、まず可動棒体558が上方に引き上げられる。すると、可動棒体558の下端部外周から突出する係止突起558aが棒体鋼管557下端に形成された切り欠き部557aに係合し、係合した状態で棒体鋼管557を介して操作棒本体555も支持鋼管192、194内で上方に移動する。これにより、操作棒本体555に設けられたフック部540の垂下片542、544が、フック受け部570、180における筒状部570a、180aから外れて、梯子本体510が回動可能な状態となる。梯子本体510における他方の支持柱514の下端にはキャスタ160が設けられているため、手操作で梯子本体510を回動させて(図20の移動軌跡線Mで示す)、昇降位置或いは収納位置(洞道通行時位置)に容易に梯子移動させることができる。梯子本体510を所定の位置まで移動した後、上部操作ハンドル552を操作してフック部540の垂下片542、544をフック受け部570、180における筒状部570a、180aに嵌めこみ、梯子本体510を固定する。
【0142】
また、作業者が洞道10内(梯子下側)から下部操作ハンドル554を上方に動かした場合は、下部操作ハンドル554及びフック部540は操作棒本体555に設けられていることから、操作棒本体555が上方に移動し、追従してフック部540も上方に移動する。これにより、フック部540の垂下片542、544がフック受け部570、180における筒状部570a、180aから外れて、梯子本体510が回動可能な状態となる。そして、梯子本体510を所定の位置まで移動した後、下部操作ハンドル554を操作してフック部540の垂下片542、544をフック受け部570、180における筒状部570a、180aに嵌めこみ、梯子本体510を固定する。
【0143】
このように構成された可動梯子500は、可動梯子100と同様の作用効果を奏することができる。
【0144】
加えて、操作棒550における可動棒体558は、前述したように操作棒本体555に対して上下にスライド自在である。これにより、可動梯子500を昇降位置、或いは収納位置(洞道通行時位置)に位置させた状態において、可動棒体558を下方に移動して、換気孔11の床面11aより下方に収めることができ、開口部12の周辺の換気孔11内での作業の邪魔になることがない。
【0145】
さらに、洞道10の入口である開口部12にグレーチング蓋を配置する等のように洞道10内に可動梯子500を収納する必要がある場合、上部操作ハンドル552を含む可動棒体558を洞道10内側に下降させて洞道10内(詳細には開口部12内)に収納することで可能となる。
【0146】
また、可動梯子500では、支持鋼管194の長穴194a内に、操作棒本体555に設けられたストッパ棒状部194bを移動自在に配置することによって、支持鋼管194を挿通する操作棒本体555の上下方向への移動を規制する。これにより、特に洞道10内の操作棒本体555の近傍に障害があり、上下方向への移動に制約がある場合は、長穴194aに対するストッパ棒状部194bの取り付け位置等を調整することで当該障害物を避けた位置で係脱させることができる。この構成は他の実施の形態における可動梯子の支持鋼管と同様の作用効果を奏する。さらに、可動梯子500の操作棒550においては、ストッパ棒状部194bが長穴194aの最下端に到達したとき、操作棒本体555は係止され、可動棒体558のみが下方に移動する機構となる。
【0147】
なお、操作棒本体555の近傍に障害物がなく、上下方向への移動制約がない場合は、洞道床面への落下防止を目的として、操作棒本体555に配設された支持鋼管194を、フック部540の根元より下側近傍位置に配設する。これにより、上部操作ハンドル552或いは下部操作ハンドル554の操作を誤って手を離しても、フック部540が支持鋼管194の上端に当接し、この位置で止まるストッパとすることもできる。
【0148】
このように各実施の形態の可動梯子100、200,300,400、500によれば、支持柱112、512の下端部で、且つ、床面10aに配置した回動部120が洞道10内の通行や作業に邪魔にならない。また、鋼材等からなる可動梯子100、200、300、400、500の荷重の一部を支持柱114、514の下端からキャスタ160を介して洞道10の床面10aに逃がすことで、回動部120への負荷を低減することができる。また、可動梯子100、200、300、400、500自体やその回動部を床面10aに配置することよって高所作業によるメンテナンスがなくなり、作業中の部品落下等もなく安全にできる。また、操作ハンドルも取り外さなくても通行の邪魔にならない。
【0149】
なお、上記各実施の形態の可動梯子100,200、300、400、500では、フック部(係止部)140、142、240、340、440、540を、L字状や逆U字状部位を備える物として説明した。しかしながら、洞道10の構造上、洞道通行時における梯子収納位置に操作棒150、250、350、450、550にフック部140、142、240、340、440、540が取り付けられない場合がある。この場合、実施の形態4のように、洞道の床面に凹部を設け、凹部に操作棒自体が嵌合することで梯子本体110を係止して固定状態とするようにしてもよい。つまり、操作棒自体にフック部としての機能を持たせても良い。
【0150】
また、各実施の形態における可動梯子100、200、300、400、500の構成要素は、同名称の要素同士を適宜変更することによって、各可動梯子100、200、300、400、500を構成してもよい。例えば、可動梯子100、200、300、400、500が設置される洞道10において好適に設けられるフック受け部170、180、270、570を選択し、これに対応するフック部を備える可動梯子の構成にしてもよい。また、場合に応じて、操作棒の構成を可動梯子400における操作棒450を用いて、操作棒の下端部を、床面に形成された凹部に係合するフック部として用いる構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明に係る可動梯子は、立抗等、洞道入口の上方に梯子を収納するスペースが無くても、作業者の通行や作業の邪魔になることがなく洞道内に容易に設置できるとともに、洞道内において高所作業のメンテナンスを必要としない効果を有し、狭隘洞道への昇降に用いられる梯子として有用である。
【符号の説明】
【0152】
10 洞道
11 換気孔
12 開口部
16 中央空間
19 凹部
10a、11a 床面
10b 床板
100、200、300、400、500 可動梯子
110 梯子本体
112、114、512、514 支持柱
112a 支持柱の下端部
116 踏み桟
120 回動部
122 回動台
124 垂直軸
126 取り付けプレート
130、230 ヒンジ部
132、232、532 回動軸
140、142、240、340、440、540 フック部
150、250、350、450、550 操作棒
152、352、552 上部操作ハンドル
154、254、354、454、554 下部操作ハンドル
160 キャスタ
170、180、270、570 フック受け部
192、194、196、198 支持鋼管
194a、197 長穴
194b ストッパ棒状部
199 ストッパノブ
356 軸部
450a 操作棒の下端部
512a、514a 支持柱の上端部
555 操作棒本体
557 棒体鋼管
557a 切り欠き部
558 可動棒体
558a 係止突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洞道内への昇降に用いられる可動梯子であって、
一対の支柱の間に複数の踏み桟が設けられた梯子本体と、
前記一対の支柱のうち一方の支柱の下端部に接続され、且つ、前記洞道の床面に配置されて前記梯子本体の延在方向と平行な軸を中心に前記一方の支柱を回動自在に支持する回動部と、
前記一方の支柱を前記洞道の壁面に前記軸と同一軸で回動自在に固定するヒンジ部と、
を有する可動梯子。
【請求項2】
前記一対の支柱のうち他方の支柱側に、支持鋼管を介して当該他方の支柱に沿って上下方向に延在する操作棒を備える、
請求項1記載の可動梯子。
【請求項3】
前記操作棒の上下端部には、操作ハンドルが設けられている、
請求項2記載の可動梯子。
【請求項4】
前記回動部は、前記床面に配置される回動台と、
前記床面と平行で、且つ、前記回動台に前記軸を中心に回動自在に軸支される取り付けプレートとを有し、
前記梯子本体は、前記取り付けプレートに固定されている、
請求項1記載の可動梯子。
【請求項5】
前記取り付けプレートは、前記梯子本体における最下段の踏み桟の下側に当該踏み桟に沿って配置された状態で、前記梯子本体に固定されている、
請求項4記載の可動梯子。
【請求項6】
前記操作棒は、前記他方の支柱に、当該支柱に沿って上下方向に移動自在に設けられ、この上下動によって、前記洞道内の壁あるいは床面に設置した係止受け部に係合自在な係止部を備える、
請求項2記載の可動梯子。
【請求項7】
前記一対の支柱のうち他方の支柱の下端には、前記洞道の床面に当接するキャスタが固定されている、
請求項1記載の可動梯子。
【請求項8】
前記操作棒は、前記他方の支柱に沿って延在して配置され、前記支持鋼管に挿通される操作棒本体と、
前記操作棒本体に、前記操作棒本体の延在方向に沿って上下方向に移動自在に設けられ、前記他方の支柱の上端よりも上方に突出可能な可動棒体と、
を有する、
請求項2記載の可動梯子。
【請求項9】
前記支持鋼管の上方で前記操作棒本体に設けられ、前記可動棒体が移動自在に挿通される棒体鋼管を備え、
前記可動棒体は、前記棒体鋼管から下方に導出される部位の外周から突出する係止突起を有し、
前記棒体鋼管の下縁部には、前記可動棒体が上方に移動した際に前記係止突起に係合する切り欠き部が設けられている、
請求項8記載の可動梯子。
【請求項10】
前記操作棒は、前記他方の支柱の上端よりも上方に突出して配置され、この突出部分は折り畳み自在である、
請求項2記載の可動梯子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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