説明

可変管理命令群を有するアプリケーション管理器

【課題】可変管理命令群を有するアプリケーション管理器を提供する。
【解決手段】実行システムにより実行可能な命令よりなるアプリケーション管理装置である。本装置は、少なくとも1つの管理命令群を実行できるアプリケーション管理モジュールを含む。管理命令は、オペレーティングシステム及び/または実行システムにより実行されるアプリケーションの実行前に、本装置の状態を、機能を介して変更し、アプリケーションの起動前に実行され、外部リソースまたはユーザコマンド入力手段により供給されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つのアプリケーションから発せられたデータを処理することを可能にし、管理命令群を実行するアプリケーション管理器(manager;マネージャ)を有する情報処理システムに関する。本発明は更に、特にテレビ番組(プログラム)の束(bouquet;ブーケ)を経由してアプリケーションを受信するディジタル・デコーダにも関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理システムは、アプリケーションから発せられたデータを処理できるマシンであってもよい。該アプリケーションは、データの集まりであってもよい。該データは、通常、プログラム言語に定式化された命令の文字列を構成する。該情報処理システムは、特にオペレーティング・システム及びアプリケーションのデータを受信する実行システムを用いることによって構成されてもよい。該情報処理システムは更に、そこに取り付けられた周辺機器を管理することを可能にする他のシステム、及び一般的にオペレーティング及び実行システムによって搭載されていないもの全般を有していてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明に係る情報処理システムは、少なくとも1つのアプリケーションから発せられたデータを処理でき、該アプリケーションを実行するためのオペレーティング・システムと、実行システムと、該アプリケーションが実行される時、若しくは該アプリケーションの実行から別のアプリケーションの実行に切り替える時、オペレーティング・システム及び/若しくは実行システムに影響を与えるために、少なくとも1つの可変管理命令群を実行できるアプリケーション管理器とを有する。
【0004】
本発明の第一の実施形態は、前記情報処理システムを、前記可変管理命令群を管理命令発信元から前記アプリケーション管理器へ読み出す手段を有するようにしたものである。
【0005】
本発明の第二の実施形態は、前記管理命令発信元を、前記アプリケーション自身であるようにしたものである。
【0006】
本発明の第三の実施形態は、前記管理命令発信元を、前記アプリケーションの供給者であるようにしたものである。
【0007】
本発明に係るディジタル・デコーダは、ディジタル・ストリームからのサービスに関するデータを経由して、少なくとも1つのアプリケーションを受信し、オペレーティング・システムと、少なくとも1つのアプリケーションを実行することを可能にする仮想マシンと、該アプリケーションが実行される時、若しくは該アプリケーションの実行から別のアプリケーションの実行に切り替える時、オペレーティング・システム及び/若しくは実行システムに影響を与えるために、少なくとも1つの可変管理命令群を実行できるアプリケーション管理器とを有する。
【0008】
本発明の第四の実施形態は、前記可変管理命令群を、静的宣言形の種類であるようにしたものであり、前記管理命令群は状態若しくは実行中のアプリケーションから別のプログラムへの転送に関する機能を述べ、各アプリケーションは静的宣言形の種類である管理命令群をプリアンブルに含み得る。
【0009】
本発明の第五の実施形態は、前記アプリケーション管理器を、いくつかの管理命令発信元から発せられたいくつかの可変管理命令群を有するようにしたものである。
【0010】
本発明の第六の実施形態は、前記アプリケーション管理器を、選択された管理命令群が実行の優先度を有するように決められた少なくとも1つの基準に応じて管理命令群を選択する前記管理命令群の選択手段を有するようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】情報処理システムの簡易図である。
【図2】ディジタル・デコーダの簡易図である。
【図3】別のディジタル・デコーダの簡易図である。 以下の説明においては、本発明のより良い理解に資するために、本発明の例示的実施形態が説明される。図1から図3には符番が付されている。
【0012】
図1に表された情報処理システムは、オペレーティング・システム1を用いることによって構成され得る。オペレーティング・システム1は、タスクを管理すること、メモリにスペースを配置すること、及び該情報処理システムに接続された周辺機器にアドレスを割り当てることができるソフトウェアを有する。
【0013】
実行システム2は、アプリケーション3のデータを、直接的若しくはメモリを経由して間接的に、受信する。実行システム2は、データによって運ばれた命令の文字列を実行できる。実行システム2は、ソフトウェアからの補助を得て構成されてもよい。実行システム2は、特に該情報処理システムの周辺機器及びメモリ(図示せず)にアクセスするために、オペレーティング・システム1と通信する。
【0014】
この情報処理システムは、アプリケーション管理器4を有してもよい。このアプリケーション管理器4は、管理命令群を実行できる。したがって、アプリケーション管理器4は、例えばアプリケーションが実行された時に、オペレーティング・システム1及び/若しくは実行システム2に影響を与えることを可能にする。例えば、アプリケーション管理器4は、アプリケーションが実行された時に実行システム2から発せられたコマンドにどの程度の優先度を与えるべきかをオペレーティング・システム1に指示することも可能である。
【0015】
本例に係るこれらオペレーティング・システム、実行システム、及びアプリケーション管理部は、マイクロプロセッサ若しくはそれと同等の手段によって実行されるソフトウェアである。このソフトウェアすべては、図1の装置の一以上のメモリに保存される。
【0016】
図2に表されるテレビ6用のディジタル・デコーダ5は、衛星放送受信機7、ケーブル・ネットワーク8、及び/若しくは無線アンテナ9を経由してアプリケーションを受信できる。該デコーダは、例えば、DVB及びMPEG−2規格に準拠したデコーダである。該アプリケーションは、多重化されたディジタル・ストリームにおいて送信される。該ディジタル・ストリームは、必ずしもオーディオビジュアル・テレビ番組を運んでいる必要はない。他の多重送信システム上で他のアプリケーションを受信することも可能である。更に、アナログ信号上で変調され、アナログ・テレビ信号と時分割多重化されたディジタル・チャネルを経由してアプリケーションを受信することも可能であるが、以下の説明において、我々は、概して、全体的にディジタル化されたシステムの場合について考えるものとする。
【0017】
オペレーティング・システム1は、特にディジタル・デコーダ5の入出力及びメモリ(図示せず)を管理できる。仮想マシン10は、アプリケーション3を実行できる。仮想マシン10は、いわゆる高移植性言語で書かれたアプリケーションを実行できる模範的な実行システム2である。仮想マシン10は、ディジタル・デコーダ5以外の他の情報処理システムにおいて実行され、そうすることによって上記他のシステム上でアプリケーション3を実行できる態様でもよい。
【0018】
ディジタル・デコーダ5は、より詳細には、オペレーティング・システム1によって形成される組立物であり、仮想マシン10は、複数のアプリケーションをマルチタスクで、即ち同時に、実行するように設計され得る。
【0019】
更に、ディジタル・デコーダ5は、ハードウェア、及び/若しくは1以上のドライバなどのソフトウェア要素(図示せず)を有し、よってオペレーティング・システムは、周辺機器、ユーザ・インターフェース、及びメモリと通信することができる。該ユーザ・インターフェースは、ユーザに実行されるアプリケーション3、若しくはディジタル・デコーダ5と通信でき、選択的に1以上のファンクション・キーを有する。又、該メモリは、アプリケーション3、他の考え得るアプリケーション若しくはグラフィック・データなどを保存できる。該デコーダは更に、多重化されたディジタル・ストリームからオーディオビジュアル・データの逆多重化されたストリームをデコードすること、及び該デコードされた映像をテレビ6へ送信できるデコーディング手段(本例ではMPEG−2音声・映像デコーディング)を有し得る。
【0020】
アプリケーション管理器4は、管理命令群を実行すること、及び仮想マシン10及びオペレーティング・システム1と通信することができる。アプリケーション管理器4は、仮想マシン10若しくはオペレーティング・システム1のいずれによっても搭載されていない機能を実行する。
【0021】
該管理命令群の実行から得られる機能は、例えば以下の通りである。
【0022】
・トランスポンダ(transponder)(多重化されたストリームに対応する)若しくはサービスの変更が起こった時の実行中のアプリケーションの状態を検討する。トランスポンダ/サービスの変更は、例えば、ユーザによって、アプリケーション自体によって、若しくは該ストリームを中身を放送している放送局(図示せず)によってでさえも起こされ得る。アプリケーション管理器4は、例えば、実行中のアプリケーションに割り込んだり、スタンバイ状態にさせたりすることができる。アプリケーション管理器4は、トランスポンダ及び/若しくはサービスの変更が成立される間、テレビ上に表示された最後の絵をそのまま固定させるか、若しくは特定のグラフィックを表示させることができる。これは、新しいトランスポンダからの若しくは別のサービスに関連付けられたストリームから別のアプリケーションをロードする間の時間を埋めるためにも必要となり得る。
【0023】
・アプリケーションの変更が所定の時間内に実行されなかった時に所定の手続を開始する。
【0024】
・ファンクション・キーを作り、それらを稼動若しくは非稼動にする。
【0025】
・音声・映像要素がサービスと関連付けられたアプリケーションと共に送信されてきた時、及びアプリケーションが音声・映像要素を求める時などに、該音声・映像要素のどのような順序で可能にするかを決定する。
【0026】
上記管理命令群は、管理メモリ(図2に図示せず)に保存され、ディジタル・デコーダ5の通常使用中には変更され得ない。該管理命令群は、相対的に膨大且つ複雑である。その形式は、大幅な開発努力を分散させる。よって、アプリケーション管理器4の異なる動作方法を得るために管理命令群の変更が要求される度に、製造者若しくはアプリケーション管理器4のプログラマは、管理命令群全体の新たな開発、及びディジタル・デコーダ5の新たなコンフィギュレーションに再び着手する必要があり、特にアプリケーション感知器4の置換若しくは全体的な再プログラミングは大きなコストを掛け得る。
【0027】
管理命令群の変更がより低いコストで可能であると有益である。
【0028】
ディジタル・デコーダの製造者による介入を通じてディジタル・デコーダに新しいコンフィギュレーションをインストールする必要を回避しつつ、アプリケーション管理器4を更新することが可能であると有益である。
【0029】
図3は、オペレーティング・システム1及び仮想マシン10を有するディジタル・デコーダ5の図を含む。
【0030】
アプリケーション管理器4は、可変な、即ちいつでも変更、交換、若しくは消去されることが可能な、管理命令群11を有する。
【0031】
このように、管理命令群の一部は、アプリケーション管理器の可変な仕様を満たすために変更され得る。これは、管理命令群全体の新たな開発を回避する。
【0032】
この可変管理命令群11は、アプリケーション管理器4によって実行され、オペレーティング・システム1及び仮想マシン10との通信を通じて実行される複数の機能をもたらす。これらの機能は、本明細書において既に説明したものと同じ機能であってもよい。しかし、前述の機能リストがすべてではない。該前述の機能リストは、単に、例を通じて、アプリケーション管理器4の役割を説明するためのものである。
【0033】
可変管理命令群11は、例えばランダム・アクセス・メモリなどの書換可能なメモリに保存され得る。読み出し手段12は、可変管理命令群11をアプリケーション管理器4へ読み出すことを可能にする。読み出し手段12は、1以上の管理命令発信元;例えば、ディジタル・デコーダ5のユーザ・インターフェース13、アプリケーション発信元との直接接続14、アプリケーション3自体とのアプリケーション接続15、と接続され得る。読み出し手段12がアプリケーション3自体とのアプリケーション接続15と接続される場合、可変管理命令群11は、アプリケーション3のプリアンブル16に含まれ得る。プリアンブル16は、アプリケーション3のうちディジタル・デコーダ5によって最初に受信される部分である。可変管理命令群11を受信することによって、アプリケーション管理器4は、アプリケーション3全部が読み込まれている間に、これら命令を実行し、対応する機能を実行することができる。
【0034】
更に、上記デコーダは、所定の基準、例えば優先度の基準、が満たされた場合に後に読み出された命令群によってショートされるデフォルト命令群を有し得る。このショートさせる処理は、1以上のアプリケーションに関連付けられることも可能である。この場合、デフォルト命令群は消去されず、他のアプリケーションに対して使用可能なままである。
【0035】
読み出し手段12は、例えば、直接接続14を経由して受信されたディジタル・パケットのMPEG−2システム用逆多重化器である。アプリケーション発信元には、交換電話回線を経由してデコーダ5に接続されたサーバや、衛星の、ケーブルの、又は無線のディジタル若しくはアナログ放送網など、複数のものを折り込み得る。受信及び復調に必要な回路は図示されていない。なぜなら、それらは、それら自体が当業者にはよく知られているからである。プリアンブル16の存在は、必ずしもアプリケーション3の存在を伴わない。関連付けられたアプリケーションが存在しない場合であっても、プリアンブル16には管理命令群が含まれ、プリアンブル16は読み出し手段12へ送信されることが考えられる。
【0036】
管理命令発信元がアプリケーション発信元との直接接続14である場合、アプリケーションの放送局は、そのアプリケーションについての所定の管理命令群を供給することが可能である。該所定群は、例えば、アプリケーションの読み出しによって生じる待ち時間中に放送局のグラフィック特性を表示するアプリケーション管理器4を伴う。
【0037】
管理命令発信元がユーザ・インターフェース13である場合、ユーザは、例えばディジタル・デコーダ5の所定のタスクを内在する機能を決定することが可能である。既に述べたように、上記デコーダのみに対する局部的な命令群が存在すると、状況によっては読み出された命令群によってショートされ得る。
【0038】
ユーザ・インターフェース13、直接接続14、若しくはアプリケーション接続15などの外部発信元から管理命令が供給されない場合、アプリケーション管理器4に不変的に保存された標準管理命令群を使用することが準備されていてもよい。
【0039】
有益な実施形態においては、異なる発信元からの発せられた管理命令群に対して所定の基準に従って実行の優先度を与えるように備えられている。このようにして、例えば、アプリケーション接続15を経由して発せられた管理命令群がアプリケーション発信元との直接接続14を経由して発信された命令群より高い優先度を有することなどを決めることができる。これらの2つの接続14及び15から管理命令群を受信する若しくは受信した上記アプリケーション管理器は、アプリケーション接続15から発せられたものの実行を優先する。
【0040】
可変命令群11は、可変な容量を有し得る。例えば、該容量を、複数の管理命令発信元から発せられた管理命令を有するように備えておくことができる。このように、上記デコーダが複数のアプリケーションを並行して実行できる場合、アプリケーション管理器4は各実行中のアプリケーションに対して異なる機能を実行することができる。
【0041】
デコーダの働きの一例を以下に説明する。
【0042】
本例によれば、上記アプリケーション管理器は、以下の命令を有する。
・ブート・アップ・ビットマップの表示
・映像スクリーンを黒に設定
・ビデオ画像を固定
・最初にアプリケーションによって管理されるキー(リモコンのキー・グループ)の定義
・可能であればフォーカス合わせ
・音声/映像の稼動化
・音声/映像の非稼動化
所定のアプリケーションについて若しくは共に供給されるパラメータは、
・ブート・アップ・ビットマップ(選択的)
・キー・グループ
・該アプリケーションの優先度
該デコーダの初期状態は以下の通りであるものと仮定される。
・実行中の音声/映像:はい
・(「フォーカスを合わせる」)フォアグラウンド・アプリケーションの優先度:1(ナビゲータ)
・アプリケーションが実行するもの:
【0043】
【表1】

本例の場合、ナビゲータが上記デコーダに最初から組み込まれたアプリケーションであり、ユーザが該デコーダを実施するのを可能にする。
【0044】
アプリケーションの一部へのフォーカス要求は、本例によれば、該アプリケーションはフォアグラウンドにおいて実行されることが要求されていることを意味する。そうは言っても、他のアプリケーションは、システムがマルチタスクであれば、「バックグラウンド」において、並行して実行され得る。
【0045】
次いで、新しいアプリケーション、例えば同じく放送局Xによって供給されるテレビショッピング(telepurchasing)・アプリケーション、が読み出される。この読み出しは、該デコーダによって受信されたディジタル・ストリームにおける該アプリケーションの放送の検知によって開始される。
【0046】
・新しいアプリケーション:
【0047】
【表2】

上記デコーダの(デフォルトの)静的命令群は以下の通りである。
スタート・アップについて該アプリケーションによって管理されるキー(キー・グループ)を定義
フォーカス要求(Request Focus)があれば、可能であればフォーカス合わせ
(備考:フォーカスを合わせる可能性は、フォーカスされているものの優先度に対するリクエストしたアプリケーションの優先度に拠る。)
信号内に存在し、放送局Xによって配置されたショッピング・アプリケーション用の命令群は以下の通りである。
映像平面を黒に設定
音声/映像が実行中であれば、非稼動化
スタート・アップについて該アプリケーションによって管理されるキー({終了(Quit)、P+、P−})を定義
フォーカス要求(Request Focus)があれば、可能であればフォーカス合わせ
上記アプリケーション内に存在する命令群は
音声/映像を稼動化
である。
【0048】
この命令群の集まりによって、以下の動的挙動が得られる。
(1) 該アプリケーションが初期化される場合、命令群は適用されなければならない(該アプリケーションの初期化の前に)。上記放送局は、該端末のデフォルトの命令群より高い優先度を有する該アプリケーション用の命令群を与える。よって、該アプリケーション用の命令群が適用される。
(2) 映像平面が黒に設定される。
(3) 現在再生中の音声/映像が停止する。
(4) リモコンの「終了(Quit)」、「P+」、及び「P−」キーは、該アプリケーションがフォーカスを有する時、該端末によって管理されない。
(5) フォーカスが要求されたが、ショッピング・アプリケーションはフォーカスを有するアプリケーション(ナビゲータ)より低い優先度を有するため、拒否される。
(6) 該アプリケーションは、初期化される(フォーカス無しで)。
(7) 該アプリケーションは、その補助的な命令群を適用し、新しい音声/映像ストリームを稼動化する。
【0049】
すると、デコーダの新しい状態は、以下のようになる。
・実行中の音声/映像:はい
・フォーカスを有するアプリケーションの優先度:1(ナビゲータ)
・アプリケーションが実行するもの:
【0050】
【表3】

本発明の利点は多岐にわたる。
【0051】
放送局若しくはサービス供給者は、ダウンロードされたアプリケーションの初期化に関するデコーダの動作を、命令群の優先度の管理を通じて、及び例えばアプリケーションのプリアンブルに命令群を含めることによって、自分達自身で決めることができる。
【0052】
ディジタル・ストリームのサービス情報を経由した管理命令群の放送は、これら命令群が必ずしも該アプリケーションの命令群と同時に為される必要無しに、アプリケーションの初期状態を決めることを可能にする。
【0053】
ハードウェア(ここではデコーダ)の製造業者は更に、アプリケーションの動作をモニタすることができる。例えば、優先度を適切に選択することによって、製造業者は該デコーダの完全な制御を持ち続け、あらゆるアプリケーションに所定の管理命令群を用いらせることができる。
【0054】
なお、以上説明したすべての実施形態に関し以下の付記を記す。
(付記1) 少なくとも1つのアプリケーションから発せられたデータを処理することを可能にする情報処理システムであって、
オペレーティング・システムと、
該アプリケーションを実行するための実行システムと、
該アプリケーションが実行される時、若しくは該アプリケーションの実行から別のアプリケーションの実行に切り替える時、オペレーティング・システム及び/若しくは実行システムに影響を与えるために、少なくとも1つの可変管理命令群を実行できるアプリケーション管理器とを有するシステム。
(付記2) 付記1記載の情報処理システムであって、
前記可変管理命令群を管理命令発信元から前記アプリケーション管理器へ読み出す手段を有することを特徴とするシステム。
(付記3) 付記2記載の情報処理システムであって、
管理命令発信元は前記アプリケーションであることを特徴とするシステム。
(付記4) 付記3記載の情報処理システムであって、
管理命令発信元は前記アプリケーションの供給者であることを特徴とするシステム。
(付記5) テレビ番組の束を経由して少なくとも1つのアプリケーションを受信することができるディジタル・デコーダであって、
オペレーティング・システムと、
少なくとも1つのアプリケーションを実行できる仮想マシンと、
該アプリケーションが実行される時、若しくは該アプリケーションの実行から別のアプリケーションの実行に切り替える時、オペレーティング・システム及び/若しくは実行システムに影響を与えるために、少なくとも1つの可変管理命令群を実行できるアプリケーション管理器とを有するディジタル・デコーダ。
(付記6) 付記5記載のディジタル・デコーダであって、
前記可変管理命令群を管理命令発信元から前記アプリケーション管理器へ読み出す手段を有することを特徴とするディジタル・デコーダ。
(付記7) 付記6記載のディジタル・デコーダであって、
管理命令発信元は前記アプリケーションであることを特徴とするディジタル・デコーダ。
(付記8) 付記5乃至7のいずれか一記載のディジタル・デコーダであって、
前記管理命令群は静的宣言形の種類であることを特徴とするディジタル・デコーダ。
(付記9) 付記5乃至8のいずれか一記載のディジタル・デコーダであって、
前記アプリケーション管理器は、いくつかの管理命令発信元から発せられたいくつかの可変管理命令群を有することを特徴とするディジタル・デコーダ。
(付記10) 付記5乃至9のいずれか一記載のディジタル・デコーダであって、前記アプリケーション管理器は、選択された管理命令群が実行の優先度を有するように決められた少なくとも1つの基準に応じて管理命令群を選択する前記管理命令群の選択手段を有することを特徴とするディジタル・デコーダ。
【符号の説明】
【0055】
1 オペレーティング・システム
2 実行システム
3 アプリケーション
4 アプリケーション管理器
5 ディジタル・デコーダ
6 テレビ
7 衛星放送受信機
8 ケーブル・ネットワーク
9 無線アンテナ
10 仮想マシン
11 可変管理命令群
12 読み出し手段
13 ユーザ・インターフェース
14 アプリケーション発信元との直接接続
15 アプリケーション接続
16 アプリケーション・プリアンブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行システムにより実行可能な命令よりなるアプリケーション管理装置であって、
前記装置は、少なくとも1つの管理命令群を実行できるアプリケーション管理モジュールを含み、前記管理命令は、オペレーティングシステム及び/または実行システムにより実行されるアプリケーションの実行前に、前記装置の状態を、機能を介して変更し、前記アプリケーションの起動前に実行され、外部リソースまたはユーザコマンド入力手段により供給されることを特徴とする、アプリケーション管理装置。
【請求項2】
管理命令リソースから前記アプリケーションマネージャに前記管理命令群をロードする手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のアプリケーション管理装置。
【請求項3】
前記管理命令リソースは前記アプリケーションであることを特徴とする、請求項2に記載のアプリケーション管理装置。
【請求項4】
前記管理命令リソースは前記ユーザインタフェースであることを特徴とする、請求項2に記載のアプリケーション管理装置。
【請求項5】
前記アプリケーション管理装置はメモリに設定された標準的な管理命令を有することを特徴とする、請求項2に記載のアプリケーション管理装置。
【請求項6】
前記アプリケーションマネージャは、複数の管理命令リソースからの複数の管理命令群を含み、指定された管理命令群が各アプリケーションに割り当てられることを特徴とすることを特徴とする、請求項1ないし5いずれか一項に記載のアプリケーション管理装置。
【請求項7】
バイナリ優先度インジケータが前記管理命令に付随し、前記アプリケーション管理モジュールは優先度が最も高い管理命令を最初に実行することを特徴とする、請求項1ないし6いずれか一項に記載のアプリケーション管理装置。
【請求項8】
デジタルデコーダのリソースにアクセスするようにオペレーティングシステムと通信する実行システムにより実行可能な命令よりなる少なくとも1つのアプリケーションを受信する手段を備えた前記デジタルデコーダであって、
前記装置は、少なくとも1つの管理命令の群を実行できるアプリケーション管理モジュールを含み、前記管理命令は、前記オペレーティングシステム及び/または実行システムにより実行されるアプリケーションの実行前に、前記装置の状態を、少なくとも1つの機能を介して変更し、前記アプリケーションの起動前に実行され、外部リソースまたはユーザコマンド入力手段により供給されることを特徴とする、デジタルデコーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−44799(P2010−44799A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267883(P2009−267883)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【分割の表示】特願2000−576613(P2000−576613)の分割
【原出願日】平成11年10月8日(1999.10.8)
【出願人】(301046916)トムソン マルチメディア (3)
【Fターム(参考)】