説明

可搬型ネットワーク接続装置

【課題】ルータが存在する場合と存在しない場合とで、可搬型ネットワーク接続装置に適切な役割を果たさせる。
【解決手段】ルータと有線接続又は無線接続が可能な可搬型ネットワーク接続装置は、ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとのうち、いずれかの動作モードに設定されて動作するパケット転送処理部と、可搬型ネットワーク接続装置におけるルータとの接続の有無を検出する検出部と、検出部により接続有りが検出されると、パケット転送処理部の動作モードを第1の動作モードに設定する動作モード制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークにおける中継技術に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭やオフィスにおいて、パーソナルコンピュータやゲーム機等の無線LANクライアント(以下、単に「クライアント」とも呼ぶ)をネットワークに接続させるために、無線LANアクセスポイント(以下、単に「アクセスポイント」とも呼ぶ)が広く利用されている。アクセスポイントがルータと接続されることにより、クライアントは、アクセスポイント及びルータを介してインターネットに接続することができる。ルータは、例えば、ホームゲートウェイとしてISP(Internet Services Provider)事業者により提供される。
【0003】
アクセスポイントとして、可搬型(携帯型)の装置が提案されている。このような装置として、アクセスポイントとしての機能に加え、3G/HSPA(High Speed Packet Access)回線等の移動体通信網を介した無線通信を行う機能部を有する装置(可搬型ネットワーク接続装置)が用いられる。ユーザは、可搬型ネットワーク接続装置を用いることにより、例えば、屋外においてパーソナルコンピュータをインターネットに接続することができる。具体的には、パーソナルコンピュータをクライアントとして、また、可搬型ネットワーク接続装置をアクセスポイントとして、それぞれ機能させることにより、パーソナルコンピュータから可搬型ネットワーク接続装置にデータを送信させることができる。加えて、可搬型ネットワーク接続装置をルータとして機能させることで、可搬型ネットワーク接続装置において、パーソナルコンピュータから受信したデータを、移動体通信網を介してインターネットへと送信させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−142907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の可搬型ネットワーク接続装置を外出先から持ち帰り、家庭内のネットワークに接続すると、既にホームゲートウェイが存在する場合には、家庭内のネットワークにルータ(ルータ機能を有する装置)が2台存在することとなる。この場合、クライアントは、他のネットワークに所属する装置との間でデータをやりとりする際に、いずれのルータをゲートウェイとして利用したらよいか分からず、データのやりとりが正常に行えないおそれがあった。
【0006】
一方、上述したように、可搬型ネットワーク接続装置を屋外に持ち出した際にはルータとして機能させることにより、パーソナルコンピュータをインターネット接続させることができる。特に、屋外において、可搬型ネットワーク接続装置を用いて、複数のパーソナルコンピュータをインターネット接続させる場合に、可搬型ネットワーク接続装置をルータとして機能させたいという要請があった。すなわち、可搬型ネットワーク接続装置をルータとして機能させることにより、複数のパーソナルコンピュータのそれぞれについて、ISP事業者とインターネット接続サービス契約を結んでおかなくとも、可搬型ネットワーク接続装置についてのみ契約を結んでおくことで、これら複数のパーソナルコンピュータを、可搬型ネットワーク接続装置を介してインターネット接続させることができるからである。このように、ホームゲートウェイが存在しない環境では、可搬型ネットワーク接続装置をルータとして機能させたいという要請があった。
【0007】
しかしながら、従来においては、ホームゲートウェイが存在する場合と存在しない場合とで可搬型ネットワーク接続装置が果たすべき役割について十分に検討されていないのが実情であった。このような問題は、家庭内のネットワークに限らず、企業内のネットワークにおいても、可搬型ネットワーク接続装置とは別に、ルータが存在する場合に発生し得る。
【0008】
本発明は、ルータが存在する場合と存在しない場合とで、可搬型ネットワーク接続装置に適切な役割を果たさせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0010】
[適用例1]ルータと有線接続又は無線接続が可能な可搬型ネットワーク接続装置であって、
ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとのうち、いずれかの動作モードに設定されて動作するパケット転送処理部と、
前記可搬型ネットワーク接続装置における前記ルータとの接続の有無を検出する検出部と、
前記検出部により前記ルータとの接続有りと検出されると、前記パケット転送処理部の動作モードを第1の動作モードに設定する動作モード制御部と、
を備える、可搬型ネットワーク接続装置。
【0011】
適用例1の可搬型ネットワーク接続装置では、検出部によりルータとの接続が有ると検出されると、動作モード制御部は、パケット転送処理部の動作をブリッジ機能部として機能する第1の動作モードにするので、可搬型ネットワーク接続装置をルータが存在するネットワークに接続するときに、可搬型ネットワーク接続装置を介したデータのやりとりを正常に行わせることができる。すなわち、可搬型ネットワーク接続装置及びルータを介してクライアントがデータのやりとりを行う際に、可搬型ネットワーク接続装置はブリッジとして機能するので、ルータが2台存在することを回避できる。したがって、クライアントは、自らの所属するネットワークとは異なるネットワークにデータを送信する際に、いずれの装置をゲートウェイとしてデータを送信するかを特定することができ、データを正常に送信することができる。したがって、適用例1によると、ルータが存在する場合に、可搬型ネットワーク接続装置に適切な役割を果たさせることができる。なお、パケットとは、レイヤ3のパケットに限らず、例えば、レイヤ2フレームなどの任意のレイヤにおける処理単位となるデータのまとまりを含む広い意味を有する。
【0012】
[適用例2]ルータと有線接続又は無線接続が可能な可搬型ネットワーク接続装置であって、
ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとのうち、いずれかの動作モードに設定されて動作するパケット転送処理部と、
前記可搬型ネットワーク接続装置における前記ルータとの接続の有無を検出する検出部と、
前記検出部により前記ルータとの接続無しと検出されると、前記パケット転送処理部の動作モードを第2の動作モードに設定する動作モード制御部と、
を備える、可搬型ネットワーク接続装置。
【0013】
適用例2の可搬型ネットワーク接続装置では、検出部によりルータとの接続が無しと検出されると、動作モード制御部は、パケット転送処理部の動作をルータ機能部として機能する第2の動作モードにするので、ルータが存在しない状況において、可搬型ネットワーク接続装置を介したデータのやりとりを正常に行わせることができる。すなわち、可搬型ネットワーク接続装置を介してクライアントがデータのやりとりを行う際に、可搬型ネットワーク接続装置はルータとして機能するので、クライアントは、自らの所属するネットワークとは異なるネットワークにデータを送信する際に、いずれの装置をゲートウェイとしてデータを送信するかを特定することができ、データを正常に送信することができる。したがって、適用例2によると、ルータが存在しない場合に、可搬型ネットワーク接続装置に適切な役割を果たさせることができる。なお、パケットとは、レイヤ3のパケットに限らず、例えば、レイヤ2フレームなどの任意のレイヤにおける処理単位となるデータのまとまりを含む広い意味を有する。
【0014】
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の可搬型ネットワーク接続装置において、さらに、
本体部と、
前記ルータと有線接続可能であり、かつ、前記本体部に着脱自在に接続可能な付属部と、
を備え、
前記本体部は、少なくとも前記パケット転送処理部を有し、
前記検出部は、前記本体部が前記付属部に接続されていることを検出することにより、前記ルータとの接続有りを検出し、前記本体部が前記付属部に接続されていないことを検出することにより、前記ルータとの接続無しを検出する、可搬型ネットワーク接続装置。
【0015】
このような構成により、本体を付属部に接続する際に、検出部は可搬型ネットワーク接続装置におけるルータとの接続有りを検出し、パケット転送処理部の動作モードはブリッジ機能部として機能する第1の動作モードとなる。したがって、本体部を付属部に接続する場合に、ユーザは特別な操作を行うことなく、可搬型ネットワーク接続装置の動作モードを第1の動作モードとすることができ、動作モードの切り替えを容易に行うことができる。または、本体部を付属部から取り外して持ち出している状態において、ユーザは特別な操作を行うことなく、本体部をルータ(ルータ機能部)として機能させることができる。
【0016】
[適用例4]適用例3に記載の可搬型ネットワーク接続装置において、
前記可搬型ネットワーク接続装置は、クライアントと接続可能であり、
前記付属部は、
ネットワークケーブルを接続するポートと、
前記ポートの機能を、前記クライアントと接続するためのポートとしての機能と、前記クライアントとは異なる他の装置と接続するためのポートとしての機能とのうち、いずれかに切り替えるための切り替え用スイッチを有し、
前記検出部は、
前記本体部が前記付属部に接続されていることを検出し、かつ、前記切り替え用スイッチにより設定された前記ポートの機能が前記他の装置と接続するためのポートとしての機能であることを検出することにより、前記ルータとの接続有りを検出し、
前記本体部が前記付属部に接続されていないことを検出し、または、前記切り替え用スイッチにより設定された前記ポートの機能が前記クライアントと接続するためのポートとしての機能であることを検出することにより、前記ルータとの接続無しを検出する、可搬型ネットワーク接続装置。
【0017】
このような構成により、ポートにネットワークケーブルを介してルータが接続され、切り替え用スイッチによりポートの機能をクライアントとは異なる他の装置と接続するためのポートとしての機能に設定されている場合に、可搬型ネットワーク接続装置がルータと接続されていることを正確に検出することができる。また、本体部が付属部から取り外された場合や、本体部が付属部と接続された状態のまま切り替え用スイッチが操作されて、ポートの機能がクライアントと接続するためのポートとしての機能に設定された場合に、可搬型ネットワーク接続装置がルータと接続されていないことを正確に検出することができる。なお、「クライアント」とは、比較的上位のレイヤ(例えば、レイヤ4以上)での通信を終端する装置を意味し、「クライアントとは異なる他の装置」とは、比較的下位のレイヤ(例えば、レイヤ3以下)での通信を終端し、クライアントにデータ(パケット)を中継する装置を意味する。
【0018】
[適用例5]適用例4に記載の可搬型ネットワーク接続装置において、
前記本体部は、前記パケット転送処理部の動作モードを、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードのいずれとするかを指定するためのユーザインタフェースを有し、
前記検出部は、
前記本体部が前記付属部に接続されたことを検出し、かつ、前記切り替え用スイッチにより設定された前記ポートの機能が前記他の装置と接続するためのポートとしての機能であることを検出し、かつ、前記ユーザインタフェースにより指定された前記パケット転送処理部の動作モードが前記第1の動作モードである場合に、前記ルータとの接続有りを検出し、
前記本体部が前記付属部から離脱されたことを検出し、または、前記切り替え用スイッチにより設定された前記ポートの機能が前記クライアントと接続するためのポートとしての機能であることを検出し、または、前記ユーザインタフェースにより指定された前記パケット転送処理部の動作モードが前記第2の動作モードである場合に、前記ルータとの接続無しを検出する、可搬型ネットワーク接続装置。
【0019】
このような構成により、例えば、付属部のポートに接続したネットワークケーブルの先に、クライアント及びルータとは異なる装置であって、他のネットワークとの接続に用いる装置(例えば、ONUやモデムなど)が接続され、切り替えスイッチが「ポートの機能を、他の装置と接続するための機能」に切り替えられている場合において、ユーザインタフェースを用いて可搬型ネットワーク接続装置をルータとして機能させることができる。したがって、このような状況においても、可搬型ネットワーク接続装置を介したデータのやり取りを正常に行わせることができ、可搬型ネットワーク接続装置に適切な役割を果たさせることができる。
【0020】
[適用例6]適用例3に記載の可搬型ネットワーク接続装置において、
前記本体部は、前記パケット転送処理部の動作モードを、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードのいずれとするかを指定するためのユーザインタフェースを有し、
前記検出部は、
前記本体部が前記付属部に接続されていることを検出し、かつ、前記ユーザインタフェースにより指定された前記パケット転送処理部の動作モードが前記第1の動作モードである場合に、前記ルータとの接続有りを検出し、
前記本体部が前記付属部から離脱されたことを検出し、または、前記ユーザインタフェースにより指定された前記パケット転送処理部の動作モードが前記第2の動作モードである場合に、前記ルータとの接続無しを検出する、可搬型ネットワーク接続装置。
【0021】
このような構成により、付属部をルータと接続させた構成において、ユーザは、ユーザインタフェースを用いて第1の動作モードとすることにより、本体部が付属部に接続された際に、可搬型ネットワーク接続装置をブリッジとして機能させることができる。したがって、可搬型ネットワーク接続装置に適切な役割を果たさせることができる。また、付属部をルータとは異なる装置であって、他のネットワークとの接続に用いる装置(例えば、ONUやモデムなど)に接続させた構成において、ユーザは、ユーザインタフェースを用いて第2の動作モードにすることにより、本体部が付属部に接続された際に、可搬型ネットワーク接続装置をルータとして機能させることができる。したがって、この場合も、可搬型ネットワーク接続装置に適切な役割を果たさせることができる。
【0022】
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれかに記載の可搬型ネットワーク接続装置において、さらに、
少なくとも前記ルータと無線接続するための無線接続インタフェース部と、
前記無線接続インタフェース部が無線接続を行う際に用いるプロファイルの候補である候補プロファイルと、
を備え、
前記検出部は、前記無線接続インタフェース部が無線接続を行う際に用いるプロファイルが、前記候補プロファイルのうち、前記ルータとの無線接続用の所定のプロファイルであるか否かを判定し、前記無線接続インタフェース部が無線接続を行う際に用いるプロファイルが前記所定のプロファイルであると判定した場合に前記ルータとの接続有りを検出し、前記無線接続インタフェース部が無線接続を行う際に用いるプロファイルが前記所定のプロファイルでないと判定した場合に前記ルータとの接続無しを検出する、可搬型ネットワーク接続装置。
【0023】
このような構成により、可搬型ネットワーク接続装置とルータとが無線接続された構成においても、用いるプロファイルによって可搬型ネットワーク接続装置とルータとが接続されているか否かを正確に検出することができる。
【0024】
[適用例8]適用例7に記載の可搬型ネットワーク接続装置において、
前記プロファイルは、少なくとも、ESSIDを含む、可搬型ネットワーク接続装置。
【0025】
このような構成により、用いるESSIDによって可搬型ネットワーク接続装置とルータとの接続の有無を正確に検出することができる。
【0026】
[適用例9]適用例1ないし適用例8のいずれかに記載の可搬型ネットワーク接続装置において、さらに、
移動体通信網における無線通信を行う移動体通信網制御部を備える、可搬型ネットワーク接続装置。
【0027】
このような構成により、可搬型ネットワーク接続装置をルータとは接続しない環境で使用する場合に、移動体通信網制御部によって可搬型ネットワーク接続装置を介したデータのやりとりを実現できる。したがって、かかる環境においても可搬型ネットワーク接続装置に適切な役割を果たさせることができ、可搬型ネットワーク接続装置を介したデータのやりとりを正常に行わせることができる。
【0028】
[適用例10]ルータと有線接続又は無線接続が可能でありパケットを転送する可搬型ネットワーク接続装置において、パケットの転送の動作モードを設定する方法であって、
前記可搬型ネットワーク接続装置は、前記動作モードとして、ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとを有し、
(a)前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続の有無を検出する工程と、
(b)前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続有りが検出されると、前記動作モードを前記第1の動作モードに設定する工程と、
を備える、方法。
【0029】
適用例10の方法では、ルータとの接続有りと検出されると、可搬型ネットワーク接続装置の動作がブリッジ機能部として機能する第1の動作モードとなるので、可搬型ネットワーク接続装置をルータが存在するネットワークに接続するときに、可搬型ネットワーク接続装置を介したデータのやりとりを正常に行わせることができる。すなわち、可搬型ネットワーク接続装置及びルータを介してクライアントがデータのやりとりを行う際に、可搬型ネットワーク接続装置はブリッジとして機能するので、ルータが2台存在することを回避できる。したがって、クライアントは、自らの所属するネットワークとは異なるネットワークにデータを送信する際に、いずれの装置をゲートウェイとしてデータを送信するかを特定することができ、データを正常に送信することができる。したがって、適用例10によると、ルータが存在する場合に、可搬型ネットワーク接続装置に適切な役割を果たさせることができる。なお、パケットとは、レイヤ3のパケットに限らず、例えば、レイヤ2フレームなどの任意のレイヤにおける処理単位となるデータのまとまりを含む広い意味を有する。
【0030】
[適用例11]ルータと有線接続又は無線接続が可能でありパケットを転送する可搬型ネットワーク接続装置において、パケットの転送の動作モードを設定する方法であって、
前記可搬型ネットワーク接続装置は、前記動作モードとして、ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとを有し、
(a)前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続の有無を検出する工程と、
(b)前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続無しが検出されると、前記動作モードを前記第2の動作モードに設定する工程と、
を備える、方法。
【0031】
適用例11の方法では、ルータとの接続無しと検出されると、可搬型ネットワーク接続装置の動作がルータ機能部として機能する第2の動作モードとなるので、ルータが存在しない状況において、可搬型ネットワーク接続装置を介したデータのやりとりを正常に行わせることができる。すなわち、可搬型ネットワーク接続装置を介してクライアントがデータのやりとりを行う際に、可搬型ネットワーク接続装置はルータとして機能するので、クライアントは、自らの所属するネットワークとは異なるネットワークにデータを送信する際に、いずれの装置をゲートウェイとしてデータを送信するかを特定することができ、データを正常に送信することができる。したがって、適用例11によると、ルータが存在しない場合に、可搬型ネットワーク接続装置に適切な役割を果たさせることができる。なお、パケットとは、レイヤ3のパケットに限らず、例えば、レイヤ2フレームなどの任意のレイヤにおける処理単位となるデータのまとまりを含む広い意味を有する。
【0032】
[適用例12]ルータと有線接続又は無線接続が可能でありパケットを転送する可搬型ネットワーク接続装置において、パケットの転送の動作モードを設定するプログラムであって、
前記可搬型ネットワーク接続装置は、前記動作モードとして、ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとを有し、
前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続の有無を検出する機能と、
前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続有りが検出されると、前記動作モードを前記第1の動作モードに設定する機能と、
を前記可搬型ネットワーク接続装置が有するコンピュータに実現させるためのプログラム。
【0033】
適用例12のプログラムでは、ルータとの接続有りと検出されると、可搬型ネットワーク接続装置の動作がブリッジ機能部として機能する第1の動作モードとなるので、可搬型ネットワーク接続装置をルータが存在するネットワークに接続するときに、可搬型ネットワーク接続装置を介したデータのやりとりを正常に行わせることができる。すなわち、可搬型ネットワーク接続装置及びルータを介してクライアントがデータのやりとりを行う際に、可搬型ネットワーク接続装置はブリッジとして機能するので、ルータが2台存在することを回避できる。したがって、クライアントは、自らの所属するネットワークとは異なるネットワークにデータを送信する際に、いずれの装置をゲートウェイとしてデータを送信するかを特定することができ、データを正常に送信することができる。したがって、適用例12によると、ルータが存在する場合に、可搬型ネットワーク接続装置に適切な役割を果たさせることができる。なお、パケットとは、レイヤ3のパケットに限らず、例えば、レイヤ2フレームなどの任意のレイヤにおける処理単位となるデータのまとまりを含む広い意味を有する。
【0034】
[適用例13]ルータと有線接続又は無線接続が可能でありパケットを転送する可搬型ネットワーク接続装置において、パケットの転送の動作モードを設定するプログラムであって、
前記可搬型ネットワーク接続装置は、前記動作モードとして、ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとを有し、
前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続の有無を検出する機能と、
前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続無しが検出されると、前記動作モードを前記第2の動作モードに設定する機能と、
を前記可搬型ネットワーク接続装置が有するコンピュータに実現させるためのプログラム。
【0035】
適用例13のプログラムでは、ルータとの接続無しと検出されると、可搬型ネットワーク接続装置の動作がルータ機能部として機能する第2の動作モードとなるので、ルータが存在しない状況において、可搬型ネットワーク接続装置を介したデータのやりとりを正常に行わせることができる。すなわち、可搬型ネットワーク接続装置を介してクライアントがデータのやりとりを行う際に、可搬型ネットワーク接続装置はルータとして機能するので、クライアントは、自らの所属するネットワークとは異なるネットワークにデータを送信する際に、いずれの装置をゲートウェイとしてデータを送信するかを特定することができ、データを正常に送信することができる。したがって、適用例13によると、ルータが存在しない場合に、可搬型ネットワーク接続装置に適切な役割を果たさせることができる。なお、パケットとは、レイヤ3のパケットに限らず、例えば、レイヤ2フレームなどの任意のレイヤにおける処理単位となるデータのまとまりを含む広い意味を有する。
【0036】
[適用例14]適用例12または適用例13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0037】
このような構成により、かかる記録媒体を用いてコンピュータにプログラムを読み取らせ、各機能を実現させることができる。
【0038】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、可搬型ネットワーク接続装置を含むシステム、可搬型ネットワーク接続装置またはシステムの制御方法、これらの方法、装置またはシステムの機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】可搬型ネットワーク接続装置の正面および背面の外観構成を示す説明図。
【図2】可搬型ネットワーク接続装置の側面の外観構成を示す説明図。
【図3】可搬型ネットワーク接続装置の平面(天面)の外観構成を示す説明図。
【図4】可搬型ネットワーク接続装置の内部構成を示す説明図。
【図5】第1実施例の可搬型ネットワーク接続装置による第1の接続態様を示す説明図。
【図6】第1実施例の可搬型ネットワーク接続装置による第2,3の接続態様を示す説明図。
【図7】第1実施例における動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャート。
【図8】図5に示す第1の接続態様において転送処理部が第1動作モード(ブリッジモード)で動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図。
【図9】図6上段に示す第2の接続態様において転送処理部が第2動作モード(ルータモード)で動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図。
【図10】図6の下段に示す第3の接続態様において転送処理部が第2動作モード(ルータモード)で動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図。
【図11】第2実施例における可搬型ネットワーク接続装置の内部構成を示す説明図。
【図12】第2実施例における動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャート。
【図13】第2実施例におけるポートに関する設定メニュー画面を示す説明図。
【図14】第2実施例の可搬型ネットワーク接続装置による第4の接続態様を示す説明図。
【図15】第3実施例の可搬型ネットワーク接続装置による第5の接続態様を示す説明図。
【図16】第3実施例における動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャート。
【図17】第3実施例における候補プロファイルPFの設定内容を模式的に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
A.第1実施例:
A1.装置構成:
図1〜4は、本発明の一実施例としての可搬型ネットワーク接続装置10の構成を概略的に示す説明図である。図1(a)および(b)は、可搬型ネットワーク接続装置10の正面および背面の外観構成を示す。また、図2(a)および(b)は可搬型ネットワーク接続装置10の一方および他方の側面の外観構成を、図3(a)は可搬型ネットワーク接続装置10の平面(天面)の外観構成を、図3(b)は可搬型ネットワーク接続装置10のクレードル200の平面(天面)の外観構成を、それぞれ示す。図4は、可搬型ネットワーク接続装置10の内部構成を示す。
【0041】
本実施例の可搬型ネットワーク接続装置10は、互いに着脱自在に接続可能な本体100とクレードル200とを備えている。本体100は、小型軽量の可搬型装置であり、単独で無線中継装置として機能する。クレードル200は、本体100と接続されたときに、本体100に各種機能を提供する。また、クレードル200は、本体100を載置するためのスタンド及び充電器としても機能する。
【0042】
クレードル200は、図1(b)、図3(b)および図4に示すように、例えばIEEE802.3/3uに準拠したポート220と、切り替えスイッチ230と、本体100との接続のための本体接続インタフェース(I/F)280と、所定のネットワークプロトコル(例えばイーサネット(登録商標))に従いポート220を介したデータ伝送を制御するLAN制御回路210と、を含んでいる。
【0043】
切り替えスイッチ230は、いわゆるスライドスイッチであり、ポート220の近傍に配置されている。スイッチ230は、「Internet」の状態と「Lan」の状態とのいずれかに手動で切り換えられる。図4の例では、切り替えスイッチ230は、「Internet」の状態に設定されている。この切り替えスイッチ230は、ポート220の機能を切り替えるためのスイッチである。具体的には、切り替えスイッチ230の状態が「Lan」である場合に、ポート220の機能が、図示しないクライアントと接続するために用いられるポートとしての機能となり、切り替えスイッチ230の状態が「Internet」の場合に、ポート220が、クライアントとは異なる他の装置と接続するためのポートとしての機能となる。ここで、「クライアント」とは、比較的上位のレイヤ(例えば、レイヤ4以上)での通信を終端する装置を意味し、クライアントとは異なる装置とは、例えば、レイヤ2スイッチやレイヤ3スイッチやルータといった、比較的下位のレイヤ(例えば、レイヤ3以下)での通信を終端し、クライアントにデータ(パケット)を中継する装置を意味する。
【0044】
本体接続インタフェース280は、USB(Universal Serial Bus)デバイスコントローラとしての機能を有しており、クレードル200が本体100と接続されているとき、USB規格に則って本体100との間での情報のやり取りを行う。
【0045】
本体100は、図4に示すように、CPU120と、ROM171と、RAM172と、USBデバイスを接続するためのUSBデバイスインタフェース(I/F)173と、無線LAN制御回路174と、無線WAN制御回路175と、移動体通信制御回路176と、クレードル200との接続のためのクレードル接続インタフェース(I/F)180と、を含んでいる。
【0046】
無線LAN制御回路(「無線LANインタフェース」とも呼ばれる)174は、変調器やアンプ、アンテナを含み、例えばIEEE802.11b/gに準拠した無線LANのアクセスポイントとして、無線LANのクライアント(例えばパーソナルコンピュータやゲーム機)と無線通信を行う。無線WAN制御回路(「無線WANインタフェース」とも呼ばれる)175は、変調器やアンプ、アンテナを含み、例えばIEEE802.11a/b/gに準拠した無線LANのクライアントとして、無線LANのアクセスポイント(例えば公衆無線LAN)と無線通信を行う。移動体通信制御回路(「移動体通信インタフェース」とも呼ばれる)176は、変調器やアンプ、アンテナを含み、例えば3G/HSPAに準拠した移動体通信の端末として、移動体通信網の基地局と無線通信を行う。このように、本実施例の本体100は、それぞれが互いに異なる無線通信ネットワークにおける無線通信を行う複数の無線通信インタフェースを含んでいる。
【0047】
クレードル接続インタフェース180は、USBホストコントローラとしての機能を有しており、本体100がクレードル200と接続されているとき、USB規格に則ってクレードル200との間での情報のやり取りを行う。また、クレードル接続インタフェース180は、本体100がクレードル200と接続されているとき、本体接続インタフェース280を介してクレードルから供給される電力を、本体100側の図示しないバッテリに受け渡す。
【0048】
CPU120は、ROM171に格納されているファームウェアやコンピュータプログラムをRAM172に展開して実行することにより、可搬型ネットワーク接続装置10の各部を制御すると共に、転送処理部121と、転送制御部122と、切替監視部123と、接続監視部124として機能する。
【0049】
転送処理部121は、ルータ機能部121rと、ブリッジ機能部121bとを有しており、各無線通信インタフェース(無線LAN制御回路174、無線WAN制御回路175、移動体通信制御回路176)及びクレードル200が有するポート220を介したパケット(レイヤ3パケット及びレイヤ2フレーム)の転送を行う。転送制御部122は、転送処理部121を制御する。かかる制御の1つとして、転送制御部122は、後述する動作モード切り替え処理を実行することにより、転送処理部121の動作モードを設定する(切り替える)。
【0050】
切替監視部123は、切り替えスイッチ230の切り替え状態を監視する。具体的には、例えば、切り替えスイッチ230とCPU120のGPIO(General Purpose Input/Output)ポートとを図示しない制御線により接続し、かかる制御線を介してCPU120に入力される割り込み信号により、スイッチ230の切り替え状態を監視することができる。
【0051】
接続監視部124は、本体100がクレードル200に接続されているか否かを監視する機能部である。この監視は、例えば、クレードル接続インタフェース180とクレードル接続インタフェース180との間における給電の有無により監視することができる。また、例えば、USB規格における装置間の接続検出シーケンス(例えば、D+,D−のいずれかが3.3Vとなる場合に接続と検出)に従って、本体100とクレードル200との接続の有無を監視することができる。
【0052】
ROM171は、いわゆるフラッシュROMであり、書き込み可能なメモリである。ROM171には、上記各機能部を実現するための図示しないプログラムに加えて、候補プロファイルPFが予め記憶されている。この候補プロファイルPFは、可搬型ネットワーク接続装置10が無線通信を行う際に用いる各種情報の集合(利用プロファイル)の候補を意味し、無線通信の相手に応じて予め用意されている。具体的には、候補プロファイルPFには、ESSID(Extended Service Set Identifier),暗号化方式,暗号鍵(暗号鍵を生成するための情報を含む),MAC(Media Access Control)アドレスなどの情報が含まれている。
【0053】
前述のクレードル200は、請求項における付属部に相当する。また、転送処理部121は請求項におけるパケット転送処理部に、接続監視部124は請求項における検出部に、転送制御部122は請求項における動作モード制御部に、無線WAN制御回路175は請求項における無線接続インタフェース部に、それぞれ相当する。
【0054】
A2.接続態様:
図5は、第1実施例の可搬型ネットワーク接続装置による第1の接続態様を示す説明図である。図6は、第1実施例の可搬型ネットワーク接続装置による第2,3の接続態様を示す説明図である。図6において、上段は第2の接続態様を、下段は第3の接続態様を、それぞれ示す。
【0055】
図5及び図6下段に示すホームゲートウェイ500は、家庭内のネットワークに配置されている。このホームゲートウェイ500は、ルータ機能を有しており、家庭内ネットワークにおいて、インターネットに接続するためのゲートウェイとして機能する。なお、図5,6に示すクライアントCL1としては、例えば、パーソナルコンピュータや、携帯ゲーム機や、PDA(Personal Digital Assistants)などを採用することができる。
【0056】
図5に示すように、第1の接続態様では、本体100はクレードル200に接続され、クレードル200のポート220はLANケーブルLCaの一端に接続され、LANケーブルLCaの他端はホームゲートウェイ500に接続されている。このとき、切り替えスイッチ230の状態は「Internet」である。第1の接続態様では、可搬型ネットワーク接続装置10は、無線LANのクライアントCL1に対するアクセスポイントとして、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1と無線通信を行う。また、可搬型ネットワーク接続装置10は、ブリッジとして機能し、ルータであるホームゲートウェイ500との間でレイヤ2での通信を実行する。この第1の接続態様では、クライアントCL1は、可搬型ネットワーク接続装置10及びホームゲートウェイ500を介してインターネットにアクセスすることができる。
【0057】
図6上段に示すように、第2の接続態様では、本体100は、クレードル200に接続され、クレードル200のポート220はLANケーブルLcaの一端に接続され、LANケーブルLCaの他端はクライアントCL1に接続されている。このとき、切り替えスイッチ230の状態は「Lan」である。第2の接続態様では、可搬型ネットワーク接続装置10は、ルータとして機能し、クライアントCL1との間でレイヤ3での通信を実行する。また、可搬型ネットワーク接続装置10は、移動体通信端末として、移動体通信基地局を介した無線通信(移動体通信)を行う。この第2の接続態様では、クライアントCL1は、無線通信用インタフェースを有していなくても、可搬型ネットワーク接続装置10および移動体通信基地局を介して、インターネットにアクセス可能である。
【0058】
図6下段に示すように、第3の接続態様では、本体100は、クレードル200から外されている。この第3の接続態様では、可搬型ネットワーク接続装置10(本体100)は、無線LANアクセスポイント及びルータとして機能して、クライアントCL1との間でレイヤ2及びレイヤ3での通信を実行する。また、可搬型ネットワーク接続装置10(本体100)は、第2の接続態様と同様に、移動体通信端末として、移動体通信基地局を介した無線通信(移動体通信)を行う。この第3の接続態様は、例えば、ユーザが、本体100をクレードル200から取り外してクライアントCL1と共に持ち出し、出先においてクライアントCL1をインターネット接続させる際に起こり得る。
【0059】
上述した第1〜3の接続態様では、家庭内ネットワーク(及び外出先)には、ルータが1台のみ存在している。本実施例では、可搬型ネットワーク接続装置10が後述の動作モード切り替え処理を実行することにより、家庭内ネットワーク(及び外出先)においてルータを1台のみ存在させるようにしている。このような第1〜3の接続態様では、クライアントCL1は、インターネットに接続する際に用いるルータ(ゲートウェイ)を特定できるので、インターネットを介したデータのやりとりを問題なく行うことができる。
【0060】
A3.動作モード切り替え処理:
図7は、第1実施例における動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャートである。可搬型ネットワーク接続装置10において、接続監視部124は、可搬型ネットワーク接続装置10の電源がオンとなった後、本体100とクレードル200との接続の有無を常時監視している。また、切替監視部123は、可搬型ネットワーク接続装置10の電源がオンとなった後、切り替えスイッチ230の切り替え状態の変化(操作の有無)を常時監視している。そして、可搬型ネットワーク接続装置10では、本体100とクレードル200との接続状態に変化が生じた場合、又は、切り替えスイッチ230の切り替え状態に変化が生じた場合に、動作モード切り替え処理が実行される。
【0061】
まず、転送制御部122は、本体100がクレードル200に接続されているか否かを、接続監視部124を制御して判定する(ステップS105)。本体100がクレードル200に接続されている場合(ステップS105:YES)、転送制御部122は、ROM171に格納されている図示しないイーサネットドライバプログラムを、クレードル200が有するLAN制御回路210にロードする(ステップS110)。
【0062】
転送制御部122は、切替監視部123を制御して、切り替えスイッチ230の状態が、「Internet」の状態であるか否かを判定する(ステップS115)。転送制御部122は、切り替えスイッチ230の状態が「Internet」の状態である場合には(ステップS115:YES)、転送処理部121の動作モードを第1動作モードに設定する(切り替える)(ステップS120)。一方、スイッチ230の状態が「Lan」の状態である場合には(ステップS115:NO)、転送制御部122は、転送処理部121の動作モードを第2動作モードに設定する(ステップS125)。ここで、本実施例では、第1動作モードは、ブリッジとして機能する動作モードを意味し、第2動作モードは、ルータとして機能する動作モードを意味する。
【0063】
本体100がクレードル200に接続され(ステップS105:YES)、切り替えスイッチ230の状態が「Internet」の状態である場合には、本体100にはクレードル200を介してホームゲートウェイ500が接続されている(すなわち第1の接続態様である)と推定される。この場合、ホームゲートウェイ500がルータとして機能するので、本実施例では、可搬型ネットワーク接続装置10をブリッジとして機能する第1の動作モードで動作させるようにしている。これに対して、本体100がクレードル200に接続され(ステップS105:YES)、切り替えスイッチ230の状態が「Lan」の状態である場合には、クレードル200にはクライアントCL1が接続されており、本体100はホームゲートウェイ500と接続されていない(すなわち第2の接続態様である)と推定される。この場合、家庭内ネットワークにはルータが存在しないので、本実施例では、可搬型ネットワーク接続装置10(転送処理部121)をルータとして機能する第2の動作モードで動作させるようにしている。
【0064】
図8は、図5に示す第1の接続態様において、転送処理部が第1動作モード(ブリッジモード)で動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図8では、可搬型ネットワーク接続装置10の一部の構成要素を省略している。
【0065】
図8に示すように、第1の接続態様において転送処理部121が第1動作モードで動作する場合、クライアントCL1(無線LANクライアント)から無線LANを介してレイヤ2フレームが送信されると、無線LAN制御回路174は、かかるフレームを受信してブリッジ機能部121bに渡す。ブリッジ機能部121bは、クレードル接続インタフェース180及び本体接続インタフェース280を介してフレームをLAN制御回路210に送信する。LAN制御回路210は、受信したフレームを含む信号をポート220からホームゲートウェイ500に出力する。
【0066】
また、ホームゲートウェイ500が、クライアントCL1宛のデータを含む信号を可搬型ネットワーク接続装置10に出力すると、可搬型ネットワーク接続装置10において、LAN制御回路210は、ポート220においてかかる信号を受信すると共に、レイヤ2フレームを組み立ててブリッジ機能部121bに送信する。ブリッジ機能部121bは、LAN制御回路210から受信したフレームを、無線LAN制御回路174に転送し、無線LAN制御回路174は、フレームを含む信号をクライアントCL1に送信する。
【0067】
このように、第1の動作モードでは、ブリッジ機能部121bは、ブリッジとして機能して、クライアントCL1又はホームゲートウェイ500から受信したレイヤ2フレームを、ホームゲートウェイ500又はクライアントCL1にレイヤ2で中継する。
【0068】
図9は、図6上段に示す第2の接続態様において、転送処理部が第2動作モード(ルータモード)で動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図9では、図8と同様に、可搬型ネットワーク接続装置10の一部の構成要素を省略している。
【0069】
図9に示すように、第2の接続態様において転送処理部121が第2動作モードで動作する場合、クライアントCL1からLANケーブルLCaを介してレイヤ2フレームを含む信号が送信されると、可搬型ネットワーク接続装置10において、LAN制御部210は、ポート220においてかかる信号を受信すると共に、レイヤ2フレームを組み立ててブリッジ機能部121bに送信する。ブリッジ機能部121bは、LAN制御回路210から受信したフレームを、本体接続インタフェース280及びクレードル接続インタフェース180を介してブリッジ機能部121bに送信する。ブリッジ機能部121bは、受信したフレームをルータ機能部121rに転送する。ルータ機能部121rは、受信したフレームに基づきレイヤ3パケットを組み立てて、移動体通信制御回路176に渡し、移動体通信制御回路176は、かかるパケットを含む信号を基地局に向けて出力する。
【0070】
また、移動体通信制御回路176は、クライアントCL1宛のレイヤ3パケットを含む信号を移動体通信網から受信すると、かかるパケットを組み立ててルータ機能部121rに送信する。ルータ機能部121rは、宛先アドレスに基づきブリッジ機能部121bにパケットを転送する。ブリッジ機能部121bは、受信したパケットに基づきレイヤ2フレームを組み立て、クレードル接続インタフェース180及び本体接続インタフェース280を介してLAN制御回路210に送信する。LAN制御回路210は、受信したフレームを含む信号をポート220からクライアントCL1に出力する。
【0071】
図7に戻って、前述のステップS105において、本体100がクレードル200に接続されていないと判定された場合(ステップS105:NO)、転送制御部122は、転送処理部121の動作モードを第2動作モードに設定する(ステップS125)。
【0072】
本体100がクレードル200に接続されていない場合には、本体100はホームゲートウェイ500と接続されておらず、クライアントCL1と本体100とが無線LANで接続される(すなわち第3の接続態様である)と推定される。この場合、クライアントCL1が所属するネットワークにはルータが存在しないので、本実施例では、本体100(転送処理部121)をルータとして機能する第2の動作モードで動作させるようにしている。
【0073】
図10は、図6の下段に示す第3の接続態様において、転送処理部が第2動作モード(ルータモード)で動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図10では、図8,9と同様に、可搬型ネットワーク接続装置10の一部の構成要素を省略している。
【0074】
図10に示すように、第3の接続態様において転送処理部121が第2動作モードで動作する場合、クライアントCL1(無線LANクライアント)から無線LANを介してレイヤ2フレームを含む信号が送信されると、無線LAN制御回路174は、かかる信号を受信してフレームを組み立ててブリッジ機能部121bに渡す。ブリッジ機能部121bは、受信したフレームをルータ機能部121rに転送する。ルータ機能部121rは、受信したフレームに基づきレイヤ3パケットを組み立てて、移動体通信制御回路176に渡し、移動体通信制御回路176は、かかるパケットを含む信号を基地局に向けて出力する。
【0075】
また、移動体通信制御回路176は、クライアントCL1宛のレイヤ3パケットを含む信号を移動体通信網から受信すると、レイヤ3パケットを組み立ててルータ機能部121rに送信する。ルータ機能部121rは、宛先アドレスに基づきブリッジ機能部121bにパケットを転送する。ブリッジ機能部121bは、受信したパケットに基づきレイヤ2フレームを組み立て、無線LAN制御回路174に送信する。無線LAN制御回路174は、受信したフレームを含む信号をクライアントCL1に送信する。
【0076】
以上説明したように、第1実施例の可搬型ネットワーク接続装置10は、ホームゲートウェイ500との接続有りを検出すると(すなわち、第1の接続態様を検出すると)、転送処理部121の動作モードを第1の動作モードに切り替え、ブリッジとして機能し、適切な役割を果たすことができる。すなわち、第1実施例の可搬型ネットワーク接続装置10は、ホームゲートウェイ500との接続有りを検出するとブリッジとして機能するので、家庭内ネットワークにルータが2台(ホームゲートウェイ500及び可搬型ネットワーク接続装置10)存在することを回避できる。それゆえ、クライアントCL1は、家庭内ネットワーク以外のネットワークにデータを送信する際に、いずれのルータをゲートウェイとして利用したら良いかを特定できるので、可搬型ネットワーク接続装置10を介したデータのやりとりを正常に行うことができる。
【0077】
加えて、可搬型ネットワーク接続装置10は、可搬型ネットワーク接続装置10がホームゲートウェイ500に接続されていないことを検出すると(すなわち、第2,3の接続態様を検出すると)、転送処理部121の動作モードを第2の動作モードに設定し(切り替え)、ルータとして機能し、適切な役割を果たすことができる。すなわち、第1実施例の可搬型ネットワーク接続装置10は、本体100がクレードル200に接続されているが、クレードル200がクライアントCL1と接続されている状態(第2の接続態様)、及び本体100がクレードル200から取り外されて本体100とクライアントCL1とがいずれも家庭内ネットワークから離脱した状態(第3の接続態様)において、ルータとして機能するので、クライアントCL1は、インターネット接続するためのゲートウェイとなるルータとして本体100を特定でき、データのやりとりを正常に行うことができる。
【0078】
また、可搬型ネットワーク接続装置10とホームゲートウェイ500との接続の有無を、本体100がクレードル200と接続されているか否か(ステップS105)、及び切り替えスイッチ230の状態は「Internet」状態であるか否か(ステップS115)の2つの判定で決定できるので、可搬型ネットワーク接続装置10とホームゲートウェイ500との接続の有無を正確に検出することができると共に、少ない工程で接続の有無を決定するので、動作モード切り替え処理に要する期間を短くすることができる。
【0079】
また、第3の接続態様から、ユーザが本体100を家庭内に持ち帰り、クレードル200に接続して第1の接続態様となった場合に、自動的に第2動作モード(ルータモード)から第1動作モード(ブリッジモード)に切り替わるので、ユーザは、特別な操作を行うことなく簡便な方法で、可搬型ネットワーク接続装置10の動作モードを設定する(切り替える)ことができる。
【0080】
B.第2実施例:
図11は、第2実施例における可搬型ネットワーク接続装置の内部構成を示す説明図である。図12は、第2実施例における動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャートである。第2実施例の可搬型ネットワーク接続装置10aは、図11に示すように、CPU120がユーザインタフェース(UI)処理部125としても機能する点と、図12に示すように、動作モード切り替え処理において、ステップS117を加えて実行する点とにおいて、図4に示す第1実施例の可搬型ネットワーク接続装置10と異なり、他の構成は第1実施例と同じである。
【0081】
図11に示すユーザインタフェース処理部125は、本体100に接続される管理用端末(パーソナルコンピュータ等)にメニュー画面を提供し、また、管理用端末から投入されるコマンド(指示)を解釈して、各機能部121〜124に通知する。
【0082】
図12に示すように、第2実施例では、切り替えスイッチ230の状態が、「Internet」の状態である場合(ステップS115:YES)、転送制御部122は、ユーザインタフェース処理部125を制御して、ユーザによる設定が第2動作モードであるか否かを判定する(ステップS117)。
【0083】
図13は、第2実施例におけるポートに関する設定メニュー画面を示す説明図である。この設定メニュー画面W1は、ユーザインタフェース処理部125によって図示しない管理端末に表示される。設定メニュー画面W1は、可搬型ネットワーク接続装置10aの動作モードを選択するためのプルダウンメニューB1と、IPアドレス取得方法に関する設定を行うフィールドと、設定ボタンB2とを備えている。プルダウンメニューB1には、動作モードの候補として、第1動作モード(ブリッジモード)と、第2動作モード(ルータモード)とが表示され、図13の例では、第1動作モードが選択されている。この状態で設定ボタンB2が押されると、可搬型ネットワーク接続装置10a(転送処理部121)の動作モードとして、第1動作モードが設定される。すなわち、ユーザインタフェース処理部125は、設定メニュー画面W1を用いて設定された動作モードについての情報を、ROM171に書き込む。
【0084】
ユーザによる設定が第2動作モードでないと判定した場合(ステップS117:NO)、すなわち、ユーザによる設定が第1動作モードの場合、前述のステップS120が実行され、転送処理部121の動作モードは第1動作モード(ブリッジモード)となる。これに対し、ユーザによる設定が第2動作モードであると判定した場合(ステップS117:YES)、前述のステップS125が実行され、転送処理部121の動作モードは第2動作モード(ルータモード)となる。このように、第1実施例とは異なり、切り替えスイッチ230の状態が「Internet」の場合であっても、ユーザ設定が第2動作モードである場合にはこちらを優先させて、転送処理部121の動作モードを第2動作モードとするのは、後述する第4の接続態様に対応するためである。
【0085】
図14は、第2実施例の可搬型ネットワーク接続装置による第4の接続態様を示す説明図である。この第4の接続態様は、ホームゲートウェイ500に代えて、ONU(Optical Network Unit)600が、LANケーブルLCaの一端(ポート220と接続された端とは反対の端)に接続されている点において、図5に示す第1の接続態様と異なり、他の構成は、第1の接続態様と同じである。
【0086】
第4の接続態様において、ポート220には、外部ネットワーク側の装置、換言すると、クライアントCL1とは異なる他の装置(この場合ONU600)が接続されるので、切り替えスイッチ230の状態は、第1の接続態様と同様に「Internet」となっている。しかしながら、第4の接続態様では、家庭内ネットワークにはルータ(ホームゲートウェイ)が存在していない。したがって、このままではインターネットに接続するために利用するルータ(ゲートウェイ)が分からず、クライアントCL1は、インターネット接続が不可能となってしまう。そこで、このような接続態様とする場合には、ユーザは、前述の設定メニュー画面W1において動作モードを「第2動作モード」に設定することで、切り替えスイッチ230の状態に関わらず、可搬型ネットワーク接続装置10a(転送処理部121)の動作モードを第2動作モード(ルータモード)に設定することができる。
【0087】
以上の構成を有する第2実施例の可搬型ネットワーク接続装置10aは、第1実施例の可搬型ネットワーク接続装置10と同様の効果を有する。加えて、可搬型ネットワーク接続装置10aは、ユーザに対して可搬型ネットワーク接続装置10a(転送処理部121)の動作モードを指定するための設定メニュー画面W1(ユーザインタフェース)を提供する。したがって、ユーザは、設定メニュー画面W1を用いて動作モードを第2動作モードに設定することにより、可搬型ネットワーク接続装置10aに適切な役割を果たさせることができる。その結果、第4の接続態様においても、クライアントCL1にゲートウェイとなるルータを特定させることができ、データのやりとりを正常に行わせることができる。
【0088】
なお、第2の実施例において、ユーザインタフェース処理部125及び設定メニュー画面W1は、請求項におけるユーザインタフェースに相当する。
【0089】
C.第3実施例:
図15は、第3実施例の可搬型ネットワーク接続装置による第5の接続態様を示す説明図である。図16は、第3実施例における動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャートである。第3実施例の可搬型ネットワーク接続装置は、ホームゲートウェイ500と無線接続する点と、動作モード切り替え処理の具体的な処理内容において、第1実施例の可搬型ネットワーク接続装置10と異なり、他の構成は第1実施例と同じである。
【0090】
図15に示す第5の接続態様は、ホームゲートウェイ500と可搬型ネットワーク接続装置10(本体100)とが無線LANにより接続されている。具体的には、本体100は、無線WAN制御回路175を用いて無線LANクライアントとして機能し、ホームゲートウェイ500は、無線LANアクセスポイントとして機能する。この構成では、ホームゲートウェイ500は、無線LANインタフェースを有している。なお、本体100は、クライアントCL1との関係では、無線LAN制御回路174を用いて無線LANアクセスポイントとして機能する。第3実施例の可搬型ネットワーク接続装置10は、図16に示す動作モード切り替え処理を実行することにより、図15に示す第5の接続態様においてブリッジとして機能する。
【0091】
第3実施例の可搬型ネットワーク接続装置10では、起動後に動作モード切り替え処理が実行される。可搬型ネットワーク接続装置10が起動されると、転送制御部122は、無線LANアクセスポイントとの間の接続状態に変更があるまで待機し(ステップS205)、無線LANアクセスポイントとの間の接続状態に変更があった場合には(ステップS205:YES)、転送制御部122は、接続状態の変更が、無線LANアクセスポイントとの間の接続の新たな発生であるか否かを判定する(ステップS210)。可搬型ネットワーク接続装置10の起動後に、無線WAN制御回路175は、無線LANアクセスポイントからビーコンを受信して、RSSI(Received Signal Strength Indication)値を検出する。そこで、転送制御部122は、このRSSI値が所定値よりも低い値から、所定以上に変化した場合に「無線LANアクセスポイントとの間に新たな接続が生じた」と判断し、RSSI値が所定値以上から、所定値よりも低い値に変化した場合に「無線LANアクセスポイントとの間の既存の接続が切断された」と判断することができる。
【0092】
無線WAN制御回路175を用いて無線LANアクセスポイントとの間の新たな接続が発生する場合、可搬型ネットワーク接続装置10における図示しない初期化シーケンス実行部は、無線LANアクセスポイント(図15の例ではホームゲートウェイ500)との間で初期化シーケンスを実行する。この初期化シーケンスでは、例えば、ESSIDや暗号化方式などの情報が、可搬型ネットワーク接続装置10とホームゲートウェイ500との間でやりとりされ、候補プロファイルPFのうちから、無線通信に用いられるプロファイル(利用プロファイル)が決定される。
【0093】
そこで、転送制御部122は、無線LANアクセスポイントとの間の新たな接続が生じたと判定すると(ステップS210:YES)、無線WAN制御回路175により決定された利用プロファイルが、特定のプロファイルであるか否かを判定する(ステップS215)。具体的には、決定された利用プロファイルは、可搬型ネットワーク接続装置10(転送処理部121)がブリッジとして機能すべきであると予め指定(設定)されているプロファイルであるか否かを判定する。そして、利用プロファイルが特定のプロファイルである場合(ステップS215:YES)、転送制御部122は、転送処理部121の動作モードを第1動作モード(ブリッジモード)とし(ステップS220)、利用プロファイルが特定のプロファイルでない場合(ステップS215:NO)、転送制御部122は、転送処理部121の動作モードを第2動作モード(ルータモード)とする(ステップS225)。
【0094】
図17は、第3実施例における候補プロファイルPFの設定内容を模式的に示す説明図である。図17の例では、候補プロファイルPFとして3つのプロファイルが格納されている。各プロファイルは、番号,プロファイル名,ブリッジ固定,使用インタフェース(I/F),詳細設定の各情報を含んでいる。これらの情報は、ユーザによって管理端末などを用いて予め設定されている。
【0095】
これらの各情報のうち、プロファイル名は、各プロファイルを特定するための情報であり、ユーザにより自由に設定される。ブリッジ固定は、「ON」の場合に、可搬型ネットワーク接続装置10がブリッジとして固定的に機能する(通信相手などの条件に関わらず常にブリッジとして機能する)ことを意味し、「OFF」の場合に、可搬型ネットワーク接続装置10がブリッジとして固定的に機能しない(ルータとして機能するが、通信相手などの条件によってはブリッジとして機能する場合もある)ことを意味する情報である。使用インタフェース(I/F)は、無線通信の際に用いるべきインタフェース種別を意味する情報である。詳細設定は、無線通信相手に応じて異なる情報となり、例えば、番号「1」のプロファイルでは、ESSID,暗号化方式,暗号鍵,MAC(アドレス)が設定されている。なお、この番号「1」のプロファイルは、プロファイル名からも理解できるように、ホームゲートウェイ500との無線接続用に、ユーザが予め設定したものである。
【0096】
上述のステップS215では、転送制御部122は、利用プロファイルのブリッジ固定情報が、「ON」である場合に特定プロファイルであると判定し、「OFF」である場合に特定プロファイルではないと判定する。
【0097】
したがって、図15に示すように、ホームゲートウェイ500が無線LANアクセスポイントとして発見され(無線LANアクセスポイントとしてのホームゲートウェイ500との間の新たな接続が生じ)、利用プロファイルとして、図17に示す番号「1」のプロファイルが決定されると、ブリッジ固定が「ON」であるので、可搬型ネットワーク接続装置10はブリッジとして機能する。換言すると、可搬型ネットワーク接続装置10(本体100)は、候補プロファイルPFの中から決定されたプロファイルに基づき、可搬型ネットワーク接続装置10(本体100)とホームゲートウェイ500との接続を検出することができ、この場合、自らをブリッジとして機能させる。このようにして、第5の接続態様においても、家庭内ネットワークにルータが2台存在することを抑制できる。
【0098】
前述のステップS210において、無線LANアクセスポイントとの間の新たな接続の発生でない(すなわち、既存の接続の切断である)と判定すると(ステップS210:NO)、転送制御部122は、転送処理部121の動作モードを第2動作モード(ルータモード)とする(ステップS225)。無線LANアクセスポイントとの間の既存の接続が切断された場合には、本体100がホームゲートウェイ500から離れた位置に配置された、すなわち、ルータが存在しない環境に配置されたと推定されるので、本実施例では、この場合には、転送処理部121の動作をルータとして動作させ、本体100を介してクライアントCL1がインターネット接続できるようにする。
【0099】
以上の構成を有する第3実施例の可搬型ネットワーク接続装置10(本体100)は、第1実施例の可搬型ネットワーク接続装置10と同様な効果を有する。加えて、ホームゲートウェイ500が無線LANアクセスポイントとして機能し、本体100とホームゲートウェイ500とが無線通信する構成においても、決定された利用プロファイルに基づき、可搬型ネットワーク接続装置10(本体100)とホームゲートウェイ500との接続を検出することができる。したがって、可搬型ネットワーク接続装置10(本体100)を、ホームゲートウェイ500との間の接続を検出した場合にはブリッジとして、ホームゲートウェイ500との間の接続の切断を検出した場合にはルータとして、それぞれ適切な役割を果たさせることができる。
【0100】
D.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0101】
D1.変形例1:
各実施例における可搬型ネットワーク接続装置10,10aの構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施例では、本体100のクレードル接続インタフェース180とクレードル200の本体接続インタフェース280とが、USB規格に則って情報のやり取りを行うとしているが、本体100とクレードル200との間の情報のやり取りはUSBとは異なる他の規格に則って行われるとしてもよい。
【0102】
また、上記実施例において、無線LAN制御回路174や無線WAN制御回路175は、IEEE802.11a/b/gに準拠した無線LANに限らず、将来的に利用可能となる無線LAN一般により無線通信を行う無線通信インタフェースであるとしてもよい。また、移動体通信制御回路176は、3G/HSPAに準拠した移動体通信に限らず、例えばLTEや次世代モバイルWiMAX(IEEE802.16m)、次世代PHS(XGP:eXtended Global Platform)といった将来的に利用可能となる移動体通信一般により無線通信を行う無線通信インタフェースであるとしてもよい。
【0103】
また、上記実施例では、本体100が無線LAN制御回路174と無線WAN制御回路175と移動体通信制御回路176との3種類の無線通信インタフェースを含むとしているが、本体100が3種類の無線通信インタフェースの内の1種類あるいは2種類のみを含むとしてもよいし、本体100が4種類以上の無線通信インタフェースを含むとしてもよい。あるいは、本体100が同じ種類の無線通信インタフェースを複数含むとしてもよい。また、本発明は、無線LANや移動体通信に限らず、所定の無線通信ネットワークにおける無線通信一般に適用することができる。
【0104】
また、上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、データを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
【0105】
D2.変形例2:
第1実施例では、動作モード切り替え処理において、第1動作モード(ブリッジモード)が選択されるのは、本体100がクレードル200に接続され(ステップS105:YES)、かつ、切り替えスイッチ230の状態が「Internet」である(ステップS115:YES)の場合であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、クレードル200が切り替えスイッチ230を備えず、ポート220が常に外部ネットワーク側のポート(すなわち、ホームゲートウェイ500との接続に用いられるポート)として用いられる構成においては、ステップS115を省略して、本体100がクレードル200に接続されている場合には、第1動作モードが選択される構成を採用することもできる。
【0106】
また、例えば、クレードル200がポート220を備えず、本体100がポート220を備える構成、或いは、本体100とクレードル200とが一体化されている構成においては、本体100がクレードル200に接続されているか否かの判定に代えて、ポート220にLANケーブルが装着されているか否かの判定を行うこともできる。この構成では、ポート220にLANケーブルが装着されていると判定する場合に第1動作モードが選択されることとなる。なお、本体100がポート220を備える構成においては、本体100が請求項における可搬型ネットワーク接続装置に相当する。また、本体100とクレードル200とが一体化された構成においては、この一体化された装置が請求項における可搬型ネットワーク接続装置に相当する。
【0107】
また、例えば、第2実施例において切り替えスイッチ230を省略した構成を採用する場合、本体100がクレードル200に接続されているか否かの判定(ステップS105)と、ユーザ設定内容の判定(ステップS117)とを行い、切り替えスイッチ230の状態の判断(ステップS115)を省略することもできる。具体的には、本体100がクレードル200に接続され、かつ、ユーザ設定が第1動作モードである場合に、転送処理部121の動作モードを第1動作モード(ブリッジ)とし、本体100がクレードル200から取り外されている、または、ユーザ設定が第2動作モードである場合に、転送処理部121の動作モードを第2動作モード(ルータ)とすることもできる。このような構成においても、第2実施例と同様な効果を有する。すなわち、図14に示す第4の接続態様のように、クレードル200にONU600など、ルータ以外の装置が接続される場合に、ユーザは、設定メニュー画面W1を用いて可搬型ネットワーク接続装置10をルータとして機能させることができる。また、図5に示す第1の接続態様のように、クレードル200にホームゲートウェイ500が接続される場合に、ユーザは、設定メニュー画面W1を用いて可搬型ネットワーク接続装置10をブリッジとして機能させることができる。加えて、切り替えスイッチ230を省略するので、可搬型ネットワーク接続装置10の製造コストを抑えることができる。
【0108】
D3.変形例3:
各実施例では、家庭内ネットワークに存在する可搬型ネットワーク接続装置10を除く他のルータは、ホームゲートウェイ500であったが、本発明はこれに限定されるものではない。VoIP等の機能を有さず、パケットを中継する(ルーチングを行う)専用機を、ルータとして採用することもできる。また、家庭内ネットワークに代えて、企業内のネットワークにおいて、本発明を適用することもできる。
【0109】
D4.変形例4:
第3実施例の第5の接続態様では、図15に示すように、本体100はクレードル200と接続されていなかったが、これに代えて、本体100がクレードル200と接続される構成を採用することもできる。この構成においては、例えば、クレードル200は、本体100に対する単なる充電器(又はスタンド)として機能し、クライアントCL1と本体100との間、及び本体100とホームゲートウェイ500との間は、いずれも無線通信を行う構成を採用することができる。
【0110】
また、第5の接続態様において、本体100がクレードル200に接続され、かつ、クライアントCL1と可搬型ネットワーク接続装置10(クレードル200)とがLANケーブルLCaで接続される構成を採用することもできる。この構成においては、切り替えスイッチ230の状態は「Lan」となるが、本体100とホームゲートウェイ500との無線通信において、特定のプロファイルを利用する際には、切り替えスイッチ230の状態に関わらず、可搬型ネットワーク接続装置10(転送処理部121)をルータとして機能させることが好ましい。このようにすることで、第3実施例と同様な効果を奏することができる。
【0111】
D5.変形例5:
第3実施例では、候補プロファイルPFに含まれる各プロファイルは、詳細設定情報として、複数の情報を含んでいたが、1つの情報のみを含む構成を採用することもできる。例えば、各プロファイルとして、ESSIDのみを含む構成を採用することもできる。また、第3実施例では、可搬型ネットワーク接続装置10とホームゲートウェイ500との接続を、特定のプロファイルが利用されたか否かにより判定していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ホームゲートウェイ500のESSIDを、特定ESSIDとして予め設定しておき、この特定ESSIDを用いて無線接続したか否かにより、ホームゲートウェイ500と可搬型ネットワーク接続装置10との接続を判定することもできる。
【0112】
また、第3実施例における特定のプロファイルの利用有無の判定に加えて、第1,2実施例の判定、すなわち、本体100とクレードル200との接続の有無の判定及び切り替えスイッチ230の状態の判定と、ユーザ設定の内容の判定とのうち、少なくとも一方を行い、それらの判定結果に応じて動作モードを設定する(切り替える)こともできる。この場合、各判定結果に優先度を設けることもできる。例えば、すべての判定を実行する構成を採用し、かつ、特定のプロファイルの利用有無の判定結果を、本体100とクレードル200との接続の有無の判定及び切り替えスイッチ230の状態の判定結果よりも優先させることもできる。この構成において、例えば、本体100がクレードル200に接続され、切り替えスイッチ230の状態が「Lan」であり、かつ、特定のプロファイルが利用されたと判定された場合、可搬型ネットワーク接続装置10(転送処理部121)の動作モードは、第1動作モード(ブリッジモード)となる。この構成においても、可搬型ネットワーク接続装置10を介したデータのやりとりを正常に行わせることができる。
【0113】
D6.変形例6:
第2実施例では、本体100がクレードル200に接続されている場合において、以下の3つの状態を、切り替えスイッチ230の状態及びユーザ設定により判別していた。すなわち、(状態1)切り替えスイッチ230の状態が「Internet」であり、ユーザ設定が「第1動作モード(ブリッジモード)」である状態、(状態2)切り替えスイッチ230の状態が「Internet」であり、ユーザ設定が「第2動作モード(ルータモード)」である状態、(状態3)切り替えスイッチ230の状態が「Lan」である状態、をスイッチ230の状態及びユーザ設定により判別していた。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、切り替えスイッチ230に代えて、上記3つの状態(状態1〜状態3)を、それぞれ切り替える3ステートスイッチを、クレードル200に設ける構成を採用することもできる。この場合、この3ステートスイッチの状態のみにより、上記3つの状態のいずれの状態であるかを識別することができる。したがって、動作モード決定の判断が短期間で行えると共に、スイッチを操作するだけで動作モードを指定できるので、利便性を向上させることができる。なお、3ステートスイッチを採用する構成においては、この3ステートスイッチが請求項におけるユーザインタフェースに相当する。
【0114】
また、3つの状態(状態1〜3)に代えて、4つの状態を、切り替えスイッチ230及びユーザ設定、または、4ステートスイッチにより識別する構成を採用し得る。具体的には、上記状態1〜3に加えて、切り替えスイッチ230の状態が「Internet」であり、ユーザ設定が「第1動作モード(ブリッジモード)」である状態(状態4)を、スイッチ230及びユーザ設定、または、4ステートスイッチにより識別させることもできる。スイッチ230及びユーザ設定によりこれら4つの状態を識別させる場合、設定メニュー画面W1と同様な設定画面を、無線LAN制御回路174の設定用画面として利用することができる。
【0115】
また、上述した3ステートスイッチまたは4ステートスイッチや、切り替えスイッチ230などの物理的なスイッチに代えて、ソフトウェアスイッチによって、上記3つの状態を切り替えることもできる。具体的には、管理用端末に表示された可搬型ネットワーク接続装置10,10a用の各種設定メニュー画面(例えば、WEB画面)において、これら3つの状態のうちいずれかの状態を選択して設定することもできる。この構成では、設定メニュー画面が請求項におけるユーザインタフェースに相当する。
【0116】
D7.変形例7:
動作モード切り替え処理が開始されるタイミングは、第1,2実施例では、可搬型ネットワーク接続装置10とクレードル200との接続状態に変化が生じた時点であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、可搬型ネットワーク接続装置10,10aの起動後、定期的に動作モード切り替え処理を実行させることもできる。または、ユーザが何らかの操作を行った場合に動作モード切り替え処理を実行させることもできる。このようなユーザの操作としては、例えば、本体100やクレードル200が備えるスイッチの操作や、可搬型ネットワーク接続装置10,10aに接続された管理端末における操作(動作切り替え処理実行メニューの選択など)を採用することができる。
【0117】
D8.変形例8:
各実施例では、切り替えスイッチ230は、クレードル200に配置されていたが、クレードル200に代えて、本体100が備える構成とすることもできる。この構成では、切り替えスイッチ230の状態をCPU120に通知するための制御線を、本体100とクレードル200との間に配置することを要さないので、クレードル接続インタフェース180及び本体接続インタフェース280の構成をシンプルにすることができる。また、各実施例において、切り替えスイッチ230は、スライドスイッチであったが、本発明はこれに限定されるものではない。スライドスイッチに代えて、押しボタンスイッチやロータリースイッチなど、任意の物理的なスイッチを採用することもできる。
【0118】
D9.変形例9:
各実施例では、各種条件(本体100のクレードル200との接続の有無,スイッチ230の状態,ユーザ設定,利用プロファイル)に応じて、第1動作モードから第2動作モードへ、また、第2動作モードから第1動作モードへ、いずれの方向にも動作モードは切り替えられ得たが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、動作モード切り替え処理では、第2動作モードから第1動作モードへの一方方向の切り替えのみを実行し、逆方向の切り替え(第1動作モードから第2動作モードへの切り替え)は実行しない構成を採用することもできる。この場合であっても、例えば、本体100を家庭内ネットワークの外に持ち出す際には、ユーザが特別な操作を行って手動でモードを切り替えることにより、本体100をルータとして機能させる(転送処理部121を第2動作モードで動作させる)ことができる。また、例えば、動作モード切り替え処理では、第1動作モードから第2動作モードへの一方方向の切り替えのみを実行し、逆方向の切り替え(第2動作モードから第1動作モードへの切り替え)は実行しない構成を採用することもできる。この場合であっても、例えば、本体100をホームゲートウェイ500のある家庭内ネットワークに接続する際には、ユーザが特別な操作を行って手動でモードを切り替えることにより、本体100をブリッジとして機能させる(転送処理部121を第1動作モードで動作させる)ことができる。すなわち、一般には、検出部によりルータとの接続有りと検出されると、パケット転送処理部の動作モードを第1の動作モードに設定する動作モード制御部を有する可搬型ネットワーク接続装置、または、検出部によりルータとの接続無しと検出されると、パケット転送処理部の動作モードを第2の動作モードに設定する動作モード制御部を有する可搬型ネットワーク接続装置を、本発明の可搬型ネットワーク接続装置として採用することができる。
【符号の説明】
【0119】
10,10a…可搬型ネットワーク接続装置
100…本体
120…CPU
121…転送処理部
121b…ブリッジ機能部
121r…ルータ機能部
122…転送制御部
123…切替監視部
124…接続監視部
125…ユーザインタフェース処理部
171…ROM
PF…候補プロファイル
172…RAM
173…USBデバイスインタフェース
174…無線LAN制御回路
175…無線WAN制御回路
176…移動体通信制御回路
180…クレードル接続インタフェース
200…クレードル
210…LAN制御回路
220…ポート
230…切り替えスイッチ
280…本体接続インタフェース
500…ホームゲートウェイ
CL1…クライアント
W1…設定メニュー画面
B1…プルダウンメニュー
B2…設定ボタン
600…ONU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルータと有線接続又は無線接続が可能な可搬型ネットワーク接続装置であって、
ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとのうち、いずれかの動作モードに設定されて動作するパケット転送処理部と、
前記可搬型ネットワーク接続装置における前記ルータとの接続の有無を検出する検出部と、
前記検出部により前記ルータとの接続有りと検出されると、前記パケット転送処理部の動作モードを第1の動作モードに設定する動作モード制御部と、
を備える、可搬型ネットワーク接続装置。
【請求項2】
ルータと有線接続又は無線接続が可能な可搬型ネットワーク接続装置であって、
ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとのうち、いずれかの動作モードに設定されて動作するパケット転送処理部と、
前記可搬型ネットワーク接続装置における前記ルータとの接続の有無を検出する検出部と、
前記検出部により前記ルータとの接続無しと検出されると、前記パケット転送処理部の動作モードを第2の動作モードに設定する動作モード制御部と、
を備える、可搬型ネットワーク接続装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の可搬型ネットワーク接続装置において、さらに、
本体部と、
前記ルータと有線接続可能であり、かつ、前記本体部に着脱自在に接続可能な付属部と、
を備え、
前記本体部は、少なくとも前記パケット転送処理部を有し、
前記検出部は、前記本体部が前記付属部に接続されていることを検出することにより、前記ルータとの接続有りを検出し、前記本体部が前記付属部に接続されていないことを検出することにより、前記ルータとの接続無しを検出する、可搬型ネットワーク接続装置。
【請求項4】
請求項3に記載の可搬型ネットワーク接続装置において、
前記可搬型ネットワーク接続装置は、クライアントと接続可能であり、
前記付属部は、
ネットワークケーブルを接続するポートと、
前記ポートの機能を、前記クライアントと接続するためのポートとしての機能と、前記クライアントとは異なる他の装置と接続するためのポートとしての機能とのうち、いずれかに切り替えるための切り替え用スイッチを有し、
前記検出部は、
前記本体部が前記付属部に接続されていることを検出し、かつ、前記切り替え用スイッチにより設定された前記ポートの機能が前記他の装置と接続するためのポートとしての機能であることを検出することにより、前記ルータとの接続有りを検出し、
前記本体部が前記付属部に接続されていないことを検出し、または、前記切り替え用スイッチにより設定された前記ポートの機能が前記クライアントと接続するためのポートとしての機能であることを検出することにより、前記ルータとの接続無しを検出する、可搬型ネットワーク接続装置。
【請求項5】
請求項4に記載の可搬型ネットワーク接続装置において、
前記本体部は、前記パケット転送処理部の動作モードを、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードのいずれとするかを指定するためのユーザインタフェースを有し、
前記検出部は、
前記本体部が前記付属部に接続されたことを検出し、かつ、前記切り替え用スイッチにより設定された前記ポートの機能が前記他の装置と接続するためのポートとしての機能であることを検出し、かつ、前記ユーザインタフェースにより指定された前記パケット転送処理部の動作モードが前記第1の動作モードである場合に、前記ルータとの接続有りを検出し、
前記本体部が前記付属部から離脱されたことを検出し、または、前記切り替え用スイッチにより設定された前記ポートの機能が前記クライアントと接続するためのポートとしての機能であることを検出し、または、前記ユーザインタフェースにより指定された前記パケット転送処理部の動作モードが前記第2の動作モードである場合に、前記ルータとの接続無しを検出する、可搬型ネットワーク接続装置。
【請求項6】
請求項3に記載の可搬型ネットワーク接続装置において、
前記本体部は、前記パケット転送処理部の動作モードを、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードのいずれとするかを指定するためのユーザインタフェースを有し、
前記検出部は、
前記本体部が前記付属部に接続されていることを検出し、かつ、前記ユーザインタフェースにより指定された前記パケット転送処理部の動作モードが前記第1の動作モードである場合に、前記ルータとの接続有りを検出し、
前記本体部が前記付属部から離脱されたことを検出し、または、前記ユーザインタフェースにより指定された前記パケット転送処理部の動作モードが前記第2の動作モードである場合に、前記ルータとの接続無しを検出する、可搬型ネットワーク接続装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の可搬型ネットワーク接続装置において、さらに、
少なくとも前記ルータと無線接続するための無線接続インタフェース部と、
前記無線接続インタフェース部が無線接続を行う際に用いるプロファイルの候補である候補プロファイルと、
を備え、
前記検出部は、前記無線接続インタフェース部が無線接続を行う際に用いるプロファイルが、前記候補プロファイルのうち、前記ルータとの無線接続用の所定のプロファイルであるか否かを判定し、前記無線接続インタフェース部が無線接続を行う際に用いるプロファイルが前記所定のプロファイルであると判定した場合に前記ルータとの接続有りを検出し、前記無線接続インタフェース部が無線接続を行う際に用いるプロファイルが前記所定のプロファイルでないと判定した場合に前記ルータとの接続無しを検出する、可搬型ネットワーク接続装置。
【請求項8】
請求項7に記載の可搬型ネットワーク接続装置において、
前記プロファイルは、少なくとも、ESSIDを含む、可搬型ネットワーク接続装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の可搬型ネットワーク接続装置において、さらに、
移動体通信網における無線通信を行う移動体通信網制御部を備える、可搬型ネットワーク接続装置。
【請求項10】
ルータと有線接続又は無線接続が可能でありパケットを転送する可搬型ネットワーク接続装置において、パケットの転送の動作モードを設定する方法であって、
前記可搬型ネットワーク接続装置は、前記動作モードとして、ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとを有し、
(a)前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続の有無を検出する工程と、
(b)前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続有りが検出されると、前記動作モードを前記第1の動作モードに設定する工程と、
を備える、方法。
【請求項11】
ルータと有線接続又は無線接続が可能でありパケットを転送する可搬型ネットワーク接続装置において、パケットの転送の動作モードを設定する方法であって、
前記可搬型ネットワーク接続装置は、前記動作モードとして、ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとを有し、
(a)前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続の有無を検出する工程と、
(b)前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続無しが検出されると、前記動作モードを前記第2の動作モードに設定する工程と、
を備える、方法。
【請求項12】
ルータと有線接続又は無線接続が可能でありパケットを転送する可搬型ネットワーク接続装置において、パケットの転送の動作モードを設定するプログラムであって、
前記可搬型ネットワーク接続装置は、前記動作モードとして、ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとを有し、
前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続の有無を検出する機能と、
前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続有りが検出されると、前記動作モードを前記第1の動作モードに設定する機能と、
を前記可搬型ネットワーク接続装置が有するコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項13】
ルータと有線接続又は無線接続が可能でありパケットを転送する可搬型ネットワーク接続装置において、パケットの転送の動作モードを設定するプログラムであって、
前記可搬型ネットワーク接続装置は、前記動作モードとして、ブリッジ機能部として動作する第1の動作モードとルータ機能部として動作する第2の動作モードとを有し、
前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続の有無を検出する機能と、
前記可搬型ネットワーク接続装置において、前記ルータとの接続無しが検出されると、前記動作モードを前記第2の動作モードに設定する機能と、
を前記可搬型ネットワーク接続装置が有するコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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