説明

可撓性フォーマを有する超電導ケーブル

【課題】交流損失の少ない可撓性酸化物超電導ケーブルを提供する。
【解決手段】安定化金属で被覆したテープ状超電導線を可撓性フォーマ13に巻き付ける。前記超電導線は、曲げひずみが0.2%を越えないように前記フォーマに配置することが好ましい。フォーマに配置する際、数本のテープ状超電導線を心材に並列配置することにより、第1層を形成する。所定数のテープ状超電導線を前記第1層上に並列配置することにより、第2層を形成する。前記フォーマは、金属、プラスチック、強化プラスチック、重合体、または複合体から製造でき、前記超電導線およびケーブルに可撓性を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓酸化物超電導体を使用する超電導ケーブルに関する。特に超電導ケーブルの形成に関する。
【背景技術】
【0002】
超電導物質は、臨界温度以下において電気抵抗がゼロ(1uv/cm)に近づく物質である。この臨界温度は、物質に依存する。超電導は、臨界表面内で定義される。すなわち温度、電流、および磁界を軸とするグラフまたは図において定義される。従って、所定の使用温度について、定義された臨界電流曲線が存在する。この臨界電流は、超電導体が発生するあるいは超電導体に印加する磁界の関数である。
【0003】
最も良く知られている超電導物質は、NbTiおよびNbSnである。しかしながら、これら物質の使用温度は、わずかに4.2Kである。これは液体ヘリウムの沸騰温度である。これが大きな制限となり、これら超電導物質を大規模に応用できない。従って、これら超電導体は、ほとんど磁石巻線だけに使用されている。線(NbTiおよびNbSn)またはテープ(NbSn)から製造し高い臨界電流密度(NbTiでは3500A/mm5テスラ)を提供する巻線を用いた小型磁石は、大容量の高磁界(18テスラまで)を作り出す。
【0004】
このような超電導体磁石は、核磁気共鳴(MRI)による医療用画像の形成や、同じ原理(NMR)による物質分析に使用する。例えば鉱石分離用磁石、高磁界研究用磁石などがある。また大型粒子加速器(SSC、HERA、KEK等)などに使用する。
【0005】
より高い臨界温度を有する酸化物超電導体が、1986年に発見された。これらは、金属間化合物であり、金属酸化物および希土類を含み、ペロブスカイト(マイカ)結晶構造を有する。これら物質の臨界温度は、30Kから室温に近い値まで様々であり、それらの臨界磁界は60テスラ以上である。従ってこれら物質は、有望視され、磁石製造においてNbTiおよびNbSnに置き換わると考えられ、液体ヘリウムでは実現できない例えば送電のような分野への応用が期待される。このような物質は、これまで線、ケーブル、フィルム、テープ、シートとしては利用できなかった。酸化物超電導体は、液体窒素温度において超電導状態に入るため、液体窒素の冷却媒質を有する超電導ケーブルへの応用に有利と思われる。このような分野において、酸化物超電導体は、液体ヘリウムを必要とする超電導ケーブルに比べ、断熱システムの簡素化および冷却コストの削減を同時に実現できる。
【0006】
超電導ケーブルは、小型導体において高い電流を低いエネルギ損失で送電できなければならない。一般に送電は、交流で行う。交流で使用する超電導体は、一般に交流損失と呼ぶエネルギ損失を避けられない。交流損失は、ヒステリシス損失、結合損失、渦電流損失等であり、超電導体の臨界電流密度、フィラメントサイズ、導体構造等に依存する。
【0007】
金属超電導体を用いて様々なタイプの超電導ケーブルが試作され、交流損失を減らすための構造が研究されてきた。例えば、通常の導体の外周に複合マルチフィラメント超電導体を螺旋状に巻き付けた超電導体が試作された。これは、複合マルチフィラメント超電導体の層を時計方向および反時計方向に巻き付け、交互に重ね合わせて形成する。導体の巻き方向は、各層ごとに異ならせ、導体内に発生する磁界を減少させ、インピーダンスを減らし、電流搬送能力を増加させる。この導体は、各層間に高抵抗層または絶縁層を有する。
【0008】
酸化物超電導体を用いてケーブル導体を作成する場合、金属超電導体の技術は使えない。酸化物超電導体すなわちセラミック超電導体は、金属超電導体に比べ、機械的ひずみにもろく、弱い。例えば一従来例の開示によれば、通常導体に超電導体を螺旋状に巻き付け、巻きピッチを各超電導体の直径に等しくする。しかしながら銀シースで被覆した酸化物超電導体からなる超電導線をそのように短いピッチで巻き付けると、酸化物超電導体が破損し、電流を遮断する可能性が高い。酸化物超電導線を極端に曲げると、臨界電流が極めて低くなる。
【0009】
ケーブル導体は、取り扱い易くするため、ある程度可撓性がなければならない。固くもろい酸化物超電導体から可撓ケーブル導体を製造することは難しい。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、可撓性を有し優れた超電導性を示し、特に高い臨界電流と高い臨界電流密度とを示す酸化物超電導体からなる超電導ケーブルを提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、交流損失が少ない超電導ケーブルを提供することである。
【0012】
本発明に基づく超電導ケーブルは、酸化物超電導体を使用する。このケーブルは、可撓心材と、当該心材に巻いた複数のテープ状酸化物超電導線とを備える。前記超電導線間あるいは前記心材と前記超電導線との間には、電気絶縁層を介在させない。本発明において、前記酸化物超電導線の各々は、基本的に酸化物超電導体とそれを被覆する安定化金属とから形成する。前記心材上に配置した前記複数のテープ状超電導線は、複数の層を形成する。各層は、複数の前記テープ状超電導線を並列配置して形成する。これら複数の層は、前記心材上に連続して積み重ねる。前記心材は、本発明の超電導ケーブルに可撓性を付与する。本発明に基づく超電導ケーブルは、液体窒素温度において超電導状態を維持する。
【0013】
さらに本発明に基づく導体は、交流損失の少ない交流導体を提供する。
【0014】
本発明の前記およびその他目的、特徴、態様、利点は、添付図面を参照しながら以下において詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に基づく多層構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明に使用するエンボス加工パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、遮蔽構造あるいは非遮蔽構造において使用する高温超電導ケーブルに関する。遮蔽ケーブルおよび非遮蔽ケーブルの用途は広い。
【0017】
本実施例の変更形態は、前記ケーブルの高温超電導テープを誘電体で絶縁し、その誘電体の上に他の高温超電導層を設ける。そしてケーブル全体をクライオスタットに入れるか、ケーブルを覆うようにクライオスタットを構築する。このような同軸構造は、高温超電導テープの内層と外層との間に磁界を閉じこめる。従って高温超電導テープの外側には、実質的に磁界は存在せず、金属外装に渦電流は流れない。この構造により、ケーブル内のテープ数に応じて大容量電流を搬送できる。このケーブルデザインにおける制限は、誘電体を極低温に維持するので、極低温で物理的および機械的に劣化しない材料を使わねばならないことである。本発明の一実施例に基づく重合誘電体は、液体窒素温度以下において良好な物理的および機械的特性を有する。この材料は、高い絶縁耐力と高い降伏電圧とを有する。本発明ケーブルは、可撓ステンレス鋼波形管を用いることが好ましい。この波形管は、編組ワイヤあるいは網ワイヤで被覆しても良い。前記波形管には穴を開けることが好ましい。この穴のサイズおよびパターンは、液体窒素を流せるようなものとし、その液体窒素が高温超電導テープの突合せ隙間に入り、前記誘電体を浸すようにする。高温超電導テープは、特別の方法で配置し、2層構造を構成し、最大電流がケーブルを流れることを許容する。
【0018】
前記誘電体は、半導電テープ、アルミニウム蒸着遮蔽テープ、および重合誘電体テープで構成することが好ましい。図3は、遮蔽ケーブルの代表的構造を示す。非遮蔽ケーブルは、高温超電導テープの外層を省略することにより形成できる。そのようなケーブル構造を図2に示す。本発明は、遮蔽高温超電導ケーブルおよび非遮蔽高温超電導ケーブルの両方を含む。本発明は、断熱クライオスタットの上に誘電体を押し出すような構造の非遮蔽ケーブルの場合、既知のケーブル構造とはデザインが異なる。遮蔽高温超電導ケーブルについては、その形成方法を開示した従来例は無い。
【0019】
図1を参照すると、本発明に基づく超電導ケーブル10を示す。超電導ケーブル10は、可撓真空二重壁外管11を有する。液体窒素12は、外管11を通り、冷却器へ流れる。接地電位超電導遮蔽材17は、誘電体層16を取り巻く。誘電体層16は、電流搬送超電導体15を取り巻く。超電導体15は、可撓多孔壁フォーマ13を取り巻く。フォーマ13は、中心の管状部であり、前記冷却器からの液体窒素を搬送する。一実施例において、フォーマ13は、編組表面を有し、この編組表面が超電導体15に接触する。
【0020】
図2は、非遮蔽ケーブルの一実施例を示す。フォーマ21を取り巻いて半導電下地テープ22を配置する。その上に超電導テープ23を配置する。超電導テープ23の上に他の半導電下地テープ24を巻く。下地テープ24の上に遮蔽層25を巻く。遮蔽層25の上に誘電層26を巻く。誘電層26の上に遮蔽層27を巻く。遮蔽層27の上に半導電下地層28を巻く。下地層28の上に固着テープ29を巻く。固着テープ29の上に調心リング30を巻く。調心リング30の上に、被覆クライオスタット31を巻く。
【0021】
図3を参照すると、遮蔽ケーブルの一実施例を示す。外装クライオスタット53は、調心リング52を取り巻く。調心リング52は、固着テープ51を取り巻く。固着テープ51は、半導電テープ50を取り巻く。半導電テープ50は、超電導テープ49を取り巻く。超電導テープ49は、半導電下地テープ48を取り巻く。下地テープ48は、遮蔽層47を取り巻く。誘電体46は、遮蔽層45を取り巻く。遮蔽層45は、半導電テープ44を取り巻く。超電導テープ43は、半導電下地テープ42を取り巻く。下地テープ42は、フォーマ41を取り巻く。
【0022】
本発明は、酸化物超電導体を用いたケーブルに関する。このケーブルは、可撓心材と、2kgf/mmを越えない引張力および約0.2%を越えない曲げひずみによって前記心材上に配置した複数のテープ状酸化物超電導線とを備える。前記テープ状超電導線の各々は、基本的に酸化物超電導体とそれを被覆する安定化金属とからなる。前記複数のテープ状超電導線を並列配置して層を形成し、かかる層を複数形成する。前記複数の層は、前記複数の層と前記心材との間に絶縁層を入れずに、前記心材に連続して積み重ねる。前記心材は、前記超電導ケーブルに可撓性を付与する。前記超電導ケーブルは、液体窒素温度において超電導状態を維持できる。前記線は、実質的に均一な超電導相を前記線の長手方向に有する。前記超電導相のc軸は、実質的に前記線の厚さ方向に平行である。前記超電導線は、平行に整列して前記線の長手方向に延びた結晶粒によって形成する。前記結晶粒は、前記線の厚さ方向に積み重なっている。
【0023】
前記超電導ケーブルは、ケーブル直径の約50倍までの曲げにおいて超電導性を実質的に劣化しないような可撓性を有することが好ましい。前記心材は、基本的に金属、プラスチック、強化プラスチック、重合体、複合体からなるグループから選択することが好ましい。一実施例において、前記超電導ケーブルの心材は、前記テープ状超電導線用の外面に螺旋溝面、網状面、編組面、マット状面から選択した表面を有する管である。本発明の超電導ケーブルは、前記テープ状超電導線の複数の層間に絶縁層を持たない。前記複数のテープ状超電導線層は、各層を直前層の表面に重ねるようにして、前記心材上に順次配置することが好ましい。他の実施例において、前記線は、前記テープ状安定化金属被覆内において撚り合わせる。前記超電導ケーブル内において、前記テープ状超電導線は、約90度の角度、好ましくは約10度から約60度の角度、より好ましくは約20度から約40度の配置角で配置することが好適である。本発明の一実施例は、少なくとも2つの別個のテープ状線の層グループを備える超電導ケーブルを提供する。前記テープ状線の各層の配置角度は、連続する層間において配置方向またはピッチが交替するように設定することが好ましい。連続する前記テープ状線の各層は、少なくとも2本のテープ状線からなることが好ましい。誘電体層により前記少なくとも2つの独立したテープ状線の層グループを分離することが好ましい。誘電体層により、前記心材から前記心材に最も近いテープ状線の層を分離することが好ましい。前記誘電体は、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびポリブチレンからなるグループから選択することが好ましい。本発明の一実施例において、前記少なくとも2つの別個のテープ状線の層グループは、前記ケーブル内においてほぼ等しい量の電流を搬送する。前記心材から最も遠いテープ状線の層グループは、それ以外の層を流れる電流の遮蔽を提供して前記ケーブル内の磁界あるいは渦電流を減少させることが好ましい。前記安定化金属は、銀、銀合金、ニッケル、およびニッケル合金からなるグループから選択することが好ましく、緩衝層を設けても良い。
【0024】
本発明の一実施例において、各テープ状マルチフィラメント酸化物超電導線は、多数のフィラメントからなる構造である。これらは基本的に、銀、銀合金、ニッケル、およびニッケル合金の安定化金属内に酸化物超電導体を含んだ構造である。前記酸化物超電導体は、ビスマス、ストロンチウム、カルシウム等の酸化物および銅酸化物から作成できる。
【0025】
前記複数層の各々は、少なくとも2本のテープ状銀外装線を含むことが好ましい。前記複数層の各々は、少なくとも4本のテープ状線を含むことが好ましい。本発明の一実施例において、前記複数層の第2層と第3層との間に絶縁層を介在させることが好ましい。前記複数層が4層以上である場合、第2層と第3層との間毎に絶縁層を介在させることが好ましい。
【0026】
本発明ケーブルにおいて、前記心材は、一般にフォーマと呼び、所定範囲の曲げひずみにおいて前記テープ状超電導線を保持する。このフォーマは、前記超電導ケーブル導体が必要とする長さを有し、前記超電導ケーブル導体の中心に配置する。前記フォーマは、実質的に円筒形または螺旋形であり、その上にテープ状線を配置し、全長に渡ってほぼ一定の直径を有する。前記フォーマは、基本的にステンレス鋼、銅、アルミニウム等の金属、プラスチック、強化プラスチック、およびセラミックからなるグループから選択した少なくとも1つの材料から製造できる。
【0027】
本発明において、前記フォーマは可撓性を有する管状部材であることが好ましい。螺旋溝を有するパイプ(以下では螺旋管と呼ぶ)を十分な強度および可撓性を有するフォーマとして使用することもできる。ベローズを有するベローズ管をフォーマとして使用しても良い。またフォーマは、螺旋鋼帯のような螺旋状に巻いた部材から形成しても良い。これら各形状は、フォーマに十分な可撓性を提供するために採用する。可撓性フォーマは、本発明の導体に可撓性を付与する。本発明の可撓導体は、ドラムに巻き付けることができる。
【0028】
本発明の実施において、数本のテープ状マルチフィラメント超電導線をフォーマに配置することあるいは巻き付けることが可能である。テープ状線を2層以上に配置し、その表面をフォーマに向けるようにしても良い。各層は、任意数のテープ状線で形成できる。数本のテープ状線を互いに平行にフォーマに配置し、フォーマ表面をテープ状線で覆い、さらに別のテープ状線をその上に巻き付けることもできる。第1層のテープ状線の上に十分な数のテープ状線を第2層として巻き付け、第3層のテープ状線をその上に巻き付ける。各隣接層間には絶縁層を配置しない。
【0029】
本発明方法において、各テープ状マルチフィラメント酸化物超電導線は、所定範囲の曲げひずみあるいは曲率と所定範囲のピッチとにおいて、所定直径を有するフォーマに配置あるいは巻き付ける。このテープ状線には、長さ方向に沿って比較的ゆるい曲げを適用する。フォーマに巻き付けたテープ状線は、0.4%好ましくは0.3%を越えない曲げひずみにおいて曲げる。このような範囲の曲げひずみにおける曲げの場合、テープ状線の超電導性は、直線状態と比較してほとんど減少しない。
【0030】
本発明において、フォーマのピッチおよび直径を調整し、超電導線の曲げひずみが0.2%を越えないようにすることが好ましい。各テープ状マルチフィラメント酸化物超電導体をフォーマに巻き付ける場合、引張力は2kgf/mm−2を越えないようにし、0.5から2kgf/mm−2の範囲とすることが好ましい。
【0031】
前記心材(フォーマ)は、電気絶縁材料または電気導体で作ることができる。交流損失を減らすことを考慮した場合、電気絶縁材料が好ましい。強度を考慮した場合は、導体である金属が好ましい。螺旋溝を有する金属パイプまたは金属ベローズ管を心材として使用すれば、導体に可撓性を付与すると同時に一定強度を維持できる。金属心材を使用すれば、偶然に異常電流が発生した場合に安全である。この場合、導体の交流損失および心材に対する異常電流を考慮して、心材の最適抵抗を設定できる。
【0032】
任意に螺旋溝を持つことができる金属パイプ、あるいは金属ベローズ管を心材として使用する場合、その心材の上に金属テープ導体を配置あるいは巻き付ける。そしてその金属テープの外表面に誘電体テープを配置する。前記金属テープは、心材の全ての溝を覆ってなめらかな表面を形成できるため、超電導テープは座屈しない。心材の可撓性を維持しながら金属テープで溝を覆うことは可能である。
【0033】
本発明は、撚り合わせフィラメントを有するテープ状マルチフィラメント線を使用しても良い。超電導マルチフィラメントテープを形成するフィラメントは、所定ピッチで撚り合わせる。フィラメントを撚り合わせることにより、安定化金属とフィラメントとの間を流れる誘導電流は、撚り合わせピッチ毎に小ループに分離し、電流値を制限する。これは、非撚り合わせフィラメントを有する超電導線に比べ、安定化金属におけるジュール熱の発生を抑制し、交流損失を低減する。
【0034】
本発明に基づく超電導ケーブル導体は、可撓性を有しているため、ケーブル直径の50倍までの直径において曲げても、その超電導性は劣化しない。この導体はドラムに巻き付け、貯蔵および/または輸送できる。
【0035】
本発明は、可撓性と優れた超電導性とを持つ長尺酸化物超電導ケーブル導体を提供できる。本発明の一実施例において、超電導テープ間を流れるあるいは横断する渦電流および結合電流は、管状超電導線層の第2層あるいはそれ以降の層が抑制する。本発明は、実用的な交流超電導ケーブル導体を提供する。
【0036】
超電導材料は、セラミック結晶粒を銀管に挿入し、それを約1〜2mmに延伸したものである。ケーブルの最終的必要容量に応じた多数の前記延伸管を銀管に挿入し、必要使用サイズに延伸する。あるいは、それら管をまず小区間に切断し、それを第2の銀管に加え、延伸しても良い。このようにして形成した銀製平坦テープ状材料は、その重量において約80〜60パーセントが銀、約20〜40パーセントがセラミックである。好ましくは、約65パーセントが銀、約35パーセントがセラミックである。
【0037】
さらに本発明は、極低温動作の超電導電力ケーブル用として好適な重合テープを製造する新規な処理あるいは方法、およびそのようにして製造したテープに関する。この処理は、約3.0の最大誘電率を有するポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブチレンフィルムを2軸延伸し、無作為パターンをそのフィルムにエンボス加工する。この低誘電率2軸延伸エンボス加工フィルムとしての重合材料は、もろさ、ひび割れ、極端な縮みの問題を克服する。既知の処理方法で製造した重合材料は、これら問題を有しているため、極低温動作電力ケーブルシステムには使用できない。フィルムにエンボス加工を施すと、誘電流体がケーブル内を比較的自由に流れることができる。
【0038】
ポリオレフィンシート素材は、本発明のケーブルに使用する前、2軸延伸する。これは、前記シートを約5:1から約10:1の延伸率で長さ方向に延伸し、同時に横方向にも延伸することを含む。
【0039】
このようにしてポリオレフィン素材から適切な延伸率で処理したシートまたはそのシートから作ったテープは、ケーブル製造において多くの優れた品質を有する。テープの微小繊維化を防止するため、および1つの裂け目が全長に広がることを防止するため、さらなる処理が必要である。この処理は、シート横方向における2軸延伸を含む。これは、シートを横方向に約50%までの率で延伸し、テープを形成する。このテープは、十分に2軸延伸しており、微小繊維化を十分に抑制する。
【0040】
前記処理により製造するポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリブチレンテープは、所定条件の下で特定パターンをエンボス加工し、適切な含浸と熱伝達とを確保する。前記エンボス加工パターンは、無作為なあるいは不規則な溝からなり、横方向を向く。延伸シートを切断しあるいはテープ状にし、単一層、複数層、または積層の形態で使用する。
【0041】
前記パターンは、長手方向および横方向に含浸物の流れを可能にすると共に、テープを横断する流れ、および突合せ隙間間の流れを可能にする。このような流れは、層から層への含浸を助け、対流による熱伝達を促進する。ケーブル自体は、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリブチレン、またはポリプロピレンからなるテープの複数層で構成する。ケーブルを曲げやすくするため、各層において異なる幅のポリオレフィンテープを使用しても良い。このテープ幅は、ケーブル導体からの距離が大きくなるに従って大きくしても良い。
【0042】
本発明に基づくポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブチレンフィルムは、約3.0を越えない誘電率を有する。この好適最大値は、約2.3である。第1の処理ステップは2軸延伸または引き抜きであり、好ましくは長手方向において約5:1から約10:1の比率で行い、横方向において約2:1までの比率で行う。次に延伸したテープを約80℃から約140℃の温度でエンボス加工し、前記テープに、基本的に横方向を向いた不規則なあるいは無作為の溝パターンを形成する。
【0043】
前記した新規処理ステップを行わない重合テープは、いくつかの固有な問題を有するため、極低温動作超電導電力ケーブルシステムに使用できない。例えば、77°Kの液体窒素環境において、ほとんどの重合テープはガラス状に固くなる。このためテープは、固有伸び率を越える熱縮小による引張破壊や、単純な崩壊を起こす。他の問題は、液体窒素中におけるひび割れである。液体窒素は、77°Kの沸点を有し、重合体にとっては強力なひび割れ剤であることが知られている。ひび割れは応力破断を引き起こし、最終的にテープを破砕する。前記2軸延伸処理は、これら脆性、極端な縮小、およびひび割れ問題を克服する。
【0044】
多くの重合体は、2つの顕著な降伏モードを呈する。降伏モードの1つは、印加剪断応力によるものである。ただし降伏現象自体は、降伏面に作用する垂直応力成分による。もう1つの降伏モードは、最大主応力によるものである。このタイプの降伏は、ひび割れあるいは垂直応力降伏である。ひび割れは、応力、あるいは応力と溶解作用との組合せで発生しうる。ひび割れは、それを発生する全ての重合体において、同様の特徴を呈する。ひび割れは、微細な網状ひびであり、ほとんど常に最大主応力の直角方向に進行する。一般にひび割れは、表面の局所応力集中点において発生する。静的テストにおいては、ひび割れは、応力またはひずみがある臨界値に達すると発生する。しかしながらひび割れは、長期負荷の場合、比較的低い応力レベルでも発生しうる。
【0045】
ひび割れ領域に対する詳細な電子顕微鏡的検査によれば、分子鎖配向がひび割れ領域に発生しており、配向微小繊維がひび割れ表面を横切っている。
【0046】
ケーブルの敷設を支援するため、極めて透明なポリオレフィン絶縁テープに染料を加えることが好ましい。この技術は、非常に有用なケーブルを製造できる。なぜなら作業者は、テープの各螺旋層を区別しなければならないからである。一般的な極めて透明なポリエチレン、ポリブチレン、またはポリプロピレンテープを使用すると、作業者は8層あるいは10層のテープ層において各層毎の突合せ隙間を区別できない。所定量の選択した染料をテープに加えることにより、作業者は容易に各テープ層の縁部や突合せ隙間を層毎に区別できる。なぜなら色の暗さが層毎にはっきりと増加するからである。この染料は、原材料の損失係数の増加を最小にするように選択する。
【0047】
テープ幅を変化させることもできる。導体の近くは幅を狭くし、外側はより広くする。層毎の方向を所定半径方向厚さにおいて反転しても良い。その厚さはテーピング機械の設計によって決めればよい。
【0048】
誘電体テープは、重ね合わせて螺旋状の層に巻き、同一層の螺旋間の各突合せ隙間は、その下の層の突合せ隙間からずらす。この構造は、前記染料含有絶縁テープにより、作りやすくなる。
【0049】
ポリエチレン、ポリブチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンテープは、本発明が要求するように高配向とした場合、透明である。この透明性は、多くの層の突合せ隙間がケーブル表面を介して鮮明に見える場合、欠点となる。作業者は、ケーブル内の深い層の突合せ隙間から、直前層の突合せ隙間を区別することが困難になる。
【0050】
従って本発明のテープは染料を含む。従ってケーブル内において下の層ほど暗く見える。染料としては有機染料がよい。有機染料は、無機金属塩に比べ、テープの損失係数および誘電率への悪影響が少ない。
【0051】
必要とする色と電気特性への影響とをバランスさせるため、有機染料を百万分率で100から1000の割合で添加する。
【0052】
これは、テープの光透過率を10〜50パーセント低減する結果となる。このテープをケーブルに使用すると、可視性が1層から4層へと低下する。これに対し染料を添加しないと、絶縁領域において8〜10層の深さの突合せ隙間まで見える。
【0053】
長手方向の延伸は、シートの引き伸ばしあるいは幅出しにより、5:1〜10:1の厚さ減少率を実現する。
【0054】
この厚さ減少率は、実際にはシートの線形延伸を測定したものであり、重合体の引張特性変化の指標となる。この処理は、約80℃〜140℃の温度で行うことが好ましい。
【0055】
前記シートをさらに横方向に50%までの減少率において延伸処理する。この処理を行わないと、重合体は微小繊維化し、その幅方向に繊維が分離し、テープが長手方向に裂けてしまう。
【0056】
これに対し、前記処理を施したポリオレフィンテープは、長手方向において少なくとも250,000psiの引張り係数を有し、ケーブル製造要件を全て満たす。
【0057】
前記処理を通じて得られるこのテープ引張り強さは、劣化に対する抵抗を示すと共に、ケーブルテーピング機械での使用においては必要条件となる。前記処理を施したテープは、従来のケーブル製造機において、十分堅固にケーブルに巻き付けることができる。
【0058】
最終的にケーブルとして構成する前に、ポリオレフィンテープにエンボス加工を施し、テープ層間に隙間を作り、ケーブル内における含浸物の比較的自由な流れを実現し、熱伝達を促進する。
【0059】
これは、特定のエンボス加工技術によって実現する。テープのエンボス加工は、ローラによって行うことが好ましい。図4は、エンボス加工の代表的パターンを示す上面図であり、テープ60の一部を示す。図において谷61は、パターン中に暗い線として見える。
【0060】
前記エンボス加工パターンの特徴は、不規則であり、含浸物の流れをテープの長手方向に抗して横方向に促進することである。図4に示すように、不規則な谷パターンは基本的にテープ幅を横断するように走り、前記要求を満たす。このパターンは、規則的な溝や通路パターンとは異なり、隣接テープ層をかみ合わせない。従って不均一で不規則なパターンは、各テープ層が短い距離を相互に移動できるようにし、ケーブルの製造および設置に必要な可撓性をもたらす。
【0061】
横方向の流れを提供するパターンは、熱伝達と浸透性とをケーブルに付与する。ポリマーは非浸透性であるが、本発明ケーブルが提供する浸透および熱伝達構造は、材料自体の浸透性に依存しない。
【0062】
前記エンボス加工パターンは、有効テープ厚さを増加する。すなわちそのピークピーク厚さは、元のテープ厚さの2倍になる。テープは、巻き付け中に圧縮される。エンボス加工は、ローラによって行う。これらローラは、テープの一面をくぼませ、他面を突出させる。テープをケーブルに巻き付けると、前記不規則表面は、テープ層を分離する。しかしながらパターンがテープ横断方向の流れを促すので、含浸物は、突合せ隙間から最大でテープ幅の二分の一を流れれば、テープ間の次の隙間へ進むことができる。これにより、ケーブル外部から導体までの通路は、比較的短くなる。
【0063】
代表的な2つのエンボス加工パターンは、次の通りである。1つは粗パターンであり、代表的に谷の中間高さ幅0.1mm、隣接ピーク間距離0.2mmを有する。他の1つは細パターンであり、代表的に谷の中間高さ幅0.025mm、隣接ピーク間距離0.05mmを有する。
【0064】
本発明の超電導ケーブルは、2軸延伸された誘電体をエンボス加工して不規則なおよび/または無作為の溝を形成することが好適である。好ましくは、前記誘電体は、約0.5から約2mmの深さを有する溝をエンボス加工する。このエンボス加工は、約80℃から約140℃の温度においてローラによって実行することが好適である。好ましくは、前記誘電体は、テープ幅を横断して含浸物が流れるように、エンボス加工する。前記誘電体は、テープ横断方向の不規則な山および谷のパターンにエンボス加工することがより好適である。
【0065】
粗パターンから細パターンまでの範囲のエンボス加工パターンを利用可能にすれば、設計者は熱伝達と動作ストレスとの間で妥協点を探し出せる。前記粗パターンは、最良の熱伝達を提供するが、動作電圧ストレスをやや低減する。細パターンは、これと逆の作用をする。
【0066】
本発明を詳細に説明し図示したが、これらは例示的なものであり、本発明を制限するものではない。本発明の要旨および範囲は、請求の範囲によってのみ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓心材と、
基本的に酸化物超電導体とそれを被覆する安定化金属とから各々を形成し2kgf/mmを越えない引張力によって前記心材上に配置した複数のテープ状酸化物超電導線とを備え、
前記複数のテープ状超電導線を並列配置して層を形成し、かかる層を複数配置し、
前記複数の層は、前記複数の層と前記心材との間に絶縁層を入れずに、前記心材に連続して積み重ね、
前記心材は、前記超電導ケーブルに可撓性を付与し、
前記超電導ケーブルは、液体窒素温度において超電導状態を維持し、
前記線は、実質的に均一な超電導相を前記線の長手方向に有し、
前記超電導相のc軸は、実質的に前記線の厚さ方向に平行であり、
前記超電導線は、平行に整列して前記線の長手方向に延びた結晶粒によって形成し、
前記結晶粒は、前記線の厚さ方向に積み重なる、酸化物超電導体を用いたケーブル。
【請求項2】
前記ケーブルの直径の約50倍までの直径において曲げても前記ケーブルの超電導性が実質的に劣化しないような可撓性を有する、請求項1の超電導ケーブル。
【請求項3】
前記心材は、基本的に金属、プラスチック、強化プラスチック、重合体、複合体からなるグループから選択する、請求項1の超電導ケーブル。
【請求項4】
前記心材は、前記テープ状超電導線用の外面に螺旋溝面、網状面、マット状面から選択した表面を有する管である、請求項1の超電導ケーブル。
【請求項5】
前記テープ状線の複数の層間に絶縁層が存在しない、請求項1の超電導ケーブル。
【請求項6】
前記心材上にテープ状線の第1層を配置し、テープ状線の複数層を、各層が直前層の表面に載るようにして次々と配置した、請求項5の超電導ケーブル。
【請求項7】
前記線は、前記テープ状安定化金属被覆内において撚り合わせる、請求項1の超電導ケーブル。
【請求項8】
前記テープ状線は、約90度までの配置角で配置する、請求項1の超電導ケーブル。
【請求項9】
前記テープ状線は、約10度から約60度までの配置角において配置する、請求項8の超電導ケーブル。
【請求項10】
前記テープ状線は、約20度から約40度までの配置角において配置する、請求項9の超電導ケーブル。
【請求項11】
少なくとも2つの別個のテープ状線の層グループをさらに備える、請求項1の超電導ケーブル。
【請求項12】
前記テープ状線の層の配置角は、連続する層間において配置方向またはピッチが交替する、請求項11の超電導ケーブル。
【請求項13】
連続する前記層の各々は少なくとも2本のテープ状線からなり、4層以上の平坦な層を構成する、請求項12の超電導ケーブル。
【請求項14】
誘電体層により前記心材から前記心材に最も近いテープ状線の層を分離する、請求項11の超電導ケーブル。
【請求項15】
前記誘電体は、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびポリブチレンからなるグループから選択する、請求項14の超電導ケーブル。
【請求項16】
前記少なくとも2つの別個のテープ状線の層グループは、前記ケーブル内においてほぼ等しい量の電流を搬送する、請求項11の超電導ケーブル。
【請求項17】
前記少なくとも2つの別個のテープ状線の層グループのうち第1のものは、前記ケーブルを流れる電流の50パーセント以上を搬送する、請求項11の超電導ケーブル。
【請求項18】
前記少なくとも2つの別個のテープ状線の層グループのうち第2のものは、前記ケーブルを流れる電流の50パーセント以上を搬送する、請求項11の超電導ケーブル。
【請求項19】
前記心材から最も遠いテープ状線の層グループは、それ以外の層を流れる電流の遮蔽を提供して、前記ケーブル内の磁界あるいは渦電流を低減する、請求項16の超電導ケーブル。
【請求項20】
前記安定化金属は、銀、銀合金、ニッケル、およびニッケル合金からなるグループから選択する、請求項1の超電導ケーブル。
【請求項21】
前記複数の層の各々は、少なくとも2本のテープ状線を含む、請求項1の超電導ケーブル。
【請求項22】
前記複数の層の各々は、少なくとも4本のテープ状線を含む、請求項1の超電導ケーブル。
【請求項23】
前記複数の層のうち第2層と第3層との間に絶縁層を含む、請求項22の超電導ケーブル。
【請求項24】
前記複数の層のうち第2層と第3層との間毎に絶縁層を含む、請求項22の超電導ケーブル。
【請求項25】
前記誘電体は、約3.0の最大誘電率を有する、請求項14の超電導ケーブル。
【請求項26】
前記誘電体は、約2.3の最大誘電率を有する、請求項25の超電導ケーブル。
【請求項27】
前記誘電体は、縦方向において約5:1から約10:1の比率で2軸延伸する、請求項14の超電導ケーブル。
【請求項28】
前記誘電体は、縦方向において約5:1から約6:1の比率で2軸延伸する、請求項27の超電導ケーブル。
【請求項29】
前記誘電体は、横方向において約2:1の比率までさらに2軸延伸する、請求項27の超電導ケーブル。
【請求項30】
前記2軸延伸した誘電体は、エンボス加工して不規則なおよび/または無作為の溝を形成する、請求項27の超電導ケーブル。
【請求項31】
前記誘電体は、約0.5から約2mmの深さを有する溝をエンボス加工する、請求項30の超電導ケーブル。
【請求項32】
前記エンボス加工は、ローラにより約80℃から約140℃の温度において行う、請求項30の超電導ケーブル。
【請求項33】
前記誘電体は、前記テープ幅を横断する含浸物の流れを好適に可能にするパターンにエンボス加工する、請求項29の超電導ケーブル。
【請求項34】
前記誘電体は、テープ横断方向の不規則な山および谷のパターンにエンボス加工する、請求項30の超電導ケーブル。
【請求項35】
前記誘電体は、有機染料を百万分率で100から1000の範囲で含む材料から製造する、請求項14の超電導ケーブル。
【請求項36】
前記誘電体は、有効テープ厚さを増加するパターンにエンボス加工する、請求項30の超電導ケーブル。
【請求項37】
前記誘電体は、隣接ピーク間距離が約0.2mmまでであるパターンにエンボス加工する、請求項30の超電導ケーブル。
【請求項38】
前記誘電体は、ピーク間距離が約0.05mmまでであるパターンにエンボス加工する、請求項37の超電導ケーブル。
【請求項39】
前記誘電体テープの引張り係数は、少なくとも250,000psiである、請求項14の超電導ケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−100738(P2011−100738A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−262418(P2010−262418)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【分割の表示】特願2003−564883(P2003−564883)の分割
【原出願日】平成14年12月9日(2002.12.9)
【出願人】(304040625)サウスワイヤー カンパニー (1)
【Fターム(参考)】