説明

可視光通信システム、可視光通信方法、送信装置、送信方法、送信プログラム、受信装置、受信方法、及び、受信プログラム

【課題】光のちらつきを抑制した上で信号の多重化を可能とする可視光通信システムを提供すること。
【解決手段】可視光通信システム200は、第1のビット列を表し、且つ、第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれがビットを表し、第1のシンボル周期に対するマーク率が50%と異なる第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成し、第2のビット列を表し、且つ、第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれがビットを表し、第2のシンボル周期に対するマーク率が第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成し、シンボル周期を同期した状態にて、第1の信号と第2の信号との排他的論理和を多重信号として生成し、生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、上記光信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号を送信装置から受信装置へ伝送する可視光通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光信号を送信装置から受信装置へ伝送する可視光通信システムが知られている。この種の可視光通信システムの多重化通信方法の一つとして、特許文献1に記載の可視光通信システムは、光信号を送信装置から受信装置へ伝送することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を多重化して当該送信装置から当該受信装置へ伝達する。
【0003】
具体的には、送信装置は、第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する第1の信号を生成する。第1の信号は、第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、ビットが0である場合に偽値であり、ビットが1である場合に真値である信号である。
【0004】
更に、送信装置は、第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する第2の信号を生成する。第2の信号は、第1のシンボル周期よりも大きい第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、ビットが0である場合に偽値であり、ビットが1である場合に真値である信号である。
【0005】
加えて、送信装置は、生成された第1の信号と、生成された第2の信号と、を時分割多重化方式に従って多重化した多重信号を生成する。そして、送信装置は、生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、光信号を生成する。
【0006】
これによれば、光信号を送信装置から受信装置へ伝送することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を多重化して当該送信装置から当該受信装置へ伝達することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−109185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記可視光通信システムにおいては、第1のビット列又は第2のビット列において0が連続することにより、多重信号において偽値である部分が比較的多く連続することがある。この結果、光信号による光のちらつきが過大となる場合があるという問題があった。また、この問題は、上記光通信システムが、信号値として3つ以上の値を有する多重信号を用いる場合も同様に生じる。
【0009】
このように、上記可視光通信システムにおいては、光のちらつきが過大となることで、人の目に触れる場所で使用することに問題があった。
【0010】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「光信号による光のちらつきが過大となる場合が生じること」を解決しながら光信号の多重化を行える可視光通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である可視光通信システムは、
光信号を送信装置から受信装置へ伝送することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から当該受信装置へ伝達するシステムである。
【0012】
更に、この可視光通信システムは、
上記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において上記信号値が上記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、
上記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、上記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において上記信号値が上記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、
シンボル周期を同期した状態にて、上記生成された第1の信号と、上記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成する多重信号生成手段と、
上記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、上記光信号を生成する光信号生成手段と、
を備える。
【0013】
また、本発明の他の形態である可視光通信方法は、
光信号を送信装置から受信装置へ伝送することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から当該受信装置へ伝達するための方法である。
【0014】
更に、この可視光通信方法は、
上記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において上記信号値が上記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成し、
上記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、上記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において上記信号値が上記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成し、
シンボル周期を同期した状態にて、上記生成された第1の信号と、上記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成し、
上記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、上記光信号を生成する方法である。
【0015】
また、本発明の他の形態である送信装置は、
光信号を受信装置へ送信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該受信装置へ伝達する装置である。
【0016】
更に、この送信装置は、
上記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において上記信号値が上記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、
上記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、上記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において上記信号値が上記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、
シンボル周期を同期した状態にて、上記生成された第1の信号と、上記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成する多重信号生成手段と、
上記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、上記光信号を生成する光信号生成手段と、
を備える。
【0017】
また、本発明の他の形態である送信方法は、
光信号を受信装置へ送信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該受信装置へ伝達するための方法である。
【0018】
更に、この送信方法は、
上記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において上記信号値が上記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成し、
上記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、上記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において上記信号値が上記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成し、
シンボル周期を同期した状態にて、上記生成された第1の信号と、上記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成し、
上記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、上記光信号を生成する方法である。
【0019】
また、本発明の他の形態である送信プログラムは、
光信号を受信装置へ送信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該受信装置へ伝達する送信装置に、
上記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において上記信号値が上記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成し、
上記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、上記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において上記信号値が上記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成し、
シンボル周期を同期した状態にて、上記生成された第1の信号と、上記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成し、
上記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、上記光信号を生成する、処理を実行させるためのプログラムである。
【0020】
また、本発明の他の形態である受信装置は、
送信装置により送信された光信号を受信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から取得する装置である。
【0021】
更に、この受信装置は、
上記光信号が表す多重信号の、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該多重信号から非反転ビット列を取得する非反転ビット列取得手段と、
上記光信号が表す多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号の、上記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、上記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、上記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該反転多重信号から反転ビット列を取得する反転ビット列取得手段と、
シンボル周期を同期した状態にて、上記取得された非反転ビット列と、上記取得された反転ビット列と、の論理和を上記第1のビット列として取得する第1のビット列取得手段と、
を備える。
【0022】
また、本発明の他の形態である受信方法は、
送信装置により送信された光信号を受信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から取得するための方法である。
【0023】
更に、この受信方法は、
上記光信号が表す多重信号の、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該多重信号から非反転ビット列を取得し、
上記光信号が表す多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号の、上記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、上記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、上記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該反転多重信号から反転ビット列を取得し、
シンボル周期を同期した状態にて、上記取得された非反転ビット列と、上記取得された反転ビット列と、の論理和を上記第1のビット列として取得する方法である。
【0024】
また、本発明の他の形態である受信プログラムは、
送信装置により送信された光信号を受信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から取得する受信装置に、
上記光信号が表す多重信号の、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該多重信号から非反転ビット列を取得し、
上記光信号が表す多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号の、上記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、上記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、上記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該反転多重信号から反転ビット列を取得し、
シンボル周期を同期した状態にて、上記取得された非反転ビット列と、上記取得された反転ビット列と、の論理和を上記第1のビット列として取得する、処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、以上のように構成されることにより、光のちらつきを抑制しながら伝送信号を多重化した可視光通信が行える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係る可視光通信システムの概略構成を表す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る送信装置の構成を表すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る受信装置の構成を表すブロック図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る受信装置の構成を表すブロック図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る可視光通信システムの概略構成を表す図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る送信装置の構成を表すブロック図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る受信装置の構成を表すブロック図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る、第1の信号、第2の信号、及び、多重信号を示したタイムチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態に係る、第1のビット列を取得可能な領域と、第2のビット列を取得可能な領域と、の関係を概念的に示した説明図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る光通信システムの構成を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る、可視光通信システム、可視光通信方法、送信装置、送信方法、送信プログラム、受信装置、受信方法、及び、受信プログラム、の各実施形態について図1〜図10を参照しながら説明する。
【0028】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る可視光通信システム1は、送信装置10と、受信装置20と、を備える。可視光通信システム1は、光信号を送信装置10から受信装置20へ伝送することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を送信装置10から受信装置20へ伝達する。
【0029】
本例では、送信装置10は、照明装置(例えば、インバータ蛍光灯又はLED(Light Emitting Diode)を用いた照明器具等)である。なお、送信装置10は、複数の発光素子により画像を表示するディスプレイ装置であってもよい。
【0030】
送信装置10は、電流が供給されることにより光を発する発光部11を備える。本例では、光は、可視光である。受信装置20は、光を受け、受けた光を電流に変換する受光素子を含む受光部21を備える。送信装置10は、発光部11が光を発することにより光信号を送信する。受信装置20は、送信装置10により送信された光信号を受光部21により受信する。
【0031】
次に、送信装置10及び受信装置20のそれぞれの構成について、より詳細に説明する。
図2に示したように、送信装置10は、第1の信号生成部(第1の信号生成手段)12と、第2の信号生成部(第2の信号生成手段)13と、信号同期調整部14と、多重信号生成部(多重信号生成手段)15と、発光制御部16と、を備える。
【0032】
第1の信号生成部12は、第1のビット列を受け付け、受け付けられた第1のビット列を表す第1の信号を生成する。本例では、第1のビット列は、送信装置10により生成される。ビット列は、連続する複数のビット(「0」又は「1」)である。
【0033】
第1の信号は、真値(Hi値)及び偽値(Low値)のいずれかの信号値を有する信号である。更に、第1の信号は、予め設定された第1のシンボル周期Ta毎に分割された部分(シンボル)のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表す。
【0034】
加えて、第1の信号は、任意のシンボル周期(シンボル)におけるマーク率が、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である。ここで、マーク率は、第1のシンボル周期Taに対する、1つのシンボル周期において信号値が真値である時間の割合である。また、第1のマーク率値は、50%と異なる値である。
【0035】
例えば、第1の信号生成部12は、第1のマーク率値が25%であるパルス位置変調方式に従って第1の信号を生成する。なお、第1の信号生成部12は、他の方式に従って第1の信号を生成するように構成されていてもよい。
第1の信号生成部12は、生成された第1の信号を多重信号生成部15へ出力する。
【0036】
第2の信号生成部13は、第2のビット列を受け付け、受け付けられた第2のビット列を表す第2の信号を生成する。本例では、第2のビット列は、送信装置10により生成される。
【0037】
第2の信号は、真値(Hi値)及び偽値(Low値)のいずれかの信号値を有する信号である。更に、第2の信号は、予め設定された第2のシンボル周期Tb毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表す。
【0038】
ここで、第2の信号における信号値の最小変化時間Tb2が、第1のシンボル周期Taに自然数nを乗じた値になるよう決定する。即ち、数式Tb2=n・Taとする。
【0039】
加えて、第2の信号は、任意のシンボル周期におけるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である。ここで、マーク率は、第2のシンボル周期Tbに対する、1つのシンボル周期において信号値が真値である時間の割合である。
【0040】
例えば、第2の信号生成部13は、マンチェスタ符号化方式に従って第2の信号を生成する。なお、第2の信号生成部13は、第2のマーク率値が25%であるパルス位置変調方式等の他の方式に従って第2の信号を生成するように構成されていてもよい。この場合、第2のシンボル周期Tbが、第2の信号における信号値の最小変化時間Tb2の2倍となるので、数式Tb=2n・Taが成り立つ。
第2の信号生成部13は、生成された第2の信号を多重信号生成部15へ出力する。
【0041】
信号同期調整部14は、第1の信号生成部12により生成される第1の信号、及び、第2の信号生成部13により生成される第2の信号のシンボル周期を同期させる。即ち、信号同期調整部14は、第1の信号の、N個の連続するシンボル周期(シンボル)が開始する部分が第1の信号生成部12により出力されるタイミングと、第2の信号の、1つのシンボル周期(シンボル)が開始する部分が第2の信号生成部13により出力されるタイミングと、を一致させる。ここで、Nは、数式N=2nとする。
【0042】
多重信号生成部15は、第1の信号生成部12により出力された第1の信号と、第2の信号生成部13により出力された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成する。即ち、多重信号生成部15は、シンボル周期を同期した状態にて、第1の信号生成部12により生成された第1の信号と、第2の信号生成部13により生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成する。
多重信号生成部15は、生成された多重信号を発光制御部16へ出力する。
【0043】
発光制御部16は、多重信号生成部15により出力された多重信号に基づいて発光部11を制御する。具体的には、発光制御部16は、多重信号が有する信号値が真値である時に発光部11へ電流を供給するとともに、多重信号が有する信号値が偽値である時に発光部11へ電流を供給しない(電流の供給を遮断する)。
【0044】
このようにして、発光制御部16及び発光部11は、多重信号生成部15により生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、光信号を生成する光信号生成手段を構成している。
【0045】
また、図3に示したように、受信装置20は、非反転ビット列取得部(非反転ビット列取得手段、中間信号取得手段)22と、反転ビット列取得部(反転ビット列取得手段)23と、第1のビット列取得部(第1のビット列取得手段)24と、第2のビット列取得部(第2のビット列取得手段)25と、を備える。
【0046】
受光部21は、送信装置10により送信された光信号を受信する。受光部21は、受信された光信号を電気信号に変換し、変換された電気信号(多重信号)を出力する。
【0047】
非反転ビット列取得部22は、受光部21により出力された多重信号の、第1のシンボル周期Ta毎に分割された部分(シンボル)のそれぞれに対して、パターンマッチ判定処理を行う。
【0048】
パターンマッチ判定処理は、1つのシンボルにおける信号値の変化が、第1の方式に従って定められたパターンのいずれかと一致している(即ち、第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する)か否かを判定する処理である。
【0049】
非反転ビット列取得部22は、受光部21により出力された多重信号の、第1のシンボル周期Ta毎に分割された部分(シンボル)のそれぞれに対して、パターンマッチ判定処理の結果に基づいてビットを取得する。
【0050】
具体的には、非反転ビット列取得部22は、あるシンボルにおける信号値の変化が、第1の方式に従って定められたパターンのいずれかと一致していると判定された場合、一致していると判定されたパターンと第1の方式に従って対応付けられたビットを、当該シンボルに対するビットとして取得する。
【0051】
更に、非反転ビット列取得部22は、あるシンボルにおける信号値の変化が、第1の方式に従って定められたパターンのいずれとも一致していないと判定された場合、「0」を、当該シンボルに対するビットとして取得する。
【0052】
このようにして、非反転ビット列取得部22は、受光部21により出力された多重信号の、第1のシンボル周期Ta毎に分割された部分(シンボル)のそれぞれに対して取得されたビットからなるビット列を非反転ビット列として取得する。
【0053】
非反転ビット列取得部22は、取得された非反転ビット列を第1のビット列取得部24へ出力する。
【0054】
また、非反転ビット列取得部22は、受光部21により出力された多重信号の、第1のシンボル周期Ta毎に分割された部分(シンボル)のそれぞれに対して、パターンマッチ判定処理の結果に基づいて中間信号を取得する。
【0055】
具体的には、非反転ビット列取得部22は、あるシンボルにおける信号値の変化が、第1の方式に従って定められたパターンのいずれかと一致していると判定された場合、当該シンボルを偽値に置換するとともに、当該信号値の変化が、第1の方式に従って定められたパターンのいずれとも一致していないと判定された場合、当該シンボルを真値に置換することにより、中間信号を取得する。
【0056】
非反転ビット列取得部22は、取得された中間信号を第2のビット列取得部25へ出力する。
【0057】
反転ビット列取得部23は、受光部21により出力された多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号を生成する。更に、反転ビット列取得部23は、生成された反転多重信号の、第1のシンボル周期Ta毎に分割された部分(シンボル)のそれぞれに対して、上記パターンマッチ判定処理を行う。
【0058】
反転ビット列取得部23は、上記反転多重信号の、第1のシンボル周期Ta毎に分割された部分(シンボル)のそれぞれに対して、パターンマッチ判定処理の結果に基づいてビットを取得する。
【0059】
具体的には、反転ビット列取得部23は、あるシンボルにおける信号値の変化が、第1の方式に従って定められたパターンのいずれかと一致していると判定された場合、一致していると判定されたパターンと第1の方式に従って対応付けられたビットを、当該シンボルに対するビットとして取得する。
【0060】
更に、反転ビット列取得部23は、あるシンボルにおける信号値の変化が、第1の方式に従って定められたパターンのいずれとも一致していないと判定された場合、「0」を、当該シンボルに対するビットとして取得する。
【0061】
このようにして、反転ビット列取得部23は、上記反転多重信号の、第1のシンボル周期Ta毎に分割された部分(シンボル)のそれぞれに対して取得されたビットからなるビット列を反転ビット列として取得する。
【0062】
反転ビット列取得部23は、取得された反転ビット列を第1のビット列取得部24へ出力する。
【0063】
第1のビット列取得部24は、シンボル周期を同期した状態にて、非反転ビット列取得部22により出力された非反転ビット列と、反転ビット列取得部23により出力された反転ビット列と、の論理和を第1のビット列として取得する。即ち、第1のビット列取得部24は、同一のシンボルに対して取得された2つのビット(非反転ビット列を構成するビット、及び、反転ビット列を構成するビット)の論理和であるビットからなるビット列を第1のビット列として取得する。
【0064】
第2のビット列取得部25は、非反転ビット列取得部22により出力された中間信号の、第2のシンボル周期Tb毎に分割された部分(シンボル)のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、第2の方式に従って対応付けられたビットを取得する。
【0065】
このようにして、第2のビット列取得部25は、非反転ビット列取得部22により出力された中間信号の、第2のシンボル周期Tb毎に分割された部分(シンボル)のそれぞれに対して取得されたビットからなるビット列を第2のビット列として取得する。
【0066】
(作動)
次に、上述した可視光通信システム1の作動について説明する。
送信装置10は、第1のビット列、及び、第2のビット列のそれぞれを生成する。次いで、送信装置10は、生成された第1のビット列に基づいて第1の信号を生成する。更に、送信装置10は、生成された第2のビット列に基づいて第2の信号を生成する。
【0067】
そして、送信装置10は、生成された第1の信号と、生成された第2の信号と、に基づいて多重信号を生成する。次いで、送信装置10は、生成された多重信号に基づいて発光部を制御することにより、多重信号を表す光信号を受信装置20へ送信する。
【0068】
受信装置20は、送信装置10により送信された光信号を受信する。受信装置20は、受信された光信号が表す多重信号に基づいて、非反転ビット列、及び、反転ビット列のそれぞれを取得する。次いで、受信装置20は、取得された非反転ビット列と、取得された反転ビット列と、に基づいて第1のビット列を取得する。
【0069】
更に、受信装置20は、受信された光信号が表す多重信号に基づいて中間信号を取得する。次いで、受信装置20は、取得された中間信号に基づいて第2のビット列を取得する。
【0070】
このようにして、可視光通信システム1は、光信号を送信装置10から受信装置20へ伝送することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を送信装置10から受信装置20へ伝達する。
【0071】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る可視光通信システム1によれば、多重信号において、第2のシンボル周期Tbに対する、任意のシンボル周期において信号値が真値である時間の割合であるマーク率を一定の値とすることができる。この結果、光信号による光のちらつきを抑制することができる。更に、光の強度(振幅)を制御しなくても、第1のビット列及び第2のビット列を伝送するので、光信号を生成する回路を簡素化できるため、回路の小型化や、製造コストを低減することができる。
【0072】
なお、第1実施形態に係る可視光通信システム1においては、非反転ビット列取得部22が多重信号に基づいて中間信号を取得するように構成されていたが、反転ビット列取得部23が反転多重信号に基づいて中間信号を取得するように構成されていてもよい。
【0073】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る可視光通信システムについて説明する。第2実施形態に係る可視光通信システムは、上記第1実施形態に係る光通信システムに対して、ローパスフィルタを用いることにより第2のビット列を取得する点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0074】
第2実施形態に係る受信装置20は、第1実施形態に係る受信装置20が備える構成に加えて、中間信号取得部(中間信号取得手段)26を備える。
【0075】
中間信号取得部26は、ローパスフィルタを含む。中間信号取得部26は、ローパスフィルタを用いることにより、受光部21により出力された多重信号から、第2のシンボル周期Tbよりも短いシンボル周期(例えば、第1のシンボル周期Ta)を有する信号成分を除去した中間信号を取得する。中間信号取得部26は、取得された中間信号を第2のビット列取得部25へ出力する。
【0076】
また、第2実施形態に係る第2のビット列取得部25は、中間信号取得部26により出力された中間信号に基づいて第2のビット列を取得する。
【0077】
このように構成された可視光通信システム1によっても、第1実施形態に係る可視光通信システム1と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0078】
<第3実施形態>
(構成)
次に、本発明の第3実施形態に係る可視光通信システムについて説明する。
図5に示したように、第3実施形態に係る可視光通信システム100は、送信装置110と、受信装置120と、を備える。
【0079】
可視光通信システム100は、光信号を送信装置110から受信装置120へ伝送することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を送信装置110から受信装置120へ伝達する。
【0080】
本例では、光信号は、可視光により形成される。また、本例では、第1のビット列は、コンテンツを表すデータである。例えば、コンテンツは、画像、音声、又は、動画である。第2のビット列は、送信装置110がコンテンツを配信している旨を表すデータである。即ち、光通信システム100は、コンテンツの配信を行うシステムである。
【0081】
送信装置110は、ディスプレイパネル110aを備えるディスプレイ装置である。送信装置110は、ディスプレイパネル110a内に配設された複数のLEDを点滅させることにより、光信号を送信する。なお、送信装置110は、照明装置(例えば、インバータ蛍光灯又はLEDを用いた照明器具等)、テレビ受信機、又は、LED信号機等であってもよい。
【0082】
受信装置120は、携帯型の端末装置である。受信装置120は、ディスプレイパネル120aと、複数のキー式ボタン120b,…と、受光部121と、を備える。
【0083】
受信装置120は、送信装置110により送信された光信号を受信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を取得する。受信装置120は、取得された第1のビット列が表すコンテンツを出力する(ディスプレイパネル120aに表示させる)。受信装置120は、取得された第2のビット列が表すデータを出力する(ディスプレイパネル120aに表示させる)。
【0084】
受光部121は、光を受け、受けた光を電流に変換する受光素子を含む。受光部121は、送信装置110により送信された光信号を受光素子により受信する。受光部121は、受信された光信号を電気信号に変換し、変換された電気信号(多重信号)を出力する。
【0085】
次に、送信装置110及び受信装置120のそれぞれの構成について、より詳細に説明する。
図6に示したように、送信装置110は、送信データ処理部111と、4PPM(4 Pulse Position Modulation)変調部(第1の信号生成手段)112と、マンチェスタ符号化部(第2の信号生成手段)113と、信号同期調整部114と、多重信号生成部(多重信号生成手段)115と、LED駆動部116と、を備える。
【0086】
上述したように、ディスプレイパネル110a内には、複数のLED110b,…が配設されている。本例では、ディスプレイパネル110aは、電流が供給されることにより光を発する発光部を構成している。
【0087】
送信データ処理部111は、コンテンツを表すデータとしての第1のビット列を4PPM変調部112へ出力する。更に、送信データ処理部111は、送信装置110がコンテンツを配信している旨を表すデータとしての第2のビット列をマンチェスタ符号化部113へ出力する。
【0088】
本例では、送信データ処理部111は、第1のビット列、及び、第2のビット列を予め記憶している。なお、送信データ処理部111は、第1のビット列、及び、第2のビット列を生成するように構成されていてもよい。
【0089】
4PPM変調部112は、第1実施形態に係る第1の信号生成部12と同様の機能を有する。4PPM変調部112は、送信データ処理部111により出力された第1のビット列に基づいて、第1のマーク率値が25%であるパルス位置変調方式に従って第1の信号を生成する。
【0090】
具体的には、4PPM変調部112は、1つのシンボルにおける信号値の変化と、ビットと、を対応付けた、4つのレコードを予め記憶している。本例では、第1のレコードは、シンボル周期を4等分した4つの期間のうちの最初の期間において真値であり、残りの期間において偽値である信号値の変化と、「00」からなる2つのビットと、を対応付けたレコードである。また、第2のレコードは、シンボル周期を4等分した4つの期間のうちの2番目の期間において真値であり、残りの期間において偽値である信号値の変化と、「01」からなる2つのビットと、を対応付けたレコードである。
【0091】
更に、第3のレコードは、シンボル周期を4等分した4つの期間のうちの3番目の期間において真値であり、残りの期間において偽値である信号値の変化と、「10」からなる2つのビットと、を対応付けたレコードである。また、第4のレコードは、シンボル周期を4等分した4つの期間のうちの最後の期間において真値であり、残りの期間において偽値である信号値の変化と、「11」からなる2つのビットと、を対応付けたレコードである。
4PPM変調部112は、記憶されているレコードに基づいて第1の信号を生成する。
【0092】
マンチェスタ符号化部113は、第1実施形態に係る第2の信号生成部13と同様の機能を有する。マンチェスタ符号化部113は、送信データ処理部111により出力された第2のビット列に基づいて、マンチェスタ符号化方式に従って第2の信号を生成する。
【0093】
具体的には、マンチェスタ符号化部113は、1つのシンボルにおける信号値の変化と、ビットと、を対応付けた、2つのレコードを予め記憶している。本例では、第1のレコードは、シンボル周期を2等分した2つの期間のうちの最初の期間において真値であり、残りの期間において偽値である信号値の変化と、「0」からなる1つのビットと、を対応付けたレコードである。また、第2のレコードは、シンボル周期を2等分した2つの期間のうちの最初の期間において偽値であり、残りの期間において真値である信号値の変化と、「1」からなる1つのビットと、を対応付けたレコードである。
マンチェスタ符号化部113は、記憶されているレコードに基づいて第2の信号を生成する。
【0094】
本例では、第2のシンボル周期Tbは、第1のシンボル周期Taに「4」を乗じた値である。即ち、数式Tb=4・Taが成り立つ。
【0095】
信号同期調整部114は、第1実施形態に係る信号同期調整部14と同様の機能を有する。
多重信号生成部115は、第1実施形態に係る多重信号生成部15と同様の機能を有する。
【0096】
LED駆動部116は、多重信号生成部115により出力された多重信号に基づいてディスプレイパネル110aを制御する。具体的には、LED駆動部116は、多重信号が有する信号値が真値である時にLED110bへ電流を供給するとともに、多重信号が有する信号値が偽値である時にLED110bへ電流を供給しない(電流の供給を遮断する)。
【0097】
このようにして、LED駆動部116及びディスプレイパネル110aは、多重信号生成部115により生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、光信号を生成する光信号生成手段を構成している。
【0098】
また、図7に示したように、受信装置120は、4PPM復調部(非反転ビット列取得手段)122と、I−4PPM(Inverse 4PPM)復調部(反転ビット列取得手段)123と、論理和部(第1のビット列取得手段)124と、マンチェスタ符号復号部(第2のビット列取得手段)125と、ローパスフィルタ部126と、2値化部127と、2値化部128と、受信データ処理部129と、を備える。
【0099】
2値化部127は、受光部121により出力された多重信号に対して2値化処理を実行する。2値化処理は、多重信号が有する信号値を、真値、及び、偽値のいずれかに補正する処理である。具体的には、2値化処理は、信号値を、真値、及び、偽値の近い方の値に補正する処理である。2値化部127は、2値化処理によって補正された多重信号を、4PPM復調部122、及び、I−4PPM復調部123のそれぞれへ出力する。
【0100】
4PPM復調部122は、第2実施形態に係る非反転ビット列取得部22と同様の機能を有する。4PPM復調部122は、2値化部127により出力された多重信号に基づいて非反転ビット列を取得する。
【0101】
具体的には、4PPM復調部122は、4PPM変調部112と同様に4つのレコードを予め記憶している。4PPM復調部122は、上記多重信号と、記憶されているレコードと、に基づいてパターンマッチ判定処理を行うことにより非反転ビット列を取得する。
【0102】
I−4PPM復調部123は、第2実施形態に係る反転ビット列取得部23と同様の機能を有する。I−4PPM復調部123は、2値化部127により出力された多重信号に基づいて反転ビット列を取得する。
【0103】
具体的には、I−4PPM復調部123は、2値化部127により出力された多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号を生成する。また、I−4PPM復調部123は、4PPM変調部112と同様に4つのレコードを予め記憶している。I−4PPM復調部123は、生成された反転多重信号と、記憶されているレコードと、に基づいてパターンマッチ判定処理を行うことにより反転ビット列を取得する。
【0104】
論理和部124は、第2実施形態に係る第1のビット列取得部24と同様の機能を有する。論理和部124は、取得された第1のビット列を受信データ処理部129へ出力する。
【0105】
ローパスフィルタ部126は、第2実施形態に係る中間信号取得部26と同様の機能を有する。ローパスフィルタ部126は、取得された中間信号を2値化部128へ出力する。
【0106】
2値化部128は、ローパスフィルタ部126により出力された中間信号に対して2値化処理を実行する。2値化部128は、2値化処理によって補正された中間信号をマンチェスタ符号復号部125へ出力する。
【0107】
マンチェスタ符号復号部125は、第2実施形態に係る第2のビット列取得部25と同様の機能を有する。マンチェスタ符号復号部125は、2値化部128により出力された中間信号に基づいて第2のビット列を取得する。
【0108】
具体的には、マンチェスタ符号復号部125は、マンチェスタ符号化部113と同様に2つのレコードを予め記憶している。マンチェスタ符号復号部125は、上記中間信号と、記憶されているレコードと、に基づいて第2のビット列を取得する。マンチェスタ符号復号部125は、取得された第2のビット列を受信データ処理部129へ出力する。
【0109】
受信データ処理部129は、論理和部124により出力された第1のビット列に基づいて、コンテンツを出力するための処理を実行する。また、受信データ処理部129は、マンチェスタ符号復号部125により出力された第2のビット列に基づいて、送信装置110がコンテンツを配信している旨を表すデータを出力するための処理を実行する。
【0110】
(作動)
次に、上述した光通信システム100の作動について説明する。
送信データ処理部111は、第1のビット列を4PPM変調部112へ出力するとともに、第2のビット列をマンチェスタ符号化部113へ出力する。次いで、4PPM変調部112は、入力された第1のビット列に基づいて第1の信号を生成する。更に、マンチェスタ符号化部113は、入力された第2のビット列に基づいて第2の信号を生成する。
【0111】
図8は、第1の信号、第2の信号、及び、多重信号を示したタイムチャートである。上述したように、本例では、第2の信号におけるシンボル周期(第2のシンボル周期)Tbは、第1の信号におけるシンボル周期(第1のシンボル周期)Taの4倍である。
【0112】
そして、多重信号生成部115は、信号同期調整部114によってシンボル周期が同期された状態にて、生成された第1の信号と、生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成する。
【0113】
即ち、図8に示したように、生成された多重信号は、第2の信号において信号値が偽値である区間においては、第1の信号における信号値を有し、一方、第2の信号において信号値が真値である区間においては、第1の信号における信号値を反転させた(真値と偽値とを置換した)信号値を有する。
【0114】
次いで、LED駆動部116は、生成された多重信号に基づいて、複数のLED110b,…を点滅させることにより、多重信号を表す光信号を送信する。
【0115】
なお、図8に示したように、多重信号の、第2のシンボル周期Tbに対するマーク率は、一定の値(本例では、50%)である。従って、送信装置110により送信される光信号による光の、人が見た際に感じる明るさは、一定である(時間の経過に伴って変動しない)。即ち、光信号による光のちらつきを抑制することができる。
【0116】
受光部121は、送信装置110により送信された光信号を受信する。受光部121は、受信された光信号が表す多重信号を生成する。次いで、2値化部127は、生成された多重信号に対して2値化処理を実行し、2値化処理された多重信号を、4PPM復調部122、及び、I−4PPM復調部123のそれぞれへ出力する。
【0117】
4PPM復調部122は、入力された多重信号に基づいて非反転ビット列を取得し、取得された非反転ビット列を論理和部124へ出力する。また、I−4PPM復調部123は、入力された多重信号を反転させた反転多重信号を生成し、生成された反転多重信号に基づいて反転ビット列を取得し、取得された反転ビット列を論理和部124へ出力する。
【0118】
次いで、論理和部124は、入力された非反転ビット列と、入力された反転ビット列と、の論理和を第1のビット列として取得し、取得された第1のビット列を受信データ処理部129へ出力する。
【0119】
また、ローパスフィルタ部126は、受光部121により生成された多重信号から、第2のシンボル周期Tbよりも短いシンボル周期(例えば、第1のシンボル周期Ta)を有する信号成分を除去した中間信号を2値化部128へ出力する。
【0120】
次いで、2値化部128は、入力された中間信号に対して2値化処理を実行し、2値化処理された中間信号を、マンチェスタ符号復号部125へ出力する。そして、マンチェスタ符号復号部125は、入力された中間信号に基づいて第2のビット列を取得し、取得された第2のビット列を受信データ処理部129へ出力する。
【0121】
このようにして、光通信システム100は、光信号を送信装置110から受信装置120へ伝送することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を送信装置110から受信装置120へ伝達する。
【0122】
そして、受信データ処理部129は、入力された第1のビット列に基づいて、コンテンツを出力するための処理を実行する。これにより、受信装置120は、コンテンツを出力する。また、受信データ処理部129は、入力された第2のビット列に基づいて、送信装置110がコンテンツを配信している旨を表すデータを出力するための処理を実行する。これにより、受信装置120は、当該データを出力する。
【0123】
ここで、送信装置110により送信される光信号の通信範囲と、第1のビット列及び第2のビット列の利用方法と、の関係について説明を加える。
【0124】
図9は、第1のビット列を取得可能な領域(第1の通信エリア)R1と、第2のビット列を取得可能な領域(第2の通信エリア)R2と、の関係を示している。
【0125】
例えば、第1のビット列が表すコンテンツは、送信装置110が設置されている施設を案内するための情報、又は、当該施設内の店舗を広告するための情報(例えば、クーポン情報等)である。即ち、第1の通信エリアR1は、送信装置110が設置されている位置(場所)を表す位置情報に関連する情報を表す第1のビット列を取得可能な領域である。
【0126】
このようなコンテンツは、画像、音声、又は、動画を表すデータを含むことが多い。従って、第1のビット列を表す信号を伝送するためには、高速にデータを伝送可能な(単位時間あたりに伝送可能なデータ量が多い)高周波数帯を用いて通信を行う必要がある。
【0127】
ところで、一般に、自由空間における伝播損失は、通信距離をd(m)とおき、送信信号の波長をλ(m)とおくと、数式(4πd/λ)により表される。即ち、伝播損失は、通信距離の2乗に比例して増加するとともに、波長の2乗に反比例して増加する。従って、高周波数帯を用いる通信の通信エリア(本例では、第1の通信エリアR1)は、低周波数帯を用いる通信の通信エリア(本例では、第2の通信エリアR2)よりも狭くなる。
【0128】
仮に、送信装置110が第1のビット列を表す第1の信号のみを表す光信号を送信している場合、受信装置120は、送信装置110との間の距離が比較的短い領域内に位置しない限り、送信装置110からの情報を取得することができない。
【0129】
そこで、本例では、送信装置110は、送信装置110がコンテンツを配信している旨を表す第2のビット列を表す第2の信号を、第1の信号と併せて送信する。第2のビット列は、第1のビット列よりもデータ量が少ない。従って、第1のビット列よりも低速にデータを伝送可能な低周波数帯を用いて通信を行うことにより、第2のビット列を伝送することができる。
【0130】
このように、本実施形態に係る可視光通信システム100においては、送信装置110と比較的遠い位置にて、受信装置120は、第2のビット列が表すデータを出力する。これにより、受信装置120を保持するユーザが、第1のビット列が表すデータを取得するか否かを判断する。
【0131】
そして、受信装置120を保持するユーザが、第1のビット列が表すデータを取得することを希望した場合、ユーザは、送信装置110へ接近する。これにより、受信装置120は、第1のビット列が表すデータを取得し、当該データを出力する。この結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0132】
以上、説明したように、第3実施形態に係る可視光通信システム100によっても、第1実施形態に係る光通信システム1と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0133】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る可視光通信システムについて図10を参照しながら説明する。
第4実施形態に係る可視光通信システム200は、光信号を送信装置から受信装置へ伝送することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から当該受信装置へ伝達するシステムである。
【0134】
更に、この可視光通信システム200は、
上記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において上記信号値が上記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成する第1の信号生成部(第1の信号生成手段)201と、
上記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、上記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において上記信号値が上記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成する第2の信号生成部(第2の信号生成手段)202と、
シンボル周期を同期した状態にて、上記生成された第1の信号と、上記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成する多重信号生成部(多重信号生成手段)203と、
上記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、上記光信号を生成する光信号生成部(光信号生成手段)204と、
を備える。
【0135】
これによれば、多重信号において、第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において信号値が真値である時間の割合であるマーク率を一定の値とすることができる。この結果、光信号による光のちらつきを抑制することができる。更に、光の強度(振幅)を制御しなくても、第1のビット列及び第2のビット列を伝送することができるので、光信号を生成する回路を簡素化できるため、回路の小型化や、製造コストを低減することができる。
【0136】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0137】
なお、上記各実施形態において可視光通信システムの各機能は、回路等のハードウェアにより実現されていた。ところで、送信装置、及び、受信装置のそれぞれは、処理装置と、プログラム(ソフトウェア)を記憶する記憶装置と、を備えるとともに、処理装置がそのプログラムを実行することにより、各機能を実現するように構成されていてもよい。この場合、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0138】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0139】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0140】
(付記1)
光信号を送信装置から受信装置へ伝送することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から当該受信装置へ伝達する可視光通信システムであって、
前記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、
前記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、
シンボル周期を同期した状態にて、前記生成された第1の信号と、前記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成する多重信号生成手段と、
前記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、前記光信号を生成する光信号生成手段と、
を備える可視光通信システム。
【0141】
これによれば、多重信号において、第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において信号値が真値である時間の割合であるマーク率を一定の値とすることができる。この結果、光信号による光のちらつきを抑制することができる。更に、光の強度(振幅)を制御しなくても、第1のビット列及び第2のビット列を伝送することができるので、光信号を生成する回路を簡素化できるため、回路の小型化や、製造コストを低減することができる。
【0142】
(付記2)
付記1に記載の可視光通信システムであって、
前記光信号が表す多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該多重信号から非反転ビット列を取得する非反転ビット列取得手段と、
前記光信号が表す多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該反転多重信号から反転ビット列を取得する反転ビット列取得手段と、
シンボル周期を同期した状態にて、前記取得された非反転ビット列と、前記取得された反転ビット列と、の論理和を前記第1のビット列として取得する第1のビット列取得手段と、
を備える可視光通信システム。
【0143】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の可視光通信システムであって、
前記光信号が表す多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分を偽値に置換するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分を真値に置換することにより、中間信号を取得する中間信号取得手段と、
前記取得された中間信号の、前記第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第2の方式に従って対応付けられたビットを取得することにより、当該中間信号から前記第2のビット列を取得する第2のビット列取得手段と、
を備える可視光通信システム。
【0144】
(付記4)
付記1又は付記2に記載の可視光通信システムであって、
ローパスフィルタを用いることにより、前記光信号が表す多重信号から、前記第2のシンボル周期よりも短いシンボル周期を有する信号成分を除去した中間信号を取得する中間信号取得手段と、
前記取得された中間信号の、前記第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第2の方式に従って対応付けられたビットを取得することにより、当該中間信号から前記第2のビット列を取得する第2のビット列取得手段と、
を備える可視光通信システム。
【0145】
(付記5)
付記1乃至付記4のいずれかに記載の可視光通信システムであって、
前記第1の信号生成手段は、前記第1のマーク率値が25%であるパルス位置変調方式に従って前記第1の信号を生成するように構成された可視光通信システム。
【0146】
(付記6)
付記1乃至付記5のいずれかに記載の可視光通信システムであって、
前記第2の信号生成手段は、マンチェスタ符号化方式に従って前記第2の信号を生成するように構成された可視光通信システム。
【0147】
(付記7)
付記1乃至付記5のいずれかに記載の可視光通信システムであって、
前記第2の信号生成手段は、前記第2のマーク率値が25%であるパルス位置変調方式に従って前記第2の信号を生成するように構成された可視光通信システム。
【0148】
(付記8)
付記1乃至付記7のいずれかに記載の可視光通信システムであって、
前記光信号生成手段は、可視光を発することにより前記光信号を生成するように構成された可視光通信システム。
【0149】
(付記9)
光信号を送信装置から受信装置へ伝送することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から当該受信装置へ伝達するための可視光通信方法であって、
前記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成し、
前記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成し、
シンボル周期を同期した状態にて、前記生成された第1の信号と、前記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成し、
前記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、前記光信号を生成する、可視光通信方法。
【0150】
(付記10)
付記9に記載の可視光通信方法であって、
前記光信号が表す多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該多重信号から非反転ビット列を取得し、
前記光信号が表す多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該反転多重信号から反転ビット列を取得し、
シンボル周期を同期した状態にて、前記取得された非反転ビット列と、前記取得された反転ビット列と、の論理和を前記第1のビット列として取得する、可視光通信方法。
【0151】
(付記11)
付記9又は付記10に記載の可視光通信方法であって、
前記光信号が表す多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分を偽値に置換するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分を真値に置換することにより、中間信号を取得し、
前記取得された中間信号の、前記第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第2の方式に従って対応付けられたビットを取得することにより、当該中間信号から前記第2のビット列を取得する、可視光通信方法。
【0152】
(付記12)
付記9又は付記10に記載の可視光通信方法であって、
ローパスフィルタを用いることにより、前記光信号が表す多重信号から、前記第2のシンボル周期よりも短いシンボル周期を有する信号成分を除去した中間信号を取得し、
前記取得された中間信号の、前記第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第2の方式に従って対応付けられたビットを取得することにより、当該中間信号から前記第2のビット列を取得する、可視光通信方法。
【0153】
(付記13)
光信号を受信装置へ送信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該受信装置へ伝達する送信装置であって、
前記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、
前記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、
シンボル周期を同期した状態にて、前記生成された第1の信号と、前記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成する多重信号生成手段と、
前記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、前記光信号を生成する光信号生成手段と、
を備える送信装置。
【0154】
(付記14)
光信号を受信装置へ送信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該受信装置へ伝達するための送信方法であって、
前記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成し、
前記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成し、
シンボル周期を同期した状態にて、前記生成された第1の信号と、前記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成し、
前記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、前記光信号を生成する、送信方法。
【0155】
(付記15)
光信号を受信装置へ送信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該受信装置へ伝達する送信装置に、
前記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成し、
前記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成し、
シンボル周期を同期した状態にて、前記生成された第1の信号と、前記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成し、
前記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、前記光信号を生成する、処理を実行させるための送信プログラム。
【0156】
(付記16)
送信装置により送信された光信号を受信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から取得する受信装置であって、
前記光信号が表す多重信号の、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該多重信号から非反転ビット列を取得する非反転ビット列取得手段と、
前記光信号が表す多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該反転多重信号から反転ビット列を取得する反転ビット列取得手段と、
シンボル周期を同期した状態にて、前記取得された非反転ビット列と、前記取得された反転ビット列と、の論理和を前記第1のビット列として取得する第1のビット列取得手段と、
を備える受信装置。
【0157】
(付記17)
付記16に記載の受信装置であって、
前記光信号が表す多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分を偽値に置換するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分を真値に置換することにより、中間信号を取得する中間信号取得手段と、
前記取得された中間信号の、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを取得することにより、当該中間信号から前記第2のビット列を取得する第2のビット列取得手段と、
を備える受信装置。
【0158】
(付記18)
付記16に記載の受信装置であって、
ローパスフィルタを用いることにより、前記光信号が表す多重信号から、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期よりも短いシンボル周期を有する信号成分を除去した中間信号を取得する中間信号取得手段と、
前記取得された中間信号の、前記第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを取得することにより、当該中間信号から前記第2のビット列を取得する第2のビット列取得手段と、
を備える受信装置。
【0159】
(付記19)
送信装置により送信された光信号を受信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から取得するための受信方法であって、
前記光信号が表す多重信号の、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該多重信号から非反転ビット列を取得し、
前記光信号が表す多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該反転多重信号から反転ビット列を取得し、
シンボル周期を同期した状態にて、前記取得された非反転ビット列と、前記取得された反転ビット列と、の論理和を前記第1のビット列として取得する、受信方法。
【0160】
(付記20)
付記19に記載の受信方法であって、
前記光信号が表す多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分を偽値に置換するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分を真値に置換することにより、中間信号を取得し、
前記取得された中間信号の、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを取得することにより、当該中間信号から前記第2のビット列を取得する、受信方法。
【0161】
(付記21)
付記19に記載の受信方法であって、
ローパスフィルタを用いることにより、前記光信号が表す多重信号から、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期よりも短いシンボル周期を有する信号成分を除去した中間信号を取得し、
前記取得された中間信号の、前記第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを取得することにより、当該中間信号から前記第2のビット列を取得する、受信方法。
【0162】
(付記22)
送信装置により送信された光信号を受信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から取得する受信装置に、
前記光信号が表す多重信号の、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該多重信号から非反転ビット列を取得し、
前記光信号が表す多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該反転多重信号から反転ビット列を取得し、
シンボル周期を同期した状態にて、前記取得された非反転ビット列と、前記取得された反転ビット列と、の論理和を前記第1のビット列として取得する、処理を実行させるための受信プログラム。
【0163】
(付記23)
付記22に記載の受信プログラムであって、
前記処理は、
前記光信号が表す多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分を偽値に置換するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分を真値に置換することにより、中間信号を取得し、
前記取得された中間信号の、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを取得することにより、当該中間信号から前記第2のビット列を取得する、ように構成された受信プログラム。
【0164】
(付記24)
付記22に記載の受信プログラムであって、
前記処理は、
ローパスフィルタを用いることにより、前記光信号が表す多重信号から、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期よりも短いシンボル周期を有する信号成分を除去した中間信号を取得し、
前記取得された中間信号の、前記第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを取得することにより、当該中間信号から前記第2のビット列を取得する、ように構成された受信プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本発明は、光信号を送信装置から受信装置へ伝送する可視光通信システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0166】
1 可視光通信システム
10 送信装置
11 発光部
12 第1の信号生成部
13 第2の信号生成部
14 信号同期調整部
15 多重信号生成部
16 発光制御部
20 受信装置
21 受光部
22 非反転ビット列取得部
23 反転ビット列取得部
24 第1のビット列取得部
25 第2のビット列取得部
26 中間信号取得部
100 可視光通信システム
110 送信装置
110a ディスプレイパネル
110b,… LED
111 送信データ処理部
112 4PPM変調部
113 マンチェスタ符号化部
114 信号同期調整部
115 多重信号生成部
116 LED駆動部
120 受信装置
120a ディスプレイパネル
120b,… キー式ボタン
121 受光部
122 4PPM復調部
123 I−4PPM復調部
124 論理和部
125 マンチェスタ符号復号部
126 ローパスフィルタ部
127 2値化部
128 2値化部
129 受信データ処理部
200 光通信システム
201 第1の信号生成部
202 第2の信号生成部
203 多重信号生成部
204 光信号生成部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号を送信装置から受信装置へ伝送することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から当該受信装置へ伝達する可視光通信システムであって、
前記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、
前記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、
シンボル周期を同期した状態にて、前記生成された第1の信号と、前記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成する多重信号生成手段と、
前記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、前記光信号を生成する光信号生成手段と、
を備える可視光通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の可視光通信システムであって、
前記光信号が表す多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該多重信号から非反転ビット列を取得する非反転ビット列取得手段と、
前記光信号が表す多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該反転多重信号から反転ビット列を取得する反転ビット列取得手段と、
シンボル周期を同期した状態にて、前記取得された非反転ビット列と、前記取得された反転ビット列と、の論理和を前記第1のビット列として取得する第1のビット列取得手段と、
を備える可視光通信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の可視光通信システムであって、
前記光信号が表す多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分を偽値に置換するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分を真値に置換することにより、中間信号を取得する中間信号取得手段と、
前記取得された中間信号の、前記第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第2の方式に従って対応付けられたビットを取得することにより、当該中間信号から前記第2のビット列を取得する第2のビット列取得手段と、
を備える可視光通信システム。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の可視光通信システムであって、
ローパスフィルタを用いることにより、前記光信号が表す多重信号から、前記第2のシンボル周期よりも短いシンボル周期を有する信号成分を除去した中間信号を取得する中間信号取得手段と、
前記取得された中間信号の、前記第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第2の方式に従って対応付けられたビットを取得することにより、当該中間信号から前記第2のビット列を取得する第2のビット列取得手段と、
を備える可視光通信システム。
【請求項5】
光信号を受信装置へ送信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該受信装置へ伝達する送信装置であって、
前記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、
前記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、
シンボル周期を同期した状態にて、前記生成された第1の信号と、前記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成する多重信号生成手段と、
前記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、前記光信号を生成する光信号生成手段と、
を備える送信装置。
【請求項6】
光信号を受信装置へ送信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該受信装置へ伝達するための送信方法であって、
前記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成し、
前記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成し、
シンボル周期を同期した状態にて、前記生成された第1の信号と、前記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成し、
前記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、前記光信号を生成する、送信方法。
【請求項7】
光信号を受信装置へ送信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該受信装置へ伝達する送信装置に、
前記第1のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第1のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が50%と異なる、予め設定された第1のマーク率値を有する信号である、第1の信号を生成し、
前記第2のビット列を表すとともに、真値及び偽値のいずれかの信号値を有する信号であり、且つ、前記第1のシンボル周期に2以上の整数を乗じた値である、予め設定された第2のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれが、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第2の方式に従って対応付けられたビットを表し、当該第2のシンボル周期に対する、任意のシンボル周期において前記信号値が前記真値である時間の割合であるマーク率が、予め設定された第2のマーク率値を有する信号である、第2の信号を生成し、
シンボル周期を同期した状態にて、前記生成された第1の信号と、前記生成された第2の信号と、の排他的論理和を多重信号として生成し、
前記生成された多重信号が有する信号値が真値である時に光を発するとともに、当該信号値が偽値である時に光を発しないことにより、前記光信号を生成する、処理を実行させるための送信プログラム。
【請求項8】
送信装置により送信された光信号を受信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から取得する受信装置であって、
前記光信号が表す多重信号の、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該多重信号から非反転ビット列を取得する非反転ビット列取得手段と、
前記光信号が表す多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該反転多重信号から反転ビット列を取得する反転ビット列取得手段と、
シンボル周期を同期した状態にて、前記取得された非反転ビット列と、前記取得された反転ビット列と、の論理和を前記第1のビット列として取得する第1のビット列取得手段と、
を備える受信装置。
【請求項9】
送信装置により送信された光信号を受信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から取得するための受信方法であって、
前記光信号が表す多重信号の、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該多重信号から非反転ビット列を取得し、
前記光信号が表す多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該反転多重信号から反転ビット列を取得し、
シンボル周期を同期した状態にて、前記取得された非反転ビット列と、前記取得された反転ビット列と、の論理和を前記第1のビット列として取得する、受信方法。
【請求項10】
送信装置により送信された光信号を受信することにより、第1のビット列、及び、第2のビット列を当該送信装置から取得する受信装置に、
前記光信号が表す多重信号の、予め設定された第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、予め設定された第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、当該第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該多重信号から非反転ビット列を取得し、
前記光信号が表す多重信号が有する信号値の、真値と偽値とを置換した反転多重信号の、前記第1のシンボル周期毎に分割された部分のそれぞれに対して、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在する場合に、当該部分に対して当該ビットを取得するとともに、当該部分における信号値の変化と、前記第1の方式に従って対応付けられたビットが存在しない場合に、当該部分に対して0であるビットを取得することにより、当該反転多重信号から反転ビット列を取得し、
シンボル周期を同期した状態にて、前記取得された非反転ビット列と、前記取得された反転ビット列と、の論理和を前記第1のビット列として取得する、処理を実行させるための受信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−55525(P2013−55525A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192641(P2011−192641)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度 経済産業省 地域イノベーション創出研究開発事業「可視光通信による視覚障がい者向け情報灯台システムの研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】