説明

可視光通信装置

【課題】灯具を備えたアクセスポイントと携帯情報端末との間で可視光による双方向高速通信を行うことができる可視光通信装置を提供する。
【解決手段】灯具3を有すると共に電力線通信システムに接続され、アクセスポイント送信部2及びアクセスポイント受信部4を有したアクセスポイント1と、端末送信部6及び端末受信部7を有した携帯情報端末5との間で、可視光による可視光通信を行う可視光通信装置である。アクセスポイント送信部2は電力線通信システムを通して送られた情報信号を灯具3のLED30の照明光に重畳して携帯情報端末5に送信し、携帯情報端末5の端末送信部6は情報信号をLED39の可視光に重畳してアクセルポイント送信部2に送信し、アクセスポイント1と携帯情報端末5間で双方向可視光通信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間に照射された可視光を使用して通信を行なう可視光通信装置に関し、特にネットワークに接続され灯具を備えたアクセスポイントと携帯情報端末との間で高速の可視光通信を行なう可視光通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電波を通信媒体とした無線通信は、携帯電話網、無線LAN、近距離無線通信など多くの分野で使用されている。
【0003】
しかしながら、電波を媒体として使用する無線通信は、人の近くで送受信を行なう場合、電磁波の人体への影響を考慮して、送信電力を上げることができない。また、無線通信に使用される電波の周波数帯域は、既に多くの使用分野において割り振られ、使用されていることもあって、広帯域の周波数帯を自由に使用することはできない。
【0004】
さらに、病院などの特殊な環境下においては、電波の使用に制限が加えられるなどの制約があり、また、変電所内などのように、電磁波の影響を強く受ける環境で、電波を使用した無線LANを通して情報端末を使用したい場合、電磁波による雑音が非常に大きく、正常な無線情報通信を行うことは難しい。
【0005】
そこで、近年、可視光を通信媒体として情報を伝送する可視光通信が開発され、下記特許文献1などにおいて、可視光を通信媒体とした可視光通信システムが提案されている。
【0006】
この従来の可視光通信システムは、天井部に取り付けた可視光通信照明器具に可視光通信用の送信器を取り付け、情報信号をマンチェスター符号化方式などにより符号化して照明光に重畳させ、照明器具を点灯することにより、使用者が携帯する受信器に対し、照明器具から可視光信号を送信し、受信器で受光した可視光から情報信号を復調して取り出す装置である。しかし、この可視光通信システムでは、通信方式としてマンチェスター符号化方式などのベースバンド方式を使用するため、大容量の高速通信ができず、携帯情報端末などに大容量の画像信号などを高速で送信することは不可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−266794号公報
【特許文献2】特開2010−130029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、上記特許文献2において、高速通信の可能なOFDM方式を用いて可視光通信を行う可視光通信装置が提案されている。このOFDM方式を用いた可視光通信装置は、可視光の三原色である赤色光、緑色光、及び青色光に、OFDMの3つのサブキャリア信号成分を割り当てて変調し、赤色LED、緑色LED、及び青色LEDの発光動作により照射される可視光に、送信データ信号を重畳させて送信するように構成される。
【0009】
しかしながら、発光色の異なるLEDは、一般に、三原色である赤色光、緑色光、及び青色光を照射する赤色LED、緑色LED、及び青色LEDとなるため、OFDMのサブキャリア信号は3つに限定される。このため、例えば、近年のブロードバンドインターネット接続などで使用される数百から数千のサブキャリア数を有するOFDM方式の広帯域のデジタル通信を、アクセスポイントと携帯情報端末間で無線通信により行う場合、3つのサブキャリア信号を用いるOFDM方式の可視光通信装置では、大容量の無線通信を高速で行うことが難しいという課題があった。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、灯具を備えたアクセスポイントと携帯情報端末との間で、可視光による大容量の双方向高速通信を行うことができる可視光通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の可視光通信装置は、
電力線通信システムに接続され灯具を備えたアクセスポイントと携帯情報端末との間で可視光通信を行い、アクセスポイントに、情報信号を重畳した照明光を該灯具のLEDから照明投光するアクセスポイント送信部と、該携帯情報端末の端末送信部のLEDから投光された可視光を受光し、該可視光に重畳された情報信号を取り出すアクセスポイント受信部と、が設けられ、
該携帯情報端末に、情報信号を重畳した可視光をLEDから投光する端末送信部と、該アクセスポイントのアクセスポイント送信部から照明投光された照明光を受光し、該照明光に重畳された情報信号を取り出す端末受信部と、が設けられた可視光通信装置であって、
アクセスポイント送信部は、
該電力線通信システムを介して送られパケット化された送信データ信号の各ビットを該各サブキャリアに割り当てるように送信データを組み替える送信データ処理部と、
該送信データ処理部から送られる送信データのデジタル信号の各ビットを、各サブキャリアについてデジタル変調する変調部と、
該変調部で変調されたシリアルのデジタル送信信号を、該サブキャリアの数のデータ列にパラレル変換するS/P変換部と、
該S/P変換部でパラレルに変換されたデジタル送信信号を逆高速フーリエ変換する逆離散フーリエ変換部と、
該逆離散フーリエ変換部で逆高速フーリエ変換したデジタル送信信号をアナログ信号に変換するD/A変換部と、
該D/A変換部でアナログ信号に変換された複素データを、サブキャリアの搬送周波数の余弦波と正弦波を用いて直交変調し合成する合成部と、
該合成部で合成され、サブキャリアで変調されたアナログの高周波信号を増幅し照明光に重畳させるように前記灯具のLEDを駆動するLED駆動部と、
を備え、
該アクセスポイント受信部は、
該携帯情報端末の端末送信部のLEDから投光された、情報信号を重畳した可視光を受光素子により受光する受光器と、
該受光器から出力された受光信号を増幅して出力する高周波増幅器と、
該高周波増幅器から出力された高周波受信信号を検波して復調する復調部と、
該復調部から出力された高周波受信信号を、正弦波と余弦波を乗じて同相信号と直交信号に分離するIQ分離部と、
該IQ分離部で分離された該同相信号の実部と該直交信号の虚部とをサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換部と、
該A/D変換部から出力された、該同相信号の実部と該直交信号の虚部を合わせた時間軸上の複素値から、各サブキャリアの複素平面上での複素値を求めるように高速フーリエ変換を行う離散フーリエ変換部と、
該離散フーリエ変換部から出力された各サブキャリアのパラレルデータをシリアルデータに変換して受信データとするP/S変換部と、
を備え、
該端末送信部は、送信データ信号の各ビットを該各サブキャリアに割り当てるように送信データを組み替える送信データ処理部と、
該送信データ処理部から送られる送信データのデジタル信号の各ビットを、各サブキャリアについてデジタル変調する変調部と、
該変調部で変調されたシリアルのデジタル送信信号を、該サブキャリアの数のデータ列にパラレル変換するS/P変換部と、
該S/P変換部でパラレルに変換されたデジタル送信信号を逆高速フーリエ変換する逆離散フーリエ変換部と、
該逆離散フーリエ変換部で逆高速フーリエ変換したデジタル送信信号をアナログ信号に変換するD/A変換部と、
該D/A変換部でアナログ信号に変換された複素データを、サブキャリアの搬送周波数の余弦波と正弦波を用いて直交変調し合成する合成部と、
該合成部で合成され、サブキャリアで変調されたアナログの高周波信号を増幅し可視光に重畳させるようにLEDを駆動するLED駆動部と、
を備え、
該端末受信部は、該アクセスポイントのアクセスポイント送信部のLEDから照明投光され、情報信号を重畳した照明光を受光素子により受光する受光器と、
該受光器から出力された受光信号を増幅して出力する高周波増幅器と、
該高周波増幅器から出力された高周波受信信号を検波して復調する復調部と、
該復調部から出力された高周波受信信号を、正弦波と余弦波を乗じて同相信号と直交信号に分離するIQ分離部と、
該IQ分離部で分離された同相信号の実部と直交信号の虚部とをサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換部と、
該A/D変換部から出力された、該同相信号の実部と該直交信号の虚部を合わせた時間軸上の複素値から、各サブキャリアの複素平面上での複素値を求めるように高速フーリエ変換を行う離散フーリエ変換部と、
該離散フーリエ変換部から出力された各サブキャリアのパラレルデータをシリアルデータに変換して受信データとするP/S変換部と、
を備え、
前記アクセスポイントのアクセスポイント送信部は該電力線通信システムを通して送られた情報信号を灯具のLEDの照明光に重畳して該携帯情報端末に送信し、該携帯情報端末の端末送信部は情報信号をLEDの可視光に重畳して該アクセスポイントに送信し、該アクセスポイントと該携帯情報端末間で双方向可視光通信を行うことを特徴とする。なお、上記携帯情報端末は、モバイル端末、ノートパソコンなどの移動可能なコンピュータ端末等を含む概念である。
【0012】
この発明によれば、灯具を備えたアクセスポイントと携帯情報端末との間で、OFDM方式により可視光を通信媒体とした大容量で高速の双方向無線通信を行うことができ、電界の影響を受けやすい変電所内などでも、ネットワーク接続されたアクセスポイントと携帯情報端末間で、可視光により画像データなどの大容量高速通信を安定して行うことができる。また、アクセスポイントは電力線通信システムに接続され、灯具の電源線を使用する電力線通信システムを通してネットワークに接続されるので、LANケーブルを配線する必要がなく、LANケーブルの配線が難しい室内においても、簡便にアクセスポイントを設置することができる。
【0013】
ここで、上記端末受信部の受光器の受光素子の出力側に電流/電圧変換器が接続され、電流/電圧変換器には、該受光素子の光電流を電圧信号として出力するための負荷抵抗が受光素子の出力側に接続され、該負荷抵抗とグランド間にコイルを接続することが望ましい。この発明によれば、受光器の受光素子の出力インピーダンスを高インピーダンスとして、光電流内の高周波電圧信号を効率よく取り出すことができる。
【0014】
また、上記電流/電圧変換器には、複数の負荷抵抗及び該負荷抵抗と直列接続されたコイルを、複数個並列に接続し、上記アクセスポイント送信部の灯具の照度に応じて、該電流/電圧変換器の該負荷抵抗の抵抗値を切り換える抵抗切換手段を設けることが望ましい。
【0015】
この発明によれば、アクセスポイント送信部の灯具の照度が低くまたは高く変化した場合でも、微弱な高周波受信信号を増幅する増幅器が飽和することなく、広いダイナミックレンジで高周波信号を増幅し、端末受信部はアクセスポイント送信部からの情報信号を正確に受信することができる。
【0016】
ここで、抵抗切換手段は、上記電流/電圧変換器から出力される信号に基づき照度信号を出力する照度検出回路と、該照度検出回路から出力される照度信号に基づき上記電流/電圧変換器の負荷抵抗の抵抗値を切り換える抵抗切換回路を備えて構成することができる。
【0017】
この発明によれば、簡単な回路により、照度に応じて電流/電圧変換器の負荷抵抗の抵抗値を切り換えることができる。
【0018】
また、上記アクセスポイント受信部及び端末受信部の受光器の出力側に接続した電流/電圧変換器と上記高周波増幅器との間に、高入力インピーダンスを低出力インピーダンスに変換する緩衝増幅器が接続され、該緩衝増幅器はソースフォロワー回路を有する構成とすることが望ましい。
【0019】
この発明によれば、上記緩衝増幅器の入力インピーダンスを高くして高周波電圧信号を効率よく取り出すことができると共に、ソースフォロワー回路を設けた緩衝増幅器の出力側インピーダンスを低くし、これにより、緩衝増幅器から出力される広帯域の高周波信号を良好な周波数特性をもって次段の高周波増幅器に入力し、広帯域の高周波信号を良好に増幅することができる。
【0020】
また、上記アクセスポイント受信部及び端末受信部の受光器には、凹面鏡の前面に受光素子をその反射面に向けて配設した構造の反射集光型受光素子を単独で配置しまたはアレイ状に並設した反射集光型受光器を使用することができる。この発明によれば、アクセスポイント受信部及び端末受信部は、端末送信部またはアクセスポイント送信部から投光された可視光を、高速応答性を持って良好に受光し、アクセスポイントと携帯情報端末間で可視光による大容量の高速通信を行うことができる。
【0021】
また、上記アクセスポイント送信部及び端末送信部の合成部の出力側に、帯域補正増幅器を接続し、帯域補正増幅器は、LEDの周波数特性の非線形ひずみに対し、予めひずみの逆特性を送信信号に加えて補正するように構成することが望ましい。この発明によれば、周波数が高くなるほど発光レベルが低下するような、周波数特性にひずみを生じやすいLEDを可視光投光用に使用した場合でも、OFDM方式の送信信号のスペクトル分布にひずみを生じさせずに、送信信号をLEDの可視光に重畳させ、高速で送信することができ、これにより、受信部側でOFDM信号を正常に復調することができる。
【0022】
また、上記帯域補正増幅器の出力側に高周波送信信号を増幅する送信信号増幅器を接続し、送信信号増幅器の出力側に、送信信号増幅器の出力側を低インピーダンスとするインピーダンスマッチング回路を接続することが望ましい。
【0023】
この発明によれば、送信信号増幅器を含む増幅器用基板と発熱するLEDを実装したLED基板を分離して配置し、その間を同軸ケーブルで接続することが可能となり、これにより、増幅器に対するLEDの熱影響を最小とすることができ、また、LEDの数が異なるタイプの灯具を有するアクセスポイントに対し、アクセスポイント送信部を共通化して簡単に接続することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の可視光通信装置によれば、灯具の内部にアクセスポイントを簡単に設置することができ、LANケーブルの配線が難しい室内などにアクセスポイントを簡便に設置して、アクセスポイントと携帯情報端末との間で、可視光を通信媒体とした、OFDM方式による大容量で高速の双方向無線通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態を示す可視光通信装置の概略構成図である。
【図2】灯具を備えたアクセスポイントの下面から見た平面図である。
【図3】アクセスポイントの構成ブロック図である。
【図4】携帯情報端末側の構成ブロック図である。
【図5】アクセスポイント送信部または端末送信部における高周波増幅器、LED駆動部等の回路図である。
【図6】アクセスポイント受信部または端末受信部の受信回路の回路図である。
【図7】他の実施形態の上記受信回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。可視光通信装置は、図1に示すように、電力線通信システムSに接続され灯具3を備えたアクセスポイント(固定局)1と携帯情報端末5との間で、高速の双方向可視光通信を行なうように構成される。
[アクセスポイント]
可視光通信装置の固定局を構成するアクセスポイント1は、例えば地下街、建物の室内などの上方に設置され、灯具3を備えて構成され、灯具3から室内などに照明光を照射する。図2に示すように、灯具3には、可視光を照射する多数の白色LED30が円形ベース内に円環状に配置され、白色LED30は、後述のアクセスポイント送信部2のLED駆動部9において、その白色光に、OFDM変調された高周波の情報信号を重畳し、照明用と情報通信兼用の可視光として周囲に照射する。
[アクセスポイント送信部の構成]
図3に示すように、アクセスポイント送信部2は、電力線通信システムSを通して送られるパケットデータを入力し、OFDM変調用にデータを組み換える入力データ処理部10と、入力データ処理部10から送られた送信データ信号の各ビットを各サブキャリアについてデジタル変調し、デジタル変調したシリアルのデータ列をパラレルに変換した後、パラレルデータを逆高速フーリエ変換して時系列データに変換し、それらの時系列データをアナログ信号に変換した後、合成して送信データ信号をOFDM用に変調するOFDM変調器20と、OFDM変調器20から送られOFDM変調された送信データの高周波信号を入力し、その高周波信号を増幅してLEDドライバ36に出力し、照明用の白色光を照射する白色LED(白色発光ダイオード)30に対し高周波送信信号を重畳させるように印加するLED駆動部9と、を備えて構成される。
【0027】
白色LED30は、高輝度の白色LEDが、図2のように、照明用の灯具3の円形ベース内に円環状に多数個配置され、LANを通して送られた画像信号等の情報信号を、灯具3の白色LED30から照射される白色光(照明光)に重畳させ、照明光の到達範囲内に配置される携帯情報端末5の端末受信部7に対し、情報信号を送信するようになっている。なお、白色光とはいわゆる昼間光、白色光を含む概念である。
【0028】
入力データ処理部10のデータ処理部13は、CPU、メモリ、レジスタなどから構成され、イーサネットインタフェース11(イーサネットは登録商標)を通して、電力線通信システムSから送られた送信用のパケットデータを入力する。また、入力データ処理部10は、データバッファ12にそれらのバケットデータを一時格納し、さらに、データ処理部13は、データメモリ14を用いて、パケットデータをOFDM用に組み直し、入出力部15からOFDM変調器20に出力するように構成される。
【0029】
OFDM変調器20は、送信データ信号の各ビットを各サブキャリアについてデジタル変調するデジタル変調部21を備え、デジタル変調部21の出力側に、デジタル変調したシリアルのデータ列を、つまりデータの各ビットを各サブキャリアに割り当てるように、パラレルに変換するS/P変換部22が接続される。
【0030】
デジタル変調部21は、入力データ処理部10から送られたOFDM用の送信データ信号を、64QAM、16QAM、PSKなどの変調方式により、デジタル変調し、S/P変換部22は、デジタル変調されたデータ列の各ビットを各サブキャリアに割り当てるように、N本(例えば1024本)のサブキャリアを使用する場合、データ列の各ビットをN個のパラレルデータに変換し、そのパラレルデータを逆離散フーリエ変換部23に出力するように構成される。
【0031】
逆離散フーリエ変換部23は、離散化されデジタル変調されたN個のシンボルデータ列を高速で逆フーリエ変換し、その計算結果を実数と虚数からなる時間領域の複素データとしてD/A変換部25,26に出力する。
【0032】
アクセスポイント送信部2では、例えば4MHz〜34MHzの高周波の周波数帯域を用いて、その高周波信号を白色LED30の発光する可視光に重畳して情報信号を送信するが、白色LED30の周波数特性は、通常、この周波数領域において非線形ひずみを有しているので、このような白色LED30の周波数特性のひずみを予め補正するように、帯域補正増幅器31がOFDM変調器20の出力側に接続される。
【0033】
逆離散フーリエ変換部23から出力され、逆フーリエ変換された実数と虚数の複素データは、各々、D/A変換部25,26に送られてアナログ信号に変換され、この後、各D/A変換部25,26によりアナログ信号に変換された複素データは、合成部27に送られる。合成部27で、1対の複素データはサブキャリアの例えば4MHz〜34MHzの搬送周波数の余弦波と正弦波を用いて直交変調されて合成され、合成部27からOFDM変調された4MHz〜34MHzの高周波送信信号が出力されるようになっている。
【0034】
このように、OFDM変調器20は、入力データ処理部10から送られた送信データ信号の各ビットをデジタル変調部21で各サブキャリアについてデジタル変調し、デジタル変調したシリアルのデータ列をS/P変換部22でパラレルに変換した後、パラレルデータを逆離散フーリエ変換部23で逆高速フーリエ変換して時系列データに変換する。
【0035】
そして、逆離散フーリエ変換部23から出力された複素データの実数と虚数はD/A変換部25,26に送られ、D/A変換部25,26によりアナログ信号に変換される。アナログ信号に変換された複素データは、合成部27に送られ、1対の複素データは、合成部27にて、サブキャリアの搬送周波数の余弦波と正弦波を用いて直交変調されて合成され、OFDM変調器20の合成部27からOFDM変調された送信信号が緩衝増幅器28を通して帯域補正増幅器31に出力される。緩衝増幅器28は高入力インピーダンス、低出力インピーダンスを有し、インピーダンス変換のために接続される。
【0036】
帯域補正増幅器31は、OFDM変調された高周波送信信号に対し、帯域のイコライジング補正を加えるように高周波送信信号を増幅し、これにより、4MHz〜34MHzのように非常に周波数帯域の広い高周波信号を、白色LED30の周波数特性に応じて補正する回路である。白色LED30の周波数特性は、通常、周波数が低いほど発光レベルが高く、周波数が高くなるほど発光レベルが低下するような非線形特性となっている。このために、OFDM変調された送信信号をそのまま増幅して白色LED30に印加すると、送信信号のスペクトル分布にひずみが生じ、大容量の情報を高速で送受信することができない。このために、帯域補正増幅器31は、このような白色LED30の周波数特性の逆特性を信号に加えて帯域補正をしつつ高周波送信信号を増幅するように構成される。
【0037】
これにより、例えば4MHz〜34MHzのように、高周波の広帯域を用いて信号を送信する際、周波数が低いほど発光レベルが高く、周波数が高くなるほど発光レベルが低下する周波数特性の白色LED30を可視光投光用に使用した場合でも、OFDM方式の送信信号のスペクトル分布にひずみを生じさせずに、LEDの可視光に送信信号を重畳させて、大容量の情報を高速で送信することができるようになっている。
【0038】
帯域補正増幅器31の出力側には、緩衝増幅器29を介して、送信信号を白色LED30に重畳可能なレベルまで増幅するための送信信号増幅器32が接続される。緩衝増幅器28は高入力インピーダンスを低出力インピーダンスに変換する回路である。送信信号増幅器32は、図5に示すように、高周波信号を白色LED30に重畳可能なレベルまで増幅する高周波増幅器38を主要部として構成され、高周波増幅器38の入力側に不平衡/平衡変換回路37が接続される。不平衡/平衡変換回路37は、トランス等を用いて構成され、高周波増幅器38のダイナミックレンジを広くするために、入力した不平衡の送信信号を平衡に変換して高周波増幅器38に出力する。
【0039】
図5に示すように、高周波増幅器38の出力側にはインピーダンスマッチング回路33が接続され、高インピーダンスの高周波増幅器38の出力側を、インピーダンスマッチング用トランスにより、低インピーダンス(例えば50Ω)に変換する。送信信号増幅器32の出力側には、白色LED30を有するLED駆動部9が接続されるが、白色LED30を有するLED駆動部9は、放熱フィンを設ける必要があり、送信信号増幅器32から分離して配置するため、及びアクセスポイント送信部2として、異なった明るさ、異なった数の白色LED30を有したLED駆動部9を、交換可能に使用するために、低インピーダンスの同軸ケーブル35を使用して接続する構成とする。このため、図5に示すように、インピーダンスマッチング用としてトランスTR1を用いたインピーダンスマッチング回路33が送信信号増幅器32の出力側に接続される。
【0040】
さらに、図4,5に示すごとく、インピーダンスマッチング回路33の出力側に、同軸ケーブル35を介してLED駆動部9が接続される。LED駆動部9は、同軸ケーブル35を通して入力した高周波送信信号(OFDM信号のサブキャリア搬送周波数を持つ送信信号)を、白色LED30の入力インピーダンスにマッチングさせるようにインピーダンスマッチング回路34を通して、インピーダンス変換を行い、白色LED30のカソードに高周波送信信号を印加する。一方、白色LED30は、灯具3の照明用と可視光通信用に兼用され、必要な照度が得られるように、多数の高輝度白色LEDを直列接続し、円環状に配置して構成され、図5に示す如く、白色LED30のアノード側に直流電源回路が接続される。
[アクセスポイント受信部の構成]
図3に示すように、アクセスポイント受信部4は、後述の携帯情報端末5の端末送信部6の青色LED39から投光され情報信号を重畳した青色光を、反射集光型の受光素子により受光する受光器41と、受光器41から出力された光電流を入力し、その直流成分を除去しその交流電圧信号を緩衝増幅して次段の高周波増幅器43に出力する緩衝増幅器42と、緩衝増幅器42から出力された高周波電圧信号を入力し低雑音状態で増幅して出力する高周波増幅器43と、高周波増幅器43から出力された高周波受信信号を検波し復調する復調部44と、復調部44から出力された高周波受信信号を、余弦波と正弦波を用いて直交変調し、同相信号と直交信号に分離するIQ分離部45と、IQ分離部45で分離された同相信号の実部と直交信号の虚部とをサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換部46,47と、A/D変換部46,47から出力された、同相信号の実部と直交信号の虚部を合わせた時間軸上の複素値から、各サブキャリアの複素平面上での複素値を求めるように高速フーリエ変換を行う離散フーリエ変換部48と、離散フーリエ変換部48から出力された各サブキャリアのパラレルデータをシリアルデータに変換して受信データとするP/S変換部49と、を備えて構成される。
【0041】
アクセスポイント受信部4の受光器41は、携帯情報端末5の端末送信部6の青色LED39から投光され情報信号を重畳した可視光を受光する受光素子を有して構成され、受光素子には、青色光の波長領域に高い受光感度を有した青色光用フォトダイオードが使用される。さらに、受光器41には、凹面鏡の略焦点位置にフォトダイオードを凹面に向けて配置してなる複数の受光素子部材を、アレイ状に並設した構造の反射集光型受光器が使用される。これにより、受光器41は、その受光感度及び高周波信号の応答速度が非常に高く、可視光に重畳された大容量の情報を高速で受信することができるようになっている。
【0042】
図6に示すように、アクセスポイント受信部4の受光器41には、受光素子のアノードに、光電流を電圧信号に変換する電流/電圧変換器53が接続される。電流/電圧変換器53は、切り換え可能な2系統の抵抗回路から構成され、抵抗R1、コイルL1、L2及び抵抗R2、コイルL3、L4をグランドとの間に直列に接続した2系統の抵抗回路が、上記抵抗切換手段50(図3)となる切換器52に接続され、受光器41が受光する可視光の照度に応じて、切換器52の操作により、受光素子の負荷抵抗つまり抵抗R1、R2の回路を切り換えるように構成される。
【0043】
電流/電圧変換器53の抵抗R1、R2の値は、受光器41が受光する可視光の照度が低い場合、電圧信号を大きく取り出すために、抵抗値を高く設定し、受光器41が受光する可視光の照度が高い場合、電圧信号を低くして取り出すように、抵抗値を小さくして設定され、可視光の照度に応じて受光器41の負荷抵抗を切り換える。これにより、後段の高周波増幅器43が、可視光の照度が高い場合でも、飽和せずに高周波電圧信号を増幅し、また低照度時でも信号を高周波増幅器43が有効なレベルまで増幅するようになっている。また、抵抗R1、R2には各々2個のコイルL1、L2とコイルL3,L4が直列接続され、受光器41の出力インピーダンスを高くして光電流の高周波成分を効率よく取り出すことができるようになっている。
【0044】
さらに、アクセスポイント受信部4では、図6に示す如く、電流/電圧変換器53と高周波増幅器43との間に、ソースフォロワー回路54を設けた緩衝増幅器42が接続される。緩衝増幅器42には、図6のように、FETが使用され、そのゲート入力側に、2個のコンデンサC1,C2が並列接続され、これにより、受光器41から出力される光電流から高周波電圧成分のみを効率よく取り出すようにしている。さらに、緩衝増幅器42は、高入力インピーダンスで高周波電圧信号を入力し、ソースフォロワー回路54を通して低インピーダンスの出力を広帯域の周波数特性をもって次段の高周波増幅器43に出力する。これにより、高周波増幅器43が広帯域の高周波信号を良好な周波数特性をもって増幅することができるようにしている。図6に示すように、高周波増幅器43の出力側は、コンデンサC3,C4、抵抗R3、及びコネクタCN2を通して、図3に示す復調部44に接続される。
【0045】
復調部44は、高周波増幅器43から増幅され出力された高周波受信信号(デジタル変調された信号)を検波して復調し、復調した高周波信号をIQ分離部45に出力する。復調部44の出力側に接続されるIQ分離部45は、復調部44から出力された高周波受信信号を入力し、余弦波と正弦波を用いて直交変調してベースバンド信号とすると共に、同相信号と直交信号に分離し、A/D変換部46,47に各々出力するように構成される。
【0046】
A/D変換部46,47は、各々、IQ分離部45で分離された同相信号の実部と直交信号の虚部を入力し、サンプリングしてデジタル信号に変換し、離散フーリエ変換部48に出力する。離散フーリエ変換部48は、A/D変換部46,47から出力された、同相信号の実部と直交信号の虚部を合わせた時間軸上の複素値のデジタル信号を入力し、これらのデジタル信号から、各サブキャリアの複素平面上での複素値を求めるように高速フーリエ変換を行い、デジタル信号を各サブキャリアのデータに戻すように構成される。
【0047】
離散フーリエ変換部48の出力側に接続されるP/S変換部49は、離散フーリエ変換部48から出力された各サブキャリアのパラレルデータを入力し、これらのパラレルデータをシリアルデータに変換して受信データとし、入力データ処理部10の入出力部15に出力するように構成される。これにより、アクセスポイント受信部4で受信された情報信号は復調され、データ処理部13の動作により、イーサネットインタフェース11を通して電力線通信システムSに出力される構成である。
[携帯情報端末]
図1に示すように、携帯情報端末5には、上記アクセスポイント1との間で、双方向の可視光通信を行う端末送信部6と端末受信部7が設けられる。携帯情報端末5は、基本的には、モバイル端末、移動可能なノートパソコン等のコンピュータ端末などから構成され、コンピュータとして機能するためのCPU,固定メモリのROM,CPUのワークエリアなどを構成するRAM、OSなどの基本ソフト及び各種アプリケーションソフトを記憶する記憶装置、ユーザーが操作入力するための入力手段、画像等を表示するディスプレイなどを備える。
[端末送信部の構成]
携帯情報端末5の端末送信部6は、基本的には、上記アクセスポイント送信部2の構成と同様に構成され、図4に示すように、送信用データを入力してOFDM変調用にデータを組み換え、端末受信部7から入力した受信データを処理する送受信データ処理部16と、送受信データ処理部16から送られた送信データ信号の各ビットを各サブキャリアについてデジタル変調し、デジタル変調したシリアルのデータ列をパラレルに変換した後、パラレルデータを逆高速フーリエ変換して時系列データに変換し、それらの時系列データをアナログ信号に変換した後、合成して送信データ信号をOFDM用に変調するOFDM変調器20と、OFDM変調器20から送られOFDM変調された送信データの高周波信号を入力し、その高周波信号を増幅してLEDドライバ36に出力し、青色光を照射する青色LED(青色発光ダイオード)39(図5)に対し高周波送信信号を重畳させるように印加するLED駆動部9と、を備えて構成される。なお、携帯情報端末5の端末送信部6及び端末受信部7について、上記アクセスポイント1のアクセスポイント送信部2及びアクセスポイント受信部4と同様な構成部分には、図3,4に示すように、同一の符号を付して説明している。
【0048】
送受信データ処理部16のデータ処理部13は、CPU、メモリ、レジスタなどから構成され、携帯情報端末5のコンピュータ端末のCPUと兼用して構成することができる。データ処理部13は、送信しようとする送信データを、データメモリ14を用いてOFDM用に組み直し、入出力部15からOFDM変調器20に出力するように動作する。
【0049】
図4に示すように、OFDM変調器20は、送信データ信号の各ビットを各サブキャリアについてデジタル変調するデジタル変調部21を備え、デジタル変調部21の出力側に、デジタル変調したシリアルのデータ列を、つまりデータの各ビットを各サブキャリアに割り当てるように、パラレルに変換するS/P変換部22が接続される。
【0050】
デジタル変調部21は、送受信データ処理部16から送られたOFDM用の送信データ信号を、64QAM、16QAM、PSKなどの変調方式により、デジタル変調し、S/P変換部22は、デジタル変調されたデータ列の各ビットを各サブキャリアに割り当てるように、N本(例えば1024本)のサブキャリアを使用する場合、データ列の各ビットをN個のパラレルデータに変換し、そのパラレルデータを逆離散フーリエ変換部23に出力するように構成される。
【0051】
逆離散フーリエ変換部23は、離散化されデジタル変調されたN個のシンボルデータ列を高速で逆フーリエ変換し、その計算結果を実数と虚数からなる時間領域の複素データとしてD/A変換部25,26に出力する。
【0052】
端末送信部6では、例えば4MHz〜34MHzの高周波の周波数帯域を用いて、その高周波信号を青色LED39の発光する可視光に重畳して情報信号を送信するが、青色LED39の周波数特性は、通常、この周波数領域において非線形ひずみを有しているので、このような青色LED39の周波数特性のひずみを予め補正するように、帯域補正増幅器31が緩衝増幅器28を介してOFDM変調器20の出力側に接続される。
【0053】
逆離散フーリエ変換部23から出力され、逆フーリエ変換された実数と虚数の複素データは、各々、D/A変換部25,26に送られてアナログ信号に変換され、この後、各D/A変換部25,26によりアナログ信号に変換された複素データは、合成部27に送られる。合成部27で、1対の複素データはサブキャリアの例えば4MHz〜34MHzの搬送周波数の余弦波と正弦波を用いて直交変調されて合成され、合成部27からOFDM変調された4MHz〜34MHzの高周波送信信号が出力されるようになっている。
【0054】
このように、OFDM変調器20は、送受信データ処理部16から送られた送信データ信号の各ビットをデジタル変調部21で各サブキャリアについてデジタル変調し、デジタル変調したシリアルのデータ列をS/P変換部22でパラレルに変換した後、パラレルデータを逆離散フーリエ変換部23で逆高速フーリエ変換して時系列データに変換する。
【0055】
そして、逆離散フーリエ変換部23から出力された複素データの実数と虚数はD/A変換部25,26に送られ、D/A変換部25,26によりアナログ信号に変換される。アナログ信号に変換された複素データは、合成部27に送られ、1対の複素データは、合成部27にて、サブキャリアの搬送周波数の余弦波と正弦波を用いて直交変調されて合成され、OFDM変調器20の合成部27からOFDM変調された送信信号が緩衝増幅器28を通して、帯域補正増幅器31に出力される。緩衝増幅器28は高入力インピーダンスを低出力インピーダンスに変換する回路である。
【0056】
帯域補正増幅器31は、OFDM変調された高周波送信信号に対し、帯域のイコライジング補正を加えるように高周波送信信号を増幅し、これにより、4MHz〜34MHzのように非常に周波数帯域の広い高周波信号を、青色LED39の周波数特性に応じて補正する回路である。青色LED39の周波数特性は、通常、周波数が低いほど発光レベルが高く、周波数が高くなるほど発光レベルが低下するような非線形特性となっている。このために、OFDM変調された送信信号をそのまま増幅して青色LED39に印加すると、送信信号のスペクトル分布にひずみが生じ、大容量の情報を高速で送受信することができない。このため、帯域補正増幅器31は、このような青色LED39の周波数特性の逆特性を信号に加えて帯域補正をしつつ高周波送信信号を増幅するように構成される。
【0057】
これにより、例えば4MHz〜34MHzのように、高周波の広帯域を用いて信号を送信する際、周波数が低いほど発光レベルが高く、周波数が高くなるほど発光レベルが低下する周波数特性の青色LED39を可視光投光用に使用した場合でも、OFDM方式の送信信号のスペクトル分布にひずみを生じさせずに、LEDの可視光に送信信号を重畳させて、大容量の情報を高速で送信することができるようになっている。
【0058】
帯域補正増幅器31の出力側には、緩衝増幅器29を介して、送信信号を青色LED39に重畳可能なレベルまで増幅するための送信信号増幅器32が接続される。この送信信号増幅器32は、図5に示すように、高周波信号を青色LED39に重畳可能なレベルまで増幅する高周波増幅器38を主要部として構成され、高周波増幅器38の入力側に不平衡/平衡変換回路37が接続される。不平衡/平衡変換回路37は、トランス等を用いて構成され、高周波増幅器38のダイナミックレンジを広くするために、入力した不平衡の送信信号を平衡に変換して高周波増幅器38に出力する。
【0059】
図5に示すように、高周波増幅器38の出力側にはインピーダンスマッチング回路33が接続され、高インピーダンスの高周波増幅器38の出力側を、インピーダンスマッチング用トランスにより、低インピーダンス(例えば50Ω)に変換し、同軸ケーブル35を介して送信信号増幅器32の出力を、青色LED39のLED駆動部9に接続する構成となっている。
【0060】
さらに、図4,5に示すごとく、インピーダンスマッチング回路33の出力側に、同軸ケーブル35を介してLED駆動部9が接続される。LED駆動部9は、同軸ケーブル35を通して入力した高周波送信信号(OFDM信号のサブキャリア搬送周波数を持つ送信信号)を、青色LED39の入力インピーダンスにマッチングさせるようにインピーダンスマッチング回路34を通して、インピーダンス変換を行い、青色LED39のカソードに高周波送信信号を印加する。なお、高周波増幅器38の出力側にLED駆動部9を直接接続する場合、インピーダンスマッチング回路33,34、及び同軸ケーブル35は省略することができる。
[端末受信部の構成]
図4に示すように、端末受信部7は、基本的には、上記アクセスポイント受信部4と同様に構成され、アクセスポイント送信部2の白色LED30から照射され情報信号を重畳した可視光を、反射集光型の受光素子により受光する受光器41と、受光器41から出力された光電流を入力し、その直流成分を除去しその交流電圧信号を取り出して電圧信号に変換する電流/電圧変換器53と、電流/電圧変換器53から出力された高周波電圧信号を入力し、その信号を緩衝増幅して次段の高周波増幅器43に出力する緩衝増幅器42と、緩衝増幅器42から出力された高周波電圧信号を入力し低雑音状態で増幅して出力する高周波増幅器43と、高周波増幅器43から出力された高周波受信信号を検波し復調する復調部44と、復調部44から出力された高周波受信信号を、余弦波と正弦波を用いて直交変調し、同相信号と直交信号に分離するIQ分離部45と、IQ分離部45で分離された同相信号の実部と直交信号の虚部とをサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換部46,47と、A/D変換部46,47から出力された、同相信号の実部と直交信号の虚部を合わせた時間軸上の複素値から、各サブキャリアの複素平面上での複素値を求めるように高速フーリエ変換を行う離散フーリエ変換部48と、離散フーリエ変換部48から出力された各サブキャリアのパラレルデータをシリアルデータに変換して受信データとするP/S変換部49と、を備えて構成される。
【0061】
端末受信部7の受光器41は、アクセスポイント1の灯具3の白色LED30から照射され情報信号を重畳した可視光を受光する受光素子を有して構成される。受光器41には、凹面鏡の略焦点位置にフォトダイオードを凹面に向けて配置してなる複数の受光素子部材を、アレイ状に並設した構造の反射集光型受光器が使用される。これにより、受光器41は、その受光感度及び高周波信号の応答速度が非常に高く、可視光に重畳された大容量の情報を高速で受信することができるようになっている。
【0062】
図6に示すように、端末受信部7の受光器41には、受光素子のアノードに、光電流を電圧信号に変換する電流/電圧変換器53が接続される。電流/電圧変換器53は、切り換え可能な2系統の抵抗回路から構成され、抵抗R1、コイルL1、L2及び抵抗R2、コイルL3、L4をグランドとの間に直列に接続した2系統の抵抗回路が、上記抵抗切換手段50となる切換器52に接続され、受光器41が受光する可視光の照度に応じて、切換器52の操作により、抵抗回路つまり抵抗R1と抵抗R2の回路を切り換えるように構成される。電流/電圧変換器42aの抵抗R1、R2の値は、受光器41が受光する可視光の照度が低い場合、電圧信号を大きく取り出すために、抵抗値を高く設定し、受光器41が受光する可視光の照度が高い場合、電圧信号を低くして取り出すように、抵抗値を小さく設定され、可視光の照度に応じて抵抗R1と抵抗R2の回路を切り換える。
【0063】
これにより、端末受信部7がアクセスポイント送信部2に非常に接近し、或いは太陽光などの影響により、端末受信部7の受光器41に入射する可視光の照度が高い場合でも、後段の高周波増幅器43が飽和せずに高周波電圧信号を増幅し、また低照度時でも受信信号を高周波増幅器43が有効なレベルまで増幅できるようにしている。また、抵抗R1、R2には各々2個のコイルL1、L2とコイルL3,L4が直列接続され、受光器41の出力インピーダンスを高くして光電流の高周波成分を効率よく取り出すことができるようになっている。
【0064】
さらに、端末受信部7では、図6に示す如く、電流/電圧変換器53と高周波増幅器43との間に、ソースフォロワー回路54を設けた緩衝増幅器42が接続される。緩衝増幅器42には、図6のように、FETが使用され、そのゲート入力側に、2個のコンデンサC1,C2が並列接続され、これにより、受光器41から出力される光電流から高周波電圧成分のみを効率よく取り出すようにしている。さらに、緩衝増幅器42は、高入力インピーダンスで高周波電圧信号を入力し、ソースフォロワー回路54を通して低インピーダンスの出力を広帯域の周波数特性をもって次段の高周波増幅器43に出力し、これにより、高周波増幅器43が広帯域の高周波信号を良好な周波数特性をもって増幅することができるようにしている。図6に示すように、高周波増幅器43の出力側は、コンデンサC3,C4、抵抗R3、及びコネクタCN2を通して、図4に示す復調部44に接続される。
【0065】
復調部44は、高周波増幅器43から増幅され出力された高周波受信信号(デジタル変調された信号)を検波して復調し、復調した高周波信号をIQ分離部45に出力する。復調部44の出力側に接続されるIQ分離部45は、復調部44から出力された高周波受信信号を入力し、余弦波と正弦波を用いて直交変調してベースバンド信号とすると共に、同相信号と直交信号に分離し、A/D変換部46,47に各々出力するように構成される。
【0066】
A/D変換部46,47は、各々、IQ分離部45で分離された同相信号の実部と直交信号の虚部を入力し、サンプリングしてデジタル信号に変換し、離散フーリエ変換部48に出力する。離散フーリエ変換部48は、A/D変換部46,47から出力された、同相信号の実部と直交信号の虚部を合わせた時間軸上の複素値のデジタル信号を入力し、これらのデジタル信号から、各サブキャリアの複素平面上での複素値を求めるように高速フーリエ変換を行い、デジタル信号を各サブキャリアのデータに戻すように構成される。
【0067】
離散フーリエ変換部48の出力側に接続されるP/S変換部49は、離散フーリエ変換部48から出力された各サブキャリアのパラレルデータを入力し、これらのパラレルデータをシリアルデータに変換して受信データとし、送受信データ処理部16の入出力部15に出力するように構成される。これにより、端末受信部7で受信された情報信号は復調され、データ処理部13の動作により取り込まれ、データメモリ14に記憶され、その後、携帯情報端末5の操作に応じて、文字、画像の情報などがディスプレイに表示され、音声情報の場合、図示しないスピーカーなどから音声が出力される構成である。
[可視光通信装置の動作]
次に、上記構成の可視光通信装置の動作を説明する。アクセスポイント1の灯具3は、室内などの照明を行う場合、電源オンによりLEDドライバ36が動作し、白色LED30が白色光を照明光として照射し、室内などの照明を行う。
【0068】
アクセスポイント送信部2が起動し、電力線通信システムSを通して、画像信号、音声信号などの送信信号が入力データ処理部10に送られると、図3のデータ処理部13は、イーサネットインタフェース11を通して送信用パケットデータを入力し、データメモリ14を用いて、パケットデータをOFDM用に組み直し、それらのデータを入出力部15からOFDM変調器20に出力する。
【0069】
OFDM変調器20のデジタル変調部21は、入力データ処理部10から送られたOFDM用の送信データ信号を入力すると、例えば64QAMなどの変調方式により、送信データ信号の各ビットを各サブキャリアについてデジタル変調し、変調したシリアルのデータ信号は、S/P変換部22に送られる。
【0070】
S/P変換部22は、デジタル変調されたシリアルデータを入力すると、データ列の各ビットを各サブキャリアに割り当てるように、N本(例えば1024本)のサブキャリアを使用する場合、データ列の各ビットをN個のパラレルデータに変換し、そのパラレルデータを逆離散フーリエ変換部23に出力する。
【0071】
次に、逆離散フーリエ変換部23は、デジタル変調されデータ列の各ビットを各サブキャリアに割り当てるように構成されたパラレルのシンボルデータ列を、高速で逆離散フーリエ変換し、その演算結果を、実数と虚数からなる時間領域の複素データとして、D/A変換部25,26に出力する。
【0072】
逆離散フーリエ変換された実数と虚数の複素データは、各々、D/A変換部25,26に送られてアナログ信号に変換され、この後、各D/A変換部25,26によりアナログ信号に変換された複素データは、合成部27に送られる。合成部27において、1対の複素データは、サブキャリアの例えば4MHz〜34MHzの搬送周波数の余弦波と正弦波を用いて、直交変調されて合成され、合成部27からOFDM変調された4MHz〜34MHzの高周波送信信号は、緩衝増幅器28を通して帯域補正増幅器31に出力される。
【0073】
帯域補正増幅器31は、OFDM変調された高周波送信信号に対し、帯域のイコライジング補正を加えるように高周波送信信号を増幅し、これにより、4MHz〜34MHzのように非常に周波数帯域の広い高周波信号を、図3の白色LED30の周波数特性に応じて補正する。つまり、白色LED30の周波数特性は、通常、周波数が低いほど発光レベルが高く、周波数が高くなるほど発光レベルが低下するような非線形特性となっているので、そのような白色LED30の非線形特性を補正するために、は、白色LED30の周波数特性の逆特性を信号に加え、帯域補正をしつつ高周波送信信号を増幅する。
【0074】
これにより、例えば4MHz〜34MHzのように、高周波の広帯域で信号を送信する際、周波数が低いほど発光レベルが高く、周波数が高くなるほど発光レベルが低下する周波数特性の白色LED30を可視光投光用に使用した場合でも、OFDM方式の送信信号のスペクトル分布にひずみを生じさせずに、LEDの可視光に送信信号を重畳させて、大容量の情報を高速で送信することができる。帯域補正増幅器31から帯域補正をしつつ増幅された高周波送信信号は緩衝増幅器29を通して送信信号増幅器32に入力される。
【0075】
送信信号増幅器32では、図5に示す如く、帯域補正された高周波送信信号を、不平衡/平衡変換回路37により、不平衡状態の送信信号を平衡に変換し、次段の高周波増幅器38のダイナミックレンジを広くする。そして、次の高周波増幅器38では、高周波送信信号を、白色LED30の白色光に重畳可能なレベルまで増幅する。増幅された送信信号はインピーダンスマッチング回路33,34を通してLEDドライバ36に入力され、LEDドライバ36は白色LED30を発光駆動する状態で、OFDM変調された高周波送信信号を重畳し、高周波送信信号を重畳した可視光は、図3の白色LED30から可視光通信用及び照明用として照射される。
【0076】
携帯情報端末5のユーザーは、アクセスポイント1にアクセスしてデータを取り込みたい場合、灯具3の白色LED30の白色光の照射範囲内に携帯情報端末5を位置させて、端末受信部7を起動する。端末受信部7が動作すると、図4の端末受信部7の受光器41が白色光を受光して光電流を出力し、光電流は電流/電圧変換器53により電圧信号に変換され、直流成分を除去された電圧信号(高周波受信信号)が緩衝増幅器42に入力される。
【0077】
このとき、抵抗切換手段50の切換器52は、受光器41が受光する可視光の照度が低い場合、電圧信号を高く取り出すために、電流/電圧変換器53の抵抗R1、R2の抵抗値の大きい側に切り換え、受光器41が受光する可視光の照度が高い場合、電圧信号を低くして取り出すために、抵抗値の小さい側に切り換える。
【0078】
これにより、例えば、端末受信部7がアクセスポイント送信部2に非常に接近し、或いは太陽光などの影響により、端末受信部7の受光器41に入射する可視光の照度が高い場合でも、後段の高周波増幅器43が飽和せずに高周波電圧信号を増幅することができる。また、端末受信部7の受光器41が受光するアクセスポイント送信部2の可視光の照度が低照度時でも、端末受信部7は受信信号を高周波増幅器43が有効なレベルまで増幅することができる。また、電流/電圧変換器53の抵抗R1、R2には、各々2個のコイルL1、L2とコイルL3,L4が直列接続されるので、受光器41の出力インピーダンスを高くして光電流の高周波成分を効率よく取り出すことができる。
【0079】
電流/電圧変換器53から出力された高周波電圧信号は、緩衝増幅器42を通して高周波増幅器43に入力されるが、緩衝増幅器42では高入力インピーダンスで入力した受信信号を低出力インピーダンスとして次段の高周波増幅器43に出力する。高周波増幅器43は、低入力インピーダンスで入力した微細な高周波電圧信号を、低雑音状態で効率よく広帯域増幅し、復調部44に出力する。
【0080】
復調部44は、高周波増幅器43から出力された高周波受信信号を検波して復調し、次のIQ分離部45に復調した高周波受信信号を出力する。IQ分離部45は、入力した高周波受信信号を、余弦波と正弦波を用いて直交変調し、同相信号と直交信号に分離する。次に、IQ分離部45で分離された同相信号の実部と直交信号の虚部は、各々、A/D変換部46,47に出力され、A/D変換部46,47にて、サンプリングしてデジタル信号に変換された後、離散フーリエ変換部48に入力される。
【0081】
離散フーリエ変換部48では、同相信号の実部と直交信号の虚部を合わせた時間軸上の複素値から、各サブキャリアの複素平面上での複素値を求めるように高速フーリエ変換を行い、離散フーリエ変換部48から出力された各サブキャリアのパラレルデータは、P/S変換部49によりシリアルデータに変換され、受信データとして送受信データ処理部16の入出力部15に入力される。図4の送受信データ処理部16のデータ処理部13は、入力した受信データを、データメモリ14に記憶し、ユーザーによる携帯情報端末5の操作に応じて、受信データに基づく文字、画像の情報などがディスプレイに表示される。
【0082】
一方、アクセスポイント1にアップリンクして携帯情報端末5からデータを送信する場合、携帯情報端末5の端末送信部6が起動すると、図4の端末送信部6の送受信データ処理部16は、送信用データをOFDM用に組み直し、それらのデータを入出力部15からOFDM変調器20に出力する。
【0083】
OFDM変調器20のデジタル変調部21は、入力データ処理部10から送られたOFDM用の送信データ信号を入力すると、例えば64QAMなどの変調方式により、送信データ信号の各ビットを各サブキャリアについてデジタル変調し、変調したシリアルのデータ信号は、S/P変換部22に送られる。
【0084】
図4に示すように、S/P変換部22は、デジタル変調されたシリアルデータを入力すると、データ列の各ビットを各サブキャリアに割り当てるように、N本(例えば1024本)のサブキャリアを使用する場合、データ列の各ビットをN個のパラレルデータに変換し、そのパラレルデータを逆離散フーリエ変換部23に出力する。
【0085】
次に、逆離散フーリエ変換部23は、デジタル変調されデータ列の各ビットを各サブキャリアに割り当てるように構成されたパラレルのシンボルデータ列を、高速で逆離散フーリエ変換し、その演算結果を、実数と虚数からなる時間領域の複素データとして、D/A変換部25,26に出力する。
【0086】
逆離散フーリエ変換された実数と虚数の複素データは、各々、D/A変換部25,26に送られてアナログ信号に変換され、この後、各D/A変換部25,26によりアナログ信号に変換された複素データは、合成部27に送られる。合成部27において、1対の複素データは、サブキャリアの例えば4MHz〜34MHzの搬送周波数の余弦波と正弦波を用いて、直交変調されて合成され、合成部27からOFDM変調された4MHz〜34MHzの高周波送信信号は、緩衝増幅器28を通して帯域補正増幅器31に出力される。
【0087】
帯域補正増幅器31は、OFDM変調された高周波送信信号に対し、帯域のイコライジング補正を加えるように高周波送信信号を増幅し、これにより、4MHz〜34MHzのように非常に周波数帯域の広い高周波信号を、青色LED39の周波数特性に応じて補正する。つまり、青色LED39の周波数特性は、通常、周波数が低いほど発光レベルが高く、周波数が高くなるほど発光レベルが低下するような非線形特性となっているので、そのような青色LED39の非線形特性を補正するために、帯域補正増幅器31は、青色LED39の周波数特性の逆特性を信号に加え、帯域補正をしつつ高周波送信信号を増幅する。帯域補正増幅器31で帯域補正された高周波送信信号は緩衝増幅器29を通して送信信号増幅器32に入力される。
【0088】
送信信号増幅器32では、帯域補正された高周波送信信号を、不平衡/平衡変換回路37により、不平衡状態の送信信号を平衡に変換し、次段の高周波増幅器38のダイナミックレンジを広くする。そして、次の高周波増幅器38では、高周波送信信号を、青色LED39の青色光に重畳可能なレベルまで増幅する。増幅された送信信号はインピーダンスマッチング回路33,34を通してLEDドライバ36に入力され、図4のLEDドライバ36は青色LED39を発光駆動すると共に、OFDM変調された高周波送信信号を青色光に重畳し、青色LED39から青色光が高周波送信信号を重畳し、アクセスポイント1に向けて照射される。つまり、携帯情報端末5からアクセスポイント1へのアップリンク時には、灯具3の白色光とは異なる青色光を投光し、可視光通信を行うこととなる。
【0089】
したがって、携帯情報端末5を使用するユーザーは、照明光として灯具3から白色光を照明投光するアクセスポイント1に対し、そのアップリングで、端末送信部6から青色光を投光することとなるので、端末送信部6から投光される青色光を容易に視認することができ、これにより、ユーザーは、アクセスポイント1に対し携帯情報端末5から可視光通信を行ってアップリンクしている状態を容易に認識することができる。
【0090】
一方、アクセスポイント1のアクセスポイント受信部4の受光器41が、端末送信部6の青色LED39から照射された青色光を受光すると、図3の受光器41は光電流を電流/電圧変換器53に出力し、電流/電圧変換器53は光電流を電圧信号に変換し、直流成分を除去されて交流電圧信号(高周波受信信号)が発生する。
【0091】
このアクセスポイント受信部4の受信動作においても、上記と同様、図6に示す切換器52は、受光器41が受光する可視光の照度が低い場合、電圧信号を高く取り出すために、電流/電圧変換器53の抵抗R1、R2の抵抗値の大きい側に切り換え、受光器41が受光する可視光の照度が高い場合、電圧信号を低くして取り出すために、抵抗値の小さい側に切り換える。
【0092】
これにより、例えば、端末送信部6がアクセスポイント受信部4に非常に接近し、或いは太陽光などの影響により、アクセスポイント受信部4の受光器41に入射する可視光の照度が高い場合でも、後段の高周波増幅器43が飽和せずに高周波電圧信号を増幅することができる。また、受光器41が受光する端末送信部6からの可視光の照度が低照度時でも、アクセスポイント受信部4は受信信号を高周波増幅器43が有効なレベルまで増幅することができる。また、電流/電圧変換器53の抵抗R1、R2には、各々2個のコイルL1、L2とコイルL3,L4が直列接続されるので、受光器41の出力インピーダンスを高くして光電流の高周波成分を効率よく取り出すことができる。
【0093】
電流/電圧変換器53から抽出された高周波受信信号は、緩衝増幅器42に入力され、緩衝増幅器42では高入力インピーダンスで入力した受信信号を低出力インピーダンスとして次段の高周波増幅器43に出力する。高周波増幅器43は、低入力インピーダンスで入力した微細な高周波電圧信号を、低雑音状態で効率よく広帯域増幅し、復調部44に出力する。
【0094】
復調部44は、高周波増幅器43から出力された高周波受信信号を検波して復調し、次のIQ分離部45に復調した高周波受信信号を出力する。IQ分離部45は、入力した高周波受信信号を、余弦波と正弦波を用いて直交変調し、同相信号と直交信号に分離する。次に、IQ分離部45で分離された同相信号の実部と直交信号の虚部は、各々、A/D変換部46,47に出力され、A/D変換部46,47にて、サンプリングしてデジタル信号に変換された後、離散フーリエ変換部48に入力される。
【0095】
離散フーリエ変換部48では、同相信号の実部と直交信号の虚部を合わせた時間軸上の複素値から、各サブキャリアの複素平面上での複素値を求めるように高速フーリエ変換を行い、離散フーリエ変換部48から出力された各サブキャリアのパラレルデータは、P/S変換部49によりシリアルデータに変換され、受信データとして入力データ処理部10の入出力部15に入力される。入力データ処理部10のデータ処理部13は、入力した受信データを、データバッファ12を使用して、パケットデータに組み替え、イーサネットインタフェース11を通して、電力線通信システムSに出力する。
【0096】
このように、電力線通信システムSに接続され灯具3を備えたアクセスポイント1と携帯情報端末5との間で、OFDM方式により可視光を通信媒体とした大容量で高速の双方向無線通信を行うことができ、電界の影響を受けやすい変電所内などでも、ネットワーク接続されたアクセスポイント1と携帯情報端末5間で、可視光により画像データなどの大容量高速通信を安定して行うことができる。また、アクセスポイント1は電力線通信システムSに接続され、灯具3の電源線を使用する電力線通信システムSを通してネットワークに接続されるので、LANケーブルを配線する必要がなく、LANケーブルの配線が難しい室内においても、簡便にアクセスポイント1を設置することができる。
【0097】
図7は他の実施形態のアクセスポイント受信部4及び端末受信部7の受信回路を示している。図7の受信回路は、受光器41が受光した可視光の照度を検出し、その照度に応じて自動的に電流/電圧変換器56の抵抗R1,R2を、抵抗切換回路59により切り換えるように構成される。この受信回路では、抵抗R1の抵抗値は高く、抵抗R2の抵抗値は低く設定される。つまり、電流/電圧変換器56の抵抗R1の抵抗値は、照度の低いときに合わせて、微弱な光電流から比較的高い電圧信号を取り出し得るように、抵抗R2の抵抗値と比較して高く設定され、一方、抵抗R2の抵抗値は、照度の高いときに、中間レベルの電圧信号を取り出し、高周波増幅器43が飽和せずに高周波信号を増幅できるように、抵抗R1より低く設定される。
【0098】
抵抗切換回路59は、図7に示すように、抵抗R1,抵抗R2に対し、各々2個のスイッチングFET3,4及びスイッチングFET5,6を接続し、それらのスイッチングFET3〜6の動作により、抵抗R1または抵抗R2を選択的に、コイルL1またはコイルL2を通してグランドに接続して、抵抗R1または抵抗R2の何れか一方に光電流を流し電圧信号を発生させるように構成される。このために、各々2対のスイッチングFET3〜6はそのソース・ドレイン間が相互に接続され、さらにスイッチングFET3のドレインが抵抗R1に接続され、スイッチングFET5のドレインが抵抗R2に接続され、スイッチングFET4のソースにコイルL1が接続され、スイッチングFET6のソースにコイルL2が接続される。また、2対のスイッチングFET3〜6のゲートには、FETのスイッチング用に、切換制御回路58から出力される高レベル切換信号を印加する第1回路58a及び第2回路58bが接続され、第1回路58aには低照度時に高レベル信号が出力され、第2回路58bには低照度時、高レベル信号が出力される。
【0099】
切換制御回路58は、受光器41の受光レベルつまりアクセスポイント送信部2または端末送信部6から照射される可視光の照度に応じて、照度検出回路57から出力される照度信号を入力し、その照度信号のレベルが所定の基準値より高い高照度のとき、第2回路58bを高レベルとし、照度信号のレベルが所定の基準値より低い低照度のとき、第1回路58aを高レベルとするように構成される。
【0100】
また、照度検出回路57は、受光器41の出力側に発生する電圧信号をオペアンプOP1に入力し、オペアンプOP1から照度信号を切換制御回路58に出力するように構成される。なお、オペアンプOP1の出力側には、別のオペアンプOP2を通して、抵抗R1,R2の切換状態を示す切換状態信号を、切換制御回路58に出力する回路が接続される。
【0101】
一方、受光器41から出力された光電流を電圧信号に変換して得られる高周波受信信号を増幅する回路には、FET1及びFET2を使用した緩衝増幅器42が接続され、特に、高周波増幅器43側のFET2は、ソースフォロワー回路54を有して構成され、高周波増幅器43の入力側を低インピーダンスとして、次段の高周波増幅器43が広帯域の高周波信号を良好な周波数特性をもって増幅することができるようにしている。
【0102】
つまり、高周波電圧信号を増幅する高周波増幅器43の入力側には、緩衝増幅器42のFET2に設けたソースフォロワー回路54が接続され、緩衝増幅器42の1段目のFET1には、図7のように、FET1のゲート入力側に、2個のコンデンサC1,C2を並列接続し、2段目のFET2のソースにソースフォロワー回路54を接続するようにし、これにより、受光器41から出力される光電流から高周波電圧成分のみを効率よく抽出するようにしている。図7に示すように、高周波増幅器43の出力側は、コンデンサC3,C4を通して、図3に示す復調部44に接続される。
【0103】
上記構成の受信回路は、上記アクセスポイント受信部4及び端末受信部7の受信回路として使用される。アクセスポイント受信部4または端末受信部7が起動して、受光器41が可視光を受光すると、図7の受光器41が受光した可視光に応じて光電流を出力し、光電流は電流/電圧変換器56により電圧信号に変換され、直流成分を除去された高周波電圧信号(高周波受信信号)が緩衝増幅器42を通して高周波増幅器に出力される。
【0104】
このとき、照度検出回路57は、高周波受信信号の電圧信号をオペアンプOP1に入力し、増幅して、受光した可視光の照度を示す照度信号を発生し、切換制御回路58に出力する。切換制御回路58は、照度検出回路57から照度信号を入力すると共に、オペアンプOP2から切換状態信号を入力し、照度信号の電圧レベルを基準値と比較し、受光した可視光の照度が低く、照度信号の電圧レベルが基準値より低い場合、第1回路58aに高レベル信号を出力する。これにより、抵抗切換回路59のFET3,4がオンし、電流/電圧変換器56の抵抗を、抵抗値の高い抵抗R1に切り換え、抵抗R1,コイルL1を通して受光器の光電流をグランドに流す。これにより、受光器41が受光する可視光の照度が低い場合でも、光電流から高周波電圧信号が十分なレベルで取り出され、受信信号を高周波増幅器43が有効なレベルまで増幅できるようにする。
【0105】
一方、受光器41が受光する可視光の照度が高く、照度信号の電圧レベルが基準値より高い場合、切換制御回路58は、第2回路58bに高レベル信号を出力する。これにより、抵抗切換回路59のFET5,6がオンし、電流/電圧変換器56の抵抗が、抵抗値の低い抵抗R2に切り換えられ、受光器の光電流が抵抗R2,コイルL2を通してグランドに流れる。これにより、受光器41が受光する可視光の照度が高い場合、光電流から抽出させる高周波電圧信号は低く抑えられ、後段の高周波増幅器43は飽和することなく、高周波受信信号を有効に増幅することができる。
【0106】
これにより、携帯情報端末5の端末受信部7がアクセスポイント送信部2に非常に接近し、或いは太陽光などの影響により、端末受信部7の受光器41に入射する可視光の照度が高い場合でも、高周波増幅器43が飽和せずに高周波電圧信号を増幅し、また低照度時でも、受信信号を高周波増幅器43が有効なレベルまで増幅できるようになる。
【0107】
また、抵抗切換回路59の切換時には、電流/電圧変換器56の抵抗R1または抵抗R2に、コイルL1またはコイルL2が直列接続されるので、受光器41の出力インピーダンスを高くして光電流の高周波成分を効率よく取り出すことができる。
【0108】
そして、電流/電圧変換器56から出力された高周波電圧信号は、コンデンサC1,C2を通してFET1,2からなる緩衝増幅器42に入力され、緩衝増幅器42のソースフォロワー回路54を通して、高周波増幅器43に入力されるので、高周波増幅器43は、低入力インピーダンスで入力した微細な高周波電圧信号を、低雑音状態で効率よく広帯域増幅し、復調部44に出力するように動作する。
【0109】
このように、図7に示す受信回路をアクセスポイント受信部4及び端末受信部7に設けることにより、例えばアクセスポイント送信部の灯具の照度が低くまたは高く変化した場合或いは太陽光が受光器41に入射した場合でも、微弱な高周波受信信号を増幅する高周波増幅器が飽和することなく、広いダイナミックレンジで高周波信号を増幅し、端末受信部はアクセスポイント送信部からの情報信号を正確に受信することができる。また、電流/電圧変換器56から出力される信号に基づき照度信号を出力する照度検出回路57、電流/電圧変換器56の負荷抵抗の抵抗値を切り換える抵抗切換回路59、及び照度検出回路57から出力される照度信号に基づき、抵抗切換回路59の切換動作を制御する切換制御回路58は、図7に示すように、簡単な回路から構成することができ、アクセスポイント受信部4及び端末受信部7が受光する可視光の照度に応じて、電流/電圧変換器56の負荷抵抗の抵抗値を自動的に切り換えることができる。
【符号の説明】
【0110】
1 アクセスポイント
2 アクセスポイント送信部
3 灯具
4 アクセスポイント受信部
5 携帯情報端末
6 端末送信部
7 端末受信部
9 LED駆動部
10 入力データ処理部
11 イーサネットインタフェース
12 データバッファ
13 データ処理部
14 データメモリ
15 入出力部
16 送受信データ処理部
20 OFDM変調器
21 デジタル変調部
22 S/P変換部
23 逆離散フーリエ変換部
25 D/A変換部
27 合成部
28 緩衝増幅器
29 緩衝増幅器
31 帯域補正増幅器
32 送信信号増幅器
33 インピーダンスマッチング回路
34 インピーダンスマッチング回路
35 同軸ケーブル
36 LEDドライバ
37 不平衡/平衡変換回路
38 高周波増幅器
41 受光器
42 緩衝増幅器
42a 電流/電圧変換器
43 高周波増幅器
44 復調部
45 IQ分離部
46 A/D変換部
48 離散フーリエ変換部
49 P/S変換部
50 抵抗切換手段
52 切換器
53 電流/電圧変換器
54 ソースフォロワー回路
56 電流/電圧変換器
57 照度検出回路
58 切換制御回路
58a 第1回路
58b 第2回路
59 抵抗切換回路
S 電力線通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線通信システムに接続され灯具を備えたアクセスポイントと携帯情報端末との間で可視光通信を行い、アクセスポイントに、情報信号を重畳した照明光を該灯具のLEDから照明投光するアクセスポイント送信部と、該携帯情報端末の端末送信部のLEDから投光された可視光を受光し、該可視光に重畳された情報信号を取り出すアクセスポイント受信部と、が設けられ、
該携帯情報端末に、情報信号を重畳した可視光をLEDから投光する端末送信部と、該アクセスポイントのアクセスポイント送信部から照明投光された照明光を受光し、該照明光に重畳された情報信号を取り出す端末受信部と、が設けられた可視光通信装置であって、
アクセスポイント送信部は、
該電力線通信システムを介して送られパケット化された送信データ信号の各ビットを該各サブキャリアに割り当てるように送信データを組み替える送信データ処理部と、
該送信データ処理部から送られる送信データのデジタル信号の各ビットを、各サブキャリアについてデジタル変調する変調部と、
該変調部で変調されたシリアルのデジタル送信信号を、該サブキャリアの数のデータ列にパラレル変換するS/P変換部と、
該S/P変換部でパラレルに変換されたデジタル送信信号を逆高速フーリエ変換する逆離散フーリエ変換部と、
該逆離散フーリエ変換部で逆高速フーリエ変換したデジタル送信信号をアナログ信号に変換するD/A変換部と、
該D/A変換部でアナログ信号に変換された複素データを、サブキャリアの搬送周波数の余弦波と正弦波を用いて直交変調し合成する合成部と、
該合成部で合成され、サブキャリアで変調されたアナログの高周波信号を増幅し照明光に重畳させるように前記灯具のLEDを駆動するLED駆動部と、
を備え、
該アクセスポイント受信部は、
該携帯情報端末の端末送信部のLEDから投光された、情報信号を重畳した可視光を受光素子により受光する受光器と、
該受光器から出力された受光信号を増幅して出力する高周波増幅器と、
該高周波増幅器から出力された高周波受信信号を検波して復調する復調部と、
該復調部から出力された高周波受信信号を、正弦波と余弦波を乗じて同相信号と直交信号に分離するIQ分離部と、
該IQ分離部で分離された該同相信号の実部と該直交信号の虚部とをサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換部と、
該A/D変換部から出力された、該同相信号の実部と該直交信号の虚部を合わせた時間軸上の複素値から、各サブキャリアの複素平面上での複素値を求めるように高速フーリエ変換を行う離散フーリエ変換部と、
該離散フーリエ変換部から出力された各サブキャリアのパラレルデータをシリアルデータに変換して受信データとするP/S変換部と、
を備え、
該端末送信部は、送信データ信号の各ビットを該各サブキャリアに割り当てるように送信データを組み替える送信データ処理部と、
該送信データ処理部から送られる送信データのデジタル信号の各ビットを、各サブキャリアについてデジタル変調する変調部と、
該変調部で変調されたシリアルのデジタル送信信号を、該サブキャリアの数のデータ列にパラレル変換するS/P変換部と、
該S/P変換部でパラレルに変換されたデジタル送信信号を逆高速フーリエ変換する逆離散フーリエ変換部と、
該逆離散フーリエ変換部で逆高速フーリエ変換したデジタル送信信号をアナログ信号に変換するD/A変換部と、
該D/A変換部でアナログ信号に変換された複素データを、サブキャリアの搬送周波数の余弦波と正弦波を用いて直交変調し合成する合成部と、
該合成部で合成され、サブキャリアで変調されたアナログの高周波信号を増幅し可視光に重畳させるようにLEDを駆動するLED駆動部と、
を備え、
該端末受信部は、該アクセスポイントのアクセスポイント送信部のLEDから照明投光され、情報信号を重畳した照明光を受光素子により受光する受光器と、
該受光器から出力された受光信号を増幅して出力する高周波増幅器と、
該高周波増幅器から出力された高周波受信信号を検波して復調する復調部と、
該復調部から出力された高周波受信信号を、正弦波と余弦波を乗じて同相信号と直交信号に分離するIQ分離部と、
該IQ分離部で分離された同相信号の実部と直交信号の虚部とをサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換部と、
該A/D変換部から出力された、該同相信号の実部と該直交信号の虚部を合わせた時間軸上の複素値から、各サブキャリアの複素平面上での複素値を求めるように高速フーリエ変換を行う離散フーリエ変換部と、
該離散フーリエ変換部から出力された各サブキャリアのパラレルデータをシリアルデータに変換して受信データとするP/S変換部と、
を備え、
前記アクセスポイントのアクセスポイント送信部は該電力線通信システムを通して送られた情報信号を灯具のLEDの照明光に重畳して該携帯情報端末に送信し、該携帯情報端末の端末送信部は情報信号をLEDの可視光に重畳して該アクセスポイントに送信し、該アクセスポイントと該携帯情報端末間で双方向可視光通信を行うことを特徴とする可視光通信装置。
【請求項2】
前記端末受信部の受光器の受光素子の出力側に、電流/電圧変換回路が接続され、該電流/電圧変換回路には、該受光素子の光電流を電圧信号として出力するための負荷抵抗が該受光素子の出力側に接続され、該負荷抵抗とグランド間にコイルが接続されたことを特徴とする請求項1記載の可視光通信装置。
【請求項3】
前記電流/電圧変換回路には、複数の負荷抵抗及び該負荷抵抗と直列接続されたコイルが複数個並列に接続し、前記アクセスポイント送信部の灯具の照度に応じて、該電流/電圧変換回路の該負荷抵抗の抵抗値を切り換える抵抗切換手段が設けられたことを特徴とする請求項2記載の可視光通信装置。
【請求項4】
前記抵抗切換手段は、前記電流/電圧変換回路から出力される信号に基づき照度信号を出力する照度検出回路と、該照度検出回路から出力される照度信号に基づき該電流/電圧変換回路の負荷抵抗の抵抗値を切り換える抵抗切換回路とを備えることを特徴とする請求項3記載の可視光通信装置。
【請求項5】
前記アクセスポイント受信部及び端末受信部の受光器の出力側に接続した電流/電圧変換回路と前記高周波増幅器との間に、高入力インピーダンスを低出力インピーダンスに変換する緩衝増幅器が接続され、該緩衝増幅器はソースフォロワー回路を有していることを特徴とする請求項2記載の可視光通信装置。
【請求項6】
前記アクセスポイント受信部及び端末受信部の受光器には、凹面鏡の前面に受光素子をその反射面に向けて配設した構造の反射集光型受光素子を単独で配置しまたはアレイ状に並設した反射集光型受光器が使用されることを特徴とする請求項1記載の可視光通信装置。
【請求項7】
前記アクセスポイント送信部及び端末送信部の合成部の出力側に、帯域補正増幅器が接続され、該帯域補正増幅器は、前記LEDの周波数特性の非線形ひずみに対し、予めひずみの逆特性を送信信号に加えて補正するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の可視光通信装置。
【請求項8】
前記帯域補正増幅器の出力側に高周波送信信号を増幅する送信信号増幅器が接続され、該送信信号増幅器の出力側に、該送信信号増幅器の出力側を低インピーダンスとするインピーダンスマッチング回路が接続されたことを特徴とする請求項7記載の可視光通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−195692(P2012−195692A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57004(P2011−57004)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(507299758)株式会社アウトスタンディングテクノロジー (16)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【Fターム(参考)】