可視的に強調された湿潤感知部材を有する使い捨て吸収性物品
着用者の排泄しつけの機会を容易にするために、湿潤感知部材と、湿潤感知部材の存在を示す可視的強調部とを含む使い捨て吸収性物品。湿潤感知部材は、浸透性層と、流動制御層とを含む。湿潤感知部材に蓄積された尿は、着用者から離れて流動制御層に向かい、身体に面する浸透性層をz方向に浸透することができる。流動制御層は、湿潤感知部材をz方向に通る尿の通過を遅らせる一方、x−y平面における尿の流動を支持し、着用者の皮膚と接触する濡れた区域を増大させ、それにより排尿が起きたという着用者の認識を高める。可視的強調部は、物品の身体面表面を見る時に目で見ることができ、外から見える印及び/又は排泄しつけの概念と連想的に相関していてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつ、トレーニングパンツ、失禁衣料など、衛生的な使い捨て吸収性物品を対象とする。本発明は、特に排尿しつけで用いるために特に適合した使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品は当技術分野で周知である。これらの物品は一般に、着用者から排出された排泄物を捕獲及び吸収するために、使用中に着用者の身体に近接して保持又は配置される吸収性コアを有する。一般的な吸収性物品は、流体の排泄物が通り抜ける着用者に面するトップシートと、排泄物が吸収性物品から漏れるのを防ぐバックシートとを備える。
【0003】
おむつのような使い捨て吸収性物品は、着用者の身体と衣服の汚れを防ぐために排出物を吸収及び封じ込めるために設計されている。使い捨ておむつは一般に、新生児から排泄しつけ中の幼児に及ぶ様々な着用者に適合するように、様々な寸法にて入手可能な単一の設計を備える。おむつの設計は一般に性能、つまり排出物を吸収して封じ込める能力に影響を及ぼす。着用者の身体に対するおむつの適合性は一般に、例えば、おむつのウエスト開口部の寸法、大腿部周囲の開口部の寸法、及びおむつの長さ又は「ピッチ」によって影響を受ける。
【0004】
排泄しつけが首尾よく終了すると、幼児が通常はもはやおむつを着用しないため、排泄しつけ段階をおむつ製品の範疇からの「出口地点」と称することもできる。「先進」国において子供が排泄しつけを完了する年齢は、過去数十年にわたり着実に伸び、現在はおよそ24〜48ヶ月の範囲にある。排泄のしつけが遅くなった1つの理由は、おむつの乾燥状態と快適さにおいて著しい技術的改善があったためである。例えば、通常の現代のおむつを着用する場合、1回以上の排尿の後でさえも子供の皮膚は乾燥していることがある。その結果、子供はほとんど又は全く不快を感じないことがあり、また排尿したことにさえ気付かないことも多い。
【0005】
多くの親は排尿のしつけをする間に、子供が自分の「パンツ」の中で排尿した後に不快を感じるように、子供に木綿のトレーニングパンツ又は木綿の下着をはかせる。そうした不快感が自発的に尿を留めることを学ぶ助けとなるか、又は学ぶ動機を提供すると考えられている。木綿のトレーニングパンツは皮膚を湿らせたままにすると共に、その高い通気性のために、皮膚の蒸発冷却を促進し、更に不快感を増す。しかしこの方法における現行の代償として、木綿のトレーニングパンツは尿の封じ込め力に乏しいので衣類を濡らし、また周囲、例えば、敷物、家具などを濡らすことが多い。尿漏れ、及び不必要な衣服の取り換えを防ぐ一方、排尿しつけ中の子供にしつけを示唆する必要性が明らかに存在している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、排尿が起きたという着用者の認識を高めると同時に、吸収性物品を防御して着用者の衣類及び周囲が汚れるのを防止することにより排尿しつけを容易にし得る物品を提供することが望ましい。特に、排尿から生じる不快な濡れた感覚を着用者が確実に感じることにより、排尿されたという効果的な合図も示す形態の物品を提供することが望ましい。加えて、排尿しつけの機会を容易にするために、この濡れた感覚を与える機構が物品内に存在することを可視的に強調することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
使い捨て吸収性物品は、尿などの排泄物が排泄されたという着用者の認識を高める湿潤感知部材を備える。湿潤感知部材は、浸透性層と、この浸透性層と向かい合わせに配置された流動制御層とを備える。一旦着用者が排尿して湿潤感知部材の区域が濡れると、尿は、浸透性層の厚みをz−方向に流動制御層に向かって浸透し、流動制御層は、尿が湿潤感知部材をz方向に通過するの遅らせたり、尿がx−y平面において流動したりするのを支持する。これにより、尿は、吸収性コアに吸収される前に、湿潤感知部材の広い面積を濡らすことができる。湿潤感知部材は、使用中に着用者の皮膚と接触して保持され、それにより排尿が起きたという着用者の認識を高める。物品内の湿潤感知部材の存在は、可視的に強調されて排泄しつけの機会を容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、発明とみなす点を特に指摘し明確に請求する請求項にて結論とするが、以下の本発明の詳細な説明を読み、添付図面を検討することにより、本発明をより容易に理解することができると考える。
【0009】
本発明は、着用者の身体から排出された尿が、好ましくは使用中に着用者の皮膚と密接して保持される湿潤感知部材の有効面積を濡らすことにより、排尿が起きたという着用者の認識を高める湿潤感知部材を有する使い捨て吸収性物品を提供する。湿潤感知部材は、トレーニングパンツ、プルオンおむつ、失禁用ブリーフ、失禁用下着、吸収性挿入物、おむつホルダー及びライナー、女性用衛生衣類などを含めた使い捨て吸収性物品に等しく適用可能である。本発明の吸収性物品の代表的な一実施形態は、図1に示される使い捨ておむつ20のような単一の使い捨て吸収性物品である。
【0010】
(定義)
本明細書で使用する時、次の用語は、次の意味を有する。
【0011】
用語「吸収性物品」は、液体を吸収して収容する装置を指し、より具体的には、着用者の身体に接触して又は近接して配置され、身体から排泄された様々な排出物を吸収して収容する装置を指す。
【0012】
用語「使い捨て」は、洗濯する、或いは吸収性物品として復元するか再利用されることを一般に意図しない吸収性物品、即ち、1回の使用後に廃棄する、好ましくはリサイクルする、堆肥化する、或いは環境に適合する方法で処理することを意図する吸収性物品を指す。
【0013】
用語「配置される」とは、ある要素が特定の場所又は位置で他の要素と共に単一構造体として、又は他の要素に接合された別個の要素として形成(接合及び配置)されることを意味するために使用する。
【0014】
用語「単一の」は、別個のホルダー及びライナーのような別個の操作部分を必要としないために、結合した別個の部分から形成され、調和した統一体を形成している吸収性物品を指す。
【0015】
「おむつ」とは、一般に、乳幼児及び失禁症者により胴体下部の周囲で着用される吸収性物品を指す。
【0016】
用語「排泄しつけ」は、自発的に尿及び糞便を留める能力である抑制力を育成することを指す。抑制できない者は、身体排泄物を自発的に留めることができずに反射的に排尿や排便をする。例えば、新生児は抑制することができない。抑制力の育成と同時に、子供は、通常は自発的に排尿や排便する能力を伸ばして、反射的に排泄しなくなる。介護者が連想的な方法及び条件付けの方法を通じて子供をしつけることにより、反射的な排泄の代わりに、この抑制力及び自発的な排泄の育成を加速及び/又は誘導することがある。本発明の目的上、用語「排泄しつけ」は、抑制力そのもの、及び抑制力に関連した自発的な排泄の両方のしつけを示すために使用される。用語「排泄しつけ」は、用語「おまるのしつけ」と同義であることも留意される。
【0017】
用語「長手方向」は、物品の最長直線の長さに平行に走る方向を指し、長手方向の±45°以内の方向を含む。
【0018】
用語「横方向」又は「横断方向」は、長手方向に対して90度の角度で走る方向を指し、横方向の±45°以内の方向を含む。
【0019】
用語「x−y平面」は、その長さと幅とにより画定されたシート材のほぼ平面的な構造を指し、シート材が平坦であるか湾曲しているか否かに関わらず、シート材の2つの主要表面の間にある。
【0020】
用語「z−方向」は、シート材の厚みを通る方向を指し、x−y平面にほぼ直交する。
【0021】
用語「浸透性の」及び「不浸透性の」は、使い捨て吸収性物品の意図された使用法に関連した材料の浸透性を指す。具体的には、用語「浸透性の」は、強制圧力がなくても液体水がその厚みを通り抜けられるようにする孔、開口部、及び/又は互いに結合された空隙を有する層又は層状構造を指す。それとは逆に、用語「不浸透性の」は、強制圧力がない場合、液体水がその厚みを通り抜けることができない層又は層状構造を指す。当該技術分野において周知であるように、一般に吸収性物品において使用される材料の浸透度を測定するための一般的な方法は、水圧試験であり、またの名を静水頭試験(hydrostatic head test)或いは単に「水頭(hydrohead)」試験という。水頭試験に好適な周知の簡潔な方法は、INDA(元国際不織布・使い捨て用品協会(International Nonwovens and Disposables Association))、現在の不織布工業協会(Association of the Nonwoven Fabrics Industry))及びEDANA(欧州使い捨て用品・不織布協会(European Disposables And Nonwovens Association))によって承認された。
【0022】
用語「遅らせる」及び「流動制御層」は、層状構造における異なる層は浸透性であるが、液体水と、同様に本質的に水性である体外排泄物とをそれぞれの厚みに浸透させるそれぞれの流量の点で異なってもよいという事実を指す。例えば、毛管チャネルを含み、いかなる強制圧力がなくてもその厚みを通って液体水がウィッキングする層は、浸透性であるとみなされる。しかし、液体水がそのような層の厚みを通り抜けられる流量は、液体水が、毛管チャネルとしての役目を果たすにはあまりにも大きすぎる穴を含む層の厚みを通り抜けられる流量より少なくてもよい。同様に、どちらも毛管チャネルを含み、いかなる強制圧力がなくてもその厚みを通って液体水がウィッキングする2つの層はどちらも、浸透性であるとみなされる。しかし、複数層のうち1層における毛管チャネルは、他の層におけるそれらとは寸法が異なってもよく、或いは他の層におけるそれらより数が多くてもよく、結果として、1層を通る液体水のウィッキング流量は、他の層を通るそれより多くてもよい。従って、層状構造において、流動制御層として機能する1つの層は、流量制御層のない別の層がその厚みを通じて液体水を通過させるより多い流量に比べて、層状構造の厚みを通る液体水の通過を遅らせてもよい。流動制御層は不浸透性であってもよく、その場合、流動制御層は、液体水の通過を効果的に妨げる程度まで液体水の通過を遅らせてもよく、即ち、液体水の通過を妨げることは、用語「遅らせる」の意味の中に含まれている。
【0023】
用語「可視的」は、通常の室内照明又は昼間の自然光の条件の下、裸眼で見える特質を指す。「可視度が向上」又は「可視度が低下」するとは、ほぼ一定の又は同等の照明の条件下で見た時、目立つ程度まで可視度が変化することを意味する。
【0024】
用語「可視的強調部」は、例えば、配色、色相、又は色調が異なることによって、明るさ、暗さ、又はコントラストが異なることによって、図柄又はべた一色の色形態の有無により区別することによって、又は目に見える著しい区別を生じさせる働きをする他のいずれかの変形によって、その周囲よりも著しく目立つように対象を可視的に区別することを指す。
【0025】
用語「着色」は、対象物若しくは対象物の一部の中及び/又は上に色をつけること或いは色を組み合わせることによって生み出された効果を指す。
【0026】
用語「配色」は、特に可視的に強調するために、対象物又は対象物の一部を目で見えるように区別するために使用された場合、着色の配合又は程度を指す。
【0027】
用語「べた一色」は、幾つかの図柄の分離した線状の形とは対照的に、中断されていない、即ち途切れていない区域の着色を指す。
【0028】
用語「図柄」は、絵の形態におけるグラフィックアート又は図柄的表現の生成を指す。
【0029】
用語「連想的な相関関係」は、可視的強調部と可視的強調部が連想的に相関しているものとの間に相互的又は相補的な関係を確立し、二者の間に連想即ち心的繋がり又は結び付きを形成することを指す。吸収性物品の中又は上で、可視的強調部のそれぞれの可視的形態と外から見える印とを連想的に相関させる状況において、並びに可視的強調部と排尿しつけの概念とを連想的に相関させる状況において、この用語を使用する。例えば、連想的に相関した図柄は、着用前に吸収性物品を見る時、一致して排尿しつけの機会に関心を引き付け、着用中に吸収性物品の内部にある湿潤感知部材の存在を外から見て思い出させるなどの働きをしてもよい。同様に、排尿しつけに関する話題(乾燥、湿り気、又は湿り気からの保護など)を視覚的に引用する可視的強調部は、可視的強調部を排尿しつけの概念と連想的に相関させる働きをして、それにより排尿しつけの機会を容易にしてもよい。
【0030】
用語「相互作用的に相関した」、「相互作用的に関連のない」、「主題において関連した」、「主題において関連のない」、及び「一般的な物語の筋書きにより関連付けられた」は、米国特許第6,297,424号(オルソン(Olson)ら、2001年10月2日発行)、米国特許第6,635,797号(オルソン(Olson)ら、2003年10月21日発行)、及び米国特許第6,307,119号(カマロタ(Cammarota)ら、2001年10月23日発行)と同じ意味を有することを意図する。
【0031】
図1は、平らに広げた非収縮状態、即ち弾性による収縮がない代表的なおむつ20の平面図であり、おむつ20の下層構造をより明瞭に示すために構造の一部分が切り取られ、おむつ20の着用者に接触する部分が見る人に向いている。おむつ20は、長手方向軸線42と横断方向軸線44を含む。おむつ20の1つの末端部分36は、おむつ20の第一腰部区域として構成されている。反対側の末端部分38は、おむつ20の第二腰部区域として構成されている。おむつ20の中間部分37は、第一腰部区域36と第二腰部区域38との間を長手方向に延在する股部区域として構成されている。腰部区域36及び38は、一般に、着用した時に着用者の腰部を取り巻くおむつ20の部分を備える。腰部区域36及び38は弾性要素を含み、着用者の腰部の周囲で縮んで、改善された適合性と封入性を提供してもよい。股部区域37は、おむつ20を着用した時に、一般に、着用者の脚の間に位置するおむつ20の部分である。
【0032】
おむつ20は好ましくは、透過性トップシート24と、不透過性バックシート26と、トップシート24とバックシート26との間に入れられた吸収性コア28と、を備える。トップシート24は、トップシート24とコア28との間に空間をもたらすために、全体的に若しくは部分的に伸縮性を持たせることも又は短縮させることも可能である。伸縮性の又は短縮されたトップシートを含む代表的な構造は、米国特許第4,892,536号(デマレーズ(Des Marais)ら、1990年1月9日発行)、米国特許第4,990,147号(フリーランド(Freeland)、1991年2月5日発行)、米国特許第5,037,416号(アレン(Allen)ら、1991年8月6日発行)、及び米国特許第5,269,775号(フリーランド(Freeland)ら、1993年12月14日発行)に更に詳細に説明される。
【0033】
おむつ20は、締着装置40を含んでもよく、或いは側部で封じられてプルオンおむつ及び/又はトレーニングパンツを形成してもよい。おむつ20はまた、外側レッグカフ、バリアレッグカフ、前側及び後側耳パネル、ウエストキャップ機構、及びゴムなどを含む当技術分野で既知の他の機構を含んで、望ましい適合性、収容性、及び美的特質を提供してもよい。そのような追加的機構は、当該技術分野において周知であり、また特に米国特許第3,860,003号及び米国特許第5,151,092号に記載されている。
【0034】
本発明による代表的な湿潤感知部材が図2に示されている。湿潤感知部材50は、浸透性層52と、この浸透性層52の反対側に配置された流動制御層54と、を備える。流動制御層は、好ましくは、液体水に対しては不浸透性であり、蒸気に対しては浸透性であり、結果として通気性である。本発明による湿潤感知部材50は、好ましくは、身体に面する浸透性層(上部層)と、身体に面する層の反対側の流動制御層(下部層)と、を備える。
【0035】
排尿中、浸透性層52は尿をz−方向に浸透させると共に、ウィッキングによりx−y平面に尿を流すための媒体も提供する。流動制御層は、湿潤感知部材をz−方向に通る尿の通過を遅らせ、それにより湿潤感知部材の濡れた領域区域を拡大して、好ましくは湿潤感知部材を着用者の皮膚と接触した状態に保持する。z−方向における制限された浸透とx−y平面におけるウィッキングとを組み合わせることにより、尿は、吸収性コアに吸収される前に広がって効果的に広い領域を湿らし、それによって着用者が経験する濡れの合図を最大化する。
【0036】
本発明の湿潤感知部材での使用に適する代表的な浸透性層としては、不織布、発泡体、織布材などが挙げられる。浸透性層は、親水性であるのが好ましい。本発明の湿潤感知部材での使用に適する代表的な流動制御層として、ポリオレフィンフィルム、微小多孔性又は通気性フィルム、その他のフィルム、及び疎水性不織布が挙げられる。好適な疎水性不織布には、SM(スパンボンドメルトブローン)、SMS(スパンボンドメルトブローンスパンボンド)、及びSMMS(スパンボンドメルトブローンメルトブローンスパンボンド)複合物が挙げられる。
【0037】
本発明の吸収性物品において、可視的強調部を提供して物品内の1つ又は複数の湿潤感知部材の存在を示し、それにより物品着用者の排尿しつけの機会を容易にする。この可視的強調部がない湿潤感知部材は、目立つ濡れの合図を着用者に提供することに関しては十分に機能的であるけれども、吸収性物品の身体に面する部分がほぼ均一の外観を呈している場合、介護者が、排尿しつけのための各機会を利用する可能性を見落としたり忘れたりすることがある。例えば、多くの吸収性物品は、その身体に面する表面にほぼ均一の白い外観を呈している。たとえ介護者が排尿しつけにおいて着用者の協力を得ようと試みたとしても、そのような均一な外観は、着用者の関心を湿潤感知部材に向けるための視覚的な手がかりを全く提示せず、また介護者が次に来る機会を着用者に説明する間に指し示すことのできる特定の部分を全く提供しない。それに対し、可視的強調部を設けて湿潤感知部材の存在を示すことにより、排尿しつけの機会を容易にすることができる。或いは、仮に介護者が湿潤感知部材の存在を見落としたり、或いは吸収性物品の特殊用途を着用者の身体上に利用して、排尿しつけの機会を着用者に説明できることについて単に忘れたりしただけだとしても、可視的強調部は、介護者の注意を引きつけて、それにより介護者に機会を思い出させる働きをすることができる。
【0038】
その上、一旦介護者が着用者に排尿しつけの話をすると決めたら、可視的強調部は、着用者の興味を引く働きをすることができ、或いは介護者により指し示されて、次に来る機会の説明に取り入れられることができる。例えば、可視的強調部に着用者が認識できる対象物などの図柄が含まれる場合、介護者は、吸収性物品の着用中に認識可能な対象物を濡らさず、その代わりに、これを濡らさないために適時にトイレに行きたいと要求することを必ず思い出すよう着用者に求めることができる。同様に、介護者は、認識可能な対象物が濡れるかもしれないと思った時はいつでも言うよう着用者に求めることができる。従って、可視的強調部は、介護者と着用者の間に排尿しつけに関する話題を提供することができ、同様に着用者が呼ぶための名指しできる対象物を提供することができ、トイレに行く必要性を伝えたり、湿潤感知部材によって与えられる濡れの合図の認識が改善していることを伝えたりしたいと望む着用者に必要とされる精神的な作業を大いに簡略化する。
【0039】
可視的強調部の簡素なべた一色の形態でさえ、色又は着色形態の幾らかの認識を持っている着用者に使用された場合は特に、排尿しつけの機会を容易にする働きをすることができる。加えて、単色又は複数色の形態の可視的強調部は、色及び色の差異の認識の教育を容易にすることがあり、連合学習は次に、排尿しつけのプロセスを向上させることがある。例えば、玩具又は別の対象物における可視的強調部の色に類似する色の発現を使用して、着用者に吸収性物品内の同じ色とその重要性を思い出させてもよい。別の例として、色そのものが認識可能な「対象物」としての機能を果たし、上述のように、これを排尿しつけの機会の説明に取り入れることができる。
【0040】
湿潤感知部材は、一般に、吸収性物品の横方向の中央領域と呼ばれる領域に位置しているので、これを可視的に強調することにより、着用者が達成する学習に関して追加的な利益をもたらすことがある。例えば、可視的に強調された湿潤感知部材は、2つの脚開口部の視覚的な分離に関する基準線を提供することがあり、それぞれの足を対応する脚開口部に入れるために左脚開口部と右脚開口部に分化することを含んでいる。こうした視覚的な手がかりは、物品の内部が他の点では完全に単色、例えば全て白である場合、特に有用であることがある。このような場合、例えば、可視的に強調した視覚的基準のどちらかの側に片足を置くよう口頭で指示すれば、両足を穴即ち脚開口部に通すよう曖昧に指示するよりも、おそらくより効果的になるであろう。同様に、長手方向に向けられている可視的強調部は、介護者が行う場合は物品をつけさせる前に、或いは着用者が行う場合は物品を着用する前に、どちらも物品の向きを合わせるために、前後方向に関する視覚的基準としての機能を果たしてもよい。この長手方向に向けられた視覚的基準はまた、トイレを使った後、長手方向の動作を用いて自分できれいに拭くといった技能の教育を支援することがある。可視的強調部に視覚的な注意を向けることにより、中央又は「真中」にあるものの概念を教育及び学習してもよく、次にこの概念を、尿の出口の解剖学的部位及びトイレの上に座るための対応する適切な位置など、関連する事項に適用してもよい。例えば、着用者が吸収性物品の可視的に強調された区域の「真中」で排尿し、それでおまるの「真中」に座ることが重要であることを着用者に関連付けさせることができる。従って、上記の方法及び同様の方法において、着用者は、自分自身の体を更に認識することができ、これにより排尿しつけの経験が向上したり容易になる傾向がある。
【0041】
加えて、可視的強調部は、着用者が排尿しつけに関わるほど十分に成熟していることを思い出させることにより、着用者の自尊心を高める働きをすることができる。着用者がトイレに行く必要性を理解することに成功し、次に、トイレを使う準備ができて物品を引き下げた後に、物品内にある可視的に強調された湿潤感知部材の乾燥状態を見る時、この効果を増すことができる。
【0042】
可視的強調部は、湿潤感知部材の表面上又はその複数層のうち一層に印刷する手段により設けられてもよい。例えば、浸透性層の下にある流動制御層の表面上にべた一色又は図柄を印刷してもよい。別の例として、二層のどちらの表面上にも接着剤又はゲルを印刷してもよい。そのような接着剤又はゲルは、周囲の区域とは異なるように着色されてもよい。或いは、接着剤又はゲルは、着色されなくてもよく、或いは周囲の区域と同じ色を有してもよいが、区別を示す隆起区域若しくは模様を形成することによって、及び/又は区別を示す凹み区域若しくは模様を取り囲むことによって、可視的強調部を尚も提供してもよい。
【0043】
可視的強調部はまた、例えば、着色された繊維を含む繊維層、分散又は固定した着色剤を含む一体層、その初期状態において着色されている未漂白の材料の層など、着色された材料の湿潤感知部材の1層以上の層を形成することによって設けられてもよい。
【0044】
幾つかの実施形態では、可視的強調部は、湿潤感知部材若しくはその複数層のうち一層を型押し又はエンボス加工することにより設けられてもよい。一例として、湿潤感知部材の身体に面する浸透性層は、介護者又は着用者の注意を引く働きをする模様でエンボス加工されてもよい。別の例として、浸透性層及び流動制御層は、別個の位置で又は別個の線に沿って互いに接着されてもよく、また接着剤は、同様に介護者又は着用者の注意を引く働きをする模様を形成してもよい。
【0045】
湿潤感知部材の型押し、エンボス加工、又は接着された部分は、湿潤感知部材の存在及び位置を可視的に強調することに加えて、触感を提供してもよい。例えば、隆起区域若しくは凹み区域、又は互いに隣接した隆起区域と凹み区域との組み合わせは、手で感じられることがあり、また幾つかの実施形態では、物品の着用中に着用者により感じられることがある。同様に、上述したような印刷された接着剤又はゲルにより形成された隆起区域又は模様は、そのような触感を提供してもよい。可視的強調部のみと全く同じように、可視的強調部とこの触感との組み合わせは、着用者の興味を引く働きをすることができ、又は介護者により指し示されて、次に来る排尿しつけの機会の説明に取り入れられることができる。例えば、物品内に可視的強調部と触知できる模様の両方を設ける場合、介護者は、着用者に「凸凹のある」区域を感じさせて、吸収性物品の着用中に「小さい凸凹」を濡らさず、その代わりに、「小さい凸凹」を濡らさないため適時にトイレに行きたいと言うことを必ず思い出すよう着用者に求めることができる。同様に、介護者は、着用者が「小さい凸凹」が濡れたかもしれないと思う時はいつでも言うよう着用者に求めることができる。従って、可視的強調部は、触知できる模様と組み合わせて介護者と着用者の間に排尿しつけに関する話題を提供することができ、同様に、着用者が呼ぶために名指しできる対象物を提供することができ、トイレに行く必要性を伝えたり、湿潤感知部材によって与えられる濡れの合図の認識が改善していることを伝えたりしたいと望む着用者に必要とされる精神的な作業を大いに簡略化する。加えて、幾つかの実施形態では、触知できる模様は、その窪み、凹み、及び/又は隆起部の間の隙間の中に一時的に少量の尿を封じ込める働きをしてもよく、それによって湿潤感知部材の層状構造がもたらす濡れた感覚を加えて、排尿が起きたという着用者の認識を高める。
【0046】
加えて、可視的強調部は、区別を示す繊維若しくはフィラメントを湿潤感知部材の一層又は両方の層に組み込むことにより、又はこれら複数層のうち一層の中に繊維若しくはフィラメントを区別を示すように配向することにより設けられてもよい。例えば、区別を示す色の繊維又はフィラメントを流量制御材の中に組み込んで、物品内におけるその存在とその位置を可視的に強調してもよい。同様に、二層のうち一層の中に区別を示すように厚い繊維又はフィラメントを埋め込んで、それにより区別を示す隆起区域又は模様を形成してもよい。
【0047】
湿潤感知部材を取り囲む吸収性物品の構造の部分が単色である場合、可視的強調部は、別の色を使用して、コントラストを使用して、同じ色若しくは類似の色の異なる模様を使用して、又は湿潤感知部材を周囲の構造要素から可視的に区別するあらゆる他の方法により設けることができる。例えば、周囲の構造要素の色がほぼ白である場合、可視的強調部は、白以外の色の使用を含んでもよい。これに対し、周囲の構造要素が白ではない場合、可視的強調部は、わずかな白の使用を含んで湿潤感知部材を可視的に区別してもよい。例えば、湿潤感知部材の下にある吸収性コアの層が、白ではなく幾らかより暗い色である実施形態において、湿潤感知部材は、その配色にわずかな白を含むことにより可視的に強調されて、それを可視的に区別してもよい。
【0048】
幾つかの実施形態では、可視的強調部は、1を超える色、1を超えるコントラストの差異、1を超える模様、1を超える図柄、べた一色の1を超える区域などを含んでもよく、可視的強調部の形態の単数形を指すこの説明のあらゆる部分は、複数形を含むことを意図しており、逆もまた同様である。
【0049】
可視的強調部は、部分的又は完全な円形、正方形、三角形、ダイヤモンド形、楕円形など、開いた又は閉じた幾何学的図形を含んでもよい。可視的強調部は、立方体又は別の方形の体積、球体、円筒形、「ドーナツ」形、これらの物体の1つの曲がった又は湾曲した又は捩れた変形など、三次元の物体の二次元的表現を含んでもよい。同様に、可視的強調部は、星、ハート、液滴、涙滴、螺旋、波形、矢、花、泡、点など、一般に命名された若しくは命名可能な形状又は物体の表現を含んでもよい。幾つかの実施形態では、可視的強調部は、ボール、バット、ラケット、バドミントンのシャトルコック(別名「羽根」)、積木など、遊戯で使用される目に見える物体の表現を含んでもよい。更に、幾つかの実施形態では、可視的強調部は、テディベア、子供向けテレビ番組に登場するキャラクター、ゲーム又は子供向けの物語本に登場するキャラクターなど、着用者が知っている可能性のあるキャラクターの表現を含んでもよい。可視的強調部が種々の図形、物体、及び/又はキャラクターを含む実施形態において、可視的強調部の様々な要素は、主題により関係付けられて、及び/又は一般的な物語の筋書きにより関係付けられて、相互作用的に相関してもよい。逆に、様々な要素は、主題により関連付けられず、及び/又は一般的な物語の筋書きにより関係付けられず、相互作用的に関連しなくてもよい。
【0050】
べた一色を使用する場合、それは図柄の輪郭によって仕切られた区域を部分的又は完全に満たし、そのような図柄の輪郭の内側若しくは外側に漸次的な変化として現れ、それ自身が「充填された」図柄を形成し、或いは単に途切れずに区域を占め、例えば、対応する長さの全体若しくは一部分にわたって湿潤感知部材の層の幅全体を占めてもよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、可視的強調部は、湿潤感知部材が濡れた時に可視度が向上又は低下してもよい。加えて、可視的強調部は、湿潤感知部材が濡れた時に色を変化させてもよい。これらの効果のいずれかは、尿によって濡れた時に化学反応に耐える、或いは分散又は集中するインク若しくは染料若しくは他の作用剤を使用して生み出されてもよい。一般に、可視的強調部のこれらの変形に関して、外から見える湿り度インジケータ(濡れた時に可視度が向上又は低下するようになることがある、いわゆる「現れる」又は「消える」湿り度インジケータなど)において、及び濡れた時に色が変化することがある湿り度インジケータにおいて一般に使用される湿り度インジケータ組成物のいずれかを使用してもよい。そのような湿り度インジケータ組成物は、当該技術分野において周知であり、ここで詳細に説明する必要はない。
【0052】
本発明の可視的強調部は、着用者の体と吸収性コアとの間に位置する湿潤感知部材を、可視的に区別する働きをすることに留意することが重要である。従って、吸収性物品の外側から見える湿り指示を設ける方法で構造的に配置されるのではなく、湿潤感知部材の可視的強調部に使用されるあらゆる湿り度インジケータ組成物は、吸収性物品の身体面表面から見ることができなければならない。この異なる配置により、本発明の吸収性物品を使用する時、物品の外側から見える湿り度インジケータのみを有する吸収性物品を使用するのに比べて、介護者は、排尿しつけの作業に異なる方法を適用することができる。例えば、外部の湿り度インジケータにおける変化は誰にでも見えるが、一方、内部の湿潤感知部材の可視的強調部におけるあらゆる変化は、介護者若しくは着用者のどちらかが吸収性物品の中を覗き込むか、又はそれを取り外すまで「隠れた」ままである。従って、何らかの吸収性物品の濡れが生じたか否かに関わらず、それ自身がゲームに似た遊戯的活動の焦点となることができ、介護者と着用者がゲームを終了することに同意する時だけ「秘密」が明らかになる。着用者がうまく排尿の抑制を維持して吸収性物品の中を濡らさなかった場合、この事実は、達成した時点で誇りの源となることができ、また着用者が介護者に指し示すことにより、可視的強調部の外観が変わらなかったことを「証明」することができる。これに対し、着用者が濡れた感覚に気付く場合、或いは単に「隠れた」指示の状態を確認したい場合、着用者は、簡単に吸収性物品の内側を見ることができる。可視的強調部の外観が変化した場合、着用者は、トイレに行きたいと求める状況において、これに介護者の注意を向けさせることを選ぶことができる。加えて、可視的強調部は、「隠れた」指示としての機能を果たすので、着用者は、外部から見える何らかの湿り度インジケータの外観が変化する前に、その外観における変化を感知できることがあり、それによりトイレに行く話題について最初に触れる人物となる。即ち、着用者は、介護者が外部から見える湿り度インジケータを視覚的に参照して同じ状態を感知するより先に、吸収性物品の濡れを視覚的に感知できるようになることがある。その上、視覚的及び触覚的感覚の両方を着用者に提供することは、湿り気の感覚を強化する働きをし、それにより湿潤感知部材のしつけ効果を高めることがある。濡れた感覚と可視的強調部の外観における目に見える変化の両方により濡れを示す吸収性物品は、故に、着用者側でのより早い学習を手助けすることがある。
【0053】
可視的強調部の外観は、介護者若しくは着用者のどちらかが吸収性物品の中を覗き込むか又はそれを取り外すまでは「隠れた」ままであるが、吸収性物品の中又は上の他の場所に位置して吸収性物品の外側から見える印と可視的強調部を可視的形態で連想的に相関させてもよい。この外から見える印は、永続的であってもよく、又は吸収性物品が着用されている間に外観が変化してもよい。例えば、外から見える印は、外から見える湿り度インジケータであってもよい。湿潤感知部材の可視的強調部に、外から見える印の可視的形態に類似する可視的形態を与えることにより、排尿しつけの機会を向上させてもよい。例えば、介護者は、外から見える印と湿潤感知部材の「隠れた」可視的強調部との類似点を指摘し、外から見える印に気付く度に隠れた可視的強調部を思い出すよう着用者に求めることができる。例えば、「隠れた」指示即ち可視的強調部を確認する「ゲーム」を開始する時、着用者の関心を外から見える湿り度インジケータの変化していない外観に向けると同時に、着用者が吸収性物品の中を濡らしたか否かの兆候に関して「隠れた」可視的強調部を確認する時、何が見えると思うか着用者に尋ねることによって、更に別の折に類似について触れてもよい。
【0054】
可視的強調部の外観が濡れることによる影響を受けない実施形態においてさえ、外から見える印と可視的強調部のそれぞれの可視的形態の連想的な相関関係は、排尿しつけの機会を容易にする働きをすることがある。例えば、外から見える印と可視的強調部の両方が、類似する図柄の可視的形態を有する場合、外から見える印は、着用者の興味を引く働きをすることができ、又は介護者により指し示されて、進行中の排尿しつけの機会の説明に取り入れられることができる。外から見える印と可視的強調部の両方に着用者が認識できる対象物などの図柄が含まれる場合、介護者は、吸収性物品の着用中に認識可能な対象物を濡らさず、その代わりに、これを濡らさないために適時にトイレに行きたいと要求することを必ず思い出すよう着用者に思い出させることができる。同様に、介護者は、認識可能な対象物が濡れたかもしれないと思う時はいつでも言うよう着用者に求めることができる。従って、外から見える印と可視的強調部の連想的に相関した組み合わせは、介護者と着用者の間に排尿しつけに関する話題を提供することができ、同様に着用者が呼ぶための名指しできる対象物を提供することができ、トイレに行く必要性を伝えたり、湿潤感知部材によって与えられる濡れの合図の認識が改善していることを伝えたりしたいと望む着用者に必要とされる精神的な作業を大いに簡略化する。
【0055】
それぞれの可視的形態が類似していなくても、それぞれの可視的形態が認識可能な方法で相互に関係している限り、外から見える印と可視的強調部のそれぞれの可視的形態のそのような連想的な相関関係を達成することができる。可視的形態は、主題において関連付けられてもよい。例えば、外から見える印は、サッカーユニフォームを着たキャラクターを示してもよく、連想的に相関した可視的強調部は、サッカーボールを示してもよい。別の例として、可視的強調部は、水泳用のフィンを示してもよく、また連想的に相関した外から見える印は、水中マスクを示してもよい。可視的形態は、一般的な物語により関連付けられてもよく、更に相互作用的に相関してもよい。例えば、外から見える印は、捕蝶網を持ったキャラクターを示してもよく、連想的に相関した可視的強調部は、蝶を示してもよい。
【0056】
外から見える印の簡素なべた一色形態と可視的強調部の類似するべた一色形態の連想的な相関関係でさえ、色又は着色された形の幾らかの認識を持つ着用者に使用された場合は特に、排尿しつけの機会を容易にする働きをすることができる。加えて、単色又は複数色の形態における外から見える印と可視的強調部の連想的な相関関係は、色と色同士の差異の認識の教育を容易にすることがあり、連合学習は次に、排尿しつけのプロセスを向上させることがある。例えば、玩具又は他の対象物において、外から見える印と可視的強調部の両方の色に類似する色の発現を用いて、着用者に吸収性物品の内側にある同じ色とその重要性を思い出させてもよい。別の例として、色そのものが認識可能な「対象物」としての機能を果たし、上記のように、これを排尿しつけの機会の説明に取り入れることができる。
【0057】
或いは、可視的強調部は、外から見えるいかなる印と連想的に相関していなくてもよい。連想的な相関関係の欠如は、全面的であっても特定的であってもよく、例えば、可視的強調部と外から見える印のそれぞれの可視的形態は、主題の点で無関係であり、一般的な物語の筋書きによって関連付けられず、及び/又は相互作用的に関連していないが、一方、別の方法で尚も連想的に相関していてもよい。
【0058】
湿潤感知部材の可視的強調部の可視的形態は、排尿しつけの概念と連想的に相関している必要はない。しかし、幾つかの実施形態では、可視的強調部の可視的形態は、例えば、湿り気、乾燥、湿り気からの保護、液体の流れ、水などの排尿しつけの液体に関する本質を視覚的に引用することにより、排尿しつけの概念と連想的に相関してもよく、故に、排尿しつけの機会を容易にする働きをしてもよい。例えば、水のテーマに関して、可視的強調部は、水の液滴、アヒル、風呂用の玩具、浜辺用の玩具、波、じょうろ、ティーポット、水泳用具(例えば、足ひれ、マスク、シュノーケルなど)の描写を含んでもよい。可視的強調部200は、図3aにおいて、代表的な可視的強調部を水の波及び泡の可視的形態で表す。可視的強調部において排尿しつけの水のような本質について触れる他の方法として、魚、イルカ、ネズミイルカ、クジラ、又は着用者が認識できる可能性のあるあらゆる他の水生生物など、海洋生物の形の描写を挙げてもよい。
【0059】
可視的強調部は、太陽、天気雲、晴れた日などを描写することにより、乾燥を強調してもよく、一方、水たまり、雲と落下する雨などの描写により、湿り気について触れてもよい。湿り気からの保護について視覚的に引用するには、着用者が濡れた環境における乾燥維持の概念で連想する可能性のある、傘、レインコート、レインハット、防水用オーバーシューズ(galoshes)、潜水艦、又は他の何らかの物体を描写してもよい。可視的強調部の可視的形態と排尿しつけの概念の連想的な相関関係は、より一層明確であってもよい。例えば、幼児用便座の描写は、望ましい行動について着用者に更に文字通りに視覚的に注目させる働きをしてもよい。別の例として、幼児用便座又は便器に関して適切な姿勢で「成長した子供」を描写することにより、同様にそのような文字通りの視覚的な引用を提供してもよい。
【0060】
排尿しつけの概念と連想的に相関した可視的強調部のこれらの可視的形態のいずれにおいても、可視的強調部に人の形及び/又は認識可能なキャラクターを描写してもよい。例えば、子供を無生物と併せて示してもよく、幼児用便座に座っている子供を示してもよく、及び/又は子供の物語本若しくは子供のテレビ番組からのキャラクターを類似する姿勢などで示してもよい。
【0061】
湿潤感知部材の利益は、所与の湿潤感知部材サンプル及びトップシート材料のみの染み透し時間の比較によって示すことができる。染み透し時間は、表面に適用された所与の量の液体が所与の材料に入り、下に位置する吸収性コアに到達するのに必要な時間である。試験は、米国特許第6,627,786号(ロー(Roe)らの名義で2003年9月30日発行)にて提示された、トップシート染み透し時間試験手順に従って行われる。ロー(Roe)らの第6,627,786号特許に記載されたように、試験は、18g/m2のスパンボンド不織布から成るトップシート材料と、6g/m2の接着剤によって20g/m2のSMMS不織布に18g/m2のスパンボンド不織布を積層したものから成る湿潤感知部材とについて行われ、湿潤感知部材は、トップシート材料のみの染み透し時間の平均約3.4倍の染み透し時間を有することが判明した。
【0062】
x−y平面における液体の流動を支持する湿潤感知部材の性能は、そのウィッキング能力により測定することができる。湿潤感知部材のウィッキング能力は、INDA標準試験:IST 10.1(95)第10段落「液体ウィッキング率」に従って測定された。試験は、液体が垂直に1.0インチ(約25.4mm)ウィッキングするための秒単位での時間の測定である。同じくロー(Roe)らの第6,627,786号特許に記載されているように、同じトップシート材料と同じ湿潤感知部材の試験により、湿潤感知部材は、6.8秒の平均時間で約25.4mm(1.0インチ)の垂直ウィッキングを支持し、一方、トップシート材料のみでは、約25.4mm(1.0インチ)の高さまで垂直ウィッキングを支持できないことが判明した。
【0063】
本発明による湿潤感知部材は、多種多様な構成にて吸収性物品に配置することもできる。更に、吸収性物品は、単一の湿潤感知部材又は複数の湿潤感知部材を含むことも可能である。いずれにしても、1つ以上の湿潤感知部材は、好ましくは、トップシートなどの要素若しくはウェブの一部であるか、又はそれに取り付けられ、着用者の皮膚に接触して確実に保持される。湿潤感知部材50は、物品の長さの半分未満に及ぶ使い捨て吸収性物品の一部上に延在することも可能で、或いは物品の長さの半分より多くに及ぶ物品のかなりの部分上に延在することも可能である。更に、1つ以上の湿潤感知部材が、吸収性物品内に配置され、尿で濡らされる確率を増すことが好ましい。
【0064】
トップシート24と共に配置された湿潤感知部材50の代表的な実施形態が、図3a及び図3bに例証されている。湿潤感知部材50は、図に示されるようにトップシート24に取り付けられた別個の複合部材を備える。湿潤感知部材50は、身体に面する浸透性層52と、身体に面する層の反対側の流動制御層54とを備える。この実施形態では、湿潤感知部材50は、好ましくは、使用中に着用者の皮膚に接触する確率を増すように構成され、組立てられる。例えば、トップシート24又は湿潤感知部材50のいずれかが弾性的に短縮されて部材50を着用者の皮膚に向かって偏向させる一方、湿潤感知部材50の流動制御層54は、接着剤、超音波結合、無線周波結合又は他の好適な手段を用いてトップシート24に結合してもよい。可視的強調部200は、図3aにおいて、波線及び円の模様として示されている。
【0065】
図4に例証する実施形態において、別個の複合部材を備える湿潤感知部材50は、プルオンタイプのおむつのトップシート24上に配置される。この実施形態では、湿潤感知部材50は弾性特性を有し、第一腰部区域36に取り付けられた第一長手方向末端部70と、第二腰部区域38に取り付けられた第二長手方向末端部72とを含む。更に、部材50の中心部分74は、好ましくは、その部材を安定化して着用者への物品の適合を容易にし、排便への干渉を防止し、且つ着用者の皮膚との良好な接触を確実にすべく、おむつ20の股部区域37に取り付けられる。
【0066】
図5a及び図5bに示す代替実施形態において、湿潤感知部材50の流動制御層54は、トップシート24の少なくとも一部が湿潤感知部材50の浸透性層52を形成するようにトップシート24の内面に取り付けられる。この実施形態では、トップシート24は、好ましくは、弾性的に短縮されて湿潤感知部材50を偏向させ、着用者の皮膚と接触させる。或いは、この実施形態は、バックシートよりも長さが短く、バックシートの長手方向末端部と隣接するトップシートの長手方向末端部を有するトップシートを含むこともでき、これにより、おむつが着用者の周囲に適合される時、トップシートは押し付けられて着用者の皮膚と接触する。可視的強調部200は、図5aにおいて、ハート形の模様として示されている。
【0067】
特定の構成に関わらず、湿潤感知部材50の位置及び/又は構造は、部材が尿で濡れ、その後着用者の皮膚に接触して保持されることを可能にするべきである。幾つかの好ましい実施形態では、湿潤感知部材は、長手方向中心線42を中心として、おむつ20の股部区域37の少なくとも一部に配置される。その上、これらの代表的な実施形態では、尿が最初に使い捨て吸収性物品と接触する区域をカバーするために、湿潤感知部材50は、好ましくは、着用者の尿道に合わせられる。
【0068】
本発明による吸収性物品は、物品の身体に面する表面上に配置された複数の湿潤感知部材を含んでもよい。複数の湿潤感知部材を提供する実施形態の例が図6a及び図6bに示されている。2つの流動制御層54a及び54bがトップシート24の底面に取り付けられ、2つの湿潤感知部材50a及び50bを形成する。この実施形態では、流動制御層54a及び54bは、トップシートが湿潤感知部材の浸透性層52を形成すべく、トップシートと吸収性コア28との間に配置される。2つの流動制御層54a及び54bは、おむつ20の長手方向中心線42に平行に離間して配置されている。この空隙部は、排尿中の吸収性物品の漏れにつながり得る溢出を防止するため、十分な液体がコアに通り抜けると同時に、十分な液体が湿潤感知部材を形成する流動制御層に向かって流動及びウィッキングし得るように決定される。流動制御層間の空隙部は、約10mmであり得るが、約5mm〜約15mm及び約8mm〜約12mmの範囲であり得る。この実施形態では、流動制御層54a及び54bは、接着剤、超音波結合、無線周波結合又は他の好適な手段を用いてトップシート24の下部側に取り付けられる。この取り付けは、流動制御層とトップシートとの間の境界面全体を被覆する結合、スポット結合又は流動制御層の長手方向及び横断方向縁部に沿った結合を備え得る。図6a及び図6bに示された実施形態は、2つの湿潤感知部材しか有していないが、3つ以上の湿潤感知部材を有する他の吸収性物品の実施形態も考えられる。可視的強調部200は、図6aにおいて、細長い卵形の模様として示されている。
【0069】
図6a及び図6bに示すように、流動制御層の空隙部は、トップシート24における細長いスリット開口部80のための空間を提供する。細長いスリット開口部80は、着用者からの糞便を受け取りそれを着用者の皮膚から隔離するように適合している。スリット開口部80は、図に示されているように、好ましくは、おむつ20の長手方向中心線42に沿って湿潤感知部材50a及び50b間に介在する。スリット開口部80に隣接して位置する伸縮性区域82a及び82bは、使用中にスリット開口部80を着用者の肛門と位置整合して維持する。伸縮性区域82a及び82bはまた、湿潤感知部材50a及び50bを着用者の皮膚に向けて偏向させて、使用中のそれらの接触を維持してもよい。細長いスリット開口部を含む代表的な伸縮性トップシートは、米国特許第6,482,191号(ロー(Roe)らの名義で2002年11月19日に発行)に開示されている。
【0070】
或いは、湿潤感知部材50a及び50bの流動制御層54a及び54bは、弾性的に短縮されて、トップシート24に配置された伸縮性区域82a及び82bにより提供されるものに類似する利益を提供してもよい。
【0071】
図7a及び図7bに示す別の代替実施形態において、トップシート24は、先の実施形態に類似する浸透性層52を形成するが、流動制御層54a、54bは、おむつ20の長手方向長さに沿ってトップシート24内に形成された2つの平行なZ形の折り畳み部90に配置される。Z形に折り畳まれたトップシートは、トップシート24の長手方向縁部に沿って下地層に取り付けられ、トップシート24のZ形折り畳み部間の部分を自由に浮かせるようにしてもよい。弾性要素92は、吸収性コア28から外側に向かって離れるようにZ形に折り畳まれたトップシートの中心部分を偏向させるべく、流動制御層54a及び54bに沿って配置される。弾性要素92は、図7bに示すように流動制御層54a及び54bの外縁部に沿って配置されてもよく、或いは、流動制御層54a及び54bと向かい合わせの関係にて配置されてもよい。Z形に折り畳まれたトップシート24と弾性要素92の組み合わせは、おむつが着用者の周囲で弛むか、又は緩く適合する場合に、湿潤感知部材を着用者の皮膚と接触させて維持する。可視的強調部200は、図7aにおいて、星形の模様として示されている。
【0072】
Z形折り畳み部間のトップシートの部分が、臀部の溝に押し込まれたり、バリアレッグカフへの干渉を防ぐために、Z形折り畳み部間の空隙部は、約65mmであり得、また約50mm〜約90mmの範囲であり得る。更に、Z形折り畳み部間のトップシート部分の偏向を制御するために、接着剤、超音波結合、無線周波結合又は偏向を制御する他の好適な手段を使用して第一腰部区域、第二腰部区域及び股部区域のZ形折り畳み部間に横断方向の結合が形成されてもよい。これらの横断方向の結合は、Z形に折り畳まれた区分をトップシートの身体に面する表面に取り付け、Z形折り畳み部間の区分を下にあるコアに取り付ける。
【0073】
湿潤感知部材をトップシートと一体化させることに加え、本発明の湿潤感知部材はまた、バリアレッグカフなどのおむつの他の構成要素と一体化させてもよい。バリアレッグカフは、浸透性材料又は不浸透性材料のどちらからでも作ってもよい。いずれの場合でも、バリアレッグカフ材料が湿潤感知部材の層の1つを形成してもよい。このような代表的な実施形態では、バリアレッグカフの構造は、好ましくは湿潤感知部材を着用者の皮膚と接触して保持し、着用者の脚及び/又は股のひだに対して湿り気の感覚を与える。
【0074】
バリアレッグカフと一体化された湿潤感知部材の例が図8a及び図8bに示されている。この実施形態のためのおむつ20は、不浸透性材料から作られたバリアレッグカフ100a及び100bを含む。バリアレッグカフ100a及び100bは、トップシート24の身体に面する表面の上に配置された平行な配列においておむつ20の長手方向縁部に沿って延び、該配列間にトップシート24の露出した中央部分184を残す。図8a及び図8bに示す実施形態では、湿潤感知部材150a及び150bは、バリアレッグカフ100a及び100bと一体化され、バリアレッグカフ材料は湿潤感知部材の流動制御層を提供する。浸透性層110は、バリアレッグカフの各々の長さに延び得、好ましくは、少なくとも股領域37及び前腰部領域36の長さに延びる。浸透性層110は、好ましくは、おむつ20の長手方向軸線42に最も近いカフの部分上に配置されて、排尿中に濡らされる可能性が増す。図8a及び図8bに示すように、バリアレッグカフ100a及び100bは、内側の折り畳み部105a及び105bがおむつ20の長手方向軸線42の近くに配置されたZ形に折り畳まれた構成を含み、トップシート24の中心部分184を露出させたままにする。Z形に折り畳まれたレッグカフ100a及び100bはまた、内部に弾性要素108がその中に配置された外側の折り畳み部106a及び106bも含む。使用中に弾性要素108は、レッグカフをトップシート24から離して着用者の皮膚に向かって偏向させる。可視的強調部200は、図8aにおいて、斜線の模様として示されている。
【0075】
バリアレッグカフと一体化された湿潤感知部材の別の例が図9a及び図9bに示されている。この実施形態では、バリアレッグカフ100a及び100bは、浸透性材料で作られ、その他の点では、図8a及び図8bに示した実施形態と同様に構成されている。しかし、この実施形態では、バリアレッグカフ材料が湿潤感知部材150a及び150bの各々の身体に面する浸透性層を形成しているので、流動制御層54a及び54bは、吸収性コアと、バリアレッグカフ材料によって形成されたそれぞれの各浸透性層との間に配置されている。可視的強調部200は、図9aにおいて、楕円形の模様として示されている。
【0076】
下記に開示される湿潤感知部材の実施形態は、着用者の皮膚と接触して保持される時に最も効果的に機能する。使用中に着用者の皮膚と確実に接触するために、湿潤感知部材の身体に面する部分は、使用中に湿潤感知部材を適所に保持するように作用する局所接着剤などの身体接着性組成物を含んでもよい。身体接着性組成物は、湿潤感知部材の身体に面する表面の少なくとも一部に塗布してもよい。しかしながら、身体接着性組成物はまた、湿潤感知部材の身体に面する層を構成する材料と一体化させてもよい。更に、身体接着性組成物は、線、縞、点などを含むがこれらに限定されない任意の模様又は構成にて、着用者の皮膚に接触する湿潤感知部材のどの部分上に配置してもよい。
【0077】
そのような身体接着性組成物は、取り外し可能に着用者の皮膚に接着できる1つ以上の物質のいずれかを含むことも可能である。幾つかの代表的なヒドロゲル及び/又はヒドロコロイド接着剤が、米国特許第4,231,369号、第4,593,053号、第4,699,146号、第4,738,257号、及び第5,726,250号に開示されている。好適な代表的な医療用接着剤が、米国特許第4,078,568号、第4,140,115号、第4,192,785号、第4,393,080号、第4,505,976号、第4,551,490号、及び第4,768,503号に記載されており、また好適なポリアクリレート及びポリメタクリレートヒドロゲル接着剤が、米国特許第5,614,586号、及び第5,674,275号に開示されている。ポリビニルピロリドン及び多機能アミン含有ポリマーを備える更なる代表的な接着剤が、PCT国際公開特許WO94/13235A1に開示されている。身体接着性組成物は、蒸気を通し(即ち通気性であり)、皮膚に適合性があり、或いは皮膚に優しいことが好ましい。更に、身体接着性組成物は、少なくとも部分的に疎水性であり、好ましくは60重量%、より好ましくは80重量%の疎水性成分を含むことが好ましい。しかし、親水性組成物が、本発明のある実施形態では考慮されている。
【0078】
すべての特許、特許出願、及びそれに基づいて発行された任意の特許、並びに関連して発行された任意の外国特許出願、並びに本明細書において列挙及び/又は参照した刊行物の開示内容は、参照として本明細書に組み込まれる。しかし、参考として本明細書に組み込まれた文献のいずれか又は文献のいかなる組み合わせも、本発明を教示又は開示することが認められないのは明らかである。
【0079】
本発明の特定の実施形態及び/又は個々の特徴について図示し説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。更に、このような実施形態及び特徴のすべての組み合わせが可能であり、またこれにより本発明を好ましく実施できることも明らかである。従って、添付の請求項は、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を含むことが意図されている。
【0080】
本明細書は、本発明を形成するとみなされる主題を詳細に示し、明確に請求する請求項によって完結するが、添付図面を用いた以上の説明によって更に理解しやすくなると考えられる。図面における同種の表記番号は類似の要素を示すために用いる。図面には以下のものがある。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】使い捨ておむつの平面図。
【図2】本発明による湿潤感知部材の断面図。
【図3a】身体に面する表面上に配置された湿潤感知部材を有するおむつの平面図。
【図3b】湿潤感知部材の層を例証する図3aに示されたおむつの断面図。
【図4】湿潤感知部材の取り付けを例証するプルオンおむつの等角図。
【図5a】トップシートと一体化されている湿潤感知部材を有するおむつの平面図。
【図5b】図5aにおいて例証されたおむつの断面図。
【図6a】トップシートと一体化され、該トップシートの間に伸長したスリット開口部を挟んで長手方向軸線に平行に離間して配置された2つの湿潤感知部材を有するおむつの平面図。
【図6b】図6aに例証されたおむつの断面図。
【図7a】トップシートと一体化され、トップシートのZ形折り畳み部内に配置された2つの湿潤感知部材を備えるZ形に折り畳まれたトップシートを有するおむつの平面図。
【図7b】図7aに例証されたおむつの断面図。
【図8a】バリアレッグカフと一体化された湿潤感知部材を含むバリアレッグカフを有するおむつの平面図。
【図8b】図8aに例証されたおむつの断面図。
【図9a】バリアレッグカフと一体化されている湿潤感知部材を含むバリアレッグカフの代替形態を有するおむつの平面図。
【図9b】図9aにおいて例証されたおむつの断面図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつ、トレーニングパンツ、失禁衣料など、衛生的な使い捨て吸収性物品を対象とする。本発明は、特に排尿しつけで用いるために特に適合した使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品は当技術分野で周知である。これらの物品は一般に、着用者から排出された排泄物を捕獲及び吸収するために、使用中に着用者の身体に近接して保持又は配置される吸収性コアを有する。一般的な吸収性物品は、流体の排泄物が通り抜ける着用者に面するトップシートと、排泄物が吸収性物品から漏れるのを防ぐバックシートとを備える。
【0003】
おむつのような使い捨て吸収性物品は、着用者の身体と衣服の汚れを防ぐために排出物を吸収及び封じ込めるために設計されている。使い捨ておむつは一般に、新生児から排泄しつけ中の幼児に及ぶ様々な着用者に適合するように、様々な寸法にて入手可能な単一の設計を備える。おむつの設計は一般に性能、つまり排出物を吸収して封じ込める能力に影響を及ぼす。着用者の身体に対するおむつの適合性は一般に、例えば、おむつのウエスト開口部の寸法、大腿部周囲の開口部の寸法、及びおむつの長さ又は「ピッチ」によって影響を受ける。
【0004】
排泄しつけが首尾よく終了すると、幼児が通常はもはやおむつを着用しないため、排泄しつけ段階をおむつ製品の範疇からの「出口地点」と称することもできる。「先進」国において子供が排泄しつけを完了する年齢は、過去数十年にわたり着実に伸び、現在はおよそ24〜48ヶ月の範囲にある。排泄のしつけが遅くなった1つの理由は、おむつの乾燥状態と快適さにおいて著しい技術的改善があったためである。例えば、通常の現代のおむつを着用する場合、1回以上の排尿の後でさえも子供の皮膚は乾燥していることがある。その結果、子供はほとんど又は全く不快を感じないことがあり、また排尿したことにさえ気付かないことも多い。
【0005】
多くの親は排尿のしつけをする間に、子供が自分の「パンツ」の中で排尿した後に不快を感じるように、子供に木綿のトレーニングパンツ又は木綿の下着をはかせる。そうした不快感が自発的に尿を留めることを学ぶ助けとなるか、又は学ぶ動機を提供すると考えられている。木綿のトレーニングパンツは皮膚を湿らせたままにすると共に、その高い通気性のために、皮膚の蒸発冷却を促進し、更に不快感を増す。しかしこの方法における現行の代償として、木綿のトレーニングパンツは尿の封じ込め力に乏しいので衣類を濡らし、また周囲、例えば、敷物、家具などを濡らすことが多い。尿漏れ、及び不必要な衣服の取り換えを防ぐ一方、排尿しつけ中の子供にしつけを示唆する必要性が明らかに存在している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、排尿が起きたという着用者の認識を高めると同時に、吸収性物品を防御して着用者の衣類及び周囲が汚れるのを防止することにより排尿しつけを容易にし得る物品を提供することが望ましい。特に、排尿から生じる不快な濡れた感覚を着用者が確実に感じることにより、排尿されたという効果的な合図も示す形態の物品を提供することが望ましい。加えて、排尿しつけの機会を容易にするために、この濡れた感覚を与える機構が物品内に存在することを可視的に強調することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
使い捨て吸収性物品は、尿などの排泄物が排泄されたという着用者の認識を高める湿潤感知部材を備える。湿潤感知部材は、浸透性層と、この浸透性層と向かい合わせに配置された流動制御層とを備える。一旦着用者が排尿して湿潤感知部材の区域が濡れると、尿は、浸透性層の厚みをz−方向に流動制御層に向かって浸透し、流動制御層は、尿が湿潤感知部材をz方向に通過するの遅らせたり、尿がx−y平面において流動したりするのを支持する。これにより、尿は、吸収性コアに吸収される前に、湿潤感知部材の広い面積を濡らすことができる。湿潤感知部材は、使用中に着用者の皮膚と接触して保持され、それにより排尿が起きたという着用者の認識を高める。物品内の湿潤感知部材の存在は、可視的に強調されて排泄しつけの機会を容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、発明とみなす点を特に指摘し明確に請求する請求項にて結論とするが、以下の本発明の詳細な説明を読み、添付図面を検討することにより、本発明をより容易に理解することができると考える。
【0009】
本発明は、着用者の身体から排出された尿が、好ましくは使用中に着用者の皮膚と密接して保持される湿潤感知部材の有効面積を濡らすことにより、排尿が起きたという着用者の認識を高める湿潤感知部材を有する使い捨て吸収性物品を提供する。湿潤感知部材は、トレーニングパンツ、プルオンおむつ、失禁用ブリーフ、失禁用下着、吸収性挿入物、おむつホルダー及びライナー、女性用衛生衣類などを含めた使い捨て吸収性物品に等しく適用可能である。本発明の吸収性物品の代表的な一実施形態は、図1に示される使い捨ておむつ20のような単一の使い捨て吸収性物品である。
【0010】
(定義)
本明細書で使用する時、次の用語は、次の意味を有する。
【0011】
用語「吸収性物品」は、液体を吸収して収容する装置を指し、より具体的には、着用者の身体に接触して又は近接して配置され、身体から排泄された様々な排出物を吸収して収容する装置を指す。
【0012】
用語「使い捨て」は、洗濯する、或いは吸収性物品として復元するか再利用されることを一般に意図しない吸収性物品、即ち、1回の使用後に廃棄する、好ましくはリサイクルする、堆肥化する、或いは環境に適合する方法で処理することを意図する吸収性物品を指す。
【0013】
用語「配置される」とは、ある要素が特定の場所又は位置で他の要素と共に単一構造体として、又は他の要素に接合された別個の要素として形成(接合及び配置)されることを意味するために使用する。
【0014】
用語「単一の」は、別個のホルダー及びライナーのような別個の操作部分を必要としないために、結合した別個の部分から形成され、調和した統一体を形成している吸収性物品を指す。
【0015】
「おむつ」とは、一般に、乳幼児及び失禁症者により胴体下部の周囲で着用される吸収性物品を指す。
【0016】
用語「排泄しつけ」は、自発的に尿及び糞便を留める能力である抑制力を育成することを指す。抑制できない者は、身体排泄物を自発的に留めることができずに反射的に排尿や排便をする。例えば、新生児は抑制することができない。抑制力の育成と同時に、子供は、通常は自発的に排尿や排便する能力を伸ばして、反射的に排泄しなくなる。介護者が連想的な方法及び条件付けの方法を通じて子供をしつけることにより、反射的な排泄の代わりに、この抑制力及び自発的な排泄の育成を加速及び/又は誘導することがある。本発明の目的上、用語「排泄しつけ」は、抑制力そのもの、及び抑制力に関連した自発的な排泄の両方のしつけを示すために使用される。用語「排泄しつけ」は、用語「おまるのしつけ」と同義であることも留意される。
【0017】
用語「長手方向」は、物品の最長直線の長さに平行に走る方向を指し、長手方向の±45°以内の方向を含む。
【0018】
用語「横方向」又は「横断方向」は、長手方向に対して90度の角度で走る方向を指し、横方向の±45°以内の方向を含む。
【0019】
用語「x−y平面」は、その長さと幅とにより画定されたシート材のほぼ平面的な構造を指し、シート材が平坦であるか湾曲しているか否かに関わらず、シート材の2つの主要表面の間にある。
【0020】
用語「z−方向」は、シート材の厚みを通る方向を指し、x−y平面にほぼ直交する。
【0021】
用語「浸透性の」及び「不浸透性の」は、使い捨て吸収性物品の意図された使用法に関連した材料の浸透性を指す。具体的には、用語「浸透性の」は、強制圧力がなくても液体水がその厚みを通り抜けられるようにする孔、開口部、及び/又は互いに結合された空隙を有する層又は層状構造を指す。それとは逆に、用語「不浸透性の」は、強制圧力がない場合、液体水がその厚みを通り抜けることができない層又は層状構造を指す。当該技術分野において周知であるように、一般に吸収性物品において使用される材料の浸透度を測定するための一般的な方法は、水圧試験であり、またの名を静水頭試験(hydrostatic head test)或いは単に「水頭(hydrohead)」試験という。水頭試験に好適な周知の簡潔な方法は、INDA(元国際不織布・使い捨て用品協会(International Nonwovens and Disposables Association))、現在の不織布工業協会(Association of the Nonwoven Fabrics Industry))及びEDANA(欧州使い捨て用品・不織布協会(European Disposables And Nonwovens Association))によって承認された。
【0022】
用語「遅らせる」及び「流動制御層」は、層状構造における異なる層は浸透性であるが、液体水と、同様に本質的に水性である体外排泄物とをそれぞれの厚みに浸透させるそれぞれの流量の点で異なってもよいという事実を指す。例えば、毛管チャネルを含み、いかなる強制圧力がなくてもその厚みを通って液体水がウィッキングする層は、浸透性であるとみなされる。しかし、液体水がそのような層の厚みを通り抜けられる流量は、液体水が、毛管チャネルとしての役目を果たすにはあまりにも大きすぎる穴を含む層の厚みを通り抜けられる流量より少なくてもよい。同様に、どちらも毛管チャネルを含み、いかなる強制圧力がなくてもその厚みを通って液体水がウィッキングする2つの層はどちらも、浸透性であるとみなされる。しかし、複数層のうち1層における毛管チャネルは、他の層におけるそれらとは寸法が異なってもよく、或いは他の層におけるそれらより数が多くてもよく、結果として、1層を通る液体水のウィッキング流量は、他の層を通るそれより多くてもよい。従って、層状構造において、流動制御層として機能する1つの層は、流量制御層のない別の層がその厚みを通じて液体水を通過させるより多い流量に比べて、層状構造の厚みを通る液体水の通過を遅らせてもよい。流動制御層は不浸透性であってもよく、その場合、流動制御層は、液体水の通過を効果的に妨げる程度まで液体水の通過を遅らせてもよく、即ち、液体水の通過を妨げることは、用語「遅らせる」の意味の中に含まれている。
【0023】
用語「可視的」は、通常の室内照明又は昼間の自然光の条件の下、裸眼で見える特質を指す。「可視度が向上」又は「可視度が低下」するとは、ほぼ一定の又は同等の照明の条件下で見た時、目立つ程度まで可視度が変化することを意味する。
【0024】
用語「可視的強調部」は、例えば、配色、色相、又は色調が異なることによって、明るさ、暗さ、又はコントラストが異なることによって、図柄又はべた一色の色形態の有無により区別することによって、又は目に見える著しい区別を生じさせる働きをする他のいずれかの変形によって、その周囲よりも著しく目立つように対象を可視的に区別することを指す。
【0025】
用語「着色」は、対象物若しくは対象物の一部の中及び/又は上に色をつけること或いは色を組み合わせることによって生み出された効果を指す。
【0026】
用語「配色」は、特に可視的に強調するために、対象物又は対象物の一部を目で見えるように区別するために使用された場合、着色の配合又は程度を指す。
【0027】
用語「べた一色」は、幾つかの図柄の分離した線状の形とは対照的に、中断されていない、即ち途切れていない区域の着色を指す。
【0028】
用語「図柄」は、絵の形態におけるグラフィックアート又は図柄的表現の生成を指す。
【0029】
用語「連想的な相関関係」は、可視的強調部と可視的強調部が連想的に相関しているものとの間に相互的又は相補的な関係を確立し、二者の間に連想即ち心的繋がり又は結び付きを形成することを指す。吸収性物品の中又は上で、可視的強調部のそれぞれの可視的形態と外から見える印とを連想的に相関させる状況において、並びに可視的強調部と排尿しつけの概念とを連想的に相関させる状況において、この用語を使用する。例えば、連想的に相関した図柄は、着用前に吸収性物品を見る時、一致して排尿しつけの機会に関心を引き付け、着用中に吸収性物品の内部にある湿潤感知部材の存在を外から見て思い出させるなどの働きをしてもよい。同様に、排尿しつけに関する話題(乾燥、湿り気、又は湿り気からの保護など)を視覚的に引用する可視的強調部は、可視的強調部を排尿しつけの概念と連想的に相関させる働きをして、それにより排尿しつけの機会を容易にしてもよい。
【0030】
用語「相互作用的に相関した」、「相互作用的に関連のない」、「主題において関連した」、「主題において関連のない」、及び「一般的な物語の筋書きにより関連付けられた」は、米国特許第6,297,424号(オルソン(Olson)ら、2001年10月2日発行)、米国特許第6,635,797号(オルソン(Olson)ら、2003年10月21日発行)、及び米国特許第6,307,119号(カマロタ(Cammarota)ら、2001年10月23日発行)と同じ意味を有することを意図する。
【0031】
図1は、平らに広げた非収縮状態、即ち弾性による収縮がない代表的なおむつ20の平面図であり、おむつ20の下層構造をより明瞭に示すために構造の一部分が切り取られ、おむつ20の着用者に接触する部分が見る人に向いている。おむつ20は、長手方向軸線42と横断方向軸線44を含む。おむつ20の1つの末端部分36は、おむつ20の第一腰部区域として構成されている。反対側の末端部分38は、おむつ20の第二腰部区域として構成されている。おむつ20の中間部分37は、第一腰部区域36と第二腰部区域38との間を長手方向に延在する股部区域として構成されている。腰部区域36及び38は、一般に、着用した時に着用者の腰部を取り巻くおむつ20の部分を備える。腰部区域36及び38は弾性要素を含み、着用者の腰部の周囲で縮んで、改善された適合性と封入性を提供してもよい。股部区域37は、おむつ20を着用した時に、一般に、着用者の脚の間に位置するおむつ20の部分である。
【0032】
おむつ20は好ましくは、透過性トップシート24と、不透過性バックシート26と、トップシート24とバックシート26との間に入れられた吸収性コア28と、を備える。トップシート24は、トップシート24とコア28との間に空間をもたらすために、全体的に若しくは部分的に伸縮性を持たせることも又は短縮させることも可能である。伸縮性の又は短縮されたトップシートを含む代表的な構造は、米国特許第4,892,536号(デマレーズ(Des Marais)ら、1990年1月9日発行)、米国特許第4,990,147号(フリーランド(Freeland)、1991年2月5日発行)、米国特許第5,037,416号(アレン(Allen)ら、1991年8月6日発行)、及び米国特許第5,269,775号(フリーランド(Freeland)ら、1993年12月14日発行)に更に詳細に説明される。
【0033】
おむつ20は、締着装置40を含んでもよく、或いは側部で封じられてプルオンおむつ及び/又はトレーニングパンツを形成してもよい。おむつ20はまた、外側レッグカフ、バリアレッグカフ、前側及び後側耳パネル、ウエストキャップ機構、及びゴムなどを含む当技術分野で既知の他の機構を含んで、望ましい適合性、収容性、及び美的特質を提供してもよい。そのような追加的機構は、当該技術分野において周知であり、また特に米国特許第3,860,003号及び米国特許第5,151,092号に記載されている。
【0034】
本発明による代表的な湿潤感知部材が図2に示されている。湿潤感知部材50は、浸透性層52と、この浸透性層52の反対側に配置された流動制御層54と、を備える。流動制御層は、好ましくは、液体水に対しては不浸透性であり、蒸気に対しては浸透性であり、結果として通気性である。本発明による湿潤感知部材50は、好ましくは、身体に面する浸透性層(上部層)と、身体に面する層の反対側の流動制御層(下部層)と、を備える。
【0035】
排尿中、浸透性層52は尿をz−方向に浸透させると共に、ウィッキングによりx−y平面に尿を流すための媒体も提供する。流動制御層は、湿潤感知部材をz−方向に通る尿の通過を遅らせ、それにより湿潤感知部材の濡れた領域区域を拡大して、好ましくは湿潤感知部材を着用者の皮膚と接触した状態に保持する。z−方向における制限された浸透とx−y平面におけるウィッキングとを組み合わせることにより、尿は、吸収性コアに吸収される前に広がって効果的に広い領域を湿らし、それによって着用者が経験する濡れの合図を最大化する。
【0036】
本発明の湿潤感知部材での使用に適する代表的な浸透性層としては、不織布、発泡体、織布材などが挙げられる。浸透性層は、親水性であるのが好ましい。本発明の湿潤感知部材での使用に適する代表的な流動制御層として、ポリオレフィンフィルム、微小多孔性又は通気性フィルム、その他のフィルム、及び疎水性不織布が挙げられる。好適な疎水性不織布には、SM(スパンボンドメルトブローン)、SMS(スパンボンドメルトブローンスパンボンド)、及びSMMS(スパンボンドメルトブローンメルトブローンスパンボンド)複合物が挙げられる。
【0037】
本発明の吸収性物品において、可視的強調部を提供して物品内の1つ又は複数の湿潤感知部材の存在を示し、それにより物品着用者の排尿しつけの機会を容易にする。この可視的強調部がない湿潤感知部材は、目立つ濡れの合図を着用者に提供することに関しては十分に機能的であるけれども、吸収性物品の身体に面する部分がほぼ均一の外観を呈している場合、介護者が、排尿しつけのための各機会を利用する可能性を見落としたり忘れたりすることがある。例えば、多くの吸収性物品は、その身体に面する表面にほぼ均一の白い外観を呈している。たとえ介護者が排尿しつけにおいて着用者の協力を得ようと試みたとしても、そのような均一な外観は、着用者の関心を湿潤感知部材に向けるための視覚的な手がかりを全く提示せず、また介護者が次に来る機会を着用者に説明する間に指し示すことのできる特定の部分を全く提供しない。それに対し、可視的強調部を設けて湿潤感知部材の存在を示すことにより、排尿しつけの機会を容易にすることができる。或いは、仮に介護者が湿潤感知部材の存在を見落としたり、或いは吸収性物品の特殊用途を着用者の身体上に利用して、排尿しつけの機会を着用者に説明できることについて単に忘れたりしただけだとしても、可視的強調部は、介護者の注意を引きつけて、それにより介護者に機会を思い出させる働きをすることができる。
【0038】
その上、一旦介護者が着用者に排尿しつけの話をすると決めたら、可視的強調部は、着用者の興味を引く働きをすることができ、或いは介護者により指し示されて、次に来る機会の説明に取り入れられることができる。例えば、可視的強調部に着用者が認識できる対象物などの図柄が含まれる場合、介護者は、吸収性物品の着用中に認識可能な対象物を濡らさず、その代わりに、これを濡らさないために適時にトイレに行きたいと要求することを必ず思い出すよう着用者に求めることができる。同様に、介護者は、認識可能な対象物が濡れるかもしれないと思った時はいつでも言うよう着用者に求めることができる。従って、可視的強調部は、介護者と着用者の間に排尿しつけに関する話題を提供することができ、同様に着用者が呼ぶための名指しできる対象物を提供することができ、トイレに行く必要性を伝えたり、湿潤感知部材によって与えられる濡れの合図の認識が改善していることを伝えたりしたいと望む着用者に必要とされる精神的な作業を大いに簡略化する。
【0039】
可視的強調部の簡素なべた一色の形態でさえ、色又は着色形態の幾らかの認識を持っている着用者に使用された場合は特に、排尿しつけの機会を容易にする働きをすることができる。加えて、単色又は複数色の形態の可視的強調部は、色及び色の差異の認識の教育を容易にすることがあり、連合学習は次に、排尿しつけのプロセスを向上させることがある。例えば、玩具又は別の対象物における可視的強調部の色に類似する色の発現を使用して、着用者に吸収性物品内の同じ色とその重要性を思い出させてもよい。別の例として、色そのものが認識可能な「対象物」としての機能を果たし、上述のように、これを排尿しつけの機会の説明に取り入れることができる。
【0040】
湿潤感知部材は、一般に、吸収性物品の横方向の中央領域と呼ばれる領域に位置しているので、これを可視的に強調することにより、着用者が達成する学習に関して追加的な利益をもたらすことがある。例えば、可視的に強調された湿潤感知部材は、2つの脚開口部の視覚的な分離に関する基準線を提供することがあり、それぞれの足を対応する脚開口部に入れるために左脚開口部と右脚開口部に分化することを含んでいる。こうした視覚的な手がかりは、物品の内部が他の点では完全に単色、例えば全て白である場合、特に有用であることがある。このような場合、例えば、可視的に強調した視覚的基準のどちらかの側に片足を置くよう口頭で指示すれば、両足を穴即ち脚開口部に通すよう曖昧に指示するよりも、おそらくより効果的になるであろう。同様に、長手方向に向けられている可視的強調部は、介護者が行う場合は物品をつけさせる前に、或いは着用者が行う場合は物品を着用する前に、どちらも物品の向きを合わせるために、前後方向に関する視覚的基準としての機能を果たしてもよい。この長手方向に向けられた視覚的基準はまた、トイレを使った後、長手方向の動作を用いて自分できれいに拭くといった技能の教育を支援することがある。可視的強調部に視覚的な注意を向けることにより、中央又は「真中」にあるものの概念を教育及び学習してもよく、次にこの概念を、尿の出口の解剖学的部位及びトイレの上に座るための対応する適切な位置など、関連する事項に適用してもよい。例えば、着用者が吸収性物品の可視的に強調された区域の「真中」で排尿し、それでおまるの「真中」に座ることが重要であることを着用者に関連付けさせることができる。従って、上記の方法及び同様の方法において、着用者は、自分自身の体を更に認識することができ、これにより排尿しつけの経験が向上したり容易になる傾向がある。
【0041】
加えて、可視的強調部は、着用者が排尿しつけに関わるほど十分に成熟していることを思い出させることにより、着用者の自尊心を高める働きをすることができる。着用者がトイレに行く必要性を理解することに成功し、次に、トイレを使う準備ができて物品を引き下げた後に、物品内にある可視的に強調された湿潤感知部材の乾燥状態を見る時、この効果を増すことができる。
【0042】
可視的強調部は、湿潤感知部材の表面上又はその複数層のうち一層に印刷する手段により設けられてもよい。例えば、浸透性層の下にある流動制御層の表面上にべた一色又は図柄を印刷してもよい。別の例として、二層のどちらの表面上にも接着剤又はゲルを印刷してもよい。そのような接着剤又はゲルは、周囲の区域とは異なるように着色されてもよい。或いは、接着剤又はゲルは、着色されなくてもよく、或いは周囲の区域と同じ色を有してもよいが、区別を示す隆起区域若しくは模様を形成することによって、及び/又は区別を示す凹み区域若しくは模様を取り囲むことによって、可視的強調部を尚も提供してもよい。
【0043】
可視的強調部はまた、例えば、着色された繊維を含む繊維層、分散又は固定した着色剤を含む一体層、その初期状態において着色されている未漂白の材料の層など、着色された材料の湿潤感知部材の1層以上の層を形成することによって設けられてもよい。
【0044】
幾つかの実施形態では、可視的強調部は、湿潤感知部材若しくはその複数層のうち一層を型押し又はエンボス加工することにより設けられてもよい。一例として、湿潤感知部材の身体に面する浸透性層は、介護者又は着用者の注意を引く働きをする模様でエンボス加工されてもよい。別の例として、浸透性層及び流動制御層は、別個の位置で又は別個の線に沿って互いに接着されてもよく、また接着剤は、同様に介護者又は着用者の注意を引く働きをする模様を形成してもよい。
【0045】
湿潤感知部材の型押し、エンボス加工、又は接着された部分は、湿潤感知部材の存在及び位置を可視的に強調することに加えて、触感を提供してもよい。例えば、隆起区域若しくは凹み区域、又は互いに隣接した隆起区域と凹み区域との組み合わせは、手で感じられることがあり、また幾つかの実施形態では、物品の着用中に着用者により感じられることがある。同様に、上述したような印刷された接着剤又はゲルにより形成された隆起区域又は模様は、そのような触感を提供してもよい。可視的強調部のみと全く同じように、可視的強調部とこの触感との組み合わせは、着用者の興味を引く働きをすることができ、又は介護者により指し示されて、次に来る排尿しつけの機会の説明に取り入れられることができる。例えば、物品内に可視的強調部と触知できる模様の両方を設ける場合、介護者は、着用者に「凸凹のある」区域を感じさせて、吸収性物品の着用中に「小さい凸凹」を濡らさず、その代わりに、「小さい凸凹」を濡らさないため適時にトイレに行きたいと言うことを必ず思い出すよう着用者に求めることができる。同様に、介護者は、着用者が「小さい凸凹」が濡れたかもしれないと思う時はいつでも言うよう着用者に求めることができる。従って、可視的強調部は、触知できる模様と組み合わせて介護者と着用者の間に排尿しつけに関する話題を提供することができ、同様に、着用者が呼ぶために名指しできる対象物を提供することができ、トイレに行く必要性を伝えたり、湿潤感知部材によって与えられる濡れの合図の認識が改善していることを伝えたりしたいと望む着用者に必要とされる精神的な作業を大いに簡略化する。加えて、幾つかの実施形態では、触知できる模様は、その窪み、凹み、及び/又は隆起部の間の隙間の中に一時的に少量の尿を封じ込める働きをしてもよく、それによって湿潤感知部材の層状構造がもたらす濡れた感覚を加えて、排尿が起きたという着用者の認識を高める。
【0046】
加えて、可視的強調部は、区別を示す繊維若しくはフィラメントを湿潤感知部材の一層又は両方の層に組み込むことにより、又はこれら複数層のうち一層の中に繊維若しくはフィラメントを区別を示すように配向することにより設けられてもよい。例えば、区別を示す色の繊維又はフィラメントを流量制御材の中に組み込んで、物品内におけるその存在とその位置を可視的に強調してもよい。同様に、二層のうち一層の中に区別を示すように厚い繊維又はフィラメントを埋め込んで、それにより区別を示す隆起区域又は模様を形成してもよい。
【0047】
湿潤感知部材を取り囲む吸収性物品の構造の部分が単色である場合、可視的強調部は、別の色を使用して、コントラストを使用して、同じ色若しくは類似の色の異なる模様を使用して、又は湿潤感知部材を周囲の構造要素から可視的に区別するあらゆる他の方法により設けることができる。例えば、周囲の構造要素の色がほぼ白である場合、可視的強調部は、白以外の色の使用を含んでもよい。これに対し、周囲の構造要素が白ではない場合、可視的強調部は、わずかな白の使用を含んで湿潤感知部材を可視的に区別してもよい。例えば、湿潤感知部材の下にある吸収性コアの層が、白ではなく幾らかより暗い色である実施形態において、湿潤感知部材は、その配色にわずかな白を含むことにより可視的に強調されて、それを可視的に区別してもよい。
【0048】
幾つかの実施形態では、可視的強調部は、1を超える色、1を超えるコントラストの差異、1を超える模様、1を超える図柄、べた一色の1を超える区域などを含んでもよく、可視的強調部の形態の単数形を指すこの説明のあらゆる部分は、複数形を含むことを意図しており、逆もまた同様である。
【0049】
可視的強調部は、部分的又は完全な円形、正方形、三角形、ダイヤモンド形、楕円形など、開いた又は閉じた幾何学的図形を含んでもよい。可視的強調部は、立方体又は別の方形の体積、球体、円筒形、「ドーナツ」形、これらの物体の1つの曲がった又は湾曲した又は捩れた変形など、三次元の物体の二次元的表現を含んでもよい。同様に、可視的強調部は、星、ハート、液滴、涙滴、螺旋、波形、矢、花、泡、点など、一般に命名された若しくは命名可能な形状又は物体の表現を含んでもよい。幾つかの実施形態では、可視的強調部は、ボール、バット、ラケット、バドミントンのシャトルコック(別名「羽根」)、積木など、遊戯で使用される目に見える物体の表現を含んでもよい。更に、幾つかの実施形態では、可視的強調部は、テディベア、子供向けテレビ番組に登場するキャラクター、ゲーム又は子供向けの物語本に登場するキャラクターなど、着用者が知っている可能性のあるキャラクターの表現を含んでもよい。可視的強調部が種々の図形、物体、及び/又はキャラクターを含む実施形態において、可視的強調部の様々な要素は、主題により関係付けられて、及び/又は一般的な物語の筋書きにより関係付けられて、相互作用的に相関してもよい。逆に、様々な要素は、主題により関連付けられず、及び/又は一般的な物語の筋書きにより関係付けられず、相互作用的に関連しなくてもよい。
【0050】
べた一色を使用する場合、それは図柄の輪郭によって仕切られた区域を部分的又は完全に満たし、そのような図柄の輪郭の内側若しくは外側に漸次的な変化として現れ、それ自身が「充填された」図柄を形成し、或いは単に途切れずに区域を占め、例えば、対応する長さの全体若しくは一部分にわたって湿潤感知部材の層の幅全体を占めてもよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、可視的強調部は、湿潤感知部材が濡れた時に可視度が向上又は低下してもよい。加えて、可視的強調部は、湿潤感知部材が濡れた時に色を変化させてもよい。これらの効果のいずれかは、尿によって濡れた時に化学反応に耐える、或いは分散又は集中するインク若しくは染料若しくは他の作用剤を使用して生み出されてもよい。一般に、可視的強調部のこれらの変形に関して、外から見える湿り度インジケータ(濡れた時に可視度が向上又は低下するようになることがある、いわゆる「現れる」又は「消える」湿り度インジケータなど)において、及び濡れた時に色が変化することがある湿り度インジケータにおいて一般に使用される湿り度インジケータ組成物のいずれかを使用してもよい。そのような湿り度インジケータ組成物は、当該技術分野において周知であり、ここで詳細に説明する必要はない。
【0052】
本発明の可視的強調部は、着用者の体と吸収性コアとの間に位置する湿潤感知部材を、可視的に区別する働きをすることに留意することが重要である。従って、吸収性物品の外側から見える湿り指示を設ける方法で構造的に配置されるのではなく、湿潤感知部材の可視的強調部に使用されるあらゆる湿り度インジケータ組成物は、吸収性物品の身体面表面から見ることができなければならない。この異なる配置により、本発明の吸収性物品を使用する時、物品の外側から見える湿り度インジケータのみを有する吸収性物品を使用するのに比べて、介護者は、排尿しつけの作業に異なる方法を適用することができる。例えば、外部の湿り度インジケータにおける変化は誰にでも見えるが、一方、内部の湿潤感知部材の可視的強調部におけるあらゆる変化は、介護者若しくは着用者のどちらかが吸収性物品の中を覗き込むか、又はそれを取り外すまで「隠れた」ままである。従って、何らかの吸収性物品の濡れが生じたか否かに関わらず、それ自身がゲームに似た遊戯的活動の焦点となることができ、介護者と着用者がゲームを終了することに同意する時だけ「秘密」が明らかになる。着用者がうまく排尿の抑制を維持して吸収性物品の中を濡らさなかった場合、この事実は、達成した時点で誇りの源となることができ、また着用者が介護者に指し示すことにより、可視的強調部の外観が変わらなかったことを「証明」することができる。これに対し、着用者が濡れた感覚に気付く場合、或いは単に「隠れた」指示の状態を確認したい場合、着用者は、簡単に吸収性物品の内側を見ることができる。可視的強調部の外観が変化した場合、着用者は、トイレに行きたいと求める状況において、これに介護者の注意を向けさせることを選ぶことができる。加えて、可視的強調部は、「隠れた」指示としての機能を果たすので、着用者は、外部から見える何らかの湿り度インジケータの外観が変化する前に、その外観における変化を感知できることがあり、それによりトイレに行く話題について最初に触れる人物となる。即ち、着用者は、介護者が外部から見える湿り度インジケータを視覚的に参照して同じ状態を感知するより先に、吸収性物品の濡れを視覚的に感知できるようになることがある。その上、視覚的及び触覚的感覚の両方を着用者に提供することは、湿り気の感覚を強化する働きをし、それにより湿潤感知部材のしつけ効果を高めることがある。濡れた感覚と可視的強調部の外観における目に見える変化の両方により濡れを示す吸収性物品は、故に、着用者側でのより早い学習を手助けすることがある。
【0053】
可視的強調部の外観は、介護者若しくは着用者のどちらかが吸収性物品の中を覗き込むか又はそれを取り外すまでは「隠れた」ままであるが、吸収性物品の中又は上の他の場所に位置して吸収性物品の外側から見える印と可視的強調部を可視的形態で連想的に相関させてもよい。この外から見える印は、永続的であってもよく、又は吸収性物品が着用されている間に外観が変化してもよい。例えば、外から見える印は、外から見える湿り度インジケータであってもよい。湿潤感知部材の可視的強調部に、外から見える印の可視的形態に類似する可視的形態を与えることにより、排尿しつけの機会を向上させてもよい。例えば、介護者は、外から見える印と湿潤感知部材の「隠れた」可視的強調部との類似点を指摘し、外から見える印に気付く度に隠れた可視的強調部を思い出すよう着用者に求めることができる。例えば、「隠れた」指示即ち可視的強調部を確認する「ゲーム」を開始する時、着用者の関心を外から見える湿り度インジケータの変化していない外観に向けると同時に、着用者が吸収性物品の中を濡らしたか否かの兆候に関して「隠れた」可視的強調部を確認する時、何が見えると思うか着用者に尋ねることによって、更に別の折に類似について触れてもよい。
【0054】
可視的強調部の外観が濡れることによる影響を受けない実施形態においてさえ、外から見える印と可視的強調部のそれぞれの可視的形態の連想的な相関関係は、排尿しつけの機会を容易にする働きをすることがある。例えば、外から見える印と可視的強調部の両方が、類似する図柄の可視的形態を有する場合、外から見える印は、着用者の興味を引く働きをすることができ、又は介護者により指し示されて、進行中の排尿しつけの機会の説明に取り入れられることができる。外から見える印と可視的強調部の両方に着用者が認識できる対象物などの図柄が含まれる場合、介護者は、吸収性物品の着用中に認識可能な対象物を濡らさず、その代わりに、これを濡らさないために適時にトイレに行きたいと要求することを必ず思い出すよう着用者に思い出させることができる。同様に、介護者は、認識可能な対象物が濡れたかもしれないと思う時はいつでも言うよう着用者に求めることができる。従って、外から見える印と可視的強調部の連想的に相関した組み合わせは、介護者と着用者の間に排尿しつけに関する話題を提供することができ、同様に着用者が呼ぶための名指しできる対象物を提供することができ、トイレに行く必要性を伝えたり、湿潤感知部材によって与えられる濡れの合図の認識が改善していることを伝えたりしたいと望む着用者に必要とされる精神的な作業を大いに簡略化する。
【0055】
それぞれの可視的形態が類似していなくても、それぞれの可視的形態が認識可能な方法で相互に関係している限り、外から見える印と可視的強調部のそれぞれの可視的形態のそのような連想的な相関関係を達成することができる。可視的形態は、主題において関連付けられてもよい。例えば、外から見える印は、サッカーユニフォームを着たキャラクターを示してもよく、連想的に相関した可視的強調部は、サッカーボールを示してもよい。別の例として、可視的強調部は、水泳用のフィンを示してもよく、また連想的に相関した外から見える印は、水中マスクを示してもよい。可視的形態は、一般的な物語により関連付けられてもよく、更に相互作用的に相関してもよい。例えば、外から見える印は、捕蝶網を持ったキャラクターを示してもよく、連想的に相関した可視的強調部は、蝶を示してもよい。
【0056】
外から見える印の簡素なべた一色形態と可視的強調部の類似するべた一色形態の連想的な相関関係でさえ、色又は着色された形の幾らかの認識を持つ着用者に使用された場合は特に、排尿しつけの機会を容易にする働きをすることができる。加えて、単色又は複数色の形態における外から見える印と可視的強調部の連想的な相関関係は、色と色同士の差異の認識の教育を容易にすることがあり、連合学習は次に、排尿しつけのプロセスを向上させることがある。例えば、玩具又は他の対象物において、外から見える印と可視的強調部の両方の色に類似する色の発現を用いて、着用者に吸収性物品の内側にある同じ色とその重要性を思い出させてもよい。別の例として、色そのものが認識可能な「対象物」としての機能を果たし、上記のように、これを排尿しつけの機会の説明に取り入れることができる。
【0057】
或いは、可視的強調部は、外から見えるいかなる印と連想的に相関していなくてもよい。連想的な相関関係の欠如は、全面的であっても特定的であってもよく、例えば、可視的強調部と外から見える印のそれぞれの可視的形態は、主題の点で無関係であり、一般的な物語の筋書きによって関連付けられず、及び/又は相互作用的に関連していないが、一方、別の方法で尚も連想的に相関していてもよい。
【0058】
湿潤感知部材の可視的強調部の可視的形態は、排尿しつけの概念と連想的に相関している必要はない。しかし、幾つかの実施形態では、可視的強調部の可視的形態は、例えば、湿り気、乾燥、湿り気からの保護、液体の流れ、水などの排尿しつけの液体に関する本質を視覚的に引用することにより、排尿しつけの概念と連想的に相関してもよく、故に、排尿しつけの機会を容易にする働きをしてもよい。例えば、水のテーマに関して、可視的強調部は、水の液滴、アヒル、風呂用の玩具、浜辺用の玩具、波、じょうろ、ティーポット、水泳用具(例えば、足ひれ、マスク、シュノーケルなど)の描写を含んでもよい。可視的強調部200は、図3aにおいて、代表的な可視的強調部を水の波及び泡の可視的形態で表す。可視的強調部において排尿しつけの水のような本質について触れる他の方法として、魚、イルカ、ネズミイルカ、クジラ、又は着用者が認識できる可能性のあるあらゆる他の水生生物など、海洋生物の形の描写を挙げてもよい。
【0059】
可視的強調部は、太陽、天気雲、晴れた日などを描写することにより、乾燥を強調してもよく、一方、水たまり、雲と落下する雨などの描写により、湿り気について触れてもよい。湿り気からの保護について視覚的に引用するには、着用者が濡れた環境における乾燥維持の概念で連想する可能性のある、傘、レインコート、レインハット、防水用オーバーシューズ(galoshes)、潜水艦、又は他の何らかの物体を描写してもよい。可視的強調部の可視的形態と排尿しつけの概念の連想的な相関関係は、より一層明確であってもよい。例えば、幼児用便座の描写は、望ましい行動について着用者に更に文字通りに視覚的に注目させる働きをしてもよい。別の例として、幼児用便座又は便器に関して適切な姿勢で「成長した子供」を描写することにより、同様にそのような文字通りの視覚的な引用を提供してもよい。
【0060】
排尿しつけの概念と連想的に相関した可視的強調部のこれらの可視的形態のいずれにおいても、可視的強調部に人の形及び/又は認識可能なキャラクターを描写してもよい。例えば、子供を無生物と併せて示してもよく、幼児用便座に座っている子供を示してもよく、及び/又は子供の物語本若しくは子供のテレビ番組からのキャラクターを類似する姿勢などで示してもよい。
【0061】
湿潤感知部材の利益は、所与の湿潤感知部材サンプル及びトップシート材料のみの染み透し時間の比較によって示すことができる。染み透し時間は、表面に適用された所与の量の液体が所与の材料に入り、下に位置する吸収性コアに到達するのに必要な時間である。試験は、米国特許第6,627,786号(ロー(Roe)らの名義で2003年9月30日発行)にて提示された、トップシート染み透し時間試験手順に従って行われる。ロー(Roe)らの第6,627,786号特許に記載されたように、試験は、18g/m2のスパンボンド不織布から成るトップシート材料と、6g/m2の接着剤によって20g/m2のSMMS不織布に18g/m2のスパンボンド不織布を積層したものから成る湿潤感知部材とについて行われ、湿潤感知部材は、トップシート材料のみの染み透し時間の平均約3.4倍の染み透し時間を有することが判明した。
【0062】
x−y平面における液体の流動を支持する湿潤感知部材の性能は、そのウィッキング能力により測定することができる。湿潤感知部材のウィッキング能力は、INDA標準試験:IST 10.1(95)第10段落「液体ウィッキング率」に従って測定された。試験は、液体が垂直に1.0インチ(約25.4mm)ウィッキングするための秒単位での時間の測定である。同じくロー(Roe)らの第6,627,786号特許に記載されているように、同じトップシート材料と同じ湿潤感知部材の試験により、湿潤感知部材は、6.8秒の平均時間で約25.4mm(1.0インチ)の垂直ウィッキングを支持し、一方、トップシート材料のみでは、約25.4mm(1.0インチ)の高さまで垂直ウィッキングを支持できないことが判明した。
【0063】
本発明による湿潤感知部材は、多種多様な構成にて吸収性物品に配置することもできる。更に、吸収性物品は、単一の湿潤感知部材又は複数の湿潤感知部材を含むことも可能である。いずれにしても、1つ以上の湿潤感知部材は、好ましくは、トップシートなどの要素若しくはウェブの一部であるか、又はそれに取り付けられ、着用者の皮膚に接触して確実に保持される。湿潤感知部材50は、物品の長さの半分未満に及ぶ使い捨て吸収性物品の一部上に延在することも可能で、或いは物品の長さの半分より多くに及ぶ物品のかなりの部分上に延在することも可能である。更に、1つ以上の湿潤感知部材が、吸収性物品内に配置され、尿で濡らされる確率を増すことが好ましい。
【0064】
トップシート24と共に配置された湿潤感知部材50の代表的な実施形態が、図3a及び図3bに例証されている。湿潤感知部材50は、図に示されるようにトップシート24に取り付けられた別個の複合部材を備える。湿潤感知部材50は、身体に面する浸透性層52と、身体に面する層の反対側の流動制御層54とを備える。この実施形態では、湿潤感知部材50は、好ましくは、使用中に着用者の皮膚に接触する確率を増すように構成され、組立てられる。例えば、トップシート24又は湿潤感知部材50のいずれかが弾性的に短縮されて部材50を着用者の皮膚に向かって偏向させる一方、湿潤感知部材50の流動制御層54は、接着剤、超音波結合、無線周波結合又は他の好適な手段を用いてトップシート24に結合してもよい。可視的強調部200は、図3aにおいて、波線及び円の模様として示されている。
【0065】
図4に例証する実施形態において、別個の複合部材を備える湿潤感知部材50は、プルオンタイプのおむつのトップシート24上に配置される。この実施形態では、湿潤感知部材50は弾性特性を有し、第一腰部区域36に取り付けられた第一長手方向末端部70と、第二腰部区域38に取り付けられた第二長手方向末端部72とを含む。更に、部材50の中心部分74は、好ましくは、その部材を安定化して着用者への物品の適合を容易にし、排便への干渉を防止し、且つ着用者の皮膚との良好な接触を確実にすべく、おむつ20の股部区域37に取り付けられる。
【0066】
図5a及び図5bに示す代替実施形態において、湿潤感知部材50の流動制御層54は、トップシート24の少なくとも一部が湿潤感知部材50の浸透性層52を形成するようにトップシート24の内面に取り付けられる。この実施形態では、トップシート24は、好ましくは、弾性的に短縮されて湿潤感知部材50を偏向させ、着用者の皮膚と接触させる。或いは、この実施形態は、バックシートよりも長さが短く、バックシートの長手方向末端部と隣接するトップシートの長手方向末端部を有するトップシートを含むこともでき、これにより、おむつが着用者の周囲に適合される時、トップシートは押し付けられて着用者の皮膚と接触する。可視的強調部200は、図5aにおいて、ハート形の模様として示されている。
【0067】
特定の構成に関わらず、湿潤感知部材50の位置及び/又は構造は、部材が尿で濡れ、その後着用者の皮膚に接触して保持されることを可能にするべきである。幾つかの好ましい実施形態では、湿潤感知部材は、長手方向中心線42を中心として、おむつ20の股部区域37の少なくとも一部に配置される。その上、これらの代表的な実施形態では、尿が最初に使い捨て吸収性物品と接触する区域をカバーするために、湿潤感知部材50は、好ましくは、着用者の尿道に合わせられる。
【0068】
本発明による吸収性物品は、物品の身体に面する表面上に配置された複数の湿潤感知部材を含んでもよい。複数の湿潤感知部材を提供する実施形態の例が図6a及び図6bに示されている。2つの流動制御層54a及び54bがトップシート24の底面に取り付けられ、2つの湿潤感知部材50a及び50bを形成する。この実施形態では、流動制御層54a及び54bは、トップシートが湿潤感知部材の浸透性層52を形成すべく、トップシートと吸収性コア28との間に配置される。2つの流動制御層54a及び54bは、おむつ20の長手方向中心線42に平行に離間して配置されている。この空隙部は、排尿中の吸収性物品の漏れにつながり得る溢出を防止するため、十分な液体がコアに通り抜けると同時に、十分な液体が湿潤感知部材を形成する流動制御層に向かって流動及びウィッキングし得るように決定される。流動制御層間の空隙部は、約10mmであり得るが、約5mm〜約15mm及び約8mm〜約12mmの範囲であり得る。この実施形態では、流動制御層54a及び54bは、接着剤、超音波結合、無線周波結合又は他の好適な手段を用いてトップシート24の下部側に取り付けられる。この取り付けは、流動制御層とトップシートとの間の境界面全体を被覆する結合、スポット結合又は流動制御層の長手方向及び横断方向縁部に沿った結合を備え得る。図6a及び図6bに示された実施形態は、2つの湿潤感知部材しか有していないが、3つ以上の湿潤感知部材を有する他の吸収性物品の実施形態も考えられる。可視的強調部200は、図6aにおいて、細長い卵形の模様として示されている。
【0069】
図6a及び図6bに示すように、流動制御層の空隙部は、トップシート24における細長いスリット開口部80のための空間を提供する。細長いスリット開口部80は、着用者からの糞便を受け取りそれを着用者の皮膚から隔離するように適合している。スリット開口部80は、図に示されているように、好ましくは、おむつ20の長手方向中心線42に沿って湿潤感知部材50a及び50b間に介在する。スリット開口部80に隣接して位置する伸縮性区域82a及び82bは、使用中にスリット開口部80を着用者の肛門と位置整合して維持する。伸縮性区域82a及び82bはまた、湿潤感知部材50a及び50bを着用者の皮膚に向けて偏向させて、使用中のそれらの接触を維持してもよい。細長いスリット開口部を含む代表的な伸縮性トップシートは、米国特許第6,482,191号(ロー(Roe)らの名義で2002年11月19日に発行)に開示されている。
【0070】
或いは、湿潤感知部材50a及び50bの流動制御層54a及び54bは、弾性的に短縮されて、トップシート24に配置された伸縮性区域82a及び82bにより提供されるものに類似する利益を提供してもよい。
【0071】
図7a及び図7bに示す別の代替実施形態において、トップシート24は、先の実施形態に類似する浸透性層52を形成するが、流動制御層54a、54bは、おむつ20の長手方向長さに沿ってトップシート24内に形成された2つの平行なZ形の折り畳み部90に配置される。Z形に折り畳まれたトップシートは、トップシート24の長手方向縁部に沿って下地層に取り付けられ、トップシート24のZ形折り畳み部間の部分を自由に浮かせるようにしてもよい。弾性要素92は、吸収性コア28から外側に向かって離れるようにZ形に折り畳まれたトップシートの中心部分を偏向させるべく、流動制御層54a及び54bに沿って配置される。弾性要素92は、図7bに示すように流動制御層54a及び54bの外縁部に沿って配置されてもよく、或いは、流動制御層54a及び54bと向かい合わせの関係にて配置されてもよい。Z形に折り畳まれたトップシート24と弾性要素92の組み合わせは、おむつが着用者の周囲で弛むか、又は緩く適合する場合に、湿潤感知部材を着用者の皮膚と接触させて維持する。可視的強調部200は、図7aにおいて、星形の模様として示されている。
【0072】
Z形折り畳み部間のトップシートの部分が、臀部の溝に押し込まれたり、バリアレッグカフへの干渉を防ぐために、Z形折り畳み部間の空隙部は、約65mmであり得、また約50mm〜約90mmの範囲であり得る。更に、Z形折り畳み部間のトップシート部分の偏向を制御するために、接着剤、超音波結合、無線周波結合又は偏向を制御する他の好適な手段を使用して第一腰部区域、第二腰部区域及び股部区域のZ形折り畳み部間に横断方向の結合が形成されてもよい。これらの横断方向の結合は、Z形に折り畳まれた区分をトップシートの身体に面する表面に取り付け、Z形折り畳み部間の区分を下にあるコアに取り付ける。
【0073】
湿潤感知部材をトップシートと一体化させることに加え、本発明の湿潤感知部材はまた、バリアレッグカフなどのおむつの他の構成要素と一体化させてもよい。バリアレッグカフは、浸透性材料又は不浸透性材料のどちらからでも作ってもよい。いずれの場合でも、バリアレッグカフ材料が湿潤感知部材の層の1つを形成してもよい。このような代表的な実施形態では、バリアレッグカフの構造は、好ましくは湿潤感知部材を着用者の皮膚と接触して保持し、着用者の脚及び/又は股のひだに対して湿り気の感覚を与える。
【0074】
バリアレッグカフと一体化された湿潤感知部材の例が図8a及び図8bに示されている。この実施形態のためのおむつ20は、不浸透性材料から作られたバリアレッグカフ100a及び100bを含む。バリアレッグカフ100a及び100bは、トップシート24の身体に面する表面の上に配置された平行な配列においておむつ20の長手方向縁部に沿って延び、該配列間にトップシート24の露出した中央部分184を残す。図8a及び図8bに示す実施形態では、湿潤感知部材150a及び150bは、バリアレッグカフ100a及び100bと一体化され、バリアレッグカフ材料は湿潤感知部材の流動制御層を提供する。浸透性層110は、バリアレッグカフの各々の長さに延び得、好ましくは、少なくとも股領域37及び前腰部領域36の長さに延びる。浸透性層110は、好ましくは、おむつ20の長手方向軸線42に最も近いカフの部分上に配置されて、排尿中に濡らされる可能性が増す。図8a及び図8bに示すように、バリアレッグカフ100a及び100bは、内側の折り畳み部105a及び105bがおむつ20の長手方向軸線42の近くに配置されたZ形に折り畳まれた構成を含み、トップシート24の中心部分184を露出させたままにする。Z形に折り畳まれたレッグカフ100a及び100bはまた、内部に弾性要素108がその中に配置された外側の折り畳み部106a及び106bも含む。使用中に弾性要素108は、レッグカフをトップシート24から離して着用者の皮膚に向かって偏向させる。可視的強調部200は、図8aにおいて、斜線の模様として示されている。
【0075】
バリアレッグカフと一体化された湿潤感知部材の別の例が図9a及び図9bに示されている。この実施形態では、バリアレッグカフ100a及び100bは、浸透性材料で作られ、その他の点では、図8a及び図8bに示した実施形態と同様に構成されている。しかし、この実施形態では、バリアレッグカフ材料が湿潤感知部材150a及び150bの各々の身体に面する浸透性層を形成しているので、流動制御層54a及び54bは、吸収性コアと、バリアレッグカフ材料によって形成されたそれぞれの各浸透性層との間に配置されている。可視的強調部200は、図9aにおいて、楕円形の模様として示されている。
【0076】
下記に開示される湿潤感知部材の実施形態は、着用者の皮膚と接触して保持される時に最も効果的に機能する。使用中に着用者の皮膚と確実に接触するために、湿潤感知部材の身体に面する部分は、使用中に湿潤感知部材を適所に保持するように作用する局所接着剤などの身体接着性組成物を含んでもよい。身体接着性組成物は、湿潤感知部材の身体に面する表面の少なくとも一部に塗布してもよい。しかしながら、身体接着性組成物はまた、湿潤感知部材の身体に面する層を構成する材料と一体化させてもよい。更に、身体接着性組成物は、線、縞、点などを含むがこれらに限定されない任意の模様又は構成にて、着用者の皮膚に接触する湿潤感知部材のどの部分上に配置してもよい。
【0077】
そのような身体接着性組成物は、取り外し可能に着用者の皮膚に接着できる1つ以上の物質のいずれかを含むことも可能である。幾つかの代表的なヒドロゲル及び/又はヒドロコロイド接着剤が、米国特許第4,231,369号、第4,593,053号、第4,699,146号、第4,738,257号、及び第5,726,250号に開示されている。好適な代表的な医療用接着剤が、米国特許第4,078,568号、第4,140,115号、第4,192,785号、第4,393,080号、第4,505,976号、第4,551,490号、及び第4,768,503号に記載されており、また好適なポリアクリレート及びポリメタクリレートヒドロゲル接着剤が、米国特許第5,614,586号、及び第5,674,275号に開示されている。ポリビニルピロリドン及び多機能アミン含有ポリマーを備える更なる代表的な接着剤が、PCT国際公開特許WO94/13235A1に開示されている。身体接着性組成物は、蒸気を通し(即ち通気性であり)、皮膚に適合性があり、或いは皮膚に優しいことが好ましい。更に、身体接着性組成物は、少なくとも部分的に疎水性であり、好ましくは60重量%、より好ましくは80重量%の疎水性成分を含むことが好ましい。しかし、親水性組成物が、本発明のある実施形態では考慮されている。
【0078】
すべての特許、特許出願、及びそれに基づいて発行された任意の特許、並びに関連して発行された任意の外国特許出願、並びに本明細書において列挙及び/又は参照した刊行物の開示内容は、参照として本明細書に組み込まれる。しかし、参考として本明細書に組み込まれた文献のいずれか又は文献のいかなる組み合わせも、本発明を教示又は開示することが認められないのは明らかである。
【0079】
本発明の特定の実施形態及び/又は個々の特徴について図示し説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。更に、このような実施形態及び特徴のすべての組み合わせが可能であり、またこれにより本発明を好ましく実施できることも明らかである。従って、添付の請求項は、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を含むことが意図されている。
【0080】
本明細書は、本発明を形成するとみなされる主題を詳細に示し、明確に請求する請求項によって完結するが、添付図面を用いた以上の説明によって更に理解しやすくなると考えられる。図面における同種の表記番号は類似の要素を示すために用いる。図面には以下のものがある。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】使い捨ておむつの平面図。
【図2】本発明による湿潤感知部材の断面図。
【図3a】身体に面する表面上に配置された湿潤感知部材を有するおむつの平面図。
【図3b】湿潤感知部材の層を例証する図3aに示されたおむつの断面図。
【図4】湿潤感知部材の取り付けを例証するプルオンおむつの等角図。
【図5a】トップシートと一体化されている湿潤感知部材を有するおむつの平面図。
【図5b】図5aにおいて例証されたおむつの断面図。
【図6a】トップシートと一体化され、該トップシートの間に伸長したスリット開口部を挟んで長手方向軸線に平行に離間して配置された2つの湿潤感知部材を有するおむつの平面図。
【図6b】図6aに例証されたおむつの断面図。
【図7a】トップシートと一体化され、トップシートのZ形折り畳み部内に配置された2つの湿潤感知部材を備えるZ形に折り畳まれたトップシートを有するおむつの平面図。
【図7b】図7aに例証されたおむつの断面図。
【図8a】バリアレッグカフと一体化された湿潤感知部材を含むバリアレッグカフを有するおむつの平面図。
【図8b】図8aに例証されたおむつの断面図。
【図9a】バリアレッグカフと一体化されている湿潤感知部材を含むバリアレッグカフの代替形態を有するおむつの平面図。
【図9b】図9aにおいて例証されたおむつの断面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の胴体下部の周囲で着用するための使い捨て吸収性物品であって、長手方向軸線、身体面表面、第1腰部領域、第2腰部領域、及び腰部領域の間に挟まれた股領域とを有し、使い捨て吸収性物品が:
バックシートと;
バックシートに接合したトップシートと;
少なくとも1つの流動制御層と;
少なくとも一部分が流動制御層とバックシートの間に配置された、バックシートとトップシートの中間に配置された吸収性コアと、を備え;
流動制御層は、着用者が使い捨て吸収性物品内に蓄積する尿のz方向における流動を遅らせ、
使い捨て吸収性物品は、使い捨て吸収性物品における流動制御層の存在を示すと共に、少なくとも身体面表面を見る時に目に見える、可視的強調部を更に含むことを特徴とする、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
可視的強調部は、配色がトップシートとは可視的に異なる図柄を含む流動制御層の少なくとも1つの区域を含む、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
可視的強調部は、配色がトップシートとは可視的に異なるべた一色を含む流動制御層の少なくとも1つの区域を含む、請求項1又は2に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
外から見える印を更に含み、可視的強調部が外から見える印と連想的に相関している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
可視的強調部は、排尿しつけの概念と連想的に相関している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
長手方向軸線に平行に且つ長手方向軸線から離間して配置されると共に、互いに離間して配置された複数個の流動制御層を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
トップシートは長手方向軸線に平行な2つのZ形折り畳み部を含み、それぞれのZ形折り畳み部内に流動制御層が配置されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
2つのZ形折り畳み部の各々は、流動制御層に沿って配置された伸縮部材を含む、請求項7に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項1】
着用者の胴体下部の周囲で着用するための使い捨て吸収性物品であって、長手方向軸線、身体面表面、第1腰部領域、第2腰部領域、及び腰部領域の間に挟まれた股領域とを有し、使い捨て吸収性物品が:
バックシートと;
バックシートに接合したトップシートと;
少なくとも1つの流動制御層と;
少なくとも一部分が流動制御層とバックシートの間に配置された、バックシートとトップシートの中間に配置された吸収性コアと、を備え;
流動制御層は、着用者が使い捨て吸収性物品内に蓄積する尿のz方向における流動を遅らせ、
使い捨て吸収性物品は、使い捨て吸収性物品における流動制御層の存在を示すと共に、少なくとも身体面表面を見る時に目に見える、可視的強調部を更に含むことを特徴とする、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
可視的強調部は、配色がトップシートとは可視的に異なる図柄を含む流動制御層の少なくとも1つの区域を含む、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
可視的強調部は、配色がトップシートとは可視的に異なるべた一色を含む流動制御層の少なくとも1つの区域を含む、請求項1又は2に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
外から見える印を更に含み、可視的強調部が外から見える印と連想的に相関している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
可視的強調部は、排尿しつけの概念と連想的に相関している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
長手方向軸線に平行に且つ長手方向軸線から離間して配置されると共に、互いに離間して配置された複数個の流動制御層を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
トップシートは長手方向軸線に平行な2つのZ形折り畳み部を含み、それぞれのZ形折り畳み部内に流動制御層が配置されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
2つのZ形折り畳み部の各々は、流動制御層に沿って配置された伸縮部材を含む、請求項7に記載の使い捨て吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【公表番号】特表2007−508070(P2007−508070A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534479(P2006−534479)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/036320
【国際公開番号】WO2005/041834
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/036320
【国際公開番号】WO2005/041834
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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