説明

可逆性感熱記録材料

【課題】本発明の目的は、地肌の白色度が高く、画像の消去性が良好で、高温高湿環境下に保存した場合の画像保存性が良好な可逆性感熱記録材料を提供することである。
【解決手段】支持体の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有してなる感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料において、感熱記録層に消去促進剤として特定の構造を有する化合物を含有させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱エネルギーを制御することにより画像の形成及び消去を多数回にわたって繰り返し行うことが可能な可逆性感熱記録材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、一時的な画像の形成が行なえ、不要となった時にはその画像の消去が出来るようにした可逆性感熱記録材料が注目されている。可逆性感熱記録材料としては、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱によりこの染料前駆体を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性を有する顕色剤を用いた感熱記録材料(例えば、特許文献1〜3参照)、ポリエステル等の樹脂中に高級アルコール、高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した感熱記録材料、屈折率の異なるポリマーを2種以上混合した感熱記録材料等が知られている。特に、染料前駆体と可逆性顕色剤とから構成される可逆性感熱記録材料は、高コントラストで高感度な記録画像の形成と消去が多数回に渡って可能であり、ICカードや磁気カード等の媒体において、カード内の情報を可視化する目的で広く使われるようになってきた。
【0003】
染料前駆体と可逆性顕色剤から構成される可逆性感熱記録材料において、可逆性顕色剤として有機ホスホン酸化合物、α−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、脂肪酸ジカルボン酸、没食子酸アルキルエステル、アスコルビン酸誘導体などの化合物が例示されている。しかし、この記録媒体では発色濃度が低い、または、消色が不完全という問題を解決することができず、また、その画像の経時的安定性においても実用上満足すべきものにない。
【0004】
一方、可逆性顕色剤として長鎖アルキル基を有するフェノール化合物が有効であることが見出され、実用性の高い可逆性感熱記録材料として提案されている(例えば、特許文献4、5参照)。このような記録材料によれば、高コントラストで高感度な記録画像の形成と消去が多数回にわたって可能であり、ICカードや磁気カード等の媒体において、カード内の情報を可視化する目的で広く使われるようになってきた。こうした可逆性感熱記録材料に特定の消去促進剤を添加することにより、高速消去特性が得られることが提案されているが、消去性が不十分であったり、画像保存性が悪い等の問題を有している。また、消去促進剤の添加によって、消去時に画像の消去残りが発生する等の問題を有している(例えば、特許文献6参照)。
【0005】
さらに、一方の末端が炭素数1〜24の炭化水素基であり、他方の末端が少なくとも窒素原子を1つ以上持つ複素環であり、分子中に−CONH−結合を少なくとも1つ以上有する特定構造の化合物を消去促進剤に用いることにより、幅広い温度領域で画像の消去が可能で、かつ高温環境下での画像保存性が良好な可逆性感熱記録材料が得られることが提案されている(例えば、特許文献7、8参照)。しかし、依然として高温環境下での画像保存性は不十分であった。特に夏場のように高温高湿環境下に保存しておいた場合に、発色濃度の低下が顕著に起こり、実用上問題となっていた。
【特許文献1】特開平6−210954号公報
【特許文献2】特開平6−210955号公報
【特許文献3】特開平7−125428号公報
【特許文献4】特開平7−179043号公報
【特許文献5】特開2000−33776号公報
【特許文献6】特開平6−270544号公報
【特許文献7】特開平8−132735号公報
【特許文献8】特開平7−52542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、地肌の白色度が高く、画像の消去性が良好で、高温高湿環境下に保存した場合の画像保存性が良好な可逆性感熱記録材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らはこれらの課題を解決すべく可逆性感熱記録材料の感熱記録層を構成する消去促進剤について検討した結果、下記の発明により上記の課題が解決されることを見いだした。
【0008】
支持体の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有してなる感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料において、感熱記録層が消去促進剤として下記一般式1で表される化合物を含有することを特徴とする可逆性感熱記録材料の発明である。
【0009】
【化1】

【0010】
一般式1において、A1は少なくとも窒素原子を1つ以上有する置換あるいは無置換の複素環からなる一価の基、あるいは−NH2基を除く非環状の一価のアミノ基を表す。R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜36の二価の炭化水素基を表す。R3は炭素数25〜50の一価の炭化水素基を表す。X1、X2はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−NH−、−SO−または−SO2−の少なくとも1個を有する二価の基を表す。h1は0または1を表す。h2は0〜4の整数を表す。h2が2以上のとき、繰り返されるX1およびR2は同一であっても異なっていてもよい。ただし、h1=h2=0、X2が−CO基であり、かつA1中の窒素原子がX2と直接結合する化合物、およびh1=0、h2=1〜4、A1と結合するX1が−CO基であり、かつA1中の窒素原子が該X1と直接結合する化合物、およびh1=0、A1が非環状の第2級アミノ基である化合物は除く。
【0011】
消去促進剤が、一般式1においてh1=0である化合物であると好ましい。
【0012】
消去促進剤が、一般式1においてh2=0である化合物であると好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によって、地肌の白色度が高く、画像の消去性が良好で、高温高湿環境下に保存した場合の画像保存性が良好な可逆性感熱記録材料を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の可逆性感熱記録材料について詳細に説明する。本発明の可逆性感熱記録材料は、支持体の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有してなる感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料において、感熱記録層が消去促進剤として上記一般式1で表される化合物を含有することを特徴とする。上記一般式1で表される化合物のように、一方の末端が、窒素原子を1つ以上有する置換あるいは無置換の複素環、あるいは非環状の一価のアミノ基であり、他方の末端を構成する炭化水素基の炭素数が25〜50といったように比較的長い場合、こうした化合物を消去促進剤として用いると、地肌の白色度が高く、消去時の画像の消去残りがなく、高温高湿環境下に保存した場合の画像保存性が良好な可逆性感熱記録材料を得ることができる。特に高温高湿環境下での画像保存性の向上が顕著となる。
【0015】
一般的に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と顕色剤とを少なくとも含有する感熱記録材料において、塩基性成分は減感作用を有し、感熱記録材料の発色濃度を低下させる傾向があることが知られている。本発明の消去促進剤のように、一方の末端が、窒素原子を1つ以上有する置換あるいは無置換の複素環、あるいは−NH2基を除く非環状の一価のアミノ基のような塩基性基を有していると、適度な減感作用を有しているせいか、発色濃度の低下をほとんど起こすことなく、地肌部の発色が抑制され、地肌白色度の高く、画像の消去性が良好な可逆性感熱記録材料を得ることができると考えられる。また、高温高湿下における画像保存性が向上する理由については定かではないが、一般式1で表される化合物における末端を構成する炭化水素基の炭素数を25〜50とすることにより、消去促進剤の疎水性が強くなり、高温高湿環境下においても感熱記録層の水分の吸着が少なくなり、水分の影響による画像濃度の低下が起こりにくくなっているのではないかと考えられる。
【0016】
一般式1において、A1は少なくとも窒素原子を1つ以上有する置換あるいは無置換の複素環からなる一価の基、あるいは−NH2基を除く非環状の一価のアミノ基を表す。複素環の例として、五員環としては、ピロリジン環、各種ピロリン環、ピロール環、各種ピロリドン環、イミダゾール環、各種イミダゾリン環、イミダゾリジン環、各種イミダゾリドン環、ピラゾール環、各種ピラゾリン環、ピラゾリジン環、各種ピラゾリドン環、各種ピラゾロン環、チアゾール環、各種チアゾリン環、チアゾリジン環、各種チアゾリドン環、ローダニン環、イソチアゾール環、各種イソチアゾリン環、イソチアゾリジン環、各種イソチアゾリドン環、オキサゾール環、各種オキサゾリン環、オキサゾリジン環、各種オキサゾリドン環、イソオキサゾール環、各種イソオキサゾリン環、イソオキサゾリジン環、各種イソオキサゾリドン環、フラザン環、エチレンチオ尿素環、スクシンイミド環、マレイミド環、シトラコンイミド環、ヒダントイン環、チオヒダントイン環、ジチオヒダントイン環、γ−ブチロラクタム環、γ−バレロラクタム環等が挙げられる。
【0017】
六員環としては、ピペリジン環、各種ピペリドン環、グルタルイミド環、ピリジン環、各種ピリドン環、ピラジン環、ピリミジン環、マロニル尿素環、アロキサン環、ピリダジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、δ−バレロラクタム環等が挙げられる。εカプロラクタム環等の七員環以上の化合物も使用することができる。さらに、ピロリジン環、ピロリジジン環、各種ピリンジン環、インドリジン環、インドリジジン環、イソインドール環、イソインドリン環、インドール環、インドリン環、インダゾール環、インダゾリン環、プリン環、キノリジン環、キノリジジン環、イソキノリン環、キノリン環、各種ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環等の含窒素縮合二環系の複素環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、各種フェナントロリン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アンチリジン環、テベニジン環、キンドリン環、キニンドリン環等の含窒素縮合三環以上の複素環も使用することができる。これらのうち、五員環、六員環、縮合二環系の複素環が好ましい。環中の窒素原子は、h1=1の場合のR1、h1=0、h2=1〜4の場合のX1あるいはh1=h2=0の場合のX2と、直接結合していても、していなくてもどちらでもよいが、直接結合していると、画像の発色、地肌白色度、画像消去性のバランスが良好となり、好ましい。上記複素環を構成する水素原子は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、オキソ基、チオキソ基、アルコキシル基等、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基等の炭化水素基、さらには、これら炭化水素基中の水素原子がヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシル基等で置換された置換炭化水素基等で置換されていてもよい。
【0018】
1が−NH2基を除く非環状の一価のアミノ基である場合、A1中の窒素原子に結合する炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基等の炭化水素基、さらには、これら炭化水素基中の水素原子が、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシル基等で置換された置換炭化水素基等が挙げられる。A1としては、第2級アミノ基、第3級アミノ基のいずれでもよいが、画像の発色と地肌白色度、画像の消去性のバランスの点で、第3級アミノ基が好ましい。
【0019】
一般式1において、R3は炭素数25〜50の一価の炭化水素基を表す。好ましい炭素数は27〜42であり、より好ましくは29〜38である。炭素数が25より小さいと、地肌白色度が低下し、消去時の画像の消去残りが発生し、高温高湿下の画像保存性が低下する。炭素数が大きいほど消去性、画像保存性は良化するが、合成が困難となり、実質的な上限は50である。これらの炭化水素基は、直鎖構造でも分岐を有していてもよく、不飽和結合を有していてもよい。また、脂肪族炭化水素のみで構成されていてもよいし、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素を含んでいてもよい。さらに、これらの炭化水素基は置換基を有していてもよい。置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシル基等が挙げられる。こららの炭化水素基が、直鎖構造のアルキル基あるいはアルケニル基であると、地肌白色度が向上し、画像の消去性が良好となり、好ましい。
【0020】
1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜36の二価の炭化水素基を表す。R1、R2の好ましい炭素数は1〜22であり、より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜3である。R1、R2の炭化水素基は、直鎖構造でも分岐を有していてもよく、不飽和結合を有していてもよい。また、脂肪族炭化水素のみで構成されていてもよいし、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素を含んでいてもよい。さらに、これらの炭化水素基は置換基を有していてもよい。置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシル基等が挙げられる。R1、R2が直鎖構造のアルキレン基である場合、地肌白色度が向上し、画像の消去性が良好となり、好ましい。
【0021】
1、X2はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−NH−、−SO−または−SO2−の少なくとも1個を有する二価の基を表す。X1、X2の具体例としては、−O−、−S−、−CO−、−NH−、−SO−、−SO2−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−、−CONH−、−NHCO−、−NHCS−、−CSNH−、−NHSO−、−SONH−、−NHSO2−、−SO2NH−、−NHCOO−、−OCONH−、−NHCOS−、−SCONH−、−CONHCO−、−CSNHCO−、−CONHCS−、−NHCONH−、−NHNHCO−、−CONHNH−、−CONHNHCO−、−CONHNHCS−、−CSNHNHCO−、−NHCOCONH−、−NHCSCONH−、−NHCOCSNH−、−CONHCONH−、−NHCONHCO−、−OCONHCONH−、−NHCONHCOO−、−OCONHNHCO−、−CONHNHCOO−、−NHCONHNH−、−NHNHCONH−、−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−等が挙げられる。X1、X2の少なくとも一つは、−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基であると、画像の発色、高温高湿下の画像保存性の点で好ましい。−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基としては、具体的には−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−、−CONHCO−、−CONHNHCO−、−NHCOCONH−が好ましい。
【0022】
一般式1において、h1は0または1を表し、h2は0〜4の整数を表す。h2が2以上のとき、繰り返されるX1およびR2は同一であっても異なっていてもよい。ただし、h1=h2=0、X2が−CO−基であり、かつA1中の窒素原子がX2と直接結合する化合物、およびh1=0、h2=1〜4、A1と結合するX1が−CO−基であり、かつA1中の窒素原子が該X1と直接結合する化合物、およびh1=0、A1が非環状の2級アミノ基である化合物は除く。h1=0であると、地肌白色度、画像の消去性が良好となり、好ましい。また、h2=0であると、画像の発色性が向上し、地肌白色度、画像の消去性も兼ね備えた可逆性感熱記録材料とすることが可能となり、好ましい。
【0023】
以下に本発明で用いられる消去促進剤の好ましい例を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。一般式1において、h2=0である化合物は(1−1)〜(1−34)、h2=1である化合物は(1−35)〜(1−41)である。なお、a1は24〜49の整数を表す。a2〜a4は0〜49の整数を表す。a5は0〜36の整数を表す。a6、a7はa6+a7の値が23〜48となるように選択され、a6は0以上の整数、a7は1以上の整数である。a8は1〜36の整数を表す。(1−1)〜(1−41)では、主にX1、X2が−NHCONH−基である化合物を例示しているが、これ以外にも、前記例示した−O−、−S−、−CO−、−NH−、−SO−、−SO2−、−CONH−、−NHCO−、−NHCOO−、−OCONH−、−CONHCO−、−CONHNHCO−、−NHCOCONH−、−CONHCONH−、−NHCONHCO−、−CONHNHCOO−、−NHCONHNH−、−NHNHCONH−、−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−等を使用することができる。また、これら例示化合物では、一般式1におけるR1、R2、R3が直鎖構造である化合物を例示しているが、R1、R2、R3は分岐を有していてもよい。さらにR1、R2、R3は、(1−4)、(1−5)におけるR3のように、不飽和結合を有していてもよい。本発明で用いられる消去促進剤としては、一般式1においてh1=0である化合物、すなわち(1−2)〜(1−41)においてa5=0である化合物が好ましい。さらに、一般式1においてh2=0である化合物、すなわち(1−2)〜(1−34)においてa5=0である化合物が特に好ましい。
【0024】
【化2】

【0025】
【化3】

【0026】
【化4】

【0027】
【化5】

【0028】
【化6】

【0029】
本発明に係わる上記一般式1で表される消去促進剤は1種又は2種以上を混合して使用することができる。また、一般式1で表される消去促進剤とこれ以外の1種以上の消去促進剤を併用してもよいが、本発明に係わる消去促進剤の配合比率は、全消去促進剤に対して50質量%以上である必要があり、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。上記一般式1で表される消去促進剤以外の消去促進剤としては、下記一般式2、3で表される化合物を例示することができる。本発明に係わる消去促進剤の使用量は、染料前駆体100質量部に対して0.05〜1000質量部、好ましくは0.05〜500質量部、より好ましくは0.1〜200質量部である。染料前駆体に対して消去促進剤が少なすぎると消去性(消去促進性)が悪化しやすく、逆に消去促進剤が多すぎると希釈効果により発色濃度が低下しやすい。
【0030】
【化7】

【0031】
【化8】

【0032】
一般式2において、R4は炭素数6〜50の一価の炭化水素基を表す。R4の炭素数は14〜42であると好ましく、より好ましくは18〜38である。R5は炭素数1〜36の二価の炭化水素基を表す。R5の炭素数は1〜22であると好ましく、より好ましくは1〜12である。X3は酸素原子、硫黄原子、SO、SO2、CH=N、N=CH、NR′、CS、NHまたはCOを含む二価の基を表す。R′は炭素数1〜50の一価の炭化水素基を表す。X4はO、S、SO2、NHまたはCOを含む一価の基を表す。X4としては、−CONH2、−CONHNH2が好ましい。kは0〜3の整数を表す。kが2または3のとき、繰り返されるX3、R5は同一であっても異なっていてもよい。
【0033】
一般式3において、R6、R8はそれぞれ独立して、炭素数1〜50の一価の炭化水素基を表す。R6、R8の炭素数は14〜42であると好ましく、より好ましくは18〜38である。R7は炭素数1〜36の二価の炭化水素基を表す。R7の炭素数は1〜22であると好ましく、より好ましくは1〜12である。X5、X6はSO2、NH、CO、OまたはSの少なくとも1個を有する二価の基を表す。nは0〜4の整数を表し、nが2以上の整数のとき繰り返されるR7、X6は同一であっても異なっていてもよい。
【0034】
一般式2で表される化合物としては、下記化合物を例示することができる。なお、g1、g2、g3はそれぞれ任意に5≦g1≦49、1≦g2≦36、1≦g3≦36を充たす整数を表す。下記例示化合物では、各炭化水素基が直鎖構造を有しているが、分岐構造を有した炭化水素基であっても同様に使用することができる。また、各炭化水素基が不飽和結合を有していてもよく、不飽和結合の位置は特に限定されない。
【0035】
CH3(CH2)g1CONH2、CH3(CH2)g1NHCONH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH2、CH3(CH2)g1OCONHCONH2、CH3(CH2)g1NHNHCONH2、CH3(CH2)g1CONHNHCONH2、CH3(CH2)g1NH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1OCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCOO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CONHNHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH(CH2)g3CONH2
【0036】
CH3(CH2)g1CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCONHNH2、CH3(CH2)g1NHCOCONHNH2、CH3(CH2)g1OCONHCONHNH2、CH3(CH2)g1NHNHCONHNH2、CH3(CH2)g1CONHNHCONHNH2、CH3(CH2)g1NH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1OCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCOO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CONHNHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH(CH2)g3CONHNH2
【0037】
CH3(CH2)g1NH(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NH(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NH(CH2)g2CONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NH(CH2)g2COO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NH(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CO(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CO(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CO(CH2)g2CONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CO(CH2)g2COO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CO(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CONH(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CONH(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CONH(CH2)g2CONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CONH(CH2)g2COO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CONH(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2CONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2COO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONH2
【0038】
CH3(CH2)g1NH(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NH(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NH(CH2)g2CONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NH(CH2)g2COO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NH(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CO(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CO(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CO(CH2)g2CONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CO(CH2)g2COO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CO(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CONH(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CONH(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CONH(CH2)g2CONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CONH(CH2)g2COO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CONH(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2CONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2COO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONHNH2
【0039】
CH3(CH2)g1NHCOO(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCOO(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCOO(CH2)g2CONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCOO(CH2)g2COO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCOO(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2CONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2COO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH(CH2)g2CONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH(CH2)g2COO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONH2、等。
【0040】
CH3(CH2)g1NHCOO(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCOO(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCOO(CH2)g2CONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCOO(CH2)g2COO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCOO(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2CONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2COO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH(CH2)g2CONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH(CH2)g2COO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCOCONH(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONHNH2、等。
【0041】
CH3(CH2)g1O(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1S(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1SO2NH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHSO2(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1CONHSO2(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCSNH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1O(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1S(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1SO2NH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHSO2(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1CONHSO2(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCSNH(CH2)g3CONHNH2
【0042】
CH3(CH2)g1O(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1S(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1SO2NH(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHSO2(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2O(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2S(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2SS(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2SO2(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2NHCSNH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1O(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1S(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1SO2NH(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHSO2(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2O(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2S(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2SS(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2SO2(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2NHCSNH(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1O(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1S(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1SO2NH(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONH2、CH3(CH2)g1NHSO2(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONH2
【0043】
CH3(CH2)g1O(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1S(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1SO2NH(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHSO2(CH2)g2NHCO(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2O(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2S(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2SS(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2SO2(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCO(CH2)g2NHCSNH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1O(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1S(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1SO2NH(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHSO2(CH2)g2NHCONH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2O(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2S(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2SS(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2SO2(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHCONH(CH2)g2NHCSNH(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1O(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1S(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1SO2NH(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONHNH2、CH3(CH2)g1NHSO2(CH2)g2CH=N(CH2)g3CONHNH2、等。
【0044】
一般式3で表される化合物として、下記(2−1)〜(2−70)を例示することができる。尚、m1は1〜36の整数を表す。m2、m3はそれぞれ独立して0〜49の整数を表す。ただし、構造式でm2−1、m3−1と表記されている場合は、m2、m3は1〜49の整数である。m4、m5はm4+m5の値が0〜30となるように選択される0以上の整数を表す。m6、m7は、m6+m7の値が1〜48となるように選択され、m6は0以上の整数、m7は1以上の整数である。m8、m9は、m8+m9の値が1〜48となるように選択され、m8は0以上の整数、m9は1以上の整数である。m10、m11は、m10+m11の値が0〜43となるように選択される0以上の整数である。m12は0〜44の整数である。
【0045】
【化9】

【0046】
【化10】

【0047】
【化11】

【0048】
【化12】

【0049】
【化13】

【0050】
本発明に係わる可逆性顕色剤は、加熱による画像形成だけでなく、記録画像の消去も考慮された顕色剤であり、可逆性顕色剤を使用した感熱記録層は繰り返し表示内容を書き換えることが可能である。通常の感熱記録材料のように、画像形成を一回だけ行う用途にももちろん使用可能である。可逆性顕色剤としては下記一般式4、6、7で示される化合物が好ましいが、特に一般式4で示される化合物は、画像の発色性および消去性に優れるため、好ましい。一般式4の中で、特に一般式5で表される化合物は、本発明の消去促進剤と組み合わせた場合に、地肌の白色度が高く、画像の消去性が良好で、かつ高温高湿下の画像保存性に優れた可逆性感熱記録材料を得ることができ、好ましい。可逆性顕色剤はそれぞれ1種又は2種以上を混合して使用してもよい。
【0051】
【化14】

【0052】
一般式4において、X7及びX8はそれぞれ同じであっても、異なってもよい酸素原子、硫黄原子又は各末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。R9は単結合又は炭素数1〜36の二価の炭化水素基を表す。R10は炭素数1〜36の二価の炭化水素基を表す。R9、R10の炭素数は好ましくは1〜18、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜4である。R11は炭素数1〜50の一価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数4〜36、より好ましくは炭素数6〜24、特に好ましくは炭素数8〜24の炭化水素基である。R9、R10は主としてアルキレン基を表し、R11は主としてアルキル基、アルケニル基を表す。R9、R10の場合は、芳香環を含んでいてもよい。fは0〜4の整数を表し、fが2以上のとき繰り返されるR10及びX8は同一であっても異なっていてもよい。
【0053】
一般式4中のX7、X8において、各末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基の具体例としては、−CONH−、−NHCO−、−NHCOO−、−OCONH−、−CONHCO−、−NHCONH−、−CONHNHCO−、−NHCOCONH−、−CONHCONH−、−NHCONHCO−、−NHCONHNH−、−NHNHCONH−、−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−、−CONHNHCOO−、−OCONHNHCO−等が挙げられる。X7、X8としては、−CONH−、−NHCO−、−NHCONH−、−CONHNHCO−、−NHCOCONH−が好ましい。
【0054】
一般式4で表される化合物としては、下記化学式で表される化合物を例示することができる。下記化学式において、r、tは1〜36の整数を表す。r、tは好ましくは1〜18、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜4の整数である。sは0〜49の整数を表す。好ましくは3〜35、より好ましくは5〜23、特に好ましくは7〜23の整数である。uは0〜30の整数を表す。好ましくは0〜12、より好ましくは0〜6の整数である。下記例示化合物では、末端の炭化水素基はアルキル基であるが、不飽和結合を有するアルケニル基も使用可能である。
【0055】
【化15】

【0056】
【化16】

【0057】
【化17】

【0058】
【化18】

【0059】
【化19】

【0060】
【化20】

【0061】
【化21】

【0062】
【化22】

【0063】
【化23】

【0064】
一般式4において、fが0である下記一般式5で表される化合物が特に好ましい。
【0065】
【化24】

【0066】
一般式5中のX9は、酸素原子、硫黄原子又は各末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。X9において、各末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基の具体例としては、前記X7、X8で例示した二価の基を挙げることができる。R12は炭素数1〜36の二価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましく炭素数1〜4の二価の炭化水素基である。R12は具体的にはアルキレン基を表すが、芳香環を含んでいてもよい。R12は単なるビニレン及び1,4−フェニレンを含まない二価の炭化水素基であると好ましい。R13は炭素数1〜50の一価の炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数4〜36、より好ましくは炭素数6〜24、特に好ましくは炭素数8〜24の炭化水素基である。また、R13は主としてアルキル基、アルケニル基を表す。
【0067】
一般式5で表される化合物の具体例としては、前記(3−1)〜(3−20)で表される化合物を挙げることができる。これらの中で、(3−1)〜(3−12)で表される化合物が好ましく、さらに好ましくは(3−3)〜(3−11)である。
【0068】
一般式5で表される具体的化合物を下記に挙げる。N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−オクタデカノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−イコサノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−ドコサノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−テトラコサノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−ヘキサコサノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−オクタコサノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−トリアコンタノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−ドトリアコンタノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−テトラトリアコンタノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−ヘキサトリアコンタノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−テトラコンタノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−テトラテトラコンタノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−ペンタコンタノイルアミン;N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−オクタデカノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−イコサノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−ドコサノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−テトラコサノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−ヘキサコサノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−オクタコサノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−トリアコンタノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−ドトリアコンタノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−テトラトリアコンタノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−ヘキサトリアコンタノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−テトラコンタノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−テトラテトラコンタノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−ペンタコンタノイルアミン;
【0069】
N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ドデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−イコサノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−テトラコサノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ヘキサコサノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−オクタコサノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−トリアコンタノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ドトリアコンタノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−テトラトリアコンタノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ヘキサトリアコンタノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−テトラコンタノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−テトラテトラコンタノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ペンタコンタノヒドラジド;N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−イコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−テトラコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ヘキサコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−オクタコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−トリアコンタノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドトリアコンタノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−テトラトリアコンタノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ヘキサトリアコンタノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−テトラコンタノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−テトラテトラコンタノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ペンタコンタノヒドラジド;
【0070】
N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−テトラデカノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−ヘキサコサノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−トリアコンタノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−ヘキサトリアコンタノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−テトラコンタノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−ペンタコンタノヒドラジド;N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−デカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−テトラデカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−ヘキサコサノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−トリアコンタノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−ヘキサトリアコンタノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−テトラコンタノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−ペンタコンタノヒドラジド;N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾ]−N′−n−ヘキサコサノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾ]−N′−n−トリアコンタノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾ]−N′−n−ヘキサトリアコンタノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾ]−N′−n−テトラコンタノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾ]−N′−n−ペンタコンタノヒドラジド;N−[p−(p−ヒドロキシフェニルメチル)ベンゾ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニルメチル)ベンゾ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニルメチル)ベンゾ]−N′−n−ヘキサコサノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニルメチル)ベンゾ]−N′−n−トリアコンタノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニルメチル)ベンゾ]−N′−n−ヘキサトリアコンタノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニルメチル)ベンゾ]−N′−n−テトラコンタノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニルメチル)ベンゾ]−N′−n−ペンタコンタノヒドラジド;
【0071】
N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−テトラデシルオキサミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ドコシルオキサミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ヘキサコシルオキサミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−トリアコンチルオキサミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ヘキサトリアコンチルオキサミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−テトラコンチルオキサミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ペンタコンチルオキサミド;N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−ドコシルオキサミド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−ヘキサコシルオキサミド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−トリアコンチルオキサミド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−ヘキサトリアコンチルオキサミド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−テトラコンチルオキサミド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−ペンタコンチルオキサミド;
【0072】
N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−デシルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−テトラデシルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−ドコシルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−ヘキサコシルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−トリアコンチルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−ヘキサトリアコンチルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−テトラコンチルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−ペンタコンチルオキサミド;N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−ドコシルオキサミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−ヘキサコシルオキサミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−トリアコンチルオキサミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−ヘキサトリアコンチルオキサミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−テトラコンチルオキサミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−ペンタコンチルオキサミド;
【0073】
N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−ドデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−ドコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−ヘキサコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−トリアコンチル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−ヘキサトリアコンチル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−テトラコンチル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−ペンタコンチル尿素;N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N′−n−ドコシル尿素、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N′−n−ヘキサコシル尿素、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N′−n−トリアコンチル尿素、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N′−n−ヘキサトリアコンチル尿素、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N′−n−テトラコンチル尿素、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N′−n−ペンタコンチル尿素;N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−N′−n−ドコシル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−N′−n−ヘキサコシル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−N′−n−トリアコンチルル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−N′−n−ヘキサトリアコンチル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−N′−n−テトラコンチル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−N′−n−ペンタコンチル尿素;
【0074】
N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ドデカノイル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデカノイル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ドコサノイル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ヘキサコサノイル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−トリアコンタノイル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ヘキサトリアコンタノイル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−テトラコンタノイル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ペンタコンタノイル尿素;N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデカノイル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−ドコサノイル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−ヘキサコサノイル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−トリアコンタノイル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−ヘキサトリアコンタノイル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−テトラコンタノイル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−ペンタコンタノイル尿素;4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−テトラデシルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−オクタデシルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−ドコシルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−ヘキサコシルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−トリアコンチルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−ヘキサトリアコンチルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−ヘキサコンチルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−ペンタコンチルセミカルバジド;
【0075】
4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−テトラデシルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−オクタデシルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−ドコシルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−ヘキサコシルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−トリアコンチルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−ヘキサトリアコンチルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−テトラコンチルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−ペンタコンチルセミカルバジド;1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−ドコシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−ヘキサコシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−トリアコンチルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−ヘキサトリアコンチルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−テトラコンチルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−ペンタコンチルセミカルバジド;
【0076】
1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−4−n−ドコシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−4−n−ヘキサコシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−4−n−トリアコンチルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−4−n−ヘキサトリアコンチルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−4−n−テトラコンチルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−4−n−ペンタコンチルセミカルバジド;1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−4−n−ドコシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−4−n−ヘキサコシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−4−n−トリアコンチルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−4−n−ヘキサトリアコンチルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−4−n−テトラコンチルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−4−n−ペンタコンチルセミカルバジド;1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−4−n−ドコシルセミカルバジド、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−4−n−ヘキサコシルセミカルバジド、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−4−n−トリアコンチルセミカルバジド、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−4−n−ヘキサトリアコンチルセミカルバジド、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−4−n−テトラコンチルセミカルバジド、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−4−n−ペンタコンチルセミカルバジド;
【0077】
1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−デシルセミカルバジド、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−ドコシルセミカルバジド、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−ヘキサコシルセミカルバジド、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−トリアコンチルセミカルバジド、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−ヘキサトリアコンチルセミカルバジド、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−テトラコンチルデシルセミカルバジド、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−ペンタコンチルセミカルバジド;1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−n−ドコシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−n−ヘキサコシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−n−トリアコンチルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−n−ヘキサトリアコンチルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−n−テトラコンチルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−n−ペンタコンチルセミカルバジド;4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−テトラデカノイルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−オクタデカノイルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−ドコサノイルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−ヘキサコサノイルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−トリアコンタノイルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−ヘキサトリアコンタノイルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−テトラコンタノイルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−ペンタコンタノイルセミカルバジド;
【0078】
4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−オクタデカノイルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−ドコサノイルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−ヘキサコサノイルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−トリアコンタノイルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−ヘキサトリアコンタノイルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−テトラコンタノイルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−ペンタコンタノイルセミカルバジド;p−n−オクタデカノイルアミノメチルフェノール、p−n−ドコサノイルアミノメチルフェノール、p−n−ヘキサコサノイルアミノメチルフェノール、p−n−トリアコンタノイルアミノメチルフェノール、p−n−ヘキサトリアコンタノイルアミノメチルフェノール、p−n−テトラコンタノイルアミノメチルフェノール、p−n−ペンタコンタノイルアミノメチルフェノール;p−n−オクタデカノイルアミノエチルフェノール、p−n−ドコサノイルアミノエチルフェノール、p−n−ヘキサコサノイルアミノエチルフェノール、p−n−トリアコンタノイルアミノエチルフェノール、p−n−ヘキサトリアコンタノイルアミノエチルフェノール、p−n−テトラコンタノイルアミノエチルフェノール、p−n−ペンタコンタノイルアミノエチルフェノール;
【0079】
N−(p−ヒドロキシフェニル)メチル−N′−n−ドデシル尿素、N−(p−ヒドロキシフェニル)メチル−N′−n−オクタデシル尿素、N−(p−ヒドロキシフェニル)メチル−N′−n−ドコシル尿素、N−(p−ヒドロキシフェニル)メチル−N′−n−ヘキサコシル尿素、N−(p−ヒドロキシフェニル)メチル−N′−n−トリアコンチル尿素、N−(p−ヒドロキシフェニル)メチル−N′−n−ヘキサトリアコンチル尿素、N−(p−ヒドロキシフェニル)メチル−N′−n−テトラコンチル尿素、N−(p−ヒドロキシフェニル)メチル−N′−n−ペンタコンチル尿素;N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ドデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ドコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ヘキサコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−トリアコンチル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ヘキサトリアコンチル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−テトラコンチル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ペンタコンチル尿素;p−n−オクタデシルオキシカルボニルアミノメチルフェノール、p−n−ドコシルオキシカルボニルアミノメチルフェノール、p−n−ヘキサコシルオキシカルボニルアミノメチルフェノール、p−n−トリアコンチルオキシカルボニルアミノメチルフェノール、p−n−ヘキサトリアコンチルオキシカルボニルアミノメチルフェノール、p−n−テトラコンチルオキシカルボニルアミノメチルフェノール、p−n−ペンタコンチルオキシカルボニルアミノメチルフェノール;等が挙げられる。
【0080】
本発明に係わる可逆性顕色剤として、下記一般式6および7で表される化合物も使用することができる。
【0081】
【化25】

【0082】
【化26】

【0083】
一般式6において、aは0または1の整数を表す。また、T1およびT2は互いに独立に水素原子、メチル基、フェニル基から選ばれた一員を表し、T3は水素原子、メチル基、フェニル基、トリフルオロメチル基から選ばれた一員を表す。T4及びT5は互いに独立に単結合または炭素数1〜20の二価の炭化水素基を表し、T6は炭素数8〜50の一価の直鎖脂肪族基を表す。さらに、Y1およびY2は互いに独立に単結合または下記(4−1)〜(4−23)により表される二価の基から選ばれた一員を表すが、Y1およびY2が同時に単結合であるものを含まない。また、(4−1)〜(4−23)により表される二価の基が左右対称形でない場合、これらの基はそのままの向きで一般式6で表される化合物の両隣の基と結合していてもよいし、左右反転した形で両隣の基と結合していてもよい。
【0084】
一般式7において、bは1または2の整数を表し、cは1〜3の整数を表す。また、T7およびT8は互いに独立に水素原子、メチル基、フェニル基から選ばれた一員を表し、T9及びT10は互いに独立に単結合または炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表し、T11は水素原子または炭素数1〜50の1価の直鎖脂肪族基を表す。さらに、Y3およびY4は互いに独立に単結合または下記(4−1)〜(4−23)により表される2価の基から選ばれた一員を表すが、Y3およびY4が同時に単結合であるものを含まない。また、(4−1)〜(4−23)により表される2価の基が左右対称形でない場合、これらの基はそのままの向きで一般式7で表される化合物の両隣の基と結合していてもよいし、左右反転した形で両隣の基と結合していてもよい。
【0085】
【化27】

【0086】
【化28】

【0087】
【化29】

【0088】
前記Y1およびY3において、好ましい2価の基としては(4−18)〜(4−23)が挙げられ、特に好ましくは(4−18)、(4−21)である。
【0089】
本発明に係わる可逆性顕色剤の使用量は、通常無色ないし淡色の染料前駆体に対して5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
【0090】
本発明に係わる染料前駆体の具体的な例としては、例えば下記に挙げるものがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0091】
3−ジエチルアミノ−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−m−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−m−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−p−フルオロフェニルアミノフルオラン、
【0092】
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−トリルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−トリルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−アセチルフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−キシリルアミノ)フルオラン、
【0093】
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−トリルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−トリルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−トリルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−エトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、
【0094】
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ピロリジル−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピぺリジル−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N′−テトラヒドロピロリル−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−シクロへキシルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−p−トリルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−(3′−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−(4′−エトキシブチル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
【0095】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、
【0096】
3−(2−エトキシ−4−アミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−メチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−エチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−プロピルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ヘキシルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジプロピルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジヘキシルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−フェニルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ピリジルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(3−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0097】
3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−プロピル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ブチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ペンチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ヘキシル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−シクロヘキシル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−シアノ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ニトロ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0098】
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ヘプチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ノニル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−イソプロピル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−イソブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−イソペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0099】
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−メチル−2−エチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−プロピルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−ブチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−ペンチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−ヘキシルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−イソプロピルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−イソブチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0100】
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等が挙げられる。
【0101】
前記の染料前駆体はそれぞれ1種又は2種以上を混合して使用してもよい。また他の色相に発色する染料前駆体を混合することにより調色も行うことができる。また、感熱記録層は、色調の異なる感熱記録層を複数層重ねても良い。
【0102】
本発明に係わる感熱記録層は、支持体の少なくとも一方の面に、少なくとも染料前駆体、可逆性顕色剤を含有する感熱記録層塗液を塗工・製膜することによって形成される。染料前駆体及び可逆性顕色剤を感熱記録層塗液に含有させるための方法としては、各々の化合物を単独で溶媒に溶解もしくは分散媒に分散してから混合する方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し均一化した後冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。分散時には必要なら分散剤を用いてもよい。分散媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル系、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、スチレン等の芳香族炭化水素系、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、ペンタン、ヘキサン等が使用できる。中でも、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の活性水素基を有しない有機溶媒を用いる事が好ましい。
【0103】
本発明に係わる感熱記録層の強度を向上する等の目的でバインダーを感熱記録層中に添加する事も可能である。バインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール等が挙げられる。これらのバインダーの役割は、組成物の各素材が印字、消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。耐熱性、耐水性、さらには接着性といった高耐久品が要求に対しては、硬化性樹脂は特に好ましい。
【0104】
硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、紫外線硬化樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を適用する場合は架橋剤を含む液を塗工、製膜した後に熱により架橋させて用いる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びポリオール樹脂等が挙げられる。またこれらの熱硬化性樹脂に使用される硬化剤は、有機酸類、アミン類、イソシアネート類、エポキシ類、フェノール類等が挙げられるが、熱硬化性樹脂の種類により好適な反応性のものを選定すれば良い。特にこれらの中で、特開平10−230680号公報や同11−58963号公報に記載の、ポリオール樹脂をイソシアネート化合物で熱硬化して得られる架橋樹脂である事が好ましい。
【0105】
電子線及び紫外線硬化性樹脂に用いられるオリゴマー・モノマーとしては、種類も多く優れた放射線硬化特性を有するアクリル系オリゴマー・モノマーの他、ポリエン−チオール系オリゴマー・モノマー、光カチオン重合型エポキシオリゴマー・モノマー等が挙げられる。アクリル系モノマーは単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線架橋の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
【0106】
アクリル系オリゴマー・モノマーの例としては、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート等が挙げられる。
【0107】
本発明に係わる感熱記録層において、好ましいバインダー成分であるポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分について説明する。ポリオール化合物としては、ポリ(メタ)アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、アルキドポリオール、カプロラクトンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。
【0108】
ポリ(メタ)アクリルポリオール及びポリエステルポリオール等は、下記に示す多価アルコールとこの多価アルコールの化学量論より少ない量のカルボン酸またはそのエステル、無水物、ハロゲン化物等のエステル交換反応により得られるものが挙げられる。すなわち、ポリ(メタ)アクリルポリオールとは、アクリル酸、メタアクリル酸及びそれらのエステルの共重合体であって、水酸基を含むものをいい、水酸基を含む共重合成分としては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール等が用いられる。アクリル酸、メタアクリル酸及びそれらのエステル以外の共重合成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、メタアクリルアミド及びその誘導体、酢酸ビニル、無水マレイン酸等が挙げられる。
【0109】
また、ポリエステルポリオールとは、多塩基酸と多価アルコールとの縮合物のうち水酸基を有するものをいい、これらに使用される多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多塩基酸、しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルこはく酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、ダイマー酸等の脂肪族多塩基酸があり、これらの多塩基酸から得られる酸無水物も同様に用いられる。
【0110】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジアセトングリコール、ヘキサントリオール等の低分子量ポリオールの他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の高分子量ポリオールも用いられる。これらから得られるポリエステルポリオールの他、ヒドロキシカルボン酸、もしくはその環状ラクトンの縮合物もしくは開環重合、例えばポリブチロラクトンジオール、ポリカプロラクトンジオールや、前記多塩基酸と多価アルコールに加え高級脂肪酸の3種を縮合して得られるアルキドポリオール等がある。ポリエーテルポリオールとは、主鎖がエーテル結合からなる高分子であって、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリチレングリコールの他これらの分岐状エステル等がある。
【0111】
ポリエーテルポリオールとしては、上記多価アルコールのエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。シリコーンポリオールとしては、分子中にシロキサン結合を有し、かつ末端が水酸基を有するシリコーンオイル類等が挙げられる。
【0112】
その他にも、水酸基含有のフルオロオレフィンのようなフッ素含有ポリオール、ポリオール水酸基末端のポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリウレタン等が利用できる。更には、低分子量のポリオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサジオール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の脂肪族、脂環族、芳香族多価アルコールもしくは多価フェノールまたはこれらの縮合物を反応性希釈剤として用いられる。
【0113】
本発明に係わるポリオール化合物としては、上記三成分を始めとする添加物分散性、塗工性、接着性、耐熱性及び皮膜強度等の総合評価から、ポリ(メタ)アクリルポリオール及びポリエステルポリオールが好ましく、更には、染料前駆体との相溶性が小さく地肌白色度が良好であることからポリ(メタ)アクリルポリオールが好適である。本発明に係るポリオール化合物は単1種、またはポリオール部分やそれ以外の部分の構造の異なる、もしくは分子量等の異なる他の1種以上のポリオール化合物と併用してもよい。
【0114】
更に、本発明のような染料前駆体と可逆性顕色剤との間の反応を利用した可逆性感熱記録材料は、可逆性感熱記録層中の染料前駆体とポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分を始めとするバインダー成分の相互作用により発色し、地肌白色度を低下するおそれがあるので、バインダー成分の酸価は低いことが望ましい。具体的には、バインダー成分の酸価は10以下が好ましく、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下、特に好ましくは1以下である。尚、酸価はJIS K0070に規定されているが、樹脂1g中の遊離酸を中和するのに要する、水酸化カリウムのmg数であり、下記の式で表される。
【0115】
酸価=樹脂(g)/KOH(mg)/有効濃度
【0116】
また、ポリオール化合物の樹脂OH価は80〜600mgKOH/gが好ましく、より好ましくは200〜600mgKOH/g、特に好ましくは300〜600mgKOH/gである。ポリオール化合物の樹脂OH価は、ポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分を含有する可逆性感熱記録層の耐熱・耐久性の向上に大きく寄与し、バインダー樹脂本来の接着効果、分散性、発色及び消色特性を損なうことなく、高温時に非常に高い弾性、優れた耐熱特性を付与すると思われる。これらの特徴により、可逆性感熱記録層内で可逆性顕色剤が凝集するような難点が防止され、品質が良くなるものと推定される。可逆性顕色剤は、周囲のバインダー成分が熱印加時の温度及び圧力で変形する影響を受けて凝集しやすく、これが発色性の低下につながるが、比較的樹脂OH価の高いポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分により、非常に高い架橋密度を有したバインダー成分として機能し、耐熱特性の向上に寄与するものと推測される。これにより、可逆性顕色剤はそのバインダー成分の影響を受けず、長期間使用しても初期の状態が維持される。
【0117】
本発明に係わるイソシアネート化合物としては、公知のものが使用できる。例えば、フェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート、水添TDI、水添XDI、水添MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族もしくは脂環族ジイソシアネート及びこれらの誘導体であるポリオール付加物、ビュレット体3量体である3官能以上のポリイソシアネートの他、イソシアネートを含む各種のオリゴマー、ポリマーが挙げられる。本発明においては、イソシアネート化合物としてキシリレンジイソシアネートやトルエンイソシアネートを用いると発色濃度の向上により好ましく、更には、地肌の白色度の高いキシリレンジイソシアネートを使用するとより好ましい。
【0118】
本発明に係わるイソシアネート化合物は、1種以上のポリオール化合物に対して、単1種または2種以上のイソシアネートと併用してもよい。イソシアネート化合物及びポリオール化合物をともに複数種用いる場合は、その組合せは任意でよい。
【0119】
ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の混合物は、それぞれが液状の場合はそのままの混合物で用いてもよいが、更にポリイソシアネートと非反応性の溶剤で希釈して使用することもできる。使用できる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解し、かつ染料前駆体や可逆性顕色剤を分散・溶解させるものが好ましい。具体的には、染料前駆体及び可逆性顕色剤を感熱記録層塗液に含有させるための方法で例示した溶剤が使用できる。なかでも、ポリイソシアネート化合物と反応性のある活性水素を有しない有機溶媒を用いることが好ましい。また、上記ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の架橋反応は、反応温度50〜160℃、反応時間0.1〜100時間で行えばよい。尚、反応温度が低い場合は長時間を要し、高温では短時間で済むことは言うまでもない。
【0120】
本発明に係わる感熱記録層におけるバインダーの使用量としては、該感熱記録層全質量に対する該バインダー成分の質量百分率が35%以上65%以下の範囲内である事が好ましい。この範囲より大きくなると著しく発色濃度が低下する場合がある。逆にこの範囲より小さくなると、感熱記録層の耐熱性や機械的強度の低下、層の変形、発色濃度の低下が起きる場合がある。感熱記録層における該バインダー成分の質量百分率は、40%以上60%以下がより好ましく、45%以上55%以下が特に好ましい。
【0121】
また、感熱記録層の発色感度及び消色温度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を可逆性感熱記録層中に含有させることができる。60〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80〜180℃の融点を有するものが好ましい。一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。例えば、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、しゅう酸ジベンジル、しゅう酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸またはしゅう酸ジエステル誘導体等を併用して添加することができる。
【0122】
感熱記録層の老化を防止する目的で、ゴム製品等にも用いられている老化防止剤を添加することもできる。また、老化防止剤を感熱記録層の上層又は下層に含有させることもできる。老化防止剤としては、p,p′−ジアミノジフェニルメタン、アルドール−α−ナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物、安息香酸エステル類等が挙げられる。その他、o−フェニレンチオ尿素、2−アミノベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルチオカルバミン酸ニッケル、酸化亜鉛、パラフィン等が挙げられる。また、これらの老化防止剤構造を有するモノマーを重合の一成分として含むポリマーや、ポリマー主鎖に老化防止剤構造をグラフト化したものも用いることができる。2種類以上の老化防止剤を組み合わせて用いることもできる。
【0123】
本発明に係わる感熱記録層には、顔料なども本発明の目的を妨げない範囲で添加可能であり、例えば、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、およびゼオライト、シリカ、カオリン、焼成カオリン、タルク等の粘土類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用可能である。また、滑剤としてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩を使用することができる。
【0124】
本発明に係る感熱記録層の膜厚は該感熱記録層の組成と所望発色濃度により決定されるものであり、具体的には、0.5〜20μmの範囲が好ましく、3〜15μmがより好ましい。
【0125】
本発明において、繰り返し使用時の耐久性を高める目的で、感熱記録層の支持体とは反対面に保護層を設けることが好ましい。保護層は、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂から構成されていることが好ましく、特に電子線硬化樹脂、紫外線硬化樹脂が好ましい。硬化性樹脂としては、感熱記録層で使用可能なバインダーとして例示した化合物が使用できる。また、さらに耐久性を高める、あるいは光沢度を調整する目的で顔料を配合したり、滑剤として高級脂肪酸金属塩を配合してもよい。顔料、高級脂肪酸金属塩としては、感熱記録層で例示した化合物が使用可能である。
【0126】
保護層の膜厚は、0.1〜10μmの範囲が好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。膜厚が10μmを超えると効果が飽和するばかりか、感熱記録層の感度が低下しやすい。膜厚が0.1μmより小さいと予期した塗層強度が得られにくく、塗層に傷が入りやすくなる。
【0127】
本発明の可逆性感熱記録材料に用いられる支持体としては、紙、塗工紙、各種不織布、織布、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂をラミネートした紙、合成紙、金属箔、ガラス等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いる事が出来るが、これらに限定されるものではなく、これらは不透明、半透明あるいは透明のいずれであってもよい。地肌を白色その他の特定の色に見せるために、白色顔料や有色染顔料や気泡を支持体中または表面に含有させてもよい。特にフィルム類等に水性塗布を行う場合で支持体の親水性が小さく感熱記録層の塗布困難な場合は、コロナ放電等による表面の親水化処理やバインダーと同様の水溶性高分子類を、支持体表面に塗布するなどの易接着処理してもよい。また、一旦支持体上に本発明に係わる感熱記録層を設けた後、別の支持体に、場合により接着層を介して転写形成しても良い。本発明に係る支持体の厚みは、繰り返しの使用に耐える範囲であれば特に制限されないが、20〜1300μm、好ましくは40〜1000μm程度である。
【0128】
本発明において、耐候性改良等を目的に感熱記録層と保護層の間に紫外線吸収剤や酸化防止剤等から構成される中間層を設けたり、発色感度向上等を目的に中空粒子からなるアンダーコート層を設けてもよい。また、感熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止や帯電防止などを目的としてバックコート層を設けたり、磁気的に情報記録可能な層を設けても良く、さらに粘着加工などを行い、別の基材と貼り合わせたり、別の基材との間に電気的、光学的に情報記録可能な材料を内在させてもよい。また、可逆性感熱記録材料中の任意の層及び/又は支持体にUVインキなどによる印刷などを行ってもよい。
【0129】
本発明において、支持体上に設けられる任意の層には、上記成分以外に必要に応じて、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、硬膜剤、防腐剤、染料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、pH調節剤、消泡剤などの各種添加剤を添加することができる。本発明において、支持体上に設けられる任意の層は、各成分を一層ずつに含有させたり層別に配合比率を変化させたりして2層以上の多層にしてもよい。
【0130】
本発明の可逆性感熱記録材料においては、レーザー光による印字・消去を行うために、可逆性感熱記録材料中の任意の層及び/又は支持体に光熱変換材料を含有させることもできる。
【0131】
本発明における各層を支持体上に積層し可逆性感熱記録材料を形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成する事が出来る。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアロールおよびトランスファロールコーター、ロールコーター、コンマコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、ロッドコーター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズコーター、スライドコーター、ダイコーター等の塗抹装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いる事が出来る。更に通常の乾燥工程の他、紫外線照射または電子線照射により各層を保持させる事が出来る。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗布、印刷することができる。
【0132】
本発明の可逆性感熱記録材料において、発色記録画像を形成するためには加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、記録画像の消去を行うためには加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロックなどを押し当てる等して急速に冷却することにより、発色状態を発現させることができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却する為、発色状態を保持させることができる。一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、及びタングステンランプやハロゲンランプ等の光源等からの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、記録層だけでなく支持体等も加熱される為に熱源を除いても冷却する速度が遅いため消色状態になる。従って、同じ加熱温度、同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態および消色状態を任意に発現させることができる。
【0133】
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数は質量基準である。
【実施例1】
【0134】
(1)感熱記録層塗液の調製
染料前駆体として3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−トリルアミノフルオラン20部、可逆性顕色剤として下記化合物(5−1)を100部、消去促進剤として下記化合物(6−1)を10部、ポリエステルポリオール(商品名「タケラックU−21」、不揮発分70質量%、酸価<4.2、樹脂OH価350mgKOH/g、三井化学ポリウレタン(株)製)100部、溶媒としてメチルエチルケトン950部の混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで24時間分散し分散液を得た。こうして得た分散液にイソシアネート化合物(商品名「タケネートD−110N」、不揮発分75質量%、三井化学ポリウレタン工業(株)製)144部を加えてよく混合し、感熱記録層塗液を調製した。
【0135】
【化30】

【0136】
【化31】

【0137】
【化32】

【0138】
(2)中間層塗液の調製
紫外線吸収剤(商品名「チヌビン328」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)50部、ポリエステルポリオール(商品名「バーノック11−408」、不揮発分70質量%、大日本インキ化学工業(株)製)100部、メチルエチルケトン800部の混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間分散し分散液を得た。こうして得た分散液にイソシアネート化合物(商品名「タケネートD−110N」、不揮発分75質量%、三井化学ポリウレタン工業(株)製)140部、メチルエチルケトン50部を加えよく混合し、中間層塗液を調製した。
【0139】
(3)保護層塗液の調製
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂(商品名「ユニディックV−4205」、大日本インキ化学工業(株)製)100部、平均粒子径1.2μmのシリカ粒子(商品名「ニップシールSS−50F」、東ソー・シリカ(株)製)10部、イソプロピルアルコール90部をよく混合し、保護層塗液を調製した。
【0140】
(4)可逆性感熱記録材料の作製
(1)で得た感熱記録層塗液を、厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに、乾燥膜厚が8μmとなるように塗布し、120℃で1分乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、感熱記録層を形成した。感熱記録層上に、(2)で得た中間層塗液を、乾燥膜厚が1μmとなるように塗布し、120℃で1分間乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、中間層を形成した。中間層上に、(3)で得た保護層塗液を塗布した後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化させ、乾燥硬化後の膜厚が3μmの保護層を設け、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例2】
【0141】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−2)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例3】
【0142】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−3)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例4】
【0143】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−4)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例5】
【0144】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−5)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例6】
【0145】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−6)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例7】
【0146】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−7)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例8】
【0147】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−8)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例9】
【0148】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−9)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例10】
【0149】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−10)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例11】
【0150】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−11)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例12】
【0151】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−12)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例13】
【0152】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−13)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例14】
【0153】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−14)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例15】
【0154】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−15)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例16】
【0155】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−16)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例17】
【0156】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−17)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例18】
【0157】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−18)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例19】
【0158】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−19)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例20】
【0159】
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(6−20)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例21】
【0160】
実施例1において、消去促進剤を、前記化合物(6−14)を8部、ドトリアコンタン酸アミドを2部に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例22】
【0161】
実施例1において、消去促進剤を、前記化合物(6−14)を8部、前記例示化合物(2−58)において、m2=m3=28、m4=m5=1である化合物を2部に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例23】
【0162】
実施例5において、可逆性顕色剤として前記化合物(5−1)を化合物(5−2)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例24】
【0163】
実施例5において、可逆性顕色剤として前記化合物(5−1)を化合物(5−3)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例25】
【0164】
実施例5において、可逆性顕色剤として前記化合物(5−1)を化合物(5−4)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例26】
【0165】
実施例5において、可逆性顕色剤として前記化合物(5−1)を化合物(5−5)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例27】
【0166】
実施例5において、可逆性顕色剤として前記化合物(5−1)を化合物(5−6)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【実施例28】
【0167】
実施例5において、可逆性顕色剤として前記化合物(5−1)を化合物(5−7)に変更して、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
【0168】
比較例1
実施例1において、消去促進剤を添加せずに可逆性感熱記録材料を得た。
【0169】
比較例2
実施例1において、消去促進剤を下記化合物(7−1)に変更して、可逆性感熱記録材料を得た。
【0170】
【化33】

【0171】
比較例3
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(7−2)に変更して、可逆性感熱記録材料を得た。
【0172】
比較例4
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(7−3)に変更して、可逆性感熱記録材料を得た。
【0173】
比較例5
実施例1において、消去促進剤を前記化合物(7−4)に変更して、可逆性感熱記録材料を得た。
【0174】
試験1(地肌白色度)
実施例1〜28および比較例1〜5で得た可逆性感熱記録材料の可逆性感熱記録層表面の濃度を濃度計マクベスRD918を用いて測定した。結果を表1に示す。地肌濃度は0.10以下であれば良好であり、0.15以下であれば実用上問題ないレベルである。
【0175】
試験2(発色濃度=熱応答性)
実施例1〜28および比較例1〜5で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、得られた発色画像の濃度を試験1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
【0176】
試験3(画像の消去性)
実施例1〜28および比較例1〜5で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、得られた発色画像部に、熱スタンプを用いて1秒間加熱した後、試験1と同様にして濃度を測定した。熱スタンプの温度は100℃〜180℃まで10℃刻みで変化させ、最も濃度の低い値を消去性の値とした。結果を表1に示す。消去後の濃度は0.10以下であれば良好であり、0.15以下であれば実用上問題ないレベルである。
【0177】
試験4(高温高湿下の画像保存性)
実施例1〜28および比較例1〜5で得た可逆性感熱記録材料を、試験1で行った方法で印字し、それを35℃80%RH環境下で1週間保存した後、残存する発色画像の濃度を測定し、残存率を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
残存率(%)=35℃80%RH環境下で保存後の発色部の濃度/最初の濃度×100
◎:90%以上
○:80%以上
△:60%以上
×:60%未満
【0178】
【表1】

【0179】
実施例1〜28から明らかなように、前記一般式1で表される化合物を消去促進剤として用いることにより、地肌白色度が良好で、画像の消去性が良好で、高温高湿下の画像保存性が高い可逆性感熱記録材料を得ることが可能となる。実施例1〜20の比較より、一般式1においてh1=0である実施例2、4〜12、19は、地肌白色度、画像の消去性がいっそう良好となり、好ましい。また、一般式1においてh2=0である実施例1〜18は、h2=1である実施例19、20に比べ、発色濃度が高く好ましい。実施例1、3の比較より、一般式1におけるA1が非環状の第3級アミンの形態である実施例3は、第2級アミンである実施例1に比べ、発色濃度が高く、好ましい。また、実施例4〜18の比較より、複素環中の窒素原子が一般式1におけるR1あるいはX1と直接結合している実施例4〜9、16〜18では、画像の発色がいっそう高くなり、地肌白色度、画像の消去性とのバランスが良好となり、好ましい。また、実施例14、21、22の比較より、本発明に係わる消去促進剤と、特定の構造を有する消去促進剤を併用することにより、画像の消去性の向上を図ることも可能である。
【0180】
消去促進剤を含有しない比較例1では、消去時の画像の消去残りが大きく、高温高湿環境下の画像保存性も劣る。比較例2〜5のように、消去促進剤が前記一般式1で表されるものの、末端の炭化水素基の炭素数が25より小さい化合物であると、地肌の白色度が低下し、消去時の画像の消去残りが発生し、高温高湿下での保存性にも劣る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有してなる感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料において、感熱記録層が消去促進剤として下記一般式1で表される化合物を含有することを特徴とする可逆性感熱記録材料。
【化1】

(一般式1において、A1は少なくとも窒素原子を1つ以上有する置換あるいは無置換の複素環からなる一価の基、あるいは−NH2基を除く非環状の一価のアミノ基を表す。R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜36の二価の炭化水素基を表す。R3は炭素数25〜50の一価の炭化水素基を表す。X1、X2はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−NH−、−SO−または−SO2−の少なくとも1個を有する二価の基を表す。h1は0または1を表す。h2は0〜4の整数を表す。h2が2以上のとき、繰り返されるX1およびR2は同一であっても異なっていてもよい。ただし、h1=h2=0、X2が−CO−基であり、かつA1中の窒素原子がX2と直接結合する化合物、およびh1=0、h2=1〜4、A1と結合するX1が−CO−基であり、かつA1中の窒素原子が該X1と直接結合する化合物、およびh1=0、A1が非環状の第2級アミノ基である化合物は除く。)
【請求項2】
消去促進剤が、一般式1においてh1=0である化合物である請求項1記載の可逆性感熱記録材料。
【請求項3】
消去促進剤が、一般式1においてh2=0である化合物である請求項1または2記載の可逆性感熱記録材料。