説明

可逆熱変色性組成物

【課題】可逆熱変色性組成物の提供。
【解決手段】
a)式(IA)で表わされる化合物又はその互変異性体、又は、
式(IB)で表わされる化合物又はその互変異性体
【化1】


(式中、
1は、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;フェニル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わし;
2は、水素原子又は基−SO2−Rを表わし、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;フェニル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わし;及び、
Rは、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;フェニル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わす。)、及び、
b)式
【化2】


で表わされる基を含む化合物
を含む可逆熱変色性系。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未置換の又は置換された1,4−ジヒドロキシ−アントラキノン及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体を含む可逆熱変色性系、及び、該可逆熱変色性系及びキャリヤー物質を含む組成物、並びに、新規の、置換された又は未置換の1,4−ジヒドロキシ−アントラキノンに関する。
【背景技術】
【0002】
既知の可逆有機熱変色性系は、ロイコ染料のような塩基性発色剤及びフェノール系化合物のような酸性顕色剤から成る。冷所において、これらの成分は暗色塩であり、加熱すると一定の温度より高い温度で分離し、無色の混合物を形成する。冷却すると暗色塩が再び形成する。主な欠点は塩基性発色剤及び酸性顕色剤の乏しい光安定性であり、そして変色を遅らせ得、そしてそのような系は押出し成形によって製造されるプラスチック製品において不都合である熱安定性の低下を有する。更なる欠点は、該系は、ある状態(低温)でしか変色しないことにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明に従った系は、使用された化合物がより高い光安定性を持ち得、さらに変色の遅延を少なくする、もしくは全くなくならせ得るので、前述のような不都合な点を持たない。例えば、変色は完全に可逆であり、及び本質的に多くの温冷周期後であっても疲労がない。本発明に従った系及び化合物は加熱することにより色が変化し、そして冷却することによりもとの色に戻る。低温で前記系又は化合物は1つの化学形態であり、そして加熱すると系又は化合物が変色し、そして別の化学形態になる。本発明の場合、1つの形態(高温において)は、1,4−ジヒドロキシ−アントラキノン誘導体と2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体であり、他の形態(低温において)は、対応するアントラキノンアニオンと2,2,6,6−テトラメチルピペリジニウムカチオンによって形成された対応する塩である。涼しい環境において、色は、例えば青色又は赤みを帯びた青色であり、加熱すると、例えば赤色又はオレンジ色に変わる。1,4−ジヒドロキシ−アントラキノン誘導体は、熱的に非常に安定であり、それ故、それらは慣用の熱可塑性ポリマーに配合するために要求される高温において押出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、特に、
a)式(IA)で表わされる化合物又はその互変異性体、又は、
式(IB)で表わされる化合物又はその互変異性体
【化1】

(式中、
1は、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;フェニル基、
1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わし;
2は、水素原子又は基−SO2−Rを表わし、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;フェニル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わし;及び、
Rは、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;フェニル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わす。)、及び、
b)式
【化2】

で表わされる基を含む化合物
を含む可逆熱変色性系に関する。
【0005】
式(IA)の互変異性体の例は、
【化3】

である。
【0006】
式(IB)の互変異性体の例は、
【化4】

である。
【0007】
炭素原子数1ないし18のアルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二−ブチル基、イソブチル基、第三−ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチ
ルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基及びオクタデシル基である。
【0008】
炭素原子数2ないし18のアルケニル基の例は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基及びオクタデセニル基である。用語アルケニル基は、また共役又は非共役であり得る1つ以上の二重結合を有する残基も含む。1つの二重結合を有するアルケニル基、特に、アリル基が好ましい。
【0009】
炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基の例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロデシル基及びシクロドデシル基である。シクロヘキシル基が好ましい。
【0010】
1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基の例は、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基及びメチルシクロヘキシル基である。
【0011】
1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基の好ましい例は、メチルフェニル基である。
【0012】
炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基の好ましい例は、ベンジル基である。
【0013】
本発明の好ましい態様に従って、
1は、炭素原子数8ないし18のアルキル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基又はベンジル基を表わし;
2は、水素原子又は基−SO2−Rを表わし;
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし10のアルキル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基又はベンジル基を表わし;及び、
Rは、炭素原子数8ないし18のアルキル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基又はベンジル基を表わす。
【0014】
本発明の他の好ましい態様に従って、
1は、炭素原子数8ないし18のアルキル基又はフェニル基を表わし;
2は、水素原子又は基−SO2−Rを表わし;
3及びR4は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし;及び、
Rは、炭素原子数8ないし18のアルキル基又はフェニル基を表わす。
【0015】
特に好ましい態様に従って、
1は、炭素原子数10ないし18のアルキル基を表わし;
2は、水素原子又は基−SO2−Rを表わし;
3及びR4は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし;及び、
Rは、炭素原子数10ないし18のアルキル基を表わす。
【0016】
成分b)の適切な例を以下に列挙する:
式(A−1)
【化5】

(式中、n1は、2ないし50の数を表わす。)で表わされる化合物。
【0017】
式(A−2)
【化6】

[式中、
2は、2ないし50の数を表わし、
5は、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
基A6及びA7は、互いに独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は式(a−I)
【化7】

(式中、A8は、水素原子を表わす。)で表わされる基を表わすが、但し、基A7の少なくとも50%は、式(a−I)で表わされる基である。]で表わされる化合物。
【0018】
式(B−1)
【化8】

[式中、
11は、水素原子を表わし、
1は、1、2又は4を表わし、
1が1を表わす場合、E12は、炭素原子数1ないし25のアルキル基を表わし、
1が2を表わす場合、E12は、炭素原子数1ないし14のアルキレン基又は式(b−I)
【化9】

(式中、
13は、炭素原子数1ないし10のアルキル基又は炭素原子数2ないし10のアルケニル基を表わし、E14は、炭素原子数1ないし10のアルキレン基を表わし、及び、E15及びE16は、互いに独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基、シクロヘキシル基又はメチルシクロヘキシル基を表わす。)で表わされる基を表わし、及び、
1が4を表わす場合、E12は、炭素原子数4ないし10のアルカンテトライル基を表わす。]で表わされる化合物。
【0019】
式(B−2)
【化10】

[式中、
基E17の2つは、−COO−(炭素原子数1ないし20のアルキル)基を表わし、及び、
基E17の残りの2つは、式(b−II)
【化11】

(式中、E18は、水素原子を表わす。)で表わされる基を表わす。]で表わされる化合物。
【0020】
式(B−3)
【化12】

(式中、
19及びE20は、一緒になって、炭素原子数2ないし14のアルキレン基を形成し、
21は、水素原子又は基−Z1−COO−Z2−を表わし、
1は、炭素原子数2ないし14のアルキレン基を表わし、及び、
2は、炭素原子数1ないし24のアルキル基を表わし、及び、
22は、水素原子を表わす。)で表わされる化合物。
【0021】
式(B−4)
【化13】

(式中、
基E23は、水素原子を表わし、
基E24は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし、及び、
25は、炭素原子数1ないし10のアルキレン基又は炭素原子数3ないし10のアルキリデン基を表わす。)で表わされる化合物。
【0022】
式(B−5)
【化14】

(式中、E26は、水素原子を表わす。)で表わされる化合物。
【0023】
式(B−6)
【化15】

(式中、
27は、炭素原子数1ないし24のアルキル基を表わし、及び、
28は、水素原子を表わす。)で表わされる化合物。
【0024】
式(B−7)
【化16】

[式中、E29、E30及びE31は、互いに独立して、式(b−III)
【化17】

(式中、E32は、水素原子を表わす。)で表わされる基を表わす。]で表わされる化合物。
【0025】
式(B−8)
【化18】

(式中、
基E33は、水素原子を表わし、及び、
34は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数1ないし12のアルコキシ基を表わす。)で表わされる化合物。
【0026】
式(B−9)
【化19】

[式中、
2は、1、2又は3を表わし、
35は、水素原子を表わし、及び、
2が1を表わす場合、E36は、基
【化20】

を表わし、
2が2を表わす場合、E36は、炭素原子数2ないし22のアルキレン基を表わし、及び、
2が3を表わす場合、E36は、式(b−IV)
【化21】

(式中、基E37は、互いに独立して、炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表わし、及び、基E38は、互いに独立して、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表わす。)で表わされる基を表わす。]で表わされる化合物。
【0027】
式(B−10)
【化22】

(式中、
基E39は、水素原子を表わし、及び、
40は、炭素原子数2ないし22のアルキレン基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン基、炭素原子数1ないし4のアルキレンジ(炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン)基、フェニレン基又はフェニレンジ(炭素原子数1ないし4のアルキレン)基を表
わす。)で表わされる化合物。
【0028】
式(C−1)
【化23】

(式中、
30、R32、R33及びR34は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルキル置換炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、フェニル基、−OH及び/又は炭素原子数1ないし10のアルキル基によって置換されたフェニル基;炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基、−OH及び/又は炭素原子数1ないし10のアルキル基によってフェニル基上を置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;又は、式(c−1)
【化24】

で表わされる基を表わし、
31は、炭素原子数2ないし18のアルキレン基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン基又は炭素原子数1ないし4のアルキレンジ(炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン)基を表わすか、又は、
基R30、R31及びR32は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5ないし10員の複素環を形成するか、又は、
30及びR34は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5ないし10員の複素環を形成し、
35は、水素原子を表わし、及び、
1は、2ないし50の数を表わすが、但し、
基R30、R32、R33及びR34の少なくとも1つは、式(c−1)で表わされる基を表わす。)で表わされる化合物。
【0029】
式(C−2)
【化25】

[式中、
36及びR40は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基
を表わし、
37、R38及びR39は、互いに独立して、炭素原子数2ないし10のアルキレン基を表わし、及び
1、X2、X3、X4、X5、X6、X7及びX8は、互いに独立して、式(c−II)
【化26】

(式中、R41は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルキル置換炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、フェニル基、−OH及び/又は炭素原子数1ないし10のアルキル置換フェニル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基、−OH及び/又は炭素原子数1ないし10のアルキル基によってフェニル基上を置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;又は上記で定義した式(c−I)で表わされる基を表わし、及び、R42は、水素原子を表わす。)で表わされる基を表わす。]で表わされる化合物。
【0030】
式(C−3)
【化27】

(式中、
43は、炭素原子数1ないし10のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルキル置換炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1ないし10のアルキル置換フェニル基を表わし、
44は、炭素原子数3ないし10のアルキレン基を表わし、
45は、水素原子を表わし、及び
2は、2ないし50の数を表す。)で表わされる化合物。
【0031】
式(C−4)
【化28】

[式中、
46及びR50は、互いに独立して、直接結合又は−N(X9)−CO−X10−CO−N(X11)−基(式中、X9及びX11は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、フェニル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基又は式(c−I)で表わされる基を表わし、X10は、直接結合又は炭素原子数1ないし4のアルキレン基を表わす。)を表わし、
47は、水素原子を表わし、
48、R49、R52及びR53は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基又はフェニル基を表わし、
51は、水素原子、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、フェニル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基又は式(c−I)で表わされる基を表わし、及び、
3は1ないし50の数を表す。]で表わされる化合物。
【0032】
式(C−5)
【化29】

(式中、
54、R55、R56、R57及びR58は、互いに独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし10のアルキレン基を表わし、
59は、水素原子を表わし、及び、
4は1ないし50の数を表す。)で表わされる化合物。
【0033】
式(C−6−a)
【化30】

(式中、b5は、2ないし20の数を表わす。)で表わされる化合物。
【0034】
立体障害性アミンにおいて、言及される用語は、例えば、以下の意味を含む:
30個までの炭素原子を有するアルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基及びトリアコンチル基である。
【0035】
18個までの炭素原子を有するアルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基及びオクタデシルオキシ基である。E34は、好ましくは、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基を表わす。
【0036】
炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基の例は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基及びシクロドデシル基である。炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基、特にシクロヘキシル基が好ましい。
【0037】
−OH−及び/又は炭素原子数1ないし10のアルキル置換フェニル基は、例えばメチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、第三ブチルフェニル基又は3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル基である。
【0038】
炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基の例は、ベンジル基及びフェニルエチル基である。
【0039】
−OHによって及び/又は10個までの炭素原子を有するアルキル基によってフェニル基上を置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基は、例えばメチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、第三ブチルベンジル基又は3,5−ジ
−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル基である。
【0040】
10個までの炭素原子を有するアルケニル基の例は、アリル基、2−メタリル基、ブテニル基、ペンテニル基及びヘキセニル基である。アリル基が好ましい。1位の炭素原子は、好ましくは飽和されている。
【0041】
炭素原子数1ないし8のアルカノイル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基及びベンゾイル基が好ましい。アセチル基及びアクリロイル基が特に好ましい。
【0042】
22個までの炭素原子を有するアルキレン基の例は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、トリメチルヘキサメチレン基、オクタメチレン基及びデカメチレン基である。
【0043】
炭素原子数3ないし10のアルキリデン基の例は、基
【化31】

である。
【0044】
炭素原子数4ないし10のアルカンテトライル基の例は、1,2,3,4−ブタンテトライル基である。
【0045】
炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン基の例は、シクロヘキシレン基である。
【0046】
炭素原子数1ないし4のアルキレンジ(炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン)基の例は、メチレンジシクロヘキシレン基である。
【0047】
フェニレンジ(炭素原子数1ないし4のアルキレン)基の例は、メチレン−フェニレン−メチレン基又はエチレン−フェニレン−エチレン基である。
【0048】
基R30、R31及びR32が、それらが結合している窒素原子と一緒になって5ないし10員の複素環を形成する場合、この環は、例えば、
【化32】

である。6員の複素環が好ましい。
【0049】
基R33及びR34が、それらが結合している窒素原子と一緒になって5ないし10員複素環を形成する場合、この環は、例えば1−ピロリジル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、1−ピペラジニル基、4−メチル−1−ピペラジニル基、1−ヘキサヒドロアゼピニル基、5,5,7−トリメチル−1−ホモピペラジニル基又は4,5,5,7−テトラメチル−1−ホモピペラジニル基である。モルホリノ基が特に好ましい。
【0050】
48及びR52の好ましい定義の一つはフェニル基である。
55は、好ましくは直接結合を表わす。
1及びn2は、好ましくは2ないし25、特に2ないし20の数である。
1及びb2は、好ましくは2ないし25、特に2ないし20の数である。
3及びb4は、好ましくは1ないし25、特に1ないし20の数である。
【0051】
上記した2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体は、本質的に既知であり、市販で入手可能である。それらの全ては、既知の方法によって製造され得る。
【0052】
式の記号においてAを含む2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体の製造は、例えば、欧州特許出願公開第28,318号明細書及び欧州特許出願公開第1,803号明細書に開示されている。
【0053】
式の記号においてBを含む2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体の製造は、例えば米国特許出願公開第5,679,733号明細書、米国特許出願公開第3,640,928号明細書、米国特許出願公開第4,198,334号明細書、米国特許出願公開第5,204,473号明細書、米国特許出願公開第4,619,958号明細書、米国特許出願公開第4,110,306号明細書、米国特許出願公開第4,110,334号明細書、米国特許出願公開第4,689,416号明細書、米国特許出願公開第4,408,051号明細書、旧ソ連邦国特許出願公開第768,175号明細書(ダーウェント(Derwent)88−138,751/20)、米国特許出願公開第5,049,604号明細書、米国特許出願公開第4,769,457号明細書、米国特許出願公開第4,356,307号明細書、米国特許出願公開第4,619,956号明細書、米国特許出願公開第5,182,390号明細書、英国特許出願公開第2,269,819号明細書、米国特許出願公開第4,292,240号明細書、米国特許出願公開第5,026,849号明細書、米国特許出願公開第5,071,981号明細書、米国特許出願公開第4,547,538号明細書及び米国特許出願公開第4,976,889号明細書に開示されている。
【0054】
式の記号においてCを含む2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体の製造は、例えば、米国特許出願公開第4,086,204号明細書、米国特許出願公開第6,046,304号明細書、米国特許出願公開第4,331,586号明細書、米国特許出願公開第4,108,829号明細書、米国特許出願公開第5,051,458、国際公開第94/12,544号パンフレット(ダーウェント 94−177,274/22)、旧東独国特許出願公開第262,439号明細書(ダーウェント 89−122,983/17)、米国特許出願公開第4,857,595号明細書、米国特許出願公開第4,529,760号明細書及び米国特許出願公開第4,477,615号明細書及びCAS136,504−96−6に開示されている。
【0055】
以下の市販品が立体障害性アミンとして適切である:
フェルロ(商標登録:FERRO)AM806(CAS登録番号:70800−09−8)、ダスチブ(商標登録:DASTIB)845(CAS登録番号:24860−22−8)、チヌビン(商標登録:TINUVIN)770(CAS登録番号:58829−07−9)、アデカスタブ(商標登録:ADK STAB)LA57(CAS登録番号:64022−61−3)、アデカスタブ(商標登録:ADK STAB)LA67(CAS登録番号:100631−43−4)、ホスタビン(商標登録:HOSTAVIN)N20(CAS登録番号:64338−16−5)、ホスタビン(商標登録:HOSTAVIN)N24(CAS登録番号:85099−51−0及び85099−50−9)、サンジュバー(商標登録:SANDUVOR)3050(CAS登録番号:85099−51−0及び85099−50−9)、ジアセタム(商標登録:DIACETAM)5(CA
S登録番号:76505−58−3)、スミソルブ(商標登録:SUMISORB)TM61(CAS登録番号:84214−94−2)、ユビヌル(商標登録:UVINUL)4049(CAS登録番号:109423−00−9)、グッドライト(商標登録:GOODRITE)UV3034(CAS登録番号:71029−16−8)、グッドライト(商標登録:GOODRITE)UV3150(CAS登録番号:96204−36−3)、グッドライト(商標登録:GOODRITE)3110×128、ユビヌル(商標登録:UVINUL)4050H(CAS登録番号:124172−53−8)、チマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)944(CAS登録番号:71878−19−8)、チマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)2020(CAS登録番号:192268−64−7)、サイアソルブ(商標登録:CYASORB)UV3346(CAS登録番号:82451−48−7)、ダスチブ(商標登録:DASTIB)1082(CAS登録番号:113169−96−3)、ユバシル(商標登録:UVASIL)299(CAS登録番号:164648−93−5)、ユバシル(商標登録:UVASIL)125(CAS登録番号:164648−93−5)、ユバシル(商標登録:UVASIL)2000(CAS登録番号:164648−93−5)、ユビヌル(商標登録:UVINUL)5050H(CAS登録番号:152261−33−1及び199237−39−3)、リヒトシュッツシュトフ(商標登録:LICHTSCHUTZSTOFF)UV31、ルヘム(商標登録:LUCHEM)HA B 18、アデカスタブ(商標登録ADK STAB)LA68(CAS登録番号:100631−44−5)又はウバソルブ(商標登録:UVASORB)HA88(CAS登録番号:136504−96−6)。
【0056】
グッドライト(商標登録:GOODRITE)3110×128は、式
【化33】

で表わされるものである。
【0057】
式(A−1)、(A−2)、(C−1)、(C−3)、(C−4)、(C−5)及び(C−6−a)で表わされる化合物において、自由原子価を飽和させる末端基の意味は、それらの製造において使用される方法に依存する。末端基はまた、化合物の製造後にも変性され得る。
【0058】
式(A−1)で表わされる化合物において、ジメチレン基に結合する末端基は、例えば−OHであり得、酸素原子に結合する末端基は、例えば水素原子であり得る。末端基は、ポリエーテル基でもあり得る。
【0059】
式(A−2)で表わされる化合物において、−CH2−残基に結合する末端基は、例えば水素原子であり得、−CH(CO27)残基に結合する末端基は、例えば−CH=CH−COOA7であり得る。
【0060】
式(C−1)で表わされる化合物が、式
【化34】

(式中、Xは、例えばハロゲン原子、特に、塩素原子を表わし、R33及びR34は、上記で定義した通りである。)で表わされる化合物と式
【化35】

(式中、R30、R31及びR32は、上記で定義した通りである。)で表わされる化合物を反応させることによって製造される場合、ジアミノ基に結合する末端基は、水素原子又は
【化36】

であり、トリアジン基に結合する末端基は、X又は
【化37】

である。
【0061】
反応が完了した時に、Xがハロゲン原子を表わすならば、これを、例えば−OH又はアミノ基によって置換することが有利である。言及され得るアミノ基の例は、ピロリジニ−1−イル基、モルホリノ基、−NH2、−N(炭素原子数1ないし8のアルキル)2基及び−NR(炭素原子数1ないし8のアルキル)基(式中、Rは、水素原子又は式(c−I)で表わされる基を表わす。)である。
【0062】
式(C−1)で表わされる化合物はまた、式
【化38】

(式中、R30、R31、R32、R33、R34及びb1は、上記で定義した通りであり、R33*は、R33の意味の1つを有し、及び、R34*は、R34の意味の1つを有する。)で表わされる化合物も含む。
【0063】
特に好ましい式(C−1)で表わされる化合物の一つは、
【化39】

である。
【0064】
この化合物の製造は、米国特許出願公開第6,046,304号明細書の実施例10に記載されている。
【0065】
式(C−3)で表わされる化合物において、シリコン原子に結合する末端基は、例えば(R433Si−O−であり得、酸素原子に結合する末端基は、例えば−Si(R433であり得る。
【0066】
2が、3ないし10の数を表わす場合、即ち、構造式において示される自由原子価が、直接結合を形成する場合、式(C−3)で表わされる化合物はまた、環状化合物の形態でもあり得る。
【0067】
式(C−4)で表わされる化合物において、2,5−ジオキソピロリジン環に結合する末端基は、例えば水素原子であり、−C(R52)(R53)−基に結合する末端基は、例えば、
【化40】

である。
【0068】
式(C−5)で表わされる化合物において、カルボニル基に結合する末端基は、例えば、
【化41】

であり、酸素原子基に結合する末端基は、例えば
【化42】

である。
【0069】
式(C−6−a)で表わされる化合物において、トリアジン基に結合する末端基は、例えばCl又は
【化43】

基であり、アミノ基に結合する末端基は、例えば、水素原子又は
【化44】

基である。
【0070】
興味深いのは、式(A−1)又は(A−2)で表わされる化合物に対応する立体障害性アミンである;
【化45】

[式中、n1及びn2は、2ないし20の数を表わし、及び、基A7の少なくとも50%は、式(a−I)
【化46】

(式中、A8は、水素原子を表わす。)で表わされる基を表わし、及び、残りの基A7は、エチル基を表わす。]。
【0071】
例えば、立体障害性アミンは、式(B−1−a)、(B−1−b)、(B1−c)、(B−1−d)、(B−2−a)、(B−3−a)、(B−3−b)、(B−4−a)、(B−4−b)、(B−5)、(B−6−a)、(B−7)、(B−8−a)、(B9a)、(B−9−b)、(B−9−c)又は(B−10−a)で表わされる化合物である;
【化47】

(式中、E11は、水素原子を表わす。);
【化48】

[式中、基E17の2つは−COO−C1327を表わし、及び、基E17の残りの2つは、
【化49】

(式中、E18は、水素原子を表わす。)を表わす。];
【化50】

(式中、E22は、水素原子を表わす。);
【化51】

(式中、E23は、水素原子を表わす。);
【化52】

(式中、E26は、水素原子を表わす。);
【化53】

(式中、E28は、水素原子を表わす。);
【化54】

[式中、E29、E30及びE31は、互いに独立して、式(b−III)
【化55】

(式中、E32は、水素原子を表わす。)で表わされる基を表わす。];
【化56】

(式中、E33は、水素原子を表わす。);
【化57】

(式中、E35は、水素原子を表わす。);
【化58】

(式中、E39は、水素原子を表わす。)。
【0072】
例えば、立体障害性アミンは、(C−1−a)、(C−1−b)、(C1−c)、(C−1−d)、(C−2−a)、(C−3−a)、(C−4−a)、(C−4−b)、(C−4−c)、(C−5−a)又は(C−6−a)で表わされる化合物である;
【化59】

(式中、b1は、2ないし20の数を表わし、及び、R35は、水素原子を表わす。);
【化60】

(式中、R42は、水素原子を表わす。);
【化61】

(式中、b2は、2ないし20の数を表わし、及び、R45は、水素原子を表わす。);
【化62】

(式中、b3は、1ないし20の数を表わし、及び、R47は、水素原子を表わす。);
【化63】

(式中、b4は、1ないし20の数を表わし、及び、R59は、水素原子を表わす。);
【化64】

(式中、b5は、2ないし20の数を表わす。)。
【0073】
興味深いのは以下の市販品の化合物である:
チヌビン(商標登録:TINUVIN)770は、E11が水素原子を表わすところの式(B−1−b)で表わされる化合物に対応する。
アデカスタブ(商標登録:ADK STAB)LA57は、E11が水素原子を表わすところの式(B−1−d)で表わされる化合物に対応する。
アデカスタブ(商標登録:ADK STAB)LA67は、E18が水素原子を表わすところの式(B−2−a)で表わされる化合物に対応する。
ホスタビン(商標登録:HOSTAVIN)N24は、E22が水素原子を表わすところの式(B−3−b)で表わされる化合物に対応する。
サンジュバー(商標登録:SANDUVOR)3050は、E22が水素原子を表わすところの以下に示す式(B−3−b−1)で表わされる化合物に対応する。
ジアセタム(商標登録:DIACETAM)5は、E23が水素原子を表わすところの式(B−4−a)で表わされる化合物に対応する。
スミソルブ(商標登録:SUMISORB)TM61は、E23が水素原子を表わすところの式(B−4−b)で表わされる化合物に対応する。
ユビヌル(商標登録:UVINUL)4049は、E26が水素原子を表わすところの式(B−5)で表わされる化合物に対応する。
グッドライト(商標登録:GOODRITE)3034は、E35が水素原子を表わすところの式(B−9−b)で表わされる化合物に対応する。
グッドライト(商標登録:GOODRITE)3150は、E35が水素原子を表わすと
ころの式(B−9−c)で表わされる化合物に対応する。
チマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)944は、R35が水素原子を表わすところの式(C−1−a)で表わされる化合物に対応する。
チマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)2020は、R35が水素原子を表わすところの式(C−1−b)で表わされる化合物に対応する。
ダスチブ(商標登録:DASTIB)1082は、R35が水素原子を表わすところの式(C−1−c)で表わされる化合物に対応する。
サイアソルブ(商標登録:CYASORB)UV3346は、R35が水素原子を表わすところの式(C−1−d)で表わされる化合物に対応する。
ユバシル(商標登録:UVASIL)299は、R45が水素原子を表わすところの式(C−3−a)で表わされる化合物に対応する。
ユビヌル(商標登録:UVINUL)5050Hは、R47が水素原子を表わすところの式(C−4−a)で表わされる化合物に対応する。
リヒトシュッツシュトフ(商標登録:LICHTSCHUTZSTOFF)UV31は、R47が水素原子を表わすところの式(C−4−b)で表わされる化合物に対応する。
ルヘム(商標登録:LUCHEM)HA B 18は、R47が水素原子を表わすところの式(C−4−c)で表わされる化合物に対応する。
アデカスタブ(商標登録ADK STAB)LA68は、R59が水素原子を表わすところの式(C−5−a)で表わされる化合物に対応する。
ウバソルブ(商標登録:UVASORB)HA88は、式(C−6−a)で表わされる化合物に対応する。
式(B−3−b−1)で表わされる化合物は、以下の構造を有する:
【化65】

【0074】
特に興味深いものは、式(C−1−a)、(C−1−b)、(C−1−c)、(C−1−d)及び(C−6−a)、特に(C−1−a)及び(C−1−b)で表わされる化合物である。
【0075】
成分a)が、式
【化66】

で表わされる化合物であり、成分b)が、式(C−1−a)又は(C−1−b)
【化67】

(式中、b1は、2ないし20の数を表わす。)で表わされる化合物であるところの、可逆熱変色性系が好ましい。
【0076】
成分a)と成分b)の質量比は、好ましくは、2:1ないし1:100、より好ましくは1:1ないし1:20、最も好ましくは1:2ないし1:16、例えば1:3ないし1:6である。
【0077】
本発明の更なる態様は、ポリマー、溶媒及びワックスからなる群から選択されるキャリヤー;及び、上記で定義した可逆熱変色性系を含む組成物である。
【0078】
キャリヤーと可逆熱変色性系の比は、好ましくは10000:1ないし1:1、より好ましくは5000:1ないし2:1、最も好ましくは1000:1ないし5:1である。
【0079】
キャリヤー物質は、例えば、コーティング又はインクでもある。
【0080】
キャリヤー物質として適切なポリマーの例は、以下の通りである:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン (HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
ポリオレフィン、すなわち前の段落において例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法により、そして特に以下の方法により調製され得る:
a)ラジカル重合(通常は高圧下及び上昇した温度において)。
b)通常、周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属の一つ又はそれ以上を含む触媒を使用した触媒重合。これらの金属は通常、一つ又はそれ以上の配位子、典型的にはπ−又はσ−配位し得るオキシド、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は遊離形態であるか、又は基材に、典型的には活性化塩化マグネシウム、チタン(III)クロリド、アルミナ又は酸化ケイ素に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体中に可溶又は
不溶であり得る。該触媒は重合においてそのまま使用され得、又は更なる活性化剤、典型的には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド又は金属アルキルオキサンであって、前記金属が周期表のIa、IIa及び/又はIIIa群の元素であるものが使用され得る。該活性化剤は、更なるエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性され得る。これらの触媒系は、通常、フィリップス、スタンダード・オイル・インディアナ、チグラー(−ナッタ)、TNZ(デュポン)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0081】
2.1)で言及されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)の混合物、及び異なる型のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0082】
3.モノオレフィン及びジオレフィンと互いの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びそれの低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、エチレン/ノルボルネン様COC)、1−オレフィンがその場で生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレン及びへキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー;及びそのようなコポリマーの互いの及び1)で上述したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互の又はランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0083】
4.炭化水素樹脂の水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)及びポリアルキレン及びデンプンの混合物。
【0084】
1.)ないし4.)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むどの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも同様に含まれる。
【0085】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0086】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むどの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも同様に含まれる。
6a.エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、ビニルアセテート及び塩化ビニル又はアクリル誘導体及びその混合物から選択される上
述された芳香族ビニルモノマー及びコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高耐衝撃性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
6b.6)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、特にアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及される。
6c.6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むどの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも同様に含まれる。
【0087】
7.スチレン又はα−メチルスチレンのような芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
【0088】
8.ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩化及び臭化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩化又はスルホ塩化ポリエチレン、エチレン及び塩化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン並びに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルのようなそれらのコポリマーのようなハロゲン含有ポリマー。
【0089】
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなそれらの誘導体;ブチルアクリレートで耐衝撃性改質されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0090】
10.9)で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0091】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレー
ト、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;並びに上記の1)で言及されたオレフィンとそれらのコポリマー。
【0092】
12.ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーのような環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
【0093】
13.ポリオキシメチレンのようなポリアセタール及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含有するそれらのポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで変性されたポリアセタール。
【0094】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0095】
15.一方はヒドロキシル基末端ポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0096】
16.ジアミンとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレン、ジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から及び変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び同じように上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合された又はグラフトされたエラストマーとの;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー;並びにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及びプロセスの間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0097】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0098】
18.ジカルボン酸とジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSで変性されたポリエステル。
【0099】
19.ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0100】
20.ポリケトン。
【0101】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0102】
22.フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン
/ホルムアルデヒド樹脂のような一方はアルデヒド、及び他方はフェノール、尿素及びメラミンから誘導された架橋ポリマー。
【0103】
23.乾性及び非乾性アルキド樹脂。
【0104】
24.飽和及び不飽和ジカルボン酸と、架橋剤としての多価アルコール及びビニル化合物とのコポリエステルから誘導される不飽和ポリエステル樹脂、及びまた低易燃性のこれらのハロゲン含有変性体。
【0105】
25.置換されたアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレート。
【0106】
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0107】
27.酸無水物又はアミンのような慣用の硬化剤により、又は促進剤を伴って又は伴わずに架橋された、脂肪族、脂環式、複素環式又は芳香族グリシジル化合物、例えばビスフェノールAとビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物から誘導される架橋されたエポキシ樹脂。
【0108】
28.セルロース、ゴム、ゼラチンのような天然ポリマー、並びに化学的に変性されたそれらの同族誘導体、例えば、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース、又はメチルセルロースのようなセルロースエーテル;並びにロジン及びその誘導体。
【0109】
29.前述されたポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0110】
例えば、ポリマーは、合成有機ポリマー、特に熱可塑性ポリマー等の有機ポリマーである。
【0111】
好ましくは、ポリマーは、上記項目1ないし3で言及したもの、特にポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレン又はポリエチレンコポリマー、特にポリプロピレン又はポリエチレンである。
【0112】
有機ポリマーへの配合は、当該技術で慣用の方法によって、上記で定義した可逆熱変色性系の成分、及び、所望により更なる添加剤を有機ポリマー中で混合すること又は有機ポリマーに適用することによって為され得る。前記配合は、成形作業の前に又は間に、又は、溶解させた又は分散させた可逆熱変色性系の成分をポリマーに塗布し、その後、必要に応じて、溶媒を蒸発させることによって行われ得る。エラストマーの場合、これらはまたラテックスとして安定化され得る。上記で言及した化合物をポリマーに配合するための更なる可能性は、それらを対応するモノマーの重合前、重合中又は重合直後にもしくは架橋前に、添加することである。これに関して、上記で言及された化合物は、そのままの形態で又はカプセル化された形態(例えば、ワックス、オイル又はポリマー中に)で添加され得る。
【0113】
本願明細書で言及される化合物はまた、例えば、キャリヤー物質に2.5ないし25質量%の濃度で前記化合物を含有するマスターバッチの形態で添加され得る。
【0114】
本願明細書で言及される化合物は、下記の方法によって慎重に配合され得る:
−エマルジョン又は分散液として(例えば、ラテックス又はエマルジョンポリマーに対する)として、
−混合中に、更なる成分又はポリマー混合物の乾燥混合物として
−加工装置(例えば、押出機、内部ミキサー等)中へ直接導入することによって、
−溶液又は溶融液として。
【0115】
可逆熱変色性系の成分、所望による更なる添加剤はまた、プラスチック製品、繊維、フィルム、紙又はコーティング等のキャリヤー物質上に噴霧もされ得る。該系は、他の添加剤(例えば、上記の慣用の添加剤)又はそれらの溶融液を希釈することができるため、これらの添加剤と一緒にキャリヤー物質上に噴霧することもできる。
【0116】
興味深いものはまた、更なる添加剤を含む、上記で定義した可逆熱変色性組成物である。
【0117】
好ましくは、更なる添加剤は、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、金属奪活剤、加工安定剤、チオ相乗剤、過酸化物捕捉剤、酸素捕捉剤、塩基性補助安定剤、核剤、充填材、強化剤、防炎加工剤及び/又は更なる着色剤であるが、但し、更なる着色剤は、熱変色効果を抑制及び遮蔽しない。
【0118】
最も好ましくは、更なる添加剤は、フェノール系抗酸化剤、アミン系抗酸化剤、ホスフィット、ホスホナイト、ヒドロキシルアミン、ニトロン、ベンゾフラノン、インドリノン、2−(2−ヒドロキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、オキサミド、立体障害性アミン、顔料及び/又は染料である。
【0119】
適切な添加剤の一般的な例は、以下の通りである:
1.抗酸化剤
1.1.アルキル化モノフェノール、
例えば2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、線状又は側鎖において枝分かれしたノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ―1’―イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0120】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、
例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0121】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、
例えば、2,6−ジ−第三−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0122】
1.4.トコフェロール、
例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0123】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、
例えば、2,2’−チオビス(6−第三−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0124】
1.6.アルキリデンビスフェノール、
例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0125】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物
例えば、3,5,3’,5’−テトラ−第三−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレ
ート、ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0126】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート
例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0127】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物
例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0128】
1.10.トリアジン化合物
例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0129】
1.11.ベンジルホスホネート
例えば、ジメチル−2,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0130】
1.12.アシルアミノフェノール
例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0131】
1.13.β−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノー
ル、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0132】
1.14.β−(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価または多価アルコール、
例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカンとのエステル。
【0133】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0134】
1.16.3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0135】
1.17.β−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤル(Uniroyal)によって供給されるナウガードXL−1;登録商標:Naugard)。
【0136】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0137】
1.19.アミン酸化防止剤
例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−
フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−第三−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三−ブチル/第三−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三−ブチル/第三−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三−オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン。
【0138】
2.UV吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第二−ブチル−5’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−
ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾレ−2−イルフェノール];2−[3’−第三−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;[R−CH2CH2−COO−CH2CH2−]2−、Rが3’−第三−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イルフェニル基を表す、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’− (1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0139】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン
例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0140】
2.3.置換された及び未置換の安息香酸のエステル
例えば、4−第三−ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三−ブチルフェニル3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−第三−ブチルフェニル3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0141】
2.4.アクリレート
例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート。
【0142】
2.5.ニッケル化合物
例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような付加的な配位子を伴うか又は伴わない1:1又は1:2錯体のような2,2’−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルベンジルホスホン酸のメチル又はエチルエステル、ケトキシムのニッケル錯体、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル−ウンデシルケトキシムのニッケル錯体、更なる配位子を伴うか又は伴わない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0143】
2.6.立体障害アミン
例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2
,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ
)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、サンデュボア(Sanduvor)(クラリアント社製;CAS登録番号106917−31−1)、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)の反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロへキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン。
【0144】
2.7.オキサミド、
例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三−ブチル−2’−エトキサニリド及びそれと2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三−ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物及びo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0145】
2.8.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0146】
3.金属奪活剤
例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイル−ヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0147】
4.ホスフィット及びホスホニット、
例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホニット、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)−ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−第三−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−第三−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0148】
以下のホスフィットがとりわけ好ましい:
トリス(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)ホスフィット(イルガフォス(登録商標:Irgafos)168、チバスペシャルティケミカルズ社)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【化68】

【0149】
5.ヒドロキシルアミン、
例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0150】
6.ニトロン、
例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N
−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0151】
7.チオ相乗剤、
例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミストリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート又はジステアリルジスルフィド。
【0152】
8.過酸化物捕捉剤、
例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール又は2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0153】
9.ポリアミド安定剤
例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩及び二価マグネシウムの塩。
【0154】
10.塩基性補助安定剤
例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート及びカリウムパルミテート、アンチモニーピロカテコレート又は亜鉛ピロカテコレート。
【0155】
11.核剤
例えば、タルクのような無機物質、二酸化チタン又は酸化マグネシウムのような金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;モノ−又はポリカルボン酸のような有機化合物及びそれらの塩、例えば、4−第三−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオンコポリマー(アイオノマー)のようなポリマー化合物。とりわけ好ましくは1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトール。
【0156】
12.充填材及び強化剤、
例えば炭酸カルシウム、珪酸塩、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、陶土、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、黒鉛、木粉及び他の天然産品の細粉又は繊維、合成繊維。
【0157】
13.その他の添加剤
例えば可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤 、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤及び発泡剤。
【0158】
14.ベンゾフラノン及びインドリノン
例えば、米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第4316611号明細書
;独国特許出願公開第4316622号明細書;独国特許出願公開第4316876号明細書;欧州特許出願公開第0589839号明細書、欧州特許出願公開第0591102号明細書;欧州特許出願公開1291384号明細書に開示されるもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ−第三−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラノ−2−オン。
【0159】
更なる添加剤は、キャリヤー物質に基づき、0.1ないし10質量%、例えば0.2ないし5質量%の量で慎重に適用される。
【0160】
本発明の他の態様は、ポリマー、溶媒及びワックスからなる群から選択されるキャリヤー物質;及び、可逆熱変色性系を含む組成物を含む物品である。
【0161】
物品は、好ましくは家庭用品である。
【0162】
好ましいものはまた、フィルム、紙、繊維又はろうそく用ろうである。更なる好ましいものは、プラスチック製品である。
【0163】
特に興味深いものは、押出又は射出成形によってつくられた可逆熱変色性物品である。
【0164】
上記の可逆熱変色性系は、電化製品又は機器において温度変化を示すために使用し得る。温度変化は、ヒトの眼によって又は光学機器によって評価され得る変色をもたらし、効果的な信号になる。
【0165】
上記の可逆熱変色性系の適用は、家庭用電化製品の市場にある。安全上の理由で、特定の機器の加熱された部分が、異なる及び明らかに識別可能な色の発現により明示される必要性がしばしばある。
例えば、小さい電化製品において、高温が製品そのものの一部分もしくはラベルの違う色によって示されるような、ホット飲料用カップ又はそのふた、やかん及びパーコレータ、トースター、室内用グリル、スロークッカー、フードスチーマ、ワッフルメーカー、真空包装システム、揚げ鍋、天ぷら鍋、アイロン及び炊飯器にこのことは多くの場合望ましい。前記部分又はラベルは取り替えることができるので、変色の効果がもはや目に見えないときには、オリジナルのパッケージの中又は販売業者で入手可能な新しいものに交換することがきる。
【0166】
本発明の特に好ましい態様は、色の変化によってホット飲料用カップ又はそのふたの高温を示すための、可逆熱変色性系の使用に関する。
【0167】
これらの熱変色性系は、レンジ上面、乾燥機、オーブン、スペースヒータ、蒸気清浄機、食器洗浄機及び洗濯機のような大型電化製品において使用され得る。
【0168】
可逆熱変色性系の適用は、家庭用電化製品のプラスチック部分への組み込みに限られる
ものでなく、同じように多くの他の状況において適用されることが見出され得る:例えば・作物の生長及び収穫に積極的に効果を及ぼすための、光調節用目的農業カバー、
・印刷システムにおいて又は色変化積層材、所望によりマイクロカプセル化組成物として使用される、一般的なインク、
・装飾的な及び流行性を有する服飾品用の及びブランド保護を含む、機能特性を有する服飾品及び非服飾品用の、一般的な繊維及び布(織布及び不織布の両方)、
・製品から魅力及び楽しさを増すための衣服及び成形品用の布を含む、玩具
・温度指示器(“熱過ぎる”:製品は冷やされなければならない、又は、“ちょうどいい温度”:製品は消費のために最高の状態である)としての、食品及び非食品包装
・タグ、カード又はラベルに隠されたメッセージのような販売促進アイテム;温冷飲料用スプーン、ストロー又は攪拌棒。
【0169】
興味深いものは、上記で定義した組成物からつくられる可逆熱変色性製品である。
【0170】
本発明の更なる態様は、可逆熱変色性系としての、上記で定義した成分a)及びb)を含む混合物の使用;及び、
キャリヤー物質を可逆熱変色的に着色するための方法であって、上記で定義した熱変色性系を該キャリヤー物質に配合することを含む方法、に関する。
【0171】
本発明の更なる態様は、式(IA)
【化69】

(式中、
1は、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わし;
2は、水素原子又は基−SO2−Rを表わし、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;フェニル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わし;及び、
Rは、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わす。)で表わされる化合物又はその互変異性体に関する。
【0172】
好ましい態様に従って、
1は、炭素原子数8ないし18のアルキル基を表わし;
2は、水素原子又は基−SO2−Rを表わし;
3及びR4は、水素原子又はメチル基を表わし;及び、
Rは、炭素原子数8ないし18のアルキル基を表わす。
【0173】
本願明細書に記載の1,4−ジヒドロキシ−アントラキノンは、既知の出発材料から、当該技術で既知の方法と同様にして合成され得る(例えば、E.Jusa,L.Gruen,Monatshefte fuer Chemie(1934),64,267;英国特許第910,222号明細書;独国特許第951,471号明細書;G.Schetty,Helvetica Chimica Acta(1962),45,1026;A.M.Hammam,I.M.Issa,S.A.Amin,H.Dissoki,Journal of Indian Chemical Society(1977),54,729;M.Kamel,S.A.Amin,Journal fuer Praktische Chemie(1967),36,230参照。)。
【0174】
以下の実施例において、特に記載がない限りは、パーセント(%)は、質量%を示す。特に記載がない限りは、パーセント(%)は、常に、配合物、組成物及び/又はその組み合わせのパーセント(%)を示す。
【0175】
以下の実施例において使用された市販品の添加剤:
イルガノックス(登録商標:IRGANOX)B215は、イルガフォス(登録商標:IRGAFOS)168(66.6%)とイルガノックス(登録商標:IRGANOX)1010(33.3%)の混合物である。
イルガフォス(登録商標:IRGAFOS)168
【化70】

(CAS登録番号:31570−04−4)
イルガノックス(登録商標:IRGANOX)1010
【化71】

(CAS登録番号:6683−19−8)
チマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)944
【化72】

(CAS登録番号:71878−19−8、70624−18−9)。
【実施例】
【0176】
実施例1:出発材料の7,8−ビス(ドデシルチオ)−1,4−ジヒドロキシ−アントラキノンの製造
【化73】

7,8−ジクロロ−1,4−ジヒドロキシ−アントラキノン 10g(32.35mmol)、ジメチルスルホキシド(500mL)、ドデカンチオール 16.35g(80.85mmol)及び無水炭酸カリウム 17.85g(129.4mmol)を混合し、110℃において18時間攪拌した。混合物を水(1L)中に注ぎ、攪拌しながら、2N 塩酸で中和した。沈殿物を濾過し、水で数回洗浄して、真空中で乾燥させた。残渣を、トルエン中に溶解し、結果として生じた溶液をシリカゲルを通して濾過し、濾液を蒸発させ、乾燥させた。残渣を、熱メタノール(1L)を用いて抽出し、デカンテーションを行った。残渣を、ヘキサン/ペンタン(1:1)中に懸濁させ、30分間攪拌し、濾過した。ヘキサン/ジクロロメタン(10:1)からの再結晶化によって、95%より高い純度の式(1)で表わされる化合物 6.15g(30%)を得た。
【0177】
実施例2:7,8−ビス(ドデシルスルホニル)−1,4−ジヒドロキシ−アントラキノンの製造
【化74】

7,8−ビス(ドデシルチオ)−1,4−ジヒドロキシ−アントラキノン(化合物(1);実施例1の生成物) 5g(7.8mmol)をクロロホルム(70mL)中に溶解した。3−クロロ−過安息香酸 10.76g(62.4mmol)を少しずつ添加し、混合物を、60℃において1.5時間攪拌した。混合物を、メタノール(300mL)で希釈し、15分間攪拌し、濾過した。残渣をメタノールで洗浄し、乾燥させて、赤色の化合物(2)(m.p.166−170℃) 5.1g(92%)を得た。
【0178】
実施例3:出発材料の7,8−ビス(フェニルチオ)−2,3−ジメチル−1,4−ジヒドロキシ−アントラキノンの製造
【化75】

6,7−ジクロロ−2,3−ジメチル−1,4−ジヒドロキシ−アントラキノン(3)
5g(14.83mmol)を、ジメチルホルムアミド(50mL)、チオフェノール
4.08g(37.07mmol)及び無水炭酸カリウム 8.2g(59.32mmol)と混合した。混合物を、110℃において3時間攪拌し、その後、水(500mL)に注ぎ、塩酸で中和した。赤色の沈殿物を濾去し、水、メタノール、ペンタンの順で洗浄し、乾燥させた。残渣を、トルエン中に溶解し、シリカゲルを通して濾過した。濾液を蒸発させ、化合物(4)(m.p.255−256℃) 5.02g(70%)を得た。
【0179】
実施例4:7,8−ビス(フェニルスルホニル)−2,3−ジメチル−1,4−ジヒドロキシ−アントラキノンの製造
【化76】

7,8−ビス(フェニルチオ)−2,3−ジメチル−1,4−ジヒドロキシ−アントラキノン(化合物(4)、実施例3の生成物) 5g(10.32mmol)をクロロホルム(50mL)中に溶解した。3−クロロ−過安息香酸 10.68g(61.92mmol)を添加し、混合物を、56℃において2時間攪拌した。混合物を、メタノール(200mL)で希釈し、25℃において攪拌した。沈殿物を濾去し、メタノールで洗浄し、乾燥させて、化合物(5)(m.p.280−282℃) 5.08g(89%)を得た。
【0180】
実施例5:出発材料の7,8−ビス(ドデシルチオ)−2,3−ジメチル−1,4−ジヒドロキシ−アントラキノンの製造
【化77】

6,7−ジクロロ−2,3−ジメチル−1,4−ジヒドロキシ−アントラキノン(3)
5g(14.83mmol)を、ジメチルスルホキシド(100mL)、ドデカンチオール 7.5g(37.05mmol)及び無水炭酸カリウム 8.2g(59.32mmol)と混合した。混合物を、100℃において18時間攪拌し、その後、水(500mL)に注ぎ、塩酸で中和した。赤色の沈殿物を濾去し、トルエン中に溶解した。有機相を水で洗浄し、シリカゲル上で濾過し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、蒸発させた。残渣を、ペンタンから再結晶化し、化合物(6)(m.p.101−103℃) 3.62g(36%)を得た。
【0181】
実施例6:7,8−ビス(ドデシルスルホニル)−2,3−ジメチル−1,4−ジヒドロキシ−アントラキノンの製造
【化78】

7,8−ビス(ドデシルチオ)−2,3−ジメチル−1,4−ジヒドロキシ−アントラキノン(化合物(6)、実施例5の生成物) 3g(4.48mmol)をクロロホルム(60mL)中に溶解し、3−クロロ−過安息香酸 7.73g(44.8mmol)を添加した。混合物を、60℃において30分間攪拌し、冷却し、メタノール(500mL)を添加した。赤色の沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、真空中で乾燥させて、化合物(7)(m.p.124−130℃) 2.85g(87%)を得た。
【0182】
実施例7:1,4−ジヒドロキシ−2−(フェニルスルホニル)−アントラキノンの製造
【化79】

1,4−ジヒドロキシ−2−(フェニルスルホニル)−アントラキノン(8)を、DT1644441(独国特許出願公開第1644441号明細書)、実施例5の既知の方法に従って製造した;m.p.258−260℃。
【0183】
適用実施例:
実施例A:ポリプロピレンテープの押出し
バーゼル社製ポリプロピレン粉末 プロファックス PH 350を、60℃において8時間、真空オーブン中で乾燥させた。イルガノックス(登録商標:IRGANOX)B215 0.05%及びチマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)944 0.5%を、乾燥ポリプロピレン粉末に添加した。化合物を、表1に示した量で添加し、最終配合物を得た。配合物を、ターボミキサー中で混合し、平ダイを備えた二軸スクリュー押出機で押出した。このような方法で、幅 5mm、厚さ 約1mmのポリプロピレンテープを製造した。加工温度は約220℃であった。
表1
【表1】

【0184】
実施例B:ポリエチレン(低密度)テープの押出し
ポリメリ ヨーロピ社製ポリエチレン粉末 リブレン FF 29を、60℃において8時間、真空オーブン中で乾燥させた。イルガノックス(登録商標:IRGANOX)B215 0.05%及びチマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)944 0.5%を、乾燥ポリエチレン粉末に添加した。化合物を、表2に示した量で添加し、最終配合物を得た。配合物を、ターボミキサー中で混合し、平ダイを備えた二軸スクリュー押出機で押出した。このような方法で、幅 5mm、厚さ 約1mmのポリエチレンテープを製造した。加工温度は約230℃であった。
表2
【表2】

【0185】
実施例C:ポリエチレン(高密度)テープの押出し
ボレアリス社製ポリエチレン粉末 MG9641を、60℃において8時間、真空オーブン中で乾燥させた。イルガノックス(登録商標:IRGANOX)B215 0.05%及びチマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)944 0.5%を、乾燥ポリエチレン粉末に添加した。化合物を、表3に示した量で添加し、最終配合物を得た。配合物を、ターボミキサー中で混合し、平ダイを備えた二軸スクリュー押出機で押出した。このような方法で、幅 5mm、厚さ 約1mmのポリエチレンテープを製造した。加工温度は約230℃であった。
表3
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)式(IA)で表わされる化合物又はその互変異性体、又は、
式(IB)で表わされる化合物又はその互変異性体
【化1】

(式中、
1は、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;フェニル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わし;
2は、水素原子又は基−SO2−Rを表わし、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;フェニル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わし;及び、
Rは、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;フェニル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わす。)、及び、
b)式
【化2】

で表わされる基を含む化合物
を含む可逆熱変色性系。
【請求項2】
1が、炭素原子数8ないし18のアルキル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基又はベンジル基を表わし;
2が、水素原子又は基−SO2−Rを表わし;
3及びR4が、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし10のアルキル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基又はベンジル基を表わし;及び、
Rが、炭素原子数8ないし18のアルキル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基又はベンジル基を表わすところの、請求項1に記載の可逆熱変色性系。
【請求項3】
1が、炭素原子数8ないし18のアルキル基又はフェニル基を表わし;
2が、水素原子又は基−SO2−Rを表わし;
3及びR4が、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表
わし;及び、
Rが、炭素原子数8ないし18のアルキル基又はフェニル基を表わすところの、請求項1に記載の可逆熱変色性系。
【請求項4】
1が、炭素原子数10ないし18のアルキル基を表わし;
2が、水素原子又は基−SO2−Rを表わし;
3及びR4が、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし;及び、
Rが、炭素原子数10ないし18のアルキル基を表わすところの、請求項1に記載の可逆熱変色性系。
【請求項5】
成分b)が、式(C−1−a)、(C−1−b)、(C−1−c)、(C−1−d)又は(C−6−a)
【化3】

(式中、b1及びb5は、2ないし20の数を表わす。)で表わされる化合物であるところの、請求項1に記載の可逆熱変色性系。
【請求項6】
成分b)が、式(C−1−a)又は(C−1−b)で表わされる化合物であるところの、請求項5に記載の可逆熱変色性系。
【請求項7】
成分a)が、式
【化4】

で表わされる化合物であり、かつ、
成分b)が、式(C−1−a)又は(C−1−b)
【化5】

(式中、b1は、2ないし20の数を表わす。)で表わされる化合物であるところの、請求項1に記載の可逆熱変色性系。
【請求項8】
成分a)と成分b)の質量比が、1:1ないし1:20であるところの、請求項1に記載の可逆熱変色性系。
【請求項9】
ポリマー、溶媒及びワックスからなる群から選択されるキャリヤー;及び、請求項1で定義した可逆熱変色性系を含む組成物。
【請求項10】
キャリヤー物質が、コーティング又はインクであるところの、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
更に、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、金属奪活剤、加工安定剤、チオ相乗剤、過酸化物捕捉剤、酸素捕捉剤、塩基性補助安定剤、核剤、充填材、強化剤、防炎加工剤及び更なる着色剤からなる群から選択される更なる添加剤を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
ポリマー、溶媒及びワックスからなる群から選択されるキャリヤー物質;及び、請求項1で定義した可逆熱変色性系を含む組成物を含む物品。
【請求項13】
家庭用品であるところの、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
フィルム、紙、繊維又はろうそく用ろうであるところの、請求項12に記載の物品。
【請求項15】
可逆熱変色性系としての、請求項1で定義した成分a)及びb)を含む混合物の使用。
【請求項16】
キャリヤー物質を可逆熱変色的に着色するための方法であって、請求項1で定義した熱変色性系を該キャリヤー物質に配合することを含む方法。
【請求項17】
式(IA)
【化6】

(式中、
1は、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わし;
2は、水素原子又は基−SO2−Rを表わし、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;フェニル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わし;及び、
Rは、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基;又は、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキル基を表わす。)で表わされる化合物又はその互変異性体。
【請求項18】
1が、炭素原子数8ないし18のアルキル基を表わし;
2が、水素原子又は基−SO2−Rを表わし;
3及びR4が、水素原子又はメチル基を表わし;及び、
Rが、炭素原子数8ないし18のアルキル基を表わすところの、請求項1に記載の化合物。



【公表番号】特表2009−541549(P2009−541549A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517120(P2009−517120)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056132
【国際公開番号】WO2007/147847
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】