説明

台車式搬送装置

【課題】床側のカムレールで制御される昇降自在な被搬送物支持台を備えた台車を利用する搬送装置において、当該台車の方向転換用ターンテーブルを低床構造にする。
【解決手段】搬送台車1上に下降位置と上昇位置との間で昇降可能な被搬送物支持台が設けられ、当該搬送台車1の底部には前記被搬送物支持台と連動して上下動するカム従動ローラーが設けられ、前記搬送台車1の走行経路中には、前記カム従動ローラーを押し上げるカム装置58を備え且つ被搬送物支持台が上昇位置に保持される作業区間3Aが設けられた台車式搬送装置において、前記作業区間3Aより下手の走行経路には搬送台車1の方向転換用ターンテーブル7が配設され、少なくともこのターンテーブル7に進入する直前から回転した当該ターンテーブル7より退出し終わるまでの搬送台車1の前記被搬送物支持台を上昇位置に保持させておく手段が設けられた構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床側のカムレールで制御される昇降自在な被搬送物支持台を備えた台車式搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の台車式搬送装置、即ち、一定走行経路上を走行可能な搬送台車上に下降位置と上昇位置との間で昇降可能な被搬送物支持台が設けられ、当該搬送台車の底部には前記被搬送物支持台と連動して上下動するカム従動ローラーが設けられ、前記搬送台車の走行経路中には、前記カム従動ローラーを押し上げるカムレールを備え且つ被搬送物支持台が上昇位置に保持される作業区間が設けられた台車式搬送装置は、特許文献1などに開示されているように従来周知である。
【特許文献1】特開2004−331366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような構成の台車式搬送装置において、搬送台車の走行経路中に当該搬送台車の方向転換用のターンテーブルが配設される場合、被搬送物支持台上に被搬送物が搭載されている、いないに関係なく、被搬送物支持台を下降位置に戻した状態でターンテーブル上に乗り込ませるように構成されている。しかしながら、台車底部に被搬送物支持台と連動して上下動する被搬送物支持台昇降操作用のカム従動ローラーが設けられている構成では、被搬送物支持台が下降位置にあるときには、前記カム従動ローラーは床面に接近する下位置にあり、ターンテーブルを構成する際には、下位置にあるカム従動ローラーとターンテーブル側とが干渉しないように考慮しなければならない。即ち、搬送台車を支持案内する左右一対のガイドレールが床面上に敷設されているような構成では、当該ガイドレールと同一レベルにターンテーブル上の搬送台車支持案内用ガイドレールを敷設するためにターンテーブルの上面を床面と同一レベルにする必要があり、結果的にターンテーブルを床面下に掘り下げて築造したピット内に納めることになり、搬送台車の方向転換のための設備コストが非常に高くつき、床面下にピットを掘り下げて築造することができない建屋構造の場合には、ターンテーブルのような方向転換手段を採用することができなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記のような従来の問題点を解消し得る台車式搬送装置を提供することを目的とするものであって、その手段を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、一定走行経路上を走行可能な搬送台車1上に下降位置と上昇位置との間で昇降可能な被搬送物支持台17が設けられ、当該搬送台車1の底部には前記被搬送物支持台17と連動して上下動するカム従動ローラー42a,42b,44が設けられ、前記搬送台車1の走行経路中には、前記カム従動ローラー42a,42b,44を押し上げるカムレール59A,60を備え且つ被搬送物支持台17が上昇位置に保持される作業区間3Aが設けられた台車式搬送装置において、前記作業区間3Aより下手の走行経路には搬送台車1の方向転換用ターンテーブル7が配設され、少なくともこのターンテーブル7に進入する直前から回転した当該ターンテーブル7より退出し終わるまでの搬送台車1の前記被搬送物支持台17を上昇位置に保持させておく被搬送物支持台上昇位置保持手段(ロック手段51)が設けられた構成となっている。
【0005】
上記構成の本発明を実施するについて、被搬送物支持台17を上昇位置に保持しておく作業区間3Aの全域や、前記被搬送物支持台上昇位置保持手段で被搬送物支持台17を上昇位置に保持しておく区間(ターンテーブル7上の走行経路全域を含む)の全域に、前記カム従動ローラー42a,42b,44を介して被搬送物支持台17を押し上げるカムレール59A,60を敷設しても良いが、請求項2に記載のように、搬送台車17に被搬送物支持台17を上昇位置でロックする手段51を設け、走行経路中の被搬送物支持台17を下降位置まで下げる位置には前記ロック手段51のロック解除手段(ロック解除用カム61)を配設し、被搬送物支持台17を上昇位置に保持しておく区間の入り口部分にのみ前記カムレール59A,60を敷設し、前記被搬送物支持台上昇位置保持手段を前記ロック手段51で構成することができる。
【0006】
前記作業区間3Aとターンテーブル7との間に、被搬送物支持台17を下降位置に下げた状態で高速走行させる高速走行区間3Bが設けられている場合には、請求項3に記載のように、前記ターンテーブル7の直前位置に前記カム従動ローラー42a,42b,44を押し上げるカムレール59A,60を配設すれば良い。換言すれば、作業区間3Aの直後に前記ターンテーブル7が配設されているような場合には、作業区間3Aから退出した搬送台車1を、その被搬送物支持台17を上昇位置に保持させたままターンテーブル7上の走行経路に送り込むように構成することができる。
【0007】
前記ターンテーブル7は、例えば請求項4に記載のように、当該ターンテーブル7上の搬送台車走行経路を構成する左右一対のガイドレール64a,64b、当該両ガイドレール64a,64bをその内側で連結一体化する中間フレーム65、この中間フレーム65を回転可能に軸支するために床側から突設された垂直支軸66、前記両ガイドレール64a,64bの外側に取り付けられ且つ床側の支持案内面74上を転動する複数の支持用ローラー67a〜67d、及びこれら支持用ローラー67a〜67dの内の少なくとも1つを回転駆動するモーター68a,68bから構成することができる。この場合、請求項5に記載のように、前記ターンテーブル7の支持用ローラー67a〜67dは、両ガイドレール64a,64bの長さ方向の中間位置に取り付け、両ガイドレール64a,64bの端部には別の支持用補助ローラー69a〜69dを取り付け、ターンテーブル7上の搬送台車走行経路が上手側走行経路又は下手側走行経路に接続したときに当該走行経路の端部に隣接する前記支持用補助ローラー69a,69c又は69b,69dを介して前記ガイドレール端部をレベル出しする補助支持案内面75,76を床側に設けることができる。
【0008】
更に、搬送台車1が自走式の場合は、当該搬送台車1の自走によりターンテーブル7上への乗り込み及びターンテーブル7からの退出を実行させることができるが、搬送台車1が自走式でない場合や自走式であっても遊動可能な状態に切り換えることができる搬送台車1であるときは、走行経路側に配設した駆動手段で当該搬送台車1のターンテーブル7上への乗り込み及びターンテーブル7からの退出を実行させることもできる。例えば請求項6に記載のように、上手側走行経路から前記ターンテーブル7上への搬送台車送り込み手段81と前記ターンテーブル7上から下手側走行経路への搬送台車送り出し手段82とを床側に配設し、これら床側の搬送台車送り込み手段81と搬送台車送り出し手段82とは、搬送台車1に設けられた走行方向と平行な左右両側面の一方に圧接する摩擦駆動輪83,85と他方に当接するバックアップローラー84,86とから構成し、前記ターンテーブル7は、このターンテーブル7上の搬送台車走行経路の一端が上手側走行経路に接続する位置(搬送台車受取位置)と当該ターンテーブル7上の搬送台車走行経路の他端が下手側走行経路に接続する位置(搬送台車送出位置)との間の範囲を正逆回転駆動されるように構成し、前記搬送台車送り込み手段81の摩擦駆動輪83は、ターンテーブル7上に送り込んだ搬送台車1がターンテーブル7の回転により離れて行く側の床側に配設し、前記搬送台車送り出し手段82の摩擦駆動輪85は、ターンテーブル7上の搬送台車1がターンテーブル7の回転により接近してくる側の床側に配設し、それぞれのバックアップローラー84,86は、ターンテーブル7の回転によるターンテーブル7上の搬送台車1の回転空間の内側から外側に退出自在に構成することができる。
【0009】
上記請求項6に記載の構成を採用する場合、請求項7に記載のように、前記ターンテーブル7上の搬送台車走行経路が接続する上手側走行経路(往行経路部3)の端部には、搬送台車落ち止め用の起伏自在な常閉ストッパー90を設け、前記搬送台車送り込み手段81のバックアップローラー84の出退移動に連動するカム手段(カムレール94)を設け、当該カム手段(カムレール94)が前記搬送台車送り込み手段81のバックアップローラー84の退出移動に連動して前記常閉ストッパー90を非作用位置に切り換えるように構成することができる。
【発明の効果】
【0010】
上記構成の本発明に係る台車式搬送装置によれば、搬送台車がターンテーブルによって方向転換されるとき、少なくとも当該ターンテーブルに進入する直前から回転した当該ターンテーブルから退出し終わるまでの搬送台車の前記被搬送物支持台が被搬送物支持台上昇位置保持手段によって上昇位置に保持されており、従って、当該被搬送物支持台を昇降操作する台車底部のカム従動ローラーも上位置に上げられた状態にある。このため、作業区間を含む走行経路の左右一対のガイドレールが床面上に敷設されていて、台車底部のカム従動ローラーの下位置(被搬送物支持台が下降位置にあるときのカム従動ローラーの位置)が前記左右一対のガイドレール間の床面近くとなるように構成されている場合でも、ターンテーブル上の走行経路を構成する左右一対のガイドレール間に下位置のカム従動ローラーが移動する空間を確保する必要がなくなる。従って、ターンテーブル上の走行経路を構成する左右一対のガイドレールを当該両ガイドレールの内側で互いに連結一体化して、ターンテーブルを薄型に構成することが可能になり、従来のように床面を掘り下げてターンテーブルのガイドレール下側部分が嵌まり込むピットを設ける必要がなくなり、設備コストの大幅な低減を図ることができる。
【0011】
尚、請求項2や請求項3に記載の構成によれば、ターンテーブル上や作業区間の全域に搬送台車のカム従動ローラーを押し上げるカムレールを敷設しておく必要がなくなり、ターンテーブルを含む設備全体のコストを一層低減させることができる。
【0012】
又、請求項4に記載の構成によれば、搬送台車の方向転換用のターンテーブルを容易に薄型に構成することができるのであるが、この場合、請求項5に記載の構成によれば、主たる支持用ローラーの回転半径を小さくし、床側の支持案内面を床上に敷設された別板材で構成する場合でも、当該別板材の半径を小さくしてコストを下げることができ、しかもターンテーブル上のガイドレールの搬送台車が乗り移る側の端部は床側の補助支持案内面で確実に所定レベルに支持させ、搬送台車の乗り移りを安全円滑に行わせることができる。
【0013】
更に、請求項6に記載の構成によれば、自走式でない搬送台車であっても摩擦駆動方式で当該搬送台車をターンテーブルとの間で乗り移りさせることができるのであるが、この場合に必要な摩擦駆動手段である摩擦駆動輪とバックアップローラーとをターンテーブル上に搭載しないで床側に搬送台車送り込み手段と搬送台車送り出し手段とに分けて設置するので、ターンテーブルに必要な強度を下げて、薄型軽量のターンテーブルとして容易に実施することができる。又、ターンテーブル回転時に摩擦駆動手段が邪魔にならないようにする必要があるが、この請求項7に記載の構成によれば、駆動源を持たないバックアップローラー側のみを移動させれば良いので、搬送台車駆動手段を含むターンテーブル全体の構成が一層簡単になり、安価に実施することができる。又、ターンテーブル上の走行経路が接続していない上手側走行経路の端部には搬送台車落ち止め用の常閉ストッパーが必要になるが、この場合、請求項7に記載の構成によれば、前記常閉ストッパーをターンテーブル接続時に自動的に非作用位置に切り換えるアクチェーターとして、ターンテーブルへの搬送台車送り込み手段におけるバックアップローラーをターンテーブル回転に先立って退出移動させるためのアクチェーターで兼用させることができ、常閉ストッパー専用のアクチェーターを設ける場合よりも制御が簡単になり、設備コストも下げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明の具体的実施例を添付図に基づいて説明すると、図1において、1は搬送台車であって、左右一対のガイドレール2a,2bで構成された循環走行経路上を走行する。当該循環走行経路は、それぞれ直線状で互いに並列する往行経路部3と復行経路部4、両経路部3,4の端部間の横行経路部5,6、及び両経路部3,4の各端部とこれら各端部に隣接する横行経路部5,6の端部とを接続する搬送台車方向転換用のターンテーブル7〜10によって構成されている。この実施形態では、往行経路部3は、その全長の大部分を占める作業区間、即ち、前後の搬送台車1が互いに突き合う連続状態で低速走行する作業区間3Aと、当該作業区間3Aの両端の高速走行区間、即ち、前後の搬送台車1が互いに離されて高速走行する高速走行区間3B,3Cとから構成されており、復行経路部4についてはその利用形態を省略しているが、往行経路部3と同様に構成することもできるし、その全長を高速走行区間とすることができる。
【0015】
而して、作業区間3Aには、その入り口に搬送台車1を定速で推進させる後押し用駆動手段11Aが設けられると共に、出口には搬送台車1を定速で送り出すための制動用駆動手段11Bが設けられている。高速走行区間3B,3Cには、搬送台車1を高速で推進させる高速駆動手段11Cが搬送台車1の全長と同じかまたは若干短い間隔で配設されると共に、各高速走行区間3B,3Cの終端には、搬送台車1の走行速度を一定速度まで減速して送り出す可変速駆動手段11Dが配設されている。更に各横行経路部5,6には、上手側のターンテーブル7〜9から送り出される搬送台車1を一時停止させて、下手側のターンテーブル8〜10が搬送台車受入状態になったときに当該下手側のターンテーブル8〜10に送り込む可変速駆動手段11Dが配設されている。勿論、この各横行経路部5,6の経路長さが長いときは、高速駆動手段11Cも併用される。復行経路部4には駆動手段を図示省略しているが、この復行経路部の利用形態に応じて適当な駆動手段11A〜11Dが配設される。
【0016】
上記の各駆動手段11A〜11Dの配設により、作業区間3A内では前後の搬送台車1が端部どうし互いに当接する状態(突き合い状態)で連続し、作業区間3Aの入り口で後押し用駆動手段11Aによって駆動される最後尾の搬送台車1によって作業区間3A内の全ての搬送台車1が定速で後押し駆動される。このとき、作業区間3Aの出口の制動用駆動手段11Bは、後押し用駆動手段11Aよりも低トルクで且つ当該後押し用駆動手段11Aの駆動速度よりも若干低速で駆動されているもので、作業区間3A内の先頭の搬送台車1に対し制動をかけることにより、後押しされる搬送台車1が慣性で定速以上の速度で走行して搬送台車1間に隙間が生じるのを防止し、作業区間3A内から搬送台車1を定速で1台ずつ送り出している。高速走行区間3B,3C内の各搬送台車1は、前後の搬送台車1間に所定の間隔を保った状態で高速走行し、終端の可変速駆動手段11Dにより一定の低速に減速されて下手側へ送り出される。
【0017】
上記各駆動手段11A〜11Dには、平面形状が走行方向に長い矩形の搬送台車1の左右両側面(摩擦駆動面)を挟む摩擦駆動輪12とバックアップローラー13との組合せから成る摩擦駆動手段が利用されている。摩擦駆動輪12はモーター14によって駆動される。
【0018】
図2〜図4に示すように、搬送台車1は、各走行経路3〜6を構成するために床面上に敷設された左右一対のガイドレール2a,2bの各々に支持される左右一対、前後二組の車輪15と、片側のガイドレール2aの内側に敷設された1本の振れ止め用ガイドレール2cを前後の車輪15の近傍位置で左右両側から挟む左右一対、前後二組の垂直軸ローラー16とによって、各走行経路3〜6に沿って直進可能に支持され、中央上部には昇降自在な被搬送物支持台17を備えると共に、前端には直前の搬送台車1との連結手段18を備えている。この連結手段18は、搬送台車1の前端下側に水平支軸19でシーソー運動可能に軸支された前後方向に長い連結具20を備えたもので、この連結具20は、その後端に重錘部20aとカム従動ローラー20bとが設けられると共に前端には上向きに係止部20cが連設され、図2Cに示すように、後端側(重錘部20aなど、スプリングを併用しても良い)に働く下向きの付勢力で連結具20の後半部が搬送台車1側の受け部材21に受け止められて当該連結具20がほぼ水平の連結姿勢になったとき、係止部20cがこの搬送台車1の前端に当接する直前の搬送台車1の後端左右横方向部材1aの内側に下から入り込んで、当該直前の搬送台車1が先行移動するのを阻止できるように構成されたものである。
【0019】
上記の連結具20は、図2Bに示すように、走行経路側に敷設された連結具開放用カムレール22にカム従動ローラー20bが乗り上げることにより、前記付勢力に抗して係止部20cが下がるように傾動して連結姿勢から開放姿勢に切り換えられ、係止部20cが直前の搬送台車1の後端左右横方向部材1aから下方に離脱し、当該直前の搬送台車1の先行移動を許す状態になる。而して、上記の連結具開放用カムレール22は、図1に示すように、作業区間3Aの入り口部と出口部とに配設され、作業区間3Aの入り口側のカムレール22は、作業区間3Aに進入しょうとする搬送台車1の連結具20を上記の開放姿勢に切り換え、当該搬送台車1の前端が作業区間3Aに進入した最後尾の搬送台車1の後端に当接するのを許すと共に、その後の連結具20の連結姿勢への復帰により当該連結具20の係止部20cを直前の搬送台車1の後端左右横方向部材1aに自動係合させ、作業区間3Aの出口側のカムレール22は、作業区間3Aから退出しようとする前側搬送台車1に連結状態の後側搬送台車1の連結具20を開放姿勢に切り換えて、当該前側搬送台車1の先行移動(後側前進移動)を可能にするものである。
【0020】
次に、図5〜図11に基づいて搬送台車1上の被搬送物支持台17の昇降駆動手段について詳細に説明する。被搬送物支持台17は、この被搬送物支持台17の下側で搬送台車1との間に介装されたクロスリンク機構23により垂直に昇降移動可能に支持されている。このクロスリンク機構23は、走行方向と平行な2つのクロスリンク24a,24bを被搬送物支持台17の下側左右両側に並列配置して構成したものである。
【0021】
クロスリンク機構23が備える左右一対のクロスリンク24a,24bは、中央交叉部が互いに同心状の中央支点軸27で枢着された2本のリンク25a,25b及び26a,26bから成り、各2本のリンク25a〜26bの内、内側になる両リンク25a,26aの前端部は、搬送台車1側の支持フレーム28上に設けられた左右一対の軸受け部材29に互いに同心状の位置固定支点軸30により上下揺動自在に枢着され、当該両リンク25a,26aの後端部は、共通スライド支点軸31によって連結されると共に、当該共通スライド支点軸31の両端に軸支されたローラー32が、被搬送物支持台17の後端部下側に設けられた左右一対の前後方向スライドガイド33に前後方向に転動可能に嵌合されている。各2本のリンク25a〜26bの内、外側になる両リンク25b,26bの前端部は、被搬送物支持台17の前端部下側で前記左右一対の軸受け部材29の真上位置に設けられた左右一対の軸受け部材34に互いに同心状の位置固定支点軸35により上下揺動自在に枢着され、当該両リンク25b,26bの後端部は、共通スライド支点軸36によって連結されると共に、当該共通スライド支点軸36の両端に支承されたローラー37が、搬送台車1側の支持フレーム28上で前記前後方向スライドガイド33の真下位置に設けられた左右一対の前後方向スライドガイド38に前後方向に転動可能に嵌合されている。
【0022】
クロスリンク機構23には、第一被操作部39と第二被操作部40とが併設されている。第一被操作部39は、左右一対のクロスリンク24a,24bを構成する各2本のリンク25a〜26bの内、内側になる両リンク25a,26aから下向きに連設された突出部41a,41bの下端に互いに同心状の左右水平支軸で軸支されたカム従動ローラー42a,42bによって構成されている。前記突出部41a,41bは、両リンク25a,26aの中央支点軸27と共通スライド支点軸31との中間位置で中央支点軸27に近い位置から下方に向けて連設されたもので、図5に示すように被搬送物支持台17が下降限高さにあるとき、搬送台車1から下方に突出してカム従動ローラー42a,42bが床面に近い位置にあるように構成されている。
【0023】
第二被操作部40は、クロスリンク機構23に併設されたトッグルリンク43に軸支された1つのカム従動ローラー44によって構成されている。トッグルリンク43は、長いリンク45と短いリンク46とを中間折曲支点軸47で互いに連結して構成されたもので、各リンク45,46はそれぞれ左右一対のリンク単体45a,45b及び46a,46bから構成され、前記カム従動ローラー44は、内側になる長いリンク45のリンク単体45a,45b間で前記中間折曲支点軸47により支承されている。このトッグルリンク43は、左右一対のクロスリンク24a,24b間のほぼ中央に配置されたもので、長いリンク45の遊端は、クロスリンク24a,24bを構成する内側の両リンク25a,26aの中央支点軸27と共通スライド支点軸31との中間位置に、リンク25a,26a間に左右水平向きに架設された軸状の架設部材(支軸部材)48によって枢着されている。短いリンク46の遊端は、搬送台車1側の支持フレーム28上に付設された軸受け部材49に、クロスリンク24a,24bの中央支点軸27の下方に位置する支軸50によって枢着されている。
【0024】
また、図8、図9、及び図11に示すように、上記のクロスリンク機構23には、被搬送物支持台17を上昇位置でロックするロック手段51が併設されている。このロック手段51は、クロスリンク24a,24bを構成する外側の両リンク25b,26b間に架設された前記共通スライド支点軸36を被係止部52とし、この被係止部52に対して自動係合する左右一対の係止具53を備えたものである。各係止具53は、第一被操作部39の左右一対のカム従動ローラー42a,42bと第二被操作部40の1つのカム従動ローラー44との中間に位置するように、第二被操作部40に対して左右振り分け状態に配置された同一構造のもので、それぞれは、搬送台車1側の支持フレーム28上に設けられた軸受け部材54に互いに同心状の左右水平向きの支軸55により上下揺動自在に軸支され、各係止具53に付設された当接部材56が前記軸受け部材54に受け止められるホームポジションに重力により保持されている。また、各係止具53には、下向きにアーム部53aが一体に連設され、このアーム部53aの下端に互いに同心状の左右水平支軸を介してカム従動ローラー57が軸支されている。このカム従動ローラー57は、搬送台車1の底面よりも下方に突出している。
【0025】
被搬送物支持台17は、通常は重力により図5に示す下降位置まで降下して安定している。このときの被搬送物支持台17の高さは、搬送台車1側に立設した高さ調整可能な支持具(従来周知のもので、図示省略している)によって決めることができる。このように被搬送物支持台17が下降位置にあるときは、クロスリンク機構23の左右一対のクロスリンク24a,24bは、図5に示すように倒伏状態にあって、第一被操作部39の左右一対のカム従動ローラー42a,42bは、搬送台車1の底面から下方に最大量突出している。そして第二被操作部40のカム従動ローラー44は、第一被操作部39のカム従動ローラー42a,42bと殆ど同一のレベルにあって、当該カム従動ローラー44を備えたトッグルリンク43は、両リンク45,46の遊端支点(架設部材(支軸部材)48及び支軸50)が何れもカム従動ローラー44に対して搬送台車1の走行方向の後方に位置するように、折り畳まれている。従ってこの状態では、カム従動ローラー44を上向きに押し上げてクロスリンク24a,24bを起立させることはできない。
【0026】
一方、搬送台車1の走行経路中の作業区間3Aには、被搬送物支持台昇降制御などのためのカム装置58が併設されている。このカム装置58は、以下に説明するカムレール59A,59B,60及び61から構成されている。具体的に説明すると、作業区間3A(図1参照)の始端部には、図5に示すように、第一被操作部39の左右一対のカム従動ローラー42a,42bを搬送台車1の前進走行に伴って押し上げる左右一対の始端側第一カムレール59Aが敷設され、前記作業区間3Aの終端部には、図10に示すように、降下する第一被操作部39の左右一対のカム従動ローラー42a,42bを受けた後、搬送台車1の前進走行に伴って当該カム従動ローラー42a,42bを降下させる左右一対の終端側第一カムレール59Bが敷設され、更に、前記始端側第一カムレール59Aの終端部付近から前記終端側第一カムレール59Bの始端部付近までの前記作業区間3Aには、第二被操作部40のカム従動ローラー44を搬送台車1の前進走行に伴って押し上げて所定高さに保持する第二カムレール60が敷設されている。
【0027】
而して、搬送台車1が前記作業区間3A内に進入すると、図6に示すように、第一被操作部39の左右一対のカム従動ローラー42a,42bが左右一対の始端側第一カムレール59Aに乗り上げて行き、当該左右一対の始端側第一カムレール59Aが左右一対のカム従動ローラー42a,42bを介して左右一対のクロスリンク24a,24bの内側のリンク25a,26aを突き上げることになる。従って、左右一対のクロスリンク24a,24bが連動して起立運動することになり、当該左右一対のクロスリンク24a,24bで支持されている被搬送物支持台17が水平姿勢を保ったまま上昇移動することになる。
【0028】
図6に示すように、左右一対のカム従動ローラー42a,42bが左右一対の始端側第一カムレール59Aの最上平坦面上に達することにより、被搬送物支持台17が所定の中間高さH1に達するが、この被搬送物支持台17の下降位置から中間高さH1まで上昇する間のクロスリンク24a,24bの起立運動に伴って、トッグルリンク43が図5に示す折り畳み状態からV字状に若干展開し、カム従動ローラー44が後方に殆ど同一レベルで移動することになり、当該トッグルリンク43の遊端支点(架設部材(支軸部材)48及び支軸50)がカム従動ローラー44に対し前後振り分け状に配置される状態になる。従ってこの状態では、カム従動ローラー44を押し上げることにより、トッグルリンク43を更に展開させてクロスリンク24a,24bを起立運動させることができる。
【0029】
カム従動ローラー42a,42bが始端側第一カムレール59Aの最上平坦面上を転動している間に、第二被操作部40のカム従動ローラー44が第二カムレール60への乗り上げを開始するように、第二カムレール60が敷設されている。勿論、始端側第一カムレール59Aには実質的に最上平坦面を無くし、カム従動ローラー42a,42bが始端側第一カムレール59Aの最上位置から外れる直前に第二被操作部40のカム従動ローラー44が第二カムレール60への乗り上げを開始するように構成してあっても良い。
【0030】
而して、搬送台車1の走行に伴って第二被操作部40のカム従動ローラー44が第二カムレール60上に乗り上げて行くと、トッグルリンク43の短いリンク46が支軸50の周りで上方に揺動し、長いリンク45が架設部材(支軸部材)48を介してクロスリンク24a,24bを突き上げて更に起立運動させることになるので、カム従動ローラー44が第二カムレール60の最上平坦面に達したときには、図7に示すように、クロスリンク24a,24bが完全に起立状態になり、被搬送物支持台17が中間高さH1から上昇位置H2まで上昇する。
【0031】
上記のように、クロスリンク24a,24bが起立運動して被搬送物支持台17が上昇せしめられるとき、左右一対のクロスリンク24a,24bにおける上下各共通スライド支点軸31,36がローラー32,37及びスライドガイド33,38を介して水平前方にスライドすることになるが、被搬送物支持台17が上昇位置H2に達する直前に下側の共通スライド支点軸36(被係止部52)がロック手段51の左右一対の係止具53をその先端下側の傾斜面を介して押し上げながら通過し、被搬送物支持台17が上昇位置H2に達したとき、即ち、第二被操作部40のカム従動ローラー44が第二カムレール60の最上平坦面に達したとき、当該下側の共通スライド支点軸36(被係止部52)に対して左右一対の係止具53の凹入係止部53bが上から重力で嵌合係止することになる。勿論、各係止具53を下向きに強制付勢するスプリングを併用しても良い。
【0032】
即ち、搬送台車1が作業区間3Aに進入したとき、下降位置にあった被搬送物支持台17が上昇位置H2まで自動的に上げられるが、このとき上記のようにロック手段51の係止具53が自動的にクロスリンク24a,24bにおける被係止部52(下側の共通スライド支点軸36)に自動係合し、左右一対のクロスリンク24a,24bが起立状態から倒伏運動するのを阻止する。即ち、被搬送物支持台17が上昇位置H2から下降するときの、起立状態のクロスリンク24a,24bの共通スライド支点軸36(被係止部52)の後方へのスライドを、当該共通スライド支点軸36(被係止部52)に嵌合している両係止具53の凹入係止部53bが阻止するので、仮に、被搬送物支持台17を上昇位置に上げておく作業区間3A内を搬送台車1が走行中に、第二カムレール60によって押し上げられているカム従動ローラー44を軸支しているトッグルリンク43が折れ曲がったり破断したりしても、被搬送物支持台17が上昇位置H2から落下するのを防止できる。
【0033】
前記作業区間3Aの終端部直前には、図11に示すように、ロック解除用カム61が敷設されている。このロック解除用カム61は、搬送台車1の走行に伴って係止具53のカム従動ローラー57が乗り上げるように、各係止具53に対応して第二カムレール60の左右両側に配置されたもので、当該ロック解除用カム61にカム従動ローラー57が乗り上げて係止具53が重力に抗して上方に揺動し、当該係止具53の凹入係止部53bがクロスリンク24a,24bの共通スライド支点軸36(被係止部52)から上方に離脱し、起立状態のクロスリンク24a,24bに対するロックが解除される。
【0034】
上記のロック解除動作の後、搬送台車1が前記作業区間3Aの終端部に達し、第二被操作部40のカム従動ローラー44が搬送台車1の走行に伴って第二カムレール60の終端下り勾配部を降下できる状態になるので、被搬送物支持台17が重力でクロスリンク24a,24bを倒伏運動させながら降下することになる。而して、図10に示すように、搬送台車1の走行に伴って被搬送物支持台17が中間高さH1に達したとき、即ち、カム従動ローラー44が第二カムレール60から離れる直前になったとき、第一被操作部39の左右一対のカム従動ローラー42a,42bが左右一対の終端側第一カムレール59Bの最上平坦面で受け止められ、この後の搬送台車1の走行に伴ってカム従動ローラー42a,42bが終端側第一カムレール59Bの下り勾配部を降下できる状態になるので、被搬送物支持台17が重力でクロスリンク24a,24bを倒伏運動させながら中間高さH1から更に降下することになる。そして搬送台車1が前記作業区間3Aから出たとき、カム従動ローラー42a,42bが終端側第一カムレール59Bから離れ、クロスリンク24a,24bが完全に倒伏して被搬送物支持台17はホームポジションである下降位置に復帰することになる。
【0035】
尚、カム装置58には、図4Bに示す台車浮き上がり防止用カムレール62を追加することができる。即ち、搬送台車1の底部の適当箇所、好ましくは、側面視で被搬送物支持台17のセンター真下位置、正面視で搬送台車1の左右巾方向のセンターに対する左右対称2箇所に、搬送台車1の底部に出来る限り接近させて水平支軸でバックアップローラー63を軸支し、これら左右一対のバックアップローラー63に被さって搬送台車1の浮き上がりを防止する左右一対の台車浮き上がり防止用カムレール62を敷設することができる。この台車浮き上がり防止用カムレール62は、第一カムレール59や第二カムレール60によって被搬送物支持台17が搬送台車1の走行に伴って押し上げられるとき、被搬送物支持台17にかかる荷重が制限荷重を超えるときような場合に、被搬送物支持台17が搬送台車1に対して上昇しないで搬送台車1自体が浮き上がってしまうのを防止する効果が期待できる。
【0036】
以上の構成から、作業区間3Aに送り込まれた搬送台車1は、先行する直前の搬送台車1の後端に前端が当接する突き合い状態になると共に連結手段18により連結され、そして被搬送物支持台17が上昇位置に上げられた状態で後押し駆動により定速(低速)走行することになり、この間に搬送台車1上に乗り込んだ作業者により被搬送物支持台17上に載置されている被搬送物に対する部品組み付け作業などが行われる。そして作業区間3Aの終端に達した先頭の搬送台車1から、被搬送物支持台17が下降位置まで下げられると共に直後の搬送台車1の連結手段18による当該直後の搬送台車1との連結が解除され、高速駆動に切り換えられて直後の搬送台車1から切り離され、作業区間3Aから退出することになる。この後、搬送台車1は、既に図1に基づいて説明したように、可変速駆動手段11Dによりターンテーブル7上に送り込まれるのであるが、このターンテーブル7の構成を以下に説明する。
【0037】
ターンテーブル7は、図1、図12〜図16に示すように、ターンテーブル7上の搬送台車走行経路を構成する左右一対のガイドレール64a,64b、当該両ガイドレール64a,64bをその内側で連結一体化する中間フレーム65、この中間フレーム65を回転可能に軸支するために床側から突設された垂直支軸66、各ガイドレール64a,64bの外側で垂直支軸66から等距離にあるレール長さ方向の中間各2箇所に、前記垂直支軸66と直交する水平支軸により軸支された支持用ローラー67a〜67d、片側のガイドレール64bの外側に取り付けられた2つの支持用ローラー67c,67dを回転駆動するモーター68a,68b、各ガイドレール64a,64bの両端外側にそれぞれ前記垂直支軸66と直交する水平支軸により軸支された支持用補助ローラー69a〜69d、及び両ガイドレール64a,64bの両端間で中間フレーム65に取り付けられた台車落ち止め用ストッパー70a,70bを備えている。尚、中間フレーム65は、両ガイドレール64a,64bどうしを連結する複数本の連結材65aとこれら連結材65a間に架設された斜め補強材65b、及び中央位置にある2本の連結材65a間に架設されて前記垂直支軸66の軸受けを備えた軸受け板65cから構成されたもので、ガイドレール64a,64bの底面からは高さ範囲内に納まるように構成されている。尚、中間フレーム65上には、往行経路部3や横行経路部5の振れ止め用ガイドレール2cに接続する振れ止め用ガイドレール64cがガイドレール64aの内側に隣接して敷設されている。
【0038】
ターンテーブル7の床側には、環状支持板71、ターンテーブル回転制限用ストッパー72a,72b、及び補助支持板73a〜73dが配設されている。環状支持板71は、各支持用ローラー67a〜67dを転動自在に支持するための支持案内面74を構成するために前記垂直支軸66と同心状に床面上に敷設されている。ターンテーブル回転制限用ストッパー72aは、図12に示すように、両ガイドレール64a,64bの一端(台車落ち止め用ストッパー70a側の端部)が往行経路部3のガイドレール2a,2bと接続したときに、横行経路部5側に位置する一方のガイドレール64aの往行経路部3側の端部近傍側面に当接するように床面上に突設されている。ターンテーブル回転制限用ストッパー72bは、図13に示すように、両ガイドレール64a,64bの他端(台車落ち止め用ストッパー70b側の端部)が横行経路部5のガイドレール2a,2bと接続したときに、往行経路部3側に位置する他方のガイドレール64bの横行経路部5側の端部近傍側面に当接するように床面上に突設されている。補助支持板73a,73bは、図12に示すように、ターンテーブル7の回転が前記ターンテーブル回転制限用ストッパー72aで制限されたとき、往行経路部3に隣接する側の左右一対の支持用補助ローラー69a,69cが乗り上がって、ターンテーブル7上の両ガイドレール64a,64bの一端を往行経路部3のガイドレール2a,2bの端部と同一レベルにレベル出しする補助支持案内面75を構成するために床面上に各別に敷設されている。補助支持板73c,73dは、図13に示すように、ターンテーブル7の回転が前記ターンテーブル回転制限用ストッパー72bで制限されたとき、横行経路部5に隣接する側の左右一対の支持用補助ローラー69b,69dが乗り上がって、ターンテーブル7上の両ガイドレール64a,64bの他端を横行経路部5のガイドレール2a,2bの端部と同一レベルにレベル出しする補助支持案内面76を構成するために床面上に敷設されている。
【0039】
台車落ち止め用ストッパー70a,70bは、図17に示すように、中間フレーム65の連結材65aにガイドレール64a,64bと平行な水平支軸77により中間位置が軸支されたストッパー本体78と、このストッパー本体78の下端部に軸支されたカム従動ローラー79とから成り、カム従動ローラー79側に働く重力(スプリングを併用しても良い)により図17Bに示す起立作用姿勢に保持されており、この起立作用姿勢にあるストッパー本体78の上端部が、ターンテーブル7上に乗り移った搬送台車1がガイドレール64a,64b上から落下するのを阻止する。而して、床側には、図12に示すように、ターンテーブル7の回転が前記ターンテーブル回転制限用ストッパー72aで制限されたとき、及び図13に示すように、ターンテーブル7の回転が前記ターンテーブル回転制限用ストッパー72bで制限されたときのそれぞれにおいて、図17Aに示すように前記カム従動ローラー79が乗り上がってストッパー本体78が搬送台車1の走行経路下側に退避する非作用姿勢に回倒するように、カムレール80a,80bが敷設されている。
【0040】
上記構成から明らかなように、ターンテーブル7は、支持用ローラー67c,67dをモーター68a,68bにより正逆回転駆動することにより、ガイドレール64a,64bの一端が往行経路部3のガイドレール2a,2bに接続する搬送台車受取位置(図12参照)と、ガイドレール64a,64bの他端が横行経路部5のガイドレール2a,2bに接続する搬送台車送出位置(図13参照)との間の90度の範囲内で正逆回転させることができ、ターンテーブル7が搬送台車受取位置にあるとき、往行経路部3からターンテーブル7上に搬送台車1を送り込み、ターンテーブル7が搬送台車送出位置にあるとき、ターンテーブル7上から横行経路部5へ搬送台車1を送り出すことができるのであるが、自走手段を持たない上記搬送台車1をターンテーブル7上へ送り込むための搬送台車送り込み手段81と、ターンテーブル7上から横行経路部5へ当該搬送台車1を送り出すための搬送台車送り出し手段82とが、床側に配設されている。
【0041】
搬送台車送り込み手段81は、搬送台車受取位置(図12参照)にあるターンテーブル7上の定位置にある搬送台車1の後端部左右両側面を挟む摩擦駆動輪83とバックアップローラー84、及び摩擦駆動輪83を駆動するモーター83aを備え、搬送台車送り出し手段82は、搬送台車送出位置(図13参照)にあるターンテーブル7上の定位置にある搬送台車1の前端部左右両側面を挟む摩擦駆動輪85とバックアップローラー86、及び摩擦駆動輪85を駆動するモーター85aを備えている。而して、搬送台車送り込み手段81の摩擦駆動輪83は、ターンテーブル7上の搬送台車1が当該ターンテーブル7の搬送台車送出位置への回転により離れて行く側に配設され、前記搬送台車送り出し手段82の摩擦駆動輪85は、ターンテーブル7上の搬送台車1が当該ターンテーブル7の搬送台車受取位置への回転により接近してくる側に配設され、それぞれのバックアップローラー84,86は、ターンテーブル7の回転による当該ターンテーブル7上の搬送台車1の回転空間の内側から外側に退出自在に構成されている。即ち、図18Aの搬送台車送り込み手段81側のバックアップローラー84のように、各バックアップローラー84,86は、これらバックアップローラー84,86が当接する搬送台車1の側面と平行に往復動自在に支持され且つシリンダーユニット87により往復駆動される可動台88の先端部上に軸支されており、シリンダーユニット87で可動台88を往復駆動することにより、バックアップローラー84,86が搬送台車1の側面に当接する作用位置と、ターンテーブル7の回転による当該ターンテーブル7上の搬送台車1の回転空間から退出した非作用位置とに切り換えることができる。
【0042】
尚、ターンテーブル7上の搬送台車1を当該ターンテーブル7上の定位置(図12及び図13の仮想線参照)にロックするための搬送台車位置決め手段89がターンテーブル7上に設けられている。この搬送台車位置決め手段89は、ターンテーブル7上の定位置に停止した搬送台車1の側面適当箇所に設けられた被係止部に対して係脱自在な係止ピンをシリンダーユニットなどの適当なアクチェーターで駆動するようにしたもので良いが、ターンテーブル7を低床構造とするために、係止ピンは水平方向にシリンダーユニットで出退駆動されるものが望ましい。
【0043】
往行経路部3のターンテーブル7側の端部には、ターンテーブル7が図12に示す搬送台車受取位置で待機していない状態で当該往行経路部3から搬送台車1がターンテーブル7側へ遊動して往行経路部3上から落ちるのを防止する起伏自在な常閉ストッパー90が設けられている。この常閉ストッパー90は、図18に示すように、搬送台車送り込み手段81におけるバックアップローラー84を出退移動させる可動台88の内側に隣接して設けられたもので、水平支軸91により起立作用姿勢と上端が後方下方に倒伏した倒伏非作用姿勢との間でのみ起伏自在に軸支されると共に下端部92aに作用する重力(スプリングを併用しても良い)で起立作用姿勢に保持されるストッパー本体92から構成され、このストッパー本体92の下端部92aに軸支されたカム従動ローラー93を介して当該ストッパー本体92を倒伏非作用姿勢に切り換えるカムレール94が、この常閉ストッパー90に隣接する前記可動台88に取り付けられている。このカムレール94は、ターンテーブル7が図12に示す搬送台車受取位置に回転復帰した状態でシリンダーユニット87が可動台88を進出移動させ、バックアップローラー84を摩擦駆動輪83に対面する作用位置に切り換えたとき、図18Bに仮想線で示すように、当該可動台88の進出移動に連動してカム従動ローラー93を前方上方に押し上げ、ストッパー本体92を倒伏非作用姿勢に切り換える。従って、ターンテーブル7を回転させるためにバックアップローラー84が可動台88により退出移動されたときは、カムレール93もカム従動ローラー93の真下位置から後方に後退移動し、ストッパー本体92が付勢力により起立作用姿勢に自動復帰し、往行経路部3の終端部からターンテーブル7側への搬送台車1の遊動を阻止することができる。
【0044】
更にターンテーブル7には、当該ターンテーブル7を図12に示す搬送台車受取位置でロックするターンテーブル位置決め手段95と、当該ターンテーブル7を図13に示す搬送台車送出位置でロックするターンテーブル位置決め手段96とが併設されている。これら両ターンテーブル位置決め手段95,96は、ターンテーブル7上の片側のガイドレール64aの両端外側に突設された位置決め用被係止部97a,97bを利用するもので、ターンテーブル位置決め手段95は、図12に示す搬送台車受取位置で停止したターンテーブル1の前記位置決め用被係止部97aに対して係脱自在な係止具95aと、当該係止具95aを出退移動させるシリンダーユニット95bとから構成され、ターンテーブル位置決め手段96は、図13に示す搬送台車送出位置で停止したターンテーブル1の前記位置決め用被係止部97bに対して係脱自在な係止具96aと、当該係止具96aを出退移動させるシリンダーユニット96bとから構成されている。位置決め用被係止部97a,97bは、図19に示すように、ガイドレール64aから突設させた上下両側板98a間に左右一対の垂直軸ローラー98b,98cを適当間隔を隔てて軸支したもので、両垂直軸ローラー98a,98b間に先の尖った厚板状の係止具95a,96aが進入することにより、ターンテーブル7が精度良く位置決めされるように構成されている。
【0045】
往行経路部3の終端から上記構成のターンテーブル7上に搬送台車1が送り込まれるのであるが、図1に示すように往行経路部3の終端部、即ち、高速走行区間3Bの終端付近には、ターンテーブル7に送り出される前の搬送台車1上の被搬送物支持台17を、作業区間3Aへの送り込み時と同様に、図4Aに示す下降位置から図4Bに示す上昇位置に切り換えるためのカム装置99が配設されている。このカム装置99は、作業区間3Aに配設されたカム装置58、即ち、図5〜図11に基づいて詳細を説明したカム装置58の内、始端側第一カムレール59Aと第二カムレール60とを利用したもので、搬送台車1がターンテーブル7上に乗り移る前に被搬送物支持台17を当該搬送台車1の走行に伴って上昇位置に切り換えるのであるが、第二カムレール60は被搬送物支持台17を上昇位置に切り換え終わるまでの領域にのみ敷設され、被搬送物支持台17がロック手段51により上昇位置に保持された状態で搬送台車1がターンテーブル7側へ送り出されるように構成している。
【0046】
上記構成によれば、図12に示す搬送台車受取位置に復帰したターンテーブル7がターンテーブル位置決め手段95により当該搬送台車受取位置にロックされて、ターンテーブル7側のガイドレール64a,64bが往行経路部3側のガイドレール2a,2bに接続すると共に、ターンテーブル7上の往行経路部3に隣接する側の台車落ち止め用ストッパー70aがカムレール80aにより倒伏非作用姿勢に切り換えられ、更に搬送台車送り込み手段81のバックアップローラー84が進出作用位置に切り換えられると共に往行経路部3の終端の常閉ストッパー90がバックアップローラー84の進出移動に伴って倒伏非作用位置に切り換えられたとき、ターンテーブル7の搬送台車受入準備が完了するので、この状態において、往行経路部3の終端部、即ち、高速走行区間3Bの終端の可変速駆動手段11Dの位置で待機しているか又は当該可変速駆動手段11Dの位置に到着する搬送台車1を、カム装置99により被搬送物支持台17を上昇位置に上げた状態で可変速駆動手段11Dによりターンテーブル7側に送り出すことができる。従って、搬送台車送り込み手段81の摩擦駆動輪83をモーター83aにより台車送り込み方向に駆動しておくことにより、可変速駆動手段11Dから離れる直前に当該搬送台車1を搬送台車送り込み手段81の摩擦駆動輪83と進出作用位置にあるバックアップローラー84とに引き継がせて連続的に摩擦駆動し、当該搬送台車1をターンテーブル7のガイドレール64a,64b上に乗り移らせることができる。搬送台車1がターンテーブル7上の定位置で停止させたならば、搬送台車位置決め手段89により当該搬送台車1を定位置にロックする。
【0047】
上記のように搬送台車1をターンテーブル7上に乗り移らせるとき、当該搬送台車1の被搬送物支持台17は上昇位置に切り換えられた状態であるから、図4Aに示すように、被搬送物支持台17が下降位置にあったときには搬送台車1の底部下に大きく突出していた被搬送物支持台昇降操作用の各カム従動ローラー42a,42b,44が搬送台車1の底面より上方か又は若干底部下に突出する程度になっており、従ってターンテーブル7を、図示及び上記説明の通り、ガイドレール64a,64bどうしをその高さの範囲内で連結する中間フレーム65により連結し、この中間フレーム65を床面上に突設された垂直支軸66で軸支して成る低床構造とすることができたのである。
【0048】
搬送台車1がターンテーブル7上の定位置に送り込まれて搬送台車位置決め手段89によりロックされたならば、ターンテーブル位置決め手段95の係止具95aをシリンダーユニット95bによりターンテーブル1側の位置決め用被係止部97aから退出させてターンテーブル7のロックを解除すると共に、搬送台車送り込み手段81のバックアップローラー84をシリンダーユニット87により後退非作用位置に切り換える。このとき、搬送台車送り出し手段82のバックアップローラー86も、図12に示すように後退非作用位置に切り換えられている。この結果、ターンテーブル7が図12のターンテーブル回転制限用ストッパー72aから離れる方向に回転するときに当該ターンテーブル7上の定位置にある搬送台車1が搬送台車送り込み手段81のバックアップローラー84や搬送台車送り出し手段82のバックアップローラー86と干渉することは回避されるので、ターンテーブル7が備える2つの支持用ローラー67c,67dをモーター68a,68bで回転駆動し、ターンテーブル7を、図13に示すようにターンテーブル回転制限用ストッパー72bで制限される搬送台車送出位置まで90度回転させて、搭載する搬送台車1の向きを90度転換し、当該搬送台車1の前端を横行経路部5に向けた状態で停止させることができる。このターンテーブル7の回転中、当該ターンテーブル7上の走行経路(ガイドレール64a,64b)の両端は、何れも起立作用姿勢にある台車落ち止め用ストッパー70a,70bによって閉じられており、仮に搬送台車位置決め手段89の動作不良などにより搬送台車1が定位置でロックされない状況が生じても、当該搬送台車1がターンテーブル7上から不測に脱落する恐れはない。
【0049】
ターンテーブル7を搬送台車送出位置まで90度回転させたならば、図13に示すように、ターンテーブル位置決め手段96の係止具96aをシリンダーユニット96bにより進出させてターンテーブル1側の位置決め用被係止部97bに係合させ、ターンテーブル7を搬送台車送出位置でロックし、その後、搬送台車送り出し手段82のバックアップローラー86をシリンダーユニット87により進出させて作用位置に切り換える。このとき、ターンテーブル7上の横行経路部5に隣接する側の台車落ち止め用ストッパー70bがカムレール80bにより倒伏非作用姿勢に切り換えられており、ターンテーブル7上のガイドレール64a,64bは横行経路部5のガイドレール2a,2bに接続状態にあるので、ターンテーブル7上の搬送台車位置決め手段89による搬送台車1のロックを解除することにより、当該ターンテーブル7上の搬送台車1を往行経路部5側へ送り出すことが可能な状態になる。従って、当該ターンテーブル7上の搬送台車1の前端左右両側面をバックアップローラー86との間で挟み付けている搬送台車送り出し手段82の摩擦駆動輪85をモーター85aで搬送台車送り出し方向に回転駆動することにより、ターンテーブル7上の搬送台車1を横行経路部5のガイドレール2a,2b上に送り出すことができる。
【0050】
搬送台車1の送り出しが完了したならば、ターンテーブル位置決め手段96によるターンテーブル7のロックを解除すると共に、搬送台車送り出し手段82のバックアップローラー86を後退非作用位置に切り換えた後、ターンテーブル7の2つの支持用ローラー67c,67dをモーター68a,68bで逆回転駆動し、ターンテーブル7を、図12に示すようにターンテーブル回転制限用ストッパー72aで制限される搬送台車受取位置まで90度逆回転させて、次の搬送台車1の方向転換に備えさせることができる。このターンテーブル7の搬送台車受取位置への逆回転駆動時には当該ターンテーブル7上に搬送台車1が搭載されていないので、搬送台車送り込み手段81のバックアップローラー84が前以って進出作用位置に戻されていても問題なくターンテーブル7を搬送台車受取位置まで回転復帰させることができる。
【0051】
ターンテーブル7上から横行経路部5に送り出された搬送台車1は、次の搬送台車方向転換用のターンテーブル8が搬送台車受入準備完了したときに当該横行経路部5の可変速駆動手段11Dによりターンテーブル8に送り込まれるが、このターンテーブル8及びこれより下手側の各ターンテーブル9,10は、各ターンテーブル8〜10が搬送台車1を受け入れる上手側走行経路と各ターンテーブル8〜10が方向転換後の搬送台車1を送り出す下手側走行経路とが、上記の往行経路部3と横行経路部5との間のターンテーブル7と異なるだけで、構造及び作用は同一である。従って、ターンテーブル8に送り込まれた搬送台車1を、各ターンテーブル8〜10で搬送台車1を90度方向転換し、前端を各ターンテーブル8〜10の下手側走行経路(復行経路部4、横行経路部6、及び往行経路部3)に向けた状態で当該下手側走行経路に送り出しながら、復行経路部4及び横行経路部6を経由させて往行経路部3の始端部に送り出させることができる。
【0052】
搬送台車1は、往行経路部3の終端部でカム装置99により被搬送物支持台17が上昇位置まで上げられてロック手段51により保持された状態であるから、ターンテーブル7〜10上を通過するときのみ搬送台車1の被搬送物支持台17を上昇位置まで上げておくためには、各ターンテーブル7〜10の上手側走行経路の終端部に前記カム装置99を配設し、各ターンテーブル7〜10の下手側走行経路の始端部に、作業区間3Aに併設したカム装置58のロック解除用カム60、終端側第一カムレール59B、及び第二カムレール60の終端部から成るカム装置100を配設すれば良いが、図1のレイアウトでは横行経路部5,6の経路長が短いため、この横行経路部5,6にはカム装置99,100を配設しないで、ターンテーブル7の上手側走行経路(往行経路部3)の終端部とターンテーブル9の上手側走行経路(復行経路部4)の終端部とに、被搬送物支持台17を上昇位置に切り換えるカム装置99を配設し、ターンテーブル8の下手側走行経路(復行経路部4)の始端部とターンテーブル10の下手側走行経路(往行経路部3)の始端部とに、被搬送物支持台17を上昇位置から下降位置に戻すカム装置100を配設している。
【0053】
上記構成により、往行経路3の終端部から復行経路4の始端部までのターンテーブル7,8及び横行経路部5を経由する方向転換経路と、復行経路4の終端部から往行経路部3の始端部までのターンテーブル9,10及び横行経路部6を経由する方向転換経路とにおいては、搬送台車1は被搬送物支持台17を上昇位置に保持したまま走行することになり、全てのターンテーブル7〜10を低床構造に構成することができる。
【0054】
尚、ターンテーブル7〜10上を走行通過する搬送台車1の被搬送物支持台17を上昇位置に保持するために、搬送台車1側のロック手段51を利用したが、ターンテーブル7〜10の中間フレーム65上に第二カムレール60を敷設するならば、ロック手段51は、作業区間3Aにおけるロック手段51の役割と同様に、ターンテーブル7〜10上を走行通過する搬送台車1の被搬送物支持台17の不測の事故による落下防止対策として利用することができる。更に、作業区間3Aの終端部で被搬送物支持台17を上昇位置から下降位置に下げ、これに続く高速走行区間3Bの終端部でカム装置99により再び被搬送物支持台17を上昇位置に切り換えるように構成したが、高速走行区間3Bの経路長が短いなど、状況によっては作業区間3Aの終端部で被搬送物支持台17を下降位置に下げないで被搬送物支持台17を上昇位置に保持させたまま、高速走行区間3Bからターンテーブル7上に搬送台車1を乗り移らせるように構成することも可能である。又、ターンテーブル7に搬送台車1が乗り移る前に被搬送物支持台17上から被搬送物が下ろされ、空の搬送台車1がターンテーブル7で方向転換されるようなレイアウトにおいても、本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】レイアウトの全体を示す一部切欠き平面図である。
【図2】A図は搬送台車の全体構成を説明する概略の一部縦断側面図、B図は連結手段の連結作用前の状態を示す要部の縦断側面図、C図は同連結手段の連結状態を示す要部の縦断側面図である。
【図3】搬送台車の全体構成を説明する概略の平面図である。
【図4】A図は被搬送物支持台が下降位置にある状態での搬送台車の背面図、B図は被搬送物支持台が上昇位置にある状態での搬送台車の背面図である。
【図5】被搬送物支持台が下降位置から上昇開始する直前の状態を示す要部の縦断側面図である。
【図6】被搬送物支持台が中間高さまで上昇したときの状態を示す要部の縦断側面図である。
【図7】被搬送物支持台が上昇位置に達したときの状態を示す要部の縦断側面図である。
【図8】図7の状態での縦断背面図である。
【図9】被搬送物支持台が下降位置にあるときの状態を示す要部の平面図である。
【図10】被搬送物支持台が上昇位置から中間高さまで下げられたときの状態を示す要部の縦断側面図である。
【図11】A図は被搬送物支持台が上昇位置でのロックを解除される直前の状態を示す要部の縦断側面図、B図は被搬送物支持台が上昇位置でのロックを解除されたときの状態を示す要部の縦断側面図である。
【図12】搬送台車の方向転換用ターンテーブルが上手側走行経路に接続している状態を示す平面図である。
【図13】搬送台車の方向転換用ターンテーブルが下手側走行経路に接続している状態を示す平面図である。
【図14】図12の要部側面図である。
【図15】図12のターンテーブル本体部分を示す正面図である。
【図16】図12のターンテーブル本体部分と搬送台車送り込み手段とを示す正面図である。
【図17】A図はターンテーブル前後両端の台車落ち止め用ストッパーが倒伏非作用姿勢にあるときの状態を示す要部の正面図、B図は同台車落ち止め用ストッパーが起立作用姿勢にあるときの状態を示す要部の正面図である。
【図18】A図はターンテーブルに併設の搬送台車送り込み手段におけるバックアップローラーの出退駆動手段と往行経路部上からの搬送台車落ち止め用常閉ストッパーとを示す平面図、B図は同常閉ストッパーのみを示す側面図である。
【図19】ターンテーブル位置決め手段を示す平面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 搬送台車
2a,2b ガイドレール
2c 振れ止め用ガイドレール
3 往行経路部
3A 作業区間
3B,3C 高速走行区間
4 復行経路部
5,6 横行経路部5,6
7〜10 搬送台車方向転換用のターンテーブル
11A 後押し用駆動手段
11B 制動用駆動手段
11C 高速駆動手段
11D 可変速駆動手段
12,83,85 摩擦駆動輪
13,84,86 バックアップローラー
14,83a,85a 摩擦駆動輪の駆動用モーター
15 車輪
16 振れ止め用垂直軸ローラー
17 昇降自在な被搬送物支持台
18 連結手段
20 連結具
22 連結具開放用カムレール
22b 連結具開放用カム従動ローラー
23 被搬送物支持台昇降用クロスリンク機構
24a,24b クロスリンク
33,38 スライドガイド
39 第一被操作部
40 第二被操作部
42a,42b 第一被操作部のカム従動ローラー
43 トッグルリンク
44 第二被操作部のカム従動ローラー
51 被搬送物支持台のロック手段
52 ロック手段用被係止部
53 ロック手段用係止具
57 ロック手段用係止具のカム従動ローラー
58,99,100 被搬送物支持台昇降制御用カム装置
59A 始端側第一カムレール
59B 終端側第一カムレール
60 第二カムレール
61 ロック解除用カム
62 台車浮き上がり防止用カムレール
63 台車浮き上がり防止用バックアップローラー
64a,64b ターンテーブル上のガイドレール
65 中間フレーム
66 ターンテーブルの回転中心垂直支軸
67a〜67d ターンテーブル支持用ローラー
68a,68b ターンテーブル駆動用モーター
69a〜69d ターンテーブル支持用補助ローラー
70a,70b 台車落ち止め用ストッパー
71 環状支持板
72a,72b ターンテーブル回転制限用ストッパー
74 支持案内面
75,76 補助支持案内面
78 ストッパー本体
79 カム従動ローラー
80a,80b 台車落ち止め用ストッパーの制御用カムレール
81 搬送台車送り込み手段
82 搬送台車送り出し手段
87 バックアップローラー出退駆動用シリンダーユニット
88 可動台
89 搬送台車位置決め手段
90 常閉ストッパー
92 ストッパー本体
93 カム従動ローラー
94 常閉ストッパーの制御用カムレール
95,96 ターンテーブル位置決め手段
95a,96a 係止具
95b,96b 係止具出退駆動用シリンダーユニット
97a,97b 位置決め用被係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定走行経路上を走行可能な搬送台車上に下降位置と上昇位置との間で昇降可能な被搬送物支持台が設けられ、当該搬送台車の底部には前記被搬送物支持台と連動して上下動するカム従動ローラーが設けられ、前記搬送台車の走行経路中には、前記カム従動ローラーを押し上げるカムレールを備え且つ被搬送物支持台が上昇位置に保持される作業区間が設けられた台車式搬送装置において、前記作業区間より下手の走行経路には搬送台車の方向転換用ターンテーブルが配設され、少なくともこのターンテーブルに進入する直前から回転した当該ターンテーブルより退出し終わるまでの搬送台車の前記被搬送物支持台を上昇位置に保持させておく被搬送物支持台上昇位置保持手段が設けられた、台車式搬送装置。
【請求項2】
搬送台車には、被搬送物支持台を上昇位置でロックする手段が設けられ、走行経路中の被搬送物支持台を下降位置まで下げる位置には前記ロック手段のロック解除手段が配設され、前記被搬送物支持台上昇位置保持手段が前記ロック手段で構成されている、請求項1に記載の台車式搬送装置。
【請求項3】
前記作業区間とターンテーブルとの間には、被搬送物支持台を下降位置に下げた状態で高速走行させる高速走行区間が設けられ、前記ターンテーブルの直前位置には前記カム従動ローラーを押し上げるカムレールが配設されている、請求項1又は2に記載の台車式搬送装置。
【請求項4】
前記ターンテーブルは、このターンテーブル上の搬送台車走行経路を構成する左右一対のガイドレール、当該両ガイドレールをその内側で連結一体化する中間フレーム、この中間フレームを回転可能に軸支するために床側から突設された垂直支軸、前記両ガイドレールの外側に取り付けられ且つ床側の支持案内面上を転動する複数の支持用ローラー、及びこれら支持用ローラーの内の少なくとも1つを回転駆動するモーターから構成されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の台車式搬送装置。
【請求項5】
前記ターンテーブルの支持用ローラーは、両ガイドレールの長さ方向の中間位置に取り付けられ、両ガイドレールの端部には別の支持用補助ローラーが取り付けられ、ターンテーブル上の搬送台車走行経路が上手側走行経路又は下手側走行経路に接続したときに当該走行経路の端部に隣接する前記支持用補助ローラーを介して前記ガイドレール端部をレベル出しする補助支持案内面が床側に設けられている、請求項4に記載の台車式搬送装置。
【請求項6】
上手側走行経路から前記ターンテーブル上への搬送台車送り込み手段と前記ターンテーブル上から下手側走行経路への搬送台車送り出し手段とが床側に配設され、これら床側の搬送台車送り込み手段と搬送台車送り出し手段とは、搬送台車に設けられた走行方向と平行な左右両側面の一方に圧接する摩擦駆動輪と他方に当接するバックアップローラーとから成り、前記ターンテーブルは、このターンテーブル上の搬送台車走行経路の一端が上手側走行経路に接続する位置と当該ターンテーブル上の搬送台車走行経路の他端が下手側走行経路に接続する位置との間の範囲を正逆回転駆動され、前記搬送台車送り込み手段の摩擦駆動輪は、ターンテーブル上に送り込んだ搬送台車がターンテーブルの回転により離れて行く側の床側に配設され、前記搬送台車送り出し手段の摩擦駆動輪は、ターンテーブル上の搬送台車がターンテーブルの回転により接近してくる側の床側に配設され、それぞれのバックアップローラーは、ターンテーブルの回転によるターンテーブル上の搬送台車の回転空間の内側から外側に退出自在に構成されている、請求項1〜5の何れか1項に記載の台車式搬送装置。
【請求項7】
前記ターンテーブル上の搬送台車走行経路が接続する上手側走行経路の端部には、搬送台車落ち止め用の起伏自在な常閉ストッパーが設けられ、前記搬送台車送り込み手段のバックアップローラーの出退移動に連動するカム手段が設けられ、当該カム手段が前記搬送台車送り込み手段のバックアップローラーの退出移動に連動して前記常閉ストッパーを非作用位置に切り換えるように構成されている、請求項6に記載の台車式搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−38896(P2007−38896A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−226199(P2005−226199)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)