説明

合成樹脂製ブロー成形容器。

【課題】デラミボトルの口筒部における外層部分に対して、内層部分を予め剥離させておくと共に、この剥離状態を保持し、デラミボトルにおける外層と内層との間への外気の導入通路を確保し、これにより内容液注出に伴う、容器の不正変形の発生を確実に防止することを目的とする。
【解決手段】デラミボトルにおいて、口筒部4の外層2部分に開口された吸気孔5に、外層2と内層3との間への外気の吸気路を形成する吸気ピン8を挿入組付けし、組付いた吸気ピン8により内層3を外層2内表面から押し離して、外層2と内層3との間に剥離空間Sを形成し、この剥離空間Sを外気の侵入通路とすることにより、外層2と内層3との間への外気の侵入を円滑に達成し、外層2の不正変形の発生を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定形の外殻を形成する合成樹脂製の外層と、この外層に剥離自在に積層し、内袋を形成する可撓性合成樹脂製の内層とから成るブロー成形容器の内、特に容器の口筒部に、外層と内層との間に外気を導入する吸気孔を開設した、易剥離積層合成樹脂製ブロー成形容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
口筒部の外層部分に、外気導入用の吸気孔を開設した、易剥離積層合成樹脂製ブロー成形容器(以下、デラミボトルと記す)が知られているが、この口筒部に吸気孔を開設したデラミボトルにあっては、口筒部における内層部分の肉厚が他の部分に比べて大きいことから、外層部分に対する内層部分の密着程度が強く、このため口筒部における外層部分と内層部分との剥離が円滑に行われず、内部に発生した負圧により、デラミボトルに外観体裁の悪い不正陥没変形が発生する、と云う不都合があった。
【0003】
上記した不都合を解消するものとして、デラミボトルの口筒部における内層部分の上端部を、口筒部の外層部分の上端面との間に所望の隙間を空けてフランジ状に構成し、口筒部に対するポンプ付きキャップ等の組付けを利用して、口筒部における外層部分と内層部分との間にずれ変位を発生させて、この外層部分と内層部分との剥離を促進させ、かつ内層部分のフランジ状となった上端部を、キャップと外層部分との間で強固に挟持することにより、口筒部における外層部分に対する内層部分の安定した組付きを確保する技術が提案されている。
【特許文献1】特開平8−80929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、口筒部の外層部分と内層部分との間に、強制的にずれ変位を発生させることにより、確かに外層部分と内層部分との剥離を促進させることができるのであるが、口筒部における内層部分の肉厚が、他の部分に比べて大きいことから、必ずしもその剥離動作が円滑に達成されるとは限らず、また剥離後に密着状態に復帰して、再剥離動作が円滑に行われない場合がある、と云う問題があった。
【0005】
すなわち、口筒部における内層部分は、その肉厚が大きい分、剛性が高く、このため外層部分からの剥離を達成するための反転湾曲変形に、比較的大きな圧力を必要とし、また上記したように剛性が高いので、弾性復帰力も大きく、このため剥離後に密着状態に簡単に復帰してしまう。
【0006】
口筒部における内層部分が外層部分に再密着しても、外層部分と内層部分とは既に剥離したものであるので、状態に変化がなければ再剥離は容易に達成できるはずであるが、吸気孔に湯水が侵入すると、この湯水の表面張力の作用により、外層部分に対する内層部分の再剥離がきわめて困難となるのである。
【0007】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、デラミボトルの口筒部における外層部分に対して、内層部分を予め剥離させておくと共に、この剥離状態を保持することを技術的課題とし、もってデラミボトルにおける外層と内層との間への外気の導入通路を確保し、これにより内容液注出に伴う、容器の不正変形の発生を確実に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
定形の外殻を形成する合成樹脂製の外層と、この外層に剥離自在に積層し、内袋を形成する可撓性合成樹脂製の内層とから成るブロー成形容器であること、
容器本体の口筒部の外層部分に開口された吸気孔に、外層と内層との間への外気の吸気路を形成する吸気ピンを挿入組付けすること、
この吸気ピンを、容器本体の吸気孔に嵌入組付きする筒状の組付き部と、この組付き部の先端に連設され、この組付き部の吸気孔への挿入組付きにより、外層部分内表面から突出して、吸気孔付近の内層部分を外層部分から押し離して、この内層部分と外層部分との間に剥離空間を形成する突出し部と、を有する構成としたこと、
にある。
【0009】
この請求項1記載の発明にあっては、容器本体の口筒部の外層部分に開設された吸気孔に挿入組付けされた吸気ピンの突出し部が、吸気孔付近の内層部分を外層部分内表面から押し離して、外気が自由に侵入する剥離空間を形成するので、この剥離空間により外層と内層との間への外気の侵入路が確保される。
【0010】
突出し部の内層部分に対する外層部分からの押し離しは、吸気ピンの吸気孔への単純な挿入組付けにより、必然的にかつ簡単に達成され、また吸気孔に対する組付き部の嵌入組付きにより安定して維持されるので、剥離空間は簡単にかつ確実にそして安定した状態で形成される。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、組付き部の、開口部が設けられた基端部の外周に、吸気孔の開孔縁部に突き当たるフランジを周設し、突出し部の、組付き部との連設端部である基端部外周に、挿入組付き保持用の係止条を周設し、さらに少なくとも突出し部の基端部に、組付き部の内部と連通する通気口を開設して、吸気ピンを構成した、ことを加えたものである。
【0012】
この請求項2記載の発明にあっては、フランジにより、吸気孔に対する吸気ピンの挿入組付け限位置を設定し、係止条の吸気孔開口縁に対する乗り越え係止により、吸気孔に対する吸気ピンの挿入組付けを確保し、通気口の形成により、吸気ピンによる吸気路の形成を達成している。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、組付き部の、開口部が設けられた基端部に、口筒部に弾力により抱き付き状に組付く円弧板片状の組付き腕片を連設して、吸気ピンを構成した、ことを加えたものである。
【0014】
この請求項3記載の発明にあっては、組付き腕片が、吸気ピンの吸気孔に対する組付き限位置の設定と、組付き保持との両方の機能を発揮するので、組付き部と突出し部とから構成される本体部分に、上記した機能が要求されず、その分、吸気ピンの本体部分の構造が簡単となる。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の構成に、突出し部を、曲がり変形が容易な細棒状に構成した、ことを加えたものである。
【0016】
この請求項4記載の発明にあっては、細棒状の突出し部が、内層部分の抗力によって曲がり、この曲がった状態のまま外層部分と内層部分との間に位置して剥離空間を形成するので、剥離空間を形成するために、内層部分に無理な力を強力に作用させることがない。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成に、細棒状の突き出し部の基端部近傍を縮径して易屈曲部を形成する構成とした、ことを加えたものである。
【0018】
請求項5記載の構成は、基端部近傍を縮径して易屈曲部を形成することにより、形状面から細棒状の突出し部をその基端部から曲がり易くするものであり、吸気ピンの挿入、内層部分の押し離し過程で、突出し部先端部による内層部分の突き破りを確実に防ぐことができる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の発明の構成に、突出し部の長さを、容器本体の口筒部と肩部との境界部分に達する値に設定した、ことを加えたものである。
【0020】
この請求項5記載の発明にあっては、剥離し難いおよび剥離後再密着し易い、容器本体の口筒部と肩部との境界部分の外層部分と内層部分との間に、細棒状の突出し部が侵入位置して剥離空間を確保するので、口筒部と肩部との境界部分における剥離空間形成の困難性を解消することになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、容器本体の口筒部の外層部分に開設された吸気孔から、外層と内層との間への外気の侵入路を確保することができ、またこの外気の侵入路は、簡単にかつ確実にそして安定した状態で形成されるので、外層に対する内層の円滑な剥離動作を得ることができ、容器本体の負圧による不正変形の発生を皆無とすることができる。
【0022】
請求項2記載の発明にあっては、吸気ピンの吸気孔への挿入組付きを、簡単にかつ安定的に達成でき、また吸気ピン全体の小型化が容易であるので、その取扱いおよび製作を簡単なものとすることができる。
【0023】
請求項3記載の発明にあっては、吸気ピンの、組付き部と突出し部とから構成される本体部分の構造を簡単なものとすることができるので、この吸気ピンの本体部分の小型化を充分に達成することができる。
【0024】
請求項4記載の発明にあっては、剥離空間を形成するために、内層部分に無理な力を強力に作用させることがなく、これにより外気導入路としての剥離空間を安全に形成することができる。
【0025】
請求項5記載の発明にあっては、細棒状の突出し部をその基端部から曲がり易くするものであり、吸気ピンの挿入、内層部分の押し離し過程で、突出し部先端部による内層部分の突き破りを確実に防ぐことができる。
【0026】
請求項6記載の発明にあっては、剥離し難いおよび剥離後再密着し易い、容器本体の口筒部と肩部との境界部分の、吸気孔に連通した剥離空間を確保するので、口筒部と肩部との境界部分における外層と内層との剥離達成の困難性を解消し、外層に対する内層のきわめて円滑な剥離動作を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、注出ポンプ19を組付けた本発明による合成樹脂製ブロー成形容器の実施形態例を示す要部半縦断面図で、合成樹脂製ブロー成形容器は、デラミボトルである容器本体1と、この容器本体1に組付けられる吸気ピン8とから構成されている。
【0028】
容器本体1は、定形の外殻を形成する合成樹脂製の外層2と、この外層2に剥離自在に積層し、内袋を形成する可撓性合成樹脂製の内層3との積層壁構造を有し、有底筒状の胴部7の上端に、上方に縮径したテーパー筒状の肩部6を介して、外周面に螺条を刻設し、この螺条の下位の外層2部分に、吸気孔5を開設した口筒部4を連設した構成となっている。
【0029】
吸気ピン8は、吸気孔5に嵌入組付きする筒状の組付き部9と、この組付き部9の先端に連設され、組付き部9の吸気孔5への挿入組付きにより、口筒部4における外層2部分内表面から突出して、吸気孔5付近の内層3部分を外層2部分から押し離して、内層3部分と外層2部分との間に剥離空間Sを形成する突出し部11と、を有する構成となっている。
【0030】
容器本体1に対する、ノズルヘッド20を有する注出ポンプ19の組付けは、注出ポンプ19の本体部を容器本体1内に挿入した状態で、注出ポンプ19の本体部の上端部に形成された外鍔状の組付きフランジ21を、パッキング片22を介して口筒部4の上端面上に載置し、この組付きフランジ21を、口筒部4にその螺合筒壁17で外装螺合するキャップ16の内鍔状の頂壁片18で口筒部4の上端面に強力に押付けて達成される。
【0031】
図1ないし図3に示した吸気ピン8の第1の実施例(特に、図3参照)は、吸気孔5にほぼ密に嵌入する円筒状の組付き部9の、開口部10を設けた基端部に、組付き部9の吸気孔5に対する嵌入組付き限位置を設定する外鍔状のフランジ13を周設し、筒状となった突出し部11の組付き部9との連設部である基端部の外周に、吸気孔5の孔縁部を乗り越えて内方から係止する係止条14を周設し、さらに係止条14を含めた組付き部9から突出し部11にかけての部分に、スリット孔状の通気口12を一対開設した構成となっている。
【0032】
この吸気ピン8の容器本体1への組付けは、吸気孔5に突出し部11側から、フランジ13が口筒部4の外周面に突き当たると同時に、係止条14が吸気孔5の内側開口縁に係止する位置まで挿入したところで完了する。
【0033】
この吸気ピン8の吸気孔5への挿入組付けに際して、吸気孔5から外層2部分の内表面に突出した突出し部11は、この吸気孔5に対向している内層3部分を、外層2部分内表面から押し離して、この外層2部分から強制的に剥離させるので、これにより吸気孔5に連通する剥離空間Sが外層2と内層3との間に形成される。
【0034】
このように、内層3部分を外層2部分の内表面から強制的に押し離して剥離空間Sを形成する吸気ピン8は、吸気孔5に対する挿入組付きが、フランジ13の外層2外表面への突き当たりと、係止条14の吸気孔5内側開口縁への係止とにより、安定して維持されるので、剥離空間Sの形成は安定して維持されることになる。
【0035】
図4に示した吸気ピン8の第2の実施例は、筒壁にスリット状の通気口12を一対開口した、組付き部9と突出し部11とから成る単純な円筒形状の本体部と、組付き部9の基端部に連設された、口筒部4に弾力により抱き付き状に組付く円弧板片状の組付き腕片15とから構成されている。
【0036】
この吸気ピン8の第2の実施例にあっては、組付き部9と突出し部11とから成る本体部の吸気孔5に対する挿入組付きは、組付き腕片15の口筒部4に対する組付きにより達成維持されるので、本体部は、単に吸気孔5に挿入できるだけでよく、それゆえ構造が簡単で、許容される成形寸法誤差範囲が大きいものとなり、その分、成形が容易である。
【0037】
図5ないし図7に示した吸気ピン8の第3の実施例は、吸気ピン8の第1の実施例における突出し部11を、吸気ピン8が吸気孔5に挿入組付けされた状態で、口筒部4と肩部6との境界部分に達する長さを有する、曲がり変形が容易な細棒状にして構成したものである。
【0038】
この吸気ピン8の第3の実施例にあっては、吸気孔5に吸気ピン8を挿入組付けしてゆくと、突出し部11が内層3部分を、その抗力に逆らって、この内層3部分を外層2部分から剥離させ、剥離空間Sを形成するが、この突出し部11による内層3部分の外層2部分からの押し離しが進むと、内層3の抗力が大きくなるので、この内層3の抗力により突出し部11が、外層2と内層3との間で曲がり変形する。
【0039】
この突出し部11の曲がり変形方向が、下方となるように規制した状態で、吸気ピン8の吸気孔5への組付き限位置まで挿入組付けを押し進めると、突出し部11の先端が口筒部4と肩部6との境界部分に達し、吸気孔5から口筒部4と肩部6との境界部分に達する剥離空間S(図5参照)を形成する。
【0040】
このように、吸気ピン8の第3の実施例にあっては、外層2と内層3が剥離し難いおよび剥離しても再び密着し易い、口筒部4と肩部6との境界部分に、予め剥離空間Sを形成するので、吸気孔5からの外気の胴部7側への侵入が、口筒部4と肩部6との境界部分で阻害されることがなく、内層3を円滑に減容変形させることができる。
【0041】
なお、この吸気ピン8の第3の実施例は、吸気ピン8の第1の実施例だけに適用されるのではなく、吸気ピン8の第2の実施例にも適用が可能である。
【0042】
図8ないし図10に示した吸気ピン8の第4の実施例は、吸気ピン8の第3の実施例における曲がり変形が容易な細棒状の突出し部11の基端部を縮径して易屈曲部11aを形成して構成したものである。
【0043】
この吸気ピン8の第4の実施例にあっては、第3実施例の吸気ピン8と同様、吸気孔5に吸気ピン8を挿入組付けしてゆくと、突出し部11が内層3部分を、その抗力に逆らって、この内層3部分を外層2部分から剥離させ、剥離空間Sを形成するが、易屈曲部11aのために比較的早い段階、すなわち内層3の抗力が比較的小さな段階で外層2と内層3との間で曲がり変形する。このため、突出し部11の先端部分による内層部分の突き破りを確実に防ぐことができる。
【0044】
以上実施例に沿って本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。たとえば、本実施例では注出ポンプを取り付けた容器について記載したが、本願発明の吸気ピンはポンプを使用しないスクイズタイプのデラミ容器にも使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上説明したように本発明の合成樹脂製ブロー成形容器は、吸気ピンの作用により外層と内層との間への外気の侵入路を容易に確保することができ、使い勝手の良いデラミ容器を提供でき、より広い分野での展開が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態例を示す、要部縦半断面図である。
【図2】吸気ピンの第1の実施例の組付き状態を示す、要部拡大縦断面図である。
【図3】吸気ピンの第1の実施例を示す、全体外観斜視図である。
【図4】吸気ピンの第2の実施例を示す、全体外観斜視図である。
【図5】吸気ピンの第3の実施例の組付き状態を示す、要部拡大縦断面図である。
【図6】吸気ピンの第3の実施例を示す、全体外観斜視図である。
【図7】吸気ピンの第3の実施例を示す、全体縦断面図である。
【図8】吸気ピンの第4の実施例の組付き状態を示す、要部拡大縦断面図である。
【図9】吸気ピンの第4の実施例を示す、全体外観斜視図である。
【図10】吸気ピンの第4の実施例を示す、全体縦断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 ; 容器本体
2 ; 外層
3 ; 内層
4 ; 口筒部
5 ; 吸気孔
6 ; 肩部
7 ; 胴部
8 ; 吸気ピン
9 ; 組付き部
10 ; 開口部
11 ; 突出し部
11a;易屈曲部
12 ; 通気口
13 ; フランジ
14 ; 係止条
15 ; 組付き腕片
16 ; キャップ
17 ; 螺合筒壁
18 ; 頂壁片
19 ; 注出ポンプ
20 ; ノズルヘッド
21 ; 組付きフランジ
22 ; パッキング片
S ; 剥離空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定形の外殻を形成する合成樹脂製の外層(2)と、該外層(2)に剥離自在に積層し、内袋を形成する可撓性合成樹脂製の内層(3)とから成るブロー成形容器であって、容器本体(1)の口筒部(4)の外層(2)部分に開口された吸気孔(5)に、前記外層(2)と内層(3)との間への外気の吸気路を形成する吸気ピン(8)を挿入組付けし、該吸気ピン(8)を、前記吸気孔(5)に嵌入組付きする筒状の組付き部(9)と、該組付き部(9)の先端に連設され、該組付き部(9)の吸気孔(5)への挿入組付きにより、前記外層(2)部分内表面から突出して、前記吸気孔(5)付近の内層(3)部分を外層(2)部分から押し離して、該内層(3)部分と外層(2)部分との間に剥離空間(S)を形成する突出し部(11)と、を有する構成とした合成樹脂製ブロー成形容器。
【請求項2】
組付き部(9)の、開口部(10)が設けられた基端部の外周に、吸気孔(5)の開孔縁部に突き当たるフランジ(13)を周設し、突出し部(11)の、前記組付き部(9)との連設端部である基端部外周に、挿入組付き保持用の係止条(14)を周設し、さらに少なくとも前記突出し部(11)の基端部に、前記組付き部(9)の内部と連通する通気口(12)を開設して、吸気ピン(8)を構成した請求項1記載の合成樹脂製ブロー成形容器。
【請求項3】
組付き部(9)の、開口部(10)が設けられた基端部に、口筒部(4)に弾力により抱き付き状に組付く円弧板片状の組付き腕片(15)を連設して、吸気ピン(8)を構成した請求項1記載の合成樹脂製ブロー成形容器。。
【請求項4】
突出し部(11)を、曲がり変形が容易な細棒状に構成した請求項1、2または3記載の合成樹脂製ブロー成形容器。
【請求項5】
細棒状の突き出し部(11)の基端部近傍を縮径して易屈曲部(11a)を形成して吸気ピン(8)を構成した請求項4記載の合成樹脂製ブロー成形容器。
【請求項6】
突出し部(11)の長さを、容器本体(1)の口筒部(4)と肩部(6)との境界部分に達する値に設定した請求項4または5記載の合成樹脂製ブロー成形容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−8247(P2006−8247A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−345777(P2004−345777)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】