説明

吊り上げ用連結具

【課題】 吊り上げ用連結具としての必要強度を備えて質量を少なくする。
【解決手段】 吊り上げる物の貫通孔に横向きに嵌合する主軸部1は、鋼棒材6の中央部に合成樹脂成形品8を固定し、軸心部と上側部又は下側部を鋼棒材で、左側部と右側部及び下側部又は上側部を合成樹脂成形品で構成した。抜け止め機構2は、主軸部の前側に突出する鋼棒材の前端部で棒状部21を構成し、棒状部に可動板22を貫通し固定板24を固定し、可動板を、固定板と主軸部で挟み、上下方向に移動可能にし、連結具が上下逆の姿勢になると、可動板が主軸部外周面位置より外側に突出せず、抜き差し態勢になり、連結具が上下正常の姿勢になると、可動板が主軸部外周面位置より下側に突出し、抜け止め態勢になる構成にした。吊り索連結部3は、主軸部の後側に突出する鋼棒材の後端部で本体31を構成し、本体に連結孔32を貫通した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り上げる物に吊り索を連結するため、その物の孔に取り付ける連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
擁壁や水路を構成するブロックは、壁板部と底板部からなり、L形状のコンクリート成形品である。壁板部は、水抜き孔を横向きに貫通している。このブロックは、吊り上げる際、壁板部の水抜き孔、貫通孔に軸状の連結具を横向きに差し込み、連結具の抜け止めを施し、連結具の端に吊り索の端を連結する。L形状のブロックには、壁板部の貫通孔に取り付けた連結具を介してロープや鎖などの吊り索が連結される。
【0003】
軸状の連結具は、特許文献1に開示されている。この連結具は、ブロックの貫通孔に横向きに嵌め込む主軸部を設けている。主軸部は、断面形状をブロックの貫通孔と同様な円形にし、丸軸形状である。
【0004】
主軸部は、前端に抜け止め機構を設けている。抜け止め機構は、主軸部の前端に小径軸を接続している。小径軸は、主軸部より細く、主軸部の軸心から偏心している。小径軸には、長孔を貫通した可動板を串刺しにしている。小径軸の前端には、固定板を主軸部と同心に固定している。可動板は、主軸部と固定板の間に位置し、長孔に小径軸が貫通し、長孔の長径方向に移動可能である。可動板と固定板は、それぞれ、主軸部より少し小径である。
【0005】
また、主軸部は、後端にフランジ部を介してロープ掛け部を設けている。ロープ掛け部は、L形状に折れ曲がり、折曲片にロープ挿入孔を貫通している。折曲片の突出方向は、抜け止め機構の小径軸の偏心方向とは正反対である。
【0006】
この連結具は、使用するときには、ロープ掛け部を掴んで、前後方向に沿って横向きに保持する。その際、ロープ掛け部の折曲片は、突出方向を下向きにする。すると、抜け止め機構の小径軸は、軸心が主軸部の軸心の上側になる。可動板は、自重で下降端に位置して主軸部と同心になり、主軸部の外周面位置より外側に突出しない。即ち、連結具が上下逆の姿勢、抜き差し態勢になる。連結具は、抜き差し態勢を維持して前進させ、ブロックの壁板部の貫通孔に横向きに差し込む。連結具の可動板を含む前端部は、貫通孔を通過し、貫通孔の外側に突出する。主軸部は、貫通孔に嵌合する。ロープ掛け部を含む後端部は、貫通孔に進入しない。
【0007】
次に、連結具は、可動板が貫通孔の外側に突出した状態を維持して、主軸部の軸心の周りに半回転する。ロープ掛け部の折曲片の突出方向を上向きにする。すると、小径軸は、軸心が主軸部の軸心の下側になる。可動板は、自重で下降し、主軸部の軸心から下側に偏心し、下側部分が主軸部の外周面位置より下側に突出する。即ち、連結具が吊り上げ用の上下正常の姿勢、抜け止め態勢になる。抜け止め態勢で、連結具は、引き抜こうとすると、可動板の下側部分がブロックの壁板部の貫通孔下縁部分に当って、抜けない。
【0008】
連結具は、抜け止めを施した後、ロープ掛け部の上向き折曲片のロープ挿入孔にロープを連結する。
【0009】
【特許文献1】特許第2551532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
[背景技術の課題]
1)特許文献1の吊り上げ用の連結具は、少なくとも主軸部、フランジ部とロープ掛け部が一体の鋳造品である。大部分が鋳鉄の塊であるので、質量が多い。重くて、取り扱い難い。
【0011】
作業者は、連結具を、吊り上げるブロックの貫通孔位置まで持ち運ぶときには、片手では持ち運び難く、両手を要する。1個ずつしか持ち運べない。ブロックの貫通孔に差し込んで半回転するには、片手では行い難く、両手を要する。また、誤って手から落としたときに、人を傷付けたり物を破損したりする危険が大きい。
【0012】
2)上記の連結具は、ロープ掛け部にロープ挿入孔が1個所しかない。吊り上げ位置を前後方向に調整することができない。
【0013】
ブロックは、貫通孔に取り付けた連結具と、連結具のロープ挿入孔に連結したロープを介して吊り上げるとき、吊り上げ位置が、ブロックの重心位置を通る鉛直線から遠く離れることがある。ブロックは、吊り上げ位置が重心位置の鉛直線から遠く離れていると、吊り上げられたとき、空中で姿勢が大きく傾く。吊り上げ状態で姿勢が大きく傾いていると、下降して据え付ける作業が行い難い。
【0014】
3)上記の連結具は、抜け止め態勢にあるときでも、抜き差し態勢にあるときでも、同様に、ロープ挿入孔にロープを挿入して連結することができる。
【0015】
連結具が抜き差し態勢にあるとき、即ち、連結具の抜け止めが掛かっていないときに、ロープ挿入孔にロープを連結して吊り上げ操作を行うことは、危険である。
【0016】
[課題を解決するための着想]
1)吊り上げ用の連結具において、強度を維持して質量を少なくするため、材料は、鋳鉄より強度の高い鋼と、鋳鉄より密度の低い合成樹脂を併用することにした。主要構造は、鋼の棒材を前後方向に通して主耐力材とし、その鋼棒材で太さが不足する部分に合成樹脂の成形品を組み付けることにした。
【0017】
鋼棒材は、中央部を連結具の主軸部の軸心部とその上側部又は下側部にし、前端部を連結具の抜け止め機構の棒状部にし、後端部を連結具の吊り索連結部の本体にする。連結具の主軸部は、鋼棒材で構成されない部分、左側部と右側部及び下側部又は上側部を合成樹脂成形品にする。
【0018】
また、主軸部は、質量を更に少なくするため、鋼棒材の左右の両側面とこれに対面する合成樹脂成形品の内面との間に中空部を設けることにした。
【0019】
2)吊り上げ用連結具は、吊り上げ位置を前後方向に調整可能にするため、吊り索連結部に連結孔を前後方向に間隔を置いて複数個所に設けることにした。
【0020】
3)吊り上げ用連結具は、吊り索連結部の連結孔に吊り索を連結するのに、U形状体の開口をピンで開閉するシャックルを用い、吊り索連結部に、シャックルのU形状体を嵌め込む方向を制限するシャックル止め片を設けることにした。
【0021】
連結具が抜け止め態勢にあるときには、シャックルのU形状体を吊り索連結部に上側から嵌め込み可能にする。しかし、連結具が抜き差し態勢にあるときには、U形状体を吊り索連結部に上側から嵌め込むことをシャックル止め片で妨げる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
1)吊り上げる物の貫通孔に横向きに嵌合する主軸部は、前端に抜け止め機構を、後端に吊り索連結部を設けた吊り上げ用連結具であって、
主軸部は、鋼棒材の中央部に合成樹脂成形品を固定し、軸心部と上側部又は下側部を鋼棒材で、左側部と右側部及び下側部又は上側部を合成樹脂成形品で構成し、
抜け止め機構は、主軸部の前側に突出する鋼棒材の前端部で棒状部を構成し、棒状部の鋼棒材前端部に可動板を貫通し固定板を固定し、可動板を、固定板と主軸部で挟み、上下方向に移動可能にし、
連結具が上下逆の姿勢になると、可動板が主軸部の外周面位置より外側に突出せず、抜き差し態勢になり、連結具が上下正常の姿勢になると、可動板が主軸部の外周面位置より下側に突出し、抜け止め態勢になる構成にし、
吊り索連結部は、主軸部の後側に突出する鋼棒材の後端部で本体を構成し、本体の鋼棒材後端部に連結孔を左右方向に貫通したことを特徴とする。
【0023】
2)上記の吊り上げ用連結具において、
主軸部は、鋼棒材中央部の左右の両側面とこれに対面する合成樹脂成形品の内面との間に中空部を設けたことを特徴とする。
【0024】
3)上記の吊り上げ用連結具において、
吊り索連結部は、連結孔を前後方向に間隔を置いて複数個所に設けたことを特徴とする。
【0025】
4)上記の吊り上げ用連結具において、
吊り索連結部は、本体の連結孔に吊り索を連結するのにシャックルを介在する構成にし、本体の下側にシャックル止め片を設け、
連結具が抜け止め態勢にあるときには、本体に上側からシャックルのU形状体を嵌め込み、シャックルのピンを本体の連結孔とU形状体のピン孔に差し込み可能にし、
連結具が抜き差し態勢にあるときには、本体に上側からU形状体を嵌め込むことがシャックル止め片で妨げられる構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
吊り上げ用連結具は、強度の高い鋼棒材を前後方向に通して主耐力材とし、その鋼棒材で太さが不足する主軸部に密度の低い合成樹脂成形品を組み付けている。吊り上げ用連結具としての必要強度を備えて質量を少なくすることができる。従来品より軽くなって、取り扱い易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
実施形態の吊り上げ用連結具は、図1〜図6に示すように、丸軸形状の主軸部1を設け、主軸部1の前に抜け止め機構2を、主軸部1の後に吊り索連結部3を一連に設けている。
【0028】
この連結具は、主耐力材として鋼棒材6を用いている。鋼棒材6は、材質が鋼、実施例では一般構造用圧延鋼であり、図7に示すように、縦長長方形断面の角棒形状である。鋼棒材6には、合成樹脂成形品7を組み付けている。合成樹脂成形品7は、材質がポリプロピレン樹脂、実施例ではガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂であり、ほぼ対称形状の左側半割り品と右側半割り品からなる。片側の合成樹脂成形品7は、図8に示すように、主軸部1用の半割り丸軸形状部8を設け、半割り丸軸形状部8の後端に吊り索連結部3用の半割り棒状部9を一連に設けている。
【0029】
主軸部1は、図1〜図3に示すように、鋼棒材6の中央部にその左右からそれぞれ合成樹脂成形品7の半割り丸軸形状部8を組み付けている。鋼棒材6の中央部は、図7に示すように、上面11を凸曲面に形成し、ボルト孔12を左右方向に貫通している。ボルト孔12は、前後方向に間隔を置いて複数個所に設けている。半割り丸軸形状部8は、図8に示すように、内側上部に溝13を形成し、上部と下部にそれぞれボルト孔14、15を左右方向に貫通している。上部のボルト孔14は、溝13に開口している。上部と下部のボルト孔14、15は、それぞれ、前後方向に間隔を置いて複数個所に設けている。
【0030】
両側の半割り丸軸形状部8の上部の溝13には、鋼棒材6の中央部を嵌め込んで貫通している。両側の半割り丸軸形状部8の上部と鋼棒材6の中央部は、ボルト孔14とボルト孔12にボルト16を貫通し、ボルト16にナットを螺合して、ボルト16とナットで固定している。両側の半割り丸軸形状部8の下部同士は、ボルト孔15にボルト17を貫通し、ボルト17にナットを螺合して、ボルト17とナットで固定している。ボルト16、17とナットは、材質が鋼、実施例では高張力鋼である。
【0031】
丸軸形状の主軸部1は、軸心部とその上側部を鋼棒材6の中央部で構成し、左側部と右側部及び下側部を合成樹脂成形品7の半割り丸軸形状部8で構成している。なお、主軸部1は、後端から前端に近づくに従って少しずつ細くなるテーパ軸形状である。
【0032】
半割り丸軸形状部8は、内面に周辺部とボルト孔14、15貫通部を除いて凹部18を設けている。主軸部1は、鋼棒材6中央部の左右の両側面、下面とこれに対面する半割り丸軸形状部8の内面との間に、凹部18によって中空部を形成している。
【0033】
抜け止め機構2は、図1、図4と図7に示すように、主軸部1の前側に突出する鋼棒材6の前端部を低くして棒状部21を構成し、棒状部21に可動板22を貫通している。可動板22は、長孔23を貫通した円板である。この可動板22は、数枚を前後方向に並列している。棒状部21の前端には、円板の固定板24をボルト25で固定している。すべての可動板22は、固定板24と主軸部1で挟んでいる。各可動板22は、それぞれ、長孔23に棒状部21が貫通し、長孔23の長径方向、上下方向に移動可能にしている。
【0034】
連結具が図1に示す上下正常の姿勢であると、図1に示すように、可動板22が主軸部1の外周面位置より下側に突出し、抜け止め態勢になる。連結具が上下逆の姿勢になると、可動板22が主軸部1の外周面位置より外側に突出せず、抜き差し態勢になる。固定板24は、上下正常の姿勢でも、上下逆の姿勢でも、主軸部1の外周面位置より外側に突出しない。
【0035】
可動板22は、合成樹脂成形品であり、材質がポリプロピレン樹脂、実施例ではガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂である。固定板24は、材質が鋼、実施例では一般構造用圧延鋼である。ボルト25は、材質が鋼、実施例では高張力鋼である。
【0036】
吊り索連結部3は、図1と図5に示すように、主軸部1の後側に突出する鋼棒材6の後端部をそのまま本体31とし、本体31に連結孔32を左右方向に貫通している。連結孔32は、前後方向に間隔を置いて複数個所に設けている。
【0037】
連結孔32にロープのような吊り索33を連結するときには、図6に示すように、シャックル34、35を介在する。シャックルのU形状体34は、本体31を左右方向に跨ぎ、本体31に上側から嵌め込む。シャックルのピン35は、U形状体34の両側のピン孔と連結孔32に差し込む。
【0038】
本体31の下側には、シャックル止め片36を設けている。シャックル止め片36は、両側の合成樹脂成形品7の半割り棒状部9の上面凹部を本体31の下側部に嵌め込み、両側の半割り棒状部9の下部同士を、それらを左右方向に貫通する複数のボルト37とナットで固定している。両側の半割り棒状部9の上部は、本体31の下側から左右の両側に突出し、その突出幅がU形状体34の開口幅より広い。
【0039】
連結具が上下逆の姿勢、抜き差し態勢にあるときには、本体31に上側からシャックルのU形状体34を嵌め込む行為がシャックル止め片36で止められる。連結具が上下正常の姿勢、抜け止め態勢にあるときには、本体31に上側からシャックルのU形状体34を嵌め込み、シャックルのピン35をU形状体34のピン孔と連結孔32に差し込むことができる。
【0040】
この連結具を使用してL形状コンクリート成形品の擁壁ブロックを吊り上げる場合、次の通りである。
連結具は、図9に示すように、上下逆の姿勢、抜き差し態勢に保持する。その態勢を維持して前進させ、擁壁ブロックBの壁板部の水抜き孔、貫通孔Hに横向きに差し込む。この状態では、吊り索連結部3は、シャックル止め片36が本体31の上側に位置し、本体31に上側からシャックル34、35を連結することができない。
【0041】
次に、連結具は、可動板22が貫通孔Hの外側に突出した状態を維持して、主軸部1の軸心の周りに半回転する。すると、図10に示すように、連結具が上下正常の姿勢、抜け止め態勢になる。吊り索連結部3は、シャックル止め片36が本体31の下側に位置する。そこで、本体31に上側からシャックル34、35を連結する。擁壁ブロックBには、貫通孔Hに取り付けた連結具と、連結具に取り付けたシャックル34、35を介して吊り索33が連結される。なお、本体31にシャックル34、35を連結する際には、吊り上げ位置が、擁壁ブロックBの重心位置を通る鉛直線から近くなるように、連結孔32を選択する。
【0042】
上記の連結具は、実施例では、前後方向の長さが26cm位で、主軸部1の外径が7.5cm位である。そして、質量が3kg弱である。軽くて、取り扱い易い。
【0043】
[変形例]
1)上記の実施形態において、合成樹脂成形品7と可動板22は、材質がポリプロピレン樹脂であるが、その他の合成樹脂にする。
2)上記の実施形態において、丸軸形状の主軸部1は、軸心部とその上側部を鋼棒材6で、左側部と右側部及び下側部を合成樹脂成形品7で構成しているが、軸心部とその下側部を鋼棒材で、左側部と右側部及び上側部を合成樹脂成形品で構成する。
3)上記の実施形態において、合成樹脂成形品7は、左側半割り品と右側半割り品の2体からなるが、1体にする。
4)上記の実施形態において、シャックル止め片36と可動板22は、合成樹脂成形品であるが、鋼材にする。
5)上記の実施形態において、可動板22は、複数枚であるが、1枚にする。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、擁壁ブロック、水路ブロックやその他の重量物の吊り上げに利用される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態における吊り上げ用連結具の側面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】図1のC−C線断面図。
【図5】同連結具の背面図。
【図6】同連結具の吊り索連結部にシャックルを介して吊り索を連結した状態の背面図。
【図7】同連結具の鋼棒材を示し、(a)は側面図、(b)は正面図。
【図8】同連結具の片側の合成樹脂成形品を示し、(a)は側面図、(b)は正面図。
【図9】同連結具を擁壁ブロックの貫通孔に差し込む直前の状態の側面図。
【図10】同連結具を擁壁ブロックの貫通孔に取り付けた状態の側面図。
【符号の説明】
【0046】
1 主軸部
2 抜け止め機構
3 吊り索連結部
6 鋼棒材、主耐力材
7 合成樹脂成形品
8 半割り丸軸形状部
9 半割り棒状部
11 鋼棒材中央部の上面、凸曲面
12 鋼棒材中央部のボルト孔
13 半割り丸軸形状部の溝
14、15 半割り丸軸形状部の上部と下部のボルト孔
16、17 主軸部の上部と下部のボルト
18 半割り丸軸形状部の凹部、主軸部の中空部
21 抜け止め機構の棒状部、鋼棒材6の前端部
22 可動板、円板
23 可動板の長孔
24 固定板、円板
25 ボルト
31 吊り索連結部の本体、鋼棒材の後端部
32 連結孔
33 吊り索、ロープ
34、35 シャックル
34 シャックルのU形状体
35 シャックルのピン
36 シャックル止め片
37 ボルト
B 擁壁ブロック、L形状コンクリート成形品
H 擁壁ブロックの壁板部の水抜き孔、貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り上げる物の貫通孔に横向きに嵌合する主軸部は、前端に抜け止め機構を、後端に吊り索連結部を設けた吊り上げ用連結具であって、
主軸部は、鋼棒材の中央部に合成樹脂成形品を固定し、軸心部と上側部又は下側部を鋼棒材で、左側部と右側部及び下側部又は上側部を合成樹脂成形品で構成し、
抜け止め機構は、主軸部の前側に突出する鋼棒材の前端部で棒状部を構成し、棒状部の鋼棒材前端部に可動板を貫通し固定板を固定し、可動板を、固定板と主軸部で挟み、上下方向に移動可能にし、
連結具が上下逆の姿勢になると、可動板が主軸部の外周面位置より外側に突出せず、抜き差し態勢になり、連結具が上下正常の姿勢になると、可動板が主軸部の外周面位置より下側に突出し、抜け止め態勢になる構成にし、
吊り索連結部は、主軸部の後側に突出する鋼棒材の後端部で本体を構成し、本体の鋼棒材後端部に連結孔を左右方向に貫通したことを特徴とする吊り上げ用連結具。
【請求項2】
主軸部は、鋼棒材中央部の左右の両側面とこれに対面する合成樹脂成形品の内面との間に中空部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の吊り上げ用連結具。
【請求項3】
吊り索連結部は、連結孔を前後方向に間隔を置いて複数個所に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り上げ用連結具。
【請求項4】
吊り索連結部は、本体の連結孔に吊り索を連結するのにシャックルを介在する構成にし、本体の下側にシャックル止め片を設け、
連結具が抜け止め態勢にあるときには、本体に上側からシャックルのU形状体を嵌め込み、シャックルのピンを本体の連結孔とU形状体のピン孔に差し込み可能にし、
連結具が抜き差し態勢にあるときには、本体に上側からU形状体を嵌め込むことがシャックル止め片で妨げられる構成にしたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の吊り上げ用連結具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−68975(P2008−68975A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248932(P2006−248932)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(594201401)株式会社セフティックス (4)
【出願人】(592086880)丸栄コンクリート工業株式会社 (22)
【Fターム(参考)】