説明

同軸ケーブル及び多心ケーブル

【課題】耐電圧特性を落とすことなく外径が細くされた同軸ケーブルを提供する。
【解決手段】同軸ケーブルは、まず中心導体に絶縁層を被覆し、その絶縁層の外に外部導体(シールド層)を設け、その外部導体に金属蒸着樹脂テープ10を巻き、さらにその金属蒸着樹脂テープ10の上に外被が設けられてなる。金属蒸着樹脂テープ10は、樹脂層(例えばPETテープ11)とその樹脂層の片面に蒸着した一層の金属層(例えば銅層)12を有する。そして、金属層12の幅Lは、樹脂層(PETテープ11等)の幅Wより狭くする。そして、金属蒸着樹脂テープ10は、片面のうち金属層が蒸着されていない部分(未蒸着領域12)に、樹脂層の他面が重なるように、シールド層の外に巻きつけられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸ケーブル及び多心ケーブルに関し、より詳細には、シールド層をもった極細径の同軸ケーブル及び多心ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡等の医療用プローブや携帯電話等の通信機器などにおいて、小型化及び高性能化が要求され、それに対応して、ケーブルハーネスとして或いは機器内部において利用される同軸ケーブルも、きわめて細い外径のものが要求されている。例えば同軸ケーブルにおいては外径が0.25mm或いは0.16mmという極めて細い極細同軸ケーブルが製造され、このような極細同軸ケーブルを複数本集合した多心ケーブルが実用に供されている。
【0003】
このような極細同軸ケーブルや多心ケーブルでは、シールド効果を上げる必要がある。そのため、例えば、特許文献1には、横巻シールドの上に銅蒸着プラスチックテープを巻いた極細同軸ケーブルが開示されている。
【0004】
図1(B)に示すように、この極細同軸ケーブル5は、中心導体60の外周に絶縁層61を形成してコアを構成し、そのコアの外周に複数本の極細の外部導体を横巻きして横巻シールド層62を形成し、その外周に銅蒸着樹脂テープ50を巻きつけ、さらにジャケット(外被)としてその外周をポリエステルなどの樹脂テープ63で被覆している。なお、樹脂テープ63は、重ね巻きの際にほどけないように接着層付きとなっている。また、ポリエステルテープの代表的なものとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)テープが挙げられる。
【0005】
銅蒸着樹脂テープ50には、樹脂テープ63と同様の材料が用いられる。より具体的には、図2(B)に例示するように、銅蒸着樹脂テープ50は、例えばPETテープ51の片面全体に銅蒸着層52が形成されている。そして、図3(B)に示すように、横巻シールド層62上に銅蒸着層52を内側にして銅蒸着樹脂テープ50が重ね巻きされる。但し、特許文献1に記載の銅蒸着プラスチックテープは、プラスチックテープの両側(両面)に銅を蒸着させている。
【0006】
また、特許文献2には、複数の絶縁コアを一括してシールド導体(横巻線)で覆った上に、金属蒸着プラスチックテープを設けた二心の同軸ケーブルが開示されている。
【特許文献1】特開2001−126552号公報
【特許文献2】特開2003−51219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図3(B)に示したように、従来の極細同軸ケーブル5は、シールドとして横巻シールド層62の上に銅面を内側にして銅蒸着樹脂テープ50を巻き、その上に押さえ巻として接着剤層付き樹脂テープ63を巻いている。
【0008】
しかしながら、蒸着後の銅蒸着樹脂テープ50は、そのテープ幅を調整するために切断されることやその他の理由で、図4(B)の一点鎖線の円内で示すように、銅蒸着樹脂テープ50の縁部分で、銅の突起部52aが形成されてしまうことがある。このような突起部52aは、銅以外の金属でも生じ、押さえ巻である樹脂テープ63に接触して傷付け、押さえ巻の耐電圧特性を落とすことがある。
【0009】
また、特許文献1に記載の銅が両面に蒸着されたプラスチックテープであっても、切断等でできた突起部が外被(外部ジャケット)を傷つけることがあるため、外被の耐電圧特性を落とすことがある。同軸ケーブルが複数本一括してシールドされた上に金属蒸着樹脂テープを巻く場合も同様の問題がある。
【0010】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、耐電圧特性を落とすことなく外径が細くされた同軸ケーブル及び多心ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による同軸ケーブルは、中心導体に絶縁層を被覆し、その絶縁層の外に外部導体を設け、その外部導体の上に金属蒸着樹脂テープを巻き、さらにその金属蒸着樹脂テープの上に外被が設けられた同軸ケーブルであって、その金属蒸着樹脂テープは樹脂層とその樹脂層の片面に蒸着した一層の金属層とを有し、金属層の幅は樹脂層の幅より狭く、その金属蒸着樹脂テープは、片面のうち金属層が蒸着されていない部分に、樹脂層の他面が重なるように巻きつけられていることを特徴としたものである。
また、本発明による多心ケーブルは、上述の同軸ケーブルを複数集合し、多心化したことを特徴としたものである。
【0012】
また、本発明による他の多心ケーブルは、複数本の同軸ケーブル又は絶縁電線が束ねられ、その外周にシールド層が設けられ、さらにそのシールド層の上に外被が設けられた多心ケーブルであって、そのシールド層は、樹脂層とその樹脂層の片面に蒸着した一層の金属層とを有する金属蒸着樹脂テープを含み、金属層の幅は樹脂層の幅より狭く、その金属蒸着樹脂テープは、片面のうち金属層が蒸着されていない部分に、樹脂層の他面が重なるように巻きつけられていることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の同軸ケーブルや多心ケーブルによれば、耐電圧特性を落とすことなく外径を細くすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、同軸ケーブルの一例を示す断面図、図2は、図1の同軸ケーブルにおける金属蒸着樹脂テープの層構造の一例を示す図、図3は、図2の金属蒸着樹脂テープの巻き方の一例を説明するための図、図4は、図3の巻き方で金属蒸着樹脂テープを巻いたときの層構造の一例を示す概略断面図である。図1乃至図4において、各図(A)及び図1(C)には本発明に係る同軸ケーブルについて示し、各図(B)には各図(A)と比較するために従来の同軸ケーブルについて示している。
【0015】
図1(A)で例示するように、本発明に係る極細の同軸ケーブル1は、中心導体20の外周を絶縁層21で被覆し、絶縁層21の外に複数本の極細の外部導体による横巻シールド層22を設け、さらにその上に金属蒸着樹脂テープ10を巻き、その上に外被として樹脂テープ23を巻きつけてなる。
【0016】
このような極細同軸ケーブル1は、まず中心導体20を、フッ素樹脂、発砲フッ素樹脂、充実ポリエチレン(PE)、発砲PE等の絶縁層21で被覆して、コアとなる絶縁線を形成する。この絶縁線(絶縁電線)は、中心導体20として図1(A)に示したような単心に限ったものではなく、図1(C)に示したような細径の複数本の導体を撚合せた撚線であってもよい。また、絶縁層21は、フッ素樹脂又はポリエチレンの押出によって形成する以外に、フッ素樹脂テープ、ポリエステルテープ巻きなどのその他の構造を採用してもよく、中心導体20と横巻シールド層22の外部導体とが絶縁できればよい。
【0017】
また、図1(C)に示すように、絶縁層の断面形状も図1(A)で示したように周囲を同じ厚みとしたものに限らず、同厚部分21aの外側に複数の壁21bを極細同軸ケーブル1の長手方向に沿って立てたスロットであってもよい。また、壁21bを極細同軸ケーブル1の長手方向に螺旋状やSZ状に設けた螺旋スロットやSZスロットなどを採用してもよい。
【0018】
そして、図1(A),(C)のいずれの極細同軸ケーブル1においても、この絶縁線(コア)上に、複数本の極細の外部導体を横巻きにすることで横巻シールド層22を形成する。外部導体としては錫メッキ硬銅線(錫メッキ合金線)等の素線が用いられ、絶縁体上にスパイラル状に巻かれることとなる。この横巻シールド層22は、横巻きした複数本の極細導体を軽圧縮し偏平極細導体として形成してもよく、またこの層に編組シールドを採用してもよい。図1(C)の極細同軸ケーブル1は、スロットの周りに横巻シールド層22を設けることで、横巻シールド層22の内部に中空部分21cが形成される。
【0019】
そして、本発明に係る極細同軸ケーブル1では、図1(A),(C)に示すように、横巻シールド層22の上に金属蒸着樹脂テープ10を一枚巻いている。本発明で用いる金属蒸着樹脂テープ10は、部分的に銅やアルミ等の金属が蒸着されているポリエステルテープ等のテープである。より具体的には、図2(A)に示すように、金属蒸着樹脂テープ10は、例えばPETテープ11の片面の一部に金属層(金属蒸着層)12が蒸着されてなる。
【0020】
このように、金属蒸着樹脂テープ10は、PETテープ11等の樹脂層と金属層12とを有し、その金属層12の幅LはPETテープ11等の樹脂層の幅Wより狭くなっている。すなわち、金属層12は樹脂層(PETテープ11等)の幅方向の一部にしか存在せず、樹脂層の上には金属層12が蒸着された領域と蒸着されていない未蒸着領域13が存在することとなる。ここでは、金属蒸着樹脂テープ10の蒸着前の樹脂テープ(樹脂層)としてPETテープを例示しているが、樹脂層としては、PETテープ11以外にも例えばポリエチレンナフタレート(PEN)やポリプロピレン(PP)等、他の素材を採用してもよい。
【0021】
PETテープ11としては、例えば、その幅Wが1mm−20mm程度のものを採用するとよい。横巻シールド層22の内径が0.30−0.45mmの単心ケーブルでは、PETテープ11として幅Wが1.5−2.5mm或いはそれ以下であるのが好ましい。金属層12がある部分の幅Lとない部分の幅W−Lは5:1くらいが好ましい。また、PETテープ11の厚さTは1.5−6μm程度(4.0,6.0μm等)、金属層12の厚さ(蒸着厚)dは0.1−1.5μm程度とするとよい。
【0022】
金属蒸着樹脂テープ10は、金属層12のある蒸着側を内側にして横巻シールド層22に重ね巻きする。このとき、図3(A)及び図4(A)に示すように、金属蒸着樹脂テープ10は、蒸着側の面のうち金属層12が蒸着されていない金属層が無い部分(すなわち未蒸着領域13)に、PETテープ11の他面(蒸着面の反対面)が重なるように巻きつけられている。
【0023】
そして、金属蒸着樹脂テープ10の上には、接着層付きの樹脂テープ23が耐電圧用として並びに押さえ巻として巻かれる。この樹脂テープ23は、同軸ケーブル1のジャケット(外被)となる。樹脂テープ23を巻いた後、恒温層で数時間高温放置するか、高熱加熱炉を通して融着がなされる。接着剤層としては80℃以上で溶ける材料が採用され、通常、樹脂テープ10を巻いた後、90℃又は100℃で4時間恒温槽に入れることで、樹脂テープ23同士を接着させることができる。
【0024】
樹脂テープ23としては、基本的に金属蒸着樹脂テープ10の蒸着前のテープと同様の材料が使用され、例えば接着層付きポリエステルテープなどが用いられる。PETテープ23の幅としては、例えば0.9−4mm程度のものを採用するとよい。また、PETテープ11の厚さは1.5−6μm程度(例えば、4.0μm等)、PETテープ11上に形成する顔料層(図示せず)の厚さは1.0μm程度、接着剤層(図示せず)の厚さdは1.5μm程度とするとよい。
【0025】
このように、本発明で使用する金属蒸着樹脂テープ10は、その表面の一部に金属を蒸着しないことで、片側の縁付近は金属が付着していない構造にする。その部分で金属蒸着樹脂テープ10が重なるように金属層12と金属蒸着樹脂テープ10を横巻シールド層22に螺旋巻きにすると、金属層12と耐電圧用の樹脂テープ23との間に樹脂テープが存在することになる。当然、図4(B)で例示した突起部52aのごとき突起が、樹脂テープ23に接するように形成されることない。すなわち、本発明では、金属層12が耐電圧用の樹脂テープ23に接触せず傷をつけない構造にでき、耐電圧低下を防ぐことができる。
【0026】
ここでは、図3(A)において、横巻シールド層22に接する側に金属層12及び未蒸着領域13を向けて重ね巻きすることを前提に説明したが、金属蒸着樹脂テープ10の外側に横巻や編組のシールド層を設けるような場合には、外側に金属層12及び未蒸着領域13を向けて重ね巻きすることもできる。
【0027】
また、この同軸ケーブル1は、未蒸着領域13を利用して金属蒸着樹脂テープ10を巻くので細径化が図れるだけでなく、外観の凹凸が少なくなるので、外観的にもすっきりしたものになる。さらに、本発明では、金属蒸着樹脂テープ10だけで耐電圧が十分あると判断されれば、これまで使用していた耐電圧用の樹脂テープ23を無くすこともでき、その分、同軸ケーブルを細くすることができる。
【0028】
このように、本発明の極細同軸ケーブル1によれば、耐電圧特性を落とすことなく外径を細くすることが可能となる。細径化により柔らかさも向上し、例えば超音波診断装置の本体とプローブをつなぐケーブルなどのように柔らかさが要求される用途に好適である。
【0029】
以上、本発明による同軸ケーブルについて説明したが、本発明は、この同軸ケーブルを複数本備えて連結材で連結したり、スロット内に格納したり、チューブで複数本の同軸ケーブルを覆った多心ケーブル(同軸多心ケーブルともいう)としての形態も採り得る。いずれの場合にも、金属蒸着樹脂テープ10が同軸ケーブル1のシールドとして使用しているケースに相当する。
【0030】
本発明に係る多心ケーブルは、複数本の同軸ケーブルを一括してシールド層で覆い、その上に外被が設けられたものである。シールド層は、金属蒸着樹脂テープと導体素線が横巻されたものの組み合わせ、或いは金属蒸着樹脂テープと導体素線が編組されたものの組み合わせからなる。単線で説明したのと同様に、金属蒸着樹脂テープは金属層の幅が樹脂層の幅よりも狭く金属が蒸着されていない部分があり、この部分で金属樹脂テープを重ねる。これにより、金属のバリが樹脂テープを傷つけることなく、耐電圧特性が劣化することがない。本発明の多心同軸ケーブルは同軸ケーブル以外に絶縁電線が混在してもよい。また、多心のケーブルがばらけないように押さえ巻きをするときに金属蒸着樹脂テープを使用することができ、その金属蒸着樹脂テープはこれまでに説明したのと同様に金属層の幅が樹脂層の幅よりも狭く金属が蒸着されていないものを使用することができる。
【0031】
図5は、本発明に係る多心ケーブルの一例を示す断面図である。複数本(図5では4本)の同軸ケーブル30が押さえ巻きテープ10aで束ねられている。図5では同軸ケーブル30以外に絶縁電線31が混在している。同軸ケーブル30の構造は問わず、図1(A)に示したような本発明の同軸ケーブルの他に、通常使用されている同軸ケーブルも使用可能である。
【0032】
押さえ巻きテープ10aは、図2(A)に示す構造のものであり、金属層が蒸着されていない部分がある。金属層を外側にして巻き、さらにその上にシールド層32を設ける。シールド層32は導体線を横巻きして設けることができる。押さえ巻きテープ10aに金属蒸着樹脂テープを使用することにより、押さえ巻きテープ10aがシールド層の一部を兼ねることになる。押さえ巻きテープ10aとシールド層32とで第一シールド層が形成される。
【0033】
第一シールド層の上に接着層付きの樹脂テープ33が巻かれる。その上に第二金属蒸着樹脂テープ10bが巻かれる。金属蒸着樹脂テープ10bは、図2(A)に示すような金属層の幅が樹脂層の幅よりも狭く金属層がない部分のあるものである。第二金属蒸着樹脂テープ10bの上にシールド層34を設ける。シールド層34は編組シールドとすることができる。第二金属蒸着樹脂テープ10bとシールド層34とで第二シールド層が形成される。第二シールド層の上に外被35が設けられる。外被はフッ素樹脂を押出被覆したものやポリエステルテープを巻いて接着したものとすることができる。
【0034】
このように、第一シールド層と第二シールド層の間に樹脂テープ33を巻くのは、両シールド層間でグランドを分離させて耐電圧性能を持たせるためである。シールド層は必ずしも二つ必要であるわけではなく、一つだけでもよい。また、シールド層が二つある場合もグランドを分離しないのであれば樹脂テープ33を巻く必要はない。
【0035】
押さえ巻きテープ10a及び第二金属蒸着樹脂テープ10bは、単線の場合で説明したのと同様に、金属層がない部分で重なっている。第二金属蒸着樹脂テープ10bの重なりを図6に示す。シールド層32の上に樹脂テープ33が巻かれ、その上に第二金属蒸着樹脂テープ10bが樹脂層11が下に金属層12が上になるように巻かれる。金属層12がない部分(樹脂層11が露出している部分)に樹脂層11が重ねられ、金属層12と樹脂テープ33との間に樹脂層11が存在する。これにより金属層12のバリ等が樹脂テープ33を傷つけることがなく耐電圧特性が劣化することがない。
【0036】
シールド層32の内径が0.8−1.5mmの多心ケーブルでは、押さえ巻きテープ10aの幅Wは6−8mm或いはそれ以下であるのが好ましい。金属層がある部分の幅Lとない部分の幅W−Lは5:1くらいが好ましい。
【0037】
また、押さえ巻きテープ10a、第二金属蒸着樹脂テープ10bとも重なりの厚みが少ないので多心ケーブルの外径を細くすることができる。
上述の例では、押さえ巻きテープがシールド層を兼ねる構造としたが、単なる樹脂テープを押さえ巻きテープに使用してシールド層を兼ねることがなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】同軸ケーブルの一例を示す断面図である。
【図2】図1の同軸ケーブルにおける金属蒸着樹脂テープの層構造の一例を示す図である。
【図3】図2の金属蒸着樹脂テープの巻き方の一例を説明するための図である。
【図4】図3の巻き方で金属蒸着樹脂テープを巻いたときの層構造の一例を示す概略断面図である。
【図5】本発明に係る多心ケーブルの一例を示す断面図である。
【図6】図5の多心ケーブルにおいて巻かれた金属蒸着樹脂テープの層構造の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1,30…同軸ケーブル、3…多心ケーブル、10,10a,10b…金属蒸着樹脂テープ(押さえ巻きテープ)、11…PETテープ、12…金属層、13…未蒸着領域、20…中心導体、21…絶縁層、22,32…横巻シールド層、23,33…樹脂テープ、31…絶縁電線、34…編組シールド層、35…外被。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心導体に絶縁層を被覆し、該絶縁層の外に外部導体を設け、該外部導体の上に金属蒸着樹脂テープを巻き、さらに該金属蒸着樹脂テープの上に外被が設けられた同軸ケーブルであって、前記金属蒸着樹脂テープは樹脂層と該樹脂層の片面に蒸着した一層の金属層とを有し、該金属層の幅は該樹脂層の幅より狭く、前記金属蒸着樹脂テープは、前記片面のうち前記金属層が蒸着されていない部分に、前記樹脂層の他面が重なるように巻きつけられていることを特徴とする同軸ケーブル。
【請求項2】
請求項1に記載の同軸ケーブルを複数集合し、多心化した多心ケーブル。
【請求項3】
複数本の同軸ケーブル又は絶縁電線が束ねられ、その外周にシールド層が設けられ、さらに該シールド層の上に外被が設けられた多心ケーブルであって、前記シールド層は、樹脂層と該樹脂層の片面に蒸着した一層の金属層とを有する金属蒸着樹脂テープを含み、前記金属層の幅は前記樹脂層の幅より狭く、前記金属蒸着樹脂テープは、前記片面のうち前記金属層が蒸着されていない部分に、前記樹脂層の他面が重なるように巻きつけられていることを特徴とする多心ケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−171690(P2008−171690A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−4029(P2007−4029)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】