説明

同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナル、及び、その作製方法

【課題】インピーダンス整合のための余計な部品(端子フェルール)を省くことができて、結線時の作業性を良くすることができると共に、材料の歩留まりの向上を図ることのできる同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナルを提供する。
【解決手段】一端側に円筒状に丸めた相手端子接触部32を有すると共に他端側に断面U字状に曲げられた電線圧着部33を有し、相手端子接触部と電線圧着部との間に繋ぎ部を有する同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナル30において、繋ぎ部が、円筒状に丸められた円筒形状部10として形成されており、円筒形状部の外周に、連鎖状に複数のターミナルを繋いだフープ形状を維持するためのキャリア部24としてフープ成形された樹脂20の一部が残されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナル、及び、その作製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
同軸ケーブルは、断面の中心から径方向外方に向けて順に、中心導体、誘電体、外部導体、絶縁外被を有しており、同軸ケーブル用コネクタは、同軸ケーブルの構造に対応して、中心ターミナルと、外部ターミナルと、それらを絶縁する絶縁部材とを有している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図3〜図5は、非特許文献1に開示されている同軸ケーブルとコネクタの結線方法の手順を示しており、これらの図を用いて、従来の同軸ケーブル用コネクタの構造と結線の手順を説明する。以下の説明における冒頭の(a)〜(m)の符号は、図3〜図5の(a)〜(m)に対応しており、結線は(a)〜(m)の順に工程を進める。
【0004】
(a) まず、断面の中心から径方向外方に向けて順に、中心導体W1、誘電体W2、外部導体(編組)W3、絶縁外被(W4)を有する同軸ケーブルWの端末をストリップする。
【0005】
(b) 専用治具を使用して、露出した中心導体W1に中心ターミナル101を圧着する。中心ターミナル101は、1枚の板金をプレス成形することにより形成されたもので、一端側に円筒状に丸めた相手端子接触部101aを有すると共に他端側に断面U字状に曲げられた電線圧着部101bを有し、相手端子接触部101aと電線圧着部101bとの間に、高さの低い断面U字状の繋ぎ部101cを有している。また、下面に位置決め用の突起部101dを有する。
【0006】
(c) 外部ターミナル102を同軸ケーブルWの絶縁外被W4の外周に挿入する。
【0007】
(d)、(e) 専用工具を用いて金属製の外部導体W3を広げると共に、外部フェルール103を挿入し、広げた外部導体W3を外部フェルール103の上に被せて戻す。この際、外部導体W3の下層に銅箔やアルミ箔W5がある場合は、それらを広げずに、外部フェルール103の内側に位置させる。また、外部フェルール103の割れ目103aと中心ターミナル101の突起部101dとを位置合わせして挿入する。なお、外部フェルール103は、段差部103bが絶縁外被W4の端面に当たるまで絶縁外被W4の内側(絶縁外被W4と誘電体W2の隙間)に挿入する。
【0008】
(f)、(g) 専用治具を用いて、端子フェルール104を中心ターミナル101の電線圧着部101bの外周に相手端子接触部101a側から、端部が誘電体W2に突き当たるまで挿入する。その際、端子フェルール104のスリット104aと中心ターミナル101の突起部101dとを合わせて挿入する。
【0009】
(h) 半割構造の絶縁座105を中心ターミナル101の外側に嵌め合わせる。つまり、中心ターミナル101と端子フェルール104を組み合わせた部分(端子ブロック)を一方の絶縁座半体105aにセットし、もう一方の絶縁座半体105bをその反対側に嵌め合わせる。その際、中心ターミナル101の突起部101dを絶縁座105の溝穴105cに合わせてセットする。そして、同軸ケーブルWを引っ張り、端子ブロックが抜けないことを確認する。
【0010】
(i)、(j) 先に挿入しておいた外部ターミナル102を専用治具により絶縁座105に被せて組み付ける。その際、外部ターミナル102の打ち込み部102aと絶縁座105の溝部105dとを合わせて挿入し、絶縁座105が外部ターミナル102のランス102bに係止されるまで挿入する。
【0011】
(k) 専用治具により外部ターミナル102のバレル102c、102dを、同軸ケーブルWの外部導体W3の露出部(外部フェルール103に被せた部分)と絶縁外被W4のある部分に加締める。
【0012】
(l) ハウジング120に、上述の外部ターミナル102を装着した部分(外筒ブロック)110を挿入する。その際、外部ターミナル102の突起部102eとハウジング120の溝部120aとを合わせて挿入し、外筒ブロック110がハウジング120のランスに係止されるまで挿入する。
【0013】
(m)最後にハウジング120にリテーナ122を挿入し、リテーナ122がハウジング120に係止されるまで挿入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2000−260540号公報
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】ヒロセ電機株式会社のホームページ、カタログ(http://www.hirose.co.jp/catalogue/index.aspx)、平成22年9月検索:自動車用コネクタPDFダウンロード、P.74〜76、「GT16Gの結線方法」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、上述した従来の同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナル101は、相手端子接触部101aと電線圧着部101bとの間の繋ぎ部101cが、高さの低い断面U字状になっていたので、前側の相手端子接触部101aと後側の電線圧着部101bとの間に段差ができてしまっていた。そのため、上述の説明のように、インピーダンス調整のための端子フェルール104という円筒状の部品を、繋ぎ部101cと電線圧着部101bの外周に嵌めて、インピーダンスの整合を図っていた。
【0017】
しかし、同軸ケーブル用コネクタの小型化が進むにつれ、端子フェルール104も小型になって行くことから、小型の部品(端子フェルール104)を小型の中心ターミナル101にセットするのに非常に作業性が悪化するおそれがあり、また、それゆえに加工費のアップに繋がったり、品質の低下につながったりするおそれが出てきた。
【0018】
また、中心ターミナルをフープ材にプレス成形する際に、電線圧着部の後側に帯状のキャリア部を一般的には設けているが、そのキャリアがある分だけ材料の歩留まりが悪くなるという課題もあった。
【0019】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、インピーダンス整合のための余計な部品(端子フェルール)を省くことができて、結線時の作業性を良くすることができると共に、材料の歩留まりの向上を図ることのできる同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナル、及び、その作製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前述した目的を達成するために、本発明に係る同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナルは、下記(1)を特徴としている。
(1) 1枚の板金をプレス成形することにより形成され、一端側に円筒状に丸めた相手端子接触部を有すると共に他端側に断面U字状に曲げられた電線圧着部を有し、前記相手端子接触部と電線圧着部との間に繋ぎ部を有する同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナルであって、
前記繋ぎ部が、円筒状に丸められた円筒形状部として形成され、該円筒形状部の軸線方向の両端縁の周方向の一部が前記相手端子接触部及び電線圧着部の軸方向の各端縁に連結されることによって、前記相手端子接触部と電線圧着部とが前記円筒形状部を介して繋がれており、
更に、前記円筒形状部の外周に、連鎖状に複数のターミナルを繋いだフープ形状を維持するためのキャリア部としてフープ成形された樹脂の一部が残されていること。
【0021】
上記(1)の構成の同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナルによれば、相手端子接触部と電線圧着部との間に、段差を生じない繋ぎ部として円筒形状部を設けているので、端子フェルールのようなインピーダンス調整のための余計な部品を設けることなく、インピーダンス整合を図ることができる。従って、コネクタが小型した場合にも結線作業の容易化を図ることができ、加工費のアップや品質の低下を防止することができる。また、円筒形状部を利用してその外周に樹脂をフープ成形することで、樹脂によるキャリア部を簡単に作ることができるので、材料であるフープ材の端子成形領域の外側にキャリア部を敢えて確保しておく必要がなくなり、金属材料の歩留まりの向上が図れる。
【0022】
前述した目的を達成するために、本発明に係る同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナルの作製方法は、下記(2)〜(4)を特徴としている。
(2) 一端側に相手端子接触部を有すると共に他端側に電線圧着部を有する多数の中心ターミナルを連鎖状にプレス加工するための帯板状のフープ材の幅方向の一端側と他端側に、それぞれ第1と第2の帯板状の仮キャリア部を残して、それら第1と第2の仮キャリア部の間に、一部を前記第1と第2の仮キャリア部との連結部として残しながら1つのターミナル毎に長方形の板を取るための切り込みを入れて、その切り込みの内側の長方形の板を円筒状に丸めることで、軸線方向を前記一端側及び他端側に向けた円筒形状部をプレス加工する第1プレス工程と、
該第1プレス工程後、前記第1の仮キャリア部と第2の仮キャリア部の間の領域に、前記円筒形状部の外周を含めて樹脂をフープ成形することにより、互いに隣接する前記円筒形状部の間に該円筒形状部同士を繋ぐ樹脂キャリア部を形成する樹脂成形工程と、
該樹脂成形工程後、前記第1の仮キャリア部を1つのターミナル毎の寸法に裁断して曲げ加工することで前記相手端子接触部を形成すると共に、前記第2の仮キャリア部を1つのターミナル毎の寸法に裁断して曲げ加工することで前記電線圧着部を形成する第2プレス工程と、
該第2プレス工程後、前記樹脂キャリア部を切断することにより、前記相手端子接触部と前記電線圧着部と前記樹脂が外周に成形された円筒形状部とを有する中心ターミナルを個別に切り離す切り離し工程と、
を備えること。
(3) 上記(2)の構成の中心ターミナルの作製方法において、
前記第2プレス工程後で前記切り離し工程前に、前記電線圧着部に同軸ケーブルの中心導体を圧着する電線圧着工程を更に備えること。
(4) 上記(2)または(3)の構成の中心ターミナルの作製方法において、
前記第1プレス工程において、前記第1の仮キャリア部と第2の仮キャリア部の間に、前記長方形の板を取るに当たって前記切り込みの外側に残されることで前記第1の仮キャリア部と第2の仮キャリア部の間を橋渡しする橋渡し部を確保しておき、前記樹脂成形工程において、その橋渡し部を埋没させるように前記樹脂をフープ成形することにより、前記橋渡し部を芯材として前記樹脂キャリア部を形成すること。
【0023】
上記(2)の構成の同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナルの作製方法によれば、相手端子接触部と電線圧着部との間に、段差を生じない繋ぎ部として円筒形状部を設けるので、端子フェルールのようなインピーダンス調整のための余計な部品を設けることなく、インピーダンス整合を図ることができる。従って、コネクタが小型した場合にも結線作業の容易化を図ることができ、加工費のアップや品質の低下を防止することができる。また、樹脂成形工程において、円筒形状部を利用してその外周に樹脂をフープ成形することにより、隣接する円形形状部間に樹脂キャリア部を作るので、材料であるフープ材の端子成形領域の外側にキャリア部を敢えて確保しておく必要がなくなり、金属材料の歩留まりの向上が図れる。また、フープ材に2つの平板状の仮キャリア部が残っている段階で、つまり、相手端子接触部や電線圧着部を成形する第2プレス工程の前段階で、樹脂をフープ成形するので、樹脂成形を無理なく容易に行うことができる。
上記(3)の構成の同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナルの作製方法によれば、切り離し工程前のフープ状に複数の中心ターミナルが繋がった状態で、各中心ターミナルの電線圧着部に同軸ケーブルの中心導体を圧着するので、多数の結線作業を流れ作業で効率良く行うことができる。
上記(4)の構成の同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナルの作製方法によれば、第1プレス工程において、第1の仮キャリア部と第2の仮キャリア部の間に橋渡し部を確保しておき、樹脂成形工程において、その橋渡し部を埋没させるように樹脂をフープ成形することにより、橋渡し部を芯材として樹脂キャリア部を形成するので、強度のある樹脂キャリア部を作ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、インピーダンス整合のための余計な部品(端子フェルール)を省くことができ、結線時の作業性を良くすることができると共に、材料の歩留まりの向上を図ることができる。
【0025】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態の中心ターミナルの作製方法の工程の一部(a)〜(c)を示す斜視図である。
【図2】図1の(c)の次の工程(d)、(e)を示す斜視図である。
【図3】従来の同軸ケーブル用コネクタに同軸ケーブルを結線する際の工程の一部(a)〜(e)を示す図である。
【図4】図3の(e)の次の工程(f)〜(j)を示す図である。
【図5】図4の(j)の次の工程(k)〜(m)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態の中心ターミナルの作製方法の工程の一部(a)〜(c)を示す斜視図、図2は(c)の次の工程(d)、(e)を示す斜視図である。
【0028】
まず、作製対象の中心ターミナル30は、1枚の板金をプレス成形することにより形成されるもので、同軸ケーブルの中心導体を結線する前の形が、図1(c)に示すように、一端側に円筒状に丸めた相手端子接触部32を有すると共に、他端側に断面U字状に曲げられた電線圧着部33を有し、相手端子接触部32と電線圧着部33との間に、相手端子接触部32と電線圧着部33とを繋ぐ繋ぎ部としての円筒形状部10を有したものである。即ち、円筒形状部10の軸線方向の両端縁の周方向の一部が相手端子接触部32及び電線圧着部33の軸方向の各端縁に連結されることによって、相手端子接触部32と電線圧着部33とが円筒形状部10を介して繋がれている。
【0029】
この中心ターミナル30を作製しつつ同軸ケーブルの中心導体を結線した形の端子ブロック〔図2(e)に示す形のもの〕を作るには、まず図1(a)に示すように、一端側に相手端子接触部32を有すると共に他端側に電線圧着部33を有する多数の中心ターミナル30を連鎖状にプレス加工するための帯板状のフープ材1の幅方向(矢印A方向)の一端側と他端側に、それぞれ第1と第2の帯板状の仮キャリア部2、3を残して、それら第1と第2の仮キャリア部2、3の間に、一部を第1と第2の仮キャリア部2、3との連結部として残しながら1つのターミナル毎に長方形の板を取るための切り込み5を入れて、その切り込みの内側の長方形の板を円筒状に丸めることで、軸線方向を前記一端側及び他端側に向けた円筒形状部10をプレス加工する(第1プレス工程)。
【0030】
その際、第1の仮キャリア部2と第2の仮キャリア部3の間に、長方形の板を取るに当たって切り込み5の外側に残されることで第1の仮キャリア部2と第2の仮キャリア部3の間を橋渡しする橋渡し部4を確保しておく。
【0031】
次に、図1(b)に示すように、第1の仮キャリア部2と第2の仮キャリア部3の間の領域に、前記円筒形状部10の外周を含めて樹脂20をフープ成形することにより、互いに隣接する円筒形状部10の間に該円筒形状部10同士を繋ぐ樹脂キャリア部24を形成する(樹脂成形工程)。その樹脂成形工程において、前記橋渡し部4を埋没させるように樹脂20をフープ成形することにより、橋渡し部4を芯材として樹脂キャリア部24を形成する。
【0032】
次に、図1(c)に示すように、第1の仮キャリア部2を1つのターミナル毎の寸法に裁断して曲げ加工することで相手端子接触部32を形成すると共に、第2の仮キャリア部3を1つのターミナル毎の寸法に裁断して曲げ加工することで電線圧着部33を形成する(第2プレス工程)。
【0033】
次に、図2(d)に示すように、電線圧着部33に同軸ケーブルWの中心導体W1を圧着する(電線圧着工程)し、最後に、図2(e)に示すように、樹脂キャリア部24を切断することにより、相手端子接触部32と電線圧着部33と樹脂20が外周に成形された円筒形状部10とを有する中心ターミナル30を個別に切り離して(切り離し工程)、端子ブロックを得る。
【0034】
以上のように、本実施形態の方法によれば、相手端子接触部32と電線圧着部33との間に、段差を生じない繋ぎ部として円筒形状部10を設けるので、従来の端子フェルールのようなインピーダンス調整のための余計な部品を設けることなく、インピーダンス整合を図ることができる。従って、コネクタが小型した場合にも結線作業の容易化を図ることができ、加工費のアップや品質の低下を防止することができる。また、樹脂成形工程において、円筒形状部10を利用してその外周に樹脂20をフープ成形することにより、隣接する円筒形状部10間に樹脂キャリア部24を作るので、材料であるフープ材の端子成形領域の外側にキャリア部を敢えて確保しておく必要がなくなり、金属材料の歩留まりの向上が図れる。また、フープ材に2つの平板状の仮キャリア部2、3が残っている段階で、つまり、相手端子接触部32や電線圧着部33を成形する第2プレス工程の前段階で、樹脂20をフープ成形するので、樹脂成形を無理なく容易に行うことができる。
【0035】
また、切り離し工程前のフープ状に複数の中心ターミナル30が繋がった状態で、各中心ターミナル30の電線圧着部33に同軸ケーブルWの中心導体W1を圧着するので、多数の結線作業を流れ作業で効率良く行うことができる。
【0036】
また、第1プレス工程において、第1の仮キャリア部2と第2の仮キャリア部3の間に橋渡し部4を確保しておき、樹脂成形工程において、その橋渡し部4を埋没させるように樹脂20をフープ成形することにより、橋渡し部4を芯材として樹脂キャリア部24を形成するので、強度のある樹脂キャリア部24を作ることができる。
【0037】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0038】
1 フープ材
2 第1の仮キャリア部
3 第2の仮キャリア部
4 橋渡し部
5 切り込み
10 円筒形状部
20 樹脂
24 樹脂キャリア部
30 中心ターミナル
32 相手端子接触部
33 電線圧着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の板金をプレス成形することにより形成され、一端側に円筒状に丸めた相手端子接触部を有すると共に他端側に断面U字状に曲げられた電線圧着部を有し、前記相手端子接触部と電線圧着部との間に繋ぎ部を有する同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナルであって、
前記繋ぎ部が、円筒状に丸められた円筒形状部として形成され、該円筒形状部の軸線方向の両端縁の周方向の一部が前記相手端子接触部及び電線圧着部の軸方向の各端縁に連結されることによって、前記相手端子接触部と電線圧着部とが前記円筒形状部を介して繋がれており、
更に、前記円筒形状部の外周に、連鎖状に複数のターミナルを繋いだフープ形状を維持するためのキャリア部としてフープ成形された樹脂の一部が残されていることを特徴とする同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナル。
【請求項2】
一端側に相手端子接触部を有すると共に他端側に電線圧着部を有する多数の中心ターミナルを連鎖状にプレス加工するための帯板状のフープ材の幅方向の一端側と他端側に、それぞれ第1と第2の帯板状の仮キャリア部を残して、それら第1と第2の仮キャリア部の間に、一部を前記第1と第2の仮キャリア部との連結部として残しながら1つのターミナル毎に長方形の板を取るための切り込みを入れて、その切り込みの内側の長方形の板を円筒状に丸めることで、軸線方向を前記一端側及び他端側に向けた円筒形状部をプレス加工する第1プレス工程と、
該第1プレス工程後、前記第1の仮キャリア部と第2の仮キャリア部の間の領域に、前記円筒形状部の外周を含めて樹脂をフープ成形することにより、互いに隣接する前記円筒形状部の間に該円筒形状部同士を繋ぐ樹脂キャリア部を形成する樹脂成形工程と、
該樹脂成形工程後、前記第1の仮キャリア部を1つのターミナル毎の寸法に裁断して曲げ加工することで前記相手端子接触部を形成すると共に、前記第2の仮キャリア部を1つのターミナル毎の寸法に裁断して曲げ加工することで前記電線圧着部を形成する第2プレス工程と、
該第2プレス工程後、前記樹脂キャリア部を切断することにより、前記相手端子接触部と前記電線圧着部と前記樹脂が外周に成形された円筒形状部とを有する中心ターミナルを個別に切り離す切り離し工程と、
を備えることを特徴とする同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナルの作製方法。
【請求項3】
前記第2プレス工程後で前記切り離し工程前に、前記電線圧着部に同軸ケーブルの中心導体を圧着する電線圧着工程を備えることを特徴とする請求項2に記載の同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナルの作製方法。
【請求項4】
前記第1プレス工程において、前記第1の仮キャリア部と第2の仮キャリア部の間に、前記長方形の板を取るに当たって前記切り込みの外側に残されることで前記第1の仮キャリア部と第2の仮キャリア部の間を橋渡しする橋渡し部を確保しておき、前記樹脂成形工程において、その橋渡し部を埋没させるように前記樹脂をフープ成形することにより、前記橋渡し部を芯材として前記樹脂キャリア部を形成することを特徴とする請求項2または3に記載の同軸ケーブル用コネクタの中心ターミナルの作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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