吐出不良検出装置および画像形成装置
【課題】より精度良く液滴の吐出不良を検出しやすい吐出不良検出装置および画像形成装置を得る。
【解決手段】実施形態にかかる吐出不良検出装置は、吐出部の吐出孔から吐出された液滴の画像データを得る撮像部と、前記撮像部が得る画像データに前記液滴の連続した移動軌跡の画像データが含まれるよう、前記撮像部を制御する撮像制御部と、前記撮像部で得られた画像データを画像処理して前記液滴の吐出不良を検出する吐出不良検出部と、を備えた。
【解決手段】実施形態にかかる吐出不良検出装置は、吐出部の吐出孔から吐出された液滴の画像データを得る撮像部と、前記撮像部が得る画像データに前記液滴の連続した移動軌跡の画像データが含まれるよう、前記撮像部を制御する撮像制御部と、前記撮像部で得られた画像データを画像処理して前記液滴の吐出不良を検出する吐出不良検出部と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出不良検出装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所謂インクジェット方式の画像形成装置の液滴の吐出部に設けられた吐出孔から液を連続的に流した状態を撮影し、画像処理して、吐出不良を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−178646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、吐出孔から液が連続的に流れ出る状態と、実際の画像形成装置の使用時のように吐出孔から液滴が断続的に吐出される状態とでは、液の流れ方が異なるため、上記従来技術では、実際の使用状態に近い液の吐出状態における吐出不良を精度良く検出し難い虞があった。
【0005】
そこで、本発明は、一例としては、より精度良く液滴の吐出不良を検出しやすい吐出不良検出装置および画像形成装置を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる吐出不良検出装置にあっては、吐出部の吐出孔から吐出された液滴の画像データを得る撮像部と、前記撮像部が得る画像データに前記液滴の連続した移動軌跡の画像データが含まれるよう、前記撮像部を制御する撮像制御部と、前記撮像部で得られた画像データを画像処理して前記液滴の吐出不良を検出する吐出不良検出部と、を備えたことを、特徴の一つとする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一例としては、より精度良く液滴の吐出不良を検出しやすい吐出不良検出装置および画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置および画像形成装置の一部の一例が模式的に示された斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置の制御回路の一例が示されたブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置における吐出不良の検出処理の手順の一例が示されたフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置の吐出部、吐出部の吐出孔から吐出された液滴、液滴の移動領域、ならびに撮像部による撮像範囲の一例が模式的に示された図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置における液滴の吐出、撮像部による撮像、および光源部の発光のタイミングの一例が示された図であって、(a)は、液滴が吐出されるタイミングが示された図、(b)は、撮像部が撮像するタイミングが示された図、(c)は、光源部が発光するタイミングが示された図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置における液滴の吐出、撮像部による撮像、および光源部の発光のタイミングの別の一例が示された図であって、(a)は、液滴が吐出されるタイミングが示された図、(b)は、撮像部が撮像するタイミングが示された図、(c)は、光源部が発光するタイミングが示された図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置の撮像部が得た画像データの一例が示された図であって、(a)は、撮像部が得た画像データが示された図、(b)は、(a)の画像データが二値化処理された画像データが示された図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置で得られた画像データの一例が模式的に示された図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置で得られた画像データの別の一例が模式的に示された図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置で得られた画像データのさらに別の一例が模式的に示された図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置の光源部における液の種類や滴径に応じた発光強度の可変設定の一例が示された表である。
【図12】図12は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置における液滴の吐出されるタイミングおよび受光部での受光波形の一例が示された図であって、(a)は、液滴が吐出されるタイミングが示された図、(b)は、受光部での受光波形が示された図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態にかかる吐出不良検出装置1は、一例として、吐出部2や、撮像部3、光源部4、移動装置5A、第二移動装置5B、第二光源部6、受光部7等を備えている。
【0010】
吐出部2は、所謂インクジェット方式の画像形成装置10のヘッドに相当する。吐出部2には、複数の吐出孔2a(図4参照)が設けられている。本実施形態では、一例として、吐出制御部12(図2参照)から吐出部2に与えられた制御信号によって、吐出部2内のアクチュエータ(例えば、圧電素子等)が動作し、吐出孔2aからインクの液滴DRが吐出される。吐出制御部12は、各吐出孔2aからの液滴DRの吐出を制御することができる。本実施形態では、一例として、吐出部2は、一方向(図1中のX方向)に長い外観を呈している。そして、吐出部2には、複数の吐出孔2aが、吐出部2の長手方向(X方向)に沿って列状に配置されている。
【0011】
本実施形態では、一例として、撮像部3は、静止画の画像データ(1フレーム分の画像データ)を得る。撮像部3は、例えば、レンズ等を含む光学系(図示されず)と、撮像素子(例えば、CCD(charge coupled device)イメージセンサやCMOS(complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサ等、図示されず)とを有する。撮像素子は、光学系を介して受けた光の画像データを得る。撮像素子は、矩形領域内で格子状に配置された画素毎に光電変換を実行し、各画素の輝度値(濃度)として、二次元の画像データを得る。また、撮像部3は、一例として、光を遮って撮像素子に光が入るのを阻止するシャッタ(図示されず)を有する。シャッタの開閉は、例えば、撮像制御部8b(図2参照)によって制御される。シャッタの開閉時間によって、各画素で受光される光量、すなわち輝度値が変化する。また、本実施形態では、一例として、撮像部3は、吐出孔2aの列に沿った方向(X方向)と交叉する方向(本実施形態では、直交する方向、Z方向)から、液滴DRの移動領域(吐出領域)AMを撮像する。すなわち、少なくとも液滴DRの移動領域AMでは、撮像部3が受ける光の経路P1は、吐出孔2aの列に沿った方向と交叉している。本実施形態では、撮像部3で得た液滴DRの画像データを画像処理することで、吐出部2の各吐出孔2aの吐出不良を検出することができる。
【0012】
光源部4は、例えば、ランプやLED等の発光体を有する。光源部4の発光および発光停止は、例えば、光源制御部8c(図2参照)によって制御される。本実施形態では、一例として、光源部4を出た光は、吐出部2の吐出孔2aから吐出された液滴DRの移動領域AMを通過して、撮像部3に入る。なお、図1の例では、光源部4から出た光の経路P1は、屈折することなく真っ直ぐ撮像部3へ向かっているが、光源部4と撮像部3との間には、例えば、反射鏡や、プリズム、導光体、レンズ等を設けてもよい。導光体は、例えば、画像データにおける液滴DRの画像データの背景のむら(輝度値のむら)を減らすのに、利用することができる。なお、図1の構成例の撮像部3によって得られた画像データでは、図7の(a)に示されるように、背景が明るく、液滴DRの移動軌跡の画像データが暗い。すなわち、背景の輝度値が相対的に高く、液滴DRの画像データの輝度値が相対的に低い。
【0013】
また、本実施形態では、一例として、移動装置5Aおよび第二移動装置5Bは、レール5aと、スライダ5bとを有する。レール5aは、一例として、吐出孔2aの列に沿う方向(X方向)に延びている。また、スライダ5bは、レール5aに、その長手方向(X方向)に沿って移動可能に支持されている。そして、移動装置5Aおよび第二移動装置5Bは、スライダ5bを動かすアクチュエータ(モータ等、図示されず)を有している。アクチュエータの動作、すなわち、スライダ5bの動作は、例えば、移動制御部8f(図2参照)によって制御される。また、スライダ5bは、レール5aの長手方向(X方向)に沿った複数の位置(任意の位置)で停止することができる。そして、移動装置5Aのスライダ5bには撮像部3が固定され、第二移動装置5Bのスライダ5bには光源部4が固定されている。よって、本実施形態では、一例として、移動装置5Aおよび第二移動装置5Bのスライダ5bの位置を変えることにより、液滴DRの移動領域AM内で撮像部3による撮像範囲AI(図4参照)を移動させることができる。本実施形態によれば、移動領域AMを部分的に吐出不良を検出することができるため、移動領域AMの全体を撮像して吐出不良を検出する場合に比べて拡大された画像が得られやすく、吐出不良の検出精度を高めやすい。なお、光源部4および撮像部3の位置によらず、光源部4からの光が撮像部3へ入るよう、移動装置5Aおよび第二移動装置5Bのスライダ5bは、連動して動かされる。また、移動領域AMの全体に対応できる導光体が設けられた場合には、光源部4を動かさない構成とすることもできる。また、反射鏡等が設けられる場合には、移動装置によって反射鏡を動かす構成とすることができる。
【0014】
また、本実施形態では、撮像部3とは別に設けられた受光部7の第二光源部6からの光の受光結果に基づいて、液滴DRの吐出不良が検出される。受光部7は、一例としては、フォトダイオードであり、第二光源部6は、一例としては、レーザダイオード(半導体レーザ、ダイオードレーザ)であることができる。また、本実施形態では、一例として、第二光源部6は、撮像部3による撮像方向(Z方向)と略直交する方向(X方向)に沿った経路P2で液滴DRの移動領域AMに向けて光を発光する。また、受光部7は、第二光源部6から出て液滴DRで散乱された(反射された)光を受光する。なお、受光部7は、液滴DRでの散乱光(反射光)を受光するため、移動領域AMから見て吐出孔2aの列に沿った方向(X方向)に対して少しずらして位置される。ずれ量は、例えば、実験的に決定される。そして、受光部7で得られた液滴DRでの散乱光(反射光)の受光結果に基づいて、吐出部2の吐出不良が検出される。本実施形態では、撮像部3の撮像結果による吐出不良の検出と、受光部7による受光結果による吐出不良の検出とが行われるため、吐出不良をより精度良く検出しやすくなる。なお、受光部7の信号には、受光部7に接続された回路(図示されず)で、適宜、DC成分の除去等が実行されうる。
【0015】
図2に示されるように、吐出不良検出装置1の制御回路8は、一例として、検査実行制御部8aや、撮像制御部8b、光源制御部8c、第二光源制御部8d、受光制御部8e、移動制御部8f、吐出不良検出部9、第二の吐出不良検出部9f等を有する。また、制御回路8は、例えば、画像形成装置10の吐出制御部12や出力制御部13との間で、制御信号を授受することができる。なお、制御回路8には、適宜、コントローラや、アンプ、回路等(いずれも図示されず)が接続されている。
【0016】
本実施形態では、一例として、検査実行制御部8aは、吐出不良検出の一連の処理を制御する。撮像制御部8bは、撮像部3の動作を制御する。撮像制御部8bは、例えば、シャッタの開閉タイミングや、絞り、ズーム等を制御することができる。また、撮像制御部8bは、例えば、撮像部3が得た画像データを受けることができる。光源制御部8cは、光源部4の動作を制御する。光源制御部8cは、例えば、発光および発光停止のタイミングや、光量(光強度)等を制御することができる。一例として、光源部4が複数の光源を有する場合には、点灯する光源の数によって、光量を変化させることができる。第二光源制御部8dは、第二光源部6の動作を制御する。第二光源制御部8dは、例えば、発光および発光停止のタイミングを制御することができる。受光制御部8eは、例えば、受光部7での受光結果を示す信号を受ける。そして、移動制御部8fは、例えば、移動装置5Aおよび第二移動装置5Bを制御して、撮像部3および光源部4の位置を制御する。
【0017】
また、本実施形態では、一例として、吐出不良検出部9は、前処理部9aや、液滴画像データ特定部9b、吐出部画像データ特定部9c、特徴量算出部9d、判断部9e等を有する。前処理部9aは、画像処理の前処理を行う。前処理には、例えば、二値化や、フィルタリング、穴埋め(クロージング)、エッジ検出、グルーピング、ラベリング等が含まれる。液滴画像データ特定部9bは、例えば、前処理部9aによって前処理された画像データから、所定の条件を満たす画像データとして、液滴DRの画像データを特定する。吐出部画像データ特定部9cは、例えば、前処理部9aによって前処理された画像データから、所定の条件を満たす画像データとして、吐出部2の少なくとも一部の画像データを特定する。特徴量算出部9dは、例えば、液滴DRの画像データや、吐出部2の画像データから、所定の特徴量を算出する。判断部9eは、例えば、各液滴DRの画像データ(すなわち、当該液滴DRに対応した吐出孔2a)について特徴量算出部9dで得られた特徴量を、当該特徴量に対応した条件に照合して、各吐出孔2aの吐出状態の可否(正常であるか異常であるか)を判断する。判断部9eは、例えば、受光部7での受光結果を、当該受光結果に対応した条件に照合して、吐出孔2aの吐出状態の可否を判断する。
【0018】
吐出制御部12は、吐出部2の動作を制御する。吐出制御部12は、例えば、各吐出孔2aに対応したアクチュエータのオンオフを制御することにより、各吐出孔2aから液滴DRが吐出されるタイミングや液滴DRの大きさ等を制御することができる。出力制御部13は、出力部11でのデータの出力を制御する。出力部11は、例えば、ディスプレイや、スピーカ、ランプ、LED(light emitting diode)、データライタ等である。ディスプレイは、例えば、LCD(liquid crystal display)やOELD(organic electroluminescent display)等である。出力制御部13は、少なくとも吐出不良が検出された場合に、出力部11に、吐出不良が検出されたことを示す出力を行わせる。なお、出力制御部13は、吐出不良が検出されなかった場合に、出力部11に、吐出不良が検出されなかったこと、すなわち正常であることを示す出力を行わせることもできる。また、制御回路8には、入力部(例えば、キーボード、タッチパネル等)14や、記憶部(例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、HDD(hard disk drive)等)15が接続されている。
【0019】
次に、本実施形態にかかる吐出不良検出装置1による液滴DRの吐出不良の検出の手順の一例について説明する。各ステップでの処理は、検査実行制御部8aの指示に基づいて行われることができる。まず、移動制御部8fは、移動装置5Aおよび第二移動装置5Bを制御して、撮像部3および光源部4を所定の位置に移動させる(ステップS10)。図4に示されるように、本実施形態では、一例として、液滴DRの移動領域(吐出領域)AMに対して、撮像部3による撮像範囲AIが小さく設定されている。本実施形態では、このステップS10によって少なくとも撮像部3を動かして撮像範囲AIを移動させることで、液滴DRの移動領域(吐出領域)AMの全域を複数回に分けて撮像し、吐出不良の検出を行うことができる。
【0020】
次に、吐出制御部12は、吐出部2を制御して、吐出孔2aに、液滴DRの吐出を開始させる(ステップS11)。図4に示されるように、本実施形態では、一例として、吐出制御部12は、撮像範囲AIに対応した吐出孔2a(図4の例では、2a(a)〜2a(e))から液滴DRを吐出させ、他の吐出孔2a(図4の例では、2a(f)〜2a(l))からは液滴DRを吐出させない。このような制御により、一例としては、液滴DRの無駄な消費を抑制することができる。
【0021】
また、光源制御部8cは光源部4を制御して、光源部4を発光させるとともに、撮像制御部8bは撮像部3を制御して、撮像範囲AIでの液滴DRの撮像を行う(ステップS12)。図5,6には、(a)吐出制御部12による吐出部2の制御信号、(b)撮像制御部8bによる撮像部3の制御信号、および(c)光源制御部8cによる光源部4の制御信号の例が示されている。図5,6では、横軸は時間、縦軸は信号のレベルである。(a)のレベルHのときに吐出孔2aから吐出され、レベルLのときには吐出孔2aからの吐出が停止される。(b)のレベルHのときに撮像部3による撮像(画像データの取得)が行われ、レベルLのときには撮像が停止される。(c)のレベルHのときに光源部4による発光が行われ、レベルLのときに光源部4による発光が停止される。
【0022】
図5の例では、吐出孔2aから液滴DRの吐出が開始されるのに僅かに遅れて、光源部4による発光が開始されるとともに、撮像部3による撮像が開始される。そして、各吐出孔2aから所定数N個の液滴DRが吐出されると、次のN+1番目の液滴DRの吐出が開始されるタイミングとほぼ同じタイミングで、光源部4による発光、ならびに撮像部3による撮像が停止される。各吐出孔2aからの液滴DRの吐出は、N+1番目の液滴DRの吐出で停止される(ステップS13)。
【0023】
一方、図6の例では、光源部4による発光は、(c)に示されるように、吐出孔2aから液滴DRの吐出が開始されるのに僅かに遅れて開始されるものの、撮像部3による撮像は、(b)に示されるように、吐出孔2aから液滴DRの吐出が開始されるより前から開始されている。具体的には、時間tsの分、撮像部3による撮像の開始が、吐出孔2aからの液滴DRの吐出の開始より早い。すなわち、この例のように、ステップS12の発光あるいは撮像の開始は、ステップS11の吐出開始より先であってもよい。そして、各吐出孔2aから所定数N個の液滴DRが吐出されると、光源部4による発光は、(c)に示されるように、次のN+1番目の液滴DRの吐出が開始されるタイミングとほぼ同じタイミングで停止されるものの、撮像部3による撮像は、(b)に示されるように、次のN+1番目の液滴DRの吐出が停止した後に(ステップS13)、停止される。具体的には、時間teの分、撮像部3による撮像の停止が、吐出孔2aからの液滴DRの吐出の停止より遅い。すなわち、この例のように、ステップS12の発光あるいは撮像の停止は、ステップS13の吐出停止より後であってもよい。本実施形態では、図5,6の例のように、撮像部3による撮像期間ではない期間では、液滴DRの吐出を少なくしている(極力無くしている)ため、液滴DRの無駄な消費を抑制することができる。なお、液滴DRの画像データに背景の画像データが混じると、コントラストが小さくなる。よって、光源部4が発光する期間(背景の画像データが撮像される期間)は、液滴DRの吐出が行われている期間と、ほぼ同じとするのが好適である。
【0024】
撮像部3によって得られた画像データは、本実施形態では、一例として、吐出不良検出部9で画像処理され、各吐出孔2aについて、吐出不良の有無が検出される(ステップS14〜17)。まずは、前処理部9aで、画像データの前処理が行われる(ステップS14)。このステップS14で、前処理部9aは、例えば、後のステップS15〜S17の画像処理を実行するのに必要な処理、あるいは後のステップS15〜S17の画像処理を実行しやすくする処理を、行う。このステップS14では、例えば、図7(a)に示される画像データ(輝度値のデータ)から、図7(b)に示されるような二値化されたデータ(バイナリデータ)が得られる。また、前処理として、グルーピングやラベリング等が行われた場合には、例えば、各画素が属するグループを示すデータや、各グループの画素数を示すデータ、グループに与えられたラベル(グループの識別子、識別番号等)を示すデータ等が得られ、以降のステップS15〜S17で用いられる。
【0025】
ここで、上述したように、図5,6に示される例では、一つの液滴DRが吐出される期間に比べて十分に長い期間、撮像部3のシャッタが開放され、撮像部3は撮像を継続している。よって、撮像部3が得る静止画の画像データには、図7の(a)や図8等に示されるように、液滴DRの筋状に連続した移動軌跡の画像データImDが含まれることになる。このような制御によれば、液滴DRの画像データが点状、点線状、あるいは破線状である場合に比べて、一例としては、画像処理上、液滴DRの画像データImDを特定しやすい。また、一例としては、画像処理上、液滴DRの移動方向(吐出方向、飛翔方向)を特定しやすいという利点もある。また、吐出孔2aから液が連続的に流れ出る状態ではなく、実際の吐出部2の使用時のように、吐出孔2aから液滴DRが断続的に吐出される状態での液滴DRの画像データImDから、液滴DRの移動方向を特定するため、一例としては、より精度良く液滴DRの吐出不良を検出しやすい。
【0026】
さらに、図5,6に示されるように、撮像部3のシャッタは、複数の液滴DRが吐出される期間に亘って開放され、撮像部3は撮像を継続している。すなわち、図7の(a)に示された筋状に連続した液滴DRの画像データImDには、複数の液滴DRの連続した移動軌跡が重畳されている。このような制御によれば、液滴DRの画像データImDと、背景との輝度値の差(コントラスト)が大きくなりやすく、よって、一例としては、撮像範囲AIの画像データから、液滴DRの画像データを特定しやすい。
【0027】
次に、ステップS14で得られたデータに基づいて、画像データが特定される(ステップS15)。本実施形態では、一例として、図4や、図7の(a)および(b)、図8等に示されるように、吐出部2の一部(吐出孔2aが設けられた面2bを含む部分)が、撮像範囲AIに含まれている。そして、ステップS15で、液滴画像データ特定部9bが液滴DRの画像データImDを特定するとともに、吐出部画像データ特定部9cが吐出部2の画像データImHを特定する。具体的には、図8に示されるように、液滴画像データ特定部9bは、例えば、撮像範囲AIに対応した画素の二次元座標上で予め設定されている二つの線L1,L2間の領域で、所定数(第一閾値)以上の画素数を有してグルーピングされた領域として、液滴DRの画像データImDを特定することができる。また、吐出部画像データ特定部9cは、例えば、線L1に対してL2の反対側に位置した領域で、所定数(第二閾値)以上の画素数を有してグルーピングされた領域として、吐出部2の画像データImHを特定することができる。なお、例えば、面2bを有する点などの吐出部2の形状的な特徴を考慮することで、エッジ検出等の画像処理により、吐出部2の画像データImHと液滴DRの画像データImDとを分離することができる。
【0028】
次に、ステップS15で特定された画像データImD,ImHから、当該画像データImD,ImHの特徴量が算出される(ステップS16)。このステップS16では、特徴量算出部9dは、例えば、図8の例に対し、液滴DRの画像データImDの特徴量として、液滴DRの画像データImDの上流側の端部ID1の位置(X1,Y1)と、下流側の端部ID2の位置(X2,Y2)と、を算出する。この際、特徴量算出部9dは、端部ID1,ID2の位置を、例えば、画像データImD,ImHの領域と線L1,L2との交点となる部分(線分)のうち幅方向中央となる位置として、算出することができる。さらに、特徴量算出部9dは、例えば、液滴DRの画像データImDの他の特徴量として、端部ID1と端部ID2とを結ぶ線(液滴DRの移動軌跡の中心線)CLの角度(方向、傾き、基準方向(図8の例では上下方向)に対する角度)θDや、隣接する線CL間の間隔(隣接する液滴DRの画像データImD間の間隔)δ等を算出することができる。角度θDは、端部ID1,ID2の位置座標(X1,Y1),(X2,Y2)から、算出することができる。角度θDは、移動軌跡が延びた方向を表す特徴量の一例である。また、間隔δは、印字される媒体(図示されず)の位置で取得することもできる。この場合は、媒体への印字精度(ずれ量)として検出することができる。
【0029】
また、ステップS16では、特徴量算出部9dは、例えば、図9の例に対し、吐出部2の画像データImHの特徴量として、面(端面、縁部、端部、辺部)2bの角度(方向、傾き)θHを算出することができる。これにより、吐出部2の画像データが、撮像範囲AIに対して角度θH分傾いていた場合に、液滴DRの角度θDにその傾き分(角度θH)のずれ(誤差)が生じるのを抑制することができる。
【0030】
また、ステップS16では、特徴量算出部9dは、例えば、図10の例に対し、液滴DRの画像データImDの特徴量として、幅Wや輝度値を算出することができる。
【0031】
次に、ステップS16で得られた特徴量に基づいて、液滴DRの画像データImD毎、すなわち吐出孔2a毎に、可否判別が行われる(ステップS17)。具体的に、このステップS17では、判断部9eは、例えば、画像データImDの角度θDと、判断基準となる角度の範囲とを比較して、角度θDがその角度の範囲の境界の閾値と同じかあるいは超えている(上限値より大きい、あるいは下限値より小さい)場合に、その画像データImDについて、異常と判断することができる。また、判断部9eは、角度θDの判断に際しては、吐出部2の面2bの角度θHを考慮することができる。具体的には、例えば、角度θDから角度θHを減算して、範囲の境界の閾値と比較する。そして、角度θDが範囲を超えている場合は、例えば、当該角度θDの画像データImDに対応した液滴DRの移動方向(吐出方向)の所期の移動方向からのずれが大きいと、判断することができる。
【0032】
また、ステップS17では、判断部9eは、例えば、画像データImDの位置や、端部ID1,ID2の位置、線CLの位置、隣接する線CL間の間隔(隣接する液滴DRの画像データImD間の間隔)δ等から、各液滴DRの画像データImDに対応する吐出孔2aを特定することができる。
【0033】
また、ステップS17では、判断部9eは、例えば、隣接する線CL間の間隔(隣接する液滴DRの画像データImD間の間隔)δと、間隔の閾値とを比較して、間隔δがその間隔の閾値と同じかあるいは超えている場合に、その画像データImDについて、異常と判断することができる。隣接する線CL間の間隔(隣接する液滴DRの画像データImD間の間隔)δが大きい場合は、例えば、隣接する液滴DRの画像データImD間に、本来あるべき液滴DRの画像データImDが無い、すなわち、液滴DRを出していないあるいは吐出量が少ない吐出孔2aが存在していると、判断することができる。
【0034】
また、ステップS17では、判断部9eは、例えば、画像データImDの幅Wと、幅の範囲とを比較して、幅Wがその範囲の境界の閾値と同じかあるいはより大きい場合に、その画像データImDについて、異常と判断することができる。幅Wが大きい場合は、例えば、液滴DRの直径が所期の直径より大きい、吐出孔2aからの液滴DRの移動経路が変化する(安定していない)等の異常があると、判断することができる。幅Wが小さい場合は、例えば、液滴DRの直径が所期の直径より小さい等の異常があると、判断することができる。
【0035】
また、ステップS17では、判断部9eは、例えば、画像データImDの輝度値と、輝度値の範囲とを比較して、輝度値がその輝度値の範囲の境界の閾値と同じであるかあるいは超えている(上限値より高い、あるいは下限値より低い)場合に、その画像データImDについて、異常と判断することができる。本実施形態における輝度値の設定(背景は輝度値が高く、液滴DRは輝度値が低い設定)の場合、輝度値が高い場合は、例えば、吐出孔2aからの液滴DRの吐出量が少ないと判断することができる。輝度値が低い場合は、例えば、吐出孔2aからの液滴DRの吐出量が多い(例えば、液滴の数が多い、液滴の留まっている数が多い)と判断することができる。
【0036】
ステップS17で異常が見つかった場合(ステップS18でYes)、異常処理が行われる(ステップS19)。このステップS19での異常処理としては、例えば、出力部11における異常があった旨を示す出力(表示、音声、発光等による出力)がある。ステップS17で異常が見つからなかった場合(ステップS18でNo)、次のステップS20へ進む。
【0037】
ステップS10〜S19における撮像範囲AIについての一連の処理が終了した際、未検査の吐出孔2aがあった場合には(ステップS20でYes)、ステップS10に戻る。すなわち、ステップS10では、次の撮像範囲AIで検査が実行されるよう、撮像部3および光源部4が移動される。未検査の吐出孔2aが無かった場合(ステップS20でNo)、検査が終了する。
【0038】
また、上記検査の実行に際しては、光源部4の光量(光強度)を、使用する液(インク)の種類(透明度)や、使用時の液滴DRの径に応じて、可変設定することができる。具体的には、図11に例示されるように、不透明な液Cで液滴DRの滴径がD3(例えば、40μm(μメートル))であった場合の光量を100%とし、透明度が高まるほど、および滴径が小さくなるほど、光量を少なくすることができる。このような設定により、一例としては、撮像範囲AIの画像データにおける背景と液滴DRの画像データImDとの輝度値の差(コントラスト)を適宜に設定しやすくなる。よって、一例としては、液滴DRの画像データImDの特定が、より精度良く行われやすくなる。光源部4の光量は、例えば、オペレータが入力部14を操作することにより、可変設定することができる。設定値は、記憶部15に記憶されることができる。
【0039】
さらに、本実施形態にかかる吐出不良検出装置1では、受光部7の受光結果によって、吐出異常を判別することができる。図12には、(a)吐出制御部12による吐出部2の制御信号、および(b)受光部7の受光信号(出力信号)の一例が示されている。図12では、横軸は時間、縦軸は信号のレベルである。(a)のレベルHのときに吐出孔2aから吐出され、レベルLのときには吐出孔2aからの吐出が停止される。(b)の縦軸は、受光強度を示す。図12には、複数の吐出孔2a(a)〜2a(e)について、順次、液滴DRが吐出された場合の結果が示されている。図12の例において、受光強度は、第二光源部6から出た光の経路P2(図1参照)に液滴DRが位置している際に、大きくなる。図12の例では、吐出部2の吐出孔2aに対応した制御信号がレベルHとなってから受光強度が立ち上がるまでには、時間t1を要している。この時間t1は、吐出孔2aから液滴DRが吐出されてから、第二光源部6からの光が通る位置に到達するまでの時間である。よって、例えば、図12のEのように、この時間t1が対応する閾値と同じかより長い場合、液滴DRの速度が遅い異常が生じていると判断することができる。また、受光強度が立ち上がってから立ち下がるまでの時間t2は、液滴DRが光の経路P2を通過する(横切る)のに要する時間である。よって、例えば、図12のEのように、この時間t2が対応する閾値と同じかより長い場合も、液滴DRの速度が遅い異常が生じていると判断することができる。また、液滴DRが経路P2からずれている場合や、液滴DRが吐出されていない場合には、受光強度が低くなったり、得られなくなったりする。よって、図12のDのように、観測されるべき時間帯で、受光強度が所定の閾値TH1より低い場合には、液滴DRが吐出されていないあるいは移動方向(吐出方向)のずれが経路P2から大きくずれていると判断することができる。また、図12のCのように、受光強度が所定の閾値TH1より大きく閾値TH2より低い場合は、液滴DRの移動方向(吐出方向)がずれていると、判断することができる。受光部7の受光結果に基づく液滴DRの吐出不良の検出(判断)は、例えば、第二の吐出不良検出部9fが行うことができる。第二の吐出不良検出部9fで液滴DRの吐出不良が検出された場合には、撮像部3によって得られた画像データから異常が検出された場合と同様の異常処理が行われる。
【0040】
図1から明らかとなるように、本実施形態では、撮像部3は、吐出孔2aの列に沿った方向と交叉する方向(Z方向)から移動領域(吐出領域)AMを撮像し、受光部7は、吐出孔2aの列に沿った方向とほぼ沿った方向(X方向)に第二光源部6から出射された光を受光する。よって、本実施形態では、撮像部3で得た画像データと、受光部7での受光結果によって、液滴DRの異なる二方向(本実施形態では、X方向とZ方向)へのずれを検出することができる。また、撮像部3で得た画像データによる吐出異常の検出と、受光部7での受光結果による吐出異常の検出は、別々に実行することができるし、並行して実行することもできる。並行して実行する場合には、例えば、一度に一つの吐出孔2aから液滴DRを吐出し、液滴DRを吐出する吐出孔2aを順次切り替えて、各吐出孔2aから吐出された液滴DRに対して撮像部3で得られた画像データと受光部7での受光結果とを処理することができる。また、第二光源部6と受光部7との組み合わせは、光源部4と撮像部3との組み合わせより安価である。よって、本実施形態の上記構成によれば、異なる二方向の液滴DRのずれを検出する吐出不良検査装置1を、より安価に構成することができる。
【0041】
以上、説明したように、本実施形態にかかる吐出不良検出装置1は、撮像部3が得る画像データに液滴DRの連続した移動軌跡の画像データImDが含まれるよう、撮像部3を制御する撮像制御部8bと、撮像部3で得られた画像データを画像処理して液滴DRの吐出不良を検出する吐出不良検出部9と、を備えた。よって、一例としては、吐出孔2aから液が連続的に流れ出る状態の撮像結果から吐出不良を検出する場合に比べて、より精度良く液滴DRの吐出不良を検出することができる。
【0042】
また、本実施形態では、撮像制御部8bは、撮像部3が得る画像データに一つの吐出孔2aから吐出された複数の液滴DRの連続した移動軌跡の画像データImDが含まれるよう、撮像部3を制御する。よって、一例としては、背景と液滴DRの連続した移動軌跡の画像データImDとのコントラストをより大きくすることができる。よって、一例としては、撮像部3が得る画像データから、液滴DRの連続した移動軌跡の画像データImDを、より精度良く検出しやすい。
【0043】
また、本実施形態では、撮像部3は、液滴DRの移動領域AMを通過した光を受ける。液滴DRの反射光や散乱光を撮像する場合、撮像部以外に向けて反射したり散乱したりする光が生じるため、光源部や撮像部の配置が難しくなる場合がある。すなわち、本実施形態によれば、一例としては、液滴DRの反射光や散乱光を撮像する場合に比べて、光源部4や撮像部3の配置をより容易に行うことができる。
【0044】
また、本実施形態では、吐出不良検出部9は、撮像部3が得た画像データのデータ範囲としての撮像範囲AIにおける移動軌跡の画像データImDの上流側の端部ID1および下流側の端部ID2の位置に基づいて液滴DRの吐出不良を検出する。また、吐出不良検出部9は、撮像部3が得た画像データのデータ範囲としての撮像範囲AIにおいて移動軌跡の画像データImDが延びた方向としての角度θDに基づいて液滴DRの吐出不良を検出する。よって、一例としては、比較的容易に、液滴DRの吐出方向(角度)を得ることができ、一例としては、比較的容易に吐出不良を検出しやすい。
【0045】
また、本実施形態では、吐出不良検出部9は、移動軌跡の画像データImDの輝度値に基づいて液滴DRの吐出不良を検出する。よって、一例としては、より精度良く液滴DRの吐出不良を検出することができる。
【0046】
また、本実施形態では、撮像部3が得る画像データに液滴DRの連続した移動軌跡の画像データImDが含まれるよう、液滴DRに照射される光の光源部4を制御する光源制御部8cが設けられた。よって、一例としては、光源部4の発光ならびに発行停止のタイミングや光量の適宜な設定によって、より好適な液滴DRの連続した移動軌跡の画像データImDを得やすくなる。
【0047】
また、本実施形態では、撮像部3が得る画像データに、吐出部2の少なくとも一部に対応した画像データImHが含まれる。よって、一例としては、液滴DRの移動軌跡の画像データImDの画像処理において、吐出部2の位置ずれや傾き等を反映させることができる。よって、一例としては、より精度良く液滴DRの吐出不良を検出することができる。
【0048】
また、本実施形態では、液滴DRに当たった光を受光する受光部7と、受光部7での受光結果に基づいて液滴DRの吐出不良を検出する第二の吐出不良検出部9fと、を備えた。よって、一例としては、吐出不良検出部9による液滴DRの吐出不良の検出のみである場合に比べて、より精度良く液滴DRの吐出不良を検出しやすくなる。
【0049】
また、本実施形態にかかる吐出不良検出装置1は、画像形成装置10に組み込まれることができる。画像形成装置10では、用紙等の媒体が、用紙移動機構(図示されず)によって吐出部2の吐出孔2a(図4等参照)に面する位置に移動される。そして、吐出孔2aから吐出されたインク等の液滴が、紙等の媒体(図示されず)に付着され、印刷が実行される。吐出部2は、キャリッジ(支持部、図示されず)に支持され、少なくとも主走査方向(図1の左右方向)に移動可能に構成される。
【0050】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。また、吐出不良検出装置、吐出不良検出部、撮像部、光源部、第二光源部、受光部、移動装置、第二移動装置、吐出部等のスペック(方式、構成、形状、材質、数、配置、大きさ、長さ、幅、厚さ等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…吐出不良検出装置
2…吐出部
2a…吐出孔
3…撮像部
4…光源部
7…受光部
8b…撮像制御部
8c…光源制御部
9…吐出不良検出部
9f…第二の吐出不良検出部
10…画像形成装置
12…吐出制御部
AI…撮像範囲(データ範囲)
DR…液滴
ImD…液滴の連続した移動軌跡の画像データ
ID1…上流側の端部
ID2…下流側の端部
θ…角度(方向)
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出不良検出装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所謂インクジェット方式の画像形成装置の液滴の吐出部に設けられた吐出孔から液を連続的に流した状態を撮影し、画像処理して、吐出不良を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−178646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、吐出孔から液が連続的に流れ出る状態と、実際の画像形成装置の使用時のように吐出孔から液滴が断続的に吐出される状態とでは、液の流れ方が異なるため、上記従来技術では、実際の使用状態に近い液の吐出状態における吐出不良を精度良く検出し難い虞があった。
【0005】
そこで、本発明は、一例としては、より精度良く液滴の吐出不良を検出しやすい吐出不良検出装置および画像形成装置を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる吐出不良検出装置にあっては、吐出部の吐出孔から吐出された液滴の画像データを得る撮像部と、前記撮像部が得る画像データに前記液滴の連続した移動軌跡の画像データが含まれるよう、前記撮像部を制御する撮像制御部と、前記撮像部で得られた画像データを画像処理して前記液滴の吐出不良を検出する吐出不良検出部と、を備えたことを、特徴の一つとする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一例としては、より精度良く液滴の吐出不良を検出しやすい吐出不良検出装置および画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置および画像形成装置の一部の一例が模式的に示された斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置の制御回路の一例が示されたブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置における吐出不良の検出処理の手順の一例が示されたフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置の吐出部、吐出部の吐出孔から吐出された液滴、液滴の移動領域、ならびに撮像部による撮像範囲の一例が模式的に示された図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置における液滴の吐出、撮像部による撮像、および光源部の発光のタイミングの一例が示された図であって、(a)は、液滴が吐出されるタイミングが示された図、(b)は、撮像部が撮像するタイミングが示された図、(c)は、光源部が発光するタイミングが示された図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置における液滴の吐出、撮像部による撮像、および光源部の発光のタイミングの別の一例が示された図であって、(a)は、液滴が吐出されるタイミングが示された図、(b)は、撮像部が撮像するタイミングが示された図、(c)は、光源部が発光するタイミングが示された図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置の撮像部が得た画像データの一例が示された図であって、(a)は、撮像部が得た画像データが示された図、(b)は、(a)の画像データが二値化処理された画像データが示された図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置で得られた画像データの一例が模式的に示された図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置で得られた画像データの別の一例が模式的に示された図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置で得られた画像データのさらに別の一例が模式的に示された図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置の光源部における液の種類や滴径に応じた発光強度の可変設定の一例が示された表である。
【図12】図12は、本発明の実施形態にかかる吐出不良検出装置における液滴の吐出されるタイミングおよび受光部での受光波形の一例が示された図であって、(a)は、液滴が吐出されるタイミングが示された図、(b)は、受光部での受光波形が示された図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態にかかる吐出不良検出装置1は、一例として、吐出部2や、撮像部3、光源部4、移動装置5A、第二移動装置5B、第二光源部6、受光部7等を備えている。
【0010】
吐出部2は、所謂インクジェット方式の画像形成装置10のヘッドに相当する。吐出部2には、複数の吐出孔2a(図4参照)が設けられている。本実施形態では、一例として、吐出制御部12(図2参照)から吐出部2に与えられた制御信号によって、吐出部2内のアクチュエータ(例えば、圧電素子等)が動作し、吐出孔2aからインクの液滴DRが吐出される。吐出制御部12は、各吐出孔2aからの液滴DRの吐出を制御することができる。本実施形態では、一例として、吐出部2は、一方向(図1中のX方向)に長い外観を呈している。そして、吐出部2には、複数の吐出孔2aが、吐出部2の長手方向(X方向)に沿って列状に配置されている。
【0011】
本実施形態では、一例として、撮像部3は、静止画の画像データ(1フレーム分の画像データ)を得る。撮像部3は、例えば、レンズ等を含む光学系(図示されず)と、撮像素子(例えば、CCD(charge coupled device)イメージセンサやCMOS(complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサ等、図示されず)とを有する。撮像素子は、光学系を介して受けた光の画像データを得る。撮像素子は、矩形領域内で格子状に配置された画素毎に光電変換を実行し、各画素の輝度値(濃度)として、二次元の画像データを得る。また、撮像部3は、一例として、光を遮って撮像素子に光が入るのを阻止するシャッタ(図示されず)を有する。シャッタの開閉は、例えば、撮像制御部8b(図2参照)によって制御される。シャッタの開閉時間によって、各画素で受光される光量、すなわち輝度値が変化する。また、本実施形態では、一例として、撮像部3は、吐出孔2aの列に沿った方向(X方向)と交叉する方向(本実施形態では、直交する方向、Z方向)から、液滴DRの移動領域(吐出領域)AMを撮像する。すなわち、少なくとも液滴DRの移動領域AMでは、撮像部3が受ける光の経路P1は、吐出孔2aの列に沿った方向と交叉している。本実施形態では、撮像部3で得た液滴DRの画像データを画像処理することで、吐出部2の各吐出孔2aの吐出不良を検出することができる。
【0012】
光源部4は、例えば、ランプやLED等の発光体を有する。光源部4の発光および発光停止は、例えば、光源制御部8c(図2参照)によって制御される。本実施形態では、一例として、光源部4を出た光は、吐出部2の吐出孔2aから吐出された液滴DRの移動領域AMを通過して、撮像部3に入る。なお、図1の例では、光源部4から出た光の経路P1は、屈折することなく真っ直ぐ撮像部3へ向かっているが、光源部4と撮像部3との間には、例えば、反射鏡や、プリズム、導光体、レンズ等を設けてもよい。導光体は、例えば、画像データにおける液滴DRの画像データの背景のむら(輝度値のむら)を減らすのに、利用することができる。なお、図1の構成例の撮像部3によって得られた画像データでは、図7の(a)に示されるように、背景が明るく、液滴DRの移動軌跡の画像データが暗い。すなわち、背景の輝度値が相対的に高く、液滴DRの画像データの輝度値が相対的に低い。
【0013】
また、本実施形態では、一例として、移動装置5Aおよび第二移動装置5Bは、レール5aと、スライダ5bとを有する。レール5aは、一例として、吐出孔2aの列に沿う方向(X方向)に延びている。また、スライダ5bは、レール5aに、その長手方向(X方向)に沿って移動可能に支持されている。そして、移動装置5Aおよび第二移動装置5Bは、スライダ5bを動かすアクチュエータ(モータ等、図示されず)を有している。アクチュエータの動作、すなわち、スライダ5bの動作は、例えば、移動制御部8f(図2参照)によって制御される。また、スライダ5bは、レール5aの長手方向(X方向)に沿った複数の位置(任意の位置)で停止することができる。そして、移動装置5Aのスライダ5bには撮像部3が固定され、第二移動装置5Bのスライダ5bには光源部4が固定されている。よって、本実施形態では、一例として、移動装置5Aおよび第二移動装置5Bのスライダ5bの位置を変えることにより、液滴DRの移動領域AM内で撮像部3による撮像範囲AI(図4参照)を移動させることができる。本実施形態によれば、移動領域AMを部分的に吐出不良を検出することができるため、移動領域AMの全体を撮像して吐出不良を検出する場合に比べて拡大された画像が得られやすく、吐出不良の検出精度を高めやすい。なお、光源部4および撮像部3の位置によらず、光源部4からの光が撮像部3へ入るよう、移動装置5Aおよび第二移動装置5Bのスライダ5bは、連動して動かされる。また、移動領域AMの全体に対応できる導光体が設けられた場合には、光源部4を動かさない構成とすることもできる。また、反射鏡等が設けられる場合には、移動装置によって反射鏡を動かす構成とすることができる。
【0014】
また、本実施形態では、撮像部3とは別に設けられた受光部7の第二光源部6からの光の受光結果に基づいて、液滴DRの吐出不良が検出される。受光部7は、一例としては、フォトダイオードであり、第二光源部6は、一例としては、レーザダイオード(半導体レーザ、ダイオードレーザ)であることができる。また、本実施形態では、一例として、第二光源部6は、撮像部3による撮像方向(Z方向)と略直交する方向(X方向)に沿った経路P2で液滴DRの移動領域AMに向けて光を発光する。また、受光部7は、第二光源部6から出て液滴DRで散乱された(反射された)光を受光する。なお、受光部7は、液滴DRでの散乱光(反射光)を受光するため、移動領域AMから見て吐出孔2aの列に沿った方向(X方向)に対して少しずらして位置される。ずれ量は、例えば、実験的に決定される。そして、受光部7で得られた液滴DRでの散乱光(反射光)の受光結果に基づいて、吐出部2の吐出不良が検出される。本実施形態では、撮像部3の撮像結果による吐出不良の検出と、受光部7による受光結果による吐出不良の検出とが行われるため、吐出不良をより精度良く検出しやすくなる。なお、受光部7の信号には、受光部7に接続された回路(図示されず)で、適宜、DC成分の除去等が実行されうる。
【0015】
図2に示されるように、吐出不良検出装置1の制御回路8は、一例として、検査実行制御部8aや、撮像制御部8b、光源制御部8c、第二光源制御部8d、受光制御部8e、移動制御部8f、吐出不良検出部9、第二の吐出不良検出部9f等を有する。また、制御回路8は、例えば、画像形成装置10の吐出制御部12や出力制御部13との間で、制御信号を授受することができる。なお、制御回路8には、適宜、コントローラや、アンプ、回路等(いずれも図示されず)が接続されている。
【0016】
本実施形態では、一例として、検査実行制御部8aは、吐出不良検出の一連の処理を制御する。撮像制御部8bは、撮像部3の動作を制御する。撮像制御部8bは、例えば、シャッタの開閉タイミングや、絞り、ズーム等を制御することができる。また、撮像制御部8bは、例えば、撮像部3が得た画像データを受けることができる。光源制御部8cは、光源部4の動作を制御する。光源制御部8cは、例えば、発光および発光停止のタイミングや、光量(光強度)等を制御することができる。一例として、光源部4が複数の光源を有する場合には、点灯する光源の数によって、光量を変化させることができる。第二光源制御部8dは、第二光源部6の動作を制御する。第二光源制御部8dは、例えば、発光および発光停止のタイミングを制御することができる。受光制御部8eは、例えば、受光部7での受光結果を示す信号を受ける。そして、移動制御部8fは、例えば、移動装置5Aおよび第二移動装置5Bを制御して、撮像部3および光源部4の位置を制御する。
【0017】
また、本実施形態では、一例として、吐出不良検出部9は、前処理部9aや、液滴画像データ特定部9b、吐出部画像データ特定部9c、特徴量算出部9d、判断部9e等を有する。前処理部9aは、画像処理の前処理を行う。前処理には、例えば、二値化や、フィルタリング、穴埋め(クロージング)、エッジ検出、グルーピング、ラベリング等が含まれる。液滴画像データ特定部9bは、例えば、前処理部9aによって前処理された画像データから、所定の条件を満たす画像データとして、液滴DRの画像データを特定する。吐出部画像データ特定部9cは、例えば、前処理部9aによって前処理された画像データから、所定の条件を満たす画像データとして、吐出部2の少なくとも一部の画像データを特定する。特徴量算出部9dは、例えば、液滴DRの画像データや、吐出部2の画像データから、所定の特徴量を算出する。判断部9eは、例えば、各液滴DRの画像データ(すなわち、当該液滴DRに対応した吐出孔2a)について特徴量算出部9dで得られた特徴量を、当該特徴量に対応した条件に照合して、各吐出孔2aの吐出状態の可否(正常であるか異常であるか)を判断する。判断部9eは、例えば、受光部7での受光結果を、当該受光結果に対応した条件に照合して、吐出孔2aの吐出状態の可否を判断する。
【0018】
吐出制御部12は、吐出部2の動作を制御する。吐出制御部12は、例えば、各吐出孔2aに対応したアクチュエータのオンオフを制御することにより、各吐出孔2aから液滴DRが吐出されるタイミングや液滴DRの大きさ等を制御することができる。出力制御部13は、出力部11でのデータの出力を制御する。出力部11は、例えば、ディスプレイや、スピーカ、ランプ、LED(light emitting diode)、データライタ等である。ディスプレイは、例えば、LCD(liquid crystal display)やOELD(organic electroluminescent display)等である。出力制御部13は、少なくとも吐出不良が検出された場合に、出力部11に、吐出不良が検出されたことを示す出力を行わせる。なお、出力制御部13は、吐出不良が検出されなかった場合に、出力部11に、吐出不良が検出されなかったこと、すなわち正常であることを示す出力を行わせることもできる。また、制御回路8には、入力部(例えば、キーボード、タッチパネル等)14や、記憶部(例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、HDD(hard disk drive)等)15が接続されている。
【0019】
次に、本実施形態にかかる吐出不良検出装置1による液滴DRの吐出不良の検出の手順の一例について説明する。各ステップでの処理は、検査実行制御部8aの指示に基づいて行われることができる。まず、移動制御部8fは、移動装置5Aおよび第二移動装置5Bを制御して、撮像部3および光源部4を所定の位置に移動させる(ステップS10)。図4に示されるように、本実施形態では、一例として、液滴DRの移動領域(吐出領域)AMに対して、撮像部3による撮像範囲AIが小さく設定されている。本実施形態では、このステップS10によって少なくとも撮像部3を動かして撮像範囲AIを移動させることで、液滴DRの移動領域(吐出領域)AMの全域を複数回に分けて撮像し、吐出不良の検出を行うことができる。
【0020】
次に、吐出制御部12は、吐出部2を制御して、吐出孔2aに、液滴DRの吐出を開始させる(ステップS11)。図4に示されるように、本実施形態では、一例として、吐出制御部12は、撮像範囲AIに対応した吐出孔2a(図4の例では、2a(a)〜2a(e))から液滴DRを吐出させ、他の吐出孔2a(図4の例では、2a(f)〜2a(l))からは液滴DRを吐出させない。このような制御により、一例としては、液滴DRの無駄な消費を抑制することができる。
【0021】
また、光源制御部8cは光源部4を制御して、光源部4を発光させるとともに、撮像制御部8bは撮像部3を制御して、撮像範囲AIでの液滴DRの撮像を行う(ステップS12)。図5,6には、(a)吐出制御部12による吐出部2の制御信号、(b)撮像制御部8bによる撮像部3の制御信号、および(c)光源制御部8cによる光源部4の制御信号の例が示されている。図5,6では、横軸は時間、縦軸は信号のレベルである。(a)のレベルHのときに吐出孔2aから吐出され、レベルLのときには吐出孔2aからの吐出が停止される。(b)のレベルHのときに撮像部3による撮像(画像データの取得)が行われ、レベルLのときには撮像が停止される。(c)のレベルHのときに光源部4による発光が行われ、レベルLのときに光源部4による発光が停止される。
【0022】
図5の例では、吐出孔2aから液滴DRの吐出が開始されるのに僅かに遅れて、光源部4による発光が開始されるとともに、撮像部3による撮像が開始される。そして、各吐出孔2aから所定数N個の液滴DRが吐出されると、次のN+1番目の液滴DRの吐出が開始されるタイミングとほぼ同じタイミングで、光源部4による発光、ならびに撮像部3による撮像が停止される。各吐出孔2aからの液滴DRの吐出は、N+1番目の液滴DRの吐出で停止される(ステップS13)。
【0023】
一方、図6の例では、光源部4による発光は、(c)に示されるように、吐出孔2aから液滴DRの吐出が開始されるのに僅かに遅れて開始されるものの、撮像部3による撮像は、(b)に示されるように、吐出孔2aから液滴DRの吐出が開始されるより前から開始されている。具体的には、時間tsの分、撮像部3による撮像の開始が、吐出孔2aからの液滴DRの吐出の開始より早い。すなわち、この例のように、ステップS12の発光あるいは撮像の開始は、ステップS11の吐出開始より先であってもよい。そして、各吐出孔2aから所定数N個の液滴DRが吐出されると、光源部4による発光は、(c)に示されるように、次のN+1番目の液滴DRの吐出が開始されるタイミングとほぼ同じタイミングで停止されるものの、撮像部3による撮像は、(b)に示されるように、次のN+1番目の液滴DRの吐出が停止した後に(ステップS13)、停止される。具体的には、時間teの分、撮像部3による撮像の停止が、吐出孔2aからの液滴DRの吐出の停止より遅い。すなわち、この例のように、ステップS12の発光あるいは撮像の停止は、ステップS13の吐出停止より後であってもよい。本実施形態では、図5,6の例のように、撮像部3による撮像期間ではない期間では、液滴DRの吐出を少なくしている(極力無くしている)ため、液滴DRの無駄な消費を抑制することができる。なお、液滴DRの画像データに背景の画像データが混じると、コントラストが小さくなる。よって、光源部4が発光する期間(背景の画像データが撮像される期間)は、液滴DRの吐出が行われている期間と、ほぼ同じとするのが好適である。
【0024】
撮像部3によって得られた画像データは、本実施形態では、一例として、吐出不良検出部9で画像処理され、各吐出孔2aについて、吐出不良の有無が検出される(ステップS14〜17)。まずは、前処理部9aで、画像データの前処理が行われる(ステップS14)。このステップS14で、前処理部9aは、例えば、後のステップS15〜S17の画像処理を実行するのに必要な処理、あるいは後のステップS15〜S17の画像処理を実行しやすくする処理を、行う。このステップS14では、例えば、図7(a)に示される画像データ(輝度値のデータ)から、図7(b)に示されるような二値化されたデータ(バイナリデータ)が得られる。また、前処理として、グルーピングやラベリング等が行われた場合には、例えば、各画素が属するグループを示すデータや、各グループの画素数を示すデータ、グループに与えられたラベル(グループの識別子、識別番号等)を示すデータ等が得られ、以降のステップS15〜S17で用いられる。
【0025】
ここで、上述したように、図5,6に示される例では、一つの液滴DRが吐出される期間に比べて十分に長い期間、撮像部3のシャッタが開放され、撮像部3は撮像を継続している。よって、撮像部3が得る静止画の画像データには、図7の(a)や図8等に示されるように、液滴DRの筋状に連続した移動軌跡の画像データImDが含まれることになる。このような制御によれば、液滴DRの画像データが点状、点線状、あるいは破線状である場合に比べて、一例としては、画像処理上、液滴DRの画像データImDを特定しやすい。また、一例としては、画像処理上、液滴DRの移動方向(吐出方向、飛翔方向)を特定しやすいという利点もある。また、吐出孔2aから液が連続的に流れ出る状態ではなく、実際の吐出部2の使用時のように、吐出孔2aから液滴DRが断続的に吐出される状態での液滴DRの画像データImDから、液滴DRの移動方向を特定するため、一例としては、より精度良く液滴DRの吐出不良を検出しやすい。
【0026】
さらに、図5,6に示されるように、撮像部3のシャッタは、複数の液滴DRが吐出される期間に亘って開放され、撮像部3は撮像を継続している。すなわち、図7の(a)に示された筋状に連続した液滴DRの画像データImDには、複数の液滴DRの連続した移動軌跡が重畳されている。このような制御によれば、液滴DRの画像データImDと、背景との輝度値の差(コントラスト)が大きくなりやすく、よって、一例としては、撮像範囲AIの画像データから、液滴DRの画像データを特定しやすい。
【0027】
次に、ステップS14で得られたデータに基づいて、画像データが特定される(ステップS15)。本実施形態では、一例として、図4や、図7の(a)および(b)、図8等に示されるように、吐出部2の一部(吐出孔2aが設けられた面2bを含む部分)が、撮像範囲AIに含まれている。そして、ステップS15で、液滴画像データ特定部9bが液滴DRの画像データImDを特定するとともに、吐出部画像データ特定部9cが吐出部2の画像データImHを特定する。具体的には、図8に示されるように、液滴画像データ特定部9bは、例えば、撮像範囲AIに対応した画素の二次元座標上で予め設定されている二つの線L1,L2間の領域で、所定数(第一閾値)以上の画素数を有してグルーピングされた領域として、液滴DRの画像データImDを特定することができる。また、吐出部画像データ特定部9cは、例えば、線L1に対してL2の反対側に位置した領域で、所定数(第二閾値)以上の画素数を有してグルーピングされた領域として、吐出部2の画像データImHを特定することができる。なお、例えば、面2bを有する点などの吐出部2の形状的な特徴を考慮することで、エッジ検出等の画像処理により、吐出部2の画像データImHと液滴DRの画像データImDとを分離することができる。
【0028】
次に、ステップS15で特定された画像データImD,ImHから、当該画像データImD,ImHの特徴量が算出される(ステップS16)。このステップS16では、特徴量算出部9dは、例えば、図8の例に対し、液滴DRの画像データImDの特徴量として、液滴DRの画像データImDの上流側の端部ID1の位置(X1,Y1)と、下流側の端部ID2の位置(X2,Y2)と、を算出する。この際、特徴量算出部9dは、端部ID1,ID2の位置を、例えば、画像データImD,ImHの領域と線L1,L2との交点となる部分(線分)のうち幅方向中央となる位置として、算出することができる。さらに、特徴量算出部9dは、例えば、液滴DRの画像データImDの他の特徴量として、端部ID1と端部ID2とを結ぶ線(液滴DRの移動軌跡の中心線)CLの角度(方向、傾き、基準方向(図8の例では上下方向)に対する角度)θDや、隣接する線CL間の間隔(隣接する液滴DRの画像データImD間の間隔)δ等を算出することができる。角度θDは、端部ID1,ID2の位置座標(X1,Y1),(X2,Y2)から、算出することができる。角度θDは、移動軌跡が延びた方向を表す特徴量の一例である。また、間隔δは、印字される媒体(図示されず)の位置で取得することもできる。この場合は、媒体への印字精度(ずれ量)として検出することができる。
【0029】
また、ステップS16では、特徴量算出部9dは、例えば、図9の例に対し、吐出部2の画像データImHの特徴量として、面(端面、縁部、端部、辺部)2bの角度(方向、傾き)θHを算出することができる。これにより、吐出部2の画像データが、撮像範囲AIに対して角度θH分傾いていた場合に、液滴DRの角度θDにその傾き分(角度θH)のずれ(誤差)が生じるのを抑制することができる。
【0030】
また、ステップS16では、特徴量算出部9dは、例えば、図10の例に対し、液滴DRの画像データImDの特徴量として、幅Wや輝度値を算出することができる。
【0031】
次に、ステップS16で得られた特徴量に基づいて、液滴DRの画像データImD毎、すなわち吐出孔2a毎に、可否判別が行われる(ステップS17)。具体的に、このステップS17では、判断部9eは、例えば、画像データImDの角度θDと、判断基準となる角度の範囲とを比較して、角度θDがその角度の範囲の境界の閾値と同じかあるいは超えている(上限値より大きい、あるいは下限値より小さい)場合に、その画像データImDについて、異常と判断することができる。また、判断部9eは、角度θDの判断に際しては、吐出部2の面2bの角度θHを考慮することができる。具体的には、例えば、角度θDから角度θHを減算して、範囲の境界の閾値と比較する。そして、角度θDが範囲を超えている場合は、例えば、当該角度θDの画像データImDに対応した液滴DRの移動方向(吐出方向)の所期の移動方向からのずれが大きいと、判断することができる。
【0032】
また、ステップS17では、判断部9eは、例えば、画像データImDの位置や、端部ID1,ID2の位置、線CLの位置、隣接する線CL間の間隔(隣接する液滴DRの画像データImD間の間隔)δ等から、各液滴DRの画像データImDに対応する吐出孔2aを特定することができる。
【0033】
また、ステップS17では、判断部9eは、例えば、隣接する線CL間の間隔(隣接する液滴DRの画像データImD間の間隔)δと、間隔の閾値とを比較して、間隔δがその間隔の閾値と同じかあるいは超えている場合に、その画像データImDについて、異常と判断することができる。隣接する線CL間の間隔(隣接する液滴DRの画像データImD間の間隔)δが大きい場合は、例えば、隣接する液滴DRの画像データImD間に、本来あるべき液滴DRの画像データImDが無い、すなわち、液滴DRを出していないあるいは吐出量が少ない吐出孔2aが存在していると、判断することができる。
【0034】
また、ステップS17では、判断部9eは、例えば、画像データImDの幅Wと、幅の範囲とを比較して、幅Wがその範囲の境界の閾値と同じかあるいはより大きい場合に、その画像データImDについて、異常と判断することができる。幅Wが大きい場合は、例えば、液滴DRの直径が所期の直径より大きい、吐出孔2aからの液滴DRの移動経路が変化する(安定していない)等の異常があると、判断することができる。幅Wが小さい場合は、例えば、液滴DRの直径が所期の直径より小さい等の異常があると、判断することができる。
【0035】
また、ステップS17では、判断部9eは、例えば、画像データImDの輝度値と、輝度値の範囲とを比較して、輝度値がその輝度値の範囲の境界の閾値と同じであるかあるいは超えている(上限値より高い、あるいは下限値より低い)場合に、その画像データImDについて、異常と判断することができる。本実施形態における輝度値の設定(背景は輝度値が高く、液滴DRは輝度値が低い設定)の場合、輝度値が高い場合は、例えば、吐出孔2aからの液滴DRの吐出量が少ないと判断することができる。輝度値が低い場合は、例えば、吐出孔2aからの液滴DRの吐出量が多い(例えば、液滴の数が多い、液滴の留まっている数が多い)と判断することができる。
【0036】
ステップS17で異常が見つかった場合(ステップS18でYes)、異常処理が行われる(ステップS19)。このステップS19での異常処理としては、例えば、出力部11における異常があった旨を示す出力(表示、音声、発光等による出力)がある。ステップS17で異常が見つからなかった場合(ステップS18でNo)、次のステップS20へ進む。
【0037】
ステップS10〜S19における撮像範囲AIについての一連の処理が終了した際、未検査の吐出孔2aがあった場合には(ステップS20でYes)、ステップS10に戻る。すなわち、ステップS10では、次の撮像範囲AIで検査が実行されるよう、撮像部3および光源部4が移動される。未検査の吐出孔2aが無かった場合(ステップS20でNo)、検査が終了する。
【0038】
また、上記検査の実行に際しては、光源部4の光量(光強度)を、使用する液(インク)の種類(透明度)や、使用時の液滴DRの径に応じて、可変設定することができる。具体的には、図11に例示されるように、不透明な液Cで液滴DRの滴径がD3(例えば、40μm(μメートル))であった場合の光量を100%とし、透明度が高まるほど、および滴径が小さくなるほど、光量を少なくすることができる。このような設定により、一例としては、撮像範囲AIの画像データにおける背景と液滴DRの画像データImDとの輝度値の差(コントラスト)を適宜に設定しやすくなる。よって、一例としては、液滴DRの画像データImDの特定が、より精度良く行われやすくなる。光源部4の光量は、例えば、オペレータが入力部14を操作することにより、可変設定することができる。設定値は、記憶部15に記憶されることができる。
【0039】
さらに、本実施形態にかかる吐出不良検出装置1では、受光部7の受光結果によって、吐出異常を判別することができる。図12には、(a)吐出制御部12による吐出部2の制御信号、および(b)受光部7の受光信号(出力信号)の一例が示されている。図12では、横軸は時間、縦軸は信号のレベルである。(a)のレベルHのときに吐出孔2aから吐出され、レベルLのときには吐出孔2aからの吐出が停止される。(b)の縦軸は、受光強度を示す。図12には、複数の吐出孔2a(a)〜2a(e)について、順次、液滴DRが吐出された場合の結果が示されている。図12の例において、受光強度は、第二光源部6から出た光の経路P2(図1参照)に液滴DRが位置している際に、大きくなる。図12の例では、吐出部2の吐出孔2aに対応した制御信号がレベルHとなってから受光強度が立ち上がるまでには、時間t1を要している。この時間t1は、吐出孔2aから液滴DRが吐出されてから、第二光源部6からの光が通る位置に到達するまでの時間である。よって、例えば、図12のEのように、この時間t1が対応する閾値と同じかより長い場合、液滴DRの速度が遅い異常が生じていると判断することができる。また、受光強度が立ち上がってから立ち下がるまでの時間t2は、液滴DRが光の経路P2を通過する(横切る)のに要する時間である。よって、例えば、図12のEのように、この時間t2が対応する閾値と同じかより長い場合も、液滴DRの速度が遅い異常が生じていると判断することができる。また、液滴DRが経路P2からずれている場合や、液滴DRが吐出されていない場合には、受光強度が低くなったり、得られなくなったりする。よって、図12のDのように、観測されるべき時間帯で、受光強度が所定の閾値TH1より低い場合には、液滴DRが吐出されていないあるいは移動方向(吐出方向)のずれが経路P2から大きくずれていると判断することができる。また、図12のCのように、受光強度が所定の閾値TH1より大きく閾値TH2より低い場合は、液滴DRの移動方向(吐出方向)がずれていると、判断することができる。受光部7の受光結果に基づく液滴DRの吐出不良の検出(判断)は、例えば、第二の吐出不良検出部9fが行うことができる。第二の吐出不良検出部9fで液滴DRの吐出不良が検出された場合には、撮像部3によって得られた画像データから異常が検出された場合と同様の異常処理が行われる。
【0040】
図1から明らかとなるように、本実施形態では、撮像部3は、吐出孔2aの列に沿った方向と交叉する方向(Z方向)から移動領域(吐出領域)AMを撮像し、受光部7は、吐出孔2aの列に沿った方向とほぼ沿った方向(X方向)に第二光源部6から出射された光を受光する。よって、本実施形態では、撮像部3で得た画像データと、受光部7での受光結果によって、液滴DRの異なる二方向(本実施形態では、X方向とZ方向)へのずれを検出することができる。また、撮像部3で得た画像データによる吐出異常の検出と、受光部7での受光結果による吐出異常の検出は、別々に実行することができるし、並行して実行することもできる。並行して実行する場合には、例えば、一度に一つの吐出孔2aから液滴DRを吐出し、液滴DRを吐出する吐出孔2aを順次切り替えて、各吐出孔2aから吐出された液滴DRに対して撮像部3で得られた画像データと受光部7での受光結果とを処理することができる。また、第二光源部6と受光部7との組み合わせは、光源部4と撮像部3との組み合わせより安価である。よって、本実施形態の上記構成によれば、異なる二方向の液滴DRのずれを検出する吐出不良検査装置1を、より安価に構成することができる。
【0041】
以上、説明したように、本実施形態にかかる吐出不良検出装置1は、撮像部3が得る画像データに液滴DRの連続した移動軌跡の画像データImDが含まれるよう、撮像部3を制御する撮像制御部8bと、撮像部3で得られた画像データを画像処理して液滴DRの吐出不良を検出する吐出不良検出部9と、を備えた。よって、一例としては、吐出孔2aから液が連続的に流れ出る状態の撮像結果から吐出不良を検出する場合に比べて、より精度良く液滴DRの吐出不良を検出することができる。
【0042】
また、本実施形態では、撮像制御部8bは、撮像部3が得る画像データに一つの吐出孔2aから吐出された複数の液滴DRの連続した移動軌跡の画像データImDが含まれるよう、撮像部3を制御する。よって、一例としては、背景と液滴DRの連続した移動軌跡の画像データImDとのコントラストをより大きくすることができる。よって、一例としては、撮像部3が得る画像データから、液滴DRの連続した移動軌跡の画像データImDを、より精度良く検出しやすい。
【0043】
また、本実施形態では、撮像部3は、液滴DRの移動領域AMを通過した光を受ける。液滴DRの反射光や散乱光を撮像する場合、撮像部以外に向けて反射したり散乱したりする光が生じるため、光源部や撮像部の配置が難しくなる場合がある。すなわち、本実施形態によれば、一例としては、液滴DRの反射光や散乱光を撮像する場合に比べて、光源部4や撮像部3の配置をより容易に行うことができる。
【0044】
また、本実施形態では、吐出不良検出部9は、撮像部3が得た画像データのデータ範囲としての撮像範囲AIにおける移動軌跡の画像データImDの上流側の端部ID1および下流側の端部ID2の位置に基づいて液滴DRの吐出不良を検出する。また、吐出不良検出部9は、撮像部3が得た画像データのデータ範囲としての撮像範囲AIにおいて移動軌跡の画像データImDが延びた方向としての角度θDに基づいて液滴DRの吐出不良を検出する。よって、一例としては、比較的容易に、液滴DRの吐出方向(角度)を得ることができ、一例としては、比較的容易に吐出不良を検出しやすい。
【0045】
また、本実施形態では、吐出不良検出部9は、移動軌跡の画像データImDの輝度値に基づいて液滴DRの吐出不良を検出する。よって、一例としては、より精度良く液滴DRの吐出不良を検出することができる。
【0046】
また、本実施形態では、撮像部3が得る画像データに液滴DRの連続した移動軌跡の画像データImDが含まれるよう、液滴DRに照射される光の光源部4を制御する光源制御部8cが設けられた。よって、一例としては、光源部4の発光ならびに発行停止のタイミングや光量の適宜な設定によって、より好適な液滴DRの連続した移動軌跡の画像データImDを得やすくなる。
【0047】
また、本実施形態では、撮像部3が得る画像データに、吐出部2の少なくとも一部に対応した画像データImHが含まれる。よって、一例としては、液滴DRの移動軌跡の画像データImDの画像処理において、吐出部2の位置ずれや傾き等を反映させることができる。よって、一例としては、より精度良く液滴DRの吐出不良を検出することができる。
【0048】
また、本実施形態では、液滴DRに当たった光を受光する受光部7と、受光部7での受光結果に基づいて液滴DRの吐出不良を検出する第二の吐出不良検出部9fと、を備えた。よって、一例としては、吐出不良検出部9による液滴DRの吐出不良の検出のみである場合に比べて、より精度良く液滴DRの吐出不良を検出しやすくなる。
【0049】
また、本実施形態にかかる吐出不良検出装置1は、画像形成装置10に組み込まれることができる。画像形成装置10では、用紙等の媒体が、用紙移動機構(図示されず)によって吐出部2の吐出孔2a(図4等参照)に面する位置に移動される。そして、吐出孔2aから吐出されたインク等の液滴が、紙等の媒体(図示されず)に付着され、印刷が実行される。吐出部2は、キャリッジ(支持部、図示されず)に支持され、少なくとも主走査方向(図1の左右方向)に移動可能に構成される。
【0050】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。また、吐出不良検出装置、吐出不良検出部、撮像部、光源部、第二光源部、受光部、移動装置、第二移動装置、吐出部等のスペック(方式、構成、形状、材質、数、配置、大きさ、長さ、幅、厚さ等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…吐出不良検出装置
2…吐出部
2a…吐出孔
3…撮像部
4…光源部
7…受光部
8b…撮像制御部
8c…光源制御部
9…吐出不良検出部
9f…第二の吐出不良検出部
10…画像形成装置
12…吐出制御部
AI…撮像範囲(データ範囲)
DR…液滴
ImD…液滴の連続した移動軌跡の画像データ
ID1…上流側の端部
ID2…下流側の端部
θ…角度(方向)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出部の吐出孔から吐出された液滴の画像データを得る撮像部と、
前記撮像部が得る画像データに前記液滴の連続した移動軌跡の画像データが含まれるよう、前記撮像部を制御する撮像制御部と、
前記撮像部で得られた画像データを画像処理して前記液滴の吐出不良を検出する吐出不良検出部と、
を備えた、吐出不良検出装置。
【請求項2】
前記撮像制御部は、前記撮像部が得る画像データに一つの前記吐出孔から吐出された複数の前記液滴の連続した移動軌跡の画像データが含まれるよう、前記撮像部を制御する、請求項1に記載の吐出不良検出装置。
【請求項3】
前記撮像部は、前記液滴の移動領域を通過した光を受ける、請求項1または2に記載の吐出不良検出装置。
【請求項4】
前記吐出不良検出部は、前記撮像部が得た画像データのデータ範囲における前記移動軌跡の画像データの上流側の端部および下流側の端部の位置に基づいて前記液滴の吐出不良を検出する、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の吐出不良検出装置。
【請求項5】
前記吐出不良検出部は、前記撮像部が得た画像データのデータ範囲において前記移動軌跡の画像データが延びた方向に基づいて前記液滴の吐出不良を検出する、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の吐出不良検出装置。
【請求項6】
前記吐出不良検出部は、前記移動軌跡の画像データの輝度値に基づいて液滴の吐出不良を検出する、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の吐出不良検出装置。
【請求項7】
前記撮像部が得る画像データに前記液滴の連続した移動軌跡の画像データが含まれるよう、前記液滴に照射される光の光源部を制御する光源制御部を備えた、請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の吐出不良検出装置。
【請求項8】
前記撮像部が得る画像データに、前記吐出部の少なくとも一部に対応した画像データが含まれる、請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の吐出不良検出装置。
【請求項9】
前記液滴に当たった光を受光する受光部と、
前記受光部での受光結果に基づいて前記液滴の吐出不良を検出する第二の吐出不良検出部と、
を備えた、請求項1〜8のうちいずれか一つに記載の吐出不良検出装置。
【請求項10】
媒体に向けて液滴を吐出する吐出孔を有した吐出部と、
前記吐出孔から吐出された液滴の画像データを得る撮像部と、
前記撮像部が得る画像データに前記液滴の連続した移動軌跡の画像データが含まれるよう、前記撮像部を制御する撮像制御部と、
前記撮像部で得られた画像データを画像処理して前記液滴の吐出不良を検出する吐出不良検出部と、
を備えた、画像形成装置。
【請求項1】
吐出部の吐出孔から吐出された液滴の画像データを得る撮像部と、
前記撮像部が得る画像データに前記液滴の連続した移動軌跡の画像データが含まれるよう、前記撮像部を制御する撮像制御部と、
前記撮像部で得られた画像データを画像処理して前記液滴の吐出不良を検出する吐出不良検出部と、
を備えた、吐出不良検出装置。
【請求項2】
前記撮像制御部は、前記撮像部が得る画像データに一つの前記吐出孔から吐出された複数の前記液滴の連続した移動軌跡の画像データが含まれるよう、前記撮像部を制御する、請求項1に記載の吐出不良検出装置。
【請求項3】
前記撮像部は、前記液滴の移動領域を通過した光を受ける、請求項1または2に記載の吐出不良検出装置。
【請求項4】
前記吐出不良検出部は、前記撮像部が得た画像データのデータ範囲における前記移動軌跡の画像データの上流側の端部および下流側の端部の位置に基づいて前記液滴の吐出不良を検出する、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の吐出不良検出装置。
【請求項5】
前記吐出不良検出部は、前記撮像部が得た画像データのデータ範囲において前記移動軌跡の画像データが延びた方向に基づいて前記液滴の吐出不良を検出する、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の吐出不良検出装置。
【請求項6】
前記吐出不良検出部は、前記移動軌跡の画像データの輝度値に基づいて液滴の吐出不良を検出する、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の吐出不良検出装置。
【請求項7】
前記撮像部が得る画像データに前記液滴の連続した移動軌跡の画像データが含まれるよう、前記液滴に照射される光の光源部を制御する光源制御部を備えた、請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の吐出不良検出装置。
【請求項8】
前記撮像部が得る画像データに、前記吐出部の少なくとも一部に対応した画像データが含まれる、請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の吐出不良検出装置。
【請求項9】
前記液滴に当たった光を受光する受光部と、
前記受光部での受光結果に基づいて前記液滴の吐出不良を検出する第二の吐出不良検出部と、
を備えた、請求項1〜8のうちいずれか一つに記載の吐出不良検出装置。
【請求項10】
媒体に向けて液滴を吐出する吐出孔を有した吐出部と、
前記吐出孔から吐出された液滴の画像データを得る撮像部と、
前記撮像部が得る画像データに前記液滴の連続した移動軌跡の画像データが含まれるよう、前記撮像部を制御する撮像制御部と、
前記撮像部で得られた画像データを画像処理して前記液滴の吐出不良を検出する吐出不良検出部と、
を備えた、画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図7】
【公開番号】特開2013−14029(P2013−14029A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146753(P2011−146753)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]