吐出手段と係合しないアクチュエータ手段を有するディスペンサ
手動操作の製品ディスペンサ(31)が、リンク機構(36、34、39、40、38)を介して吐出機構(1)を操作するユーザインタフェース(37)を備える。リンク機構が、ユーザインタフェースの変位を吐出機構(1)へ伝達する。リンク機構には弾性手段(40)が組み込まれていて、ユーザインタフェースはインタフェースで可能な最大幅まで操作できるが、吐出機構1には、吐出機構が所定量の製品を吐出するのに必要なだけのインタフェースの操作のみを伝達する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動操作のディスペンサに関する。特に、ただしこれに限定する訳ではないが、液体製品あるいは泡状製品のディスペンサに関し、さらには、壁掛け式の石鹸ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
壁掛け式の石鹸ディスペンサは伝統的に液体石鹸を吐出する。しかし液体石鹸では、ディスペンサの下部からシンク上へ滴下される間に石鹸を手に付けて流れ落ちないように塗布するためには、高い粘度を必用とする。高粘度の液体石鹸に関連する問題が2つある。それはユーザが手の表面に石鹸を簡単に広げるためには比較的多量を供給しなければならないということと、高粘度であれば石鹸がディスペンサの出口に多量に残りやすく、これが後で下の面や床に滴り落ちることである。
【0003】
これらの問題を解決しようとして、吐出するときに液体石鹸に空気を混入して泡を形成する石鹸ディスペンサが開発された。このディスペンサを操作すると、石鹸が空気のジェット流中に噴霧されて泡を形成する。この方法の利点は、比較的少量の液体石鹸から多量の泡が形成でき、ユーザが満足のいくように手に石鹸を塗るための液体の必要量を減らすことができる。このようなディスペンサがより一般化してきている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異なるタイプの石鹸を使用する場合の問題は、異なるタイプの吐出機構を必要とすることである。場合によっては同一の機構を使用することはできるが、所望量を供給するのに必要な作動ストロークの長さが吐出する製品あるいは製品の量によって異なる可能性がある。これは、例えばオフィスやレストラン環境で普通に見られる、商用の石鹸ディスペンサの場合には特に問題となる。これらは、ディスペンサを動作させるユーザインタフェースを含む壁掛けユニットと、石鹸を入れる容器を含む交換可能ユニットとを備えることが多い。顧客が製品を選択する場合、壁掛けユニットは製造コストも取り付けコストも比較的高いので、ユニットを設置した後は異なるタイプの製品にも使用できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このことを簡便に実現できる1つの方法は、吐出機構を交換可能(あるいは使い捨て)ユニットの一部として提供し、吐出機構が、壁掛けユニット上のユーザインタフェースの動作に応答して所望量の製品を吐出できるように設定することである。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、手動で操作する製品ディスペンサであって、ユーザによるワンストロークの操作を受けるユーザインタフェースと、吐出機構にフルストロークの動作をさせることにより、ユーザに所定量の製品を吐出する吐出機構と、ユーザインタフェースの変位を吐出機構に伝達するリンク機構と、を備え、リンク機構が、前記ユーザインタフェースに許容される限度までの操作を許し、かつ、吐出機構には、吐出機構が製品の前記所定量を吐出するのに必要なだけのインタフェースの操作のみを伝達することを特徴とするディスペンサが提供される。
【0007】
上記の「ワンストロークの操作」という用語は、ユーザに必要な量の製品を吐出するのに、ワンストロークのみしか必要でないということでは必ずしもなく、単にワンストロークで製品の所定量を吐出できる、ということを意味している。
【0008】
この機構が特に有利なのは、ユーザインタフェースへ適度な力を掛けることにより吐出機構が完全に動作して製品の所定量の供給が確保され、その一方で、ユーザインタフェースへ過度の圧力をかけても吐出機構には損傷を与えないようになっていることである。このようにして、共通のユーザインタフェースとリンク機構とを、タイプあるいは容量の異なる製品を吐出するために異なる最大ストローク長を有する吐出機構と共に用いることも可能となる。また、最大ストローク長を制限して調節することによって、共通の吐出機構でも容量の異なる製品を供給することができる。
【0009】
有利なことに、リンク機構は、インタフェースと吐出機構との間に配置された弾性装置を備え、この弾性装置が、インタフェースの作動により吐出機構を完全に作動させるが、吐出機構の損傷を防ぐためにそれ以上のインタフェースの動きは吸収するような特性を有している。
【0010】
望ましくは、リンク機構が、ユーザインタフェースに連結されてそのユーザインタフェースと共に動くように配備された第1のプレートと、吐出機構に連結された第2のプレートと、第1のプレートと前記第2のプレートの間で動作するように配備された少なくとも1つの弾性部材と、を備えており、この弾性部材は、ユーザインタフェースが吐出機構を動作させようとする任意の動きに応答して2枚のプレートを一緒に移動させるが、吐出機構が可動範囲の端に到達したときには第1のプレートは移動させ続けるが、前記第2のプレートを実質的に静止させたままにするように選択されている。
【0011】
有利なことに、ディスペンサが、リンク機構を含む主ユニットと、吐出される製品を包含しかつ吐出機構を含む交換可能ユニットと、を備え、このリンク機構によって、異なる最大ストローク長を有する吐出機構と共に主ユニットを使用することが可能となる。
【0012】
この設定により製品を含む交換可能ユニットが、その取り付けられた製品に適する吐出機構を有することができ、交換可能ユニットをユーザインタフェースと共に主ユニット中に設置することができる。そしてリンク機構によって、吐出機構、つまり交換可能ユニットの泡形成部が、最大ストローク長の異なる多種の交換可能ユニットに対して正しく作動できるようになる。
【0013】
ディスペンサが、下記のように配備されたラチェット機構を備えていれば特に有利である。すなわち、特定の最大ストローク長の吐出機構を有する新しい交換可能ユニットを装着した後に、ユーザインタフェースの後続の操作によってリンク機構を徐々に吐出機構ユニットに係合させ、最終的には吐出機構がリンク機構に対して相対的に適正な操作位置を取るようにさせるラチェット機構を備える。この結果、ユーザインタフェースの操作によって前記吐出機構が所望のストロークを遂行する。
【0014】
本明細書において使用される「ラチェット機構」という用語は、ラチェット作用を行う、すなわち一方向への操作によって係合し、その逆方向への操作によって離脱する、任意のメカニズムを包含する。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、ユーザのワンストロークの操作を受けるためのユーザインタフェースと、リンク機構と、を収納する主ユニットと、吐出する製品を格納するとともに、ユーザインタフェースの作動に応じてある量の製品を吐出するための吐出機構を有する交換可能ユニットと、を備える手動操作の製品ディスペンサが提供される。ここで、リンク機構がユーザインタフェースの変位を吐出機構に伝達するように配備され、また、ディスペンサがラチェット機構を備える。このラチェット機構により、特定の最大ストローク長の吐出機構を有する新しい交換可能ユニットを装着した後に、ユーザインタフェースの後続の操作によってリンク機構を徐々に吐出機構に係合させ、最終的に吐出機構が前記リンク機構に対して相対的に適正な動作位置を取るようにさせる。このようにして、ユーザインタフェースの操作によって前記吐出機構が所望のストロークを遂行する。
【0016】
ラチェット機構がリンク機構の一部を形成することが可能であり、この場合には、吐出機構が、ラチェットを形成しているリンク機構の1つまたは複数の表面と係合する係合点を備えている。そして、ディスペンサの吐出ノズルとなっている吐出機構のノズル上にこの係合点がある。しかし、その代わりに、ラチェット機構が、リンク機構と係合する吐出機構の一部として形成されてもよい。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、本発明は吐出機構が液体製品を空気と混合する泡製品の吐出に特に有利に使用することができる。それはこのような吐出機構においては、吐出機構が完全に延伸した充填状態(primed state)から、吐出サイクルが開始されことがしばしばだからである。
【0018】
本発明の第2の態様は、1つの共通の主ユニットに対して多種類の交換可能ユニットを使用できるという点で特に有利である。ここで、交換可能ユニットは、異なる最大ストローク長を持つ異なる吐出機構を提供するために少なくともいくつかの吐出機構がストップ部材を備えていること以外は、実質的にすべて同一の吐出機構を含む。このことによって、閉じた状態にして輸送し、操作状態では、吐出機構がストップ部材まで完全に伸びた充填状態に延伸するように、交換可能ユニットを配備することが可能となる。
【0019】
上述の構成によって、共通の部品でできた1つの共通の吐出機構が、製品、特に泡石鹸のような泡製品、の吐出に使用可能となり、単に異なる位置にストップ部材を設けるだけで共通の吐出機構が、タイプの異なる製品あるいは異なる容量の製品を供給するための異なるストローク長を持てるようにすることができる。ラチェット機構によって、吐出機構のタイプに拘わらず、交換可能ユニットを取り付けた後の主ユニットのユーザインタフェースの操作で、吐出機構が吐出サイクルを開始する前に最終的に適正な充填位置を取ることが可能となる。
【0020】
上述のように本発明は泡型のディスペンサとともに有利に用いることができる。有利なことに、吐出機構が、液体製品を受け入れるための液体室と、空気を受け入れるための空気室と、液体室および空気室の両方の内容物を同時に加圧するように配備されたアクチュエータ機構と、発泡室と、発泡室の開放部分を発泡室の閉鎖部分から分離するための少なくとも1つのフィン要素と、を備える。ここで吐出機構は、アクチュエータ機構の操作によって開放部分が空気室から空気を受取って吐出機構の出口に導き、また同時に閉鎖部分が液体室から加圧された液体を受取り、少なくとも1つのフィン要素は、閉鎖部分にある液体が加圧によりフィン要素の先端を通過して開放部分へ送り込まれるような寸法に作られており、開放部分において流入する空気と混合して製品の泡を形成するように配備されている。
【0021】
本発明の第1および第2の態様はいずれも、特に壁掛け式の石鹸ディスペンサに特に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に本発明を、例示として図面を参照しながら説明する。ここで全体を通して同じ部品に対しては同じ符号を使用する。
【0023】
図1を参照すると、本発明による吐出機構1が、液体石鹸3で満たされた使い捨てで折畳み可能な容器2に接続されて示されている。容器2および吐出機構1はユニットとして交換可能であり、かつ使い捨てすることが意図されている。すなわちこれらは壁掛け式石鹸ディスペンサ用の詰替えパックとして供給される。
【0024】
図1には特定の実施形態が示されているが、吐出機構は使い捨てであり、満杯の容器に取り付けられて輸送される。吐出機構は、吐出機構のケース5に固定された輸送用キャップ4を備えている。
【0025】
吐出機構が、内側シャフト6aと外側シャフト6b(両者を合わせて以後シャフト6と称す)とを備え、内側シャフト6aの上部が第1のピストン7を画定し、外側のシャフト6bの下部が、この外側のシャフト6bに同軸的に搭載されている第2のピストン8を支持する。
【0026】
第1のピストン7がケース5と共に第1のチャンバ9を画定し、第2のピストン8がケース5と共に第2のチャンバ10を画定する。
【0027】
第1のチャンバ9の最上部に開口部があり、この開口部の中に逆止弁11がある。これにより液体石鹸3が容器2から第1のチャンバ9へ流入可能となる。
【0028】
図1に示すように、輸送用キャップがはめられている場合、シャフト6と関連するピストン7および8は完全に押し込まれた状態に保持され、これにより、第1のピストン7の中心から突き出ているピン12が逆止弁11と係合して、図に示すように、弁を閉位置に保持する。これにより、輸送中に液体が容器3から吐出機構1を通して漏れることを防いでいる。
【0029】
図2を参照すると、図1の輸送用キャップ4を取り外した状態が示されている。輸送用キャップが既に取り外されていて、吐出機構がディスペンサに取り付けられると(図9a〜13bを参照して後述するように)、図2には示されていないが、ディスペンサの仕組みにより外側シャフト6bの下方にあるフランジ13が、図2aに示す位置へ向けて付勢される。ここで、ゴム製のOリングシール14が第1のピストン7を密閉する。このOリング14はエンドキャップ14aによって保持される。シャフト6を下方へ引くと、液体石鹸3が第1のチャンバ9へ流入する。
【0030】
図2aで最もよくわかるように、内側シャフト6aと外側シャフト6bとが、内側シャフト6aが外側シャフト6bに接合する底部で密閉され、上部に隙間16があるだけの水路を画定する。以後、これを閉水路15と呼ぶ。
【0031】
図2aを平面II−IIで切断した断面図である図2bでよりはっきりわかるように、外側シャフト6bの内表面と内側シャフト6aの外表面とで閉水路15が画定される。ここで、内側シャフト6aの外表面から外側シャフト6bの内表面へ向かってフィン17が延在している。
【0032】
図3aは図2a対応し、図3bは図3aを平面III−IIIで切った断面図である。図3aにおいては、フランジ13に作用するディスペンサの操作によって、シャフト6が図2aに示された位置よりも相対的に上昇している。図3aでは、吐出機構は、吐出サイクルの途中にある。シャフト6が移動して、閉水路15の最上部にある隙間16がOリング14のシールから外れる位置まで来ると、第1のチャンバ9に入るピストン7の動作によって加圧された液体石鹸3が、強制的に第1ピストン7の側面を下がり、隙間16を通って水路15へ入り込む。
【0033】
閉水路15は底部で密閉されているので、加圧された液体石鹸3は半径方向に延在するフィン17を変形させながら、その先端を強制的に通過してゆく。そして矢印18で示すように、隣接する水路(以後開水路22と称す)に強制流入するときに霧化(微粒化: atomising)される。
【0034】
図3aおよび3bから、内側シャフト6aと外側シャフト6bとで中央流路19が形成されているのがわかる。流路19の下端は出口20となっている。この流路の中には網21が配置される。
【0035】
図4aおよび4bを参照すると、これらは図3aおよび3bに対応し、同じ操作の段階にあるが、吐出機構を90度回転して示している。
【0036】
図4aおよび4bにおいて、開水路22は、隙間23によって第2のチャンバ10に連通し、隙間24によって内部流路19に連通しており、第2のピストン8がチャンバ10内部の空気を圧縮すると、その空気が矢印25および26の方向に開水路22を通り抜けることがわかる。このように、液体石鹸3が、図4bの矢印18で示すように、フィン17の先端を強制的に越えるのと同時に、加圧された空気が開水路22を強制的に上昇して(図4bに示すように紙面の外方向に)、泡を形成し、この泡が、気泡サイズを大きくする網21を経由して流路19を下の方向、すなわち矢印27の方向へ進む。そして出口20を通って外へ出る。
【0037】
図5aおよび5bは、図3aおよび3bに対応する図であるが、シャフト6が最大に押し込まれて可動範囲の限界に到達した状態の吐出機構を示す。図6aおよび6bは、図5aおよび5bに対応する図であるが、吐出機構を90度回転させた図である。
【0038】
図7aおよび7bは、図4aおよび4bの組合せに対応する図であるが、フランジ13を矢印28の方向に休止位置まで引き戻そうとするディスペンサ(図示せず)によって起動を掛けられた吐出機構1が、戻りのストロークの途中にある状態を示している。サイクルのこの部分の期間では、第2のチャンバ10内の容積の拡張により、矢印29および30で示すように、流路19および開水路22を通して第2のチャンバ内へ空気が引き込まれる。これにより、流路19に残存している泡はすべてチャンバ10の底部へ引き戻され、次の吐出サイクルの開始時に、そこから開水路を通って強制的に戻される。このことにより、吐出サイクルの終わりの時点で、流路19には泡がなく、したがって泡が液体に戻って滴り落ちるということがない。
【0039】
図8に示すように、連続する吐出動作により、容器2の中の液体石鹸3の容積は減少し、容器は図に示すように収縮する。
【0040】
次に図9〜15を参照すると、第2の吐出機構が動作の異なる段階ごとに示されている。この実施形態は、図1〜8を参照して説明、記述した実施形態とは、内側シャフト6aの形状が違うだけである。
【0041】
内側シャフト6aおよびそれに関連する泡チャンバを除いて、図9〜15の機構は、図1〜8を参照してこれまでに説明したものと完全に同じように機能する。この理由により、以下の図9〜15の説明では、これまで説明した実施形態と異なる面のみを基本的に説明する。
【0042】
図9によると、第2の実施形態の吐出機構が、輸送用キャップ4が付いた状態で示されている。操作の開始時に、輸送用キャップは取り除かれ、フランジ13を下へ動かす動作によって、フランジが図10aおよび10bに示す位置に納まる。ここで図10bは、図10aの内側シャフト6aを示す拡大断面図である。
【0043】
内側シャフト6aが、閉鎖部分41および開放部分42を有する泡チャンバを画定する中央のくびれ部を有する。この2つの部分は、内側シャフト6aに一体成型された円盤形状のフィン要素47によって分離されている。フィン要素47の外側の寸法は、外側シャフト6bの上方部分の内径に対応している。
【0044】
内側シャフトは、くびれ領域41、42の下の外周面内に、複数の軸方向に延在する溝(図示せず)を有し、これが、隙間23を経由して発泡室の開放部分42を第2のチャンバ10に連通する水路44を画定する。
【0045】
内側シャフト6aの円錐形部分48に、複数の隙間45が形成され、発泡室の開放部分42を吐出機構の開放出口19へ連通する。
【0046】
発泡室の閉鎖部分41の上の、内側シャフト6aの外部表面内に複数の溝46が形成され、閉鎖部分41とピストン7の底部の間に延在する隙間を形成する。
【0047】
シャフト6a、6bを下へ動かす動作により、第1の実施形態に関して説明したように、逆止弁11を通ってチャンバ9に引き込まれた液体が第1のチャンバ9を満たす。図10aに示すように、“完全充填”された状態になると、ピストン7がOリング14と係合することによりチャンバ9は密閉される。
【0048】
吐出操作の開始時に、フランジ13が上方に移動して図11に示す位置となり、そこで外側シャフト6bがOリングで密閉される。シャフト6a、6bが上がり続けると、図12a、12bに示すように、逆止弁11が第1のチャンバ9を密閉する。そうなると、発泡室の閉鎖部分41が、溝46と、ピストン7の周囲のギャップと第1のチャンバ9と共に、実質的に非圧縮性の液体で満たされた閉鎖容積を画定する。シャフト6a、6bのこの同じ動きで、第2のピストン8が、第2のチャンバ10から空気を図12b中の破線の矢印48の方向に押し出し、発泡室の開放部分42の中へ移動させる。空気はチャンバの開放部分42の中で渦を巻き、隙間45を通って出口流路19へ出る。この過程の間、発泡室の閉鎖部分41にある液体の圧力でフィン要素47の先端が歪み、閉鎖部分41の液体は圧力によって矢印49の方向に押し出され、フィン要素47の先端を通過するときに霧化されて、矢印50に示すように空気流と混合される。こうして泡が形成され、矢印51の方向に出口流路を通過して行く。
【0049】
図12aと12bを参照して説明した動作は、ディスペンサが図13aおよび13bに示す、このストロークの終わりに達するまで続く。この時点で、フランジ13が下方に引かれ、第2のチャンバ10の容積が増加して、図14aおよび14bの矢印52で示すように、出口流路19中の泡を吸引して第2のチャンバ10の底部へ戻す。それと同時に、液体が逆止弁11を通って第1のチャンバ9の中へ吸引される。この動作は、図15に示すように、ピストン6がストロークの最下部に到達するまで続く。この間、容器2から液体3が排出されることに伴い容器2が収縮する。(このようにして、)機構は次の吐出サイクルに備える“充填状態(primed state)”に戻る。
【0050】
次に図16〜20を参照すると、図16aは主ユニットがアクチュエータハンドル37を備えた、本発明の第1の態様による壁掛け式液体石鹸ディスペンサ31の側面図である。図16bはディスペンサ31の正面からの断面図である。ディスペンサ31が、図1〜8あるいは図9〜15のいずれかの吐出機構1および容器2を備えた交換可能ユニットを搭載できるようにするバックプレート32を有する。
【0051】
吐出機構1の部品は図中に限定された形で示されてきた。(図では、ディスペンサのリンク機構との相互関係を理解するのに必要な部品のみを表示している。)したがって、示された部品は図1〜8の吐出機構の部品、あるいは図9〜15の吐出機構の部品のいずれにも同等になりうるものである。
【0052】
ディスペンサ31が主柱33を有し、バックプレート32上の垂直支持面内を拘束されて移動する。柱33はディスペンサの両側に配置され、主プレート34に取り付けられている。そして図に示すように、主プレート34とバックプレート32との間に作用するばね35によって主プレート34は下方の位置に保持されている。
【0053】
それぞれの主柱33にあるスロット(細孔)36が図16aに示すアクチュエータハンドル37のペグ(栓)(図示せず)と係合し、このハンドルがユーザインタフェースを提供し、ユーザがディスペンサを操作することができる。ユーザがこのハンドル37を押すと、ハンドルのペグが主柱33を垂直に持ち上げる。
【0054】
移動プレート38が支柱39によって係着され、この支柱39は主プレート33中の穴を貫通して通過する。支柱39の上部にある肩の部分と主プレート34との間で作用するばね40によって、図に示すように、移動プレートを主プレートに隣接する上部位置に保持される。移動プレート38は、吐出機構1のシャフト6にあるフランジ13とも係着し、シャフト6が移動プレート38と共に移動する。
【0055】
次に図17aおよび17bを参照すると、これらは図16aおよび16bに対応するが、ハンドル37が一杯に押し込まれて、ハンドルに結合したストップによって制止されている場合の、フルストローク状態のディスペンサを示している。ハンドルを押すことによって主柱33が図に示す位置まで押し上げられ、これにより今度は主プレート34、移動プレート38およびシャフト6が目一杯押し上げられ、所定量の泡を吐出する。
【0056】
図18aおよび18bを参照すると、操作ストロークの短い、別の吐出機構1aが取り付けられた同一のディスペンサ31が示されている。図16a〜17bを参照して既に説明したのと同様にして、吐出機構1aがディスペンサ31に取り付けられる。しかし、対応する図19a〜19bに示すように、ハンドル37の部分的な押し込みで、吐出機構のフルストロークを完了できる。ハンドル37が吐出機構1aに直接連接していれば、ユーザがよくハンドルを“拳骨でたたく”時に起きるように、更なるハンドルの押し付け力で、吐出機構が壊れてしまう。しかし、図20aおよび20bに示すように、ハンドルを目一杯動かそうとしてさらにハンドル37を押し込むと、ばね40による力に抗して、移動プレート38が主プレート34から離れるように動く。このようにして、ばね40が余分の変位を吸収する弾性手段として作用する。これにより、ディスペンサ31をフルストローク長の異なる吐出機構と共に用いることが可能となり、あるいは、泡やその他の吐出する製品の量を制御するために、吐出機構のストローク長を変更することが可能となる。
【0057】
説明した実施形態では、主柱33と支柱39は、分かり易くするために空間的に分離させている。しかしこれらの柱、および関連するばねは共軸のペアとして配備することも同様に可能である。
【0058】
次に図21a〜23bを参照すると、容器2(図示せず)と吐出機構1とを備える交換可能ユニットがディスペンサ31に挿入されたときの、ディスペンサ31の初期操作を、本発明の第1の態様(図16〜20に示す)に従って示している。交換可能ユニットがディスペンサ31に初めて挿入されると、シャフト6はそれまで輸送用キャップ(既に外されている)によって保持されていた一番高い位置を保ち、ピン12が逆止弁11に押し付けられ、逆止弁11は輸送中の漏れ防止の位置をそのまま維持する。
【0059】
図22aに示すように、アクチュエータハンドル37の最初の操作で、移動プレート38が押し上げられ、ばねで付勢されたクリップ60がフランジ13と係合する。次に(図23aおよび図23bに示すように)アクチュエータハンドルが開放されると、移動プレート38がシャフト6を引っ張りながら下がり、吐出機構1を充填状態にしておく。
【0060】
次に図24a〜26bを参照すると、図21a〜23bを参照して説明したのと同様の図が呈示されているが、これまでの図におけるばねで付勢されたクリップ60は、内表面にラチェット面62を有する、ばねで付勢されたクリップ61で置き換えられている。
【0061】
図24aおよび24bに示した実施形態においては、交換可能ユニットが最初にディスペンサ31に挿入されると、フランジ13がクリップ61に対して相対的に示された位置にまず入る。吐出機構がどこにあろうと、また、フルストローク機構がどのように呼ばれようと、アクチュエータハンドル37の操作(図25aに示すように)によって、移動プレート38および連接したクリップ61が押し上げられて(図25bに示すように)、フランジ13がラチェット62の一番下の爪に係合する。こうしてアクチュエータハンドル37が開放されると(図26aに示すように)、シャフト6が一番下の完全な充填位置まで下がる(図26aに示すように)。
【0062】
図27aおよび27bを参照すると、さらに別の配置が示される。ここでは、ケース5がモールドされた環状の突起64を有し、図28aに示すようにアクチュエータハンドルが押し込まれるときに、この突起が移動プレート38と係合して、吐出機構のストロークを制限する。しかしこの段階ではフランジ13はラチェット62の第1の爪65と係合しており、アクチュエータハンドル37が開放されたとき(図29aに示すように)、シャフト6が部分的に引き下ろされる。
【0063】
環状突起64の目的は、吐出機構1のシャフト6の移動を制限して、吐出機構のストロークを制限し、よって吐出される製品の量を制限することにあるが、図1〜8および図9〜15に示された吐出機構の操作に関するこれまでの説明からわかるように、シャフト6がストロークの最下端に達しない限り、吐出機構は充填状態にならないので機能しない。
【0064】
ラチェット62がこの問題を克服する。というのは、図30a〜35bに示すように、アクチュエータハンドル37の反復操作によりラチェット62の連続した爪が順次フランジ13と係合し、最後にフランジ13は図35bに示す位置を取る。この位置で適切に充填され、限定された作動ストロークの開始点となる。このように、操作はストロークの限られた部分の範囲でしか起きないが、環状突起64のお蔭でシャフト6は常に結果的には最下位置から操作され、その位置では吐出機構が適切に充填され、かつ、図1〜8および図9〜15の実施形態においては、そこではディスペンサはリークしない。
【0065】
この配置により、異なる容量の製品の吐出に対しても吐出機構が共通の部品を有することが可能となり、ハウジングケースに環状突起を追加する変更だけで、吐出機構1の吐出量を制限できるようになることがわかるであろう。これは、ケースのモールドプロセスにおいて環状突起に対応する窪みを作り、また吐出機構が最大ストロークに亘って操作される場合にはその窪みにインサートを設けることによって実現できる。さらに、モールドに異なるインサートを使用することより、深さの違う環状突起62を作ることができ、これにより吐出機構が多くの異なる容量を提供できるようにすることができ、しかもその他のすべての点においては同一の機構とすることができる。
【0066】
以上、本発明を実施例によってのみ説明したが、多くの代替実施形態が添付の請求の範囲内で可能であることは理解されるであろう。例えば、ラチェットは吐出機構上にあってもよく、これは単なる機械的な等価物である。また、ストップ部材は多くの異なる形態を取りえるし、顧客の要求によっては交換ユニットの設置時に調整することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明による製品ディスペンサに供される第1の吐出機構(輸送用キャップ付き)の断面図である。
【図2a】輸送用キャップを取り外した状態での、図1に対応する断面図である。
【図2b】図2aの線II―IIに沿った拡大断面図である。
【図3a】図2aに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図3b】図2bに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図4a】図2aに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図4b】図2bに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図5a】図2aに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図5b】図2bに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図6a】図2aに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図6b】図2bに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図7a】図2aに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図7b】図2bに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図8】液体を吐出するときに液体容器がつぶれる様子を示した図である。
【図9】本発明による製品ディスペンサに供される第2の吐出機構の断面図である。本図の吐出機構は図1〜8に示す実施形態に変更した発泡室を加えたものであり、それ以外の吐出機構はすべて同一である。図1〜8の部品に対応する部品は同一符号で示す。
【図10】吐出機構の各動作段階を示す、図9のディスペンサの断面図および部分拡大断面図である。
【図11】吐出機構の各動作段階を示す、図9のディスペンサの断面図および部分拡大断面図である。
【図12】吐出機構の各動作段階を示す、図9のディスペンサの断面図および部分拡大断面図である。
【図13】吐出機構の各動作段階を示す、図9のディスペンサの断面図および部分拡大断面図である。
【図14】吐出機構の各動作段階を示す、図9のディスペンサの断面図および部分拡大断面図である。
【図15】吐出機構の各動作段階を示す、図9のディスペンサの断面図および部分拡大断面図である。
【図16a】図1〜8あるいは図9〜15のいずれかの吐出機構を組み込んだ、本発明の第1の態様による製品ディスペンサの側面図である。
【図16b】図16aのディスペンサの正面からの断面図である。
【図17a】図16aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図17b】図16bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図18a】図16aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図18b】図16bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図19a】図16aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図19b】図16bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図20a】図16aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図20b】図16bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図21a】図1〜8あるいは図9〜15のいずれかの吐出機構を組み込んだ、本発明の第1の態様による製品ディスペンサの側面図である。
【図21b】図21aのディスペンサの正面からの断面図である。
【図22a】図21aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図22b】図21bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図23a】図21aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図23b】図21bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図24a】図1〜8あるいは図9〜15のいずれかの吐出機構を組み込んだ、本発明の第1および第2の両方の態様によるディスペンサの側面図である。
【図24b】図24aのディスペンサの正面からの断面図である。
【図25a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図25b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図26a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図26b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図27a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図27b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図28a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図28b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図29a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図29b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図30a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図30b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図31a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図31b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図32a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図32b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図33a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図33b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図34a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図34b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図35a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図35b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動操作のディスペンサに関する。特に、ただしこれに限定する訳ではないが、液体製品あるいは泡状製品のディスペンサに関し、さらには、壁掛け式の石鹸ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
壁掛け式の石鹸ディスペンサは伝統的に液体石鹸を吐出する。しかし液体石鹸では、ディスペンサの下部からシンク上へ滴下される間に石鹸を手に付けて流れ落ちないように塗布するためには、高い粘度を必用とする。高粘度の液体石鹸に関連する問題が2つある。それはユーザが手の表面に石鹸を簡単に広げるためには比較的多量を供給しなければならないということと、高粘度であれば石鹸がディスペンサの出口に多量に残りやすく、これが後で下の面や床に滴り落ちることである。
【0003】
これらの問題を解決しようとして、吐出するときに液体石鹸に空気を混入して泡を形成する石鹸ディスペンサが開発された。このディスペンサを操作すると、石鹸が空気のジェット流中に噴霧されて泡を形成する。この方法の利点は、比較的少量の液体石鹸から多量の泡が形成でき、ユーザが満足のいくように手に石鹸を塗るための液体の必要量を減らすことができる。このようなディスペンサがより一般化してきている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異なるタイプの石鹸を使用する場合の問題は、異なるタイプの吐出機構を必要とすることである。場合によっては同一の機構を使用することはできるが、所望量を供給するのに必要な作動ストロークの長さが吐出する製品あるいは製品の量によって異なる可能性がある。これは、例えばオフィスやレストラン環境で普通に見られる、商用の石鹸ディスペンサの場合には特に問題となる。これらは、ディスペンサを動作させるユーザインタフェースを含む壁掛けユニットと、石鹸を入れる容器を含む交換可能ユニットとを備えることが多い。顧客が製品を選択する場合、壁掛けユニットは製造コストも取り付けコストも比較的高いので、ユニットを設置した後は異なるタイプの製品にも使用できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このことを簡便に実現できる1つの方法は、吐出機構を交換可能(あるいは使い捨て)ユニットの一部として提供し、吐出機構が、壁掛けユニット上のユーザインタフェースの動作に応答して所望量の製品を吐出できるように設定することである。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、手動で操作する製品ディスペンサであって、ユーザによるワンストロークの操作を受けるユーザインタフェースと、吐出機構にフルストロークの動作をさせることにより、ユーザに所定量の製品を吐出する吐出機構と、ユーザインタフェースの変位を吐出機構に伝達するリンク機構と、を備え、リンク機構が、前記ユーザインタフェースに許容される限度までの操作を許し、かつ、吐出機構には、吐出機構が製品の前記所定量を吐出するのに必要なだけのインタフェースの操作のみを伝達することを特徴とするディスペンサが提供される。
【0007】
上記の「ワンストロークの操作」という用語は、ユーザに必要な量の製品を吐出するのに、ワンストロークのみしか必要でないということでは必ずしもなく、単にワンストロークで製品の所定量を吐出できる、ということを意味している。
【0008】
この機構が特に有利なのは、ユーザインタフェースへ適度な力を掛けることにより吐出機構が完全に動作して製品の所定量の供給が確保され、その一方で、ユーザインタフェースへ過度の圧力をかけても吐出機構には損傷を与えないようになっていることである。このようにして、共通のユーザインタフェースとリンク機構とを、タイプあるいは容量の異なる製品を吐出するために異なる最大ストローク長を有する吐出機構と共に用いることも可能となる。また、最大ストローク長を制限して調節することによって、共通の吐出機構でも容量の異なる製品を供給することができる。
【0009】
有利なことに、リンク機構は、インタフェースと吐出機構との間に配置された弾性装置を備え、この弾性装置が、インタフェースの作動により吐出機構を完全に作動させるが、吐出機構の損傷を防ぐためにそれ以上のインタフェースの動きは吸収するような特性を有している。
【0010】
望ましくは、リンク機構が、ユーザインタフェースに連結されてそのユーザインタフェースと共に動くように配備された第1のプレートと、吐出機構に連結された第2のプレートと、第1のプレートと前記第2のプレートの間で動作するように配備された少なくとも1つの弾性部材と、を備えており、この弾性部材は、ユーザインタフェースが吐出機構を動作させようとする任意の動きに応答して2枚のプレートを一緒に移動させるが、吐出機構が可動範囲の端に到達したときには第1のプレートは移動させ続けるが、前記第2のプレートを実質的に静止させたままにするように選択されている。
【0011】
有利なことに、ディスペンサが、リンク機構を含む主ユニットと、吐出される製品を包含しかつ吐出機構を含む交換可能ユニットと、を備え、このリンク機構によって、異なる最大ストローク長を有する吐出機構と共に主ユニットを使用することが可能となる。
【0012】
この設定により製品を含む交換可能ユニットが、その取り付けられた製品に適する吐出機構を有することができ、交換可能ユニットをユーザインタフェースと共に主ユニット中に設置することができる。そしてリンク機構によって、吐出機構、つまり交換可能ユニットの泡形成部が、最大ストローク長の異なる多種の交換可能ユニットに対して正しく作動できるようになる。
【0013】
ディスペンサが、下記のように配備されたラチェット機構を備えていれば特に有利である。すなわち、特定の最大ストローク長の吐出機構を有する新しい交換可能ユニットを装着した後に、ユーザインタフェースの後続の操作によってリンク機構を徐々に吐出機構ユニットに係合させ、最終的には吐出機構がリンク機構に対して相対的に適正な操作位置を取るようにさせるラチェット機構を備える。この結果、ユーザインタフェースの操作によって前記吐出機構が所望のストロークを遂行する。
【0014】
本明細書において使用される「ラチェット機構」という用語は、ラチェット作用を行う、すなわち一方向への操作によって係合し、その逆方向への操作によって離脱する、任意のメカニズムを包含する。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、ユーザのワンストロークの操作を受けるためのユーザインタフェースと、リンク機構と、を収納する主ユニットと、吐出する製品を格納するとともに、ユーザインタフェースの作動に応じてある量の製品を吐出するための吐出機構を有する交換可能ユニットと、を備える手動操作の製品ディスペンサが提供される。ここで、リンク機構がユーザインタフェースの変位を吐出機構に伝達するように配備され、また、ディスペンサがラチェット機構を備える。このラチェット機構により、特定の最大ストローク長の吐出機構を有する新しい交換可能ユニットを装着した後に、ユーザインタフェースの後続の操作によってリンク機構を徐々に吐出機構に係合させ、最終的に吐出機構が前記リンク機構に対して相対的に適正な動作位置を取るようにさせる。このようにして、ユーザインタフェースの操作によって前記吐出機構が所望のストロークを遂行する。
【0016】
ラチェット機構がリンク機構の一部を形成することが可能であり、この場合には、吐出機構が、ラチェットを形成しているリンク機構の1つまたは複数の表面と係合する係合点を備えている。そして、ディスペンサの吐出ノズルとなっている吐出機構のノズル上にこの係合点がある。しかし、その代わりに、ラチェット機構が、リンク機構と係合する吐出機構の一部として形成されてもよい。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、本発明は吐出機構が液体製品を空気と混合する泡製品の吐出に特に有利に使用することができる。それはこのような吐出機構においては、吐出機構が完全に延伸した充填状態(primed state)から、吐出サイクルが開始されことがしばしばだからである。
【0018】
本発明の第2の態様は、1つの共通の主ユニットに対して多種類の交換可能ユニットを使用できるという点で特に有利である。ここで、交換可能ユニットは、異なる最大ストローク長を持つ異なる吐出機構を提供するために少なくともいくつかの吐出機構がストップ部材を備えていること以外は、実質的にすべて同一の吐出機構を含む。このことによって、閉じた状態にして輸送し、操作状態では、吐出機構がストップ部材まで完全に伸びた充填状態に延伸するように、交換可能ユニットを配備することが可能となる。
【0019】
上述の構成によって、共通の部品でできた1つの共通の吐出機構が、製品、特に泡石鹸のような泡製品、の吐出に使用可能となり、単に異なる位置にストップ部材を設けるだけで共通の吐出機構が、タイプの異なる製品あるいは異なる容量の製品を供給するための異なるストローク長を持てるようにすることができる。ラチェット機構によって、吐出機構のタイプに拘わらず、交換可能ユニットを取り付けた後の主ユニットのユーザインタフェースの操作で、吐出機構が吐出サイクルを開始する前に最終的に適正な充填位置を取ることが可能となる。
【0020】
上述のように本発明は泡型のディスペンサとともに有利に用いることができる。有利なことに、吐出機構が、液体製品を受け入れるための液体室と、空気を受け入れるための空気室と、液体室および空気室の両方の内容物を同時に加圧するように配備されたアクチュエータ機構と、発泡室と、発泡室の開放部分を発泡室の閉鎖部分から分離するための少なくとも1つのフィン要素と、を備える。ここで吐出機構は、アクチュエータ機構の操作によって開放部分が空気室から空気を受取って吐出機構の出口に導き、また同時に閉鎖部分が液体室から加圧された液体を受取り、少なくとも1つのフィン要素は、閉鎖部分にある液体が加圧によりフィン要素の先端を通過して開放部分へ送り込まれるような寸法に作られており、開放部分において流入する空気と混合して製品の泡を形成するように配備されている。
【0021】
本発明の第1および第2の態様はいずれも、特に壁掛け式の石鹸ディスペンサに特に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に本発明を、例示として図面を参照しながら説明する。ここで全体を通して同じ部品に対しては同じ符号を使用する。
【0023】
図1を参照すると、本発明による吐出機構1が、液体石鹸3で満たされた使い捨てで折畳み可能な容器2に接続されて示されている。容器2および吐出機構1はユニットとして交換可能であり、かつ使い捨てすることが意図されている。すなわちこれらは壁掛け式石鹸ディスペンサ用の詰替えパックとして供給される。
【0024】
図1には特定の実施形態が示されているが、吐出機構は使い捨てであり、満杯の容器に取り付けられて輸送される。吐出機構は、吐出機構のケース5に固定された輸送用キャップ4を備えている。
【0025】
吐出機構が、内側シャフト6aと外側シャフト6b(両者を合わせて以後シャフト6と称す)とを備え、内側シャフト6aの上部が第1のピストン7を画定し、外側のシャフト6bの下部が、この外側のシャフト6bに同軸的に搭載されている第2のピストン8を支持する。
【0026】
第1のピストン7がケース5と共に第1のチャンバ9を画定し、第2のピストン8がケース5と共に第2のチャンバ10を画定する。
【0027】
第1のチャンバ9の最上部に開口部があり、この開口部の中に逆止弁11がある。これにより液体石鹸3が容器2から第1のチャンバ9へ流入可能となる。
【0028】
図1に示すように、輸送用キャップがはめられている場合、シャフト6と関連するピストン7および8は完全に押し込まれた状態に保持され、これにより、第1のピストン7の中心から突き出ているピン12が逆止弁11と係合して、図に示すように、弁を閉位置に保持する。これにより、輸送中に液体が容器3から吐出機構1を通して漏れることを防いでいる。
【0029】
図2を参照すると、図1の輸送用キャップ4を取り外した状態が示されている。輸送用キャップが既に取り外されていて、吐出機構がディスペンサに取り付けられると(図9a〜13bを参照して後述するように)、図2には示されていないが、ディスペンサの仕組みにより外側シャフト6bの下方にあるフランジ13が、図2aに示す位置へ向けて付勢される。ここで、ゴム製のOリングシール14が第1のピストン7を密閉する。このOリング14はエンドキャップ14aによって保持される。シャフト6を下方へ引くと、液体石鹸3が第1のチャンバ9へ流入する。
【0030】
図2aで最もよくわかるように、内側シャフト6aと外側シャフト6bとが、内側シャフト6aが外側シャフト6bに接合する底部で密閉され、上部に隙間16があるだけの水路を画定する。以後、これを閉水路15と呼ぶ。
【0031】
図2aを平面II−IIで切断した断面図である図2bでよりはっきりわかるように、外側シャフト6bの内表面と内側シャフト6aの外表面とで閉水路15が画定される。ここで、内側シャフト6aの外表面から外側シャフト6bの内表面へ向かってフィン17が延在している。
【0032】
図3aは図2a対応し、図3bは図3aを平面III−IIIで切った断面図である。図3aにおいては、フランジ13に作用するディスペンサの操作によって、シャフト6が図2aに示された位置よりも相対的に上昇している。図3aでは、吐出機構は、吐出サイクルの途中にある。シャフト6が移動して、閉水路15の最上部にある隙間16がOリング14のシールから外れる位置まで来ると、第1のチャンバ9に入るピストン7の動作によって加圧された液体石鹸3が、強制的に第1ピストン7の側面を下がり、隙間16を通って水路15へ入り込む。
【0033】
閉水路15は底部で密閉されているので、加圧された液体石鹸3は半径方向に延在するフィン17を変形させながら、その先端を強制的に通過してゆく。そして矢印18で示すように、隣接する水路(以後開水路22と称す)に強制流入するときに霧化(微粒化: atomising)される。
【0034】
図3aおよび3bから、内側シャフト6aと外側シャフト6bとで中央流路19が形成されているのがわかる。流路19の下端は出口20となっている。この流路の中には網21が配置される。
【0035】
図4aおよび4bを参照すると、これらは図3aおよび3bに対応し、同じ操作の段階にあるが、吐出機構を90度回転して示している。
【0036】
図4aおよび4bにおいて、開水路22は、隙間23によって第2のチャンバ10に連通し、隙間24によって内部流路19に連通しており、第2のピストン8がチャンバ10内部の空気を圧縮すると、その空気が矢印25および26の方向に開水路22を通り抜けることがわかる。このように、液体石鹸3が、図4bの矢印18で示すように、フィン17の先端を強制的に越えるのと同時に、加圧された空気が開水路22を強制的に上昇して(図4bに示すように紙面の外方向に)、泡を形成し、この泡が、気泡サイズを大きくする網21を経由して流路19を下の方向、すなわち矢印27の方向へ進む。そして出口20を通って外へ出る。
【0037】
図5aおよび5bは、図3aおよび3bに対応する図であるが、シャフト6が最大に押し込まれて可動範囲の限界に到達した状態の吐出機構を示す。図6aおよび6bは、図5aおよび5bに対応する図であるが、吐出機構を90度回転させた図である。
【0038】
図7aおよび7bは、図4aおよび4bの組合せに対応する図であるが、フランジ13を矢印28の方向に休止位置まで引き戻そうとするディスペンサ(図示せず)によって起動を掛けられた吐出機構1が、戻りのストロークの途中にある状態を示している。サイクルのこの部分の期間では、第2のチャンバ10内の容積の拡張により、矢印29および30で示すように、流路19および開水路22を通して第2のチャンバ内へ空気が引き込まれる。これにより、流路19に残存している泡はすべてチャンバ10の底部へ引き戻され、次の吐出サイクルの開始時に、そこから開水路を通って強制的に戻される。このことにより、吐出サイクルの終わりの時点で、流路19には泡がなく、したがって泡が液体に戻って滴り落ちるということがない。
【0039】
図8に示すように、連続する吐出動作により、容器2の中の液体石鹸3の容積は減少し、容器は図に示すように収縮する。
【0040】
次に図9〜15を参照すると、第2の吐出機構が動作の異なる段階ごとに示されている。この実施形態は、図1〜8を参照して説明、記述した実施形態とは、内側シャフト6aの形状が違うだけである。
【0041】
内側シャフト6aおよびそれに関連する泡チャンバを除いて、図9〜15の機構は、図1〜8を参照してこれまでに説明したものと完全に同じように機能する。この理由により、以下の図9〜15の説明では、これまで説明した実施形態と異なる面のみを基本的に説明する。
【0042】
図9によると、第2の実施形態の吐出機構が、輸送用キャップ4が付いた状態で示されている。操作の開始時に、輸送用キャップは取り除かれ、フランジ13を下へ動かす動作によって、フランジが図10aおよび10bに示す位置に納まる。ここで図10bは、図10aの内側シャフト6aを示す拡大断面図である。
【0043】
内側シャフト6aが、閉鎖部分41および開放部分42を有する泡チャンバを画定する中央のくびれ部を有する。この2つの部分は、内側シャフト6aに一体成型された円盤形状のフィン要素47によって分離されている。フィン要素47の外側の寸法は、外側シャフト6bの上方部分の内径に対応している。
【0044】
内側シャフトは、くびれ領域41、42の下の外周面内に、複数の軸方向に延在する溝(図示せず)を有し、これが、隙間23を経由して発泡室の開放部分42を第2のチャンバ10に連通する水路44を画定する。
【0045】
内側シャフト6aの円錐形部分48に、複数の隙間45が形成され、発泡室の開放部分42を吐出機構の開放出口19へ連通する。
【0046】
発泡室の閉鎖部分41の上の、内側シャフト6aの外部表面内に複数の溝46が形成され、閉鎖部分41とピストン7の底部の間に延在する隙間を形成する。
【0047】
シャフト6a、6bを下へ動かす動作により、第1の実施形態に関して説明したように、逆止弁11を通ってチャンバ9に引き込まれた液体が第1のチャンバ9を満たす。図10aに示すように、“完全充填”された状態になると、ピストン7がOリング14と係合することによりチャンバ9は密閉される。
【0048】
吐出操作の開始時に、フランジ13が上方に移動して図11に示す位置となり、そこで外側シャフト6bがOリングで密閉される。シャフト6a、6bが上がり続けると、図12a、12bに示すように、逆止弁11が第1のチャンバ9を密閉する。そうなると、発泡室の閉鎖部分41が、溝46と、ピストン7の周囲のギャップと第1のチャンバ9と共に、実質的に非圧縮性の液体で満たされた閉鎖容積を画定する。シャフト6a、6bのこの同じ動きで、第2のピストン8が、第2のチャンバ10から空気を図12b中の破線の矢印48の方向に押し出し、発泡室の開放部分42の中へ移動させる。空気はチャンバの開放部分42の中で渦を巻き、隙間45を通って出口流路19へ出る。この過程の間、発泡室の閉鎖部分41にある液体の圧力でフィン要素47の先端が歪み、閉鎖部分41の液体は圧力によって矢印49の方向に押し出され、フィン要素47の先端を通過するときに霧化されて、矢印50に示すように空気流と混合される。こうして泡が形成され、矢印51の方向に出口流路を通過して行く。
【0049】
図12aと12bを参照して説明した動作は、ディスペンサが図13aおよび13bに示す、このストロークの終わりに達するまで続く。この時点で、フランジ13が下方に引かれ、第2のチャンバ10の容積が増加して、図14aおよび14bの矢印52で示すように、出口流路19中の泡を吸引して第2のチャンバ10の底部へ戻す。それと同時に、液体が逆止弁11を通って第1のチャンバ9の中へ吸引される。この動作は、図15に示すように、ピストン6がストロークの最下部に到達するまで続く。この間、容器2から液体3が排出されることに伴い容器2が収縮する。(このようにして、)機構は次の吐出サイクルに備える“充填状態(primed state)”に戻る。
【0050】
次に図16〜20を参照すると、図16aは主ユニットがアクチュエータハンドル37を備えた、本発明の第1の態様による壁掛け式液体石鹸ディスペンサ31の側面図である。図16bはディスペンサ31の正面からの断面図である。ディスペンサ31が、図1〜8あるいは図9〜15のいずれかの吐出機構1および容器2を備えた交換可能ユニットを搭載できるようにするバックプレート32を有する。
【0051】
吐出機構1の部品は図中に限定された形で示されてきた。(図では、ディスペンサのリンク機構との相互関係を理解するのに必要な部品のみを表示している。)したがって、示された部品は図1〜8の吐出機構の部品、あるいは図9〜15の吐出機構の部品のいずれにも同等になりうるものである。
【0052】
ディスペンサ31が主柱33を有し、バックプレート32上の垂直支持面内を拘束されて移動する。柱33はディスペンサの両側に配置され、主プレート34に取り付けられている。そして図に示すように、主プレート34とバックプレート32との間に作用するばね35によって主プレート34は下方の位置に保持されている。
【0053】
それぞれの主柱33にあるスロット(細孔)36が図16aに示すアクチュエータハンドル37のペグ(栓)(図示せず)と係合し、このハンドルがユーザインタフェースを提供し、ユーザがディスペンサを操作することができる。ユーザがこのハンドル37を押すと、ハンドルのペグが主柱33を垂直に持ち上げる。
【0054】
移動プレート38が支柱39によって係着され、この支柱39は主プレート33中の穴を貫通して通過する。支柱39の上部にある肩の部分と主プレート34との間で作用するばね40によって、図に示すように、移動プレートを主プレートに隣接する上部位置に保持される。移動プレート38は、吐出機構1のシャフト6にあるフランジ13とも係着し、シャフト6が移動プレート38と共に移動する。
【0055】
次に図17aおよび17bを参照すると、これらは図16aおよび16bに対応するが、ハンドル37が一杯に押し込まれて、ハンドルに結合したストップによって制止されている場合の、フルストローク状態のディスペンサを示している。ハンドルを押すことによって主柱33が図に示す位置まで押し上げられ、これにより今度は主プレート34、移動プレート38およびシャフト6が目一杯押し上げられ、所定量の泡を吐出する。
【0056】
図18aおよび18bを参照すると、操作ストロークの短い、別の吐出機構1aが取り付けられた同一のディスペンサ31が示されている。図16a〜17bを参照して既に説明したのと同様にして、吐出機構1aがディスペンサ31に取り付けられる。しかし、対応する図19a〜19bに示すように、ハンドル37の部分的な押し込みで、吐出機構のフルストロークを完了できる。ハンドル37が吐出機構1aに直接連接していれば、ユーザがよくハンドルを“拳骨でたたく”時に起きるように、更なるハンドルの押し付け力で、吐出機構が壊れてしまう。しかし、図20aおよび20bに示すように、ハンドルを目一杯動かそうとしてさらにハンドル37を押し込むと、ばね40による力に抗して、移動プレート38が主プレート34から離れるように動く。このようにして、ばね40が余分の変位を吸収する弾性手段として作用する。これにより、ディスペンサ31をフルストローク長の異なる吐出機構と共に用いることが可能となり、あるいは、泡やその他の吐出する製品の量を制御するために、吐出機構のストローク長を変更することが可能となる。
【0057】
説明した実施形態では、主柱33と支柱39は、分かり易くするために空間的に分離させている。しかしこれらの柱、および関連するばねは共軸のペアとして配備することも同様に可能である。
【0058】
次に図21a〜23bを参照すると、容器2(図示せず)と吐出機構1とを備える交換可能ユニットがディスペンサ31に挿入されたときの、ディスペンサ31の初期操作を、本発明の第1の態様(図16〜20に示す)に従って示している。交換可能ユニットがディスペンサ31に初めて挿入されると、シャフト6はそれまで輸送用キャップ(既に外されている)によって保持されていた一番高い位置を保ち、ピン12が逆止弁11に押し付けられ、逆止弁11は輸送中の漏れ防止の位置をそのまま維持する。
【0059】
図22aに示すように、アクチュエータハンドル37の最初の操作で、移動プレート38が押し上げられ、ばねで付勢されたクリップ60がフランジ13と係合する。次に(図23aおよび図23bに示すように)アクチュエータハンドルが開放されると、移動プレート38がシャフト6を引っ張りながら下がり、吐出機構1を充填状態にしておく。
【0060】
次に図24a〜26bを参照すると、図21a〜23bを参照して説明したのと同様の図が呈示されているが、これまでの図におけるばねで付勢されたクリップ60は、内表面にラチェット面62を有する、ばねで付勢されたクリップ61で置き換えられている。
【0061】
図24aおよび24bに示した実施形態においては、交換可能ユニットが最初にディスペンサ31に挿入されると、フランジ13がクリップ61に対して相対的に示された位置にまず入る。吐出機構がどこにあろうと、また、フルストローク機構がどのように呼ばれようと、アクチュエータハンドル37の操作(図25aに示すように)によって、移動プレート38および連接したクリップ61が押し上げられて(図25bに示すように)、フランジ13がラチェット62の一番下の爪に係合する。こうしてアクチュエータハンドル37が開放されると(図26aに示すように)、シャフト6が一番下の完全な充填位置まで下がる(図26aに示すように)。
【0062】
図27aおよび27bを参照すると、さらに別の配置が示される。ここでは、ケース5がモールドされた環状の突起64を有し、図28aに示すようにアクチュエータハンドルが押し込まれるときに、この突起が移動プレート38と係合して、吐出機構のストロークを制限する。しかしこの段階ではフランジ13はラチェット62の第1の爪65と係合しており、アクチュエータハンドル37が開放されたとき(図29aに示すように)、シャフト6が部分的に引き下ろされる。
【0063】
環状突起64の目的は、吐出機構1のシャフト6の移動を制限して、吐出機構のストロークを制限し、よって吐出される製品の量を制限することにあるが、図1〜8および図9〜15に示された吐出機構の操作に関するこれまでの説明からわかるように、シャフト6がストロークの最下端に達しない限り、吐出機構は充填状態にならないので機能しない。
【0064】
ラチェット62がこの問題を克服する。というのは、図30a〜35bに示すように、アクチュエータハンドル37の反復操作によりラチェット62の連続した爪が順次フランジ13と係合し、最後にフランジ13は図35bに示す位置を取る。この位置で適切に充填され、限定された作動ストロークの開始点となる。このように、操作はストロークの限られた部分の範囲でしか起きないが、環状突起64のお蔭でシャフト6は常に結果的には最下位置から操作され、その位置では吐出機構が適切に充填され、かつ、図1〜8および図9〜15の実施形態においては、そこではディスペンサはリークしない。
【0065】
この配置により、異なる容量の製品の吐出に対しても吐出機構が共通の部品を有することが可能となり、ハウジングケースに環状突起を追加する変更だけで、吐出機構1の吐出量を制限できるようになることがわかるであろう。これは、ケースのモールドプロセスにおいて環状突起に対応する窪みを作り、また吐出機構が最大ストロークに亘って操作される場合にはその窪みにインサートを設けることによって実現できる。さらに、モールドに異なるインサートを使用することより、深さの違う環状突起62を作ることができ、これにより吐出機構が多くの異なる容量を提供できるようにすることができ、しかもその他のすべての点においては同一の機構とすることができる。
【0066】
以上、本発明を実施例によってのみ説明したが、多くの代替実施形態が添付の請求の範囲内で可能であることは理解されるであろう。例えば、ラチェットは吐出機構上にあってもよく、これは単なる機械的な等価物である。また、ストップ部材は多くの異なる形態を取りえるし、顧客の要求によっては交換ユニットの設置時に調整することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明による製品ディスペンサに供される第1の吐出機構(輸送用キャップ付き)の断面図である。
【図2a】輸送用キャップを取り外した状態での、図1に対応する断面図である。
【図2b】図2aの線II―IIに沿った拡大断面図である。
【図3a】図2aに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図3b】図2bに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図4a】図2aに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図4b】図2bに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図5a】図2aに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図5b】図2bに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図6a】図2aに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図6b】図2bに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図7a】図2aに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図7b】図2bに対応した吐出機構の各動作段階を示す断面図である。
【図8】液体を吐出するときに液体容器がつぶれる様子を示した図である。
【図9】本発明による製品ディスペンサに供される第2の吐出機構の断面図である。本図の吐出機構は図1〜8に示す実施形態に変更した発泡室を加えたものであり、それ以外の吐出機構はすべて同一である。図1〜8の部品に対応する部品は同一符号で示す。
【図10】吐出機構の各動作段階を示す、図9のディスペンサの断面図および部分拡大断面図である。
【図11】吐出機構の各動作段階を示す、図9のディスペンサの断面図および部分拡大断面図である。
【図12】吐出機構の各動作段階を示す、図9のディスペンサの断面図および部分拡大断面図である。
【図13】吐出機構の各動作段階を示す、図9のディスペンサの断面図および部分拡大断面図である。
【図14】吐出機構の各動作段階を示す、図9のディスペンサの断面図および部分拡大断面図である。
【図15】吐出機構の各動作段階を示す、図9のディスペンサの断面図および部分拡大断面図である。
【図16a】図1〜8あるいは図9〜15のいずれかの吐出機構を組み込んだ、本発明の第1の態様による製品ディスペンサの側面図である。
【図16b】図16aのディスペンサの正面からの断面図である。
【図17a】図16aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図17b】図16bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図18a】図16aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図18b】図16bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図19a】図16aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図19b】図16bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図20a】図16aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図20b】図16bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図21a】図1〜8あるいは図9〜15のいずれかの吐出機構を組み込んだ、本発明の第1の態様による製品ディスペンサの側面図である。
【図21b】図21aのディスペンサの正面からの断面図である。
【図22a】図21aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図22b】図21bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図23a】図21aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図23b】図21bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図24a】図1〜8あるいは図9〜15のいずれかの吐出機構を組み込んだ、本発明の第1および第2の両方の態様によるディスペンサの側面図である。
【図24b】図24aのディスペンサの正面からの断面図である。
【図25a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図25b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図26a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図26b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図27a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図27b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図28a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図28b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図29a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図29b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図30a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図30b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図31a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図31b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図32a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図32b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図33a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図33b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図34a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図34b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図35a】図24aのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【図35b】図24bのディスペンサの各操作段階を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動で操作する製品ディスペンサであって、
ユーザによるワンストロークの作動を受けるユーザインタフェースと、
吐出機構のフルストロークで、前記ユーザに所定量の製品を吐出する吐出機構と、
前記ユーザインタフェースの変位を前記吐出機構に伝達するリンク機構と、
を備え、
前記リンク機構が、前記ユーザインタフェースには前記インタフェースに許容される限度までの操作を許し、かつ、前記吐出機構には、前記吐出機構が製品の前記所定量を吐出するのに必要なだけの前記インタフェースの操作のみを伝達することを特徴とするディスペンサ。
【請求項2】
前記リンク機構が、前記インタフェースと前記吐出機構との間に配備された弾性装置を備え、前記弾性装置は、前記インタフェースの操作を受けて前記吐出機構を完全に作動させるが、前記吐出機構への損傷を防ぐために前記インタフェースの過度の動きは吸収するような特性を有することを特徴とする請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記リンク機構が、
前記ユーザインタフェースに連結されて、前記ユーザインタフェースと共に動くように構成された第1のプレートと、
前記吐出機構に連結された第2のプレートと、
前記第1のプレートと前記第2のプレートの間で動作するように構成された、少なくとも1つの弾性部材と、
を備え、
前記弾性部材は、前記ユーザインタフェースが前記吐出機構を操作させようとする任意の動きに応答して前記2枚のプレートを一緒に変位させるが、前記吐出機構が可動範囲の端に到達したときには前記第1のプレートの変位を継続したまま、前記第2のプレートを実質的に静止させるように選択されていることを特徴とする請求項2に記載の吐出機構。
【請求項4】
前記リンク機構を含む主ユニットと、
吐出される製品を包含し、かつ前記吐出機構を含む交換可能ユニットと、
を備え、
前記リンク機構が、異なる最大ストローク長を有する吐出機構と一緒に前記主ユニットを使用することを可能ならしめていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項5】
特定の最大ストローク長の吐出機構を有する新しい交換可能ユニットを装着した後、それに続く前記ユーザインタフェースの操作によって前記リンク機構を徐々に前記吐出機構に係合させて、前記吐出機構が最終的に前記リンク機構に対して相対的に適正な操作位置を取るようにさせるラチェット機構を備え、前記ユーザインタフェースの操作によって前記吐出機構が所望のストロークを遂行することを特徴とする請求項4に記載のディスペンサ。
【請求項6】
手動で操作する製品ディスペンサであって、
ユーザのワンストロークの作動を受けるためのユーザインタフェースとリンク機構とを収納する主ユニットと、
吐出する製品を格納するとともに、前記ユーザインタフェースの作動に応じてある量の製品を吐出するための吐出機構を有する交換可能ユニットと、
を備え、
前記リンク機構が前記ユーザインタフェースの変位を前記吐出機構に伝達するように構成され、また、前記ディスペンサが、特定の最大ストローク長の吐出機構を有する新しい交換可能ユニットを装着した後に、それに続く前記ユーザインタフェースの操作によって前記リンク機構を次第に前記吐出機構に係合させて、前記吐出機構が最終的に前記リンク機構に対して相対的に適正な操作位置を取るようにさせるラチェット機構を備え、前記ユーザインタフェースの操作によって前記吐出機構が所望のストロークを遂行することを特徴とするディスペンサ。
【請求項7】
前記ラチェット機構が前記リンク機構の一部を構成し、ラチェットを形成する前記リンク機構の1つまたは複数の表面と係合する係合点を、吐出機構が備えることを特徴とする請求項5または6に記載のディスペンサ。
【請求項8】
前記係合点が、前記ディスペンサの吐出ノズルを形成する、吐出機構のノズル上にあることを特徴とする請求項7に記載のディスペンサ。
【請求項9】
1つの共通の主ユニットに対して多種類の交換可能ユニットを使用可能なディスペンサであり、
前記交換可能ユニットは、少なくとも前記吐出機構のいくつかが、吐出機構に異なる最大ストローク長を与えるストップ部材を含むこと以外には相互に実質的に同一の吐出機構を備え、
前記交換可能ユニットは、閉鎖した状態で輸送でき、操作時には前記吐出機構がストップ部材まで完全に伸ばされた充填状態に延伸できるように構成されたことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項10】
前記吐出機構が、
液体製品を受け入れるための液体室と、
空気を受け入れるための空気室と、
前記液体室および前記空気室の両方の内容物を同時に加圧するように構成されたアクチュエータ機構と、
発泡室と、
前記発泡室の開放部分を前記発泡室の閉鎖部分から分離する少なくとも1つのフィン要素と、
を備え、
前記吐出機構は、前記アクチュエータ機構の操作によって前記開放部分が前記空気室から空気を受取り、それを前記吐出機構の出口に導き、かつ同時に前記閉鎖部分が前記液体室から加圧された液体を受取るように構成され、
前記少なくとも1つのフィン要素は、前記閉鎖部分にある液体が加圧により前記フィン要素の先端を通過して前記開放部分へ送り込まれるような寸法に作られており、そこで前記開放部分に流入している空気と混合して製品の泡を形成する、
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項11】
前記アクチュエータ機構が、共通軸上に第1のピストンと第2のピストンとを備え、それぞれのピストンが、前記液体室および前記空気室のそれぞれ1つに作用することを特徴とする請求項10に記載のディスペンサ。
【請求項12】
第1のチャンバが円筒形状をなし、この中へ前記第1のピストンが延伸して前記チャンバの前記内容物を加圧し、前記ピストン中に前記発泡室が形成されていることを特徴とする請求項11に記載のディスペンサ。
【請求項13】
前記アクチュエータ機構が充填位置に付勢されて、それぞれのチャンバに関連する前記ピストンが対応するチャンバから最大限に引き込められていることを特徴とする請求項10、11、12のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項14】
前記充填位置では前記液体室は関連するピストンによって密閉されていることを特徴とする請求項13に記載のディスペンサ。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載のディスペンサと共に使用する一連の吐出機構であって、フルストローク操作での製品吐出量を決めるための吐出機構のタイプごとに異なるストップ部材以外は、同一の部品を有することを特徴とする吐出機構。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載のディスペンサを備え、片手でのワンストローク操作が可能なように構成された壁掛け式の石鹸用ディスペンサ。
【請求項1】
手動で操作する製品ディスペンサであって、
ユーザによるワンストロークの作動を受けるユーザインタフェースと、
吐出機構のフルストロークで、前記ユーザに所定量の製品を吐出する吐出機構と、
前記ユーザインタフェースの変位を前記吐出機構に伝達するリンク機構と、
を備え、
前記リンク機構が、前記ユーザインタフェースには前記インタフェースに許容される限度までの操作を許し、かつ、前記吐出機構には、前記吐出機構が製品の前記所定量を吐出するのに必要なだけの前記インタフェースの操作のみを伝達することを特徴とするディスペンサ。
【請求項2】
前記リンク機構が、前記インタフェースと前記吐出機構との間に配備された弾性装置を備え、前記弾性装置は、前記インタフェースの操作を受けて前記吐出機構を完全に作動させるが、前記吐出機構への損傷を防ぐために前記インタフェースの過度の動きは吸収するような特性を有することを特徴とする請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記リンク機構が、
前記ユーザインタフェースに連結されて、前記ユーザインタフェースと共に動くように構成された第1のプレートと、
前記吐出機構に連結された第2のプレートと、
前記第1のプレートと前記第2のプレートの間で動作するように構成された、少なくとも1つの弾性部材と、
を備え、
前記弾性部材は、前記ユーザインタフェースが前記吐出機構を操作させようとする任意の動きに応答して前記2枚のプレートを一緒に変位させるが、前記吐出機構が可動範囲の端に到達したときには前記第1のプレートの変位を継続したまま、前記第2のプレートを実質的に静止させるように選択されていることを特徴とする請求項2に記載の吐出機構。
【請求項4】
前記リンク機構を含む主ユニットと、
吐出される製品を包含し、かつ前記吐出機構を含む交換可能ユニットと、
を備え、
前記リンク機構が、異なる最大ストローク長を有する吐出機構と一緒に前記主ユニットを使用することを可能ならしめていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項5】
特定の最大ストローク長の吐出機構を有する新しい交換可能ユニットを装着した後、それに続く前記ユーザインタフェースの操作によって前記リンク機構を徐々に前記吐出機構に係合させて、前記吐出機構が最終的に前記リンク機構に対して相対的に適正な操作位置を取るようにさせるラチェット機構を備え、前記ユーザインタフェースの操作によって前記吐出機構が所望のストロークを遂行することを特徴とする請求項4に記載のディスペンサ。
【請求項6】
手動で操作する製品ディスペンサであって、
ユーザのワンストロークの作動を受けるためのユーザインタフェースとリンク機構とを収納する主ユニットと、
吐出する製品を格納するとともに、前記ユーザインタフェースの作動に応じてある量の製品を吐出するための吐出機構を有する交換可能ユニットと、
を備え、
前記リンク機構が前記ユーザインタフェースの変位を前記吐出機構に伝達するように構成され、また、前記ディスペンサが、特定の最大ストローク長の吐出機構を有する新しい交換可能ユニットを装着した後に、それに続く前記ユーザインタフェースの操作によって前記リンク機構を次第に前記吐出機構に係合させて、前記吐出機構が最終的に前記リンク機構に対して相対的に適正な操作位置を取るようにさせるラチェット機構を備え、前記ユーザインタフェースの操作によって前記吐出機構が所望のストロークを遂行することを特徴とするディスペンサ。
【請求項7】
前記ラチェット機構が前記リンク機構の一部を構成し、ラチェットを形成する前記リンク機構の1つまたは複数の表面と係合する係合点を、吐出機構が備えることを特徴とする請求項5または6に記載のディスペンサ。
【請求項8】
前記係合点が、前記ディスペンサの吐出ノズルを形成する、吐出機構のノズル上にあることを特徴とする請求項7に記載のディスペンサ。
【請求項9】
1つの共通の主ユニットに対して多種類の交換可能ユニットを使用可能なディスペンサであり、
前記交換可能ユニットは、少なくとも前記吐出機構のいくつかが、吐出機構に異なる最大ストローク長を与えるストップ部材を含むこと以外には相互に実質的に同一の吐出機構を備え、
前記交換可能ユニットは、閉鎖した状態で輸送でき、操作時には前記吐出機構がストップ部材まで完全に伸ばされた充填状態に延伸できるように構成されたことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項10】
前記吐出機構が、
液体製品を受け入れるための液体室と、
空気を受け入れるための空気室と、
前記液体室および前記空気室の両方の内容物を同時に加圧するように構成されたアクチュエータ機構と、
発泡室と、
前記発泡室の開放部分を前記発泡室の閉鎖部分から分離する少なくとも1つのフィン要素と、
を備え、
前記吐出機構は、前記アクチュエータ機構の操作によって前記開放部分が前記空気室から空気を受取り、それを前記吐出機構の出口に導き、かつ同時に前記閉鎖部分が前記液体室から加圧された液体を受取るように構成され、
前記少なくとも1つのフィン要素は、前記閉鎖部分にある液体が加圧により前記フィン要素の先端を通過して前記開放部分へ送り込まれるような寸法に作られており、そこで前記開放部分に流入している空気と混合して製品の泡を形成する、
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項11】
前記アクチュエータ機構が、共通軸上に第1のピストンと第2のピストンとを備え、それぞれのピストンが、前記液体室および前記空気室のそれぞれ1つに作用することを特徴とする請求項10に記載のディスペンサ。
【請求項12】
第1のチャンバが円筒形状をなし、この中へ前記第1のピストンが延伸して前記チャンバの前記内容物を加圧し、前記ピストン中に前記発泡室が形成されていることを特徴とする請求項11に記載のディスペンサ。
【請求項13】
前記アクチュエータ機構が充填位置に付勢されて、それぞれのチャンバに関連する前記ピストンが対応するチャンバから最大限に引き込められていることを特徴とする請求項10、11、12のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項14】
前記充填位置では前記液体室は関連するピストンによって密閉されていることを特徴とする請求項13に記載のディスペンサ。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載のディスペンサと共に使用する一連の吐出機構であって、フルストローク操作での製品吐出量を決めるための吐出機構のタイプごとに異なるストップ部材以外は、同一の部品を有することを特徴とする吐出機構。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載のディスペンサを備え、片手でのワンストローク操作が可能なように構成された壁掛け式の石鹸用ディスペンサ。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【図16a】
【図16b】
【図17a】
【図17b】
【図18a】
【図18b】
【図19a】
【図19b】
【図20a】
【図20b】
【図21a】
【図21b】
【図22a】
【図22b】
【図23a】
【図23b】
【図24a】
【図24b】
【図25a】
【図25b】
【図26a】
【図26b】
【図27a】
【図27b】
【図28a】
【図28b】
【図29a】
【図29b】
【図30a】
【図30b】
【図31a】
【図31b】
【図32a】
【図32b】
【図33a】
【図33b】
【図34a】
【図34b】
【図35a】
【図35b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【図16a】
【図16b】
【図17a】
【図17b】
【図18a】
【図18b】
【図19a】
【図19b】
【図20a】
【図20b】
【図21a】
【図21b】
【図22a】
【図22b】
【図23a】
【図23b】
【図24a】
【図24b】
【図25a】
【図25b】
【図26a】
【図26b】
【図27a】
【図27b】
【図28a】
【図28b】
【図29a】
【図29b】
【図30a】
【図30b】
【図31a】
【図31b】
【図32a】
【図32b】
【図33a】
【図33b】
【図34a】
【図34b】
【図35a】
【図35b】
【公表番号】特表2009−534272(P2009−534272A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507176(P2009−507176)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【国際出願番号】PCT/GB2007/050150
【国際公開番号】WO2007/125355
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(508313172)パッケージング イノベーション リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【国際出願番号】PCT/GB2007/050150
【国際公開番号】WO2007/125355
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(508313172)パッケージング イノベーション リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
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