説明

向上したバリア層

水溶性組成物として支持体に適用されたポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーを含むバリア層であって、そのポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーが:(a)99から1mol%までのN−ビニルホルムアミドおよび(b)1から99mol%までの1種類以上のビニルC1−C10アルキルエステル類を共重合させ、次いで共重合した単位(a)からのホルミル基の30から100mol%までを加水分解してアミノ基を形成し、共重合した単位(b)からのC1−C10アルキルエステル基の30から100mol%までを加水分解してヒドロキシル基を形成することにより形成され、そのコポリマーがゲル浸透勾配溶離クロマトグラフィー分析における本質的に1個のピークにより証明される単峰性組成分布を有するバリア層を、本明細書において開示する。バリア層を製造する方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してバリア層、バリア層を製造するための組成物、バリア層を製造する方法、およびバリア層を含む物品に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の参考文献がバリア層および/またはバリア層を含む包装に向けられている。例えば、米国特許公開番号2006/0246241は概してポリマー性基礎構成要素および基礎構成要素の表面をコートし、裏打ちしているバリア構成要素を含む包装材料に向けられており、そのバリア構成要素はガス、蒸気および液体が基礎構成要素を通って移動するのを妨げる。そのバリア構成要素は、極性があり水溶性である少なくとも2種類の異なるポリマー種を含むポリマー層を含む。その異なる種は異なる化学組成を有し、それらは、それらがポリマー間の複合体形成により物理的に一緒に結合して互いに浸透し合う物理的ネットワークを形成している点において相補的である。その開示は、基礎構成要素の少なくとも一方の表面をそのバリア構成要素でコートすることおよびその相補的な種をポリマー間の複合体形成により物理的に一緒に相互作用させて互いに浸透し合う物理的ネットワークを形成させることを含む、包装材料を製造するためのプロセスも提供している。
【0003】
WO2007/002322は概して酸素バリア特性を有する支持体を提供するためのコーティング組成物に向けられており、それを開示している。その支持体は例えばフィルム、例えばポリエステルフィルムであってよい。そのコーティング組成物にはマレイン酸およびアクリル酸のコポリマーならびにビニルアルコールおよびビニルアミンのコポリマーが含まれる。そのコーティング組成物から形成されたバリアコーティングは、典型的には約(1)ミクロン未満の厚さであり、比較的高い相対湿度においてさえ低減した酸素の透過を提供する。
【0004】
多数の参考文献がバリア層、それらの製造および使用に向けられているが、二酸化炭素および酸素の透過に対して有効である、水溶性の溶液として適用されるバリア層は、ほとんど無視されてきた。
【0005】
見て分かるように、特に堅い支持体に水溶性組成物として適用され、向上したCOおよび/またはOバリア特性を提供するバリア層に関する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許公開番号2006/0246241
【特許文献2】WO2007/002322
【発明の概要】
【0007】
本発明の1観点において、バリア層は支持体に水溶性組成物として適用されるポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーを含む。
上文は、後の本発明の詳細な記述をよりよく理解することができるように、本発明の特徴および技術的利点をかなり広く概説した。本発明の追加の特徴および利点を以下で記述し、それは本発明の特許請求の範囲の主題を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】フィルムに穴があいた時間を破損時間として示す図である。
【図2】フィルムの95%が溶解した時間を溶解時間として示す図である。
【図3】アミジン環の存在を示す13CNMRの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な記述は、現在考えられた最高の本発明の実行の方式である。本発明の範囲は添付された特許請求の範囲により最もよく定められるため、その記述は限定の意味で受け取られるべきでは無く、それは単に本発明の一般原則を説明する目的でのみなされている。
【0010】
以下の記述において、本発明の完全な理解をもたらすために多数の具体的な詳細が述べられている。しかし、当業者には、本発明はその具体的な詳細無しで実行されてよいことは明らかであろう。他の場合において、本発明を不必要な詳細で曖昧にしないために、周知の装置をブロック図の形で示した。ほとんどの部分に関して、本発明の完全な理解を得るのに不必要な詳細は、その詳細が関連する分野の当業者の技術内である限り省略した。
【0011】
本明細書で用いられる用語には反応器が含まれ、それはその中で化学反応が起こるあらゆる容器(単数または複数)として定義される。本明細書で用いられる、周期表のグループに関する新しい番号付けの体系は、CHEMICAL AND ENGINEERING NEWS, 63(5), 27 (1985)におけるように用いられている。ポリマーは、ホモポリマー類、コポリマー類、インターポリマー類(interpolymers)、ターポリマー類(terpolymers)等を指して用いられてよい。同様に、コポリマーは少なくとも2種類のモノマー、を、場合により他のモノマーと共に含むポリマーを指してよい。
【0012】
ポリマーがモノマーを含むものとして言及される場合、そのモノマーはポリマー中にそのモノマーの重合した形で、またはそのモノマーの誘導体の形で存在する。同様に、触媒構成要素がその構成要素の中性の安定な形を含むように記述されている場合、その構成要素のイオン型がモノマーと反応してポリマーを生成する形であることは当業者には十分に理解されている。
【0013】
本明細書で用いられる構造式は、化学の分野において一般的に理解されているように用いられる;原子間の結合を表すために用いられる線(“――”)、ならびに語句“と結合している(associated with)”、“に結合している(bonded to)”および“結合している(bonding)”は、これらの線および語句は“化学結合”を表すことを意味するため、特定のタイプの化学結合を表すことに限られない;“化学結合”は、結合された集合体が単位、または“化合物”として機能することを可能にするのに十分に強い、原子間の引力として定義される。
【0014】
大まかには、本発明は概してバリア層、バリア層を製造するための組成物、バリア層を製造する方法、およびバリア層を含む物品を提供する。
バリア層組成物
1態様において、そのバリア層はビニルアルコールおよびビニルアミンを含むコポリマーを含み、それは本明細書において単にポリビニルアミンコポリマーと呼ばれてよく、および/または略称PVAmにより言及されてよい。
【0015】
1態様において、そのポリビニルアミンコポリマーはビニルアミン残基およびビニルアルコール残基をブロックコポリマー、ランダムコポリマー、またはそれらの組み合わせとして含む。1態様において、そのビニルアルコールおよびビニルアミンのランダムコポリマーは米国特許第6,559,227号において開示されているものと一致して製造されてよく、それを本明細書に援用する。第’227号特許において開示されているプロセスにより製造された製品は、本発明に従うコーティング組成物の形成における使用に十分に適している。第’227号特許において開示されているように、そのプロセスは概してN−ビニルアミド単位およびビニルアセテート単位を含むコポリマーを加水分解し、塩基性条件下で水中に分散させる工程を含む。そのN−ビニルアミド単位は例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、および/または官能基を含むいずれかの適切なアミドから与えることができる。ポリビニルアミンコポリマーの製造は加水分解工程を含み、ここでビニルアセテートおよびN−ビニルアミドのコポリマーは少なくとも約70%以上、好ましくは少なくとも約80%以上、好ましくは少なくとも約90%以上、好ましくは少なくとも約95%以上の程度まで加水分解を受け、本質的に100%の加水分解を有するコポリマーがさらにもっと好ましい。
【0016】
その加水分解は塩基性条件下で実行されてよい。その塩基性条件は強いアルカリ、例えば苛性アルカリを添加することにより作り出すことができる。苛性アルカリの例には苛性ソーダまたは苛性カリが含まれる。そのアルカリはモノマー全体の当量あたり通常0.1から10当量まで、例えば0.5から5当量まで添加される。
【0017】
加水分解の後、得られたスラリーを冷却してよく、その固体を液体からあらゆる適切な手段により分離することができる。そのプロセスには洗浄工程も含まれてよく、ここでその集められたポリマーは洗浄されてあらゆる不純物が除去される。洗浄は、ポリマー中の不純物をポリマーの喪失を最小限にして除去するために、1)アルコール、2)20℃以下の冷水、または3)塩水から選択される少なくとも1つのメンバーを含む洗浄液を用いて達成することができる。
【0018】
適切なポリビニルアミンコポリマーを製造するための他の方法が、米国特許第5,300,566号、米国特許第5,194,492号、および米国特許第5,491,199号において開示されており、それらを全て本明細書に援用する。
【0019】
本バリア層において利用されるポリビニルアミンコポリマーは、好ましくは次の構造を有する:
【0020】
【化1】

【0021】
ここで、mは0〜15mol%であり;
nは50〜99mol%であり;
xは0〜30mol%であり;および
yは1〜50mol%である。
【0022】
1態様において、そのコポリマーは第’566号開示と一致するアルコール、例えばメタノール中での二相加水分解により製造される。より詳細には、そのプロセスは、ビニルアセテートモノマーおよびN−ビニルホルムアミドモノマーを反応容器中の反応混合物の中に連続的に供給する工程を含む。ビニルアセテートおよびN−ビニルホルムアミドは共重合してポリビニルアセテート)−コ−ポリ(N−ビニルホルムアミド)を生じる。次いで上記のコポリマーを反応容器から引き出し、そのコポリマーのアセテート官能性(functionality)をメタノール性の媒体中で加水分解すると、ビニルアルコールコポリマーがメタノールおよび酢酸メチルで膨潤されたゲルとして生じる。次いでそのゲルを細かく砕くと微粒子状のコポリマー生成物が得られる。
【0023】
場合によりその微粒子状のコポリマー生成物をメタノールですすぎ、次いでメタノール中のスラリーとして酸または塩基を用いて加水分解してPVOH/PVAm粒子を生成することができる。そのPVOH/PVAm粒子をメタノールで洗浄して可溶性の塩類および副産物を除去することができる。次いで得られたコポリマーを乾燥させ、望まれるように用いることができる。得られたコポリマーはあらゆる適切な分子量、例えば約10,000から約200,000までの範囲の平均分子量を有することができる。重合反応のための適切なフリーラジカル開始剤には有機ペルオキシド類が含まれる。その開始剤は反応混合物中に約2重量%までの量で存在することができる。
【0024】
1態様において、ポリビニルアミンコポリマーは米国特許第5,491,199号と一致して生成されてよく、ここで、本質的に塩を含まないビニルアミンコポリマー、例えばビニルアルコールおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーが、出発物質を水性溶媒媒体中で、第1遷移系列またはVIII族のどちらかのメンバーである遷移金属を含む触媒の存在下で加熱することにより生成される。このクラスの範囲内で、その触媒はあらゆる金属または酸化された金属を含む金属錯体を含むことができる。VIII族のメンバーを含む触媒には、パラジウム、プラチナまたはロジウムを含む触媒が含まれる。第1遷移系列の金属にはバナジウム、クロム、マンガン、銅および亜鉛が含まれる。その反応を約0.25〜12時間進行させる。
【0025】
その水性媒体は、少なくとも約50mol%(以下mol%)の水であることができるが、他の溶媒、例えばアルコール類が存在していてもよい。その触媒は出発するポリマーの濃度に基づいて約5から約70mol%までの濃度で存在することができる。その反応は、バッチまたは連続的プロセスのどちらかで実行されてよい。
【0026】
第’199号特許に従って、上記のプロセスはN−ビニルホルムアミドポリマー類を対応する塩を含まないビニルアミンポリマー類に、連産品(coproduct)である塩類の除去を必要とすること無く1工程で変換する。
【0027】
本出願における使用に適した水溶性コポリマーの製造のための適切なプロセスには、次の工程が含まれてよい:
a)N−ビニルホルムアミドの総量の第1部分を反応器の中に装填する(charging);
b)少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルの総量の第1部分を反応器の中に装填する;
c)フリーラジカル重合触媒の総量の第1部分を第1触媒流速で反応器の中に連続的に供給する;
d)N−ビニルホルムアミドの第1部分、少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルの第1部分を、フリーラジカル重合触媒の存在下で、重合条件下で、第1期間の間接触させる;
e)第1期間の後、N−ビニルホルムアミドの総量、ビニルC−C10アルキルエステルの総量、およびフリーラジカル重合触媒の総量が反応器の中に供給されるまで、重合条件下で、第2期間の間n−ビニルホルムアミドの第2部分をn−ビニルホルムアミド流速で反応器の中に連続的に供給し、一方で同時に少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルの第2部分を反応器の中にエステル流速で供給し、一方で同時にフリーラジカル重合触媒の第2部分を反応器の中に第2触媒流速で供給する;続いて
f)第3期間の間、n−ビニルホルムアミドおよび少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルをフリーラジカル重合触媒の存在下で反応器中において重合条件下で接触させて、ポリビニルホルムアミドおよび1種類以上のポリビニルC−C10アルキルエステル類を含む中間体コポリマーを生成し、ここで、第3期間は反応器中の中間体コポリマーの固体含有量が約20重量%以上約70重量%以下である時に終了する;続いて
g)コポリマーを、酸性または塩基性条件のどちらかの下で鹸化して中間体ポリビニルアミド−ポリビニルアルコールコポリマーを生成する;続いて
h)その中間体ポリビニルアミド−ポリビニルアルコールコポリマーを、酸性または塩基性条件のどちらかの下で加水分解して水溶性コポリマーを生成する。
【0028】
ポリビニルアミンコポリマーの特性
本出願のポリビニルアミンコポリマーは、ビニルアミンおよびビニルアルコールの残基を含む。1態様において、そのポリビニルアミンコポリマーは存在するポリビニルアミンコポリマーの総量に基づいて約0.5mol%以上のビニルアミン、および99mol%以下のビニルアミンを含む。この範囲内で、そのポリビニルアミンコポリマーは存在するポリビニルアミンコポリマーの総量に基づいて好ましくは約1mol%以上のビニルアミン、好ましくは約2mol%以上、好ましくは約3mol%以上、好ましくは約4mol%以上、好ましくは約5mol%以上、好ましくは約6mol%以上、好ましくは約7mol%以上、好ましくは約8mol%以上、好ましくは約9mol%以上、好ましくは約10mol%以上、好ましくは約15mol%以上、好ましくは約20mol%以上、好ましくは約25mol%以上、好ましくは約30mol%以上、好ましくは約35mol%以上、好ましくは約40mol%以上、好ましくは約45mol%以上、好ましくは約50mol%以上のポリビニルアミンを含む。
【0029】
また、この範囲内で、そのポリビニルアミンコポリマーは存在するポリビニルアミンコポリマーの総量に基づいて好ましくは約90mol%以下のビニルアミン、好ましくは約80mol%以下、好ましくは約70mol%以下、好ましくは約60mol%以下、好ましくは約50mol%以下、好ましくは約30mol%以下、好ましくは約25mol%以下、好ましくは約20mol%以下、好ましくは約15mol%以下、好ましくは約10mol%以下、好ましくは約9mol%以下、好ましくは約8mol%以下、好ましくは約7mol%以下、好ましくは約6mol%以下、好ましくは約5mol%以下、好ましくは約4mol%以下、好ましくは約3mol%以下、好ましくは約2mol%以下のポリビニルアミンを含む。
【0030】
1態様において、そのポリビニルアミンコポリマーの重量平均分子量は約5,000g/mol以上、および約2,000,000g/mol以下であってよい。この範囲内で、そのポリビニルアミンコポリマーの重量平均分子量は、好ましくは約10,000g/molより大きい、より好ましくは約20,000g/molより大きい、より好ましくは約30,000g/molより大きい、より好ましくは約40,000g/molより大きい、より好ましくは約50,000g/molより大きい、より好ましくは約60,000g/molより大きい、より好ましくは約70,000g/molより大きい、より好ましくは約80,000g/molより大きい、より好ましくは約90,000g/molより大きい、より好ましくは約100,000g/molより大きい、より好ましくは約150,000g/molより大きい。
【0031】
また、この範囲内で、そのポリビニルアミンコポリマーの重量平均分子量は、好ましくは約1,500,000g/mol未満、より好ましくは約1,000,000g/mol未満、より好ましくは約500,000g/mol未満、より好ましくは約100,000g/mol未満、より好ましくは約90,000g/mol未満、より好ましくは約80,000g/mol未満、より好ましくは約70,000g/mol未満、より好ましくは約60,000g/mol未満、より好ましくは約50,000g/mol未満、より好ましくは約40,000g/mol未満、より好ましくは約20,000g/mol未満である。
【0032】
1態様において、そのポリビニルアミンコポリマーは単峰性分布を有するコポリマーを含んでいてよい。別の態様において、そのポリビニルアミンコポリマーは二峰性分布または多峰性分布を有するコポリマーを含んでいてよい。
【0033】
1態様において、そのポリビニルアミンコポリマーは、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)により割ったものとして決定される、1から約200までの多分散指数(polydispersity)を有していてよい。その範囲内で、そのポリビニルアミンコポリマーは約2以上、より好ましくは約3以上、より好ましくは約4以上、より好ましくは約5以上、より好ましくは約6以上、より好ましくは約7以上、より好ましくは約8以上、より好ましくは約9以上、より好ましくは約10以上、より好ましくは約15以上、より好ましくは約20以上、より好ましくは約25以上、より好ましくは約30以上、より好ましくは約35以上、より好ましくは約40以上の多分散指数を有していてよい。
【0034】
また、この範囲内で、そのポリビニルアミンコポリマーは約45以下、より好ましくは約40以下、より好ましくは約35以下、より好ましくは約30以下、より好ましくは約25以下、より好ましくは約20以下、より好ましくは約15以下、より好ましくは約10以下、より好ましくは約9以下、より好ましくは約15以下、より好ましくは約8以下、より好ましくは約7以下、より好ましくは約6以下、より好ましくは約5以下、より好ましくは約4以下の多分散指数を有していてよい。
【0035】
1態様において、本ポリビニルアミンコポリマーは、ゲル浸透勾配溶離クロマトグラフィー分析における本質的に1個のピークにより証明される単峰性組成分布を有する。適切なゲル浸透勾配溶離クロマトグラフィー分析は:
http://www.waters.com/waters/library.htm?cid=511436&lid=1536540
において入手することができる、Waters Corporation、マサチューセッツ州ミルフォードにより公開された“ウォーターズアライアンスシステム:ポリマーの混合の勾配分析”と題されたWaters Corporation公開番号WA10192において見つけることができる。
【0036】
1態様において、ゲル浸透勾配溶離クロマトグラフィー分析は次の工程および条件を含む:
HPLC条件:
10分間の実行時間(run time)および5分間の実行後の平衡。
【0037】
溶媒は、0分の時点において99%水/1%アセトニトリル(ACN)で出発し、10分の時点において80%ACNおよび20%の99%水/1%ACNで終了する。勾配はその時間で均一である。
【0038】
流速:1.0ml/分
カラム:PLRP−S,4000A,8Micron,50x4.6mm、温度は40℃
注入体積:20マイクロリットル
試料はHPLCカラムを通過した後蒸発光散乱検出器(ELS)の中に流入する。
【0039】
ELS条件:
窒素ガスの流速は2.0ml/分
ネブライザーの温度は90℃
蒸発温度は120℃
データ
データの取得はAtlasクロマトグラフィーシステムによる。
【0040】
試料の調製
試料の調製は、1〜2パーセントの溶液を取得して85℃で攪拌しながら1時間加熱し、次いで冷却して室温(すなわち25℃)まで下げる。
【0041】
0.45ミクロンフィルターを通して濾過し、圧着バイアル(crimp vial)の中に入れる。
一緒に出願された“向上したNVFコポリマープロセス”と題された国際特許出願、代理人整理番号S−002−PCT(米国出願一連番号61/096,756に対して優先権を主張する)の図1は、2個のピークが識別できる比較浸透勾配溶離クロマトグラフィー分析を示す。本明細書における目的に関して、向上したNVFコポリマープロセスの出願の図2、3、4、5、6、7、および8は、ゲル浸透勾配溶離クロマトグラフィー分析における本質的に1個のピークにより証明される単峰性分子量分布を有する発明のコポリマーを示す。重要なことだが、その単一のピークはその分析物を表しているのであって、クロマトグラムにおける何らかの塩および/または溶媒のピークを表すものでは無い(例えば、典型的にはその図中で保持時間0.75において、またはその付近で見られる)。加えて、図5〜7において見られるようなピーク上のわずかに尾を引く肩は、本明細書における目的に関して、単峰性組成および/または分子量分布を表しており、おそらくその図におけるカラムのオーバーロードによるものである。
【0042】
1態様において、本ポリビニルアミンコポリマーは、4重量%の水溶液が約100濁度単位(NTU)未満の濁度を有することにより証明される単峰性分子量分布を有する。本明細書における目的に関して、濁度単位は比濁計濁度単位(NTU)を示す。濁度は比濁計(nephelmeter)を用いて測定され、それの使用は当業者に一般的に知られている。
【0043】
1態様において、4重量%溶液の濁度は好ましくは約95NTU以下、好ましくは約90NTU以下、好ましくは約85NTU以下、好ましくは約80NTU以下、好ましくは約75NTU以下、好ましくは約70NTU以下、好ましくは約65NTU以下、好ましくは約60NTU以下、好ましくは約55NTU以下、好ましくは約50NTU以下、好ましくは約45NTU以下、好ましくは約40NTU以下、好ましくは約35NTU以下、好ましくは約30NTU以下、好ましくは約25NTU以下、好ましくは約20NTU以下であり、約15NTU以下がさらにもっと好ましい。
【0044】
1態様において、そのポリビニルアミンコポリマーは本質的にアミジン環を含まない。これは、加水分解前の中間体コポリマーにおけるアミドのランダムな分布、従ってランダムなポリビニルアミンコポリマーを示している。そのアミンコポリマーは本質的にアミジン環を含まず、これはそのコポリマーの13C NMRスペクトル中にアミジンの炭素原子の吸収と一致する吸収が無いことにより証明される。
【0045】
そのコポリマーにおいてアミジン環が形成されるプロセスは、次のように表される:
【0046】
【化2】

【0047】
ここで、コポリマー中のアミド部分が分子内反応により反応してアミジン環を生成する。その環の存在は、図3において示したように13CNMRにより決定することができる。
【0048】
従って、1態様において、150ppmの範囲における吸収の存在は、コポリマー中にアミジン環が存在することを示している可能性がある。1態様において、本コポリマーは本質的にアミジン環を含まず、それはそのコポリマーの13C NMRスペクトル中にアミジンの炭素原子の吸収(例えば150ppmまたは同等のもの)と一致する吸収が無いことにより証明される。より多くの情報のため、Witek, Ewa, Pazdro, Marcin and Bortel, Edgar (2007) ’ポリ(N−ビニルホルムアミド)の塩基加水分解に関する機構’, Journal of Macromolecular Science, Part A, 44:5, 503 - 507
DOI: 10.1080/10601320701235461 URL:http://dx.doi.org/10.1080/10601320701235461
を参照。
【0049】
1態様において、本コポリマーは先行技術に従って製造されたコポリマーよりも低い色を有する。これは、本発明のコポリマーが当技術において既知のコポリマー類と比較してよりランダムであることの結果であると考えられる。1態様において、そのコポリマーの4%溶液は約100APHA単位以下のAPHA色値(color value)を有し、それはASTM D1209または同等の方法に従って決定される。好ましくは、そのコポリマーの4%溶液は、ASTM D1209または同等の方法に従って決定される約90APHA単位以下、好ましくは約80APHA単位以下、好ましくは約70APHA単位以下、好ましくは約60APHA単位以下、好ましくは約50APHA単位以下、好ましくは約40APHA単位以下、好ましくは約30APHA単位以下、好ましくは約20APHA単位以下、好ましくは約10APHA単位以下、好ましくは約5APHA単位以下のAPHA色値を有する。
【0050】
本コポリマーは、比較ポリビニルアミンコポリマー類が有するよりも少ない臭いも有する。しかし、臭いは定量化するのが本質的に不可能であり、従って、既知のコポリマー類と比較して低減した臭いの一般的言明を本明細書において提供する。
【0051】
1態様において、本バリア層は:
(a)99から1mol%までのN−ビニルホルムアミドおよび
(b)1から99mol%までの1種類以上のビニルC−C10アルキルエステル類
を共重合させ、次いで共重合した単位(a)からのホルミル基の30から100mol%までを加水分解してアミノ基を形成し、共重合した単位(b)からのC−C10アルキルエステル基の30から100mol%までを加水分解してヒドロキシル基を形成することにより形成される水溶性コポリマーを含み、ここでそのコポリマーはゲル浸透勾配溶離クロマトグラフィー分析における本質的に1個のピークにより証明される単峰性組成分布を有し;および/または
ここで、20mmセルにおいて測定されたそのコポリマーの4%水溶液は、ASTM D1209または同等の方法に従って決定される約100APHA単位以下のAPHA色値を有し;および/または
ここで、そのコポリマーは4重量%の水溶液が約100NTU未満の濁度を有することにより証明される単峰性分子量分布を有し;および/または
ここで、そのコポリマーは本質的にアミジン環を含まず、これはそのコポリマーの13C NMRスペクトル中にアミジンの炭素原子の吸収と一致する吸収が無いことにより証明され;および/または
ここで、そのコポリマーは次の工程を含むプロセスにより製造される:
a)N−ビニルホルムアミドの総量の第1部分を反応器の中に装填する;
b)少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルの総量の第1部分を反応器の中に装填する;
c)フリーラジカル重合触媒の総量の第1部分を第1触媒流速で反応器の中に連続的に供給する;
d)N−ビニルホルムアミドの第1部分、少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルの第1部分を、フリーラジカル重合触媒の存在下で、重合条件下で、第1期間の間接触させる;
e)第1期間の後、N−ビニルホルムアミドの総量、ビニルC−C10アルキルエステルの総量、およびフリーラジカル重合触媒の総量が反応器の中に供給されるまで、重合条件下で、第2期間の間n−ビニルホルムアミドの第2部分をn−ビニルホルムアミド流速で反応器の中に連続的に供給し、一方で同時に少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルの第2部分を反応器の中にエステル流速で供給し、一方で同時にフリーラジカル重合触媒の第2部分を反応器の中に第2触媒流速で供給する;続いて
f)第3期間の間、n−ビニルホルムアミドおよび少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルをフリーラジカル重合触媒の存在下で反応器中において重合条件下で接触させて、ポリビニルホルムアミドおよび1種類以上のポリビニルC−C10アルキルエステル類を含む中間体コポリマーを生成し、ここで、第3期間は反応器中の中間体コポリマーの固体含有量が約20重量%以上約70重量%以下である時に終了する;続いて
g)コポリマーを、酸性または塩基性条件のどちらかの下で鹸化して中間体ポリビニルアミド−ポリビニルアルコールコポリマーを生成する;続いて
h)その中間体ポリビニルアミド−ポリビニルアルコールコポリマーを、酸性または塩基性条件のどちらかの下で加水分解して水溶性コポリマーを生成する。
【0052】
バリアコーティングの他の構成要素
ポリビニルアルコールコポリマーに加え、本出願のバリアコーティングはさらにそのバリアコーティングの水溶性および/またはバリア特性を改変する他の構成要素を含んでいてよい。1態様において、そのバリアコーティングはクロスリンクされたポリマー類を含んでいてよく、好ましくはクロスリンクはポリビニルアルコールコポリマーを含む。そのバリアコーティングのクロスリンクは、熱、圧力、および/または放射により開始される化学反応により形成されてよい。1態様において、クロスリンクはバリア層の物質が放射源にさらされること、例えば電子ビーム露光、ガンマ線、および/またはUV光により誘導されてよい。別の態様において、そのバリア層は、結果としてポリビニルアミンコポリマーとの分子間および/または分子内結合を含むクロスリンクを形成する化学反応をもたらす1種類以上のクロスリンク試薬を含んでいてよい。そのクロスリンク剤を用いたポリビニルアミンコポリマーのクロスリンクは、触媒、活性化試薬、熱、溶媒の除去、電磁エネルギー(例えばUV、ガンマ線、および同様のもの)を用いた照射、またはそれらのいずれかの組み合わせにより開始されてよい。
【0053】
そのバリア層は好ましくは水溶液として適用されるが、そのバリア層は一度支持体に適用される、および/または硬化すると、好ましくはその支持体に対して、コートされている物品のいずれかのその後の加工によりそのバリア層が除去されるのを防ぐ付着力を有する。従って、支持体に(例えばクロスリンク、加熱、照射、および/または同様のものにより)適用され、固定された後、その後の、典型的には水に基づく加工工程において、そのバリア層の可溶性は好ましくは低減している。
【0054】
適切なクロスリンク試薬には、そのポリビニルアミンコポリマーのアミンおよび/またはアルコール官能基と反応する多官能(multi−functional)モノマーが含まれる。例には、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アルデヒド基、イソシアネート基および/またはアリル基からなるグループから選択される少なくとも2個のメンバーを有する多官能モノマーが含まれる。多官能モノマーの例には、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、1,2,4−トリアリルトリメリテート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、シアノエチルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、トリアリルイソシアヌレートおよび他の類似の化合物が含まれる。
【0055】
他の適切なクロスリンク剤には、有機チタネート錯体類、エピクロロヒドリン、ヘキサメチレンジイソシアネート、グリオキサール、ブタンジオールジアクリレート、テレフタルアルデヒド(terephthaldehyde)および/またはグルタルアルデヒドが含まれる。加えて、そのポリビニルアミンコポリマーは他の様々な多官能有機化合物、例えばジアルデヒド類、ポリエポキシド類、ジ−もしくはトリアクリレート類、ジ−もしくはトリイソシアネート類もしくはジハライド類、またはポリビニルアミンと錯体形成することができる多価陰イオンもしくは無機陽イオンを含む無機化合物を用いてクロスリンクされてよい。例にはブタンジオールジアクリレート、ジイソシアナートヘキサン、ジエポキシド類、ヘキサメトキシメチルメラミン樹脂、N,N’ジヒドロキシメチル−4,5−ジドロキシエチレン(N,N’dihydroxymethyl−4,5−dihyroxyethylene)尿素、ブタンジオールジアクリレート、ジメチルアジペート、ギ酸ナトリウム、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル類、および同様のものが含まれる。
【0056】
無機クロスリンク剤には、チタネート類、ジルコネート類、ホスフェート類、シリケート類を含む多価陰イオンおよび/または第4〜13族からの無機陽イオン、好ましくはCu2+、Fe3+、Zn2+を含む化合物、および同様のものが含まれる。
【0057】
1態様において、そのクロスリンク剤は修飾されたグリオキサール化合物を含む非酸性クロスリンク剤である。その修飾されたグリオキサール化合物は次の一般式により表される:
【0058】
【化3】

【0059】
ここで、RはC−C10低級アルキル基を表す。その物質の分子量は典型的には500未満である。好ましい修飾されたグリオキサール化合物は、BASFから商品名CURESAN(商標)の下で商業的に入手可能である修飾されたポリヒドロキシアルキルエーテルアセタール化合物である。好ましいCURESAN(商標)化合物には、CURESAN(商標)199、200および300が含まれ、それらはブロックされたアルデヒド類(blocked aldehydes)である。
【0060】
1態様において、そのクロスリンク剤はモノアルデヒド類、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、および同様のもの;ジアルデヒド類、例えばグルタルアルデヒド、グリオキサール、スクシンジアルデヒド(succinic dialdehyde)、および同様のもの、トリメチロールメラミン、尿素−ホルムアルデヒド、ブロックされたアルデヒド類、ポリアクロレイン(polyac−rolein)、ホウ酸およびボレート類、例えばボレート類、メチルボレート、三フッ化ホウ素、無水ホウ酸、ピロボレート類、ペルオキソボレート類、ボラン類、および同様のものからなるグループから選択される。
【0061】
他の可能性のあるクロスリンク剤には、N−ラクタムカルボキシレート類、ジカルボン酸類、例えばマレイン酸、シュウ酸、および同様のもの、ジ−イソシアネート類、ジビニルサルフェート、および/または無機化合物、例えばゲルマニウム酸(germanic acids)、ゲルマネート類(germanates)、チタン塩類およびエステル類、クロメート類、バナデート類(vanadates)、第二銅塩類および他の第4〜12族塩類が含まれる。
【0062】
そのクロスリンク試薬はバリア層中にポリビニルアミンコポリマーを少なくとも部分的にクロスリンクするのに十分な濃度で存在していてよい。1態様において、そのバリア層は部分的にしかクロスリンクされない。別の態様において、そのバリア層は本質的に完全にクロスリンクされる。
【0063】
そのクロスリンク試薬または試薬類は、存在するクロスリンク試薬およびポリビニルアミンコポリマーの総量に基づいて、そのバリア層中に約0.001重量%〜約50重量%で存在していてよい。この範囲内で、そのバリア層中のクロスリンク試薬の濃度は、存在するクロスリンク試薬およびポリビニルアミンコポリマーの総量に基づいて、約0.005重量%以上、好ましくは約0.01重量%以上、好ましくは約0.015重量%以上、好ましくは約0.02重量%以上、好ましくは約0.03重量%以上、好ましくは約0.04重量%以上、好ましくは約0.05重量%以上、好ましくは約0.06重量%以上、好ましくは約0.07重量%以上、好ましくは約0.08重量%以上、好ましくは約0.09重量%以上、好ましくは約0.1重量%以上、好ましくは約0.2重量%以上、好ましくは約0.3重量%以上、好ましくは約0.4重量%以上、好ましくは約0.5重量%以上、好ましくは約0.6重量%以上、好ましくは約0.7重量%以上、好ましくは約0.8重量%以上、好ましくは約0.9重量%以上、好ましくは約1重量%以上、好ましくは約2重量%以上、好ましくは約3重量%以上、好ましくは約4重量%以上、好ましくは約5重量%以上、好ましくは約6重量%以上、好ましくは約7重量%以上、好ましくは約8重量%以上、好ましくは約9重量%以上、好ましくは約10重量%以上、好ましくは約20重量%以上、好ましくは約30重量%以上、好ましくは約40重量%以上である。
【0064】
また、この範囲内で、そのバリア層中のクロスリンク試薬の濃度は、存在するクロスリンク試薬およびポリビニルアミンコポリマーの総量に基づいて、約40重量%以下、好ましくは30重量%以下、好ましくは20重量%以下、好ましくは10重量%以下、好ましくは9重量%以下、好ましくは8重量%以下、好ましくは7重量%以下、好ましくは6重量%以下、好ましくは5重量%以下、好ましくは4重量%以下、好ましくは3重量%以下、好ましくは2重量%以下、好ましくは1重量%以下、好ましくは0.9重量%以下、好ましくは0.8重量%以下、好ましくは0.7重量%以下、好ましくは0.6重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、好ましくは0.4重量%以下、好ましくは0.3重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、好ましくは0.09重量%以下、好ましくは0.08重量%以下、好ましくは0.07重量%以下、好ましくは0.06重量%以下、好ましくは0.05重量%以下、好ましくは0.04重量%以下、好ましくは0.03重量%以下、好ましくは0.02重量%以下、好ましくは0.015重量%以下、好ましくは0.01重量%以下、好ましくは0.005重量%以下である。
【0065】
本バリア層の機械的特性はクロスリンクを制御する能力に関連しており、本バリア層の組成を考慮するとそれは引張、モジュラス、伸長、および同様のものに著しくは影響を与えないことを述べるのは重要である。本バリア層のこの意外な特性は、付随する実施例において実証される。
【0066】
1態様において、本バリア層は1種類以上の酸素捕捉剤を含み、それは酸素(O)と反応して酸素の濃度を低減させる化学物質である。例には酸素と化合してサルフェート(SO−2)を形成する亜硫酸(SO−2)、亜硫酸水素(HSO)イオンおよびニッケルまたはコバルト触媒が含まれる。有効な構成要素と組み合わせた様々なポリマーを含む様々な酸素捕捉系も用いられてよい。
【0067】
他のポリマー類
ポリビニルアミンコポリマーに加えて、本バリア層はバリア層の性能の特定の特性を向上させる様々なホモポリマー類および/またはコポリマー類を含んでいてよい。1態様において、そのバリア層はN−ビニルピリジン、エチレン的に(ethylenically)不飽和なモノ、ジ、またはトリアルキルアンモニウム塩類、例えばビニルベンゼントリメチルアンモニウムクロリド、アミノエチルアクリレート塩酸塩、N−メチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル−N−アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル−N−アクリルアミドおよび同様のものの水溶性コポリマー類を含んでいてよい。好ましいものは複数のアミノアルキル窒素−置換アクリルアミドマー(mers)を含むポリマーであり、好ましくはここでそのアミノアルキル置換基は親水性であり、例えば約8個未満の炭素を含む。
【0068】
1態様において、そのバリアコーティングは様々な加水分解のレベルのポリビニルアルコールポリマー類を含んでいてよい。適切なポリビニルアルコールコポリマー類は、好ましくは約85%以上約99.9%までの加水分解のレベルを有し、86.0〜89.0%の加水分解のレベルが好ましく、91.0〜93.0%がさらにもっと好ましく、92.0〜94.0%がさらにもっと好ましく、95.5〜96.5%がさらにもっと好ましく、92.5〜95.5%がさらにもっと好ましく、98.0〜98.8%がさらにもっと好ましく、約99.3+以上がさらにもっと好ましい。
【0069】
1態様において、そのバリアコーティングはさらにアルファ−オレフィン−ビニルアルコールコポリマー類を含んでいてよく、ここでそのアルファ−オレフィンは2から10個までの炭素原子を有し;好ましくはEVOHである。
【0070】
そのポリビニルアルコールポリマーの4%溶液の粘度は、20Cにおいて約2から約80cpsまでであってよい。1態様において、そのポリビニルアルコールポリマーは約45〜72cpsの粘度、約1600〜2200の重合度、および約146,000〜186,000のMwを有する。別の態様において、そのポリビニルアルコールポリマーは約5〜6cpsの粘度、約350〜650の重合度、および約31,000〜50,000のMwを有する。別の態様において、そのポリビニルアルコールポリマーは約22〜30cpsの粘度、約1000〜1500の重合度、および約85,000〜124,000のMwを有する。好ましい態様において、そのポリビニルアルコールポリマーは約3〜4cpsの粘度、約150〜300の重合度、および約13,000〜23,000のMwを有する。
【0071】
1態様において、そのバリア層は水に可溶性の、または分散可能なポリマー、例えばラテックス、ポリウレタンまたはポリエステル、無機酸化物分散物、ポリマー、例えばセルロース誘導体(例えばセルロースエステル類)、単糖類、二糖類、多糖類、カゼイン、および同様のものを含む水溶液、ならびにポリ(ビニルラクタム類)、アクリルアミドポリマー類、ポリ(ビニルアルコール)およびその誘導体、加水分解したポリビニルアセテート類、アルキルおよびスルホアルキルアクリレート類およびメタクリレート類のポリマー類、ポリアミド類、ポリビニルピリジン、アクリル酸ポリマー類、無水マレイン酸コポリマー類、ポリアルキレンオキシド、メタクリルアミドコポリマー類、ポリビニルオキサゾリジノン類、マレイン酸コポリマー類、他のビニルアミンコポリマー類、メタクリル酸コポリマー類、アクリロイルオキシスルホン酸コポリマー類、ビニルイミダソールコポリマー類、ビニルスルフィドコポリマー類、スチレンスルホン酸を含むホモポリマーまたはコポリマー類を含む、合成の水が浸透可能なコロイド類、ならびに同様のものも含んでいてよい。
【0072】
製造される個々の物品に関して望まれる特性を与えるため、さらなる添加剤がその組成物に含まれてもよい。その添加剤には、増量剤、顔料、染料、抗酸化剤、安定剤、加工助剤、可塑剤、難燃剤、防曇剤(anti−fog agents)、捕捉剤、および同様のものが含まれるが、必ずしもそれらに限定されない。1態様において、そのバリア層はナノ小板(nano platelet)を含む。
【0073】
そのバリア層は、約99重量%までのポリビニルアルコールポリマー以外の物質を含んでいてよい。
本バリア層は、約0.1マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの厚さを有していてよい。この範囲内で、そのバリア層の厚さは好ましくは約1マイクロメートル以上、好ましくは約2マイクロメートル以上、好ましくは約2.5マイクロメートル以上、好ましくは約3マイクロメートル以上、好ましくは約3.5マイクロメートル以上、好ましくは約4マイクロメートル以上、好ましくは約4.5マイクロメートル以上、好ましくは約5マイクロメートル以上、好ましくは約10マイクロメートル以上、好ましくは約20マイクロメートル以上、好ましくは約30マイクロメートル以上、好ましくは約35マイクロメートル以上、好ましくは約40マイクロメートル以上、好ましくは約50マイクロメートル以上、好ましくは約60マイクロメートル以上、好ましくは約70マイクロメートル以上、好ましくは約80マイクロメートル以上、好ましくは約90マイクロメートル以上、好ましくは約100マイクロメートル以上、好ましくは約200マイクロメートル以上、好ましくは約300マイクロメートル以上、好ましくは約400マイクロメートル以上、好ましくは約500マイクロメートル以上、好ましくは約600マイクロメートル以上、好ましくは約700マイクロメートル以上、好ましくは約800マイクロメートル以上、好ましくは約900マイクロメートル以上である。また、この範囲内で、そのバリア層の厚さは好ましくは約900マイクロメートル以下、好ましくは約800マイクロメートル以下、好ましくは約700マイクロメートル以下、好ましくは約600マイクロメートル以下、好ましくは約500マイクロメートル以下、好ましくは約400マイクロメートル以下、好ましくは約300マイクロメートル以下、好ましくは約200マイクロメートル以下、好ましくは約100マイクロメートル以下、好ましくは約90マイクロメートル以下、好ましくは約80マイクロメートル以下、好ましくは約70マイクロメートル以下、好ましくは約60マイクロメートル以下、好ましくは約50マイクロメートル以下、好ましくは約40マイクロメートル以下、好ましくは約30マイクロメートル以下、好ましくは約20マイクロメートル以下、好ましくは約10マイクロメートル以下、好ましくは約5マイクロメートル以下、好ましくは約4.5マイクロメートル以下、好ましくは約4マイクロメートル以下、好ましくは約3.5マイクロメートル以下、好ましくは約3マイクロメートル以下、好ましくは約2.5マイクロメートル以下、好ましくは約2マイクロメートル以下、好ましくは約1.5マイクロメートル以下、好ましくは約1マイクロメートル以下である。
【0074】
コーティング組成物
そのバリア層はそのバリア層の構成要素および/または構成要素の前駆体を含むコーティング組成物を支持体と接触させることにより形成される。1態様において、そのコーティング組成物は好ましくはそのポリビニルアミンコポリマーを含む水性の溶液、分散液、またはスラリーである。別の態様において、そのコーティング組成物は好ましくはそのポリビニルアミンコポリマーを含む非水性の溶液、分散液、またはスラリーである。そのポリビニルアミンコポリマーに加えて、そのコーティング組成物は本明細書において記述されたクロスリンク試薬(単数または複数)、他のポリマー、添加剤、および同様のものを含んでいてよい。加えて、その水性コーティング組成物は1種類以上の共溶媒を含んでいてよい。好ましい共溶媒には、低級アルキル(すなわちC−C10)アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、アルカン類、および同様のものが含まれる。
【0075】
そのコーティング組成物の粘度は、好ましくは20℃において約5〜約200cpsである。この範囲内で、その粘度は20℃において好ましくは約10cps以上、好ましくは約20cps以上、好ましくは約30cps以上、好ましくは約40cps以上、好ましくは約50cps以上、好ましくは約60cps以上、好ましくは約70cps以上である。また、この範囲内で、その粘度は20℃において好ましくは約190cps以下、好ましくは約180cps以下、好ましくは約170cps以下、好ましくは約160cps以下、好ましくは約150cps以下、好ましくは約140cps以下、好ましくは約130cps以下である。
【0076】
そのコーティング組成物は約1〜約90重量%の総固体含有量(total solids content)を有していてよい。この範囲内で、その総固体含有量は好ましくは約2%以上、好ましくは約5%以上、好ましくは約10%以上、好ましくは約15%以上、好ましくは約20%以上、好ましくは約25%以上、好ましくは約30%以上である。また、この範囲内で、その総固体含有量は好ましくは約80重量%以下、好ましくは約85重量%以下、好ましくは約70重量%以下、好ましくは約60重量%以下、好ましくは約50重量%以下、好ましくは約40重量%以下、好ましくは約35重量%以下である。
【0077】
そのコーティング組成物はさらにそのコーティング組成物の個々の支持体上への適用および/または付着を向上させるための界面活性剤、保存剤、および/または他の加工助剤を含んでいてよい。
【0078】
1態様において、本バリア層は当技術で既知のバリア層を超える向上した付着特性を有する。1態様において、本バリア層の特定の支持体への付着は、本明細書で記述される“洗浄付着試験(Washed Adhesion Test)”の下で決定した場合に、比較バリア層の付着よりも少なくとも10%大きい。好ましくは、本バリア層の特定の支持体への付着は“洗浄付着試験”の下で決定した場合に、比較バリア層の付着よりも少なくとも20%大きい、好ましくは少なくとも30%大きい、好ましくは少なくとも40%大きい、好ましくは少なくとも50%大きい、好ましくは少なくとも60%大きい、好ましくは少なくとも70%大きい、好ましくは少なくとも80%大きい、好ましくは少なくとも90%大きい、好ましくは少なくとも100%大きい、好ましくは少なくとも150%大きい、好ましくは少なくとも200%大きい、好ましくは少なくとも250%大きい、好ましくは少なくとも300%大きい。
【0079】
洗浄付着試験において、試験支持体を、当技術で既知のプロセスと一致する、および/または特定の最終使用を真似た方法で、バリア層でコートする。バリア層の量を、そのバリア層でコートされた支持体上で、HPLC、FTIR、NMR、および/または湿式化学法を用いて決定する。次いでコートされた支持体を水性の洗浄溶液、例えば水で、当技術で既知の商業的プロセスの、および/または特定の最終使用を真似た洗浄工程と一致して洗浄する。支持体上のバリア層の量をもう一度決定し、保持されたバリア層の百分率として算出し、そのバリア層のその支持体への付着特性を測定する。しかし、他の同等の付着を決定する方法を用いてもよい。
【0080】
バリア層の形成
そのコーティング組成物は、意図される適用に依存して、単純な混合、溶融混合、練合、および/または同様のことにより製造されてよい。そのコーティング組成物は好ましくは20℃〜約300℃までの範囲の温度で調製される。混合は完成品もしくは予備成形品の形成の直前であってよく、または後の完成した包装用品の製造における使用のための供給原材もしくはマスターバッチの形成の直前であってよい。フィルム層または多層物品を製造する場合、(共)押出、溶媒キャスト法(solvent casting)、射出成形、延伸ブロー成形、方向付け(orientation)、熱成形、押出コーティング、コーティングおよび硬化、ラミネーション、押出ラミネーション、ブロー成形、共押出射出成形、またはそれらの組み合わせが典型的には混合の後に行われるであろう。
【0081】
そのコーティング組成物は、存在するコーティング組成物の総量に基づいて約1重量%〜約99重量%までのポリビニルアミンコポリマーを含んでいてよい。この範囲内で、そのコーティング組成物は、存在するコーティング組成物の総量に基づいて約10重量%以上、好ましくは約20重量%以上、好ましくは約30重量%以上、好ましくは約40重量%以上、好ましくは約50重量%以上、好ましくは約60重量%以上、好ましくは約70重量%以上、好ましくは約80重量%以上、好ましくは約90重量%以上のポリビニルアミンコポリマーを含んでいてよい。
【0082】
また、この範囲内で、そのコーティング組成物は、存在するコーティング組成物の総量に基づいて約90重量%以下、好ましくは約80重量%以下、好ましくは約70重量%以下、好ましくは約60重量%以下、好ましくは約50重量%以下、好ましくは約40重量%以下、好ましくは約30重量%以下、好ましくは約20重量%以下、好ましくは約10重量%以下のポリビニルアミンコポリマーを含んでいてよい。
【0083】
好ましい態様において、そのコーティング組成物は浸漬(浸漬コーティング)、スプレー(スプレーコーティング)、ローラーコーティング、カーテンコーティング、計量ロッドコーティング(metering rod coating)、逆向きロッドコーティング(reverse roll coating)、グラビアコーティング(gravure coating)、押出/共押出、射出成形、ブロー成形、および/または同様のことにより支持体に適用されてよい。好ましい態様において、そのコーティング組成物が支持体に適用された後、溶媒の蒸発、および/または加熱、および/または照射、および/または同様のことを行ってそのコーティング組成物を支持体に固定して、および/またはクロスリンクを誘導してバリア層を生成する。
【0084】
支持体
1態様において、そのコーティング組成物は1種類以上のポリマー性樹脂を含む支持体および/または無機性の支持体に適用される。好ましいポリマー性樹脂には、ポリオレフィン樹脂類および/またはポリエステル樹脂類が含まれる。従って、支持体は高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン;エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレン−アクリレートコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー、エチレン−メタクリル酸コポリマー、エチレン−一酸化炭素コポリマー、非晶質ポリスチレン、結晶質ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−1−ブテンゴム、プロピレン−1−ブテンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、紙、樹脂でコートした紙、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリエステルジアセテート、ポリ(エチレンビニルアルコール)(“EVOH”)、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ(ビニリデンジクロリド)、ポリ塩化ビニル(“PVC”)、ポリ(ビニリデンジクロリド)(“PVDC”)、および/または同様のものを含んでいてよい。
【0085】
好ましい無機性の支持体には、SiOガラス、TiOガラス、第1族〜第16族金属および/またはそれらの金属合金類を含む様々な金属層、好ましくはアルミニウムを含む層、およびそれらの組み合わせが含まれてよい。
【0086】
適切な支持体には、曲がりやすい、および/または堅い単層の、または多層に張り合わせた(laminated)物品が含まれる。その組成物を含む層はいくつかの形であってよい。それらは“配向”または“熱収縮性”フィルムを含むストックフィルムの形であってよく、それは最終的にバッグ、覆い、および同様のものとして加工されてよい。その層は包装の空洞(packaging cavity)に置かれる挿入シート(sheet inserts)の形であってもよい。堅い物品、例えば飲料容器、熱成形されたトレーまたはカップにおいて、その層はその容器の壁の内部にあってよく、さらに発泡させてよい。さらに、その層はその容器の蓋またはキャップと共に、またはその中に置かれた内張り(liner)の形であってもよい。その層はさらに上記の物品のいずれか1つの上にコートされて、または張り付けられて(laminated)よい。
【0087】
その支持体は表面を処理されていて、および/または未処理であってよい。表面処理には、火炎処理、コロナ処理、照射、物理的すり減らし(abradement)、および/または同様のことが含まれる。
【0088】
1態様において、そのバリア層は、そのバリア層が少なくとも2つの層の間に配置されるように物品の内部に存在している。例えば、そのバリア層はその支持体および外側の層の中間、支持体上に配置された1つ以上の層の間等に存在していてよい。1態様において、そのバリア層はその物品の少なくとも2つの層において存在している。
【0089】
その追加の層には、酸素および二酸化炭素を含む様々なガスに対して透過性および/または不透過性である1つ以上の層も含まれてよい。
1態様において、その支持体はブランク(blank)であり、そのバリアコーティングをそれに適用した後、続いてそれをブロー成型して最終的な物品を製造する。別の態様において、その支持体は前もってブロー成形された物品である。
【0090】
バリア層の特性
本バリア層は、そこの二酸化炭素および/または酸素が通って流出するのを防ぐためのバリア特性を提供する。COバリア特性における向上はCO低減指数(reduction index)に基づいて測定することができ、ここで、コートされた支持体を通るCOの流出は、本質的に同じ条件の下で本質的に同じコートされていない支持体を通るCOの流出の百分率として表される。従って、1%のCO低減指数を有するバリアコーティングは、COの流出速度がコートされていない支持体の1%であるバリアに相当する。100%より大きいCO低減指数を有するバリアコーティングは、コートされていない支持体よりもCOに対してより透過性である支持体を示す。同様に、ゼロ(0)のCO低減指数を有するバリアコーティングは、試験条件下でCOに対して不透過性である支持体に相当する。1態様において、本バリア層は条件の特定のセットの下で特定の支持体上で100%未満のCO低減指数を有する。好ましくは、本バリア層は類似の条件の下で約95%以下、好ましくは約90%以下、好ましくは約85%以下、好ましくは約80%以下、好ましくは約75%以下、好ましくは約70%以下、好ましくは約65%以下、好ましくは約60%以下、好ましくは約55%以下、好ましくは約50%以下、好ましくは約45%以下、好ましくは約40%以下、好ましくは約35%以下、好ましくは約30%以下、好ましくは約25%以下、好ましくは約20%以下、好ましくは約15%以下、好ましくは約10%以下、好ましくは約5%以下、好ましくは約4%以下、好ましくは約3%以下、好ましくは約2%以下、好ましくは約1%以下、好ましくは約0.9%以下、好ましくは約0.8%以下、好ましくは約0.7%以下、好ましくは約0.6%以下、好ましくは約0.5%以下、好ましくは約0.4%以下、好ましくは約0.3%以下、好ましくは約0.2%以下、好ましくは約0.1%以下、好ましくは約0.05%以下、好ましくは約0.01%以下のCO低減指数を有する。
【0091】
別の態様において、本バリア層は、その支持体の厚さがその上に配置されたバリア層無しの比較支持体と比較して低減している場合に、特定の支持体に同じまたはよりよいレベルのバリア特性を提供するのに十分なCO低減指数を有する。言い換えれば、そのバリア層の適用は、支持体の厚さの低減を可能にする。1態様において、本バリア層はコートされていない支持体以下のCO透過性を提供するのに十分なCO低減指数を有し、ここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の90%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の80%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の70%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の60%の厚さを有し、そのコートされた支持体はコートされていない支持体の50%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の40%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の30%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の20%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の10%の厚さを有する。
【0092】
1態様において、本バリア層は室温(すなわち約20〜25℃)において約0%以上の相対湿度(RH)、好ましくは室温において約25%以上のRH、より好ましくは室温において約50%以上のRH、より好ましくは室温において約75%以上のRH、より好ましくは室温において約90%以上のRHで、上記で開示されたCO低減指数の少なくとも1個を有する。
【0093】
同様に、Oバリア特性における向上はO低減指数に基づいて測定することができ、ここで、コートされた支持体を通るOの流出は、本質的に同じ条件の下で本質的に同じコートされていない支持体を通るOの流出の百分率として表される。従って、1%のO低減指数を有するバリアコーティングは、Oの流出速度がコートされていない支持体の1%であるバリアに相当する。100%より大きいO低減指数を有するバリアコーティングは、コートされていない支持体よりもOに対してより透過性である支持体を示す。同様に、ゼロ(0)のO低減指数を有するバリアコーティングは、試験条件下でOに対して不透過性である支持体に相当する。1態様において、本バリア層は条件の特定のセットの下で特定の支持体上で100%未満のO低減指数を有する。好ましくは、本バリア層は類似の条件の下で約95%以下、好ましくは約90%以下、好ましくは約85%以下、好ましくは約80%以下、好ましくは約75%以下、好ましくは約70%以下、好ましくは約65%以下、好ましくは約60%以下、好ましくは約55%以下、好ましくは約50%以下、好ましくは約45%以下、好ましくは約40%以下、好ましくは約35%以下、好ましくは約30%以下、好ましくは約25%以下、好ましくは約20%以下、好ましくは約15%以下、好ましくは約10%以下、好ましくは約5%以下、好ましくは約4%以下、好ましくは約3%以下、好ましくは約2%以下、好ましくは約1%以下、好ましくは約0.9%以下、好ましくは約0.8%以下、好ましくは約0.7%以下、好ましくは約0.6%以下、好ましくは約0.5%以下、好ましくは約0.4%以下、好ましくは約0.3%以下、好ましくは約0.2%以下、好ましくは約0.1%以下、好ましくは約0.05%以下、好ましくは約0.01%以下のO低減指数を有する。
【0094】
別の態様において、本バリア層は、その支持体の厚さがその上に配置されたバリア層無しの比較支持体と比較して低減している場合に、特定の支持体に同じまたはよりよいレベルのバリア特性を提供するのに十分なO低減指数を有する。言い換えれば、そのバリア層の適用は、支持体の厚さの低減を可能にする。1態様において、本バリア層はコートされていない支持体以下のO透過性を提供するのに十分なO低減指数を有し、ここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の90%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の80%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の70%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の60%の厚さを有し、そのコートされた支持体はコートされていない支持体の50%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の40%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の30%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の20%の厚さを有し、好ましくはここでそのコートされた支持体はコートされていない支持体の10%の厚さを有する。
【0095】
1態様において、本バリア層は室温(すなわち約20〜25℃)において約0%以上の相対湿度(RH)、好ましくは室温において約25%以上のRH、より好ましくは室温において約50%以上のRH、より好ましくは室温において約75%以上のRH、より好ましくは室温において約90%以上のRHで、上記で開示されたO低減指数の少なくとも1個を有する。
【実施例】
【0096】
PVOH−VAmフィルム類(ポリビニルアミンコポリマー)の水に基づく溶液中での再溶解性を低下させる能力を決定するために試験を行った。
方法:
PVOH−VAmポリマーを、下記で記述されるように、向上したNVFコポリマープロセスに従って製造した。5%固体でのそのPVOH−VAm溶液を、様々なクロスリンク試薬と接触させた。次いでその溶液を100umの厚さを有するフィルムとして注型(cast)した。30℃のオーブンで24時間かけて水を除去した。次いで乾燥したフィルム試料に、60秒間の滞留時間としてIRオーブンの下で熱履歴を適用し、ここで、そのフィルムの表面はこの時間の間に約200°Fに達した。
【0097】
フィルムの試験
これらの試験において、向上したNVFコポリマープロセスに従って製造されたPVOH−VAmポリマーを含むフィルムの溶解性を決定するために溶解時間を用いた。フィルムのあらゆる脆化を決定するために引張試験を用いた。フィルムの外観の容認可能性を決定するために色試験を用いた。
【0098】
試験のために用いられた本発明のPVOH−VAmコポリマーは、グレードM6およびL12、(Sekisui Specialty Chemicals America, LLC)から選択され、それは別途記載しない限り向上したNVFコポリマープロセスを用いて製造された。加えて、比較コポリマーは比較プロセスDおよび比較プロセスEにより本明細書で論じられるように製造された。本明細書で利用された本発明の、および比較コポリマーは、次の特性を有していた:
【0099】
【表1】

【0100】

使用したクロスリンク剤は次のものである:
Curesan 199−ブロックされたグリオキサール(BASF)
Carbodilite−カルボジイミド
SMA−スチレン無水マレイン酸
ボレート−ホウ酸(研究室のストック)
そのクロスリンク試薬を、PVOH−VAmコポリマー上のアミン官能基のモルに対するクロスリンク試薬の比率として示す。
【0101】
0.001:1
0.01:1
0.1:1
1:1
クロスリンク試薬無しのPVOH−VAmコポリマーを標準対照として用いた。加えて、L12に加えて、L12 PVOHグレードC−325の重量による50/50混合物を、グリオキサールと組み合わせて用いた。
【0102】
フィルム溶解時間の手順
500mLの水をガラスビーカーの中に入れ;
温度を25℃に調節し;
pHを9に調節し;
制御された攪拌速度を設定し;
1”×1”試料を水中に沈め(支えられている);および
フィルムに穴があいた時間を、破損時間を表すものとして記録し;および
フィルムの95%が溶解した時間を溶解時間として記録する。その結果を図1および2において示す。
【0103】
従って、Curesan 199(ブロックされたグリオキサール)は全ての他のクロスリンク試薬より性能がよく、10%以下の全てのクロスリンカーレベルにおいて15分後においてさえも不溶性であった。対照のL−12は3.61分間であった。1%のクロスリンカーレベルではフィルムの破損が無く、0.1%のクロスリンカーレベルでフィルムの破損における130%を超える向上があった。対照のL−12は0.80分間であった。他のクロスリンカーは小さな向上しか示さなかった。しかし、L12およびC−325の50/50混合物は15分の時点で破損も溶解も示さなかった(示していない)。
【0104】
そのデータが示すように、L12 PVOH−VAmと一緒のCuresan 199(ブロックされたグリオキサール)はフィルムの溶解時間の向上に最も大きな影響を及ぼした。(ポリマーのアミン官能基に基づいて)1%およびそれより上の添加レベルは完全に不溶性であった。他のクロスリンカーは溶解時間において小さな向上しか示さず、より高いレベルの添加が必要であった。
【0105】
色試験:Curesan 199は、1%およびより低い添加レベルで100umの厚さのフィルムと一緒のL12対照と比べて有意な色の違いを示さなかった。
機械的試験:Curesan 199は、1%およびより低い添加レベルでL12対照に類似の機械的特性を有していた。
【0106】
PVOHをPVOH−VAmと混合することは、クロスリンカーの添加に対する代替の選択肢である。PVOHの完全に加水分解されたグレード(例えばC325、C107)は、PVOH−VAmの溶解性を大きく向上させることができる。
【0107】
向上したNVFコポリマープロセスに従って製造されたM6グレードPVOH−VAmコポリマーを用いてフィルム溶解試験を行った。本明細書において、100umのフィルムを比較の標準として用いた。
【0108】
【表2】

【0109】
25%添加されたPVOHにおいて、フィルムは完全に不溶性である。単に10%の完全に加水分解されたPVOHを添加することは、PVOH−VAmフィルムの再溶解性において400%の向上を有することができる。
【0110】
バリア特性の試験
発明のポリビニルアルコール−ポリビニルアミンコポリマー(PVOH−PVAm)は、向上したNVFコポリマープロセスを用いて製造した(発明のM6)。2種類の比較M6 PVOH−PVAmコポリマーは、比較プロセスDおよびEを用いて製造した。比較プロセスDは本質的に比較プロセスEと同じであるが、異なる装置を用いて製造した。
【0111】
本発明の向上したNVFコポリマープロセスにおいて、開始剤を30分間供給した後、開始剤およびモノマー供給物の遅延供給を合計180分間行い、続いて供給が終了した後さらに120分間の反応を行った。合計の実験室での反応時間は5時間である。重要なことだが、本発明の向上したNVFコポリマープロセスは最初の重合段階の間に開始剤の供給を止めない。
【0112】
【化4】

【0113】
比較プロセスDおよびEを上に示し、本明細書では単純化のためそれを比較プロセスDと呼ぶ。比較プロセスDにおいて、開始剤を30〜35分間供給し、次いで55〜60分間止め、次いで開始剤およびモノマーの供給を開始する。300分後に開始剤の供給を止め、モノマーの供給をさらに30分間続ける(330分間)。この時点で全ての供給を止め、反応物をさらに60分間加熱し、結果として合計の反応時間は8時間となる。
【0114】
PVOH−PVAmコポリマーのフィルムは、MOCON Inc., 7500 Boone Ave. N. Minneapolis. MN 55428 U.S.により当業者に周知のバリア試験パラメーターに従って製造されてO2バリア試験を受けた。そのPVOH−PVAmコポリマーを、当技術で周知のエピクロロヒドリンの付加物であるPolycup 172(Hercules/Ashland)を用いてクロスリンクした。
【0115】
酸素バリア試験のためのフィルムを調製する方法
PVOH−PVAmコポリマーの7%重量/重量溶液を加熱して完全に溶解したのを確かめ、室温まで冷却し、次いで140濾過網(mesh screen)を通して濾過し、不溶化したゲルを分離した。
【0116】
次いでクロスリンク化合物Polycup 172を濾過された溶液に穏やかな攪拌の下で添加した。そのクロスリンク化合物は、クロスリンク化合物の活性およびPVOH−PVAmコポリマーの組成に関する計算に基づいて2.5%および5%重量/重量で添加された。
【0117】
次いでその溶液を10’@1200rpm遠心分離して捕えられた気泡を除去し、次いでGardco 1.5湿式milバー塗布器(wet mil bar applicator)を用いて3mil PETフィルム(試験支持体)上に注型した。
【0118】
そのフィルムを強制エアオーブン(forced air oven)中で121℃において2分間乾燥させた。
次いでコートされたPETフィルムを、酸素透過速度(OTR)に関して、MOCON試験基準に従って、MOCON Oxtran2/21装置を用いて、次のものに従って試験した:
定常状態において、23℃、0%RHで酸素ガスの透過の速度を決定するために用いられるASTM−F3985;
定常状態において、所与の温度および%RHレベルで、フィルム、シーティング(sheeting)、ラミネート、共押出、またはプラスチックでコートされた紙またはファブリックを通る酸素ガスの透過の速度を決定するために用いられるASTM−F−1927;
温度および試験するガスに依存するプラスチックのフィルムまたは他の材料を通るガス透過速度を決定するために用いられるDIN 53380;
フィルム、シーティング、ラミネート、共押出された材料または曲がりやすいプラスチックでコートされた材料の形のあらゆるプラスチック材料の、異なる圧力の下でのガス透過速度を決定するために用いられるJIS−7126;
フィルム、シーティング、ラミネート、共押出された材料または曲がりやすいプラスチックでコートされた材料の形のいくつかのプラスチック材料のガス透過速度を決定するために用いられるISO CD 15105−2;および/または均等な標準的な試験手順。
【0119】
試験の第1ラウンドにおいて、試料は40℃および50%RHにおいてOTRに関して次のように評価された:
【0120】
【表3】

【0121】
試験の第2ラウンドにおいて、酸素透過速度に対する湿度の影響は、本発明のコポリマーフィルムを用いて次のように決定された:
【0122】
【表4】

【0123】
OTRの下端検出限界<0.0003cm/100in−day
試験ガス濃度 100%O
試験ガス圧:760mmHg
キャリヤーガス 98%N、2%H
データが示すように、本バリア層はさらに追加のポリマーまたはコポリマー(例えばエチレン−ビニルアルコール、EVOH)を含んでいてよく、それは個々の構成要素単独を超えるさらなる利益を提供する。
【0124】
試験の第3ラウンドにおいて、異なるプロセスにより製造されたPVOH−PVAmポリマー類のOTRを評価した。
【0125】
【表5】

【0126】
加えて、エピクロロヒドリン(Polycup 172)を用いてクロスリンクしたPVOH−PVAm溶液の粘度をある時間にわたって評価した。
【0127】
【表6】

【0128】
データが示すように、向上したNVFコポリマープロセスに従って製造された本発明のコポリマーは、OTRにおける未処理の支持体と比較して顕著な向上ならびに比較プロセスDおよびEの物質と比較して特性の向上を示す。加えて、“向上したNVFコポリマープロセス”により製造された本発明のコポリマーは、プロセスDと比較して高いクロスリンカーとの反応性を示す。バリア特性に加えて、本発明のコポリマーフィルムは大きく向上した色の特性を有する。これを実証するため、そのコポリマーの8%溶液のAPHA色をHunter Lab Colorquest比色計を用いて測定した。
【0129】
そのデータは次の通りである:
【0130】
【表7】

【0131】
従って、本発明のコポリマーは本質的に“水のように無色の(water white)”フィルムを生成し、一方で比較フィルムは許容できない黄色を有する。
上文は本発明の好ましい態様に関し、下記の特許請求の範囲で述べられる本発明の精神および範囲から逸脱すること無く修正がなされてよいことは当然理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性組成物として支持体に適用されたポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーを含むバリア層であって、そのポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーが:
(a)99から1mol%までのN−ビニルホルムアミドおよび
(b)1から99mol%までの1種類以上のビニルC−C10アルキルエステル類
を共重合させ、次いで共重合した単位(a)からのホルミル基の30から100mol%までを加水分解してアミノ基を形成し、共重合した単位(b)からのC−C10アルキルエステル基の30から100mol%までを加水分解してヒドロキシル基を形成することにより形成され、そのコポリマーがゲル浸透勾配溶離クロマトグラフィー分析における本質的に1個のピークにより証明される単峰性組成分布を有するバリア層。
【請求項2】
10mmセルにおいて測定されたそのポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーの4%水溶液がASTM D1209または同等の方法に従って決定される約10APHA単位以下のAPHA色値を有する、請求項1に記載のバリア層。
【請求項3】
10mmセルにおいて測定されたそのポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーの4%水溶液がASTM D1209または同等の方法に従って決定される約5APHA単位以下のAPHA色値を有する、請求項1に記載のバリア層。
【請求項4】
そのポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーが本質的にアミジン環を含まず、それがそのコポリマーの13C NMRスペクトル中にアミジンの炭素原子の吸収と一致する吸収が無いことにより証明される、請求項1に記載のバリア層。
【請求項5】
そのビニルC−C10アルキルエステル類がビニルアセテート、ビニルプロピオネート、またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載のバリア層。
【請求項6】
そのポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーが約0.5mol%から約20mol%までのアミン官能基を含む、請求項1に記載のバリア層。
【請求項7】
そのポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーが約5mol%から約15mol%までのアミン官能基を含む、請求項1に記載のバリア層。
【請求項8】
20℃におけるそのポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーの4重量%水溶液が約100NTU未満の濁度を有する、請求項1に記載のバリア層。
【請求項9】
20℃におけるそのポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーの4重量%水溶液が約50NTU未満の濁度を有する、請求項1に記載のバリア層。
【請求項10】
水溶性組成物として支持体に適用されたポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーを含むバリア層であって、そのポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーが次の工程を含むプロセスにより形成されるバリア層:
a)N−ビニルホルムアミドの総量の第1部分を反応器の中に装填する;
b)少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルの総量の第1部分を反応器の中に装填する;
c)フリーラジカル重合触媒の総量の第1部分を第1触媒流速で反応器の中に連続的に供給する;
d)N−ビニルホルムアミドの第1部分、少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルの第1部分を、フリーラジカル重合触媒の存在下で、重合条件下で、第1期間の間接触させる;
e)第1期間の後、N−ビニルホルムアミドの総量、ビニルC−C10アルキルエステルの総量、およびフリーラジカル重合触媒の総量が反応器の中に供給されるまで、重合条件下で、第2期間の間n−ビニルホルムアミドの第2部分をn−ビニルホルムアミド流速で反応器の中に連続的に供給し、一方で同時に少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルの第2部分を反応器の中にエステル流速で供給し、一方で同時にフリーラジカル重合触媒の第2部分を反応器の中に第2触媒流速で供給する;続いて
f)第3期間の間、n−ビニルホルムアミドおよび少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルをフリーラジカル重合触媒の存在下で反応器中において重合条件下で接触させて、ポリビニルホルムアミドおよび1種類以上のポリビニルC−C10アルキルエステル類を含む中間体コポリマーを生成し、ここで、第3期間は反応器中の中間体コポリマーの固体含有量が約20重量%以上約70重量%以下である時に終了する;
g)コポリマーを、酸性または塩基性条件のどちらかの下で鹸化して中間体ポリビニルアミド−ポリビニルアルコールコポリマーを生成する;続いて
h)その中間体ポリビニルアミド−ポリビニルアルコールコポリマーを、酸性または塩基性条件のどちらかの下で加水分解して水溶性コポリマーを生成する。
【請求項11】
そのバリア層がクロスリンク剤を含む、請求項1に記載のバリア層。
【請求項12】
さらにN−ビニルピリジン、エチレン的に不飽和なモノ、ジ、またはトリアルキルアンモニウム塩類、N−メチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル−N−アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル−N−アクリルアミドのコポリマー類、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリウレタン、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリビニルピリジン、アクリル酸ポリマー類、無水マレイン酸コポリマー類、ポリアルキレンオキシド、メタクリルアミドコポリマー類、ポリビニルオキサゾリジノン類、マレイン酸コポリマー類、ビニルアミンコポリマー類、メタクリル酸コポリマー類、アクリロイルオキシスルホン酸コポリマー類、ビニルイミダソールコポリマー類、ビニルスルフィドコポリマー類、スチレンスルホン酸を含むホモポリマーまたはコポリマー類、アルファ−オレフィン−ビニルアセテートコポリマー類、アルファ−オレフィン−ビニルアルコールコポリマー類、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択される少なくとも1種類の追加のポリマーを含む、請求項1に記載のバリア層。
【請求項13】
そのバリア層がエチレン−ビニルアルコールコポリマーを含む、請求項12に記載のバリア層。
【請求項14】
そのバリア層が少なくとも2つの層の間に配置されるようにそのバリア層が物品の内部に存在している、請求項1に記載のバリア層。
【請求項15】
そのバリア層がその物品の少なくとも2つの層において存在している、請求項14に記載のバリア層。
【請求項16】
バリア層が支持体のブランクに適用され、そのバリアコーティングをそれに適用した後、続いてそれをブロー成型して最終的な物品を製造する、請求項1に記載のバリア層。
【請求項17】
バリア層がブロー成型された物品である支持体に適用される、請求項1に記載のバリア層。
【請求項18】
請求項1に記載のバリア層を含む物品。
【請求項19】
請求項1に記載のバリア層を含む、うね状に隆起した物品。
【請求項20】
請求項1に記載のバリア層を含む、曲がりやすい物品。
【請求項21】
約1%以下の酸素低減指数を有する請求項18に記載の物品であって、その酸素低減指数が、本質的に同じ条件の下で本質的に同じコートされていない支持体を通って流出する酸素の量と比較した、その物品のコートされた支持体を通って流出する酸素の百分率に等しい物品。
【請求項22】
約1%以下の二酸化炭素低減指数を有する請求項18に記載の物品であって、その二酸化炭素低減指数が、本質的に同じ条件の下で本質的に同じコートされていない支持体を通って流出する二酸化炭素の量と比較した、その物品のコートされた支持体を通って流出する二酸化炭素の百分率に等しい物品。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−502163(P2012−502163A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526861(P2011−526861)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/005097
【国際公開番号】WO2010/030371
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(511040573)セキスイ・スペシャルティ・ケミカルズ・アメリカ・エルエルシー (4)
【Fターム(参考)】