説明

吸収パッド装着用ベルト及び衛生用品

【課題】出産後の悪露処理、術後の排泄処理などのために使用され、異なる体格の着用者であってもフィット感を得られる吸収パッド装着用ベルト及び衛生用品を提供する。
【解決手段】装着用ベルト1は、尻当て部11、股当て部12、腹当て部13が連続して一体に形成された吸収パッド10を患者に装着するための装着用ベルト1であって、前記吸収パッド10とは別体で長手状に形成されたベルト本体4と、前記ベルト本体4の中間に設けられ、前記吸収パッド10の前記尻当て部11側で高さ位置を変更可能に取り付けられる後側止着部22と、前記ベルト本体4の両端に設けられ、前記吸収パッド10の前記腹当て部13側に取り付けられる前側止着部21,23と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、体格の異なる患者であってもフィットし、出産後の悪露処理、入院時の排泄処理などのために使用される吸収パッド装着用ベルト及び衛生用品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、出産後の悪露処理或いは術後の排泄処理などの対応のために、吸収パッドが使用されている。吸収パッドは吸水性のあるパッドであり、例えば、産院では分娩後の産婦の体にあてがって処置されるため、衛生的観点からディスポーザブルなパッドが使用されることが多い。
【0003】
分娩直後或いは術後などには、介助者が仰臥した状態の患者に吸収パッドを装着するため、介助者が患者に着脱させ易い展開型のショーツが好まれる。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の図2A〜2Cに示すような展開型ショーツは、尻当て部、吸水性パッドが主に装着される股当て部、腹当て部が連続して一体に形成されるとともに、前記尻当て部の左右から側方に突出して前記腹当て部に係合される帯状係合部が一体に形成され、前記帯状係合部が充分な幅を有し、前記帯状係合部に配設された面ファスナと、前記腹当て部に配設された面ファスナを係合させることによって腰回りをすっぽりと包むショーツ型のT字帯である。
【0005】
その他、特許文献2に記載の図9に示すようなオムツ型のショーツに吸水性パッドが装着されて使用されている。
【0006】
オムツ型の展開型ショーツは、吸水性パッドが装着される股当て部に対応する部分が縊れ、尻当て部、股当て部、腹当て部が連続して一体に形成されたテープ式使い捨ておむつである。当該使い捨ておむつの尻当て部側両端部には面ファスナによるファスニング片を有し、背面側の液の透過を防止するバックシートの裏側の不織布からなる外装シートに、ターゲットテープを省略して止着でき、且つ前記ファスニング片による止着位置を自由に選択できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−215822号公報
【特許文献2】特開2007−175248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
通常、展開型ショーツなどを含む市販のディスポーザブルなショーツは、着用者のサイズに適合していなければフィット感が悪く漏れなどが生じるために、着用者の体格に適合したサイズで購入される。
【0009】
しかし、患者ごとに異なる体格に対応した展開型ショーツを病院、医院などで準備することは困難であるため、患者ごとの体格差を考慮せずに同じサイズの展開型ショーツで対応しているのが現実である。
【0010】
特許文献1に記載された発明では、展開型ショーツ装着時の股の分かれ目から前記腹当て部終端までの長さは、前記帯状係合部に配設された面ファスナと前記腹当て部に配設された面ファスナとの係合可能範囲、つまり前記帯状係合部の高さ幅のみでしか調整出来ない構成となっており、異なる体格に対してサイズ対応が不十分である。
【0011】
また、腰囲或いは腹囲の肉付き度合いによって前記腹当て部の面ファスナの全領域が前記係合可能範囲の面ファスナに係合できない場合には、展開型ショーツが着用者にフィットせず不快感があり、漏れが生じることになる。また、展開型ショーツ内の吸収パッドは前記ショーツに対して十分な固定力がないため、前記ショーツ内で吸収パッドのずれが生じる虞が高く、フィット感もより乏しくなってしまう。
【0012】
特許文献2に記載された発明では、展開型ショーツの前記尻当て部側両端部に設けた前記ファスニング片を前記腹当て部側外装シートの患者の体格に応じた止着位置に止着することができるが、前記尻当て部側に固定されている前記ファスニング片を前記腹当て部側の着用者の体格に応じた止着位置で無理に止着すると、ショーツ内に装着した前記吸水性パッドに変形或いはずれなどが生じる虞がある。また、前記特許文献1に記載された展開型ショーツと同様に、異なる体格に対するサイズ対応も不十分である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上述した状況に鑑み、出産後の悪露処理、術後の排泄処理などのために使用され、異なる体格の着用者であってもフィット感を得られる吸収パッド装着用ベルト及び衛生用品の提供を目的とする。
【0014】
即ち、本発明の装着用ベルトは、下記[1][2]に記載の構成を有する。
【0015】
[1] 尻当て部、股当て部、腹当て部が連続して一体に形成された吸収パッドを患者に装着するための装着用ベルトであって、
前記吸収パッドとは別体で長手状に形成されたベルト本体と、
前記ベルト本体の中間に設けられ、前記吸収パッドの前記尻当て部側で高さ位置を変更可能に取り付けられる後側止着部と、
前記ベルト本体の両端に設けられ、前記吸収パッドの前記腹当て部側に取り付けられる前側止着部と、
を備えることを特徴とする装着用ベルト。
【0016】
[2] 伸縮性のある伸縮素材を用いた伸縮部を備えることを特徴とする前項1に記載の装着用ベルト。
【0017】
[3] 尻当て部、股当て部、腹当て部が連続して一体に形成された吸収パッドと、
前記吸収パッドとは別体で長手状に形成されたベルト本体と、前記ベルト本体の中間に設けられ、前記吸収パッドの前記尻当て部側で高さ位置を変更可能に取り付けられる後側止着部と、前記ベルト本体の両端に設けられ、前記吸収パッドの前記腹当て部側に取り付けられる前側止着部と、を設けた装着用ベルトと、
を備えてなることを特徴とする衛生用品。
【0018】
[4] 前記装着用ベルトは、伸縮性のある伸縮素材を用いた伸縮部を備えることを特徴とする前項3に記載の衛生用品。
【発明の効果】
【0019】
[1]に記載された発明によれば、患者の体格に関わらず同じサイズの吸収パッドを使用した場合であっても、吸収パッドの尻当て部側に取り付ける装着用ベルトの後側止着部の高さ位置を患者の体格に応じて調整して、前側止着部を腹当て部側に取り付けて装着することで、吸収パッドのズレなどが生じることが低減され、着用者はフィット感を得ることができるようになる。また、前記吸収パッドに装着用ベルトが直接取り付けられることで、ズレをより低減することができ、より優れたフィット感を得ることができるようになる。さらに、吸収パッドを単純な構成にすることができるため、低コスト化を図ることができる。
【0020】
[2]に記載された発明によれば、装着用ベルトの一部に伸縮性のある伸縮部を備えることで、患者の体格に応じて更なるフィット感を得ることができるようになる。
【0021】
[3]に記載された発明によれば、患者の体格に関わらず同じサイズの吸収パッドを使用した場合であっても、吸収パッドの尻当て部側に取り付ける装着用ベルトの後側止着部の高さ位置を患者の体格に応じて調整して、前側止着部を腹当て部側に取り付けて装着することで、吸収パッドのズレなどが生じることが低減され、着用者はフィット感を得ることができるようになる。また、前記吸収パッドに装着用ベルトが直接取り付けられることで、ズレをより低減することができ、より優れたフィット感を得ることができるようになる。さらに、吸収パッドを単純な構成にすることができるため、低コスト化を図ることができる。
【0022】
[4]に記載された発明によれば、装着用ベルトの一部に伸縮性のある伸縮部を備えることで、患者の体格に応じて更なるフィット感を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態にかかる装着用ベルト、及び吸収パッドを含む衛生用品の全体斜視図である。
【図2】図1の装着用ベルトの展開図である。
【図3】図1の吸収パッド及び装着用ベルトの装着手順を示す斜視図である。
【図4】図1の吸収パッド及び装着用ベルトの装着手順を示す斜視図である。
【図5】図1の吸収パッド及び装着用ベルトの装着手順を示す斜視図である。
【図6】図1の吸収パッド及び装着用ベルトの体格別装着状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一実施形態にかかる衛生用品の全体斜視図である。同図に示すように、この衛生用品は、出産後の悪露処理などに用いられる吸収パッド10と、同パッド10を患者に装着するための装着用ベルト1を含んでいる。
【0025】
吸収パッド10は、尻当て部11、股当て部12、腹当て部13が連続して一体に形成されている。
【0026】
吸収パッド10は、防水シート17bと着用者の肌に直接触れる面としてトップシート17aを有し、前記トップシート17a及び前記防水シート17b間に介在する吸水性の吸水性パッド14と、横漏れを防止するためのギャザー16を左右に備えて構成されている。
【0027】
吸収パッド10に設けた前記防水シート17bの裏側、即ち着用者の肌に直接触れない吸収パッド10の表面である外装シートは、例えば不織布などからなっている。
【0028】
吸収パッド10は、吸収パッド10よりさらに小さいサイズの吸水性パッド(小パッド)15と大小重ねて使用され、直接患部に触れる小パッド15の交換を容易にするとともに、小パッド15から漏れても吸収パッド10で吸収できるように構成されている。
【0029】
吸収パッド10の交換を低減して低コスト化を図るために小パッド15を使用することが好ましいが、吸収パッド10の交換頻度が低いなどで吸収パッド10のみで使用されるのであってもよく、小パッド15は必ずしも必要ではない。
【0030】
吸収パッド10を患者に装着するためのベルトである装着用ベルト1は、ベルト本体4と、後側止着部22、及び前側止着部21,23を備えて構成されている。
【0031】
ベルト本体4は、非伸縮性の材料、例えば不織布などから形成され、吸収パッド10とは別体で構成されている。
【0032】
ベルト本体4は、一部に伸縮性のある伸縮素材、例えば、ゴム或いはポリウレタンなどの不織布などを用いた伸縮部3(31,32)が設けられ、長手状に形成されている。尚、ベルト本体4の長手方向両端は、丸みを帯びた形状で図示しているが、これに限定されるものではない。
【0033】
図2の展開図で示すように、ベルト本体4は、破線部Aに対してB面及びC面が線対称となっており、3枚の不織布41,42,43と、2つの伸縮部31,32で構成されている。
【0034】
そして、ベルト本体4は、不織布41,42,43を破線部Aで折り込んでB面及びC面を重ね合わせ、不織布41,42,43及び伸縮部31,32が繋ぎ合わされて長手状に形成されるようになっている。
【0035】
尚、不織布41,42,43と伸縮部31,32は、縫着されて繋ぎ合わされるのであってもよいし、接着剤などで貼着されて繋ぎ合わされるのであってもよい。
【0036】
各パーツが繋ぎ合わされ、ベルト本体4が図1に示すような長手状を形成するのであれば、その手段は問わない。
【0037】
また、ベルト本体4の強度を上げるために、B面及びC面を重ね合わせて繋ぎ合わすように説明したが、不織布41,42,43の生地に十分な強度を保てるだけの厚みがある場合には、B面或いはC面の何れか一面のみの不織布と伸縮部31,32とで長手状に形成されるのであってもよい。
【0038】
ベルト本体4の片面には、例えば、吸収パッド10の外装シートに取り付け可能に構成された止着部2、例えば、後側止着部22及び前側止着部21,23を備えている。以降では、装着用ベルト1の止着部2(21,22,23)を備えた面を、装着用ベルト1の内側面と換言する。
【0039】
後側止着部22及び前側止着部21,23は、前記外装シートに取り付け可能なフック面を設けた面ファスナなどの止着部材で構成され、ベルト本体4に縫着されている。
【0040】
後側止着部22は、ベルト本体4の中間に設けられ、吸収パッド10の尻当て部11側の外装シートに高さ位置を変更可能に取り付けられるように構成されている。
【0041】
つまり、後側止着部22は尻当て部11側の外装シートの何れの箇所でも取り付け可能に構成されているため、吸収パッド10に装着用ベルト1を取り付ける高さ位置を着用者の体格に応じて変更及び調整することが出来る。このように構成されることで着用者はフィット感を得られるようになるのである。
【0042】
また、前記装着用ベルト1に伸縮部3を設けることで、着用者はよりフィット感を得られるようになるのである。
【0043】
上述したように前記装着用ベルト1の一部が伸縮部3で構成されていると、伸びしろが適切な量となり、着用者はよりフィット感を得られるため、前記伸縮部3は前記装着用ベルト1の一部に設けられることが好ましい。
【0044】
尚、ベルト本体4の不織布41,42,43が伸縮性のある素材で構成されているのであってもよい。その場合、ベルト本体4の全てが伸縮性のある同一素材で構成されるのであってもよいし、伸縮率の異なる素材を組合せて構成されるのであってもよい。何れの構成であっても、伸縮性のある素材を少なくとも一部に用いて、着用者のフィット感を阻害しない素材の組合せであればよい。
【0045】
前側止着部21,23は、ベルト本体4の両端に設けられ、吸収パッド10の腹当て部13側の外装シートに取り付けられるように構成されている。
【0046】
装着用ベルト1の前側止着部21,23は、吸収パッド10の腹当て部13側の外装シートの何れの箇所でも取り付け可能に構成されているため、吸収パッド10装着時の腹囲或いは腰囲の許容長を広くとることができるのである。
【0047】
上述したように、前記前側止着部21,23の両方を腹当て部13側外装シートに取り付けることで、吸収パッド10をより安定して装着することが出来るので好ましい。しかし、前側止着部21,23がベルト本体4の生地にも取り付け可能に構成されるのであってもよい。この場合、前記前側止着部21,23の少なくとも一方を吸収パッド10の腹当て部13側に外装シートに取り付けて同パッド10を安定して固定させるのがよい。
【0048】
次に、図3〜5に基づいて、前記吸収パッド10の装着方法について説明する。
【0049】
上述した前記装着用ベルト1及び前記吸収パッド10は、衛生用品として病院及び医院などで使用される。一例として、介助者がベッドなどに仰臥した患者に吸収パッド10を装着する場合について説明する。
【0050】
図3に示すように、前記装着用ベルト1の内側面に、小パッド15を重ねた吸収パッド10を重ね、装着用ベルト1の後側止着部22を吸収パッド10の尻当て部11に取り付ける。
【0051】
後側止着部22を取り付けた位置が、着用者に吸収パッド10を装着する際の高さ位置となるのである。
【0052】
従ってこの時、装着用ベルト1の後側止着部22は、吸収パッド10の尻当て部11側の予め患者の体格に応じて調整された位置に取り付けておくことが好ましい。
【0053】
図4に示すように、装着用ベルト1が取り付けられた吸収パッド10を患者の腰腹部の下に差し込んだ後、小パッド15ごと吸収パッド10で腹部を覆うようにあてがう。尚、先に小パッド15を患部にあてがい、さらに吸収パッド10で腹部を覆うようにあてがうのであってもよい。
【0054】
この時、例えば、取り外し可能な止着部材が後側止着部22に使用されている場合に、吸収パッド10の腹当て部13の長さが短いようであれば、適宜尻当て部11側の後側止着部22の位置を股下方向に上げるなどして腹部長さを調整すればよい。
【0055】
尚、腹部長さとは、吸収パッド10を装着時の股の分かれ目から装着用ベルト1が装着される位置までの長さを意味する。
【0056】
図5に示すように、患者にあてがった小パッド15及び吸収パッド10がずれないようにして、装着用ベルト1の両端を腹部側に巻き付け、両端の前側止着部21,23を腹当て部13側の外装シートに止着して吸収パッド10を固定させる。
【0057】
前記伸縮部3の伸縮により、さらにフィット感が得られるようになり、吸収パッド10或いは小パッド15のずれを低減することができる。
【0058】
図6(a)〜6(c)に示すように、前記装着用ベルト1の構成を利用して様々な体格の相違にも対応することができる。
【0059】
図6(a)に示すように、細めの体格などで吸収パッド10の腹当て部13の長さが長くなる場合には、尻当て部11側の後側止着部22を股下方向に下げるように調整することで、着用者の体格にフィットさせることができる。
【0060】
また、図6(b)に示すように、太めの体格などで吸収パッド10の腹当て部13の長さが短くなる場合でも、後側止着部22を臍方向に上げる、つまり後側止着部22を吸収パッド10の端に取り付けるなどして、腹部長さを調整することができる。
【0061】
図6(c)に示すように、例えば、出産直前の産婦であれば、破水でベッドなどが汚れることを防止するために吸収パッド10を利用することが考えられ、腹部を圧迫することなく装着用ベルト1で固定することができる。また、帝王切開などの手術で切開された傷口を避けて装着用ベルト1を装着することも可能となる。
【0062】
上述したように、患者の体格に関わらず同じサイズの吸収パッド10を使用した場合であっても、吸収パッド10の尻当て部11側に取り付ける装着用ベルト1の後側止着部22の高さ位置を患者の体格に応じて調整して、前側止着部21,23を腹当て部13側に取り付けて装着する。それにより、吸収パッド10のズレなどが生じることが低減され、着用者はフィット感を得ることができるようになるのである。
【0063】
また、前記吸収パッド10に装着用ベルト1が直接取り付けられることで、ズレをより低減することができ、より優れたフィット感を得ることができるようになるのである。
【0064】
さらに、装着用ベルト1と別体になっている吸収パッド10を単純な構成にすることができる。加えて、前記吸収パッド10の交換に合わせて装着用ベルト1を交換する必要がなくなるため、よりコストを低減することができるのである。そのため、ベルト本体4は、撥水加工や抗菌加工が施されていることが好ましい。
【0065】
上述の説明では、装着用ベルト1に3箇所の止着部2(21,22,23)を設けて、吸収パッド10に取り付けるように説明したが、3箇所以上に止着部2が設けられているのであっても構わない。
【0066】
少なくとも、吸収パッド10の尻当て部11側及び腹当て部13側のそれぞれに装着用ベルト1の止着部2が取り付け可能に構成されていればよい。このような構成により、吸収パッド10をより安定して装着固定させることができる。
【0067】
さらに、装着用ベルト1の止着部材は、ループ面とフック面が混在した面ファスナであってもよいし、面ファスナに限定されるものではなく粘着テープであってもよい。
【0068】
また、止着部材は、吸収パッド10と取り外しが可能な部材で構成されていてもよいし、取り外し不可能な部材で構成されているのであってもよい。
【0069】
上述した吸収パッド10は一例であり、止着部2の止着部材と前記吸収パッド10の外装シート素材との組み合わせが止着可能な組み合わせであればよい。
【0070】
また、吸収パッド10には、尻当て部11の幅方向中間に後側止着部22と止着可能な止着部材が縦方向に設けられているのであってもよく、少なくとも本発明では吸収パッド10に装着用ベルト1の後側止着部22が高さ位置を変更可能に取り付けられる構成のパッドであれば、その他の構成及び用途については特に限定しない。
【0071】
本発明の装着用ベルト1は出産後の悪露処理などに使用される産褥用パッド、帝王切開などの術後の患部に当てるパッド、介護での排泄処理などに使用される尿とりパッドなど様々な吸収性物品の固定に用いることができる。また、上述したような病院、医院などに限定せず、各家庭で使用される吸収性物品の固定に用いられるのであってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…装着用ベルト
2…止着部
3…伸縮部
4…ベルト本体
10…吸収パッド
11…尻当て部
12…股当て部
13…腹当て部
14…吸水性パッド
15…吸水性パッド(小パッド)
21,23…前側止着部
22…後側止着部
31,32…伸縮部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
尻当て部、股当て部、腹当て部が連続して一体に形成された吸収パッドを患者に装着するための装着用ベルトであって、
前記吸収パッドとは別体で長手状に形成されたベルト本体と、
前記ベルト本体の中間に設けられ、前記吸収パッドの前記尻当て部側で高さ位置を変更可能に取り付けられる後側止着部と、
前記ベルト本体の両端に設けられ、前記吸収パッドの前記腹当て部側に取り付けられる前側止着部と、
を備えることを特徴とする装着用ベルト。
【請求項2】
伸縮性のある伸縮素材を用いた伸縮部を備えることを特徴とする請求項1に記載の装着用ベルト。
【請求項3】
尻当て部、股当て部、腹当て部が連続して一体に形成された吸収パッドと、
前記吸収パッドとは別体で長手状に形成されたベルト本体と、前記ベルト本体の中間に設けられ、前記吸収パッドの前記尻当て部側で高さ位置を変更可能に取り付けられる後側止着部と、前記ベルト本体の両端に設けられ、前記吸収パッドの前記腹当て部側に取り付けられる前側止着部と、を設けた装着用ベルトと、
を備えてなることを特徴とする衛生用品。
【請求項4】
前記装着用ベルトは、伸縮性のある伸縮素材を用いた伸縮部を備えることを特徴とする請求項3に記載の衛生用品。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−167352(P2011−167352A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33915(P2010−33915)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(390030052)大衛株式会社 (7)
【Fターム(参考)】