吸収体を製造する装置及び方法
【課題】吸収体をあらかじめ設定された形状に正確に形成する。
【解決手段】吸収体製造装置は、複数の積繊体Sを逐次的に形成すると共にこれら積繊体Sを搬送方向に間隙を隔てて排出する積繊ユニット10であって、パターンプレート12はそれぞれ、積繊体の搬送方向後端周りに肉厚部分が形成されるように、深溝を有している、積繊ユニット10と、積繊ユニット10から逐次的に排出された積繊体Sを包装材連続体WMによって包み、それにより、連続包装体WBを形成する包装ユニット20と、連続包装体WBを搬送方向に搬送する搬送ユニット30と、搬送されている連続包装体WBを押圧して積繊体Sを延伸し、それにより、互いに隣接する積繊体同士を連結する連結部分を形成する押圧ユニット40と、連続包装体WBを連結部分において切断し、それにより、あらかじめ設定された形状の吸収体を形成する切断ユニット50と、を具備する。
【解決手段】吸収体製造装置は、複数の積繊体Sを逐次的に形成すると共にこれら積繊体Sを搬送方向に間隙を隔てて排出する積繊ユニット10であって、パターンプレート12はそれぞれ、積繊体の搬送方向後端周りに肉厚部分が形成されるように、深溝を有している、積繊ユニット10と、積繊ユニット10から逐次的に排出された積繊体Sを包装材連続体WMによって包み、それにより、連続包装体WBを形成する包装ユニット20と、連続包装体WBを搬送方向に搬送する搬送ユニット30と、搬送されている連続包装体WBを押圧して積繊体Sを延伸し、それにより、互いに隣接する積繊体同士を連結する連結部分を形成する押圧ユニット40と、連続包装体WBを連結部分において切断し、それにより、あらかじめ設定された形状の吸収体を形成する切断ユニット50と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸収体を製造する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、吸収性物品を製造するのに用いられる吸収体を製造する装置であって、複数の積繊体を逐次的に形成すると共にこれら積繊体を搬送方向に間隙を隔てて排出する積繊ユニットと、積繊ユニットから逐次的に排出された積繊体を包装材連続体によって包み、それにより、連続包装体を形成する包装ユニットと、連続包装体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、連続包装体を切断してあらかじめ設定された形状の吸収体を形成する切断ユニットと、を含む吸収体製造装置が知られている。
【0003】
ここで、積繊ユニットは例えば、回転ドラムと、回転ドラムの外周面に着脱可能に保持された複数のパターンプレートと、パターンプレートに積繊材料を供給する材料供給器とを含んでいる(特許文献1参照)。パターンプレートは製造されるべき積繊体の形状に対応しており、したがってパターンプレートを交換することによって、製造されるべき積繊体の形状を簡単に変更することができる。
【0004】
一方、切断ユニットでは、互いに隣接する積繊体同士の間において連続包装体が切断されるのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−178919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、互いに隣接する積繊体同士の間には間隙が設けられており、したがって切断ユニットは積繊体を切断することなく包装材連続体を切断しているということになる。ところが、包装材連続体は比較的薄い不織布又はティッシュから構成されるので、包装材連続体を確実に切断するのが困難であり、したがって吸収体をあらかじめ設定された形状に正確に形成するのが困難である。包装材連続体の切断を確実にするために切断圧力を高めると、切断ユニットの切断刃の寿命が短くなるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点によれば、吸収性物品を製造するのに用いられる吸収体を製造する装置において、複数の積繊体を逐次的に形成すると共にこれら積繊体を搬送方向に間隙を隔てて排出する積繊ユニットであって、回転ドラムと、回転ドラムの外周面に着脱可能に保持された複数のパターンプレートと、パターンプレートに積繊材料を供給する材料供給器とを具備し、パターンプレートはそれぞれ、積繊体の搬送方向後端周りに肉厚部分が形成されるように、深溝を有している、積繊ユニットと、積繊ユニットから逐次的に排出された積繊体を包装材連続体によって包み、それにより、連続包装体を形成する包装ユニットと、連続包装体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、搬送されている連続包装体を押圧して積繊体を延伸し、それにより、互いに隣接する積繊体同士を連結する連結部分を形成する押圧ユニットと、連続包装体を連結部分において切断し、それにより、あらかじめ設定された形状の吸収体を形成する切断ユニットと、を具備した、装置が提供される。
【0008】
本発明の第2の観点によれば、吸収性物品を製造するのに用いられる吸収体を製造する方法において、積繊ユニットを用いて、複数の積繊体を逐次的に形成すると共にこれら積繊体を搬送方向に間隙を隔てて排出する積繊ステップであって、積繊ユニットは、回転ドラムと、回転ドラムの外周面に着脱可能に保持された複数のパターンプレートと、パターンプレートに積繊材料を供給する材料供給器とを具備しており、パターンプレートはそれぞれ、積繊体の搬送方向後端周りに肉厚部分が形成されるように、深溝を有している、積繊ステップと、積繊ユニットから逐次的に排出された積繊体を包装材連続体によって包み、それにより、連続包装体を形成する包装ステップと、連続包装体を搬送方向に搬送する搬送ステップと、搬送されている連続包装体を押圧して積繊体を延伸し、それにより、互いに隣接する積繊体同士を連結する連結部分を形成する押圧ステップと、連続包装体を連結部分において切断し、それにより、あらかじめ設定された形状の吸収体を形成する切断ステップと、を含んでなる、方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
連続包装体を確実に切断することができるので、吸収体をあらかじめ設定された形状に正確に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】吸収体製造装置の概略全体図である。
【図2】回転ドラム及びパターンプレートの概略斜視図である。
【図3】パターンプレートの平面図である。
【図4】図3の線iv−ivに沿ってみたパターンプレートの断面図である。
【図5】積繊体の側面図である。
【図6】連続包装体の頂面図である。
【図7】図6の線vii−viiに沿ってみた連続包装体の断面図である。
【図8】押圧ユニットの押圧作用を説明する概略図である。
【図9】押圧ユニットの押圧作用を説明する概略図である。
【図10】連結部分及び非連結部分の概略図である。
【図11】切断ユニットの切断作用を説明する図である。
【図12】切断ユニットの切断作用を説明する図である。
【図13】パターンプレートの別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は吸収性物品を製造するのに用いられる吸収体を製造する装置1を示している。ここで、吸収性物品には、使い捨てオムツ、生理用ナプキン、失禁パッドなどが含まれる。
【0012】
図1を参照すると、吸収体製造装置1は、積繊ユニット10と、包装ユニット20と、搬送ユニット30と、押圧ユニット40と、切断ユニット50とを具備する。
【0013】
図1及び図2を参照すると、積繊ユニット10は、回転ドラム11と、回転ドラム11の外周面に着脱可能に保持された複数のパターンプレート12と、パターンプレート12に積繊材料を供給する材料供給器13とを具備する。
【0014】
回転ドラム11の内部空間には負圧が印加される負圧室11N及び正圧が印加される正圧室11Pが形成されている。また、回転ドラム11の外周面には負圧室11N及び正圧室11Pに連通する複数の貫通孔11Hが形成されている。
【0015】
パターンプレート12は図3及び図4に示されるように、積繊材料を受け取る通気性部分12Bと、通気性部分12Bを取り囲んで保持する非通気性部分12NBとを含む。通気性部分12Bは例えば金属メッシュから構成され、非通気性部分12NBは例えば金属板から構成される。パターンプレート12は、通気性部分12Bが回転ドラム11の貫通孔11H上と連通するように回転ドラム11上に位置決めされ、例えばボルトによって回転ドラム11に固定される。
【0016】
通気性部分12B及び非通気性部分12NBは凹溝12Rを画定し、凹溝12Rは浅溝12RS及び深溝12RDを含む。ここで、凹溝12Rの形状は製造されるべき積繊体の形状に対応している。
【0017】
材料供給器13はパルプ繊維、合成繊維、吸収性ポリマのような積繊材料を飛散状態で供給する。
【0018】
回転ドラム11が駆動機構(図示しない)によって矢印の方向に回転されつつ材料供給器13から積繊材料が供給されると、積繊材料は負圧室11Nに連通するパターンプレート12の凹溝12R内に堆積し、凹溝12R内に積繊体Sが形成される。次いで、パターンプレート12が積繊体Sと共に正圧室11Pに到達すると、積繊体Sがパターンプレート12から離脱される。
【0019】
再び図1を参照すると、ロールWRから包装材連続体WMが巻き戻され、この包装材連続体WMはコンベア14によって搬送方向MDに搬送されている。パターンプレート12から離脱された積繊体Sは包装材連続体WM上に排出され、搬送される。
【0020】
この場合、図5に示されるように、積繊体Sは搬送方向MDに間隙Gを隔てて搬送される。これは、パターンプレート12の非通気性部分12NBにより、凹溝12R同士が回転ドラム11上において回転ドラム11の周方向に間隙を隔てて配置されるからである。
【0021】
このようにして、積繊ユニット10では、複数の積繊体Sが逐次的に形成され、搬送方向MDに間隔を隔てて排出される。なお、図1において符号15は、積繊体Sがパターンプレート12から離脱するのを助成する負圧印加装置を示している。
【0022】
図5に示されるように、積繊体Sは、その搬送方向MD後端周りに形成された肉厚部分STと、それ以外の肉薄部分Stとを含む。この肉厚部分STはパターンプレート12の深溝12RDに対応する。言い換えると、パターンプレート12は、積繊体Sの搬送方向MD後端周りに肉厚部分STが形成されるように、深溝12RDを有している。なお、図3に示されるパターンプレート12の凹溝12Rの形状からわかるように、肉厚部分STは概ね搬送方向MDを横断する横断方向に延びている。
【0023】
積繊体Sは包装材連続体WMと共に包装ユニット20に搬送される。包装ユニット20では、積繊ユニット10から逐次的に排出された積繊体Sが包装材連続体WMによって包まれ、それにより、連続包装体WBが形成される。すなわち、包装材連続体WMの搬送方向MD両側縁が案内ロール21によって案内されて互いに重ね合される。その結果、図6及び図7に示されるように、連続包装体WBが形成される。この場合、図6に示されるように、積繊体S同士の間には間隙Gが残っている。
【0024】
連続包装体WBは次いで、搬送ユニット30のコンベア31によって搬送方向MDに搬送され、押圧ユニット40に送られる。
【0025】
再び図1を参照すると、押圧ユニット40は互いに対面配置された一対の押圧ロール41を備える。これら押圧ロール41同士間に連続包装体WBが供給されると、押圧ロール41によって連続包装体WB、したがって積繊体Sが押圧される。その結果、図8に示されるように、積繊体Sの肉厚部分STが搬送方向MDに延伸され、積繊体S同士間の間隙G内に拡げられる。したがって、図9及び図10に示されるように、互いに隣接する積繊体S同士を連結する連結部分Cが形成される。
【0026】
本発明による実施例では、図10に示されるように、連結部分Cは積繊体Sの横断方向CD中央部に形成され、しかしながら横断方向CD両側部には形成されない。言い換えると、積繊体Sの横断方向CD両側部には非連結部分NCが形成される。非連結部分NCには積繊材料がほとんど存在していない。
【0027】
連続包装体WBは次いでコンベア32により切断ユニット50に搬送される。切断ユニット50は互いに対面配置されたカッタロール51及びアンビルロール52を具備する。カッタロール51及びアンビルロール52間に連続包装体WBが供給されると、カッタロール51の切断刃によって連続包装体WBが切断され、それにより、あらかじめ定められた形状の吸収体Aが形成される。吸収体Aは1つの積繊体Sと積繊体Sを包む包装材とを含む。
【0028】
吸収体Aは次いで、コンベア53によりシール器60に搬送される。シール器60では吸収体Aの搬送方向MD両端がシールされる。シールされた吸収体Aは次いで、コンベア61によって次の工程に搬送される。次の工程では、吸収体Aは例えば吸収性物品の外装体と組み合わされる。
【0029】
なお、シール器60により連続包装体WBをシールした後に、連続包装体WBを切断してもよい。したがって、シール器60は、吸収体Aの搬送方向両端がシールされるように吸収体A又は連続包装体WBをシールするということになる。
【0030】
さて、切断ユニット50において、連続包装体WBは連結部分Cにおいて切断される。すなわち、図11に示されるように、切断線CLは連結部分Cを通る。その結果、カッタロール51の切断刃は包装材連続体WMと、積繊体Sないし積繊材料との両方を切断することになる。したがって、連続包装体WBを確実に切断することができ、吸収体Aをあらかじめ設定された形状に正確に整形することができる。また、切断圧力を過度に高める必要がなく、したがって切断刃の寿命を長くすることができる。なお、図8、図9、図10及び図11では包装材連続体WMの図示が省略されている。
【0031】
連続包装体WBが切断されると、図12に示されるように例えば2つのトリムTが形成され、これらトリムTは廃棄される。本発明による実施例では、吸収体Aの搬送方向MD両端が外向きに突出するように連続包装体WBが切断されるので、トリムは三角形状をなしている。ここで、トリムTには上述した非連結部分NCが含まれており、非連結部分NCには積繊材料がほとんど存在していない。その結果、廃棄される積繊材料の量を低減することができる。
【0032】
更に、パターンプレート12が回転ドラム11上に着脱可能に保持されているので、パターンプレート12を容易に交換することができる。また、パターンプレート12がそれぞれ1つの凹溝12Rを有しているので、1つの凹溝12Rに不具合が生じたときに1つのパターンプレート12を交換すれば足りる。したがって、パターンプレート12のメンテナンスが容易になる。
【0033】
これまで述べてきた実施例では、図3に示されるように、パターンプレート12の凹溝12Rの搬送方向両端は外向きに突出するよう湾曲しており、凹溝12RDも湾曲している。しかしながら、図13に示されるように、凹溝12Rの長手方向両端12E及び深溝12RDがそれぞれ直線上に延びるように凹溝12Rを形成することもできる。
【符号の説明】
【0034】
1 吸収体製造装置
10 積繊ユニット
11 回転ドラム
12 パターンプレート
12RD 深溝
13 材料供給器
20 包装ユニット
30 搬送ユニット
40 押圧ユニット
50 切断ユニット
A 吸収体
C 連結部分
G 間隙
S 積繊体
WB 連続包装体
WM 包装材連続体
【技術分野】
【0001】
本発明は吸収体を製造する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、吸収性物品を製造するのに用いられる吸収体を製造する装置であって、複数の積繊体を逐次的に形成すると共にこれら積繊体を搬送方向に間隙を隔てて排出する積繊ユニットと、積繊ユニットから逐次的に排出された積繊体を包装材連続体によって包み、それにより、連続包装体を形成する包装ユニットと、連続包装体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、連続包装体を切断してあらかじめ設定された形状の吸収体を形成する切断ユニットと、を含む吸収体製造装置が知られている。
【0003】
ここで、積繊ユニットは例えば、回転ドラムと、回転ドラムの外周面に着脱可能に保持された複数のパターンプレートと、パターンプレートに積繊材料を供給する材料供給器とを含んでいる(特許文献1参照)。パターンプレートは製造されるべき積繊体の形状に対応しており、したがってパターンプレートを交換することによって、製造されるべき積繊体の形状を簡単に変更することができる。
【0004】
一方、切断ユニットでは、互いに隣接する積繊体同士の間において連続包装体が切断されるのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−178919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、互いに隣接する積繊体同士の間には間隙が設けられており、したがって切断ユニットは積繊体を切断することなく包装材連続体を切断しているということになる。ところが、包装材連続体は比較的薄い不織布又はティッシュから構成されるので、包装材連続体を確実に切断するのが困難であり、したがって吸収体をあらかじめ設定された形状に正確に形成するのが困難である。包装材連続体の切断を確実にするために切断圧力を高めると、切断ユニットの切断刃の寿命が短くなるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点によれば、吸収性物品を製造するのに用いられる吸収体を製造する装置において、複数の積繊体を逐次的に形成すると共にこれら積繊体を搬送方向に間隙を隔てて排出する積繊ユニットであって、回転ドラムと、回転ドラムの外周面に着脱可能に保持された複数のパターンプレートと、パターンプレートに積繊材料を供給する材料供給器とを具備し、パターンプレートはそれぞれ、積繊体の搬送方向後端周りに肉厚部分が形成されるように、深溝を有している、積繊ユニットと、積繊ユニットから逐次的に排出された積繊体を包装材連続体によって包み、それにより、連続包装体を形成する包装ユニットと、連続包装体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、搬送されている連続包装体を押圧して積繊体を延伸し、それにより、互いに隣接する積繊体同士を連結する連結部分を形成する押圧ユニットと、連続包装体を連結部分において切断し、それにより、あらかじめ設定された形状の吸収体を形成する切断ユニットと、を具備した、装置が提供される。
【0008】
本発明の第2の観点によれば、吸収性物品を製造するのに用いられる吸収体を製造する方法において、積繊ユニットを用いて、複数の積繊体を逐次的に形成すると共にこれら積繊体を搬送方向に間隙を隔てて排出する積繊ステップであって、積繊ユニットは、回転ドラムと、回転ドラムの外周面に着脱可能に保持された複数のパターンプレートと、パターンプレートに積繊材料を供給する材料供給器とを具備しており、パターンプレートはそれぞれ、積繊体の搬送方向後端周りに肉厚部分が形成されるように、深溝を有している、積繊ステップと、積繊ユニットから逐次的に排出された積繊体を包装材連続体によって包み、それにより、連続包装体を形成する包装ステップと、連続包装体を搬送方向に搬送する搬送ステップと、搬送されている連続包装体を押圧して積繊体を延伸し、それにより、互いに隣接する積繊体同士を連結する連結部分を形成する押圧ステップと、連続包装体を連結部分において切断し、それにより、あらかじめ設定された形状の吸収体を形成する切断ステップと、を含んでなる、方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
連続包装体を確実に切断することができるので、吸収体をあらかじめ設定された形状に正確に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】吸収体製造装置の概略全体図である。
【図2】回転ドラム及びパターンプレートの概略斜視図である。
【図3】パターンプレートの平面図である。
【図4】図3の線iv−ivに沿ってみたパターンプレートの断面図である。
【図5】積繊体の側面図である。
【図6】連続包装体の頂面図である。
【図7】図6の線vii−viiに沿ってみた連続包装体の断面図である。
【図8】押圧ユニットの押圧作用を説明する概略図である。
【図9】押圧ユニットの押圧作用を説明する概略図である。
【図10】連結部分及び非連結部分の概略図である。
【図11】切断ユニットの切断作用を説明する図である。
【図12】切断ユニットの切断作用を説明する図である。
【図13】パターンプレートの別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は吸収性物品を製造するのに用いられる吸収体を製造する装置1を示している。ここで、吸収性物品には、使い捨てオムツ、生理用ナプキン、失禁パッドなどが含まれる。
【0012】
図1を参照すると、吸収体製造装置1は、積繊ユニット10と、包装ユニット20と、搬送ユニット30と、押圧ユニット40と、切断ユニット50とを具備する。
【0013】
図1及び図2を参照すると、積繊ユニット10は、回転ドラム11と、回転ドラム11の外周面に着脱可能に保持された複数のパターンプレート12と、パターンプレート12に積繊材料を供給する材料供給器13とを具備する。
【0014】
回転ドラム11の内部空間には負圧が印加される負圧室11N及び正圧が印加される正圧室11Pが形成されている。また、回転ドラム11の外周面には負圧室11N及び正圧室11Pに連通する複数の貫通孔11Hが形成されている。
【0015】
パターンプレート12は図3及び図4に示されるように、積繊材料を受け取る通気性部分12Bと、通気性部分12Bを取り囲んで保持する非通気性部分12NBとを含む。通気性部分12Bは例えば金属メッシュから構成され、非通気性部分12NBは例えば金属板から構成される。パターンプレート12は、通気性部分12Bが回転ドラム11の貫通孔11H上と連通するように回転ドラム11上に位置決めされ、例えばボルトによって回転ドラム11に固定される。
【0016】
通気性部分12B及び非通気性部分12NBは凹溝12Rを画定し、凹溝12Rは浅溝12RS及び深溝12RDを含む。ここで、凹溝12Rの形状は製造されるべき積繊体の形状に対応している。
【0017】
材料供給器13はパルプ繊維、合成繊維、吸収性ポリマのような積繊材料を飛散状態で供給する。
【0018】
回転ドラム11が駆動機構(図示しない)によって矢印の方向に回転されつつ材料供給器13から積繊材料が供給されると、積繊材料は負圧室11Nに連通するパターンプレート12の凹溝12R内に堆積し、凹溝12R内に積繊体Sが形成される。次いで、パターンプレート12が積繊体Sと共に正圧室11Pに到達すると、積繊体Sがパターンプレート12から離脱される。
【0019】
再び図1を参照すると、ロールWRから包装材連続体WMが巻き戻され、この包装材連続体WMはコンベア14によって搬送方向MDに搬送されている。パターンプレート12から離脱された積繊体Sは包装材連続体WM上に排出され、搬送される。
【0020】
この場合、図5に示されるように、積繊体Sは搬送方向MDに間隙Gを隔てて搬送される。これは、パターンプレート12の非通気性部分12NBにより、凹溝12R同士が回転ドラム11上において回転ドラム11の周方向に間隙を隔てて配置されるからである。
【0021】
このようにして、積繊ユニット10では、複数の積繊体Sが逐次的に形成され、搬送方向MDに間隔を隔てて排出される。なお、図1において符号15は、積繊体Sがパターンプレート12から離脱するのを助成する負圧印加装置を示している。
【0022】
図5に示されるように、積繊体Sは、その搬送方向MD後端周りに形成された肉厚部分STと、それ以外の肉薄部分Stとを含む。この肉厚部分STはパターンプレート12の深溝12RDに対応する。言い換えると、パターンプレート12は、積繊体Sの搬送方向MD後端周りに肉厚部分STが形成されるように、深溝12RDを有している。なお、図3に示されるパターンプレート12の凹溝12Rの形状からわかるように、肉厚部分STは概ね搬送方向MDを横断する横断方向に延びている。
【0023】
積繊体Sは包装材連続体WMと共に包装ユニット20に搬送される。包装ユニット20では、積繊ユニット10から逐次的に排出された積繊体Sが包装材連続体WMによって包まれ、それにより、連続包装体WBが形成される。すなわち、包装材連続体WMの搬送方向MD両側縁が案内ロール21によって案内されて互いに重ね合される。その結果、図6及び図7に示されるように、連続包装体WBが形成される。この場合、図6に示されるように、積繊体S同士の間には間隙Gが残っている。
【0024】
連続包装体WBは次いで、搬送ユニット30のコンベア31によって搬送方向MDに搬送され、押圧ユニット40に送られる。
【0025】
再び図1を参照すると、押圧ユニット40は互いに対面配置された一対の押圧ロール41を備える。これら押圧ロール41同士間に連続包装体WBが供給されると、押圧ロール41によって連続包装体WB、したがって積繊体Sが押圧される。その結果、図8に示されるように、積繊体Sの肉厚部分STが搬送方向MDに延伸され、積繊体S同士間の間隙G内に拡げられる。したがって、図9及び図10に示されるように、互いに隣接する積繊体S同士を連結する連結部分Cが形成される。
【0026】
本発明による実施例では、図10に示されるように、連結部分Cは積繊体Sの横断方向CD中央部に形成され、しかしながら横断方向CD両側部には形成されない。言い換えると、積繊体Sの横断方向CD両側部には非連結部分NCが形成される。非連結部分NCには積繊材料がほとんど存在していない。
【0027】
連続包装体WBは次いでコンベア32により切断ユニット50に搬送される。切断ユニット50は互いに対面配置されたカッタロール51及びアンビルロール52を具備する。カッタロール51及びアンビルロール52間に連続包装体WBが供給されると、カッタロール51の切断刃によって連続包装体WBが切断され、それにより、あらかじめ定められた形状の吸収体Aが形成される。吸収体Aは1つの積繊体Sと積繊体Sを包む包装材とを含む。
【0028】
吸収体Aは次いで、コンベア53によりシール器60に搬送される。シール器60では吸収体Aの搬送方向MD両端がシールされる。シールされた吸収体Aは次いで、コンベア61によって次の工程に搬送される。次の工程では、吸収体Aは例えば吸収性物品の外装体と組み合わされる。
【0029】
なお、シール器60により連続包装体WBをシールした後に、連続包装体WBを切断してもよい。したがって、シール器60は、吸収体Aの搬送方向両端がシールされるように吸収体A又は連続包装体WBをシールするということになる。
【0030】
さて、切断ユニット50において、連続包装体WBは連結部分Cにおいて切断される。すなわち、図11に示されるように、切断線CLは連結部分Cを通る。その結果、カッタロール51の切断刃は包装材連続体WMと、積繊体Sないし積繊材料との両方を切断することになる。したがって、連続包装体WBを確実に切断することができ、吸収体Aをあらかじめ設定された形状に正確に整形することができる。また、切断圧力を過度に高める必要がなく、したがって切断刃の寿命を長くすることができる。なお、図8、図9、図10及び図11では包装材連続体WMの図示が省略されている。
【0031】
連続包装体WBが切断されると、図12に示されるように例えば2つのトリムTが形成され、これらトリムTは廃棄される。本発明による実施例では、吸収体Aの搬送方向MD両端が外向きに突出するように連続包装体WBが切断されるので、トリムは三角形状をなしている。ここで、トリムTには上述した非連結部分NCが含まれており、非連結部分NCには積繊材料がほとんど存在していない。その結果、廃棄される積繊材料の量を低減することができる。
【0032】
更に、パターンプレート12が回転ドラム11上に着脱可能に保持されているので、パターンプレート12を容易に交換することができる。また、パターンプレート12がそれぞれ1つの凹溝12Rを有しているので、1つの凹溝12Rに不具合が生じたときに1つのパターンプレート12を交換すれば足りる。したがって、パターンプレート12のメンテナンスが容易になる。
【0033】
これまで述べてきた実施例では、図3に示されるように、パターンプレート12の凹溝12Rの搬送方向両端は外向きに突出するよう湾曲しており、凹溝12RDも湾曲している。しかしながら、図13に示されるように、凹溝12Rの長手方向両端12E及び深溝12RDがそれぞれ直線上に延びるように凹溝12Rを形成することもできる。
【符号の説明】
【0034】
1 吸収体製造装置
10 積繊ユニット
11 回転ドラム
12 パターンプレート
12RD 深溝
13 材料供給器
20 包装ユニット
30 搬送ユニット
40 押圧ユニット
50 切断ユニット
A 吸収体
C 連結部分
G 間隙
S 積繊体
WB 連続包装体
WM 包装材連続体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品を製造するのに用いられる吸収体を製造する装置において、
複数の積繊体を逐次的に形成すると共にこれら積繊体を搬送方向に間隙を隔てて排出する積繊ユニットであって、回転ドラムと、回転ドラムの外周面に着脱可能に保持された複数のパターンプレートと、パターンプレートに積繊材料を供給する材料供給器とを具備し、パターンプレートはそれぞれ、積繊体の搬送方向後端周りに肉厚部分が形成されるように、深溝を有している、積繊ユニットと、
積繊ユニットから逐次的に排出された積繊体を包装材連続体によって包み、それにより、連続包装体を形成する包装ユニットと、
連続包装体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、
搬送されている連続包装体を押圧して積繊体を延伸し、それにより、互いに隣接する積繊体同士を連結する連結部分を形成する押圧ユニットと、
連続包装体を連結部分において切断し、それにより、あらかじめ設定された形状の吸収体を形成する切断ユニットと、
を具備した、装置。
【請求項2】
前記パターンプレートは、積繊材料を受け取る通気性部分と、通気性部分を取り囲む非通気性部分とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記切断ユニットは、吸収体の搬送方向両端が外向きに突出するように連続包装体を切断し、前記連結部分は、搬送方向両側部において互いに隣接する積繊体同士を連結することなく、搬送方向中央部においてこれら積繊体同士を連結する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記吸収性物品が、使い捨てオムツ、生理用ナプキン及び失禁パッドを含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
吸収性物品を製造するのに用いられる吸収体を製造する方法において、
積繊ユニットを用いて、複数の積繊体を逐次的に形成すると共にこれら積繊体を搬送方向に間隙を隔てて排出する積繊ステップであって、積繊ユニットは、回転ドラムと、回転ドラムの外周面に着脱可能に保持された複数のパターンプレートと、パターンプレートに積繊材料を供給する材料供給器とを具備しており、パターンプレートはそれぞれ、積繊体の搬送方向後端周りに肉厚部分が形成されるように、深溝を有している、積繊ステップと、
積繊ユニットから逐次的に排出された積繊体を包装材連続体によって包み、それにより、連続包装体を形成する包装ステップと、
連続包装体を搬送方向に搬送する搬送ステップと、
搬送されている連続包装体を押圧して積繊体を延伸し、それにより、互いに隣接する積繊体同士を連結する連結部分を形成する押圧ステップと、
連続包装体を連結部分において切断し、それにより、あらかじめ設定された形状の吸収体を形成する切断ステップと、
を含んでなる、方法。
【請求項1】
吸収性物品を製造するのに用いられる吸収体を製造する装置において、
複数の積繊体を逐次的に形成すると共にこれら積繊体を搬送方向に間隙を隔てて排出する積繊ユニットであって、回転ドラムと、回転ドラムの外周面に着脱可能に保持された複数のパターンプレートと、パターンプレートに積繊材料を供給する材料供給器とを具備し、パターンプレートはそれぞれ、積繊体の搬送方向後端周りに肉厚部分が形成されるように、深溝を有している、積繊ユニットと、
積繊ユニットから逐次的に排出された積繊体を包装材連続体によって包み、それにより、連続包装体を形成する包装ユニットと、
連続包装体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、
搬送されている連続包装体を押圧して積繊体を延伸し、それにより、互いに隣接する積繊体同士を連結する連結部分を形成する押圧ユニットと、
連続包装体を連結部分において切断し、それにより、あらかじめ設定された形状の吸収体を形成する切断ユニットと、
を具備した、装置。
【請求項2】
前記パターンプレートは、積繊材料を受け取る通気性部分と、通気性部分を取り囲む非通気性部分とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記切断ユニットは、吸収体の搬送方向両端が外向きに突出するように連続包装体を切断し、前記連結部分は、搬送方向両側部において互いに隣接する積繊体同士を連結することなく、搬送方向中央部においてこれら積繊体同士を連結する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記吸収性物品が、使い捨てオムツ、生理用ナプキン及び失禁パッドを含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
吸収性物品を製造するのに用いられる吸収体を製造する方法において、
積繊ユニットを用いて、複数の積繊体を逐次的に形成すると共にこれら積繊体を搬送方向に間隙を隔てて排出する積繊ステップであって、積繊ユニットは、回転ドラムと、回転ドラムの外周面に着脱可能に保持された複数のパターンプレートと、パターンプレートに積繊材料を供給する材料供給器とを具備しており、パターンプレートはそれぞれ、積繊体の搬送方向後端周りに肉厚部分が形成されるように、深溝を有している、積繊ステップと、
積繊ユニットから逐次的に排出された積繊体を包装材連続体によって包み、それにより、連続包装体を形成する包装ステップと、
連続包装体を搬送方向に搬送する搬送ステップと、
搬送されている連続包装体を押圧して積繊体を延伸し、それにより、互いに隣接する積繊体同士を連結する連結部分を形成する押圧ステップと、
連続包装体を連結部分において切断し、それにより、あらかじめ設定された形状の吸収体を形成する切断ステップと、
を含んでなる、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−176099(P2012−176099A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40330(P2011−40330)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
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