説明

吸収性物品

【課題】 軟便等が漏れ出るのを防止する吸収性物品を提供する。
【解決手段】 おむつ10は、シャーシ14と吸液構造体20と漏れバリアカフ30とを含む。シャーシ14の内面シート40は、縦方向Yに延びる複数の凸条および凹条を有する。吸液構造体20の吸液後端縁22と、後ウエスト弾性体62との間には、離間領域80が形成される。カフ内側縁33には、カフ弾性体36が収縮可能にカフ前後端縁31,32から離間して取り付けられている。カフ内側縁33と内面シート40との間には、内側接合部81が形成され、離間領域80まで延びている。カフ弾性体36が収縮すると、カフ内側縁33が縦方向Yの内側に向かって引っ張られ、内側接合部81の内端部81aを基点に身体側に向かって折れ曲がって折曲山部が形成され、折曲山部よりも内面後端縁42側であって、着衣側では折曲谷部が形成され、これら山部と谷部によってポケットが画成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、吸収性物品に関し、さらに詳しくは使い捨てのおむつ、排泄トレーニングパンツ、失禁ブリーフ等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、着用時に背側部と腹側部とを係合するいわゆるオープンタイプの使い捨ておむつとして、例えば、特許文献1(特許第4049733号公報)に記載されたものが公知である。このおむつは、表裏面シートと、これら表裏面シートの間に形成された吸収体とを含む。おむつの背側部の端部には幅方向に伸縮する端部伸縮部を有し、端部伸縮部は帯状の弾性部材によって形成されている。背側部の側縁には幅方向に離間するサイド伸縮部を有し、サイド伸縮部は複数本の糸状の弾性部材によって形成されている。端部伸縮部とサイド伸縮部とは長手方向に離間し、これらの間には実質的に非弾性であるポケット形成部が形成される。端部伸縮部およびサイド伸縮部の伸縮によって、ポケット形成部には凹部が形成され、乳幼児の軟便捕捉部として機能するポケットを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4049733号公報(JP 4049733 B2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなおむつにおいて、ポケット形成部は、端部伸縮部とサイド伸縮部との間に形成された広い柔軟な領域によって画成される。ポケット形成部で捕捉されなかった軟便や、捕捉されたが着用者の寝返り等によって背側に移動された軟便は、直接端部伸縮部に接触する。端部伸縮部は、その収縮によって皺が発生し、着用者の背中との間で隙間が形成されているから、この隙間から軟便が漏れる可能性があった。
【0005】
この発明では、軟便等が漏れ出るのを防止する吸収性物品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、縦方向および横方向と、身体側およびその反対側と、前ウエスト域、後ウエスト域および前記前後ウエスト域間に位置するクロッチ域を有するシャーシと、少なくとも前記クロッチ域に位置する吸液構造体と、前記シャーシの前記横方向に延びる前後端縁の少なくとも前記後端縁に沿って前記横方向に延びる後ウエスト弾性体と、前記シャーシの前記縦方向に延びる両側縁に沿って前記縦方向に延びるレッグ弾性体と、前記シャーシの前記身体側に位置し前記シャーシ両側縁の縦方向に延びる一対の漏れバリアカフとを含み、前記漏れバリアカフは、前後端接合部を介して前記シャーシに接合されるカフ前後端縁と、両側接合部を介して前記シャーシに接合されるカフ外側縁と、前記縦方向に収縮可能に弾性化され前記シャーシから離間可能なカフ内側縁とを含む吸収性物品の改良に関わる。
【0007】
この発明は、前記吸収性物品において、前記シャーシは、前記身体側に位置する内面シートと、前記反対側に位置する外面シートとを含み、前記内面シートは、横方向に延びる内面前後端縁と、縦方向に延びる内面両側縁とを含み、前記内面シートの前記身体側に前記漏れバリアカフが位置され、前記吸液構造体は、前記横方向に延びる吸液前後端縁を含み、前記内面後端縁と前記吸液後端縁との前記縦方向の間には離間領域が形成され、前記カフ内側縁と前記内面シートとが内側接合部を介して接合されるとともに、前記内側接合部は、前記離間領域に形成されることを特徴とする。
【0008】
この発明の好ましい実施態様のひとつとして、前記内面シートは、前記縦方向に延びる複数の凸条と、これら凸条の前記横方向間に形成される凹条とを有する。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記漏れバリアカフは、前記カフ内側縁に形成されたカフ弾性体によって前記縦方向に弾性化され、前記カフ弾性体は、前記内側接合部よりも前記縦方向内側に取り付けられる。
好ましい他の実施態様のひとつとして、一対の前記内側接合部は、前記内面後端縁からの前記縦方向の長さ寸法が等しくされている。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記内面シートは、前記凸条および凹条に沿って曲がる縦剛性よりも、前記凸条および凹条に直交する方向に曲がる横剛性の方が高く、前記横剛性が50mm以上90mm未満である。前記各剛性は、JIS L1018 8.22.1 A法に基づいて測定される。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記後ウエスト弾性体は、前記内面シートと前記外面シートとの間に取り付けられる。
【発明の効果】
【0009】
吸収性物品を形成するシャーシは、内外面シートによって形成され、内面シートの身体側には漏れバリアカフが形成されている。内面後端縁と吸液後端縁との縦方向の間には離間領域が形成され、縦方向に弾性化されたカフ内側縁と内面シートとが内側接合部を介して接合されるとともに、内側接合部は、離間領域に形成されることとしたので、カフ内側縁の収縮によって内面シートが引っ張られ、内側接合部を基点として折れ曲がり、内面シートには折曲山部が形成される。折曲山部は後ウエスト弾性体よりも縦方向内側に形成され、折曲山部で排泄物の縦方向の移動を規制することができる。したがって、排泄物が後ウエスト弾性体によって形成された隙間を介して吸収性物品の外に漏れるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】おむつの斜視図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図1のおむつの展開図。
【図4】図3の平面図。
【図5】図4のV−V線断面図。
【図6】図4のVI−VI線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
吸収性物品として使い捨ておむつを用い、この発明の一例を説明する。
【0012】
図1〜6は、この発明の一実施形態を示したものであり、図1はおむつ10の組み立て状態における斜視図、図2は図1のII−II線断面図、図3はおむつ10の前後ウエスト域における係合を解いた状態の図、図4は図3のおむつの各弾性体をその収縮力に抗して伸長させ、おむつ10を平面状態に保った状態の平面図、図5は図4のV−V線断面図、図6は図4のVI−VI線断面図である。図4において、説明のためにその一部を破断させている。
【0013】
おむつ10は、縦方向Yおよび横方向Xと、身体側およびその反対側である着衣側と、縦方向Yに連なる前ウエスト域11、後ウエスト域12、これら前後ウエスト域11,12の間に位置するクロッチ域13を有するシャーシ14と、クロッチ域13から前後ウエスト域11,12に延びる吸液構造体20と、シャーシ14の身体側に位置する一対の漏れバリアカフ30とを含む。おむつ10は、横方向Xの長さ寸法を二等分する仮想縦中心線P−Pと、縦方向Yの長さ寸法を二等分する仮想横中心線Q−Qとを有し、仮想縦中心線P−Pに対してほぼ対称に形成されている。
【0014】
シャーシ14は、身体側に位置する内面シート40と、反対側に位置する外面シート50とを含む。図4に示したように、内外面シート40,50は、横方向Xに延びる内外前後端縁41,42,51,52と、縦方向Yに延びる内外両側縁43,53とを含み、内面シート40の横方向Xの長さ寸法が外面シート50よりも小さく、外面両側縁53が内面両側縁43から延出し、外面両側縁53によってシャーシ14のシャーシ両側縁を形成している。内面前後端縁41,42と外面前後端縁51,52とはほぼ一致する位置関係を有し、これら端縁でシャーシ14のシャーシ前後端縁を形成している。
【0015】
外面シート50の後ウエスト域12には、外面両側縁53から横方向X外側に延出する後サイドシート70が取り付けられ、後サイドシート70にはタブ部材71を介してフック要素72が形成されている。外面シート50の前ウエスト域11には、外面両側縁53から横方向X外側に延出する前サイドシート74が取り付けられ、これら前サイドシート74の横方向X内側であってその着衣側には、横方向Xに延びるループ要素73が取り付けられ(図1参照)、フック要素72と係合可能とされている。これらフック要素72をループ要素73に係合させることによって、パンツ型のおむつ10を形成することができる。
図5および6に示したように、内面シート40は、縦方向Yに延びる複数の凸条44と、これら凸条の間に形成される複数の凹条45とを有する。これら凸条44の厚さ寸法は約1.0〜3.0mm、この実施形態では約1.3mmである。凹条45の厚さ寸法は約0.4〜1.5mm、この実施形態では約0.75mmである。これら厚さ寸法は、キーエンスレーザー変位計(KEYENCE LK−G30)を用い測定している。具体的には、レーザー照射口から内面シート40が載置されたテーブルまでの距離を30.5cmとし、凸条44または凹条45に沿って26mmの長さ範囲を測定している。凸条44の厚さ寸法とは、テーブルから凸条44によって画成された山の頂部までの長さ寸法であって、前記26mmの範囲の平均値、凹条45の厚さ寸法とは、凹条45によって画成された溝の底部までの長さ寸法であって、前記26mmの範囲の平均値で表している。隣接する一方の凸条44から他方の凸条44までの長さ寸法であるピッチは、約4mmである。
【0016】
このような内面シート40は、凹条45に沿って、すなわち縦方向に沿って曲がりやすいが、凹条45に直行する方向、すなわち横方向に沿って折れ曲がり難いという性質を有する。ここで、凸条44および凹条45に沿って曲がるときの剛性を縦剛性といい、これに直交して曲がるときの剛性を横剛性という。縦剛性は、100mm以上140mm未満であり、この実施形態では約120mmである。横剛性は、50mm以上90mm未満であり、この実施形態では約70mmである。縦剛性は、横剛性の約1.7倍とすることが好ましい。上記各剛性は、JIS L1018 8.22.1 A法に基づいて測定された。
【0017】
上記のようなシャーシ14の前後端縁には、横方向Xに延びる前後ウエスト弾性体61,62が伸長状態で収縮可能に取り付けられている。前後ウエスト弾性体61,62は、好ましくはオープンセルを有する発泡ポリウレタンによって帯状に形成され、内外面シート40,50の、少なくともいずれか一方に図示しない接着剤等の接合手段で接合される。内面シート40は、凸条44および凹条45に沿った縦剛性が低いので、横方向Xに容易に収縮され、これら前後ウエスト弾性体61,62の収縮が内面シート40によって大きく妨げられることがない。
【0018】
シャーシ14の両側縁には、縦方向Yに延びるレッグ弾性体63が伸長状態で収縮可能に取り付けられている。レッグ弾性体63は、複数の弾性糸によって形成され、外面シート50と漏れバリアカフ30との間であって、少なくともいずれか一方に図示しない接着剤等の接合手段で接合される。レッグ弾性体63は、内面シート40の横方向X外側に取り付けられることで、凸条44および凹条45に直交する横剛性が高い内面シート40によってその収縮が妨げられないようにされている。
【0019】
内外面シート40,50の間には、吸液構造体20が取り付けられる。吸液構造体20は、横方向Xに延びる吸液前後端縁21,22と、縦方向Yに延びる吸液両側縁23とを含み、吸液前端縁21は、前ウエスト域11に位置するとともに、前ウエスト弾性体61と縦方向Yにほぼ隣接して取り付けられている。吸液後端縁22は、後ウエスト域12に位置するとともに、後ウエスト弾性体62と縦方向Yに離間領域80を介して取り付けられている。離間領域80は、後ウエスト弾性体62と、吸液後端縁22との間に形成され、吸液構造体20の存在しない領域である。離間領域80の縦方向Yの長さ寸法は約36mmとしている。
【0020】
吸液両側縁23は、クロッチ域13において仮想縦中心線P−Pに向かってその横方向Xの長さ寸法が小さくなり、凹部を形成している。上記のような吸液構造体20は、例えば、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物等を含む吸液性芯材と、これを包むティッシュペーパ等の液拡散性シートとを含む。また、吸液構造体20と外面シート50との間には、フィルム等で形成された不透液性の漏れ防止シート24が取り付けられている。
【0021】
内面シート40のさらに身体側に取り付けられる漏れバリアカフ30は、横方向Xに延びるカフ前後端縁31,32と、縦方向Yに延びるカフ内外側縁33,34とをそれぞれ含み、カフ外側縁34が内面両側縁43から横方向Xの外側に延出し、外面両側縁53に両側接合部37を介して接合されている。また、レッグ弾性体63も、両側接合部37を介してカフ外側縁34と外面両側縁53との間に取り付けられる。カフ前後端縁31,32は、内面前後端縁41,42とほぼ一致する位置関係を有し、これら内面前後端縁41,42にそれぞれ前後端接合部38,39を介して接合されている。カフ内側縁33の一部は、内面シート40側に折り返されてスリーブ部35を形成し、スリーブ部35内に、縦方向Yに延びるカフ弾性体36が収縮可能に取り付けられている。カフ弾性体36は、複数条の弾性糸から形成され、カフ前後端縁31,32から離間して、すなわち、一定の間隔をあけて伸長状態で収縮可能に取り付けられ、カフ内側縁33は、少なくとも、クロッチ域13において縦方向Yに弾性化されている。漏れバリアカフ30は、カフ内側縁33に伸縮性不織布等を取り付けることによって、縦方向Yに弾性化させることも可能である。
【0022】
カフ内側縁33のスリーブ部35と、内面シート40との間には、これらを接合する一対の内側接合部81が形成されている。内側接合部81は、内面後端縁42から仮想横中心線Q−Q側に向かって、離間領域80まで延びている。すなわち内側接合部81の内端部81aが離間領域80において形成され、外端部81bは、内面後端縁42と一致する位置に形成されている。具体的には、内端部81aは、後ウエスト弾性体62から約20mm離間して位置している。
また、この実施形態では、内側接合部81とカフ弾性体36とが、直接および間接的に重ならない位置関係とされ、内端部81aとカフ弾性体36とが離間している。これら一対の内側接合部81は、その縦方向Yの長さ寸法がほぼ等しくされ、内端部81aの位置が横方向Xで一致する関係を有している。
【0023】
上記のようなおむつにおいて、カフ弾性体36が収縮すると、カフ内側縁33が縦方向Yの内側、すなわち仮想横中心線Q−Q側に向かって引っ張られる。カフ内側縁33は、内側接合部81で内面シート40に接合されているので、この接合部81においては内面シート40も仮想横中心線Q−Q側に向かって引っ張られる。内面シート40は、凸条44および凹条45に直交する横剛性が高くなるようにされているので、上記のように引っ張られることによって、内側接合部81の内端部81aを基点に身体側に向かって折れ曲がり、折曲山部46を形成する(図2および3参照)。折曲山部46が形成されると、折曲山部46よりも内面後端縁42側であって、着衣側では折曲谷部47が形成され、これら山部46と谷部47によってポケットが画成される。
【0024】
折曲山部46が形成されることによって、排泄された軟便等は、着用者の背中側に移動した場合であっても、この折曲山部46が障壁となり、軟便が内面後端縁42側へと移動するのを防止することができる。したがって、おむつ10の後ウエスト域12と着用者との間に隙間ができた場合であっても、軟便等の排泄物がおむつ10から漏れるのを防ぐことができる。また、折曲山部46で内面後端縁42側への移動が規制された排泄物は、折曲谷部47側へと移動し、これらによって画成されたポケットで捕捉される。したがって、排泄物はより一層おむつ10から漏れるのを防止することができる。
【0025】
この実施形態において、一対の内側接合部81の長さ寸法がほぼ等しくされ、折曲山部46は、内端縁81aを横方向Xに結んだほぼ直線状に形成されることとなるから、この折曲山部46は仮想横中心線Q−Qにほぼ平行に形成される。したがって、横方向Xにおいてはほぼ均等に折曲山部46が身体に接触し、軟便等の排泄物の縦方向Yへの流動を阻止することができる。また、仮想横中心線Q−Qにほぼ平行に形成されることによって、凸条44および凹条45に直交する方向に折曲山部46が形成される。内面シート40は、凸条44および凹条45に直交する横剛性が最も高くなるから、より一層、折曲山部46はその形状を維持することができる。
【0026】
後ウエスト弾性体62は、内外面シート40,50の間に伸長状態で収縮可能に取り付けられているから、後ウエスト弾性体62が収縮すると、内面シート40も横方向Xに収縮される。内面シート40には、縦方向Yに延びる凸条44と凹条45とが形成されているから、これらが横方向Xに収縮すると、凹条45の横方向Xの長さ寸法を縮めるように、すなわち凸条44が互いに接触するように接近する。このように凸条44が互いに接近することで、凹条45で形成された溝がなくなり、内面シート40と着用者の身体との間に形成される隙間を減少させることができ、より一層、排泄物の漏れを抑制することができる。
【0027】
内面シート40は、例えば、繊維ウェブの上部に配置されたノズルから連続的に気体を噴射することで、気体が噴射された部分で凹条45が形成され、気体が直接噴射されなかった部分で凸条44が形成される。このような内面シート40では、繊維ウェブの繊維の再配向により凸条44に比べて凹条45で密度を低くすることができる。凹条45で密度が低くなることによって、この凹条45を介して軟便が吸液構造体20側に通過しやすくすることができる。また、噴射する気体の量を間欠的に多くすることによって、凹条45に間欠的な透孔を形成することもできる。このような透孔が形成された場合には、粘性の高い軟便等の通過を促進することができる。
【0028】
この実施形態において、内面シート40の凸条44および凹条45をエアの噴射によって形成することとしているが、折曲山部46を形成し、その形状を維持できる程度の剛性を有するものであれば、この製法に限られるものではない。この製法のほかには、内面シート40のウォータージェット処理やスチームジェット処理、プレス加工またはギア加工によって形成することもできる。また、凸条44の厚さ寸法やピッチ、凹条45の厚さ寸法等、この実施形態で示したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。
【0029】
この発明において、内面シート40の身体側に凸条44および凹条45を形成することとしているが、その着衣側に形成することとしてもよい。ただし、着用者に対する接触面積、体液等の透過性等を考慮すれば、身体側に形成するほうが好ましい。また、吸収性物品として、いわゆるオープン型のおむつを例に説明しているが、これに限られるものではなく、例えば、プルオン・パンツ型のおむつであってもよい。
【符号の説明】
【0030】
10 おむつ(吸収性物品)
11 前ウエスト域
12 後ウエスト域
13 クロッチ域
14 シャーシ
20 吸液構造体
21 吸液前端縁
22 吸液後端縁
30 漏れバリアカフ
31 カフ前端縁
32 カフ後端縁
33 カフ内側縁
34 カフ外側縁
36 カフ弾性体
37 両側接合部
38 前接合部
39 後接合部
40 内面シート
44 凸条
45 凹条
50 外面シート
62 後ウエスト弾性体
63 レッグ弾性体
81 内側接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向および横方向と、身体側およびその反対側と、前ウエスト域、後ウエスト域および前記前後ウエスト域間に位置するクロッチ域を有するシャーシと、少なくとも前記クロッチ域に位置する吸液構造体と、前記シャーシの前記横方向に延びる前後端縁の少なくとも前記後端縁に沿って前記横方向に延びる後ウエスト弾性体と、前記シャーシの前記縦方向に延びる両側縁に沿って前記縦方向に延びるレッグ弾性体と、前記シャーシの前記身体側に位置し前記シャーシ両側縁の縦方向に延びる一対の漏れバリアカフとを含み、前記漏れバリアカフは、前後端接合部を介して前記シャーシに接合されるカフ前後端縁と、両側接合部を介して前記シャーシに接合されるカフ外側縁と、前記縦方向に収縮可能に弾性化され前記シャーシから離間可能なカフ内側縁とを含む吸収性物品において、
前記シャーシは、前記身体側に位置する内面シートと、前記反対側に位置する外面シートとを含み、前記内面シートは、横方向に延びる内面前後端縁と、縦方向に延びる内面両側縁とを含み、前記内面シートの前記身体側に前記漏れバリアカフが位置され、
前記吸液構造体は、前記横方向に延びる吸液前後端縁を含み、前記内面後端縁と前記吸液後端縁との前記縦方向の間には離間領域が形成され、前記カフ内側縁と前記内面シートとが内側接合部を介して接合されるとともに、前記内側接合部は、前記離間領域に形成されることを特徴とする前記吸収性物品。
【請求項2】
前記内面シートは、前記縦方向に延びる複数の凸条と、これら凸条の前記横方向間に形成される凹条とを有する請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記漏れバリアカフは、前記カフ内側縁に形成されたカフ弾性体によって前記縦方向に弾性化され、前記カフ弾性体は、前記内側接合部よりも前記縦方向内側に取り付けられる請求項1または2記載の吸収性物品。
【請求項4】
一対の前記内側接合部は、前記内面後端縁からの前記縦方向の長さ寸法が等しくされている請求項1〜3のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記内面シートは、前記凸条および凹条に沿って曲がる縦剛性よりも、前記凸条および凹条に直交する方向に曲がる横剛性の方が高く、前記横剛性が50mm以上90mm未満である請求項1〜4のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記後ウエスト弾性体は、前記内面シートと前記外面シートとの間に取り付けられる請求項1〜5のいずれかに記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−227143(P2010−227143A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75013(P2009−75013)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】