説明

吸収性物品

【課題】優れた吸液速度及びリウエット防止作用を発揮し得る吸収性物品を提供すること。
【解決手段】液透過性シート2、液不透過性シート3、及び液透過性シート2と液不透過性シート3との間に設けられた吸収体4aを備えた生理用ナプキン1a(吸収性物品)において、吸収体4aは、吸収性材料を含有する第1の層41、及びアルキルセルロース誘導体の架橋体と親水性繊維とを含む複合粒子を含有する第2の層42を備えており、第2の層42は、第1の層41の液透過性シート2側の面に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸収性樹脂(例えばポリアクリル酸ナトリウム系高吸収性ポリマー)及び繊維を含む吸収体、並びにこれを備えた吸収性物品が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−319170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の吸収性物品には、吸液速度の向上及びリウエット防止作用の向上の点から改良が求められていた。
そこで、本発明は、優れた吸液速度及びリウエット防止作用を発揮し得る吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、液透過性シート、液不透過性シート、及び液透過性シートと液不透過性シートとの間に設けられた吸収体を備えた吸収性物品であって、吸収体が、吸収性材料を含有する第1の層、及びアルキルセルロース誘導体の架橋体と親水性繊維とを含む複合粒子を含有する第2の層を備えており、第2の層が、第1の層の液透過性シート側の面に設けられている、吸収性物品を提供する。
【0006】
本発明の吸収性物品は、液体の吸収時及び吸収後に下記作用を発揮する。
[吸収時]
本発明の吸収性物品において、液透過性シートを透過した液体は、吸収体の第2の層を通じて吸収体の第1の層に浸透する。
【0007】
吸収体の第2の層には、複合粒子に含まれる親水性繊維同士(同一の複合粒子に含まれる親水性繊維同士及び異なる複合粒子に含まれる親水性繊維同士)が絡み合って形成された空隙が存在しており、この空隙は、吸収体の第2の層から吸収体の第1の層への液体引込み経路として機能する。したがって、液透過性シートを透過した液体は、吸収体の第2の層を通じて吸収体の第1の層に速やかに浸透し、吸収体の第1の層に含有される吸収性材料に吸収される。
【0008】
また、吸収体の第2の層において、複合粒子に含まれる親水性繊維は、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み経路として機能する。したがって、液透過性シートを透過した液体は、吸収体の第2の層を通過する際、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体に速やかに吸収される。
【0009】
なお、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体は、液体を吸収して膨潤し、ゲル粒子を形成するが、複合粒子間に形成された空隙により、ゲル粒子同士の合着が防止される。したがって、ゲル粒子は、液透過性シートを透過した液体が吸収体の第1の層に浸透する際の障壁(ゲルブロッキング)とならない。これにより、液透過性シートを透過した液体が吸収体に浸透せずに溢れ出す現象(オーバーフロー現象)が防止される。
【0010】
このようにして、本発明の吸収性物品は、優れた吸液速度を発揮する。例えば、本発明の吸収性物品は、吸収体に人工経血3mLを吸収させた後、人工経血3mLを1.5mL/秒の滴下速度で滴下したときの吸収時間が10秒以下であるという吸液速度を発揮することができる。
【0011】
[吸収後]
吸収性物品への加圧(例えば、使用者の体重による加圧)により、吸収体の第1の層に吸収された液体が、吸収体の第2の層へ染み出す場合がある。この場合、複合粒子に含まれる親水性繊維が、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み経路として機能し、吸収体の第2の層へ染み出した液体は、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体に速やかに吸収される。
【0012】
また、液透過性シートを透過した液体を吸収して既に膨潤しているアルキルセルロース誘導体の架橋体が、吸収体の第2の層へ染み出した液体を吸収してさらに膨潤することにより、吸収体の第2の層に染み出した液体が液透過性シートへ後戻りする際の障壁となり得るゲル粒子が形成される。
【0013】
したがって、吸収体に吸収された液体が後戻りして液透過性シートから染み出すこと(リウエット)が防止され、吸収性物品の表面ドライ性が確保される。
【0014】
このようにして、本発明の吸収性物品は、優れたリウエット防止作用を発揮する。例えば、本発明の吸収性物品は、吸収体に人工経血6mLを吸収させた後、30g/cm2の加重下で測定される3分間のリウエット量が1.5g以下であるというリウエット防止作用を発揮することができる。
【0015】
さらに、本発明の吸収性物品は、吸収体の第2の層に存在する空隙によって軽量化が可能となる一方、複合粒子に含まれる親水性繊維同士の絡み合いによって強度保持が可能となる。
【0016】
本発明の好ましい態様では、第2の層に含有される複合粒子と、第1の層に含有される吸収性材料との質量比が1:1〜1:4である。
かかる態様によれば、吸収性物品の吸液速度及びリウエット防止作用がさらに向上する。
【0017】
本発明の好ましい態様では、第2の層に含有される複合粒子において、親水性繊維とアルキルセルロース誘導体の架橋体との質量比が1:1〜4:1である。
かかる態様によれば、吸収性物品の吸液速度及びリウエット防止作用がさらに向上する。
【0018】
本発明の好ましい態様では、吸収体が、アルキルセルロース誘導体の架橋体と親水性繊維とを含む複合粒子を含有する第3の層を備えており、第3の層が、第1の層の液不透過性シート側の面に設けられている。
【0019】
吸収体の第3の層には、複合粒子に含まれる親水性繊維同士(同一の複合粒子に含まれる親水性繊維同士及び異なる複合粒子に含まれる親水性繊維同士)が絡み合って形成された空隙が存在しており、この空隙は、吸収体の第1の層から吸収体の第3の層への液体引込み経路として機能する。これにより、吸収体の第1の層に浸透した液体は、吸収体の第1の層に含有される吸収性材料に吸収されるだけでなく、吸収体の第3の層へ速やかに浸透する。
【0020】
また、吸収体の第3の層において、複合粒子に含まれる親水性繊維は、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み経路として機能する。これにより、吸収体の第3の層に浸透した液体は、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体に速やかに吸収される。
【0021】
したがって、かかる態様によれば、吸収体の液体吸収力及び液体保持力の向上により、吸収性物品の吸液速度及びリウエット防止作用がさらに向上する。また、かかる態様によれば、繰り返しの液体吸収に対しても、優れた吸液速度及びリウエット防止作用を発揮する。
【0022】
本発明の好ましい態様では、アルキルセルロース誘導体の架橋体が、アルキルセルロース誘導体及び水を含む混合物に放射線を照射して得られるセルロースハイドロゲルの乾燥物である。
かかる態様によれば、吸収体の第2の層の液体吸収力及び液体保持力の向上により、吸収性物品の吸液速度及びリウエット防止作用がさらに向上する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、優れた吸液速度及びリウエット防止作用を発揮し得る吸収性物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の第1及び第2実施形態に係る生理用ナプキンの平面図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係る生理用ナプキンの断面図(図1のA−A断面図)である。
【図3】図3は、本発明の第2実施形態に係る生理用ナプキンの断面図(図1のA−A断面図)である。
【図4】図4は、カルボキシメチルセルロールの自己架橋体がパルプ繊維で被覆されている複合粒子の電子走査型顕微鏡写真を示す。
【図5】図5は、カルボキシメチルセルロールの自己架橋体の電子走査型顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の吸収性物品の種類及び用途は特に限定されるものではない。吸収性物品としては、例えば、生理用ナプキン、オムツ、パンティーライナー、失禁パッド、汗取りシート等の衛生用品・生理用品が挙げられ、これらはヒトを対象としてもよいし、ペット等のヒト以外の動物を対象としてもよい。本発明の吸収性物品が吸収対象とする液体は特に限定されるものではなく、例えば、使用者の液状排泄物、体液等が挙げられる。
以下、生理用ナプキンを例として、本発明の吸収性物品の実施形態を説明する。
【0026】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る生理用ナプキン1aは、図1及び2に示すように、液透過性シート2と、液不透過性シート3と、液透過性シート2と液不透過性シート3との間に配置された吸収体4aと、吸収体4aを被覆するティッシュ5とを備えている。
【0027】
生理用ナプキン1aは、使用者の液状排泄物(例えば、経血、尿、下り物等)を吸収する目的で、使用者に着用される。この際、液透過性シート2が使用者の肌側に、液不透過性シート3が使用者の着衣(下着)側に位置するように、使用者に着用される。使用者の液状排泄物は、液透過性シート2を通じて吸収体4aに浸透し、吸収体4aで吸収される。吸収体4aに吸収された液状排泄物の漏れは、液不透過性シート3によって防止される。なお、吸収体4aを被覆するティッシュ5は、吸収体4aの崩壊を防止する目的で設けられており、吸収体4aの崩壊を防止する必要がなければ、ティッシュ5を省略してもよい。
【0028】
液透過性シート2は、使用者の液状排泄物が透過し得るシートであり、使用者が生理用ナプキン1aを着用したときの肌触りを向上させる目的で、使用者の肌と接触する面に設けられている。
【0029】
液透過性シート2は、使用者の液状排泄物が透過し得る限り特に限定されるものではない。液透過性シート2としては、例えば、不織布、織布、液体透過孔が形成された合成樹脂フィルム、網目を有するネット状シート等が挙げられるが、これらのうち不織布が好ましい。
【0030】
不織布は、例えば、ウェブ(フリース)を形成し、繊維同士を物理的・化学的に結合させることにより製造することができ、この際、ウェブの形成方法としては、例えば、スパンボンド法、乾式法(カーディング方式、エアレイド方式)、湿式法等を用いることができ、結合方法としては、例えば、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法、スパンレース法等を用いることができる。
【0031】
液透過性シート2の材料、厚み、目付、密度等は、使用者の液状排泄物が透過し得る範囲で適宜設定することができる。液透過性シート2として不織布を用いる場合、不織布を構成する繊維として、例えば、天然繊維(羊毛,コットン等)、再生繊維(レーヨン,アセテート等)、無機繊維(ガラス繊維,炭素繊維等),合成樹脂繊維(ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブチレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリル酸エチル共重合体,エチレン−アクリル酸共重合体,アイオノマー樹脂等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタラート,ポリトリメチレンテレフタラート,ポリ乳酸等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド)等を用いることができる。不織布を構成する繊維は、単一成分で構成されていてもよいし、芯・鞘型繊維、サイド・バイ・サイド型繊維、島/海型繊維等の複合繊維で構成されていてもよい。不織布を構成する繊維の繊度は、好ましくは1.0〜20dtex、さらに好ましくは1.2〜4.4dtexであり、繊維長は、好ましくは5〜75mm、さらに好ましくは25〜51mmである。不織布の目付は、好ましくは10〜100g/m2、さらに好ましくは20〜35g/m2であり、繊維密度は、好ましくは0.001〜0.2g/cm3、さらに好ましくは0.015〜0.08g/cm3である。不織布の3g/cm2加重下における厚みは、好ましくは0.1〜3mmであり、さらに好ましくは0.5〜2mmである。
【0032】
液不透過性シート3は、使用者の液状排泄物が透過し得ないシートであり、吸収体4aに吸収された液状排泄物の漏れを防止する目的で、使用者の着衣(下着)と接触する面に設けられている。液透不過性シート3は、着用時のムレを低減させるために、液不透過性に加えて、通気性を有することが好ましい。
【0033】
液不透過性シート3は、使用者の液状排泄物を透過し得ない限り特に限定されるものではない。液不透過性シート3としては、例えば、防水処理を施した不織布、合成樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等)フィルム、不織布と合成樹脂フィルムとの複合シート等が挙げられる。
【0034】
吸収体4aは、図2に示すように、第1の層41と第2の層42とを備えており、液透過性シート2を透過した液状排泄物が、第2の層42を通じて第1の層41に浸透するように、第2の層42は、第1の層41の液透過性シート2側の面に設けられている。
【0035】
第1の層41は、吸収性材料を含有する。第1の層41は、吸収性材料に加えて、その他の層形成材料を含有してもよい。
【0036】
第1の層41に含有される吸収性材料は、使用者の液状排泄物を吸収し得る限り特に限定されるものではない。吸収性材料としては、例えば、親水性繊維、高吸収性ポリマー(Superabsorbent Polymer:SAP)等が挙げられる。
【0037】
親水性繊維は、親水基(例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アミド基等)を有する限り特に限定されるものではない。親水性繊維としては、例えば、パルプ、綿、麻、レーヨン、キュープラ、アセテート、酢酸セルロース、合成樹脂繊維(例えば、アクリル繊維、親水化処理した合成樹脂繊維等)が挙げられるが、これらのうちパルプが好ましい。
【0038】
高吸収性ポリマーは、架橋構造を有する親水性ポリマーであり、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸塩系、ポリグルタミン酸塩系、ポリアルギン酸塩系、デンプン系、セルロース系等が挙げられるが、これらのうちポリアクリル酸塩系(特に、ポリアクリル酸ナトリウム系)が好ましい。
【0039】
第1の層41に含有される吸収性材料の量は、生理用ナプキン1aが備えるべき特性(例えば吸収性、軽量性等)に応じて適宜調節し得るが、吸収体4a全体の通常50〜99質量%、好ましくは70〜97質量%、さらに好ましくは85〜95質量%である。吸収性材料の含有量がこのような範囲にあると、生理用ナプキン1aの吸収性(吸液速度)及び保液性(リウエット防止作用)の両機能が向上する。
【0040】
第1の層41の厚み、目付、密度等は、生理用ナプキン1aが備えるべき特性(例えば吸収性、軽量性等)に応じて適宜調節し得るが、厚みは、通常1〜10mm、好ましくは2〜8mm、さらに好ましくは3〜7mmであり、目付は、通常20〜1000g/m2、好ましくは50〜800g/m2、さらに好ましくは100〜600g/m2であり、密度は、通常0.002〜1g/cm3、好ましくは0.01〜0.4g/cm3、さらに好ましくは0.02〜0.2g/cm3である。厚み、目付、密度がこのような範囲にあると、生理用ナプキン1aの吸収性(吸液速度)及び保液性(リウエット防止作用)の両機能が向上する。
【0041】
第2の層42は、アルキルセルロース誘導体の架橋体と親水性繊維とを含む複合粒子を含有する。第2の層42は、複合粒子に加えて、その他の層形成材料(例えば、親水性繊維、高吸収性ポリマー(Superabsorbent Polymer:SAP)等)を含有してもよい。
【0042】
第2の層42には、複合粒子に含まれる親水性繊維同士(同一の複合粒子に含まれる親水性繊維同士及び異なる複合粒子に含まれる親水性繊維同士)が絡み合って形成された空隙が存在しており、この空隙は、第2の層42から第1の層41への液体引込み経路として機能する。また、複合粒子に含まれる親水性繊維は、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み経路として機能する。
【0043】
複合粒子の形態は、アルキルセルロース誘導体の架橋体と親水性繊維とを含む限り特に限定されるものではない。複合粒子の形態としては、例えば、アルキルセルロース誘導体の架橋体がコア部を形成し、親水性繊維がコア部を被覆して複合粒子の表面を構成している形態、親水性繊維がアルキルセルロース誘導体の架橋体の外部から内部へ到達している形態等が挙げられる。親水性繊維がアルキルセルロース誘導体の架橋体を被覆して複合粒子の表面を構成することにより、親水性繊維同士が絡み合って形成される空隙の密度が増加し、第2の層42から第1の層41への液体引込み作用が向上する。親水性繊維がアルキルセルロース誘導体の架橋体の外部から内部に到達することにより、親水性繊維からアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み作用が向上する。
【0044】
複合粒子の粒径は、複合粒子に含まれる親水性繊維同士が絡み合っているため特定し難いが、複合粒子の粒径は、通常50〜2000μm、好ましくは100〜1500μm、さらに好ましくは200〜1000μmである。このような粒径を有する複合粒子は、液透過性シート2を透過した液状排泄物が第1の層41に浸透する際の障壁(ゲルブロッキング)となり難いとともに、液状排泄物の吸液性能に優れる。
【0045】
なお、複合粒子の粒径は、所定粒径に対応するメッシュのふるいを通過させる方法で測定された粒径である。
【0046】
第2の層42に含有される複合粒子の量は、生理用ナプキン1aが備えるべき特性(例えば吸収性、軽量性等)に応じて適宜調節し得るが、第2の層42の通常10〜80質量%、好ましくは20〜65質量%、さらに好ましくは25〜50質量%である。複合粒子の含有量がこのような範囲にあると、生理用ナプキン1aの吸収性(吸液速度)及び保液性(リウエット防止作用)の両機能が向上する。
【0047】
第2の層42に含有される複合粒子と、第1の層41に含有される吸収性材料との質量比は特に限定されるものではないが、好ましくは1:1〜1:4、さらに好ましくは1:2〜1:3である。両者の質量比がこのような範囲にあると、生理用ナプキン1aの吸収性(吸液速度)及び保液性(リウエット防止作用)の両機能が向上する。
【0048】
第2の層42の厚み、目付、密度等は、生理用ナプキン1aが備えるべき特性(例えば吸収性、軽量性等)に応じて適宜調節し得るが、厚みは、通常1〜10mm、好ましくは2〜8mm、さらに好ましくは3〜7mmであり、目付は、通常20〜1000g/m2、好ましくは50〜800g/m2、さらに好ましくは100〜600g/m2であり、密度は、通常0.002〜1g/cm3、好ましくは0.01〜0.4g/cm3、さらに好ましくは0.02〜0.2g/cm3である。厚み、目付、密度がこのような範囲にあると、生理用ナプキン1aの吸収性(吸液速度)及び保液性(リウエット防止作用)の両機能が向上する。
【0049】
複合粒子において、親水性繊維とアルキルセルロース誘導体の架橋体との質量比は特に限定されるものではないが、好ましくは1:1〜4:1、さらに好ましくは1:1〜3:1である。両者の質量比がこのような範囲にあると、生理用ナプキン1の吸収性(吸液速度)及び保液性(リウエット防止作用)が向上する。なお、アルキルセルロース誘導体の架橋体の質量比が大きくなると、第2の層42の吸液量・保液量が増加する一方、第2の層42から第1の層41への液体引込み作用、及び親水性繊維からアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み作用が減少する。また、親水性繊維の質量比が大きくなると、第2の層42から第1の層41への液体引込み作用、及び親水性繊維からアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み作用が増加する一方、第2の層42の吸液量・保液量が減少する。したがって、親水性繊維とアルキルセルロース誘導体の架橋体との質量比は、これらを勘案して適宜設定される。
【0050】
複合粒子に含まれる親水性繊維は、親水基(例えば、ヒドロキシル基,アミノ基,カルボキシル基,アミド基等)を有する限り特に限定されるものではない。親水性繊維としては、例えば、パルプ、綿、麻、レーヨン、キュープラ、アセテート、酢酸セルロース、合成樹脂繊維(例えば、アクリル繊維、親水化処理した合成樹脂繊維等)が挙げられるが、これらのうちパルプが好ましい。
【0051】
複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体は、使用者の液状排泄物を吸収して膨潤し得る限り特に限定されるものではない。アルキルセルロース誘導体の架橋体としては、例えば、アルキルセルロース誘導体の自己架橋体、架橋剤による架橋体等が挙げられるが、これらのうちアルキルセルロース誘導体の自己架橋体が好ましい。
【0052】
アルキルセルロース誘導体の自己架橋体としては、例えば、アルキルセルロース誘導体及び水を含む混合物に放射線を照射して得られるセルロースハイドロゲル又はその乾燥物が挙げられるが、これらのうちセルロースハイドロゲルの乾燥物が好ましい。なお、カルボキシメチルセルロース等のアルキルセルロース誘導体に、水の存在下で放射線を照射すると、水から生じたヒドロキシラジカルが生成し、このラジカルを介して自己架橋が進行すると考えられる。
【0053】
アルキルセルロース誘導体としては、例えば、セルロースのヒドロキシル基の水素が、非置換又は置換アルキル基で置換されたものが挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜3であり、置換アルキル基は、例えば、カルボキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基等である。
【0054】
アルキルセルロース誘導体には、塩も含まれる。塩としては、例えば、アルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられるが、これらのうちアルカリ金属塩(特にナトリウム塩)が好ましい。
【0055】
アルキルセルロース誘導体の平均重合度は、通常10〜7000、好ましくは50〜6000、さらに好ましくは200〜4000であり、平均エーテル化度(セルロースのヒドロキシル基の水素を非置換又は置換アルキル基で置換する置換度)は、通常0.5以上、好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1.0以上であり、最大3である。平均エーテル化度がこのような範囲にあると、十分な架橋形成が可能となる。
【0056】
好ましいアルキルセルロース誘導体は、アルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース又はそれらの塩である。カルボキシメチルセルロース等の生分解可能なアルキルセルロース誘導性は、水洗廃棄又は土中廃棄した場合、速やかに生分解する。したがって、廃棄時に焼却の必要性がなく、CO2の排出を低減することができる。
【0057】
アルキルセルロースは、セルロースのヒドロキシル基の水素が、メチル基、エチル基、プロピル基で一部置換されたものである。好ましいアルキルセルロースは、メチルセルロース又はエチルセルロースである。アルキルセルロースのアルキルエーテル化度は、通常66%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは33%以下である。アルキルセルロースのヒドロキシル基のうちアルカリ金属塩を形成する比率は、通常40%以上、好ましくは50%以上である。このような比率であると、均一な混合物又は水溶液を形成しやすい。塩を形成する比率の上限は100%である。
【0058】
カルボキシアルキルセルロースは、セルロースのヒドロキシル基の水素が、カルボキシアルキル基(例えば、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基等)で置換されたものである。好ましいカルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース又はカルボキシエチルセルロースである。カルボキシアルキルセルロースのカルボキシル基のうちアルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩を形成する比率は、好ましくは20%以上、さらに好ましくは40%以上である。このような比率であると、均一な混合物又は水溶液を形成しやすい。塩を形成する比率の上限は100%である。
【0059】
ヒドロキシアルキルセルロースは、セルロースのヒドロキシル基に、例えば、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等)を付加させて得られるものであり、セルロースのヒドロキシル基の水素は、例えば、ヒドロキシエチル(−C24OH)基、ヒドロキシイソプロピル基(−C36OH)若しくはヒドロキシ−n−プロピル基(−C36OH)、又はそれらのヒドロキシ末端にさらにアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等)1〜10分子が付加して形成されるポリオキシアルキレンエーテル基で置換される。好ましいヒドロキシアルキルセルロースは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒドロキシエチルメチルセルロースである。ヒドロキシアルキルセルロースのヒドロキシル基のうちアルカリ金属塩を形成する比率は、通常20%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。このような比率であると、均一な混合物又は水溶液を形成しやすい。塩を形成する比率の上限は100%である。
【0060】
アルキルセルロース誘導体として、市販品を用いてもよいし、常法に従って製造したものを用いてもよい。
【0061】
アルキルセルロースは、例えば、アルカリセルロースとアルキルクロライド又はジアルキル硫酸との反応により製造することができる。例えば、メチルセルロースは、アルカリセルロースとメチルクロライド又はジメチル硫酸との反応により、エチルセルロースは、アルカリセルロースとエチルクロライド又はジエチル硫酸との反応により製造することができる。
【0062】
カルボキシアルキルセルロースは、スラリー法(高液倍率法)、ニーダー法(低液倍率法)等の常法に従って製造することができる。例えば、セルロースとアルカリとを反応させてアルカリセルロースを生成させた後、アルカリセルロースとモノクロロ酢酸と反応させてカルボキシメチルセルロースを生成することができ、アルカリセルロースとアクリル酸エステルと反応させた後、エステルの加水分解によりカルボキシエチルセルロースを製造することができる。
【0063】
ヒドロキシアルキルセルロースは、例えば、セルロースのヒドロキシル基とアルキレンオキシドとの反応により製造することができる。例えば、ヒドロキシエチルセルロースは、エチレンオキシドを、ヒドロキシプロピルセルロースは、プロピレンオキシドを、それぞれセルロースのヒドロキシル基に反応させることにより製造することができる。これらに、さらにアルキレンオキシドを反応させてもよい。例えば、エチルヒドロキシエチルセルロースは、ヒドロキシエチルセルロースに、さらにエチレンオキシドを反応させることにより製造することができる。
【0064】
アルキルセルロース誘導体の自己架橋体であるセルロースハイドロゲルは、例えば、アルキルセルロース誘導体及び水を含む混合物に放射線を照射することにより製造することができる。
【0065】
アルキルセルロース誘導体と混合する水としては、例えば、市水、工業用水、脱気水、脱イオン水、ゲルろ過水、蒸留水等が挙げられるが、酸素、イオン等を含まない水が好ましい。
【0066】
アルキルセルロース誘導体と水との混合物中のアルキルセルロース誘導体の割合は、好ましくは10〜80重量%である。アルキルセルロース誘導体の割合が10重量%よりも小さいと十分に架橋しない可能性があり、アルキルセルロース誘導体の割合が80重量%よりも大きいとアルキルセルロース誘導体の分解が多くなる可能性がある。
【0067】
アルキルセルロース誘導体と水との混合状態は、アルキルセルロース誘導体が水分として含有する状態でも、糊状のペーストであっても、水溶液であってもよいが、できる限り均一な状態が好ましい。
【0068】
アルキルセルロース誘導体及び水を含む混合物に照射する放射線としては、例えば、α線、β線、γ線、X線、電子線、紫外線等が挙げられるが、これらのうちγ線、電子線又はX線が好ましい。放射線の照射量は、γ線換算で、通常0.1〜50kGy、好ましくは0.3〜20kGy、さらに好ましくは0.5〜10kGyである。放射線の照射量が0.1kGy未満では十分に架橋しない可能性があり、50kGyを越えると架橋が進みすぎる可能性がある。
【0069】
放射線照射は、好ましくは、酸素の非存在下で行われる。放射線照射が酸素の非存在下で行われると、架橋効率が向上する(すなわち、低放射線量での架橋が可能となる)一方、酸素の存在下で行われると、アルキルセルロース誘導体が酸化分解する比率が多くなる。
【0070】
アルキルセルロース誘導体及び水を含む混合物に放射線を照射して得られるセルロースハイドロゲルは、アルキルセルロース誘導体の自己架橋体(三次元網目構造)の内部に水が取り込まれたゲルである。セルロースハイドロゲルのゲル分率は、通常1〜70%、好ましくは3〜50%、さらに好ましくは5〜40%である。セルロースハイドロゲルのゲル分率が1%未満では架橋が不十分である一方、70%を越えると架橋が進みすぎ、いずれも吸液性が不十分となる。
【0071】
なお、ゲル分率は、生成物を多量(例えば生成物の10〜100倍)の蒸留水中に48時間浸漬した後、20メッシュのステンレス金網でろ過した時の不溶分の割合であり、次式により求められる。
ゲル分率(%)=(W2/W1)×100(ここで、W1は使用したアルキルセルロース誘導体の乾燥重量を表し、W2は架橋生成物のろ過後の不溶分の乾燥重量を表す。)
【0072】
セルロースハイドロゲルの乾燥物は、乾燥機(恒温乾燥機等)等の適当な装置を用いてセルロースハイドロゲルを乾燥することにより製造することができる。乾燥は、大気下、酸素雰囲気下、不活性雰囲気(例えばヘリウム、アルゴン、窒素等)下等で行うことができる。また、乾燥は、大気圧下、減圧下、加圧下等で行うことができる。乾燥は、自然乾燥であってもよい。乾燥温度は、通常20〜100℃、好ましくは30〜80℃であり、乾燥時間は、乾燥温度に応じて適宜調節することができる。乾燥温度がこのような範囲にあると、熱分解による劣化を生じさせることなく、セルロースハイドロゲルを乾燥することができる。
【0073】
セルロースハイドロゲル又はその乾燥物と親水性繊維とを含む複合粒子は、例えば、セルロースハイドロゲルを切断しながら又は切断した後、セルロースハイドロゲルと親水性繊維とを含む混合物を調製し、これを乾燥させることによって製造することができる。
【0074】
セルロースハイドロゲルと親水性繊維とを混合する際、セルロースハイドロゲルを切断しながらセルロースハイドロゲルと親水性繊維とを混合するのが好ましい。これにより、親水性繊維が、セルロースハイドロゲル粒子の外部から内部に到達するとともに、セルロースハイドロゲル粒子を被覆する。このような混合を行う装置としては、例えば、粉砕カッターを備え、その粉砕カッターを回転させることによって粉砕を行う粉砕機が挙げられる。そのような粉砕機には、例えば、大阪ケミカル(株)製のWonder crush/mil D3V-10、(株)レッチェ社製のグラインドミックスGM200等がある。
【0075】
セルロースハイドロゲルと親水性繊維とを混合するときの、セルロースハイドロゲルと親水性繊維との質量比は、好ましくは1:1〜1:4、より好ましく1:1〜1:3である。アルキルセルロース誘導体の架橋体の混合比が大きくなると、第2の層42の吸液量・保液量が増加する一方、第2の層42から第1の層41への液体引込み作用、及び親水性繊維からアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み作用が減少する。また、親水性繊維の混合比が大きくなると、第2の層42から第1の層41への液体引込み作用、及び親水性繊維からアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み作用が増加する一方、第2の層42の吸液量・保液量が減少する。したがって、親水性繊維とアルキルセルロース誘導体の架橋体との混合比は、これらを勘案して適宜設定される。
【0076】
セルロースハイドロゲルの切断によって形成されるゲル粒子の粒径は、通常50〜2000μm、好ましくは100〜1500μm、さらに好ましくは200〜1000μmである。このような粒径を有するゲル粒子又はその乾燥物を用いて作製された複合粒子は、液透過性シート2を透過した液状排泄物が第1の層41に浸透する際の障壁(ゲルブロッキング)となり難いとともに、液状排泄物の吸液性能に優れる。
【0077】
生理用ナプキン1aは、使用者の液状排泄物の吸収時及び吸収後に下記作用を発揮する。
【0078】
[吸収時]
液透過性シート2を透過した液状排泄物は、吸収体4aの第2の層42を通じて吸収体4aの第1の層41に浸透する。
【0079】
吸収体4aの第2の層42には、複合粒子に含まれる親水性繊維同士(同一の複合粒子に含まれる親水性繊維同士及び異なる複合粒子に含まれる親水性繊維同士)が絡み合って形成された空隙が存在しており、この空隙は、吸収体4aの第2の層42から吸収体4aの第1の層41への液体引込み経路として機能する。したがって、液透過性シート2を透過した液状排泄物は、吸収体4aの第2の層42を通じて吸収体4aの第1の層41に速やかに浸透し、吸収体4aの第1の層41に含有される吸収性材料に吸収される。
【0080】
また、複合粒子に含まれる親水性繊維は、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み経路として機能する。したがって、液透過性シート2を透過した液状排泄物は、吸収体4aの第2の層42を通過する際、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体に速やかに吸収される。
【0081】
なお、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体は、液状排泄物を吸収して膨潤し、ゲル粒子を形成するが、複合粒子間に形成された空隙により、ゲル粒子同士の合着が防止される。したがって、ゲル粒子は、液透過性シート2を透過した液状排泄物が吸収体4aの第1の層41に浸透する際の障壁(ゲルブロッキング)とならない。
【0082】
このようにして、生理用ナプキン1は、優れた吸液速度を発揮する。例えば、生理用ナプキン1は、吸収体4aに人工経血3mLを吸収させた後、人工経血3mLを1.5mL/秒の滴下速度で滴下したときの吸収時間が10秒以下であるという吸液速度を発揮することができる。
【0083】
[吸収後]
生理用ナプキン1への加圧(例えば、使用者の体重による加圧)により、吸収体4aの第1の層41に吸収された液状排泄物が、吸収体4aの第2の層42へ染み出す場合がある。この場合、複合粒子に含まれる親水性繊維が、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み経路として機能し、吸収体4aの第2の層42へ染み出した液状排泄物は、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体に速やかに吸収される。
【0084】
また、液透過性シート2を透過した液状排泄物を吸収して既に膨潤しているアルキルセルロース誘導体の架橋体が、吸収体4aの第2の層42へ染み出した液状排泄物を吸収してさらに膨潤することにより、吸収体4aの第2の層42に染み出した液状排泄物が液透過性シート2へ後戻りする際の障壁となり得るゲル粒子が形成される。
【0085】
したがって、吸収体4aに吸収された液状排泄物が後戻りして液透過性シート2から染み出すこと(リウエット)が防止され、生理用ナプキン1の表面ドライ性が確保される。
【0086】
このようにして、生理用ナプキン1は、優れたリウエット防止作用を発揮する。例えば、生理用ナプキン1は、吸収体4aに人工経血6mLを吸収させた後、30g/cm2の加重下で測定される3分間のリウエット量が1.5g以下であるというリウエット防止作用を発揮することができる。
【0087】
さらに、生理用ナプキン1は、吸収体4aの第2の層42に存在する空隙によって軽量化が可能である一方、複合粒子に含まれる親水性繊維同士の絡み合いによって強度保持が可能である。
【0088】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る生理用ナプキン1bは、図1及び3に示すように、液透過性シート2と、液不透過性シート3と、液透過性シート2と液不透過性シート3との間に配置された吸収体4bと、吸収体4bを被覆するティッシュ5とを備えている。なお、生理用ナプキン1bにおいて、生理用ナプキン1aと同一の部分及び部材は、生理用ナプキン1aと同一の符号で表されており、必要がある場合を除き、その説明を省略する。
【0089】
吸収体4bは、図3に示すように、第1の層41及び第2の層42に加えて、第3の層43を備えており、第3の層43は、第1の層41の液不透過性シート3側の面に設けられている。
【0090】
第3の層43は、アルキルセルロース誘導体の架橋体と親水性繊維とを含む複合粒子を含有する。第3の層43は、複合粒子に加えて、その他の層形成材料(例えば、親水性繊維、高吸収性ポリマー(Superabsorbent Polymer:SAP)等)を含有してもよい。
【0091】
第3の層に含有される複合粒子は、第2の層に含有される複合粒子と同様である。
【0092】
第3の層43には、複合粒子に含まれる親水性繊維同士(同一の複合粒子に含まれる親水性繊維同士及び異なる複合粒子に含まれる親水性繊維同士)が絡み合って形成された空隙が存在しており、この空隙は、第1の層41から第3の層43への液体引込み経路として機能する。また、複合粒子に含まれる親水性繊維は、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み経路として機能する。
【0093】
第3の層43に含有される複合粒子の量は、生理用ナプキン1bが備えるべき特性(例えば吸収性、軽量性等)に応じて適宜調節し得るが、第3の層43の通常10〜80質量%、好ましくは20〜65質量%、さらに好ましくは25〜50質量%である。複合粒子の含有量がこのような範囲にあると、生理用ナプキン1bの吸収性(吸液速度)及び保液性(リウエット防止作用)の両機能が向上する。
【0094】
第3の層43の厚み、目付、密度等は、生理用ナプキン1bが備えるべき特性(例えば吸収性、軽量性等)に応じて適宜調節し得るが厚みは、通常1〜10mm、好ましくは2〜8mm、さらに好ましくは3〜7mmであり、目付は、通常20〜1000g/m2、好ましくは50〜800g/m2、さらに好ましくは100〜600g/m2であり、密度は、通常0.002〜1g/cm3、好ましくは0.01〜0.4g/cm3、さらに好ましくは0.02〜0.2g/cm3である。厚み、目付、密度がこのような範囲にあると、生理用ナプキン1bの吸収性(吸液速度)及び保液性(リウエット防止作用)の両機能が向上する。
【0095】
生理用ナプキ1bは、生理用ナプキン1aの作用に加え、下記作用を発揮する。
吸収体4bの第3の層43には、複合粒子に含まれる親水性繊維同士(同一の複合粒子に含まれる親水性繊維同士及び異なる複合粒子に含まれる親水性繊維同士)が絡み合って形成された空隙が存在しており、この空隙は、吸収体4bの第1の層41から吸収体4bの第3の層43への液体引込み経路として機能する。これにより、吸収体4bの第1の層41に浸透した液状排泄物は、吸収体4bの第1の層41に含有される吸収性材料に吸収されるだけでなく、吸収体4bの第3の層43へ速やかに浸透する。
【0096】
また、吸収体4bの第3の層43において、複合粒子に含まれる親水性繊維は、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み経路として機能する。これにより、吸収体4bの第3の層43に浸透した液状排泄物は、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体に速やかに吸収される。
【0097】
このように、吸収体4bの液体吸収力及び液体保持力は向上している。したがって、生理用ナプキン1bは、優れた吸液速度及びリウエット防止作用を発揮する。また、生理用ナプキン1bは、繰り返しの液体吸収に対しても、優れた吸液速度及びリウエット防止作用を発揮する。
【0098】
生理用ナプキン1a,1bには、種々の変更を加えることができる。
例えば、生理用ナプキン1a,1bにおいて、液透過性シート2と吸収体4a,4bとの間に、使用者の液状排泄物が透過し得る中間層を設けることができる。また、液不透過性シート3と吸収体4a,4bとの間に、使用者の液状排泄物が透過し得る又は透過し得ない中間層を設けることができる。
【実施例】
【0099】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0100】
〔実施例1〜9及び比較例1〜4〕
(1)実施例品1の作製
カルボキシメチルセルロールナトリウム(ダイセル化学工業製 品番:1380)とイオン交換水とを混合して、カルボキシメチルセルロール(CMC)濃度が20重量%のペーストを調製した。ペーストにγ線を10kGy照射して、カルボキシメチルセルロールハイドロゲル(以下「CMCゲル」という)を調製した。はさみで1cm角に切断したCMCゲル50gと、パルプ繊維10gとを粉砕機((株)レッチェ社製のグラインドミックスGM200)に投入し(投入したCMCゲルとパルプ繊維との重量比は1:1)、30秒間、粉砕(粉砕粒径:850μm)及び混合した後、60℃の温風で乾燥し、複合材料1を調製した。
【0101】
複合材料1の電子走査型顕微鏡(SEM)写真を図4に示す。図4に示すように、複合材料1には、放射線の照射によるCMC架橋体がパルプ繊維で被覆された複合粒子が多数含まれており、複合粒子からヒゲ状に突出したパルプ繊維同士(同一の複合粒子から突出したパルプ繊維同士又は異なる複合粒子から突出したパルプ繊維同士)が絡み合って形成された空隙が存在していた。
【0102】
なお、参考として、パルプ繊維を混合することなくCMCゲル単体を粉砕し、乾燥させて得られた材料の電子走査型顕微鏡(SEM)写真を図5に示す。図4に示す複合粒子において、図5に示されるCMC架橋体がコア部を形成し、パルプ繊維がコア部を被覆して複合粒子の表面を構成しており、パルプ繊維はCMC架橋体の外部から内部へ到達していると考えられる。
【0103】
5.3gのパルプ繊維で第1の層を形成し、第1の層の上に2.7gの複合材料1で第2の層を形成して吸収体を作製し、吸収体をティッシュ(ユニ・チャーム国光ノンウーブン社製、目付:16g/m2)で覆った後、吸収体の第2の層側に不織布(ユニ・チャーム国光ノンウーブン社製、目付:30g/m2)を、吸収体の第1の層側に防水性フィルム(材質:ポリエチレン、三井化学社製エスポアール)を配置して、吸収性物品サンプル(実施例品1)を作製した。実施例品1の特性は、表1に示す通りである。
【0104】
(2)実施例品2の作製
4.0gのパルプ繊維で吸収体の第1の層を形成し、4.0gの複合材料1で吸収体の第2の層を形成した点を除き、実施例1と同様にして吸収性物品サンプル(実施例品2)を作製した。実施例品2の特性は、表1に示す通りである。
【0105】
(3)実施例品3の作製
6.4gのパルプ繊維で吸収体の第1の層を形成し、1.6gの複合材料1で吸収体の第2の層を形成した点を除き、実施例1と同様にして吸収性物品サンプル(実施例品3)を作製した。実施例品3の特性は、表1に示す通りである。
【0106】
(4)実施例品4の作製
4.0gのパルプ繊維で吸収体の第1の層を形成し、2.0gの複合材料1で吸収体の第2の層を形成した点を除き、実施例1と同様にして吸収性物品サンプル(実施例品4)を作製した。実施例品4の特性は、表1に示す通りである。なお、実施例品4の吸収体は、実施例品1の吸収体よりも総重量が25%少ない。
【0107】
(5)実施例品5の作製
投入したCMCゲルとパルプ繊維との重量比を1:2とした点を除き、実施例1と同様にして複合材料2を調製し、複合材料2を用いて、実施例1と同様にして吸収性物品サンプル(実施例品5)を作製した。実施例品5の特性は、表1に示す通りである。
【0108】
(6)実施例品6の作製
投入したCMCゲルとパルプ繊維との重量比を1:3とした点を除き、実施例1と同様にして複合材料3を調製し、複合材料3を用いて、実施例1と同様にして吸収性物品サンプル(実施例品6)を作製した。実施例品6の特性は、表1に示す通りである。
【0109】
(7)実施例品7の作製
投入したCMCゲルとパルプ繊維との重量比を1:4とした点を除き、実施例1と同様にして複合材料4を調製し、複合材料4を用いて、実施例1と同様にして吸収性物品サンプル(実施例品7)を作製した。実施例品7の特性は、表1に示す通りである。
【0110】
(8)実施例品8の作製
投入したCMCゲルとパルプ繊維との重量比を2:1とした点を除き、実施例1と同様にして複合材料5を調製し、複合材料5を用いて、実施例1と同様にして吸収性物品サンプル(実施例品8)を作製した。実施例品8の特性は、表1に示す通りである。
【0111】
(9)実施例品9の作製
4.0gのパルプ繊維で第1の層を形成し、第1の層の上に2.0gの複合材料1で第2の層を形成し、第1の層の下に2.0gの複合材料1で第3の層を形成して吸収体を作製した点を除き、実施例1と同様にして吸収性物品サンプル(実施例品9)を作製した。実施例品9の特性は、表1に示す通りである。
【0112】
(10)比較例品1の作製
0.8gの高吸収性ポリマー(SAP,アクアキープSA60S,住友精化製)と7.2gのパルプ繊維とを撹拌機((株)レッチェ社製のグラインドミックスGM200)に投入し(投入したSAPとパルプ繊維との重量比は1:9)、30秒間、撹拌して、複合材料を調製した。この複合材料で第1の層を形成し、実施例1と同様にして(但し、第2の層は形成しない)、吸収性物品サンプル(比較例品1)を作製した。比較例品1の特性は、表1に示す通りである。
【0113】
(11)比較例品2の作製
8.0gのパルプ繊維で第1の層を形成し、実施例1と同様にして(但し、第2の層は形成しない)、吸収性物品サンプル(比較例品2)を作製した。比較例品2の特性は、表1に示す通りである。
【0114】
(12)比較例品3の作製
1.7gの複合材料1で第1の層を形成し、第1の層の上に5.3gのパルプ繊維で第2の層を形成し、実施例1と同様にして吸収性物品サンプル(比較例品3)を作製した。比較例品3の特性は、表1に示す通りである。
【0115】
(13)比較例品4の作製
0.8gの高吸収性ポリマー(SAP,アクアキープSA60S,住友精化製)と、パルプ繊維を2重量%のCMC水溶液に浸漬した後、脱液・乾燥させ、パルプ繊維に対して3重量%のCMCを付着させたもの7.2gとを撹拌機((株)レッチェ社製のグラインドミックスGM200)に投入し(投入したSAPとパルプ繊維との重量比は1:9)、30秒間、撹拌して、複合材料を調製した。この複合材料で第1の層を形成し、実施例1と同様にして(但し、第2の層は形成しない)、吸収性物品サンプル(比較例品4)を作製した。比較例品4の特性は、表1に示す通りである。
【0116】
(14)実施例品1〜9及び比較例品1〜4の評価試験
実施例品1〜9及び比較例品1〜4に関し、吸収時間及びリウエット量を、以下のようにして測定した。
【0117】
<吸収時間>
直径3cmのプラスチックシャーレに吸収性物品を設置し、その表面(不織布)に、人工経血3mLを1.5mL/秒の滴下速度で滴下した。吸収性物品の表面から人工経血がなくなるまでの時間を測定し、これを吸収時間1とした。
吸収時間1の測定後、1分間放置し、吸収性物品の上層(不織布)に再度人工経血3mLを1.5mL/秒の滴下速度で滴下した。吸収性物品の表面から人工経血がなくなるまでの時間を測定し、これを吸収時間2とした。
【0118】
<リウエット量>
吸収時間2の測定後(すなわち、吸収体に人工経血6mLを吸収させた後)、2分間放置し、吸収性物品の表面(不織布)に濾紙(35×50mm)を載せ、30g/cm2の加重が濾紙にかかるように、濾紙の上に重しを載せた。重しを載せてから3分経過後、濾紙の重量を測定し、吸収性物品の表面に載せる前の濾紙の重量に対する増量分をリウエット量とした。
【0119】
なお、人工経血は、以下のように作製した。
ポリ容器Aにグリセリン(和光純薬工業(株)製 和光一級)320±2gを入れ、さらにカルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)(和光純薬工業(株)製 化学用)32.0±0.3gを添加し、攪拌機で回転数約600rpmで10分間攪拌し、溶液Aを調製した。次に、別のポリ容器Bに入れたイオン交換水3リットルを攪拌機(HSIANGTAIMACHINERY INDUSTRY CO.LTD.製)で回転数約1100rpmで攪拌しながら先に調製した溶液Aを少量ずつ添加した。さらに、イオン交換水1リットルでポリ容器Aを洗浄しながら添加した。このようにして得られた溶液Bに、塩化ナトリウム(NaCl)(和光純薬工業(株)製 試薬特級)40gと炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)(和光純薬工業(株)製 和光一級)16gを攪拌しながら少量ずつ添加し、添加を終えた後、約3時間攪拌した。次いで、上記調整して得られた溶液Cに、食用色素製剤(光洋プロダック(株)製):赤色102号を32g、赤色2号を8g、黄色5号を8g攪拌しながら添加して、その後約1時間攪拌して人工経血を得た。得られた人工経血の粘度を粘度測定器(芝浦システム社製 ビスメトロン 型式VGA−4)で測定すると、22〜26mPa・sであった。
【0120】
実施例品1〜9及び比較例品1〜4の試験結果を表1に示す。
【0121】
【表1】

【0122】
以下、表1に示す試験結果を考察する。
<考察1>
表1に示すように、実施例品1〜9の吸収時間1は、比較例品1〜4の吸収時間1と同程度であった。これは、下記理由に基づくと考えられる。
【0123】
複合材料1〜5には、放射線の照射によるカルボキシメチルセルロールの自己架橋体(コア部)がパルプ繊維で被覆された多数の複合粒子が含まれており、複合粒子からヒゲ状に突出したパルプ繊維同士が絡み合って形成された空隙が存在している(図4参照)。この空隙が、吸収体の第2の層から吸収体の第1の層への液体引込み経路として機能していると考えられる。
【0124】
また、複合材料1〜5において、パルプ繊維は、カルボキシメチルセルロースの自己架橋体(コア部)の外部から内部へ到達しており(図4参照)、カルボキシメチルセルロースの自己架橋体(コア部)への液体引込み経路として機能していると考えられる。
【0125】
したがって、不織布を透過した人工経血の大部分は、吸収体の第2の層を通じて吸収体の第1の層に速やかに浸透し、第1の層に含有されるパルプ繊維に吸収されるとともに、不織布を透過した人工経血の一部は、吸収体の第2の層を通過する際、カルボキシメチルセルロースの自己架橋体(コア部)に速やかに吸収されると考えられる。
【0126】
なお、カルボキシメチルセルロースの自己架橋体(コア部)が人工経血を吸収すると、膨潤してゲル粒子が形成されるが、複合粒子間に形成された空隙により、ゲル粒子同士の合着が防止されると考えられる。したがって、ゲル粒子は、不織布を透過した人工経血が吸収体の第1の層に浸透する際の障壁(ゲルブロッキング)とならないと考えられる。
【0127】
<考察2>
表1に示すように、実施例品1〜7及び9の吸収時間2は、実施例品8の吸収時間2よりも短く(すなわち、吸収速度が速く)、比較例品1〜4の吸収時間2と同程度又はそれよりも短かった。この結果より、複合材料において、パルプ繊維とCMC架橋体との重量比を1:1〜4:1とすることにより、又は、第2の層に含まれる複合材料と第1の層に含まれるパルプ繊維との重量比を1:1〜1:4とすることにより、吸収速度が向上することが判明した。
【0128】
<考察3>
表1に示すように、実施例品1〜9のリウエット量は、比較例品1〜4のリウエット量と同程度又はそれよりも少なかった。これは、下記理由に基づくと考えられる。
【0129】
吸収性物品の加圧により、吸収体の第1の層に吸収された人工経血が、吸収体の第2の層へ染み出すと、複合粒子に含まれる親水性繊維が、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体への液体引込み経路として機能し、吸収体の第2の層へ染み出した人工経血は、複合粒子に含まれるアルキルセルロース誘導体の架橋体に速やかに吸収されると考えられる。
【0130】
また、不織布を透過した人工経血を吸収して既に膨潤しているアルキルセルロース誘導体の架橋体が、吸収体の第2の層へ染み出した人工経血を吸収してさらに膨潤することにより、吸収体の第2の層に染み出した人工経血が液透過性シートへ後戻りする際の障壁となり得るゲル粒子が形成されると考えられる。
【0131】
このようにして、吸収体に吸収された人工経血が後戻りして不織布から染み出すこと(リウエット)が防止されたと考えられる。
【0132】
<考察4>
表1に示すように、実施例品4の吸収時間1、吸収時間2及びリウエット量は、実施例品1と同程度であった。この結果より、複合材料1〜5を用いることにより、優れた吸液速度及びリウエット防止作用を維持しつつ、軽量化が可能となることが判明した。
【0133】
なお、結果は示さないが、複合材料1〜5を用いることにより、柔らかい触感の吸収性物品を得ることができた。
【符号の説明】
【0134】
1a,1b 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 液透過性シート
3 液不透過性シート
4a,4b 吸収体
41 吸収体の第1の層
42 吸収体の第2の層
43 吸収体の第3の層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性シート、
液不透過性シート、及び
前記液透過性シートと前記液不透過性シートとの間に設けられた吸収体
を備えた吸収性物品であって、
前記吸収体が、
吸収性材料を含有する第1の層、及び
アルキルセルロース誘導体の架橋体と親水性繊維とを含む複合粒子を含有する第2の層を備えており、
前記第2の層が、前記第1の層の前記液透過性シート側の面に設けられている、前記吸収性物品。
【請求項2】
前記第2の層に含有される前記複合粒子と、前記第1の層に含有される前記吸収性材料との質量比が1:1〜1:4である、請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記第2の層に含有される前記複合粒子において、前記親水性繊維と前記アルキルセルロース誘導体の架橋体との質量比が1:1〜4:1である、請求項1又は2記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収体が、アルキルセルロース誘導体の架橋体と親水性繊維とを含む複合粒子を含有する第3の層を備えており、
前記第3の層が、前記第1の層の前記液不透過性シート側の面に設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記アルキルセルロース誘導体の架橋体が、アルキルセルロース誘導体及び水を含む混合物に放射線を照射して得られるセルロースハイドロゲルの乾燥物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収体に人工経血3mLを吸収させた後、人工経血3mLを1.5mL/秒の滴下速度で滴下したときの吸収時間が10秒以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収体に人工経血6mLを吸収させた後、30g/cm2の加重下で測定される3分間のリウエット量が1.5g以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−75094(P2013−75094A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217779(P2011−217779)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】