説明

吸収物質

生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、おむつ、パンツ型おむつ、成人用失禁ガードなど吸収物質であって、少なくとも1つのカプセル(8)が設けられ、カプセル(8)は、脂質相(12)に細菌組成物(11)を含み、好ましくは少なくとも1つの乳酸生成菌株を含む。カプセルの少なくとも一部は少なくとも2mmの最小幅寸法(a)を有する。カプセル(8)は好ましくは、脂質相(12)内に細菌組成物(11)を含むコア(9)、および輸送および保管中にコアが露出されるのを防止するシェル(10)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、おむつ、パンツ型おむつ、成人用失禁ガードなど吸収物質に関する。より詳細には、本発明は、細菌組成物を含む前記物質に関する。本発明はさらに、細菌組成物を含むカプセルの作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
尿性器領域には、50を超える様々な細菌種(非特許文献1)を含む複合微生物生態系が宿る。成熟した女性のこの領域内の優勢種は、ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸生成菌である。こうした乳酸生成菌は、この領域内に健全な微生物フローラを保持するために重要であり、病原菌種に対する拮抗効果を有するプロバイオティクス細菌として働く。乳酸生成菌は、定着に適した場所を占領し、生物膜を形成し、有効な栄養素を得るために競合することによって、他の微生物の成長および定着を妨げ、有害な微生物の定着を排除する。また、過酸化水素、バクテリオシンなど特定の抑制物質、およびpHを下げる(乳酸および酢酸を含む)有機酸の生成により、他の微生物の定着が妨げられる。
【0003】
健康な個人の微生物生態系は、妊娠中またはエストロゲンを含む避妊薬を使用している間、あるいは月経中、閉経後などホルモンの変化が生じている間に、糖尿病を患っている人などの抗生物質の使用によって妨げられることがある。また、微生物が肛門から尿性器領域に広がることによって感染症が起きることもある。その結果、正常な微生物フローラが乱され、個人が、膣炎、尿路感染、および通常の皮膚感染を起こす微生物感染を受けやすくなる。一般にこの種の感染に関連する微生物は、エシェリキア(Escherichia)、エンテロコッカス(Enterococcus)、シュードモナス(Pseudomonas)、プロテウス(Proteus)、クレブシエラ(Klebsiella)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ガードネレラ(Gardnerella)、およびカンジダ(Candida)属に属する。女性は肛門と尿生殖路の間の距離が比較的短いために特に危険な状態にあり、とりわけ尿性器領域のミクロフローラが十分に発達していない若い女性、およびもはや保護性フローラを持たない年配の女性が危険な状態にある。
【0004】
上記の種類の感染症に関する問題を低減する一方法は、良好な個人衛生を有することである。しかし、清浄剤の過剰な使用は、有害な微生物を減少させるだけでなく、有益な微生物フローラを害する可能性もあり、やはり病原種が定着し感染が起きやすくなる。別法として、尿性器領域および皮膚に乳酸生成菌を投与して、病原種を駆逐し、この領域に有益な微生物フローラを再確立し保持やすくすることが、微生物感染を治療し防止する有効な方法であることが判明している。
【0005】
特許文献1により、たとえば非吸湿性油など医薬活性流体担体中に分散された乳酸菌の凍結乾燥濃縮物を含む膣ゼラチンカプセルによる陰門膣の感染症の抑制が知られている。
【0006】
膣内投与のための医薬組成物に使用される乳酸菌のマイクロカプセル化が、特許文献2および特許文献3から知られている。
【0007】
たとえば特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、および特許文献8に記載されているように、乳酸生成菌を、上記のおむつ、生理用ナプキン、失禁ガード、パンティライナー、およびタンポンなど吸収性製品を介して移送できることが示唆されている。
【0008】
乳酸生成菌の移植に使用されることが意図された製品の供給に関する主な問題は、製品の輸送および保管中に細菌が生存力を保持しなければならないことである。乳酸生成菌を含む製品に関する主な問題は、細菌が半湿り状態で急速に生存力を失うことであり、そのために製品を湿気にさらさないことが重要である。
【0009】
「半湿り」状態は、水分活性(a)が約0.2〜0.9であることを指す。水分活性aは、吸湿性製品内に存在する水分によって生成される蒸気圧の程度を示す。
=p/p、ただし、
p:製品の表面の水蒸気の分圧
:製品の温度での純水を超える水蒸気の飽和圧または分圧
【0010】
水分活性は、水分含有の活性部分、または通常の状況下で製品とその周囲の間で交換することができる部分を示す。
【0011】
水分活性は、通常、平衡の静止状態で定義される。こうした状態では、製品の表面の水蒸気(p)の分圧は、製品の周辺の水蒸気の分圧と等しい。製品と周辺の間の水分の交換がこの2つの分圧の差によって行われる。
【0012】
この問題を部分的に解決する一方法は、製品に凍結乾燥乳酸生成菌を供給することであった。しかし、製品の製造後に製品内の細菌が水分から保護されない場合、その後に空気の湿度により細菌が死滅し、こうした製品の保存性が短縮される。乾燥乳酸生成菌の吸収性製品など衛生製品への直接供給に関する他の欠点は、細菌の尿性器領域への移植が低下されることである。
【0013】
乳酸生成菌を含む製品の保存性を低減する空気の湿度に関する問題を克服するため、乳酸生成菌および脂肪または油など疎水物質の分散の調製が示唆されている。研究実験では、無菌ワセリン油で保管すると、8カ月の保管後に高レベルの生存可能な乳酸菌細胞が得られることが判明した(非特許文献2)。しかし、非特許文献3では、鉱油への浸漬は乳酸生成菌の生存力の保存に有効でないことが判明した。特許文献9には、動物への経口投与のための乳酸杆菌(Lactobacilli)とひまわり油の液体懸濁液が記載されている。しかし、上記の参照はどれも、乳酸生成菌の対象者の尿性器領域への投与に使用される衛生製品上の乳酸生成菌の高い生存度の保持に関する問題に関係するものではない。
【0014】
乳酸生成菌と油の組み合わせの追加の例があるが、これらは乳酸生成菌の生存度への油の効果を記載したものではない。特許文献10には、抗菌治療に使用すべき、エミュー油(Emu oil)、抗菌剤、および/またはバチルスコアグランス(Bacillus coagulans)を含む医薬組成物の使用が記載されている。しかし、バチルスコアグランスは、正常な人間の尿性器フローラに自然に発生するものではなく、主に消臭剤として使用され、人の微生物フローラの改善に適合されないものである。バチルスコアグランスは胞子を形成するため、通常の湿気の影響を受けにくい。特許文献11には、吸収性製品に与えるべき分散を調製するための本質的に疎水性の担体および凍結乾燥乳酸生成菌の使用が記載されている。疎水性担体は、主に製造中の吸収性製品への細菌の供給に関する問題を克服するために選択されたものであるが、この担体は細菌を空気の湿気からも保護する。
【0015】
結論として、使用が便利で、細菌が供給される領域への細菌の有効な移植が行われ、細菌細胞の生存度を失わずに長期間保管することができる、乳酸生成菌を尿性器領域に移送するための製品の開発が依然として求められている。
【特許文献1】国際公開第84/04675号パンフレット
【特許文献2】欧州特許第828499号明細書
【特許文献3】国際公開第97/29762号パンフレット
【特許文献4】国際公開第92/13577号パンフレット
【特許文献5】国際公開第97/02846号パンフレット
【特許文献6】国際公開第99/17813号パンフレット
【特許文献7】国際公開第99/45099号パンフレット
【特許文献8】国際公開第00/35502号パンフレット
【特許文献9】米国特許第4,518,696号明細書
【特許文献10】国際公開第01/13956号パンフレット
【特許文献11】国際公開第02/28446号パンフレット
【特許文献12】欧州特許出願公開第035818号明細書
【特許文献13】米国特許第2004/0243076号明細書
【特許文献14】国際公開第98/46261号パンフレット
【非特許文献1】Hill他、Scand.J.Urol.Nephrol.、1984年、86、(付録)23〜29頁
【非特許文献2】Arkadeva他、N A.Nauchnye Doklady Vysshei Shkoly. Biologicheskie Nauki、1983年、2:101〜104頁
【非特許文献3】Stoianova他、Mikrobiologiia、2000年、69:98〜104頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、体液を吸収し、同時にプロバイオティクス乳酸生成菌を皮膚に移送し、より好ましくは尿性器領域に移送するのに適した、生理用ナプキン、タンポン、パンティライナー、おむつ、失禁ガード、衛生ティシューなど衛生製品を提供することである。本発明は、細菌の生存、皮膚への移植、並びに製造のコストおよび効率などに関する問題など、乳酸生成菌を含む製品の提供に関連する問題の克服に関する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の問題は、本発明では、少なくとも1つのカプセルが設けられ、そのカプセルの少なくとも一部が少なくとも2mmの最小幅寸法を有し、前記カプセルが脂質相内に細菌組成物を含む吸収物質によって解決される。上記の種類のカプセル内に細菌を供給することによって、細菌は水分から保護され、大幅に延長された保存性を有する。細菌組成物は、少なくとも1つの乳酸生成菌株を含むことができる。
【0018】
本発明の一態様では、前記カプセルの少なくとも一部は、2〜10mm、好ましくは4〜7mmの最小幅寸法を有する。
【0019】
本発明の他の態様では、前記物質に少なくとも2つのカプセルが設けられ、好ましくは10以下のカプセルが設けられる。
【0020】
一実施形態では、カプセルは物質内に少なくとも5mmの距離をおいて配置される。好ましくは、カプセルは物質の長手方向に間隔をおいて配置される。
【0021】
好ましくは、前記カプセルは、前記脂質相内に前記細菌組成物を含むコア、および輸送および保管中にコアが露出されるのを防止するシェルを備え、コアおよびシェルは異なる材料からなる。
【0022】
前記脂質相がワックスおよび/または油であることがさらに好ましい。
【0023】
本発明の一態様では、ワックスは、植物性ワックス、鉱物性ワックス、動物性ワックス、シリコンワックス、およびその混合物から選択される。適した鉱物性ワックスの一例は、主な成分としてペトロラタム(petrolatum)を含むワックスである。
【0024】
一実施形態では、シェル材料はワックスまたはポリマーである。適したシェル材料の例は、ポリアミド、ポリウレタン、ホルムアルデヒド樹脂、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸、植物性ワックス、鉱物性ワックス、動物性ワックス、シリコンワックス、およびその混合物である。
【0025】
本発明の一態様では、コア材料およびシェル材料は異なる極性を有して、シェルとコアの間の相境界で前記材料があまり混合されないようになされる。
【0026】
本発明の他の態様では、前記少なくとも1つのカプセルが、物質の使用者に面する側面上、あるいは物質の1つまたは複数の層の下に置かれて、乳酸生成菌株が使用者まで浸透することができるようになされる。
【0027】
他の態様では、前記少なくとも1つのカプセルが、物質の使用者に面する側面上に置かれ、剥離可能な材料の層でカバーされ、その層に少なくとも部分的に付着されて、剥離可能な材料の層が除去されると、カプセルのシェルが破裂し、コア材料が露出されるようになされる。
【0028】
本発明は、脂質相内の細菌組成物を含むカプセルの作成方法にも関し、前記カプセルはコアおよびシェルを有し、それぞれコアおよびシェルを形成することが意図された材料が同心の二重ノズルを通して搬送され、それによってコア材料を含む内部相およびシェル材料を含む外部相で構成される液滴が生成され、前記液滴がカプセルを形成する。
【0029】
(定義)
用語「吸収物質」は、使用者の皮膚に接触するように配置されて、尿、大便、および月経液など身体の滲出液を吸収し含む製品を指す。本発明は、主に、使い捨ての吸収物質、すなわち、使用後に洗濯し、または他の方法で吸収物質として復元し再使用することが意図されていない物質に関する。使い捨て吸収物質の例には、生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、および生理用パンティなど女性用衛生製品、幼児および失禁症の成人用おむつおよびパンツ型おむつ、失禁用パッド、おむつインサートなどが含まれる。
【0030】
「プロバイオティクス組成物」または「細菌組成物」は、プロバイオティクス細菌、すなわち宿主の自然の微生物フローラを回復させる能力を有する細菌を含む組成物を指す。本発明によるプロバイオティクス組成物はさらに脂質相を含む。
【0031】
「分散」は、互いに不溶性または溶解限度を有する少なくとも2つの相の混合を指し、1つの相が固体粒子、液滴、または気泡を他の相内に形成する。
【0032】
本発明の目的に好ましい「乳酸生成菌」には、ラクトバチルス、ラクトコッカス(Lactococcus)、およびペディオコッカス(Pediococcus)属からの細菌が含まれる。ラクトコッカスラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトバチルスアシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルスクルヴァトゥス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルスプランタルム(Lactobacillus plantarum)、またはラクトバチルスラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)種から細菌が選択され使用されることが好ましい。より好ましくは、菌株はラクトバチルスプランタルムから選択される。さらに好ましくは、乳酸生成菌はラクトバチルスプランタルム931(deposition No.(DSMZ):11918)である。細菌が健康な人の自然のフローラから隔離されることが好ましく、細菌が皮膚または尿性器領域あるいは口腔から隔離されることが好ましい。
【0033】
「脂質相」は、脂肪性質を有する非水溶性有機相を指す。本発明の脂質相に使用するのに適した脂質には、石油由来の脂質、合成脂質、並びに動物および植物由来の脂質が含まれる。本発明で使用するのに好ましい脂質は、ワックス、油、およびその混合物である。
【0034】
「カプセル」はコアおよびシェルを有する構造を指す。
【0035】
「追加の成分」の例には、限定的ではないが、細菌の乾燥中に細菌細胞を保護する薬剤、細菌の繁殖のための栄養素としての薬剤、および皮膚の手入れ用薬剤が含まれる。適した追加の成分の他の例は以下に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
図1および2は、通常、液体透過性トップシート2、液体不透過性バックシート3、およびその間に包まれた吸収性コア4を備える生理用ナプキン1の一実施形態を示す図である。液体透過性トップシート2は、たとえばスパンボンド、メルトブロー、カード、ハイドロエンタングル(hydroentangle)、ウエットレイド(wetlaid)などの不織材料から構成することができる。適した不織材料は、木材パルプあるいは綿繊維など天然繊維、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビスコースなど化学繊維、または天然繊維と化学繊維の混合物から構成することができる。トップシート材料はさらに、たとえば特許文献12に開示されているように、接着パターンに互いに接着することができるトウ(tow)繊維から構成することもできる。トップシート材料の他の例は、多孔質発泡体、孔あきプラスチックフィルムなどである。トップシート材料として適した材料は、軟らかく、皮膚への刺激がなく、尿または月経液など体液が直ちに浸透するものでなければならない。
【0037】
液体不透過性バックシート3は、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレンのフィルムなど薄いプラスチックフィルム、液体不透過材料がコーティングされた不織材料、液体の浸透を阻止する疎水性不織材料、またはプラスチックフィルムと不織材料の積層からなるものでもよい。バックシート材料は、蒸気を吸収性コアから逃がしながら、液体がバックシート材料を通過するのを阻止することができるように呼吸可能なものでもよい。
【0038】
トップシート2およびバックシート材料3は、吸収性コア4よりも大きく平面に拡張され、吸収性コア4の縁部の外側に延びる。層2および3は、層の突出部分5内で、たとえば接着、または熱あるいは超音波による溶接によって互いに接合される。トップシートおよび/またはバックシートをさらに、接着剤、または熱あるいは超音波による溶接など当技術分野で周知の任意の方法で吸収性コアに取り付けることができる。吸収性コアをトップシートおよび/またはバックシートに取り付けなくてもよい。
【0039】
接着剤領域6の形態の固着手段が、使用の際に使用者から離れる方に面するバックシートの側面上に設けられる。接着部を使用者の下着に剥離可能に取り付けることができる。剥離紙7は接着剤領域を使用前に保護する。接着剤領域6は、細長い、または横方向のストリップ、点、全体的に塗布された領域など任意の適した構成を有することができる。
【0040】
本発明による吸収物質の他の実施形態では、摩擦式留め具、テープタブなど他のタイプの留め具、またはフックとループ式留め具など機械的留め具を使用して物質を使用者の下着または胴の周りに固着することができる。一部の吸収物質は、パンツ形態であるため、特別の固着手段が不要である。他の場合は、吸収物質は、追加の留め具が不要な特別のゴム付きパンツとして着用される。
【0041】
吸収性コア4は任意の従来の種類のものでもよい。一般に存在する吸収性材料の例は、セルロース性フラッフパルプ、組織層、高吸収性ポリマー(いわゆる超吸収剤)、吸収性発泡材料、吸収性不織材料などである。超吸収剤を有するセルロース性フラッフパルプが吸収性コアに組み込まれるのが一般的である。やはり、液体獲得能、液体分配能、および貯蔵能に関して様々な特性を有する様々な材料の層を含む吸収体を有することも一般的である。これは当業者に周知であるため、詳細に記載する必要はない。今日の吸収物質に共通の薄い吸収体は、セルロース性フラッフパルプと超吸収剤の圧縮混合物または層状構造を含むことが多い。吸収性コアのサイズおよび吸収能を変えて、生理用ナプキン、パンティライナー、成人用失禁パッドおよびおむつ、幼児用おむつ、パンツ型おむつなど様々な使用に適合させることができる。
【0042】
理解されるように、上記に記載し図面で示した吸収物質は、単に非限定的な一例を示したものであり、本発明は、この例に限定されることなく、上記に記載した任意のタイプの吸収物質に使用することができる。
【0043】
本発明によれば、乳酸生成菌は、吸収物質内に置かれた場合に細菌の生存を最適化する一定の組成物および寸法を有するカプセル8内に含まれる。このカプセル8を以下にさらに詳細に記載する。
【0044】
各カプセル8は、コア9、および輸送および保管中にコアが露出されるのを阻止する保護シェル10を備える。コア9は、脂質相12と混合された乾燥細菌組成物11を含む。脂質相の疎水性質によって脂質相内に分散された細菌細胞に到達する空気の湿気の量が低減され、それによって細菌が細菌組成物内で生存する時間が延長される。乳酸生成菌の脂質相内への分散は、細菌の皮膚および/または尿性器領域への移植が脂質相を使用しない場合と比較して向上されるさらなる利点がある。製品が使用される場合、脂質相が身体の熱を受けると軟化し、細菌組成物が皮膚に移植される。細菌が皮膚に移送された後に水分と接触状態になると、細菌は再活性化し、成長してプロバイオティクス活動を開始する。
【0045】
特許文献13に記載された接触吸着乾燥担体など、さらなる添加物が細菌組成物内に存在してもよい。「接触吸着担体」は、周囲環境から水分を吸収する能力を有する物質を指す。接触吸収乾燥担体の例には、限定的ではないが、オリゴ、多糖類、および無機剤がある。
【0046】
他の添加物が細菌組成物内に存在してもよい。こうした添加物の例には、限定的ではないが、糖類(たとえば、マルトース、グルコース、スクロース、トレハロース、フルクトース)、たんぱく(たとえば、脱脂乳、アルブミン)、アミノ酸(たとえば、グルタミン酸ナトリウム)、ポリオール(たとえば、キシリトール)、マンニトールおよびソルビトール、pH調整剤(たとえば、乳酸)、および抗酸化剤(たとえば、アスコルビン酸ナトリウム)など、細菌の乾燥中に細菌細胞を保護する薬剤が含まれる。追加の成分には、細菌が皮膚または尿性器領域に移送されてから水分によって活性化された後に細菌の繁殖を向上させる栄養素も含まれる。追加の成分がコアの一部を形成することもできる。適した追加の成分には、たとえばビタミンAおよびEなど脂質可溶性の皮膚の手入れ用物質など、皮膚の手入れ用物質、カモミール油(ビサボロール(Bisabolol))、ユーカリ油、ラベンダー油、およびフィトステロールなど皮膚の手入れ用油も含まれる。追加の成分は、特許文献14による保存マトリクスを含むこともできる。
【0047】
コア9の脂質相12はワックスおよび/または油である。ワックスは、植物性ワックス、鉱物性ワックス、シリコーンワックス、動物性ワックス、およびその混合物から選択されることが好ましい。好ましい鉱物性ワックスは、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、およびその混合物である。好ましいワックスの一例はペトロラタムである。脂質相はワックスと油の混合物でもよい。脂質相の重要な特性は、細菌組成物を脂質相内に温度20〜50℃、好ましくは20〜25℃で分散させることができ、含水量が少なく、4重量%未満、好ましくは2重量%未満であることである。脂質相の融解挙動はさらに重要な要素であり、以下にさらに詳細に論じる。
【0048】
カプセル8のシェル10は、輸送および保管中にコア9が露出されないように保護することができる材料でなければならない。シェル10は、指の間での締め付け、摩擦、体温、体液または水分の影響を受けるようになされるなど、機械的作動力によって、破裂、融解、または溶解してコア9を露出する。シェルの材料はワックスまたはポリマーでもよい。適したシェルの材料の例は、限定的ではないが、ポリアミド、ポリウレタン、ホルムアルデヒド樹脂、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸、ワックス、およびその混合物である。シェルの材料は水溶性または非水溶性でもよい。
【0049】
コアおよびシェルは同じ材料でもよく、コアの表面は架橋反応などによって硬化される。
【0050】
コアおよびシェル材料が異なる極性を有して、相境界で材料の混合があまり生じないようにすることができる。これは、コアおよびシェルがワックス、すなわち同様の材料で作成される場合は特に重要である。
【0051】
カプセル8は、吸収物質のトップシート材料2の使用者に面する側面上、トップシートのすぐ下、またはトップシートに十分接近したトップシートの下に配置されて、細菌組成物がトップシートを通って物質の使用者まで浸透することができるようになされる。物質は、少なくとも1つのカプセル8、好ましくは少なくとも2つのカプセル、より好ましくは互いに一定の距離をおいて配置された2〜10のカプセルを含まなければならない。隣接するカプセル8の間の適した距離bは少なくとも5mmである。カプセル8は、物質の長手方向に間隔をおいて配置されることが好ましい。カプセルの間隔をあけることで、尿性器領域のかなりの部分にわたりプロバイオティクス細菌との接触が確保される。物質の位置付けが物質の変位の影響をあまり受けなくなる。
【0052】
あるいは、カプセルを横方向、または円、四角、形象的なパターン(たとえば花)などパターンに配置して、あまり慎重に物質を位置付けなくてもよいようにすることができる。
【0053】
図5a〜cは、物質の長手方向に間隔をおいて配置された本発明による3つのカプセルが設けられた、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁ガードなどの形態の吸収物質を示す図である。カプセル8はトップシート2の使用者に面する表面上に置かれ、物質が着用される前に剥離紙13でカバーされ(図5a)、剥離紙13にカプセル8がたとえば接着剤で付着される。物質が使用されるときに、剥離紙13が除去されて(図5b)、カプセル8のシェル10が破裂され、細菌組成物を含むコア9が露出される(図5c)。
【0054】
たとえば引き糸をカプセルと一体化し、自由端がカプセルの外側に突き出るようにするなど、当然、カプセルのシェルを機械的に破裂させる幾つかの代替方法がある。引き糸を引くことによって、カプセルが破裂する。
【0055】
カプセル8の寸法は、細菌の良好な生存を確保するために重要である。細菌の生存に関する物質のいわゆる保存性は、少なくとも6カ月であることが望ましく、本発明によれば、良好な細菌の生存を確保するには、カプセルの少なくとも一部の最小幅寸法は少なくとも2mm、好ましくは4〜10mm、より好ましくは4〜8mm、最も好ましくは5〜8mmであることが判明した。本明細書では「最小幅寸法」は、カプセルが最小幅寸法を有する方向、すなわち最も薄い方向の幅寸法として定義される。これが図3a〜eに示されている。図3aは球形カプセルを示し、図3bは円筒形カプセルを示しているが、どちらも実質的に円形の断面を有する。この場合、最小幅寸法aはカプセルの単なる径である。図3cは「平坦な」カプセルを示しており、最小幅寸法aは平坦なカプセルの厚さである。図3dは滴形状のカプセルを示しており、このカプセルは「最小幅寸法」aに相当する径を持つ比較的厚い実質的に球形の部分を有する。図3eは、その長さにわたって変化する幅寸法有するカプセルを示しており、カプセルの少なくとも一部は、主張するように最小幅寸法または厚さaを有する。したがって、カプセルの他の部分は、主張する「最小幅寸法」よりも小さい径を有してもよい。
【0056】
本発明により、いわゆるミクロカプセルの形態のカプセルの小さい最小幅寸法では細菌の生存度が低いことが判明した。特に、3〜6カ月後に、深さ1mmのアルミニウムのウェル内のペトロラタムに分散されたラクトバチルスの細菌生存度は、深さ3〜5mmのアルミニウムのウェル内のペトロラタムに分散されたものよりもかなり低いことが判明した。いずれの場合もウェルの径は17mmであった。この試験が以下の表1に示されている。
【0057】
【表1】

【0058】
(カプセルの調製)
本発明による好ましいカプセルの調製方法を以下に記載する。
【0059】
濃度10〜1015CFU(コロニー形成単位)/ml、好ましくは1010〜1013CFU/mlを有する少なくとも1つの乳酸生成菌株の水懸濁液を調製する。この懸濁液は、接触吸着乾燥担体、栄養素、および/または保護剤など追加の成分を含むこともできる。こうした追加の成分の他の例は上記に記載されている。
【0060】
本発明の乳酸生成菌は、尿性器領域および皮膚への微生物感染の防止および治療の好ましい効果により選択される。細菌が健康な人から隔離されることが好ましく、細菌が健康な人の皮膚または尿性器領域から隔離されることが好ましい。本発明の目的に好ましい「乳酸生成菌」には、ラクトバチルス、ラクトコッカス、およびペディオコッカス属からの細菌が含まれる。細菌が、ラクトコッカスラクティス、ラクトバチルスアシドフィルス、ラクトバチルスクルヴァトゥス、またはラクトバチルスプランタルムから選択されることが好ましい。より好ましくは、選択される細菌はラクトバチルスプランタルム株である。さらに好ましくは、乳酸生成菌はラクトバチルスプランタルム931(deposition No.(DSMZ):11918)である。乳酸生成菌を単独または少なくとも2つの細菌株を含む混合物で供給することができる。
【0061】
懸濁液を任意の以下の技法、対流乾燥法、接触乾燥法を使用して、または電磁放射または凍結乾燥を使用して乾燥させる。本発明に適した対流式乾燥法の例には、噴霧乾燥、噴霧造粒、および流動層乾燥が含まれる。対流式乾燥法に共通の特徴は、暖かい乾燥ガスを製品の周囲に流し、製品に対する熱および物質移動を起こす。対流法では、必要とされる熱および/または乾燥が対流によって湿った製品に移動される。接触乾燥中に、湿った製品は暖かい表面と接触状態に静置され、または撹拌あるいは回転によって暖かい表面と常に新しい接触がもたらされる。電磁放射(赤外線またはマイクロ波放射)による乾燥は、バンド乾燥機または静置支持部を使用し、湿った製品が電磁放射エネルギを受け、その電磁放射エネルギが湿った製品に吸収されるようにする。吸収されたエネルギは、製品を暖める働きをし、それによって湿った製品中の水分が蒸発される。電磁放射を使用する乾燥時間は非常に短い乾燥時間であることが多い。乾燥後、粉末を直接使用することができ、または、たとえば粉砕など精製することができる。
【0062】
その後、プロバイオティクス組成物が調製される。乳酸生成菌および任意選択の追加の成分を含む乾燥細菌組成物が、カプセル8のコア9を形成する脂質相内に分散される。このステップ中に、細菌の繁殖用の栄養素および皮膚の手入れ用物質など他の追加の成分をプロバイオティクス成分に加えることができる。
【0063】
本発明で使用される脂質相を、単一脂質または2つ以上の脂質の混合物として構成することができる。脂質相は、その疎水性質が水蒸気の障壁として働くため、保管中に確実に非常に低い水分活性が維持される。以下の表2では、本発明のカプセル8のコア9に適した脂質の選択が示されている。
【0064】
【表2】

【0065】
本発明によれば、プロバイオティクス組成物が衛生吸収性製品に使用される。このために、脂質相が細菌の生存を支持しながら衛生製品の吸収力を損なわないことができるようにする融解挙動を脂質相が有することが重要である。
【0066】
脂質相の融解挙動の温度の上限も存在する。この限度は、細菌組成物と脂質相の混合で、均一な混合物を得るために脂質相を十分に軟らかくしなければならないことにある程度左右される。融点が高すぎる脂質相は、細菌が脂質相と混合されている間に、脂質相を細菌が耐えるには高すぎる温度に上げなければならないため、プロバイオティクス組成物の調製中に細菌の大部分が死滅する恐れがある。また、融点が高すぎる脂質相は、皮膚と接触しても十分に軟化されず、それによって細菌の皮膚への移送が損なわれるために、本発明には適さない。
【0067】
コア材料の硬さは、コア材料のテクスチャおよび硬さをもたらす脂質相に対する細菌組成物の割合に左右される。脂質相の量に対する細菌組成物の量の割合を変えることによって、本発明に適した硬さのコア材料を得ることができる。
【0068】
したがって、好ましくは、本発明による脂質相は、室温かつ30℃までで大部分が固体であり、体温30℃から40℃で軟化し、60〜70℃を超えると融解する。しかし、脂質相は30℃からなお軟性特性を示す。この融解挙動は、脂質相の所望の融解挙動を得るために、単一脂質を使用し、または様々な融解挙動を有する様々な脂質を混合することによって得ることができる。
【0069】
脂質相が細菌の生存を妨げないようにするには、含水量を4重量%未満、好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満にすべきである。37.8℃(100?)かつ相対湿度(RH)90%でASTM E398−83によって測定された脂質相の水蒸気透過比は、10g/m/24時以下、より好ましくは5g/m/24時以下、最も好ましくは2g/m/24時以下である。
【0070】
カプセルのシェル10は、コア9が輸送および保管中に露出されないように保護することができる材料でなければならない。シェル10は、指の間での締め付け、摩擦、体温、体液または水分の影響を受けるようになされるなど、機械的作動力によって、破裂、融解、または溶解してコア9を露出すべきである。シェルの材料はワックスまたはポリマーでもよい。適したシェルの材料の例は、限定的ではないが、ポリアミド、ポリウレタン、ホルムアルデヒド樹脂、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸、ワックス、およびその混合物である。シェルの材料は水溶性または非水溶性でもよい。
【0071】
シェル10によるコア9のカプセル化を様々な技法で行うことができる。適した技法の一例は、二重ノズル技法である。この方法では、コア材料およびシェル材料が同心の二重ノズルを通して液体形態でポンプ輸送されることによって、液滴が生成される。液滴は内部相であるコア、および外部相であるシェル材料で構成される。外部相を架橋の形成によって、かつ/またはその後の乾燥によって、かつ/または温度の低下によって凝固させることができる。
【0072】
カプセルを調製するための装置の一例が図6に示されている。コア材料、すなわち脂質相と細菌組成物と任意選択の添加物の混合物、およびシェルを形成するためのコーティング材料が、適切な温度、たとえば温度40℃で、コアとシェル材料がポンプ輸送可能な液体相を形成するのに十分な時間にわたり水浴槽16内の2つの異なる容器14および15内に配置される。次いで、2つの液体相が、1対の導管18および19を通って二重ノズル20までポンプ17によってポンプ輸送される。導管18および19にサーモスタットを付けて、導管を通ってポンプ輸送される液体を所望の温度に維持することができる。ノズルよりも大きい径を有するノズル20によって滴が形成される。二重ノズルの寸法を、所望の寸法を有する液滴21が生成されるように適合させなければならない。滴は、分散された細菌組成物と任意選択の添加物を有する脂質相の内部コア、およびコーティング材料のシェルを有する。滴は、シェルの架橋を行うための架橋開始剤など任意選択の添加物を有する冷却液体を含む浴槽22内に落下することができる。こうして形成されたカプセル8は、乾燥、ゼラチン、ポリウレタングリコールなど追加の材料のコーティングなど、追加の処置を受けることができる。
【0073】
代替実施形態では、浴槽22が省かれている。
【0074】
(実施例)
ラクトバチルスプランタルム931を含む平均濃度5×1011CFU/gのプロバイオティクス粉末が調製された。予め30℃に暖められたペトロラタムにプロバイオティクス粉末をゆっくり加えることによって、粉末がペトロラタムワックスと混合された。LB931の最終濃度は10重量%であり、ペトロラタムは90重量%であった。アルギン酸、アルギン酸とゼラチンの混合物、およびペクチンとアルギン酸の混合物など、様々なコーティング材料が試験された。
【0075】
図6で示した二重ノズル技法を使用してカプセルが作成された。同心ノズルは以下の寸法、内径700μm、外径1500μmを有した。形成された滴のサイズは4.5mm〜5.5mmであった。浴槽22はコーティング材料が瞬時に架橋する室温のCaCl溶液を含んでいた。こうして形成されたカプセルの乾燥が、35℃での空気乾燥またはタンブラー乾燥によって行われた。カプセルは乾燥後に僅かに収縮した。カプセルが乾燥された後、その内容物を指の間で締め付けることによって解放することができた。任意選択でタルクがカプセルに加えられて、カプセルがあまり粘着性にならないようになされた。
【0076】
48時間後に細菌のカウント試験が行われた。この試験により、アルギン酸のシェルを有するカプセル、およびゼラチン/アルギン酸のシェルを有するカプセルの細菌生存度が非常に高い(>50%)ことが示された。ペクチン/アルギン酸を有するように調製されたカプセルは約30%の生存度を示した。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に適した吸収性製品の一例を示す平面図である。
【図2】図1の線II−IIに沿って切り取られた吸収物質を示す断面図である。
【図3a】様々な形状を有する本発明によるカプセルを示す図である。
【図3b】様々な形状を有する本発明によるカプセルを示す図である。
【図3c】様々な形状を有する本発明によるカプセルを示す図である。
【図3d】様々な形状を有する本発明によるカプセルを示す図である。
【図3e】様々な形状を有する本発明によるカプセルを示す図である。
【図4】本発明によるカプセルを示す断面図である。
【図5a】カプセルを露出させる様々な段階中の吸収物質の第2の実施形態を示す図である。
【図5b】カプセルを露出させる様々な段階中の吸収物質の第2の実施形態を示す図である。
【図5c】カプセルを露出させる様々な段階中の吸収物質の第2の実施形態を示す図である。
【図6】カプセルを作成する装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0078】
1 生理用ナプキン
2 トップシート
3 バックシート
4、9 コア
5 突出部分
6 接着剤領域
7 剥離紙
8 カプセル
10 シェル
11 細菌組成物
12 脂質相
13 剥離可能な材料層
14、15 容器
16 水浴槽
17 ポンプ
18、19 導管
20 二重ノズル
21 液滴
22 浴槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、おむつ、パンツ型おむつ、成人用失禁ガードなど吸収物質であって、前記物質に少なくとも1つのカプセル(8)が設けられ、前記カプセル(8)の少なくとも一部が少なくとも2mmの最小幅寸法(a)を有し、前記カプセルが脂質相(12)内に細菌組成物(11)を含むことを特徴とする、吸収物質。
【請求項2】
細菌組成物が少なくとも1つの乳酸生成菌株を含むことを特徴とする、請求項1に記載の吸収物質。
【請求項3】
前記カプセル(8)の少なくとも一部が、2〜10mm、好ましくは4〜10mm、より好ましくは5〜8mmの最小幅寸法(a)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の吸収物質。
【請求項4】
前記物質に少なくとも2つのカプセル(8)が設けられることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の吸収物質。
【請求項5】
前記物質に10以下のカプセル(8)が設けられることを特徴とする、請求項3に記載の吸収物質。
【請求項6】
前記カプセル(8)が前記物質内に少なくとも5mmの距離(b)をおいて配置されることを特徴とする、請求項4または5のいずれかに記載の吸収物質。
【請求項7】
前記カプセル(8)が前記物質の長手方向に間隔をおいて配置されることを特徴とする、請求項6に記載の吸収物質。
【請求項8】
前記カプセル(8)が、前記脂質相(12)内に前記細菌組成物(11)を含むコア(9)および輸送および保管中にコアが露出されるのを防止するシェル(10)を備え、前記コアおよびシェルが異なる材料からなることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の吸収物質。
【請求項9】
前記脂質相(12)がワックスおよび/または油であることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の吸収物質。
【請求項10】
前記ワックスが、植物性ワックス、鉱物性ワックス、動物性ワックス、シリコンワックス、およびその混合物から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の吸収物質。
【請求項11】
前記ワックスが鉱物性ワックスであることを特徴とする、請求項10に記載の吸収物質。
【請求項12】
前記ワックスが主な成分としてペトロラタムを含むことを特徴とする、請求項11に記載の吸収物質。
【請求項13】
前記シェル(10)が、破裂、融解、または機械的作動力あるいは摩擦によって、体温によって、もしくは体液あるいは水分の影響を受けることによって溶解される材料からなることを特徴とする、請求項8から12のいずれかに記載の吸収物質。
【請求項14】
前記シェル材料がワックスまたはポリマーであることを特徴とする、請求項13に記載の吸収物質。
【請求項15】
前記シェル材料が、以下の材料、ポリアミド、ポリウレタン、ホルムアルデヒド樹脂、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸、植物性ワックス、鉱物性ワックス、動物性ワックス、シリコンワックス、およびその混合物から選択されることを特徴とする、請求項14に記載の吸収物質。
【請求項16】
前記シェル(10)と前記コア(9)の間の相境界で前記材料の混合があまり生じないように前記コア材料および前記シェル材料が異なる極性を有することを特徴とする、請求項8から15のいずれかに記載の吸収物質。
【請求項17】
前記少なくとも1つのカプセル(8)が前記物質の使用者に面する側面上、または前記物質の1つあるいは複数の層(2)の下に置かれて、乳酸生成菌株が使用者まで浸透することができるようになされることを特徴とする、請求項1から16のいずれかに記載の吸収物質。
【請求項18】
前記少なくとも1つのカプセル(8)が、前記物質の使用者に面する側面上に置かれ、剥離可能な材料の層(13)によってカバーされ、前記層に少なくとも部分的に付着されて、前記剥離可能な材料の層(13)が除去されると、前記カプセル(8)の前記シェル(10)が破裂し、前記コア材料(9)が露出されるようになされることを特徴とする、請求項17に記載の吸収物質。
【請求項19】
請求項1に記載の脂質相内に細菌組成物を含みコア(9)およびシェル(10)を有するカプセル(8)の作成方法であって、それぞれ前記コアおよび前記シェルを形成することが意図された前記材料が同心の二重ノズル(20)を通して搬送され、それによって前記コア材料を含む内部相および前記シェル材料を含む外部相からなる液滴(21)が生成され、前記液滴が前記カプセル(8)を形成することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−521254(P2009−521254A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547150(P2008−547150)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【国際出願番号】PCT/SE2005/002028
【国際公開番号】WO2007/073264
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(506215320)エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー (157)
【Fターム(参考)】