吸収用物品用の空隙容積を有する取り込み分配層
【課題】表面シート及び吸収心材を有する吸収用物品を提供する。
【解決手段】取り込み分配層(42)は、表面シート(12)と吸収心材(16)の間に位置する。取り込み分配層(42)は、取り込み分配層(42)と吸収心材(16)の間の大きい空隙容積の空間(74)を規定する三次元の多孔フィルム(56)から成る。取り込み分配層(42)は、繰り返される排泄時の間の横方向の流れのための大きい空隙容積を提供し、使用者に接触している表面シート(12)を、飽和した心材によって吸収されずに分散する液から隔離する。空隙容積の空間(74)は、吸収されない液が、飽和した心材(16)の上面を飽和していない心材の領域に向けて流れて吸収されるための通路を提供する。空隙容積の空間(74)は、液を表面シート(12)と接触させることなしに、この液移動を生じさせ、よって着用者の濡れ感触を回避する。
【解決手段】取り込み分配層(42)は、表面シート(12)と吸収心材(16)の間に位置する。取り込み分配層(42)は、取り込み分配層(42)と吸収心材(16)の間の大きい空隙容積の空間(74)を規定する三次元の多孔フィルム(56)から成る。取り込み分配層(42)は、繰り返される排泄時の間の横方向の流れのための大きい空隙容積を提供し、使用者に接触している表面シート(12)を、飽和した心材によって吸収されずに分散する液から隔離する。空隙容積の空間(74)は、吸収されない液が、飽和した心材(16)の上面を飽和していない心材の領域に向けて流れて吸収されるための通路を提供する。空隙容積の空間(74)は、液を表面シート(12)と接触させることなしに、この液移動を生じさせ、よって着用者の濡れ感触を回避する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつ、失禁用物品、生理用ナプキン等のような吸収用物品に関する。更に詳細には、本発明は表面シート、及び空隙容積の空間を有するフィルム製取り込み分配層を有する吸収用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
人体から排泄される液を吸収するのに適している吸収用物品は多種知られている。吸収用物品の例として、おむつ、失禁用物品及び生理用ナプキンが挙げられる。
【0003】
既存の吸収用物品に関わる問題の一つに、パンツ、シャツ及び寝具のような衣類を汚す恐れがある排泄物の漏れがある。着用者が蒙る漏れの量は、液が吸収心材に入って行く速度を増加することによって減少させることができる。従って、液が速やかに表面シートにしみ込んで吸収心材に保有される吸収用物品は、液が吸収心材にしみ込む前に表面シート上を流れてしまう吸収用物品よりも漏れ量が少ない。従って、この流れ出し(run−off)を減少させることが吸収用物品に関わる漏れの量を減少させる。
【0004】
吸収用物品に関わる別の問題は製品の肌に接触する表面の乾燥具合である。一般に、肌に接触する表面が乾燥している程吸収用物品は快適である。使い捨て用おむつの構造における表面濡れを減少させる試みが続けられている。例えば、1976年5月23日発行のAnczurowskiの米国特許第3,945,386号、並びに夫々1976年1月29日及び1976年11月30日発行のKaramiの米国特許第3,965,906号及び第3,994,299号は、表面シートと吸収心材の間に挟まれた穿孔した熱可塑性のフィルムを有するおむつ構造を教示している。1982年4月13日発行のAzizの米国特許第4,324,247号は、流れ出しを減少させ、吸収用物品の表面濡れを減少させることに向けられた成果を記載している。
【0005】
肌に接触する表面の乾燥に加えて、肌に接触する表面の感触も考慮すべき重要な事柄である。一つの問題は、成形されたフィルムに絡むプラスチック的な感触を好まない消費者がいることである。吸収用物品の表面の感触を改善することに多大の努力が払われている。一例がButterworthらの米国特許第3,967,623号に記載されている。Butterworthの特許は、一体化した繊維状又はスエード調の外面を有する穿孔された熱可塑性の織布から成る接触シートを有する吸収パッドを教示している。
【0006】
一般的な吸収用物品、特に大人の失禁用おむつについては、更に別の問題がある。着用者が二回以上排尿すると、吸収されない液が飽和した心材の領域から飽和していない心材の領域へ表面シートを通して横に流れて吸収される際、濡れの感触があることである。この感触は非常に不快で、好ましくない。
【0007】
しかし、上記の引用例の大半に記載される製品は、表面での少ない流れ出し、表面シートの濡れ感触を防止する能力の向上、及び感触の改善という望ましい三要素の全てをバランスよく達成するには理想的ではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の概要)
本発明は表面シート及び吸収心材を有する吸収用物品に関する。取り込み分配層は表面シートと吸収心材の間に位置している。取り込み分配層は、穿孔され三次元に形成されたフィルムから成り、人体に面した側、即ち雌側及び衣服に面した側、即ち雄側を有する。本発明に従って、取り込み分配層は大きい空隙容積の空間を規定する。下側の大きい空隙容積の空間が、吸収されない液が表面シートに接触することなく、飽和した心材領域の表面上を流れて、飽和していない新しい心材領域に流れ込むための空間をもたらし、それによって使用者の濡れ感触を防止する。吸収されない液は、吸収心材の飽和した領域へ繰り返し排尿することから生じる。別の実施態様では、取り込み分配層は雌側でより高い平面に向けて上方に伸びる少なくとも一筋の盛り上がった畝を有する。盛り上がった畝は、横漏れの防止に役立つよう、吸収されない液が吸収用具の主に縦方向に流れるように誘導するために、縦方向に走っている。別の実施態様では、吸収されない液が流れるための更に拡大した空隙容積の空間を有し、且つ濡れが閉じ込められている領域と表面シートの間をより大きい空間で分離する取り込み分配層を、第一及び第二の三次元の多孔フィルムが形成する。更に別の実施態様では、取り込み分配層が、高いロフト(loft)を有し、比較的深いセル又はバケットを形成する。飽和した心材領域に排泄物が繰り返し入ってくると、排泄される領域のバケットは満杯となる。続いて排泄があると、隣接のバケットへ液が溢れ出る。この溢流作用が排泄物の液量を更に広い領域の心材に分散させ、液は飽和していない心材によって吸収される。
【0009】
(発明の詳細な説明)
本発明は、三次元の多孔フィルムの取り込み分配層を有する吸収用物品に関する。吸収用物品の例には、おむつ、失禁用物品、生理用ナプキン及び類似の物品が含まれる。
【0010】
本出願のために、「吸収用物品」という用語は人体からの滲出液を吸収、保有する物品のことである。更に具体的には、この用語は人体から排泄される種々の滲出液を吸収、保有するために、着用者の体に接して又は近接して装着される物品のことである。本明細書に使用される「吸収用物品」の用語は、おむつ、失禁用物品、生理用ナプキン、パンティライナー及び人体からの滲出液を吸収するのに使用される他の物品を含むことを意図している。
【0011】
「おむつ」という用語は、幼児及び失禁症の人によって一般に着用され、脚の間で引き上げられ着用者の腰の周りで固定される衣類のことである。先行技術によるおむつの例には、1967年1月31日発行のDuncanらの米国特許第26,152号;1975年1月14日発行のBuellの米国特許第3,860,003号;1986年9月9日発行のWeismanらの米国特許第4,610,678号;1987年1月16日発行のWeismanらの米国特許第4,673,402号;1987年9月22日発行のLawsonの米国特許第4,695,278号;1987年11月3日発行のBuellの米国特許第4,704,115号;1989年5月30日発行のAlemanyらの米国特許第4,834,735号;1989年12月19日発行のAngstadtの米国特許第4,888,231号;及び1990年3月20日発行のAzizらの米国特許第4,909,803号に記載されるおむつがある。
【0012】
「失禁用物品」という用語は、着用者が大人又は他の失禁症の人であれ、パッド、下着、例えば、ベルトのような吊り用具又は他の用具によって所定の場所に装着されるパッド、吸収用物品用の挿入物、吸収用物品用の吸収能力増加材、ブリーフ、ベッド用パッド及び類似の用具のことである。失禁用物品の例には、1981年3月3日発行のStricklandらの米国特許第4,253,461号;Buellの米国特許第4,597,760号及び第4,597,761号;上記の米国特許第4,704,115号;Ahrらの米国特許第4,909,802号;1990年10月23日発行のGipsonらの米国特許第4,964,860号;並びに1991年1月3日出願の夫々Noelら及びFeistらの米国特許出願番号第07/637,090号及び第07/637,571号で開示されているものが含まれる。
【0013】
「生理用ナプキン」という用語は、例えば、血液、月経分泌物及び尿のような人体から排泄される種々の滲出液を吸収、保有する意図で、女性が外陰部近くに着用する物品のことである。生理用ナプキンの例は、1981年8月25日発行のMcNairの米国特許第4,285,343号;夫々1986年5月20日及び1987年8月18日発行のVan Tilburgの米国特許第4,589,876号及び第4,687,478号;夫々1990年4月17日及び1991年4月16日発行のOsbornらの米国特許第4,917,697号及び第5,007,906号;及び夫々1990年8月21日及び1991年4月23日発行のOsbornの米国特許第4,950,264号及び第5,009,653号;並びに1990年10月29日にVisscherの名前で出願された米国特許出願番号第07/605,583号に開示されている。
【0014】
「パンティライナー」という用語は、女性が一般に生理期間の合間に着用する、生理用ナプキンより嵩高くない吸収用物品のことである。パンティライナーの例は、1988年4月19日発行のOsbornの「パンティライナー」という名称の米国特許第4,738,676号に開示されている。
【0015】
全ての特許、特許出願及びそれから発行されるいかなる特許の開示内容、並びに対応して発行されるいかなる外国出願特許及び本特許出願の中で言及される出版物も、参照することにより本明細書の一部に取り入れられている。しかし、参照することにより本明細書の一部に取り入れられているいずれの文書も、本発明を教示又は開示しているとは明らかに認められない。又、本明細書に記載され、市場で入手可能ないずれの物質又は製品も、本発明を教示又は開示しているとは明らかに認められない。
【0016】
図1について、典型的な吸収用物品10の簡略化した図が示されている。しかし、図1は例証のためのみに示されており、吸収用物品の特定の型又は形状を限定していると解釈してはならない。図2に示されるように、吸収用物品10は、基本的に表面シート12、裏面シート14、取り込み分配層15及び吸収心材16を含む。吸収心材16は表面側、即ち人体に面する側17を有する。
【0017】
吸収用物品10は、人体に接触する面、即ち人体面18、及び衣類に接触する面、即ち衣類面20の二つの面を有する。人体面18は着用者の体に近接して装着されることを意図している。吸収用物品10の衣類面20(図2)は反対側にあり、吸収用物品10が着用される時は着用者の下着又は衣類に近接して装着されることを意図している。
【0018】
吸収用物品10は縦方向の中心線22(図1)及び横方向の中心線24(図1)の二本の中心線を有する。吸収用物品10は互いに隔たった二つの縦方向の側端26及び互いに隔たった二つの横方向の前後端、即ち末端28を有し、これらは共に吸収用物品10の周囲30を形成する。
【0019】
吸収用物品10の個々の構成要素を更に詳しく記載する。表面シート12は弾力があり柔らかい感触で、着用者の肌を刺激しないものである。更に表面シート12は液浸透性であり、その厚みを貫通して液を容易に浸透させる。表面シート12は人体に面する側32(図2)及び衣類に面する側34(図2)、そして二つの縦方向の端、即ち側端36及び二つの前後端38(図1)を有する。吸収心材16は表面、即ち人体に面する側17を有する。本明細書の以降では、類似した構成要素は本発明の全ての実施態様に対して同一の番号を共有する。例えば、「表面シート」は個々の実施態様において数字12によって示される。
【0020】
表面シート12は不織材料又は真空成形のフィルム層から作られることが好ましい。表面シート12は、好ましい実施態様では取り込み分配層15(図2)に接着されずに接触しているが、取り込み分配層15に接着されてもよい。図3の吸収用物品は、再濡れ防止(又は吸い上げ防止)用に三次元の多孔プラスチックフィルム44を使用している。三次元の多孔プラスチックフィルム44は人体に面する側、即ち雌側46及び衣類に面する側、即ち雄側48を有する。表面シート12の衣類に面する側34は多孔プラスチックフィルム44の雌側46と密接に接触して保持されることが好ましい。表面シート12及び取り込み分配層15を以下で更に詳細に考察する。
【0021】
表面シート12は液浸透性のいずれの不織布であってもよい。好適な不織布は天然繊維(例えば、木材又は綿の繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル、ポリプロピレン)又はこれらの組み合わせから製造されてよい。表面シート12は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、澱粉系樹脂、ポリウレタン、セルロース及びセルロースエステルから成る群から選ばれる繊維類から作られるのが好ましい。
【0022】
表面シート12に使用される不織布を製造するために、種々の製造技術が使用されてよい。例えば、不織布は樹脂積層法、ニードルパンチ法、スパンボンド法又はカーディング法で製造されてよい。カーディングされた不織布は熱による接着、エアージェット接着されてよく、スパンレース布であってもよい。好ましい不織布は熱により接着されたポリプロピレン布である。
【0023】
典型的な表面シート12は一定の型の熱接着点を有する不織布である。不織布の一例は、カーディングされ、熱により点接着されたポリプロピレンウェブを有する。このような布の熱接着点は平面図上で一般に長方形の形状である。接着点は一般に千鳥に配列されている。別の典型的な不織布は、同様に配置された熱接着点を持つスパンボンド法によるポリプロピレンウェブである。更に別の典型的な不織布には、カーディングされ、Megisonらの米国特許第4,781,710号で教示される方法に従ってエンボス加工されたポリプロピレンウェブがある。この不織布は平面図でダイアモンドの形状をした、エンボスされ熱接着された領域を有する。ダイアモンド形状の接着点は隔たって配置され、Megisonらの特許の図1及び2に示されるようなダイアモンド形状の格子状に配置されている。しかし、一般にエンボスは下の心材までは達していない。
【0024】
好ましくは、取り込み分配層15は、先細りした毛細管を具備した多孔性の熱可塑性のフィルムであって、約10パーセント未満の表面流出率を有し、先細りした毛細管を通ることにより液流量が増加するフィルムである。このようなフィルムの製造方法は二重の表面処理を含み、これは夫々「多孔性フィルム」及び「多孔性フィルムの処理」という名称のThomasらの米国特許第4,535,020号及び第4,456,570号によって教示されている。米国特許第4,535,020号及び第4,456,570号は、参照することにより本明細書の一部に取り入れられている。この方法は、フィルムを形成するポリオレフィン樹脂に内部化学添加剤、即ち界面活性剤を添加することによって、一つの表面処理がなされることを教示している。添加剤は樹脂からフィルムが形成される前は、樹脂と化合しているか、又は他の方法で混合若しくは融合している。フィルムが形成されると、フィルムにコロナ放電処理をするという別の表面処理がなされ、これが化学添加剤に作用して、表面流出がゼロ又はゼロに近いパーセントである多孔性フィルムを生成させる。
【0025】
界面活性剤によって、界面活性剤が添加されないポリオレフィンフィルムよりも極性が高いフィルム表面が得られる。より高い表面極性がより高い濡れ特性をもたらす。化学的に処理されたフィルムは処理されないフィルムより極性が高いものの、フィルム自身のコロナ放電処理は所望される最高の濡れ特性をもたらす。この極性を付与し、フィルムの表面に移動するいずれの界面活性剤も本発明で使用することができる。
【0026】
図3について、多孔プラスチックフィルム44は一般に表面シート12と吸収心材16の間に位置する。図3に示すように、多孔プラスチックフィルム44は三次元の構造であり、多数の先細りの毛細管50を備え、個々の毛細管は底部開口52及び頂部開口54を有する。開口54の頂部は吸収心材16と密接に接触している。更に、フィルム44の雄側48の大半の表面積は心材16に接触している。
【0027】
多孔プラスチックフィルム44は、液が浸透しない熱可塑性の材料から製造されるのが一般的である。好適な材料の一つに、0.001乃至0.002インチ(0.0025乃至0.0051cm)の厚さを有する低密度ポリエチレンフィルムがある。典型的な多孔プラスチックフィルム44の製造に使用される熱可塑性の材料は、一般にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、澱粉系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリカプロラクトン及びセルロースエステル、又はこれらの組み合わせから成る群から選ばれる。
【0028】
一つの典型的な実施態様では、1975年12月30日発行のThompsonの米国特許第3,939,135号に記載される様式、大きさ、形状及び方向性を持つ、非常に多数の先細りの毛細管50を具備する熱可塑性の材料が提供される。他の典型的な多孔プラスチックフィルムが、1982年4月13日発行のMullaneらの米国特許第4,324,246号、1982年8月3日発行のRadelらの米国特許第4,342,314号及び1984年7月31日発行のAhrらの米国特許第4,463,045号に開示されている。多孔プラスチックフィルム44は、非熱可塑性の他の種類の多孔プラスチックフィルムから成ってもよい。使用されるフィルムの種類は、表面シート12の製造中にフィルム及び不織布の構成成分が受ける処理の種類に依存する。熱可塑性のフィルムは、表面シート12及び取り込み分配層15、即ちフィルム44が溶融によって一体に成形されて複合構造になる場合に一般に使用される。他の種類の多孔フィルムには、液圧成形フィルムが含まれるがこれに限定されない。液圧成形フィルムは、以下のCurroらの米国特許第4,609,518号、第4,629,643号、第4,695,422号、第4,772,444号、第4,778,644号及び第4,839,216号、並びにOuelletteらの米国特許第4,637,819号の少なくとも幾つかに記載されている。
【0029】
一般に、表面シート12の不織布及び多孔プラスチックフィルム44は向かい合わせに配置される。この二つの構成要素は固定されても固定されなくてもよい。固定される場合は、二つの構成要素が種々の方法によって相互に固定されてよい。不織布及び多孔フィルム44を固定する典型的な方法には、接着、熱接着及び/又は圧接着を含む融合、超音波法及び動的機械的接着が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
接着剤は、均一で連続した層状、特定の形状を有する層状、又は分離した線の配列状、螺旋状、玉状又は点状に塗布することができる。接着剤による取り付けは、一般に、1986年3月4日発行のMinetolaらの米国特許第4,573,986号に開示されるような接着剤のフィラメントの開放型網目構造、又は1975年10月7日発行のSprague,Jrの米国特許第3,911,173号;1978年11月22日発行のZiekerらの米国特許第4,785,996号;及び1989年7月27日発行のWereniczの米国特許第4,842,666号に示される装置及び方法よって説明されるように、数条の接着剤のフィラメントを旋回させて螺旋状の型にするフィラメントの開放型網目構造を含む。熱/圧接着の使用可能な別の方法が、1989年8月8日発行のBallらの米国特許第4,854,984号に記載されている。
【0031】
別の例として、表面シート12の不織布及び多孔プラスチックフィルム44は間接的に固定されてよい。例えば、不織布及び多孔フィルム44は、不織布と多孔プラスチックフィルム44の間に位置するフェルトの薄い層又は疎水性物質の層に固定することができ、又はこれらの層を介して固定することができる。一般に、このような付加される層は以下に更に詳しく説明するように、界面活性剤で処理される。
【0032】
或いは又、米国特許第4,995,930号でMerzらが教示するように、表面シート12の不織布及び多孔プラスチックフィルム44は、複合構造に一体成形することができる。本明細書で「複合体」、「複合構造」又は「組み合わせ」という用語は、不織布の一部がフィルム44の中にまで入り込み、又はその逆により、これらが一体に接着する関係のことである。
【0033】
図4及び5に関して、本出願人の発明による改良された吸収用物品の第一の実施態様では、六角形の型を有する三次元の多孔フィルム56から作られる取り込み分配層42が使用される。六角形の型が説明の目的で使用されるが、本明細書に記載されるいずれのフィルムに対しても、他の型も使用されてよいと理解されるべきである。他の型の例には、円形、長円形、楕円形、多角形、又は他の好適な型、或いは型の組み合わせが含まれる。六角形の型は多数の隣接した六角形、即ちセル58を形成する。好ましい実施態様では、六角形の型は8.75メッシュに基づいており、ここで「メッシュ」は1インチの長さに並ぶセル58の個数である。8.75のメッシュ番手が好ましいが、2乃至25のメッシュ番手又はより好ましくは4乃至15のメッシュ番手が使用されてよい。好ましくは個々のセル58は59ミルの大きい直径の開口60を備えており、これは排泄液が排泄される速さと同程度の速さで、三次元の多孔フィルム56を通して排泄液を取り込むのに十分な大きさである。
【0034】
特に図4の線5−5でのフィルム56の拡大断面を示す図5に関して、三次元の多孔フィルム56は人体に面する側、即ち雌側62及び衣類に面する側、即ち雄側64を有する。表面シート12の衣類に面する側34は、多孔プラスチックフィルム56の雌側62と密接に接触して保持されることが好ましい。好ましくは、表面シート12はフィルム56と接触して保持されるが、フィルム56に接着されていない。
【0035】
図5で分るように、フィルム56は表面シート12と吸収心材16の間に位置する。多孔プラスチックフィルム56は多数の毛細管66を有する三次元構造であり、個々の毛細管は底部開口68及び頂部開口70を有する。毛細管66の頂部開口70は吸収心材16と密接に接触しており、この密接な接触を確実にするために、頂部開口70は吸収心材16に接着されるのが好ましい。本質的に毛細管66の頂部開口70のみが心材16と密接に接触しており、それにより横方向の流れをもたらす空間74は実質的に妨げられないままであることが確保されていることも注目すべきである。多孔プラスチックフィルム56の雌側62上の隣接する開口60の間にランド領域72が形成される。空隙容積の空間74(図5)が多孔プラスチックフィルム56の雄側64上に形成され、これが個々のセル58間の液通路をもたらす。好ましくは、空隙容積の空間74の頂部開口空間70に対する比は2:1である。三次元の多孔フィルム56は、ロフト75、即ち雌側62の表面と雄側64の平らな表面の間の厚みを有し、これは0.031インチ乃至0.125インチ、より好ましくは0.045インチ乃至0.100インチ、そして最も好ましくは0.050インチである。フィルム56に使用される熱可塑性の材料は、約0.919g/cc乃至0.960g/ccの範囲の密度を有することが好ましく、更に好ましくは約0.930g/cc乃至0.950g/ccの範囲の密度を有する。典型的な材料の一般的なメルトインデックスの範囲は約0.10乃至約8.50が好ましく、一般には約1.5乃至約4.5の範囲が更に好ましい。
【0036】
図6及び7に関して、本出願人の発明による改良された吸収用物品の第二の実施態様では、六角形の型を持つ三次元の多孔フィルム76から作られる取り込み分配層15が使用される。本実施態様では、六角形の型を説明しているが、他の型も使用してよいと理解されるべきである。他の型の例には、円形、長円形、楕円形、多角形又は他の好適な型、或いは型の組み合わせが含まれる。六角形の型が多数の隣接した六角形、即ちセル78を形成する。好ましい実施態様では、個々のセル78は、六角形の型を有する個々のセル78を構成する六角形の平面辺から平面辺までを測定して1/32インチ乃至1/2インチである。更に好ましくは、1/16インチ乃至1/5インチのセルが使用される。なお更に好ましくは、対辺距離が1/8インチのセル78が使用される。
【0037】
図6の線7−7いおけるフィルム76の拡大断面を示す図7に関し更に詳細に記載すると、三次元の多孔フィルム76は人体に面する側、即ち雌側82及び衣類に面する側、即ち雄側84を有する。表面シート12の衣類に面する側34は、多孔プラスチックフィルム76の雌側82と密接に接触して保持されることが好ましい。好ましくは、表面シート12はフィルム76と接触して保持されるが、接着されていない。
【0038】
図7で分るように、フィルム76は表面シート12と吸収心材16の間に位置する。多孔プラスチックフィルム76は多数の大きな開口、即ちバケット86を有する三次元構造であり、個々のバケットは底部開口88及び頂部開口90を有する。バケット86の頂部開口90は吸収心材16と密接に接触しており、この密接な接触を確実にするために、頂部開口90は吸収心材16に接着されることが好ましい。多孔プラスチックフィルム76の雌側82上の隣接する開口80の間にランド領域92が形成される。ハニカム型の実施態様では、ランド領域の幅は比較的狭いことが好ましい。三次元の多孔フィルム76は、30ミルより大きいロフト94(図7)、即ち雌側82の表面と雄側84の平らな表面の間の距離を有する。好ましい実施態様では、ロフト94は50ミルである。
【0039】
図8及び9に関して、本出願人の発明による改良された吸収用物品の第三の実施態様では、六角形の型を持つ三次元の多孔フィルム96から作られる取り込み分配層15が使用される。例示の目的で六角形の型を説明しているが、本明細書に記載されるいずれのフィルムに対しても、他の型も使用してよいと理解されるべきである。他の型の例には、円形、長円形、楕円形、多角形又は他の好適な型が含まれる。六角形の型が多数の隣接した六角形、即ちセル98を形成する。好ましい実施態様では、六角形の型は8.75メッシュに基づいており、ここで「メッシュ」は1インチの長さに並ぶセル98の個数である。8.75のメッシュ番手が好ましいが、2乃至25のメッシュ番手又はより好ましくは4乃至15のメッシュ番手が使用されてよい。好ましくは個々のセル98は、例えば59ミルの大きい直径の開口100を備えている。三次元の多孔フィルム96上に多数の盛り上がった畝101が形成される。盛り上がった畝101は縦方向に、即ち、吸収用物品10の縦方向の中心線22(図1)に平行に走っていることが好ましい。
【0040】
特に図8の線9−9でのフィルム96の拡大断面を示す図9に関して、三次元の多孔フィルム96は人体に面する側、即ち雌側102、及び衣類に面する側、即ち雄側104を有する。表面シート12の衣類に面する側34は、多孔プラスチックフィルム96の雌側102と密接に接触して保持されることが好ましい。好ましくは、表面シート12はフィルム96と接触して保持されるが、接着されていない。フィルム76に使用される熱可塑性の材料は、約0.919g/cc乃至0.960g/ccの範囲の密度を有することが好ましく、更に好ましくは約0.930g/cc乃至0.950g/ccの範囲の密度を有する。典型的な材料の一般的なメルトインデックスの範囲は約0.10乃至約8.50が好ましく、一般には約1.5乃至約4.5の範囲が更に好ましい。
【0041】
図9で分るように、フィルム96は表面シート12と吸収心材16の間に位置する。多孔プラスチックフィルム96は多数の毛細管106を有する三次元構造であり、個々の毛細管は底部開口108及び頂部開口110を有する。毛細管106の頂部開口110は吸収心材16と密接に接触しており、この密接な接触を確実にするために、頂部開口110は吸収心材16に接着されることが好ましい。本質的に毛細管106の頂部開口110のみが心材16と密接に接触しており、それにより横方向の流れをもたらす空隙空間114〜116は実質的に妨げられないままであることが確保されていることも注目すべきである。多孔プラスチックフィルム96の雌側102上の隣接する開口100の間にランド領域112が形成される。空隙容積の空間114が多孔プラスチックフィルム96の雄側104上に形成され、これが個々のセル98間の液通路をもたらす。個々の盛り上がった畝101の雄側104上に水路115(図9)が形成される。水路115が多孔プラスチックフィルム96の空隙容積の空間114と通じると拡大した空隙容積の空間116が形成される。三次元の多孔フィルム96は、ロフト118(図9)、即ち雌側102上の盛り上がった畝101の表面と雄側104の平らな表面の間の厚みを有し、これは0.065インチ、即ちフィルム96の好ましいロフト0.050インチに、好ましくは盛り上がった畝の高さ0.015インチを加えた値の範囲にある。0.050インチが最も好ましいロフトであるが、0.031インチ乃至0.125インチ、より好ましくは0.045インチ乃至0.100インチのロフトが使用されてよい。盛り上がった畝101は、真空成形スクリーンの周囲に針金を取り付け、又は真空成形スクリーン上に長い突起を形成し、当業界で公知の方法でスクリーン上をフィルムを通過させることによって、形成してよい。フィルム96に使用される熱可塑性の材料は、約0.919g/cc乃至0.960g/ccの範囲の密度を有することが好ましく、更に好ましくは約0.930g/cc乃至0.950g/ccの範囲の密度を有する。典型的な材料の一般的なメルトインデックスの範囲は約0.10乃至約8.50が好ましく、一般には約1.5乃至約4.5の範囲が更に好ましい。
【0042】
盛り上がった畝101を有する三次元の多孔フィルム96の一区画を使用する使い捨ておむつ120を図10に示す。使い捨ておむつ120は縦方向の中心線122及び横方向の中心線124を有する。使い捨ておむつ120は、単に一例として、本明細書に示されており、本明細書に記載される発明は使い捨ておむつに限定されると解釈されるべきでなく、失禁用物品、生理用ナプキン、パンティライナー又は他の吸収用物品をも含んでよい。
【0043】
図11に関して、本出願人の発明による改良された吸収用物品の第四の実施態様では、三次元の多孔フィルム56(図4及び5)及び三次元の多孔フィルム96(図8及び9)から成る取り込み分配層15が使用され、これは多層の多孔フィルム126と呼ぶべきものである。三次元の多孔フィルム56が、多層の多孔フィルム126の人体に面する補助層128を形成する。三次元の多孔フィルム96が、多層の多孔フィルム126の衣類に面する補助層130を形成する。表面シート12の衣類に面する側34は、人体に面する補助層128を形成する多孔プラスチックフィルム56の雌側62と密接に接触して保持されることが好ましい。好ましくは、表面シート12は補助層128と接触して保持されるが、接着されていない。
【0044】
図11で分かるように、多層の多孔フィルム126は、表面シート12と吸収心材16の間に位置する。多層の多孔フィルム126は、液がそれを通って流れることができる三次元構造である。人体に面する補助層128を形成する三次元の多孔フィルム56は、補助層130上に形成される盛り上がった畝101と接触する。衣類に面する補助層130を形成する三次元の多孔フィルム96の頂部開口110は、吸収心材16と密接に接触するのが好ましい。衣類に面する補助層130を形成する多孔プラスチックフィルム96の空隙容積の空間114及び水路115は、拡大した空隙容積の空間116を形成し、人体に面する補助層128を形成する三次元の多孔フィルム56の追加的な空隙容積の空間74によって補足される。更に拡大した空隙容積の空間136が、水路101の盛り上がりによって、補助層128と130の間に形成される。多層の多孔フィルム126は、ロフト138、即ち人体に面する補助層128を形成する三次元の多孔フィルム56の雌側62と、三次元の多孔フィルム96の雄側104の平らな表面の間の厚みを有する。多層の多孔フィルム126の好ましいロフト138は0.90インチであり、これはフィルム96の好ましいロフトである50ミル、盛り上がった畝101の15ミル及び表面シート12の25ミルの合計である。多層フィルム126の補助層128及び130は、「穿孔した三次元のフィルムへの穿孔していない三次元のフィルムの接着、及びそれから製造される物品(Lamination of non−apertured three−dimensional films to apertured three−dimensional films and articles produced therefrom)」という名称の、Biagioliらの米国特許第5,635,275号によって教示される方法によって接着されることが好ましい。米国特許第5,635,275号は、参照することにより本明細書の一部に取り入れられている。しかし、多層フィルム126は、表面シート12に接着されないことが好ましい。
【0045】
図12に関して、本出願人の発明による改良された吸収用物品の第五の実施態様では、三次元の多孔フィルム56(図4及び5)及び三次元の多孔フィルム76(図6及び7)から作られる取り込み分配層15が使用され、これは多層の多孔フィルム146と呼ぶべきものである。三次元の多孔フィルム56が、多層の多孔フィルム146の人体に面する補助層148を形成する。三次元の多孔フィルム76が、多層の多孔フィルム146の衣類に面する補助層150を形成する。表面シート12の衣類に面する側34は、人体に面する補助層148を形成する多孔プラスチックフィルム56の雌側62と密接に接触して保持されることが好ましい。好ましくは、表面シート12は補助層148と接触して保持されるが、接着されていない。
【0046】
図12で分かるように、多層の多孔フィルム146は、表面シート12と吸収心材16の間に位置する。しかし、多層の多孔フィルム146は、表面シート12が無くても機能することができると考えられる。多層の多孔フィルム146は、液がそれを通って流れることができる三次元構造である。人体に面する補助層148を形成する三次元の多孔フィルム56は、補助層150を形成する三次元の多孔フィルム76のランド領域92と接触している。人体に面する補助層148は、表面シート12を、吸収されずにバケット86から隣接するバケット86へ溢流する液から隔離している。人体に面する補助層148の空隙容積の空間74及び衣類に面する補助層150のバケット86は、更に拡大した空隙容積の空間156を形成する。多層の多孔フィルム146は、ロフト158、即ち人体に面する補助層148を形成する三次元の多孔フィルム56の雌側62と三次元の多孔フィルム76の雄側84の平らな表面の間の厚みを有する。多層の多孔フィルム146の好ましいロフト158は70ミル、即ち衣類に面する補助層150に対して50ミル、及び人体に面する補助層148に対して20ミルである。多層フィルム146の補助層148及び150は、Biagioliらの米国特許第5,635,275号によって教示される方法で接着されることが好ましく、この特許は参照することにより本明細書の一部に取り入れられている。しかし、好ましくは多層のフィルム146は、表面シート12に接着されない。複合した多層の多孔フィルム126及び146は、Biagioliらの米国特許第5,635,275号の教示に従って構築されてよく、この特許は参照することにより本明細書の一部に取り入れられている。
【0047】
実際には、三次元の多孔フィルム56、76、96及び多層の多孔フィルム126及び146が、吸収用物品10において取り込み分配層15として使用されてよい。吸収用物品10は液の吸収が望ましい用途に使用される。使用に当っては、男女の赤ん坊又は大人の尿水のような人体からの滲出液が吸収用物品10に取り込まれる。尿水は一般に言う単一点での液流れの形で排出されるのが一般的である。排尿が繰り返されると、排尿が繰り返された領域で心材16が飽和するため、望ましくない漏れ又は使用者の望ましくない濡れ感触が発生する可能性がある。換言すれば、吸収心材16が特定の領域で、繰り返される排尿を吸収不能に陥る可能性がある。この結果、それ以上の排尿が吸収用物品10に入ってくると、心材16に吸収されずに心材層16の上面、即ち人体に面する側17上に留まる可能性がある。本出願人の発明は、心材層16からの吸収されない液を心材層16の飽和していない領域の方へ誘導する方法を提供する。フィルム76の雌側82上の狭いランド領域92が有する表面積は、好ましくは十分に小さいので、吸収されない液が或るバケット86から隣接するバケット86に溢流する際に、表面シート12が部分的に瞬時濡れる場合にも、ランド領域上に保有される液が使用者に濡れの感触を与える程の量には至らない。吸収されない液が表面シート12に接触すると、表面シート12の濡れの不快な感触が出てくる。表面シート12が濡れると、着用者の肌に気持ち悪く液が接触することになる。
【0048】
例えば、吸収用物品10(図1)に三次元の多孔フィルム56(図4及び5)が使用される場合は、吸収されない液、又は心材層16から溢流する液は空隙容積の空間74内を心材16の飽和していない領域に流れていくことができる。隣接するセル58(図4)の雄側64(図5)上の空隙容積の空間74が相互に連結して、大容量の液を心材16の飽和していない領域へ通過させる。多数の隣接する六角形が、心材16の飽和した領域の上面、即ち人体に面する側17上を流れる液のための空間をもたらす大きな空隙容積の空間を下部に形成し、新たな飽和していない領域を探し出す。排泄が繰り返されて生じる吸収されない液は、次いで吸収心材16の飽和した領域から流れて、下部の空隙容積の空間74を通って吸収心材16の飽和していない領域に振り向けられる。三次元の多孔フィルム56の空隙容積の空間74がなければ、肌に接触している表面シート12は、排泄液が新たな吸収領域を模索する間に濡れてくる。雄側の空隙容積の領域74は、これまで公知の再濡れ防止層又は吸い上げ防止層よりも、空隙容積の総領域が非常に大きい。
【0049】
別の例として、吸収用物品10(図1)に三次元の多孔フィルム76(図6及び7)が使用される場合は、ある領域の心材16が飽和した後にその領域に排出される排泄液はバケット86内に溜まってくる。排泄点にあるバケット86が満水になると、満水したバケット86内の液が溢流するにつれ、排泄点に隣接するバケット86が満たされる。隣接するバケット86の間で溢流が起こり、このプロセスが繰り返されて排泄液全体が取り込まれる。結局、バケット86からの溢流は、飽和していない心材16の直近領域にあるバケット86に流れ込み、液は吸収される。吸収されない液がバケット86から隣接するバケット86へ溢流することによって、吸収されない液が、液を吸収することができる心材16の広い領域に分散されるため、表面シート12の望ましくない濡れが避けられる。オープンセルの空隙容積の領域86は、これまで公知の再濡れ防止層又は吸い上げ防止層よりも、空隙容積の総面積が非常に大きい。三次元の多孔フィルム76のランド領域92の好ましいパーセント範囲は全表面積の5乃至20%である。大きく型取りされた取り込み分配層の材料、即ち三次元の多孔フィルム76は、より大きいロフト、例えば、1/8インチハニカムの実施態様では30ミル、より好ましくは50ミルより大きいロフトをももたらす。より大きいロフト94、即ち三次元の多孔フィルム64の最上部の面と最下部の面の間の厚みが、濡れた心材16と使用者の肌に接触する領域の間の「吸い上げ防止」障壁又は層を提供する。より大きいロフト94で、乾燥感触が改善される。表面シート12の材料は、全体の占有体積のうちのほんのわずかのパーセントしか占めないから、その体積が大きければ大きい程、肌に接する領域近くで得られる「エアークッション」効果が大きい。
【0050】
更なる例として、吸収用物品10(図1)に三次元の多孔フィルム96(図8及び9)が使用される場合は、心材層16で吸収されない排泄液は空隙容積の空間114内を流れることができる。隣接するセル98(図9)の雄側104(図9)上の空隙容積の空間114は、互いに連結して大量の液を心材16の飽和していない領域に送り込む。更に、盛り上がった畝101が水路115を形成し、吸収されない液を拡大した空隙容積の空間116を経て更に取り込む。水路115の更なる利点は、水路115が吸収されない液を縦方向のような望ましい方向、即ち使い捨ておむつ120(図10)の縦方向の中心線122に平行に誘導することである。吸収されない液を縦方向に誘導することによって、液はおむつの周囲のような望ましくない場所の方に誘導されるのではなく、飽和していない心材16がより多くある場所に誘導される可能性がある。水路115は使い捨ておむつ120の横方向の中心線に平行な方向から液を遠ざける。従って、盛り上がった畝は使い捨ておむつ120からの横漏れの防止に有効である。
【0051】
更に、取り込み分配層42の種々の実施態様が、フィルム126(図11)又はフィルム146(図12)のような多層の多孔フィルムの中に組み込まれてよい。多層の多孔フィルム126は、更に拡大した空隙容積の空間136をもたらし、吸収されない液を取り込む。更に拡大した空隙容積の空間136は、吸収されない液を表面シート12と接触させることなく、心材16が飽和していない領域に流し、これによって使用者の不快な濡れ感触を回避する。
【0052】
多層の多孔フィルム146(図12)は、更に拡大した空隙容積の空間156をもたらし、吸収されない液を取り込む。更に拡大した空隙容積の空間156は、吸収されない液をバケット86からランド92を超えて、心材16が飽和していない領域の隣接するバケット86へ溢流させる。人体に面する補助層148、即ちフィルム56は、吸収されない液が衣類に面する補助層150、即ちフィルム76のバケット86からランド92を超えて隣接のバケットに溢流する際に、吸収されない液が表面シート12に接触するのを実質的に防止し、これによって使用者にとって不快な濡れの感触を更に減少させる。
【0053】
三次元の多孔フィルム56、76、96及び多層の多孔フィルム126並びに146を使用することによって、吸収用物品10の取り込み分配層15のロフトが増加する。より大きなロフト75、94、118、138及び158、即ち三次元の多孔フィルム56、76、96及び多層の多孔フィルム126並びに146の最上部の面と最下部の面の間の厚みが、濡れた心材16と使用者の肌に接触する領域の間の「吸い上げ防止」障壁又は層を提供する。より大きいロフト75、94、118、138及び158で、乾燥感触が改善される。表面シート12の材料は、全体の占有体積のうちのほんのわずかのパーセントしか占めないから、その体積が大きければ大きい程、肌に接する領域近くで得られる「エアークッション」効果が大きい。
【0054】
「溢流」が絡む実施態様の雌側の大きな空隙容積が、吸収されない液の分散を容易にする。雌側の空隙容積は、フィルムの1平方メートル当り、好ましくは500cm3より大きく、より好ましくは750cm3より大きく、そして最も好ましくは1,000cm3より大きい。更に、「底溢流」が絡む実施態様の雄側の大きな空隙容積も、吸収されない液の分散を容易にする。雄側の空隙容積は、フィルムの1平方メートル当り、好ましくは500cm3より大きく、より好ましくは600cm3より大きく、そして最も好ましくは750cm3より大きい。
【0055】
テストデータ
テストは複合排泄取り込み法を使用して行った。不織布の世界(Nonwovens World)、1997年秋号、57〜63頁に記載の論文中のJames P.Hansonによる、「試験混合物第III部−液取り込みの信頼できる試験(The Test Mess Part III−Credible Testing for Liquid Acquisition)」という題名の論文に、いくつかの方法が詳細に記載されており、この論文は参照することにより本明細書の一部に取り入れられている。
【0056】
更に具体的には、本出願人のテストは以下のように行われた。図13に関して、打ち抜き試料160は、吸収用物品10の、取り込み分配層15が存在する箇所から打ち抜かれている。表面シート12及び取り込み分配層15を、これらの方向を変えないように特別の注意を払いながら吸収用物品10から取り外す。心材がついていない表面シート12及び取り込み分配層15、即ち打ち抜き試料160は、次いで無作為に重量測定し、平均重量及び重量の標準偏差を無作為に記録する。次いで個々の打ち抜き試料160に吸収心材16を取り付けて再度組み立てる。
【0057】
三層全てについて、取り込み速度性能を測定するために、液取り込み装置162を使用する。装置162は、試料160の上面に置くための、その中心に開口166を有する平板164を備えている。液供給器170から所望の液流量及び1回量を受液するための容量制御チャンバー168が平板164から上方に伸びている。オーバーフローパイプ172が平板164より少し上の位置で、容量制御チャンバー168から外側に伸びている。
【0058】
上記の方法で6個の試料をテストし、液供給器170から容量制御チャンバー168へ7ml/secの流量で送液した。試料1〜3は図3に示されるものと同様の取り込み分配層を有する試料であり、下記の表1に示されるような種々のロフト、即ち厚みを有している。特に、試料1は、Azizらの米国特許第H1670号の教示に従う、先行技術によるフィルムであって、ロフト20ミル、円形又は六角形の型のセル及びメッシュ番手22を有する。試料2は、Azizらの米国発明登録第H1670号(United States Invention Registration no.H1670)の教示に従う、先行技術によるフィルムであって、ロフト23ミル、六角形の型のセル及びメッシュ番手25を有する。試料3が、図4及び5に示されるものと同様な雄側の空隙容積の流れ領域を持つ取り込み分配層15を有するのに対し、試料4及び5は、本出願の発明を具現するフィルムの実施例である。試料4は、図6及び7に示される本発明の実施態様、即ち「バケット」の実施態様であり、取り込み分配層の上に1/8インチのハニカムの型を有する。試料3は、試料4よりも僅かに少ないロフト(51ミルに対し49ミル)であるが、より大きい雄側空隙容積を有する。特に、試料3は、メッシュ番手8.75の上に50ミルのロフトの六角形の型を有する。試料4は、メッシュ番手8の上に50ミルのロフトの1/8インチのハニカムの型を有する。結果を下記の表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
テストの結果を図14のグラフで示す。図14は、個々の試料1〜4に対するオーバーフロー液量(ml)を示す棒グラフを含む。更に、図14は、個々の試料の膨張した厚み、即ちロフトの逆数を示す折れ線グラフを含む。オーバーフローは、15mlの液量が7ml/secの流量で容量制御チャンバー168に供給される際に、液取り込み装置162のオーバーフローパイプ172から流れ出る液と定義される。オーバーフローパイプ172を通って流れない液は、試料160によって吸収される。
【0061】
特定の試料に対するロフトが大きい程、その試料に対して観察されるオーバーフローの液量が少ないことが図14から分る。本出願人の発明によるフィルム、即ち試料3及び4は、先行技術の設計によるフィルム、即ち試料1及び2よりも著しく大きなロフトを有している。試料3及び4は、オーバーフローの液量が著しく少ない。試料1及び2に対する総空隙容積が試料材料の面積基準で550cc/m2未満であるのに対し、本出願人の発明の実施態様を例示する試料3及び4に対する総空隙容積は1,000cc/m2より大きい。本出願人の発明に対する総空隙容積は、750cc/m2より大きいことが好ましく、より好ましくは875cc/m2より大きく、そして最も好ましくは1,000cc/m2より大きい。
【0062】
本発明のフィルムの空隙容積の空間が、既存のフィルムに対して実質的に増加していることを更に図示するために、試料2及び試料4の顕微鏡写真を図15及び16に示す。図15及び16は試料2及び4を倍率50倍で示す。図15は試料2及び4の平面図を示す。図16は試料2及び4の側面の断面図を示す。空隙容積の空間が実質的に増加していることが、図15及び16の各々から明らかである。
【0063】
最後に、空隙容積の空間を実験で計算できるように、個々の試料1〜4について既知の倍率及び寸法尺度の顕微鏡写真を撮影した。本明細書に記載される実施態様のセルが、Thompsonの米国特許第4,939,135号で教示されるように、幾何学的な錐台に最もよく近似されるが、Radelの米国特許第4,342,314号で教示されるように、実質的に垂直な壁のセル、及びRoseの米国特許第4,895,749号で教示されるように、幅狭い点に収斂し次いで開口する末端に向けて再び発散するセルのような、他のセル形状も本発明の範囲内に含まれる。雌側空隙容積、雄側空隙容積及び総空隙容積に対する空隙容積の空間のデータの幾何学的な計算の結果を、下記の表3に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
試料3によって実証される、本出願人の発明の「底溢流」の実施態様は、他のいずれの試料よりも実質的に大きい雄側空隙容積、即ち752cc/m2を有していることが表3から分る。試料4によって実証される、本出願人の発明による「溢流」の実施態様は、他のいずれの試料よりも実質的に大きい雌側空隙容積、即ち1357cc/m2を有している。
【0066】
上記から、吸収されない液は飽和した心材の領域から飽和していない心材の領域に流れて吸収されるため、本出願人の発明は、繰り返される排泄の間及びその後に使用者が感じる濡れ感触を軽減又は除去することが認知されるであろう。本出願人の発明は、吸収されない液の表面シート12との実質的な接触を防止しながら、吸収されない液を心材16の飽和していない領域に誘導する。本出願人の発明は、単一点での多くの排泄を受け入れる能力を提供すると同時に、表面シート12の濡れによる不快な感触を防止する。
【0067】
本発明は本明細書で実施例によって説明されており、種々の変形例が通常の技術を有する当業者によってなされてよい。例えば、種々の外形、材料及び多層フィルムの組み合わせが本発明の範囲内に入る。別の例として、本発明は、おむつ、失禁用物品、生理用ナプキン及び関係製品に関連して記載されているが、本発明の吸収用物品は、吸収材が所望される他の人体被覆材を制限なしに含む、他の同様な製品に完全に適用することができる。このような人体被覆材は、医学用ドレープ、医学用ガウン、医学用上張り、造孔術用具、女性用衛生製品、人体移動用シーツ、集液袋、産業用クリーンルーム用衣類及び他の製品を含んでよい。
【0068】
従って、本発明は前記の説明から明白であると考えられる。説明された方法及び物品は、好ましいと特徴づけられる一方、前記の特許請求の範囲に規定されるように、それらからの種々の変化及び変形例が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしになされてよいことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、取り込み分配層を使用する、本発明の吸収用物品の透視図である。
【図2】図2は、図1の吸収用物品の、線2−2における断面概略図であり、ここで、取り込み分配層は先行技術のタイプのものである。
【図3】図3は、図2の先行技術による取り込み分配層の拡大断面図である。
【図4】図4は、図1の吸収用物品において取り込み分配層として使用するための、本発明の第一の実施態様の三次元の多孔フィルムの平面図である。
【図5】図5は、図1の吸収用物品の、図1の線2−2での断面図であり、ここで、図示した取り込み分配層は、図4の三次元の多孔フィルムの、図4の線5−5における断面図である。
【図6】図6は、図1の吸収用物品において取り込み分配層として使用するための、本発明の第二の実施態様の三次元の多孔フィルムの平面図である。
【図7】図7は、図1の吸収用物品の、図1の線2−2における断面図であり、ここで、図示した取り込み分配層は、図6の三次元の多孔フィルムの、図6の線7−7における断面図である。
【図8】図8は、図1の吸収用物品において取り込み分配層として使用するための、本発明の第三の実施態様の三次元の多孔フィルムの平面図である。
【図9】図9は、図1の吸収用物品の、図1の線2−2における断面図であり、ここで、図示した取り込み分配層は、図8の三次元の多孔フィルムの、図8の線9−9における断面図である。
【図10】図10は、図8及び9の三次元の多孔フィルムを使用する使い捨ておむつの平面図である。
【図11】図11は、図1の吸収用物品の断面図であり、ここで、取り込み分配層は本発明の第四の実施態様の多層の多孔フィルムである。
【図12】図12は、図1の吸収用物品の断面図であり、ここで、取り込み分配層は本発明の第五の実施態様の多層の多孔フィルムである。
【図13】図13は、図1〜12の吸収用物品の種々の実施態様をテストするために使用する液取り込み装置の概略図である。
【図14】図14は、図1〜12に示される吸収用物品の種々の試料に対し、オーバーフロー総液量及びロフトの逆数を示す表1のデータのグラフ表示である。
【図15】図15は、試料の空隙容積の空間を比較するための、試料2及び試料4の50倍の平面図である。
【図16】図16は、試料の空隙容積の空間を比較するための、試料2及び試料4の50倍の断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつ、失禁用物品、生理用ナプキン等のような吸収用物品に関する。更に詳細には、本発明は表面シート、及び空隙容積の空間を有するフィルム製取り込み分配層を有する吸収用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
人体から排泄される液を吸収するのに適している吸収用物品は多種知られている。吸収用物品の例として、おむつ、失禁用物品及び生理用ナプキンが挙げられる。
【0003】
既存の吸収用物品に関わる問題の一つに、パンツ、シャツ及び寝具のような衣類を汚す恐れがある排泄物の漏れがある。着用者が蒙る漏れの量は、液が吸収心材に入って行く速度を増加することによって減少させることができる。従って、液が速やかに表面シートにしみ込んで吸収心材に保有される吸収用物品は、液が吸収心材にしみ込む前に表面シート上を流れてしまう吸収用物品よりも漏れ量が少ない。従って、この流れ出し(run−off)を減少させることが吸収用物品に関わる漏れの量を減少させる。
【0004】
吸収用物品に関わる別の問題は製品の肌に接触する表面の乾燥具合である。一般に、肌に接触する表面が乾燥している程吸収用物品は快適である。使い捨て用おむつの構造における表面濡れを減少させる試みが続けられている。例えば、1976年5月23日発行のAnczurowskiの米国特許第3,945,386号、並びに夫々1976年1月29日及び1976年11月30日発行のKaramiの米国特許第3,965,906号及び第3,994,299号は、表面シートと吸収心材の間に挟まれた穿孔した熱可塑性のフィルムを有するおむつ構造を教示している。1982年4月13日発行のAzizの米国特許第4,324,247号は、流れ出しを減少させ、吸収用物品の表面濡れを減少させることに向けられた成果を記載している。
【0005】
肌に接触する表面の乾燥に加えて、肌に接触する表面の感触も考慮すべき重要な事柄である。一つの問題は、成形されたフィルムに絡むプラスチック的な感触を好まない消費者がいることである。吸収用物品の表面の感触を改善することに多大の努力が払われている。一例がButterworthらの米国特許第3,967,623号に記載されている。Butterworthの特許は、一体化した繊維状又はスエード調の外面を有する穿孔された熱可塑性の織布から成る接触シートを有する吸収パッドを教示している。
【0006】
一般的な吸収用物品、特に大人の失禁用おむつについては、更に別の問題がある。着用者が二回以上排尿すると、吸収されない液が飽和した心材の領域から飽和していない心材の領域へ表面シートを通して横に流れて吸収される際、濡れの感触があることである。この感触は非常に不快で、好ましくない。
【0007】
しかし、上記の引用例の大半に記載される製品は、表面での少ない流れ出し、表面シートの濡れ感触を防止する能力の向上、及び感触の改善という望ましい三要素の全てをバランスよく達成するには理想的ではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の概要)
本発明は表面シート及び吸収心材を有する吸収用物品に関する。取り込み分配層は表面シートと吸収心材の間に位置している。取り込み分配層は、穿孔され三次元に形成されたフィルムから成り、人体に面した側、即ち雌側及び衣服に面した側、即ち雄側を有する。本発明に従って、取り込み分配層は大きい空隙容積の空間を規定する。下側の大きい空隙容積の空間が、吸収されない液が表面シートに接触することなく、飽和した心材領域の表面上を流れて、飽和していない新しい心材領域に流れ込むための空間をもたらし、それによって使用者の濡れ感触を防止する。吸収されない液は、吸収心材の飽和した領域へ繰り返し排尿することから生じる。別の実施態様では、取り込み分配層は雌側でより高い平面に向けて上方に伸びる少なくとも一筋の盛り上がった畝を有する。盛り上がった畝は、横漏れの防止に役立つよう、吸収されない液が吸収用具の主に縦方向に流れるように誘導するために、縦方向に走っている。別の実施態様では、吸収されない液が流れるための更に拡大した空隙容積の空間を有し、且つ濡れが閉じ込められている領域と表面シートの間をより大きい空間で分離する取り込み分配層を、第一及び第二の三次元の多孔フィルムが形成する。更に別の実施態様では、取り込み分配層が、高いロフト(loft)を有し、比較的深いセル又はバケットを形成する。飽和した心材領域に排泄物が繰り返し入ってくると、排泄される領域のバケットは満杯となる。続いて排泄があると、隣接のバケットへ液が溢れ出る。この溢流作用が排泄物の液量を更に広い領域の心材に分散させ、液は飽和していない心材によって吸収される。
【0009】
(発明の詳細な説明)
本発明は、三次元の多孔フィルムの取り込み分配層を有する吸収用物品に関する。吸収用物品の例には、おむつ、失禁用物品、生理用ナプキン及び類似の物品が含まれる。
【0010】
本出願のために、「吸収用物品」という用語は人体からの滲出液を吸収、保有する物品のことである。更に具体的には、この用語は人体から排泄される種々の滲出液を吸収、保有するために、着用者の体に接して又は近接して装着される物品のことである。本明細書に使用される「吸収用物品」の用語は、おむつ、失禁用物品、生理用ナプキン、パンティライナー及び人体からの滲出液を吸収するのに使用される他の物品を含むことを意図している。
【0011】
「おむつ」という用語は、幼児及び失禁症の人によって一般に着用され、脚の間で引き上げられ着用者の腰の周りで固定される衣類のことである。先行技術によるおむつの例には、1967年1月31日発行のDuncanらの米国特許第26,152号;1975年1月14日発行のBuellの米国特許第3,860,003号;1986年9月9日発行のWeismanらの米国特許第4,610,678号;1987年1月16日発行のWeismanらの米国特許第4,673,402号;1987年9月22日発行のLawsonの米国特許第4,695,278号;1987年11月3日発行のBuellの米国特許第4,704,115号;1989年5月30日発行のAlemanyらの米国特許第4,834,735号;1989年12月19日発行のAngstadtの米国特許第4,888,231号;及び1990年3月20日発行のAzizらの米国特許第4,909,803号に記載されるおむつがある。
【0012】
「失禁用物品」という用語は、着用者が大人又は他の失禁症の人であれ、パッド、下着、例えば、ベルトのような吊り用具又は他の用具によって所定の場所に装着されるパッド、吸収用物品用の挿入物、吸収用物品用の吸収能力増加材、ブリーフ、ベッド用パッド及び類似の用具のことである。失禁用物品の例には、1981年3月3日発行のStricklandらの米国特許第4,253,461号;Buellの米国特許第4,597,760号及び第4,597,761号;上記の米国特許第4,704,115号;Ahrらの米国特許第4,909,802号;1990年10月23日発行のGipsonらの米国特許第4,964,860号;並びに1991年1月3日出願の夫々Noelら及びFeistらの米国特許出願番号第07/637,090号及び第07/637,571号で開示されているものが含まれる。
【0013】
「生理用ナプキン」という用語は、例えば、血液、月経分泌物及び尿のような人体から排泄される種々の滲出液を吸収、保有する意図で、女性が外陰部近くに着用する物品のことである。生理用ナプキンの例は、1981年8月25日発行のMcNairの米国特許第4,285,343号;夫々1986年5月20日及び1987年8月18日発行のVan Tilburgの米国特許第4,589,876号及び第4,687,478号;夫々1990年4月17日及び1991年4月16日発行のOsbornらの米国特許第4,917,697号及び第5,007,906号;及び夫々1990年8月21日及び1991年4月23日発行のOsbornの米国特許第4,950,264号及び第5,009,653号;並びに1990年10月29日にVisscherの名前で出願された米国特許出願番号第07/605,583号に開示されている。
【0014】
「パンティライナー」という用語は、女性が一般に生理期間の合間に着用する、生理用ナプキンより嵩高くない吸収用物品のことである。パンティライナーの例は、1988年4月19日発行のOsbornの「パンティライナー」という名称の米国特許第4,738,676号に開示されている。
【0015】
全ての特許、特許出願及びそれから発行されるいかなる特許の開示内容、並びに対応して発行されるいかなる外国出願特許及び本特許出願の中で言及される出版物も、参照することにより本明細書の一部に取り入れられている。しかし、参照することにより本明細書の一部に取り入れられているいずれの文書も、本発明を教示又は開示しているとは明らかに認められない。又、本明細書に記載され、市場で入手可能ないずれの物質又は製品も、本発明を教示又は開示しているとは明らかに認められない。
【0016】
図1について、典型的な吸収用物品10の簡略化した図が示されている。しかし、図1は例証のためのみに示されており、吸収用物品の特定の型又は形状を限定していると解釈してはならない。図2に示されるように、吸収用物品10は、基本的に表面シート12、裏面シート14、取り込み分配層15及び吸収心材16を含む。吸収心材16は表面側、即ち人体に面する側17を有する。
【0017】
吸収用物品10は、人体に接触する面、即ち人体面18、及び衣類に接触する面、即ち衣類面20の二つの面を有する。人体面18は着用者の体に近接して装着されることを意図している。吸収用物品10の衣類面20(図2)は反対側にあり、吸収用物品10が着用される時は着用者の下着又は衣類に近接して装着されることを意図している。
【0018】
吸収用物品10は縦方向の中心線22(図1)及び横方向の中心線24(図1)の二本の中心線を有する。吸収用物品10は互いに隔たった二つの縦方向の側端26及び互いに隔たった二つの横方向の前後端、即ち末端28を有し、これらは共に吸収用物品10の周囲30を形成する。
【0019】
吸収用物品10の個々の構成要素を更に詳しく記載する。表面シート12は弾力があり柔らかい感触で、着用者の肌を刺激しないものである。更に表面シート12は液浸透性であり、その厚みを貫通して液を容易に浸透させる。表面シート12は人体に面する側32(図2)及び衣類に面する側34(図2)、そして二つの縦方向の端、即ち側端36及び二つの前後端38(図1)を有する。吸収心材16は表面、即ち人体に面する側17を有する。本明細書の以降では、類似した構成要素は本発明の全ての実施態様に対して同一の番号を共有する。例えば、「表面シート」は個々の実施態様において数字12によって示される。
【0020】
表面シート12は不織材料又は真空成形のフィルム層から作られることが好ましい。表面シート12は、好ましい実施態様では取り込み分配層15(図2)に接着されずに接触しているが、取り込み分配層15に接着されてもよい。図3の吸収用物品は、再濡れ防止(又は吸い上げ防止)用に三次元の多孔プラスチックフィルム44を使用している。三次元の多孔プラスチックフィルム44は人体に面する側、即ち雌側46及び衣類に面する側、即ち雄側48を有する。表面シート12の衣類に面する側34は多孔プラスチックフィルム44の雌側46と密接に接触して保持されることが好ましい。表面シート12及び取り込み分配層15を以下で更に詳細に考察する。
【0021】
表面シート12は液浸透性のいずれの不織布であってもよい。好適な不織布は天然繊維(例えば、木材又は綿の繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル、ポリプロピレン)又はこれらの組み合わせから製造されてよい。表面シート12は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、澱粉系樹脂、ポリウレタン、セルロース及びセルロースエステルから成る群から選ばれる繊維類から作られるのが好ましい。
【0022】
表面シート12に使用される不織布を製造するために、種々の製造技術が使用されてよい。例えば、不織布は樹脂積層法、ニードルパンチ法、スパンボンド法又はカーディング法で製造されてよい。カーディングされた不織布は熱による接着、エアージェット接着されてよく、スパンレース布であってもよい。好ましい不織布は熱により接着されたポリプロピレン布である。
【0023】
典型的な表面シート12は一定の型の熱接着点を有する不織布である。不織布の一例は、カーディングされ、熱により点接着されたポリプロピレンウェブを有する。このような布の熱接着点は平面図上で一般に長方形の形状である。接着点は一般に千鳥に配列されている。別の典型的な不織布は、同様に配置された熱接着点を持つスパンボンド法によるポリプロピレンウェブである。更に別の典型的な不織布には、カーディングされ、Megisonらの米国特許第4,781,710号で教示される方法に従ってエンボス加工されたポリプロピレンウェブがある。この不織布は平面図でダイアモンドの形状をした、エンボスされ熱接着された領域を有する。ダイアモンド形状の接着点は隔たって配置され、Megisonらの特許の図1及び2に示されるようなダイアモンド形状の格子状に配置されている。しかし、一般にエンボスは下の心材までは達していない。
【0024】
好ましくは、取り込み分配層15は、先細りした毛細管を具備した多孔性の熱可塑性のフィルムであって、約10パーセント未満の表面流出率を有し、先細りした毛細管を通ることにより液流量が増加するフィルムである。このようなフィルムの製造方法は二重の表面処理を含み、これは夫々「多孔性フィルム」及び「多孔性フィルムの処理」という名称のThomasらの米国特許第4,535,020号及び第4,456,570号によって教示されている。米国特許第4,535,020号及び第4,456,570号は、参照することにより本明細書の一部に取り入れられている。この方法は、フィルムを形成するポリオレフィン樹脂に内部化学添加剤、即ち界面活性剤を添加することによって、一つの表面処理がなされることを教示している。添加剤は樹脂からフィルムが形成される前は、樹脂と化合しているか、又は他の方法で混合若しくは融合している。フィルムが形成されると、フィルムにコロナ放電処理をするという別の表面処理がなされ、これが化学添加剤に作用して、表面流出がゼロ又はゼロに近いパーセントである多孔性フィルムを生成させる。
【0025】
界面活性剤によって、界面活性剤が添加されないポリオレフィンフィルムよりも極性が高いフィルム表面が得られる。より高い表面極性がより高い濡れ特性をもたらす。化学的に処理されたフィルムは処理されないフィルムより極性が高いものの、フィルム自身のコロナ放電処理は所望される最高の濡れ特性をもたらす。この極性を付与し、フィルムの表面に移動するいずれの界面活性剤も本発明で使用することができる。
【0026】
図3について、多孔プラスチックフィルム44は一般に表面シート12と吸収心材16の間に位置する。図3に示すように、多孔プラスチックフィルム44は三次元の構造であり、多数の先細りの毛細管50を備え、個々の毛細管は底部開口52及び頂部開口54を有する。開口54の頂部は吸収心材16と密接に接触している。更に、フィルム44の雄側48の大半の表面積は心材16に接触している。
【0027】
多孔プラスチックフィルム44は、液が浸透しない熱可塑性の材料から製造されるのが一般的である。好適な材料の一つに、0.001乃至0.002インチ(0.0025乃至0.0051cm)の厚さを有する低密度ポリエチレンフィルムがある。典型的な多孔プラスチックフィルム44の製造に使用される熱可塑性の材料は、一般にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、澱粉系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリカプロラクトン及びセルロースエステル、又はこれらの組み合わせから成る群から選ばれる。
【0028】
一つの典型的な実施態様では、1975年12月30日発行のThompsonの米国特許第3,939,135号に記載される様式、大きさ、形状及び方向性を持つ、非常に多数の先細りの毛細管50を具備する熱可塑性の材料が提供される。他の典型的な多孔プラスチックフィルムが、1982年4月13日発行のMullaneらの米国特許第4,324,246号、1982年8月3日発行のRadelらの米国特許第4,342,314号及び1984年7月31日発行のAhrらの米国特許第4,463,045号に開示されている。多孔プラスチックフィルム44は、非熱可塑性の他の種類の多孔プラスチックフィルムから成ってもよい。使用されるフィルムの種類は、表面シート12の製造中にフィルム及び不織布の構成成分が受ける処理の種類に依存する。熱可塑性のフィルムは、表面シート12及び取り込み分配層15、即ちフィルム44が溶融によって一体に成形されて複合構造になる場合に一般に使用される。他の種類の多孔フィルムには、液圧成形フィルムが含まれるがこれに限定されない。液圧成形フィルムは、以下のCurroらの米国特許第4,609,518号、第4,629,643号、第4,695,422号、第4,772,444号、第4,778,644号及び第4,839,216号、並びにOuelletteらの米国特許第4,637,819号の少なくとも幾つかに記載されている。
【0029】
一般に、表面シート12の不織布及び多孔プラスチックフィルム44は向かい合わせに配置される。この二つの構成要素は固定されても固定されなくてもよい。固定される場合は、二つの構成要素が種々の方法によって相互に固定されてよい。不織布及び多孔フィルム44を固定する典型的な方法には、接着、熱接着及び/又は圧接着を含む融合、超音波法及び動的機械的接着が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
接着剤は、均一で連続した層状、特定の形状を有する層状、又は分離した線の配列状、螺旋状、玉状又は点状に塗布することができる。接着剤による取り付けは、一般に、1986年3月4日発行のMinetolaらの米国特許第4,573,986号に開示されるような接着剤のフィラメントの開放型網目構造、又は1975年10月7日発行のSprague,Jrの米国特許第3,911,173号;1978年11月22日発行のZiekerらの米国特許第4,785,996号;及び1989年7月27日発行のWereniczの米国特許第4,842,666号に示される装置及び方法よって説明されるように、数条の接着剤のフィラメントを旋回させて螺旋状の型にするフィラメントの開放型網目構造を含む。熱/圧接着の使用可能な別の方法が、1989年8月8日発行のBallらの米国特許第4,854,984号に記載されている。
【0031】
別の例として、表面シート12の不織布及び多孔プラスチックフィルム44は間接的に固定されてよい。例えば、不織布及び多孔フィルム44は、不織布と多孔プラスチックフィルム44の間に位置するフェルトの薄い層又は疎水性物質の層に固定することができ、又はこれらの層を介して固定することができる。一般に、このような付加される層は以下に更に詳しく説明するように、界面活性剤で処理される。
【0032】
或いは又、米国特許第4,995,930号でMerzらが教示するように、表面シート12の不織布及び多孔プラスチックフィルム44は、複合構造に一体成形することができる。本明細書で「複合体」、「複合構造」又は「組み合わせ」という用語は、不織布の一部がフィルム44の中にまで入り込み、又はその逆により、これらが一体に接着する関係のことである。
【0033】
図4及び5に関して、本出願人の発明による改良された吸収用物品の第一の実施態様では、六角形の型を有する三次元の多孔フィルム56から作られる取り込み分配層42が使用される。六角形の型が説明の目的で使用されるが、本明細書に記載されるいずれのフィルムに対しても、他の型も使用されてよいと理解されるべきである。他の型の例には、円形、長円形、楕円形、多角形、又は他の好適な型、或いは型の組み合わせが含まれる。六角形の型は多数の隣接した六角形、即ちセル58を形成する。好ましい実施態様では、六角形の型は8.75メッシュに基づいており、ここで「メッシュ」は1インチの長さに並ぶセル58の個数である。8.75のメッシュ番手が好ましいが、2乃至25のメッシュ番手又はより好ましくは4乃至15のメッシュ番手が使用されてよい。好ましくは個々のセル58は59ミルの大きい直径の開口60を備えており、これは排泄液が排泄される速さと同程度の速さで、三次元の多孔フィルム56を通して排泄液を取り込むのに十分な大きさである。
【0034】
特に図4の線5−5でのフィルム56の拡大断面を示す図5に関して、三次元の多孔フィルム56は人体に面する側、即ち雌側62及び衣類に面する側、即ち雄側64を有する。表面シート12の衣類に面する側34は、多孔プラスチックフィルム56の雌側62と密接に接触して保持されることが好ましい。好ましくは、表面シート12はフィルム56と接触して保持されるが、フィルム56に接着されていない。
【0035】
図5で分るように、フィルム56は表面シート12と吸収心材16の間に位置する。多孔プラスチックフィルム56は多数の毛細管66を有する三次元構造であり、個々の毛細管は底部開口68及び頂部開口70を有する。毛細管66の頂部開口70は吸収心材16と密接に接触しており、この密接な接触を確実にするために、頂部開口70は吸収心材16に接着されるのが好ましい。本質的に毛細管66の頂部開口70のみが心材16と密接に接触しており、それにより横方向の流れをもたらす空間74は実質的に妨げられないままであることが確保されていることも注目すべきである。多孔プラスチックフィルム56の雌側62上の隣接する開口60の間にランド領域72が形成される。空隙容積の空間74(図5)が多孔プラスチックフィルム56の雄側64上に形成され、これが個々のセル58間の液通路をもたらす。好ましくは、空隙容積の空間74の頂部開口空間70に対する比は2:1である。三次元の多孔フィルム56は、ロフト75、即ち雌側62の表面と雄側64の平らな表面の間の厚みを有し、これは0.031インチ乃至0.125インチ、より好ましくは0.045インチ乃至0.100インチ、そして最も好ましくは0.050インチである。フィルム56に使用される熱可塑性の材料は、約0.919g/cc乃至0.960g/ccの範囲の密度を有することが好ましく、更に好ましくは約0.930g/cc乃至0.950g/ccの範囲の密度を有する。典型的な材料の一般的なメルトインデックスの範囲は約0.10乃至約8.50が好ましく、一般には約1.5乃至約4.5の範囲が更に好ましい。
【0036】
図6及び7に関して、本出願人の発明による改良された吸収用物品の第二の実施態様では、六角形の型を持つ三次元の多孔フィルム76から作られる取り込み分配層15が使用される。本実施態様では、六角形の型を説明しているが、他の型も使用してよいと理解されるべきである。他の型の例には、円形、長円形、楕円形、多角形又は他の好適な型、或いは型の組み合わせが含まれる。六角形の型が多数の隣接した六角形、即ちセル78を形成する。好ましい実施態様では、個々のセル78は、六角形の型を有する個々のセル78を構成する六角形の平面辺から平面辺までを測定して1/32インチ乃至1/2インチである。更に好ましくは、1/16インチ乃至1/5インチのセルが使用される。なお更に好ましくは、対辺距離が1/8インチのセル78が使用される。
【0037】
図6の線7−7いおけるフィルム76の拡大断面を示す図7に関し更に詳細に記載すると、三次元の多孔フィルム76は人体に面する側、即ち雌側82及び衣類に面する側、即ち雄側84を有する。表面シート12の衣類に面する側34は、多孔プラスチックフィルム76の雌側82と密接に接触して保持されることが好ましい。好ましくは、表面シート12はフィルム76と接触して保持されるが、接着されていない。
【0038】
図7で分るように、フィルム76は表面シート12と吸収心材16の間に位置する。多孔プラスチックフィルム76は多数の大きな開口、即ちバケット86を有する三次元構造であり、個々のバケットは底部開口88及び頂部開口90を有する。バケット86の頂部開口90は吸収心材16と密接に接触しており、この密接な接触を確実にするために、頂部開口90は吸収心材16に接着されることが好ましい。多孔プラスチックフィルム76の雌側82上の隣接する開口80の間にランド領域92が形成される。ハニカム型の実施態様では、ランド領域の幅は比較的狭いことが好ましい。三次元の多孔フィルム76は、30ミルより大きいロフト94(図7)、即ち雌側82の表面と雄側84の平らな表面の間の距離を有する。好ましい実施態様では、ロフト94は50ミルである。
【0039】
図8及び9に関して、本出願人の発明による改良された吸収用物品の第三の実施態様では、六角形の型を持つ三次元の多孔フィルム96から作られる取り込み分配層15が使用される。例示の目的で六角形の型を説明しているが、本明細書に記載されるいずれのフィルムに対しても、他の型も使用してよいと理解されるべきである。他の型の例には、円形、長円形、楕円形、多角形又は他の好適な型が含まれる。六角形の型が多数の隣接した六角形、即ちセル98を形成する。好ましい実施態様では、六角形の型は8.75メッシュに基づいており、ここで「メッシュ」は1インチの長さに並ぶセル98の個数である。8.75のメッシュ番手が好ましいが、2乃至25のメッシュ番手又はより好ましくは4乃至15のメッシュ番手が使用されてよい。好ましくは個々のセル98は、例えば59ミルの大きい直径の開口100を備えている。三次元の多孔フィルム96上に多数の盛り上がった畝101が形成される。盛り上がった畝101は縦方向に、即ち、吸収用物品10の縦方向の中心線22(図1)に平行に走っていることが好ましい。
【0040】
特に図8の線9−9でのフィルム96の拡大断面を示す図9に関して、三次元の多孔フィルム96は人体に面する側、即ち雌側102、及び衣類に面する側、即ち雄側104を有する。表面シート12の衣類に面する側34は、多孔プラスチックフィルム96の雌側102と密接に接触して保持されることが好ましい。好ましくは、表面シート12はフィルム96と接触して保持されるが、接着されていない。フィルム76に使用される熱可塑性の材料は、約0.919g/cc乃至0.960g/ccの範囲の密度を有することが好ましく、更に好ましくは約0.930g/cc乃至0.950g/ccの範囲の密度を有する。典型的な材料の一般的なメルトインデックスの範囲は約0.10乃至約8.50が好ましく、一般には約1.5乃至約4.5の範囲が更に好ましい。
【0041】
図9で分るように、フィルム96は表面シート12と吸収心材16の間に位置する。多孔プラスチックフィルム96は多数の毛細管106を有する三次元構造であり、個々の毛細管は底部開口108及び頂部開口110を有する。毛細管106の頂部開口110は吸収心材16と密接に接触しており、この密接な接触を確実にするために、頂部開口110は吸収心材16に接着されることが好ましい。本質的に毛細管106の頂部開口110のみが心材16と密接に接触しており、それにより横方向の流れをもたらす空隙空間114〜116は実質的に妨げられないままであることが確保されていることも注目すべきである。多孔プラスチックフィルム96の雌側102上の隣接する開口100の間にランド領域112が形成される。空隙容積の空間114が多孔プラスチックフィルム96の雄側104上に形成され、これが個々のセル98間の液通路をもたらす。個々の盛り上がった畝101の雄側104上に水路115(図9)が形成される。水路115が多孔プラスチックフィルム96の空隙容積の空間114と通じると拡大した空隙容積の空間116が形成される。三次元の多孔フィルム96は、ロフト118(図9)、即ち雌側102上の盛り上がった畝101の表面と雄側104の平らな表面の間の厚みを有し、これは0.065インチ、即ちフィルム96の好ましいロフト0.050インチに、好ましくは盛り上がった畝の高さ0.015インチを加えた値の範囲にある。0.050インチが最も好ましいロフトであるが、0.031インチ乃至0.125インチ、より好ましくは0.045インチ乃至0.100インチのロフトが使用されてよい。盛り上がった畝101は、真空成形スクリーンの周囲に針金を取り付け、又は真空成形スクリーン上に長い突起を形成し、当業界で公知の方法でスクリーン上をフィルムを通過させることによって、形成してよい。フィルム96に使用される熱可塑性の材料は、約0.919g/cc乃至0.960g/ccの範囲の密度を有することが好ましく、更に好ましくは約0.930g/cc乃至0.950g/ccの範囲の密度を有する。典型的な材料の一般的なメルトインデックスの範囲は約0.10乃至約8.50が好ましく、一般には約1.5乃至約4.5の範囲が更に好ましい。
【0042】
盛り上がった畝101を有する三次元の多孔フィルム96の一区画を使用する使い捨ておむつ120を図10に示す。使い捨ておむつ120は縦方向の中心線122及び横方向の中心線124を有する。使い捨ておむつ120は、単に一例として、本明細書に示されており、本明細書に記載される発明は使い捨ておむつに限定されると解釈されるべきでなく、失禁用物品、生理用ナプキン、パンティライナー又は他の吸収用物品をも含んでよい。
【0043】
図11に関して、本出願人の発明による改良された吸収用物品の第四の実施態様では、三次元の多孔フィルム56(図4及び5)及び三次元の多孔フィルム96(図8及び9)から成る取り込み分配層15が使用され、これは多層の多孔フィルム126と呼ぶべきものである。三次元の多孔フィルム56が、多層の多孔フィルム126の人体に面する補助層128を形成する。三次元の多孔フィルム96が、多層の多孔フィルム126の衣類に面する補助層130を形成する。表面シート12の衣類に面する側34は、人体に面する補助層128を形成する多孔プラスチックフィルム56の雌側62と密接に接触して保持されることが好ましい。好ましくは、表面シート12は補助層128と接触して保持されるが、接着されていない。
【0044】
図11で分かるように、多層の多孔フィルム126は、表面シート12と吸収心材16の間に位置する。多層の多孔フィルム126は、液がそれを通って流れることができる三次元構造である。人体に面する補助層128を形成する三次元の多孔フィルム56は、補助層130上に形成される盛り上がった畝101と接触する。衣類に面する補助層130を形成する三次元の多孔フィルム96の頂部開口110は、吸収心材16と密接に接触するのが好ましい。衣類に面する補助層130を形成する多孔プラスチックフィルム96の空隙容積の空間114及び水路115は、拡大した空隙容積の空間116を形成し、人体に面する補助層128を形成する三次元の多孔フィルム56の追加的な空隙容積の空間74によって補足される。更に拡大した空隙容積の空間136が、水路101の盛り上がりによって、補助層128と130の間に形成される。多層の多孔フィルム126は、ロフト138、即ち人体に面する補助層128を形成する三次元の多孔フィルム56の雌側62と、三次元の多孔フィルム96の雄側104の平らな表面の間の厚みを有する。多層の多孔フィルム126の好ましいロフト138は0.90インチであり、これはフィルム96の好ましいロフトである50ミル、盛り上がった畝101の15ミル及び表面シート12の25ミルの合計である。多層フィルム126の補助層128及び130は、「穿孔した三次元のフィルムへの穿孔していない三次元のフィルムの接着、及びそれから製造される物品(Lamination of non−apertured three−dimensional films to apertured three−dimensional films and articles produced therefrom)」という名称の、Biagioliらの米国特許第5,635,275号によって教示される方法によって接着されることが好ましい。米国特許第5,635,275号は、参照することにより本明細書の一部に取り入れられている。しかし、多層フィルム126は、表面シート12に接着されないことが好ましい。
【0045】
図12に関して、本出願人の発明による改良された吸収用物品の第五の実施態様では、三次元の多孔フィルム56(図4及び5)及び三次元の多孔フィルム76(図6及び7)から作られる取り込み分配層15が使用され、これは多層の多孔フィルム146と呼ぶべきものである。三次元の多孔フィルム56が、多層の多孔フィルム146の人体に面する補助層148を形成する。三次元の多孔フィルム76が、多層の多孔フィルム146の衣類に面する補助層150を形成する。表面シート12の衣類に面する側34は、人体に面する補助層148を形成する多孔プラスチックフィルム56の雌側62と密接に接触して保持されることが好ましい。好ましくは、表面シート12は補助層148と接触して保持されるが、接着されていない。
【0046】
図12で分かるように、多層の多孔フィルム146は、表面シート12と吸収心材16の間に位置する。しかし、多層の多孔フィルム146は、表面シート12が無くても機能することができると考えられる。多層の多孔フィルム146は、液がそれを通って流れることができる三次元構造である。人体に面する補助層148を形成する三次元の多孔フィルム56は、補助層150を形成する三次元の多孔フィルム76のランド領域92と接触している。人体に面する補助層148は、表面シート12を、吸収されずにバケット86から隣接するバケット86へ溢流する液から隔離している。人体に面する補助層148の空隙容積の空間74及び衣類に面する補助層150のバケット86は、更に拡大した空隙容積の空間156を形成する。多層の多孔フィルム146は、ロフト158、即ち人体に面する補助層148を形成する三次元の多孔フィルム56の雌側62と三次元の多孔フィルム76の雄側84の平らな表面の間の厚みを有する。多層の多孔フィルム146の好ましいロフト158は70ミル、即ち衣類に面する補助層150に対して50ミル、及び人体に面する補助層148に対して20ミルである。多層フィルム146の補助層148及び150は、Biagioliらの米国特許第5,635,275号によって教示される方法で接着されることが好ましく、この特許は参照することにより本明細書の一部に取り入れられている。しかし、好ましくは多層のフィルム146は、表面シート12に接着されない。複合した多層の多孔フィルム126及び146は、Biagioliらの米国特許第5,635,275号の教示に従って構築されてよく、この特許は参照することにより本明細書の一部に取り入れられている。
【0047】
実際には、三次元の多孔フィルム56、76、96及び多層の多孔フィルム126及び146が、吸収用物品10において取り込み分配層15として使用されてよい。吸収用物品10は液の吸収が望ましい用途に使用される。使用に当っては、男女の赤ん坊又は大人の尿水のような人体からの滲出液が吸収用物品10に取り込まれる。尿水は一般に言う単一点での液流れの形で排出されるのが一般的である。排尿が繰り返されると、排尿が繰り返された領域で心材16が飽和するため、望ましくない漏れ又は使用者の望ましくない濡れ感触が発生する可能性がある。換言すれば、吸収心材16が特定の領域で、繰り返される排尿を吸収不能に陥る可能性がある。この結果、それ以上の排尿が吸収用物品10に入ってくると、心材16に吸収されずに心材層16の上面、即ち人体に面する側17上に留まる可能性がある。本出願人の発明は、心材層16からの吸収されない液を心材層16の飽和していない領域の方へ誘導する方法を提供する。フィルム76の雌側82上の狭いランド領域92が有する表面積は、好ましくは十分に小さいので、吸収されない液が或るバケット86から隣接するバケット86に溢流する際に、表面シート12が部分的に瞬時濡れる場合にも、ランド領域上に保有される液が使用者に濡れの感触を与える程の量には至らない。吸収されない液が表面シート12に接触すると、表面シート12の濡れの不快な感触が出てくる。表面シート12が濡れると、着用者の肌に気持ち悪く液が接触することになる。
【0048】
例えば、吸収用物品10(図1)に三次元の多孔フィルム56(図4及び5)が使用される場合は、吸収されない液、又は心材層16から溢流する液は空隙容積の空間74内を心材16の飽和していない領域に流れていくことができる。隣接するセル58(図4)の雄側64(図5)上の空隙容積の空間74が相互に連結して、大容量の液を心材16の飽和していない領域へ通過させる。多数の隣接する六角形が、心材16の飽和した領域の上面、即ち人体に面する側17上を流れる液のための空間をもたらす大きな空隙容積の空間を下部に形成し、新たな飽和していない領域を探し出す。排泄が繰り返されて生じる吸収されない液は、次いで吸収心材16の飽和した領域から流れて、下部の空隙容積の空間74を通って吸収心材16の飽和していない領域に振り向けられる。三次元の多孔フィルム56の空隙容積の空間74がなければ、肌に接触している表面シート12は、排泄液が新たな吸収領域を模索する間に濡れてくる。雄側の空隙容積の領域74は、これまで公知の再濡れ防止層又は吸い上げ防止層よりも、空隙容積の総領域が非常に大きい。
【0049】
別の例として、吸収用物品10(図1)に三次元の多孔フィルム76(図6及び7)が使用される場合は、ある領域の心材16が飽和した後にその領域に排出される排泄液はバケット86内に溜まってくる。排泄点にあるバケット86が満水になると、満水したバケット86内の液が溢流するにつれ、排泄点に隣接するバケット86が満たされる。隣接するバケット86の間で溢流が起こり、このプロセスが繰り返されて排泄液全体が取り込まれる。結局、バケット86からの溢流は、飽和していない心材16の直近領域にあるバケット86に流れ込み、液は吸収される。吸収されない液がバケット86から隣接するバケット86へ溢流することによって、吸収されない液が、液を吸収することができる心材16の広い領域に分散されるため、表面シート12の望ましくない濡れが避けられる。オープンセルの空隙容積の領域86は、これまで公知の再濡れ防止層又は吸い上げ防止層よりも、空隙容積の総面積が非常に大きい。三次元の多孔フィルム76のランド領域92の好ましいパーセント範囲は全表面積の5乃至20%である。大きく型取りされた取り込み分配層の材料、即ち三次元の多孔フィルム76は、より大きいロフト、例えば、1/8インチハニカムの実施態様では30ミル、より好ましくは50ミルより大きいロフトをももたらす。より大きいロフト94、即ち三次元の多孔フィルム64の最上部の面と最下部の面の間の厚みが、濡れた心材16と使用者の肌に接触する領域の間の「吸い上げ防止」障壁又は層を提供する。より大きいロフト94で、乾燥感触が改善される。表面シート12の材料は、全体の占有体積のうちのほんのわずかのパーセントしか占めないから、その体積が大きければ大きい程、肌に接する領域近くで得られる「エアークッション」効果が大きい。
【0050】
更なる例として、吸収用物品10(図1)に三次元の多孔フィルム96(図8及び9)が使用される場合は、心材層16で吸収されない排泄液は空隙容積の空間114内を流れることができる。隣接するセル98(図9)の雄側104(図9)上の空隙容積の空間114は、互いに連結して大量の液を心材16の飽和していない領域に送り込む。更に、盛り上がった畝101が水路115を形成し、吸収されない液を拡大した空隙容積の空間116を経て更に取り込む。水路115の更なる利点は、水路115が吸収されない液を縦方向のような望ましい方向、即ち使い捨ておむつ120(図10)の縦方向の中心線122に平行に誘導することである。吸収されない液を縦方向に誘導することによって、液はおむつの周囲のような望ましくない場所の方に誘導されるのではなく、飽和していない心材16がより多くある場所に誘導される可能性がある。水路115は使い捨ておむつ120の横方向の中心線に平行な方向から液を遠ざける。従って、盛り上がった畝は使い捨ておむつ120からの横漏れの防止に有効である。
【0051】
更に、取り込み分配層42の種々の実施態様が、フィルム126(図11)又はフィルム146(図12)のような多層の多孔フィルムの中に組み込まれてよい。多層の多孔フィルム126は、更に拡大した空隙容積の空間136をもたらし、吸収されない液を取り込む。更に拡大した空隙容積の空間136は、吸収されない液を表面シート12と接触させることなく、心材16が飽和していない領域に流し、これによって使用者の不快な濡れ感触を回避する。
【0052】
多層の多孔フィルム146(図12)は、更に拡大した空隙容積の空間156をもたらし、吸収されない液を取り込む。更に拡大した空隙容積の空間156は、吸収されない液をバケット86からランド92を超えて、心材16が飽和していない領域の隣接するバケット86へ溢流させる。人体に面する補助層148、即ちフィルム56は、吸収されない液が衣類に面する補助層150、即ちフィルム76のバケット86からランド92を超えて隣接のバケットに溢流する際に、吸収されない液が表面シート12に接触するのを実質的に防止し、これによって使用者にとって不快な濡れの感触を更に減少させる。
【0053】
三次元の多孔フィルム56、76、96及び多層の多孔フィルム126並びに146を使用することによって、吸収用物品10の取り込み分配層15のロフトが増加する。より大きなロフト75、94、118、138及び158、即ち三次元の多孔フィルム56、76、96及び多層の多孔フィルム126並びに146の最上部の面と最下部の面の間の厚みが、濡れた心材16と使用者の肌に接触する領域の間の「吸い上げ防止」障壁又は層を提供する。より大きいロフト75、94、118、138及び158で、乾燥感触が改善される。表面シート12の材料は、全体の占有体積のうちのほんのわずかのパーセントしか占めないから、その体積が大きければ大きい程、肌に接する領域近くで得られる「エアークッション」効果が大きい。
【0054】
「溢流」が絡む実施態様の雌側の大きな空隙容積が、吸収されない液の分散を容易にする。雌側の空隙容積は、フィルムの1平方メートル当り、好ましくは500cm3より大きく、より好ましくは750cm3より大きく、そして最も好ましくは1,000cm3より大きい。更に、「底溢流」が絡む実施態様の雄側の大きな空隙容積も、吸収されない液の分散を容易にする。雄側の空隙容積は、フィルムの1平方メートル当り、好ましくは500cm3より大きく、より好ましくは600cm3より大きく、そして最も好ましくは750cm3より大きい。
【0055】
テストデータ
テストは複合排泄取り込み法を使用して行った。不織布の世界(Nonwovens World)、1997年秋号、57〜63頁に記載の論文中のJames P.Hansonによる、「試験混合物第III部−液取り込みの信頼できる試験(The Test Mess Part III−Credible Testing for Liquid Acquisition)」という題名の論文に、いくつかの方法が詳細に記載されており、この論文は参照することにより本明細書の一部に取り入れられている。
【0056】
更に具体的には、本出願人のテストは以下のように行われた。図13に関して、打ち抜き試料160は、吸収用物品10の、取り込み分配層15が存在する箇所から打ち抜かれている。表面シート12及び取り込み分配層15を、これらの方向を変えないように特別の注意を払いながら吸収用物品10から取り外す。心材がついていない表面シート12及び取り込み分配層15、即ち打ち抜き試料160は、次いで無作為に重量測定し、平均重量及び重量の標準偏差を無作為に記録する。次いで個々の打ち抜き試料160に吸収心材16を取り付けて再度組み立てる。
【0057】
三層全てについて、取り込み速度性能を測定するために、液取り込み装置162を使用する。装置162は、試料160の上面に置くための、その中心に開口166を有する平板164を備えている。液供給器170から所望の液流量及び1回量を受液するための容量制御チャンバー168が平板164から上方に伸びている。オーバーフローパイプ172が平板164より少し上の位置で、容量制御チャンバー168から外側に伸びている。
【0058】
上記の方法で6個の試料をテストし、液供給器170から容量制御チャンバー168へ7ml/secの流量で送液した。試料1〜3は図3に示されるものと同様の取り込み分配層を有する試料であり、下記の表1に示されるような種々のロフト、即ち厚みを有している。特に、試料1は、Azizらの米国特許第H1670号の教示に従う、先行技術によるフィルムであって、ロフト20ミル、円形又は六角形の型のセル及びメッシュ番手22を有する。試料2は、Azizらの米国発明登録第H1670号(United States Invention Registration no.H1670)の教示に従う、先行技術によるフィルムであって、ロフト23ミル、六角形の型のセル及びメッシュ番手25を有する。試料3が、図4及び5に示されるものと同様な雄側の空隙容積の流れ領域を持つ取り込み分配層15を有するのに対し、試料4及び5は、本出願の発明を具現するフィルムの実施例である。試料4は、図6及び7に示される本発明の実施態様、即ち「バケット」の実施態様であり、取り込み分配層の上に1/8インチのハニカムの型を有する。試料3は、試料4よりも僅かに少ないロフト(51ミルに対し49ミル)であるが、より大きい雄側空隙容積を有する。特に、試料3は、メッシュ番手8.75の上に50ミルのロフトの六角形の型を有する。試料4は、メッシュ番手8の上に50ミルのロフトの1/8インチのハニカムの型を有する。結果を下記の表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
テストの結果を図14のグラフで示す。図14は、個々の試料1〜4に対するオーバーフロー液量(ml)を示す棒グラフを含む。更に、図14は、個々の試料の膨張した厚み、即ちロフトの逆数を示す折れ線グラフを含む。オーバーフローは、15mlの液量が7ml/secの流量で容量制御チャンバー168に供給される際に、液取り込み装置162のオーバーフローパイプ172から流れ出る液と定義される。オーバーフローパイプ172を通って流れない液は、試料160によって吸収される。
【0061】
特定の試料に対するロフトが大きい程、その試料に対して観察されるオーバーフローの液量が少ないことが図14から分る。本出願人の発明によるフィルム、即ち試料3及び4は、先行技術の設計によるフィルム、即ち試料1及び2よりも著しく大きなロフトを有している。試料3及び4は、オーバーフローの液量が著しく少ない。試料1及び2に対する総空隙容積が試料材料の面積基準で550cc/m2未満であるのに対し、本出願人の発明の実施態様を例示する試料3及び4に対する総空隙容積は1,000cc/m2より大きい。本出願人の発明に対する総空隙容積は、750cc/m2より大きいことが好ましく、より好ましくは875cc/m2より大きく、そして最も好ましくは1,000cc/m2より大きい。
【0062】
本発明のフィルムの空隙容積の空間が、既存のフィルムに対して実質的に増加していることを更に図示するために、試料2及び試料4の顕微鏡写真を図15及び16に示す。図15及び16は試料2及び4を倍率50倍で示す。図15は試料2及び4の平面図を示す。図16は試料2及び4の側面の断面図を示す。空隙容積の空間が実質的に増加していることが、図15及び16の各々から明らかである。
【0063】
最後に、空隙容積の空間を実験で計算できるように、個々の試料1〜4について既知の倍率及び寸法尺度の顕微鏡写真を撮影した。本明細書に記載される実施態様のセルが、Thompsonの米国特許第4,939,135号で教示されるように、幾何学的な錐台に最もよく近似されるが、Radelの米国特許第4,342,314号で教示されるように、実質的に垂直な壁のセル、及びRoseの米国特許第4,895,749号で教示されるように、幅狭い点に収斂し次いで開口する末端に向けて再び発散するセルのような、他のセル形状も本発明の範囲内に含まれる。雌側空隙容積、雄側空隙容積及び総空隙容積に対する空隙容積の空間のデータの幾何学的な計算の結果を、下記の表3に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
試料3によって実証される、本出願人の発明の「底溢流」の実施態様は、他のいずれの試料よりも実質的に大きい雄側空隙容積、即ち752cc/m2を有していることが表3から分る。試料4によって実証される、本出願人の発明による「溢流」の実施態様は、他のいずれの試料よりも実質的に大きい雌側空隙容積、即ち1357cc/m2を有している。
【0066】
上記から、吸収されない液は飽和した心材の領域から飽和していない心材の領域に流れて吸収されるため、本出願人の発明は、繰り返される排泄の間及びその後に使用者が感じる濡れ感触を軽減又は除去することが認知されるであろう。本出願人の発明は、吸収されない液の表面シート12との実質的な接触を防止しながら、吸収されない液を心材16の飽和していない領域に誘導する。本出願人の発明は、単一点での多くの排泄を受け入れる能力を提供すると同時に、表面シート12の濡れによる不快な感触を防止する。
【0067】
本発明は本明細書で実施例によって説明されており、種々の変形例が通常の技術を有する当業者によってなされてよい。例えば、種々の外形、材料及び多層フィルムの組み合わせが本発明の範囲内に入る。別の例として、本発明は、おむつ、失禁用物品、生理用ナプキン及び関係製品に関連して記載されているが、本発明の吸収用物品は、吸収材が所望される他の人体被覆材を制限なしに含む、他の同様な製品に完全に適用することができる。このような人体被覆材は、医学用ドレープ、医学用ガウン、医学用上張り、造孔術用具、女性用衛生製品、人体移動用シーツ、集液袋、産業用クリーンルーム用衣類及び他の製品を含んでよい。
【0068】
従って、本発明は前記の説明から明白であると考えられる。説明された方法及び物品は、好ましいと特徴づけられる一方、前記の特許請求の範囲に規定されるように、それらからの種々の変化及び変形例が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしになされてよいことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、取り込み分配層を使用する、本発明の吸収用物品の透視図である。
【図2】図2は、図1の吸収用物品の、線2−2における断面概略図であり、ここで、取り込み分配層は先行技術のタイプのものである。
【図3】図3は、図2の先行技術による取り込み分配層の拡大断面図である。
【図4】図4は、図1の吸収用物品において取り込み分配層として使用するための、本発明の第一の実施態様の三次元の多孔フィルムの平面図である。
【図5】図5は、図1の吸収用物品の、図1の線2−2での断面図であり、ここで、図示した取り込み分配層は、図4の三次元の多孔フィルムの、図4の線5−5における断面図である。
【図6】図6は、図1の吸収用物品において取り込み分配層として使用するための、本発明の第二の実施態様の三次元の多孔フィルムの平面図である。
【図7】図7は、図1の吸収用物品の、図1の線2−2における断面図であり、ここで、図示した取り込み分配層は、図6の三次元の多孔フィルムの、図6の線7−7における断面図である。
【図8】図8は、図1の吸収用物品において取り込み分配層として使用するための、本発明の第三の実施態様の三次元の多孔フィルムの平面図である。
【図9】図9は、図1の吸収用物品の、図1の線2−2における断面図であり、ここで、図示した取り込み分配層は、図8の三次元の多孔フィルムの、図8の線9−9における断面図である。
【図10】図10は、図8及び9の三次元の多孔フィルムを使用する使い捨ておむつの平面図である。
【図11】図11は、図1の吸収用物品の断面図であり、ここで、取り込み分配層は本発明の第四の実施態様の多層の多孔フィルムである。
【図12】図12は、図1の吸収用物品の断面図であり、ここで、取り込み分配層は本発明の第五の実施態様の多層の多孔フィルムである。
【図13】図13は、図1〜12の吸収用物品の種々の実施態様をテストするために使用する液取り込み装置の概略図である。
【図14】図14は、図1〜12に示される吸収用物品の種々の試料に対し、オーバーフロー総液量及びロフトの逆数を示す表1のデータのグラフ表示である。
【図15】図15は、試料の空隙容積の空間を比較するための、試料2及び試料4の50倍の平面図である。
【図16】図16は、試料の空隙容積の空間を比較するための、試料2及び試料4の50倍の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収用物品であって:
表面シート;
吸収心材;及び
該表面シートと該吸収心材の間にある取り込み分配層であって、雌側及び雄側を有する三次元の多孔フィルムであり、空隙容積の空間を規定する該取り込み分配層;
を含む物品。
【請求項2】
該取り込み分配層が、該取り込み分配層の該雌側から該表面シートに向けて伸びる少なくとも一筋の盛り上がった畝を有する、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項3】
該盛り上がった畝が、吸収用物品からの横漏れを低減するために、吸収されない液を該吸収用物品に関して主として望ましい方向に流すように誘導するために吸収用物品の縦方向に伸びている、請求項2記載の吸収用物品。
【請求項4】
吸収用物品であって:
該取り込み分配層が、第一の三次元の多孔フィルムを第二の三次元の多孔フィルムに隣接して有する多層のフィルムであり;
該第一の三次元の多孔フィルムが少なくとも一筋の盛り上がった畝を有し、該第二の三次元の多孔フィルムが該第一の三次元の多孔フィルムの雌側に接着され;そして、
吸収されない液を保有し、液が表面シートに接触するのを実質的に防止するため、該第二の三次元の多孔フィルムと該第一の三次元の多孔フィルムの間に空隙の領域が形成される;
請求項1記載の吸収用物品。
【請求項5】
吸収用物品であって:
該取り込み分配層が、第一の三次元の多孔フィルムを第二の三次元の多孔フィルムに隣接して有する多層のフィルムであり;
該第二の三次元の多孔フィルムが該第一の三次元の多孔フィルムの雌側に接着され;
吸収されない液を保有し、液が表面シートに接触するのを実質的に防止するため、該第二の三次元の多孔フィルムと該第一の三次元の多孔フィルムの間に空隙の領域が形成される;
請求項1記載の吸収用物品。
【請求項6】
該表面シートが真空成形されたフィルム層である、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項7】
該取り込み分配層が多数のセルを有し、隣接するセルは、取り込み分配層を通じて排泄液が急速に取り込まれることを可能にする孔を個々に有する、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項8】
該多数のセルが約2乃至25の間のメッシュ番手を有する、請求項7記載の吸収用物品。
【請求項9】
該多数のセルが約4乃至15の間のメッシュ番手を有する、請求項7記載の吸収用物品。
【請求項10】
該多数のセルが約8のメッシュ番手を有する、請求項7記載の吸収用物品。
【請求項11】
該セルが六角形、円形、長円形、楕円形又は多角形を含む群から選ばれる形状を有する、請求項7記載の吸収用物品。
【請求項12】
該多数のセルが六角形、円形、長円形、楕円形又は多角形を含む群から選ばれる少なくとも二種の形状の組み合わせであるセルの型を形成する、請求項7記載の吸収用物品。
【請求項13】
該空隙容積の空間が取り込み分配層の総空隙容積の空間であり、該総空隙容積の空間が500cm3/m2より大きい、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項14】
該空隙容積の空間が取り込み分配層の総空隙容積の空間であり、該総空隙容積の空間が750cm3/m2より大きい、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項15】
該空隙容積の空間が取り込み分配層の総空隙容積の空間であり、該総空隙容積の空間が1,000cm3/m2より大きい、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項16】
該空隙容積の空間が取り込み分配層の雌側にあり、吸収されない液の溢流を容易にする、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項17】
該雌側の該空隙容積の空間が500cm3/m2より大きい、請求項16記載の吸収用物品。
【請求項18】
該雌側の該空隙容積の空間が750cm3/m2より大きい、請求項16記載の吸収用物品。
【請求項19】
該雌側の該空隙容積の空間が1,000cm3/m2より大きい、請求項16記載の吸収用物品。
【請求項20】
該空隙容積の空間が取り込み分配層の雄側にあり、吸収されない液の底溢流を容易にする、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項21】
該雄側の該空隙容積の空間が500cm3/m2より大きい、請求項20記載の吸収用物品。
【請求項22】
該雄側の該空隙容積の空間が600cm3/m2より大きい、請求項20記載の吸収用物品。
【請求項23】
該雄側の該空隙容積の空間が750cm3/m2より大きい、請求項20記載の吸収用物品。
【請求項24】
吸収用物品であって:
空隙容積の空間を規定し、雌側及び雄側を有する第一の三次元の多孔フィルム;
該第一の三次元の多孔フィルムの該雌側に接着される第二の三次元の多孔フィルム;
吸収されない液を保有するための、該第二の三次元の多孔フィルムと該第一の三次元の多孔フィルムの間の空隙領域;及び
該第一の三次元の多孔フィルムの該雄側に隣接する吸収心材;
を含む物品。
【請求項25】
該第二の三次元の多孔フィルムの雌側に隣接する表面シートを更に含む、請求項24記載の吸収用物品。
【請求項26】
総空隙容積の空間が、第一及び第二の三次元の多孔フィルムの層の該空隙容積の空間によって規定され、500cm3/m2より大きい、請求項24記載の吸収用物品。
【請求項27】
総空隙容積の空間が、第一及び第二の三次元の多孔フィルムの層の該空隙容積の空間によって規定され、750cm3/m2より大きい、請求項24記載の吸収用物品。
【請求項28】
総空隙容積の空間が、第一及び第二の三次元の多孔フィルムの層の該空隙容積の空間によって規定され、1,000cm3/m2より大きい、請求項24記載の吸収用物品。
【請求項29】
該空隙容積の空間が第一の三次元の多孔フィルムの雌側にあり、吸収されない液の溢流を容易にする、請求項24記載の吸収用物品。
【請求項30】
該雌側の該空隙容積の空間が750cm3/m2より大きい、請求項26記載の吸収用物品。
【請求項31】
該雌側の該空隙容積の空間が1,000cm3/m2より大きい、請求項26記載の吸収用物品。
【請求項32】
該雌側の該空隙容積の空間が1,250cm3/m2より大きい、請求項26記載の吸収用物品。
【請求項33】
該空隙容積の空間が第一の三次元の多孔フィルムの雄側にあり、吸収されない液の底溢流を容易にする、請求項24記載の吸収用物品。
【請求項34】
該雄側の該空隙容積の空間が500cm3/m2より大きい、請求項30記載の吸収用物品。
【請求項35】
該雄側の該空隙容積の空間が600cm3/m2より大きい、請求項30記載の吸収用物品。
【請求項36】
該雄側の該空隙容積の空間が750cm3/m2より大きい、請求項30記載の吸収用物品。
【請求項37】
吸収用物品中の表面シートの濡れ感触を防止する方法であって:
穿孔した取り込み分配層を通じて心材に最も近い領域に液を送り込み;そして、
吸収されない液を、該取り込み分配層材の雄側によって規定される空隙空間を経て、飽和していない心材の領域に振り向ける;
ことを含む方法。
【請求項38】
吸収されない液を振り向ける該手段が、穿孔した取り込み分配層の所望の方向に液を誘導するための溝を規定する盛り上がった畝を供給することを含む、請求項37記載の方法。
【請求項39】
穿孔した取り込み分配層を通じて液を送り込む該手段が、第一の三次元の多孔フィルム及び第二の三次元の多孔フィルムを通じて液を送り込むことを含む、請求項37記載の方法。
【請求項40】
吸収用物品中の表面シートの濡れ感触を防止する方法であって:
自らの頂部開口で心材に通じている多数のバケットを規定する穿孔した取り込み分配層を提供し;
該バケットの一つの下の心材の領域が飽和した時、該多数のバケットの該一つに、吸収されない液を満たさせ;そして
該吸収されない液が該心材の飽和していない領域に接触するように、該吸収されない液を該バケットの該一つから隣接のバケットに溢流させる;
ことを含む方法。
【請求項1】
吸収用物品であって:
表面シート;
吸収心材;及び
該表面シートと該吸収心材の間にある取り込み分配層であって、雌側及び雄側を有する三次元の多孔フィルムであり、空隙容積の空間を規定する該取り込み分配層;
を含む物品。
【請求項2】
該取り込み分配層が、該取り込み分配層の該雌側から該表面シートに向けて伸びる少なくとも一筋の盛り上がった畝を有する、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項3】
該盛り上がった畝が、吸収用物品からの横漏れを低減するために、吸収されない液を該吸収用物品に関して主として望ましい方向に流すように誘導するために吸収用物品の縦方向に伸びている、請求項2記載の吸収用物品。
【請求項4】
吸収用物品であって:
該取り込み分配層が、第一の三次元の多孔フィルムを第二の三次元の多孔フィルムに隣接して有する多層のフィルムであり;
該第一の三次元の多孔フィルムが少なくとも一筋の盛り上がった畝を有し、該第二の三次元の多孔フィルムが該第一の三次元の多孔フィルムの雌側に接着され;そして、
吸収されない液を保有し、液が表面シートに接触するのを実質的に防止するため、該第二の三次元の多孔フィルムと該第一の三次元の多孔フィルムの間に空隙の領域が形成される;
請求項1記載の吸収用物品。
【請求項5】
吸収用物品であって:
該取り込み分配層が、第一の三次元の多孔フィルムを第二の三次元の多孔フィルムに隣接して有する多層のフィルムであり;
該第二の三次元の多孔フィルムが該第一の三次元の多孔フィルムの雌側に接着され;
吸収されない液を保有し、液が表面シートに接触するのを実質的に防止するため、該第二の三次元の多孔フィルムと該第一の三次元の多孔フィルムの間に空隙の領域が形成される;
請求項1記載の吸収用物品。
【請求項6】
該表面シートが真空成形されたフィルム層である、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項7】
該取り込み分配層が多数のセルを有し、隣接するセルは、取り込み分配層を通じて排泄液が急速に取り込まれることを可能にする孔を個々に有する、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項8】
該多数のセルが約2乃至25の間のメッシュ番手を有する、請求項7記載の吸収用物品。
【請求項9】
該多数のセルが約4乃至15の間のメッシュ番手を有する、請求項7記載の吸収用物品。
【請求項10】
該多数のセルが約8のメッシュ番手を有する、請求項7記載の吸収用物品。
【請求項11】
該セルが六角形、円形、長円形、楕円形又は多角形を含む群から選ばれる形状を有する、請求項7記載の吸収用物品。
【請求項12】
該多数のセルが六角形、円形、長円形、楕円形又は多角形を含む群から選ばれる少なくとも二種の形状の組み合わせであるセルの型を形成する、請求項7記載の吸収用物品。
【請求項13】
該空隙容積の空間が取り込み分配層の総空隙容積の空間であり、該総空隙容積の空間が500cm3/m2より大きい、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項14】
該空隙容積の空間が取り込み分配層の総空隙容積の空間であり、該総空隙容積の空間が750cm3/m2より大きい、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項15】
該空隙容積の空間が取り込み分配層の総空隙容積の空間であり、該総空隙容積の空間が1,000cm3/m2より大きい、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項16】
該空隙容積の空間が取り込み分配層の雌側にあり、吸収されない液の溢流を容易にする、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項17】
該雌側の該空隙容積の空間が500cm3/m2より大きい、請求項16記載の吸収用物品。
【請求項18】
該雌側の該空隙容積の空間が750cm3/m2より大きい、請求項16記載の吸収用物品。
【請求項19】
該雌側の該空隙容積の空間が1,000cm3/m2より大きい、請求項16記載の吸収用物品。
【請求項20】
該空隙容積の空間が取り込み分配層の雄側にあり、吸収されない液の底溢流を容易にする、請求項1記載の吸収用物品。
【請求項21】
該雄側の該空隙容積の空間が500cm3/m2より大きい、請求項20記載の吸収用物品。
【請求項22】
該雄側の該空隙容積の空間が600cm3/m2より大きい、請求項20記載の吸収用物品。
【請求項23】
該雄側の該空隙容積の空間が750cm3/m2より大きい、請求項20記載の吸収用物品。
【請求項24】
吸収用物品であって:
空隙容積の空間を規定し、雌側及び雄側を有する第一の三次元の多孔フィルム;
該第一の三次元の多孔フィルムの該雌側に接着される第二の三次元の多孔フィルム;
吸収されない液を保有するための、該第二の三次元の多孔フィルムと該第一の三次元の多孔フィルムの間の空隙領域;及び
該第一の三次元の多孔フィルムの該雄側に隣接する吸収心材;
を含む物品。
【請求項25】
該第二の三次元の多孔フィルムの雌側に隣接する表面シートを更に含む、請求項24記載の吸収用物品。
【請求項26】
総空隙容積の空間が、第一及び第二の三次元の多孔フィルムの層の該空隙容積の空間によって規定され、500cm3/m2より大きい、請求項24記載の吸収用物品。
【請求項27】
総空隙容積の空間が、第一及び第二の三次元の多孔フィルムの層の該空隙容積の空間によって規定され、750cm3/m2より大きい、請求項24記載の吸収用物品。
【請求項28】
総空隙容積の空間が、第一及び第二の三次元の多孔フィルムの層の該空隙容積の空間によって規定され、1,000cm3/m2より大きい、請求項24記載の吸収用物品。
【請求項29】
該空隙容積の空間が第一の三次元の多孔フィルムの雌側にあり、吸収されない液の溢流を容易にする、請求項24記載の吸収用物品。
【請求項30】
該雌側の該空隙容積の空間が750cm3/m2より大きい、請求項26記載の吸収用物品。
【請求項31】
該雌側の該空隙容積の空間が1,000cm3/m2より大きい、請求項26記載の吸収用物品。
【請求項32】
該雌側の該空隙容積の空間が1,250cm3/m2より大きい、請求項26記載の吸収用物品。
【請求項33】
該空隙容積の空間が第一の三次元の多孔フィルムの雄側にあり、吸収されない液の底溢流を容易にする、請求項24記載の吸収用物品。
【請求項34】
該雄側の該空隙容積の空間が500cm3/m2より大きい、請求項30記載の吸収用物品。
【請求項35】
該雄側の該空隙容積の空間が600cm3/m2より大きい、請求項30記載の吸収用物品。
【請求項36】
該雄側の該空隙容積の空間が750cm3/m2より大きい、請求項30記載の吸収用物品。
【請求項37】
吸収用物品中の表面シートの濡れ感触を防止する方法であって:
穿孔した取り込み分配層を通じて心材に最も近い領域に液を送り込み;そして、
吸収されない液を、該取り込み分配層材の雄側によって規定される空隙空間を経て、飽和していない心材の領域に振り向ける;
ことを含む方法。
【請求項38】
吸収されない液を振り向ける該手段が、穿孔した取り込み分配層の所望の方向に液を誘導するための溝を規定する盛り上がった畝を供給することを含む、請求項37記載の方法。
【請求項39】
穿孔した取り込み分配層を通じて液を送り込む該手段が、第一の三次元の多孔フィルム及び第二の三次元の多孔フィルムを通じて液を送り込むことを含む、請求項37記載の方法。
【請求項40】
吸収用物品中の表面シートの濡れ感触を防止する方法であって:
自らの頂部開口で心材に通じている多数のバケットを規定する穿孔した取り込み分配層を提供し;
該バケットの一つの下の心材の領域が飽和した時、該多数のバケットの該一つに、吸収されない液を満たさせ;そして
該吸収されない液が該心材の飽和していない領域に接触するように、該吸収されない液を該バケットの該一つから隣接のバケットに溢流させる;
ことを含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−155035(P2008−155035A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2680(P2008−2680)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【分割の表示】特願2002−528172(P2002−528172)の分割
【原出願日】平成13年9月20日(2001.9.20)
【出願人】(501217020)トレドガー フィルム プロダクツ コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【分割の表示】特願2002−528172(P2002−528172)の分割
【原出願日】平成13年9月20日(2001.9.20)
【出願人】(501217020)トレドガー フィルム プロダクツ コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】
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