説明

吸引と放出を調整するための表示とセレクタを備えた電子ピペット

【課題】ピペット内の液体を吸引し放出することを制御するシステムを提供すること。
【解決手段】本発明のシステムはコンピュータ装置とピペットを有する。コンピュータ装置は、ピペッティングモジュールと第1通信インターフェースとを有する。ピペッティングモジュールは、ピペット内で行われる操作を規定する。第1通信インターフェースは、電気信号をピペットに送信し、この電気信号がピペット内で行われる操作を規定する。前記ピペットは、サンプリングチューブと、ピストン組立体と、ピストン駆動機構と、第2通信インターフェースと、マイクロプロセッサとを有する。ピストン組立体は、前記サンプリングチューブに搭載され、前記サンプリングチューブ内に適合するピストンロッドを有する。ピストン駆動機構は、前記サンプリングチューブ内でピストン組立体のピストンロッドを動かし、これによりサンプリングチューブ内の液体を制御する。第2通信インターフェースは、コンピュータ装置から電気信号を受信する。マイクロプロセッサは、ピストン駆動機構を制御し、前記受信した電気信号に規定される操作を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の調整した量を吸引し放出するピペットに関し、特に、複数の操作モードを提供するプログラマブル電子ピペットに関する。
【背景技術】
【0002】
製薬研究、ゲノム研究、タンパク研究、生物学研究、薬剤開発研究あるいは他のバイオテクノロジーのアプリケーションにおいては、液体ピペットを用いて、様々な実験手順において実験用サンプルを取り扱っている。ピペットを用いてある量の液体をピペット内に吸引する。その液体をその後1つあるいは複数の放出容積に分けて放出する。ピストン駆動機構で、ピストン組立体を動かすことにより、所定量の液体を吸引し放出するのを制御する。ピペット本体内のピストン組立体内のピペットは、ピストンロッドを有し、これはモータ(電気駆動)又はユーザにより従来公知のように手動で操作される。ピストンロッドの動きは、ピストン駆動機構により掛けられるスラスト力(押す力)により制御される。しかし、ピストン組立体に対する、ピストン駆動機構内の構成要素の角度変位が発生することがある。この角度変位は、ピストン駆動機構の小さいが測定可能な軸方向の動きを発生させ、これが液体容積の不正確な吸引と放出の原因となる。かくして必要とされることは、ピストン駆動機構の構成要素の不要な軸方向の動きをなくしたピペットである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ピペットはマニュアルモードで動作するが、この場合ユーザは、感圧ノブを用いて液体の吸引と放出の速度と容積を制御する。別の構成として、ピペットは、電子モードで動作するが、この場合モータが液体の吸引と放出を制御する。ユーザは、様々なパラメータ(吸引速度と、吸引容積と、吸引回数と、放出回数)をユーザインターフェースを用いて選択できる。ユーザインターフェースは、数字のキーパッドを有し、これによりユーザは、例えば液体の容積を入力できる。ピペットは小型でかつ軽量である。ユーザの手に十分馴染むような持ち運びやすい装置であることが必要であり、一本の手で繰り返し使用できる必要があるからである。その結果、ディスプレイと動作制御は、それらを一般的に使用し易いように小型でなければならない。例えば、あるピペットは、小さな数字キーパッドを有し、他のピペットへの入力は、パラメータを増減するために、上方向矢印と下方向矢印のボタンの組みにより行われる。しかし数字キーパッドは使用が難しい。その理由は各数字ボタンが小さくて、特にユーザが手袋をしているときには押すのが難しい。キーパッドのボタンを使用することは、両手を必要とすることがある。一方の手で装置を支え、他方の手で適宜の数字ボタンを選択する。更に、ユーザは、大幅に異なる容積を連続的に放出する必要がある。上方向矢印と下方向矢印のボタンは、大きく変動する容積量に至るまで何回も押す必要がある。かくして、必要とされるものは、装置の動作パラメータの選択を単純化し、装置内の設定を変更するのに必要な時間を短縮できる入力インターフェースを有するピペットである。更に必要とされるものは、1本の手で操作できる入力インターフェースである。
【0004】
電子ピペットは、ピペットのハウジング内に配置された小型のマイクロプロセッサにより制御される。電子ピペットは、より高級、更により複雑な動作モードを具備するようになっている。例えば電子ピペットは、液体を吸引し、連続する放出サイクルで液体の容積を放出することもある。更に電子ピペットは、繰り返し液体を吸引/放出し、これにより液体が最終的に放出される前に液体を混合することもある。更に複雑なことに、一連のモードは、連続して実行するよう具備される。しかし表示と制御装置は小型であり、使用するのが面倒であり、電子ピペットをプログラムし、複雑な一連の動作を実行させることは、より困難となる。かくして必要とされるものは、外部のコンピュータ装置とインターフェースできるピペットである。更に必要とされるものは、ユーザが使用し易いインターフェースを提供し、ピペットにプログラムしたモードで動作できるよう、指示を出すことのできる外部コンピュータ装置上で実行されアプリケーションである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、装置のディスプレイに表示されるユーザインターフェースを使用する方法に関する。本発明の方法は、これに限定されるわけではないが、回転運動をデバイスの第1面に搭載されたディスクに加えることにより、装置のディスプレイに表示される複数のアイテム間を移動するステップと、平行運動を前記第1面のディスクに加えることにより、複数のアイテムからあるアイテムを選択するステップとを有する。本発明の方法は、回転運動を前記第1面のディスクに加えることにより、アイテムを修正するステップと、平行運動を前記第1面のディスクに加えることにより、修正されたアイテムを設定するステップとを更に有する。
【0006】
本発明の他の実施形態は、デバイスのディスプレイに表示されたユーザインターフェースへのユーザの入力に応答する方法に関する。本発明の方法は、これに限定されるわけではないが、複数のアイテム間での動きを示す第1信号を受領する(ここで、第1信号は、回転運動をデバイスの第1面に搭載されたディスクに加えることにより、生成され、前記複数のアイテムは、前記デバイスのディスプレイに表示される)ステップと、前記複数のアイテムから、あるアイテムを選択することを表す第2信号を受信する(ここで、前記第2信号は、平行運動を前記第一面のディスクに加えることにより、生成される)ステップとを有する。本発明の方法は、前記アイテムの修正を示す第3信号を受領する(ここで、前記第3信号は、前記第1面のディスクに加えることにより、生成され、前記複数のアイテムは、前記デバイスのディスプレイに表示される)ステップと、前記の修正されたアイテムを前記装置に設定することを表す第4信号を受信する(ここで、前記第4信号は、平行運動を前記第一面のディスクに加えることにより、生成される)ステップとをさらに有する。
【0007】
本発明の他の実施形態は、装置のディスプレイに表示されるユーザインターフェースを使用する装置に関する。本発明の装置は、これに限定されるわけではないが、軸と、ディスクと、エンコーダと、モーションディテクタと、ディスプレイと、マイクロプロセッサとを有する。ディスクは、装置の面内の前記軸の周囲に回転可能となるように前記軸に搭載され、装置の面内で平行移動する。エンコーダは、前記軸の周囲でディスクが第1回転をすることを示す第1電気信号を生成するよう構成され、第1回転は、前記装置の面内で行われる。モーションディテクタは、前記装置の面内のディスクの第1平行移動を示す第2電気信号を生成するよう構成される。マイクロプロセッサは、ディスプレイに接続され、前記第1電気信号を受信する。ディスクの第1回転は、ディスプレイ内に表示された複数のアイテム間の移動を示す。マイクロプロセッサは、前記第2電気信号を受信する。ディスクの第1平行移動は、ディスプレイに表示された複数のアイテムからのあるアイテムの選択を示す。
【0008】
本発明の他の実施形態は、液体を吸引し放出する装置関する。本発明の装置は、これに限定されるわけではないが、サムウィールと、ディスプレイと、サンプリングチューブと、マイクロプロセッサとを有する。サムウィールは、軸と、ディスクと、エンコーダと、モーションディテクタとを有する。ディスクは、装置の面内の前記軸の周囲に回転可能となるように前記軸に搭載される。ディスクは、装置の面内で平行移動する。エンコーダは、前記軸の周囲でディスクが第1回転をすることを示す第1電気信号を生成するよう構成される。第1回転は、前記装置の面内で行われる。モーションディテクタは、前記装置の面内のディスクの第1平行移動を示す第2電気信号を生成するよう構成される。サンプリングチューブは、液体を保持する組立体を有する。マイクロプロセッサは、ディスプレイに接続され、前記サンプリングチューブ内の液体を調整し、前記第1電気信号を受信する。ディスクの第1回転は、ディスプレイ内に表示された複数のアイテム間の移動を示す。マイクロプロセッサは、第2電気信号を受信する。ディスクの第1平行移動は、ディスプレイに表示された複数のアイテムからのあるアイテムの選択を示す。
【0009】
本発明の他の実施形態は、液体を吸引し放出する装置に関する。本発明の装置は、これに限定されるわけではないが、サンプリングチューブと、ピストン組立体と、ピストン駆動機構とを有する。ピストン組立体は、前記サンプリングチューブに搭載され、前記サンプリングチューブ内に適合するピストンロッドを有する。ピストン駆動機構は、ピストン組立体に接触する表面を有する制御ロッドを有する。ピストン駆動機構は、前記サンプリングチューブ内でピストン組立体のピストンロッドを動かす。これによりサンプリングチューブ内の液体を制御する。前記制御ロッドの表面は、非平面状表面である。
【0010】
本発明の他の実施形態は、ピペットを制御する方法に関する。本発明の方法は、これに限定されるわけではないが、ピペットの通信インターフェースで、コンピュータ装置から電気信号を受信する(ここで、コンピュータ装置は、ピペット内に組み込まれておらず)ステップと、前記受信した電気信号に応答して、前記ピペット内で操作を実行するステップとを有する。
【0011】
本発明の他の実施形態は、液体を吸引し放出する装置に関する。本発明の装置は、これに限定されるわけではないが、サンプリングチューブと、ピストン組立体と、ピストン駆動機構と、通信インターフェースと、マイクロプロセッサとを有する。ピストン組立体は、前記サンプリングチューブに搭載され、前記サンプリングチューブ内に適合するピストンロッドを有する。ピストン駆動機構は、ピストン組立体に接触する表面を有する制御ロッドを有する。ピストン駆動機構は、前記サンプリングチューブ内でピストン組立体のピストンロッドを動かし、これによりサンプリングチューブ内の液体を制御する。通信インターフェースは、コンピュータ装置から電気信号を受信する。コンピュータ装置は、ピペット内に組み込まれていない。マイクロプロセッサは、ピストン駆動機構を制御し、前記受信した電気信号に応答して操作を実行する。
【0012】
本発明の他の実施形態は、ピペット内の液体を吸引し放出することを制御するシステムに関する。前記システムはコンピュータ装置を有する。コンピュータ装置は、ピペッティグモジュールと、第1通信インターフェースとを有する。ピペッティグモジュールは、ピペット内で行われる操作を規定するコンピュータコードを有する。第1通信インターフェースは、電気信号をピペットに送信し、前記電気信号は、ピペット内で行われる操作を規定する。ピペットは、サンプリングチューブと、ピストン組立体と、ピストン駆動機構と、第2通信インターフェースと、マイクロプロセッサとを有する。ピストン組立体は、前記サンプリングチューブに搭載され、前記サンプリングチューブ内に適合するピストンロッドを有する。ピストン駆動機構は、ピストン組立体に接触する表面を有する制御ロッドを有する。ピストン駆動機構は、前記サンプリングチューブ内でピストン組立体のピストンロッドを動かし、これによりサンプリングチューブ内の液体を制御する。第2通信インターフェースは、コンピュータ装置から電気信号を受信する。前記コンピュータ装置は、ピペット内に組み込まれていない。マイクロプロセッサは、ピストン駆動機構を制御し、前記受信した電気信号に応答して操作を実行する。
【0013】
本発明の基本的特徴及び利点は、図面、発明の詳細の説明、特許請求の範囲を検討することにより当業者に明らかである。
【0014】
(実施形態)
図1の実施形態を参照すると、電子ピペット30は、1つあるいは複数のサンプリングチューブ36を有し、このチューブが様々な量の液体を収納する。電子ピペット30は、指示により自動的に一連の液体の容積を1つあるいは複数のサンプリングチューブ36内に吸引しそこから放出する。電子ピペット30は、複数の構成要素とサブシステムを有し、それらが一体となって、正確な容量で液体を吸引し放出する様々な動作モードを実行する。構成要素とサブシステムは、図2,3の実施形態に示すが、これに限定されるわけではないが、ボディケース32と、ピストン駆動機構34と、ピストン組立体35と、サンプリングチューブ36と、内部パワーサブシステム38と、外部チップ離脱機構40と、内部チップ離脱機構42と、制御電子カード44とを有する。これらの構成要素とサブシステムのあるものは、当業者に公知であり詳細な説明は割愛する。内部パワーサブシステム38は、バッテリー120と、コネクタ122と、バッテリーケース124とを有する。このバッテリーケース124はバッテリー120を収納し、ボディケース32に適合する。バッテリーは、パワーを例えばピストン駆動機構34と/又は制御電子カード44に与える。コネクタ122は制御電子カード44への電気接続を行う。
【0015】
ボディケース32は、ユーザが電子ピペット30を保持できるようなカバーを提供し、電子ピペット30の構成要素(部品)を保護する。ボディケース32は、これに限定されるわけではないが、フロントケース50と、リアケース52と、フィンガーレスト54と、ケース接続ガイド56と、ディスプレイカバー58と、ユーザに応じて変更可能なカバー60とを有する。フロントケース50はリアケース52と組み合わさって、ピストン駆動機構34と、ピストン組立体35と、内部チップ離脱機構42と、制御電子カード44とを収納する。フィンガーレスト54は、電子ピペット30の本体を掌内に持ったり電子ピペット30のユーザが同じ手の親指で制御したりしている間、ピペットのユーザが人差し指を置くような固定/保持ポイントを提供する。電子ピペット30は、ユーザの左手又は右手のいずれかで操作できるようになっている。1つあるいは複数のネジ55又は他の取り付け器具が、フィンガーレスト54をリアケース52の上部部分62に搭載する。本明細書で使用される用語「搭載する」とは、組み合わせる、結合する、接続する、関連づける、挿入する、掛ける、保持する、固着する、取り付ける、固定する、結合する、張り付ける、固定する、ボルトで締める、ネジで締める、リベットで締める、はんだ付けする、溶接する等の意味を含む。リアケース52の上部部分62は、ディスプレイカバー58を見ているユーザから離れた方向に傾斜し、電子ピペット30を図4に示す縦軸A−Aに沿って上に向けて保持する。ユーザから離れた方向に傾斜させることにより、電子ピペット30がユーザの手に馴染み、ディスプレイカバー58に対し視野角を改善する。
【0016】
フィンガーレスト54は、スライド可能にリアケース52に搭載され、これによりユーザは自分の手の大きさに合わせてフィンガーレスト54の位置を適切に決めることができる。ケース接続ガイド56は、フロントケース50の端部51とリアケース52の端部53の上をスライドし、フロントケース50をリアケース52に搭載する。1つあるいは複数ネジ57が、着脱可能にケース接続ガイド56をフロントケース50に又はリアケース52に搭載し、電子ピペット30の組立分解を可能とする。ディスプレイカバー58はプラスチックあるいはガラスあるいは他の適宜の透明な材料で形成され、制御電子カード44のディスプレイ170を保護する。好みに応じて換えられるカバー60は、プラスチックガラスあるいは適宜の透明な材料で形成され、電子ピペット30を即時に識別できるようにするカスタマイズシート64を保護する。
【0017】
ピストン駆動機構34により、サンプリングチューブ36を介した所定容積の液体の吸引と放出が、ピストン組立体35内のピストンロッド94をサンプリングチューブ36内の縦軸A−Aに沿って動かすことにより行われる。ピストンの動きにより空気の容積の変化が起き、これによりサンプリングチューブ36内への吸引とサンプリングチューブ36からの放出が行われる。ピストン駆動機構は、ユーザの制御例えばノブを押すことにより手動で、あるいはモータを用いて制御される。図2−5の実施形態において、ピストン駆動機構34は、これに限定されるわけではないが、アクチュエータ70と、制御ロッド72と、制御ロッドチップ74と、制御ロッド支持部材76と、ハウジング78と、サンプリングチューブ取り付けノブ80とを有する。ピストン駆動機構34は、電子ピペット30のボディケース32内に着脱可能に搭載され、制御ロッド72が縦軸A−Aに沿って伸びる。実施形態によっては、サンプリングチューブ取り付けノブ80は、ボディケース32に搭載してもよい。
【0018】
アクチュエータ70は、パワー制御モータであり、制御ロッド72を制御電子カード44に搭載されたマイクロプロセッサ(図示せず)の制御下で動かす。アクチュエータ70は、当業者に公知の様々な電子機械装置を用いて実現できる。アクチュエータ70は、制御ロッド72を縦軸A−Aに沿って上下に正確に移動させ、サンプリングチューブ36内に液体を吸引する、あるいはサンプリングチューブ36から液体を放出する。アクチュエータ70は、制御電子カード44のマイクロプロセッサとインターフェースする。制御電子カード44から、アクチュエータ70は電気信号を受信し、制御ロッド72の動きを制御する。制御電子カード44は、1つあるいは複数のコネクタあるいはインターフェースを有し、アクチュエータ70と通信する。制御ロッドチップ74は、制御ロッド72と対向する制御ロッド72の端部に搭載される。例えば、制御ロッドチップ74は、制御ロッド72の内側又は外側にねじこまれる。制御ロッドサポート76は、制御ロッド72が縦軸A−Aに沿って移動するのを支持する。ハウジング78は、制御ロッドサポート76に搭載され、制御ロッドサポート76を越えて伸びる制御ロッド72と制御ロッドチップ74の一部を包囲する。かくして例えばハウジング78はソケットを形成する。
【0019】
チューブ取り付けノブ80は、制御ロッドサポート76に対向するハウジング78の端部から伸びる。チューブ取り付けノブ80は、ネジの切られた外部表面82を有する。チューブ取り付けナット84は、チューブ取り付けノブ80上に適合する内部表面を有し、サンプリングチューブ36を電子ピペット30のボディケース32に着脱可能に取り付ける(図1,3)。チューブ取り付けナット84の内側表面にネジを切り、チューブ取り付けノブ80の外部表面82とネジ止めしてもよい。
【0020】
図3の実施形態を参照すると、ピストン組立体35は、これに限定されるわけではなが、ピストン接触プレート90と、ピストンヘッド92と、ピストンロッド94と、ピストンハウジング96と、ピストン復帰スプリング98と、スプリングガイド100とを有する。ピストン接触プレート90は、金属製あるいはプラスチック製である。ある実施形態においては、ピストン接触プレート90は、金属材料から形成される。ピストンヘッド92は、金属製あるいはプラスチック材料製の円形ディスクである。ピストンヘッド92は、第1表面91と、第1表面91に対向した方向に向いた第2表面93とを有する。ピストン接触プレート90は、ピストンヘッド92の第1表面91に搭載される(図2,3)。ピストンロッド94は、ピストンヘッド92の第2表面93に搭載され、第1表面91に対向する方向のピストンヘッド92の第2表面93に直交する方向に伸びる。ピストンロッド94は円筒形状を有する。ピストンロッド94は、金属製又はプラスチック製である。ある実施形態においては、ピストンロッド94は金属材料製である。
【0021】
ピストンハウジング96は、ピストンヘッド92の第2表面93に搭載されピストンヘッド92の第2表面93に直交する方向に伸び、ピストンロッド94を包囲する。ピストンハウジング96は、金属製又はプラスチック材料製である。ある実施形態においては、ピストンハウジング96はプラスチック材料製である。ピストンハウジング96は、通常円筒形状をしており、1つあるいは複数のテーパ部分を有する(図3)。ピストン復帰スプリング98は、ピストンヘッド92の第2表面93に隣接するピストンハウジング96に搭載され、縦軸A−Aに沿ってピストンヘッド92の第2表面93に直交して伸びる。ある実施形態においては、ピストン復帰スプリング98は、ピストンハウジング96上をスライドし、ピストンヘッド92の第2表面93近傍に、ピストン復帰スプリング98とピストンハウジング96の間に摩擦力で保持される。
【0022】
スプリングガイド100は、中空円筒ボディ102と、リム104と、ガイドリング106とを有する。リム104は、中空円筒ボディ102の一端部に搭載され、中空円筒ボディ102の中心に直交する方向に、中空円筒ボディ102から伸びる。ガイドリング106は、中空円筒ボディ102に対向するリム104に搭載される。ガイドリング106は、中空円筒ボディ102よりも小さな内側周囲を有する。ピストンハウジング96とピストン復帰スプリング98は、中空円筒ボディ102内に適合する(図3)。ピペット30を組立るに際し、スプリングガイド100の中空円筒ボディ102は、ピストンハウジング96とピストン復帰スプリング98の上をスライドするが、このスライドは、ピストン復帰スプリング98がスプリングガイド100のガイドリング106に当たるまで行われる(図2)。ピストン組立体35は、ピストン駆動機構のハウジング78内にスライドする(図5)。
【0023】
図3の実施形態と同様に、サンプリングチューブ36は、これに限定されるわけではないが、上部チューブ110と、下部チューブ112と、Oリング114とを有する。下部チューブ112は、上部チューブ110に搭載される。例えば下部チューブ112は、ネジの切られた端部116を有し、これが上部チューブ110のそれに合わせてネジの切られた表面にねじ込まれる。上部チューブ110と下部チューブ112は、1つあるいは複数のテーパ部分を有する。Oリング114は、上部チューブ110と下部チューブ112との間のアンダーカット118内に配置される。Oリング114は、ピストンロッド94と下部チューブ112の間に防水接続を行う。上部チューブ110の端部119は、スプリングガイド100のリム104に当たって適合する。スプリングガイド100のガイドリング106は、端部119に形成された上部チューブ110の開口内に適合する。チューブ取り付けナット84は、サンプリングチューブ36の上をスライドし、ピストン組立体35に当たり、これによりサンプリングチューブ36をボディケース32とピストン駆動機構34に対し固定する(図6)。
【0024】
図6の実施形態を参照すると、液体の吸引と放出用に搭載された、ピストン駆動機構34と、ピストン組立体35と、サンプリングチューブ36と、外部チップ離脱機構40の断面が示される。制御ロッドチップ74は、ピストン駆動機構34のハウジング78内で、ピストン組立体35のピストン接触プレート90に接触する。液体を放出するときは、ピストン駆動機構34は、縦軸A−Aに沿った制御ロッドチップ74の移動により、ピストン組立体35をピストン駆動機構34から離す方向に、制御ロッドチップ74がピストン接触プレート90に接触する場所で、押す。ピストン復帰スプリング98は、チューブ取り付けナット84により保持されているスプリングガイド100に当たって圧縮する。液体を吸引するときは、ピストン駆動機構34は、制御ロッドチップ74をピストン駆動機構34の方向に動かす。この移動が行われても、ピストン接触プレート90は制御ロッドチップ74に接触した状態を維持するが、これはピストン復帰スプリング98の圧縮力によるものである。
【0025】
図7の実施形態を参照すると、制御ロッドチップ74は、接触表面75を有し、この接触表面75がピストン接触プレート90に接触する。角度移動が、制御ロッドチップ74の75がピストン接触プレート90に接触することにより、その場所で起きることがある。図7を参照するとピストン駆動機構34の理想的な整合状態が示されている。図8,9を参照すると、ピストン駆動機構34の不整合が示されており、これは縦軸A−Aに沿った理想的な整合に対する角度変位Bと角度変位Cがそれぞれ示されている。接触表面75が平坦の場合には、この角度変位は電子ピペット30の正確な位置に影響を及ぼすが、これは、制御ロッド72が、ピストン接触プレート90に接触する前に、伸びる縦軸A−Aに沿った距離が変わることにより発生する。かくして角度変位は、吸引あるいは放出する液体の容積に影響する。制御ロッドチップ74の接触表面75に対し非平面の表面を用いることにより、縦軸A−Aに沿った正確な距離を維持でき、これによりピペットの吸引あるいは放出プロセスの不正確さを低減できる。一実施形態においては、非平坦表面は球の一部を形成し、その半径は、縦軸A−A沿った理想的な接触点と制御ロッド72の角度変位から生じる最大予測接触点との間の最大距離に等しい。その結果、電子ピペット30のピストン駆動機構34は、制御ロッド72の不要な軸方向の動きをなくし、これにより吸引あるいは放出される液体の容積の精度をあげる。
【0026】
外部チップ離脱機構40と内部チップ離脱機構42は、チップ130を電子ピペット30の吸引端と放出端から離脱させ、サンプルの汚染を防ぐ。内部チップ離脱機構42は、これに限定されるわけではないが、離脱ノブ140と、固定シリンダ142と、ノブシリンダ144と、ボディシリンダ146と、ロッド148と、離脱スプリング150と、搭載ブレース152とを有する。固定シリンダ142は、ボディケース32に搭載される。搭載ブレース152は、ボディケース32と/又は固定シリンダ142に搭載される。固定シリンダ142と搭載ブレース152は、ボディケース32に固定されたままである。離脱ノブ140は、ノブシリンダ144に搭載される。離脱ノブ140は、縦軸A−Aを中心に回転し、これによりユーザが左手あるいは右手のいずれかを用いた操作が可能となる。ノブシリンダ144は、スライド可能に固定シリンダ142に搭載され、離脱ノブ140を押しながらノブシリンダ144を移動させることにより、チップ130を放出させる。ボディシリンダ146は、ノブシリンダ144に搭載される。ロッド148は、ノブシリンダ144に対向するボディシリンダ146の端部に搭載される。離脱スプリング150は、ボディシリンダ146に第1端156の場所で搭載され、搭載ブレース152に第2端158の場所で搭載される。離脱ノブ140を押すことにより、ロッド148をチップ130の方向に駆動する。離脱スプリング150により、ロッド148は、離脱ノブ140が解放されたときに、反対方向に戻り、これにより離脱ノブ140を元の位置に戻す。ロッド148は、ボディシリンダ146に対向したロッド148の第一端にノッチ154を有する。
【0027】
図3を参照すると、外部チップ離脱機構40は、これに限定されるわけではないが、離脱ブレード156と離脱ブレード調整ノブ158とを有する。離脱ブレード156は、サンプリングチューブ36の外側形状に合わせた湾曲した形状を有する。離脱ブレード156は、第1端160と第2端162とを有する。延長部157が、離脱ブレード156の第1端160から伸びる。延長部157は、ロッド148のノッチ154に搭載され、これにより外部チップ離脱機構40を内部チップ離脱機構42に取り付ける。第2端162は、サンプリングチューブ36上をスライドする包囲されたシリンダを有する。その結果、離脱ノブ140を押すことにより、離脱ブレード156が、サンプリングチューブ36に沿って移動し、チップ130をサンプリングチューブ36から第2端162で離脱する。第1端160近傍の離脱ブレード156に搭載された離脱ブレード調整ノブ158を回転することにより、離脱ブレード156の第2端162がサンプリングチューブ36を上下に移動する。サンプリングチューブ36に沿って離脱ブレード156の位置を調整することにより、外部チップ離脱機構40は様々なサイズのチップを離脱する。
【0028】
図1,2,16,17の実施形態を参照すると、制御電子カード44は、これに限定されるわけではないが、ディスプレイ170と、サムウィール172と、減速ボタン174と、加速ボタン176と、反転ボタン178と、吸引/放出ボタン180と、左動作モードボタン182と、右動作モードボタン184と、リセットスイッチ186と、外部電源コネクタ188と、通信インターフェース190とを有する。制御電子カード44は、更にマイクロプロセッサあるいは他の関連する電子機器(図示せず)を有し、制御ロッド72の動作をピストン駆動機構34のアクチュエータ70を介して、制御する。
【0029】
ディスプレイ170は、ユーザインターフェースに情報をユーザに対し表示し、ユーザがピペットの操作特性を決定できるようにしている。ディスプレイ170は、これに限定されるわけではないが、薄膜トランジスタ(thin film transistor(TFT))ディスプレイと、発光ダイオード(light emitting diode(LED))ディスプレイと、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display(LCD))と、ブラウン管(Cathode Ray Tube(CRT))ディスプレイである。図16,17を参照すると、リセットスイッチ186は、チップ130に対向するボディケース32の上部に配置され、電子ピペット30の動作を遮ることなく、ユーザが容易にアクセスできるようにしている。リセットスイッチ186で、ユーザは電子ピペット30の電子機器をマイクロプロセッサが不安定状態に入ったときに、リセットできる。外部電源コネクタ188は、チップ130に対向するボディケース32の上部に搭載され、電子ピペット30の操作を干渉することなく、ユーザが容易アクセスできるようにしている。外部電源コネクタ188は、バッテリー120の充電又はピストン駆動機構34と制御電子カード44の操作用のパワーを提供する。
【0030】
減速ボタン174は、サンプリングチューブ36に入る液体の吸引又はサンプリングチューブ36から出る液体の放出の速度を減速する。一実施形態においては、減速ボタン174は、予め設定された速度設定を1から5の範囲で減速する。他の実施形態においては、減速ボタン174は直接減速する。加速ボタン176は、サンプリングチューブ36に入る液体の吸引又はサンプリングチューブ36から出る液体の放出の速度を加速する。一実施形態においては、加速ボタン176は予め設定された速度設定を1から5の範囲で加速する。他の実施形態においては、加速ボタン176は直接加速する。
【0031】
反転ボタン178を押すことにより、吸引/放出ボタン180の操作を吸引から放出にあるいは放出から吸引へと切り替える。一実施形態においては、反転ボタン178は、電子ピペット30によりサポートされているある動作モードのみで、あるいはユーザにより規定された特定のプログラムの間でのみで機能する。吸引/放出ボタン180を押すことにより、サンプリングチューブ36内の液体の吸引と放出と排出(purge)が行われる。一実施形態においては、吸引/放出ボタン180を連続して押すことにより、電子ピペット30の動作モードによっては異なる結果を生じる。
【0032】
左動作モードボタン182と右動作モードボタン184は、電子ピペット30のいずれかの側に配置され、左手あるいは右手を用いるユーザに容易にアクセスできるようにしている。左動作モードボタン182と右動作モードボタン184は、ユーザに電子ピペット30を用いる1つあるいは複数の動作モードを提供する。ユーザは、所望の動作モードを、左動作モードボタン182又は右動作モードボタン184あるいはその両方を連続して押すことにより、選択できる。動作モードの一例は、「自動」,「混合」,「手動」,「繰り返し」,「プログラム」である。「自動」動作モードにおいては、ユーザは、液体の吸引又は放出の回数を制限することなく、ピペットへの容積を規定できる。一実施形態においては、左動作モードボタン182と右動作モードボタン184との両方を同時に押すことにより、ディスプレイ170が選択可能なメニューアイテムを表示する。メニューアイテムの一例と一連のディスプレイを図20に示す。メニューアイテムは、読み出し専用モードで表示され、ある実施形態においては、読み出し/書き込みモードで表示される。ユーザは、メニュー内の複数のアイテムを操作し、サムウィール172を用いて、メニュー内の修正すべきアイテムを選択する。更にユーザは、アイテムをサムウィール172を用いて様々な値に設定してもよい。
【0033】
"auto+mix"「自動+混合」動作モードにおいては、例えばユーザはピペットの容積と混合の容積とを規定できる。"manual"「手動」動作モードにおいては、ユーザは、アクチュエータ70を使用することなく、マニュアル式のピペットと同様に、電子ピペット30を用いて吸引/放出の容量を制御できる。ユーザは、液体の規定された容量の一部のみを吸引あるいは放出し、これにより1ステップあるいは複数のステップで吸引あるいは放出ができる。"repetitive"「繰り返し」動作モードにおいては、ユーザは、放出すべき容積を規定できる。次のステップにおいて、ユーザは放出容積の回数を規定できる。例えば100μLピペットを用いて、10μLの放出容量を選択すると、最大10回の連続する放出が可能となる。特定の容積全部を、吸引/放出ボタン180を最初に押した後、吸引し、吸引/放出ボタン180を連続して押すことにより、選択された放出容積の数で割り算して選択された放出容量の放出が可能となる。更に吸引/放出ボタン180を連続して押すことにより、排出(purge)が行われる。新たなサイクルに、吸引/放出ボタン180を連続して押すことにより、入る。"puogram"「プログラム」動作モードにおいては、例えば、ユーザはマイクロプロセッサが実行できるようプログラムを作成できる。「プログラム」は、外部コンピュータを用いて規定され、電子ピペット30で通信インターフェース190を用いて受領する(図16−18)。
【0034】
サムウィール172により、3つの機能(パラメータ選択、パラメータ増加、パラメータ減少)を提供することにより、メニューの操作及びパラメータの設定が可能となる。サムウィール172を使用することにより、電子ピペット30の制御電子カード44上のボタンの数を減らすことができるが、これは、有効化ボタン、増分ボタン、減分ボタンをサムウィールで置き換えることにより行われる。図10−12を参照すると、サムウィール172は、これに限定されるわけではないが、ディスクリング198と、ディスク支持部材200と、ディスク202と、電子回路基板204と、軸206とを有する。ディスクリング198は、ディスク支持部材200に搭載される。ユーザは、ボディケース32のフロントケース50から伸びるディスクリング198を回転させる。一実施形態においては、ディスクリング198は、ラッテクスゴムで形成される。ディスク支持部材200は、ディスク202に搭載される。ディスク202は軸206に搭載され、この軸206の周囲をディスク202が回転する。軸206は、電子回路基板204の第1面に直交する方向で電子回路基板204に搭載される。
【0035】
サムウィール172の平行運動210と回転運動212の両方を検出して、これを制御電子カード44のマイクロプロセッサに、電子回路基板204を介して、中継する。平行運動に対しては、回転するサムウィールのあらゆる点が、如何なる時点においても、同一速度を有し、回転運動に対向(直交)する運動方向を有する。回転運動に対しては、サムウィールのボディが軸の周囲で回転する。平面内の回転は、回転の面に直交する軸の周囲の回転が関係する。選択的事項としての運動エンコーダは、運動情報を検出し、デジタル出力に変換する。直交エンコーダ(quadrature encoder)は、光源と、符号化ディスクと、光ディテクタとから構成される。エンコーダは、光ビームを変調し、その強度を光ディテクタが検出し、2個の信号A,B(図13)を生成する。信号Aは、信号Bに対し90℃遅延している。エンコーダは、平行運動あるいは回転運動のいずれかを計測する。両方のタイプとも、機械的な動きを検出し、情報(速度、位置、加速度)を電気信号に変換し、この電気信号を用いて、動き(運動)をモニターする。最も一般的なエンコーダは、光学機械式であり、このエンコーダにおいては、機械的符号化ユニットの動き例えば符号化ディスクが、光源と光検出器との間の光学パスを遮る。例えば符号化ディスクは、ディスクの表面に1個あるいは複数個のスロットを有する。光源は、発光ダイオードである。光検出器は、フォトディテクタでもよい。
【0036】
フォトディテクタは、電子基板204に搭載され、回転ディスク202の動きを検出し、この回転運動情報を電子基板204に送信する。一実施形態においては、フォトディテクタは、赤外線検出器である。当業者に公知のように、他の検出器をサムウィール172と一体にして、回転ディスク202の動きを検出してもよい。回転ディスク202と電子基板204とは、回転ディスク202の回転運動212が、同時に信号AとBとを生成するよう配置してもよい(図13)。各信号は、2つのオン(1)と2つのオフ(0)の期間から構成される。図14はサムウィール172の正回転の時の各信号の連続する値の表を示す。図15はサムウィール172の逆回転の時の、各信号の連続する値の表を示す。かくして、各信号AとBの前の値と現在の値とが与えられると、サムウィール172の回転方向が、図14,15の表を比較することにより、決定できる。かくして、前の信号Aが1、前の信号Bが1、現在の信号Aが0、現在の信号Bが1の場合は、サムウィール172の正回転を表す。逆に、前の信号Aが1、前の信号Bが1、現在の信号Aが1、現在の信号Bが0の場合は、サムウィール172の逆回転を表す。かくして、サムウィール172は、直交符号化を利用するエンコーダを含む。
【0037】
動き検出器は、電子基板204に搭載され、ユーザがサムウィール172を押したときに生成される回転ディスク202の平行運動210を検出する。例えば、一実施形態においては、動き検出器は、スプリング208を有する。このスプリング208は、軸206に搭載され、回転ディスク202を、ユーザがサムウィール172を解放した後は、元の位置に戻す。スプリング208を動かすことにより、「インパルス」を生成し、これを電子基板204で検出する。当業者に公知のように、他の検出手段をサムウィール172に組み込んで、回転ディスク202の平行運動を検出することもできる。
【0038】
電子ピペット30は、ユーザが動かしたときに、回転ディスク202の回転速度を測定する。ディスク202は、所定数のセクションに分割され、これがウィールの角度単位に対応する。例えば4個のセクションは、90℃の角度単位に対応する。6個のセクションは、60℃の角度単位に対応する。ユーザが回転させている間、ディスク202が横切るセクションの数をカウントする。ディスク202が回転している間、ユーザは各セクションが横切るのを検出する。マイクロプロセッサは、ディスク202がある回転距離を完全に行き渡る時間を測定し、これにより回転速度を計算する。例えば2回の連続回転を完了する時間を用いて、回転速度を計算する。この測定された時間に基づいて、マイクロプロセッサは、ユーザにより修正された現時点のパラメータに対する増分サイズを変化させる。例えば前記の時間が15ミリ秒以下の場合には、マイクロプロセッサはパラメータを100倍増分する。前記の時間が15ミリ秒以上25ミリ秒以下の場合には、マイクロプロセッサはパラメータを10倍にする。前記の時間が25ミリ秒以上の場合には、マイクロプロセッサはパラメータを10倍にする。かくしてユーザがサムウィール172の回転を速くすると、ユーザにより設定されたパラメータの増加又は減少が速くなる。逆に1サムウィール72の回転が遅いときには、マイクロプロセッサはパラメータの遅い変化を指定する。増分値と増分値の変化のしきい値は、修正可能である。
【0039】
サムウィール172を用いて、ディスプレイ170にユーザに表示された情報を介して、実行可能な機能の一例は次の通りである。
・吸引するあるいは放出する容積を設定する。これはサムウィール172を押して容積の設定のロックを解除し、サムウィール172を回転して容積を設定し、再びサムウィール172を押して容積の設定をロックする。
・2つの容積が"auto+mix"のピペットの動作モードで選択できる。第1容積はピペット(吸引)する容積であり、第2容積は混合する容積である。これらの容積は、連続して決定できる。
・ピペットの「繰り返し」動作モードにおいては、ピペットの容積が設定される。容積を設定した後、吸引と放出の最大回数がディスプレイ170上にユーザに対し表示される。この回数は、サムウィール172を回転することにより減らすことができ、サムウィール172を押すことにより吸引と放出の回数を選択できる。
・ディスプレイ170に表示されたメニューを通して操作をする。これはサムウィール172を回転することによりカーソールを上下に移動させ、サムウィール172を押すことによりメニューアイテムを選択する。
・ピペット30を個人使用に合わせるために名前(操者の名前、部署名、その他情報を20文字以内で記載する)を設定する。これはサムウィール172を回転することにより文字を探し、サムウィール172を押すことにより文字を選択する。文字は例えばAからZまでの英文字と、0から9までの数字と、/と、スペースと、記号*とである。記号*は、最後の文字がユーザにより選択されたことを示す。各文字は連続的に決定できる。
・ピペット30のサイクルの回数、何週目か週の番号、あるいは次にサービスまでの日にちを設定する。これはサムウィール172を回転することによりパラメータを決め、サムウィール172を押すことによりその値を設定する。選択されたパラメータに達したときに、メッセージをディスプレイ170上に表示してピペットのサービスが必要であることをユーザに知らしめる。
・標準の再調整用に、調整値をピペット30内に入力する。
・これは電子ピペット30内に最小容積時の重量テストの結果を入力することにより行う。これはサムウィール172を押すことにより容積の設定を可能とし、サムウィール172を回転することにより容積を設定し、サムウィール172を押すことにより変化を保存する。
・これは電子ピペット30内に容積の50%時の重量テストの結果を入力することにより行う。これはサムウィール172を押すことにより容積の設定を可能とし、サムウィール172を回転することにより容積を設定し、サムウィール172を押すことにより変化を保存する。
・これは電子ピペット30内に容積100%の重量テスト時の結果を入力することにより行う。これはサムウィール172を押すことにより容積の設定を可能とし、サムウィール172を回転することにより容積を設定し、サムウィール172を押すことにより変化を保存する。
・標準の再調整用にクイック調整値を電子ピペット30内に入力する。
・これは、電子ピペット30内にクイック調整用に再調整容積を急遽入力することにより行う。これはサムウィール172を押すことにより容積の設定を可能とし、サムウィール172を回転することにより容積を設定し、サムウィール172を押すことにより変化を保存する。
・これは、電子ピペット30内に選択された所定の容積時における重量テストの結果を入力することにより行う。これはサムウィール172を押すことにより容積の設定を可能とし、サムウィール172を回転することにより容積を設定し、サムウィール172を押すことにより変化を保存する。
・ビーパ(beeper)を活性化し、非活性化する。これはサムウィール172を押すことにより機能の設定のロックをはずし、サムウィール172を回転することにより機能を選択し、サムウィール172を再び押すことにより選択をロックする。
・吸引あるいは放出する比率あるいは最大容積を設定する。これはサムウィール172を押すことによりパラメータの設定のロックを解除し、サムウィール172を回転することによりパラメータを選択し、サムウィール172を再び押すことによりパラメータを設定する。
・ある値を設定した後でメニューを中止する前に電子ピペット30のパラメータの変化を有効にすること。これはサムウィール172を回転してYES又はNOを選択し、サムウィール172を押すことによって答えを選択する。
・サービスを実行すべきことをユーザに通知するメッセージへの応答を選択すること。これはサムウィール172を回転することによりサービスメニューに入る、あるいは残りのメニューを設定し、サムウィール172を押すことにより動作を選択する。
【0040】
図18を参照すると、システム220は、これに限定されるわけではないが、ピペット30とコンピュータ装置230とを有する。通信インターフェース190により電子ピペット30はコンピュータ装置230と通信できる。コンピュータ装置230は、ディスクトップ、ラップトップ、個人データアシスタント等のいずれの形態のコンピュータでもよい。コンピュータ装置230は、物理的に電子ピペット30から離れている。通信インターフェース190はチップ130に対向したボディケース32の上部上に配置され、図16,17に示すよう電子ピペット30の操作を妨害することなく、ユーザが容易にアクセスできるようになっている。電子ピペット30とコンピュータ装置230との間の通信は、符号分割多重化(Code Division Multiple Access(CDMA)), Global System for Mobile Communicatious(GSM), Universal Mobile Telecommunications System(UMTS), 時分割多重化(Time Division Multiple Access(TDMA)), Transmission Control Protocol/Internet Protocol(TCP/IP), Short Messaging Service(SMS), Multimedia Messaging Service(MMS), e-mail, Instant Messaging Service(IMS), Bluetooth, IEEE802.11を含む様々な送信技術を使用できる。ピペット30とコンピュータ装置230は、様々な媒体(これに限定されるわけではないが、例えば無線、赤外線、レーザ、有線)等を用いて通信できる。かくして通信インターフェース190は、有線接続192と/又は無線接続194とを利用する。
【0041】
有線接続192は、ピペット30の通信インターフェース190と接続する第1端と、コンピュータ装置230の通信インターフェース234と接続する第2端とを有する。一実施形態においては、電子ピペット30の有線接続192は、IEEE 1394のミニ標準に適合する。一実施形態においては、コンピュータ装置230の通信インターフェース234はRS232のタイプで、Universal Serial Bus connectorを受け入れ可能である。他の実施形態においては、ピペット30の通信インターフェース190とコンピュータ装置230の通信インターフェース234とは、イーサーネットインターフェース(Ethernet(登録商標) interface)である。
【0042】
無線通信インターフェースは、短距離から長距離までの様々な距離にある装置を接続できる。電子ピペット30とコンピュータ装置230は、無線信号のブロードキャストと受信の処理をサポートできる。無線信号は、例えばIEEE 802.11(登録商標)標準であり、例えばバージョン802.11 a, 802.11 b, 802.11 f, 802.11 g,を使用する。更に無線信号は、IEEE 802.15.1の最新標準であるBLUETOOTH を使用する。IEEE 802.11(登録商標)の仕様書は、無線クライアントとベースステーションあるいはアクセスポイントの間の無線"over-the-air"インターフェースあるいは無線クライアント間の無線インターフェースを提供するWireless Local Area Networks(WLANs)用の無線標準を規定している。IEEE 802.15作業部会は、Bluetooth仕様にサポートされるような、単純でかつ低電力消費のWireless Personal Area Networks(PANs)用の標準を提供する。
【0043】
図19の例を参照すると、コンピュータ装置230は、これに限定されるわけではないが、ディスプレイ232と、通信インターフェース234と、入力インターフェース236と、メモリ238と、プロセッサ240と、ピペッティングモジュール242とを有する。ディスプレイ232は、情報をコンピュータ装置230のユーザに提示する。ユーザは、電子ピペット30の動作特性を、制御電子カード44に具備している入力装置の代わりに、コンピュータ装置230のより大きなディスプレイと入力インターフェース236を用いて決定することもできる。ディスプレイ232は、これに限定されるわけではないが、TFTディスプレイ、LEDディスプレイ、LCDディスプレイ、CRTディスプレイである。入力インターフェース236は、コンピュータ装置230に入るために、ユーザからの情報を受信するインターフェースを提供する。入力インターフェース236は、様々な入力技術、これに限定されるわけではないが、例えばキーボード、ペンタッチスクリーン、マウス、トラックボール、タッチスクリーン、キーパッド、ボタン等を用いて、ユーザがコンピュータ装置230に情報入力し選択できるようにしている。入力インターフェース236は、入力インターフェースと出力インターフェースの両方を提供する。例えばタッチスクリーンは、ユーザ入力を可能としかつユーザへの出力を表示する。
【0044】
メモリ238は、コンピュータ装置230の動作システム用あるいはピペッティングモジュール242の動作システム用の電子記憶場所であり、情報はプロセッサ240により直ちにアクセス可能である。コンピュータ装置230は、異なるメモリ技術を用いた複数のメモリ238を有してもよい。これに限定されるわけではないが、例えばRandom Access Memory(RAM), 読み出し専用メモリ(Read Only Memory(ROM)), フラッシュメモリ(flash memory)等である。
【0045】
プロセッサ240は、コンピュータ装置230が様々な機能を実行できるようなインストラクションを実行する。インストラクションは、1つあるいは複数のプログラム言語、scripting言語、assembly言語を用いて記述される。更にインストラクションは、特殊目的用コンピュータ、ロジック回路、ハードウエア回路でも実行できる。かくしてプロセッサ240は、ハードウエア、ファームウエア、ソフトウエアあるいはこれらの組み合わせのいずれかで実行可能である。用語「実行する」とは、アプリケーション、プログラム、モジュールを走らせる操作、あるいはインストラクションにより要求される操作を実行することを意味する。プロセッサ240は、モジュールを実行するが、これは一連のインストラクションの形態でモジュールにより要求される操作を実行することを意味する。プロセッサ240は、非揮発性メモリ(通常ROM又はflash memoryフラッシュメモリの形態を採る)からアプリケーションを取り出し、インストラクションを実行できる形態で、一時的記憶メモリ(RAMの形態を採る)に記憶させてもよい。プロセッサ240は、ピペッティングモジュール242内で実現されたインストラクションを実行する。コンピュータ装置200は、1つあるいは複数のプロセッサ240を含んでもよい。
【0046】
ピペッティングモジュール242は、組織化されたインストラクションの組であり、実行されたときには、ユーザは、ピペット30により実行されるプログラムを形成できる。このプログラムは、ピペット30が実行すべき動作を規定する。ピペッティングモジュール242は、プログラム言語、assembly言語、scripting言語を用いて記述される。用語「実行」とは、ピペッティングモジュール242により要求されるインストラクションを実行するプロセスである。ピペッティングモジュール242が実行するために、アプリケーションは、コンピュータ装置230が理解できるマシン語に変換される。ピペッティングモジュール242をラウンチング(Launching:プログラムをロードし実行すること)は、実行可能形態で永久メモリ装置からピペッティングモジュール242を取り出し、実行可能なものを一時的メモリ装置(例えばRAM)にコピーする。永久メモリ装置は、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM等である。
【0047】
ピペット30は、コンピュータ装置230との間で情報を送受信する。動作モード「プログラム」の選択により、ピペット30はユーザにより規定されたプログラムモジュールをコンピュータ装置230上でピペッティングモジュール242を用いて実行し、それがピペット30に通信インターフェース234を介して送られる。ピペッティングモジュール242は、プログラムモジュールをピペット30に通信インターフェース234を介して送信する。ピペット30は、プログラムモジュールを通信インターフェース190を用いて受領する。プログラムモジュールは、ユーザが電子ピペット30を「プログラム」動作状態においた後、電子ピペット30のマイクロプロセッサにより実行される操作を含む。例えばプログラムモジュールは、ピペット30のインストラクション(指示)の表である。他の実施形態として、プログラムモジュールは、パラメータ値の前のワードあるいは文字を含む。通信言語は、電子ピペット30により実行される操作を規定するために開発してもよい。通信言語は、ハイパーテキストマークアップランゲージ(hypertext markup language)、あるいはイクステンシブルマークアップランゲージ(extensible markup language)のようなタグを採用した言語と類似のものでもよい。ピペットへの操作指示を含むプログラムモジュールを実行するために、ピペット30は、左動作モードボタン182又は右動作モードボタン184を用いて、プログラムモジュール内に置かれる。
【0048】
コンピュータ装置230のピペッティングモジュール242により、ユーザは、図1,2,10に記載したピペット30のインターフェース構成要素の代わりに、コンピュータ装置230のディスプレイ232と入力インターフェース236とを用いて、複雑なピペット操作を容易に形成することができる。例えばピペッティングモジュール242は以下の機能を提供する。
・電子ピペット30にインストールされたソフトウエアを更新する。例えば、ソフトウエアの新たなバージョンをユーザに、CD、DVD、インターネット等を用いて送り、ユーザがこの新たなソフトウエアのバージョンをコンピュータ装置230からピペット30にインストールする。
・シリアル番号を電子ピペット30に入力する。シリアル番号は、製造後ボディケース32に記載され、同時に電子ピペット30のボディケース32に記入される。
・ピペット30の製造中に電子ピペット30を校正する。液体の幾つかのサンプル容積を電子ピペット30内に吸引し、電子ピペット30から放出し、測定する。この測定された値を電子ピペット30に入れる。
・電子ピペット30の組立後、必要とされる例えば6個の製造段階を自動化する。これには次のものが含まれる。
・ピペットの種類(例えば、単一路ピペット、8路ピペット、12路ピペット)を記憶する。
・上記したようにピペット30を校正するために重量データを記憶する。
・重量を容積に変換し、平均値と標準偏差を計算する
・容積値を電子ピペット30に追加する。
・上記したように、電子ピペット30を校正するのに用いられる記憶された重量データを更新する
・上記したように、シリアル番号を記憶(登録)する
・解析と調整用に、ピペットからのデータをコンピュータ装置230に転送する。その後コンピュータ装置230からピペット30に再度記憶する。代表的なデータは、これに限定されるわけではないが、次の通りである。
・シリアル番号
・ピペットの識別子とバージョン番号
・ピペット30によるピペット操作を公称全量に到達する前に、行われるピペット操作の回数。
・最後のサービス操作から行われたピペット操作の回数
・ピペット30が出荷されて以来実行されたピペット操作の回数
・メンテナンスが行われた最終日
・目標容積と実際に測定された容積に対する校正データ
・最小容積の時に測定された容積と、最大容積の50%の時に測定された容積と、最大容積の100%の時に測定された容積を含む校正パラメータ
・動作モード「プログラム」中に、ピペットにより実行されるユーザプログラムを規定する。ユーザは、基本的タスクを選択し組織化することにより、カスタムプログラムを形成し、電子ピペット30に通信インターフェース190を介して通信するプログラムモジュールを創設する。ユーザは、コンピュータ装置230を用いて、カスタムプログラムを規定する。このタスクは、一般的にカスタム化パラメータを有する。タスクの例とカスタム化パラメータは次の通りである。
・空気吸引。電子ピペット30を介した空気吸引容積のシーケンスが規定される。この手順の間、ピペッティングモジュール242は、ディスプレイ232上に、名前と、吸引した空気量の値と、吸引速度を表示する。一実施形態においては、ユーザは、電子ピペット30用にデフォルトで規定された所定数の実行可能な速度の中からある速度を特定する。例えば5個の速度がデフォルトで規定されている。名前がタスクを記述するためにユーザにより規定され、例えばこの名前は最大15文字を有する。デフォルトではタスクの名前は、「空気吸引」又は「エアーギャップ」である。
・警報。複数回の警報音が、ピペット30のサウンド生成器により発生される。これは、サウンド生成器がユーザにより非活性化されてユーザに操作中の特定のポイントを通知した後でも行われる。例えば2回の警報音が500ミリ秒の間隔で発生する。
・吸引。 ユーザは以下のパラメータを規定する。吸引される容積、この容積に対する吸引速度、タスクの名称、デフォルトにより、このタスクの名称は「吸引」である。
・希釈。 ユーザは以下のパラメータを特定できる。即ち各液体サンプルの間吸引された空気容積あるいはエアーギャップ、吸引する各液体の容積、各容積の吸引速度、ピペット30のディスプレイ170に表示されるべき2個から5個の液体のそれぞれの名前、タスクの名称、2個から5個の液体の各々の名前がない場合には吸引容積が表示される。
・放出。 ユーザは以下のパラメータを特定できる。放出すべき容積、この容積の放出速度、タスクの名称、デフォルトでタスクの名称は「放出」である。
・手動 「吸引」と「放出」のタスクを用いて、吸引/放出ボタン180を押すとフル容積を吸引あるいは放出する。手動タスクを用いると、吸引/放出ボタン180をユーザが押し続けている間のみ吸引あるいは放出が行われる。規定された容積の吸引と放出は、数回のステップで行われる。タスクの名称は、ピペットのディスプレイ170に表示される。手動タスクの幾つかのタイプは次の通りである。
・液体の容積と吸引速度が規定されたマニュアルモードタイプで、反転ボタン178を使用することにより動作方向が変わる。
・吸引容積と吸引速度と放出速度が規定された吸引のみのマニュアルタイプで、反転ボタン178を使用することにより手順が終了する。
・放出容積と放出速度を規定した放出のみのマニュアルタイプで、反転ボタン178を使用することにより、この手順を終了させる。
・ミックス(混合)。混合手順は、サンプルを混合するために、所定回数吸引と放出を行う液体に関連する。ユーザは次のパラメータを特定できる。混合容積、吸引速度、放出速度、実行すべき混合サイクルの回数(例えば1回から99回まで)、タスクの名称。デフォルトでこのタスクの名称は「ミックス」又は「混合」である。所定数のサイクルを実行した後、ピペット30は、吸引/放出ボタン180が解放されると、混合サイクルを終了する。
・正常。 正常タスクを選択すると、指示がピペット30に送られ、反転ボタン178をユーザが押した後、プログラムされたタスクから標準のピペッティングトモードに切り替わる。
・中止。 中止タスクを選択することにより、ユーザにより規定された時間に対する、モードあるいはプログラムされたタスクの進行を停止する。ユーザは、次のパラメータを特定できる。時間とタスクの名称、時間は、例えば0から999.9秒での間で規定され、その間は0.1秒刻みである。
・排出(pauge)。排出タスクを選択することにより、ピストンの動きにより、液体全部をサンプリングチューブ36から取り除く。ユーザはタスクの名称を特定できる。パージ(排出)には複数の種類がある。
・繰り返し吸引。 このタスクは、所定回数吸引を実行し、各吸引は、吸引容積と吸引速度を有する。各吸引後、中止が、吸引/放出ボタン180が押されるまであるいは所定の期間の間規定される。ユーザは、次のパラメータを特定できる。吸引の回数、各吸引時の吸引量、各吸引容積に対する吸引速度、吸引する各容積の名前、各容積の吸引後の中止の種類、タスクの名称。
・繰り返し放出。 このタスクは、所定回数放出を実行し、各放出は、放出容積と放出速度を有する。各放出後、中止が、吸引/放出ボタン180が押されるまであるいは所定の期間の間規定される。ユーザは、次のパラメータを特定できる。放出の回数、各放出時の放出量、各放出容積に対する放出速度、放出する各容積の名前、各容積の放出後の中止の種類、タスクの名称。
・反転。反転タスクを選択すると、ピペットの動作が反転する。正常動作の間液体の吸引は、所望の容積が吸引されるまで行われ、液体の放出は、この容積の放出を引き起こし、その後更に排出(パージ)することにより、全ての液体が放出されたことを確認する。逆に反転モードにおいては、所望の容積と更なる容積が吸引される。停止することなく、吸引の後追加の容積の半分の放出が行われる。吸引/放出ボタン180を押すことにより、再び所望の容積に等しい液体の量の放出が行われ、これはサンプリングチューブ36内に残った追加の容積の半分を放出することなく、行われる。残った追加の容積はpurge(排出)の間に、放出される。
・待機。 待機のタスクを選択すると、ユーザが吸引/放出ボタン180を押している全期間、あるいはユーザが吸引/放出ボタン180を押すまでの全期間、タスクの進行を停止する。
・新たなモードをピペット30内に組み込む。
・ユーザによるピペットの校正。ユーザは電子ピペット30に対する3個の目標容積を提供することにより有効に取り除かれる容積を測定できる。この目標容積は、例えば最小容積、最大容積の50%の容積、最大容積の100%の容積である。ピペットは、ユーザが電子ピペット30によるそれぞれのサンプリングに対し測定された容積の値を送信した後、自動校正する。ピペッティングモジュール242は、それぞれの容積に対応した1つあるいは複数の数式を実行する。電子ピペット30が使用中の時には、各数式により、ピペット30のマイクロプロセッサは、その容積に対する修正値を計算する。この修正された値は、ピペットがユーザに使用されてる間、ディスプレイ170に表示される。実際に吸引すべき値の手動による調整は、生の値をマイクロプロセッサに送信し、対応する数式あるいはマトリックスを適用して、修正された値を得る。
・シングルポイントを使用して校正する。ユーザは、しばしば使用する容積を用いて、ピペット30を校正する。ユーザは、容積を特定し、吸引と放出を実行する。ピペット30は、上記したように自動校正する。
・サービス情報を保存する。以下のパラメータが、ピペット30から読み出される。最後にサービスした日付、実行されたサンプリングの全回数、最後のサービスからのピペット操作の回数、容積限界値(公称ピペット容積以下の容積限界が規定されている場合)、校正に用いられた値、シングルポイント校正に使用された値。以下のパラメータをピペット30に書き込んでもよい。次のサービス予定日、容積限界値、校正に使用された値、シングルポイント校正に用いられた値。
【0049】
本発明の他の実施形態においては、追加的な操作より少ない操作、異なる操作もピペッティングモジュール242を用いて実行可能である。例えばプログラムモジュール内に「自動」動作モードを指定すると、ユーザは、様々な吸引/放出/排出オプションの中からあるオプションを選択できる。例えば一実施形態においては、ユーザは3個の吸引/放出/排出オプションを選択してもよい。第1オプションにおいては、ピペットは、液体を放出し排出する前に停止する。第2オプションにおいては、ピペットは、液体を放出し停止することなく排出する。第3オプションにおいては、ピペットは、従来と同様に動作する。このオプションにおいては、液体は、吸引/放出ボタン180を押した後吸引され、吸引/放出ボタン180を解放することなく、2回目押した後放出し、液体は、吸引/放出ボタン180を解放し、吸引/放出ボタン180を3回目に押したときに、パージ(排出)される。
【0050】
本発明は上記の特定の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる修正、組み合わせ、変形例も本発明の範囲に入る。当業者は本発明のシステムと方法は、異なるプラットホームで異なる動作システムを用いて実行できる。例えばこの動作システムは、マイクロソフト社製のウィンドウズ(登録商標)ベースのオペレーティングシステムと、マッキントッシュ社製のオペレーティングシステムと、LINUXベースのオペレーティングシステムと、UNIX(登録商標)ベースのオペレーティングシステム等である。本発明で実行される機能を実施形態とは異なる数の構成要素間に振り分けること、本発明の機能の分散は、本発明の範囲を離れることなく変更可能である。モジュールの実行順序は、本発明の範囲を離れることなく変更可能である。
【0051】
以上の説明は、本発明の一実施形態に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態による電子ピペットの斜視図。
【図2】図1の電子ピペットの第1展開図。
【図3】図1の電子ピペットの第2展開図。
【図4】図1の電子ピペットの断面図。
【図5】本発明の一実施形態による電子ピペットのピストン駆動機構の第1断面図。
【図6】本発明の一実施形態による電子ピペットのピストン駆動機構とピストン組立体とサンプリングチューブと外部チップ離脱機構の断面図。
【図7】本発明の一実施形態による電子ピペットのピストン駆動機構の第2断面図。
【図8】本発明の一実施形態によるピストン組立体と接触するピストン駆動機構の第1断面図。
【図9】本発明の一実施形態によるピストン組立体と接触するピストン駆動機構の第2断面図。
【図10】本発明の一実施形態による電子ピペットのユーザ制御装置の第1斜視図。
【図11】本発明の一実施形態による電子ピペットのユーザ制御装置のサムウィールの展開図。
【図12】本発明の一実施形態による電子ピペットのユーザ制御装置のサムウィールの図。
【図13】本発明の一実施形態による図11のサムウィールの操作中に使用される信号を表すグラフ。
【図14】本発明の一実施形態による図11のサムウィールの正回転から得られる信号の第1表。
【図15】本発明の一実施形態による図11のサムウィールの逆回転から得られる信号の第2表。
【図16】本発明の一実施形態による電子ピペットのユーザ制御装置の第2斜視図。
【図17】本発明の一実施形態による図16の電子ピペットのユーザ制御装置の上面図。
【図18】本発明の他の実施形態による図1の電子ピペットを用いたシステムのブロック図。
【図19】本発明の一実施形態による電子ピペットと通信可能なコンピュータ装置のブロック図。
【図20】本発明の一実施形態による電子ピペットのディスプレイに表示される複数のメニューアイテムと一連のディスプレイのブロック図。
【符号の説明】
【0053】
30 電子ピペット
32 ボディケース
34 ピストン駆動機構
35 ピストン組立体
36 サンプリングチューブ
38 内部パワーサブシステム
40 外部チップ離脱機構
42 内部チップ離脱機構
44 制御電子カード
50 フロントケース
51 端部
52 リアケース
53 端部
54 フィンガーレスト
55 ネジ
56 ケース接続ガイド
58 ディスプレイカバー
60 好みに応じて換えるカバー
62 上部部分
70 アクチュエータ
72 制御ロッド
74 制御ロッドチップ
75 接触表面
76 制御ロッド支持部材
78 ハウジング
80 チューブ取り付けノブ
82 外部表面
84 チューブ取り付けナット
90 ピストン接触プレート
91 第1表面
92 ピストンヘッド
93 第2表面
94 ピストンロッド
96 ピストンハウジング
98 ピストン復帰スプリング
100 スプリングガイド
102 中空円筒ボディ
104 リム
106 ガイドリング
110 上部チューブ
112 下部チューブ
114 Oリング
116 ネジの切られた端部
118 アンダーカット
119 端部
120 バッテリー
122 コネクタ
124 バッテリーケース
130 チップ
140 離脱ノブ
142 固定シリンダ
144 ノブシリンダ
146 ボディシリンダ
148 ロッド
150 離脱スプリング
152 搭載ブレース
154 ノッチ
156 離脱ブレード
157 延長部
158 離脱ブレード調整ノブ
160 第1端
162 第2端
170 ディスプレイ
172 サムウィール
174 減速ボタン
176 加速ボタン
178 反転ボタン
180 吸引/放出ボタン
182 左動作モードボタン
184 右動作モードボタン
186 リセットスイッチ
188 外部電源コネクタ
190 通信インターフェース
192 有線接続
194 無線接続
198 ディスクリング
200 ディスク支持部材
202 ディスク
204 電子回路基板
206 軸
208 スプリング
210 平行運動
212 回転運動
220 システム
230 コンピュータ装置
232 ディスプレイ
234 通信インターフェース
236 入力インターフェース
238 メモリ
240 プロセッサ
242 ピペッティングモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置のディスプレイに表示されるユーザインターフェースを使用する方法において、
(A) 回転運動をデバイスの第1面に搭載されたディスクに加えることにより、前記装置のディスプレイに表示される複数のアイテム間を移動するステップと、
(B) 平行運動を前記第1面のディスクに加えることにより、複数のアイテムからあるアイテムを選択するステップと、を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
更に、(C) 回転運動を前記第1面のディスクに加えることにより、前記アイテムを修正するステップと、
(D) 平行運動を前記第1面のディスクに加えることにより、前記修正されたアイテムを設定するステップと、を有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記デバイスは、ピペットである請求項2記載の方法。
【請求項4】
デバイスのディスプレイに表示されたユーザインターフェースへのユーザの入力に応答する方法において、
(A) 複数のアイテム間での動きを示す第1信号を受領するステップであって、前記第1信号は、回転運動をデバイスの第1面に搭載されたディスクに加えることにより、生成され、前記複数のアイテムは、前記デバイスのディスプレイに表示される前記ステップと、
(B) 前記複数のアイテムから、あるアイテムを選択することを表す第2信号を受信するステップであって、前記第2信号は、平行運動を前記第一面のディスクに加えることにより、生成される前記ステップと、を有することを特徴とする方法。
【請求項5】
更に、(C) 前記アイテムの修正を示す第3信号を受領するステップであって、前記第3信号は、前記第1面のディスクに加えることにより、生成され、前記複数のアイテムは、前記デバイスのディスプレイに表示される前記ステップと、
(D) 前記の修正されたアイテムを前記装置に設定することを表す第4信号を受信するステップであって、前記第4信号は、平行運動を前記第一面のディスクに加えることにより、生成される前記ステップと、を有する請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記デバイスは、ピペットである請求項4記載の方法。
【請求項7】
装置のディスプレイに表示されるユーザインターフェースを使用する装置において、
(A) 軸と、
(B) 装置の面内の前記軸の周囲に回転可能となるように前記軸に搭載され且つ装置の面内で平行移動するディスクと、
(C) 前記軸の周囲でディスクが第1回転をすることを示す第1電気信号を生成するよう構成され且つ前記第1回転は前記装置の面内で行われるエンコーダと、
(D) 前記装置の面内のディスクの第1平行移動を示す第2電気信号を生成するよう構成されたモーションディテクタと、
(E) ディスプレイと、
(F) ディスプレイに接続されたマイクロプロセッサであって、前記マイクロプロセッサは、
(F1)前記第1電気信号を受信し、前記第1電気信号において、前記ディスクの第一回転は、ディスプレイ内に表示された複数のアイテム間の移動を示し、
(F2)前記第2電気信号を受信し、前記代2電気信号において、前記ディスクの第1平行移動は、ディスプレイに表示された複数のアイテムからのあるアイテムの選択を示す前記マイクロプロセッサと、
を有することを特徴とする装置。
【請求項8】
前記ディスクは、1つあるいは複数のスロットを前記ディスクの表面に有し、前記エンコーダは、光ソースと、光ディテクタとを有する請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記光ソースは、フォトダイオードである請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記光ディテクタは、フォトディテクタである請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記フォトディテクタは、赤外線フォトディテクタである請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記エンコーダは、直交符号化(quadrature encoding)を用いる請求項7記載の装置。
【請求項13】
前記モーションディテクタは、前記軸に搭載されたスプリングを有し、前記装置の面内に伸びる請求項7記載の装置。
【請求項14】
前記ディスクは、複数のセクションを有し、
前記複数のセクションは、ディスクの角度基準に対応し、
前記エンコーダは、前記ディスクが回転し、前記複数のセクションの内の1つのセクションを通過したときに、第3電気信号を生成し、
前記マイクロプロセッサは、前記第1電気信号と第3電気信号を用いて、前記軸の周囲のディスクの回転速度を決定する請求項7記載の装置。
【請求項15】
前記エンコーダは、前記軸の周囲のディスクの第2回転を示す第3電気信号を生成し、
前記モーションディテクタは、前記装置の面内のディスクの第2平行移動を示す第4電気信号を生成し、
前記マイクロプロセッサは、
前記第3信号を受領し、前記第3信号において、前記ディスクの第2回転は、選択されたアイテムの修正を示し、
前記第4信号を受領し、前記第4信号において、前記ディスクの第2平行移動は、修正されたアイテムがデバイスに設定されるべきことを示す請求項7記載の装置。
【請求項16】
液体を吸引し放出する装置において、
(A) サムウィールであって、
(A1) 軸と、
(A2) 装置の面内の前記軸の周囲に回転可能となるように前記軸に搭載され且つ装置の面内で平行移動するディスクと、
(A3) エンコーダと、
前記エンコーダは、前記軸の周囲でディスクが第1回転をすることを示す第1電気信号を生成するよう構成されたエンコーダであって、前記第1回転は、前記装置の面内で行われる前記エンコーダと、
(A4) 前記装置の面内のディスクの第1平行移動を示す第2電気信号を生成するよう構成されたモーションディテクタと、を有する前記サムウィールと、
(B) ディスプレイと、
(C) 液体を保持する組立体を有するサンプリングチューブと、
(D) ディスプレイに接続されたマイクロプロセッサであって、前記マイクロプロセッサは、
(D0)前記サンプリングチューブ内の液体を調整し、
(D1)前記第1電気信号を受信し、前記第1電気信号において、前記ディスクの第一回転は、ディスプレイ内に表示された複数のアイテム間の移動を示し、
(D2)前記第2電気信号を受信し、前記第2電気信号において、前記ディスクの第1平行移動は、ディスプレイに表示された複数のアイテムからのあるアイテムの選択を示す前記マイクロプロセッサと、
を有することを特徴とする装置。
【請求項17】
液体を吸引し放出する装置において、
(A) サンプリングチューブと、
(B) ピストン組立体であって、前記ピストン組立体は、前記サンプリングチューブに搭載され、前記サンプリングチューブ内に適合するピストンロッドを有する前記ピストン組立体と、
(C) ピストン駆動機構であって、前記ピストン駆動機構は、ピストン組立体に接触する表面を有する制御ロッドを有し、前記ピストン駆動機構は、前記サンプリングチューブ内でピストン組立体のピストンロッドを動かし、これによりサンプリングチューブ内の液体を制御し、前記制御ロッドの表面は、非平面状表面である前記ピストン駆動機構と、
を有することを特徴とする装置。
【請求項18】
前記非平面状表面は、球状である請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記ピストン駆動機構は、更に、アクチュエータを有し、前記アクチュエータは、制御ロッドに搭載され、前記制御ロッドを縦軸面で動かす請求項17記載の装置。
【請求項20】
前記ピストン駆動機構は、装置のユーザにより手動で制御される請求項17記載の装置。
【請求項21】
ピペットを制御する方法において、
(A) ピペットの通信インターフェースで、コンピュータ装置から電気信号を受信するステップであって、前記コンピュータ装置は、ピペット内に組み込まれていない前記ステップと、
(B) 前記受信した電気信号に応答して、前記ピペット内で操作を実行するステップと、を有することを特徴とする方法。
【請求項22】
液体を吸引し放出する装置において、
(A) サンプリングチューブと、
(B) ピストン組立体であって、前記ピストン組立体は、前記サンプリングチューブに搭載され、前記サンプリングチューブ内に適合するピストンロッドを有する前記ピストン組立体と、
(C) ピストン駆動機構であって、前記ピストン駆動機構は、ピストン組立体に接触する表面を有する制御ロッドを有し、前記ピストン駆動機構は、前記サンプリングチューブ内でピストン組立体のピストンロッドを動かし、これによりサンプリングチューブ内の液体を制御する前記ピストン駆動機構と、
(D) 通信インターフェースであって、前記通信インターフェースは、コンピュータ装置から電気信号を受信し、前記コンピュータ装置は、ピペット内に組み込まれていない前記通信インターフェースと、
(E) マイクロプロセッサであって、前記マイクロプロセッサは、ピストン駆動機構を制御し、前記受信した電気信号に応答して操作を実行する前記マイクロプロセッサと、
を有することを特徴とする装置。
【請求項23】
前記通信インターフェースは、電気信号をコンピュータ装置に送信する請求項22記載の装置。
【請求項24】
前記通信インターフェースは、無線通信インターフェースである請求項22記載の装置。
【請求項25】
前記無線通信インターフェースは、IEEE 802.11インターフェースとBluetoothインターフェースからなるグループから選択される請求項24記載の装置。
【請求項26】
前記通信インターフェースは、有線通信インターフェースである請求項22記載の装置。
【請求項27】
前記有線通信インターフェースは、IEEE 802.11インターフェースとBluetoothインターフェースからなるグループから選択される請求項26記載の装置。
【請求項28】
前記操作は、更新搭載されたソフトウエア操作と、連続番号エントリ操作と、校正操作と、生産自動操作と、データ転送操作と、実行プログラム操作と、新規モード組み込み操作と、サービス操作とからなるグループから選択される請求項22記載の装置。
【請求項29】
ピペット内の液体を吸引し放出することを制御するシステムにおいて、前記システムはコンピュータ装置を有し、前記コンピュータ装置は、
(X) ピペッティグモジュールであって、前記ピペッティグモジュールは、ピペット内で行われる操作を規定するコンピュータコードを有する前記ピペッティグモジュールと、
(Y) 第1通信インターフェースであって、前記第1通信インターフェースは、電気信号をピペットに送信し、前記電気信号は、ピペット内で行われる操作を規定する前記第1通信インターフェースと、を有し、
前記ピペットは、
(A) サンプリングチューブと、
(B) ピストン組立体であって、前記ピストン組立体は、前記サンプリングチューブに搭載され、前記サンプリングチューブ内に適合するピストンロッドを有する前記ピストン組立体と、
(C) ピストン駆動機構であって、前記ピストン駆動機構は、ピストン組立体に接触する表面を有する制御ロッドを有し、前記ピストン駆動機構は、前記サンプリングチューブ内でピストン組立体のピストンロッドを動かし、これによりサンプリングチューブ内の液体を制御する前記ピストン駆動機構と、
(D) 第2通信インターフェースであって、前記第2通信インターフェースは、コンピュータ装置から電気信号を受信し、前記コンピュータ装置は、ピペット内に組み込まれていない前記第2通信インターフェースと、
(E) マイクロプロセッサであって、前記マイクロプロセッサは、ピストン駆動機構を制御し、前記受信した電気信号に応答して操作を実行する前記マイクロプロセッサと、を有することを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2007−520695(P2007−520695A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540665(P2006−540665)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2004/003859
【国際公開番号】WO2005/052781
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.Linux
【出願人】(503285760)
【Fターム(参考)】