説明

吸水性ポリマー粒子の連続的製造方法

本発明は、連続的に流れるベルト上での放射線誘導された重合による吸水性ポリマー粒子の製造方法に関し、前記方法の際に400nmを上回る波長を有する電磁放射線が遮へいされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に流れるベルト(kontinuierlich umlaufenden Band)上での放射線誘導された重合による吸水性ポリマー粒子の製造方法に関し、400nmを上回る波長を有する電磁放射線が遮へいされることを特徴とする。
【0002】
吸水性ポリマーは、おむつ、タンポン、生理用ナプキン及び他の衛生用品の製造のため、しかしまた農業造園における保水剤として、使用される。
【0003】
モノグラフ"Modern Superabsorbent Polymer Technology", F.L. Buchholz及びA.T. Graham, Wiley-VCH, 1998, p.77-84によれば、吸水性ポリマーは、通常、連続的な混練反応器中で又は連続的に流れるベルト上で製造される。
【0004】
欧州特許出願公開(EP-A2)第1 097 946号明細書及び欧州特許出願公開(EP-A1)第1 589 040号明細書には、連続的に流れるベルト上での重合方法が記載されている。欧州特許出願公開(EP-A2)第1 097 946号明細書によれば、ベルトの前方の領域が冷却される。欧州特許出願公開(EP-A1)第1 589 040号明細書には、放射線誘導された重合が開示されている。
【0005】
本発明の課題は、吸水性ポリマー粒子の改善された製造方法、特にあまり妨害を受けない方法並びに質的に価値の高い吸水性ポリマー粒子の製造方法を提供することであった。
【0006】
前記課題は、連続的に流れるベルト上でのモノマー溶液又はモノマー懸濁液の放射線誘導された重合による吸水性ポリマー粒子の製造方法により解決され、前記方法は、放射線源とモノマー溶液又はモノマー懸濁液との間に、400nmを上回る波長を有する電磁放射線のための遮へいが存在し、かつ前記遮へいが少なくとも1mmの厚さを有することにより特徴付けられる。
【0007】
有利に、1mm〜1mの波長を有する電磁放射線(マイクロ波)が遮へいされる。遮へいするとは、前記遮へいにぶつかる放射線がこれを透過しないか又は部分的にのみ透過することを意味する。
【0008】
前記遮へいの種類は限定を受けないが、しかしながら、前記遮へいは、100〜350nmの波長を有する電磁放射線(紫外線)について十分な透過性を有するべきである。好ましい遮へい材料は石英ガラスである。
【0009】
前記遮へいの厚さは、好ましくは1〜20mm、特に好ましくは2〜10mm、極めて特に好ましくは2.5〜7.5mmである。
【0010】
放射線源の下方に、例えば、相応する厚さの石英ガラス板が遮へいとして取り付けられることができる。
【0011】
放射線誘導された重合の際に通常使用されるUV放射体が、かなりの割合の長波長の電磁放射線を放出するという知見が本発明の根底にある。この放射線は、モノマー溶液又はモノマー懸濁液の制御されない加熱をまねきうる。適した遮へいにより、この望ましくない放射線割合は明らかに減少されることができる。これにより、過熱は回避され、かつ改善された生成物品質を有する吸水性ポリマー粒子が得られる。
【0012】
本発明による遮へいのさらなる利点は、放射線源とモノマー溶液又はモノマー懸濁液との間隔が、モノマー溶液又はモノマー懸濁液の一部が放射線源上へ吹き付けられることがなく、かつこうして放射線源の寿命を減少させることがなく、低下されることができることである。
【0013】
放射線源と遮へいとの間隔は、好ましくは1〜50cm、特に好ましくは5〜30cm、極めて特に好ましくは10〜20cmである。
【0014】
モノマー溶液又はモノマー懸濁液と遮へいとの間隔は、好ましくは30〜130cm、特に好ましくは60〜110cm、極めて特に好ましくは70〜100cmである。
【0015】
放射線源とモノマー溶液又はモノマー懸濁液との間隔は、好ましくは40〜150cm、特に好ましくは70〜130cm、極めて特に好ましくは80〜120cmである。
【0016】
有利に、放射線源と遮へいとの間の領域は冷却される。このためには特に空気流が適している。
【0017】
前記遮へいは、マイクロ波の好ましくは50%未満、特に好ましくは75%未満、極めて特に好ましくは90%未満が遮へいを透過するように通常選択される。
【0018】
前記遮へいの監視のために、マイクロ波検出器が使用されることができる。前記遮へいの損傷、例えば石英ガラス板の破壊は、こうして直ちに検出されることができる。
【0019】
本発明による方法において、
a)酸基を有する少なくとも1つのエチレン系不飽和モノマー、前記モノマーは少なくとも部分的に中和されていてよい、
b)少なくとも1つの架橋剤、
c)場合によりa)のもとで挙げられたモノマーと共重合可能な1つ又はそれ以上のエチレン系及び/又はアリル系不飽和モノマー及び
d)場合により1つ又はそれ以上の水溶性ポリマー
を有するモノマー溶液又はモノマー懸濁液が例えば使用されることができる。
【0020】
モノマーa)は、好ましくは水溶性であり、すなわち23℃での水への溶解度は、典型的には少なくとも1g/100g水、好ましくは少なくとも5g/100g水、特に好ましくは少なくとも25g/100g水、極めて特に好ましくは少なくとも50g/100g水である。
【0021】
適したモノマーa)は、例えばエチレン系不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸である。特に好ましいモノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸である。アクリル酸が極めて特に好ましい。
【0022】
適した別のモノマーa)は、例えばエチレン系不飽和スルホン酸、例えばスチレンスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0023】
モノマーa)の全量に対するアクリル酸及び/又はその塩の割合は、好ましくは少なくとも50mol%、特に好ましくは少なくとも90mol%、極めて特に好ましくは少なくとも95mol%である。
【0024】
モノマーa)、特にアクリル酸は、ヒドロキノンモノエーテルを好ましくは0.025質量%まで含有する。好ましいヒドロキノンモノエーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)及び/又はトコフェロールである。
【0025】
トコフェロールは、次の式の化合物であると理解され、
【化1】

ここで、R1は水素又はメチルを表し、R2は水素又はメチルを表し、R3は水素又はメチルを表し、かつR4は水素を表すか又は炭素原子1〜20個を有する酸基を表す。
【0026】
4の好ましい基は、アセチル、アスコルビル、スクシニル、ニコチニル及びその他の生理学的に相溶性のカルボン酸である。前記カルボン酸は、モノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸であってよい。
【0027】
1=R2=R3=メチルであるα−トコフェロール、特にラセミα−トコフェロールが好ましい。R1は、特に好ましくは水素又はアセチルである。RRR−α−トコフェロールが殊に好ましい。
【0028】
前記モノマー溶液は、アクリル酸を基準としてそれぞれ、ヒドロキノンモノエーテルを好ましくは多くとも130質量ppm、特に好ましくは多くとも70質量ppm、好ましくは少なくとも10質量ppm、特に好ましくは少なくとも30質量ppm、殊に約50質量ppm含有し、その際にアクリル酸塩はアクリル酸として共に考慮される。例えば、前記モノマー溶液の製造のために、相応する含量のヒドロキノンモノエーテルを有するアクリル酸が使用されることができる。
【0029】
架橋剤b)は、前記ポリマーのネットワーク中へラジカル共重合されることができる少なくとも2つの重合可能な基を有する化合物である。適した架橋剤b)は、例えば、欧州特許出願公開(EP-A1)第530 438号明細書に記載されたようなエチレングリコールジメタクリラート、ジエチレングリコールジアクリラート、アリルメタクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート、トリアリルアミン、テトラアリルオキシエタン、欧州特許出願公開(EP-A1)第547 847号明細書、欧州特許出願公開(EP-A1)第559 476号明細書、欧州特許出願公開(EP-A1)第632 068号明細書、国際公開(WO-A1)第93/21237号、国際公開(WO-A1)第2003/104299号、国際公開(WO-A1)第2003/104300号、国際公開(WO-A1)第2003/104301号及び独国特許出願公開(DE-A1)第103 31 450号明細書に記載されたようなジアクリラート及びトリアクリラート、独国特許出願公開(DE-A1)第103 31 456号明細書及び独国特許出願公開(DE-A1)第103 55 401号明細書に記載されたようなアクリラート基に加えて別のエチレン系不飽和基を有する混合アクリラート、又は例えば独国特許出願公開(DE-A1)第195 43 368号明細書、独国特許出願公開(DE-A1)第196 46 484号明細書、国際公開(WO-A1)第90/15830号及び国際公開(WO-A2)第2002/32962号に記載されたような架橋剤混合物である。
【0030】
適した架橋剤b)は、特にN,N′−メチレンビスアクリルアミド及びN,N′−メチレンビスメタクリルアミド、ポリオールの不飽和モノカルボン酸又は不飽和ポリカルボン酸のエステル、例えばジアクリラート又はトリアクリラート、例えばブタンジオールジアクリラート又はエチレングリコールジアクリラートもしくはブタンジオールジメタクリラート又はエチレングリコールジメタクリラート並びにトリメチロールプロパントリアクリラート及びアリル化合物、例えばアリル(メタ)アクリラート、トリアリルシアヌラート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルアンモニウムクロリド、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸のアリルエステル並びに例えば欧州特許出願公開(EP-A2)第343 427号明細書に記載されたようなビニルホスホン酸誘導体である。さらに適した架橋剤b)は、ペンタエリトリトールジアリルエーテル、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル及びペンタエリトリトールテトラアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル及びグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールをベースとするポリアリルエーテル、並びにそれらのエトキシル化された変種である。本発明による方法において使用可能であるのは、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリラートであり、その際に使用されるポリエチレングリコールは、100〜1000の分子量を有する。
【0031】
特に有利な架橋剤b)は、しかしながら、3〜20エトキシル化されたグリセリンの、3〜20エトキシル化されたトリメチロールプロパンの、3〜20エトキシル化されたトリメチロールエタンの、ジアクリラート及びトリアクリラート、特に2〜6エトキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパンの、3プロポキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパンの、並びに3混合エトキシル化又はプロポキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパンの、15エトキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパンの、並びに少なくとも40エトキシル化されたグリセリン、トリメチロールエタン又はトリメチロールプロパンの、ジアクリラート及びトリアクリラートである。
【0032】
極めて特に好ましい架橋剤b)は、アクリル酸又はメタクリル酸でジアクリラート又はトリアクリラートへとエステル化されたポリエトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンであり、これらは例えば国際公開(WO-A1)第2003/104301号に記載されている。3〜10エトキシル化されたグリセリンのジアクリラート及び/又はトリアクリラートが特に有利である。1〜5エトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンのジアクリラート又はトリアクリラートが極めて特に好ましい。3〜5エトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンのトリアクリラートが最も好ましい。
【0033】
架橋剤b)の量は、モノマーa)を基準としてそれぞれ、好ましくは0.05〜1.5質量%、特に好ましくは0.1〜1質量%、極めて特に好ましくは0.3〜0.6質量%である。
【0034】
酸基を有するエチレン系不飽和モノマーa)と共重合可能なエチレン系不飽和モノマーc)は、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、クロトン酸アミド、ジメチルアミノエチルメタクリラート、ジメチルアミノエチルアクリラート、ジメチルアミノプロピルアクリラート、ジエチルアミノプロピルアクリラート、ジメチルアミノブチルアクリラート、ジメチルアミノエチルメタクリラート、ジエチルアミノエチルメタクリラート、ジメチルアミノネオペンチルアクリラート及びジメチルアミノネオペンチルメタクリラートである。
【0035】
水溶性ポリマーd)として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、ポリグリコール又はポリアクリル酸、好ましくはポリビニルアルコール及びデンプンが、使用されることができる。
【0036】
好ましい重合防止剤は、最適な作用のために溶存酸素を必要とする。故に、モノマー溶液から、重合の前に、不活性化、すなわち不活性ガス、好ましくは窒素での貫流により、溶存酸素が取り除かれることができる。好ましくは、モノマー溶液の酸素含量は、重合の前に、1質量ppm未満に、特に好ましくは0.5質量ppm未満に低下される。
【0037】
適した光開始剤は、例えば、いわゆるα−開裂剤(α-Spalter)、H−引抜き系又はまたアジドである。そのような開始剤の例は、ベンゾフェノン誘導体、例えばミヒラーケトン、フェナントレン誘導体、フルオレン誘導体、アントラキノン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ベンゾインエーテル及びそれらの誘導体、アゾ化合物、例えば前記のラジカル形成剤、置換ヘキサアリールビスイミダゾール又はアシルホスフィンオキシド、特に2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(Darocure(登録商標) 1173)である。アジドの例は、2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−4−アジドシンナマート、2−(N,N−ジメチル−アミノ)−エチル−4−アジドナフチルケトン、2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−4−アジドベンゾアート、5−アジド−1−ナフチル−2′−(N,N−ジメチルアミノ)エチルスルホン、N−(4−スルホニルアジドフェニル)マレインイミド、N−アセチル−4−スルホニルアジドアニリン、4−スルホニルアジドアニリン、4−アジドアニリン、4−アジドフェンアシルブロミド、p−アジド安息香酸、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン及び2,6−ビス−(p−アジド−ベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノンである。
【0038】
連続的に流れるベルト上での重合の際に、ポリマーゲルが生じ、このゲルは、さらなる処理工程において通常、例えば肉挽き機(Fleischwolf)、押出機又はニーダー中で粉砕される。
【0039】
得られるポリマーゲルの酸基は、通常、部分的に、好ましくは25〜95mol%、より好ましくは50〜80mol%、特に好ましくは60〜75mol%が中和されており、その際に常用の中和剤、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属炭酸水素塩並びにそれらの混合物が使用されることができる。アルカリ金属塩の代わりに、アンモニウム塩も使用されることができる。ナトリウム及びカリウムは、アルカリ金属として特に好ましく、しかしながら水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム並びにそれらの混合物が極めて特に好ましい。
【0040】
中和は、好ましくはモノマーの段階で実施される。これは、通常、前記中和剤を水溶液として、溶融物として、又は好ましくはまた固体として混入することにより行われる。例えば、明らかに50質量%未満の水割合を有する水酸化ナトリウムは、23℃を上回る融点を有するろう様の塊状物として存在しうる。この場合に、ばら原料(Stueckgut)又は高められた温度での溶融物として計量供給が可能である。
【0041】
しかしまた、中和は、重合後にポリマーゲルの段階で実施することが可能である。さらに、酸基の40mol%まで、好ましくは10〜30mol%、特に好ましくは15〜25mol%を、重合の前に中和することが可能であり、その際に、中和剤の一部が、既にモノマー溶液に添加され、かつ所望の最終中和度は重合後に初めてポリマーゲルの段階で調節される。ポリマーゲルが少なくとも部分的に重合後に中和される場合には、ポリマーゲルは好ましくは機械的に、例えば肉挽き機を用いて粉砕され、その際に中和剤は噴霧され、ふりかけられ(uebergestreut)又は注ぎ入れられ、ついで注意深く混合されることができる。そのために、得られるゲル状物はさらに何度も均質化するために挽かれることができる。
【0042】
ポリマーゲルは、ついで、残留湿分含量が好ましくは15質量%未満、特に10質量%未満になるまで、好ましくはベルト乾燥器を用いて乾燥され、その際に含水量は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験方法No. WSP 230.2-05 "Moisture content(含水量)"に従い決定される。選択的に、乾燥のためにしかしまた、流動床乾燥器又は加熱されたプローシェアミキサーが使用されることができる。特に白色の生成物を得るために、このゲルの乾燥の際に、蒸発する水の迅速な搬出を保証することは有利である。乾燥器温度を最適化するために、空気導入及び空気導出は、制御されて行われなければならず、かついずれにせよ十分な換気が顧慮されるべきである。ゲルの固体含量ができるだけ高ければ高い場合に、乾燥は、もちろんいっそう単純になり、かつ生成物は、いっそう白くなる。好ましくは、乾燥前のゲルの固体含量は、故に25〜80質量%である。窒素又は他の非酸化性不活性ガスでの乾燥器の換気が特に有利である。選択的に、しかしまた、酸素の分圧のみが単純に、酸化的な黄変過程を防止するために、乾燥の間に低下されることができる。
【0043】
乾燥されたポリマーゲルは、この後に通常、粉砕され、かつ分級され、その際に粉砕のために、好ましくは一段階又は多段階のロールミル、好ましくは二段階又は三段階のロールミル、ピンミル(Stiftmuehlen)、ハンマーミル又は振動ミルが使用されることができる。
【0044】
生成物画分として分離されるポリマー粒子の平均粒度は、好ましくは少なくとも200μm、特に好ましくは250〜600μm、極めて特に300〜500μmである。生成物画分の平均粒度は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨された試験方法No. WSP 220.2-05 "Partikel size distribution(粒度分布)"を用いて決定されることができ、その際にふるい画分の質量割合は、累積してプロットされ、かつ平均粒度はグラフにより決定される。平均粒度は、この場合に、累積50質量%について得られるメッシュサイズの値である。
【0045】
前記ポリマー粒子は、それらの性質のさらなる改善のために後架橋されることができる。適した後架橋剤は、前記ポリマーゲルのカルボキシラート基と共有結合を形成することができる少なくとも2つの基を有する化合物である。適した化合物は、例えば、欧州特許出願公開(EP-A2)第83 022号明細書、欧州特許出願公開(EP-A1)第543 303号明細書及び欧州特許出願公開(EP-A2)第937 736号明細書に記載されたようなアルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、ジエポキシド又はポリエポキシド、独国特許出願公開(DE-A1)第33 14 019号明細書、独国特許出願公開(DE-A1)第35 23 617号明細書及び欧州特許出願公開(EP-A2)第450 922号明細書に記載されたような二官能性又は多官能性のアルコール、又は独国特許出願公開(DE-A1)第102 04 938号明細書及び米国特許(US)第6,239,230号明細書に記載されたようなβ−ヒドロキシアルキルアミドである。
【0046】
さらに、独国特許(DE-C1)第40 20 780号明細書には環式カーボネートが、独国特許出願公開(DE-A1)第198 07 502号明細書には2−オキサゾリドン及びその誘導体、例えば2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドンが、独国特許(DE-C1)第198 07 992号明細書にはビス−2−オキサゾリジノン及びポリ−2−オキサゾリジノンが、独国特許出願公開(DE-A1)第198 54 573号明細書には2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体が、独国特許出願公開(DE-A1)第198 54 574号明細書にはN−アシル−2−オキサゾリドンが、独国特許出願公開(DE-A1)第102 04 937号明細書には環式尿素が、独国特許出願公開(DE-A1)第103 34 584号明細書には二環式アミドアセタールが、欧州特許出願公開(EP-A2)第1 199 327号明細書にはオキセタン及び環式尿素が、及び国際公開(WO-A1)第2003/31482号にはモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が、適した後架橋剤として記載されている。
【0047】
さらに、独国特許出願公開(DE-A1)第37 13 601号明細書に記載されるような、追加的な重合可能なエチレン系不飽和基を有する後架橋剤も使用されることができる。
【0048】
後架橋剤の量は、前記ポリマーを基準としてそれぞれ、好ましくは0.001〜2質量%、特に好ましくは0.02〜1質量%、極めて特に好ましくは0.05〜0.2質量%である。
【0049】
本発明の好ましい一実施態様において、後架橋剤に加えて、多価カチオンが粒子表面上に施与される。
【0050】
本発明による方法において使用可能な多価カチオンは、例えば、2価カチオン、例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄及びストロンチウムのカチオン、3価カチオン、例えばアルミニウム、鉄、クロム、希土類及びマンガンのカチオン、4価カチオン、例えばチタン及びジルコニウムのカチオンである。対イオンとして、塩化物、臭化物、スルファート、ハイドロジェンスルファート、カルボナート、ハイドロジェンカルボナート、ニトラート、ホスファート、ハイドロジェンホスファート、ジハイドロジェンホスファート及びカルボキシラート、例えばアセタート及びラクタートが可能である。硫酸アルミニウムが好ましい。金属塩以外に、ポリアミンも多価カチオンとして使用されることができる。
【0051】
多価カチオンの使用量は、ポリマーを基準としてそれぞれ、例えば0.001〜1.5質量%、好ましくは0.005〜1質量%、特に好ましくは0.02〜0.8質量%である。
【0052】
後架橋は、通常、前記後架橋剤の溶液がポリマーゲル又は乾燥したポリマー粒子上へ噴霧されるように実施される。前記噴霧に引き続き、後架橋剤でコーティングされたポリマー粒子は、加熱乾燥され、その際に後架橋反応は、乾燥前並びに乾燥中に行うことができる。
【0053】
前記後架橋剤の溶液の噴霧は、好ましくは、動く混合器具を備えたミキサー、例えばスクリューミキサー、ディスクミキサー、プローシェアミキサー及びブレードミキサー中で、実施される。水平ミキサー、例えばプローシェアミキサー及びブレードミキサーが特に好ましく、垂直ミキサーが極めて特に好ましい。適したミキサーは、例えばLoedigeミキサー、Bepexミキサー、Nautaミキサー、Processallミキサー及びSchugiミキサーである。
【0054】
加熱乾燥は、好ましくは接触乾燥器、特に好ましくはブレード乾燥器、極めて特に好ましくはディスク乾燥器中で、実施される。適した乾燥器は、例えばBepex乾燥器及びNara乾燥器である。さらに、流動層乾燥器も使用されることができる。
【0055】
前記乾燥は、ミキサー自体中で、そのジャケットの加熱又は熱気の吹き込みにより、行われることができる。後接続された乾燥器、例えばトレー乾燥器(Hordentrockner)、回転管炉又は加熱可能なスクリューが同じように適している。特に有利には、流動層乾燥器中で混合及び乾燥される。
【0056】
好ましい乾燥温度は、100〜250℃、好ましくは120〜220℃、及び特に好ましくは130〜210℃の範囲内である。反応ミキサー又は乾燥器中のこの温度での好ましい滞留時間は、好ましくは少なくとも10分、特に好ましくは少なくとも20分、極めて特に好ましくは少なくとも30分である。
【0057】
引き続き、後架橋されたポリマーは改めて分級されることができる。
【0058】
後架橋されたポリマー粒子は、前記性質のさらなる改善のためにコーティングされることができるか又は後で湿潤されることができる。捕捉挙動(Akquisitionsverhaltens)並びに透過性(SFC)の改善に適しているコーティングは、例えば無機の不活性な物質、有機ポリマー、カチオン性ポリマー並びに二価又は多価の金属カチオンである。ダスト結合のための適したコーティングは、例えばポリオールである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に流れるベルト上でのモノマー溶液又はモノマー懸濁液の放射線誘導された重合による吸水性ポリマー粒子の製造方法において、
放射線源とモノマー溶液又はモノマー懸濁液との間に、400nmを上回る波長を有する電磁放射線のための遮へいが存在し、かつ前記遮へいが少なくとも1mmの厚さを有する
ことを特徴とする、吸水性ポリマー粒子の製造方法。
【請求項2】
放射線源と、モノマー溶液又はモノマー懸濁液との間に、1mm〜1mの波長を有する電磁放射線のための遮へいが存在する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
遮へいが石英ガラスからなる、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
放射線源と遮へいとの間隔が少なくとも1cmである、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
モノマー溶液又はモノマー懸濁液と遮へいとの間隔が少なくとも30cmである、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
放射線源とモノマー溶液又はモノマー懸濁液との間隔が2m未満である、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
放射線源と遮へいとの間の領域を冷却する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
放射線源と遮へいとの間の領域を空気で冷却する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
1mm〜1mの波長を有する放射線の50%未満が、遮へいを透過する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
遮へいの損傷を、マイクロ波検出器を用いて決定する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2011−504542(P2011−504542A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535345(P2010−535345)
【出願日】平成20年11月24日(2008.11.24)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066046
【国際公開番号】WO2009/068490
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】