吸音構造体と吸音構造体を備えた防護柵
【課題】防護柵の片側から支柱間に吸音板を設置する作業が難しい点を可能とし、吸音板を道路の平面線形や勾配に沿って屈曲させた状態で連結可能とする。
【解決手段】騒音を吸収する機能を備えた吸音板と、隣り合う該吸音板の端部相互を連結する固定バンドと、該固定バンドに取り付けられた支柱カバーとを備え、該吸音板は内部に吸音材を収納した吸音板本体と、該吸音板本体の両端部から該吸音板本体の延長方向に突出して設けられている連結端部とからなり、該連結端部は該吸音板本体の一方の面に寄った部位に設けられ、該固定バンドは防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなり、該固定バンドの開口側の各端部には鍔部が各々設けられ、該吸音板の連結端部と該固定バンドの鍔部とは連結され、該固定バンドの背側は該吸音板の他方の面側にあり、該支柱カバーは該固定バンドの背側に取り付けられている。
【解決手段】騒音を吸収する機能を備えた吸音板と、隣り合う該吸音板の端部相互を連結する固定バンドと、該固定バンドに取り付けられた支柱カバーとを備え、該吸音板は内部に吸音材を収納した吸音板本体と、該吸音板本体の両端部から該吸音板本体の延長方向に突出して設けられている連結端部とからなり、該連結端部は該吸音板本体の一方の面に寄った部位に設けられ、該固定バンドは防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなり、該固定バンドの開口側の各端部には鍔部が各々設けられ、該吸音板の連結端部と該固定バンドの鍔部とは連結され、該固定バンドの背側は該吸音板の他方の面側にあり、該支柱カバーは該固定バンドの背側に取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上で発生した自動車の騒音をできるだけ道路外に出さないようにする吸音構造体と吸音構造体を備えた防護柵、特に、道路の中央分離帯に設置する低層な遮音壁を形成するための吸音構造体と吸音構造体を備えた防護柵に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路の脇や中央には、人と車両の通行領域を明確にしたり、車両の流れを整えたりすることにより交通の安全を確保する種々の防護柵が設置されている。そして、道路に設置されたこれらの防護柵には、道路上で発生した自動車の騒音が道路外にできるだけ出ないように、吸音構造体が取り付けられているものがある。
【0003】
図11は吸音構造体が取り付けられた従来の防護柵の一例の説明図である。同図に示すように、100は防護柵であり、防護柵100はコンクリート基礎102に所定間隔をおいて設けられた複数本の支柱104と、支柱104の上端部に架設されたボックスビーム106と、ボックスビーム106の上に所定間隔をおいて垂直に設けられた複数本の第2支柱108と、第2支柱108の間に設けられた防護フェンス110とからなる。
【0004】
各支柱104の間には吸音板112が各々取り付けられている。吸音板112は厚みを有する箱状体からなり、内部には吸音材が収納されている。支柱104を介して隣り合う吸音板112は種々の連結構造により各端部が相互に連結固定されている。防護柵100に取り付けられた複数枚の吸音板112により吸音構造体が構成されている。
【0005】
図12は従来の吸音構造体の連結構造の一例を示す平断面図である。同図に示すように、吸音板112の一方の端部には、吸音板112の一方の面に寄った部位から吸音板112の延長方向に突出した状態で設けられている連結端部114と、吸音板112の他方の面側に段状に窪んだ状態で設けられている連結段部116が設けられている。
【0006】
また、吸音板112の反対側の端部或いは隣り合う吸音板112の対向する端部には、吸音板112の一方の面側に段状に窪んだ状態で設けられている連結段部118と、吸音板112の他方の面に寄った部位から吸音板112の延長方向に突出して設けられている連結端部120が設けられている。
【0007】
隣り合う吸音板112の対向する各端部は支柱104を囲むように当接して挟み、隣り合う吸音板112の連結端部114と連結段部118、連結段部116と連結端部120は嵌まり合うように重なり、ボルト・ナットにより連結・固定されている。
【0008】
図13は従来の吸音構造体の連結構造の他の例を示す平断面図である。同図に示すように、吸音板112の一方の端部には、吸音板112の一方の面側に段状に窪んだ状態で設けられている連結段部122と、吸音板112の他方の面側に寄った部位から吸音板112の延長方向に突出した状態で設けられている連結端部124とが設けられている。
【0009】
また、吸音板112の反対側の端部或いは対向する吸音板112の端部には、吸音板112の一方の面側に段状に窪んだ状態で設けられている連結段部122と、吸音板112の他方の面側に寄った部位から吸音板112の延長方向に突出して設けられている連結端部124が設けられている。
【0010】
防護柵100の各支柱104は、支柱104を介して隣り合う吸音板112の対向する各端部に、各連結端部124,124と接合用パネル126が支柱104に当接した状態で挟まれ、隣り合う吸音板112,112は、各連結段部122,122に接合用パネル126がボルト・ナットにより取り付けられることにより連結・固定されている。
【0011】
上記従来の吸音構造体は、防護柵を解体することなく防護柵に容易に取り付けることができる。
【0012】
しかし、従来の吸音構造体の端部は上述したような連結構造、すなわちブロックとブロックを繋ぐような連結構造で、かつ支柱に当接して囲繞しているので、吸音板を歪ませた状態で連結させることが難しく、また、予め加工を施しても良いが、加工が困難であり、従って、道路に平面曲がりがある場合や縦断勾配がある場合等に、隣り合う吸音板を屈曲させてボルト・ナットで連結させることが難しいという問題があった。
【0013】
また、従来の吸音構造体の取り付け作業は吸音構造体の表側と裏側の両方、すなわち防護柵の表側と裏側から行なわなければならないので、防護柵の表側と裏側の両方に作業員を各々配置しなければならず、人件費がかかるという問題があった。
【0014】
また、従来の吸音構造体は、側面板の複雑な曲げ加工が必要で、かつ加工工数が多く、しかも天板・底板の端部を側面板の形状に合わせて階段状に複雑な切断加工をしなければならないので、吸音構造体の製造コストが高くなるという問題があった。また、支柱の形状や外寸が異なる場合、吸音板の形状を変える必要があった。
【特許文献1】特開平10−338913号公報
【特許文献2】特開2000−290939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明が解決しようとする問題点は、防護柵の片側から防護柵の支柱間に吸音板を設置する作業が難しい点、隣り合う吸音板を道路の平面線形や勾配に沿って屈曲させた状態で連結することが難しい点、吸音板の製作における側面板、天板、底板の加工が難しい点、支柱の形状や外寸が異なる場合、吸音板の形状を変えなければならない点である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、防護柵の片側から防護柵の支柱間に吸音板を設置する作業が難しい点を可能とし、隣り合う吸音板を道路の平面曲がりや縦断勾配に沿って屈曲させた状態で連結可能とし、吸音板の製作における側面板、天板、底板の加工を容易にするため、支柱の形状や外形寸法が異なる場合でも吸音板の形状を変えることのないように吸音構造体を次のように構成した。
【0017】
即ち、本発明は、騒音を吸収する機能を備えた吸音板と、隣り合う該吸音板の端部相互を連結する固定バンドと、該固定バンドに取り付けられた支柱カバーとを備え、該吸音板は内部に吸音材を収納した吸音板本体と、該吸音板本体の両端部から該吸音板本体の延長方向に突出して設けられている連結端部とからなり、該連結端部は該吸音板本体の一方の面に寄った部位に設けられ、該固定バンドは防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなり、該固定バンドの開口側の各端部には鍔部が各々設けられ、該吸音板の連結端部と該固定バンドの鍔部とは連結され、該固定バンドの背側は該吸音板の他方の面側にあり、該支柱カバーは該固定バンドの背側に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0018】
ここで、隣り合う前記吸音板の連結端部は前記固定バンド及び補助バンドによって連結されていてもよい。前記固定バンドは例えば断面略ハット型又は断面略C字型のものを使用することができる。前記吸音板は両面吸音板でもよいし、片面吸音板でもよい。前記支柱カバーは表側の面が前記吸音板の他方の面側の外観と類似しているものが好ましい。前記吸音板の連結端部に設けられたボルト挿入用の孔は該吸音板の長手方向に長い孔になっているのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の吸音板は、道路に設置されている防護柵に取り付ける場合、ボルト・ナットで締結する箇所が防護柵の一方の面側だけに存在しているので、取り付け作業を防護柵の表裏両側からする必要がなく、防護柵の一方の面側から吸音板の全ての取り付け作業をすることができ、従って、防護柵に吸音板を取り付ける際の作業効率をあげることができるという利点がある。
【0020】
また、本発明の吸音板は、道路に設置されている防護柵に取り付ける場合、防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなる固定バンドで隣り合う吸音板を連結するようになっており、固定バンドは平板状で曲げ加工が容易なので、隣り合う吸音板がある程度曲がった(一直線状でない)状態でも連結・固定することができ、従って、設置する道路に平面線形がある場合、傾斜がある場合又は支柱間隔に若干の違いがある場合に容易に対応することができるという利点がある。
【0021】
また、本発明の吸音板は、道路に設置されている防護柵に取り付ける場合、防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなる固定バンドで隣り合う吸音板を連結するので、固定バンドを支柱の片面側から取り付けることができ、既設の防護柵にその防護柵を解体することなく道路の片側から取り付けることができるという利点がある。
【0022】
また、本発明の吸音板は、端部が比較的単純な形状をしているので、側面板を単純な曲げ加工と少ない加工工程で容易に形成することができ、従って、吸音板を低コストで製造することができるという利点がある。
【0023】
また、本発明の吸音板は、支柱の形状や外寸が異なる場合、吸音板の形状を変えることなく、固定バンド、支柱カバー及び補助バンドの大きさを変えるという容易な方法で対応することができ、複数種類の形状の吸音板を準備する必要がなく、従って、吸音板を低コストで製造することができるという利点がある。
【0024】
また、本発明の吸音板は、支柱カバーの表側の面が吸音板の他方の面側の外観と類似している場合は、表裏間のない構造を実現でき、景観性が向上するという利点がある。
【0025】
また、本発明の吸音板は、吸音板が両面吸音板の場合、中央分離帯等の両側面の吸音効果が向上するという利点があり、吸音板が片面吸音板の場合、車道と歩道等の境界で車道面側の吸音効果が向上するという利点がある。
【0026】
また、本発明の吸音板は、固定バンドと補助バンドにより、支柱を囲繞するように当接することができるので、がたつき無く取り付けることができ、従って、吸音板を支柱にがたつき無く取り付けることができるという利点がある。
【0027】
また、本発明の吸音板は、吸音板の連結端部に設けられたボルト挿入用の孔が該吸音板の長手方向に長い孔になっている場合、支柱間の設置誤差や縦断勾配に対して吸音板を容易に取り付けることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
防護柵の片側から一人で吸音構造体を取り付けることができ、隣り合う吸音構造体の連結が道路の平面曲がりや縦断勾配等に容易に対応できるという目的を、単純な構成で、吸音効果を損なわずに実現した。
【実施例1】
【0029】
図1は中央分離帯用防護柵の正面図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は図1のB−B矢視断面図である。これらの図において、10は防護柵であり、防護柵10は複数本の支柱12と、支柱12の上部に横方向に向けて取り付けられているガードレール14とからなる。支柱12は円筒状をしており、複数本の支柱12は道路の中央に所定間隔をおいて設置されている。支柱12と支柱12の間で、ガードレール14の下方には吸音構造体16が取り付けられている。
【0030】
吸音構造体16は、後述する図9に示すように、騒音を吸収する機能を備えた吸音板18と、隣り合う吸音板18,18の端部相互を連結する上下一対の固定バンド20,20と、固定バンド20,20の背側に取り付けられている支柱カバー22とからなる。
【0031】
図4は吸音板の平断面図、図5は吸音板の正面図、図6は支柱に取り付ける前の固定バンドの平断面図、図7は支柱に取り付けた後の固定バンドの平断面図、図8は吸音板を固定バンドで連結させる前の平断面図、図9は吸音板を固定バンドで連結させた後の平断面図、図10は吸音板と端部カバーを固定バンドで連結させた後の平断面図である。
【0032】
吸音板18は、図4に示すように、内部に吸音材24を収納した吸音板本体26と、吸音板本体26の両端部から吸音板本体26の延長方向に突出して設けられている連結端部28,28とからなる。吸音材24は吸音板本体26の正面側と背面側の両方に収納されている。連結端部28は吸音板本体26の一方の面(正面)側に寄った部位に設けられている。
【0033】
吸音板本体26の正面及び背面には、図5に示すように、騒音を吸音板本体26の内部の吸音材24に導く吸音面部30が所定間隔をおいて設けられている。吸音面部30は吸音板18の長手方向に向けて形成された所定幅のスリットを上下方向にすだれ状に形成したものからなる。吸音板18の連結端部28にはボルト挿入用の孔32が設けられている。ボルト挿入用の孔32は吸音板18の長手方向に長い孔になっている。
【0034】
固定バンド20は、図6、図7に示すように、防護柵10の支柱12を囲繞できる大きさの開口したベルト状の部材からなる。固定バンド20は略ハット型の形状をしている。固定バンド20の開口側の各端部には外側に広がる鍔部34が各々設けられ、鍔部34にはナット36が溶接されている。吸音板18の連結端部28と固定バンド20の鍔部34とは、固定バンド20の鍔部34が補助バンド38によって連結された状態で、ボルト40及びナット36により連結されている。
【0035】
固定バンド20は、吸音構造体16の延長方向の支柱12の面に対して当接されるので、延長方向に移動することがない。さらに、補助バンド38と固定バンド20により、吸音構造体16の直角方向の支柱12の面に対して、当接されるので直角方向に移動することがない。したがって、補助バンド38と固定バンド20により支柱12を囲繞するように当接する事ができる。吸音板18は、従来技術のように支柱12に直接当接する事が無く、固定バンド20により間接的に支柱12に固定することができる。吸音構造体16の延長方向及び直角方向に固定バンド20を当接する事としたが、何れか一方を支柱12に当接しても良いし、いずれも支柱12に当接させなくても良い。
【0036】
固定バンド20の背側は、図8、図9に示すように、吸音板18の他方の面側(これらの図では上側:背面側)と同じ方向を向いており、固定バンド20の背側には支柱カバー22が取り付けられている。支柱カバー22の表側(吸音板18の他方の面側)の面は吸音板18の他方の面側の外観に類似している。なお、吸音板18の最外端には、図10に示すように、固定バンド20を介して端部カバー42が連結されている。
【0037】
なお、上記説明で使用した図では、支柱カバー22が箱状になっているが、支柱カバー22は板状のものでもよい。
【0038】
次に、この吸音構造体16を防護柵10に取り付ける手順について説明する。
【0039】
防護柵10の一方の側(正面側)に居る作業者が、図8に示すように、支柱カバー22が付いた固定バンド20を支柱12の他方の側に嵌める。次に、防護柵10の一方の側から、支柱12の間に吸音板18を設置し、支柱12を介して隣り合う連結端部28を支柱12の一方の面側に揃える。そして、図9に示すように、固定バンド20の鍔部に補助バンドを重ね、固定バンド20の鍔部のナットと連結端部28の孔32を位置合わせし、孔32にボルト40を挿入し、ボルト40をナット36に螺合する。
【0040】
なお、防護柵10の最端部は吸音板18が無いので、その代わりに、図10に示すように、端部カバー44を取り付ける。端部カバー44は吸音板18と同じ連結端部28を有しており、連結端部28と吸音板18の連結端部28とを固定バンド20で同じように連結する。
【0041】
この吸音構造体は、道路に設置されている防護柵に取り付ける場合、ボルト・ナットで締結する箇所が防護柵の一方の面側だけに存在しているので、取り付け作業を防護柵の表裏両側からする必要がなく、防護柵の一方の面側から吸音板の全ての取り付け作業をすることができる。
【0042】
また、この吸音構造体は、道路に設置されている防護柵に取り付ける場合、防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなる固定バンドで隣り合う吸音板を連結するので、隣り合う吸音板がある程度曲がった状態でも連結・固定することができる。
【0043】
また、この吸音構造体は、道路に設置されている防護柵に取り付ける場合、防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなる固定バンドで隣り合う吸音板を連結するので、既設の防護柵にその防護柵を解体することなく道路の片側から取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】中央分離帯用防護柵の正面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】図1のB−B矢視断面図である。
【図4】吸音板の平断面図である。
【図5】図5は吸音板の正面図である。
【図6】支柱に取り付ける前の固定バンドの平断面図である。
【図7】支柱に取り付けた後の固定バンドの平断面図である。
【図8】吸音板を固定バンドで連結させる前の平断面図である。
【図9】吸音板を固定バンドで連結させた後の平断面図である。
【図10】吸音板と端部カバーを固定バンドで連結させた後の平断面図である。
【図11】吸音構造体が取り付けられた防護柵の一例の説明図である。
【図12】吸音構造体の連結構造の一例を示す平断面図である。
【図13】吸音構造体の連結構造の他の例を示す平断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 防護柵
12 支柱
14 ガードレール
16 吸音構造体
18 吸音板
20 固定バンド
22 支柱カバー
24 吸音材
26 吸音板本体
28 連結端部
30 吸音面部
32 孔
34 鍔部
36 ナット
38 補助バンド
40 ボルト
42 端部カバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上で発生した自動車の騒音をできるだけ道路外に出さないようにする吸音構造体と吸音構造体を備えた防護柵、特に、道路の中央分離帯に設置する低層な遮音壁を形成するための吸音構造体と吸音構造体を備えた防護柵に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路の脇や中央には、人と車両の通行領域を明確にしたり、車両の流れを整えたりすることにより交通の安全を確保する種々の防護柵が設置されている。そして、道路に設置されたこれらの防護柵には、道路上で発生した自動車の騒音が道路外にできるだけ出ないように、吸音構造体が取り付けられているものがある。
【0003】
図11は吸音構造体が取り付けられた従来の防護柵の一例の説明図である。同図に示すように、100は防護柵であり、防護柵100はコンクリート基礎102に所定間隔をおいて設けられた複数本の支柱104と、支柱104の上端部に架設されたボックスビーム106と、ボックスビーム106の上に所定間隔をおいて垂直に設けられた複数本の第2支柱108と、第2支柱108の間に設けられた防護フェンス110とからなる。
【0004】
各支柱104の間には吸音板112が各々取り付けられている。吸音板112は厚みを有する箱状体からなり、内部には吸音材が収納されている。支柱104を介して隣り合う吸音板112は種々の連結構造により各端部が相互に連結固定されている。防護柵100に取り付けられた複数枚の吸音板112により吸音構造体が構成されている。
【0005】
図12は従来の吸音構造体の連結構造の一例を示す平断面図である。同図に示すように、吸音板112の一方の端部には、吸音板112の一方の面に寄った部位から吸音板112の延長方向に突出した状態で設けられている連結端部114と、吸音板112の他方の面側に段状に窪んだ状態で設けられている連結段部116が設けられている。
【0006】
また、吸音板112の反対側の端部或いは隣り合う吸音板112の対向する端部には、吸音板112の一方の面側に段状に窪んだ状態で設けられている連結段部118と、吸音板112の他方の面に寄った部位から吸音板112の延長方向に突出して設けられている連結端部120が設けられている。
【0007】
隣り合う吸音板112の対向する各端部は支柱104を囲むように当接して挟み、隣り合う吸音板112の連結端部114と連結段部118、連結段部116と連結端部120は嵌まり合うように重なり、ボルト・ナットにより連結・固定されている。
【0008】
図13は従来の吸音構造体の連結構造の他の例を示す平断面図である。同図に示すように、吸音板112の一方の端部には、吸音板112の一方の面側に段状に窪んだ状態で設けられている連結段部122と、吸音板112の他方の面側に寄った部位から吸音板112の延長方向に突出した状態で設けられている連結端部124とが設けられている。
【0009】
また、吸音板112の反対側の端部或いは対向する吸音板112の端部には、吸音板112の一方の面側に段状に窪んだ状態で設けられている連結段部122と、吸音板112の他方の面側に寄った部位から吸音板112の延長方向に突出して設けられている連結端部124が設けられている。
【0010】
防護柵100の各支柱104は、支柱104を介して隣り合う吸音板112の対向する各端部に、各連結端部124,124と接合用パネル126が支柱104に当接した状態で挟まれ、隣り合う吸音板112,112は、各連結段部122,122に接合用パネル126がボルト・ナットにより取り付けられることにより連結・固定されている。
【0011】
上記従来の吸音構造体は、防護柵を解体することなく防護柵に容易に取り付けることができる。
【0012】
しかし、従来の吸音構造体の端部は上述したような連結構造、すなわちブロックとブロックを繋ぐような連結構造で、かつ支柱に当接して囲繞しているので、吸音板を歪ませた状態で連結させることが難しく、また、予め加工を施しても良いが、加工が困難であり、従って、道路に平面曲がりがある場合や縦断勾配がある場合等に、隣り合う吸音板を屈曲させてボルト・ナットで連結させることが難しいという問題があった。
【0013】
また、従来の吸音構造体の取り付け作業は吸音構造体の表側と裏側の両方、すなわち防護柵の表側と裏側から行なわなければならないので、防護柵の表側と裏側の両方に作業員を各々配置しなければならず、人件費がかかるという問題があった。
【0014】
また、従来の吸音構造体は、側面板の複雑な曲げ加工が必要で、かつ加工工数が多く、しかも天板・底板の端部を側面板の形状に合わせて階段状に複雑な切断加工をしなければならないので、吸音構造体の製造コストが高くなるという問題があった。また、支柱の形状や外寸が異なる場合、吸音板の形状を変える必要があった。
【特許文献1】特開平10−338913号公報
【特許文献2】特開2000−290939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明が解決しようとする問題点は、防護柵の片側から防護柵の支柱間に吸音板を設置する作業が難しい点、隣り合う吸音板を道路の平面線形や勾配に沿って屈曲させた状態で連結することが難しい点、吸音板の製作における側面板、天板、底板の加工が難しい点、支柱の形状や外寸が異なる場合、吸音板の形状を変えなければならない点である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、防護柵の片側から防護柵の支柱間に吸音板を設置する作業が難しい点を可能とし、隣り合う吸音板を道路の平面曲がりや縦断勾配に沿って屈曲させた状態で連結可能とし、吸音板の製作における側面板、天板、底板の加工を容易にするため、支柱の形状や外形寸法が異なる場合でも吸音板の形状を変えることのないように吸音構造体を次のように構成した。
【0017】
即ち、本発明は、騒音を吸収する機能を備えた吸音板と、隣り合う該吸音板の端部相互を連結する固定バンドと、該固定バンドに取り付けられた支柱カバーとを備え、該吸音板は内部に吸音材を収納した吸音板本体と、該吸音板本体の両端部から該吸音板本体の延長方向に突出して設けられている連結端部とからなり、該連結端部は該吸音板本体の一方の面に寄った部位に設けられ、該固定バンドは防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなり、該固定バンドの開口側の各端部には鍔部が各々設けられ、該吸音板の連結端部と該固定バンドの鍔部とは連結され、該固定バンドの背側は該吸音板の他方の面側にあり、該支柱カバーは該固定バンドの背側に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0018】
ここで、隣り合う前記吸音板の連結端部は前記固定バンド及び補助バンドによって連結されていてもよい。前記固定バンドは例えば断面略ハット型又は断面略C字型のものを使用することができる。前記吸音板は両面吸音板でもよいし、片面吸音板でもよい。前記支柱カバーは表側の面が前記吸音板の他方の面側の外観と類似しているものが好ましい。前記吸音板の連結端部に設けられたボルト挿入用の孔は該吸音板の長手方向に長い孔になっているのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の吸音板は、道路に設置されている防護柵に取り付ける場合、ボルト・ナットで締結する箇所が防護柵の一方の面側だけに存在しているので、取り付け作業を防護柵の表裏両側からする必要がなく、防護柵の一方の面側から吸音板の全ての取り付け作業をすることができ、従って、防護柵に吸音板を取り付ける際の作業効率をあげることができるという利点がある。
【0020】
また、本発明の吸音板は、道路に設置されている防護柵に取り付ける場合、防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなる固定バンドで隣り合う吸音板を連結するようになっており、固定バンドは平板状で曲げ加工が容易なので、隣り合う吸音板がある程度曲がった(一直線状でない)状態でも連結・固定することができ、従って、設置する道路に平面線形がある場合、傾斜がある場合又は支柱間隔に若干の違いがある場合に容易に対応することができるという利点がある。
【0021】
また、本発明の吸音板は、道路に設置されている防護柵に取り付ける場合、防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなる固定バンドで隣り合う吸音板を連結するので、固定バンドを支柱の片面側から取り付けることができ、既設の防護柵にその防護柵を解体することなく道路の片側から取り付けることができるという利点がある。
【0022】
また、本発明の吸音板は、端部が比較的単純な形状をしているので、側面板を単純な曲げ加工と少ない加工工程で容易に形成することができ、従って、吸音板を低コストで製造することができるという利点がある。
【0023】
また、本発明の吸音板は、支柱の形状や外寸が異なる場合、吸音板の形状を変えることなく、固定バンド、支柱カバー及び補助バンドの大きさを変えるという容易な方法で対応することができ、複数種類の形状の吸音板を準備する必要がなく、従って、吸音板を低コストで製造することができるという利点がある。
【0024】
また、本発明の吸音板は、支柱カバーの表側の面が吸音板の他方の面側の外観と類似している場合は、表裏間のない構造を実現でき、景観性が向上するという利点がある。
【0025】
また、本発明の吸音板は、吸音板が両面吸音板の場合、中央分離帯等の両側面の吸音効果が向上するという利点があり、吸音板が片面吸音板の場合、車道と歩道等の境界で車道面側の吸音効果が向上するという利点がある。
【0026】
また、本発明の吸音板は、固定バンドと補助バンドにより、支柱を囲繞するように当接することができるので、がたつき無く取り付けることができ、従って、吸音板を支柱にがたつき無く取り付けることができるという利点がある。
【0027】
また、本発明の吸音板は、吸音板の連結端部に設けられたボルト挿入用の孔が該吸音板の長手方向に長い孔になっている場合、支柱間の設置誤差や縦断勾配に対して吸音板を容易に取り付けることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
防護柵の片側から一人で吸音構造体を取り付けることができ、隣り合う吸音構造体の連結が道路の平面曲がりや縦断勾配等に容易に対応できるという目的を、単純な構成で、吸音効果を損なわずに実現した。
【実施例1】
【0029】
図1は中央分離帯用防護柵の正面図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は図1のB−B矢視断面図である。これらの図において、10は防護柵であり、防護柵10は複数本の支柱12と、支柱12の上部に横方向に向けて取り付けられているガードレール14とからなる。支柱12は円筒状をしており、複数本の支柱12は道路の中央に所定間隔をおいて設置されている。支柱12と支柱12の間で、ガードレール14の下方には吸音構造体16が取り付けられている。
【0030】
吸音構造体16は、後述する図9に示すように、騒音を吸収する機能を備えた吸音板18と、隣り合う吸音板18,18の端部相互を連結する上下一対の固定バンド20,20と、固定バンド20,20の背側に取り付けられている支柱カバー22とからなる。
【0031】
図4は吸音板の平断面図、図5は吸音板の正面図、図6は支柱に取り付ける前の固定バンドの平断面図、図7は支柱に取り付けた後の固定バンドの平断面図、図8は吸音板を固定バンドで連結させる前の平断面図、図9は吸音板を固定バンドで連結させた後の平断面図、図10は吸音板と端部カバーを固定バンドで連結させた後の平断面図である。
【0032】
吸音板18は、図4に示すように、内部に吸音材24を収納した吸音板本体26と、吸音板本体26の両端部から吸音板本体26の延長方向に突出して設けられている連結端部28,28とからなる。吸音材24は吸音板本体26の正面側と背面側の両方に収納されている。連結端部28は吸音板本体26の一方の面(正面)側に寄った部位に設けられている。
【0033】
吸音板本体26の正面及び背面には、図5に示すように、騒音を吸音板本体26の内部の吸音材24に導く吸音面部30が所定間隔をおいて設けられている。吸音面部30は吸音板18の長手方向に向けて形成された所定幅のスリットを上下方向にすだれ状に形成したものからなる。吸音板18の連結端部28にはボルト挿入用の孔32が設けられている。ボルト挿入用の孔32は吸音板18の長手方向に長い孔になっている。
【0034】
固定バンド20は、図6、図7に示すように、防護柵10の支柱12を囲繞できる大きさの開口したベルト状の部材からなる。固定バンド20は略ハット型の形状をしている。固定バンド20の開口側の各端部には外側に広がる鍔部34が各々設けられ、鍔部34にはナット36が溶接されている。吸音板18の連結端部28と固定バンド20の鍔部34とは、固定バンド20の鍔部34が補助バンド38によって連結された状態で、ボルト40及びナット36により連結されている。
【0035】
固定バンド20は、吸音構造体16の延長方向の支柱12の面に対して当接されるので、延長方向に移動することがない。さらに、補助バンド38と固定バンド20により、吸音構造体16の直角方向の支柱12の面に対して、当接されるので直角方向に移動することがない。したがって、補助バンド38と固定バンド20により支柱12を囲繞するように当接する事ができる。吸音板18は、従来技術のように支柱12に直接当接する事が無く、固定バンド20により間接的に支柱12に固定することができる。吸音構造体16の延長方向及び直角方向に固定バンド20を当接する事としたが、何れか一方を支柱12に当接しても良いし、いずれも支柱12に当接させなくても良い。
【0036】
固定バンド20の背側は、図8、図9に示すように、吸音板18の他方の面側(これらの図では上側:背面側)と同じ方向を向いており、固定バンド20の背側には支柱カバー22が取り付けられている。支柱カバー22の表側(吸音板18の他方の面側)の面は吸音板18の他方の面側の外観に類似している。なお、吸音板18の最外端には、図10に示すように、固定バンド20を介して端部カバー42が連結されている。
【0037】
なお、上記説明で使用した図では、支柱カバー22が箱状になっているが、支柱カバー22は板状のものでもよい。
【0038】
次に、この吸音構造体16を防護柵10に取り付ける手順について説明する。
【0039】
防護柵10の一方の側(正面側)に居る作業者が、図8に示すように、支柱カバー22が付いた固定バンド20を支柱12の他方の側に嵌める。次に、防護柵10の一方の側から、支柱12の間に吸音板18を設置し、支柱12を介して隣り合う連結端部28を支柱12の一方の面側に揃える。そして、図9に示すように、固定バンド20の鍔部に補助バンドを重ね、固定バンド20の鍔部のナットと連結端部28の孔32を位置合わせし、孔32にボルト40を挿入し、ボルト40をナット36に螺合する。
【0040】
なお、防護柵10の最端部は吸音板18が無いので、その代わりに、図10に示すように、端部カバー44を取り付ける。端部カバー44は吸音板18と同じ連結端部28を有しており、連結端部28と吸音板18の連結端部28とを固定バンド20で同じように連結する。
【0041】
この吸音構造体は、道路に設置されている防護柵に取り付ける場合、ボルト・ナットで締結する箇所が防護柵の一方の面側だけに存在しているので、取り付け作業を防護柵の表裏両側からする必要がなく、防護柵の一方の面側から吸音板の全ての取り付け作業をすることができる。
【0042】
また、この吸音構造体は、道路に設置されている防護柵に取り付ける場合、防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなる固定バンドで隣り合う吸音板を連結するので、隣り合う吸音板がある程度曲がった状態でも連結・固定することができる。
【0043】
また、この吸音構造体は、道路に設置されている防護柵に取り付ける場合、防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなる固定バンドで隣り合う吸音板を連結するので、既設の防護柵にその防護柵を解体することなく道路の片側から取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】中央分離帯用防護柵の正面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】図1のB−B矢視断面図である。
【図4】吸音板の平断面図である。
【図5】図5は吸音板の正面図である。
【図6】支柱に取り付ける前の固定バンドの平断面図である。
【図7】支柱に取り付けた後の固定バンドの平断面図である。
【図8】吸音板を固定バンドで連結させる前の平断面図である。
【図9】吸音板を固定バンドで連結させた後の平断面図である。
【図10】吸音板と端部カバーを固定バンドで連結させた後の平断面図である。
【図11】吸音構造体が取り付けられた防護柵の一例の説明図である。
【図12】吸音構造体の連結構造の一例を示す平断面図である。
【図13】吸音構造体の連結構造の他の例を示す平断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 防護柵
12 支柱
14 ガードレール
16 吸音構造体
18 吸音板
20 固定バンド
22 支柱カバー
24 吸音材
26 吸音板本体
28 連結端部
30 吸音面部
32 孔
34 鍔部
36 ナット
38 補助バンド
40 ボルト
42 端部カバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
騒音を吸収する機能を備えた吸音板と、隣り合う該吸音板の端部相互を連結する固定バンドと、該固定バンドに取り付けられた支柱カバーとを備え、該吸音板は内部に吸音材を収納した吸音板本体と、該吸音板本体の両端部から該吸音板本体の延長方向に突出して設けられている連結端部とからなり、該連結端部は該吸音板本体の一方の面に寄った部位に設けられ、該固定バンドは防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなり、該固定バンドの開口側の各端部には鍔部が各々設けられ、該吸音板の連結端部と該固定バンドの鍔部とは連結され、該固定バンドの背側は該吸音板の他方の面側にあり、該支柱カバーは該固定バンドの背側に取り付けられていることを特徴とする吸音構造体。
【請求項2】
隣り合う前記吸音板の連結端部が前記固定バンド及び補助バンドによって連結されていることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造体。
【請求項3】
前記固定バンドが断面略ハット型又は断面略C字型をしていることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造体。
【請求項4】
前記支柱カバーの表側の面が前記吸音板の他方の面側の外観と類似していることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造体。
【請求項5】
前記吸音板の連結端部に設けられたボルト挿入用の孔が該吸音板の長手方向に長い孔になっていることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造体。
【請求項6】
道路に沿って所定間隔をおいて設置した複数本の支柱に防護ビーム又はガードレールを支持させ、該防護ビーム又はガードレールの下方部位に吸音構造体を取り付けてなる防護柵であって、該吸音構造体は、騒音を吸収する機能を備えた吸音板と、隣り合う該吸音板の端部相互を連結する固定バンドと、該固定バンドに取り付けられた支柱カバーとを備え、該吸音板は内部に吸音材を収納した吸音板本体と、該吸音板本体の両端部から該吸音板本体の延長方向に突出して設けられている連結端部とからなり、該連結端部は該吸音板本体の一方の面に寄った部位に設けられ、該固定バンドは防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなり、該固定バンドの開口側の各端部には鍔部が各々設けられ、該吸音板の連結端部と該固定バンドの鍔部とは連結され、該固定バンドの背側は該吸音板の他方の面側にあり、該支柱カバーは該固定バンドの背側に取り付けられていることを特徴とする防護柵。
【請求項7】
隣り合う前記吸音板の連結端部が前記固定バンド及び補助バンドによって連結されていることを特徴とする請求項6に記載の防護柵。
【請求項8】
前記固定バンドが断面略ハット型又は断面略C字型をしていることを特徴とする請求項6に記載の防護柵。
【請求項9】
前記吸音板が両面吸音板又は片面吸音板であることを特徴とする請求項6に記載の防護柵。
【請求項10】
前記支柱カバーの表側の面が前記吸音板の他方の面側の外観と類似していることを特徴とする請求項6に記載の防護柵。
【請求項11】
前記吸音板の連結端部に設けられたボルト挿入用の孔が該吸音板の長手方向に長い孔になっていることを特徴とする請求項6に記載の防護柵。
【請求項1】
騒音を吸収する機能を備えた吸音板と、隣り合う該吸音板の端部相互を連結する固定バンドと、該固定バンドに取り付けられた支柱カバーとを備え、該吸音板は内部に吸音材を収納した吸音板本体と、該吸音板本体の両端部から該吸音板本体の延長方向に突出して設けられている連結端部とからなり、該連結端部は該吸音板本体の一方の面に寄った部位に設けられ、該固定バンドは防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなり、該固定バンドの開口側の各端部には鍔部が各々設けられ、該吸音板の連結端部と該固定バンドの鍔部とは連結され、該固定バンドの背側は該吸音板の他方の面側にあり、該支柱カバーは該固定バンドの背側に取り付けられていることを特徴とする吸音構造体。
【請求項2】
隣り合う前記吸音板の連結端部が前記固定バンド及び補助バンドによって連結されていることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造体。
【請求項3】
前記固定バンドが断面略ハット型又は断面略C字型をしていることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造体。
【請求項4】
前記支柱カバーの表側の面が前記吸音板の他方の面側の外観と類似していることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造体。
【請求項5】
前記吸音板の連結端部に設けられたボルト挿入用の孔が該吸音板の長手方向に長い孔になっていることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造体。
【請求項6】
道路に沿って所定間隔をおいて設置した複数本の支柱に防護ビーム又はガードレールを支持させ、該防護ビーム又はガードレールの下方部位に吸音構造体を取り付けてなる防護柵であって、該吸音構造体は、騒音を吸収する機能を備えた吸音板と、隣り合う該吸音板の端部相互を連結する固定バンドと、該固定バンドに取り付けられた支柱カバーとを備え、該吸音板は内部に吸音材を収納した吸音板本体と、該吸音板本体の両端部から該吸音板本体の延長方向に突出して設けられている連結端部とからなり、該連結端部は該吸音板本体の一方の面に寄った部位に設けられ、該固定バンドは防護柵の支柱を囲繞できる大きさの開口した部材からなり、該固定バンドの開口側の各端部には鍔部が各々設けられ、該吸音板の連結端部と該固定バンドの鍔部とは連結され、該固定バンドの背側は該吸音板の他方の面側にあり、該支柱カバーは該固定バンドの背側に取り付けられていることを特徴とする防護柵。
【請求項7】
隣り合う前記吸音板の連結端部が前記固定バンド及び補助バンドによって連結されていることを特徴とする請求項6に記載の防護柵。
【請求項8】
前記固定バンドが断面略ハット型又は断面略C字型をしていることを特徴とする請求項6に記載の防護柵。
【請求項9】
前記吸音板が両面吸音板又は片面吸音板であることを特徴とする請求項6に記載の防護柵。
【請求項10】
前記支柱カバーの表側の面が前記吸音板の他方の面側の外観と類似していることを特徴とする請求項6に記載の防護柵。
【請求項11】
前記吸音板の連結端部に設けられたボルト挿入用の孔が該吸音板の長手方向に長い孔になっていることを特徴とする請求項6に記載の防護柵。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−35955(P2009−35955A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−202062(P2007−202062)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(000231110)JFE建材株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(000231110)JFE建材株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
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