周波数チャネル割り当てシステム、基地局、制御局、異システム間共通制御装置、周波数チャネル割り当て方法及び制御方法
本発明は、複数の無線通信システムにおいて、同一周波数帯域の適応的な重複利用を可能とする周波数チャネル割り当てシステムに関する。かかる周波数チャネル割り当てシステムは、共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システム1、2及び制御部31、141を具備する。制御部31、141は、無線通信システム1、2における周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能317と、システム性質情報及び周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報に基づいて、システム間干渉を避けるように周波数チャネルを無線通信システム1、2の各々に対して割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当て機能1411とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システムにおいて、移動局と基地局との間で無線通信を行うために利用する周波数チャネルを割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当てシステム、基地局、制御局、異システム間共通制御装置、周波数チャネル割り当て方法及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セルラー方式の無線通信システムは、サービスに対する需要の変化に伴い、第2世代移動通信方式(例えば、PDC(Personal Digital Cellular)等)から第3世代移動通信方式(例えば、W−CDMA(Wideband direct sequence Code Division Multiple Access)等)に移行しつつある。
【0003】
さらに、将来は、第4世代移動通信方式が導入され、サービスのさらなる高度化・多様化が予想される。同様に、セルラー方式の無線通信システム以外の無線通信システムも多様化が進むと考えられる。
【0004】
現在の無線通信システムに対する周波数帯域(周波数チャネル)の割り当ては、原則的に、単一の無線通信システムに対して、所要の周波数帯域を固定的に割り当てることにより、他の無線通信システムとの間のシステム間干渉を回避している。
【0005】
しかし、今後、無線通信システムの多様化に伴い、周波数帯域の確保は困難となり、利用目的が異なる複数の無線通信システムによる同一周波数帯域の共用技術が必要となる。
【0006】
このような共用技術により、市場や利用者の需要に応じた柔軟で効率的な無線通信システムの展開が可能になるものの、複数の無線通信システムによる周波数帯域の共用には、通信品質やシステム容量の劣化を軽減するための干渉回避技術が必要である。
【0007】
複数の無線通信システムが同一周波数帯域を利用する例として、図1に示すようなISM(Industrial,Scientific,and Medical)帯域の2400乃至2483.5MHzを利用するIEEE802.11b標準の無線LAN方式の無線通信システム及びBluetooth方式の無線通信システムが混在する通信環境が知られている。
【0008】
図1(a)に示すように、無線LAN方式で用いられる周波数チャネルは、2412乃至2484MHzの範囲内に存在し、5MHz間隔でオーバラップしながら割り当てられている。一方、Bluetooth方式で用いられる周波数チャネルは、2402乃至2480MHzの範囲内に存在し、1MHz間隔でオーバラップせずに設定されている。
【0009】
また、図1(b)に示すように、無線LAN方式では、直接拡散型スペクトラム拡散(Direct Sequence Spread Spectrum:DSSS)方式で変調された1210μ sec長の高速無線LANデータが送信される。一方、Bluetooth方式では、625μ sec毎に送信周波数を79MHz帯域内でランダムに変化させる周波数ホッピング型スペクトラム拡散(Frequency Hopping Spread Spectrum:FHSS)方式で変調されたBluetoothデータが送信される。
【0010】
そのため、無線LAN方式とBluetooth方式が同時に利用された場合に、1つの高速無線LANデータを送信する間に、2つのBluetoothデータが送信されることになる。このとき、図1(b)に示すように、Bluetooth方式においてホッピングされた周波数帯域と、無線LAN方式が利用する周波数帯域とが重なった場合には、両者の間でデータ衝突(相互干渉)が生じ、データの欠損を招く。
【0011】
このような無線通信システムにおけるデータ衝突を回避するための方策として、種々な方法が提案されている。現在、無線LAN方式では、データ衝突を回避するために、衝突回避型キャリアセンス多重接続(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance:CSMA/CA)方式が適用されており、Bluetooth方式では、適応周波数ホッピング(Adaptive Frequency Hopping:AFH)方式が用いられている。
【0012】
CSMA/CA方式では、キャリアセンスに加えて、送信端末から受信端末に向けてデータを送信する前にプリアンブルを送信し、受信端末から応答があった場合だけデータを送信することにより、他の送信端末との間のデータ衝突を回避することができる。一方、AFH方式では、データ衝突が生じる周波数帯域を適応的に避けて周波数ホッピングを行うことにより、相互干渉を回避することができる。
【0013】
また、複数の無線通信システムが同一周波数帯域に存在する場合の別の例として、特許文献1において、OFDM/TDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplex/Time Division Multiple Access)方式、及び、OFDM/TDMA方式と互換性を有するGSM方式が混在する通信環境が開示されている。
【0014】
具体的には、特許文献1は、図2(a)に示すように、OFDM/TDMA方式における複数のサブキャリアをGSM方式の周波数チャネルと重複しない周波数帯域に割り当て、図2(b)に示すように、OFDM/TDMAスロットの整数倍を、1又は整数個のGSMスロットに一致させ、パイロットシンボルを(n−1)個おきのサブキャリア(nは、2以上の整数)に割り当てることで、各無線通信システムのキャリアの応じた占有帯域幅を、無線通信システム間で重複することなく利用できる技術を開示している。
【0015】
ところで、限られた周波数帯域を1つの無線通信システムのみで利用するセルラー方式の無線通信システムにおいては、単一の無線通信システム内において、同一周波数帯域のチャネルによる干渉の影響を考慮して、各基地局における周波数帯域の割り当て制御が行われている。
【0016】
従来の周波数分割多重接続(Frequency Division Multiple Access:FDMA)方式や時分割多重接続(Time Division Multiple Access:TDMA)方式の無線通信システムは、各基地局で利用する周波数チャネルを固定的に割り当てる場合、所要の通信品質を維持するために必要な希望波信号電力対干渉波信号電力比(Carrier to Interference power Ratio:CIR)の限界値を規定し、CIRの場所的劣化率が予め定めた値以下になるように同一周波数帯域のチャネル及び隣接周波数帯域のチャネルの繰り返し利用距離を決定する。
【0017】
ここで、繰り返し利用距離を小さくすると、同一周波数帯域のチャネルを地理的に高密度に繰り返し利用できるため、各基地局で利用できる周波数チャネル数が増加してシステム容量を増加できるものの、異なる基地局で利用される同一周波数帯域のチャネルによる干渉により通信品質の劣化率は高くなる。
【0018】
一方、繰り返し利用距離を大きくすると、通信品質の劣化率を低く抑えることができるものの、各基地局で利用できる周波数チャネル数が減少してシステム容量は小さくなる。
【0019】
従来のFDMA方式やTDMA方式の無線通信システムは、通信品質を保証するための繰り返し利用距離又は干渉量のしきい値を予め定め、かかるしきい値を満たす範囲で、周波数チャネルの設計を行っている。
【0020】
また、従来の単一の無線通信システムでは、上記の固定的なチャネル割り当てに対して、システム容量及び周波数利用効率を向上するために、動的なチャネル割り当てを行うダイナミックチャネル割り当て(Dynamic Channel Assignment:DCA)が知られている。
【0021】
CDMA方式の無線通信システムでは、同一周波数帯域のチャネルの繰り返し配置が理論的に可能であるが、マクロセル内に、同一周波数帯域を用いて通信するマイクロセルが複数存在する場合には、マクロセル内における同一周波数帯域のチャネル間の干渉対策として、やはりDCAが有効である。
【0022】
ところで、かかるCDMA方式の無線通信システムでは、マクロセル内にマイクロセルが存在する等の階層セル構造を採用する場合があり、この階層セル構造において周波数帯域を有効利用するための技術が、特許文献2や非特許文献1に開示されている。
【0023】
特許文献2には、伝送速度の異なるマクロセルの無線通信システム及びマイクロセルの無線通信システムが同一周波数帯域を共有する場合、一方の無線通信システムにおいて割り当て可能な周波数チャネルがなくなったときに、他方の無線通信システム内の優先度が低い空き周波数チャネルから順に使用許可を与え、マクロセル内の周波数帯域とマイクロセル内の周波数帯域との境界であるパーティションを移動させる方法が提案されている。(図3(a)及び図3(b)参照)。
【0024】
なお、特許文献2に係る技術では、マクロセル内におけるマクロセル及びマクロセル内における複数のマイクロセルへの動的な周波数チャネル割り当ての際に、優先度の高い周波数チャネルの並び替えを行っている。
【特許文献1】特開2000−68975号公報
【特許文献2】特開平11−205848号公報
【非特許文献1】「周波数チャネル割り当て方法及び網」、小倉浩嗣著 上述したように、従来の無線通信システムは、複数の無線通信システムが同一周波数帯域を利用する場合、例えば、図1に示すように、無線LAN方式及びBluetooth方式が混在する場合、複数の無線通信システム間の相互干渉により、他方の無線通信システムの通信容量を低下させるという問題点があった。
【0025】
また、従来の無線通信システムでは、例えば、特開2002−111631号公報に示すように、一方の無線通信システムで利用可能な周波数帯域は、他方の無線通信システムによって利用される周波数帯域内で確保できる数によって制限されるという問題点があった。
【0026】
また、従来の無線通信システムでは、一方の無線通信システムにおいてトラフィックが集中すると、他方の無線通信システムにおける周波数帯域の確保が困難になり、トラフィックの偏在に対応できないという問題点があった。
【0027】
一般的に、セルラー方式の無線通信システムでは、同一周波数帯域のチャネル間の相互干渉により通信品質が劣化するため、特定の周波数チャネルにおける干渉量と許容干渉量(各無線通信システムにおいて設定されている干渉量のしきい値)とを比較することによって、当該周波数チャネルが利用できるか否かについて判定される。
【0028】
また、FDMA方式やTDMA方式の無線通信システムでは、無線通信システムにおける各種パラメータ(変調方式や誤り訂正技術等)や同一周波数帯域のチャネルの繰り返し利用数やトラフィックの種類等に応じて、所要の通信品質を満たすために、上述の許容干渉量が決定される。
【0029】
一方、CDMA方式の無線通信システムでは、送信信号を拡散することにより拡散利得が得られるため、干渉耐性が大きく、1セルにおける同一周波数帯域のチャネルの繰り返し利用が可能であり、トラフィック量やトラフィックの種類による可変拡散率や送信電力制御により、上述の許容干渉量は変化する。
【0030】
このように、干渉に対する性質が異なる2つの無線通信システムが、干渉回避制御を適用せずに同一周波数帯域を共用した場合の影響を、図4に示す。
【0031】
図4(a)に示すように、FDMA方式の無線通信システムでは、干渉量が許容干渉量以上に増大すると、周波数チャネルの割り当てが困難になるという問題点があった。特に、FDMA方式の無線通信システムにおいて、1セルにおける同一周波数帯域のチャネルの繰り返し利用を行うCDMA方式の無線通信システムからの干渉は、同一セル内だけでなく、隣接セルからも強く受ける。
【0032】
また、図4(b)に示すように、CDMA方式の無線通信システムでは、FDMA方式の無線通信システムからの干渉量が増大すると、システム容量が低下するという問題点があった。
【0033】
このことから、FDMA方式の無線通信システムに対しては、干渉量を許容干渉量以下とするように、また、CDMA方式の無線通信システムに対しては、十分なシステム容量を確保できるように調整するように、各無線通信システムにおける干渉を考慮して、周波数チャネルを割り当てることが必要である。
【0034】
さらに、2つの無線通信システムにおいて利用する周波数帯域幅が異なる場合には、図5(a)及び図5(b)に示すような伝送特性への影響が生じる。
【0035】
狭帯域信号からみると、図5(a)に示すように、多数の連続した狭帯域信号に対して許容干渉量を超える干渉が生じて伝送が困難になるという問題点があり、広帯域信号からみると、図5(b)に示すように、利用する周波数帯域内に狭帯域信号によるノッチが生じて信号波形がひずむことにより伝送品質が劣化するという問題点がある。したがって、各無線通信システムの伝送品質を維持するための制御が必要になる。
【発明の開示】
【0036】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、複数の無線通信システムにおいて、同一周波数帯域の適応的な重複利用を可能とする周波数チャネル割り当てシステム、基地局、制御局、異システム間共通制御装置、周波数チャネル割り当て方法及び制御方法を実現することを目的とする。
【0037】
本発明の第1の特徴は、共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システム及び制御部を具備する周波数チャネル割り当てシステムであって、前記制御部が、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能と、前記システム性質情報及び前記周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報に基づいて、システム間干渉を避けるように前記周波数チャネルを前記無線通信システムの各々に対して割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当て機能とを具備することを要旨とする。
【0038】
本発明の第1の特徴において、前記制御部が、基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル算出機能とを更に具備し、前記周波数チャネル割り当て機能が、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報及び前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、システム間干渉を避けるように前記周波数チャネルを前記無線通信システムの各々に対して割り当てるように構成されていてもよい。
【0039】
本発明の第1の特徴において、前記制御部が、前記複数の無線通信システムの各々に設けられた制御装置と、前記複数の無線通通信システムに接続されている異システム間共通制御装置とによって構成されており、前記制御装置が、前記チャネル状況情報収集機能と、前記所要周波数チャネル数算出機能と、前記所要の周波数チャネル数と前記チャネル状況情報とを、前記異システム間共通制御装置に通知するように構成されている通知機能とを具備し、前記異システム間共通制御装置が、前記システム性質情報管理機能と、前記周波数チャネル割り当て機能と、割り当てた前記周波数チャネルを前記制御装置の各々に対して通知するように構成されている周波数チャネル通知機能とを具備してもよい。
【0040】
本発明の第1の特徴において、前記異システム間共通制御装置が、前記複数の無線通信システム内の特定の無線通信システムの制御局に設けられていてもよい。
【0041】
本発明の第1の特徴において、前記システム性質情報として、前記周波数チャネルにおける重複利用の可否、前記周波数チャネルを割り当てる優先度、前記周波数チャネルの許容干渉量や、前記周波数チャネルで利用される周波数帯域幅の少なくとも1つを用いてもよい。
【0042】
本発明の第1の特徴において、前記チャネル状況情報として、前記周波数チャネルの利用状況、前記周波数チャネルにおける干渉量、前記周波数チャネルにおける電波伝搬路の変化の少なくとも1つを用いてもよい。
【0043】
本発明の第2の特徴は、無線通信システムにおいて、周波数チャネルを利用して移動局との間で無線通信を行う基地局であって、前記基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集するように構成されているチャネル状況情報収集機能と、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能と、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報とに基づいて、前記基地局と前記移動局との間で利用する周波数チャネルを選択するように構成されている周波数チャネル選択機能とを具備することを要旨とする。
【0044】
本発明の第2の特徴において、前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つを測定するように構成されている測定機能と、前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル数算出機能とを更に具備し、前記周波数チャネル選択機能が、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記基地局と前記移動局との間で利用する周波数チャネルを選択するように構成されていてもよい。
【0045】
本発明の第3の特徴は、無線通信システムにおいて、複数の基地局を制御する制御局であって、前記基地局の各々における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集するように構成されているチャネル状況情報収集機能と、前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル数算出機能と、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記基地局と移動局との間で利用する周波数チャネルを選択するように構成されていてもよい。
【0046】
本発明の第4の特徴は、複数の無線通信システムに接続されている異システム間共通制御装置であって、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能と、前記無線通信システムの基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報、及び、該基地局における所要の周波数チャネル数を、前記無線通信システムの制御局から収集するように構成されている収集機能と、管理している前記システム性質情報と、前記制御局から通知された前記チャネル状況情報及び前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記無線通信システムの各々に対して周波数チャネルを割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当て機能と、前記割り当てた前記周波数チャネルを、前記無線通信システムの前記制御局に通知するように構成されている周波数チャネル通知機能とを具備することを要旨とする。
【0047】
本発明の第4の特徴において、前記システム性質情報として、前記無線通信システムの基地局において利用可能な周波数チャネルごとに、前記周波数チャネルにおける重複利用の可否、前記周波数チャネルを割り当てる優先度、前記周波数チャネルの許容干渉量や、前記周波数チャネルで利用される周波数帯域幅の少なくとも1つを管理してもよい。
【0048】
本発明の第5の特徴は、共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システムにおいて、移動局と基地局との間で無線通信を行うために利用する周波数チャネルを割り当てる周波数チャネル割り当て方法であって、制御部が、基地局の各々における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する工程と、前記制御部が、収集した前記チャネル状況情報に基づいて、前記基地局の各々における所要の周波数チャネル数を算出する工程と、前記制御部が、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記無線通信システムの各々に対して周波数チャネルを割り当てる工程と、前記制御部が、割り当てた前記周波数チャネルを前記基地局に通知する工程と、前記基地局が、前記制御部によって通知された前記周波数チャネルを利用して、前記移動局との間で無線通信を行う工程とを有することを要旨とする。
【0049】
本発明の第6の特徴は、無線通信システムにおいて、周波数チャネルを利用して移動局との間で無線通信を行う基地局における制御方法であって、前記基地局が、該基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する工程と、前記基地局が、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理する工程と、前記基地局が、該基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出する工程と、前記基地局が、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、自局又は前記他の基地局と前記移動局との間で利用する周波数チャネルを選択する工程とを有することを要旨とする。
【0050】
本発明の第7の特徴は、無線通信システムにおいて、複数の基地局を制御する制御局における制御方法であって、前記制御局が、前記基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する工程と、前記制御局が、前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出する工程と、前記制御局が、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記基地局と移動局との間で利用する周波数チャネルを選択する工程とを有することを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1(a)及び図1(b)は、従来の無線LAN方式及びBluctooth方式が混在する通信環境を説明するための図である。
【図2】図2(a)及び図2(b)は、従来のOFDM/TDMA方式及びGSM方式が混在する通信環境を説明するための図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、従来技術に係る動的な周波数チャネル割り当てアルゴリズムを説明するための図である。
【図4】図4(a)及び図4(b)は、利用する周波数帯域幅が異なる2つの無線通信システムによる周波数帯域の共用の影響を示す図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は、干渉に対する性質が異なる2つの無線通信システムによる周波数帯域の共用の影響を示す図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、本発明の一実施形態に係る周波数チャネル割り当てシステムにおける周波数帯域の割り当て例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係る周波数チャネル割り当てシステムが適用されている無線通信システムの全体構成図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に係る周波数チャネル割り当てシステムが適用されている無線通信システムの全体構成図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムの全体構成図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムにおける移動局装置、基地局装置、制御装置、異システム間共通制御装置の機能ブロック図である。
【図11】図11は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムで用いられるデータ管理テーブルの一例を示す図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムにおける発呼動作(成功)を示すシーケンス図である。
【図13】図13は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムにおける発呼動作(失敗)を示すシーケンス図である。
【図14】図14は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムにおいて周波数チャネルを割り当てる動作を示すフローチャートである。
【図15】図15は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムにおいてデータ管理テーブルを更新する動作を示すフローチャートである。
【図16】図16(a)及び図16(b)は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムにおける動的に周波数帯域を割り当てる概念を示す図である。
【図17】図17は、本発明の変更例1に係る周波数割り当てシステムのネットワーク構成図である。
【図18】図18は、本発明の変更例1に係る周波数割り当てシステムの機能ブロック図である。
【図19】図19は、本発明の変更例2に係る周波数割り当てシステムのネットワーク構成図である。
【図20】図20は、本発明の変更例2に係る周波数割り当てシステムの機能ブロック図である。
【図21】図21は、本発明の変更例3に係る周波数割り当てシステムのネットワーク構成図である。
【図22】図22は、本発明の変更例3に係る周波数割り当てシステムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
(本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステム)
図6乃至図16を参照して、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムについて説明する。
【0053】
図6に、複数の無線通信システムに対して同一周波数帯域を割り当てる例を示す。無線通信システム1乃至3は、利用形態及び通信方式の双方が異なる無線通信システム、或いは、利用形態及び通信方式のいずれか一方が異なる無線通信システムである。
【0054】
図6(a)は、無線通信システム1乃至3が同一周波数帯域幅を利用する場合の例であり、図6(b)は、無線通信システム1乃至3の各々が利用する周波数帯域の一部が重複する場合の例である。
【0055】
図7及び図8に、地理的に重複して展開する無線通信システム1及び2の一例を示す。
【0056】
図7の例では、無線通信システム1における複数の基地局111乃至113によってカバーされるエリアであるセル121乃至123と、無線通信システム2における複数の基地局211乃至213によってカバーされるエリアであるセル221乃至223は、部分的に重なり合っている。
【0057】
また、図8の例では、無線通信システム1のセル121が、無線通信システム2の複数のセル221乃至226を含むような階層構造となっている。
【0058】
図7及び図8のどちらの例においても、無線通信システム1及び2は、異なる目的で地理的に重なり合って利用されている。すなわち、同一の周波数帯域を利用する複数の無線通信システム1及び2は、同一地域で展開されることによって互いに干渉を及ぼす。
【0059】
本実施形態に係る周波数割り当てシステムは、図7及び図8のような無線通信システム1及び2に適用されるものであって、他方の無線通信システムの干渉を考慮して周波数チャネルを割り当てることにより、高品質な通信品質を維持しつつ、効率的な周波数利用を実現するものである。
【0060】
図9に示すように、本実施形態に係る周波数割り当てシステムは、共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システム1及び2と制御部とを具備する。具体的には、無線通信システム1は、複数の移動局装置1311乃至1315と、複数の基地局装置1111乃至1113と、制御局装置141とを具備し、無線通信システム2は、複数の移動局装置2311乃至2315と、複数の基地局装置2111乃至2113と、制御局装置241と、異システム間共通制御装置31とを具備する。
【0061】
なお、上述の制御部は、制御局装置241と異システム間共通制御装置31とによって構成されている。図9の例では、制御装置141、241は、複数の無線通信システム1、2の各々に設けられており、異システム間共通制御装置31は、複数の無線通通信システム1、2に接続されている。
【0062】
図10を参照して、基地局装置111、移動局装置131及び移動局装置231の具体的な構成について説明する。なお、本実施形態では、複数の移動局装置1311乃至1315、2311乃至2315の構成がそれぞれ同一であり、複数の基地局装置1111乃至1113、2111乃至2113の構成がそれぞれ同一であり、制御装置141及び241の構成がそれぞれ同一であるものとする。
【0063】
基地局装置111は、図10に示すように、呼受付部1111と、チャネル検索部1112と、チャネル割当可否判定部1113と、呼損率測定部1114と、呼損処理部1115と、チャネル割当制御部1116と、無線伝送部1117と、干渉量測定部1118と、チャネル利用状況判定部1119と、呼量測定部1120と、終呼制御部1121とを具備している。
【0064】
呼受付部1111は、移動局装置131の発呼制御部1311からの発呼に対する受付処理を行い、チャネル検索部1112に対して割り当てるべき周波数チャネルを検索するように指示するように構成されている。
【0065】
チャネル検索部1112は、呼受付部1111からの指示に応じて、制御装置141の割当チャネル決定部1411に対して、上述の周波数チャネルの割り当てを要求するためのチャネル割当要求を送信するように構成されている。
【0066】
チャネル割当可否判定部1113は、割当チャネル決定部1411によって割り当てられた周波数チャネルに係る情報(割り当て可能な周波数チャネルが存在するか否かについての情報を含む)に基づいて、上述の周波数チャネルを割り当て可能か否かについて判定するように構成されている。
【0067】
呼損率測定部1114は、チャネル割当可否判定部1113における判定結果に基づいて、基地局装置111配下のセル毎の呼損率(無線通信システムにおける所要チャネル数の算出に利用)を算出し、制御装置141の所要チャネル決定部1412へ通知するように構成されている。
【0068】
呼損処理部1115は、チャネル割当可否判定部1113によって割り当て可能な周波数チャネルが存在しないと判定された場合に、移動局装置131に対して、呼損処理を行うように構成されている。
【0069】
一方、チャネル割当制御部1116は、チャネル割当可否判定部1113によって割り当て可能な周波数チャネルが存在すると判定された場合に、基地局装置111と移動局装置131との間の無線通信に用いられる周波数チャネルを割り当てるための制御信号(割り当てられる周波数チャネルを特定する情報を含む)を、移動局装置131のチャネル割当制御部1312に対して送信するように構成されている。
【0070】
無線伝送部1117は、チャネル割当制御部1116からの指示に応じて、移動局装置131の無線伝送部1313との間で無線通信を行うように構成されている。
【0071】
干渉量測定部1118は、基地局装置111で使用している周波数チャネルを含む無線通信システムにおいて利用可能な周波数チャネルについて、干渉電力等の干渉量(他の無線通信システムとの周波数帯域の重複利用の可否判定に利用する通信品質。例えば、1キャリア当たりの干渉電力)を一定の時間間隔で測定し、制御装置141の干渉量収集部1413に通知するように構成されている。
【0072】
チャネル利用状況判定部1119は、チャネル割当制御部1116による周波数チャネル割り当て処理や、終呼処理部1121による周波数チャネル開放処理に応じて、基地局装置111における周波数チャネルの利用状況を判定し、判定結果を示すチャネル利用状況を、呼量測定部1120及び制御装置141のチャネル利用状況収集部1414へ通知するように構成されている。
【0073】
呼量測定部1120は、開放された周波数チャネルによって運ばれた呼量(無線通信システムにおける所要チャネル数の算出に利用される)を測定し、制御装置141の所要チャネル決定部1412へ通知するように構成されている。
【0074】
終呼処理部1121は、移動局装置131の終呼制御部1314に対して、終呼用の制御信号を送ることによって、周波数チャネル開放処理を行い、移動局装置131と基地局装置111との間の無線通信を終了させるように構成されている。
【0075】
制御装置141は、図10に示すように、割当チャネル決定部1411と、所要チャネル数決定部1412と、干渉量収集部1413と、チャネル利用状況収集部1414とを具備している。
【0076】
割当チャネル決定部1411は、基地局装置111のチャネル検索部1112からのチャネル割当要求に従い、異システム間共通制御装置31の最適チャネル決定部318に対して、データ管理テーブル317を参照して利用可能な周波数チャネル(最適チャネル)を決定するように要求するための最適チャネル指定要求を送信するように構成されている。
【0077】
また、割当チャネル決定部1411は、異システム間共通制御装置31の最適チャネル決定部318から最適チャネルに係る情報(利用可能なチャネルの有無に係る情報を含む)を受信して、基地局装置111のチャネル割当可否判定部1113に対して割当チャネルとして通知するように構成されている。
【0078】
所要チャネル数決定部1412は、各無線通信システムの基地局装置111(又は、セル)毎の呼損率及び各周波数チャネル単位の呼量に基づいて、各無線通信システムが所要の呼損率を満たすために必要な所要チャネル数を算出し、異システム間共通制御装置31の周波数帯域割当決定部311に通知するように構成されている。
【0079】
すなわち、所要チャネル数決定部1412が、基地局における呼損率に基づいて、当該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル算出機能を構成する。
【0080】
干渉量収集部1413は、複数の基地局装置から通知される干渉量を集約し、異システム間共通制御装置31の許容干渉量算出部312に通知するように構成されている。
【0081】
干渉量収集部1413は、周波数チャネルの利用状況に変化があったタイミング、一定時間毎の周期的なタイミング、呼損率や呼量等の所定の基準値に著しい変化があったタイミング等の所定のタイミングで、上述の干渉量を収集するように構成されている。
【0082】
チャネル利用状況収集部1414は、複数の基地局装置から通知される基地局装置毎のチャネル利用状況を集約し、異システム間共通制御装置31の周波数利用状況収集部315に通知するように構成されている。
【0083】
チャネル利用状況収集部1414は、周波数チャネルの利用状況に変化があったタイミング、一定時間毎の周期的なタイミング、呼損率や呼量等の所定の基準値に著しい変化があったタイミング等の所定のタイミングで、上述のチャネル利用状況を収集するように構成されている。
【0084】
ここで、干渉量収集部1413及びチャネル利用状況収集部1414が、チャネル状況情報を収集するように構成されているチャネル状況情報収集機能を構成する。
【0085】
異システム間共通制御装置31は、図10に示すように、周波数帯域割当決定部311と、許容干渉量算出部312と、重複利用候補周波数帯域決定部313と、占有・重複利用周波数帯域決定部314と、周波数帯域利用状況収集部315と、テーブル更新部316と、データ管理テーブル317と、最適チャネル決定部318とを具備している。
【0086】
周波数帯域割当決定部311は、複数の制御装置から通知された各無線通信システムの基地局装置毎の所要チャネル数に応じて、各無線通信システム(若しくは、各セル又は各基地局装置)に対して所要の周波数帯域を算出するように構成されている。
【0087】
許容干渉量算出部312は、各無線通信システムの各基地局装置(又は、各セル)における周波数帯域毎に、通信品質を維持することが可能な許容干渉量(干渉量の閾値)を算出し、重複利用候補周波数帯域決定部313及びテーブル更新部316へ入力するように構成されている。
【0088】
重複利用候補周波数帯域決定部313は、許容干渉量算出部312から入力された許容干渉量に基づき、複数の無線通信システム間で重複して利用することが可能な周波数帯域の候補を決定するように構成されている。
【0089】
占有・重複利用周波数帯域決定部314は、周波数帯域割当決定部311及び重複利用候補周波数帯域決定部313の出力結果から、各無線通信システムが占有する周波数帯域、及び、複数の無線通信システム間で重複利用する周波数帯域を決定し、重複利用する周波数帯域に係る情報をテーブル更新部316へ出力するように構成されている。
【0090】
周波数帯域利用状況収集部315は、無線通信システム毎の周波数帯域利用状況を集約し、テーブル更新部316へ入力するように構成されている。
【0091】
テーブル更新部316は、許容干渉量算出部312や占有・重複利用周波数帯域決定部314や周波数帯域利用状況収集部315からの入力(例えば、許容干渉量の変動や周波数低域利用状況の変動や占有利用周波数帯域(又は、重複利用周波数帯域)の変動に応じて、データ管理テーブル317の各情報を適宜更新するように構成されている。
【0092】
図11に、本実施形態に係る周波数割り当てシステムで用いられるデータ管理テーブル317の一例を示す。データ管理テーブル317は、異システム間共通制御装置31によって管理されている。
【0093】
図11に示すように、データ管理テーブル317は、各無線通信システムにおけるセル毎に、周波数チャネルを識別するための「チャネル番号(N11n、N21n)」と、当該周波数チャネルを割り当てる優先度を示す「優先度(P11n、P21n)」と、当該周波数チャネルにおける重複利用の可否を示す「占有利用又は重複利用」と、当該周波数チャネルの利用状況を示す「チャネルの利用状況(未使用又は利用中)」と、当該周波数チャネルにおける「干渉量(I11n、I21n)」と、当該周波数チャネルにおける「許容干渉量(A11n、A21n)」とを関連付けて管理する。
【0094】
ここで、「優先度」、「占有利用又は重複利用」及び「許容干渉量」が、各無線通信システム(セル)における周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報である。なお、システム性質情報として、周波数チャネルで利用される周波数帯域幅等の他の情報が用いられてもよい。
【0095】
また、「チャネル利用状況」や「干渉量」が、周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報である。なお、チャネル状況情報として、周波数チャネルにおける電波伝搬路の変化が用いられてもよい。
【0096】
ここで、周波数チャネルにおける「干渉量」は、同一の周波数チャネルからの干渉量だけでなく、隣接チャネルからの干渉量等を含むトータル干渉量を示す。
【0097】
また、周波数チャネルにおける「許容干渉量」は、例えば、「耐干渉能力の性質」や、「干渉が増加しても通信を良好に維持できる最大の干渉量」や、「チャネル状況情報から推定される許容干渉量の予想値」や、「実際に少量ずつ干渉を増加させて測った許容干渉量の限界値」等を含む。
【0098】
すなわち、データ管理テーブル317は、無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能である。
【0099】
最適チャネル決定部318は、制御装置141の割当チャネル決定部1411からの最適チャネル指定要求に応じて、データ管理テーブル317を参照して最適チャネルを決定して、決定した最適チャネルを当該割当チャネル決定部1411に返信するように構成されている。
【0100】
なお、無線通信システム(基地局装置又はセル)毎で、最適チャネルとして優先的に割り当てられる周波数チャネルは異なる。
【0101】
例えば、最適チャネル決定部318は、干渉量及び許容干渉量に基づいて周波数チャネルの割り当てが許容されていると判断する場合、各無線通信システム1、2における優先度P11n、P21nに従って、周波数チャネルを割り当てることによって、後述の図16(a)に示すように、各無線通信システムの占有周波数帯域と重複利用周波数帯域が混在するように周波数帯域を割り当てることができる。例えば、無線システム1では、低い周波数帯域の周波数チャネルの優先度が高く、無線システム2では、高い周波数帯域の周波数チャネルの優先度が高いものとする。
【0102】
一方、最適チャネル決定部318は、異なる無線通信システムの周波数チャネルが無駄なく周波数帯域を利用する場合、図16(b)に示すように、全周波数帯域を重複利用周波数帯域とするように周波数帯域を割り当てることができる。
【0103】
すなわち、最適チャネル決定部318は、システム性質情報及びチャネル状況情報に基づいて、システム間干渉を避けるように周波数チャネルを無線通信システムの各々に対して割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当て機能である。
【0104】
図12に、本実施形態に係る周波数割り当てシステムにおいて、周波数帯域を重複利用する場合に、移動局装置131と基地局装置111との間の通信が設定される動作を示す。
【0105】
図12に示すように、ステップ(C1)において、無線通信システム1の移動局装置131が、基地局装置111に対して発呼処理を行う。
【0106】
ステップ(C2)において、基地局装置111が、ステップ(C1)の発呼処理に応じて、制御装置141に対して、必要な周波数チャネルを割り当てるように要求するチャネル割当要求を送信する。
【0107】
ステップ(C3)において、制御装置141が、ステップ(C2)のチャネル割当要求に応じて、異システム間共通制御装置31に対して、当該発呼処理に対して割り当てるべき最適な周波数チャネル(周波数帯域)を指定するように要求する最適チャネル指定要求を送信する。
【0108】
ステップ(C4)において、制御装置141が、ステップ(C2)のチャネル割当要求に応じて、各基地局装置111、211における呼損率(基地局装置毎又はセル毎)及び呼量(周波数チャネル毎)に基づいて、各基地局装置111、211における所要の周波数チャネルの数(所要チャネル数)を算出し、異システム間共通制御装置31に対して、かかる所要チャネル数を報告する。
【0109】
ステップ(C5)において、異システム間共通制御装置31が、制御装置141から通知された各基地局装置111、211における所要チャネル数に応じて、所要チャネル数を満たす周波数チャネル(周波数帯域)の確保が可能か否かについて判定する。
【0110】
なお、異システム間共通制御装置31は、基地局装置111において所要チャネル数を満たす周波数チャネル(周波数帯域)の確保が可能である場合、基地局装置111に対して所要の周波数帯域を割り当てるように決定する。その後、異システム間共通制御装置31は、基地局装置111が占有する周波数帯域、及び、複数の基地局装置間で重複利用する周波数帯域を決定する。
【0111】
ステップ(C6)において、異システム間共通制御装置31が、決定された占有する周波数帯域及び重複利用する周波数帯域に係る情報に基づいて、データ管理テーブル317を更新する。
【0112】
ステップ(C7)において、異システム間共通制御装置31が、ステップ(C3)の最適チャネル指定要求に応じて、データ管理テーブル317を参照して、最適チャネルを指定する。
【0113】
ステップ(C8)において、異システム間共通制御装置31が、制御装置141に対して、最適チャネルを通知するとともに、当該最適チャネルを周波数チャネルとして割り当てるように指示する。
【0114】
ステップ(C9)において、制御装置141が、基地局装置111に対して、最適チャネルを周波数チャネルとして割り当てるように指示する
ステップ(C10)において、基地局装置111が、通知された最適チャネルを用いて、移動局131との間の通信を設定する。
【0115】
ステップ(C11)において、基地局装置111が、通信中に、使用する全ての周波数チャネルにおける干渉量(例えば、干渉電力等の通信品質)を測定する。
【0116】
ステップ(C12)において、基地局装置111が、測定した干渉量を、制御装置141に通知する。すなわち、基地局装置111で測定された干渉量は、一旦、制御装置141によって収集される。
【0117】
ステップ(C13)において、制御装置141が、基地局装置111から収集した干渉量を、異システム間共通制御装置31に対して通知する。
【0118】
ステップ(C14)において、異システム間共通制御装置31が、通知された干渉量に基づいて、データ管理テーブル317を更新する。また、異システム間共通制御装置31は、基地局装置111における周波数チャネル毎に、通信品質を維持することが可能な許容干渉量を算出し、算出した許容干渉量に基づいて、データ管理テーブル317を更新する。さらに、異システム間共通制御装置31は、算出された許容干渉量に基づいて、複数のセル間で重複して利用することが可能な周波数帯域の候補を決定し、その結果に基づいて、特定のセルが占有する周波数帯域及び複数のセル間で重複利用する周波数帯域を決定し、テーブル更新部316を更新する。
【0119】
ステップ(C15)において、移動局装置131が、基地局装置111に対して、終呼又はハンドオーバーに伴う周波数チャネルの開放を要求した後、移動局装置131と基地局装置111との間の通信を完了し、当該周波数チャネルを開放する。
【0120】
ステップ(C16)において、基地局装置111が、制御装置141に対して、当該周波数チャネルが開放されたことを報告する。
【0121】
ステップ(C17)において、制御装置141が、異システム間共通制御装置31に対して、当該周波数チャネルが開放されたことを報告する。
【0122】
ステップ(C18)において、異システム間共通制御装置31が、当該周波数チャネルの開放処理に係る情報に基づいて、データ管理テーブル317を更新する。
【0123】
図13に、本実施形態に係る周波数割り当てシステムにおいて、周波数帯域を重複利用する場合に、移動局装置131と基地局装置111との間の通信が設定されずに呼損処理となる場合の動作を示す。
【0124】
図13に示すように、ステップ(C1)において、無線通信システム1の移動局装置131が、基地局装置111に対して発呼処理を行う。
【0125】
ステップ(C2)において、基地局装置111が、ステップ(C1)の発呼処理に応じて、制御装置141に対して、必要な周波数チャネルを割り当てるように要求するチャネル割当要求を送信する。
【0126】
ステップ(C3)において、制御装置141が、ステップ(C2)のチャネル割当要求に応じて、異システム間共通制御装置31に対して、当該発呼処理に対して割り当てるべき最適な周波数チャネル(周波数帯域)を指定するように要求する最適チャネル指定要求を送信する。
【0127】
ステップ(C4)において、制御装置141が、ステップ(C2)のチャネル割当要求に応じて、各基地局装置111、211における呼損率(基地局装置毎又はセル毎)及び呼量(周波数チャネル毎)に基づいて、各基地局装置111、211における所要の周波数チャネルの数(所要チャネル数)を算出し、異システム間共通制御装置31に対して、かかる所要チャネル数を報告する。
【0128】
ステップ(C5)において、異システム間共通制御装置31が、制御装置141から通知された所要チャネル数に応じて、所要チャネル数を満たす周波数チャネル(周波数帯域)の確保が可能か否かについて判定する。
【0129】
なお、異システム間共通制御装置31は、基地局装置111において所要チャネル数を満たす周波数チャネル(周波数帯域)の確保が可能である場合、基地局装置111に対して所要の周波数帯域を割り当てるように決定する。その後、異システム間共通制御装置31は、基地局装置111が占有する周波数帯域、及び、複数の基地局装置間で重複利用する周波数帯域を決定する。
【0130】
ステップ(C6)において、異システム間共通制御装置31が、決定された占有する周波数帯域及び重複利用する周波数帯域に係る情報に基づいて、データ管理テーブル317を更新する。
【0131】
ステップ(C20)において、異システム間共通制御装置31が、最適チャネルを検索することができない場合、呼損処理を行うことを決定する。
【0132】
ステップ(C21)において、異システム間共通制御装置31が、制御装置141に対して、呼損処理を行うように指示する。
【0133】
ステップ(C22)において、制御装置141が、基地局装置111に対して、呼損処理を行うように指示する。
【0134】
ステップ(C23)において、基地局装置111が、移動局13からの発呼要求に対して、呼損処理を行う。
【0135】
次に、図14を参照して、本実施形態に係る周波数割り当てシステムにおいて、動的に周波数チャネルを割り当てる動作について説明する。
【0136】
ステップS(A1)において、移動局装置131が発呼処理を行った場合、異システム間共通制御装置31が、最適チャネル指定要求を受信する。
【0137】
ステップ(A2)において、異システム間共通制御装置31が、データ管理テーブル317の「チャネル利用状況」及び「占有利用/重複利用」を参照する。
【0138】
ステップ(A3)において、異システム間共通制御装置31が、無線通信システム1の占有利用周波数帯域に空きチャネルがあるか否かについて検索する。
【0139】
ステップ(A4)において、無線通信システム1の占有利用周波数帯域に空きチャネルがある場合に、異システム間共通制御装置31が、基地局装置111に対して、上述の発呼処理に係る通信用に当該空きチャネルを割り当てる。
【0140】
ステップ(A5)において、無線通信システム1の占有利用周波数帯域に空きチャネルがない場合に、異システム間共通制御装置31が、無線通信システム1の重複利用周波数帯域に空きチャネルがあるか否かについて検索する。
【0141】
ステップ(A6)において、無線通信システム1の重複利用周波数帯域に空きチャネルがない場合、異システム間共通制御装置31が、呼損処理を行うことを決定する。
【0142】
ステップ(A7)において、無線通信システム1の重複利用周波数帯域に空きチャネルがある場合、異システム間共通制御装置31が、当該周波数帯域を重複利用する相手である無線通信システム2における許容干渉量の特性(許容干渉量が固定である固定型、又は、許容干渉量が可変拡散率等により可変である可変型)を判定する。
【0143】
ステップ(A8)において、無線通信システム2における許容干渉量の特性が固定型である場合、異システム間共通制御装置31が、データ管理テーブル317における当該周波数チャネルに対応する「許容干渉量」及び「干渉量」を参照し、参照した「許容干渉量」と「干渉量」とを比較する。
【0144】
ステップ(A9)において、「干渉量」が「許容干渉量」以上の場合、異システム間共通制御装置31が、呼損処理を行うことを決定する。
【0145】
一方、ステップ(A10)において、「干渉量」が「許容干渉量」よりも小さい場合、異システム間共通制御装置31が、当該周波数チャネルの重複利用を許可し、基地局装置111に対して、上述の発呼処理に係る通信用に当該空きチャネルを割り当てる。
【0146】
ステップ(A11)において、無線通信システム2における許容干渉量の特性が可変型である場合、異システム間共通制御装置31が、データ管理テーブル317における当該周波数チャネルの「許容干渉量」及び「干渉量」を参照し、参照した「許容干渉量」と「干渉量」とを比較する。
【0147】
ステップ(A12)において、「干渉量」が「許容干渉量」以上の場合、異システム間共通制御装置31が、呼損処理を行うことを決定する。
【0148】
一方、ステップ(A13)において、「干渉量」が「許容干渉量」よりも小さい場合、異システム間共通制御装置31が、さらに所要システム容量から算出する「許容干渉量」と「干渉量」とを比較する。
【0149】
ステップ(A14)において、所要システム容量から算出する「許容干渉量」が「干渉量」以下の場合、異システム間共通制御装置31が、呼損処理を行うことを決定する。
【0150】
ステップ(A15)において、所要システム容量から算出する「許容干渉量」が「干渉量」より大きい場合、異システム間共通制御装置31が、当該周波数チャネルの重複利用を許可し、基地局装置111に対して、上述の発呼処理に係る通信用に当該空きチャネルを割り当てる。
【0151】
ここで、ステップ(A15)における所要システム容量から算出する「許容干渉量」とは、当該周波数帯域を重複利用する相手である無線通信システム2の周波数チャネルの利用要求(例えば、システム容量や、通信速度、スループットや、回線容量の総和)によって算出される許容干渉量の上限値である。
【0152】
これに対して、ステップ(A11)における「許容干渉量」は、上述のデータ管理テーブル317における当該周波数チャネルの「許容干渉量」によって規定されるものである。
【0153】
なお、無線通信システム1における許容干渉量の特性が可変型である場合、無線通信システム1の周波数チャネルの利用要求(例えば、システム容量や、通信速度、スループットや、回線容量の総和)によって算出される許容干渉量の上限値を用いた比較(ステップ(A13)と同様の比較)を行うように構成されていてもよい。
【0154】
以上の周波数チャネルの割り当て結果又は呼損処理結果は、データ管理テーブル317の更新に用いられる。
【0155】
ここで、周波数チャネルを重複利用した場合に、周囲の各無線通信システムにおける基地局装置に及ぼす干渉量の推定方法について述べる。
【0156】
複数の無線通信システムと通信可能な無線機を有する移動局装置は、各無線通信システムにおける基地局装置から当該移動局装置への伝搬損失を測定することによって、当該基地局装置からの下りリンクにおける干渉量を算出できる。
【0157】
そこで、基地局装置と移動局装置との間の無線通信システムに固有の下りリンク共通制御チャネル(共通パイロット信号等)の電力を測定することによって、各無線通信システム及び各セルへの干渉量を推定できる。
【0158】
また、基地局装置と移動局装置との間の上りリンクにおける伝搬損失は、下りリンクにおける伝搬損失とほぼ等しいことから、上りリンクにおける干渉量も推定することが可能である。
【0159】
つまり、周波数チャネルを重複利用する無線通信システムにおいて、移動局装置が周囲の複数の基地局装置からの下りリンクにおける伝搬損失を測定することによって、当該移動局装置の移動に応じて変化する干渉量に追従することができる。
【0160】
また、移動局装置に設けられている無線機が1つに限られており、当該移動局装置が単一の無線通信システムからの制御信号のみを受信できる場合には、当該移動局装置から無線通信システム及び周囲の基地局装置への複数の上りリンクにおける伝搬損失を測定し、上りリンクにおける干渉量を算出することによって、上りリンクにおける伝搬損失から下りリンクにおける干渉量を推定することができる。
【0161】
このとき、まず、基地局装置が、移動局装置に対して、伝搬損失を測定するための制御信号(パイロット信号、トレーニング信号等)を発信する命令を送信し、各無線通信システム及び周囲の基地局装置が、当該移動局装置によって発信された制御信号を受信して測定する。観測するタイミングは、ネットワークを介した当該基地局装置から異システム間共通制御局装置31を経由して周囲の基地局装置に対して通知される。
【0162】
各無線通信システム及び周囲の基地局装置は、複数の無線通信システムの移動局装置からの制御信号を観測できるものとし、移動局装置を識別するために、トレーニング信号やプリアンプルや、CDMAシステムの場合にはコードを利用する。基地局装置からの情報と合わせて移動局装置を識別することが可能である。
【0163】
また、送信のタイミングを把握することができるので、制御信号の総干渉量の差分から干渉量を測定することも可能である。また、移動局装置の位置から発信した場合の周辺の基地局装置への干渉量を予めデータ管理テーブル317に登録しておき、移動局装置の位置を測定して干渉量を周辺の基地局装置に連絡する方法も適用できる。
【0164】
次に、図15を参照して、本実施形態に係る周波数割り当てシステムにおいて、データ管理テーブルを更新する動作について説明する。
【0165】
ステップ(B1)において、基地局装置111が、発呼処理又はハンドオーバーに伴う周波数チャネルの割り当てを要求するためのチャネル割当要求を送信する。
【0166】
ステップ(B2)において、異システム間共通制御装置31が、無線通信システムの占有利用周波数帯域における空きチャネルの有無を判定する。
【0167】
ステップ(B3)において、当該占有利用周波数帯域に空きチャネルがない場合、異システム間共通制御装置31が、当該無線通信システムの重複利用周波数帯域における空きチャネルの有無を判定する。
【0168】
ステップ(B4)において、当該無線通信システムの占有利用周波数帯域又は重複利用周波数帯域に空きチャネルがある場合、異システム間共通制御装置31が、かかる空きチャネルをチャネル割当要求に対して割り当てる周波数チャネルとする。
【0169】
ステップ(B5)において、重複利用周波数帯域に空きチャネルがない場合、異システム間共通制御装置31が、呼損処理を行うことを決定する。
【0170】
ステップ(B6)において、当該無線通信システムの占有利用周波数帯域又は重複利用周波数帯域における周波数チャネルの割り当て処理の結果から、制御装置141が、定期的に当該無線通信システムにおける呼損率(基地局装置毎又はセル毎)を測定する。
【0171】
ステップ(B7)において、基地局装置111が、終呼処理又はハンドオーバーに伴い、移動局装置131との間で設定されていた周波数チャネルを開放する。
【0172】
ステップ(B8)において、制御装置141が、ステップ(B4)における周波数チャネルの割り当て結果及びステップ(B7)における周波数チャネルの開放結果に基づき、チャネル利用状況を算出して異システム間共通制御装置31に対して通知する。
【0173】
ステップ(B9)において、基地局装置111が、移動局装置131との間の通信中に運ばれた呼量(周波数チャネル毎)を測定する。
【0174】
ステップ(B10)において、制御装置141が、ステップ(B6)で測定された当該無線通信システムの呼損率及びステップ(B9)で測定された呼量に基づいて、当該無線通信システムにおける所要チャネル数(所要の呼損率を満たすために必要な周波数チャネル数)及び所要周波数帯域を決定する。
【0175】
ステップ(B11)において、異システム間共通制御装置31が、無線通信システム1及び無線通信システム2の所要チャネル数に基づいて、当該無線通信システム1及び当該無線通信システム2に対して割り当てる周波数帯域を決定する。
【0176】
ステップ(B12)において、基地局装置111、211が、移動局装置131、231との間の通信中に使用する全ての周波数チャネルにおける干渉量を測定する。かかる周波数チャネルにおける干渉量には、同一の周波数チャネルからの干渉量に加えて、隣接する周波数チャネルからの干渉量等も含まれる。
【0177】
ステップ(B13)において、異システム間共通制御装置31が、ステップ(B12)で測定された干渉量に基づいて、基地局装置111、211が使用する全ての周波数チャネルにおける許容干渉量を算出する。
【0178】
ステップ(B14)において、異システム間共通制御装置31が、ステップ(B13)で算出された許容干渉量に基づいて、重複利用候補の周波数帯域を決定する。
【0179】
ステップ(B15)において、異システム間共通制御装置31が、ステップ(B11)で決定された割り当て周波数帯域及びステップ(B14)で決定された重複利用候補の周波数帯域に基づいて、周波数帯域毎の占有・重複利用周波数帯域を決定する。
【0180】
ステップ(B16)において、異システム間共通制御装置31が、ステップ(B8)で更新されたチャネル利用状況と、ステップ(B15)で決定された占有・重複利用周波数帯域のそれぞれに基づき、データ管理テーブル317を更新する。
【0181】
本実施形態に係る周波数割り当てシステムによれば、図16(a)及び(b)に示すように、異なる複数の無線通信システムによる周波数帯域の共用化を実現することができる。
【0182】
このとき、周波数帯域の共用状態又はトラフィック量やトラフィック種類によって、図16(a)に示すように、各無線通信システムの占有利用周波数帯域と重複利用周波数帯域が混在する周波数帯域の割り当て制御、又は、図16(b)に示すように、全周波数帯域を重複利用周波数帯域とする周波数帯域の割り当て制御を行うことができる。
【0183】
本実施形態に係る周波数割り当てシステムでは、干渉に対する性質と利用周波数帯域幅が異なる広帯域CDMA無線通信システムと挟帯域TDMA無線通信システムとが同一周波数帯域で共存する場合を想定しているが、本発明は、干渉に対する性質が等しい無線通信システムが共存する場合や3つ以上の無線通信システムが共存する場合についても適用できる。
【0184】
本実施形態に係る周波数割り当てシステムによれば、極めて柔軟な周波数帯域の割り当て制御が可能となり、周波数帯域の利用効率を高めることができる。さらに、本実施形態に係る周波数割り当てシステムによれば、トラフィック量に基づく所要チャネル数や、複数の無線通信システム間の干渉量に応じて、柔軟な周波数帯域の割り当て制御を容易に実現可能であり、不均一なトラフィック分布に対しても、効果的な周波数帯域の割り当て制御を実現できる。
【0185】
また、本実施形態に係る周波数割り当てシステムによれば、共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システムにおいて、各無線通信システムや各基地局装置における周波数チャネルの状況、及び、無線通信システム毎のトラフィックに応じて決定される所要の周波数チャネル数を考慮して、無線通信システム毎、周波数チャネル毎の許容干渉量に基づいて、異なる無線通信システムによる同一の周波数帯域の適応的な重複利用を可能とする周波数チャネル割り当てシステム、基地局、制御局、異システム間共通制御装置及び周波数チャネル割り当て方法を実現することができる。
【0186】
(変更例1)
図17及び図18を参照して、変更例1に係る周波数チャネル割り当てシステムについて説明する。
【0187】
図17に示すように、変更例1に係る周波数チャネル割り当てシステムは、複数の移動局131〜135、231〜235と、複数の基地局111〜113、211〜213と、複数の基地局111〜113、211〜213を統括する制御局14、24と、異システム間共通制御局3とを具備している。
【0188】
図17に示すように、異システム間共通制御局3は、複数の制御局14、24とネットワークを介して接続しており、複数の制御局14、24は、複数の基地局111〜113、211〜213とネットワークを介して接続しており、複数の基地局111〜113、211〜213は、セル121〜123、221〜223に在圏する複数の移動局131〜135、231〜235と無線チャネルを介して接続している。
【0189】
変更例1では、異システム間共通制御局3は、複数の制御局14、24から通知されるチャネル状況情報(例えば、制御局14から通知される基地局11における所要チャネル数や干渉量やチャネル利用状況等)に基づいて、異なる無線通信システム間の相互干渉を避けて複数の無線通信システムの各々に属する基地局131〜135、231〜235と移動局131〜135、231〜235との間の通信を行うための周波数帯域を決定して、制御局14、24に対して周波数チャネルの割り当て制御を行わせる機能を備える。
【0190】
図18に、図17に示す無線通信システムにおける各無線局(移動局、基地局、制御局、異システム間共通制御局)の有する装置のネットワーク接続構成を示す。
【0191】
移動局131〜135、231〜235は、基地局131〜135、231〜235との間で通信を行うために、周波数チャネルの割り当てを要求するチャネル割当要求を送信するように構成されている移動局装置131、231を備える。移動局装置1311〜1315、2311〜2315は、基地局131〜135、231〜235により指定された周波数チャネルを用いて通信を行う。
【0192】
基地局111〜113、211〜213は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113を備える。基地局装置1111〜1113、2111〜2113は、移動局装置1311〜1315、2311〜2315によるチャネル割当要求を受け付け、当該基地局111〜113、211〜213が属する制御局14、24に対して当該基地局111〜113、211〜213に属する移動局131〜135、231〜235との間で無線通信を行うための周波数チャネルを割り当てるように要求し、制御局14、24により割り当てられた周波数チャネルの情報を受け付け、当該周波数チャネルの情報に基づいて指定された周波数チャネルを用いて移動局装置1311〜1315、2311〜2315と通信を行う。
【0193】
また、基地局装置1111〜1113、2111〜2113は、通信中に、各周波数チャネルにおける干渉量や呼損率や呼量やチャネル利用状況を測定して制御局14、24に通知する。
【0194】
制御局14、24は、制御装置141、241を備える。制御装置141、241は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113によるチャネル割当要求を受け付け、異システム間共通制御局3に対して当該制御局14、24に属する基地局111〜113、211〜213の基地局装置1111〜1113、2111〜2113に対して割り当てるべき最適チャネルを指定するように要求する最適チャネル指定要求を送信し、異システム間共通制御局3によって割り当てられた最適チャネルの情報を受け付け、当該最適チャネルの情報に基づき基地局装置1111〜1113、2111〜2113による移動局装置1311〜1315、2311〜2315に対する周波数チャネルの割り当てを制御する。
【0195】
また、制御装置141、241は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113にから通知される干渉量や呼損率や呼量やチャネル利用状況を受け付け、これらの情報に基づき、当該制御局14、24に属する基地局111〜113、211〜213及び移動局131〜135、231〜235における所要チャネル数を算出して、干渉量及びチャネル利用状況と共に、異システム間共通制御局3に通知する。
【0196】
異システム間共通制御局3は、異システム間共通制御装置31を備える。異システム間共通制御装置31は、複数の制御装置141、241によるチャネル割当要求を受け付け、複数の制御装置141、241から通知されるチャネル状況情報(例えば、チャネル利用状況や干渉量)と所要チャネル数とシステム性質情報(1キャリアあたりの周波数帯域幅や許容干渉量や優先度等)を、例えば、周波数帯域毎、無線通信システム毎、セル毎に管理する。
【0197】
また、異システム間共通制御装置31は、複数の無線通信システム1、2に割り当てられた共通周波数帯域を使用して、異なる無線通信システムの干渉を避けて複数の無線通信システム1、2の各々に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が通信を行うための周波数帯域又は周波数チャネルを決定し、決定した周波数チャネルを複数の制御装置141、241に周知する。
【0198】
上述のように、制御局14、24は、異システム間共通制御装置31によって割り当てられた周波数チャネルを基地局111〜113、211〜213に通知する機能と、基地局111〜113、211〜213における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する機能と、収集したチャネル状況情報に基づいて基地局111〜113、211〜213における所要チャネル数を算出する機能と、異システム間共通制御装置31に対してチャネル状況情報及び所要チャネル数を通知する機能とを具備する。
【0199】
また、異システム間共通制御装置31は、無線通信システム1、2における周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理する機能と、管理しているシステム性質情報と制御局14、24から通知されたチャネル状況情報及び所要チャネル数とに基づいて、無線通信システム1、2に対して周波数チャネルを割り当てる機能と、割り当てた周波数チャネルを無線通信システム1、2の制御局14、24に通知する機能とを具備する。
【0200】
複数の制御局14及び24は、基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235との間で無線通信を行うための周波数チャネルを割り当て、各基地局111〜113、211〜213におけるチャネル状況情報を収集し、チャネル状況情報に基づいて所要チャネル数を算出する。収集されたチャネル状況情報及び所要チャネル数は、各基地局111〜113、211〜213が属する各制御局14、24に通知される。
【0201】
異システム間共通制御局3は、異なる無線通信システム1、2の制御局14、24に接続している。具体的には、異システム間共通制御局3は、各制御局14、24により通知される各基地局111〜113、211〜213におけるチャネル状況情報及び所要チャネル数に基づいて、各無線通信システム1、2が利用可能な周波数帯域又は周波数チャネルを決定することによって、異なる無線通信システム1、2間の相互干渉を避けることが可能になる。
【0202】
複数の制御局14、24は、各基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が無線通信を行うための周波数チャネルを割り当てる機能と、各基地局111〜113、211〜213における呼損率や呼量を収集する機能と、呼損率や呼量に基づいて所要チャネル数を算出する機能と、所要のチャネル数を各々の基地局111〜113、211〜213が属する各制御局14、24に通知する機能とを備えている。
【0203】
また、異システム間共通制御局3は、各制御局14、24により通知される各基地局111〜113、211〜213におけるチャネル状況情報及び所要チャネル数を収集する機能と、収集したチャネル状況情報及び所要チャネル数及びシステム性質情報(1キャリアあたりの周波数帯域幅や許容干渉量や優先度等)を管理し、異なる無線通信システム1、2間で共有する機能と、異なる無線通信システム1、2間で共有する情報を参照することによって、異なる無線通信システム1、2間の相互干渉による通信品質の劣化を避けて、複数の無線通信システム1、2の各々に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が無線通信を行うための周波数帯域又は周波数チャネルを決定し制御局14、24における周波数チャネルの割り当て制御を行う機能とを備えている。
【0204】
(変更例2)
図19及び図20を参照して、変更例2に係る周波数チャネル割り当てシステムについて説明する。
【0205】
図19に示すように、変更例2に係る周波数チャネル割り当てシステムでは、異システム間共通制御局3を介することなく、各無線通信システム1、2が、複数の基地局111〜113、211〜213を統括する制御局14、24の管理下で制御されるように構成されている。
【0206】
このとき、複数の基地局111〜113、211〜213を統括する制御局14、24の少なくとも1つが、異システム間共通制御装置31を備えている。異システム間共通制御装置31が、他の制御装置141、241と接続して情報を共有することで、無線通システム1と無線通信システム2が統合される。
【0207】
異システム間共通制御装置31は、ネットワークを介して複数の制御局14、24内の制御装置141、241から取得した情報(例えば、所要チャネル数や干渉量やチャネル利用状況等)に基づいて、複数の無線通信システム1、2に割り当てられた共通周波数帯域を使用して、異なる無線通信システム1、2間の相互干渉を避けて、複数の線通信システム1、2の各々に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が通信を行うための周波数帯域又は周波数チャネルを決定するように構成されている。
【0208】
図20に、図19に示す無線通信システムの各無線局の備える装置のネットワーク接続構成を示す。
【0209】
移動局131〜135、231〜235は、基地局111〜113、211〜213との間で無線通信を行うために周波数チャネルを割り当てるように要求するチャネル割当要求を送信する移動局装置1311〜1315、2311〜2315を備える。移動局装置1311〜1315、2311〜2315は、基地局111〜113、211〜213により指定された周波数チャネルを用いて通信を行う。
【0210】
基地局111〜113、211〜213は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113を備える。基地局装置1111〜1113、2111〜2113は、移動局装置1311〜1315、2311〜2315からのチャネル割当要求を受け付け、当該基地局111〜113、211〜213が属する制御局14、24に対して、当該基地局111〜113、211〜213に属する移動局131〜135、231〜235との通信を行うための周波数チャネルを割り当てるように要求し、制御局14、24から割り当てられた周波数チャネルの情報を受け付け、かかる周波数チャネルの情報に基づき指定された周波数チャネルを用いて移動局装置1311〜1315、2311〜2315と通信を行うための周波数チャネルの割り当てを行う。
【0211】
基地局装置1111〜1113、2111〜2113は、通信中に、各周波数チャネルにおける干渉量や呼損率や呼量やチャネル利用状況等を測定して、制御局14、24に通知する。
【0212】
制御局14、24は、制御装置141、241を備えている。また、同一周波数帯域を利用して同一地域に複数存在する無線通信システムのうち、少なくとも1つ以上の無線通信システムにおける制御局14、24が、異システム間共通制御装置31を備える。
【0213】
図20の例では、無線通信システム1及び無線通信システム2が、同一周波数帯域を利用して同一地域に複数存在する場合に、無線通信システム1の制御局14のみが、異システム間共通制御装置31を備える。
【0214】
制御装置141、241は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113によるチャネル割当要求を受け付け、異システム間共通制御装置31に対して、制御局14、24に属する基地局111〜113、211〜213の基地局装置1111〜1113、2111〜2113に対して割り当てるべき最適な周波数チャネルを指定するように要求し、異システム間共通制御装置31によって割り当てられた最適チャネルの情報を受け付け、かかる最適チャネルの情報に基づき基地局装置1111〜1113、2111〜2113による移動局装置1311〜1315、2311〜2315に対する周波数チャネルの割り当てを制御する。
【0215】
また、制御装置141、241は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113から通知される呼損率や呼量を受け付け、かかる情報に基づき、当該制御局14、24に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235との間の所要チャネル数を算出し、チャネル状況情報と共に異システム間共通制御装置31に通知する。
【0216】
異システム間共通制御装置31は、複数の制御装置141、241からの最適チャネル指定要求を受け付け、複数の制御装置141、241から通知されるチャネル状況情報及び所要チャネル数及びシステム性質情報、例えば、周波数帯域毎、無線通信システム毎、セル毎に、管理する。
【0217】
また、異システム間共通制御装置31は、複数の無線通信システム1、2に割り当てられた共通周波数帯域を使用して、異なる無線通信システムとの間の相互干渉を避けて、複数の無線通信システム1、2の各々に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が通信を行うための周波数帯域又は周波数チャネルを決定し、決定した最適チャネルを複数の制御装置141、241に周知する。
【0218】
異システム間共通制御装置31は、他の無線通信システムの制御装置141、241や、他の制御局141の備える異システム間共通制御装置31とネットワークを介して情報を共有する。
【0219】
(変更例3)
図21及び図22を参照して、変更例3に係る周波数チャネル割り当てシステムについて説明する。
【0220】
図21に示すように、本実施形態に係る周波数割り当てシステムでは、異システム間共通制御局3及び制御局14、24を介さず、各無線通信システム1、2が、基地局間の交渉により、利用する周波数帯域及び周波数チャネルを管理して制御するように構成されている。
【0221】
本実施形態に係る周波数割り当てシステムは、同一周波数帯域を利用して同一地域に複数存在する無線通信システムのうち、少なくとも1つ以上の無線通信システムの基地局111〜113が、各々、異システム間共通制御装置311〜313及び制御装置1411〜1413を備えている。
【0222】
異システム間共通制御装置31が、他の基地局11における異システム間共通制御装置31及び他の無線通信システムにおける基地局21における基地局装置211と接続して情報を共有することで、無線通システム1と無線通信システム2が統合される。
【0223】
本実施形態に係る周波数割り当てシステムでは、異システム間共通制御装置311〜313が、ネットワークを介して取得した複数の基地局11が備える情報に基づいて、複数の無線通信システム1、2に割り当てられた共通周波数帯域を使用して、異なる無線通信システム間の相互干渉を避けて、複数の無線通信システムの各々に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が通信を行うための周波数帯域又は周波数チャネルを決定する。
【0224】
図22は、図21に示す無線通信システムの各無線局の備える装置のネットワーク接続構成を示す。
【0225】
移動局131〜135、231〜235は、基地局111〜113、211〜213との間で通信を行うために周波数チャネルを割り当てる要求するチャネル割当要求を送信する移動局装置1311〜1315、2311〜2315を備える。移動局装置1311〜1315、2311〜2315は、基地局111〜113、211〜213により指定された周波数チャネルを用いて通信を行う。
【0226】
基地局111〜113、211〜213が、基地局装置1111〜1113、2111〜2113を備えている。また、同一周波数帯域を利用して同一地域に複数存在する無線通信システムのうち、少なくとも1つ以上の無線通信システムが、基地局111〜113、211〜213内に、制御装置1411〜1413及び異システム間共通制御装置311〜313を備える。
【0227】
図22の例では、無線通信システム1及び無線通信システム2が、同一周波数帯域を利用して同一地域に複数存在する場合に、無線通信システム1の基地局1111〜1113のみが、制御装置1411〜1413及び異システム間共通制御装置311〜313を備える。
【0228】
基地局装置1111〜1113、2111〜2113は、移動局装置1311〜1315、2311〜2315からのチャネル割当要求を受け付け、当該基地局1111〜1113、2111〜2113に属する移動局1311〜1315、2311〜2315との通信を行うための周波数チャネルを割り当てるように要求し、制御装置141からの割り当てられた周波数チャネルの情報を受け付け、かかる周波数チャネルの情報に基づき指定された周波数チャネルを用いて移動局装置1311〜1315、2311〜2315と通信を行うための周波数チャネルの割り当てを行う。
【0229】
また、基地局装置1111〜1113、2111〜2113は、通信中に、各周波数チャネル干渉量やチャネル利用状況等を測定して制御装置141に通知する。
【0230】
制御装置141は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113からのチャネル割当要求を受け付け、異システム間共通制御装置31に対して、当該基地局111〜113、211〜213の基地局装置1111〜1113、2111〜2113に対する最適チャネル指定要求を送信し、異システム間共通制御装置31から割り当てられた最適チャネルの情報を受け付け、かかる最適チャネルの情報に基づき基地局装置1111〜1113、2111〜2113による移動局装置1311〜1315、2311〜2315に対する周波数チャネルの割り当てを制御する。
【0231】
また、制御装置141は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113から通知される呼損率や呼量を受け付け、かかる情報に基づき、当該制御局14、24に属する基地局111〜113、211〜213及び移動局131〜135、231〜235における所要チャネル数を算出し、チャネル状況情報と共に異システム間共通制御装置31に通知する。
【0232】
異システム間共通制御装置31は、複数の制御装置141、241による最適チャネル指定要求を受け付け、複数の制御装置141、241から通知されるチャネル状況情報及び所要チャネル数及びシステム性質情報を、例えば、周波数帯域毎、無線通信システム毎、セル毎に、管理する。
【0233】
また、異システム間共通制御装置31は、複数の無線通信システム1、2に割り当てられた共通周波数帯域を使用して、異なる無線通信システム間の相互干渉を避けて、複数の無線通信システム1、2の各々に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が通信を行うための周波数帯域又は周波数チャネルを決定し、決定した周波数帯域又は周波数チャネルを複数の制御装置141、241に周知する。
【0234】
異システム間共通制御装置31は、他の無線通信システムの制御装置141、241や、他の基地局11の備える異システム間共通制御装置31との間で、ネットワークを介して情報を共有する。
【0235】
以上、本発明を実施例により詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本願中に説明した実施例に限定されるものではないということは明らかである。本発明の装置は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本願の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0236】
以上説明したように、本発明によれば、複数の無線通信システムにおいて、同一周波数帯域の適応的な重複利用を可能とする周波数チャネル割り当てシステム、基地局、制御局、異システム間共通制御装置、周波数チャネル割り当て方法及び制御方法を実現することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システムにおいて、移動局と基地局との間で無線通信を行うために利用する周波数チャネルを割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当てシステム、基地局、制御局、異システム間共通制御装置、周波数チャネル割り当て方法及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セルラー方式の無線通信システムは、サービスに対する需要の変化に伴い、第2世代移動通信方式(例えば、PDC(Personal Digital Cellular)等)から第3世代移動通信方式(例えば、W−CDMA(Wideband direct sequence Code Division Multiple Access)等)に移行しつつある。
【0003】
さらに、将来は、第4世代移動通信方式が導入され、サービスのさらなる高度化・多様化が予想される。同様に、セルラー方式の無線通信システム以外の無線通信システムも多様化が進むと考えられる。
【0004】
現在の無線通信システムに対する周波数帯域(周波数チャネル)の割り当ては、原則的に、単一の無線通信システムに対して、所要の周波数帯域を固定的に割り当てることにより、他の無線通信システムとの間のシステム間干渉を回避している。
【0005】
しかし、今後、無線通信システムの多様化に伴い、周波数帯域の確保は困難となり、利用目的が異なる複数の無線通信システムによる同一周波数帯域の共用技術が必要となる。
【0006】
このような共用技術により、市場や利用者の需要に応じた柔軟で効率的な無線通信システムの展開が可能になるものの、複数の無線通信システムによる周波数帯域の共用には、通信品質やシステム容量の劣化を軽減するための干渉回避技術が必要である。
【0007】
複数の無線通信システムが同一周波数帯域を利用する例として、図1に示すようなISM(Industrial,Scientific,and Medical)帯域の2400乃至2483.5MHzを利用するIEEE802.11b標準の無線LAN方式の無線通信システム及びBluetooth方式の無線通信システムが混在する通信環境が知られている。
【0008】
図1(a)に示すように、無線LAN方式で用いられる周波数チャネルは、2412乃至2484MHzの範囲内に存在し、5MHz間隔でオーバラップしながら割り当てられている。一方、Bluetooth方式で用いられる周波数チャネルは、2402乃至2480MHzの範囲内に存在し、1MHz間隔でオーバラップせずに設定されている。
【0009】
また、図1(b)に示すように、無線LAN方式では、直接拡散型スペクトラム拡散(Direct Sequence Spread Spectrum:DSSS)方式で変調された1210μ sec長の高速無線LANデータが送信される。一方、Bluetooth方式では、625μ sec毎に送信周波数を79MHz帯域内でランダムに変化させる周波数ホッピング型スペクトラム拡散(Frequency Hopping Spread Spectrum:FHSS)方式で変調されたBluetoothデータが送信される。
【0010】
そのため、無線LAN方式とBluetooth方式が同時に利用された場合に、1つの高速無線LANデータを送信する間に、2つのBluetoothデータが送信されることになる。このとき、図1(b)に示すように、Bluetooth方式においてホッピングされた周波数帯域と、無線LAN方式が利用する周波数帯域とが重なった場合には、両者の間でデータ衝突(相互干渉)が生じ、データの欠損を招く。
【0011】
このような無線通信システムにおけるデータ衝突を回避するための方策として、種々な方法が提案されている。現在、無線LAN方式では、データ衝突を回避するために、衝突回避型キャリアセンス多重接続(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance:CSMA/CA)方式が適用されており、Bluetooth方式では、適応周波数ホッピング(Adaptive Frequency Hopping:AFH)方式が用いられている。
【0012】
CSMA/CA方式では、キャリアセンスに加えて、送信端末から受信端末に向けてデータを送信する前にプリアンブルを送信し、受信端末から応答があった場合だけデータを送信することにより、他の送信端末との間のデータ衝突を回避することができる。一方、AFH方式では、データ衝突が生じる周波数帯域を適応的に避けて周波数ホッピングを行うことにより、相互干渉を回避することができる。
【0013】
また、複数の無線通信システムが同一周波数帯域に存在する場合の別の例として、特許文献1において、OFDM/TDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplex/Time Division Multiple Access)方式、及び、OFDM/TDMA方式と互換性を有するGSM方式が混在する通信環境が開示されている。
【0014】
具体的には、特許文献1は、図2(a)に示すように、OFDM/TDMA方式における複数のサブキャリアをGSM方式の周波数チャネルと重複しない周波数帯域に割り当て、図2(b)に示すように、OFDM/TDMAスロットの整数倍を、1又は整数個のGSMスロットに一致させ、パイロットシンボルを(n−1)個おきのサブキャリア(nは、2以上の整数)に割り当てることで、各無線通信システムのキャリアの応じた占有帯域幅を、無線通信システム間で重複することなく利用できる技術を開示している。
【0015】
ところで、限られた周波数帯域を1つの無線通信システムのみで利用するセルラー方式の無線通信システムにおいては、単一の無線通信システム内において、同一周波数帯域のチャネルによる干渉の影響を考慮して、各基地局における周波数帯域の割り当て制御が行われている。
【0016】
従来の周波数分割多重接続(Frequency Division Multiple Access:FDMA)方式や時分割多重接続(Time Division Multiple Access:TDMA)方式の無線通信システムは、各基地局で利用する周波数チャネルを固定的に割り当てる場合、所要の通信品質を維持するために必要な希望波信号電力対干渉波信号電力比(Carrier to Interference power Ratio:CIR)の限界値を規定し、CIRの場所的劣化率が予め定めた値以下になるように同一周波数帯域のチャネル及び隣接周波数帯域のチャネルの繰り返し利用距離を決定する。
【0017】
ここで、繰り返し利用距離を小さくすると、同一周波数帯域のチャネルを地理的に高密度に繰り返し利用できるため、各基地局で利用できる周波数チャネル数が増加してシステム容量を増加できるものの、異なる基地局で利用される同一周波数帯域のチャネルによる干渉により通信品質の劣化率は高くなる。
【0018】
一方、繰り返し利用距離を大きくすると、通信品質の劣化率を低く抑えることができるものの、各基地局で利用できる周波数チャネル数が減少してシステム容量は小さくなる。
【0019】
従来のFDMA方式やTDMA方式の無線通信システムは、通信品質を保証するための繰り返し利用距離又は干渉量のしきい値を予め定め、かかるしきい値を満たす範囲で、周波数チャネルの設計を行っている。
【0020】
また、従来の単一の無線通信システムでは、上記の固定的なチャネル割り当てに対して、システム容量及び周波数利用効率を向上するために、動的なチャネル割り当てを行うダイナミックチャネル割り当て(Dynamic Channel Assignment:DCA)が知られている。
【0021】
CDMA方式の無線通信システムでは、同一周波数帯域のチャネルの繰り返し配置が理論的に可能であるが、マクロセル内に、同一周波数帯域を用いて通信するマイクロセルが複数存在する場合には、マクロセル内における同一周波数帯域のチャネル間の干渉対策として、やはりDCAが有効である。
【0022】
ところで、かかるCDMA方式の無線通信システムでは、マクロセル内にマイクロセルが存在する等の階層セル構造を採用する場合があり、この階層セル構造において周波数帯域を有効利用するための技術が、特許文献2や非特許文献1に開示されている。
【0023】
特許文献2には、伝送速度の異なるマクロセルの無線通信システム及びマイクロセルの無線通信システムが同一周波数帯域を共有する場合、一方の無線通信システムにおいて割り当て可能な周波数チャネルがなくなったときに、他方の無線通信システム内の優先度が低い空き周波数チャネルから順に使用許可を与え、マクロセル内の周波数帯域とマイクロセル内の周波数帯域との境界であるパーティションを移動させる方法が提案されている。(図3(a)及び図3(b)参照)。
【0024】
なお、特許文献2に係る技術では、マクロセル内におけるマクロセル及びマクロセル内における複数のマイクロセルへの動的な周波数チャネル割り当ての際に、優先度の高い周波数チャネルの並び替えを行っている。
【特許文献1】特開2000−68975号公報
【特許文献2】特開平11−205848号公報
【非特許文献1】「周波数チャネル割り当て方法及び網」、小倉浩嗣著 上述したように、従来の無線通信システムは、複数の無線通信システムが同一周波数帯域を利用する場合、例えば、図1に示すように、無線LAN方式及びBluetooth方式が混在する場合、複数の無線通信システム間の相互干渉により、他方の無線通信システムの通信容量を低下させるという問題点があった。
【0025】
また、従来の無線通信システムでは、例えば、特開2002−111631号公報に示すように、一方の無線通信システムで利用可能な周波数帯域は、他方の無線通信システムによって利用される周波数帯域内で確保できる数によって制限されるという問題点があった。
【0026】
また、従来の無線通信システムでは、一方の無線通信システムにおいてトラフィックが集中すると、他方の無線通信システムにおける周波数帯域の確保が困難になり、トラフィックの偏在に対応できないという問題点があった。
【0027】
一般的に、セルラー方式の無線通信システムでは、同一周波数帯域のチャネル間の相互干渉により通信品質が劣化するため、特定の周波数チャネルにおける干渉量と許容干渉量(各無線通信システムにおいて設定されている干渉量のしきい値)とを比較することによって、当該周波数チャネルが利用できるか否かについて判定される。
【0028】
また、FDMA方式やTDMA方式の無線通信システムでは、無線通信システムにおける各種パラメータ(変調方式や誤り訂正技術等)や同一周波数帯域のチャネルの繰り返し利用数やトラフィックの種類等に応じて、所要の通信品質を満たすために、上述の許容干渉量が決定される。
【0029】
一方、CDMA方式の無線通信システムでは、送信信号を拡散することにより拡散利得が得られるため、干渉耐性が大きく、1セルにおける同一周波数帯域のチャネルの繰り返し利用が可能であり、トラフィック量やトラフィックの種類による可変拡散率や送信電力制御により、上述の許容干渉量は変化する。
【0030】
このように、干渉に対する性質が異なる2つの無線通信システムが、干渉回避制御を適用せずに同一周波数帯域を共用した場合の影響を、図4に示す。
【0031】
図4(a)に示すように、FDMA方式の無線通信システムでは、干渉量が許容干渉量以上に増大すると、周波数チャネルの割り当てが困難になるという問題点があった。特に、FDMA方式の無線通信システムにおいて、1セルにおける同一周波数帯域のチャネルの繰り返し利用を行うCDMA方式の無線通信システムからの干渉は、同一セル内だけでなく、隣接セルからも強く受ける。
【0032】
また、図4(b)に示すように、CDMA方式の無線通信システムでは、FDMA方式の無線通信システムからの干渉量が増大すると、システム容量が低下するという問題点があった。
【0033】
このことから、FDMA方式の無線通信システムに対しては、干渉量を許容干渉量以下とするように、また、CDMA方式の無線通信システムに対しては、十分なシステム容量を確保できるように調整するように、各無線通信システムにおける干渉を考慮して、周波数チャネルを割り当てることが必要である。
【0034】
さらに、2つの無線通信システムにおいて利用する周波数帯域幅が異なる場合には、図5(a)及び図5(b)に示すような伝送特性への影響が生じる。
【0035】
狭帯域信号からみると、図5(a)に示すように、多数の連続した狭帯域信号に対して許容干渉量を超える干渉が生じて伝送が困難になるという問題点があり、広帯域信号からみると、図5(b)に示すように、利用する周波数帯域内に狭帯域信号によるノッチが生じて信号波形がひずむことにより伝送品質が劣化するという問題点がある。したがって、各無線通信システムの伝送品質を維持するための制御が必要になる。
【発明の開示】
【0036】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、複数の無線通信システムにおいて、同一周波数帯域の適応的な重複利用を可能とする周波数チャネル割り当てシステム、基地局、制御局、異システム間共通制御装置、周波数チャネル割り当て方法及び制御方法を実現することを目的とする。
【0037】
本発明の第1の特徴は、共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システム及び制御部を具備する周波数チャネル割り当てシステムであって、前記制御部が、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能と、前記システム性質情報及び前記周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報に基づいて、システム間干渉を避けるように前記周波数チャネルを前記無線通信システムの各々に対して割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当て機能とを具備することを要旨とする。
【0038】
本発明の第1の特徴において、前記制御部が、基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル算出機能とを更に具備し、前記周波数チャネル割り当て機能が、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報及び前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、システム間干渉を避けるように前記周波数チャネルを前記無線通信システムの各々に対して割り当てるように構成されていてもよい。
【0039】
本発明の第1の特徴において、前記制御部が、前記複数の無線通信システムの各々に設けられた制御装置と、前記複数の無線通通信システムに接続されている異システム間共通制御装置とによって構成されており、前記制御装置が、前記チャネル状況情報収集機能と、前記所要周波数チャネル数算出機能と、前記所要の周波数チャネル数と前記チャネル状況情報とを、前記異システム間共通制御装置に通知するように構成されている通知機能とを具備し、前記異システム間共通制御装置が、前記システム性質情報管理機能と、前記周波数チャネル割り当て機能と、割り当てた前記周波数チャネルを前記制御装置の各々に対して通知するように構成されている周波数チャネル通知機能とを具備してもよい。
【0040】
本発明の第1の特徴において、前記異システム間共通制御装置が、前記複数の無線通信システム内の特定の無線通信システムの制御局に設けられていてもよい。
【0041】
本発明の第1の特徴において、前記システム性質情報として、前記周波数チャネルにおける重複利用の可否、前記周波数チャネルを割り当てる優先度、前記周波数チャネルの許容干渉量や、前記周波数チャネルで利用される周波数帯域幅の少なくとも1つを用いてもよい。
【0042】
本発明の第1の特徴において、前記チャネル状況情報として、前記周波数チャネルの利用状況、前記周波数チャネルにおける干渉量、前記周波数チャネルにおける電波伝搬路の変化の少なくとも1つを用いてもよい。
【0043】
本発明の第2の特徴は、無線通信システムにおいて、周波数チャネルを利用して移動局との間で無線通信を行う基地局であって、前記基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集するように構成されているチャネル状況情報収集機能と、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能と、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報とに基づいて、前記基地局と前記移動局との間で利用する周波数チャネルを選択するように構成されている周波数チャネル選択機能とを具備することを要旨とする。
【0044】
本発明の第2の特徴において、前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つを測定するように構成されている測定機能と、前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル数算出機能とを更に具備し、前記周波数チャネル選択機能が、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記基地局と前記移動局との間で利用する周波数チャネルを選択するように構成されていてもよい。
【0045】
本発明の第3の特徴は、無線通信システムにおいて、複数の基地局を制御する制御局であって、前記基地局の各々における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集するように構成されているチャネル状況情報収集機能と、前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル数算出機能と、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記基地局と移動局との間で利用する周波数チャネルを選択するように構成されていてもよい。
【0046】
本発明の第4の特徴は、複数の無線通信システムに接続されている異システム間共通制御装置であって、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能と、前記無線通信システムの基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報、及び、該基地局における所要の周波数チャネル数を、前記無線通信システムの制御局から収集するように構成されている収集機能と、管理している前記システム性質情報と、前記制御局から通知された前記チャネル状況情報及び前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記無線通信システムの各々に対して周波数チャネルを割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当て機能と、前記割り当てた前記周波数チャネルを、前記無線通信システムの前記制御局に通知するように構成されている周波数チャネル通知機能とを具備することを要旨とする。
【0047】
本発明の第4の特徴において、前記システム性質情報として、前記無線通信システムの基地局において利用可能な周波数チャネルごとに、前記周波数チャネルにおける重複利用の可否、前記周波数チャネルを割り当てる優先度、前記周波数チャネルの許容干渉量や、前記周波数チャネルで利用される周波数帯域幅の少なくとも1つを管理してもよい。
【0048】
本発明の第5の特徴は、共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システムにおいて、移動局と基地局との間で無線通信を行うために利用する周波数チャネルを割り当てる周波数チャネル割り当て方法であって、制御部が、基地局の各々における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する工程と、前記制御部が、収集した前記チャネル状況情報に基づいて、前記基地局の各々における所要の周波数チャネル数を算出する工程と、前記制御部が、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記無線通信システムの各々に対して周波数チャネルを割り当てる工程と、前記制御部が、割り当てた前記周波数チャネルを前記基地局に通知する工程と、前記基地局が、前記制御部によって通知された前記周波数チャネルを利用して、前記移動局との間で無線通信を行う工程とを有することを要旨とする。
【0049】
本発明の第6の特徴は、無線通信システムにおいて、周波数チャネルを利用して移動局との間で無線通信を行う基地局における制御方法であって、前記基地局が、該基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する工程と、前記基地局が、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理する工程と、前記基地局が、該基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出する工程と、前記基地局が、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、自局又は前記他の基地局と前記移動局との間で利用する周波数チャネルを選択する工程とを有することを要旨とする。
【0050】
本発明の第7の特徴は、無線通信システムにおいて、複数の基地局を制御する制御局における制御方法であって、前記制御局が、前記基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する工程と、前記制御局が、前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出する工程と、前記制御局が、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記基地局と移動局との間で利用する周波数チャネルを選択する工程とを有することを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1(a)及び図1(b)は、従来の無線LAN方式及びBluctooth方式が混在する通信環境を説明するための図である。
【図2】図2(a)及び図2(b)は、従来のOFDM/TDMA方式及びGSM方式が混在する通信環境を説明するための図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、従来技術に係る動的な周波数チャネル割り当てアルゴリズムを説明するための図である。
【図4】図4(a)及び図4(b)は、利用する周波数帯域幅が異なる2つの無線通信システムによる周波数帯域の共用の影響を示す図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は、干渉に対する性質が異なる2つの無線通信システムによる周波数帯域の共用の影響を示す図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、本発明の一実施形態に係る周波数チャネル割り当てシステムにおける周波数帯域の割り当て例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係る周波数チャネル割り当てシステムが適用されている無線通信システムの全体構成図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に係る周波数チャネル割り当てシステムが適用されている無線通信システムの全体構成図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムの全体構成図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムにおける移動局装置、基地局装置、制御装置、異システム間共通制御装置の機能ブロック図である。
【図11】図11は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムで用いられるデータ管理テーブルの一例を示す図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムにおける発呼動作(成功)を示すシーケンス図である。
【図13】図13は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムにおける発呼動作(失敗)を示すシーケンス図である。
【図14】図14は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムにおいて周波数チャネルを割り当てる動作を示すフローチャートである。
【図15】図15は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムにおいてデータ管理テーブルを更新する動作を示すフローチャートである。
【図16】図16(a)及び図16(b)は、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムにおける動的に周波数帯域を割り当てる概念を示す図である。
【図17】図17は、本発明の変更例1に係る周波数割り当てシステムのネットワーク構成図である。
【図18】図18は、本発明の変更例1に係る周波数割り当てシステムの機能ブロック図である。
【図19】図19は、本発明の変更例2に係る周波数割り当てシステムのネットワーク構成図である。
【図20】図20は、本発明の変更例2に係る周波数割り当てシステムの機能ブロック図である。
【図21】図21は、本発明の変更例3に係る周波数割り当てシステムのネットワーク構成図である。
【図22】図22は、本発明の変更例3に係る周波数割り当てシステムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
(本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステム)
図6乃至図16を参照して、本発明の一実施形態に係る周波数割り当てシステムについて説明する。
【0053】
図6に、複数の無線通信システムに対して同一周波数帯域を割り当てる例を示す。無線通信システム1乃至3は、利用形態及び通信方式の双方が異なる無線通信システム、或いは、利用形態及び通信方式のいずれか一方が異なる無線通信システムである。
【0054】
図6(a)は、無線通信システム1乃至3が同一周波数帯域幅を利用する場合の例であり、図6(b)は、無線通信システム1乃至3の各々が利用する周波数帯域の一部が重複する場合の例である。
【0055】
図7及び図8に、地理的に重複して展開する無線通信システム1及び2の一例を示す。
【0056】
図7の例では、無線通信システム1における複数の基地局111乃至113によってカバーされるエリアであるセル121乃至123と、無線通信システム2における複数の基地局211乃至213によってカバーされるエリアであるセル221乃至223は、部分的に重なり合っている。
【0057】
また、図8の例では、無線通信システム1のセル121が、無線通信システム2の複数のセル221乃至226を含むような階層構造となっている。
【0058】
図7及び図8のどちらの例においても、無線通信システム1及び2は、異なる目的で地理的に重なり合って利用されている。すなわち、同一の周波数帯域を利用する複数の無線通信システム1及び2は、同一地域で展開されることによって互いに干渉を及ぼす。
【0059】
本実施形態に係る周波数割り当てシステムは、図7及び図8のような無線通信システム1及び2に適用されるものであって、他方の無線通信システムの干渉を考慮して周波数チャネルを割り当てることにより、高品質な通信品質を維持しつつ、効率的な周波数利用を実現するものである。
【0060】
図9に示すように、本実施形態に係る周波数割り当てシステムは、共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システム1及び2と制御部とを具備する。具体的には、無線通信システム1は、複数の移動局装置1311乃至1315と、複数の基地局装置1111乃至1113と、制御局装置141とを具備し、無線通信システム2は、複数の移動局装置2311乃至2315と、複数の基地局装置2111乃至2113と、制御局装置241と、異システム間共通制御装置31とを具備する。
【0061】
なお、上述の制御部は、制御局装置241と異システム間共通制御装置31とによって構成されている。図9の例では、制御装置141、241は、複数の無線通信システム1、2の各々に設けられており、異システム間共通制御装置31は、複数の無線通通信システム1、2に接続されている。
【0062】
図10を参照して、基地局装置111、移動局装置131及び移動局装置231の具体的な構成について説明する。なお、本実施形態では、複数の移動局装置1311乃至1315、2311乃至2315の構成がそれぞれ同一であり、複数の基地局装置1111乃至1113、2111乃至2113の構成がそれぞれ同一であり、制御装置141及び241の構成がそれぞれ同一であるものとする。
【0063】
基地局装置111は、図10に示すように、呼受付部1111と、チャネル検索部1112と、チャネル割当可否判定部1113と、呼損率測定部1114と、呼損処理部1115と、チャネル割当制御部1116と、無線伝送部1117と、干渉量測定部1118と、チャネル利用状況判定部1119と、呼量測定部1120と、終呼制御部1121とを具備している。
【0064】
呼受付部1111は、移動局装置131の発呼制御部1311からの発呼に対する受付処理を行い、チャネル検索部1112に対して割り当てるべき周波数チャネルを検索するように指示するように構成されている。
【0065】
チャネル検索部1112は、呼受付部1111からの指示に応じて、制御装置141の割当チャネル決定部1411に対して、上述の周波数チャネルの割り当てを要求するためのチャネル割当要求を送信するように構成されている。
【0066】
チャネル割当可否判定部1113は、割当チャネル決定部1411によって割り当てられた周波数チャネルに係る情報(割り当て可能な周波数チャネルが存在するか否かについての情報を含む)に基づいて、上述の周波数チャネルを割り当て可能か否かについて判定するように構成されている。
【0067】
呼損率測定部1114は、チャネル割当可否判定部1113における判定結果に基づいて、基地局装置111配下のセル毎の呼損率(無線通信システムにおける所要チャネル数の算出に利用)を算出し、制御装置141の所要チャネル決定部1412へ通知するように構成されている。
【0068】
呼損処理部1115は、チャネル割当可否判定部1113によって割り当て可能な周波数チャネルが存在しないと判定された場合に、移動局装置131に対して、呼損処理を行うように構成されている。
【0069】
一方、チャネル割当制御部1116は、チャネル割当可否判定部1113によって割り当て可能な周波数チャネルが存在すると判定された場合に、基地局装置111と移動局装置131との間の無線通信に用いられる周波数チャネルを割り当てるための制御信号(割り当てられる周波数チャネルを特定する情報を含む)を、移動局装置131のチャネル割当制御部1312に対して送信するように構成されている。
【0070】
無線伝送部1117は、チャネル割当制御部1116からの指示に応じて、移動局装置131の無線伝送部1313との間で無線通信を行うように構成されている。
【0071】
干渉量測定部1118は、基地局装置111で使用している周波数チャネルを含む無線通信システムにおいて利用可能な周波数チャネルについて、干渉電力等の干渉量(他の無線通信システムとの周波数帯域の重複利用の可否判定に利用する通信品質。例えば、1キャリア当たりの干渉電力)を一定の時間間隔で測定し、制御装置141の干渉量収集部1413に通知するように構成されている。
【0072】
チャネル利用状況判定部1119は、チャネル割当制御部1116による周波数チャネル割り当て処理や、終呼処理部1121による周波数チャネル開放処理に応じて、基地局装置111における周波数チャネルの利用状況を判定し、判定結果を示すチャネル利用状況を、呼量測定部1120及び制御装置141のチャネル利用状況収集部1414へ通知するように構成されている。
【0073】
呼量測定部1120は、開放された周波数チャネルによって運ばれた呼量(無線通信システムにおける所要チャネル数の算出に利用される)を測定し、制御装置141の所要チャネル決定部1412へ通知するように構成されている。
【0074】
終呼処理部1121は、移動局装置131の終呼制御部1314に対して、終呼用の制御信号を送ることによって、周波数チャネル開放処理を行い、移動局装置131と基地局装置111との間の無線通信を終了させるように構成されている。
【0075】
制御装置141は、図10に示すように、割当チャネル決定部1411と、所要チャネル数決定部1412と、干渉量収集部1413と、チャネル利用状況収集部1414とを具備している。
【0076】
割当チャネル決定部1411は、基地局装置111のチャネル検索部1112からのチャネル割当要求に従い、異システム間共通制御装置31の最適チャネル決定部318に対して、データ管理テーブル317を参照して利用可能な周波数チャネル(最適チャネル)を決定するように要求するための最適チャネル指定要求を送信するように構成されている。
【0077】
また、割当チャネル決定部1411は、異システム間共通制御装置31の最適チャネル決定部318から最適チャネルに係る情報(利用可能なチャネルの有無に係る情報を含む)を受信して、基地局装置111のチャネル割当可否判定部1113に対して割当チャネルとして通知するように構成されている。
【0078】
所要チャネル数決定部1412は、各無線通信システムの基地局装置111(又は、セル)毎の呼損率及び各周波数チャネル単位の呼量に基づいて、各無線通信システムが所要の呼損率を満たすために必要な所要チャネル数を算出し、異システム間共通制御装置31の周波数帯域割当決定部311に通知するように構成されている。
【0079】
すなわち、所要チャネル数決定部1412が、基地局における呼損率に基づいて、当該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル算出機能を構成する。
【0080】
干渉量収集部1413は、複数の基地局装置から通知される干渉量を集約し、異システム間共通制御装置31の許容干渉量算出部312に通知するように構成されている。
【0081】
干渉量収集部1413は、周波数チャネルの利用状況に変化があったタイミング、一定時間毎の周期的なタイミング、呼損率や呼量等の所定の基準値に著しい変化があったタイミング等の所定のタイミングで、上述の干渉量を収集するように構成されている。
【0082】
チャネル利用状況収集部1414は、複数の基地局装置から通知される基地局装置毎のチャネル利用状況を集約し、異システム間共通制御装置31の周波数利用状況収集部315に通知するように構成されている。
【0083】
チャネル利用状況収集部1414は、周波数チャネルの利用状況に変化があったタイミング、一定時間毎の周期的なタイミング、呼損率や呼量等の所定の基準値に著しい変化があったタイミング等の所定のタイミングで、上述のチャネル利用状況を収集するように構成されている。
【0084】
ここで、干渉量収集部1413及びチャネル利用状況収集部1414が、チャネル状況情報を収集するように構成されているチャネル状況情報収集機能を構成する。
【0085】
異システム間共通制御装置31は、図10に示すように、周波数帯域割当決定部311と、許容干渉量算出部312と、重複利用候補周波数帯域決定部313と、占有・重複利用周波数帯域決定部314と、周波数帯域利用状況収集部315と、テーブル更新部316と、データ管理テーブル317と、最適チャネル決定部318とを具備している。
【0086】
周波数帯域割当決定部311は、複数の制御装置から通知された各無線通信システムの基地局装置毎の所要チャネル数に応じて、各無線通信システム(若しくは、各セル又は各基地局装置)に対して所要の周波数帯域を算出するように構成されている。
【0087】
許容干渉量算出部312は、各無線通信システムの各基地局装置(又は、各セル)における周波数帯域毎に、通信品質を維持することが可能な許容干渉量(干渉量の閾値)を算出し、重複利用候補周波数帯域決定部313及びテーブル更新部316へ入力するように構成されている。
【0088】
重複利用候補周波数帯域決定部313は、許容干渉量算出部312から入力された許容干渉量に基づき、複数の無線通信システム間で重複して利用することが可能な周波数帯域の候補を決定するように構成されている。
【0089】
占有・重複利用周波数帯域決定部314は、周波数帯域割当決定部311及び重複利用候補周波数帯域決定部313の出力結果から、各無線通信システムが占有する周波数帯域、及び、複数の無線通信システム間で重複利用する周波数帯域を決定し、重複利用する周波数帯域に係る情報をテーブル更新部316へ出力するように構成されている。
【0090】
周波数帯域利用状況収集部315は、無線通信システム毎の周波数帯域利用状況を集約し、テーブル更新部316へ入力するように構成されている。
【0091】
テーブル更新部316は、許容干渉量算出部312や占有・重複利用周波数帯域決定部314や周波数帯域利用状況収集部315からの入力(例えば、許容干渉量の変動や周波数低域利用状況の変動や占有利用周波数帯域(又は、重複利用周波数帯域)の変動に応じて、データ管理テーブル317の各情報を適宜更新するように構成されている。
【0092】
図11に、本実施形態に係る周波数割り当てシステムで用いられるデータ管理テーブル317の一例を示す。データ管理テーブル317は、異システム間共通制御装置31によって管理されている。
【0093】
図11に示すように、データ管理テーブル317は、各無線通信システムにおけるセル毎に、周波数チャネルを識別するための「チャネル番号(N11n、N21n)」と、当該周波数チャネルを割り当てる優先度を示す「優先度(P11n、P21n)」と、当該周波数チャネルにおける重複利用の可否を示す「占有利用又は重複利用」と、当該周波数チャネルの利用状況を示す「チャネルの利用状況(未使用又は利用中)」と、当該周波数チャネルにおける「干渉量(I11n、I21n)」と、当該周波数チャネルにおける「許容干渉量(A11n、A21n)」とを関連付けて管理する。
【0094】
ここで、「優先度」、「占有利用又は重複利用」及び「許容干渉量」が、各無線通信システム(セル)における周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報である。なお、システム性質情報として、周波数チャネルで利用される周波数帯域幅等の他の情報が用いられてもよい。
【0095】
また、「チャネル利用状況」や「干渉量」が、周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報である。なお、チャネル状況情報として、周波数チャネルにおける電波伝搬路の変化が用いられてもよい。
【0096】
ここで、周波数チャネルにおける「干渉量」は、同一の周波数チャネルからの干渉量だけでなく、隣接チャネルからの干渉量等を含むトータル干渉量を示す。
【0097】
また、周波数チャネルにおける「許容干渉量」は、例えば、「耐干渉能力の性質」や、「干渉が増加しても通信を良好に維持できる最大の干渉量」や、「チャネル状況情報から推定される許容干渉量の予想値」や、「実際に少量ずつ干渉を増加させて測った許容干渉量の限界値」等を含む。
【0098】
すなわち、データ管理テーブル317は、無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能である。
【0099】
最適チャネル決定部318は、制御装置141の割当チャネル決定部1411からの最適チャネル指定要求に応じて、データ管理テーブル317を参照して最適チャネルを決定して、決定した最適チャネルを当該割当チャネル決定部1411に返信するように構成されている。
【0100】
なお、無線通信システム(基地局装置又はセル)毎で、最適チャネルとして優先的に割り当てられる周波数チャネルは異なる。
【0101】
例えば、最適チャネル決定部318は、干渉量及び許容干渉量に基づいて周波数チャネルの割り当てが許容されていると判断する場合、各無線通信システム1、2における優先度P11n、P21nに従って、周波数チャネルを割り当てることによって、後述の図16(a)に示すように、各無線通信システムの占有周波数帯域と重複利用周波数帯域が混在するように周波数帯域を割り当てることができる。例えば、無線システム1では、低い周波数帯域の周波数チャネルの優先度が高く、無線システム2では、高い周波数帯域の周波数チャネルの優先度が高いものとする。
【0102】
一方、最適チャネル決定部318は、異なる無線通信システムの周波数チャネルが無駄なく周波数帯域を利用する場合、図16(b)に示すように、全周波数帯域を重複利用周波数帯域とするように周波数帯域を割り当てることができる。
【0103】
すなわち、最適チャネル決定部318は、システム性質情報及びチャネル状況情報に基づいて、システム間干渉を避けるように周波数チャネルを無線通信システムの各々に対して割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当て機能である。
【0104】
図12に、本実施形態に係る周波数割り当てシステムにおいて、周波数帯域を重複利用する場合に、移動局装置131と基地局装置111との間の通信が設定される動作を示す。
【0105】
図12に示すように、ステップ(C1)において、無線通信システム1の移動局装置131が、基地局装置111に対して発呼処理を行う。
【0106】
ステップ(C2)において、基地局装置111が、ステップ(C1)の発呼処理に応じて、制御装置141に対して、必要な周波数チャネルを割り当てるように要求するチャネル割当要求を送信する。
【0107】
ステップ(C3)において、制御装置141が、ステップ(C2)のチャネル割当要求に応じて、異システム間共通制御装置31に対して、当該発呼処理に対して割り当てるべき最適な周波数チャネル(周波数帯域)を指定するように要求する最適チャネル指定要求を送信する。
【0108】
ステップ(C4)において、制御装置141が、ステップ(C2)のチャネル割当要求に応じて、各基地局装置111、211における呼損率(基地局装置毎又はセル毎)及び呼量(周波数チャネル毎)に基づいて、各基地局装置111、211における所要の周波数チャネルの数(所要チャネル数)を算出し、異システム間共通制御装置31に対して、かかる所要チャネル数を報告する。
【0109】
ステップ(C5)において、異システム間共通制御装置31が、制御装置141から通知された各基地局装置111、211における所要チャネル数に応じて、所要チャネル数を満たす周波数チャネル(周波数帯域)の確保が可能か否かについて判定する。
【0110】
なお、異システム間共通制御装置31は、基地局装置111において所要チャネル数を満たす周波数チャネル(周波数帯域)の確保が可能である場合、基地局装置111に対して所要の周波数帯域を割り当てるように決定する。その後、異システム間共通制御装置31は、基地局装置111が占有する周波数帯域、及び、複数の基地局装置間で重複利用する周波数帯域を決定する。
【0111】
ステップ(C6)において、異システム間共通制御装置31が、決定された占有する周波数帯域及び重複利用する周波数帯域に係る情報に基づいて、データ管理テーブル317を更新する。
【0112】
ステップ(C7)において、異システム間共通制御装置31が、ステップ(C3)の最適チャネル指定要求に応じて、データ管理テーブル317を参照して、最適チャネルを指定する。
【0113】
ステップ(C8)において、異システム間共通制御装置31が、制御装置141に対して、最適チャネルを通知するとともに、当該最適チャネルを周波数チャネルとして割り当てるように指示する。
【0114】
ステップ(C9)において、制御装置141が、基地局装置111に対して、最適チャネルを周波数チャネルとして割り当てるように指示する
ステップ(C10)において、基地局装置111が、通知された最適チャネルを用いて、移動局131との間の通信を設定する。
【0115】
ステップ(C11)において、基地局装置111が、通信中に、使用する全ての周波数チャネルにおける干渉量(例えば、干渉電力等の通信品質)を測定する。
【0116】
ステップ(C12)において、基地局装置111が、測定した干渉量を、制御装置141に通知する。すなわち、基地局装置111で測定された干渉量は、一旦、制御装置141によって収集される。
【0117】
ステップ(C13)において、制御装置141が、基地局装置111から収集した干渉量を、異システム間共通制御装置31に対して通知する。
【0118】
ステップ(C14)において、異システム間共通制御装置31が、通知された干渉量に基づいて、データ管理テーブル317を更新する。また、異システム間共通制御装置31は、基地局装置111における周波数チャネル毎に、通信品質を維持することが可能な許容干渉量を算出し、算出した許容干渉量に基づいて、データ管理テーブル317を更新する。さらに、異システム間共通制御装置31は、算出された許容干渉量に基づいて、複数のセル間で重複して利用することが可能な周波数帯域の候補を決定し、その結果に基づいて、特定のセルが占有する周波数帯域及び複数のセル間で重複利用する周波数帯域を決定し、テーブル更新部316を更新する。
【0119】
ステップ(C15)において、移動局装置131が、基地局装置111に対して、終呼又はハンドオーバーに伴う周波数チャネルの開放を要求した後、移動局装置131と基地局装置111との間の通信を完了し、当該周波数チャネルを開放する。
【0120】
ステップ(C16)において、基地局装置111が、制御装置141に対して、当該周波数チャネルが開放されたことを報告する。
【0121】
ステップ(C17)において、制御装置141が、異システム間共通制御装置31に対して、当該周波数チャネルが開放されたことを報告する。
【0122】
ステップ(C18)において、異システム間共通制御装置31が、当該周波数チャネルの開放処理に係る情報に基づいて、データ管理テーブル317を更新する。
【0123】
図13に、本実施形態に係る周波数割り当てシステムにおいて、周波数帯域を重複利用する場合に、移動局装置131と基地局装置111との間の通信が設定されずに呼損処理となる場合の動作を示す。
【0124】
図13に示すように、ステップ(C1)において、無線通信システム1の移動局装置131が、基地局装置111に対して発呼処理を行う。
【0125】
ステップ(C2)において、基地局装置111が、ステップ(C1)の発呼処理に応じて、制御装置141に対して、必要な周波数チャネルを割り当てるように要求するチャネル割当要求を送信する。
【0126】
ステップ(C3)において、制御装置141が、ステップ(C2)のチャネル割当要求に応じて、異システム間共通制御装置31に対して、当該発呼処理に対して割り当てるべき最適な周波数チャネル(周波数帯域)を指定するように要求する最適チャネル指定要求を送信する。
【0127】
ステップ(C4)において、制御装置141が、ステップ(C2)のチャネル割当要求に応じて、各基地局装置111、211における呼損率(基地局装置毎又はセル毎)及び呼量(周波数チャネル毎)に基づいて、各基地局装置111、211における所要の周波数チャネルの数(所要チャネル数)を算出し、異システム間共通制御装置31に対して、かかる所要チャネル数を報告する。
【0128】
ステップ(C5)において、異システム間共通制御装置31が、制御装置141から通知された所要チャネル数に応じて、所要チャネル数を満たす周波数チャネル(周波数帯域)の確保が可能か否かについて判定する。
【0129】
なお、異システム間共通制御装置31は、基地局装置111において所要チャネル数を満たす周波数チャネル(周波数帯域)の確保が可能である場合、基地局装置111に対して所要の周波数帯域を割り当てるように決定する。その後、異システム間共通制御装置31は、基地局装置111が占有する周波数帯域、及び、複数の基地局装置間で重複利用する周波数帯域を決定する。
【0130】
ステップ(C6)において、異システム間共通制御装置31が、決定された占有する周波数帯域及び重複利用する周波数帯域に係る情報に基づいて、データ管理テーブル317を更新する。
【0131】
ステップ(C20)において、異システム間共通制御装置31が、最適チャネルを検索することができない場合、呼損処理を行うことを決定する。
【0132】
ステップ(C21)において、異システム間共通制御装置31が、制御装置141に対して、呼損処理を行うように指示する。
【0133】
ステップ(C22)において、制御装置141が、基地局装置111に対して、呼損処理を行うように指示する。
【0134】
ステップ(C23)において、基地局装置111が、移動局13からの発呼要求に対して、呼損処理を行う。
【0135】
次に、図14を参照して、本実施形態に係る周波数割り当てシステムにおいて、動的に周波数チャネルを割り当てる動作について説明する。
【0136】
ステップS(A1)において、移動局装置131が発呼処理を行った場合、異システム間共通制御装置31が、最適チャネル指定要求を受信する。
【0137】
ステップ(A2)において、異システム間共通制御装置31が、データ管理テーブル317の「チャネル利用状況」及び「占有利用/重複利用」を参照する。
【0138】
ステップ(A3)において、異システム間共通制御装置31が、無線通信システム1の占有利用周波数帯域に空きチャネルがあるか否かについて検索する。
【0139】
ステップ(A4)において、無線通信システム1の占有利用周波数帯域に空きチャネルがある場合に、異システム間共通制御装置31が、基地局装置111に対して、上述の発呼処理に係る通信用に当該空きチャネルを割り当てる。
【0140】
ステップ(A5)において、無線通信システム1の占有利用周波数帯域に空きチャネルがない場合に、異システム間共通制御装置31が、無線通信システム1の重複利用周波数帯域に空きチャネルがあるか否かについて検索する。
【0141】
ステップ(A6)において、無線通信システム1の重複利用周波数帯域に空きチャネルがない場合、異システム間共通制御装置31が、呼損処理を行うことを決定する。
【0142】
ステップ(A7)において、無線通信システム1の重複利用周波数帯域に空きチャネルがある場合、異システム間共通制御装置31が、当該周波数帯域を重複利用する相手である無線通信システム2における許容干渉量の特性(許容干渉量が固定である固定型、又は、許容干渉量が可変拡散率等により可変である可変型)を判定する。
【0143】
ステップ(A8)において、無線通信システム2における許容干渉量の特性が固定型である場合、異システム間共通制御装置31が、データ管理テーブル317における当該周波数チャネルに対応する「許容干渉量」及び「干渉量」を参照し、参照した「許容干渉量」と「干渉量」とを比較する。
【0144】
ステップ(A9)において、「干渉量」が「許容干渉量」以上の場合、異システム間共通制御装置31が、呼損処理を行うことを決定する。
【0145】
一方、ステップ(A10)において、「干渉量」が「許容干渉量」よりも小さい場合、異システム間共通制御装置31が、当該周波数チャネルの重複利用を許可し、基地局装置111に対して、上述の発呼処理に係る通信用に当該空きチャネルを割り当てる。
【0146】
ステップ(A11)において、無線通信システム2における許容干渉量の特性が可変型である場合、異システム間共通制御装置31が、データ管理テーブル317における当該周波数チャネルの「許容干渉量」及び「干渉量」を参照し、参照した「許容干渉量」と「干渉量」とを比較する。
【0147】
ステップ(A12)において、「干渉量」が「許容干渉量」以上の場合、異システム間共通制御装置31が、呼損処理を行うことを決定する。
【0148】
一方、ステップ(A13)において、「干渉量」が「許容干渉量」よりも小さい場合、異システム間共通制御装置31が、さらに所要システム容量から算出する「許容干渉量」と「干渉量」とを比較する。
【0149】
ステップ(A14)において、所要システム容量から算出する「許容干渉量」が「干渉量」以下の場合、異システム間共通制御装置31が、呼損処理を行うことを決定する。
【0150】
ステップ(A15)において、所要システム容量から算出する「許容干渉量」が「干渉量」より大きい場合、異システム間共通制御装置31が、当該周波数チャネルの重複利用を許可し、基地局装置111に対して、上述の発呼処理に係る通信用に当該空きチャネルを割り当てる。
【0151】
ここで、ステップ(A15)における所要システム容量から算出する「許容干渉量」とは、当該周波数帯域を重複利用する相手である無線通信システム2の周波数チャネルの利用要求(例えば、システム容量や、通信速度、スループットや、回線容量の総和)によって算出される許容干渉量の上限値である。
【0152】
これに対して、ステップ(A11)における「許容干渉量」は、上述のデータ管理テーブル317における当該周波数チャネルの「許容干渉量」によって規定されるものである。
【0153】
なお、無線通信システム1における許容干渉量の特性が可変型である場合、無線通信システム1の周波数チャネルの利用要求(例えば、システム容量や、通信速度、スループットや、回線容量の総和)によって算出される許容干渉量の上限値を用いた比較(ステップ(A13)と同様の比較)を行うように構成されていてもよい。
【0154】
以上の周波数チャネルの割り当て結果又は呼損処理結果は、データ管理テーブル317の更新に用いられる。
【0155】
ここで、周波数チャネルを重複利用した場合に、周囲の各無線通信システムにおける基地局装置に及ぼす干渉量の推定方法について述べる。
【0156】
複数の無線通信システムと通信可能な無線機を有する移動局装置は、各無線通信システムにおける基地局装置から当該移動局装置への伝搬損失を測定することによって、当該基地局装置からの下りリンクにおける干渉量を算出できる。
【0157】
そこで、基地局装置と移動局装置との間の無線通信システムに固有の下りリンク共通制御チャネル(共通パイロット信号等)の電力を測定することによって、各無線通信システム及び各セルへの干渉量を推定できる。
【0158】
また、基地局装置と移動局装置との間の上りリンクにおける伝搬損失は、下りリンクにおける伝搬損失とほぼ等しいことから、上りリンクにおける干渉量も推定することが可能である。
【0159】
つまり、周波数チャネルを重複利用する無線通信システムにおいて、移動局装置が周囲の複数の基地局装置からの下りリンクにおける伝搬損失を測定することによって、当該移動局装置の移動に応じて変化する干渉量に追従することができる。
【0160】
また、移動局装置に設けられている無線機が1つに限られており、当該移動局装置が単一の無線通信システムからの制御信号のみを受信できる場合には、当該移動局装置から無線通信システム及び周囲の基地局装置への複数の上りリンクにおける伝搬損失を測定し、上りリンクにおける干渉量を算出することによって、上りリンクにおける伝搬損失から下りリンクにおける干渉量を推定することができる。
【0161】
このとき、まず、基地局装置が、移動局装置に対して、伝搬損失を測定するための制御信号(パイロット信号、トレーニング信号等)を発信する命令を送信し、各無線通信システム及び周囲の基地局装置が、当該移動局装置によって発信された制御信号を受信して測定する。観測するタイミングは、ネットワークを介した当該基地局装置から異システム間共通制御局装置31を経由して周囲の基地局装置に対して通知される。
【0162】
各無線通信システム及び周囲の基地局装置は、複数の無線通信システムの移動局装置からの制御信号を観測できるものとし、移動局装置を識別するために、トレーニング信号やプリアンプルや、CDMAシステムの場合にはコードを利用する。基地局装置からの情報と合わせて移動局装置を識別することが可能である。
【0163】
また、送信のタイミングを把握することができるので、制御信号の総干渉量の差分から干渉量を測定することも可能である。また、移動局装置の位置から発信した場合の周辺の基地局装置への干渉量を予めデータ管理テーブル317に登録しておき、移動局装置の位置を測定して干渉量を周辺の基地局装置に連絡する方法も適用できる。
【0164】
次に、図15を参照して、本実施形態に係る周波数割り当てシステムにおいて、データ管理テーブルを更新する動作について説明する。
【0165】
ステップ(B1)において、基地局装置111が、発呼処理又はハンドオーバーに伴う周波数チャネルの割り当てを要求するためのチャネル割当要求を送信する。
【0166】
ステップ(B2)において、異システム間共通制御装置31が、無線通信システムの占有利用周波数帯域における空きチャネルの有無を判定する。
【0167】
ステップ(B3)において、当該占有利用周波数帯域に空きチャネルがない場合、異システム間共通制御装置31が、当該無線通信システムの重複利用周波数帯域における空きチャネルの有無を判定する。
【0168】
ステップ(B4)において、当該無線通信システムの占有利用周波数帯域又は重複利用周波数帯域に空きチャネルがある場合、異システム間共通制御装置31が、かかる空きチャネルをチャネル割当要求に対して割り当てる周波数チャネルとする。
【0169】
ステップ(B5)において、重複利用周波数帯域に空きチャネルがない場合、異システム間共通制御装置31が、呼損処理を行うことを決定する。
【0170】
ステップ(B6)において、当該無線通信システムの占有利用周波数帯域又は重複利用周波数帯域における周波数チャネルの割り当て処理の結果から、制御装置141が、定期的に当該無線通信システムにおける呼損率(基地局装置毎又はセル毎)を測定する。
【0171】
ステップ(B7)において、基地局装置111が、終呼処理又はハンドオーバーに伴い、移動局装置131との間で設定されていた周波数チャネルを開放する。
【0172】
ステップ(B8)において、制御装置141が、ステップ(B4)における周波数チャネルの割り当て結果及びステップ(B7)における周波数チャネルの開放結果に基づき、チャネル利用状況を算出して異システム間共通制御装置31に対して通知する。
【0173】
ステップ(B9)において、基地局装置111が、移動局装置131との間の通信中に運ばれた呼量(周波数チャネル毎)を測定する。
【0174】
ステップ(B10)において、制御装置141が、ステップ(B6)で測定された当該無線通信システムの呼損率及びステップ(B9)で測定された呼量に基づいて、当該無線通信システムにおける所要チャネル数(所要の呼損率を満たすために必要な周波数チャネル数)及び所要周波数帯域を決定する。
【0175】
ステップ(B11)において、異システム間共通制御装置31が、無線通信システム1及び無線通信システム2の所要チャネル数に基づいて、当該無線通信システム1及び当該無線通信システム2に対して割り当てる周波数帯域を決定する。
【0176】
ステップ(B12)において、基地局装置111、211が、移動局装置131、231との間の通信中に使用する全ての周波数チャネルにおける干渉量を測定する。かかる周波数チャネルにおける干渉量には、同一の周波数チャネルからの干渉量に加えて、隣接する周波数チャネルからの干渉量等も含まれる。
【0177】
ステップ(B13)において、異システム間共通制御装置31が、ステップ(B12)で測定された干渉量に基づいて、基地局装置111、211が使用する全ての周波数チャネルにおける許容干渉量を算出する。
【0178】
ステップ(B14)において、異システム間共通制御装置31が、ステップ(B13)で算出された許容干渉量に基づいて、重複利用候補の周波数帯域を決定する。
【0179】
ステップ(B15)において、異システム間共通制御装置31が、ステップ(B11)で決定された割り当て周波数帯域及びステップ(B14)で決定された重複利用候補の周波数帯域に基づいて、周波数帯域毎の占有・重複利用周波数帯域を決定する。
【0180】
ステップ(B16)において、異システム間共通制御装置31が、ステップ(B8)で更新されたチャネル利用状況と、ステップ(B15)で決定された占有・重複利用周波数帯域のそれぞれに基づき、データ管理テーブル317を更新する。
【0181】
本実施形態に係る周波数割り当てシステムによれば、図16(a)及び(b)に示すように、異なる複数の無線通信システムによる周波数帯域の共用化を実現することができる。
【0182】
このとき、周波数帯域の共用状態又はトラフィック量やトラフィック種類によって、図16(a)に示すように、各無線通信システムの占有利用周波数帯域と重複利用周波数帯域が混在する周波数帯域の割り当て制御、又は、図16(b)に示すように、全周波数帯域を重複利用周波数帯域とする周波数帯域の割り当て制御を行うことができる。
【0183】
本実施形態に係る周波数割り当てシステムでは、干渉に対する性質と利用周波数帯域幅が異なる広帯域CDMA無線通信システムと挟帯域TDMA無線通信システムとが同一周波数帯域で共存する場合を想定しているが、本発明は、干渉に対する性質が等しい無線通信システムが共存する場合や3つ以上の無線通信システムが共存する場合についても適用できる。
【0184】
本実施形態に係る周波数割り当てシステムによれば、極めて柔軟な周波数帯域の割り当て制御が可能となり、周波数帯域の利用効率を高めることができる。さらに、本実施形態に係る周波数割り当てシステムによれば、トラフィック量に基づく所要チャネル数や、複数の無線通信システム間の干渉量に応じて、柔軟な周波数帯域の割り当て制御を容易に実現可能であり、不均一なトラフィック分布に対しても、効果的な周波数帯域の割り当て制御を実現できる。
【0185】
また、本実施形態に係る周波数割り当てシステムによれば、共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システムにおいて、各無線通信システムや各基地局装置における周波数チャネルの状況、及び、無線通信システム毎のトラフィックに応じて決定される所要の周波数チャネル数を考慮して、無線通信システム毎、周波数チャネル毎の許容干渉量に基づいて、異なる無線通信システムによる同一の周波数帯域の適応的な重複利用を可能とする周波数チャネル割り当てシステム、基地局、制御局、異システム間共通制御装置及び周波数チャネル割り当て方法を実現することができる。
【0186】
(変更例1)
図17及び図18を参照して、変更例1に係る周波数チャネル割り当てシステムについて説明する。
【0187】
図17に示すように、変更例1に係る周波数チャネル割り当てシステムは、複数の移動局131〜135、231〜235と、複数の基地局111〜113、211〜213と、複数の基地局111〜113、211〜213を統括する制御局14、24と、異システム間共通制御局3とを具備している。
【0188】
図17に示すように、異システム間共通制御局3は、複数の制御局14、24とネットワークを介して接続しており、複数の制御局14、24は、複数の基地局111〜113、211〜213とネットワークを介して接続しており、複数の基地局111〜113、211〜213は、セル121〜123、221〜223に在圏する複数の移動局131〜135、231〜235と無線チャネルを介して接続している。
【0189】
変更例1では、異システム間共通制御局3は、複数の制御局14、24から通知されるチャネル状況情報(例えば、制御局14から通知される基地局11における所要チャネル数や干渉量やチャネル利用状況等)に基づいて、異なる無線通信システム間の相互干渉を避けて複数の無線通信システムの各々に属する基地局131〜135、231〜235と移動局131〜135、231〜235との間の通信を行うための周波数帯域を決定して、制御局14、24に対して周波数チャネルの割り当て制御を行わせる機能を備える。
【0190】
図18に、図17に示す無線通信システムにおける各無線局(移動局、基地局、制御局、異システム間共通制御局)の有する装置のネットワーク接続構成を示す。
【0191】
移動局131〜135、231〜235は、基地局131〜135、231〜235との間で通信を行うために、周波数チャネルの割り当てを要求するチャネル割当要求を送信するように構成されている移動局装置131、231を備える。移動局装置1311〜1315、2311〜2315は、基地局131〜135、231〜235により指定された周波数チャネルを用いて通信を行う。
【0192】
基地局111〜113、211〜213は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113を備える。基地局装置1111〜1113、2111〜2113は、移動局装置1311〜1315、2311〜2315によるチャネル割当要求を受け付け、当該基地局111〜113、211〜213が属する制御局14、24に対して当該基地局111〜113、211〜213に属する移動局131〜135、231〜235との間で無線通信を行うための周波数チャネルを割り当てるように要求し、制御局14、24により割り当てられた周波数チャネルの情報を受け付け、当該周波数チャネルの情報に基づいて指定された周波数チャネルを用いて移動局装置1311〜1315、2311〜2315と通信を行う。
【0193】
また、基地局装置1111〜1113、2111〜2113は、通信中に、各周波数チャネルにおける干渉量や呼損率や呼量やチャネル利用状況を測定して制御局14、24に通知する。
【0194】
制御局14、24は、制御装置141、241を備える。制御装置141、241は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113によるチャネル割当要求を受け付け、異システム間共通制御局3に対して当該制御局14、24に属する基地局111〜113、211〜213の基地局装置1111〜1113、2111〜2113に対して割り当てるべき最適チャネルを指定するように要求する最適チャネル指定要求を送信し、異システム間共通制御局3によって割り当てられた最適チャネルの情報を受け付け、当該最適チャネルの情報に基づき基地局装置1111〜1113、2111〜2113による移動局装置1311〜1315、2311〜2315に対する周波数チャネルの割り当てを制御する。
【0195】
また、制御装置141、241は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113にから通知される干渉量や呼損率や呼量やチャネル利用状況を受け付け、これらの情報に基づき、当該制御局14、24に属する基地局111〜113、211〜213及び移動局131〜135、231〜235における所要チャネル数を算出して、干渉量及びチャネル利用状況と共に、異システム間共通制御局3に通知する。
【0196】
異システム間共通制御局3は、異システム間共通制御装置31を備える。異システム間共通制御装置31は、複数の制御装置141、241によるチャネル割当要求を受け付け、複数の制御装置141、241から通知されるチャネル状況情報(例えば、チャネル利用状況や干渉量)と所要チャネル数とシステム性質情報(1キャリアあたりの周波数帯域幅や許容干渉量や優先度等)を、例えば、周波数帯域毎、無線通信システム毎、セル毎に管理する。
【0197】
また、異システム間共通制御装置31は、複数の無線通信システム1、2に割り当てられた共通周波数帯域を使用して、異なる無線通信システムの干渉を避けて複数の無線通信システム1、2の各々に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が通信を行うための周波数帯域又は周波数チャネルを決定し、決定した周波数チャネルを複数の制御装置141、241に周知する。
【0198】
上述のように、制御局14、24は、異システム間共通制御装置31によって割り当てられた周波数チャネルを基地局111〜113、211〜213に通知する機能と、基地局111〜113、211〜213における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する機能と、収集したチャネル状況情報に基づいて基地局111〜113、211〜213における所要チャネル数を算出する機能と、異システム間共通制御装置31に対してチャネル状況情報及び所要チャネル数を通知する機能とを具備する。
【0199】
また、異システム間共通制御装置31は、無線通信システム1、2における周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理する機能と、管理しているシステム性質情報と制御局14、24から通知されたチャネル状況情報及び所要チャネル数とに基づいて、無線通信システム1、2に対して周波数チャネルを割り当てる機能と、割り当てた周波数チャネルを無線通信システム1、2の制御局14、24に通知する機能とを具備する。
【0200】
複数の制御局14及び24は、基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235との間で無線通信を行うための周波数チャネルを割り当て、各基地局111〜113、211〜213におけるチャネル状況情報を収集し、チャネル状況情報に基づいて所要チャネル数を算出する。収集されたチャネル状況情報及び所要チャネル数は、各基地局111〜113、211〜213が属する各制御局14、24に通知される。
【0201】
異システム間共通制御局3は、異なる無線通信システム1、2の制御局14、24に接続している。具体的には、異システム間共通制御局3は、各制御局14、24により通知される各基地局111〜113、211〜213におけるチャネル状況情報及び所要チャネル数に基づいて、各無線通信システム1、2が利用可能な周波数帯域又は周波数チャネルを決定することによって、異なる無線通信システム1、2間の相互干渉を避けることが可能になる。
【0202】
複数の制御局14、24は、各基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が無線通信を行うための周波数チャネルを割り当てる機能と、各基地局111〜113、211〜213における呼損率や呼量を収集する機能と、呼損率や呼量に基づいて所要チャネル数を算出する機能と、所要のチャネル数を各々の基地局111〜113、211〜213が属する各制御局14、24に通知する機能とを備えている。
【0203】
また、異システム間共通制御局3は、各制御局14、24により通知される各基地局111〜113、211〜213におけるチャネル状況情報及び所要チャネル数を収集する機能と、収集したチャネル状況情報及び所要チャネル数及びシステム性質情報(1キャリアあたりの周波数帯域幅や許容干渉量や優先度等)を管理し、異なる無線通信システム1、2間で共有する機能と、異なる無線通信システム1、2間で共有する情報を参照することによって、異なる無線通信システム1、2間の相互干渉による通信品質の劣化を避けて、複数の無線通信システム1、2の各々に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が無線通信を行うための周波数帯域又は周波数チャネルを決定し制御局14、24における周波数チャネルの割り当て制御を行う機能とを備えている。
【0204】
(変更例2)
図19及び図20を参照して、変更例2に係る周波数チャネル割り当てシステムについて説明する。
【0205】
図19に示すように、変更例2に係る周波数チャネル割り当てシステムでは、異システム間共通制御局3を介することなく、各無線通信システム1、2が、複数の基地局111〜113、211〜213を統括する制御局14、24の管理下で制御されるように構成されている。
【0206】
このとき、複数の基地局111〜113、211〜213を統括する制御局14、24の少なくとも1つが、異システム間共通制御装置31を備えている。異システム間共通制御装置31が、他の制御装置141、241と接続して情報を共有することで、無線通システム1と無線通信システム2が統合される。
【0207】
異システム間共通制御装置31は、ネットワークを介して複数の制御局14、24内の制御装置141、241から取得した情報(例えば、所要チャネル数や干渉量やチャネル利用状況等)に基づいて、複数の無線通信システム1、2に割り当てられた共通周波数帯域を使用して、異なる無線通信システム1、2間の相互干渉を避けて、複数の線通信システム1、2の各々に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が通信を行うための周波数帯域又は周波数チャネルを決定するように構成されている。
【0208】
図20に、図19に示す無線通信システムの各無線局の備える装置のネットワーク接続構成を示す。
【0209】
移動局131〜135、231〜235は、基地局111〜113、211〜213との間で無線通信を行うために周波数チャネルを割り当てるように要求するチャネル割当要求を送信する移動局装置1311〜1315、2311〜2315を備える。移動局装置1311〜1315、2311〜2315は、基地局111〜113、211〜213により指定された周波数チャネルを用いて通信を行う。
【0210】
基地局111〜113、211〜213は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113を備える。基地局装置1111〜1113、2111〜2113は、移動局装置1311〜1315、2311〜2315からのチャネル割当要求を受け付け、当該基地局111〜113、211〜213が属する制御局14、24に対して、当該基地局111〜113、211〜213に属する移動局131〜135、231〜235との通信を行うための周波数チャネルを割り当てるように要求し、制御局14、24から割り当てられた周波数チャネルの情報を受け付け、かかる周波数チャネルの情報に基づき指定された周波数チャネルを用いて移動局装置1311〜1315、2311〜2315と通信を行うための周波数チャネルの割り当てを行う。
【0211】
基地局装置1111〜1113、2111〜2113は、通信中に、各周波数チャネルにおける干渉量や呼損率や呼量やチャネル利用状況等を測定して、制御局14、24に通知する。
【0212】
制御局14、24は、制御装置141、241を備えている。また、同一周波数帯域を利用して同一地域に複数存在する無線通信システムのうち、少なくとも1つ以上の無線通信システムにおける制御局14、24が、異システム間共通制御装置31を備える。
【0213】
図20の例では、無線通信システム1及び無線通信システム2が、同一周波数帯域を利用して同一地域に複数存在する場合に、無線通信システム1の制御局14のみが、異システム間共通制御装置31を備える。
【0214】
制御装置141、241は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113によるチャネル割当要求を受け付け、異システム間共通制御装置31に対して、制御局14、24に属する基地局111〜113、211〜213の基地局装置1111〜1113、2111〜2113に対して割り当てるべき最適な周波数チャネルを指定するように要求し、異システム間共通制御装置31によって割り当てられた最適チャネルの情報を受け付け、かかる最適チャネルの情報に基づき基地局装置1111〜1113、2111〜2113による移動局装置1311〜1315、2311〜2315に対する周波数チャネルの割り当てを制御する。
【0215】
また、制御装置141、241は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113から通知される呼損率や呼量を受け付け、かかる情報に基づき、当該制御局14、24に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235との間の所要チャネル数を算出し、チャネル状況情報と共に異システム間共通制御装置31に通知する。
【0216】
異システム間共通制御装置31は、複数の制御装置141、241からの最適チャネル指定要求を受け付け、複数の制御装置141、241から通知されるチャネル状況情報及び所要チャネル数及びシステム性質情報、例えば、周波数帯域毎、無線通信システム毎、セル毎に、管理する。
【0217】
また、異システム間共通制御装置31は、複数の無線通信システム1、2に割り当てられた共通周波数帯域を使用して、異なる無線通信システムとの間の相互干渉を避けて、複数の無線通信システム1、2の各々に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が通信を行うための周波数帯域又は周波数チャネルを決定し、決定した最適チャネルを複数の制御装置141、241に周知する。
【0218】
異システム間共通制御装置31は、他の無線通信システムの制御装置141、241や、他の制御局141の備える異システム間共通制御装置31とネットワークを介して情報を共有する。
【0219】
(変更例3)
図21及び図22を参照して、変更例3に係る周波数チャネル割り当てシステムについて説明する。
【0220】
図21に示すように、本実施形態に係る周波数割り当てシステムでは、異システム間共通制御局3及び制御局14、24を介さず、各無線通信システム1、2が、基地局間の交渉により、利用する周波数帯域及び周波数チャネルを管理して制御するように構成されている。
【0221】
本実施形態に係る周波数割り当てシステムは、同一周波数帯域を利用して同一地域に複数存在する無線通信システムのうち、少なくとも1つ以上の無線通信システムの基地局111〜113が、各々、異システム間共通制御装置311〜313及び制御装置1411〜1413を備えている。
【0222】
異システム間共通制御装置31が、他の基地局11における異システム間共通制御装置31及び他の無線通信システムにおける基地局21における基地局装置211と接続して情報を共有することで、無線通システム1と無線通信システム2が統合される。
【0223】
本実施形態に係る周波数割り当てシステムでは、異システム間共通制御装置311〜313が、ネットワークを介して取得した複数の基地局11が備える情報に基づいて、複数の無線通信システム1、2に割り当てられた共通周波数帯域を使用して、異なる無線通信システム間の相互干渉を避けて、複数の無線通信システムの各々に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が通信を行うための周波数帯域又は周波数チャネルを決定する。
【0224】
図22は、図21に示す無線通信システムの各無線局の備える装置のネットワーク接続構成を示す。
【0225】
移動局131〜135、231〜235は、基地局111〜113、211〜213との間で通信を行うために周波数チャネルを割り当てる要求するチャネル割当要求を送信する移動局装置1311〜1315、2311〜2315を備える。移動局装置1311〜1315、2311〜2315は、基地局111〜113、211〜213により指定された周波数チャネルを用いて通信を行う。
【0226】
基地局111〜113、211〜213が、基地局装置1111〜1113、2111〜2113を備えている。また、同一周波数帯域を利用して同一地域に複数存在する無線通信システムのうち、少なくとも1つ以上の無線通信システムが、基地局111〜113、211〜213内に、制御装置1411〜1413及び異システム間共通制御装置311〜313を備える。
【0227】
図22の例では、無線通信システム1及び無線通信システム2が、同一周波数帯域を利用して同一地域に複数存在する場合に、無線通信システム1の基地局1111〜1113のみが、制御装置1411〜1413及び異システム間共通制御装置311〜313を備える。
【0228】
基地局装置1111〜1113、2111〜2113は、移動局装置1311〜1315、2311〜2315からのチャネル割当要求を受け付け、当該基地局1111〜1113、2111〜2113に属する移動局1311〜1315、2311〜2315との通信を行うための周波数チャネルを割り当てるように要求し、制御装置141からの割り当てられた周波数チャネルの情報を受け付け、かかる周波数チャネルの情報に基づき指定された周波数チャネルを用いて移動局装置1311〜1315、2311〜2315と通信を行うための周波数チャネルの割り当てを行う。
【0229】
また、基地局装置1111〜1113、2111〜2113は、通信中に、各周波数チャネル干渉量やチャネル利用状況等を測定して制御装置141に通知する。
【0230】
制御装置141は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113からのチャネル割当要求を受け付け、異システム間共通制御装置31に対して、当該基地局111〜113、211〜213の基地局装置1111〜1113、2111〜2113に対する最適チャネル指定要求を送信し、異システム間共通制御装置31から割り当てられた最適チャネルの情報を受け付け、かかる最適チャネルの情報に基づき基地局装置1111〜1113、2111〜2113による移動局装置1311〜1315、2311〜2315に対する周波数チャネルの割り当てを制御する。
【0231】
また、制御装置141は、基地局装置1111〜1113、2111〜2113から通知される呼損率や呼量を受け付け、かかる情報に基づき、当該制御局14、24に属する基地局111〜113、211〜213及び移動局131〜135、231〜235における所要チャネル数を算出し、チャネル状況情報と共に異システム間共通制御装置31に通知する。
【0232】
異システム間共通制御装置31は、複数の制御装置141、241による最適チャネル指定要求を受け付け、複数の制御装置141、241から通知されるチャネル状況情報及び所要チャネル数及びシステム性質情報を、例えば、周波数帯域毎、無線通信システム毎、セル毎に、管理する。
【0233】
また、異システム間共通制御装置31は、複数の無線通信システム1、2に割り当てられた共通周波数帯域を使用して、異なる無線通信システム間の相互干渉を避けて、複数の無線通信システム1、2の各々に属する基地局111〜113、211〜213と移動局131〜135、231〜235が通信を行うための周波数帯域又は周波数チャネルを決定し、決定した周波数帯域又は周波数チャネルを複数の制御装置141、241に周知する。
【0234】
異システム間共通制御装置31は、他の無線通信システムの制御装置141、241や、他の基地局11の備える異システム間共通制御装置31との間で、ネットワークを介して情報を共有する。
【0235】
以上、本発明を実施例により詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本願中に説明した実施例に限定されるものではないということは明らかである。本発明の装置は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本願の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0236】
以上説明したように、本発明によれば、複数の無線通信システムにおいて、同一周波数帯域の適応的な重複利用を可能とする周波数チャネル割り当てシステム、基地局、制御局、異システム間共通制御装置、周波数チャネル割り当て方法及び制御方法を実現することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システム及び制御部を具備する周波数チャネル割り当てシステムであって、
前記制御部は、
前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能と、
前記システム性質情報及び前記周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報に基づいて、システム間干渉を避けるように前記周波数チャネルを前記無線通信システムの各々に対して割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当て機能とを具備することを特徴とする周波数チャネル割り当てシステム。
【請求項2】
前記制御部は、
基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル算出機能とを更に具備し、
前記周波数チャネル割り当て機能は、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報及び前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、システム間干渉を避けるように前記周波数チャネルを前記無線通信システムの各々に対して割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の周波数チャネル割り当てシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の無線通信システムの各々に設けられた制御装置と、前記複数の無線通通信システムに接続されている異システム間共通制御装置とによって構成されており、
前記制御装置は、
前記チャネル状況情報収集機能と、
前記所要周波数チャネル数算出機能と、
前記所要の周波数チャネル数と前記チャネル状況情報とを、前記異システム間共通制御装置に通知するように構成されている通知機能とを具備し、
前記異システム間共通制御装置は、
前記システム性質情報管理機能と、
前記周波数チャネル割り当て機能と、
割り当てた前記周波数チャネルを前記制御装置の各々に対して通知するように構成されている周波数チャネル通知機能とを具備することを特徴とする請求項2に記載の周波数チャネル割り当てシステム。
【請求項4】
前記異システム間共通制御装置は、前記複数の無線通信システム内の特定の無線通信システムの制御局に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の周波数チャネル割り当てシステム。
【請求項5】
前記システム性質情報として、前記周波数チャネルにおける重複利用の可否、前記周波数チャネルを割り当てる優先度、前記周波数チャネルの許容干渉量や、前記周波数チャネルで利用される周波数帯域幅の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の周波数チャネル割り当てシステム。
【請求項6】
前記チャネル状況情報として、前記周波数チャネルの利用状況、前記周波数チャネルにおける干渉量、前記周波数チャネルにおける電波伝搬路の変化の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の周波数チャネル割り当てシステム。
【請求項7】
無線通信システムにおいて、周波数チャネルを利用して移動局との間で無線通信を行う基地局であって、
前記基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集するように構成されているチャネル状況情報収集機能と、
前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能と、
前記システム性質情報と前記チャネル状況情報とに基づいて、前記基地局と前記移動局との間で利用する周波数チャネルを選択するように構成されている周波数チャネル選択機能とを具備することを特徴とする基地局。
【請求項8】
前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つを測定するように構成されている測定機能と、
前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル数算出機能とを更に具備し、
前記周波数チャネル選択機能は、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記基地局と前記移動局との間で利用する周波数チャネルを選択するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
無線通信システムにおいて、複数の基地局を制御する制御局であって、
前記基地局の各々における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集するように構成されているチャネル状況情報収集機能と、
前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル数算出機能と、
前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記基地局と移動局との間で利用する周波数チャネルを選択するように構成されていることを特徴とする制御局。
【請求項10】
複数の無線通信システムに接続されている異システム間共通制御装置であって、
前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能と、
前記無線通信システムの基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報、及び、該基地局における所要の周波数チャネル数を、前記無線通信システムの制御局から収集するように構成されている収集機能と、
管理している前記システム性質情報と、前記制御局から通知された前記チャネル状況情報及び前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記無線通信システムの各々に対して周波数チャネルを割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当て機能と、
前記割り当てた前記周波数チャネルを、前記無線通信システムの前記制御局に通知するように構成されている周波数チャネル通知機能とを具備することを特徴とする異システム間共通制御装置。
【請求項11】
前記システム性質情報として、前記無線通信システムの基地局において利用可能な周波数チャネルごとに、前記周波数チャネルにおける重複利用の可否、前記周波数チャネルを割り当てる優先度、前記周波数チャネルの許容干渉量や、前記周波数チャネルで利用される周波数帯域幅の少なくとも1つを管理することを特徴とする請求項10に記載の異システム間共通制御装置。
【請求項12】
共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システムにおいて、移動局と基地局との間で無線通信を行うために利用する周波数チャネルを割り当てる周波数チャネル割り当て方法であって、
制御部が、基地局の各々における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する工程と、
前記制御部が、収集した前記チャネル状況情報に基づいて、前記基地局の各々における所要の周波数チャネル数を算出する工程と、
前記制御部が、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記無線通信システムの各々に対して周波数チャネルを割り当てる工程と、
前記制御部が、割り当てた前記周波数チャネルを前記基地局に通知する工程と、
前記基地局が、前記制御部によって通知された前記周波数チャネルを利用して、前記移動局との間で無線通信を行う工程とを有することを特徴とする周波数チャネル割り当て方法。
【請求項13】
無線通信システムにおいて、周波数チャネルを利用して移動局との間で無線通信を行う基地局における制御方法であって、
前記基地局が、該基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する工程と、
前記基地局が、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理する工程と、
前記基地局が、該基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出する工程と、
前記基地局が、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、自局又は前記他の基地局と前記移動局との間で利用する周波数チャネルを選択する工程とを有することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
無線通信システムにおいて、複数の基地局を制御する制御局における制御方法であって、
前記制御局が、前記基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する工程と、
前記制御局が、前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出する工程と、
前記制御局が、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記基地局と移動局との間で利用する周波数チャネルを選択する工程とを有することを特徴とする制御方法。
【請求項1】
共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システム及び制御部を具備する周波数チャネル割り当てシステムであって、
前記制御部は、
前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能と、
前記システム性質情報及び前記周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報に基づいて、システム間干渉を避けるように前記周波数チャネルを前記無線通信システムの各々に対して割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当て機能とを具備することを特徴とする周波数チャネル割り当てシステム。
【請求項2】
前記制御部は、
基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル算出機能とを更に具備し、
前記周波数チャネル割り当て機能は、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報及び前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、システム間干渉を避けるように前記周波数チャネルを前記無線通信システムの各々に対して割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の周波数チャネル割り当てシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の無線通信システムの各々に設けられた制御装置と、前記複数の無線通通信システムに接続されている異システム間共通制御装置とによって構成されており、
前記制御装置は、
前記チャネル状況情報収集機能と、
前記所要周波数チャネル数算出機能と、
前記所要の周波数チャネル数と前記チャネル状況情報とを、前記異システム間共通制御装置に通知するように構成されている通知機能とを具備し、
前記異システム間共通制御装置は、
前記システム性質情報管理機能と、
前記周波数チャネル割り当て機能と、
割り当てた前記周波数チャネルを前記制御装置の各々に対して通知するように構成されている周波数チャネル通知機能とを具備することを特徴とする請求項2に記載の周波数チャネル割り当てシステム。
【請求項4】
前記異システム間共通制御装置は、前記複数の無線通信システム内の特定の無線通信システムの制御局に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の周波数チャネル割り当てシステム。
【請求項5】
前記システム性質情報として、前記周波数チャネルにおける重複利用の可否、前記周波数チャネルを割り当てる優先度、前記周波数チャネルの許容干渉量や、前記周波数チャネルで利用される周波数帯域幅の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の周波数チャネル割り当てシステム。
【請求項6】
前記チャネル状況情報として、前記周波数チャネルの利用状況、前記周波数チャネルにおける干渉量、前記周波数チャネルにおける電波伝搬路の変化の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の周波数チャネル割り当てシステム。
【請求項7】
無線通信システムにおいて、周波数チャネルを利用して移動局との間で無線通信を行う基地局であって、
前記基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集するように構成されているチャネル状況情報収集機能と、
前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能と、
前記システム性質情報と前記チャネル状況情報とに基づいて、前記基地局と前記移動局との間で利用する周波数チャネルを選択するように構成されている周波数チャネル選択機能とを具備することを特徴とする基地局。
【請求項8】
前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つを測定するように構成されている測定機能と、
前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル数算出機能とを更に具備し、
前記周波数チャネル選択機能は、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記基地局と前記移動局との間で利用する周波数チャネルを選択するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
無線通信システムにおいて、複数の基地局を制御する制御局であって、
前記基地局の各々における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集するように構成されているチャネル状況情報収集機能と、
前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出するように構成されている所要周波数チャネル数算出機能と、
前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記基地局と移動局との間で利用する周波数チャネルを選択するように構成されていることを特徴とする制御局。
【請求項10】
複数の無線通信システムに接続されている異システム間共通制御装置であって、
前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理するように構成されているシステム性質情報管理機能と、
前記無線通信システムの基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報、及び、該基地局における所要の周波数チャネル数を、前記無線通信システムの制御局から収集するように構成されている収集機能と、
管理している前記システム性質情報と、前記制御局から通知された前記チャネル状況情報及び前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記無線通信システムの各々に対して周波数チャネルを割り当てるように構成されている周波数チャネル割り当て機能と、
前記割り当てた前記周波数チャネルを、前記無線通信システムの前記制御局に通知するように構成されている周波数チャネル通知機能とを具備することを特徴とする異システム間共通制御装置。
【請求項11】
前記システム性質情報として、前記無線通信システムの基地局において利用可能な周波数チャネルごとに、前記周波数チャネルにおける重複利用の可否、前記周波数チャネルを割り当てる優先度、前記周波数チャネルの許容干渉量や、前記周波数チャネルで利用される周波数帯域幅の少なくとも1つを管理することを特徴とする請求項10に記載の異システム間共通制御装置。
【請求項12】
共通周波数帯域を利用する複数の無線通信システムにおいて、移動局と基地局との間で無線通信を行うために利用する周波数チャネルを割り当てる周波数チャネル割り当て方法であって、
制御部が、基地局の各々における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する工程と、
前記制御部が、収集した前記チャネル状況情報に基づいて、前記基地局の各々における所要の周波数チャネル数を算出する工程と、
前記制御部が、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記無線通信システムの各々に対して周波数チャネルを割り当てる工程と、
前記制御部が、割り当てた前記周波数チャネルを前記基地局に通知する工程と、
前記基地局が、前記制御部によって通知された前記周波数チャネルを利用して、前記移動局との間で無線通信を行う工程とを有することを特徴とする周波数チャネル割り当て方法。
【請求項13】
無線通信システムにおいて、周波数チャネルを利用して移動局との間で無線通信を行う基地局における制御方法であって、
前記基地局が、該基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する工程と、
前記基地局が、前記無線通信システムにおける周波数チャネルの性質を示すシステム性質情報を管理する工程と、
前記基地局が、該基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出する工程と、
前記基地局が、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、自局又は前記他の基地局と前記移動局との間で利用する周波数チャネルを選択する工程とを有することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
無線通信システムにおいて、複数の基地局を制御する制御局における制御方法であって、
前記制御局が、前記基地局における周波数チャネルの状況を示すチャネル状況情報を収集する工程と、
前記制御局が、前記基地局における呼損率又は呼量の少なくとも1つに基づいて、該基地局における所要の周波数チャネル数を算出する工程と、
前記制御局が、前記システム性質情報と前記チャネル状況情報と前記所要の周波数チャネル数とに基づいて、前記基地局と移動局との間で利用する周波数チャネルを選択する工程とを有することを特徴とする制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【国際公開番号】WO2005/086516
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【発行日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−510714(P2006−510714)
【国際出願番号】PCT/JP2005/003591
【国際出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【発行日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【国際出願番号】PCT/JP2005/003591
【国際出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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