説明

周波数合成信号検出装置、周波数合成信号検出プログラム、サーバ及びコールセンタシステム

【課題】DTMF信号等の周波数合成信号の誤検出を防止する。
【解決手段】本発明の周波数合成信号検出装置は、入力された信号から複数の周波数帯域の信号成分を透過させて、各周波数帯域の信号有無を判定する信号判定手段と、信号判定手段から信号有無の判定結果を受け取り、所定の検出条件により周波数合成信号を検出し、その検出出力を外部に出力する周波数合成信号検出手段と、当該周波数合成信号検出装置の内部状態を、ON状態と、OFF状態と、周波数合成信号検出手段による周波数合成信号の検出出力を抑止し、それ以外の処理はON状態と同じ処理を行うOFF予約状態とで制御する状態制御手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数合成信号検出装置、周波数合成信号検出プログラム、サーバ及びコールセンタシステムに関し、例えば、電話サービスなどで用いられるDTMF信号を検出する周波数合成信号検出装置、周波数合成信号検出プログラム、サーバ及びコールセンタシステムに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高速なIPネットワークの拡大に伴い、IPベースの柔軟かつスケーラビリティに優れたコールセンタシステムや自動音声応答装置(IVR:Interactive Voice Response)等のVoIP技術がある。
【0003】
また、従来は電話回線の終端処理やFAX送受信処理を専用ハードウェアで実現していたが、汎用サーバの高性能化により、これらの機能をソフトウェアで実現することができ、これにより、システムの低コスト化、大容量化が可能となった。
【0004】
図2は、上述したコールセンタシステムやIVR等で用いられるVoIPサーバのシステム構成図である。図2に示すように、VoIPサーバは、OS60上に、シグナリング50、音声処理/FAX送受信部30、API40を有するものであり、音声処理/FAX送受信部30のモジュールの1つとして、DTMF(Dual Tone Multi Frequency)信号検出器10がある。
【0005】
DTMF信号は、低群1周波数と高群1周波数とが重畳した合成信号である。例えば、コールセンタシステムやIVR等のVoIPシステムでは、オペレータ端末やユーザ端末等からDTMF信号が送信されると、VoIPサーバ側は、当該DTMF信号を検出し、DTMF信号に応じた機能(アプリケーション)を提供する。
【0006】
図3は、従来のDTMF信号検出器10の機能構成を示すブロック図である。図3において、DTMF信号検出器10は、低群4周波数の各周波数成分を透過するフィルタ処理部11−1〜11−4と、高群4周波数の各周波数成分を透過するフィルタ処理部12−1〜12−4とを有する。
【0007】
DTMF信号検出器10に入力された信号は、フィルタ処理部11−1〜11−4及び12−1〜12−4に与えられ、フィルタ処理部11−1〜11−4のいずれか、及び、フィルタ処理部12−1〜12−4のいずれかを透過する。
【0008】
フィルタ処理部11−1〜11−4のいずれかを透過した低群1周波数成分と、フィルタ処理部12−1〜12−4のいずれかを透過した高群1周波数成分とは、それぞれのレベル判定処理部21−1〜21−4及び22−1〜22−4に与えられ、信号レベルから各周波数成分の信号有無が判定される。
【0009】
タイマ処理部3は、レベル判定処理部21−1〜21−4のいずれかの判定結果、及び、レベル判定処理部22−1〜22−4のいずれかの判定結果から、低群1周波数及び高群1周波数の信号が存在する期間をカウントして、DTMF信号の検出出力を行う。
【0010】
従来、タイマ処理部3は、図4に示すように、低群1周波数と高群1周波数とが存在する信号継続時間がTs以上であり、かつ、次の信号までのミニマムポーズ(信号の桁間検出のための時間)がTm以上であることを条件に、DTMF信号の検出出力(例えばイベント出力)を行う。
【0011】
そして、上位に位置するアプリケーションは、DTMF信号検出器10からのDTMF信号の検出出力(イベント)を受け取ることで、その受けたイベントに応じたアプリケーションを動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2000−188611号公報
【特許文献2】特開2002−94589号公報
【特許文献3】特開平8−274868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来のDTMF信号検出器10は、DTMF信号が入力されている途中で、上位のアプリケーション20からON/OFF制御された場合に、DTMF信号を重複検出することがあるという問題が生じ得る。
【0014】
この問題が生じ得る一例を、図5を参照して説明する。従来のDTMF信号検出器10は、上位のアプリケーションからのON/OFF制御に応じて、内部状態がON/OFF状態となる。
【0015】
DTMF信号検出器10にDTMF信号が入力されると、タイマ処理部3は、上述したような条件で、1単位(例えば、1桁等)のDTMF信号の検出を行う。このとき、タイマ処理部3は、信号継続時間がTs以上となると、入力されている信号を認識することができ、DTMF信号が検出される。このとき、アプリケーション20によっては、DTMF信号の検出を受けて、一旦ONからOFFになり、所定時間経過後(例えば、数10ミリ秒)、再度ONに立ち上がるというものがある。
【0016】
例えば、このようなアプリケーション20を用いる場合、図5に示すように、上位のアプリケーション20がON/OFFとすることで、DTMF信号検出器10もON/OFF状態となる(図5(A)、図5(D)参照)。
【0017】
そして、DTMF信号検出器10がOFF状態からON状態になると、DTMF信号検出器10は初期化されるので、更に信号継続時間のカウントが始まる。そのため、信号継続時間がTsを経過した時点で、DTMF信号を重複検出してしまうことがある(図5(C)参照)。
【0018】
そこで、DTMF信号の検出途中で、上位のアプリケーションからON/OFF制御があった場合でも、DTMF信号の重複検出を回避し、DTMF信号の誤検出を防止することができる周波数合成信号検出装置、周波数合成信号検出プログラム、サーバ及びコールセンタシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の周波数合成信号検出装置は、複数の周波数帯域の信号が合成された周波数合成信号を検出する周波数合成信号検出装置において、(1)入力された信号から複数の周波数帯域の信号成分を透過させて、各周波数帯域の信号有無を判定する信号判定手段と、(2)信号判定手段から信号有無の判定結果を受け取り、所定の検出条件により周波数合成信号を検出し、その検出出力を外部に出力する周波数合成信号検出手段と、(3)当該周波数合成信号検出装置の内部状態を、ON状態と、OFF状態と、周波数合成信号検出手段による周波数合成信号の検出出力を抑止し、それ以外の処理はON状態と同じ処理を行うOFF予約状態とで制御する状態制御手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
第2の本発明の周波数合成信号検出プログラムは、複数の周波数帯域の信号が合成された周波数合成信号を検出する周波数合成信号検出プログラムにおいて、コンピュータを、(1)入力された信号から複数の周波数帯域の信号成分を透過させて、各周波数帯域の信号有無を判定する信号判定手段、(2)信号判定手段から信号有無の判定結果を受け取り、所定の検出条件により周波数合成信号を検出し、その検出出力を外部に出力する周波数合成信号検出手段、(3)当該周波数合成信号検出装置の内部状態を、ON状態と、OFF状態と、周波数合成信号検出手段による周波数合成信号の検出出力を抑止し、それ以外の処理はON状態と同じ処理を行うOFF予約状態とで制御する状態制御手段として機能させることを特徴とする。
【0021】
第3の本発明のサーバは、(1)ネットワークとの間で信号の送受信を行う信号送受信手段と、(2)受信した信号に基づいて信号処理を行う信号処理手段と、(3)信号処理手段による信号処理の結果を受けて、所定の音声アプリケーションを行うアプリケーション処理手段とを備え、信号処理手段が、受信された信号から複数の周波数帯域の信号が合成された周波数合成信号を検出する第1の本発明の周波数合成信号検出装置を有することを特徴とする。
【0022】
第4の本発明のコールセンタシステムは、複数のオペレータ端末と、ネットワークを介して複数のユーザ端末、及び又は、上記各オペレータ端末と接続して、コールセンタサービスに係るアプリケーションを提供するサーバとを備えたコールセンタシステムにおいて、サーバが第3の本発明のサーバであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、DTMF信号の検出途中で、上位のアプリケーションからON/OFF制御があった場合でも、DTMF信号の重複検出を回避し、DTMF信号の誤検出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態のDTMF信号検出器の機能構成を示すブロック図である。
【図2】VoIPサーバのシステム構成を示す構成図である。
【図3】従来のDTMF信号検出器の機能構成を示すブロック図である。
【図4】DTMF信号の検出を説明する説明図である。
【図5】従来のDTMF信号検出器を用いたときの課題を説明する説明図である。
【図6】実施形態の状態制御部が制御する状態遷移を示す状態遷移図である。
【図7】実施形態のDTMF信号検出方法を説明するタイムチャートである(その1)。
【図8】実施形態のDTMF信号検出方法を説明するタイムチャートである(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(A)実施形態
以下では、本発明の周波数合成信号検出装置、周波数合成信号検出プログラム、サーバ及びコールセンタシステムの実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0026】
この実施形態では、例えば、コールセンタシステム、IVR等に用いられるVoIPサーバに搭載されるDTMF信号検出器に、本発明を適用する場合の実施形態を例示する。
【0027】
(A−1)実施形態の構成
この実施形態に係るVoIPサーバのシステム構成は、従来のVoIPサーバのシステム構成と同様である。
【0028】
VoIPサーバのハードウェア構成としては、例えば、CPUや、ROM、RAM、EEPROM等の記憶部等から構成されており、ネットワーク(例えば、IPネットワーク)に接続している。また、VoIPサーバのソフトウェアの構成は、図2に示すように、OS60上で、シグナリング50、音声処理/FAX送受信部30、API40、アプリケーション20を動作する。また、音声処理/FAX送受信部30は、ネットワーク70を介して受信したDTMF信号を検出するDTMF信号検出器10を有している。なお、この実施形態では、「DTMF信号検出器1」と表記して説明する。
【0029】
図1は、この実施形態のDTMF信号検出器1の機能構成を示すブロック図である。図1において、DTMF信号検出器1は、フィルタ処理部11−1〜11−4、フィルタ処理部12−1〜12−4、レベル判定処理部21−1〜21−4、レベル判定処理部22−1〜22−4、タイマ処理部3、状態制御部4を少なくとも有して構成される。
【0030】
この実施形態では、DTMF信号検出器1は、ソフトウェア処理によりDTMF信号を検出する場合を想定するが、例えば電子回路等のハードウェアによりDTMF信号を検出ようにしてもよい。また、DTMF信号検出器1が、音声処理/FAX送受信部30の1モジュールとして搭載される場合を例示するが、アプリケーション20の1機能とするようにしてもよい。
【0031】
フィルタ処理部11−1〜11−4は、低群4周波数の各周波数成分を透過させるものである。また、フィルタ処理部12−1〜12−4は、高群4周波数の各周波数成分を透過させるものである。
【0032】
レベル判定処理部21−1〜21−4は、フィルタ処理部11−1〜11−4を通過した信号のレベルに基づいて、低群周波数の信号有無を判定するものである。レベル判定処理部22−1〜22−4は、フィルタ処理部12−1〜12−4を通過した信号のレベルに基づいて、高群周波数の信号有無を判定するものである。
【0033】
タイマ処理部3は、レベル判定処理部21−1〜21−4による低群1周波数の信号有無の判定結果、及び、レベル判定処理部22−1〜2−4による高群1周波数の信号の判定結果に基づいて、DTMF信号の検出出力を行うものである。
【0034】
タイマ処理部3は、図1に示すように、その機能として、信号継続時間カウンタ部31、ミニマムポーズ監視部32、ミニマムポーズカウンタ部33、出力部34を有する。
【0035】
信号継続時間カウンタ部31は、低群1周波数と高群1周波数の信号が入力されると、その信号の継続時間を計時(カウント)するものである。信号継続時間カウンタ部31は、信号継続時間がTsを経過すると、入力されたDTMF信号を認識することができる。ここで、この入力されたDTMF信号の認識をDTMF信号の検出とする。
【0036】
ミニマムポーズ監視部32は、信号継続時間カウンタ部31によりDTMF信号の検出後、ミニマムポーズTmが経過するまでの期間を監視するものである。ミニマムポーズ監視部32は、ミニマムポーズを監視中であることを、後述する状態制御部4に通知する。
【0037】
ミニマムポーズカウンタ部33は、入力信号の桁間検出のために、今回入力されたDTMF信号から次に入力されるDTMF信号までのミニマムポーズ時間を計時(カウント)するものである。ミニマムポーズカウンタ部33は、ミニマムポーズ時間がTm以上であると、例えば1桁の今回のDTMF信号を検出したとすることができる。
【0038】
出力部34は、DTMF信号の検出信号(例えば、イベント)を上位のアプリケーションに与えるものである。ここで、DTMF信号の検出は、従来と同様に、信号継続時間がTs以上であり、かつ、ミニマムポーズがTm以上であることを条件とする。
【0039】
状態制御部4は、上位のアプリケーションからのON/OFF制御信号により、DTMF信号検出器1の内部状態をON状態又はOFF状態にする。
【0040】
さらに、この実施形態の状態制御部4は、OFF予約状態を持ち、ON状態、OFF状態、OFF予約状態の3種類の状態のいずれかで、DTMF信号検出器1の内部状態を制御するものである。
【0041】
OFF予約状態とは、ミニマムポーズ監視中に、アプリケーション2からOFF制御信号を受信したときに遷移させる状態であって、ON状態を維持しながら、タイマ処理部3からのDTMF信号の検出出力をマスクする状態である。このようなOFF予約状態を設定することにより、入力信号からDTMF信号の検出処理を継続的行うことができる。
【0042】
ここで、状態制御部4は、タイマ処理部3からのDTMF信号の検出出力を止めることができれば、出力停止をさせる様々な方法を用いることができる。例えば、この実施形態では、状態制御部4が、タイマ処理部3の出力部34の動作を停止させるようにする。これにより、タイマ処理部3の出力部34以外の機能部の動作をON状態のときと同様に動作させることができる。
【0043】
(A−2)実施形態の動作
次に、この実施形態のDTMF信号検出器1におけるDTMF信号検出方法の処理動作を、図面を参照しながら説明する。
【0044】
図6は、状態制御部4が制御する状態遷移を示す状態遷移図である。また、図7及び図8は、DTMF信号検出方法を説明するタイムチャートである。
【0045】
図7(A)は、上位のアプリケーション20からのON/OFF制御信号の様子を示す。図7(A)に示すように、当初はOFF制御とする。このとき、図7(D)に示すように、DTMF信号検出器1の内部状態はOFF状態である。
【0046】
上位のアプリケーション20からON制御信号が与えられると、状態制御部4は、DTMF信号検出器1の内部状態をON状態にする(図6のS104)。
【0047】
そして、入力信号がDTMF信号検出器1に与えられると、従来と同様に、信号はフィルタ処理部11−1〜11−4及び12−1〜12−4を通過し、レベル判定処理部21−1〜21−4及び22−1〜22−4は、フィルタ処理部11−1〜11−4及び12−1〜12−4からの出力レベルに基づいて、信号有無を判定する。
【0048】
タイマ処理部3では、低群1周波数の信号と高群1周波数の信号との入力が有ると、信号継続時間カウンタ部31が信号継続時間のカウントを開始し、信号継続時間がTsを経過すると、DTMF信号が検出される。
【0049】
ミニマムポーズ監視部32は、DTMF信号検出後、ミニマムポーズが完了するまでミニマムポーズを監視する。
【0050】
このとき、ミニマムポーズ監視部32はミニマムポーズ監視中である旨を状態制御部4に通知しており、状態制御部4は、ミニマムポーズ監視中に、上位のアプリケーション20からOFF制御信号が与えられると、DTMF信号検出器1の内部状態をOFF予約状態に遷移する(図2のS101)。
【0051】
ここで、OFF予約状態とは、DTMF信号の検出出力(例えばイベント)をマスクする状態であり、それ以外はON状態と同じ状態をいう。状態制御部4は、図6に示すように、ミニマムポーズ監視中にOFF制御信号を受けると、OFF予約状態に遷移させ、ミニマムポーズ監視中以外のときにOFF制御信号を受けると、OFF状態に遷移させる(図6のS101及びS102)。
【0052】
つまり、OFF予約状態のとき、DTMF信号検出器1は、ミニマムポーズを監視してDTMF信号の検出処理を維持することができるが、DTMF信号の検出出力を行わないようにする。
【0053】
その後、図7に示すように、OFF予約状態で、かつ、ミニマムポーズ監視中に、上位のアプリケーション20からON制御信号を受けると、状態制御部4は、DTMF信号検出器1の内部状態をON状態に遷移させる(図6のS103)。その結果、上位アプリケーション20からのOFF制御を受けた期間も含めて、ミニマムポーズの監視を継続させることができる。
【0054】
また、図8に示すように、DTMF信号の検出後、ミニマムポーズ監視中に、上位のアプリケーション20からOFF制御信号が入力されると、状態制御部4はDTMF信号検出器1の内部状態をOFF予約状態へ遷移させる。
【0055】
その後、OFF予約状態で、ミニマムポーズ監視が完了すると、状態制御部4はDTMF受信器の内部状態をOFF状態へ遷移させる(図6のS105)。OFF予約状態のとき、DTMF信号検出器1は、検出出力をマスクする以外、ON状態と同じ処理を実行しているので、状態制御部4はOFF予約状態からOFF状態へ遷移させる。これにより、消費電力が増加しないようにすることができる。
【0056】
(A−3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、DTMF信号の検出直後にOFF/ON制御されても、重複検出を防止することができる。更に、ミニマムポーズ時間が不足している場合も誤検出を防止することができる。
【0057】
また、DTMF信号の検出直後にOFF制御され、OFF予約状態となった場合、ミニマムポーズ監視が完了すると、状態制御部はDTMF受信器の内部状態をOFF状態へ遷移させるので、不要な消費電力の増加は無い。
【0058】
(B)他の実施形態
上述した実施形態では、ミニマムポーズ監視中のタイミングをOFF予約状態としたが、これとは異なるタイミングで実現するようにしてもよい。
【0059】
上述した実施形態では、ソフトウェ処理の音声処理/FAX送受信部のモジュールとして機能するDTMF信号検出器を説明した。つまり、DTMF信号検出器もソフトウェア処理として機能する場合を説明したが、ハードウェア構成により上述した実施形態の処理を行うようにしてもよい。
【0060】
また、上述した実施形態では、DTMF信号が、例えばIPネットワーク上を通過するデジタル信号であり、DTMF信号検出器が、デジタル信号であるDTMF信号を検出する場合を説明したが、DTMF信号はアナログ信号であってもよい。
【0061】
上述した実施形態では、DTMF信号を検出する場合を例示したが、複数の周波数信号を重畳して合成された周波数合成信号を検出する場合にも適用することができる。
【0062】
また、上述した実施形態のDTMF信号検出器を搭載するサーバは、コールセンタシステム、IVRのほかに、FAXサーバ、通話録音装置、会議システム、ユニファイドメッセージシステム、Voice Mailサーバ等に用いることができる。さらに、上述した実施形態で例示したコールセンタシステムは、遠隔システムで利用するものであってもよい。また、病院等で利用されるナースコールシステム、病院システム等に用いることもできる。
【符号の説明】
【0063】
1…DTMF信号検出器、
11−1〜11−4及び12−1〜12−4…フィルタ処理部、
21−1〜21−4及び22−1〜22−4…レベル判定処理部、3…タイマ処理部、
31…信号継続時間カウンタ部、32…ミニマムポーズ監視部、
33…ミニマムポーズカウンタ部、34…出力部、4…状態制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周波数帯域の信号が合成された周波数合成信号を検出する周波数合成信号検出装置において、
入力された信号から上記複数の周波数帯域の信号成分を透過させて、上記各周波数帯域の信号有無を判定する信号判定手段と、
上記信号判定手段から信号有無の判定結果を受け取り、所定の検出条件により上記周波数合成信号を検出し、その検出出力を外部に出力する周波数合成信号検出手段と、
当該周波数合成信号検出装置の内部状態を、ON状態と、OFF状態と、上記周波数合成信号検出手段による上記周波数合成信号の検出出力を抑止し、それ以外の処理は上記ON状態と同じ処理を行うOFF予約状態とで制御する状態制御手段と
を備えることを特徴とする周波数合成信号検出装置。
【請求項2】
上記状態制御手段は、上記周波数合成信号検出手段が上記周波数合成信号を検出した後のミニマムポーズ監視中に、上位処理部からOFF制御信号が入力されたときに、上記OFF予約状態に制御することを特徴とする請求項1に記載の周波数合成信号検出装置。
【請求項3】
複数の周波数帯域の信号が合成された周波数合成信号を検出する周波数合成信号検出プログラムにおいて、
コンピュータを、
入力された信号から上記複数の周波数帯域の信号成分を透過させて、上記各周波数帯域の信号有無を判定する信号判定手段、
上記信号判定手段から信号有無の判定結果を受け取り、所定の検出条件により上記周波数合成信号を検出し、その検出出力を外部に出力する周波数合成信号検出手段、
当該周波数合成信号検出装置の内部状態を、ON状態と、OFF状態と、上記周波数合成信号検出手段による上記周波数合成信号の検出出力を抑止し、それ以外の処理は上記ON状態と同じ処理を行うOFF予約状態とで制御する状態制御手段
として機能させることを特徴とする周波数合成信号検出プログラム。
【請求項4】
ネットワークとの間で信号の送受信を行う信号送受信手段と、
受信した信号に基づいて信号処理を行う信号処理手段と、
上記信号処理手段による信号処理の結果を受けて、所定の音声アプリケーションを行うアプリケーション処理手段と
を備え、
上記信号処理手段が、受信された信号から複数の周波数帯域の信号が合成された周波数合成信号を検出する請求項1又は2に記載の周波数合成信号検出装置を有する
ことを特徴とするサーバ。
【請求項5】
複数のオペレータ端末と、
ネットワークを介して複数のユーザ端末、及び又は、上記各オペレータ端末と接続して、コールセンタサービスに係るアプリケーションを提供するサーバと
を備えたコールセンタシステムにおいて、
上記サーバが、請求項4に記載のサーバであることを特徴とするコールセンタシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−156702(P2012−156702A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13175(P2011−13175)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】