説明

品目分配兼分類システム

放射状分配システムが、製品を受けて複数のコンベヤに分配するためのベース部材と、ベース部材の周りに放射状に離間し、開位置と閉位置との間を移動するように構成された複数のゲート部材と、ベース部材を振動させるように構成された振動部材とを含む。この振動は、ベース部材上に受けている製品を、ベース部材上を略円形に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願のクロスリファレンス)
本願は、米国特許仮出願第61/224412号、2010年7月9日出願に基づいて優先権を主張し、その全文を参考文献として本明細書に含める。
【0002】
本願の開示は、品目分配システム、及びこのシステムを使用する方法に指向したものである。
【背景技術】
【0003】
種々の品目または製品が、これらの品目または製品を1つ以上の下流の処理ステーションに搬送または移動するために、分配システムに供給されることが多い。例えば、食品包装業界では、冷凍フレンチフライを、下流の場所での包装のために1つ以上のコンベヤに仕向ける分配システムに供給することができる。一般に、冷凍フレンチフライは、コンベヤに沿った種々の位置に一連のゲートを有するリニアコンベヤ上に供給される。各ゲートは、フレンチフライを分類及び計量して包装(例えば袋詰め)する下流の包装ステーションに通じる。フレンチフライがコンベヤで下流に搬送される間に、先頭のフレンチフライは、最初の開いたゲートに遭遇して入る。特定量のフレンチフライが最初のゲートを通過した後は、より少数のフレンチフライがこのゲートに入り(即ち、最初のゲートは閉じるか、さもなければ入りを制限することができる)、先頭のフレンチフライは、他の開いたゲートに達するまで、コンベヤのさらに下流へ移動する。開いたゲートに入らずにリニアコンベヤの終端に達した製品は、この製品の搬送方向を変えて、この製品をリニアコンベヤの先頭に戻すための、いくつかの異なるリニアコンベヤ上に落下する。
【0004】
しかし、上述したリニア分配システムは多数の短所を有する。ゲートがリニアコンベヤの全長に沿って散在しているので、製品は一般に、一度に1つのゲートにしか供給されない。このことは、利用可能な下流の処理ステーションの効率を低下させる。さらに、製品が最初のゲートに仕向けられる間は、他のゲートの下流にある処理ステーションは、最初の開いたゲートが製品で満たされるまで、停止しているか、待機(スタンバイ)モードに入る。これらの包装ステーションがオンライン状態に復帰するか再始動する際に、これらの包装ステーションは、より規則的に動いている機械よりも詰まりやすいか、さもなければ支障が生じやすい。
【0005】
これに加えて、上流のゲートは常に、製品を最初に供給されるので、これらのゲートに関連する処理ステーションは、ラインのさらに下流のゲートに関連する処理ステーションよりも、ずっと多数の製品を受けがちである。従って、長期的には、これらの包装ステーションは不均等に使用され、異なる速さで損耗する。
【0006】
リニア分配システムが遭遇する他の問題は、製品を分配ステーションの先頭に向けて戻さなければならないことが多いことにある。製品がゲートに仕向けられずにリニアコンベヤの終端に達すると、製品は、リニアコンベヤ上に再導入するために、種々の戻りコンベヤ上に落下する。これらの落下は、製品の無用な破損または損傷を生じさせ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許仮出願第61/224412号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の好適例では、製品を分配するための放射状分配システムが提供される。このシステムは、製品を受けて複数のコンベヤに分配するためのベース部材と、ベース部材の周りに放射状に離間し、開位置と閉位置との間を移動するように構成された複数のゲート部材と、ベース部材を振動させるように構成された振動部材とを含む。ベース部材の振動は、ベース部材上に受けている製品を、ベース部材上を略円形に移動させる。その代わりに、ベース部材を回転させるか、さもなければ製品を無振動で円周状に移動させることによって、製品を略円形の動きで、ゲート部材に向けて進めることができる。
【0009】
特定の実現では、上記システムはさらに、製品仕向け部材を含む。製品仕向け部材は、ベース部材の上方から製品を受けて、この製品をベース部材に仕向けるように構成することができる。製品仕向け部材は、略円錐形にすることができ、かつ/あるいは、複数のセグメント部分を有することができる。他の特定の実現では、供給部材を、製品仕向け部材上に製品を送り届けるように構成することができる。供給部材は、製品仕向け部材上に製品を送り届けるための1つ以上の開口を含むことができる。供給部材は可動にすることもできる。
【0010】
特定の実現では、ベース部材は、略円形にすることができ、かつ/あるいは、複数の面を含むことができる。他の特定の実現では、各ゲート部材は、他のゲート部材の位置とは無関係に独立して、開位置と閉位置との間を動くことができる。ベース部材が略円形である場合は、ゲート部材は、ベース部材の曲率に概ね一致する曲率を有することができる。
【0011】
特定の実現では、上記複数のコンベヤを、製品をベース部材から下流の包装ステーションへ搬送するように構成されたリニアコンベヤとすることができる。各リニアコンベヤは、ゲート部材に隣接させて、車輪のスポークのようにベース部材に対して概ね放射状に配向させることができる。ゲート部材はベース部材に結合することができ、あるいはベース部材から分離することができる。一部の実現では、ベース部材を半径方向外向きに傾斜させて、製品のゲート部材への移動を促進することができる。
【0012】
他の好適例では、製品を分配する方法が提供される。この方法は、製品を受けるための略円形のベース部材、複数のリニアコンベア、及びベース部材とリニアコンベアとの間に配置した複数のゲート部材を用意するステップを含むことができる。製品はベース部材上に送り届けられ、ベース部材が振動して、製品を、ベース部材の周りを略円形に移動させる。1つ以上のゲート部材を開いて、製品をベース部材から1つ以上のリニアコンベヤへ移動可能にすることができる。
【0013】
特定の実現では、製品をベース部材上に送り届ける動作は、供給部材に1つ以上の開口を設けて、製品を、これら1つ以上の開口を通してベース部材上に落下させることを含むことができる。他の実現では、製品をベース部材上に送り届ける動作は、略円錐形の製品仕向け部材を用意すること、及びこの製品仕向け部材上に製品を落下させることを含むことができる。他の特定の実現では、上記方法は、上記リニアコンベヤのうち1つ以上を振動させて、製品をベース部材から下流の包装ステーションへ搬送するステップをさらに含むことができる。
【0014】
本明細書に開示する好適例の、以上及び他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明より一層明らかになり、この説明は図面を参照しながら進める。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】製品を1つ以上のコンベヤに分配する分配システムの上面斜視図である。
【図2】図1の分配システムの側面斜視図である。
【図3】図1の分配システムの他の側面斜視図である。
【図4】振動機構を有する分配システムの概略側面図である。
【図5】製品を1つ以上のコンベヤに分配する分配システムの上面図である。
【図6】ベース部材及びゲート部材の概略側断面図である。
【図7】ベース部材及びゲート部材の概略側断面図である。
【図8】ベース部材及びゲート部材の概略側断面図であり、製品をベース部材上に保持する。
【図9】振動機構を有する分配システムの概略底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明は実際上の好適例であり、決して、本発明の範囲、適用性、または構成を限定しようとするものではない。説明する実施例に対する種々の変更を、本明細書に記載の要素の機能及び構成において、本発明の範囲を逸脱することなしに行うことができる。
【0017】
本願及び特許請求の範囲では、明示的な断りのない限り、各要素は複数存在し得る。これに加えて、「含む」は「具える」を意味する。さらに、「結合された」、及び「関連する」は一般に、電気的、電磁的、及び/または物理的(例えば、機械的または化学的)に結合または連結されていることを意味し、特に断りのない限り、結合された、あるいは関連するアイテム間の中間要素の存在を排除するものではない。
【0018】
説明の都合上、開示する方法の好適な実施例の動作を特定順序で説明するが、開示する実施例は、開示する特定順序以外の動作順序を包含することができることは明らかである。例えば、順に説明する動作は、一部の場合では、再配列するか、同時に実行することができる。さらに、1つの特定実施例に関連して提供する説明及び開示は、この実施例に限定されず、開示するあらゆる実施例に適用することができる。
【0019】
さらに、簡単のため、図面は、開示するシステム、方法、及び装置を、他のシステム、方法、及び装置と組み合わせて用いることのできる(本明細書の開示を基に、当業者に容易に認知される)種々の方法は示していないことがある。これに加えて、説明は時として、開示する方法を記述するために、「製造する」、「用意する」といった語を用いる。これらの語は、実行することのできる実際動作の高度な抽象化である。これらの語に対応する実際動作は、特定の実現に応じて変わり得るし、本明細書の開示を基に、当業者に容易に認知される。
【0020】
以下に説明するような分配システムは必然的に、製品を1つの位置から、処理のための他の位置に移動させる。効率を増加させるためには、製品を複数の処理ステーションに同時に送ることのできる分配システムを有することが望まれる。個別の処理ステーションは時として停止させるか、さもなければ一時的に動作不能にしなければならないので、製品を1つの処理ステーションから他の処理ステーションへ仕向けることによって、こうした処理上の必要性に動的に応答することのできる分配システムを有することも望まれる。本明細書で説明する放射状分配システムは、製品を複数の処理ステーションまたはコンベヤに同時に仕向けることを可能にし、そして所望すれば、製品を蓄積し、かつ/あるいは、動作していない処理ステーションから製品を再度仕向けることができる。
【0021】
図1に、ベース部材110を有する放射状分配システム100を例示する。ベース部材110は、例えば、下流の処理(例えば包装)ステーションに分配する製品を受けるように構成された略円形のベッドまたはベーシン(盆)とすることができる。ベース部材110は側壁120を含むことができ、側壁120はベース部材110をほとんど包囲して、ベース部材110内に製品を蓄積することを可能にする。この分配システム内に受け、この分配システムによって分配することのできる製品は、本明細書で説明する方法での分配に適した、ほとんどあらゆる製品とすることができる。例えば、この製品は、冷凍食品のフレンチフライのような市販の商品とすることができる。
【0022】
供給部材130は、製品をベース部材110内に供給するように構成することができる。図1に示すように、供給部材130は、ベース部材110の中心領域または一部分の上に配置することができる。製品は供給部材130に送り届けることができ、供給部材130は製品をベース部材110に送り届ける。供給部材130の構造は変えることができる。例えば、供給部材130は、ベース部材110上に配置された開口150を有する静止アーム140とすることができる。製品は静止アーム140を下るように移動して、製品は開口150を通ってベース部材110上に落下する。その代わりに、供給部材130を可動にして、開口150の位置が変化し得るようにして、製品がベース部材110の異なる領域に送り届けられることを可能にすることができる。アーム140上の開口150の数及び位置も変化させることができる。従って、アーム140は、製品を、ベース部材110の異なる領域上に落下させる複数の開口を含むことができる。このようにして、製品をベース部材110の表面上にほぼ均等に分配することができる。もちろん、所望すれば、製品をベース部材110の表面上に不均等に分配することもできる。一例では、供給部材130は振動(シェーカー)コンベヤとすることができる。
【0023】
製品仕向け部材160は、ベース部材110上またはその上方に配置することができる。製品仕向け部材160は、図1に示すように略円錐形である。製品仕向け部材160は、いくつかの機能を果たすことができる。製品仕向け部材160は、製品をベース部材110上にほぼ均等に分配するのに役立つことができ、そして、製品が上方の供給部材130からベース部材110に落下する際に、製品の破損または損傷を低減するのに役立つことができる。供給部材130から製品仕向け部材160までの落下高さは比較的小さくすることができ、この高さが破損を低減することができる。これに加えて、製品仕向け部材160上への着地後に、製品は、製品仕向け部材160の表面を緩やかに下るように、ベース部材110の表面上に案内されることができる。
【0024】
製品仕向け部材160は種々の形状に形成することができる。例えば、製品仕向け部材160は完全に丸くすることができ、あるいは、図1〜3及び5に示すようにセグメント化することができる。図3及び5に最良に示すように、所望すれば、製品仕向け部材160は、製品をベース部材110の1つ以上の領域に仕向ける複数のセグメント165を有することができる。これらのセグメント165は、均一な形状にして、製品仕向け部材160の周りに均等に分布させることができる。その代わりに、これらのセグメントを不均一な形状、大きさ、及び/または位置にして、ベース部材110上への製品の不均等な分配を行うことができる。製品仕向け部材160は、その中心領域に供給されるか落下する製品を放射状に分配して分散させ、重力の助けを借りて、製品を制御された動きで下降させる。製品仕向け部材160は、製品がベース部材110に向けて滑り落ちてここで受け止められることを可能にする、比較的緩やかな傾斜を有することが好ましい。
【0025】
製品仕向け部材160は、単一の一体構造に形成することもでき、あるいは、複数の別個の部材を具えることができる。例えば、図2に示すように、製品仕向け部材160は、下(主要)部166及び上部168を具えることができる。上部168は、下部166と同じ概略形状を有することができ、あるいは、図2に示すように異なる形状を有することができる。2部分の製品仕向け部材160の利点は、分類すべき特定製品に応じて異なる上部を用いることができる、ということであり得る。従って、フレンチフライを分配中であるとすれば、最初(同じ概略形状)の上部を用いることができるが、丸ごとのジャガイモを分配中であるとすれば、異なる上部を用いることができる。このようにして、単一の機械を容易に用いて、製品仕向け部材または製品仕向け部材の一部分を切り換えることによって、異なる大きさ及び/または形状の製品を分配することができる。
【0026】
高所の供給部材130から下にあるベース部材110への円滑で制御された遷移を提供するために、上部168に、下部166とは異なる下向き傾斜を設けることができる。一例では、上部168が下部166より急峻な傾斜を有して、製品が下にある面上に落下する際、あるいは移動中の製品が急に向きを変える際に発生し得る破損を軽減することができる。上部168は、自由落下する製品を、衝撃を低減するように転向させて、落下する製品に(下向きの垂直方向成分と共に)水平方向成分を与える。下部166は、そのより浅い傾斜により、垂直方向成分をさらに低減して、製品がベース部材110によって受け止められる際に、製品の垂直進行速度を低下させる。
【0027】
放射状に離間した複数のゲート部材170を、ベース部材110の周りに配置することができる。ゲート部材170は開口して、製品がベース部材110(及び/または側壁120)内の開口を通過して、各ゲート部材170と位置合わせしたコンベヤ180上に落下することを可能にする。
【0028】
製品の流れは、基本的に直線状の水平の流れから分散して、製品が放射状に外向きに分散し下降する流れに変化して、好適には製品の落下を2つ以上の漸進的増分の段階で制御することによって、複数の出口ゲート部材170に供給され、これらの段階において、製品が、ゲート部材と向きを合わせた水平面に接近する角度が、段階毎に浅くなる。
【0029】
図4に示す好適な実施例では、回転電気装置を用いて、ベース部材110を円形に振動させることができる。この実施例では、1つ以上の回転電気装置190をフレーム195に取り付けることができ、フレーム195は、バネ205を介してベース部材110に取り付けまたは接続することができる。回転電気装置190の起動時に、フレーム195は、バネ205を共振させて、ベース部材110を円形に振動させるように駆動される。この円形振動の動きは、ベース部材110上に受けている製品を、ベース部材110の周りを円形の動きで移動させる。
【0030】
ベース部材110の振動は、製品を分配点(例えば開いたゲート)に移動させながら、ベース部材110上に均等に分配し続けることに役立つ。従って、図4に示すように、ベース部材110上に受けている製品は、露出したゲート開口175を有するゲート部材170に遭遇するまで、ベース部材110の周りを円形に移動することができる。一旦、製品が開いたゲート部材170に達すると、製品はベース部材110を出て、ゲート開口175を通って、これに隣接するコンベヤ180上に移動する(図1参照)。コンベヤ180は、リニア振動(または、いわゆる「シェーカー」)コンベヤを含む、既知のあらゆる搬送機構とすることができる。代案バージョンでは、ベース部材自体を回転させて、製品をゲート部材に向けて円形の動きで移動させることができる。さらに他の代案バージョンでは、製品をベース部材上で、例えば、回転アームを用いて製品を円形の動きで掃き出すことによって、無振動の手段を通して移動させることができる。
【0031】
従って、動作中には、製品を製品仕向け部材160(例えば円錐)上に配置することができ、そこから製品がベース部材110上に滑り落ちる。ベース部材110は角度または傾斜を付けて、製品がゲート部材170の開口175に向かう動きを促進することができる。これに加えて、ベース部材110の、下向きの角度または傾斜を付けたフロアは、上向きに傾斜したフロア部分で終端して環状の溝を形成して、製品の円形の流れを促進する傾斜した側壁を提供することが好ましい。ゲート部材170の各々は、別個に(個別に)開閉することができる。従って、下流の処理ステーションのうち1つに問題がある場合には、この処理ステーションに至る製品の流れを制御する対応するゲートを閉じて、さらなる製品がこのステーションに仕向けられることを防止することができる。ベース部材110は、製品を、ベース部材110の周りを円形に移動させるように構成されているので、1つ以上のゲート部材170が閉じることは分配動作に大きく悪影響しない、というのは、製品は単に次の開いたゲート部材に向けられるだけであるからである。さらに、すべてのゲート部材170が一度に閉じている(か、さもなければ、ベース部材上に供給される製品の量に追い付くのに十分な、開いたゲート部材が存在しない)場合には、1つ以上のゲート部材が開口/再開口してベース部材110からの製品の分配が可能になるまで、ベース部材110上に供給される製品を、ベース部材110のベーシン(盆)上に蓄積することができる。
【0032】
種々の構成を用いて、ゲート部材170を開閉することができる。例えば、各ゲート部材170をゲート・エアシリンダ200に装着及び/または結合することができ、ゲート・エアシリンダ200は、ゲート部材170を下向きに動かしてゲート開口175を露出させるように構成されている。その代わりに、ゲート部材170を他の向き(例えば、上向きまたは横向き)にスライドさせて開くことができ、かつ/あるいは、ヒンジ部材を中心として旋回させることによる方法のような他の方法で、開位置と閉位置との間を移動するように構成することができる。
【0033】
ゲート部材どうしは独立して開閉することができるので、任意時刻に、1つ以上のゲート部材を開位置にすると共に、他のゲート部材を閉位置にすることができる。これに加えて、ゲート部材を部分的に開いた位置で動作可能にすることが望ましいことがある。ゲート部材の位置(開位置、閉位置、または部分的に開いた位置)は、分類プロセス中に(即ち、ベース部材からの製品を分類している間に)動的に変化させることができる。
【0034】
特定実施例では、ゲート部材を部分的に開いて、ゲート開口を通過させるべき製品(例えば、特定の大きさ及び/または形状の製品)のサンプリングを可能にすることができる。いわゆる「部分的に開いた」ゲート部材は、当該ゲート部材中に1つ以上の開口を有するように構成されたゲート部材を含んで、他の開口が「閉位置」である際に製品が当該ゲート部材を通過可能にすることもできる。従って、ゲート開口を露出させるために特定位置に移動可能なゲート部材である代わりに、こうしたゲート部材は、ゲート部材自体に1つ以上の開口を有する。こうした開口は、製品を等級付けするか、さもなければ分類するために使用することができる。例えば、これらの開口は、特定の特性を有する製品のみが当該開口を通過可能な大きさにすることができる。従って、例えば、こうしたゲート部材を用いて、比較的大きい寸法のフレンチフライの分配に関係する分類処理から、比較的小さい寸法のフレンチフライを「取り除く」ことができる。
【0035】
図面が寸法仕様を(インチ単位で)識別する範囲内では、これらの寸法は例示に過ぎない。なお、これらの寸法仕様は、分配する製品に応じて変化させることができる。実際に、装置の最適な寸法仕様は、単一製品(例えばフレンチフライ)型についても、ジャガイモの自然変動、及びフレンチフライの異なる大きさ及びカット(裁断)についての商売上の好みを考慮すれば、大幅に変動し得る。例えば、図6に、分配システム100が、ベース部材110の内壁と外壁との間に約24インチの距離を有し、ベース部材110の下部から側壁120の最上部までの高さ約8インチを有する実施例を例示する。
【0036】
図7は図6と同様であるが、ゲート部材170が側壁120のさらに上の方まで延びる。ゲート部材170の位置及び大きさは、分類する製品に応じて変化させることができる。これに加えて、分配中の製品(の大きさ及び/または形状)が不均一であり、分類の目的が、製品のランダムな分配を提供することにある場合には、ゲート部材170は、ベース部材110からの製品を、様々な製品の深さで捉えるのに十分な大きさであることが好ましい。例えば、フレンチフライは種々の大きさ/長さで到来し得るし、大きさ及び形状のランダム分布を得て各コンベヤに発送することが好ましい。しかし、ベース部材110の振動は、比較的小さい部分を、大量に蓄積された製品の底部に移動させがちである。従って、長期的には、ベース部材110の振動は、比較的小さいフレンチフライを積み重なりの底部に移動させる。従って、開口は、底部からだけでなく、階層の種々のレベルから製品を捉えるように構成されていることが好ましい。例えば図8を参照すれば、製品210(例えばフレンチフライ)のいくつかの層(レベル)が一度に、ゲート部材170の閉じたゲートに隣接することができることがわかる。従って、ゲート部材170が開いている場合には、製品の積み重なりの底部にある製品と、より高い所にある製品とが同時に、ゲート開口に入ることができ、各コンベヤに送り届けられる製品のほぼランダムな分布が提供される。
【0037】
図4、7及び8を参照すれば、ゲート部材への製品分配を促進するために、ベース部材110の主フロア部分を、水平面に対して傾斜させることができる。上述したように、この傾斜は、製品仕向け部材160の傾斜よりも緩やかであるか「浅い」ことが好ましい。これに加えて、所望すれば、ベース部材110のフロアは、1つ以上の傾斜の変化を有することができる。例えば、好適例では、ベース部材110のフロアの縁(リップ)部185は、ゲート部材及び外壁に隣接させて配置することができ、そしてベース部材110の残りの部分の傾斜よりも大きい傾斜を有することができる。従って、例えば、ベース部材は概ね、約20度より小さい傾斜を有することができるが、縁部は20度より大きい傾斜を有することができ、あるいは、水平面に対して約20〜40度の傾斜を有することがより好ましい。こうした傾斜は、製品がより効率的に、ベース部材から、周辺に配列された1つ以上のゲート部材を通って移動することを可能にする。
【0038】
所望すれば、上記分配システムは、製品を、その大きさ、形状、及び/または製品を選択的に分類するのに役立つ他の物理特性に基づいて分類及び/または等級付けするように構成することもできる。従って、例えば、ベース部材内に含まれる製品の比較的小さいサンプルを得ることが望ましい場合には、ゲート部材は、製品が側壁の下部から取り出されるように構成することができる。上述したように、振動中には、比較的小さい大きさのサンプルが、蓄積された製品の底部に移動しやすく、従って、ゲート部材を、蓄積された製品の底部のより近くに配置することによって、(少なくとも、比較的小さい大きさの製品の供給がベース部材から尽きるまでは、)製品の比較的小さい大きさのサンプルを、蓄積された製品から選択することができる。その代わりに、単一の分配システム内で、ゲート部材の大きさ及び/または形状を変化させることができる。こうして、特定のサイズ/形状の製品のみが、各ゲート部材に関連する開口を通過することができ、これにより、製品を他の処理ステーションに分配しながら、製品をその大きさ/形状によって分類することができる。
【0039】
図9に、上述した円形振動が可能であるベース部材110の他の具体例を例示する。ベース部材110は略円形であり、12の側面(面)、及びベース部材110の周りに放射状に離間した6つのゲート開口175を有する。各ゲート開口175は、各面の幅より幾分小さい幅を有することができる。この具体例では、各ゲート及び各開口は、当該ゲート及び開口に関連する側面(面)のようにほぼ平坦である。代案の具体例では、ベース部材110の側面を(円または長円のように)連続した曲面とすることができ、各ゲートは、側面の曲率に概ね一致する弓型の形状を有することができる。
【0040】
本明細書で説明するシステムにより分配される製品は、分配システム100に達する前に種々の方法で処理することができる。例えば、コンベヤ180の上流で、事前分配処理を行うことができる。こうした上流の処理ステーションは、フレンチフライの場合は、裁断及び/または冷凍ステーションのような食品加工ステーション、及び種々の搬送機構を含むことができる。上流の処理ステーションを出た後に、製品を放射状分配システム100に送り届けて、計量及び包装ステーションのような1つ以上の下流の処理ステーション(図示せず)に分配することができる。
【0041】
本発明のシステムの1つの応用では、(丸ごとのジャガイモ、あるいは未調理/冷凍のフレンチフライのような)生の製品を分配システム100に送り届け、そして、本明細書で説明するように放射状に分配した後に、下流の処理ステーションでさらに処理することができる。これらのさらなる処理ステーションは、例えばフレンチフライの場合は、裁断機、フライ(揚げ)機、冷凍機、及び/または包装機を含むことができる。
【0042】
上述したように、従来のリニア分配システム(いわゆる「ラン・アラウンド(走り回る)」システム)では、開いたゲートに入らずにリニアコンベヤの終端に達した製品は、この製品の搬送方向を変えてリニアコンベヤの先頭に戻すためのいくつかのリニアコンベヤ上に落下する。これとは対照的に、本明細書で説明する放射状分配システム内に製品が供給されると、製品は、開いたゲートを通ってベース部材から出るまで蓄積される。従って、本明細書で説明する放射状分配システムは、製品を分配のために再循環させるための複雑で非常に長いラン・アラウンドシステムを必要としない。すべてのゲートを閉じることによって、製品を限られた期間(製品の流れの速度、及びベース部材の大きさに応じて、例えば2、3分間)だけ意図的に蓄積するか、あるいは、製品の流入速度が製品の流出速度を超えるのに十分な数のゲートを閉じることによって、ある程度蓄積することができる。このことはいくつかの利点を有する。本明細書で説明する放射状分配システムは、「ラン・アラウンド」システムが製品を再循環させるために必要とする複数回の落下を解消する。落下点の数を最小化することによって、分配中の製品の損傷が低減される。また、この放射状分配システムは、比較的小型のシステムであるので、「定置洗浄(CIP:clean-in-place)」技術を用いて、より容易に洗浄することができる。
【0043】
以上の実施例は、放射状分配システムを用いて、製品をコンベヤに沿って包装ステーションに送ることを記載しているが、この分配システムを用いて、製品を他種の下流の処理ステーションに送ることができることは明らかである。従って、この分配システムを用いて、あらゆる種類の製品を、あらゆる有用な目的で、下流の処理ステーションに分配することができる。例えば、このシステムを用いて、丸ごとのジャガイモを下流の裁断ステーションに分配することができる。
【0044】
開示した発明の原理を応用することのできる多数の可能な実施例を考慮すれば、例示した実施例は本発明の好適な例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでないことは明らかである。むしろ、本発明の範囲は、以下の請求項によって規定される。従って、これらの請求項の範囲内に入るすべてのものを、本発明として特許請求する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を蓄積して分配する放射状分配システムにおいて、
ベース部材及び側壁を具え、前記製品を受けて複数のコンベヤに分配するためのベーシンであって、前記側壁は、前記製品を前記ベーシン内に蓄積することを可能にするベーシンと;
前記ベース部材の周りに放射状に離間し、開状態と閉状態との間を移動するように構成された複数のゲート部材であって、前記開状態は、前記蓄積された製品を前記ベース部材から分配することを可能にするゲート部材と;
前記ベース部材を振動させ、これにより、前記部材上に受けている前記製品が、前記ベース部材の周りを略円形に移動するように構成された振動部材と
を具えていることを特徴とする放射状分配システム。
【請求項2】
製品仕向け部材をさらに具え、前記製品仕向け部材は、前記製品を前記ベース部材の上方から受けて、前記製品を前記ベース部材上に仕向けるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記製品仕向け部材が略円錐形であることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記製品仕向け部材が複数のセグメント部分を有することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記製品を前記製品仕向け部材上に送り届けるように構成された供給部材を、さらに具えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記供給部材が、前記製品を前記製品仕向け部材上に送り届けるための1つの開口を具えていることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記供給部材が、前記製品を前記製品仕向け部材上に送り届けるための2つ以上の開口を具えていることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記供給部材が可動であることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記ベース部材が略円形であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ベース部材が複数の面を具えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ゲート部材の各々が、他の前記ゲート部材の位置とは無関係に独立して、前記開位置と前記閉位置との間を動くことができることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数のコンベヤが、前記製品を前記ベース部材から下流の包装ステーションへ搬送するように構成されたリニアコンベヤであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記ゲート部材が、前記ベース部材に結合されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記ベース部材が、半径方向外向きに傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記製品がジャガイモを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記製品がフレンチフライを含むことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
製品を分配する方法において、
ベース部材及び側壁を具え、前記製品を受けて蓄積する略円形のベーシンと、複数のリニアコンベヤと、前記ベース部材と前記リニアコンベヤとの間に配置された複数のゲート部材とを用意するステップと;
前記製品を前記ベース部材上に送り届けるステップと;
前記製品を前記ベーシン内に蓄積するステップと;
前記ベース部材を振動させて、前記製品を、前記ベース部材の周りを略円形に移動させるステップと;
1つ以上の前記ゲート部材を開口させて、前記ベーシン上に蓄積されている前記製品が、前記ベース部材から1つ以上の前記リニアコンベヤへ移動することを可能にするステップと
を含むことを特徴とする製品分配方法。
【請求項18】
前記製品を前記ベース部材上に送り届けるステップが、
前記製品を、前記1つ以上の開口を通過させて、前記部材上に落下させることを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記製品を前記ベース部材上に送り届けるステップが、
略円錐形の製品仕向け部材を用意することと;
前記製品を前記製品仕向け部材上に落下させることと
を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記リニアコンベヤのうち1つ以上を振動させて、前記製品を前記ベース部材から下流の包装ステーションへ搬送するステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
製品を分配する放射状分配システムにおいて、
前記製品を受けて、複数のコンベヤに分配するためのベース部材と;
前記ベース部材の周りに放射状に離間し、開状態と閉状態との間を移動するように構成された複数の静止ゲート部材と;
前記製品を、略円形の動きで前記ゲート部材に向けて移動させるための前進部材と
を具えていることを特徴とする放射状分配システム。
【請求項22】
前記ベース部材が相対的に静止したままであり、前記前進部材が前記ベース部材に対して、前記ゲート部材に向けて移動することを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記前進部材が前記ベース部材を、中心軸の周りに回転させて、前記製品を前記ベース部材と共に前記ゲート部材に向けて移動させることを特徴とする請求項21に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−532817(P2012−532817A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519783(P2012−519783)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/041591
【国際公開番号】WO2011/006115
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(510216094)コンアグラ フーヅ ラム ウェストン インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Conagra Foods Lamb Weston, Inc.
【Fターム(参考)】